扉開閉状態検出装置
【課題】 接点部への異物侵入や錆の発生を防止して接点不良を確実に防止できる扉ロック状態検出装置を提供する。
【解決手段】 鉤部(ロック爪)20をケース(壁側の部材)3に係止させるように扉の閉動作に連動して移動して扉をロックする施錠レバー(移動部材)2と、施錠レバー2の先端部が係合し得る貫通孔(係合部)60を有し、施錠レバー2による扉ロック時に貫通孔60を介して施錠レバー2により下方に移動するように、壁側に設けられたガイド部材5の内部を昇降可能なピストン6と、ガイド部材5の筒状部の内部において扉ロック時にピストン6の下端の作用により短絡するように設けられた、扉ロック状態を検知してモニタするための扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aとから扉ロック装置1を構成する。
【解決手段】 鉤部(ロック爪)20をケース(壁側の部材)3に係止させるように扉の閉動作に連動して移動して扉をロックする施錠レバー(移動部材)2と、施錠レバー2の先端部が係合し得る貫通孔(係合部)60を有し、施錠レバー2による扉ロック時に貫通孔60を介して施錠レバー2により下方に移動するように、壁側に設けられたガイド部材5の内部を昇降可能なピストン6と、ガイド部材5の筒状部の内部において扉ロック時にピストン6の下端の作用により短絡するように設けられた、扉ロック状態を検知してモニタするための扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aとから扉ロック装置1を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉開閉状態検出装置、とくに扉ロック状態検出装置に関し、詳細には、接点部への異物侵入や錆の発生を防止して接点不良を防止するための構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の扉ロック状態検出装置として、例えば実公平1−36866号公報に示すようなエレベータ用ドア装置は、乗り場の扉(外側扉)において、エレベータのかご扉(内側扉)の閉動作に連動して移動する係合板の作用により回動可能に設けられ、ドアロック用の鉤を有するとともに、ドアロックが完了したことを検出する短絡接点としての突子を先端に有する作動体(施錠レバー)と、乗り場の壁側に設けられ、作動体の鉤が係止し得る被係止部を有するとともに、ドアロック時に作動体の突子が接触する接点を有するケースとを備えている。
【0003】
この場合には、エレベータのかご扉が閉じようとすると、かご扉の閉動作に連動して移動する係合板の作用によって作動体が回動することにより、作動体の鉤が壁側のケースの被係止部に係止して、ドアロックが行なわれる。また、このドアロック時には、作動体先端の突子がケース内の接点に接触して短絡し、これにより、ドアロックが完了したことが検出される。
【特許文献1】実公平1−36866号公報(第1図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構造では、作動体先端の突子(接点)がむき出しの状態にあり、またケース内の接点についても、ケースに形成された開口を通してケース外側の空間に通じた状態にある。このため、これらの接点にエレベータ昇降路内の塵埃や虫等の異物が付着しやすく、また接点が空気中にさらされていることで接点に錆が発生しやすい。このように従来装置においては、接点への異物の付着や錆の発生によって接点不良が発生しやすいという問題がある。
【0005】
こうした接点不良は、とくにエレベータ用ドアロック装置においては、重大な事故につながる。例えば、扉が開いているにもかかわらず、接点不良により扉が閉じていると判断されて、かごが昇降を開始することで、人身事故を引き起こす場合がある。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、接点部への異物侵入や錆の発生を防止して接点不良を確実に防止できる扉開閉状態検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る扉開閉状態検出装置は、第1の扉の側に設けられ、第1の扉の開閉動作に連動して移動する移動部材と、第1の扉とともに開閉する第2の扉の側に設けられ、または壁側の部材に設けられ、移動部材が係合し得る係合部を有し、係合部を介して移動部材により駆動される往復動可能なピストンと、ピストンの一方の端面をスライド自在に支持する筒状部を有し、ピストンの移動をガイドするガイド部材と、ガイド部材の筒状部の内部において扉閉塞時にピストンの一方の端面側の作用により短絡するように設けられた、扉開閉状態を検知してモニタするための第1の扉開閉状態モニタ用接点とを備えている。
【0008】
請求項1の発明によれば、扉の閉塞時には、移動部材が第1の扉の閉動作に連動して移動してピストンの係合部に係合し、係合部を介して移動部材によりピストンが駆動されてガイド部材の内部を往復動する。すると、ピストンの一方の端面側の作用により、ガイド部材の筒状部の内部において、第1の扉開閉状態モニタ用接点が短絡する。これにより、扉開閉状態が検知されてモニタされることになる。
【0009】
この場合には、第1の扉開閉状態モニタ用接点が、往復動可能なピストンの一方の端面をスライド自在に支持する筒状部の内部に設けられており、このため、接点はむき出しの状態にはなく、また外側空間にさらされた状態にもおかれていない。これにより、接点に塵埃や虫等の異物が付着したり、また接点に錆が発生したりするのを確実に防止でき、その結果、接点不良を確実に防止できる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1において、移動部材が、第1の扉を第2の扉または壁側の部材にロックするためのロック爪を有し、第2の扉または壁側の部材が、ロック爪が係止する被係止部を有しており、第1の扉開閉状態モニタ用接点が、第1の扉のロック時に扉ロック状態をも検知してモニタしている。
【0011】
この場合には、第1の扉開閉状態モニタ用接点により、第1の扉のロック状態が検知されてモニタされるので、当該接点を扉ロック状態モニタ用接点として用いることができる。
【0012】
請求項3の発明では、請求項1において、ピストンがガイド部材の内部で第1の扉開閉状態モニタ用接点に向かって移動するのを規制してピストンをガイド部材の内部の所定位置で保持するように、ピストンに係合可能に設けられたピストン移動規制部材をさらに備えている。ピストン移動規制部材は、移動部材がピストンの係合部に係合したときに、移動部材に当接してピストンとの係合可能状態を解除される位置に配置されるとともに、移動部材がピストンの係合部に係合していないときに、ピストンとの係合可能状態が維持される位置に配置されている。
【0013】
この場合には、移動部材がピストンの係合部に係合していないとき、ピストン移動規制部材は、ピストンとの係合可能状態を維持される位置に配置されている。これにより、もしピストンがガイド部材の内部で第1の扉開閉状態モニタ用接点に向かって移動しようとしても、ピストン移動規制部材がピストンに係合するので、ピストンをガイド部材の内部の所定位置に保持することができ、その結果、ガイド部材内部の第1の扉開閉状態モニタ用接点が、扉閉塞時以外のときにピストン下端の作用で不用意に短絡するのを防止できる。
【0014】
また、移動部材がピストンの係合部に係合しているとき、移動部材はピストン移動規制部材に当接して、ピストン移動規制部材をピストンとの係合可能状態を解除される位置に配置している。この場合には、もしピストンがガイド部材の内部で第1の扉開閉状態モニタ用接点に向かって移動しようとしても、移動部材がピストンの係合部に係合しているので、ピストンの移動を規制でき、これにより、第1の扉開閉状態モニタ用接点が、扉閉塞時以外のときにピストン下端の作用で不用意に短絡するのを同様に防止できる。
【0015】
請求項4の発明では、請求項1において、移動部材がピストンの係合部に係合したことを検知することにより、扉閉塞状態を検知してモニタするための第2の扉開閉状態モニタ用接点が設けられている。
【0016】
この場合には、第2の扉開閉状態モニタ用接点が扉閉塞状態を検知してモニタするので、第1の扉開閉状態モニタ用接点による扉閉塞状態の検知・モニタと相俟って、扉開閉状態検出装置の安全性をさらに向上できる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項3において、移動部材がピストンの係合部に係合したことをピストン移動規制部材を介して検知することにより、扉閉塞状態を検知してモニタするための第2の扉開閉状態モニタ用接点が設けられている。
【0018】
この場合には、移動部材がピストンの係合部に係合したとき、移動部材がピストン移動規制部材に当接して、ピストン移動規制部材をピストンとの係合可能状態を解除される位置に配置し、このとき、第2の扉開閉状態モニタ用接点が移動部材のピストン係合部への係合をピストン移動規制部材を介して検知する。これにより、第2の扉開閉状態モニタ用接点が扉閉塞状態を検知してモニタするので、第1の扉開閉状態モニタ用接点による扉閉塞状態の検知・モニタと相俟って、扉開閉状態検出装置の安全性をさらに向上できる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明に係る扉開閉状態検出装置によれば、扉の閉塞時には、移動部材がピストンの係合部に係合し、係合部を介して移動部材によりピストンがガイド部材の内部で往復動して、第1の扉開閉状態モニタ用接点を短絡させることにより、扉開閉状態が検知されてモニタされる。
【0020】
この場合には、第1の扉開閉状態モニタ用接点が、昇降可能なピストンが設けられたガイド部材の筒状部の内部に設けられており、接点はむき出しの状態にはなく、外側空間にさらされた状態にもおかれていない。このため、接点に塵埃や虫等の異物が付着したり、また接点に錆が発生したりするのを確実に防止でき、接点不良を確実に防止できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
〔第1の実施例〕
図1ないし図7は、本発明の第1の実施例によるエレベータ用扉ロック状態検出装置を説明するための図であって、図1ないし図5は扉ロック状態検出装置を正面側から見た構成を示すとともに、その扉ロック動作を扉開放状態から順に時系列的に示す図、図6はピストンの復帰バネが破損した状態を示す図、図7はピストン落下防止部材の付勢バネが破損した状態を示す図である。
【0022】
図1ないし図5に示すように、このエレベータ用扉ロック状態検出装置1は、乗り場の扉(または第1の外側扉)に設けられ、鉤部(ロック爪)20を有する略L字状の施錠レバー(移動部材)2と、乗り場の壁側の部材(または第2の外側扉)に固定され、鉤部20が係止することにより扉を壁側にロックする(または第1、第2の外側扉をロックする)ための被係止部30を有するケース3とを備えている。
【0023】
施錠レバー2には、駆動ローラ21および従動ローラ22が設けられている。駆動ローラ21は、支軸21Aの回転中心O1の周りに回転自在になっており、同様に、従動ローラ22は、支軸22Aの回転中心O2の周りに回転自在になっている。また、施錠レバー2の先端には、ローラ24が支軸25を介して回転自在に設けられている。施錠レバー2の背面側には、図5に示すように、支持プレート4が設けられている(図1ないし図4では省略)。支持プレート4は、取付ボルト40により外側扉に固定されている。ローラ22の支軸22Aは、施錠レバー2に固定されている。ローラ21の支軸21Aは、施錠レバー2を挿通して支持プレート4まで延びており、その延長端部は支持プレート4に固定されている。この構成により、施錠レバー2は、支持プレート4に対してローラ21の支軸中心O1の周りに回動(旋回)自在に設けられている(図5中の二点鎖線参照)。
【0024】
支持プレート4の一端には、図5紙面手前側に立ち上がる立壁部41が形成されている。一方、施錠レバー2の一端には、支持プレート4の立壁部41と対向する位置において、図5紙面手前側に立ち上がる立壁部23が形成されている。各立壁部23、41にはネジ42が挿通しており、相対する各立壁部23、41の外側からネジ42に螺合するナット43、44により、各立壁部23、41の間隔が一定に保たれている。相対する各立壁部23、41の内側においてネジ42の周りには、圧縮バネ45が装着されている。圧縮バネ45の各端部は、各立壁部23、41の側面にそれぞれ圧接している。
【0025】
また、エレベータのかご扉(内側扉)には、一定間隔を隔てて対向配置された係合板10、11が設けられており、各係合板10、11は、内側扉の開閉動作に連動して左右方向に移動するようになっている。エレベータが各階に停止しているとき、扉の開閉状態の如何に係わらず、外側扉の各ローラ21、22は、内側扉の各係合板10、11の間に配置されている。これにより、施錠レバー2は、内側扉の開閉動作の際には、係合板10、11およびローラ21、22の係合状態を介して、内側扉の開閉動作に連動して移動するようになっており、これにより、外側扉が内側扉の開閉動作に連動して開閉するようになっている。
【0026】
ケース3内には、実質的に上下方向(この例では、施錠レバー側に向かって斜め上方)に延びるガイド部材5が設けられている。ガイド部材5の側面の一部には、施錠レバー2の先端部の挿入を許容する開口部50が貫通形成されている。ガイド部材5の中空内部には、中実のピストン6が昇降自在に設けられている。ピストン6には、ガイド部材5の開口部50と相対する横方向(つまり軸線方向と直交する方向)の貫通孔60が形成されている。貫通孔60は、施錠レバー2の先端部が係合し得る係合部として機能している。ガイド部材5は、ピストン6の下方において、ピストン6を上方に付勢する復帰バネ61が配設された筒状部を有している。
【0027】
ピストン6の下端には、接点6Aが取り付けられている。また、ガイド部材5の下部に形成された筒状部の底部には、接点5Aが取り付けられている。これらの接点5A、6Aにより、外側扉のロック状態を検知してモニタするための扉ロック状態モニタ用接点が構成されている。扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aは、外側扉のロック時にピストン下端の作用で、つまり接点6Aが下方に移動することで短絡するようになっている。
【0028】
ガイド部材5の側面において、開口部50と対向する位置には、空所51aを有する張出部51が一体に設けられている。空所51a内には、復帰バネ61の破損時にピストン6がガイド部材5の内部で落下するのを防止することにより、ピストン6をガイド部材5の内部の所定位置で保持するためのピストン落下防止部材52が設けられている。
【0029】
ピストン落下防止部材52の上端は、空所51aの上端にピン53を介して連結されており、ピン53の中心周りに回動自在になっている。ピストン落下防止部材52は、下方に延びており、その下端52aは鉤状に形成されている。一方、ピストン6の下部の側面には、係合凹部62が形成されている。施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に係合していない状態、例えば図1に示すような扉開放状態においては、ピストン落下防止部材52の下端52aは、ピストン6の係合凹部62内に配置されており、このとき、下端52aは、ピストン6との係合可能状態を維持する位置におかれている。また、張出部51の空所51a内には、ピストン落下防止部材52をピストン6の側に付勢する付勢バネ54が設けられている。
【0030】
次に、上述のように構成された扉ロック状態検出装置1の作動について説明する。
まず、内側扉および外側扉の開放状態においては、図1に示すように、施錠レバー2は壁側のケース3から離れた位置に配置されている。同図中、矢印a方向は各扉の閉塞方向であり、矢印b方向は各扉の開放方向である。この扉開放状態では、ケース3内において、ピストン6は復帰バネ61のバネ力によりガイド部材5の内部の上方位置に配置されている。このため、接点6Aは接点5Aから離れており、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aはオフ状態にある。また、このとき、内側扉に連動して移動する係合板10は、施錠レバー2の従動ローラ22の前側端(図1左側端)に当接しており、これにより、圧縮バネ45(図5)の弾性反発力で施錠レバー2が駆動ローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りに回動するのが規制されている。また、係合板11は駆動ローラ21の後側端(同図右側端)に当接している。
【0031】
この状態から、内側扉の閉ボタンが押されると、内側扉が矢印a方向に移動を開始する。すると、内側扉に連動する係合板10、11も同様に矢印a方向に移動する。これにより、図2に示すように、施錠レバー2先端のローラ24がガイド部材5の開口部50を通ってピストン6の貫通孔60に挿入されて係合される。また、このとき、ローラ24は、ピストン落下防止部材52に当接しており、ピストン落下防止部材52を付勢バネ54のバネ力に抗してピン53の周りを図示時計回りに回動させ、ピストン落下防止部材52の下端52aをピストン6の係合凹部62の外側の位置、つまりピストン6との係合可能状態が解除される位置に配置している。なお、図2に示す施錠レバー2の位置は、この状態からもし内側扉の開ボタンが押されても内側扉および外側扉が再び開放できるような位置(つまり扉開放可能位置)になっている。
【0032】
次に、図3に示す状態では、係合板10がケース3側に若干量移動しており、これにより、圧縮バネ45(図5)の弾性反発力の作用で施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りに若干量回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に係止される直前の位置(つまり施錠開始位置)に移動している。このとき、内側扉および外側扉は完全に閉塞している。また、このとき、施錠レバー2の先端部が下方に移動することで、貫通孔60を介してピストン6がガイド部材5の内部を下方に若干量移動している。
【0033】
次に、図4に示す状態では、係合板10がケース3側にさらに移動しており、これにより、施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りにさらに回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に係止されている。このとき、施錠レバー2の先端部が下方に移動することで、貫通孔60を介してピストン6がガイド部材5の内部をさらに下方に移動しており、ピストン下端の接点6Aがガイド部材底部の接点5Aに接触して、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aがオンになっている。
【0034】
この状態から、係合板10がケース3側にさらに移動すると、図5に示すように、施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りにさらに回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に完全に係止された位置(つまり施錠完了位置)に配置される。このとき、施錠レバー2の先端部がさらに下方に移動することで、ピストン6がガイド部材5の内部をさらに下方に移動して、ピストン6がガイド部材5の底部まで完全に押し込まれた(つまり押し切られた)状態になる。
【0035】
これにより、エレベータの昇降が可能になり、エレベータは、指定された階に向かって昇降を開始する。
【0036】
この場合には、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが、昇降可能なピストン6が設けられたガイド部材5の筒状部の内部に設けられており、このため、接点5A、6Aはむき出しの状態にはなく、また外側空間にさらされた状態にもおかれていない。これにより、接点5A、6Aに塵埃や虫等の異物が付着したり、また接点5A、6Aに錆が発生したりするのを確実に防止でき、その結果、接点不良を確実に防止できる。
【0037】
次に、図6は、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときに、ピストン6の復帰バネ61が破損した状態を示している。あるいは、図6は、ピストン6の復帰バネ61が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退した状態を示している。
【0038】
施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないとき、図1に示すように、ピストン落下防止部材52の鉤状の下端52aは、ピストン6の係合凹部62内に配置されており、ピストン6との係合可能状態を維持する位置におかれている。この状態から復帰バネ61が破損したことにより、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとすると、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合し(図6参照)、これにより、ピストン6の落下を防止できる。
【0039】
また、ピストン6の復帰バネ61が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退しようとすると、施錠レバー2の先端部により押圧されていたピストン落下防止部材52が付勢バネ54のバネ力により徐々に回動して、その下端52aがピストン6の係合凹部62内に配置される。このため、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から完全に離脱した状態で、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとすると、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合し(図6参照)、これにより、ピストン6の落下を防止できる。
【0040】
このとき、ピストン6はガイド部材5の内部において上下方向の所定位置に保持され、ピストン下端の接点6Aはガイド部材底部の接点5Aから離れた位置に配置されており、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aは、オフのままである。このようにして、ガイド部材内部の扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが、扉ロック時以外のときにピストン下端の作用で不用意に短絡するのを防止できる。
【0041】
なお、図2に示すように、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されている場合には、この状態からもし復帰バネ61が破損しても、ピストン6の落下は、貫通孔60と係合する施錠レバー先端部によって防止されている。これにより、図6の場合と同様にして、ガイド部材内部の扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが、扉ロック時以外のときにピストン下端の作用で不用意に短絡するのを防止できる。
【0042】
次に、図7は、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときに、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54が破損した状態を示している。あるいは、図7は、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退した状態を示している。
【0043】
施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときには、図1に示すように、ピストン落下防止部材52の鉤状の下端52aは、ピストン6の係合凹部62内に配置されており、ピストン6との係合可能状態を維持する位置におかれている。この状態から付勢バネ54が破損すると、ピストン落下防止部材52は、その自重で鉛直下方に沿う向きに配置される(図7参照)。このため、この状態から、もし復帰バネ61が破損して、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合するので、ピストン6の落下を防止できる。
【0044】
また、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退しようとすると、施錠レバー2の先端部により押圧されていたピストン落下防止部材52が、自重により徐々に回動して鉛直下方に沿う向きに配置され(図7参照)、その下端52aがピストン6の係合凹部62内に配置される。このため、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から完全に離脱した状態で、万一復帰バネ61が破損して、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合するので、ピストン6の落下を防止できる。
【0045】
これにより、図6の場合と同様に、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aをオフの状態に維持できる。
【0046】
〔第2の実施例〕
図8ないし図15は、本発明の第2の実施例によるエレベータ用扉ロック状態検出装置を説明するための図であって、図8ないし図12は扉ロック状態検出装置を正面側から見た構成を示すとともに、その扉ロック動作を扉開放状態から順に時系列的に示す図、図13はピストンの復帰バネが破損した状態を示す図、図14はピストン落下防止部材の付勢バネが破損した状態を示す図、図15は扉ロック状態モニタ用接点が溶着した状態を示す図である。なお、これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。また、図8ないし図15においては、施錠レバーを回動自在に支持する支持プレートが示されていないが、この第2の実施例においても前記第1の実施例と同様の支持プレートが設けられている。
【0047】
この第2の実施例による扉ロック状態検出装置1’では、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されたことを検知することにより、扉閉状態を検知してモニタするための扉閉状態モニタ用接点が設けられている点が、前記第1の実施例と大きく異なっている。この扉閉状態モニタ用接点は、ピストン落下防止部材52の背面側(各図左側)に配置されている。
【0048】
張出部51において、前記第1の実施例における付勢バネ54が配置された位置には、張出部51を貫通する孔51bが形成されている。孔51bの配設方向は、ピストン6の配設方向と概略直交する方向である。孔51b内には、軸55がスライド自在に設けられている。軸55には、接点55Aが取り付けられている。軸55は、付勢バネ54’のバネ力によって、ピストン落下防止部材52の側に付勢されており、その先端は、ピストン落下防止部材52に当接している。また、張出部51において、軸55の接点55Aと対向する位置には、接点51Aが取り付けられている。
【0049】
これらの接点51A、55Aにより、外側扉の閉状態を検知してモニタするための扉閉状態モニタ用接点が構成されている。扉閉状態モニタ用接点51A、55Aは、外側扉の閉塞時に、施錠レバー2の先端部がピストン落下防止部材52に当接して、ピストン落下防止部材52を介して軸55をスライドさせることで、短絡するようになっている。
【0050】
次に、上述のように構成された扉ロック状態検出装置1’の作動について説明する。
まず、内側扉および外側扉の開放状態においては、図8に示すように、施錠レバー2は壁側のケース3から離れた位置に配置されている。この扉開放状態では、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aはオフ状態にある。
【0051】
この状態から、内側扉の閉ボタンが押されると、内側扉が矢印a方向に移動を開始して、内側扉に連動する係合板10、11も同様に矢印a方向に移動する。これにより、図9に示すように、施錠レバー2先端のローラ24がガイド部材5の開口部50を通ってピストン6の貫通孔60に挿入されて係合される。このとき、ローラ24は、ピストン落下防止部材52に当接しており、ピストン落下防止部材52を付勢バネ54’のバネ力に抗してピン53の周りを図示時計回りに回動させ、ピストン落下防止部材52の下端52aをピストン6の係合凹部62の外側の位置、つまりピストン6との係合可能状態が解除される位置に配置している。なお、図9に示す施錠レバー2の位置は、この状態からもし内側扉の開ボタンが押されても内側扉および外側扉が再び開放できるような位置(つまり扉開放可能位置)になっている。
【0052】
また、このとき、ピストン落下防止部材52の回動により、軸55が押し込まれており、これにより、接点55Aが接点51Aに接触して、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aがオンになっている。
【0053】
次に、図10に示す状態では、係合板10がケース3側に若干量移動しており、これにより、施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りに若干量回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に係止される直前の位置(つまり施錠開始位置)に移動している。このとき、内側扉および外側扉は完全に閉塞している。また、このとき、施錠レバー2の先端部が下方に移動することで、貫通孔60を介してピストン6がガイド部材5の内部を下方に若干量移動している。
【0054】
次に、図11に示す状態では、係合板10がケース3側にさらに移動しており、これにより、施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りにさらに回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に係止されている。このとき、施錠レバー2の先端部が下方に移動することで、貫通孔60を介してピストン6がガイド部材5の内部をさらに下方に移動しており、ピストン下端の接点6Aがガイド部材底部の接点5Aに接触して、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aがオンになっている。
【0055】
この状態から、係合板10がケース3側にさらに移動すると、図12に示すように、施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りにさらに回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に完全に係止された位置(つまり施錠完了位置)に配置される。このとき、施錠レバー2の先端部がさらに下方に移動することで、ピストン6がガイド部材5の内部をさらに下方に移動して、ピストン6がガイド部材5の底部まで完全に押し込まれた状態になる。なお、図9の状態から図12の状態にかけて、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aはオン状態を維持している。
【0056】
このように、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aのオン状態および扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aのオン状態の双方が成立してはじめてエレベータの昇降が可能になり、エレベータは、指定された階に向かって昇降を開始する。
【0057】
この場合には、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが、昇降可能なピストン6が設けられたガイド部材5の筒状部の内部に設けられており、このため、接点5A、6Aはむき出しの状態にはなく、また外側空間にさらされた状態にもおかれていない。これにより、接点5A、6Aに塵埃や虫等の異物が付着したり、また接点5A、6Aに錆が発生したりするのを確実に防止でき、その結果、接点不良を確実に防止できる。
【0058】
しかも、この場合には、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されたとき、施錠レバー2の先端部はピストン落下防止部材52に当接して、ピストン落下防止部材52をピストン6の係合凹部62との係合可能状態を解除される位置に配置し、このとき、ピストン落下防止部材52に当接する軸55が押し込まれて、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aがオンになる。これにより、施錠レバー先端部のピストン貫通孔60への挿入をピストン落下防止部材52を介して扉閉状態モニタ用接点51A、55Aが検知してモニタするので、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aによる扉ロック状態の検知・モニタと相俟って、扉ロック状態検出装置1’の安全性をさらに向上できる。
【0059】
次に、図13は、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときに、ピストン6の復帰バネ61が破損するとともに接点51A、55Aが溶着した状態を示している。あるいは、図13は、ピストン6の復帰バネ61が破損するとともに接点51A、55Aが溶着した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退した状態を示している。
【0060】
施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないとき、図8に示すように、ピストン落下防止部材52の鉤状の下端52aは、ピストン6の係合凹部62内に配置されており、ピストン6との係合可能状態を維持する位置におかれている。この状態から、接点51A、55Aが溶着するとともに、復帰バネ61が破損すると、ピストン落下防止部材52は、その自重で鉛直下方に沿う向きに配置される(図13参照)。このため、この状態から、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合し、これにより、ピストン6の落下を防止できる。
【0061】
また、ピストン6の復帰バネ61が破損するとともに接点51A、55Aが溶着した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退しようとすると、施錠レバー2の先端部により押圧されていたピストン落下防止部材52が自重により徐々に回動して、その下端52aがピストン6の係合凹部62内に配置される。このため、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から完全に離脱した状態で、万一復帰バネ61が破損して、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合し(図13参照)、これにより、ピストン6の落下を防止できる。
【0062】
このとき、ピストン6はガイド部材5の内部において上下方向の所定位置に保持され、ピストン下端の接点6Aはガイド部材底部の接点5Aから離れた位置に配置されており、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aはオフのままである。このようにして、ガイド部材内部の扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが、扉ロック時以外のときにピストン下端の作用で不用意に短絡するのを防止できる。
【0063】
なお、図13に示す例では、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aが溶着した状態のものが示されているが、この場合、上述したように扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aはオフであるため、エレベータが昇降を開始することはなく、安全性が担保されている。
【0064】
次に、図14は、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときに、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54’が破損した状態を示している。あるいは、図14は、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54’が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退した状態を示している。
【0065】
施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときには、図8に示すように、ピストン落下防止部材52の鉤状の下端52aは、ピストン6の係合凹部62内に配置されており、ピストン6との係合可能状態を維持する位置におかれている。この状態から、付勢バネ54’が破損すると、ピストン落下防止部材52は、その自重で鉛直下方に沿う向きに配置される(図14参照)。このため、この状態から、もし復帰バネ61が破損して、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合するので、ピストン6の落下を防止できる。
【0066】
また、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退しようとすると、施錠レバー2の先端部により押圧されていたピストン落下防止部材52が、自重により徐々に回動して鉛直下方に沿う向きに配置され(図14参照)、その下端52aがピストン6の係合凹部62内に配置される。このため、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から完全に離脱した状態で、万一復帰バネ61が破損して、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合するので、ピストン6の落下を防止できる。
【0067】
これにより、図13の場合と同様に、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aをオフの状態に維持できる。
【0068】
次に、図15は、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが溶着した状態が示されている。
【0069】
この場合には、ピストン6の貫通孔60に係合した施錠レバー2の回動動作により、ピストン6が上方に持ち上げられようとする力を利用して、接点6Aを接点5Aから強制乖離することが可能である。なお、このとき、ピストン6の貫通孔60を形成するピストン部分(図15二点鎖線部分)が仮に破損した場合でも、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aがオフになるように接点調整を行なっておけば、エレベータが昇降を開始することはなく、安全性が担保される。
【0070】
〔他の実施例1〕
前記第1、第2の実施例では、施錠レバー2が鉛直面内で回動するように構成した例を示したが、本発明の適用は、これに限定されない。施錠レバー2は、水平面内、あるいは鉛直面または水平面に対して角度をなす平面内で回動するように構成してもよい。したがって、施錠レバー2が係合するピストン6の往復動方向についても、鉛直方向に限らず、水平方向でもよく、あるいは、鉛直方向または水平方向に対して角度をなす斜め方向でもよい。
【0071】
〔他の実施例2〕
前記第1、第2の実施例では、接点51A、55Aにより扉の閉状態を検出するとともに、接点5A、6Aにより扉のロック状態を検出するように構成したものを示したが、本発明の適用はこれに限定されない。本発明は、接点5A、6Aを第1の扉開閉状態モニタ用接点として用いるとともに、接点51A、55Aを第2の第2の扉開閉状態モニタ用接点として用い、接点5A、6Aの短絡により扉が完全に閉塞したことを検出するようにした扉開閉状態検出装置にも同様に適用可能である。
【0072】
〔他の実施例3〕
前記第1、第2の実施例では、ピストン6の一方の端面(底面)に接点6Aを設けた例を示したが、本発明では、接点5A、6Aは、ピストン6の一方の端面側の作用により短絡すればよく、例えば、ピストン6の端面側の周面に接点6Aを設けるとともに、ガイド部材5の筒状部の内側面に接点5Aを設けるようにしてもよい。
【0073】
〔他の適用例〕
前記各実施例では、本発明による扉ロック装置がエレベータドアに適用された例を示したが、本発明は、これに限定されず、FA(ファクトリー・オートメーション)用の防護扉や、遊園地などの遊戯施設用の扉にも適用可能である。
【0074】
これらの場合、扉ロック状態モニタ用接点および扉閉状態モニタ用接点の双方がオンになってはじめて扉内部のロボットや遊戯機器等の機械の電源をオンにするようにシステムを構成したり、また扉ロック状態モニタ接点または扉閉状態モニタ接点のいずれかがオフになったときに、扉内部のロボットや遊戯機器等の機械の電源をオフにするようにシステムを構成することにより、システム全体の安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施例による扉ロック状態検出装置の正面図であって、扉開放状態を示している。
【図2】扉ロック状態検出装置(図1)の扉閉動作中における扉開放可能位置を示している。
【図3】扉ロック状態検出装置(図1)の扉閉動作における扉閉塞位置/施錠開始位置を示している。
【図4】扉ロック状態検出装置(図1)の扉閉動作後の扉ロック状態モニタ用接点のオン位置を示している。
【図5】扉ロック状態検出装置(図1)の施錠完了位置を示している。
【図6】扉ロック状態検出装置(図1)において、ピストンの復帰バネが破損した状態において、ピストン落下防止部材が作動中の状態を示している。
【図7】扉ロック状態検出装置(図1)において、ピストン落下防止部材の付勢バネが破損した状態を示している。
【図8】本発明の第2の実施例による扉ロック状態検出装置の正面図であって、扉開放状態を示している。
【図9】扉ロック状態検出装置(図8)の扉閉動作中における扉開放可能位置を示している。
【図10】扉ロック状態検出装置(図8)の扉閉動作における扉閉塞位置/施錠開始位置を示している。
【図11】扉ロック状態検出装置(図8)の扉閉動作後の扉ロック状態モニタ用接点のオン位置を示している。
【図12】扉ロック状態検出装置(図8)の施錠完了位置を示している。
【図13】扉ロック状態検出装置(図8)において、ピストンの復帰バネが破損した状態において、ピストン落下防止部材が作動中の状態を示している。
【図14】扉ロック状態検出装置(図8)において、ピストン落下防止部材の付勢バネが破損した状態を示している。
【図15】扉ロック状態検出装置(図8)において、扉ロック状態モニタ用接点が溶着した状態を示している。
【符号の説明】
【0076】
1、1’: 扉ロック状態検出装置
2: 施錠レバー(移動部材)
20: 鉤部(ロック爪)
3: ケース
30: 被係止部
5: ガイド部材
5A:(扉ロック状態モニタ用)接点
51A:(扉閉状態モニタ用)接点
52: ピストン落下防止部材
55A:(扉閉状態モニタ用)接点
6: ピストン
6A:(扉ロック状態モニタ用)接点
60: 貫通孔(係合部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉開閉状態検出装置、とくに扉ロック状態検出装置に関し、詳細には、接点部への異物侵入や錆の発生を防止して接点不良を防止するための構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の扉ロック状態検出装置として、例えば実公平1−36866号公報に示すようなエレベータ用ドア装置は、乗り場の扉(外側扉)において、エレベータのかご扉(内側扉)の閉動作に連動して移動する係合板の作用により回動可能に設けられ、ドアロック用の鉤を有するとともに、ドアロックが完了したことを検出する短絡接点としての突子を先端に有する作動体(施錠レバー)と、乗り場の壁側に設けられ、作動体の鉤が係止し得る被係止部を有するとともに、ドアロック時に作動体の突子が接触する接点を有するケースとを備えている。
【0003】
この場合には、エレベータのかご扉が閉じようとすると、かご扉の閉動作に連動して移動する係合板の作用によって作動体が回動することにより、作動体の鉤が壁側のケースの被係止部に係止して、ドアロックが行なわれる。また、このドアロック時には、作動体先端の突子がケース内の接点に接触して短絡し、これにより、ドアロックが完了したことが検出される。
【特許文献1】実公平1−36866号公報(第1図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構造では、作動体先端の突子(接点)がむき出しの状態にあり、またケース内の接点についても、ケースに形成された開口を通してケース外側の空間に通じた状態にある。このため、これらの接点にエレベータ昇降路内の塵埃や虫等の異物が付着しやすく、また接点が空気中にさらされていることで接点に錆が発生しやすい。このように従来装置においては、接点への異物の付着や錆の発生によって接点不良が発生しやすいという問題がある。
【0005】
こうした接点不良は、とくにエレベータ用ドアロック装置においては、重大な事故につながる。例えば、扉が開いているにもかかわらず、接点不良により扉が閉じていると判断されて、かごが昇降を開始することで、人身事故を引き起こす場合がある。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、接点部への異物侵入や錆の発生を防止して接点不良を確実に防止できる扉開閉状態検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る扉開閉状態検出装置は、第1の扉の側に設けられ、第1の扉の開閉動作に連動して移動する移動部材と、第1の扉とともに開閉する第2の扉の側に設けられ、または壁側の部材に設けられ、移動部材が係合し得る係合部を有し、係合部を介して移動部材により駆動される往復動可能なピストンと、ピストンの一方の端面をスライド自在に支持する筒状部を有し、ピストンの移動をガイドするガイド部材と、ガイド部材の筒状部の内部において扉閉塞時にピストンの一方の端面側の作用により短絡するように設けられた、扉開閉状態を検知してモニタするための第1の扉開閉状態モニタ用接点とを備えている。
【0008】
請求項1の発明によれば、扉の閉塞時には、移動部材が第1の扉の閉動作に連動して移動してピストンの係合部に係合し、係合部を介して移動部材によりピストンが駆動されてガイド部材の内部を往復動する。すると、ピストンの一方の端面側の作用により、ガイド部材の筒状部の内部において、第1の扉開閉状態モニタ用接点が短絡する。これにより、扉開閉状態が検知されてモニタされることになる。
【0009】
この場合には、第1の扉開閉状態モニタ用接点が、往復動可能なピストンの一方の端面をスライド自在に支持する筒状部の内部に設けられており、このため、接点はむき出しの状態にはなく、また外側空間にさらされた状態にもおかれていない。これにより、接点に塵埃や虫等の異物が付着したり、また接点に錆が発生したりするのを確実に防止でき、その結果、接点不良を確実に防止できる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1において、移動部材が、第1の扉を第2の扉または壁側の部材にロックするためのロック爪を有し、第2の扉または壁側の部材が、ロック爪が係止する被係止部を有しており、第1の扉開閉状態モニタ用接点が、第1の扉のロック時に扉ロック状態をも検知してモニタしている。
【0011】
この場合には、第1の扉開閉状態モニタ用接点により、第1の扉のロック状態が検知されてモニタされるので、当該接点を扉ロック状態モニタ用接点として用いることができる。
【0012】
請求項3の発明では、請求項1において、ピストンがガイド部材の内部で第1の扉開閉状態モニタ用接点に向かって移動するのを規制してピストンをガイド部材の内部の所定位置で保持するように、ピストンに係合可能に設けられたピストン移動規制部材をさらに備えている。ピストン移動規制部材は、移動部材がピストンの係合部に係合したときに、移動部材に当接してピストンとの係合可能状態を解除される位置に配置されるとともに、移動部材がピストンの係合部に係合していないときに、ピストンとの係合可能状態が維持される位置に配置されている。
【0013】
この場合には、移動部材がピストンの係合部に係合していないとき、ピストン移動規制部材は、ピストンとの係合可能状態を維持される位置に配置されている。これにより、もしピストンがガイド部材の内部で第1の扉開閉状態モニタ用接点に向かって移動しようとしても、ピストン移動規制部材がピストンに係合するので、ピストンをガイド部材の内部の所定位置に保持することができ、その結果、ガイド部材内部の第1の扉開閉状態モニタ用接点が、扉閉塞時以外のときにピストン下端の作用で不用意に短絡するのを防止できる。
【0014】
また、移動部材がピストンの係合部に係合しているとき、移動部材はピストン移動規制部材に当接して、ピストン移動規制部材をピストンとの係合可能状態を解除される位置に配置している。この場合には、もしピストンがガイド部材の内部で第1の扉開閉状態モニタ用接点に向かって移動しようとしても、移動部材がピストンの係合部に係合しているので、ピストンの移動を規制でき、これにより、第1の扉開閉状態モニタ用接点が、扉閉塞時以外のときにピストン下端の作用で不用意に短絡するのを同様に防止できる。
【0015】
請求項4の発明では、請求項1において、移動部材がピストンの係合部に係合したことを検知することにより、扉閉塞状態を検知してモニタするための第2の扉開閉状態モニタ用接点が設けられている。
【0016】
この場合には、第2の扉開閉状態モニタ用接点が扉閉塞状態を検知してモニタするので、第1の扉開閉状態モニタ用接点による扉閉塞状態の検知・モニタと相俟って、扉開閉状態検出装置の安全性をさらに向上できる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項3において、移動部材がピストンの係合部に係合したことをピストン移動規制部材を介して検知することにより、扉閉塞状態を検知してモニタするための第2の扉開閉状態モニタ用接点が設けられている。
【0018】
この場合には、移動部材がピストンの係合部に係合したとき、移動部材がピストン移動規制部材に当接して、ピストン移動規制部材をピストンとの係合可能状態を解除される位置に配置し、このとき、第2の扉開閉状態モニタ用接点が移動部材のピストン係合部への係合をピストン移動規制部材を介して検知する。これにより、第2の扉開閉状態モニタ用接点が扉閉塞状態を検知してモニタするので、第1の扉開閉状態モニタ用接点による扉閉塞状態の検知・モニタと相俟って、扉開閉状態検出装置の安全性をさらに向上できる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明に係る扉開閉状態検出装置によれば、扉の閉塞時には、移動部材がピストンの係合部に係合し、係合部を介して移動部材によりピストンがガイド部材の内部で往復動して、第1の扉開閉状態モニタ用接点を短絡させることにより、扉開閉状態が検知されてモニタされる。
【0020】
この場合には、第1の扉開閉状態モニタ用接点が、昇降可能なピストンが設けられたガイド部材の筒状部の内部に設けられており、接点はむき出しの状態にはなく、外側空間にさらされた状態にもおかれていない。このため、接点に塵埃や虫等の異物が付着したり、また接点に錆が発生したりするのを確実に防止でき、接点不良を確実に防止できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
〔第1の実施例〕
図1ないし図7は、本発明の第1の実施例によるエレベータ用扉ロック状態検出装置を説明するための図であって、図1ないし図5は扉ロック状態検出装置を正面側から見た構成を示すとともに、その扉ロック動作を扉開放状態から順に時系列的に示す図、図6はピストンの復帰バネが破損した状態を示す図、図7はピストン落下防止部材の付勢バネが破損した状態を示す図である。
【0022】
図1ないし図5に示すように、このエレベータ用扉ロック状態検出装置1は、乗り場の扉(または第1の外側扉)に設けられ、鉤部(ロック爪)20を有する略L字状の施錠レバー(移動部材)2と、乗り場の壁側の部材(または第2の外側扉)に固定され、鉤部20が係止することにより扉を壁側にロックする(または第1、第2の外側扉をロックする)ための被係止部30を有するケース3とを備えている。
【0023】
施錠レバー2には、駆動ローラ21および従動ローラ22が設けられている。駆動ローラ21は、支軸21Aの回転中心O1の周りに回転自在になっており、同様に、従動ローラ22は、支軸22Aの回転中心O2の周りに回転自在になっている。また、施錠レバー2の先端には、ローラ24が支軸25を介して回転自在に設けられている。施錠レバー2の背面側には、図5に示すように、支持プレート4が設けられている(図1ないし図4では省略)。支持プレート4は、取付ボルト40により外側扉に固定されている。ローラ22の支軸22Aは、施錠レバー2に固定されている。ローラ21の支軸21Aは、施錠レバー2を挿通して支持プレート4まで延びており、その延長端部は支持プレート4に固定されている。この構成により、施錠レバー2は、支持プレート4に対してローラ21の支軸中心O1の周りに回動(旋回)自在に設けられている(図5中の二点鎖線参照)。
【0024】
支持プレート4の一端には、図5紙面手前側に立ち上がる立壁部41が形成されている。一方、施錠レバー2の一端には、支持プレート4の立壁部41と対向する位置において、図5紙面手前側に立ち上がる立壁部23が形成されている。各立壁部23、41にはネジ42が挿通しており、相対する各立壁部23、41の外側からネジ42に螺合するナット43、44により、各立壁部23、41の間隔が一定に保たれている。相対する各立壁部23、41の内側においてネジ42の周りには、圧縮バネ45が装着されている。圧縮バネ45の各端部は、各立壁部23、41の側面にそれぞれ圧接している。
【0025】
また、エレベータのかご扉(内側扉)には、一定間隔を隔てて対向配置された係合板10、11が設けられており、各係合板10、11は、内側扉の開閉動作に連動して左右方向に移動するようになっている。エレベータが各階に停止しているとき、扉の開閉状態の如何に係わらず、外側扉の各ローラ21、22は、内側扉の各係合板10、11の間に配置されている。これにより、施錠レバー2は、内側扉の開閉動作の際には、係合板10、11およびローラ21、22の係合状態を介して、内側扉の開閉動作に連動して移動するようになっており、これにより、外側扉が内側扉の開閉動作に連動して開閉するようになっている。
【0026】
ケース3内には、実質的に上下方向(この例では、施錠レバー側に向かって斜め上方)に延びるガイド部材5が設けられている。ガイド部材5の側面の一部には、施錠レバー2の先端部の挿入を許容する開口部50が貫通形成されている。ガイド部材5の中空内部には、中実のピストン6が昇降自在に設けられている。ピストン6には、ガイド部材5の開口部50と相対する横方向(つまり軸線方向と直交する方向)の貫通孔60が形成されている。貫通孔60は、施錠レバー2の先端部が係合し得る係合部として機能している。ガイド部材5は、ピストン6の下方において、ピストン6を上方に付勢する復帰バネ61が配設された筒状部を有している。
【0027】
ピストン6の下端には、接点6Aが取り付けられている。また、ガイド部材5の下部に形成された筒状部の底部には、接点5Aが取り付けられている。これらの接点5A、6Aにより、外側扉のロック状態を検知してモニタするための扉ロック状態モニタ用接点が構成されている。扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aは、外側扉のロック時にピストン下端の作用で、つまり接点6Aが下方に移動することで短絡するようになっている。
【0028】
ガイド部材5の側面において、開口部50と対向する位置には、空所51aを有する張出部51が一体に設けられている。空所51a内には、復帰バネ61の破損時にピストン6がガイド部材5の内部で落下するのを防止することにより、ピストン6をガイド部材5の内部の所定位置で保持するためのピストン落下防止部材52が設けられている。
【0029】
ピストン落下防止部材52の上端は、空所51aの上端にピン53を介して連結されており、ピン53の中心周りに回動自在になっている。ピストン落下防止部材52は、下方に延びており、その下端52aは鉤状に形成されている。一方、ピストン6の下部の側面には、係合凹部62が形成されている。施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に係合していない状態、例えば図1に示すような扉開放状態においては、ピストン落下防止部材52の下端52aは、ピストン6の係合凹部62内に配置されており、このとき、下端52aは、ピストン6との係合可能状態を維持する位置におかれている。また、張出部51の空所51a内には、ピストン落下防止部材52をピストン6の側に付勢する付勢バネ54が設けられている。
【0030】
次に、上述のように構成された扉ロック状態検出装置1の作動について説明する。
まず、内側扉および外側扉の開放状態においては、図1に示すように、施錠レバー2は壁側のケース3から離れた位置に配置されている。同図中、矢印a方向は各扉の閉塞方向であり、矢印b方向は各扉の開放方向である。この扉開放状態では、ケース3内において、ピストン6は復帰バネ61のバネ力によりガイド部材5の内部の上方位置に配置されている。このため、接点6Aは接点5Aから離れており、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aはオフ状態にある。また、このとき、内側扉に連動して移動する係合板10は、施錠レバー2の従動ローラ22の前側端(図1左側端)に当接しており、これにより、圧縮バネ45(図5)の弾性反発力で施錠レバー2が駆動ローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りに回動するのが規制されている。また、係合板11は駆動ローラ21の後側端(同図右側端)に当接している。
【0031】
この状態から、内側扉の閉ボタンが押されると、内側扉が矢印a方向に移動を開始する。すると、内側扉に連動する係合板10、11も同様に矢印a方向に移動する。これにより、図2に示すように、施錠レバー2先端のローラ24がガイド部材5の開口部50を通ってピストン6の貫通孔60に挿入されて係合される。また、このとき、ローラ24は、ピストン落下防止部材52に当接しており、ピストン落下防止部材52を付勢バネ54のバネ力に抗してピン53の周りを図示時計回りに回動させ、ピストン落下防止部材52の下端52aをピストン6の係合凹部62の外側の位置、つまりピストン6との係合可能状態が解除される位置に配置している。なお、図2に示す施錠レバー2の位置は、この状態からもし内側扉の開ボタンが押されても内側扉および外側扉が再び開放できるような位置(つまり扉開放可能位置)になっている。
【0032】
次に、図3に示す状態では、係合板10がケース3側に若干量移動しており、これにより、圧縮バネ45(図5)の弾性反発力の作用で施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りに若干量回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に係止される直前の位置(つまり施錠開始位置)に移動している。このとき、内側扉および外側扉は完全に閉塞している。また、このとき、施錠レバー2の先端部が下方に移動することで、貫通孔60を介してピストン6がガイド部材5の内部を下方に若干量移動している。
【0033】
次に、図4に示す状態では、係合板10がケース3側にさらに移動しており、これにより、施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りにさらに回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に係止されている。このとき、施錠レバー2の先端部が下方に移動することで、貫通孔60を介してピストン6がガイド部材5の内部をさらに下方に移動しており、ピストン下端の接点6Aがガイド部材底部の接点5Aに接触して、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aがオンになっている。
【0034】
この状態から、係合板10がケース3側にさらに移動すると、図5に示すように、施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りにさらに回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に完全に係止された位置(つまり施錠完了位置)に配置される。このとき、施錠レバー2の先端部がさらに下方に移動することで、ピストン6がガイド部材5の内部をさらに下方に移動して、ピストン6がガイド部材5の底部まで完全に押し込まれた(つまり押し切られた)状態になる。
【0035】
これにより、エレベータの昇降が可能になり、エレベータは、指定された階に向かって昇降を開始する。
【0036】
この場合には、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが、昇降可能なピストン6が設けられたガイド部材5の筒状部の内部に設けられており、このため、接点5A、6Aはむき出しの状態にはなく、また外側空間にさらされた状態にもおかれていない。これにより、接点5A、6Aに塵埃や虫等の異物が付着したり、また接点5A、6Aに錆が発生したりするのを確実に防止でき、その結果、接点不良を確実に防止できる。
【0037】
次に、図6は、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときに、ピストン6の復帰バネ61が破損した状態を示している。あるいは、図6は、ピストン6の復帰バネ61が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退した状態を示している。
【0038】
施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないとき、図1に示すように、ピストン落下防止部材52の鉤状の下端52aは、ピストン6の係合凹部62内に配置されており、ピストン6との係合可能状態を維持する位置におかれている。この状態から復帰バネ61が破損したことにより、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとすると、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合し(図6参照)、これにより、ピストン6の落下を防止できる。
【0039】
また、ピストン6の復帰バネ61が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退しようとすると、施錠レバー2の先端部により押圧されていたピストン落下防止部材52が付勢バネ54のバネ力により徐々に回動して、その下端52aがピストン6の係合凹部62内に配置される。このため、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から完全に離脱した状態で、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとすると、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合し(図6参照)、これにより、ピストン6の落下を防止できる。
【0040】
このとき、ピストン6はガイド部材5の内部において上下方向の所定位置に保持され、ピストン下端の接点6Aはガイド部材底部の接点5Aから離れた位置に配置されており、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aは、オフのままである。このようにして、ガイド部材内部の扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが、扉ロック時以外のときにピストン下端の作用で不用意に短絡するのを防止できる。
【0041】
なお、図2に示すように、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されている場合には、この状態からもし復帰バネ61が破損しても、ピストン6の落下は、貫通孔60と係合する施錠レバー先端部によって防止されている。これにより、図6の場合と同様にして、ガイド部材内部の扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが、扉ロック時以外のときにピストン下端の作用で不用意に短絡するのを防止できる。
【0042】
次に、図7は、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときに、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54が破損した状態を示している。あるいは、図7は、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退した状態を示している。
【0043】
施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときには、図1に示すように、ピストン落下防止部材52の鉤状の下端52aは、ピストン6の係合凹部62内に配置されており、ピストン6との係合可能状態を維持する位置におかれている。この状態から付勢バネ54が破損すると、ピストン落下防止部材52は、その自重で鉛直下方に沿う向きに配置される(図7参照)。このため、この状態から、もし復帰バネ61が破損して、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合するので、ピストン6の落下を防止できる。
【0044】
また、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退しようとすると、施錠レバー2の先端部により押圧されていたピストン落下防止部材52が、自重により徐々に回動して鉛直下方に沿う向きに配置され(図7参照)、その下端52aがピストン6の係合凹部62内に配置される。このため、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から完全に離脱した状態で、万一復帰バネ61が破損して、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合するので、ピストン6の落下を防止できる。
【0045】
これにより、図6の場合と同様に、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aをオフの状態に維持できる。
【0046】
〔第2の実施例〕
図8ないし図15は、本発明の第2の実施例によるエレベータ用扉ロック状態検出装置を説明するための図であって、図8ないし図12は扉ロック状態検出装置を正面側から見た構成を示すとともに、その扉ロック動作を扉開放状態から順に時系列的に示す図、図13はピストンの復帰バネが破損した状態を示す図、図14はピストン落下防止部材の付勢バネが破損した状態を示す図、図15は扉ロック状態モニタ用接点が溶着した状態を示す図である。なお、これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。また、図8ないし図15においては、施錠レバーを回動自在に支持する支持プレートが示されていないが、この第2の実施例においても前記第1の実施例と同様の支持プレートが設けられている。
【0047】
この第2の実施例による扉ロック状態検出装置1’では、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されたことを検知することにより、扉閉状態を検知してモニタするための扉閉状態モニタ用接点が設けられている点が、前記第1の実施例と大きく異なっている。この扉閉状態モニタ用接点は、ピストン落下防止部材52の背面側(各図左側)に配置されている。
【0048】
張出部51において、前記第1の実施例における付勢バネ54が配置された位置には、張出部51を貫通する孔51bが形成されている。孔51bの配設方向は、ピストン6の配設方向と概略直交する方向である。孔51b内には、軸55がスライド自在に設けられている。軸55には、接点55Aが取り付けられている。軸55は、付勢バネ54’のバネ力によって、ピストン落下防止部材52の側に付勢されており、その先端は、ピストン落下防止部材52に当接している。また、張出部51において、軸55の接点55Aと対向する位置には、接点51Aが取り付けられている。
【0049】
これらの接点51A、55Aにより、外側扉の閉状態を検知してモニタするための扉閉状態モニタ用接点が構成されている。扉閉状態モニタ用接点51A、55Aは、外側扉の閉塞時に、施錠レバー2の先端部がピストン落下防止部材52に当接して、ピストン落下防止部材52を介して軸55をスライドさせることで、短絡するようになっている。
【0050】
次に、上述のように構成された扉ロック状態検出装置1’の作動について説明する。
まず、内側扉および外側扉の開放状態においては、図8に示すように、施錠レバー2は壁側のケース3から離れた位置に配置されている。この扉開放状態では、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aはオフ状態にある。
【0051】
この状態から、内側扉の閉ボタンが押されると、内側扉が矢印a方向に移動を開始して、内側扉に連動する係合板10、11も同様に矢印a方向に移動する。これにより、図9に示すように、施錠レバー2先端のローラ24がガイド部材5の開口部50を通ってピストン6の貫通孔60に挿入されて係合される。このとき、ローラ24は、ピストン落下防止部材52に当接しており、ピストン落下防止部材52を付勢バネ54’のバネ力に抗してピン53の周りを図示時計回りに回動させ、ピストン落下防止部材52の下端52aをピストン6の係合凹部62の外側の位置、つまりピストン6との係合可能状態が解除される位置に配置している。なお、図9に示す施錠レバー2の位置は、この状態からもし内側扉の開ボタンが押されても内側扉および外側扉が再び開放できるような位置(つまり扉開放可能位置)になっている。
【0052】
また、このとき、ピストン落下防止部材52の回動により、軸55が押し込まれており、これにより、接点55Aが接点51Aに接触して、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aがオンになっている。
【0053】
次に、図10に示す状態では、係合板10がケース3側に若干量移動しており、これにより、施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りに若干量回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に係止される直前の位置(つまり施錠開始位置)に移動している。このとき、内側扉および外側扉は完全に閉塞している。また、このとき、施錠レバー2の先端部が下方に移動することで、貫通孔60を介してピストン6がガイド部材5の内部を下方に若干量移動している。
【0054】
次に、図11に示す状態では、係合板10がケース3側にさらに移動しており、これにより、施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りにさらに回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に係止されている。このとき、施錠レバー2の先端部が下方に移動することで、貫通孔60を介してピストン6がガイド部材5の内部をさらに下方に移動しており、ピストン下端の接点6Aがガイド部材底部の接点5Aに接触して、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aがオンになっている。
【0055】
この状態から、係合板10がケース3側にさらに移動すると、図12に示すように、施錠レバー2がローラ21の支軸中心O1の周りを図示反時計回りにさらに回動して、施錠レバー2の鉤部20がケース3の被係止部30に完全に係止された位置(つまり施錠完了位置)に配置される。このとき、施錠レバー2の先端部がさらに下方に移動することで、ピストン6がガイド部材5の内部をさらに下方に移動して、ピストン6がガイド部材5の底部まで完全に押し込まれた状態になる。なお、図9の状態から図12の状態にかけて、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aはオン状態を維持している。
【0056】
このように、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aのオン状態および扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aのオン状態の双方が成立してはじめてエレベータの昇降が可能になり、エレベータは、指定された階に向かって昇降を開始する。
【0057】
この場合には、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが、昇降可能なピストン6が設けられたガイド部材5の筒状部の内部に設けられており、このため、接点5A、6Aはむき出しの状態にはなく、また外側空間にさらされた状態にもおかれていない。これにより、接点5A、6Aに塵埃や虫等の異物が付着したり、また接点5A、6Aに錆が発生したりするのを確実に防止でき、その結果、接点不良を確実に防止できる。
【0058】
しかも、この場合には、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されたとき、施錠レバー2の先端部はピストン落下防止部材52に当接して、ピストン落下防止部材52をピストン6の係合凹部62との係合可能状態を解除される位置に配置し、このとき、ピストン落下防止部材52に当接する軸55が押し込まれて、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aがオンになる。これにより、施錠レバー先端部のピストン貫通孔60への挿入をピストン落下防止部材52を介して扉閉状態モニタ用接点51A、55Aが検知してモニタするので、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aによる扉ロック状態の検知・モニタと相俟って、扉ロック状態検出装置1’の安全性をさらに向上できる。
【0059】
次に、図13は、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときに、ピストン6の復帰バネ61が破損するとともに接点51A、55Aが溶着した状態を示している。あるいは、図13は、ピストン6の復帰バネ61が破損するとともに接点51A、55Aが溶着した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退した状態を示している。
【0060】
施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないとき、図8に示すように、ピストン落下防止部材52の鉤状の下端52aは、ピストン6の係合凹部62内に配置されており、ピストン6との係合可能状態を維持する位置におかれている。この状態から、接点51A、55Aが溶着するとともに、復帰バネ61が破損すると、ピストン落下防止部材52は、その自重で鉛直下方に沿う向きに配置される(図13参照)。このため、この状態から、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合し、これにより、ピストン6の落下を防止できる。
【0061】
また、ピストン6の復帰バネ61が破損するとともに接点51A、55Aが溶着した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退しようとすると、施錠レバー2の先端部により押圧されていたピストン落下防止部材52が自重により徐々に回動して、その下端52aがピストン6の係合凹部62内に配置される。このため、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から完全に離脱した状態で、万一復帰バネ61が破損して、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合し(図13参照)、これにより、ピストン6の落下を防止できる。
【0062】
このとき、ピストン6はガイド部材5の内部において上下方向の所定位置に保持され、ピストン下端の接点6Aはガイド部材底部の接点5Aから離れた位置に配置されており、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aはオフのままである。このようにして、ガイド部材内部の扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが、扉ロック時以外のときにピストン下端の作用で不用意に短絡するのを防止できる。
【0063】
なお、図13に示す例では、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aが溶着した状態のものが示されているが、この場合、上述したように扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aはオフであるため、エレベータが昇降を開始することはなく、安全性が担保されている。
【0064】
次に、図14は、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときに、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54’が破損した状態を示している。あるいは、図14は、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54’が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退した状態を示している。
【0065】
施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60に挿入されていないときには、図8に示すように、ピストン落下防止部材52の鉤状の下端52aは、ピストン6の係合凹部62内に配置されており、ピストン6との係合可能状態を維持する位置におかれている。この状態から、付勢バネ54’が破損すると、ピストン落下防止部材52は、その自重で鉛直下方に沿う向きに配置される(図14参照)。このため、この状態から、もし復帰バネ61が破損して、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合するので、ピストン6の落下を防止できる。
【0066】
また、ピストン落下防止部材52の付勢バネ54が破損した状態で、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から後退しようとすると、施錠レバー2の先端部により押圧されていたピストン落下防止部材52が、自重により徐々に回動して鉛直下方に沿う向きに配置され(図14参照)、その下端52aがピストン6の係合凹部62内に配置される。このため、施錠レバー2の先端部がピストン6の貫通孔60から完全に離脱した状態で、万一復帰バネ61が破損して、ピストン6がガイド部材5の内部を下方に落下しようとしても、ピストン落下防止部材52の下端52aがピストン6の係合凹部62の上端に係合するので、ピストン6の落下を防止できる。
【0067】
これにより、図13の場合と同様に、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aをオフの状態に維持できる。
【0068】
次に、図15は、扉ロック状態モニタ用接点5A、6Aが溶着した状態が示されている。
【0069】
この場合には、ピストン6の貫通孔60に係合した施錠レバー2の回動動作により、ピストン6が上方に持ち上げられようとする力を利用して、接点6Aを接点5Aから強制乖離することが可能である。なお、このとき、ピストン6の貫通孔60を形成するピストン部分(図15二点鎖線部分)が仮に破損した場合でも、扉閉状態モニタ用接点51A、55Aがオフになるように接点調整を行なっておけば、エレベータが昇降を開始することはなく、安全性が担保される。
【0070】
〔他の実施例1〕
前記第1、第2の実施例では、施錠レバー2が鉛直面内で回動するように構成した例を示したが、本発明の適用は、これに限定されない。施錠レバー2は、水平面内、あるいは鉛直面または水平面に対して角度をなす平面内で回動するように構成してもよい。したがって、施錠レバー2が係合するピストン6の往復動方向についても、鉛直方向に限らず、水平方向でもよく、あるいは、鉛直方向または水平方向に対して角度をなす斜め方向でもよい。
【0071】
〔他の実施例2〕
前記第1、第2の実施例では、接点51A、55Aにより扉の閉状態を検出するとともに、接点5A、6Aにより扉のロック状態を検出するように構成したものを示したが、本発明の適用はこれに限定されない。本発明は、接点5A、6Aを第1の扉開閉状態モニタ用接点として用いるとともに、接点51A、55Aを第2の第2の扉開閉状態モニタ用接点として用い、接点5A、6Aの短絡により扉が完全に閉塞したことを検出するようにした扉開閉状態検出装置にも同様に適用可能である。
【0072】
〔他の実施例3〕
前記第1、第2の実施例では、ピストン6の一方の端面(底面)に接点6Aを設けた例を示したが、本発明では、接点5A、6Aは、ピストン6の一方の端面側の作用により短絡すればよく、例えば、ピストン6の端面側の周面に接点6Aを設けるとともに、ガイド部材5の筒状部の内側面に接点5Aを設けるようにしてもよい。
【0073】
〔他の適用例〕
前記各実施例では、本発明による扉ロック装置がエレベータドアに適用された例を示したが、本発明は、これに限定されず、FA(ファクトリー・オートメーション)用の防護扉や、遊園地などの遊戯施設用の扉にも適用可能である。
【0074】
これらの場合、扉ロック状態モニタ用接点および扉閉状態モニタ用接点の双方がオンになってはじめて扉内部のロボットや遊戯機器等の機械の電源をオンにするようにシステムを構成したり、また扉ロック状態モニタ接点または扉閉状態モニタ接点のいずれかがオフになったときに、扉内部のロボットや遊戯機器等の機械の電源をオフにするようにシステムを構成することにより、システム全体の安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施例による扉ロック状態検出装置の正面図であって、扉開放状態を示している。
【図2】扉ロック状態検出装置(図1)の扉閉動作中における扉開放可能位置を示している。
【図3】扉ロック状態検出装置(図1)の扉閉動作における扉閉塞位置/施錠開始位置を示している。
【図4】扉ロック状態検出装置(図1)の扉閉動作後の扉ロック状態モニタ用接点のオン位置を示している。
【図5】扉ロック状態検出装置(図1)の施錠完了位置を示している。
【図6】扉ロック状態検出装置(図1)において、ピストンの復帰バネが破損した状態において、ピストン落下防止部材が作動中の状態を示している。
【図7】扉ロック状態検出装置(図1)において、ピストン落下防止部材の付勢バネが破損した状態を示している。
【図8】本発明の第2の実施例による扉ロック状態検出装置の正面図であって、扉開放状態を示している。
【図9】扉ロック状態検出装置(図8)の扉閉動作中における扉開放可能位置を示している。
【図10】扉ロック状態検出装置(図8)の扉閉動作における扉閉塞位置/施錠開始位置を示している。
【図11】扉ロック状態検出装置(図8)の扉閉動作後の扉ロック状態モニタ用接点のオン位置を示している。
【図12】扉ロック状態検出装置(図8)の施錠完了位置を示している。
【図13】扉ロック状態検出装置(図8)において、ピストンの復帰バネが破損した状態において、ピストン落下防止部材が作動中の状態を示している。
【図14】扉ロック状態検出装置(図8)において、ピストン落下防止部材の付勢バネが破損した状態を示している。
【図15】扉ロック状態検出装置(図8)において、扉ロック状態モニタ用接点が溶着した状態を示している。
【符号の説明】
【0076】
1、1’: 扉ロック状態検出装置
2: 施錠レバー(移動部材)
20: 鉤部(ロック爪)
3: ケース
30: 被係止部
5: ガイド部材
5A:(扉ロック状態モニタ用)接点
51A:(扉閉状態モニタ用)接点
52: ピストン落下防止部材
55A:(扉閉状態モニタ用)接点
6: ピストン
6A:(扉ロック状態モニタ用)接点
60: 貫通孔(係合部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉の開閉状態を検出するための扉開閉状態検出装置であって、
第1の扉の側に設けられ、第1の扉の開閉動作に連動して移動する移動部材と、
第1の扉とともに開閉する第2の扉の側に設けられ、または壁側の部材に設けられ、前記移動部材が係合し得る係合部を有し、前記係合部を介して前記移動部材により駆動される往復動可能なピストンと、
前記ピストンの一方の端面をスライド自在に支持する筒状部を有し、前記ピストンの移動をガイドするガイド部材と、
前記ガイド部材の前記筒状部の内部において扉閉塞時に前記ピストンの前記一方の端面側の作用により短絡するように設けられた、扉開閉状態を検知してモニタするための第1の扉開閉状態モニタ用接点と、
を備えた扉開閉状態検出装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記移動部材が、前記第1の扉を前記第2の扉または前記壁側の部材にロックするためのロック爪を有し、
前記第2の扉または壁側の部材が、前記ロック爪が係止する被係止部を有しており、
前記第1の扉開閉状態モニタ用接点が、前記第1の扉のロック時に扉ロック状態をも検知してモニタしている、
ことを特徴とする扉開閉状態検出装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記ピストンが前記ガイド部材の内部で前記第1の扉開閉状態モニタ用接点に向かって移動するのを規制して前記ピストンを前記ガイド部材の内部の所定位置で保持するように、前記ピストンに係合可能に設けられたピストン移動規制部材をさらに備え、
前記ピストン移動規制部材は、
前記移動部材が前記ピストンの前記係合部に係合したときに、前記移動部材に当接して前記ピストンとの係合可能状態を解除される位置に配置されるとともに、前記移動部材が前記ピストンの前記係合部に係合していないときに、前記ピストンとの係合可能状態が維持される位置に配置されている、
ことを特徴とする扉開閉状態検出装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記移動部材が前記ピストンの前記係合部に係合したことを検知することにより、扉閉塞状態を検知してモニタするための第2の扉開閉状態モニタ用接点が設けられている、
ことを特徴とする扉開閉状態検出装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記移動部材が前記ピストンの前記係合部に係合したことを前記ピストン移動規制部材を介して検知することにより、扉閉塞状態を検知してモニタするための第2の扉開閉状態モニタ用接点が設けられている、
ことを特徴とする扉開閉状態検出装置。
【請求項1】
扉の開閉状態を検出するための扉開閉状態検出装置であって、
第1の扉の側に設けられ、第1の扉の開閉動作に連動して移動する移動部材と、
第1の扉とともに開閉する第2の扉の側に設けられ、または壁側の部材に設けられ、前記移動部材が係合し得る係合部を有し、前記係合部を介して前記移動部材により駆動される往復動可能なピストンと、
前記ピストンの一方の端面をスライド自在に支持する筒状部を有し、前記ピストンの移動をガイドするガイド部材と、
前記ガイド部材の前記筒状部の内部において扉閉塞時に前記ピストンの前記一方の端面側の作用により短絡するように設けられた、扉開閉状態を検知してモニタするための第1の扉開閉状態モニタ用接点と、
を備えた扉開閉状態検出装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記移動部材が、前記第1の扉を前記第2の扉または前記壁側の部材にロックするためのロック爪を有し、
前記第2の扉または壁側の部材が、前記ロック爪が係止する被係止部を有しており、
前記第1の扉開閉状態モニタ用接点が、前記第1の扉のロック時に扉ロック状態をも検知してモニタしている、
ことを特徴とする扉開閉状態検出装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記ピストンが前記ガイド部材の内部で前記第1の扉開閉状態モニタ用接点に向かって移動するのを規制して前記ピストンを前記ガイド部材の内部の所定位置で保持するように、前記ピストンに係合可能に設けられたピストン移動規制部材をさらに備え、
前記ピストン移動規制部材は、
前記移動部材が前記ピストンの前記係合部に係合したときに、前記移動部材に当接して前記ピストンとの係合可能状態を解除される位置に配置されるとともに、前記移動部材が前記ピストンの前記係合部に係合していないときに、前記ピストンとの係合可能状態が維持される位置に配置されている、
ことを特徴とする扉開閉状態検出装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記移動部材が前記ピストンの前記係合部に係合したことを検知することにより、扉閉塞状態を検知してモニタするための第2の扉開閉状態モニタ用接点が設けられている、
ことを特徴とする扉開閉状態検出装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記移動部材が前記ピストンの前記係合部に係合したことを前記ピストン移動規制部材を介して検知することにより、扉閉塞状態を検知してモニタするための第2の扉開閉状態モニタ用接点が設けられている、
ことを特徴とする扉開閉状態検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−292633(P2009−292633A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150498(P2008−150498)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
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