説明

扉開閉用ハンドルの掛金装置

【課題】庫内側への邪魔な突出部分が排除され、庫内側からの解錠操作に際して関連部品の歪曲変形が発生しない扉開閉用ハンドルの掛金装置を提供する。
【解決手段】ヒンジピン3に平行な軸ピン15によってロックレバー16を固定本体1の正面側に揺動可能に連結し、ロックレバー16の先端部の係止突起17が係脱するアンダーカット部18を可動本体2の裏面側に設け、固定本体1とロックレバー16の間に装備したロックレバー用バネ19によって、係止突起17とアンダーカット部18の係合成立方向にロックレバー16を回転付勢し、扉20と固定本体1を貫通した牽引部材21の一端側を、係止突起17とは反対側に設けたロックレバー16の操作突起22に連結し、牽引部材21を庫内側から手前に牽引することによって、係止突起17とアンダーカット部18の係合解除方向にロックレバー16を回転操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物自動車の貨物収納庫等の扉開閉用ハンドルに使用される掛金装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
貨物自動車の貨物収納庫では、蝶番によって扉を開口部側柱に連結し、扉正面側の軸受ブラケットにロックシャフトを挿通し、ロックシャフトの上下端部にロックカムを設け、貨物収納庫の上下枠材にカムキーパーを設け、ロックシャフトの中間部に水平枢軸により扉開閉用ハンドルを連結している。
扉を閉鎖回転させた後、扉開閉用ハンドルでロックシャフトを適宜回転させ、ロックカムをカムキーパーに係合させることによって扉を貨物収納庫に錠止している。この扉開閉用ハンドルは、貨物の盗難防止のために運転者以外の者が操作できないように適当な掛金装置によって管理される必要がある。
【0003】
従来の扉開閉用ハンドルの掛金装置は、固定本体の割溝部に嵌め入れたフックレバーの中間部を支持ピンによって固定本体に起伏自在に連結し、固定本体との間で扉開閉用ハンドルを拘束する掛止溝部をフックレバーの先端フック部の背面側に設け、固定本体とフックレバーの間に作用力点の位置に対応してフックレバーを倒伏方向または起立方向に回転付勢するバネ機構を設けたものである。
【0004】
そして、収納貨物の盗難を防止するために、固定本体に錠前ユニットを組み込み、錠前ユニットのロータに連結したロックプレートによってフックレバーの起立回転を阻止している。
しかしながら、錠前ユニットは扉の正面側からのみ操作可能となっているため、貨物収納庫内で運転者や作業員が作業中に故意または過失によって扉が閉鎖され、錠前ユニットによって施錠されてしまった時には、運転者や作業員は貨物収納庫内に閉じ込められてしまい、自力脱出が不可能である。
【0005】
錠前ユニットで施錠されても閉じ込められた者が自力で脱出できるようにした扉開閉用ハンドルの掛金装置が、特許文献1に記載されている。
この掛金装置においては、固定本体にコネクタを揺動自在に取付け、そのコネクタの先端の爪部を可動体に設けられた係止凹部に係合させ、そのコネクタを扉の内側に引き抜き可能なストッパによって係合状態に保持し、上記ストッパの引き抜きによりコネクタを係合解除させたのち、扉を貨物収納庫内から押し込むことにより可動体と共にフックレバーを伏倒させて、掛金装置を解錠するようにしている。
【0006】
この掛金装置においては、ストッパの引き抜きによりコネクタを自重によって係合解除方向に揺動させる構成であるため、ストッパの回動中心部の抵抗が大きい場合、コネクタを係合解除させることができず、扉内面側からの掛金装置の解錠の信頼性を高めるためには、部品の加工組立の精度を高く維持する必要がある。
また、貨物収納庫内側からの解錠に際し、ストッパを引き抜く操作と、扉を押し込む2つの操作を必要とした。
【0007】
庫内側からの解錠を一連の押圧操作によって行えるようにした掛金装置としては、特許文献2に記載されたものがある。
この掛金装置では、扉に取付けられた固定座板に一対の側壁を設け、その側壁によって下端部が支持されたレバー支持体の上部の二股片内にフックレバーの中央部を揺動自在に支持し、レバー支持体に保持レバーを揺動自在に取付け、その保持レバーを固定座板に設けられた係合片に係合させて、レバー支持体を起立状態に保持し、扉をスライド自在に貫通するプッシュロッドを扉内面側から押し込み、そのプッシュロッドで保持レバーの操作片を押圧して、保持レバーを係合解除させると共に、プッシュロッドをさらに押し込んでレバー支持体と共にフックレバーを伏倒させて扉開閉用ハンドルの保持を解除するものである。
【0008】
特許文献1の掛金装置では、庫内側にプッシュロッドのケースが直角に突出しているため、貨物の収納や出し入れの際に貨物の一部あるいは作業員の衣服や身体の一部がプッシュロッドケースに当ったり引っ掛かったりすることがあり、邪魔な存在となった。
また、パニック状態になった作業員等が必要以上にプッシュパッドを強く押すことによって、保持レバーなどの関連部品を歪曲変形させる可能性もあった。
【0009】
【特許文献1】特開平9−287334号公報
【特許文献1】特開2005−282011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、庫内側への邪魔な突出部分が排除されているとともに、庫内側からの解錠操作に際して関連部品の歪曲変形が発生することのない、扉開閉用ハンドルの掛金装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明の特徴事項は、固定本体1に可動本体2の基端部をヒンジピン3によって開閉可能に連結し、可動本体2の割溝部4に嵌め入れたフックレバー5を支持ピン6によって可動本体2に起伏可能に連結し、フックレバー5の先端フック部7の背面側に扉開閉用ハンドル8を拘束する掛止溝部9を設け、固定本体1とフックレバー5の間に作用力点の位置に対応してフックレバー5を倒伏方向または起立方向に回転付勢するバネ機構10を設け、固定本体1に錠前ユニット11を設け、錠前ユニット11のロータ12にロックプレート13を連結し、鍵14でロータ12を回して、ロックプレート13をフックレバー5の基端部裏面に係合可能な施錠位置に移動させるようにした扉開閉用ハンドルの掛金装置において、
ヒンジピン3に平行な軸ピン15によってロックレバー16を固定本体1の正面側に揺動可能に連結し、ロックレバー16の先端部の係止突起17が係脱するアンダーカット部18を可動本体2の裏面側に設け、固定本体1とロックレバー16の間に装備したロックレバー用バネ19によって、係止突起17とアンダーカット部18の係合成立方向にロックレバー16を回転付勢し、扉20と固定本体1を貫通した牽引部材21の一端側を、係止突起17とは反対側に設けたロックレバー16の操作突起22に連結し、牽引部材21を庫内側から手前に牽引することによって、係止突起17とアンダーカット部18の係合解除方向にロックレバー16を回転操作するようにしたことである。
【0012】
請求項2の発明の特徴事項は、請求項1の発明の上記構成に加えて、牽引部材21によってロックレバー16を係合解除方向に回転させたとき、係止突起17の前面部分23によって可動本体2の後面部分24を押して、可動本体2を開放方向に回転させるようにしたことである。
【0013】
請求項3の発明の特徴事項は、請求項1又は請求項2の発明の上記構成に加えて、可動本体2の前面側にアンダーカット部14に連通する窓孔25を設け、窓孔25よりロックレバー12を係合解除方向に回転操作するようにしたことである。
【0014】
このように構成された本発明の掛金装置では、運転者が扉20を閉鎖した後、ロックシャフト27を逆回転させてロックカムとカムキーパー(図示していない)を係合させ、扉開閉用ハンドル8を水平ピン29の周りに押し下げ回転させると、扉開閉用ハンドル8がフックレバー5の先端フック部7のカム斜面30に当接するため、フックレバー5が斜めに起立回転させられる。扉開閉用ハンドル8が所定位置に入り込むと、フックレバー5はバネ機構10によって倒伏方向に回転し、扉開閉用ハンドル8はフックレバー5の掛止溝部9に係合する。
【0015】
これによって、扉開閉用ハンドル8は掛金装置32に拘束され、扉20の開放が阻止される。
防犯性を高めるために、フックレバー5の起立回転を阻止するときには、錠前ユニット11のロータ12の鍵孔31に適正な鍵14を挿入し、鍵14でロータ12を施錠方向に回して、ロックプレート13をフックレバー5の基端部裏面に係合可能な位置に移動させて置く。
【0016】
運転者や作業員が貨物収納庫に入っているときに、上記のように錠前ユニット11によって庫外側から掛金装置32が施錠された場合には、内部にいる作業員等は、庫内側から牽引部材21を手前に引き、軸ピン15の周りにロックレバー16を回転させて、ロックレバー16の牽引部材21を可動本体2のアンダーカット部18から引き出す。
可動本体2とフックレバー5組立体の重心が、ヒンジピン3の中心に立替金垂直線よりも前方位置にあるときには、重力による回転モーメントによって、可動本体2はヒンジピン3の周りに下向き回転する。
【0017】
前記重心位置の関係で重力による回転モーメントを利用できなくても、牽引部材21によってロックレバー16を係合解除方向に回転させたとき、係止突起17の前面部分23によって可動本体2の後面部分24を押すので、可動本体2はヒンジピン3の周りに下向き回転させられる。これによって、閉じ込められた作業員等は内側から扉20を押して、非常脱出する。
【0018】
庫内の作業員等が事故で倒れてしまい牽引部材21を引けないとき、あるいは庫外側の救助者の手元に鍵14が用意されていない緊急事態には、可動本体2の前面側の窓孔25よりロックレバー12を係合解除方向に回転操作する。固定本体1と可動本体2の結合が解除され、扉20を外側に引くことによって扉20が開放される。
【発明の効果】
【0019】
以上のように請求項1の発明では、軸ピン15によってロックレバー16を固定本体1に連結し、ロックレバー16の係止突起17が係脱するアンダーカット部18を可動本体2に設け、係止突起17とアンダーカット部18の係合成立方向にロックレバー16をロックレバー用バネによって回転付勢し、係止突起17とは反対側に設けたロックレバー16の操作突起22に牽引部材21を連結し、牽引部材21を庫内側から手前に牽引することによって、係止突起17とアンダーカット部18の係合解除方向にロックレバー16を回転操作するようにしたものであるから、掛金装置32の解錠操作手段として庫内側に露出するのは牽引部材21だけであるから、庫内への突出量がプッシュロッドを使用する従来例と比較して格段に減少する。
【0020】
請求項2の発明では、牽引部材21によってロックレバー16を係合解除方向に回転させたとき、係止突起17の前面部分23によって可動本体2の後面部分24を押圧して、可動本体2を開放方向に回転させるようにしたものであるから、庫内側からの掛金装置32の解錠操作が牽引部材21を手前に引くという単一動作によって簡単かつ的確に行なえる。また、人力によって引くという動作によってロックレバー16に与えられる力の最大値には一定の限界があるため、ともすれば全体重をかけてプッシュパッドを強く押しすぎる従来例のプッシュパッド方式と比べてロックレバー16などの関連部品の歪曲変形の問題を引き起こす危険性がない。
【0021】
請求項3の発明では、可動本体2の前面側にアンダーカット部18に連通する窓孔25を設け、窓孔25よりロックレバー12を係合解除方向に回転操作するようにしたものであるから、作業員等が庫内側から牽引部材21を引けないとき、錠前ユニット11の鍵14が無いとき、あるいは鍵14はあっても錠前ユニット11が故障しているときであっても、掛金装置32を緊急解錠することができるから、掛金装置32を安心して貨物自動車に装備することができる。
【実施例】
【0022】
図示した本発明の一実施例では、固定本体1は図4に示したように上部の左右2個の貫通孔33を通るビス等の固着具34と、下部中央の貫通孔35を通るビス等の固着具36によって、図3及び図5に示したように扉20に締付け固着される。図4及び図5に示したようにヒンジピン3は固定本体1の背面側に開口した横長空洞部37を通して、可動本体2の背面側に開口したピン受け部38に嵌め込まれ、横長コ字状のヒンジピン用押さえ板39によって両端部を押さえられている。図6に示したようにヒンジピン用押さえ板39は左右2個のビス40によって可動本体2に締付け固着されている。
【0023】
図9から図11に示したように軸ピン15とロックレバー16は一体形成されており、それぞれ左右2個の係止突起17と操作突起22はロックレバー16の先端部に一体形成されている。図4及び図5に示したように軸ピン15の左右端部は、背面側に開口している固定本体1の軸ピン受け溝41に嵌め込まれ、軸ピン用押さえ板42に押さえ付けられている。軸ピン用押さえ板42はビス43によって固定本体1に締付け固着されている。
【0024】
バネ機構10は、図5及び図6に示したように左右2個の上位のビス45と左右2個の下位のビス46によって可動本体2に締付け固着されたバネ支持板44と、フックレバー5の下方部分の横孔47に挿入された可動ピン48と、バネ支持板44と軸棒48間に架設されたバネガイド板49と、バネガイド板49に嵌め合わされ、バネガイド板49の拡大頭部50とバネ支持板44の傾斜突起51の間に圧縮された圧縮コイルバネ52とで構成されている。
【0025】
図5に示したようにフックレバー5の支持ピン6とバネ支持板44の傾斜突起51とを直線で結んでなる作用基準線に関して、可動ピン48が下側にあるとき、フックレバー5は支持ピン6を中心として反時計回り方向に回転付勢されており、先端フック部7は固定本体1の正面に当接している。
可動ピン48が作用基準線を上側に越えた瞬間にバネ機構10の作用方向は反転し、フックレバー5は支持ピン6を中心として時計回り方向に回転付勢され、フックレバー5が跳ね上げられる。
【0026】
図5に示したように支持ピン6の左右端部は、背面側に開口している支持ピン用受け溝53に嵌め込まれ、図6に示したようにバネ支持板44の左右の段差端部54によって押さえ込まれている。図5及び図7に示したようにL字状に屈曲形成されたロックプレート13は、フックレバー5の基端部背面に当接することによって、フックレバー5が跳ね上げ回転するのを阻止している。
ロックプレート13は取付座盤55とビス56によって錠前ユニット11のロータ12の後端部に締付け固着されている。
【0027】
ロックレバー16の操作突起22の先端部には円弧状凹部58が設けられ、その壁部には操作突起22の腕の長さ方向に長い溝孔57が設けられている。円弧状凹部58には、牽引部材21の末端の球体部62が嵌められている。牽引部材21は溝孔57に通されている。牽引部材21は更に固定本体1のガイド筒部63と扉20の貫通孔64を通して、貨物収納庫内に引き込まれている。牽引部材21としては、プラスチック製紐やワイヤーロープなどが使用される。
ロックレバー16の円弧状凹部58に対して球体部62が回転するとき、牽引部材21は操作突起22の溝孔57を移動することになり、牽引部材21は操作突起22を牽引するのに最適な姿勢をとることができる。
【0028】
ロックレバー用バネ19としては捻りコイルバネが使用されており、コイル部分が軸ピン15に嵌められ、一方の直線端部が固定本体1のバネ当て部60に当接しており、他方の直線端部が操作突起22の背面に当接している。
可動本体2の緊急解錠用窓孔25は、通常時にはキャップ61によって閉塞されている。前記したような緊急時には、キャップ61を取り外して、ドライバー等の適当な工具を窓孔25から差し込んで、操作突起22の前面部23を押し、ロックレバー16の係止突起17を可動本体2のアンダーカット部18から脱出させる。
【0029】
上記実施例の掛金装置32では、可動本体2のヒンジピン3、フックレバー5の支持ピン6、ロックレバー16の軸ピン15といった枢軸部材がいずれも固定本体1または可動本体2の内部に隠蔽されているので、これらの打撃抜き取りによる不正解錠がなく、防盗性に優れているとともに、構造が簡略化されているため、組立の作業性も良い。
フックレバー5の支持ピンの押さえ部材は、バネ支持板44の左右の段差端部54によって構成されているため、掛金装置32の構成部品数が減り、構造が簡略化されている。
【0030】
図示の実施例の掛金装置32では、ロックレバー16の左右2個の係止突起17,17と操作突起22,22は丁度真反対の位置に配置されており、牽引部材21の両端を左右の操作突起22,22に連結し、左右2個のガイド筒部63からU字状に引き出された牽引部材21の中間部を引くようにしてあるので、ロック部材16への回転力は軸ピン15の長さ方向に沿って均等に付与され、左右2個の係止突起17,17は偏りなく同時にアンダーカット部18,18から引き出されることになり、解錠操作が的確になされる。
【0031】
また、図示の実施例の掛金装置32では、ロックレバー16の軸ピン15は、可動本体2のヒンジピン3よりも固定本体1の基底面1aに接近した位置に配置されており、ロックレバー16の係止突起17の係止面65は、軸ピン15に近い方の端点65aが軸ピン15に遠い方の端点65bよりも固定本体1の基底面1aから離れている傾斜面に形成されており、可動本体2のアンダーカット部18の被係止面66は、軸ピン15に近い方の端点66aが軸ピン15に遠い方の端点66bよりも固定本体1の基底面1aから離れている傾斜面に形成されており、また、係止突起17の係止面65とアンダーカット部18の被係止面66が軸ピン15と支持ピン6の間で当接しているため、貨物自動車からの振動衝撃によってヒンジピン3を中心として可動本体2が開こうとする方向に回転モーメントが作用しても、それに対する阻止力が十分に高く、固定本体1に対する可動本体2の施錠がみだりに解除されることがない。
【0032】
更にまた、図示の実施例の掛金装置32では、ロックレバー16の操作突起22の腕の長さが反対側の係止突起17の腕の長さよりも十分に長く形成されているため、牽引部材21を庫内側より手前に引いて係止突起17を可動本体2のアンダーカット部18から脱出させ、固定本体1に対する可動本体2の錠止を解除した後の段階で、何らかの原因によるヒンジピン3周りの回転抵抗によって可動本体2の開き回転が足りなくても、解錠操作の終端で牽引部材21から手を放したとき、ロック部材用バネ19の弾性反発力によって反転した操作突起22の先端が可動本体2の後面部分24を押し、可動本体2を補助的に跳ね上げることになるため、庫内側解錠操作が信頼性高く確実に行なえる。
【0033】
掛金装置32のリセットは、扉20の正面側からヒンジピン3を中心として可動本体2を固定本体1に向かって閉じ回転させれば良い。この閉じ回転の途中で、可動本体2の後面部分24が図1に示したように浮き上がり回転しているロックレバー16の操作突起22の先端に当接する。更に可動本体2の閉じ回転が続行されると、ロックレバー16はロックレバー用バネ19の付勢に抗して軸ピン15の周りに反時計回り方向に回転し、閉じ回転の終端において、ロックレバー16の係止突起17が可動本体2のアンダーカット部18に係合し、可動本体2は閉じ位置に再び錠止される。
このようにリセットは可動本体2を閉じ回転させるという単一操作によって簡単かつ的確になされる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施例に係る扉開閉用ハンドルの掛金装置の縦断面図であり、固定本体に対する可動本体の錠止が解除された状態を示している。
【図2】図1の掛金装置の正面図であり、掛金装置は貨物収納庫に装着され、扉開閉用ハンドルは掛金装置によって施錠されている。
【図3】図1の掛金装置の左側面図である。
【図4】図1の掛金装置の背面図である。
【図5】図2のA−A線断面図である。
【図6】図1の掛金装置の可動本体とロックレバー組立体の背面図である。
【図7】図6のB−B線断面図である。
【図8】図2のC−C線断面図である。
【図9】図1の掛金装置に組み込んだロックレバーの左側面図である。
【図10】図9のロックレバーの正面図である。
【図11】図9のロックレバーの背面図である。
【図12】図1の掛金装置に組み込んだ固定本体の背面図である。
【図13】図12のD−D線断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 固定本体
2 可動本体
3 ヒンジピン
4 可動本体の割溝部
5 フックレバー
6 支持ピン
7 ロックレバーの先端フック部
8 扉開閉用ハンドル
9 フックレバーの掛止溝部
10 フックレバーの付勢用バネ機構
11 錠前ユニット
12 錠前ユニットのロータ
13 ロックプレート
14 錠前ユニット用鍵
15 軸ピン
16 ロックレバー
17 ロックレバーの係止突起
18 可動本体のアンダーカット部
19 ロックレバーの付勢用バネ
20 扉
21 牽引部材
22 ロックレバーの操作突起
23 係止突起の前面部分
24 可動本体の後面部分
25 可動本体の窓孔
26 貨物収納庫の反対側の扉
27 ロックシャフト
28 ピン支持板
29 水平ピン
30 フックレバーのカム斜
31 錠前ユニットの鍵孔
32 掛金装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定本体1に可動本体2の基端部をヒンジピン3によって開閉可能に連結し、可動本体2の割溝部4に嵌め入れたフックレバー5を支持ピン6によって可動本体2に起伏可能に連結し、フックレバー5の先端フック部7の背面側に扉開閉用ハンドル8を拘束する掛止溝部9を設け、固定本体1とフックレバー5の間に作用力点の位置に対応してフックレバー5を倒伏方向または起立方向に回転付勢するバネ機構10を設け、固定本体1に錠前ユニット11を設け、錠前ユニット11のロータ12にロックプレート13を連結し、鍵14でロータ12を回して、ロックプレート13をフックレバー5の基端部裏面に係合可能な施錠位置に移動させるようにした扉開閉用ハンドルの掛金装置において、
ヒンジピン3に平行な軸ピン15によってロックレバー16を固定本体1の正面側に揺動可能に連結し、ロックレバー16の先端部の係止突起17が係脱するアンダーカット部18を可動本体2の裏面側に設け、固定本体1とロックレバー16の間に装備したロックレバー用バネ19によって、係止突起17とアンダーカット部18の係合成立方向にロックレバー16を回転付勢し、扉20と固定本体1を貫通した牽引部材21の一端側を、係止突起17とは反対側に設けたロックレバー16の操作突起22に連結し、牽引部材21を庫内側から手前に牽引することによって、係止突起17とアンダーカット部18の係合解除方向にロックレバー16を回転操作するようにしたことを特徴とする扉開閉用ハンドルの掛金装置。
【請求項2】
牽引部材21によってロックレバー16を係合解除方向に回転させたとき、係止突起17の前面部分23によって可動本体2の後面部分24を押圧して、可動本体2を開放方向に回転させるようにした請求項1に記載の扉開閉用ハンドルの掛金装置。
【請求項3】
可動本体2の前面側にアンダーカット部18に連通する窓孔25を設け、窓孔25よりロックレバー12を係合解除方向に回転操作するようにした請求項1又は請求項2に記載の扉開閉用ハンドルの掛金装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−197531(P2009−197531A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42441(P2008−42441)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000108708)タキゲン製造株式会社 (256)
【Fターム(参考)】