説明

手動自動一体型水洗駆動装置

【課題】手動自動一体型水洗駆動装置を提供する。
【解決手段】水洗用水槽に接続される手動自動一体型水洗駆動装置は、制御パネルと、前記制御パネルの後方に取り付けられる実行機構と、取り付けブラケットとを含み、前記制御パネルは、センシング用窓及び手動ボタンを含み、前記実行機構は、手動実行機構及び自動実行機構を含み、前記手動実行機構は、手動ボタンと協働する横バー、及び前記横バーに接続される回転機構を含み、前記回転機構の回転軸は、前記取り付けブラケットに取り付けら、前記自動実行機構は、駆動モータ、前記駆動モータにより制御される揺れロッド、及び前記揺れロッドと協働する引き上げ機構を含み、前記手動自動一体型水洗駆動装置は、前記回転機構及び前記引き上げ機構にともに接続される引きアームを更に含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動自動一体型水洗駆動装置に関し、特に、便器などの衛生器具に用いられる手動自動一体型水洗駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日常の生活過程では、人々が使用する便器内の水洗駆動装置が大抵手動式のものであり、このような水洗駆動装置は、手動制御を要し、人々に不便をもたらすのみならず、交差感染の恐れがあるため、細菌の伝播を来すこともある。よって、人々の生活要求の高まりに伴い、人々の自動水洗へのニーズが益々高くなっている。
【0003】
そのため、従来技術では、自動水洗便器が出ている。しかし、使用後は、固定水量の水洗方式しかいない。水資源の節約を極力提唱する今では、大小用兼用の水洗が同一の水量で水洗することにより資源の浪費を引き起こすことは明らかである。よって、自動水洗を実現し且つ異なる水量で大小用水洗をそれぞれ行えることは、水資源の節約や水資源を有効に利用することに役に立つはずである。中国特許公開第200810035342.1号明細書には、自動水洗駆動装置が開示されている。この特許公開は、モータを駆動してカムを正逆回転させることにより大小用水洗を実現する。しかし、この自動水洗駆動装置は、センサを用いて目標物、例えば人体を検出し、更に、モータを駆動することにより自動水洗の制御を実現する。上述のセンサ及びモータはともに電力を要する。センサが壊れた又は電力が不足であるときに、この自動水洗駆動装置は動作できなくなる。
【0004】
従って、当業界では、手動及び自動の水洗駆動装置を確実且つ有効に統合し、且つ従来の衛生・入浴製品の信頼性及び体積などへの要求を満たすことができる水洗駆動装置が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、構造が簡単で且つ信頼性がある手動自動一体型水洗駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明の一実施例によれば、水洗用水槽に接続される手動自動一体型水洗駆動装置が提供される。この手動自動一体型水洗駆動装置は、制御パネル、制御パネルの後方に取り付けられる実行機構、及び取り付けブラケットを含む。前記制御パネルは、センシング用窓及び手動ボタンを含む。前記実行機構は、手動実行機構及び自動実行機構を含む。そのうち、手動実行機構は、手動ボタンと協働する横バー及び横バーに接続される回転機構を含む。前記回転機構の回転軸は、取り付けブラケットに取り付けられる。自動実行機構は、駆動モータ、駆動モータにより制御される揺れロッド、及び揺れロッドと協働する引き上げ機構を含む。この手動自動一体型水洗駆動装置は、更に回転機構及び引き上げ機構に同時に接続される引きアームを含む。
【0007】
さらに、前記引きアームと回転機構との間の接続は、回転可能な接続である。
【0008】
さらに、前記横バーと回転機構との間の接続は、回転可能な接続である。
【0009】
さらに、手動ボタンは、大小水洗用ボタンを含み、手動実行機構の横バーは、大小水洗用ボタンとそれぞれ協働する第一、第二横バー及び第一、第二回転機構を含む。
【0010】
さらに、自動実行機構の引き上げ機構は、揺れロッドの両側にそれぞれ位置する第一、第二引き上げ機構を含み、前記揺れロッドは正逆回転可能である。
【0011】
さらに、前記引きアームは、第一、第二回転機構及び第一、第二引き上げ機構と協働する第一、第二引きアームを含む。
【0012】
さらに、センシング用窓の後方に位置し、斜め下に赤外線を発射する赤外線センサを更に含む。
【0013】
また、上述の目的を達成するために、本発明の他の実施例によれば、水洗用水槽に接続される手動自動一体型水洗駆動装置が提供される。この手動自動一体型水洗駆動装置は、制御パネルと、制御パネルの後方に取り付けられ、水槽を制御して水洗を行わせる実行機構と、取り付けブラケットとを含む。そのうち、制御パネルには、手動ボタンが設けられる。実行機構は、手動ボタンと協働する手動実行機構、及び自動実行機構を含む。前記手動実行機構は、手動ボタンの横推力を上向きの縦方向の力に転化可能な回転機構を含む。自動実行機構は、駆動モータ、駆動モータにより制御される揺れロッド、及び揺れロッドにより上に引き上げられる引き上げ機構を含む。この手動自動一体型水洗駆動装置は、更に回転機構及び引き上げ機構に同時に接続される引きアームを含む。
【0014】
さらに、前記引きアームと回転機構との間の接続は、回転可能な接続である。
【0015】
さらに、手動ボタンと回転機構との間に設置される横バーを更に含み、前記横バーと回転機構との間の接続は、回転可能な接続である。
【発明の効果】
【0016】
従来技術に比べ、本発明の実施例による手動自動一体型駆動装置は、手動実行機構と自動実行機構とを巧妙に組み合わせることにより、構造が更に簡単で更に信頼できるようになり、衛生・入浴製品の体積への要求を更に満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例による手動自動一体型水洗駆動装置を示す図である。
【図2】本発明の一実施例による手動自動一体型水洗駆動装置の一部を示す図である。
【図3】図2の別角度から見たときの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の各種の実施例を詳細に説明する。図中の同じ構造又は機能が同じ数字で表される。なお、添付した図面は、本発明の具体的な実施例の説明に便宜を図るためのもののみであり、余計な叙述又は本発明の技術範囲への限定でない。また、添付した図面は、比例に従って製図する必要がない。
【0019】
図1乃至図3に示すように、本発明の実施例による手動自動一体型水洗駆動装置100は、便器の水洗用水槽に接続され、手動水洗モード及び自動水洗モードを有し、また、制御パネル1と、制御パネル1の後方に取り付けられる実行機構2と、取り付けブラケット3とを含む。
【0020】
上述の制御パネル1は、センシング用窓11及び手動ボタン12を含む。手動ボタン12は、大用水洗ボタン121及び小用水洗ボタン122を含む。上述のセンシング用窓11の後方には、赤外線センサがあり、赤外線センサは、該センシング用窓11を経由して斜め下の角度で赤外線を発射し、これにより、人体が便器領域に進入すること及び便器領域から離れることを検出する。本発明の他の実施例では、制御パネル1にはセンシング窓が設置されなくても良く、また、センシング方式は、赤外線方式に限られず、マイクロ波によるリモートセンシングなどの隠しセンシング方式であっても良い。
【0021】
上述の実行機構2は、自動実行機構21と、手動実行機構22と、水槽のピストンに接続され、大小用水洗を実現するための第一、第二引きアーム23、34とを含む。
【0022】
上述の自動実行機構21は、取り付けブラケット3に取り付けられる駆動モータ(図示せず)と、駆動モータにより制御される揺れロッド211と、揺れロッド211の両側に設置される引き上げ機構212とを含む。該引き上げ機構212は、第一引き上げ機構213及び第二引き上げ機構214を含む。揺れロッド211が反時計回り又は時計回りに回転する時に、該第一又は第二引き上げ機構213、214は、それに対応して引き上げられる。上述の第一又は第二引き上げ機構213、214は、第一、第二引きアーム23、24に接続される。これにより、該第一又は第二引き上げ機構213、214により、対応する大小用水洗を制御する。上述の第一又は第二引き上げ機構213、214と、第一、第二引きアーム23、24との接続は、回転可能な接続である。
【0023】
上述の手動実行機構22は、手動ボタン12の大小用水洗ボタン121、122に当接する第一、第二横バー221、222を含む。上述の手動実行機構22は、更に上述の第一、第二横バー221、222に接続される第一、第二回転機構223、224を含む。該第一、第二回転機構223、224の回転軸225、226は、取り付けブラケット3に取り付けられ、その一つの自由端がそれぞれ第一、第二横バー221、222に接続され、もう一つの自由端が第一、第二引きアーム23、24に接続される。該第一、第二回転機構223、224と、第一、第二横バー221、222との接続、及び、該第一、第二回転機構223、224と、第一、第二引きアーム23、24との接続は、ともに、回転可能な接続である。第一、第二横バー221、222が手動ボタン12により横向きに押される時に、上述の第一、第二回転機構223、224は、同時に、第一、第二横バー221、222に押されて回転する。この横向きの推力は、第一、第二回転機構223、224の回転により、上向きの縦方向の力に変換され、これにより、第一、第二引きアーム23、24は、上に引き上げられ、更に対応する大小用水洗を制御する。
【0024】
自動水洗モードを使用するときは、赤外線センサにより、人体が便器領域に入ることを検出することができる。赤外線センサは、受信した信号を中央処理器(CPU)に送信し、処理をしてもらう。該中央処理器は、受信した信号を処理した後に、大用水洗か小用水洗かを判断し、更に駆動モータの正回転又は逆回転を制御する。この時に、対応する第一引き上げ機構213又は第二引き上げ機構214は、引き上げられ、第一引きアーム23又は第二引きアーム24を上に動かせ、更に対応する大小用水洗を制御する。
【0025】
もちろん、使用者が手動ボタンを用いて水洗を行っても良い。手動水洗モードを使用するときに、使用者は、大用水洗ボタン121又は小用水洗ボタン122を押す。該大用水洗ボタン121又は小用水洗ボタン122は、対応する第一横バー221又は第二横バー222を押す。この時に、第一回転機構223又は第二回転機構224は、それにつれて回転し、その、第一引きアーム23又は第二引きアーム24に接続される自由端は、第一引きアーム23又は第二引きアーム24を上に動かせ、更に対応する大小用水洗を制御する。手動水洗モードを使用するときに、手動実行機構22は、自動実行機構21からの影響(妨害)を受けることがなく、独立して動作することができる。
【0026】
本発明の実施例による手動自動水洗駆動装置100の自動実行機構21及び手動実行機構22は、それぞれ、独立して動作することができ、且つ第一、第二引きアーム23、24を共用する。このような装置は、構造が簡単で且つ信頼性が高い。さらに、メンテナンスが便利であり、体積も比較的小さい範囲内に制御され得る。また、無電状態では、本発明の実施例による手動自動水洗駆動装置100は、手動モードで独立して動作することができるので、従来技術に比べ、更に気配りとなり、更に便利になる。
【0027】
上述の第一、第二引きアーム23、24と、第一、第二回転機構223、224との間の接続は、回転可能な接続である。このような設置は、第一、第二回転機構223、224の回転により、第一、第二回転機構223、224が受けた横方向の推力を、第一、第二回転機構223、224が第一、第二引きアーム23、24を上に動かせるための上向きの縦方向の力に有効に転化することができる。
【0028】
本発明の実施例による手動自動水洗駆動装置における回転機構及び引き上げ機構は、引きアームにより水槽のピストンに接続されなくても良く、場合によっては、引きアームと同様な機能を有する引き糸により水槽のピストンに接続されても良い。また、構造が更に簡単になるために、横バー及び回転機構は、一体設置などの方式を採用しても良い。
【0029】
もちろん、本発明の実施例は、単一の水洗方式のみを有する手動自動一体型水洗駆動装置に応用されても良い。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術範囲に属する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水洗用水槽に接続される手動自動一体型水洗駆動装置であって、
制御パネルと、前記制御パネルの後方に取り付けられる実行機構と、取り付けブラケットとを含み、前記制御パネルは、センシング用窓及び手動ボタンを含み、前記実行機構は、手動実行機構及び自動実行機構を含み、
前記手動実行機構は、手動ボタンと協働する横バー、及び前記横バーに接続される回転機構を含み、前記回転機構の回転軸は、前記取り付けブラケットに取り付けら、
前記自動実行機構は、駆動モータ、前記駆動モータにより制御される揺れロッド、及び前記揺れロッドと協働する引き上げ機構を含み、
前記手動自動一体型水洗駆動装置は、前記回転機構及び前記引き上げ機構にともに接続される引きアームを更に含む、
ことを特徴する手動自動一体型水洗駆動装置。
【請求項2】
前記引きアームと前記回転機構との間の接続は、回転可能な接続である、
ことを特徴する請求項1に記載の手動自動一体型水洗駆動装置。
【請求項3】
前記横バーと前記回転機構との間の接続は、回転可能な接続である。
ことを特徴する請求項2に記載の手動自動一体型水洗駆動装置。
【請求項4】
前記手動ボタンは、大、小水洗用ボタンを含み、前記手動実行機構の横バーは、前記大、小水洗用ボタンとそれぞれ協働する第一、第二横バー及び第一、第二回転機構を含む、
ことを特徴する請求項1乃至3の何れか一項に記載の手動自動一体型水洗駆動装置。
【請求項5】
前記自動実行機構の引き上げ機構は、前記揺れロッドの両側にそれぞれ位置する第一、第二引き上げ機構を含み、前記揺れロッドは正、逆回転可能である、
ことを特徴する請求項4に記載の手動自動一体型水洗駆動装置。
【請求項6】
前記引きアームは、前記第一、第二回転機構及び前記第一、第二引き上げ機構と協働する第一、第二引きアームを含む、
ことを特徴する請求項5に記載の手動自動一体型水洗駆動装置。
【請求項7】
前記センシング用窓の後方に位置し、斜め下に赤外線を発射する赤外線センサを更に含む、
ことを特徴する請求項1に記載の手動自動一体型水洗駆動装置。
【請求項8】
水洗用水槽に接続される手動自動一体型水洗駆動装置であって、
制御パネルと、前記制御パネルの後方に取り付けられ、前記水槽を制御して水洗を行わせる実行機構と、取り付けブラケットとを含み、前記制御パネルには、手動ボタンが設けられ、前記実行機構は、前記手動ボタンと協働する手動実行機構、及び自動実行機構を含み、
前記手動実行機構は、前記手動ボタンの横推力を上向きの縦方向の力に転化可能な回転機構を含み、
前記自動実行機構は、駆動モータ、前記駆動モータにより制御される揺れロッド、及び前記揺れロッドにより上に引き上げられる引き上げ機構を含み、
前記手動自動一体型水洗駆動装置は、前記回転機構及び前記引き上げ機構にともに接続される引きアームを含む、
ことを特徴する手動自動一体型水洗駆動装置。
【請求項9】
前記引きアームと前記回転機構との間の接続は、回転可能な接続である、
ことを特徴する請求項8に記載の手動自動一体型水洗駆動装置。
【請求項10】
前記手動ボタンと前記回転機構との間に設置される横バーを更に含み、
前記横バーと前記回転機構との間の接続は、回転可能な接続である、
ことを特徴する請求項9に記載の手動自動一体型水洗駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−526211(P2012−526211A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508889(P2012−508889)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/CN2010/072504
【国際公開番号】WO2010/127631
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(511267918)シャンハイ・コーラー・エレクトロニクス,リミテッド (1)
【Fターム(参考)】