説明

手帳

【課題】月毎の予定と週毎の予定を同時に一覧できると共に記帳でき、しかも分厚く無く気軽に携帯できる手帳を提供する。
【解決手段】 七曜によって1カ月の日々を配列した表中に日にち毎に事項記入欄5aを備えて表示した月間カレンダー5を見開き毎に1年分を印刷して成る月間用帳面2と、七曜によって1週間の日々を配列した表中に日にち毎に事項記入欄7aを備えて表示した週間カレンダー7を見開き毎に1年分を印刷して成る週間用帳面3とを、高さ方向で上下に連設配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、月毎の予定を書き込む月間スケジュールの項目と、週毎の予定を書き込む週間スケジュールの項目を設けた手帳に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の手帳として、特許文献1には、手帳本体の裏表紙と、別設の分冊手帳の表表紙とを前記本体の手帳カバーを介して重畳保持した分冊手帳付手帳が開示されている。
この手帳は、手帳本体の適宜ページを開いた状態で、分冊手帳の適宜ページを開くことにより、例えば手帳本体中に記載の週間スケジュールと、分冊手帳中に記載の月間スケジュールとの照合確認や参照、或いは日程の転記や用件の追記などが容易に行えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3078073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記手帳にあっては、手帳カバー内に2冊の手帳が相方ともに1ページ分が重なり合って横並びとなる構成のため、両手帳の重なり合わないページ(各手帳の外側のページ)同志は相互確認が一目で行えるが、各手帳の重なり合うページ同志は見たいページを上下交互に差し替えて見比べなければならないので、この手帳では一覧性に欠け、しかもこの重なり合うページは通常の一般的な手帳よりも嵩張っているから、そこへの記帳は甚だ面倒であると共に、この手帳を閉じると2冊分の厚みを有するので携帯に不便である。
【0005】
更に、上記分冊手帳は、その表表紙を手帳本体に外装した手帳カバーの裏表紙の見返し側に設けたポケットに単に挿入するだけのため、携帯中に手帳カバーから分冊手帳が抜け出たり、位置ずれするなど収まりが悪く、使用の度に分冊手帳を元の位置へ戻す必要があり、この行為が非常に煩わしいといった課題を有している。
【0006】
そこで、本発明では、月毎の予定を書き込む月間用帳面と、週毎の予定を書き込む週間用帳面とを上下に配設一体化した手帳を提供することにより、手帳内に一体化して分離不能な月間及び週間用帳面を同時に開いて一覧できると共に、何らの手間なく両帳面を見比べながら記帳でき、しかも分厚くなく気軽に携帯できる様にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、本発明に係る手帳は、七曜によって1カ月の日々を配列した表中に日にち毎に事項記入欄を備えて表示した月間カレンダーを見開き毎に1年分を印刷して成る月間用帳面と、七曜によって1週間の日々を配列した表中に日にち毎に事項記入欄を備えて表示した週間カレンダーを見開き毎に1年分を印刷して成る週間用帳面とを、高さ方向で上下に連設配置したことを特徴とする。
又、本発明の手帳は、月間用帳面及び週間用帳面と、これらを一纏めに外装する総括表紙体とから成り、上方の月間用帳面の下端縁と下方の週間用帳面の上端縁を整合し、前記各帳面の表表紙を総括表紙体の表表紙の裏に接着すると共に、前記各帳面の裏表紙を総括表紙体の裏表紙の裏に接着することも特徴としている。
又、月間用帳面は、月間カレンダーの印刷ページに複数ページに渡るメモ記入欄を加えて週間用帳面と同一枚数に設定するのが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
要するに本発明に係る手帳は、上記の様に月間用帳面と週間用帳面とが上下に配設一体化されているので、同時に月間及び週間用帳面の適宜ページを開くことができ、各帳面の開いたページの内容が一目瞭然で一覧性に優れている。
例えば、月間用帳面の適宜月における月間カレンダーの記載事項と、週間用帳面でその月に属する4週分の週間カレンダーの記載事項とを相互に確認したり、日程の転記や用件の追記等が容易であるなど使い勝手がすこぶる良く、本発明によればこの様な機能性に優れた手帳を提供できる。
【0009】
又、上記手帳は、月間用帳面及び週間用帳面と、これらを一纏めに外装する総括表紙体とから成るものにして、上方の月間用帳面の下端縁と下方の週間用帳面の上端縁を整合し、前記各帳面の表表紙を総括表紙体の表表紙の裏に接着すると共に、前記各帳面の裏表紙を総括表紙体の裏表紙の裏に接着したので、総括表紙体と各帳面が分離不能に一体化でき、当然ながら各帳面のページを捲っても、総括表紙体に対し各帳面がずれ動くことはなく、ましてやこの手帳を携帯しても総括表紙体から各帳面が脱落することもない。
更に、各帳面は上記の如く上下端縁が隙間なく整然と合致した状態で総括表紙体に接着されるから、その接着時において総括表紙体に対する各帳面の位置決めが容易であり、両帳面を同時に総括表紙体へ効率良く貼付けでき、しかも手帳の見返しとなる総括表紙体の表表紙と裏表紙に貼付けられた各帳面の表表紙同志と裏表紙同志は隙間なく連続しているので、見栄えや手触りも従前の一般的な手帳と遜色がない。
よって本発明によれば、手帳を閉じた外観は何ら変哲の無い平凡な手帳であるが、これを一旦開くと、上下に分かれて存在し、且つ相互に干渉することなく独自に所望ページを開くことのできる月間及び週間用帳面を上記の如く機能的に使用できる。
【0010】
又、月間用帳面は、月間カレンダーの印刷ページに複数ページに渡るメモ記入欄を加えて週間用帳面と同一枚数に設定したので、上下の月間及び週間用帳面は厚みが同じと成り、手帳を閉じても上下に段差を生じることがなく、手に持っても通常の手帳と同等の感覚で気軽に携帯できる。
そして、使用において、月間用帳面では、月間カレンダーとは別途加えられたメモ記入欄に日程以外の情報や用件などを自由に筆記できる等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る手帳を開いた状態を示す平面図である。
【図2】月間用帳面のメモ記入欄を開いた状態を示す平面図である。
【図3】手帳の分解斜視図である。
【図4】総括表紙体と月間及び週間用帳面との接着状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
本発明に係る手帳1は、個別に形成された月間用帳面2と週間用帳面3と、これらを一纏めに外装する総括表紙体4とから主に構成されている。
【0013】
月間用帳面2は、図1に示す様に、七曜(月曜・火曜・水曜・木曜・金曜・土曜・日曜)によって1カ月の日々を配列した表中に、日にち毎に日程や用件などの事項記入欄(図示例では空欄)5aを備えて表示した月間カレンダー5を見開き2ページ毎に1年分(1月〜12月)を印刷している。
又、図示例の月間カレンダー5の表中には、曜日と日にちの表示の他に六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)及び祝祭日を表示している。
【0014】
更に、月間用帳面2は、図2に示す様に、月間カレンダー5の印刷ページとは別に複数ページに渡るメモ記入欄(図示例では各ページ毎に横引きされた複数の罫線と該罫線を所定間隔置きに区切る縦線で表示)6を加えて週間用帳面3と同一枚数に設定し、月間及び週間用帳面2、3の厚みを同一にしている。
【0015】
週間用帳面3は、図1、2に示す様に、七曜によって1週間の日々を配列した表中に、日にち(曜日)毎に予定や用件などの事項記入欄(図示例では複数の横引きされた罫線によって時刻毎に区分した空欄)7aを備えて表示した週間カレンダー7を見開き2ページ毎に1年分を印刷している。
又、図示例の週間カレンダー7の表中には、月間カレンダー5と同様に曜日と日にちの表示の他に六曜及び祝祭日(図示せず)を表示している。
【0016】
そして、月間用帳面2と週間用帳面3とは、上記の如く厚みを同一にするだけでなく、その大きさ(1ページの横幅と高さ)も同一に設定している。
尚、月間用帳面2と週間用帳面3の高さは、総括表紙体4がこれらを一纏めに外装可能であれば、例えば週間用帳面3を月間用帳面2より高く(逆でも良い)しても良い。
【0017】
総括表紙体4は、図3にも示す様に、表表紙4aと裏表紙4bとを背表紙4cを介して連設して成り、その高さは月間用帳面2と週間用帳面3とを合わせた高さより若干高く設定すると共に、各表紙4a、4b、4cの横幅は、月間及び週間用帳面2、3の各表紙2a〜2c、3a〜3cより若干幅広く設定している。
【0018】
そして、上方の月間用帳面2の下端縁8と、下方の週間用帳面3の上端縁9とを隙間無く整合し、各帳面2、3の表表紙2a、3aを総括表紙体4の表表紙4aの裏に見返し10として接着すると共に、各帳面2、3の裏表紙2b、3bを総括表紙体4の裏表紙4bの裏に見返し11として接着する(図3、4参照)。
【0019】
上記の様に構成された手帳1は、下端縁8と上端縁9とを整合して総括表紙体4に各帳面2、3を接着一体化することにより、両者2、3の上下を所定間隔を保持して接着する場合に比し、総括表紙体4に対する各帳面2、3の位置決めと貼付が容易であると共に、手帳1の見返し10、11を構成している各帳面2、3の表表紙2a、3a同志と裏表紙2b、3b同志は隙間なく上下に一様に連続しており、通常の一般的な手帳と何ら遜色がない。
【0020】
そして、手帳1を閉じた外観は通常の手帳と何ら変わらないが、手帳1を開くと、月間用帳面2と週間用帳面3とが上下に分離した状態で存在している。
又、上下の各帳面2、3は厚みが同じため手帳1を閉じても段差を生じないから、手に持っても違和感がない。
【0021】
使用に際しては、月間用帳面2と週間用帳面3の所望するページを夫々に開いて同時に見渡せ、上下の各帳面2、3の開かれたページの夫々に相互に関係付けられた用件などを記帳する。
必要に応じて月間用帳面2のメモ記入欄6を開いて、月間カレンダー5や週間カレンダー7に記入できない様なスケジュール以外の多種多様な情報などを記録する。
【符号の説明】
【0022】
2 月間用帳面
2a 表表紙
2b 裏表紙
3 週間用帳面
3a 表表紙
3b 裏表紙
4 総括表紙体
4a 表表紙
4a 裏表紙
5 月間カレンダー
5a 事項記入欄
6 メモ記入欄
7 週間カレンダー
7a 事項記入欄
8 下端縁
9 上端縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
七曜によって1カ月の日々を配列した表中に日にち毎に事項記入欄を備えて表示した月間カレンダーを見開き毎に1年分を印刷して成る月間用帳面と、七曜によって1週間の日々を配列した表中に日にち毎に事項記入欄を備えて表示した週間カレンダーを見開き毎に1年分を印刷して成る週間用帳面とを、高さ方向で上下に連設配置したことを特徴とする手帳。
【請求項2】
月間用帳面及び週間用帳面と、これらを一纏めに外装する総括表紙体とから成り、上方の月間用帳面の下端縁と下方の週間用帳面の上端縁を整合し、前記各帳面の表表紙を総括表紙体の表表紙の裏に接着すると共に、前記各帳面の裏表紙を総括表紙体の裏表紙の裏に接着したことを特徴とする請求項1記載の手帳。
【請求項3】
月間用帳面は、月間カレンダーの印刷ページに複数ページに渡るメモ記入欄を加えて週間用帳面と同一枚数に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の手帳。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−46044(P2011−46044A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195143(P2009−195143)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(305047236)伊藤手帳株式会社 (1)