説明

手持ち補助構造を有するカバー及びその使用方法

【課題】手持ち補助構造を有し、使用者が複数の面を有する装置を安定的に保持することを助けるカバーを提供する。
【解決手段】設置することにより、隆起可能部が隆起して管状スペースを形成し、使用者は指を該スペースに置くことにより該カバーを保持し、手のひらを装置の中心部に近づけるように移動させ、該装置の保持を補助する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカバーを提供し、該カバーは特に、手持ち補助構造を形成でき、使用者が複数の面を有する装置を安定的に保持するのを助けるものである。
【背景技術】
【0002】
ポータブル装置は、使用者がその機能を便利に利用できる。これらの装置を操作する際に、如何に適切に保持することで、落下による破損を回避し、操作効率を向上させ、使用の障害または疲労を低減させるかが重要な課題となる。今後はパソコンの時代となり、タブレットコンピュータの普及により、この課題はより重要なものとなる。
【0003】
例えば図1の(a)及び図1の(b)に示されたのは、従来のタブレットコンピュータの保持法である。図1の(a)の保持法は、装置の重さ及びそれによる力モーメントゆえに、長時間保持することができない。図1の(b)の保持法は、その外枠において各種保持角度に対応するように保持部をデザインすることができないため、安定的に保持するために使用者はさらに強い力でつかむ必要があり、快適ではなく、人間工学にも基づいていない。
【0004】
米国特許6,726,070号は人間工学に基づいた入力装置の支持装置について開示した。該支持装置下には使用者が保持するためのピストル型ハンドルが設けられ、さらに腕を支えるものを付加することができ、腕の受ける応力を低減させることができる。折りたたむことは可能であるが、全体的には、やはり手軽で体積を占めないデザインを提供することができない。
【0005】
タブレットコンピュータの保持における課題を克服するために、バンドによって装置を使用者の手に固定する製品が数多くある。その問題点は、使用時にはバンドが確実に固定できることを確認する必要があり、弾性バンドを用いる場合は弾力の老化という問題点がある。最大の課題は、その付加される構造が他の機能の使用の妨げとなり、邪魔に感じられ、そのデザイン感覚は電子製品のテクノロジー感とは合わないことがある。
【0006】
米国特許6,016,248号及び6,301,101号は、タブレットコンピュータを保持するための外部構造を開示し、これは配置及び操作の補助に用いるものである。この外部構造は、一方で、装置を異なる傾斜角度にスタンドさせることができ、もう一方で、ハンドリングとして、手で持つ時に固定機能を提供し、手の力を低減させる。折りたたむことが可能でスペースを必要とないものの、カバー機能を具備していしない。また、一つの方向での保持しか提供できず、縦置きまたは横置きが必要となる場合同時に使用することができない。
【0007】
アップル社のsmart coverはカバーについて開示し、該カバーは装置の上を覆うことにより保護機能を提供する。その手軽で体積を占めない設計は日常の生活習慣に溶け込むことができ、その他の機能の使用に対する影響は少ない。該カバーは設置することにより三角形の管状のものを形成でき、タブレットコンピュータを異なる角度でスタンドさせるものであり、しかし、使用者が安定的に保持することを助けるための手持ち補助構造は具備していない。
【0008】
上記に鑑みて、使用者が安定的に保持することを助けるためのさらに優れた手持ち補助構造で、手軽で体積を占めないデザインを有し、他の機能の使用になるべく影響しないものを提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許6,726,070号
【特許文献2】米国特許6,016,248号
【特許文献3】米国特許6,301,101号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の従来から真に満たされなかったニーズ、及び従来技術における各種問題点を解決するために、本発明の目的は、使用者が安定的に複数の面を有する装置を保持することを助ける、手持ち補助構造を有するカバーを提供することである。該カバーは保持時に使用者の手のひらを、装置の中心部に近づけるように移動させ、使用による物理的な障害または疲労を減少させることができる。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、手持ち補助構造を有するカバーを提供し、該カバーは手軽で体積を占めないデザインを有する。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、手持ち補助構造を有するカバーを提供し、使用者の手がタッチパネル装置の主な面を触ることなく、安定的に保持することができ、よって主要面におけるヒューマンマシンインタフェース(スクリーン)は、より大きな面積を利用することができる。
【0013】
本発明のもう一つの目的は、手持ち補助構造を有するカバーを提供し、該カバーは他の機能の使用への影響を最小限にし、邪魔とならない。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、手持ち補助構造を有するカバーを提供し、該カバーのデザイン感覚は、電子製品のテクノロジー感と合わないことはない。
【0015】
本発明のもう一つの目的は、手持ち補助構造を有するカバーの使用方法を提供し、装置を縦向きまたは横向きに置いたいずれの場合においても、安定的な保持を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記のうちの少なくとも一つの目的またはその他の目的を達成するために、本発明はカバーを提供し、該カバーは複数の面を有する装置の第一面を覆う。該カバーは第一連結端部により、回転可能に該装置に装着されている。該カバーの隆起可能部は第二連結端部を備え、該装置の外側に隆起するように回転することができる。該カバーはさらに、少なくとも一つの第二連結端部と連結しない非連動部を有する。該カバーは、第一連結端部により、回転可能に該装置の第二面と連結し、さらには隆起可能部が隆起するように設置でき、第二連結端部の裏側に管状スペースを形成し、使用者が指を該スペースに置くことでカバーを保持し、手のひらを装置の中心部に近づけるように移動させ、装置の保持を補助する。
【0017】
また、非連動部にさらに連結部品を設けることができ、該装置上には対応する連結部品を設け、該非連動部を隆起可能部が隆起するように設置する場合、取り外し可能な方法で該装置に固定される。
【0018】
また、非連動部にさらに位置限定部品を設け、該装置上または該カバー上に対応する位置限定部品を設け、該隆起可能部が隆起するように設置する場合、使用者が該カバーを保持でき、さらに該隆起可能部を一定の角度に維持できる。
【0019】
また、隆起可能部に、隆起可能時にさらに指を置くことで保持を補助する開孔を備え、保持を補助する。さらに、該開孔は、さらに閉合可能な蓋を有し、該隆起可能部分に連結している。
【0020】
また、隆起可能部を隆起するように設置する場合に、さらに使用者が指で保持するための保持部を有することができる。
【0021】
本発明はさらに、カバーを複数の面を有する装置の第一面を覆うことに用いる使用方法を提供し、該カバーを第一連結端部により、該装置上に回転可能に装着するステップ、該カバーを第一連結端部により、該装置の第二面まで回転させるステップ、該カバーを隆起状態に設置して、第二連結端部を装置外側に隆起させ、該第二連結端部の裏側に管状スペースを形成するステップ、及び、指を上記管状スペースに置くことで該カバーを保持し、手のひらを該装置の中心部に近づけるように移動させ、該装置の保持を補助するステップを少なくとも含む。
【0022】
また、上記隆起状態において、さらに使用者が指で双側から保持するための保持部を備える。
【0023】
さらには、上記保持部の片側に、使用者が上記管状スペースに少なくとも一本の指を置くことにより、手のひらで該装置を支え、該装置の保持を補助する。
【0024】
さらに、上記の方法において、使用者は上記管状スペースに置いていない指を伸ばして、少なくとも一本の指で該装置上の指ロック部品を抑え、該装置を安定的に保持する。
【0025】
本実案の上記及びその他の目的、特徴及びメリットがさらに分かりやすくするために、下記においては比較的好ましい実施例を挙げ、図面を参照することで、以下のように詳細に説明する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の効果は、使用者が安定的に複数の面を有する装置を保持することを助ける、手持ち補助構造を有するカバーを提供したことである。該カバーは保持時に使用者の手のひらを、装置の中心部に近づけるように移動させ、使用による物理的な障害または疲労を減少させることができる。
【0027】
本発明のもう一つの効果は、手持ち補助構造を有するカバーを提供したことにあり、該カバーは手軽で体積を占めないデザインを有する。
【0028】
本発明のもう一つの効果は、手持ち補助構造を有するカバーを提供したことにあり、使用者の手がタッチパネル装置の主な面を触ることなく、安定的に保持することができ、よって主要面におけるヒューマンマシンインタフェース(スクリーン)は、より大きな面積を利用することができる。
【0029】
本発明のもう一つの効果は、手持ち補助構造を有するカバーを提供したことにあり、該カバーは他の機能の使用への影響を最小限にし、邪魔とならない。
【0030】
本発明のもう一つの効果は、手持ち補助構造を有するカバーを提供したことにあり、該カバーのデザイン感覚は、電子製品のテクノロジー感と合わないことはない。
【0031】
本発明のもう一つの効果は、手持ち補助構造を有するカバーの使用方法を提供したことにあり、装置を縦向きまたは横向きに置いたいずれの場合においても、安定的な保持を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)は従来のタブレットコンピュータの保持方法を示した模式図である。(b)は従来のタブレットコンピュータのもう一つの保持方法を示した模式図である。
【図2】本発明の実施例1の構成模式図である。
【図3】本発明の実施例1の隆起状態の模式図である。
【図4】本発明の実施例1の実施形態を示した模式図の一つであり、手で保持部を保持した際の背面図である。
【図5】本発明の実施例1の実施形態を示した模式図の一つであり、指を隆起可能部の開孔に置くことで保持を補助する際の背面図である。
【図6】本発明の実施例2の構成模式図である。
【図7】本発明の実施例2の組み立て実施図である。
【図8】本発明の実施例3の実施状態を示した模式図の一つであり、指を保持部の裏側に置き、手のひら支持装置と併用することで、該装置を安定的に保持する際の背面図である。
【図9】本発明の実施例3の実施形態を示した模式図の一つであり、置いていない指を該装置の辺縁部に伸ばして掴むことで、該装置を安定的に保持する際の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
まず、図2、図3及び図4に示したものを参照する。これらは、本発明の実施例1の構成模式図、隆起状態の模式図及び組み立て実施図である。図2の構成模式図は、カバー4をタブレットコンピュータ1上に連結した場合の、ブックカバーが閉じていない状態の正面図である。図3は該カバー4を装置1の背面に回転させ、且つ隆起状態に設置したものである。図3は長い点線により、各部材の関係を説明するため、上半分と下半分に分割され、上半分は側面図であり、下半分は背面図である。上下の図に示された各部材の表示は、説明しやすいようにするためのものである。下半分の図にはさらに、使用者の手のひらと指を明示し、使用上における対応関係を明示している。図4は実施形態の模式図の一つであり、使用者がカバー4を保持した際の背面図を示したものである。
【0034】
本発明は、複数の面を有する装置1の第一面2を覆うためのカバー4であって、第一連結端部5、隆起可能部(図中の78、6、79)、非連動部8を少なくとも備え、該カバー4は該第一連結端部5により回転可能に該装置1上に装着され、該隆起可能部(図中の78、6、79)は少なくとも第二連結端部6を有し、該第二連結端部6は該装置1の外側に隆起するように回転可能で、該非連動部8は、該第二連結端部6と連結せず、上記カバー4は、該第一連結端部5により該装置1の第二面3まで回転し、さらに該隆起可能部(図中の78、6、79)が隆起するように設置でき、該第二連結端部6の裏側で管状スペース77を形成し、使用者が指を該スペース77に置いて該カバー4を保持する場合、手のひら10を該装置1中心部に近づけるように移動させ、該装置1の保持を補助することを特徴とする。
【0035】
詳細には以下のとおりである。
【0036】
図中のカバー4は大まかに、装置1と連結するための第一連結端部5、細長い四角形の隆起可能部の一部78及び、台形保持部79と非連動部8から構成される大きな四角形に分けることができる。隆起可能部の一部78は、第一連結端部5と連結している。台形保持部79は第二連結端部6により、隆起可能部78と連結している。台形保持部79はさらに、非連動部連結端部7により、非連動部8と連結している。
【0037】
カバー4は第一連結端部5により回転可能に該装置1上に装着され、及び第二連結端部6は該装置1の外側に回転して隆起することができる。該方法はヒンジ接合、ピボット接合及び折り曲げ構造を含むが、これらに限られない。その他の熟知されたまたは同じ機能を有する方法も利用することができる。図中の実施例の第一連結端部5はダブルヒンジを用いた折り曲げ構造であり、第一ヒンジ部(折れ線51)及び第二ヒンジ部(折れ線52)を含む。ダブルヒンジの設計は主に、本実施例中のカバー4を第一面2及び第二面3にフィットさせるためのものである。第二連結端部6及び非連動部連結端部7も折り曲げ構造であり、一般的な装置保護カバー用素材を使用して実施することができる。
【0038】
図2を参考すること。装置1の第一面2は、該装置のタッチパネルスクリーンが所在する面であり、カバー4の主な役割は、第一連結端部5により、ブックカバーのように回転して装置1の第一面2を覆うことである。この際の第一面2はカバー4の遮蔽により、外力または外来物質の直接な影響を避けることができる。カバー4の素材に対する要求は、組み立て実施時に隆起状態及びその構造を維持することである。設計及び適切な素材を使用することで構造、保護及び汚れ防止機能を果たすことができる。米国特許番号20110163642などの多くの前例を参考にすることができる。図中の8、78、79の各部材はそれぞれ、内張り硬質材料による強化エリア88、878、879を有し、これにより遮蔽の機械強度を高める。他の図示の強化エリアは簡潔のため、必要なければ番号を付していない。
【0039】
図3を参考すること。本発明のカバー4は手持ち補助構造を形成でき、第一連結端部5により該装置1の第二面3まで回転することができる(図に示されているのは該装置のタッチパネルスクリーンの背面である)。さらには、第二連結端部6が回転して、該装置1の外側に隆起させることができ、隆起可能部は、隆起可能部の一部78、保持部79及び第二連結端部6が外側に隆起することで、第二連結部分6の裏側に形成された三角形の管状スペース77を含む。装置に放熱孔などの放熱装置がある場合、該管状スペース77を利用することができ、カバーによって遮蔽されてない箇所から放熱を行う。第二連結端部6と連結していない非連動部8は、非連動部連結端部7により保持部79と連結し、タブレットコンピュータの背面3にフィットする。
【0040】
本発明は、連結部品ユニット90により装置1とカバー4の少なくとも一つの非連動部8とを、取り外し可能な方法で連結する。同時に、図2及び図4を参照すれば、非連動部8にはさらに連結部品901、902が設けられ、それは大孔径、小孔径、及びその間にある、小孔径より大きい通路により構成される開孔である。装置1には、対応する連結部品991、992が設けられ、それは上記大孔径より大きくない頭部と、小孔径より大きくないロッド部(図示していない)によって構成されるものである。該対応する連結部品ユニット90は周知技術であるため、ここでは詳細に説明しない。その機能は連結部品ユニット90により、該非連動部8を隆起可能部(78、6、79)が隆起するように設置する際、取り外し可能な方法で該装置上に固定するものである。該連結部品の選択範囲は、既知の如何なる連結部品をも用いることができる。例えばホックとリングの組み合わせ、またはマジックテープ(登録商標)(hook and loop band)によって相互に連結させることは、実行可能な代替案である。この部品の目的は、隆起可能部(78、6、79)が隆起する際に、非連動部8を装置1に固定することである。よって、どのような種類の部品を組み合わせても、この目的を達成できれば、いずれも適切な均等物であり、カバー本体を含む。よって、本発明の連結部品の応用範囲は、各種既知のフック部材で置換して形成した上記連結部品ユニット90にも及ぶ。
【0041】
同時に、図3の下半分及び図4を参照すれば、使用者はその指101、103を形成された三角形状管状スペース77に置くことで、カバー4を保持し、手のひら10を装置の中心部に近づけるように移動させ、該装置1の保持を補助する。
【0042】
実施例1の上記隆起可能部には開孔があり、隆起可能部の一部78上にある。その実施方式は、隆起可能部78の上に、開孔切線70を作り、さらには閉合可能な蓋72及び閉合可能な蓋のヒンジ部71により、該隆起可能部に連結している。図5に示すように、該開孔部は、指103、104を置くことで装置の保持を補助する。よって開孔を利用してカバー4を保持することで、手のひら10を装置1の中心部に近づけるように移動させ、該装置1の保持を補助する。開孔接線70が延伸して、さらに閉合可能な蓋のヒンジ部分71を備えれば、閉合可能な蓋72を省略でき、開孔のみを形成できる。この方法により、図5に示す方法で保持でき、しかしカバー4は閉合可能な蓋72の区域のくりぬきにより、一部の保護区域が減ることになる。
【0043】
本発明はさらに、位置限定部品ユニットを利用することもでき、そのうち一つの位置限定部品はカバーの少なくとも一つの非連動部に設けられ、及び一つの位置限定部品は装置上またはカバー上に対応するように位置させる。隆起可能部が隆起するように設置すれば、使用者は該カバーを保持することができ、該隆起可能部を一定の角度を維持するように設置できる。図5を参照すれば、使用者が該カバー4を保持する際、連結部品901、902及びそれに対応する連結部品991、992を省略した場合、装置1の下向きの重力の関係により、非連動部8が第一連接端部5の第二ヒンジ部(折れ線52)に当てることにより、隆起可能部(78、6、79)を一定の角度に維持させる。よって、この形態における位置限定部品は該カバー上の非連動部8自身であり、カバー上の第一連結端部5に対応するものである。類似的に、装置1の背面に、第一連結端部5と平行する突起した溝を設け、非連動部8を係止させ、隆起可能部をもう一つの角度に維持する。もう一つの可能な案は、非連動部8上において隆起状物を設けて位置限定部品とし、隆起可能部の一部78上の孔に対応する。この際非連動部8と装置1は、ある角度を呈するものであり、フィットするものではない。よって、位置限定部品ユニットの目的は、カバーの隆起可能部を隆起するように設置する場合、第二連結端部両側の角度を固定することである。よってどのような部品を組み合わせたとしても、本目的を達成できるものであれば、いずれも適切な均等物であり、カバー本体を含む。
【0044】
本発明の実施例2はその他の実施可能な第一連結端部5の装着方法及びカバーのデザインを示している。図6及び図7を参照すれば、本発明のカバー4は第一連結端部5により回転可能にタブレットコンピュータの保護シェル55に装着されている。該保護シェル55は、保護シェル固定手段により、保護シェル正面552がタブレットコンピュータ(図示していない)の背面とフィットするように、タブレットコンピュータ上に固定し、使用時に保護シェル背面533は本発明に記載の該装置の第二面に相当する。図における保護シェル固定手段は、保護シェルの四つの角にある隆起状辺縁556を利用するものであり、保護シェルとタブレットコンピュータを一緒にした場合、タブレットコンピュータの外枠を係止して固定する。
【0045】
図中の実施例の第一連結端部5と上記ダブルヒンジ構造、さらには内張り硬質素材を有する強化エリア85を有することができ、隆起可能部78及び強化エリアと共に、非連動部の可能な位置限定形態を減らすことができる。
【0046】
図6のカバー4と保護シェル55とが、タブレットコンピュータと連結した後、図3の実施形態を参照すれば、図7のように実施することができる。すなわち、カバー4を第一連結端部5により該装置(図示していない)の第二面(533と同じ)に回転させ、さらに隆起可能部(78、6、79)が隆起するように設置し、第二連結端部6の裏側に管状スペース77を形成する。その特徴は、使用者が指101、105を該スペース77に置くことにより、該カバー4を保持し、手のひら10を該装置の中心部に近づけるように移動させ、該装置の保持を補助する。
【0047】
図中の実施例の非連動部分は二つの台形構造(81、82)であり、その長辺は非連動部連結端部(711、712)と保持部79により連結する。隆起するとき、非連動部(81、82)が裏側に回転することで、強化エリア85を係止させ、隆起可能部の一部78の接続部に支えを提供する。二つの台形構造(81、82)は、余分な材質により連結し、連動できるようにし、操作を便利にする。該保護シェル55は、さらにU型の凹溝554を有し、カバー4をブックカバーのように閉じた際、第一連結端部5における強化エリア85に対応する。
【0048】
以下において、さらに本発明のカバーの可能な使用方法について記載する。同時に、図3および図4の前記組み立て実施説明を参照する。本発明のカバー4を複数の面を有する装置1の第一面2を覆うことに用いる使用方法であって、該カバー4を第一連結端部5により、該装置上1に回転可能に装着するステップ、該カバー4を第一連結端部5により、該装置の第二面3まで回転させるステップ、該カバー4を隆起状態に設置して、第二連結端部6を装置1外側に隆起させ、該第二連結端部6の裏側に管状スペース77を形成するステップ、及び、指101を上記管状スペース77に置くことで該カバー4を保持し、手のひら10を該装置1の中心部に近づけるように移動させ、該装置1の保持を補助するステップを少なくとも含む。
【0049】
図4において、該カバー4が隆起可能状態において、倒置した台形の保持部79を設け、使用者が指(101、103)により双方を保持することを示している。
【0050】
図5において、隆起可能部78に開孔を設けることで、指を置いて保持を補助することを図示している。この方法は、両側から保持する保持部79を必要としなく、使用者は手のひら10を隆起状態下のカバー4に添えれば良い。
【0051】
従来のタブレットコンピュータの保持法(図1の(a)及び図1の(b))では、使用者の手のひらは装置の外枠の近くにあり、図4及び図5の保持法は、比較すれば、明らかに手のひら10を該装置1の中心部に近づけ、該装置1の保持を補助している。
【0052】
同時に、図8及び図9を参照する。これらは本発明の実施例1に似た実施例3である。その差異は強化エリアがなく、隆起可能部(78、6、79)は開孔及び連結部品を有しないことにある。カバーの可能な素材は適切な厚さを有するポリプロピレン(PP)またはその他のプラスチック及びその組み合わせである。第二連結端部6及び非連動部連動端部7の実施方法は、上記ヒンジ接合、ピボット接合及び折り曲げ構造等の方法以外に、特にプラスチックヒンジを用いた連結の設計があり、プラスチック射出によって一体成形、組立コストを減らすなどの目的を達成できる。
【0053】
非連動部8は実施例2と同じく、すなわちそれ自身が位置限定部品であり、カバー4上の対応する位置限定部品、すなわち第一連結端部5と組み合わせる。図4または図7に似た保持法は確実に実施可能であるため、詳細に説明しない。
【0054】
以下に実施例3により、本発明のカバーのその他の使用方法について説明し、本発明の精神に合うという条件の下で、多くの実施可能な実施例に使用することができる。図8を参照すれば、本カバー4は該装置1の第二面3が隆起する実施時の保持部79の一辺に、使用者が少なくとも一本の指(図中においては左手の親指101)を第二連結端部6の裏側に形成されたスペースに置き、手のひら10と共に該装置1を支え、該装置1の保持を補助する。指を形成された管状スペースに置くことにより、突然の外力に適切に対応でき、落下を回避である。さらに、使用者の親指と人指し指の間を保持部79の辺縁に当てることで、さらに安定的に保持できる。
【0055】
装置1の重さゆえに、保持する際に、装置が垂直に近づけば近づくほど、カバー4と装置1の摩擦力は低下し、よってカバー4は装置1に対し、時計方向に回転するよう移動し、この際位置限定部品の非連動部8の右上の辺縁で、該カバー4上の対応する位置限定部品、すなわち第一連結端部5と係止させる。図7に似た保持法により、第一連結端部5を係止するものの、その他の辺縁部分は離脱する。該回転距離はカバーの物理及び構造特性に制限され、適切な範囲に制御するようにデザインすることで、正常な使用に影響を及ぼさない。その他の適切な位置限定部品を選択することにより、この問題を低減または回避することができる。
【0056】
装置の傾斜角度が大きすぎる場合、装置1は第一連結端部5により回転し、第二面3をカバー4から離脱させ、これにより隆起状態を離脱する。よって大半の使用状態において、傾斜角度が大きすぎることはない。使用者は隆起状態から離脱しないように注意すればよい。適切に上記連結部品を選択することは、この問題を完全に排除できる。
【0057】
また、使用者は上記管状スペースに置いていない指を伸ばして、少なくとも一本の指で該装置上の指ロック部品を抑えることにより、該装置を安定的に保持できる。その主な目的は、該装置上に第2の力作用点を提供することにより、隆起状態を確保することである。よって指で押さえられる均等物であれば、いずれも使用することができ、溝、リングなどを含むが、これらに限定されない。
【0058】
図9を参照すれば、上記指ロック部品は装置1の外枠であり、使用者は管状スペースに置いていない指104、105を伸ばすことにより、装置1の辺縁を抑え、安定的に該装置を保持できる。図8と比較して、非連動部8は位置限定部品(すなわち第一連結端部5)を係止することなく、図中の左方向に移動することができ、隆起部(78、6、79)は低くなり、この時、指を管状スペースに置くことにより、高さの低下する程度を制限する。このような保持法は、装置の辺縁を抑えることにより、上記回転距離問題を低減でき、且つ上記隆起状態を離脱するという課題を有しない。
【0059】
図8、9に示すのは、本発明の簡潔な実施例であり、その他の実施例及び多くの前例と比較すれば、そのデザイン感覚が電子製品のテクノロジー感と合わないことはない。
【0060】
図8、9及び図4は、本発明のカバー及びその使用方法により、装置を縦向きまたは横向きのいずれに置いた場合でも、安定的に保持できることを明示している。
【0061】
本発明の実施例はタブレットコンピュータを例としているが、本発明のカバーは各種装置に用いることができ、例えばノートパソコンの手持ち補助に用いることができる。一つの明確な実施例は、スクリーンの背面を第一面として、カバーを第一連結端部によりノートパソコンの回転軸に平行に固定し、ノートパソコンのキーボート面の背面に折り曲げられ、第二面とする。ビジネスバッグの形で携帯できる上下二つのカバーとすることができ、固定手段により、ノートパソコンの台座を下部カバーに固定し、上部カバーはノートパソコンのスクリーンを覆うように固定する。また、さらに後ろ側にキーボートの背面(すなわちカバーの外側)に回転することができる。本発明を実施するには、上部カバーまたは上下のカバーの回転軸に平行的に、もう一つの内カバーを連結することにより実施する。
【0062】
本発明の特徴は、使用者が指をカバーの隆起により形成する管状スペースに置くことにより、該カバーを保持し、手のひらを該装置の中心部に近づけるように移動させ、該装置の保持を補助する。このようにすることで、装置の重量及びその力モーメントによる長く保持できないという課題を改善である。もう一方で、使用者は本発明のカバーで保持することで、装置の外枠の設計はより大きな自由度を得ることができる。
【0063】
本発明の提供するカバー及びその使用方法は、通常時においてカバーは保護装置の主要面(第一面)上のヒューマンマシンインタフェース(例えばスクリーン)を保護する機能を発揮することにより、使用者の手がタッチパネル装置の主な面を触ることなく、安定的に保持することができ、これによって例えば細い外枠を有するタッチスクリーンを応用でき、さらに大きなヒューマンマシンインタフェース使用面積を得ることができる。手部保持時のタッチパネルスクリーン面積を検出する計算法を併用することにより、ダイナミックにカバー保持及び外枠保持の状態に適応することができ、相応なヒューマンインタフェース使用面積を有しながら、より小さなサイズを有する装置を提供できる。
【0064】
本発明の比較的良い実施例は上記のとおりであり、しかし本発明を限定するものではなく、如何なるこの技術を周知するものは、本発明の精神及び範囲を離脱しない範囲内において、幾らかの変動または修飾を行うことができ、よって本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に記載したものによって決められる。
【符号の説明】
【0065】
1 複数の面を有する装置
10 手のひら
100〜105 指
3 装置の第二面
4 カバー
6 第二連結端部、隆起可能部の一部
7 非連動部連結端部
78 隆起可能部の一部
79 保持部、隆起可能部の一部
8 非連動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の面を有する装置の第一面を覆うためのカバーであって、
第一連結端部、隆起可能部、非連動部を少なくとも備え、
該カバーは該第一連結端部により回転可能に該装置上に装着され、
該隆起可能部は少なくとも第二連結端部を有し、該第二連結端部は該装置の外側に隆起するように回転可能で、
該非連動部は、該第二連結端部と連結せず、
上記カバーは、該第一連結端部により該装置の第二面まで回転し、
さらに該隆起可能部が隆起するように設置でき、
該第二連結端部の裏側で管状スペースを形成し、
使用者が指を該スペースに置いて該カバーを保持する場合、手のひらを該装置中心部に近づけるよう移動させ、該装置の保持を補助することを特徴とするカバー。
【請求項2】
上記非連動部にさらに連結部品を設け、
該装置上には対応する連結部品を設け、
該非連動部を隆起可能部が隆起するように設置する場合、取り外し可能な方法で該装置に固定されることを特徴とする、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
上記非連動部にさらに位置限定部品を設け、
該装置上または該カバー上に対応する位置限定部品を設け、
該隆起可能部が隆起するように設置する場合、
使用者が該カバーを保持でき、さらに該隆起可能部を一定の角度に維持することを特徴とする、請求項1に記載のカバー。
【請求項4】
上記隆起可能部に、さらに指を置くことで保持を補助する開孔を備えることを特徴とする、請求項1に記載のカバー。
【請求項5】
上記開孔は、さらに閉合可能な蓋を有し、該隆起可能部に連結していることを特徴とする、請求項4に記載のカバー。
【請求項6】
上記隆起可能部を隆起するように設置する場合に、さらに使用者が指で保持するための保持部を有することを特徴とする、請求項1に記載のカバー。
【請求項7】
カバーを複数の面を有する装置の第一面を覆うことに用いる使用方法であって、
該カバーを第一連結端部により、該装置上に回転可能に装着するステップ、
該カバーを第一連結端部により、該装置の第二面まで回転させるステップ、
該カバーを隆起状態に設置して、第二連結端部を装置外側に隆起させ、該第二連結端部の裏側に管状スペースを形成するステップ、及び、
指を上記管状スペースに置くことで該カバーを保持し、手のひらを該装置の中心部に近づけるよう移動させ、該装置の保持を補助するステップを少なくとも含むことを特徴とする使用方法。
【請求項8】
上記隆起状態において、さらに使用者が指で双側から保持するための保持部を備えることを特徴とする、請求項7に記載の使用方法。
【請求項9】
上記保持部の片側に、使用者が上記管状スペースに少なくとも一本の指を置くことにより、手のひらで該装置を支え、該装置の保持を補助することを特徴とする、請求項8に記載の使用方法。
【請求項10】
使用者は上記管状スペースに置いていない指を伸ばして、少なくとも一本の指で該装置上の指ロック部品を抑え、該装置を安定的に保持することを特徴とする、請求項9に記載の使用方法。
【請求項11】
上記指ロック部品は該装置の枠部であることを特徴とする、請求項10に記載の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−89251(P2013−89251A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−229686(P2012−229686)
【出願日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【出願人】(512259581)
【氏名又は名称原語表記】Jen Te Chen
【住所又は居所原語表記】8F.‐1,No.475,Guangfu S.Rd.,Sinyi District,Taipei City 110,Taiwan
【Fターム(参考)】