手芸作業用補助具
【課題】装飾用素材を作製するのに際し、二重に折られた布地を形状やサイズがほぼ一定な袋状に効率よく縫い合わせること。
【解決手段】同一寸法の一対のプレート1,2を備え、これらプレート1,2の間に布地を挟んだ状態で当該プレート1,2を折り返すことにより布地を二重に折り、布地を所定の袋状に縫い合わせるための手芸作業用補助具Aであって、プレート1,2は、それぞれ、同一寸法の複数の菱形の単位片11〜16,21〜26が一定方向につなげられた形状とされており、プレート1,2には、これらが重合する状態において、単位片11〜16,21〜26の一方の対角線、および隣接する単位片の境界線に沿って山折り、谷折りを交互に行わせるための折り操作指示手段(折り目表示線11c〜16c,21c〜26c,11d〜15d,21d〜25d、および折り方向表示マーク11e〜16e,21e〜26e)が設けられている。
【解決手段】同一寸法の一対のプレート1,2を備え、これらプレート1,2の間に布地を挟んだ状態で当該プレート1,2を折り返すことにより布地を二重に折り、布地を所定の袋状に縫い合わせるための手芸作業用補助具Aであって、プレート1,2は、それぞれ、同一寸法の複数の菱形の単位片11〜16,21〜26が一定方向につなげられた形状とされており、プレート1,2には、これらが重合する状態において、単位片11〜16,21〜26の一方の対角線、および隣接する単位片の境界線に沿って山折り、谷折りを交互に行わせるための折り操作指示手段(折り目表示線11c〜16c,21c〜26c,11d〜15d,21d〜25d、および折り方向表示マーク11e〜16e,21e〜26e)が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手芸作業用補助具に関し、特にファッション雑貨やインテリア小物などに取り付けるための装飾用素材を作製する際に使用する手芸作業用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
ファッション雑貨やインテリア小物などに取り付けて優れた装飾効果を発揮する装飾用素材として、たとえば巻きバラと呼称されるものが知られている。巻きバラは、一般に、布地を細長い袋状に縫い合わせ、それを巻き取ることによって作製される。具体的な作製手順の一例を挙げると、まず、型紙などを用いて所定サイズの帯状の布地を裁断する。次いで、裁断した布地を二重に折り、周縁を縫い合わせて袋状にする。次いで、袋状とされた布地を、たとえば棒状の支持部材に巻き付けて接着剤で固定すれば、巻きバラが出来上がる(たとえば、非特許文献1を参照)。ここで、最初に布地をバイアス方向に沿って裁断しておくと、袋状の布地を巻き取ることによってボリュームを持たせることができ、バラの花のような立体感を醸し出すことができる。
【0003】
しかしながら、上記従来の巻きバラの作製においては、たとえば布地を二重に折って袋状に縫い合わせる際に、二重の布地の周縁をぴったりと揃えないと縫い目にばらつきが生じ、袋状とされた布の形状やサイズにばらつきが生じてしまう。その結果、出来上がった巻きバラの形態もばらつきが生じてしまう。特に多数の巻きバラを作製するような場合には、縫い目を一定に揃えるのは困難であり、これにはある程度の熟練が必要となる。また、布地をバイアス方向に裁断する場合、縦横の糸方向に裁断する場合に比べると布地を無駄にする部分が多く、布地の有効利用という観点から好ましくない。
【0004】
【非特許文献1】遠藤紀子著、「リボンと布でカジュアルな花たち」、文化出版局、2006年12月10日発行、p.102
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、巻きバラなどの装飾用素材を作製するのに際し、二重に折られた布地を形状やサイズがほぼ一定な袋状に効率よく縫い合わせることができる手芸作業用補助具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供される手芸作業用補助具は、同一寸法からなる第1および第2の一対のプレートを備え、これらプレートの間に布地を挟んだ状態で当該プレートを折り返すことにより布地を二重に折り、布地を所定の袋状に縫い合わせるための手芸作業用補助具であって、上記第1および第2のプレートは、それぞれ、同一寸法からなる複数の菱形の単位片が一定方向につなげられた平行四辺形状とされており、上記第1および第2のプレートには、これらが重合する状態において、上記単位片の一方の対角線、および隣接する上記単位片どうしの境界線に沿って山折り、谷折りを交互に行わせるための折り操作指示手段が設けられていることを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記折り操作指示手段は、上記一方の対角線および上記境界線に沿って表された折り目表示線と、当該折り目表示線を挟む両側部分に表され、上記折り目表示線における折り方向を示すための折り方向表示マークと、を備えて構成されている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記折り操作指示手段は、上記一方の対角線および上記境界線に沿って設けられ、交互に山折り、谷折りの方向づけがされた折りぐせを備えて構成されている。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2のプレートの両端近傍には、それぞれ、一対ずつの第1および第2貫通孔が形成されており、上記一対ずつの第1および第2の貫通孔は、上記第1および第2のプレートが重合する状態において連通している。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2のプレートにおいて、これらが重合する状態における内側の面には、それぞれ、滑り防止手段が設けられている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1のプレートにおいて、上記第1および第2のプレートが重合する状態における外側の面には、縫い操作指示手段が設けられている。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記縫い操作指示手段は、一方端の上記単位片において上記一方の対角線の外側にある2つの辺と、上記一方端の上記単位片に隣接する上記単位片から他方端の上記単位片に隣接する上記単位片に至るまでの各上記単位片において上記2つの辺の片方に順次つながる各辺と、に沿って設けられた縫い位置表示マークを有する。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る手芸作業用補助具の一例を示す展開平面図である。本実施形態の手芸作業用補助具Aは、同一寸法からなる一対の外プレート1および内プレート2を備えて構成されている。この手芸作業用補助具Aは、たとえば巻きバラなどの装飾用素材を作製するのに際し、布地を袋状に縫い合わせるために用いるものである。
【0017】
外プレート1および内プレート2は、それぞれ、たとえばシート状の不織布の片面に樹脂フィルムをラミネート加工により貼着して形成されたものであり、その表裏面は、フィルム面1a,2aおよび不織布面1b,2bとなっている。ここで、不織布面1b,2bは、本発明でいう滑り防止手段に相当するものである。なお、図1においては、フィルム面1a,2aが表側となるように示している。
【0018】
外プレート1は、同一寸法からなる複数(本実施形態では6個)の菱形の単位片11〜16が一定方向につなげられた形態となっており、全体として平行四辺形状とされている。フィルム面1aにおいて、各単位片11〜16には、一方の対角線に沿って、たとえば印刷などにより折り目表示線11c〜16cが表されている。また、隣接する単位片どうしの境界線に沿って折り目表示線11d〜15dが表されている。
【0019】
フィルム面1aには、たとえば印刷などにより折り方向表示マーク11e〜16eが表されている。折り方向表示マーク11e〜16eは、各折り目表示線11d〜15dを挟む両側部分に対をなすように(たとえば折り目表示線11dを挟んで位置する折り方向表示マーク11e,12eや折り目表示線12dを挟んで位置する折り方向表示マーク12e,13e)配されており、各折り目表示線11d〜15dにおける折り方向を示すためのものである。折り目表示線11c〜16c,11d〜15dおよび折り方向表示マーク11e〜16eは、本発明でいう折り操作指示手段の一つの態様に相当するものである。
【0020】
フィルム面1aにはまた、たとえば印刷などにより縫い位置表示マーク18(図面中においてハッチングで表す)が設けられている。本実施形態では、縫い位置表示マーク18は、一方端の単位片11において折り目表示線11c(一方の対角線)の外側にある2辺と、単位片11に隣接する単位片12から他方端の単位片16に隣接する単位片15に至るまでの各単位片12〜15において上記2つ辺の片方に順次つながる各辺と、に沿って設けられている。この縫い位置表示マーク18は、布地を縫い合わせるべき位置を示すためのものであり、本発明でいう縫い操作指示手段に相当するものである。なお、本実施形態では、縫い位置表示マーク18の縫い始めの位置を示す縫い操作開始表示19aと、縫い終わりの位置を示す縫い操作終了表示19bとが付されている。
【0021】
また、外プレート1において、一方端の単位片11および他方端の単位片16には、一対ずつの貫通孔11h,16hが形成されている。
【0022】
内プレート2は、外プレート1と同様に、同一寸法からなる6個の菱形の単位片21〜26が一定方向につなげられた形態となっており、全体として平行四辺形状とされている。各単位片21〜26の寸法は、外プレート1の単位片11〜16の寸法と同一とされている。フィルム面2aにおいて、各単位片21〜26には、一方の対角線に沿って、たとえば印刷などにより折り目表示線21c〜26cが表されている。また、隣接する単位片どうしの境界線に沿って折り目表示線21d〜25dが表されている。
【0023】
フィルム面2aには、たとえば印刷などにより折り方向表示マーク21e〜26eが表されている。折り方向表示マーク21e〜26eは、各折り目表示線21c〜26cを挟む両側部分に対をなすように(たとえば折り目表示線21cを挟んで位置する折り方向表示マーク21e,21eや折り目表示線22cを挟んで位置する折り方向表示マーク22e,22e)配されており、各折り目表示線21c〜26cにおける折り方向を示すためのものである。折り目表示線21c〜26c,21d〜25dおよび折り方向表示マーク21e〜26eは、本発明でいう折り操作指示手段の一つの態様に相当するものである。
【0024】
また、一方端の単位片21および他方端の単位片26には、一対ずつの貫通孔21h,26hが形成されている。これら貫通孔21h,26hは、フィルム面1a,2aが外表となるように外プレート1および内プレート2が重合する状態において、外プレート1の貫通孔11h,16hと連通するように位置している。
【0025】
外プレート1および内プレート2のそれぞれには、折り目表示線11c〜16c,11d〜15dおよび折り目表示線21c〜26c,21d〜25dに沿って折りぐせがつけられている。折りぐせは、フィルム面1a,2aが外表となるように外プレート1および内プレート2が重合する状態において、交互に山折り、谷折りの方向づけがなされたものである。これら折りぐせは、本発明でいう折り操作指示手段の一つの態様に相当するものである。そして、外プレート1および内プレート2は、重合する状態で折りぐせに沿って順次折り返すと、図2に示すように、略正五角形の外形を有するように折り畳むことができる。
【0026】
次に、上記構成の手芸作業用補助具Aを用いて装飾用素材としての巻きバラを作製する方法について、図3〜図12を参照して説明する。
【0027】
まず、図3に示すように、フィルム面1a,2aが外表となるように外プレート1、内プレート2の順に重ね、外プレート1と内プレート2との間にこれらプレート1,2よりもひと回り大きい寸法の布地Cを挟む。そして、図4に示すように、外プレート1および内プレート2を、その周縁がぴったり揃うように重ね合わせる。ここで、プレート1,2の一端側の一対ずつの貫通孔11h,21h、および他端側の一対ずつの貫通孔16h,26hのそれぞれに待針Pを通し、布地Cがプレート1,2から外れないようにする。また、布地Cについては、プレート1,2の周縁に沿ったほぼ一定幅の縫い代(たとえば約2cm)を残して、不要部分を切り落とす。
【0028】
次に、図5に示すように、プレート1,2の一方端の単位片11,21の折り目表示線11c,21cを折り返す。このとき、図4を参照するとよく理解できるように、対をなす折り方向表示マーク21e,21eが合わさるようにすることにより、単位片21は折り目表示線21cに沿って折りぐせの付いた方向へ谷折りされ、単位片11は折り目表示線11cに沿って折りぐせの付いた方向へ山折りされる。そうすると、単位片11,21の折り目表示線11c,21c(一方の対角線)を挟んで隣り合う2つの辺が重なることになり、2枚のプレート1,2に挟まれた布地Cはこの部分において二重に折り返される。そして、布地Cの縫い代を重ねて、縫い位置表示マーク18に沿って、縫い操作開始表示19aの端から最初の角まで、比較的に大きな針目(たとえば約1cm)で縫い合わす。
【0029】
次に、図6および図7に示すように、プレート2の折り目表示線21d,22cに沿って山折り、谷折りの順でプレート1,2を折り返す。このとき、図1を参照するとよく理解できるように、図示しない折り方向表示マーク11e,12eが合わさるようにすることにより、単位片11は折り目表示線11dに沿って折りぐせの付いた方向へ谷折りされ、単位片21は折り目表示線21dに沿って折りぐせの付いた方向へ山折りされる(図6参照)。引き続き、折り方向表示マーク22e,22eが合わさるようにすることにより、単位片22は折り目表示線22cに沿って折りぐせの付いた方向へ谷折りされ、単位片12は折り目表示線12cに沿って折りぐせの付いた方向へ山折りされる(図7参照)。ここで、単位片11,21の各辺と、当該各辺と対向する位置にある単位片12,22の各辺とが重なることになり、2枚のプレート1,2に挟まれた布地Cはこの部分において二重に折り返される。そして、布地Cの縫い代を重ねて、縫い位置表示マーク18に沿って、次の角まで縫い合わす。
【0030】
次いで、このような折り操作および縫い操作を、単位片13〜16,23〜26についても同様に繰り返す。そして、図8に示すように、縫い位置表示マーク18に沿って縫い操作終了表示19bまで布地Cの縫い代が重なった部分を縫い合わせ、単位片16,26の最後の1辺を残したまま、針と待針Pを外す。
【0031】
次に、外プレート1を取り外し、図9に示すように、内プレート2をまっすぐになるように整える。ここで、布地Cは袋状に縫い合わされており、その縫い目はねじれて螺旋状になっている。袋状とされた布地Cは、単位片26に対応する端部が縫い合わされておらず、開口している。一方、内プレート2は、袋状の布地Cの内側に包み込まれた状態となっている。そして、布地Cの開口部分を通じて内プレート2を抜き取り、布地Cの開口部分を縫い閉じる。なお、内プレート2を抜き取る際に、布地Cを裏返してもよい。この場合、縫い代部分は袋状の布地Cの内側に入り込み、外から見えなくなる。
【0032】
次に、図10に示すように、たとえば布地Cの縫い目が図中下側になるように揃える。このとき、布地Cの図中上側には、もとの螺旋状であった縫い目のねじれに起因して、ひだが形成される。
【0033】
次に、図11に示すように、布地Cの端部に、たとえばヘアピンなどの棒状の支持部材Sを取り付け、糸を引いて軽くギャザーを寄せる。
【0034】
次に、支持部材Sを芯にして布地Cを軽く巻き付け、布地Cの下側において巻かれた縫い目の近傍を縫い止める。そして、支持部材Sを取り外す。このようにして、たとえば図12に表されるようなボリューム感のある巻きバラRが得られる。
【0035】
本実施形態の手芸作業用補助具Aにおいては、上述したように、2枚のプレート1,2は、それぞれ菱形の単位片11〜16,21〜26が一定方向につなげられた平行四辺形状とされている。そして、手芸作業用補助具Aを用いて巻きバラRを作製する際には、これらプレート1,2に布地Cを挟み、折り目表示線11c〜16c,21c〜26c(単位片の一方の対角線)、および折り目表示線11d〜15d,21d〜25d(隣接する単位片どうしの境界線)に沿って順番に折り進めながら、布地Cの縫い代が二重となった部分を縫い合わせていくことにより、布地Cを形状や寸法がほぼ一定な袋状とすることができる。
【0036】
また、本実施形態の手芸作業用補助具Aを用いれば、図9を参照して説明したように、袋状とされた布地Cには螺旋状の縫い目が形成される。そして、この縫い目の位置を揃えると、もとの螺旋状の縫い目のねじれに起因して、図10に表れているように、布地Cにはひだが形成される。このため、袋状とされた布地Cを巻き取ることによって得られる巻きバラRについては、充分なボリューム感を有するととともに、上記したひだによって、あたかもバラの花びらが重なり合うような立体感のある独自の風合いを醸し出すことができる。
【0037】
さらに、上記の説明から理解できるように、本実施形態においては、使用する布地Cの裁断方向に拘わらず、作製される巻きバラRはボリューム感を有するものとなる。このため、使用する布地Cを、たとえば縦横の糸方向に裁断しても何ら差し支えない。すなわち、手芸作業用補助具Aを用いれば、布地Cを従来のようにバイアス方向に裁断する必要がなく、布地Cの有効利用という観点からも好ましい。
【0038】
本実施形態において、プレート1,2には、折り操作指示手段の一態様として、折り目表示線11c〜16c,11d〜15d,21c〜26c,21d〜25dおよび折り方向表示マーク11e〜16e,21e〜26eが設けられている。このため、作業者は、プレート1,2の折り操作の手順を適確に把握することができ、プレート1,2の折り操作を迅速かつ適確に行うことができる。さらに、プレート1,2には、折り目表示線11c〜16c,11d〜15d,21c〜26c,21d〜25dに沿って、折り操作指示手段の一態様としての折りぐせがつけられている。このため、プレート1,2の折り操作の手順をより適確に把握することができる。
【0039】
本実施形態において、外プレート1および内プレート2には滑り防止手段としての不織布面1b,2bが形成されている。そして、2枚のプレート1,2によって布地Cを挟むと、不織布面1b,2bがそれぞれ布地Cに当接することになる。したがって、このような構成によれば、2枚のプレート1,2の各所を折り返していく過程において、プレート1,2に挟まれた布地Cが不当にずれるといった不都合を適切に防止することができる。
【0040】
本実施形態において、外プレート1には縫い操作指示手段としての縫い位置表示マーク18が設けられている。これにより、プレート1,2の各所を折り進めながら行う縫い操作において、縫い合わせるべき布地Cの位置を適確に把握することができる。かかる構成は、手芸作業用補助具Aの使い勝手をより良くするうえで好ましい。
【0041】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る手芸作業用補助具の各部の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。
【0042】
本発明でいう菱形の単位片の形状としては、上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば菱形の一態様である正方形としてもよい。また、単位片の数について、上記実施形態のように6個に限定されるものではなく、適宜増減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る手芸作業用補助具の一例を示す展開平面図である。
【図2】図1に示す手芸作業用補助具を折り畳んだ状態を示す平面図である。
【図3】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図4】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図5】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図6】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図7】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図8】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図9】袋状とされた布地の一つの状態を示す平面図である。
【図10】袋状とされた布地の一つの状態を示す図である。
【図11】袋状とされた布地の一つの状態を示す図である。
【図12】図1に示す手芸作業用補助具を使用して作製された装飾用素材の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0044】
A 手芸作業用補助具
C 布地
R 巻きバラ
1 外プレート(第1のプレート)
2 内プレート(第2のプレート)
1a,2a フィルム面
1b,2b 不織布面(滑り防止手段)
11〜16 (第1のプレートの)単位片
11c〜16c (一の対角線に沿う)折り目表示線
11d〜15d (隣接する単位片どうしの境界線に沿う)折り目表示線
11e〜16e 折り方向表示マーク
11h,16h (第1の)貫通孔
18 縫い位置表示マーク(縫い操作指示手段)
21〜26 (第2のプレートの)単位片
21c〜26c (一の対角線に沿う)折り目表示線
21d〜25d (隣接する単位片どうしの境界線に沿う)折り目表示線
21e〜26e 折り方向表示マーク
21h,26h (第2の)貫通孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、手芸作業用補助具に関し、特にファッション雑貨やインテリア小物などに取り付けるための装飾用素材を作製する際に使用する手芸作業用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
ファッション雑貨やインテリア小物などに取り付けて優れた装飾効果を発揮する装飾用素材として、たとえば巻きバラと呼称されるものが知られている。巻きバラは、一般に、布地を細長い袋状に縫い合わせ、それを巻き取ることによって作製される。具体的な作製手順の一例を挙げると、まず、型紙などを用いて所定サイズの帯状の布地を裁断する。次いで、裁断した布地を二重に折り、周縁を縫い合わせて袋状にする。次いで、袋状とされた布地を、たとえば棒状の支持部材に巻き付けて接着剤で固定すれば、巻きバラが出来上がる(たとえば、非特許文献1を参照)。ここで、最初に布地をバイアス方向に沿って裁断しておくと、袋状の布地を巻き取ることによってボリュームを持たせることができ、バラの花のような立体感を醸し出すことができる。
【0003】
しかしながら、上記従来の巻きバラの作製においては、たとえば布地を二重に折って袋状に縫い合わせる際に、二重の布地の周縁をぴったりと揃えないと縫い目にばらつきが生じ、袋状とされた布の形状やサイズにばらつきが生じてしまう。その結果、出来上がった巻きバラの形態もばらつきが生じてしまう。特に多数の巻きバラを作製するような場合には、縫い目を一定に揃えるのは困難であり、これにはある程度の熟練が必要となる。また、布地をバイアス方向に裁断する場合、縦横の糸方向に裁断する場合に比べると布地を無駄にする部分が多く、布地の有効利用という観点から好ましくない。
【0004】
【非特許文献1】遠藤紀子著、「リボンと布でカジュアルな花たち」、文化出版局、2006年12月10日発行、p.102
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、巻きバラなどの装飾用素材を作製するのに際し、二重に折られた布地を形状やサイズがほぼ一定な袋状に効率よく縫い合わせることができる手芸作業用補助具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供される手芸作業用補助具は、同一寸法からなる第1および第2の一対のプレートを備え、これらプレートの間に布地を挟んだ状態で当該プレートを折り返すことにより布地を二重に折り、布地を所定の袋状に縫い合わせるための手芸作業用補助具であって、上記第1および第2のプレートは、それぞれ、同一寸法からなる複数の菱形の単位片が一定方向につなげられた平行四辺形状とされており、上記第1および第2のプレートには、これらが重合する状態において、上記単位片の一方の対角線、および隣接する上記単位片どうしの境界線に沿って山折り、谷折りを交互に行わせるための折り操作指示手段が設けられていることを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記折り操作指示手段は、上記一方の対角線および上記境界線に沿って表された折り目表示線と、当該折り目表示線を挟む両側部分に表され、上記折り目表示線における折り方向を示すための折り方向表示マークと、を備えて構成されている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記折り操作指示手段は、上記一方の対角線および上記境界線に沿って設けられ、交互に山折り、谷折りの方向づけがされた折りぐせを備えて構成されている。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2のプレートの両端近傍には、それぞれ、一対ずつの第1および第2貫通孔が形成されており、上記一対ずつの第1および第2の貫通孔は、上記第1および第2のプレートが重合する状態において連通している。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2のプレートにおいて、これらが重合する状態における内側の面には、それぞれ、滑り防止手段が設けられている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1のプレートにおいて、上記第1および第2のプレートが重合する状態における外側の面には、縫い操作指示手段が設けられている。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記縫い操作指示手段は、一方端の上記単位片において上記一方の対角線の外側にある2つの辺と、上記一方端の上記単位片に隣接する上記単位片から他方端の上記単位片に隣接する上記単位片に至るまでの各上記単位片において上記2つの辺の片方に順次つながる各辺と、に沿って設けられた縫い位置表示マークを有する。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る手芸作業用補助具の一例を示す展開平面図である。本実施形態の手芸作業用補助具Aは、同一寸法からなる一対の外プレート1および内プレート2を備えて構成されている。この手芸作業用補助具Aは、たとえば巻きバラなどの装飾用素材を作製するのに際し、布地を袋状に縫い合わせるために用いるものである。
【0017】
外プレート1および内プレート2は、それぞれ、たとえばシート状の不織布の片面に樹脂フィルムをラミネート加工により貼着して形成されたものであり、その表裏面は、フィルム面1a,2aおよび不織布面1b,2bとなっている。ここで、不織布面1b,2bは、本発明でいう滑り防止手段に相当するものである。なお、図1においては、フィルム面1a,2aが表側となるように示している。
【0018】
外プレート1は、同一寸法からなる複数(本実施形態では6個)の菱形の単位片11〜16が一定方向につなげられた形態となっており、全体として平行四辺形状とされている。フィルム面1aにおいて、各単位片11〜16には、一方の対角線に沿って、たとえば印刷などにより折り目表示線11c〜16cが表されている。また、隣接する単位片どうしの境界線に沿って折り目表示線11d〜15dが表されている。
【0019】
フィルム面1aには、たとえば印刷などにより折り方向表示マーク11e〜16eが表されている。折り方向表示マーク11e〜16eは、各折り目表示線11d〜15dを挟む両側部分に対をなすように(たとえば折り目表示線11dを挟んで位置する折り方向表示マーク11e,12eや折り目表示線12dを挟んで位置する折り方向表示マーク12e,13e)配されており、各折り目表示線11d〜15dにおける折り方向を示すためのものである。折り目表示線11c〜16c,11d〜15dおよび折り方向表示マーク11e〜16eは、本発明でいう折り操作指示手段の一つの態様に相当するものである。
【0020】
フィルム面1aにはまた、たとえば印刷などにより縫い位置表示マーク18(図面中においてハッチングで表す)が設けられている。本実施形態では、縫い位置表示マーク18は、一方端の単位片11において折り目表示線11c(一方の対角線)の外側にある2辺と、単位片11に隣接する単位片12から他方端の単位片16に隣接する単位片15に至るまでの各単位片12〜15において上記2つ辺の片方に順次つながる各辺と、に沿って設けられている。この縫い位置表示マーク18は、布地を縫い合わせるべき位置を示すためのものであり、本発明でいう縫い操作指示手段に相当するものである。なお、本実施形態では、縫い位置表示マーク18の縫い始めの位置を示す縫い操作開始表示19aと、縫い終わりの位置を示す縫い操作終了表示19bとが付されている。
【0021】
また、外プレート1において、一方端の単位片11および他方端の単位片16には、一対ずつの貫通孔11h,16hが形成されている。
【0022】
内プレート2は、外プレート1と同様に、同一寸法からなる6個の菱形の単位片21〜26が一定方向につなげられた形態となっており、全体として平行四辺形状とされている。各単位片21〜26の寸法は、外プレート1の単位片11〜16の寸法と同一とされている。フィルム面2aにおいて、各単位片21〜26には、一方の対角線に沿って、たとえば印刷などにより折り目表示線21c〜26cが表されている。また、隣接する単位片どうしの境界線に沿って折り目表示線21d〜25dが表されている。
【0023】
フィルム面2aには、たとえば印刷などにより折り方向表示マーク21e〜26eが表されている。折り方向表示マーク21e〜26eは、各折り目表示線21c〜26cを挟む両側部分に対をなすように(たとえば折り目表示線21cを挟んで位置する折り方向表示マーク21e,21eや折り目表示線22cを挟んで位置する折り方向表示マーク22e,22e)配されており、各折り目表示線21c〜26cにおける折り方向を示すためのものである。折り目表示線21c〜26c,21d〜25dおよび折り方向表示マーク21e〜26eは、本発明でいう折り操作指示手段の一つの態様に相当するものである。
【0024】
また、一方端の単位片21および他方端の単位片26には、一対ずつの貫通孔21h,26hが形成されている。これら貫通孔21h,26hは、フィルム面1a,2aが外表となるように外プレート1および内プレート2が重合する状態において、外プレート1の貫通孔11h,16hと連通するように位置している。
【0025】
外プレート1および内プレート2のそれぞれには、折り目表示線11c〜16c,11d〜15dおよび折り目表示線21c〜26c,21d〜25dに沿って折りぐせがつけられている。折りぐせは、フィルム面1a,2aが外表となるように外プレート1および内プレート2が重合する状態において、交互に山折り、谷折りの方向づけがなされたものである。これら折りぐせは、本発明でいう折り操作指示手段の一つの態様に相当するものである。そして、外プレート1および内プレート2は、重合する状態で折りぐせに沿って順次折り返すと、図2に示すように、略正五角形の外形を有するように折り畳むことができる。
【0026】
次に、上記構成の手芸作業用補助具Aを用いて装飾用素材としての巻きバラを作製する方法について、図3〜図12を参照して説明する。
【0027】
まず、図3に示すように、フィルム面1a,2aが外表となるように外プレート1、内プレート2の順に重ね、外プレート1と内プレート2との間にこれらプレート1,2よりもひと回り大きい寸法の布地Cを挟む。そして、図4に示すように、外プレート1および内プレート2を、その周縁がぴったり揃うように重ね合わせる。ここで、プレート1,2の一端側の一対ずつの貫通孔11h,21h、および他端側の一対ずつの貫通孔16h,26hのそれぞれに待針Pを通し、布地Cがプレート1,2から外れないようにする。また、布地Cについては、プレート1,2の周縁に沿ったほぼ一定幅の縫い代(たとえば約2cm)を残して、不要部分を切り落とす。
【0028】
次に、図5に示すように、プレート1,2の一方端の単位片11,21の折り目表示線11c,21cを折り返す。このとき、図4を参照するとよく理解できるように、対をなす折り方向表示マーク21e,21eが合わさるようにすることにより、単位片21は折り目表示線21cに沿って折りぐせの付いた方向へ谷折りされ、単位片11は折り目表示線11cに沿って折りぐせの付いた方向へ山折りされる。そうすると、単位片11,21の折り目表示線11c,21c(一方の対角線)を挟んで隣り合う2つの辺が重なることになり、2枚のプレート1,2に挟まれた布地Cはこの部分において二重に折り返される。そして、布地Cの縫い代を重ねて、縫い位置表示マーク18に沿って、縫い操作開始表示19aの端から最初の角まで、比較的に大きな針目(たとえば約1cm)で縫い合わす。
【0029】
次に、図6および図7に示すように、プレート2の折り目表示線21d,22cに沿って山折り、谷折りの順でプレート1,2を折り返す。このとき、図1を参照するとよく理解できるように、図示しない折り方向表示マーク11e,12eが合わさるようにすることにより、単位片11は折り目表示線11dに沿って折りぐせの付いた方向へ谷折りされ、単位片21は折り目表示線21dに沿って折りぐせの付いた方向へ山折りされる(図6参照)。引き続き、折り方向表示マーク22e,22eが合わさるようにすることにより、単位片22は折り目表示線22cに沿って折りぐせの付いた方向へ谷折りされ、単位片12は折り目表示線12cに沿って折りぐせの付いた方向へ山折りされる(図7参照)。ここで、単位片11,21の各辺と、当該各辺と対向する位置にある単位片12,22の各辺とが重なることになり、2枚のプレート1,2に挟まれた布地Cはこの部分において二重に折り返される。そして、布地Cの縫い代を重ねて、縫い位置表示マーク18に沿って、次の角まで縫い合わす。
【0030】
次いで、このような折り操作および縫い操作を、単位片13〜16,23〜26についても同様に繰り返す。そして、図8に示すように、縫い位置表示マーク18に沿って縫い操作終了表示19bまで布地Cの縫い代が重なった部分を縫い合わせ、単位片16,26の最後の1辺を残したまま、針と待針Pを外す。
【0031】
次に、外プレート1を取り外し、図9に示すように、内プレート2をまっすぐになるように整える。ここで、布地Cは袋状に縫い合わされており、その縫い目はねじれて螺旋状になっている。袋状とされた布地Cは、単位片26に対応する端部が縫い合わされておらず、開口している。一方、内プレート2は、袋状の布地Cの内側に包み込まれた状態となっている。そして、布地Cの開口部分を通じて内プレート2を抜き取り、布地Cの開口部分を縫い閉じる。なお、内プレート2を抜き取る際に、布地Cを裏返してもよい。この場合、縫い代部分は袋状の布地Cの内側に入り込み、外から見えなくなる。
【0032】
次に、図10に示すように、たとえば布地Cの縫い目が図中下側になるように揃える。このとき、布地Cの図中上側には、もとの螺旋状であった縫い目のねじれに起因して、ひだが形成される。
【0033】
次に、図11に示すように、布地Cの端部に、たとえばヘアピンなどの棒状の支持部材Sを取り付け、糸を引いて軽くギャザーを寄せる。
【0034】
次に、支持部材Sを芯にして布地Cを軽く巻き付け、布地Cの下側において巻かれた縫い目の近傍を縫い止める。そして、支持部材Sを取り外す。このようにして、たとえば図12に表されるようなボリューム感のある巻きバラRが得られる。
【0035】
本実施形態の手芸作業用補助具Aにおいては、上述したように、2枚のプレート1,2は、それぞれ菱形の単位片11〜16,21〜26が一定方向につなげられた平行四辺形状とされている。そして、手芸作業用補助具Aを用いて巻きバラRを作製する際には、これらプレート1,2に布地Cを挟み、折り目表示線11c〜16c,21c〜26c(単位片の一方の対角線)、および折り目表示線11d〜15d,21d〜25d(隣接する単位片どうしの境界線)に沿って順番に折り進めながら、布地Cの縫い代が二重となった部分を縫い合わせていくことにより、布地Cを形状や寸法がほぼ一定な袋状とすることができる。
【0036】
また、本実施形態の手芸作業用補助具Aを用いれば、図9を参照して説明したように、袋状とされた布地Cには螺旋状の縫い目が形成される。そして、この縫い目の位置を揃えると、もとの螺旋状の縫い目のねじれに起因して、図10に表れているように、布地Cにはひだが形成される。このため、袋状とされた布地Cを巻き取ることによって得られる巻きバラRについては、充分なボリューム感を有するととともに、上記したひだによって、あたかもバラの花びらが重なり合うような立体感のある独自の風合いを醸し出すことができる。
【0037】
さらに、上記の説明から理解できるように、本実施形態においては、使用する布地Cの裁断方向に拘わらず、作製される巻きバラRはボリューム感を有するものとなる。このため、使用する布地Cを、たとえば縦横の糸方向に裁断しても何ら差し支えない。すなわち、手芸作業用補助具Aを用いれば、布地Cを従来のようにバイアス方向に裁断する必要がなく、布地Cの有効利用という観点からも好ましい。
【0038】
本実施形態において、プレート1,2には、折り操作指示手段の一態様として、折り目表示線11c〜16c,11d〜15d,21c〜26c,21d〜25dおよび折り方向表示マーク11e〜16e,21e〜26eが設けられている。このため、作業者は、プレート1,2の折り操作の手順を適確に把握することができ、プレート1,2の折り操作を迅速かつ適確に行うことができる。さらに、プレート1,2には、折り目表示線11c〜16c,11d〜15d,21c〜26c,21d〜25dに沿って、折り操作指示手段の一態様としての折りぐせがつけられている。このため、プレート1,2の折り操作の手順をより適確に把握することができる。
【0039】
本実施形態において、外プレート1および内プレート2には滑り防止手段としての不織布面1b,2bが形成されている。そして、2枚のプレート1,2によって布地Cを挟むと、不織布面1b,2bがそれぞれ布地Cに当接することになる。したがって、このような構成によれば、2枚のプレート1,2の各所を折り返していく過程において、プレート1,2に挟まれた布地Cが不当にずれるといった不都合を適切に防止することができる。
【0040】
本実施形態において、外プレート1には縫い操作指示手段としての縫い位置表示マーク18が設けられている。これにより、プレート1,2の各所を折り進めながら行う縫い操作において、縫い合わせるべき布地Cの位置を適確に把握することができる。かかる構成は、手芸作業用補助具Aの使い勝手をより良くするうえで好ましい。
【0041】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る手芸作業用補助具の各部の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。
【0042】
本発明でいう菱形の単位片の形状としては、上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば菱形の一態様である正方形としてもよい。また、単位片の数について、上記実施形態のように6個に限定されるものではなく、適宜増減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る手芸作業用補助具の一例を示す展開平面図である。
【図2】図1に示す手芸作業用補助具を折り畳んだ状態を示す平面図である。
【図3】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図4】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図5】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図6】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図7】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図8】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を説明するための図である。
【図9】袋状とされた布地の一つの状態を示す平面図である。
【図10】袋状とされた布地の一つの状態を示す図である。
【図11】袋状とされた布地の一つの状態を示す図である。
【図12】図1に示す手芸作業用補助具を使用して作製された装飾用素材の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0044】
A 手芸作業用補助具
C 布地
R 巻きバラ
1 外プレート(第1のプレート)
2 内プレート(第2のプレート)
1a,2a フィルム面
1b,2b 不織布面(滑り防止手段)
11〜16 (第1のプレートの)単位片
11c〜16c (一の対角線に沿う)折り目表示線
11d〜15d (隣接する単位片どうしの境界線に沿う)折り目表示線
11e〜16e 折り方向表示マーク
11h,16h (第1の)貫通孔
18 縫い位置表示マーク(縫い操作指示手段)
21〜26 (第2のプレートの)単位片
21c〜26c (一の対角線に沿う)折り目表示線
21d〜25d (隣接する単位片どうしの境界線に沿う)折り目表示線
21e〜26e 折り方向表示マーク
21h,26h (第2の)貫通孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一寸法からなる第1および第2の一対のプレートを備え、これらプレートの間に布地を挟んだ状態で当該プレートを折り返すことにより布地を二重に折り、布地を所定の袋状に縫い合わせるための手芸作業用補助具であって、
上記第1および第2のプレートは、それぞれ、同一寸法からなる複数の菱形の単位片が一定方向につなげられた平行四辺形状とされており、
上記第1および第2のプレートには、これらが重合する状態において、上記単位片の一方の対角線、および隣接する上記単位片どうしの境界線に沿って山折り、谷折りを交互に行わせるための折り操作指示手段が設けられていることを特徴とする、手芸作業用補助具。
【請求項2】
上記折り操作指示手段は、上記一方の対角線および上記境界線に沿って表された折り目表示線と、当該折り目表示線を挟む両側部分に表され、上記折り目表示線における折り方向を示すための折り方向表示マークと、を備えて構成されている、請求項1に記載の手芸作業用補助具。
【請求項3】
上記折り操作指示手段は、上記一方の対角線および上記境界線に沿って設けられ、交互に山折り、谷折りの方向づけがされた折りぐせを備えて構成されている、請求項1に記載の手芸作業用補助具。
【請求項4】
上記第1および第2のプレートの両端近傍には、それぞれ、一対ずつの第1および第2貫通孔が形成されており、
上記一対ずつの第1および第2の貫通孔は、上記第1および第2のプレートが重合する状態において連通している、請求項1または2に記載の手芸作業用補助具。
【請求項5】
上記第1および第2のプレートにおいて、これらが重合する状態における内側の面には、それぞれ、滑り防止手段が設けられている、請求項1ないし4のいずれかに記載の手芸作業用補助具。
【請求項6】
上記第1のプレートにおいて、上記第1および第2のプレートが重合する状態における外側の面には、縫い操作指示手段が設けられている、請求項1ないし5のいずれかに記載の手芸作業用補助具。
【請求項7】
上記縫い操作指示手段は、一方端の上記単位片において上記一方の対角線の外側にある2つの辺と、上記一方端の上記単位片に隣接する上記単位片から他方端の上記単位片に隣接する上記単位片に至るまでの各上記単位片において上記2つの辺の片方に順次つながる各辺と、に沿って設けられた縫い位置表示マークを有する、請求項6に記載の手芸作業用補助具。
【請求項1】
同一寸法からなる第1および第2の一対のプレートを備え、これらプレートの間に布地を挟んだ状態で当該プレートを折り返すことにより布地を二重に折り、布地を所定の袋状に縫い合わせるための手芸作業用補助具であって、
上記第1および第2のプレートは、それぞれ、同一寸法からなる複数の菱形の単位片が一定方向につなげられた平行四辺形状とされており、
上記第1および第2のプレートには、これらが重合する状態において、上記単位片の一方の対角線、および隣接する上記単位片どうしの境界線に沿って山折り、谷折りを交互に行わせるための折り操作指示手段が設けられていることを特徴とする、手芸作業用補助具。
【請求項2】
上記折り操作指示手段は、上記一方の対角線および上記境界線に沿って表された折り目表示線と、当該折り目表示線を挟む両側部分に表され、上記折り目表示線における折り方向を示すための折り方向表示マークと、を備えて構成されている、請求項1に記載の手芸作業用補助具。
【請求項3】
上記折り操作指示手段は、上記一方の対角線および上記境界線に沿って設けられ、交互に山折り、谷折りの方向づけがされた折りぐせを備えて構成されている、請求項1に記載の手芸作業用補助具。
【請求項4】
上記第1および第2のプレートの両端近傍には、それぞれ、一対ずつの第1および第2貫通孔が形成されており、
上記一対ずつの第1および第2の貫通孔は、上記第1および第2のプレートが重合する状態において連通している、請求項1または2に記載の手芸作業用補助具。
【請求項5】
上記第1および第2のプレートにおいて、これらが重合する状態における内側の面には、それぞれ、滑り防止手段が設けられている、請求項1ないし4のいずれかに記載の手芸作業用補助具。
【請求項6】
上記第1のプレートにおいて、上記第1および第2のプレートが重合する状態における外側の面には、縫い操作指示手段が設けられている、請求項1ないし5のいずれかに記載の手芸作業用補助具。
【請求項7】
上記縫い操作指示手段は、一方端の上記単位片において上記一方の対角線の外側にある2つの辺と、上記一方端の上記単位片に隣接する上記単位片から他方端の上記単位片に隣接する上記単位片に至るまでの各上記単位片において上記2つの辺の片方に順次つながる各辺と、に沿って設けられた縫い位置表示マークを有する、請求項6に記載の手芸作業用補助具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−279072(P2009−279072A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−132006(P2008−132006)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【特許番号】特許第4217268号(P4217268)
【特許公報発行日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000105039)クロバー株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【特許番号】特許第4217268号(P4217268)
【特許公報発行日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000105039)クロバー株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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