説明

手芸用紙ひもの製造方法

【課題】籐や蔓に代わるものとして機械漉き和紙でテープ状の紙ひも原紙を使用し、耐久性や保形性のある手芸製品ができ、しかも加工しやすい手芸素材を提供する。
【解決手段】厚さ12g/m2〜80g/m2の機械漉き和紙でテープ状の紙ひも原紙の表裏面に撥水加工を施して撥水テープ5をつくり、この撥水テープを撚り加工機8で撚ってなる手芸用紙ひもの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械漉き和紙でテープ状の紙ひも原紙を使用した手芸用紙ひもの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手芸作品として作られている篭や小物入れなどは、主に籐や植物の蔓などを素材にしたものが多く、独特の雰囲気を出し強度面や耐水性にも優れているが、籐や蔓の入手が困難で、高価であるばかりか加工し難く、且つ折れやすいためその扱いには十分な注意が必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明では、籐や蔓に代わるものとして機械漉き和紙でテープ状の紙ひも原紙を使用し、耐久性や保形性のある手芸製品ができ、しかも加工しやすい手芸素材を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
厚さ12g/m2〜80g/m2の機械漉き和紙でテープ状の紙ひも原紙の表裏面に撥水加工を施して撥水テープをつくり、この撥水テープを撚り加工機で撚ってなる手芸用紙ひもを提供しようとするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の効果として、機械漉き和紙でテープ状の紙ひも原紙の表裏面は撥水加工されているので、撚られた紙ひもは水に強く、これを使用した手芸作品である篭や小物入れなどに濡れた野菜、果物などを入れておいてもヘタルことが少なく保形性が保たれる。
【0006】
又和紙テープに模様を印刷することにより該和紙テープの撚り加工によって複雑な斑模様などの紙ひもができ、この紙ひもを使用した手芸製品は趣向に富んだものとなる。籐や蔓などの素材感を出したければ同じ風合いのでる色や柄を印刷すれば出来上がる手芸作品も相応の作品となり素材感など趣向に富んだ作品となる。
【0007】
又手軽に入手できると同時に、編む、組むなどの作業がしやすく安全な作業ができる。
【実施例】
【0008】
図1において、円編式抄紙機による機械漉き和紙(クラフト・しろ・カラー)で広幅(約1m)、厚さ12g/m2〜80g/m2のロール状に巻かれた紙ひも原紙1を印刷機2に掛けて雲目模様、縦じま、横じま、幾何学模様等任意の模様3を印刷し、ロール状に巻き取る。印刷する面は片面或は両面の何れでも良い。
【0009】
図2において、印刷された紙ひも原紙1を撥水加工機4に掛けて表裏の両面に撥水加工剤を塗工するが、図示以外にドブ漬けによる撥水加工でも良い。撥水剤としてはパラフィン系、石油系、シリコン系、フッ素系などのワックス及びサイズ剤(マツヤニ)、シリカー(ケイ素)、メチルアマイドなどがある。又和紙テープ1にもっと固さを出す場合は酸ビ系(エチレン酸ビを含む)、アクリル系、スチレン系、ブタジェン系の樹脂をラテックス又はエマルジョン化し含浸させるようにすると良い。撥水加工の終わった撥水テープ5はロール状に巻取られる。
【0010】
ロール状に巻かれた撥水テープ5は出来上がる紙ひも6の太さに合わせてスリット加工7をする。
【0011】
スリットされた撥水テープ5は撚り加工機8に掛けて撚り紙ひも6とする。
【0012】
図示にあっては広幅の紙ひも原紙1を用いたが、出来上がる紙ひも6に相応する狭い巾のものを用いても良い。この場合はスリット加工7は必要なくなる。
【0013】
模様3の印刷は必要によって行うようにすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の手芸用紙ひもの製造工程中の印刷工程を示した概略説明図。
【図2】同撥水工程を示した概略説明図。
【図3】同スリット加工工程を示した概略説明図。
【図4】同撚り加工工程を示した概略説明図。
【図5】本発明工程によって出来上がった紙ひもの拡大説明図。
【符号の説明】
【0015】
1:紙ひも原紙
2:印刷機
3:模様
4:撥水加工機
5:撥水テープ
6:紙ひも
7:スリット加工
8:撚り加工機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ12g/m2〜80g/m2機械漉き和紙でテープ状の紙ひも原紙の表裏面に撥水加工を施して撥水テープをつくり、この撥水テープを撚り加工機で撚ることを特徴とする手芸用紙ひもの製造方法。
【請求項2】
紙ひも原紙に模様を印刷してなる請求項1記載の手芸用紙ひもの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−144287(P2009−144287A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323591(P2007−323591)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000111605)ハマナカ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】