説明

払拭体保持具、払拭体及び清掃用具

【課題】払拭体の交換が簡単であり、頑丈且つコンパクトであり、且つ払拭体把持具の反転が起こらない清掃用具を提供する。
【解決手段】本発明の払拭体保持具は、棒状体と、湾曲状周面を有した樋状把持体とを有する。前記樋状把持体は固定把持体と、前記固定把持体に軸支された可動把持体から構成される。前記払拭体保持具に払拭体を装着する場合には、前記可動把持体を回動させ、前記可動把持体を前記払拭体の一端の袋部に挿入させ且つ前記払拭体の他端の袋部に前記固定把持体を挿入させた後に、前記可動把持体を逆方向に回動させて前記棒状体に係止させることにより、前記払拭体が前記棒状体と前記樋状把持体により狭持され、且つ前記払拭体が前記樋状把持体の湾曲状周面を包被するようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面や壁面を清掃するための払拭体及びそれの袋部に保持片を挿脱自在にした払拭体保持具からなる清掃用具に関し、更に詳細には、筒状に構成されることにより、隙間等の狭い空間の清掃を可能にする払拭体保持具及びそれに装着される払拭体からなる清掃用具に関する。
【背景技術】
【0002】
袋状モップ等の払拭体を挿入して清掃用具を構成し、使用後に前記払拭体を脱離させる清掃部材保持具としては、例えば特開2005−237587号公報(特許文献1)に記載されたものがある。図16は、特許文献1における払拭体保持具102を示す。払拭体保持具102は、保持片131及びそれに回動自在に連結された保持片132を含む払拭体把持具121を有する。払拭体101の被保持部(袋部)112A、112Bには、保持片132が折り畳み状態に回動された状態で、保持片131及び保持片132が挿入される。保持片132が保持片131と平行になるように回動されることにより、払拭体101が払拭体把持具121に固定される。
【0003】
この払拭体保持具並びにこれを有する清掃用具は、企業、病院、学校及び家庭などにおける清掃用途において、有用であることが立証され、市場において好評を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−237587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この払拭体保持具102は、改善するべき点を有する。払拭体保持具102は、払拭体把持具121とハンドル104との接続において、直交する2軸を有する回動部141を有し、払拭体把持具121の軸方向及び直交方向においてハンドル104が回動可能となっている。この直交方向への回動と、清掃時における払拭体101と床面との摩擦との相合効果により、払拭体把持具121が反転してしまう。図17は、従来の払拭体保持具102における払拭体把持具121の反転を示す概念図である。従来の払拭体保持具102を有する清掃具を用いて前後に動かして清掃作業を行う際、ハンドルとの接続部である回動部141が直交回動軸154において略180°の回動を可能とさせるため、図17の(17B)に示すように、払拭体把持具121の直交方向に払拭体把持具121を移動させるとき、払拭体把持具121の下端部付近を中心にして回動し、図17の(17C)に示すように、払拭体把持具121の下面が裏向けに反転する問題が生じていた。払拭体把持具121の下面が裏向けに反転すると、払拭体把持具121を元の状態(図17の(17A)参照)に手作業で戻す必要があり、その際、汚れた払拭体101に手指が触れて汚れが付着したりして、清掃作業を円滑に行う妨げになっていた。この反転は、ハンドル104の傾きが大きい程起こり易いので、ソファの下方などの狭い空間の清掃において、困難を生じていた。更に、従来の払拭体把持具121は幅広であり、狭い空間等の清掃に使用するためには、更に困難があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであって、本発明の第1の形態は、回動軸部を介してハンドルを棒状体軸方向に回動自在に連結した棒状体と、軸方向全長に亘ってスリット状開口部を上方に形成し且つ湾曲状周面を有した樋状把持体とを有し、前記棒状体の前記樋状把持体の内部に前記湾曲状周面と間隙を有して略同軸状に配置されており、前記ハンドルは前記スリット状開口部から外方に突出配置され、前記樋状把持体は前記棒状体に対し固定された固定把持体と、前記固定把持体に連接して前記棒状体に対しヒンジを介して回動自在に連結された可動把持体から構成され、前記可動把持体を前記棒状体に対し固定又は前記固定を解除して前記可動把持体を回動可能にするロック手段が設けられた払拭体保持具であり、前記払拭体保持具に払拭体を装着する場合には、前記ロック手段を解除して前記可動把持体を回動させ、前記可動把持体を前記払拭体の一端の袋部に挿入させ且つ前記払拭体の他端の袋部に前記固定把持体を挿入させて前記可動把持体を前記棒状体に前記ロック手段により固定し、前記払拭体が前記棒状体と前記樋状把持体により前記間隙内で狭持された状態になり、且つ前記払拭体が前記樋状把持体の湾曲状周面を包被するようになる払拭体保持具である。
【0007】
本発明の第2の形態は、前記固定把持体の先端が前記棒状体の一端より前方に突出し、且つ前記可動把持体の先端が前記棒状体の他端より前方に突出する払拭体保持具である。
【0008】
本発明の第3の形態は、前記固定把持体の横幅が前記固定把持体の先端側に進行するに従って収縮された固定把持体先細部が形成され、且つ前記可動把持体の横幅が前記可動把持体の先端側に進行するに従って収縮された可動把持体先細部が形成された払拭体保持具である。
【0009】
本発明の第4の形態は、前記棒状体と前記固定把持体との間に設けられる前記間隙が、前記棒状体の先端側に進行するに従って拡張された拡張間隙部が形成され、前記拡張間隙部を介して前記払拭体を挿入固定する払拭体保持具である。
【0010】
本発明の第5の形態は、前記ヒンジが平行2軸ヒンジからなり、前記平行2軸ヒンジが第1軸と第2軸を連結板により平行配置したヒンジであり、前記可動把持体が前記第1軸を支点にして回動可能であり、前記連結板が前記第2軸を支点にして回動可能であり、前記第2軸が前記棒状体に軸支されている平行2軸ヒンジであり、前記可動把持体を回動させる場合における前記可動把持体の回動範囲を略180度とする払拭体保持具である。
【0011】
本発明の第6の形態は、前記樋状把持体の上端が前記回動軸部の下端より上方に配置されるように前記樋状把持体が形成された払拭体保持具である。
【0012】
本発明の第7の形態は、前記払拭体保持具に保持される袋状の払拭体であって、前記固定把持体及び前記可動把持体が挿入される挿入用孔部と、前記払拭体と前記ロック手段との干渉を防止する為の係止用孔部とが前記払拭体の上部に形成される払拭体である。
【0013】
本発明の第8の形態は、前記払拭体が前記挿入用孔部において折曲可能であり、前記払拭体の折曲範囲を略180度とする払拭体である。
【0014】
本発明の第9の形態は、前記払拭体が布材から構成され、前記払拭体の底部は前記布材にパイルが装着されたパイル部からなり、前記払拭体の上部は前記布材が露出されたキャンバス部からなる払拭体である。
【0015】
本発明の第10の形態は、前記払拭体保持具と前記払拭体とから構成され、前記払拭体保持具に前記払拭体を保持して組み立てられる清掃用具である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の形態によれば、払拭体保持具は回動軸部を介してハンドルを棒状体軸方向に回動自在に連結した棒状体と、湾曲状周面を有した樋状把持体とを有し、前記棒状体は前記樋状把持体の内部に前記湾曲状周面と間隙を有して略同軸状に配置されているので、払拭体を前記棒状体と前記樋状把持体により前記間隙内で狭持させ、且つ前記払拭体が前記樋状把持体の湾曲状周面を包被するように前記払拭体を前記樋状把持体に挿入させて固定することによりコンパクトな清掃用具が得られ、この清掃用具の使用の際には、樋状把持体の湾曲状周面によりハンドルの傾き角度を自在に設定しながら、狭い空間を清掃できる。ここにおける清掃用具の外周は湾曲状なので、ハンドルが棒状体直交方向には回動不可能であっても、この湾曲状外周を介してハンドルの傾き角度を自在に設定できる。従って、特許文献1の清掃用具において生じる反転が防止され、且つハンドルを自由自在に傾けることができる。又、この清掃用具においては、外周のほぼ全周面が払拭体により被覆されるので、棒状体及び樋状把持体の材質が露出される部分がほぼ無くなる。従って、露出された材質が家具等に衝突して損傷を与えることが防止される。更に、払拭体による外周の被覆により、前記ハンドルを大きく傾けた場合においても、払拭体を床面に接触させて清掃を行うことが可能になる。この様に、ハンドルの傾き角度を自在にして清掃を行うことができるので、狭い空間の清掃が可能になる。更に、前記払拭体保持具に払拭体を装着する場合には、前記ロック手段を解除して前記可動把持体を回動させ、前記可動把持体を前記払拭体の一端の袋部に挿入させ且つ前記払拭体の他端の袋部に前記固定把持体を挿入させて前記可動把持体を前記棒状体に前記ロック手段により固定し、前記払拭体が前記棒状体と前記樋状把持体により前記間隙内で狭持された状態になり、且つ前記払拭体が前記樋状把持体の湾曲状周面を包被するようになるので、前記払拭体の装着及び脱着を簡単に行うことができ、また前記払拭体が前記払拭体保持具に強固に保持されるので、極めて頑丈であり耐久性も有する清掃用具を得ることができる。
【0017】
本形態における材質としてはプラスチック、金属又は木材等が使用でき、これらの内、プラスチックが成型性の観点から好ましい。又、払拭体の材質としては、パイル装着布材、クロス又は紙等が使用でき、これらの内、パイル装着布材が最も好ましい。また、前記棒状体と前記樋状把持体によるこの払拭体の狭持を容易にする為、少なくともこの払拭体の上部が、布材が露出され且つパイルが装着されないキャンバスから構成されても良い。更に、本形態におけるロック手段としては、数々のものが使用できる。例えば、前記棒状体に可動形成され且つ係合爪及びバネ機構を有する係止部材と、前記可動把持体に形成される係合突起とからなるロック手段を使用することができる。この様なロック手段においては、前記係合爪と前記係合突起とが係合することにより前記可動把持体が前記棒状体にロックされ、前記係合部材を前記バネ機構の応力に逆らって移動させることにより、前記係合爪を前記係合突起から解離させて、ロック状態を解除する。
【0018】
尚、このロック手段と、前記固定把持体と前記可動把持体との連結部とが、本形態の樋状把持体の軸方向において対称に形成されても良い。即ち、前記固定把持体の先端と前記連結部との間隔が、前記可動把持体の先端と前記ロック手段との間隔と同じであっても良い。この場合には、払拭体において、前記樋状把持体へ挿入する為の孔部と、前記ロック手段における前記係合部材と前記係合突起との係合を可能にするための孔部とを、前記払拭体の軸方向において対称に形成させることができ、前記払拭体を180度回転させた場合においても、前記払拭体の前記樋状把持体への装着が可能になる。これらの孔部の互換性により、払拭体の装着が更に簡単になる。
【0019】
本発明の第2の形態によれば、前記払拭体保持具において、前記固定把持体の先端が前記棒状体の一端より前方に突出し、且つ前記可動把持体の先端が前記棒状体の他端より前方に突出するので、前記払拭体が装着される際に、前記払拭体の両端が前記棒状体の両端より突出することにより前記棒状体を保護し、前記棒状体の両端における構成材質が露出し難くなる。従来の清掃用具においては、払拭体保持具の端部の材質が露出して、この材質が突出していたので、この露出した端部が家具などと衝突して損傷を与える欠点があった。本形態の払拭体保持具から構成される清掃用具においては、前記棒状体の両端が前記払拭体により保護されるので、家具などの日常品と衝突する箇所は前記払拭体のみであり、前記日常品の損傷が防止される。
【0020】
本発明の第3の形態によれば、前記払拭体保持具において、前記固定把持体の横幅が前記固定把持体の先端側に進行するに従って収縮された固定把持体先細部が形成され、且つ前記可動把持体の横幅が前記可動把持体の先端側に進行するに従って収縮された可動把持体先細部が形成されたので、これらの先細部により、前記固定把持体及び前記可動把持体を前記払拭体に挿入し易くなる。これらの先細部は楔状に形成されるので、前記払拭体に挿入し易い。これらの先細部を前記払拭体に挿入し、前記払拭体を更に前記固定把持体上及び前記可動把持体上において移動させることにより、前記払拭体を前記樋状把持体に容易に装着できる。
【0021】
本発明の第4の形態によれば、前記払拭体保持具において、前記棒状体と前記固定把持体との間に設けられる前記間隙が、前記棒状体の先端側に進行するに従って拡張された拡張間隙部が形成され、前記拡張間隙部を介して前記払拭体を挿入固定するので、前記棒状体と前記固定把持体との間に形成される間隙に前記払拭体を挿入させて狭持させやすくなり、従って前記固定把持体の湾曲状周面を被覆するように前記払拭体に前記固定把持体を前記払拭体に挿入させ易くなる。
【0022】
本発明の第5の形態によれば、前記払拭体保持具における前記ヒンジは平行2軸ヒンジからなり、前記平行2軸ヒンジは第1軸と第2軸を連結板により平行配置したヒンジであり、前記可動把持体は前記第1軸を支点にして回動可能であり、前記連結板は前記第2軸を支点にして回動可能であり、前記第2軸は前記棒状体に軸支されている平行2軸ヒンジであり、前記可動把持体を回動させる場合における前記可動把持体の回動範囲が略180度であるので、前記可動把持体の回動において、前記可動把持体と前記固定把持体との干渉を防止することにより、前記可動把持体の略180度回動を可能にする。この略180度回動により、前記払拭体への前記固定把持体及び前記可動把持体の挿入が容易になる。
【0023】
本発明の第6の形態によれば、前記払拭体保持具における前記樋状把持体の上端が前記回動軸部の下端より上方に配置されるように前記樋状把持体が形成されたので、前記樋状把持体及びそれに把持される払拭体により、前記回動軸部が衝突などから保護される。ハンドルと棒状体との接続部である回動軸部は、使用時において常に回動自在となることが必要であり、従って故障の可能性が高い。更に、回動軸部は、床面にかなり近いので、床面等から舞い上がってくる埃が回動軸部に堆積して故障の原因になる可能性が高い。又、狭い空間等の清掃において、回動軸部は壁面等との衝突の可能性が高く、これも故障の原因となり得る。本形態における払拭体保持具においては、延長された樋状把持体及びそれに装着された払拭体により回動軸部が部分的又は全体的に包囲されるので、上記した故障の原因となる要因から回動軸部を保護することができる。尚、本形態における樋状把持体は、上方に延長されているので、この延長部分を払拭体に挿入させる為には、この延長部分が柔軟体であるか、又は折り畳み可能であることが好ましい。例えば、この延長部分をゴム等の弾性物質から形成した場合には、延長部分の払拭体への挿入が容易になる。また、この延長部分をヒンジ又はスライド機構により折り畳み可能にして、折り畳み状態で払拭体に挿入させ、挿入後において折り畳み状態を解除するようにしても良い。
【0024】
本発明の第7の形態によれば、払拭体が、前記払拭体保持具に保持される袋状の払拭体であって、前記固定把持体及び前記可動把持体が挿入される挿入用孔部と、前記払拭体と前記ロック手段との干渉を防止する為の係止用孔部とが前記払拭体の上部に形成されるので、前記挿入用孔部を介してこの払拭体を容易に前記払拭体保持具に装脱させることができ、また前記可動把持体の回動をロックするロック手段を容易に前記棒状体及び前記可動把持体に設けることができる。本形態における挿入用孔部及び係止用孔部は、払拭体上に対称に形成されても良い。即ち、払拭体の一端と挿入用孔部との間隔が、払拭体の他端と係止用孔部の他端との間隔と同じであっても良い。このような対称性のある払拭体においては、挿入用孔部を係止用孔部として使用し、同時に係止用孔部を挿入用孔部として使用することができ、この様な互換性は払拭体の装脱の容易性につながる。勿論、この場合においては、固定把持体と可動把持体の連結部分と、固定把持体先端との間隔が、ロック手段と可動把持体先端の間隔と同じである必要がある。
【0025】
本発明の第8の形態によれば、前記払拭体が前記挿入用孔部において折曲可能であり、前記払拭体の折曲範囲が略180度であるので、前記払拭体を前記固定把持体及び前記可動把持体に容易に装脱させることができる。特に、第5の形態における、平行2軸ヒンジが装備された樋状把持体に払拭体を装脱させる場合には、可動把持体の略180度回動に合わせて、払拭体を略180度に折り曲げることが好ましい。
【0026】
本発明の第9の形態によれば、前記払拭体が布材から構成され、前記払拭体の底部は前記布材にパイルが装着されたパイル部からなり、前記払拭体の上部は前記布材が露出されたキャンバス部からなるので、前記パイル部により前記払拭体の清掃力が増強され、また前記キャンバス部により狭着が容易になる。払拭体においてパイルを装着した場合には、これらのパイルにより高い清掃力を払拭体にもたらすことができる。その一方、パイルが払拭体の上部(上面)に植毛された場合には、払拭体の上面を棒状体と固定把持体との間の間隙に挿入させることが難しくなり、また払拭体に挿入された可動把持体を係止位置に回動させることも難しくなる。払拭体の上部を、パイルが植毛されないキャンバス部とすることにより、払拭体の固定把持体及び可動把持体への装着が容易になる。
【0027】
本発明の第10の形態によれば、清掃用具が前記払拭体保持具と前記払拭体とから構成され、前記払拭体保持具に前記払拭体を保持して組み立てられるので、第1の形態において記述したとおり、払拭体の装脱が容易であり、また清掃部材の構造が頑丈であり、更にコンパクトであって狭い空間等の清掃も簡単に行える清掃用具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る払拭体保持具1の係止状態及び回動状態を示す側面図である。
【図2】図1の(1B)のA領域における棒状体2、固定把持体4及び可動把持体6の概念的部分分解斜視図である。
【図3】本発明に係る払拭体22を払拭体保持具1に挿入して固定する過程を示す側面図である。
【図4】払拭体22の平面図(4A)、側面図(4B)及び挿入用孔部28において折り曲げられた状態を示す側面図(4C)である。
【図5】図4の(4A)における払拭体22のD−D横断面図(5A)、E−E横断面図(5B)、F−F横断面図(5C)、G−G横断面図(5D)及びH−H横断面図(5E)である。
【図6】図3の(3A)のB−B横断面図(6A)及び(3C)のC−C横断面図(6B)であり、棒状体2、固定把持体4、可動把持体6及び払拭体22の構造関係を示す。
【図7】図1の払拭体把持具7の平面図(7A)及び底面図(7B)であり、払拭体保持具1から連結部材14及びハンドル18を取り外した状態を示す。
【図8】図7の(7B)における払拭体把持具7のI−I横断面図(8A)、並びに(8A)のK−K横断面図(8B)であり、可動把持体6の係止状態を示す。
【図9】図8の払拭体把持具7における可動把持体6の回動状態を示す横断面図(9A)、並びに(9A)のL−L横断面図(9B)及びM−M横断面図(9C)である。
【図10】図9の払拭体把持具7に払拭体22が把持された状態の横断面図(10A)、並びに(10A)のN−N横断面図(10B)及びO−O横断面図(10C)である。
【図11】図10の払拭体把持具7における可動把持体6を係止状態にした横断面図(11A)、並びに(11A)のP−P横断面図(11B)及びQ−Q横断面図(11C)である。
【図12】図7の(7B)における払拭体把持具7のJ−J部分断面図(12A)、並びに(12A)における平行2軸ヒンジ8を介する可動把持体6の略180度回転を示す払拭体把持具7の部分断面図(12B)、(12C)及び(12D)である。
【図13】固定把持体弾性部40及び可動把持体弾性部42により樋状把持体3が嵩上げされ、回動軸部12が覆われる払拭体保持具1の側面図である。
【図14】図1〜13の棒状体2と比較して、拡張間隙部35が更に拡張された払拭体把持具7の側面図である。
【図15】本発明の払拭体保持具1に払拭体22を保持させて組み立てられた清掃用具46の使用を示す概念図である。
【図16】従来の払拭体保持具102の側面図である。
【図17】従来の払拭体保持具102における払拭体把持具121の反転を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下において、本発明に係る払拭体保持具、払拭体及び清掃用具の実施の形態を、添付する図面に従って詳細に説明する。図1は、本発明に係る払拭体保持具1の係止状態及び回動状態を示す側面図である。軸方向に長い円筒状の棒状体2と、軸方向全長に亘ってスリット状開口部を上方に形成し且つ湾曲状周面を有した樋状把持体3とが、払拭体把持具7を形成する。棒状体2と樋状把持体3との間に間隙が形成され、払拭体22は棒状体2と樋状把持体3との前記間隙に棒状体2と樋状把持体3により前記間隙内で狭持された状態になり、且つ払拭体22が樋状把持体3の湾曲状周面を包被するようになる。樋状把持体3の前部は、棒状体2の前部に固定された固定把持体4であり、また樋状把持体の後部は、固定把持体4の後部に2軸平行ヒンジ8により軸支連結されたに可動把持体6である。固定把持体4と棒状体2の前部との間の間隙に、後述する払拭体22の上面(上部)が挿入される。後述されるように、固定把持体4の先端は、固定把持体4の横幅固定把持体4の先端側に進行するに従って収縮された先細状となっていて、固定把持体先細部9を形成している。又、可動把持体6の先端も、可動把持体6の横幅が可動把持体6の先端側に進行するに従って収縮された先細状となっていて、可動把持体先細部11を形成している。これらの先細部により、袋状の払拭体22へこれらの把持体を挿入し易くなる。図1の(1B)に図示されているとおり、平行2軸ヒンジ8を介して可動把持体6が略180度の回動範囲をもって回動する。(1B)に図示された回動状態において、払拭体22が固定把持体4及び可動把持体6に取り付けられる。
【0030】
図1に図示された払拭体把持具7においては、係止スライド部10、係合部材20及び係合突起32がロック機構(ロック手段)を形成する。係合部材20と、可動把持体6の上面に形成された係合突起32(図8〜11に図示)とが係合することにより、可動把持体6が棒状体2に係止される。棒状体2の上部に装備された係止スライド部10を後方へ滑動させることにより、係合部材20が後方へ移動し、係合突起32との係合が解除される。又、棒状体2の上面(上部)の中心付近には、回動軸部12が配置され、この回動軸部12を介して連結部材14が連結され、この連結部材14にハンドル18が脱着自在に連結される。従って、ハンドル18及びハンドル18の一部を形成する連結部材14は、棒状体軸方向に回動自在に、棒状体2に連結される。尚、図1の払拭体保持具1においては、ハンドル18は、棒状体直交方向には回転しないので、払拭体把持具7の空転が防止される。
【0031】
図2は、図1の(1B)のA領域における棒状体2、固定把持体4及び可動把持体6の概念的部分分解斜視図である。図2においては、図示された部材の形状を明確にするために、固定把持体4が棒状体2から分離され、可動把持体6が固定把持体4から分離されている。又、平行2軸ヒンジ8が省略されている。棒状体2の先端は半球状に形成され、この半球状先端の下部と、固定把持体4との間に、拡張間隙部35が形成される。この拡張間隙部35により、棒状体2と固定把持体4との間に、払拭体22の上面を挿入し易くなる。又、図1の説明において記述したとおり、固定把持体4及び可動把持体6は樋状且つ湾曲状に形成され、可動把持体6が係止状態にされた時に、棒状体2の下部を包容する。更に、固定把持体4及び可動把持体6の各々の先端は先細状となっていて、楔状に形成された固定把持体先細部9及び可動把持体先細部11が形成される。これらの先細部により、固定把持体4及び可動把持体6を袋状の払拭体22に挿入し易くなる。
【0032】
図3は、本発明に係る払拭体22を払拭体保持具1に挿入して固定する過程を示す側面図である。(3A)は、払拭体22への可動把持体6による挿入の寸前を示す。払拭体22は、挿入用孔部28を有し、この挿入用孔部28において略180度に折り曲げられている。矢印aの方向へ払拭体22が移動して、可動把持体6が払拭体22に形成された可動把持体用袋部29に挿入される。(3B)は、払拭体22に可動把持体6が挿入され、固定把持体4が挿入される寸前を示す。矢印bの方向へ払拭体22の上面(キャンバス部26、即ちパイルが植毛されていない部分)移動させて、拡張間隙部35へ押し込んで、棒状体2と固定把持体4との間隙に挟み込んだ後に、払拭体22を更に後方へ押し込んで、固定把持体4を払拭体22に形成された固定把持体用袋部27に挿入させる。(3C)は、払拭体22が可動把持体6及び固定把持体4に完全に挿入された状態を示す。矢印cの方向へ可動把持体6を回動させて、(3D)に図示された係止状態に戻す。(3D)の係止状態において、払拭体22が棒状体2と樋状把持体3により前記間隙内で狭持された状態になり、且つ払拭体22が樋状把持体3の湾曲状周面を包被するようになる。
【0033】
図3においては、可動把持体6が固定把持体4よりも長いが、固定把持体4が可動把持体6より長くてもよい。この場合は、棒状体2と固定把持体4との間の間隙に払拭体22の上部を挟み込んで固定把持体4を払拭体22に挿入した後に、可動把持体6を払拭体22に挿入する。即ち、(3A)に図示された操作と、(3B)に図示された操作が、逆になる。
【0034】
図4は、払拭体22の平面図(4A)、側面図(4B)及び挿入用孔部28において折り曲げられた状態を示す側面図(4C)である。図4の払拭体22においては、パイルが植毛されたパイル部24が下面に形成され、また払拭体22を構成する布材が露出されたキャンバス部26が上面に形成される。キャンバス部26には、2つの孔部、即ち挿入用孔部28及び係止用孔部30が形成される。図3において図示したとおり、挿入用孔部28は払拭体22を樋状把持体3を挿入させるために使用する。又、係止用孔部30を通じて、係合部材20を貫通させることにより、係合突起32との係合が可能となる。尚、図4の払拭体22においては、これらの孔部は、それぞれの両端から等距離になるように、払拭体22の軸方向に対称に配置され、挿入用孔部28と係止用孔部30の機能を逆転させることも可能である。(尚、図1〜15における払拭体把持具7においては、固定把持体4と可動把持体6との接続部の位置と、可動把持体6の係合突起32の位置とが、樋状把持体3の軸方向に対称に配置されている。)更に、(4C)に図示されたとおり、挿入用孔部28において払拭体22が、パイル部24を内側にするように略180度折れ曲がることが可能であり、図3に図示されたとおり、回動状態にされた樋状把持体3の挿入を可能にする。
【0035】
図5は、図4の(4A)における払拭体22のD−D横断面図(5A)、E−E横断面図(5B)、F−F横断面図(5C)、G−G横断面図(5D)及びH−H横断面図(5E)である。(5A)においては、固定把持体4が挿入される固定把持体用袋部27が示される。払拭体22のこの部分は略筒状に形成され、パイル部24が底部に、またキャンバス部26が上部に配置される。(5B)に図示される払拭体22の部分においては、挿入用孔部28が形成され、(5B)に図示される断面においてはキャンバス部26が無く、払拭体22が上方に開放されている。(5C)においては、可動把持体6が挿入される可動把持体用袋部29の一部が図示される。払拭体22のこの部分は略筒状に形成され、パイル部24が底部に、またキャンバス部26が上部に配置される。(5D)に図示される払拭体22の部分においては、係止用孔部30が形成され、(5D)に図示される断面においてはキャンバス部26が無く、払拭体22が上方に開放されている。(5E)においては、可動把持体6が挿入される可動把持体用袋部29の他部が図示される。(5C)と同様に、払拭体22のこの部分は略筒状に形成され、パイル部24が底部に、またキャンバス部26が上部に配置される。
【0036】
図6は、図3の(3A)のB−B横断面図(6A)及び(3C)のC−C横断面図(6B)であり、棒状体2、固定把持体4、可動把持体6及び払拭体22の構造関係を示す。(6A)は、払拭体22が装着されない状態における棒状体2、固定把持体4及び可動把持体6の構造関係を示す。図2において図示されるとおり、可動把持体6が略180度に回動状態となっているので、可動把持体6のスリット状開口部が下方へ開放されている。(6B)は、(6A)の棒状体2、固定把持体4及び可動把持体6に払拭体22が装着された状態における構造関係を示す。固定把持体4に装着された払拭体22の部分(即ち固定把持体用袋部27)のキャンバス部26が棒状体22と固定把持体4との間の間隙内で狭持される。この払拭体22の部分が固定把持体4の湾曲状周面を包被する。可動把持体6に装着された払拭体22の部分(即ち可動把持体用袋部29)については、キャンバス部26は、この時点においては棒状体22により押付されておらず、従ってキャンバス部26は可動把持体6に密着固定されていない。可動把持体6が係止位置へ回動された時点で、キャンバス部26は棒状体2に押しつけられて可動把持体6に密着される。従って、棒状体2と可動把持体6との間の間隙内で狭持される。
【0037】
尚、図6に示される通り、棒状体2は中空であってもよい。棒状体2が中空である場合には、棒状体2軸方向にかけて内壁(図6においては前部内壁34)が垂直に形成されてもよい。このような内壁が形成された場合には、棒状体2の強度を確保することができると共に、(6B)において図示されるとおり、棒状体2による払拭体22の樋状把持体3への押付を補助し、払拭体22の狭持を補強することができる。
【0038】
図7は、図1の払拭体把持具7の平面図(7A)及び底面図(7B)であり、払拭体保持具1から連結部材14及びハンドル18を取り外した状態を示す。(7B)に図示されるとおり、平行2軸ヒンジ8は樋状把持体3の中心軸(J−J)断面に沿って配置されている。J−J断面に沿っては、、図7に図示されないが、中空である棒状体2の内部において、内壁(中央軸には前部内壁34、中部内壁36及び後部内壁38)が設置されている。又、(7B)におけるI−I断面は、樋状把持体3の中心軸から片側へ若干ずらされている。図8〜11の横断面図においては、棒状体2の内部構造を明確にさせる必要があるので、前記内壁を避けるために、I−Iを断面としている。
【0039】
図8は、図7の(7B)における払拭体把持具7のI−I横断面図(8A)、並びに(8A)のK−K横断面図(8B)であり、可動把持体6の係止状態を示す。棒状体2の内部には、棒状体2の中心軸に沿って、前部内壁34が固定把持体4の上方に形成され、また中部内壁36及び後部内壁38が可動把持体6の上方に形成されている。(中部内壁36と後部内壁38との間には係合部材20及びバネ31が配置される。)これらの内壁は、中空状の棒状体2の強度の確保並びに払拭体22の上面の押圧の為に形成される。拡張間隙部35は、棒状体2の前端と固定把持体4において、間隙が拡張されて形成され、払拭体22の上面(キャンバス部26)の棒状体2と固定把持体4の間の間隙への挿入を容易にする。
【0040】
棒状体2の上部に配置された係止スライド部10は、係合部材20に接続される。係合部材20は棒状体2を径方向に貫通し、棒状体2の下方における係合部材20の下端において、突起状の係合爪33が形成される。その一方、可動把持体6の上面には係合突起32が設置され、図8の係止状態においては、係合部材20の係合爪33と係合突起32が係合される。バネ31は係合部材20を係合状態に保持する。バネ31による抵抗に対抗して係止スライド部10及び係合部材20を移動させることにより、係合爪33と係合突起32との係合が解除され、可動把持体6の係止状態も解除され、可動把持体6が回動可能となる。
【0041】
又、図8〜11においては、固定把持体4と可動把持体6との接続位置(即ち平行2軸ヒンジ8の位置)と、係合部材20及び係合突起32の位置とが、樋状把持体3の軸方向において対称となっている。このような配置により、挿入用孔部28と係止用孔部30が対称性を有する様に形成された払拭体22を装着させることができる。
【0042】
図9は、図8の払拭体把持具7における可動把持体6の回動状態を示す横断面図(9A)、並びに(9A)のL−L横断面図(9B)及びM−M横断面図(9C)である。係止スライド部10の滑動により、係合部材20の係合爪33と係合突起32の係合が解除され、平行2軸ヒンジ8を介して可動把持体6が回動可能になる。(9B)における棒状体2の断面においては、後部内壁38が垂直に形成されていることが図示されている。尚、棒状体2の中間部における中部内壁36も(9B)と同様な構造を有する。
【0043】
図10は、図9の払拭体把持具7に払拭体22が把持された状態の横断面図(10A)、並びに(10A)のN−N横断面図(10B)及びO−O横断面図(10C)である。(10A)は、図3の(3C)における可動把持体6を略90度回動させたものであり、拡張間隙部35を介してキャンバス部26が棒状体2と固定把持体4との間の間隙に挿入され、かつ固定把持体先細部9を介して払拭体22の固定把持体用袋部27が固定把持体4に挿入されている。又、可動把持体先細部11を介して払拭体22の可動把持体用袋部29が可動把持体6に挿入されている(10B)。(10C)においては、可動把持体6に係合突起32が形成されていることが図示されている。把持される払拭体22の可動把持体用袋部29においては、(10C)に図示される部分は係止用孔部30に相当し、従って可動把持体6及び係合突起32は開放されている。
【0044】
図11は、図10の払拭体把持具7における可動把持体6を係止状態にした横断面図(11A)、並びに(11A)のP−P横断面図(11B)及びQ−Q横断面図(11C)である。可動把持体6の係合突起32が、棒状体2の係合部材20に形成された係合爪33の傾斜部に突き当たって、係合爪33及び係合部材20を押し込んだ後に、(11C)に図示されるとおり、係合爪33が係合突起32に係合して、可動把持体6が棒状体2に係止される。この係止により、(11A)及び(11B)に図示されるとおり、棒状体2の下面、中央内壁36の下部及び後部内壁38の下部により、払拭体22の上面(キャンバス部26)が可動把持体6に押し込まれ、払拭体22の可動把持体用袋部29が棒状体2と可動把持体6の間の間隙内で狭持され、可動把持体用袋部29が可動把持体6の湾曲状周面を包被するようになる。
【0045】
図12は、図7の(7B)における払拭体把持具7のJ−J部分断面図(12A)、並びに(12A)における平行2軸ヒンジ8を介する可動把持体6の略180度回転を示す払拭体把持具7の部分断面図(12B)、(12C)及び(12D)である。通常の1軸のみを有するヒンジを本発明の固定把持体4と可動把持体6との接続に使用した場合には、可動把持体6と固定把持体4とが干渉してしまい、略180度の回動が不可能になるので、樋状把持体3の払拭体22への挿入が困難となる。平行する2軸を有する平行2軸ヒンジ8を使用することにより、可動把持体6の略180度の回動が可能となる。
【0046】
図12における平行2軸ヒンジ8は、連結板13、並びに可動把持体6と連結板13とを回動可能に軸支する第1軸15及び連結板13と固定把持体4とを回動可能に軸支する第2軸17からなる。(12A)においては、第1軸15を介して、可動把持体6が矢印eの方向へ回動する。このまま可動把持体6が更に回動した場合には、固定把持体4と干渉を起こしてしまうので、(12B)においては、矢印fの方向に平行2軸ヒンジ8の連結板13が第2軸17を介して回動する。(12C)においては、連結板13が略90度回動した状態が図示される。第1軸15が固定把持体4から離れているので、可動把持体6が第1軸15を介して更に回動可能となり(矢印g)、(12D)に図示されるとおり、可動把持体6の略180度回動が可能となる。
【0047】
図13は、固定把持体弾性部40及び可動把持体弾性部42により樋状把持体3が嵩上げされ、回動軸部12が覆われる払拭体保持具1の側面図である。本発明の第6の形態において説明したとおり、回動軸部12を衝突などから保護することが好ましい。樋状把持体3を上方へ延長することにより、樋状把持体3並びにそれに把持される払拭体22により、回動軸部12を保護することができる。図13においては、樋状把持体3の上方への延長部は、固定把持体弾性部40及び可動把持体弾性部42であり、これらの弾性部は、払拭体22が挿入され易いように、ゴム等の弾性体により形成される。尚、ヒンジ又はスライドにより前記延長部が可動となっていても良い。勿論、図13における払拭体22は、図1〜12における払拭体22よりも幅広に形成される必要がある。尚、図13における延長部は、回動軸部12の下端までしか延長されていないが、衝突等から回動軸部12を保護するためには、これで充分である。しかし、更に保護効果を高めるために、この延長部が更に上方に延長されても良い。
【0048】
図14は、図1〜13の棒状体2と比較して、拡張間隙部35が更に拡張された払拭体把持具7の側面図である。図1〜13においては、棒状体2の端部が半球状となっていて、拡張間隙部35が広く形成されている。しかし、この端部はこの様な半球状でなくてもよい。図14においては、固定把持体4の上方に配置される棒状体2の端部は、上方へ反り上がる船首状を有する。この形状により、拡張間隙部35を更に広く形成することができ、払拭体22を更に簡単に払拭体把持具7に装着できる。
【0049】
図15は、本発明の払拭体保持具1に払拭体22を保持させて組み立てられた清掃用具46の使用を示す概念図である。図15の(15A)に図示されるとおり、ハンドル18を手で保持し、床面に払拭体22を接触させて、ハンドル18を傾けて前後に押すことにより、棒状体2且つ払拭体把持具7の直交方向へ払拭体22を前後させて、清掃をおこなう。図15における払拭体保持具1の回動軸部12は、棒状体2の軸方向のみに回動可能であり、棒状体2の直交方向へは回動できない。従って、従来の清掃用具における、図17に図示された反転が起こらない。しかし、樋状把持体3の湾曲状周面により払拭体22も湾曲状になるので、これらの湾曲状周面を支点としてハンドル18を自在に傾斜させることが可能である。例えば、(15A)におけるハンドル18を矢印hの方向へ傾けて、ハンドル18の傾斜を大きくした状態(図15の(15B)に図示)において清掃を行うことができる。また、(15B)の傾斜状態においても、払拭体22が床面に接触するので、狭い空間等の清掃に役立つ。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る払拭体保持具、払拭体及びこれらにより構成される清掃用具を用いることにより、払拭体の交換が簡単であり、頑丈且つコンパクトであり、且つ払拭体把持具の反転が起こらない清掃用具を提供できる。本発明における払拭体保持具は構造が簡単なので、安価且つ大量に生産できる。従って、企業、病院、学校及び家庭などにおける清掃用途において、更に有用な清掃用具を市場に広めることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 払拭体保持具
2 棒状体
3 樋状把持体
4 固定把持体
6 可動把持体
7 払拭体把持具
8 平行2軸ヒンジ
9 固定把持体先細部
10 係止スライド部
11 可動把持体先細部
12 回動軸部
13 連結板
14 連結部材
15 第1軸
17 第2軸
18 ハンドル
20 係合部材
22 払拭体
24 パイル部
26 キャンバス部
27 固定把持体用袋部
28 挿入用孔部
29 可動把持体用袋部
30 係止用孔部
31 バネ
32 係合突起
33 係合爪
34 前部内壁
35 拡張間隙部
36 中部内壁
38 後部内壁
40 固定把持体弾性部
42 可動把持体弾性部
46 清掃用具
101 払拭体
102 払拭体保持具
104 ハンドル
112A 袋部
112B 袋部
121 払拭体把持具
131 保持片
132 保持片
141 回動部
154 直交回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動軸部を介してハンドルを棒状体軸方向に回動自在に連結した棒状体と、軸方向全長に亘ってスリット状開口部を上方に形成し且つ湾曲状周面を有した樋状把持体とを有し、前記棒状体は前記樋状把持体の内部に前記湾曲状周面と間隙を有して略同軸状に配置されており、前記ハンドルは前記スリット状開口部から外方に突出配置され、前記樋状把持体は前記棒状体に対し固定された固定把持体と、前記固定把持体に連接して前記棒状体に対しヒンジを介して回動自在に連結された可動把持体から構成され、前記可動把持体を前記棒状体に対し固定又は前記固定を解除して前記可動把持体を回動可能にするロック手段が設けられた払拭体保持具であり、前記払拭体保持具に払拭体を装着する場合には、前記ロック手段を解除して前記可動把持体を回動させ、前記可動把持体を前記払拭体の一端の袋部に挿入させ且つ前記払拭体の他端の袋部に前記固定把持体を挿入させて前記可動把持体を前記棒状体に前記ロック手段により固定し、前記払拭体が前記棒状体と前記樋状把持体により前記間隙内で狭持された状態になり、且つ前記払拭体が前記樋状把持体の湾曲状周面を包被するようになることを特徴とする払拭体保持具。
【請求項2】
前記固定把持体の先端が前記棒状体の一端より前方に突出し、且つ前記可動把持体の先端が前記棒状体の他端より前方に突出する請求項1に記載の払拭体保持具。
【請求項3】
前記固定把持体の横幅が前記固定把持体の先端側に進行するに従って収縮された固定把持体先細部が形成され、且つ前記可動把持体の横幅が前記可動把持体の先端側に進行するに従って収縮された可動把持体先細部が形成された請求項2に記載の払拭体保持具。
【請求項4】
前記棒状体と前記固定把持体との間に設けられる前記間隙が、前記棒状体の先端側に進行するに従って拡張された拡張間隙部が形成され、前記拡張間隙部を介して前記払拭体を挿入固定する請求項1、2又は3に記載の払拭体保持具。
【請求項5】
前記ヒンジは平行2軸ヒンジからなり、前記平行2軸ヒンジは第1軸と第2軸を連結板により平行配置したヒンジであり、前記可動把持体は前記第1軸を支点にして回動可能であり、前記連結板は前記第2軸を支点にして回動可能であり、前記第2軸は前記棒状体に軸支されている平行2軸ヒンジであり、前記可動把持体を回動させる場合における前記可動把持体の回動範囲が略180度である請求1〜4のいずれかに記載の払拭体保持具。
【請求項6】
前記樋状把持体の上端が前記回動軸部の下端より上方に配置されるように前記樋状把持体が形成された請求項1〜5のいずれかに記載の払拭体保持具。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の払拭体保持具に保持される袋状の払拭体であって、前記固定把持体及び前記可動把持体が挿入される挿入用孔部と、前記払拭体と前記ロック手段との干渉を防止する為の係止用孔部とが前記払拭体の上部に形成されることを特徴とする払拭体。
【請求項8】
前記払拭体が前記挿入用孔部において折曲可能であり、前記払拭体の折曲範囲が略180度である請求項7に記載の払拭体。
【請求項9】
前記払拭体が布材から構成され、前記払拭体の底部は前記布材にパイルが装着されたパイル部からなり、前記払拭体の上部は前記布材が露出されたキャンバス部からなる請求項7又は8に記載の払拭体。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれかに記載の払拭体保持具と、請求項7、8又は9に記載の払拭体とから構成され、前記払拭体保持具に前記払拭体を保持して組み立てられることを特徴とする清掃用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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