説明

扱胴及びこの扱胴を搭載した汎用コンバイン

【課題】整備性が良く、大きな処理空間を確保可能な扱胴及びこの扱胴を搭載した汎用コンバインを提供する。
【解決手段】扱胴11は、軸方向の異なる位置にて対向して設けられた第1及び第2フレーム部材34、これら第1及び第2フレーム部材34の間にて軸方向に沿って延設され、周方向に所定の間隔を存して配設された複数の桟部材37によって扱胴フレームを形成する。また、この扱胴フレームに桟部材37の間の開口を覆うプレートからなるカバー体39を取付け、このカバー体39を第1及び第2フレーム部材34の外周縁よりも内径側に配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転して穀物を脱穀する扱胴に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、主に、稲、麦、豆などの穀類を収穫する際に使用されるコンバインやハーベスタにおいて、扱室内で回転して穀稈から穀粒を脱粒(脱穀)させる扱胴が広く知られている。このような扱胴は、自己の回転により投入された穀物を軸方向に搬送するいわゆる軸流型の扱胴と、フィードチェーンなどによって穀稈が搬送されるため穀物の搬送能力の小さい自脱型用の扱胴とに大別され、搭載される脱穀装置の種類に応じて使い分けられている。例えば、特開平11−266666号公報(特許文献1)には、円筒形状の胴部分の外周にラセン状に扱歯が巻回された軸流型の扱胴が開示されている。
【0003】
ところで、上記特許文献1記載のように扱胴を形成すると、扱室内の空間のほとんどが扱胴を配置することによって占有されてしまい、扱胴の周囲の狭い空間しか脱穀処理用の処理空間が残らない。そのため、特許第41484978号公報(特許文献2)には、前後の側枠を棒状部材で接続し、この棒状部材に扱歯を外方に向けて突設した構造の扱胴が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献2記載の扱胴では、フレーム部分のみで扱胴が形成されているため、棒状部材や回転軸に脱穀穀稈が引っかかって円滑に回転できない虞があると共に、このフレーム内に入った穀稈を脱穀処理することができないという問題があった。
【0005】
一方、実開昭60―28837号公報(特許文献3)には、前後に設けられた枠フレームとこれら枠フレーム間を接続するスパイクツースバーとによって上記フレーム部分を形成し、そして、これらバーの間を密閉板によって閉塞した扱胴が記載されている。
【0006】
このように、密閉板によってスパイクツースバー間を覆うと、穀稈のフレームへの引っ掛かりやフレーム内への侵入を低減することができると共に、枠フレームを軸方向視で6角形状に形成しているため、円筒形状の扱胴よりも穀稈の処理空間を広くとることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−266666号公報
【特許文献2】特許第41484978号公報
【特許文献3】実開昭60−28837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献3記載の扱胴は、枠フレームに対して外周側から密閉板を取り付けているため、扱胴の外周縁はこの枠フレームよりも外径側に位置して径方向に大きくなり、依然として十分な処理空間を確保することが困難であった。
【0009】
また、密閉板969がスパイクツースと共締されているため、密閉板を外す際に、バー及びスパイクツースも外す必要があり、メンテナンスに手間と時間を要していた。
【0010】
そこで本発明は、整備性が良く、大きな処理空間を確保可能な扱胴及びこの扱胴を搭載した汎用コンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る扱胴は、回転軸と、軸方向の異なる位置にて対向して設けられた第1及び第2フレーム部材、これら第1及び第2フレーム部材の間にて軸方向に沿って延設され、周方向に所定の間隔を存して配設された複数の桟部材、を有する扱胴フレームと、前記桟部材に取付けられる複数の扱歯と、前記扱胴フレームに着脱自在に取付けられると共に、前記第1及び第2フレーム部材の外周縁よりも内径側位置にて前記桟部材の間の開口を覆うプレートからなる複数のカバー体と、を備えた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、桟部材の間の開口を覆うカバー体を第1及び第2フレーム部材の外周縁よりも内側位置に配設して扱胴フレームの内側に入り込ませたので、扱胴を径方向にコンパクトに構成することができ、扱室との間の処理空間を大きくすることができる。また、カバー体を扱胴フレームに対して着脱自在に取付けたことにより、容易にカバー体を取り外すことができ、整備性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る汎用コンバインを示す側面図。
【図2】図1の汎用コンバインに搭載された脱穀装置を示す模式図。
【図3】図2の脱穀装置の正面図。
【図4】図1の扱胴の拡大図。
【図5】図4において扱胴からカバー体を外した状態を示す模式図。
【図6】図4のA−A矢視断面図。
【図7】図4のC−C矢視断面図。
【図8】図4のB−B矢視断面図。
【図9】桟部材の組立図。
【図10】扱歯及びカバー体の取付方法の他例を示す模式図。
【図11】扱胴の他の形態を示す模式図。
【図12】扱胴の他の形態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る扱胴及び脱穀装置について図面に基づいて説明をする。なお、本実施の形態の脱穀装置6は、処理物を扱胴11の軸方向に沿って流しながら処理するようになっており、扱胴11は、所謂、軸流型の扱胴である。このため、以下の説明において、穀稈処理方向とは、図1において左から右の方向である。処理方向前部とは、図1の左側、処理方向後部とは、図1の右側とする。
【0015】
[汎用コンバインの構成]
図1に示すように、汎用コンバイン1は、走行装置2に支持された機体3の前方に圃場の穀稈を刈り取る前処理部5を有していると共に、機体3には前処理部5にて刈取られた穀類を脱穀及び選別する脱穀装置6が搭載されている。
【0016】
上記脱穀装置6は、図2に示すように、脱穀部9と、該脱穀部9の下方に設けられた選別部7と、を有しており、脱穀部9によって穀稈から穀粒を脱粒すると共に、選別部7によって脱穀部9から落下してくる穀粒と夾雑物との混合物を選別するように構成されている。
【0017】
より詳しくは、上記脱穀部9は、扱室10と、該扱室10内で回転自在に支持された軸流型の扱胴11とを有して構成されており、扱室10の処理方向前部には、フィーダ13から刈り取られた穀稈が供給される供給口12が設けられている。
【0018】
扱胴11は、穀稈処理方向前部の掻込部11aと、穀稈処理方向後部の扱処理部11bと、から構成されており、上記供給口12から供給された穀稈は、この掻込部11aによって扱室内へと掻き込まれるようになっている。また、上記扱処理部11bの外周には、扱歯15が外径側に向かって設けられており、この扱処理部11bの外周面11sと扱室10の内壁面10sとの間の空間によって脱穀処理空間Sが形成されている(図3参照)。従って、扱室内に掻き込まれた穀稈は、扱胴11の軸方向に沿って搬送されると共に、扱処理部11bの扱歯15によって例えば扱室10の底部を形成する受網16との間でしごかれて脱穀されるようになっている。
【0019】
一方、上記選別部7は、受網16の下方に位置する揺動選別体17と、揺動選別体17の前部下方に位置する唐箕ファン19と、を有している。この揺動選別体17は、揺動流板20、チャフシーブ21、ラック22、ストローラック23を備えて構成されており、受網16から落下する混合物を篩選別するようになっている。また、唐箕ファン19は、揺動選別体17の前部下方から後部上方に向かって起風しており、揺動選別体上を移動する混合物から藁屑などの夾雑物を、排塵口25を介して機外へと吹き飛ばして選別するように構成されている。
【0020】
また、上記唐箕ファン19の後方には、選別された穀粒をグレンタンク26(図1参照)へと回収する一番ラセン27が設けられていると共に、一番ラセン27の後方側には、ターボファン24を挟んで二番ラセン29が設けられている。この二番ラセン29では、選別不十分な穀粒が回収され、揺動流板20上もしくは扱室10内へと還元される。
【0021】
[扱胴の構成]
ついで、扱胴11の詳しい構成について図4乃至図9に基づいて説明をする。図4及び図5に示すように、扱胴11は、その中心に扱室10の前後の側板に回転自在に支持される回転軸30が挿通されていると共に、軸方向前側に設けられた上記掻込部11aを形成する部材として、円錐台形状の掻込部本体31と、この掻込部本体31の外周にラセン状に巻回されたプレート状のラセン羽根32とを有している。また、扱胴11は、掻込部11aに連続した上記扱処理部11bを構成する部材として、扱胴フレーム33、カバー体39及び扱歯15を有している。
【0022】
扱胴フレーム33は、それぞれ軸方向の異なる位置にて対向して設けられ中心部に上記回転軸30が挿通されたプレート部材からなる第1乃至第3フレーム部材34,35,36と、桟部材37とによって構成されている。
【0023】
上記第1フレーム部材34は、扱処理部11bの内、軸方向先端部に位置しており、図4のA―A矢視断面図である図6に示すように、テーパー状に形成された掻込部本体31の内、大径側の底部と略同径の円形プレートとなっている。なお、この第1フレーム部材34は、掻込部11aの取付部材ともなっており、この第1フレーム部材34に掻込部本体31が取付けられることによって、掻込部11aと扱処理部11bとが連結されている。
【0024】
また、第2フレーム部材35は、扱処理部11bの内、軸方向後端部に位置し、図4のC−C矢視断面図である図7に示すように、第1フレーム部材34と略同径の円形のプレートとなっている。
【0025】
更に、第3フレーム部材36は、これら第1及び第2フレーム部材34,35の中間部に位置しており、図4のB−B矢視断面図である図8に示すように、第1及び第2プレート部材よりも小径な多角形状のプレートとなっている。
【0026】
一方、桟部材37は、上記第1及び第2フレーム部材34,35の間にて軸方向に沿って延設され、周方向に所定の間隔を存して複数配設されており、上記棒状の扱歯15が軸方向に整列して複数取付けられている。
【0027】
上記カバー体39は、図5に示すように、桟部材37の間の開口Apを覆うプレートからなり、各桟部材間の開口Apに応じて複数設けられている。そして、これら扱胴フレーム33、カバー体39、扱歯15によって扱処理部11b(扱胴11)は、軸方向から見て断面形状が桟部材37を頂点として多角形状(本実施形態では6角形状)に構成されている。
【0028】
ついで、扱胴11の連結関係について説明をする。図9に示すように、桟部材37は、扱歯15が取付けられる取付面41、該取付面41の両端側にて軸方向に延びる稜線Lに沿って同方向に屈曲した2つの屈曲面42,43の3面を有するプレート部材からなる扱歯取付部材40と、該扱歯取付部材40の取付面41の反対側に形成された屈曲面間を閉塞するように一体に接続されるカバー体取付座45と、を備えており、扱歯取付部材40とカバー体取付座45とで角パイプ形状を形成している。
【0029】
また、上記扱歯取付部材40及びカバー体取付座45の軸方向前後端面には、それぞれ第1及び第2フレーム部材34,35のいずれかに取付けられる固定部材46,47が扱歯取付部材40及びカバー体取付座45と同様に溶接されている。更に、カバー体取付座45の底面の軸方向中央部には、第3フレーム部材36に取付けられる固定部材49が溶接されている。また、カバー体取付座45は、上記2つの屈曲面42,43が接続されたそれぞれの接続部から外側に向かって突出し、扱歯取付部材40の両側にてカバー体39を取付けるカバー体取付面45a,45bを有している。
【0030】
更に、上記取付面41には、所定のピッチPで軸方向に並ぶ複数の扱歯取付部(取付孔)50が形成されていると共に、これら複数の扱歯取付部50の内、一方側の端部に設けられた一端側扱歯取付部50aから桟部材37の一方側の端部までの第1距離d1が、他方側の端部に設けられた他端側扱歯取付部50bから桟部材37の他方側の端部までの第2距離d2よりも大きくなるように形成されている。扱歯15は、この扱歯取付部50及びカバー体取付座45に対して溶接によって一体に固定されている。
【0031】
また、図5に示すように、カバー体39は、上記カバー体取付面45a,45bに取り付けられる取付部39aと、第1及び第2フレーム部材34,35に取り付けられる取付部39bと、を有している。
【0032】
そして、これらカバー体39及び桟部材37は、図5乃至図7に示すように、上述した第1及び第2フレーム部材接続用の取付部39b及び固定部材46,47によって、第1及び第2フレーム部材34,35の外周縁34a,35aよりも内径側位置にて、第1及び第2フレーム部材34,35の互いに対抗する面にボルトによって固定されている。
【0033】
また、桟部材37は、一方側の端部と他方側の端部との位置が交互に反対となるように配置されており、これにより、図5に示すように、周方向に隣り合う扱歯15の位置が所定の角度で傾斜したラセン傾斜線Xを挟んで前後方向にずれるようになっている。より具体的には、上記扱歯15は、隣接する扱歯15を結んだ直線を関数近似した際に、上記ラセン傾斜線Xとなるように、第1及び第2距離d1,d2及びピッチPが調整されており、例えば、隣の桟部材37同士で、扱歯15の配列ピッチPの半分(1/2)Pだけ、互いに位置がずれるように第1及び第2距離d1,d2が設定される。
【0034】
更に、桟部材37は、カバー体取付面45a,45bに取付部39aがボルトによって取り付けられてカバー体39と連結されていると共に、固定部材49が内径側にて第3フレーム部材36にボルトによって連結されている。
【0035】
このように、カバー体39及び桟部材37を第1及び第2フレーム部材34,35の外周縁34a,35aよりも内径側に設けたことにより、扱胴11を径方向にコンパクトに形成することができる。そして、扱胴11の断面形状を多角形状にしたこととも相まって、扱室10と扱胴11との間の脱穀処理空間Sを広く取ることができ、脱穀装置6の処理能力を向上させることができる。更に、第1フレーム部材34を外径方向に大きく構成することができるため、この第1フレーム部材34に取付けられる掻込部11aの径を大きくして高い穀稈の掻き込み能力を得ることができる。
【0036】
また、カバー体39を扱胴フレーム33に対して着脱自在に取付けたことにより、ボルトを外すだけでカバー体39を扱胴フレーム33から取り外すことができ、扱胴11の整備が用意となる。
【0037】
更に、桟部材37を構成するにあたり、プレートの折曲材の組み合わせによってパイプを形成したことにより、パイプに対しての孔加工が必要なくなり、コストを低減することができる。また、このパイプを形成するのに、カバー体取付座45を使用したため、別体としてこの取付座を設ける必要がなく、構造を簡素にすることができる。更に、カバー体取付座45と扱歯取付部材40とを一体構成としたことにより、薄いプレートを使用しても強度を保持することができ、軽量化を図ることができる。
【0038】
また、扱歯取付部材40の左右のカバー体39の取付部を、1つのカバー体取付座45によって構成したことにより、更に桟部材37の構造を簡略化することができる。
【0039】
更に、一端側扱歯取付部50aから桟部材37の一方側の端部までの第1距離d1と、他方側の端部に設けられた他端側扱歯取付部50bから桟部材37の他方側の端部までの第2距離d2とを異ならせ、隣合う部材の向きを交互に逆向きに配設することによって、同一の桟部材37を使用しつつ扱歯15をラセン状に配設することができる。
【0040】
なお、上記実施の形態では、溶接によって扱歯15を桟部材37に取り付けたが、図10に示すように、ボルト60によって扱歯取付部材40に取り付けても良い。また、この際に、ボルト60によってカバー体39を扱歯取付部材40に対して共締めしても良い。
【0041】
更に、カバー体39は、必ずしも桟部材37及び第1及び第2フレーム部材34,35の両方に対して固定される必要はなく、少なくともどちらか一方に対して固定されていれば良い。また、図11(a)に示すように桟部材間の開口Apを、隙間Gを形成して塞ぐようにカバー体39を取り付けても良い。この場合においても、隙間Gを狭くすると、脱穀穀稈が桟部材37に引っ掛かるようなことがなく、脱穀機の可動率を向上させることができると共に、カバー体取付面45a,45bが不要となる。
【0042】
更に、桟部材37を、断面正方形のパイプ(図11(a))、断面円形のパイプ(図11(b))、楕円形のパイプ、或いはパイプでなく中実状の棒状部材であっても良い。
【0043】
また、扱胴11は、回転軸30に対して直交する断面形状が、正6角形の筒状に形成されているが、どのような多角形状に形成しても良く、平板からなるカバー体39を湾曲させて円筒形に形成しても良い。
【0044】
なお、本実施の形態では、桟部材37を6本使用しているが、3本以上、複数本であれば何本でもよい。但し、偶数本であると、扱歯15を、隣の配列の扱歯と配列ピッチPを互いに(1/2)Pだけずらすことができるので好ましい。
【0045】
更に、図11(c)のように、カバー体39を内径側に向かって屈曲して形成して、扱胴11と扱室10との間の処理空間Sをさらに広くしても良い。言い換えると、カバー体39に回転軸側に凹んだ凹部を形成するように構成し、脱穀穀稈の受け入れ量をさらに多くして、単位時間当たりの脱穀量をさらに増やすように構成しても良い。
【0046】
また、図12に示すように、カバー体39を第3フレーム部材36の処理方向前部側だけに設けてもよい。また、カバー体39は、第3フレーム部材36の処理方向後部側だけに設けてもよい。
【0047】
第3フレーム部材36の処理方向前部側だけにカバー体39を設けると、次の効果を奏する。すなわち、脱穀装置に送り込まれた刈取穀稈は、扱室の処理方向前部に供給され、扱胴の回転による遠心力で、扱胴の外周に案内され、さらに、カバー体39に案内されて後方へ移動する。このため、刈取穀稈は、扱胴の始端部に入り込み、詰まることがない。そして、刈取穀稈は、後方へ移動する間に処理物になる。刈取穀稈は、処理物となっているので、扱胴の後部にカバー体39が無くても、扱胴の内部に入り込み、回転軸30や桟部材37に巻き付くようなことが殆ど無い。これにより、長大な扱胴を必要としない。遮蔽板の長さが短いので、扱胴の重量を軽減することができる。また、扱胴内に、刈取穀稈や処理物が巻き付くことが殆どない等の効果を奏する。
【0048】
カバー体39を、第3フレーム部材36の処理方向後部側だけに設けた場合、唐箕ファン19の選別風が、遮蔽板の案内によって、排塵口へ円滑に流れて、屑の持ち回りや穀粒損失を少なくすることができる。
【0049】
なお、上述した実施の形態では、本発明に係る扱胴11を汎用コンバイン1に搭載した場合を説明したが、この扱胴11は例えばハーベスタなどに搭載されてもよい。また、本実施の形態に記載された発明は、どのように組み合わされても良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
11 扱胴
15 扱歯
30 回転軸
33 扱胴フレーム
34 第1フレーム部材
35 第2フレーム部材
34a,35a 外周縁
37 桟部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
軸方向の異なる位置にて対向して設けられた第1及び第2フレーム部材、これら第1及び第2フレーム部材の間にて軸方向に沿って延設され、周方向に所定の間隔を存して配設された複数の桟部材、を有する扱胴フレームと、
前記桟部材に取付けられる複数の扱歯と、
前記扱胴フレームに着脱自在に取付けられると共に、前記第1及び第2フレーム部材の外周縁よりも内径側位置にて前記桟部材の間の開口を覆うプレートからなる複数のカバー体と、を備えた、
ことを特徴とする扱胴。
【請求項2】
軸方向から見て断面形状が前記桟部材を頂点として多角形状である、
請求項1記載の扱胴。
【請求項3】
前記第1及び第2フレーム部材は、前記桟部材が互いに対向する面に取付けられるプレート部材であり、
前記桟部材は、前記扱歯が取付けられる取付面、該取付面の両端側にて軸方向に延びる稜線に沿って同方向に屈曲した2つの屈曲面の3面を有するプレート部材からなる扱歯取付部材と、該扱歯取付部材の前記屈曲面間を閉塞するように一体に接続されるカバー体取付座と、を有し、扱歯取付部材とカバー体取付座とで角パイプ形状を形成する、
請求項1又は2記載の扱胴。
【請求項4】
前記カバー体取付座は、前記2つの屈曲面が接続されたそれぞれの接続部から外側に向かって突出し、前記扱歯取付部材の両側にて前記カバー体を取付けるカバー体取付面を有する、
請求項1乃至3のいずれか1項記載の扱胴。
【請求項5】
前記桟部材のそれぞれは、所定のピッチで軸方向に並ぶ複数の扱歯取付部を有すると共に、これら複数の扱歯取付部の内、一方側の端部に設けられた一端側扱歯取付部から前記桟部材の一方側の端部までの第1距離が、他方側の端部に設けられた他端側扱歯取付部から前記桟部材の他方側の端部までの第2距離よりも大きくなるように形成されており、
前記複数の桟部材を、前記一方側の端部と他方側の端部との位置が交互に反対となるように配置した、
請求項1乃至4のいずれか1項記載の扱胴。
【請求項6】
前記カバー体は、内径側に向かって屈曲して形成されてなる、
請求項1乃至5のいずれか1項記載の扱胴。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項記載の扱胴を搭載した汎用コンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−51902(P2013−51902A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191232(P2011−191232)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】