説明

抄紙機のシュープレス機構

【課題】環状ベルトの張りを調整可能として、環状ベルトの伸び分を補正して適度の張りを維持する。環状ベルトの長寿命化を図ると共に、適正な張力で安定して走行するシュープレス機構を提供すること。
【解決手段】抄紙機のシュープレス機構100は、シュープレス11と、シュープレス11に対向配置されたプレスロール13とを備え、搬送される湿紙を環状ベルト23を介してプレスロール13とプレスシュー19とでニップする。シュープレス11は、支持体15と、支持体15に配設されたプレスシュー19と、支持体15に回動自在に支承された一対の支持ディスク21と、支持ディスク21に固定され且つプレスシュー19を内包するように配設された環状ベルト23と、環状ベルト23の軸心と平行に配設された調整ステーバー25と、を有する。調整ステーバー25は、支持体15に対する取付け位置が調整可能であり、環状ベルト23の張りを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抄紙機のシュープレス機構に関し、より詳細には、内周面がプレスシューに摺接しながら走行するように配設された環状ベルトの弛みを吸収して、環状ベルトの長寿命化を図ると共に安定した抄紙を可能とする抄紙機のシュープレス機構に関する。
【背景技術】
【0002】
シュープレス機構は、プレスロールがプレスシューに対向して配置されており、プレスロールとプレスシューとによりニップ部が形成される。内周面がプレスシューに摺接するように配設された環状ベルトは、プレスシューにより搬送フェルトを介してプレスロールに押圧され、該プレスロールの回転に伴って搬送フェルトとの接触摩擦力により引っ張られてプレスシューの周りを連れ回る。
【0003】
このような形式の従来のシュープレス機構としては、仕上げられた外表面を有する中空管状の案内シェルが環状ベルトの内側に配設されて、環状ベルトを支持するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。案内シェルの直径は、環状ベルトの直径よりも小さく設定されており、環状ベルトと案内シェルの間には隙間が形成されている。また、ベルトカバーが環状ベルトの外側に配置されて、走行に伴う環状ベルトのバタツキを防止するようになっている。
【0004】
また、プレスシューが支持体の半径方向に揺動自在とされて支持体に配設されると共に、チューブ状のプレスジャケットがプレスシューおよび支持体を囲繞するように設けられ、更に、取付補助条片がプレスジャケットの内側において支持体と平行に固定されたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭56−37395号公報
【特許文献2】特開平2−104791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
環状ベルト(換言すれば、プレスジャケット)は、プレスシューを囲繞するように配置され、プレスロールの回転に伴ってその内周面をプレスシューに摺接しながら循環走行する。環状ベルトは、ポリアミドとポリエチレンテレフタレート(PET)等の伸び難い素材からなる基体を補強材とし、該基体と該基体を包含する樹脂層とで構成された無端ベルトである。環状ベルトは、抄紙時には20℃〜70℃に加温されると共に、プレスロールとプレスシューとで100〜1500KN/mの圧力で加圧され、更に環状ベルトの内部に加圧空気が供給される。
【0006】
このため、抄紙作業に伴って環状ベルトの加圧疲労や内部に供給される加圧空気の圧力等により、環状ベルトがMD(Machine Direction)方向(換言すれば、湿紙の走行(流れ)方向)およびCMD(Cross Machine Direction)方向(換言すれば、幅方向)に伸張する傾向がある。また、環状ベルトは、プレスロールの回転によりMD方向に引っ張られて連れ回り回転するので、これによってMD方向にも引張張力が掛かり引き伸ばされる。
【0007】
更に、実際の抄紙作業時には、環状ベルトのCMD方向(幅方向)の中央付近は、両端部に比較して伸び易い傾向がある。これは、中央部が両端部よりも径が大きいCCR(クラウンコントロールロール)のプレスロールとプレスシューによる環状ベルトの幅(CMD方向)方向の加圧力のバラツキや、前段のプレス機構における湿紙の温度斑、環状ベルトの通気性を向上するために設けられるスチームボックスによる加温斑などの温度的要因、または環状ベルトへの潤滑油供給量のバラツキによる動摩擦斑の要因、等が複雑に起因するためである。
【0008】
上記したように、環状ベルトは、抄紙作業に伴ってMD方向に伸びが生じて全体長さが長くなると共に、CMD方向(幅方向)の中央付近が部分的に伸びる傾向がある。環状ベルトまたはプレスジャケットの内周面と摺接して環状ベルトまたはプレスジャケットを案内するために設けられた案内シェルおよび取付補助条片は、いずれも支持体に固定されており、上記した環状ベルトまたはプレスジャケットの伸びに対応して張りを調整する機能を有していない。
【0009】
従って、環状ベルトまたはプレスジャケットの伸びに起因して弛みが生じると、抄紙時に環状ベルトまたはプレスジャケットが蛇行したり、部分的にしわが発生して、極端な場合にはクラックの発生や樹脂摩耗が生じて環状ベルトの破壊が起こったり、抄紙作業が困難となる場合がある。このような場合、長時間を要する環状ベルトの交換作業が必要となる。このような不具合による環状ベルトの寿命短命化は、抄紙作業の効率を低下させるので、結果として紙製品コストを悪化させるため、抜本的に抄紙効率を向上させるために改善が熱望されていた。
【0010】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、環状ベルトの張りを容易に調整可能として、抄紙作業に伴う環状ベルトのMD方向及びCMD方向の伸び分を補正し、これにより長期間に亘って環状ベルトが適正な張力で安定して走行できるようにした抄紙機のシュープレス機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明に係る抄紙機のシュープレス機構は、下記(1)、(2)、および(3)を特徴としている。
【0012】
(1) プレスロールと、両端が機枠に固定された支持体と、前記プレスロールに接近または離間する方向に移動自在とされて前記支持体に配設されたプレスシューと、前記プレスシューの両側に配置されて前記支持体に回動自在に支承された一対の支持ディスクと、前記プレスシューを内包すると共に両端が一対の前記支持ディスクに固定されて配設され且つ内周面が前記プレスシューに摺接しながら走行する環状ベルトと、両端が前記支持体に固定されて前記環状ベルトの軸心と平行に配設された調整ステーバーと、を有し、搬送フェルトにより搬送される湿紙を前記環状ベルトを介して前記プレスロールと前記プレスシューとでニップする抄紙機のシュープレス機構であって、
前記調整ステーバーは、その前記支持体に対する取付け位置が調整可能であり、当該取付け位置を調整することにより前記環状ベルトの張りを調整すること。
(2) 上記(1)の抄紙機のシュープレス機構であって、
前記調整ステーバーが、ストレートバーであり、且つ前記環状ベルトの半径方向に取付け位置が調整自在とされたこと。
(3) 上記(1)の抄紙機のシュープレス機構であって、
前記調整ステーバーは、その軸方向中央部が弓形に湾曲しており、前記支持体に対する前記調整ステーバーの回転方向位相を調整して前記支持体に固定することにより、前記環状ベルトの幅方向中央部の弛みを吸収して前記環状ベルトの張りを調整すること。
【0013】
上記(1)の構成の抄紙機のシュープレス機構によれば、調整ステーバーの支持体に対する取付け位置が調整可能であり、調整ステーバーの取付け位置を調整することにより、環状ベルトの張りを調整することができる。従って、抄紙に伴う環状ベルトのMD方向伸びに合わせて調整ステーバーの取付け位置を調整して、常に適正な張力を環状ベルトに付与することができる。これにより、環状ベルトの弛みに起因する、例えば、環状ベルトの蛇行、しわやクラックの発生、等の不具合を解消して環状ベルトの長寿命化を図り、長期間に亘って安定して抄紙することができる。
上記(2)の構成の抄紙機のシュープレス機構によれば、ストレート形状の調整ステーバーが、環状ベルトの半径方向に位置調整自在とされているので、環状ベルトがMD方向に伸びてその全長が長くなったとき、調整ステーバーを半径方向外方に移動して位置調整することにより、環状ベルトのMD方向伸びによる弛みを吸収して環状ベルトに適正な張力を付与することができる。
上記(3)の構成の抄紙機のシュープレス機構によれば、調整ステーバーの軸方向中央部が弓形に湾曲しているので、抄紙により環状ベルトの幅方向中央部が部分的に伸びたとき、支持体に対する調整ステーバーの回転方向位相を調整して、調整ステーバーの幅方向中央部を半径方向外方に突出して固定することにより、幅方向中央部の弛みを吸収して環状ベルトのMD方向及びCMD方向の張りを調整することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の抄紙機のシュープレス機構によれば、調整ステーバーの支持体に対する取付け位置を半径方向に調整して、または回転方向位相を調整して取り付けることにより、環状ベルトの全体の伸びおよび幅方向中央部の部分的な伸びを吸収し、環状ベルトに適正な張力を付与することができる。これによって、環状ベルトの長寿命化を図ると共に長期間に亘って安定した抄紙が可能となる。
【0015】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明のシュープレス機構の要部破断縦断面図、図2は図1におけるII−II矢視縦断面図、図3はシュープレスの概略構成を示す要部斜視図、そして図4は調整ステーバーの半径方向位置および回転方向位相が調整されて支持体に固定される状態を示す要部側面図である。
【0018】
図1および図2に示されるように、本発明の抄紙機のシュープレス機構100は、シュープレス11と、シュープレス11に対向配置されたプレスロール13と、を備える。シュープレス11は、支持体15と、プレスシュー19と、一対の支持ディスク21と、環状ベルト23と、複数の調整ステーバー25と、を有する。
【0019】
支持体15は、その両端が機枠(不図示)に固定されてプレスロール13と平行に配置されている。支持体15のプレスロール13と対向する面(図1においては上面)には、油圧室27が形成されている。該油圧室27には、プレスシュー19が嵌合し、プレスロール13に接近または離間する方向に移動自在に配設されている。油圧室27には、圧油供給装置(不図示)から圧油が供給され、プレスシュー19を所定の力でプレスロール13に押圧する。
【0020】
支持体15の両端に固定された一対の支持部材17には、転がり軸受29を介して一対の支持ディスク21が回動自在に配置されている。一対の支持ディスク21の外周面には、シール部材31を介して環状ベルト23の端部がそれぞれ固定されている。即ち、支持体15およびプレスシュー19は環状ベルト23で囲繞されて環状ベルト23の内側に位置し、環状ベルト23の内周面がプレスシュー19と接触する。環状ベルト23の内部には、圧縮空気供給源(不図示)から加圧空気が供給されており、これにより、環状ベルト23は円筒状に膨らんでいる。
【0021】
支持部材17に固定された一対のステー33には、環状ベルト23の内周面近傍の円周方向に沿って複数の調整ステーバー25が固定されている。調整ステーバー25は、環状ベルト23の内周面に摺接して環状ベルト23を内側から支持する。また、ステー33には、環状ベルト23が走行するとき環状ベルト23の内周面に潤滑油を供給してプレスシュー19との摩擦抵抗を低減するための潤滑油供給装置37が配設されている。環状ベルト23を潤滑した潤滑油は、支持体15の下部に配置された排油口39から排出される。
【0022】
プレスロール13は、両端13aが回動自在に機枠に支承されると共に、駆動装置(不図示)に連結されており、該駆動装置によって駆動されて回転する。
【0023】
次に、調整ステーバー25および、ステー33に対する調整ステーバー25の固定について説明する。図3および図4に示されるように、環状ベルト23がMD方向に伸びてその全長が長くなった環状ベルト23の張りを調整するための調整ステーバー25Aは、真っ直ぐな丸棒状に形成されており、両端には雄ねじ25aが形成されている。一対のステー33に形成された調整ステーバー25A用の取付け穴33aは、環状ベルト23の半径方向に延びる長穴として形成されている。
【0024】
調整ステーバー25Aは、両端の雄ねじ25aをそれぞれ取付け穴33aに挿入し、長穴内で半径方向(矢印AまたはB方向)に位置を調整して環状ベルト23に適度の張力を与えた後、ナット35でステー33に固定する。環状ベルト23の全長の伸びを調整するための調整ステーバー25Aは、環状ベルト23の内周面に沿って円周方向に配置された複数の調整ステーバー25の内、少なくとも1箇所に配置されればよく、その配置位置や本数には特に制限されない。
【0025】
また、幅方向中央部が部分的に伸びた環状ベルト23の張りを調整するための調整ステーバー25Bは、軸方向中央部が弓形に湾曲した丸棒状に形成されており、両端に雄ねじ25aが形成されている。ステー33に形成された調整ステーバー25B用の取付け穴33bは、雄ねじ25aと同一径の丸穴として形成されている。調整ステーバー25Bは、雄ねじ25aを取付け穴33bに挿入し、調整ステーバー25Bを矢印CまたはD方向に回転して回転方向位相を調整してナット35でステー33に固定する。
【0026】
調整ステーバー25Bを矢印C方向に回転することにより、調整ステーバー25Bの軸方向中央部が半径方向外方に突出し、これにより環状ベルト23の幅方向中央部の部分的な伸びが吸収されて適度の張りが得られる。環状ベルト23の部分的な伸びを調整するための調整ステーバー25Bは、環状ベルト23の内周面に沿って円周方向に配置された複数の調整ステーバー25の内、少なくとも1箇所に配置されればよく、その配置位置や本数は特に制限されないが、環状ベルト23の走行方向に対してプレスシュー19の入口側直前に配置すれば、環状ベルト23が架張された状態で調整ステーバー25Bの作用を受けるので、環状ベルト23のバタツキ(即ち、環状ベルト23の伸びに起因する該環状ベルト23の蛇行や皺の発生)を抑制してプレスシュー19とプレスロール13の間に送り込むことができ、効果的である。
【0027】
本実施形態の作用を説明する。シュープレス機構100の前段に配置されたプレス機構(不図示)によって搾水されて搬送される湿紙は、搬送フェルト(不図示)と共にシュープレス機構100のプレスシュー19とプレスロール13との間に送り込まれる。プレスシュー19は、油圧室27に圧油が供給されて所定の力でプレスロール13に押圧されており、これにより、湿紙は環状ベルト23を介してプレスシュー19とプレスロール13により押圧されて更に搾水される。このとき、プレスロール13の回転力が搬送フェルトに伝達され、駆動力を持たない環状ベルト23は搬送フェルトとの接触摩擦力により引っ張られて一対の支持体21と共に連れ回され、環状ベルト23の内周面がプレスシュー19に摺接しながら循環走行する。
【0028】
また、環状ベルト23は、プレスシュー19とプレスロール13とによって加圧されているので、抄紙作業に伴って次第にMD方向およびCMD方向に伸びが生じる。環状ベルト23の伸びによる走行時のバタツキは、安定した抄紙を阻害して湿紙の品質を低下させるので、環状ベルト23に適度の張力を付与して安定して走行させる必要がある。従来のシュープレス機構は環状ベルト23の張り調整機能を有しておらず、環状ベルト23に伸びが生じて走行時に上記バタツキを発生し、抄紙作業が阻害された場合、環状ベルト23の交換以外には対応が出来なかった。本発明のシュープレス機構100によると、以下の手順により、容易に環状ベルト23の張りの調整を行なうことができる。
【0029】
即ち、環状ベルト23がMD方向に全体が伸びてその全長が長くなった場合、図3および図4に示されるように、ストレート形状の調整ステーバー25Aの雄ねじ25aを、長穴の取付け穴33a内で半径方向(矢印AまたはB方向)に移動して環状ベルト23に適度の張力を与え、ナット35でステー33に固定する。この作業は、両側の支持ディスク21を取り外した後、上記した環状ベルト23の張りを調整し、調整後に再び支持ディスク21を取り付けることにより行なわれる。尚、支持ディスク21に、ステー33の取付け穴33aの位置に対応させて作業穴を設けておけば、張り調整の都度、支持ディスク21を取り外すことなく、上記した張り調整作業を行なうことができる。
【0030】
また、環状ベルト23の幅方向中央部が部分的に伸びた場合、軸方向中央部が弓形に湾曲した調整ステーバー25Bを取付け穴33b内で矢印CまたはD方向に回転して回転方向位相を調整し、調整ステーバー25Bの軸方向中央部を半径方向外方に張り出すことにより、環状ベルト23の幅方向中央部の伸びを吸収する。そして、ナット35でステー33に固定する。
【0031】
環状ベルト23のMD方向及びCMD方向の伸びのいずれの伸びも、上記したように調整ステーバー25のステー33への固定位置を調整することにより、容易に伸び分を吸収して適度の張りを環状ベルト23に付与することができる。これによって、環状ベルト23の長寿命化が図られ、安定した抄紙が可能となる。
【0032】
本実施形態のシュープレス機構100によれば、調整ステーバー25の支持体15に対する取付け位置が調整可能であり、調整ステーバー25の取付け位置を調整することにより、環状ベルト23の張りを調整することができるので、環状ベルト23の伸びに合わせて調整ステーバー25の取付け位置を調整して、常に適正な張力を環状ベルト23に付与することができる。これにより、環状ベルト23の弛みに起因する、例えば、環状ベルト23の蛇行、しわやクラックの発生、等の不具合を解消して環状ベルト23の長寿命化を図り、長期間に亘って安定して抄紙することができる。
【0033】
また、本実施形態のシュープレス機構100によれば、ストレート形状の調整ステーバー25Aが、環状ベルト23の半径方向に位置調整自在とされているので、環状ベルト23がMD方向に伸びてその全長が長くなったとき、調整ステーバー25Aを半径方向外方に移動して位置調整することにより、環状ベルト23に適正な張力を付与することができる。
【0034】
本実施形態のシュープレス機構100によれば、調整ステーバー25Bの軸方向中央部が弓形に湾曲しているので、環状ベルト23の幅方向中央部が部分的に伸びたとき、支持体15に対する調整ステーバー25Bの回転方向位相を調整して、調整ステーバー25Bの幅方向中央部を半径方向外方に突出して固定することにより、環状ベルト23の幅方向中央部の弛みを吸収してMD方向及びCMD方向の張りを調整することができる。
【0035】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のシュープレス機構の要部破断縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II矢視縦断面図である。
【図3】シュープレスの概略構成を示す要部斜視図である。
【図4】調整ステーバーの半径方向位置および回転方向位相が調整されて支持体に固定される状態を示す要部側面図である。
【符号の説明】
【0037】
100 シュープレス機構
13 プレスロール
15 支持体
19 プレスシュー
21 支持ディスク
23 環状ベルト
25 調整ステーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレスロールと、両端が機枠に固定された支持体と、前記プレスロールに接近または離間する方向に移動自在とされて前記支持体に配設されたプレスシューと、前記プレスシューの両側に配置されて前記支持体に回動自在に支承された一対の支持ディスクと、前記プレスシューを内包すると共に両端が一対の前記支持ディスクに固定されて配設され且つ内周面が前記プレスシューに摺接しながら走行する環状ベルトと、両端が前記支持体に固定されて前記環状ベルトの軸心と平行に配設された調整ステーバーと、を有し、搬送フェルトにより搬送される湿紙を前記環状ベルトを介して前記プレスロールと前記プレスシューとでニップする抄紙機のシュープレス機構であって、
前記調整ステーバーは、その前記支持体に対する取付け位置が調整可能であり、当該取付け位置を調整することにより前記環状ベルトの張りを調整することを特徴とする抄紙機のシュープレス機構。
【請求項2】
前記調整ステーバーが、ストレートバーであり、且つ前記環状ベルトの半径方向に取付け位置が調整自在とされたことを特徴とする請求項1に記載した抄紙機のシュープレス機構。
【請求項3】
前記調整ステーバーは、その軸方向中央部が弓形に湾曲しており、前記支持体に対する前記調整ステーバーの回転方向位相を調整して前記支持体に固定することにより、前記環状ベルトの幅方向中央部の弛みを吸収して前記環状ベルトの張りを調整することを特徴とする請求項1に記載した抄紙機のシュープレス機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−336128(P2006−336128A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−159661(P2005−159661)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000180597)イチカワ株式会社 (99)
【Fターム(参考)】