説明

把手装置

【課題】 搬送の際、手指が充分に掛止できる手掛部を有するとともに、筐体内への張出量も小さくでき、且つ過剰な応力にも対応できる強度の向上した把手装置を提供する。
【解決手段】 把手装置5を、リアパネル開口部に嵌着される筐体装着部材6と、これに回動自在に収納される手掛部材7とから構成し、前記筐体装着部材6を、枠体状のフランジ8と、半円湾曲状の後板部10と、側板11とからなり、前記側板11の内壁面にガイド溝12を刻設した収納部9とから構成する一方、前記手掛部材7を、平板状に形成された手掛部14と、同手掛部14から突設された半円状の複数のガイドリブ15と、両側面に突設されたガイド片16とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PDP及びテレビジョン装置等の筐体に装着され、把手として使用される把手装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン装置等に用いられる従来の把手装置50は、例えば図7(A)で示すように、筐体60の側面に穿設された開口部に外方から嵌着され使用されるようになっている。同把手装置50は、開口部の外周縁に被着する枠体状のフランジ50aと、前記筐体60内に突出するように凹部状に形成され、前記フランジ50aと一体となった手掛部50bとからなり、同手掛部50bの上面及び下面には、筐体60の側面壁を前記フランジ50aと挟持するように係止爪50cが設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、前記手掛部50bの筐体60内部へ突出した寸法、所謂、図7(A)で示す奥行寸法Hは一般的に手指の大きさに比較して狭いことが多く、PDP(プラズマディスプレイパネル)等の大画面表示装置となると、手指が充分に前記把手装置50に掛けられないことにより搬送の際、支障を生じる虞があった。
【0004】
これに替わり、図7(B)で示すように、把手装置51は手掛部51の奥行寸法Hを大きくし、搬送の際、手指が充分に掛けられるようにしている。しかしながら奥行寸法Hを大きくすると、筐体60内部に配設された電子部品あるいはディスプレイパネル等に接触する危険があり、薄型化を図るPDP等においては、内部の部品配置構成に制約、制限を与える問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開平6−105258号(4頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、搬送の際、手指が充分に掛止できる手掛部及び空間を有するとともに、筐体内部への張出量所謂奥行寸法も小さくでき、筐体内部の部品配置構成に余分な制約、制限を与えない把手装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、筐体の開口部に嵌着される、一側面が開放された筐体装着部材と、同筐体装着部材内に回動手段を備えて収納される手掛部材とからなり、同手掛部材が回動して係止手段により係止されることにより前記開口部の外方に突出して把手装置を構成してなる。又、前記筐体装着部材が、断面半円状の後板部と、その両側に配置された側板とからなる収納部とからなり、前記手掛部材が、平板状に形成された手掛部と、同手掛部から突設され、前記後板部の内壁面に沿って摺動する半円状のガイドリブとからなる構成となっている。又、前記筐体装着部材が、方形状の上部凹部と、これに連設された断面円弧状の収納部とからなり、前記手掛部材が、平板状に形成された手掛部と、同手掛部から突設された補強リブとからなる構成となっている。又、前記回動手段が、前記側板の内壁面に相対向して円弧状に形成されたガイド部と、同ガイド部に案内される前記手掛部から突設されたガイド片とからなる構成となっている。又、前記回動手段が、前記収納部の両側面に穿設された長孔と、同長孔に回動自在及び摺動自在に支持される前記手掛部から突設されたピンとからなる構成となっている。又、前記係止手段が、前記収納部に形成された係止爪と、同係止爪に係止する前記ガイドリブに形成された係止溝とからなる構成となっている。又、前記係止手段が、前記収納部の後面上部に穿設され、前記手掛部の一端が挿入される係止孔からなる構成となっている。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明によると、筐体開口部に嵌着される筐体装着部材と、これに回動自在に収納される手掛部材とからなり、前記筐体装着部材を、筐体開口部端縁に被着される枠体状のフランジと、半円湾曲状の後板部と、その両側に配置された側板とからなり、前記側板の内壁面に、前記フランジの開口部から下方に向かい傾斜する導入部と、円弧状に形成された摺動部とからなるガイド溝を相対向するよう刻設した収納部とから構成する一方、前記手掛部材を、平板状に形成された手掛部と、同手掛部の一側面から突設された半円状の複数のガイドリブと、両側面に突設されたガイド片とから構成し、搬送の際、手掛部を押圧し、前記ガイド片を円弧状に形成された摺動部に摺動させ手掛部材を回動させることにより、同手掛部に手指が掛かるようになり、搬送を容易に行うことができるようになっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明による把手装置を備えた表示装置を示す斜視図であり、図2(A)は第一実施例における把手装置の分解斜視図であり、図2(B)はその手掛部材を示す斜視図である。図3は同把手装置の断面図であり、図4(A)、(B)、(C)は動作を示す断面図である。又、図5(A)は第二実施例における把手装置の分解斜視図であり、図5(B)はその手掛部材を示す斜視図である。又、図6(A)、(B)、(C)、(D)は動作を示す断面図である。
【0011】
本発明による把手装置を備えたPDP表示装置1は、例えば図1で示すように、枠体状に形成された樹脂材からなるフロントパネル2と、前面が開放された箱体状に形成され樹脂材からなるリアパネル4とで外郭となる筐体を構成し、前記フロントパネル2の開放された前面に板状の透明部材からなる光学フィルタ3を装着している。前記筐体内には電子部品を搭載した映像信号処理基板と、同映像信号処理基板から送出された信号を基にプラズマ放電により映像を前記光学フィルタ3に映写するプラズマディスプレイパネル等が内蔵されている。又、前記リアパネル4の両側面上部には、搬送の際、手掛けとなる把手装置が装着されている。
【0012】
本発明の第一実施例における前記把手装置5は、図2(A)の分解斜視図で示すように、前記リアパネル4に穿設された矩形状の開口部に嵌着される筐体装着部材6と、同筐体装着部材6内に回動自在に収納される手掛部材7とから構成されている。
【0013】
前記筐体装着部材6は、矩形状の開口部8aを備えるとともに、前記リアパネル4の開口部端縁に被着される枠体状のフランジ8と、同フランジ8と一体に形成され断面が半円状の収納部9とからなり、同収納部9は更に半円湾曲状の後板部10と、その両側に配置された側板11とから構成されている。又、前記後板部10の内壁前縁には下方に張り出すように係止爪10aが形成されている。
【0014】
前記後板部10の上部及び下部には、前記フランジ8と対向して可撓性の係止爪13が一対となって設けられており、筐体装着部材6を装着する際、前記収納部9を筐体に穿設された矩形状の開口部に押し込むと前記フランジ8の裏面が開口部前面周縁に当接するとともに、前記係止爪13が開口部裏面に係止し、これにより筐体装着部材6は筐体に嵌着されるようになっている。
【0015】
前記側板11の内壁面には、一端を前記フランジ8の前面側に開口した円弧状のガイド溝12が相対向するよう刻設されており、同ガイド溝12は、図3(A)で示すように、前記フランジ8の開口端から下方に向かい傾斜する導入部12aと、同導入部12aに連通する摺動部12bとからなり、同摺動部12bは後述するガイド片16が上方に移動するように円弧状に形成されるととも、その上部は若干直線状となって前記ガイド片16が係止する奥壁を形成している。
【0016】
前記手掛部材7は、図2(B)で示すように、平板状に形成された手掛部14と、同手掛部14の一側面から突設された半円状の複数のガイドリブ15とからなり、その両側面には、前記筐体装着部材6のガイド溝12に対応するガイド片16が突設されている。又、前記ガイドリブ15の略中央部には、前記後板部10に形成された係止爪10aに係止する断面V字状の係止溝15aが夫々形成されている。又、前記手掛部14の一端は傾斜面となって所謂肉盛り部14aとなっている。
【0017】
次に、前記手掛部材7の前記筐体装着部材6への装着について説明する。前記手掛部材7を、図3(B)で示すように、やや傾けた状態で、前記ガイド片16を前記ガイド溝12の導入部12a開放端から挿入し、同ガイド片16が同導入部12aと前記摺動部12bとの間に位置させるように内方へ押し込み、次に、前記手掛部14が垂直となるように引き起こす。これにより、図4(A)で示すように、前記リアパネル4と前記手掛部14とが略同一面となる状態で前記手掛部材7は前記筐体装着部材6に収納され、前記手掛部14と筐体外面とが面一になることにより、凹部が目立たず外観上、美観を保てるようになっている。
【0018】
PDP表示装置1を移動させる際は、図4(B)で示すように、前記手掛部材7の手掛部14の下部を手指等により押圧する。これにより両側面に突設された前記ガイド片16が前記ガイド溝12の円弧状に形成された摺動部12bに案内され摺動することにより前記手掛部材7は、上部が前記リアパネル4の側面に突出するように回動する。
【0019】
前記ガイド片16が前記摺動部12aの奥壁に突当たるとともに、前記係止爪10aが前記係止溝15aに係止すると、前記手掛部材7は、図4(C)で示すように、略直角度回動した状態で固定されるようになっている。この状態で、前記手掛部14に手指が掛かるように手を差し入れることにより、前記PDP表示装置1を任意の場所に移動、搬送させることができるようになっている。移動、搬送が完了したら前記手掛部材7を逆方向に回動させ元の状態に復帰させる。この際、前記肉盛り部14aにより復帰する方向に応力が働き、操作が円滑に行えるようになっている。
【実施例2】
【0020】
次に、第二実施例について説明する。第二実施例の把手装置20は、図5(A)で示すように、第一実施例と同様に、筐体の開口部に嵌着される筐体装着部材21と、同筐体装着部材21内に回動自在に収納される手掛部材22とから構成されている。前記筐体装着部材21は、前記リアパネル4の開口部端縁に被着される枠体状のフランジ23と、同フランジ23の下方後部に一体となって形成され、上部に平坦面を有する断面4分円状の収納部24と、前記フランジ23の上方から方形状の凹部となるように形成された上部凹部25とからなり、前記収納部24の下面と、前記上部凹部25の上面には、図示はしていないが、第一実施例と同様に、筐体内壁面に係止する係止爪が夫々形成されている。
【0021】
又、前記上部凹部25の後壁面と、前記収納部24の上面壁24bとには、これらに連通するように縦長状の切欠き26が複数設けられ、又、前記収納部24の両側壁には、水平状の長孔27が穿設されている。更に、前記収納部24の円弧状となった後壁面上部には、図6(A)で示すように、水平状の係止孔24aが穿設されている。
【0022】
前記手掛部材22は、図5(B)で示すように、平板状に形成された手掛部28と、同手掛部14の一側面から突設された略半円状の複数の補強リブ29とからなり、同補強リブ29の下部一端は切り欠かかれて平坦面29aとなっている。又、前記手掛部28の両側面には、前記筐体装着部材23の長孔27に対応するピン30が突設されている。
【0023】
次に、前記手掛部材22の前記筐体装着部材21への装着について説明する。同筐体装着部材21のフランジ23を左右に押広げた状態で、前記手掛部材22の補強リブ29を前記切欠き26に夫々挿通させるとともに、左右に突設された前記ピン30を前記長孔27に挿入する。これにより、前記手掛部材22は前記筐体装着部材21に、図6(A)で示すような状態で収納され、前記ピン30を前記長孔27に回動自在に支持されるようになっている。
【0024】
搬送を行う際は、図6(B)で示すように、下部を押圧することにより、前記手掛部材22は矢印で示す方向に回動する。略直角度回動すると、図6(C)で示すように、前記手掛部材22の平坦状の手掛部28と、前記収納部24の上面壁24bとが当接し回動が規制される。前記手掛部28が水平となった状態で、手掛部材22を、図6(D)の矢印で示す方向に押圧すると、前記ピン30が前記長孔27内を摺動することにより、前記手掛部28の一端が、前記収納部24に形成された係止孔24aに挿入され、これにより前記手掛部材22が固定状態となる。
【0025】
前記手掛部材22が固定された状態で、前記手掛部28に手指を掛けることにより搬送が容易に行えるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による把手装置を備えた表示装置を示す斜視図である。
【図2】(A)は本発明の第一実施例による把手装置の分解斜視図である。 (B)は手掛部材を示す斜視図である。
【図3】(A)筐体装着部材の断面図である。 (B)は手掛部材の筐体装着部材への装着を示す断面図である。
【図4】(A)は把手装置が筐体へ装着された状態を示す断面図である。 (B)及び(C)は搬送時の動作を示す断面図である。
【図5】(A)は本発明の第二実施例による把手装置の分解斜視図である。 (B)は手掛部材を示す斜視図である。
【図6】(A)、(B)(C)及び(D)は搬送時の動作を示す断面図である。
【図7】(A)及び(B)は従来の把手装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 PDP表示装置
2 フロントパネル
3 光学フィルタ
4 リアパネル
5 把手装置
6 筐体装着部材
7 手掛部材
8 フランジ
8a 開口部
9 収納部
10 後板部
10a 係止爪
11 側板
12 ガイド溝
12a 導入部
12b 摺動部
13 係止爪
14 手掛部
15 ガイドリブ
15a 係止溝
16 ガイド片
20 把手装置
21 筐体装着部材
22 手掛部材
23 フランジ
24 収納部
25 上部凹部
26 切欠き
27 長孔
28 手掛部
29 補強リブ
29a 平坦面
30 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の開口部に嵌着される、一側面が開放された筐体装着部材と、同筐体装着部材内に回動手段を備えて収納される手掛部材とからなり、同手掛部材が回動して係止手段により係止されることにより前記開口部の外方に突出することを特徴とする把手装置。
【請求項2】
前記筐体装着部材が、断面半円状の後板部と、その両側に配置された側板とからなる収納部からなり、前記手掛部材が、平板状に形成された手掛部と、同手掛部から突設され、前記後板部の内壁面に沿って摺動する半円状のガイドリブとからなることを特徴とする請求項1に記載の把手装置。
【請求項3】
前記筐体装着部材が、方形状の上部凹部と、これに連設された断面円弧状の収納部とからなり、前記手掛部材が、平板状に形成された手掛部と、同手掛部から突設された補強リブとからなることを特徴とする請求項1に記載の把手装置。
【請求項4】
前記回動手段が、前記側板の内壁面に相対向して円弧状に形成されたガイド部と、同ガイド部に案内される前記手掛部から突設されたガイド片とからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の把手装置。
【請求項5】
前記回動手段が、前記収納部の両側面に穿設された長孔と、同長孔に回動自在及び摺動自在に支持される前記手掛部から突設されたピンとからなることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の把手装置。
【請求項6】
前記係止手段が、前記収納部に形成された係止爪と、同係止爪に係止する前記ガイドリブに形成された係止溝とからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の把手装置。
【請求項7】
前記係止手段が、前記収納部の後面上部に穿設され、前記手掛部の一端が挿入される係止孔からなることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の把手装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−228847(P2006−228847A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−38654(P2005−38654)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】