説明

抑制化合物から再生可能な物質を製造するための方法及び装置

抑制化合物から製造される再生可能な物質。本方法は、生物有機体によって発酵抑制化合物を消費する段階;及び、生物有機体によって発酵抑制化合物の少なくとも一部から再生可能な物質を産生する段階;を含む。本方法は、補因子の産生及び消費の正味のバランスを有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抑制化合物から再生可能な物質を製造するための方法及び装置に関する、本発明はまた、本発明の方法及び装置によって製造される再生可能な物質にも関する。
【背景技術】
【0002】
温室効果ガスのレベル及び気候の変化の問題のために、固定炭素と遊離二酸化炭素との間の自然のサイクルを利用しようとする技術が開発されている。これらの技術が進歩するにつれて、供給物質を再生可能な物質に転化する種々の技術が開発されている。しかしながら、技術における上記の進歩を有していても、再生可能な物質の収量を増加させ、再生可能な物質に転化させることができる化合物の範囲を広げる必要性及び要望が未だ存在する。より広範囲の化合物の転化を複雑にするものは、更に、最適以下の収量を引き起こす可能性がある補因子の不均衡である。また、補因子の産生及び消費の正味のバランスを有する方法及び/又はプロセスに対する必要性及び要望も存在する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、抑制化合物から再生可能な物質を製造するための方法及び装置に関する。本発明はまた、本発明の方法及び装置によって製造される再生可能な物質にも関する。本発明は、再生可能な物質の産生量を抑制及び/又は減少させる物質及び/又は化合物を利用及び/又は消費し、物質及び/又は化合物を更なる再生可能な物質に転化及び/又は変化させることができる。本発明の利益としては、再生可能な物質の増加した収量、減少した廃棄物、低下した供給物質のコストなどを挙げることができる。本発明はまた、補因子の産生と消費の正味のバランスを有する方法及び/又はプロセスも包含することができる。
【0004】
第1の態様によれば、本発明は再生可能な物質を製造する方法を包含する。この方法は、生物有機体によって抑制化合物を消費する段階、及び生物有機体によって抑制化合物の少なくとも一部から再生可能な物質を産生する段階を含む。
【0005】
第2の態様によれば、本発明は再生可能な物質を製造する方法を包含する。この方法は、生物有機体によって2つのアルドース分子を消費して2つのポリオール分子を産生する段階、及び、生物有機体によって2つのポリオール分子を消費して2つのケトース分子及び2つの還元型補因子分子を産生する段階を含む。この方法は、生物有機体によって2つのケトース分子を消費して再生可能な物質の分子を産生する段階、及び、生物有機体によって有機酸分子及び1つの還元型補因子分子を消費してアルデヒド分子及び酸化型補因子分子を産生する段階を含む。この方法は、生物有機体によってアルデヒド分子及び1つの還元型補因子分子を消費して2つのケトース分子及び酸化型補因子分子から形成されるものと同一か又は異なる再生可能な物質の分子を産生する段階を含む。
【0006】
第3の態様によれば、本発明は再生可能な物質を製造するための装置を包含する。この装置は、リグノセルロース流を受容するように適合されている発酵容器、及び、発酵容器内に配置されている生物有機体を含む。生物有機体は、キシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、補酵素Aトランスフェラーゼ、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、及び/又はアルコールデヒドロゲナーゼの遺伝子を含む。
【0007】
第4の態様によれば、本発明は本明細書中において開示されるいずれかの方法及び/又は装置によって製造される再生可能な物質を包含する。
本明細書中に含まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の幾つかの態様を示し、明細書と一緒に本発明の特徴、有利性、及び原理を説明するように働く。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、一態様による酢酸からエタノールへの経路を示す。
【図2】図2は、一態様による酪酸酢酸からブタノールへの経路を示す。
【図3】図3は、一態様による酢酸からエタノール及びキシロースからエタノールへの正味の経路を示す。
【図4】図4は、一態様による装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、抑制化合物から再生可能な物質を製造するための方法及び装置に関する。本発明はまた、本明細書中において開示する方法及び装置によって製造される再生可能な物質にも関する。一態様によれば、本発明は、発酵抑制剤を価値のある生成物及び/又は共生成物に転化することを包含することができる。
【0010】
リグノセルロースバイオマスの予備処理によって、再生可能な燃料に転化させるための炭水化物を生成させることができる。また、予備処理によって、例えばヘミセルロースにおける側鎖アシル置換、ヘキソース、ペントース、又は他の炭水化物モノマーの自然分解などからの有機酸の溶媒和及び/又は合成を引き起こすこともできる。予備処理中に形成される有機酸は、リグノセルロース炭水化物上での微生物の成長を抑制及び/又は潜在的に排除して、遊離糖の再生可能な物質の分子及び/又はバイオ燃料分子への転化を減少させる可能性がある。これらの有機酸の影響の軽減方法としては、酸除去のために高コストの吸着剤及び/又は水による強い洗浄工程を用いることを挙げることができる。
【0011】
一態様によれば、幾つかの微生物、例えばClostridium acetobutylicumは、有機酸を同化してそれらをその後に価値のあるバイオ燃料分子へ転化させる、例えば酢酸をエタノールへ、酪酸をブタノールへ転化させるなどの代謝経路を有する可能性がある。
【0012】
本発明は、Saccharomyces cerevisiae 424A(LNH-ST)、Escherichia coli KO11、Zymomonas mobilis AX101などのような有機体を、再生可能な物質及び/又はバイオ燃料の製造において用いることを包含することができる。一態様によれば、本発明はまた、同化及び/又は異化経路を含む有機酸同化反応及び/又はバイオ燃料合成反応を触媒する遺伝子を用いることを包含することができる。有機体の株を遺伝子組換えして、有機酸同化反応及び/又はバイオ燃料合成の遺伝子を含ませることができる。遺伝子組換えには、一時的及び/又は誘導性発現パターンを有するプロモーターなどを制御することを含ませることができる。例えば、好適な遺伝子組換えに初期成長期中の発現パターンを含ませることができる。酸同化遺伝子を成長の初期段階中に刺激して、元々は抑制性の化合物及び/又は有機酸から価値のある再生可能な物質の分子及び/又はバイオ燃料分子を同時に生成させながら、予備処理したバイオマスの解毒を可能にすることができる。
【0013】
一態様によれば、本発明は、リグノセルロースバイオマスの予備処理中に形成及び/又は溶媒和される抑制化合物を用いることを包含することができ、かかる抑制化合物としては、微生物の成長を抑制すること、リグノセルロース誘導糖の再生可能な物質及び/又はバイオ燃料への転化を制限することなどが可能な有機酸を挙げることができる。有機酸をアルコールへ転化させる代謝経路を用いると、上記の問題を軽減することができる。代謝経路を形成する遺伝子を用いて、本来は再生可能な物質及び/又はバイオ燃料を産生する有機体を、毒性の有機酸を価値のある再生可能な物質の分子及び/又はバイオ燃料分子に転化させるように遺伝子組換えすることができる。
【0014】
図1は、一態様による酢酸からエタノールへの経路を示す。
図2は、一態様による酪酸酢酸からブタノールへの経路を示す。
図3は、一態様による(1)酢酸からエタノール、及び(2)キシロースからエタノールへの経路を示す。図の下部は、正味ゼロの(バランスの取れた)補因子の産生及び消費を含む正味の化学反応(1+2)を示す。
【0015】
図4は一態様による装置10を示す。装置10は、容器12、並びにリグノセルロース流(供給物質)14及び再生可能な物質の流れ(生成物)16を含む。容器12は、容器12内に配置されている生物有機体18を含む。
【0016】
一態様によれば、本発明は再生可能な物質の製造方法を包含することができる。本方法には、生物有機体によって発酵抑制化合物を消費する段階、及び、生物有機体によって発酵抑制化合物の少なくとも一部から再生可能な物質を産生する段階を含ませることができる。
【0017】
この方法は、広範には成果及び/又は結果を実現及び/又は達成するための手順及び/又は方法に関する。
一態様によれば、有機酸及び/又は他の抑制化合物を除去する水洗浄工程を本発明の工程から除外することができる。別の態様においては、本方法の工程に減少した水洗浄工程を含ませることができる。
【0018】
再生可能な物質とは、広範には、自然の生態循環及び/又は自然源によって置き換えることができる源及び/又はプロセスから少なくとも部分的に誘導された物質及び/又は物品を指す。再生可能な物質としては、広範には、化学物質、化学中間体、溶媒、モノマー、オリゴマー、ポリマー、バイオ燃料、バイオ燃料中間体、バイオガソリン、バイオガソリンブレンドストック、バイオディーゼル、グリーンディーゼル、再生可能なディーゼル、バイオディーゼルブレンドストック、バイオ蒸留物などを挙げることができる。望ましくは、しかしながら必須ではないが、再生可能な物質は、植物、藻類、バクテリア、菌類などの生きている有機体から誘導することができる。
【0019】
バイオ燃料とは、広範には、再生可能な源から誘導される燃料及び/又は燃焼源として用いるのに好適な成分及び/又は流れを指す。バイオ燃料は持続的に製造することができ、及び/又は減少しているか及び/又は正味でゼロの大気への炭素放出を有することができる。一態様によれば、例えば地下から採鉱又は採掘された物質は、再生可能な源から除外することができる。望ましくは、再生可能な源としては、単細胞有機体、多細胞有機体、植物、菌類、バクテリア、藻類、栽培作物、非栽培作物、木材などを挙げることができる。バイオ燃料は、例えば陸上車、船舶、航空機などにおいて用いるための輸送燃料として用いるのに好適である可能性がある。バイオ燃料は、発電において用いて、例えば蒸気を発生させ、合成ガスを生成させ、水素を生成させ、電気を発生させることなどを行うのに好適である可能性がある。
【0020】
バイオガソリンとは、広範には、直接用いるか、及び/又はガソリンプール及び/又はオクタン供給流中にブレンドするのに好適な再生可能な源から誘導される成分及び/又は流れを指す。好適なバイオガソリン分子としては、メタン、水素、合成ガス(合成)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジメチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、ヘキサノール、脂肪族化合物(直鎖、分岐、及び/又は環式)、ヘプタン、イソオクタン、シクロペンタン、芳香族化合物、エチルベンゼンなどを挙げることができる。ブタノールとは、広範には、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、他の異性体などの生成物及び誘導体を指す。バイオガソリンは、自動車用ガソリン内燃エンジンのような火花点火エンジンにおいて用いることができる。一態様によれば、バイオガソリン及び/又はバイオガソリンブレンドは、工業的に認められている燃料の標準規格を満足するか又はこれに合致する。
【0021】
バイオディーゼルとは、広範には、直接用いるか、及び/又はディーゼルプール及び/又はセタン供給流中にブレンドするのに好適な再生可能な源から誘導される成分又は流れを指す。好適なバイオディーゼル分子としては、脂肪酸エステル、トリグリセリド、脂質、脂肪アルコール、アルカン、ナフサ、蒸留範囲の物質、パラフィン系物質、芳香族物質、脂肪族化合物(直鎖、分岐、及び/又は環式)などを挙げることができる。バイオディーゼルは、自動車用ディーゼル内燃エンジンのような圧縮点火エンジンにおいて用いることができる。別の形態においては、バイオディーゼルはまた、ガスタービン、ヒーター、ボイラーなどにおいて用いることもできる。一態様によれば、バイオディーゼル及び/又はバイオディーゼルブレンドは、工業的に認められている燃料の標準規格を満足するか又はこれに合致する。
【0022】
バイオ蒸留物とは、広範には、直接用いるか、及び/又は航空機燃料(ジェット)、潤滑剤ベースストック、灯油燃料などにブレンドするのに好適な成分又は流れを指す。バイオ蒸留物は再生可能な源から誘導することができ、約100℃〜約700℃の間、約150℃〜約350℃の間などの沸点範囲を有する。
【0023】
バイオマスとは、広範には、生きている有機体及び/又は最近まで生きていた有機体、例えばリグノセルロース源から少なくとも部分的に誘導される植物性及び/又は動物性の材料及び/又は物質を指す。
【0024】
リグノセルロースとは、広範には、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどを含むことを指す。リグノセルロースは植物性物質を指すことができる。リグノセルロース物質としては、サトウキビ、サトウキビ滓、エネルギー用サトウキビ、エネルギー用サトウキビ滓、コメ、稲わら、トウモロコシ、トウモロコシわら、小麦、麦わら、メイズ、メイズわら、モロコシ、モロコシわら、サトウモロコシ、サトウモロコシわら、綿、綿くず、サトウダイコン、サトウダイコンパルプ、大豆、菜種、ジャトロファ、スイッチグラス、ミスカンサス、他の芝類、木材、軟材、硬材、樹皮、木くず、おがくず、紙、紙くず、農業廃棄物、肥料、肥やし、下水、都市固形廃棄物、任意の他の好適なバイオマス物質などのような任意の好適な物質を挙げることができる。
【0025】
消費とは、広範には、例えば細胞代謝、細胞呼吸(好気性及び/又は嫌気性)、細胞再生、細胞成長、発酵、細胞培養などの間の消尽、利用、摂取、食尽、変換などを指す。
発酵とは、広範には、嫌気的のように最終電子ドナーが酸素でない炭水化物の代謝を指す。発酵としては、炭水化物のような高エネルギー化合物の二酸化炭素及びアルコール及び/又は有機酸への酵素で制御された嫌気性分解を挙げることができる。別の形態においては、発酵とは、広範には、有機化合物の生物学的に制御された変換を指す。発酵プロセスは、バクテリア、菌類、藻類などのような任意の好適な有機体を用いることができる。好適な発酵プロセスには、天然有機体及び/又は遺伝子組換え有機体を含ませることができる。
【0026】
酵素とは、広範には、化学反応、生化学反応などを触媒する及び/又は増進させるタンパク質又は他の好適な分子を指す。酵素は、生きている有機体及び/又は合成プロセスによって産生されることができる。好適な酵素は、任意の所望の特性及び/又は特徴を含んでいてよい。好適な酵素としては、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リグニナーゼ、エンドセルラーゼ、エキソセルラーゼ、グルコシダーゼ、セロビオースデヒドロゲナーゼ、マンガンペルオキシダーゼ、リグニンペルオキシダーゼなどを挙げることができる。好適な酵素は、セルロースをより小さい糖単位及び/又はモノマーへと加水分解することを促進することができる。
【0027】
遺伝とは、広範には、例えば染色体上のポリマー鎖形態の核酸の列及び/又は配列などによって表される有機体の遺伝形質及び/又は系統を指す。
核酸とは、広範には、ヌクレオチド鎖の複雑な有機酸、例えばデオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)などを指す。
【0028】
遺伝子とは、広範には、1以上の特質及び/又は特性の遺伝及び/又は発現を制御するための遺伝の機能単位としてのDNA及び/又はRNA中のヌクレオチドの特異的配列を指す。遺伝子は、ポリペプチド及び/又はタンパク質の構造を特定し、他の遺伝物質の機能を制御することなどを行うことができる。
【0029】
遺伝子工学とは、広範には、遺伝コードの少なくとも一部の意図的な操作及び/又は組み替え、及び/又は有機体の遺伝コードの発現を指す。
遺伝子組換えとは、広範には、遺伝子組換えした有機体、培養物、単細胞、生物相などを指す。遺伝子組換えした有機体としては、1以上の遺伝子、タンパク質の一部、プロモーター領域、非コード領域、染色体などのゲノム突然変異、付加、及び/又は除去によって操作されたものを挙げることができる。
【0030】
天然とは、広範には、少なくとも概して人間、機械などのような外部の力による介在作用のない有機体、培養物、単細胞、生物相などを指す。天然有機体としては、局所環境(植物相及び/又は動物相)などにおいて見られるものを挙げることができる。天然有機体は、回収、単離、培養、精製などを施されることができる。
【0031】
細胞培養とは、広範には、好気的のように最終電子ドナーが酸素である炭水化物の代謝を指す。細胞培養プロセスは、バクテリア、菌類、藻類などのような任意の好適な有機体を用いることができる。好適な細胞培養プロセスには、天然有機体及び/又は遺伝子組換え有機体を含ませることができる。
【0032】
抑制とは、広範には、抑制、抑止、産生の妨害、成長抑制、プロセスの遅延などを指す。
化合物とは、広範には、任意の好適な元素及び/又は物質、複数の元素の組合せなどを指す。
【0033】
抑制化合物とは、広範には、細胞の働きを遅延し、及び/又は所望の生成物の産生を妨害する元素、物質、及び/又は化合物を指す。抑制化合物としては、広範には、アルコール、有機酸などを挙げることができる。発酵抑制化合物としては、ギ酸、酢酸、酪酸、乳酸、ピルビン酸、プロピオン酸、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、フェニルメチルエーテル、他の予備処理副生成物、他の発酵副生成物などのような任意の好適な物質及び/又は材料を挙げることができる。理論には縛られないが、幾つかの抑制化合物は、平衡を所望の生成物から離れる方向にシフトし、経路を遮断し、細胞過程を中断させ、遺伝的カスケードを変化させることなどを行うことができる。幾つかの抑制化合物は、例えば閾値濃度に到達したら抑制量を有することができる。
【0034】
抑制化合物は、細胞活性を、任意の好適な量、例えば抑制化合物を有しない系に対する質量及び/又は体積の産生量基準で少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約70%などまで遅延及び/又は遅滞させることができる。
【0035】
抑制化合物は、糖の発酵(副生成物)、リグノセルロース物質の加水分解などのように任意の好適な源から生成及び/又は誘導することができる。
生物学的物質とは、広範には、生活系、生命過程、生きている有機体などを指す。生物学的物質とは、古細菌、バクテリア、及び/又は真核細胞からの有機体を指すことができる。一態様によれば、生物学的物質としては、酵素、タンパク質などのような生物学的に誘導された化合物が挙げられる。一態様によれば、少なくとも約1,000年前にその寿命が終わったもののような化石及び/又は古代の物質は、生物学的物質から除外される。
【0036】
生物学的プロセスとしては、任意の好適な生活系、及び/又は生活系及び/又は生活段階から誘導される事項を挙げることができる。生物学的プロセスとしては、発酵、細胞培養、好気呼吸、嫌気呼吸、異化反応、同化反応、生体内変化、糖化、液化、加水分解、解重合、重合などを挙げることができる。
【0037】
有機体とは、広範には、それらの全体的な機能によってその関係及び/又は特性を概して求めることができる相互依存及び従属の元素の複雑な構造体を指す。有機体としては、機能が別であるが互いに依存する器官を有する生命活動を持続するように作られている個体を挙げることができる。有機体とは、例えば成長、再生などを行うことができる生命体を挙げることができる。
【0038】
生物有機体としては、任意の好適な単一型(単)細胞体、複雑型(多)細胞体などを挙げることができる。生物有機体としては、藻類、菌類、バクテリアなどを挙げることができる。生物有機体としては、1種類以上の天然有機体、1種類以上の遺伝子組換え有機体、天然有機体と遺伝子組換え有機体との組み合わせなどを挙げることができる。複数の生物有機体の組み合わせを用いる態様は本発明の範囲内である。任意の好適な組合せ又は有機体、例えば1以上の有機体、少なくとも2種類の有機体、少なくとも5種類の有機体、約2種類の有機体〜約20種類の有機体などを用いることができる。
【0039】
生物有機体としては、任意の好適な有機体、例えばAspergillus nidulans、Bacillus subtilis、Candida curvata、Candida sorensis、Clostridium acetobutylicum、Clostridium beijerinckii、Crypthecodinium cohnii、Cryptococcus terricolus、Entomorphtoria coronata、Escherichia coli、Geobacter thermoglucosidasius、Hansenula polymorpha、Klebsiella oxytoca、Kluyveromyces marxianus、Lipomyces lipfer、Moorella thermoaceticum、Mortierella alpine、Pichia stipitis、Rhodosporidium toruloides、Rhodotorula glutinis、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces carlsbergensis、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces pastorianus、Schyzochytrium spp.、Trichoderma Reesei、Trichosporon cutaneum、Yarrowia lipolytica、Zymomonas mobilisなどを挙げることができる。
【0040】
産生とは、広範には、存在させること、生成させること、製造すること、合成することなどを指す。一態様によれば、産生としては、発酵、細胞培養などが挙げられる。産生としては、有機体内に再生可能な物質を形成することを挙げることができる。プロセスには、細胞溶解、機械処理、熱処理、化学処理などによって除去可能な物質を抽出及び/又は除去するための更なる処理を含ませることができる。別の形態においては、産生によって、更なる段階及び/又は処理を行うことなく有機体から再生可能な物質を分泌及び/又は放出することができる。
【0041】
一部とは、広範には、全体の一部、一部分、一つ、成分などを指す。
一態様によれば、本方法には、生物有機体によって糖物質を消費して抑制化合物の少なくとも一部を産生することを含ませることもできる。糖とは、広範には、単糖類、二糖類、三糖類などのような任意の好適な炭水化物を指す。糖は、約5(ペントース)、約6(ヘキソース)などのような任意の好適な数の炭素原子を含んでいてよい。
【0042】
本方法には、補因子の任意の好適な産生及び/又は消費を含ませることができる。本方法は、補因子の正味の消費者、補因子の正味の産生者、補因子のバランスの取れた産生者及び消費者などであってよい。望ましくは、しかしながら必須ではないが、本方法には、0乃至約0の補因子の正味の消費及び/又は産生を含ませることができる。補因子としては、酸化還元電位補因子であるNADH、NADPHなどを挙げることができる。理論には縛られないが、再生可能な物質の産生は、補因子の産生及び/又は消費のためのバランスの取れた必要条件を有する方法及びプロセスの利益を享受することができる。バランスの取れた補因子系は、再生可能な物質の少なくとも多少の自律産生を与えることができる。
【0043】
正味とは、広範には、全ての獲得及び/又は損失を計上した後の残りを指す。正味とは、更なる充填などを行わないことを指す。
NADHとは、広範には、補酵素であってよいニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの還元状態及び/又は形態を指す。
【0044】
NADPHとは、広範には、補酵素であってよいニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェートの還元状態及び/又は形態を指す。
一態様によれば、生物有機体を、発酵抑制化合物を補酵素A及びNADHのような2単位の還元型補因子を用いるアルデヒド経路によってアルコールに転化させるように遺伝子組換えすることができる。
【0045】
アルコールとは、広範には、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのようなヒドロキシル基(OH)を含む化合物の種類を指す。
アルデヒドとは、広範には、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドなどのようなカルボニル基(O=CH)を含む化合物の種類を指す。
【0046】
経路とは、広範には、複数の段階及び/又は反応の順序及び/又は順番を指す。好適には、順路には、それによって1つの物質を他のものに転化させることができる酵素接触反応などを含ませることができる。
【0047】
補酵素とは、広範には熱安定性の非タンパク質化合物を指す。補酵素は、アポ酵素などと化合した後に酵素系の活性部分を形成することができる。
アポ酵素とは、広範には、補酵素と結合することによって活性酵素系を形成し、基質に対する系の特異性を決定することなどを行うタンパク質などを指す。
【0048】
補酵素Aとは、広範には、C213616Sの式を有する補酵素を指す。理論には縛られないが、補酵素Aは、炭水化物、脂肪、アミノ酸などの代謝において用いることができる。補酵素Aは、例えば再生可能な物質において用いるための脂肪酸の合成において用いることができる。
【0049】
生物有機体は、再生可能な物質を産生するために任意の好適な酵素及び/又は遺伝子を用いることができる。好適な遺伝子としては、アルコールデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、アルデヒドレダクターゼなどを挙げることができる。
【0050】
一態様によれば、生物有機体は1以上のアルコールデヒドロゲナーゼ単位を用いる。アルコールデヒドロゲナーゼとは、広範には、アルコール及び他の化合物へ、及び/又はこれらから転化させるための酵素の群を指す。
【0051】
単位とは、広範には、全体として結果物を産生する生物学的活性薬剤の量とみなされる単一の量を指す。
一態様によれば、生物有機体は1以上のアルデヒドデヒドロゲナーゼ単位を用いる。アルデヒドデヒドロゲナーゼとは、広範には、アルデヒドの酸化を触媒する酵素の群を指す。
【0052】
一態様によれば、生物有機体は1以上のアルデヒドレダクターゼ単位を用いる。アルデヒドレダクターゼとは、広範には、グルコースのソルビトールへの転化のような炭水化物の代謝のために用いられる酵素の群を指す。
【0053】
一態様によれば、生物有機体は、補酵素Aトランスフェラーゼの1以上の単位、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼの1以上の単位、及び/又はアルコールデヒドロゲナーゼの1以上の単位を用いる。
【0054】
一態様によれば、再生可能な物質としては、エタノール、ブタノール、遊離脂肪酸、トリアシルグリセリド、アルキルエステル、イソプレノイド、乳酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸、他の炭化水素などを挙げることができる。
【0055】
一態様によれば、消費段階及び産生段階は、例えば別々の容器内で、糖発酵とは独立して行う。別の形態においては、消費段階及び産生段階は、例えば同じ容器内で、糖発酵と少なくともある程度同時期か及び/又は同時に行う。
【0056】
抑制化合物の消費中に糖を再生可能な物質に同時に転化させる態様は本発明の範囲内である。糖及び抑制化合物を消費するために同じか及び/又は異なる有機体を用いることができる。
【0057】
一態様によれば、本発明は、本明細書において記載する任意の方法及び/又は装置によって製造される再生可能な物質を包含することができる。
一態様によれば、本発明は再生可能な物質を製造する第2の方法を包含することができる。この方法には、生物有機体によって少なくとも2つのアルドース分子を消費して、少なくとも2つのポリオール分子を産生する段階、及び生物有機体によって少なくとも2つのポリオール分子を消費して、少なくとも2つのケトース分子及び少なくとも2つの還元型補因子分子を産生する段階を含ませることができる。本方法には、同じ生物有機体及び/又は異なる生物有機体によって少なくとも2つのケトース分子を消費して、少なくとも1つの再生可能な物質の分子を産生する段階、及び生物有機体によって有機酸分子及び1つの還元型補因子分子を消費して、少なくとも1つのアルデヒド分子及び少なくとも1つの酸化型補因子分子を産生する段階を含ませることができる。本方法には、同じ生物有機体及び/又は異なる生物有機体によって少なくともアルデヒド分子及び少なくとも1つの還元型補因子分子を消費して、少なくとも2つのケトース分子及び少なくとも1つの酸化型補因子分子から形成されるものと同じか及び/又は異なる再生可能な物質の分子を産生する段階を含ませることができる。
【0058】
第2の方法は、本明細書において記載する第1の方法、生成物、及び/又は装置の任意の段階、特徴、及び/又は特性を含んでいてよく、逆も成り立つ。
分子とは、広範には、物質及び/又は材料の全ての特性を保持する物質及び/又は材料の最も小さい粒子及び/又は部分を指す。分子は1以上の原子を含んでいてよい。
【0059】
アルドースとは、広範には、分子あたり1つのアルデヒド基を有する単糖類(単糖)を指す。アルドースはC(HO)の化学式を有していてよい。アルドース分子としてはキシロースなどを挙げることができる。
【0060】
ポリオールとは、広範には、時には糖アルコールと呼ぶことができる複数のヒドロキシル基を有するアルコールを指す。ポリオールとしては、キシリトール、ソルビトールなどを挙げることができる。
【0061】
ケトースとは、広範には、1つのケトン基を有する分子を指す。ケトースは時には還元糖と呼ぶことができる。ケトース分子としてはキシルロースなどを挙げることができる。
還元とは、広範には、原子、イオン、元素、分子、及び/又は化合物へ1以上の電子を付加すること、原子、イオン、元素、分子、及び/又は化合物をより高い酸化状態からより低い酸化状態へ変化させること、水素と結合させること、水素の作用にかけることなどを指す。
【0062】
有機とは、広範には、炭水化物、糖、ケトン、アルデヒド、アルコール、リグニン、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、他の炭素含有物質などのような炭素含有化合物を指す。
【0063】
酸とは、広範には、約7未満のpHを有する材料及び/又は物質、プロトン供与体、電子受容体などを指す。酸としては、有機酸、無機酸などを挙げることができる。
有機酸とは、広範には、1以上の炭素原子を含む酸材料及び/又は物質を指す。有機酸としては、ギ酸、酢酸、乳酸、酪酸、他のカルボン酸などを挙げることができる。
【0064】
酸化とは、広範には、電気陰性部分を増加させるか及び/又はより低い正原子価をより高い正原子価に変化させることによって原子、イオン、元素、分子、及び/又は化合物を変化させること、原子、イオン、元素、分子、及び/又は化合物から1以上の電子を除去することなどを指す。
【0065】
第2の方法の1つの態様によれば、有機酸分子としては酢酸及び/又は酪酸などを挙げることができ、アルデヒド分子としてはアセトアルデヒド、ブチルアルデヒドなどを挙げることができる。
【0066】
第2の方法の生物有機体としては、古細菌、バクテリア、真核生物などのような任意の好適な生命体及び/又はそれらの誘導体を挙げることができる。複数の生物有機体の組合せを用いる態様は本発明の範囲内である。
【0067】
一態様によれば、還元型補因子としてはNADHなどを挙げることができる。
第2の方法の生物有機体としては、任意の好適な有機体、例えばAspergillus nidulans、Bacillus subtilis、Candida curvata、Candida sorensis、Clostridium acetobutylicum、Clostridium beijerinckii、Crypthecodinium cohnii、Cryptococcus terricolus、Entomorphtoria coronata、Escherichia coli、Geobacter thermoglucosidasius、Hansenula polymorpha、Klebsiella oxytoca、Kluyveromyces marxianus、Lipomyces lipfer、Moorella thermoaceticum、Mortierella alpine、Pichia stipitis、Rhodosporidium toruloides、Rhodotorula glutinis、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces carlsbergensis、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces pastorianus、Schyzochytrium spp.、Trichoderma Reesei、Trichosporon cutaneum、Yarrowia lipolytica、Zymomonas mobilisなどを挙げることができる。
【0068】
第2の方法の1つの態様によれば、生物有機体は、1以上のキシロースレダクターゼ、1以上のキシリトールデヒドロゲナーゼ、及び/又は1以上のアルコールデヒドロゲナーゼの遺伝子を含んでいてよい。
【0069】
第2の方法の1つの態様によれば、生物有機体は、1以上のキシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、及び/又は1以上のアルデヒドデヒドロゲナーゼの遺伝子を含んでいてよい。
【0070】
第2の方法の1つの態様によれば、生物有機体は、1以上のキシロースレダクターゼ、1以上のキシリトールデヒドロゲナーゼ、及び/又は1以上のアルデヒドレダクターゼの遺伝子を含んでいてよい。
【0071】
第2の方法の1つの態様によれば、生物有機体は、1以上のキシロースレダクターゼ、1以上のキシリトールデヒドロゲナーゼ、1以上の補酵素Aトランスフェラーゼ、1以上のアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、及び/又は1以上のアルコールデヒドロゲナーゼの遺伝子を含んでいてよい。
【0072】
第2の方法の再生可能な物質としては、バイオ燃料、化学物質などのような任意の好適な物質を挙げることができる。バイオ燃料としては、エタノール、ブタノール、遊離脂肪酸、トリアシルグリセリド、アルキルエステル、イソプレノイド、乳酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸などを挙げることができる。
【0073】
第2の方法の1つの態様によれば、酸化還元電位補因子NADHの正味の消費及び産生は約0に等しい。
一態様によれば、本発明は、本明細書に記載の任意の第2の方法によって製造される再生可能な物質を包含することができる。
【0074】
一態様によれば、本発明は再生可能な物質を製造するための装置を包含することができる。この装置には、リグノセルロース流を受容するように適合されている発酵容器、及び発酵容器内に配置されている生物有機体を含ませることができる。生物有機体は、遺伝子組換えして、キシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、補酵素Aトランスフェラーゼ、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、及び/又はアルコールデヒドロゲナーゼの遺伝子を含ませることができる。
【0075】
装置とは、広範には、1以上の特定の用途、目的、結果などのためにデザインされた材料、器具、及び又は装置の組を指す。
容器とは、広範には、液体、気体、発酵ブロスなどのような物質の容器及び/又は入れ物を指す。容器は、例えば少なくとも約1L、少なくとも約1,000L、少なくとも約100,000L、少なくとも約1,000,000Lなどのような任意の好適な寸法及び/又は形状を有していてよい。容器には、ポンプ、撹拌装置、熱交換器、コイル、加圧システム(真空)、制御システムなどのような任意の好適な補助装置を含ませることができる。
【0076】
流れとは、広範には、定常的な継続状態のような物質及び/又は材料の流れ及び又は供給流を指す。流れは、連続的、不連続、断続的、バッチ、半バッチ、半連続などであってよい。
【0077】
配置とは、広範には、設置すること、配置すること、準備することなどを指す。
適合とは、広範には、特定の用途、目的などに適するようにすることを指す。
ここで用いる「有する」、「有する」、「含む」、「有する」、「含む」、及び「包含する」という用語は、開かれた包含的な表現である。また、「から構成される」という用語は、閉じられた排他的な表現である。特許請求の範囲又は明細書における任意の用語の解釈においては不明確さが存在するが、明細書作成者の意図は開かれた包含的な表現である。
【0078】
ここで用いる「など」という用語は、リスト中の任意及び全ての個々の事項及び/又は構成要素並びにこれらの組合せに関するサポート、並びに個々の事項及び/又は構成要素並びにこれらの組合せの均等物に関するサポートを与える。
【0079】
方法又はプロセス中の段階に関する順番、数、順序、及び/又は繰り返しの限界に関しては、他に明確に与えられていない限りにおいて、明細書作成者は、本発明の範囲に対して、段階に関する順番、数、順序、及び/又は繰り返しの限界が含まれることは意図しない。
【0080】
範囲に関し、範囲は、例えば上界及び/又は下界を伴わない範囲を含む上限値及び下限値の間に含まれる全ての可能な範囲に関するサポートを与えるように、上限値と下限値の間の全ての点を包含するように解釈すべきである。
【0081】
本発明の範囲又は精神から逸脱することなく開示されている構造及び方法において種々の修正及び変更を行うことができることは当業者に明らかであろう。特に、任意の1つの態様の記載は、他の態様の記載と自由に組み合わせて、2以上の構成要素及び/又は限定の組合せ及び/又は変化を与えことができる。本発明の他の態様は、ここに開示する発明の詳細及び実施を考察することによって当業者に明らかとなるであろう。明細書及び実施例は例示のみのものと考えられ、発明の真の範囲及び精神は特許請求の範囲によって示されると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物有機体によって発酵抑制化合物を消費し;そして
生物有機体によって発酵抑制化合物の少なくとも一部から再生可能な物質を産生する;
ことを含む再生可能な物質の製造方法。
【請求項2】
酸化還元電位補因子の正味の消費及び産生が約0に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
発酵抑制化合物が有機酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
発酵抑制化合物が、ギ酸、酢酸、酪酸、乳酸、ピルビン酸、プロピオン酸、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、フェニルメチルエーテル、又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
生物有機体が古細菌、バクテリア、真核生物、又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
生物有機体が、Aspergillus nidulans、Bacillus subtilis、Candida curvata、Candida sorensis、Clostridium acetobutylicum、Clostridium beijerinckii、Crypthecodinium cohnii、Cryptococcus terricolus、Entomorphtoria coronata、Escherichia coli、Geobacter thermoglucosidasius、Hansenula polymorpha、Klebsiella oxytoca、Kluyveromyces marxianus、Lipomyces lipfer、Moorella thermoaceticum、Mortierella alpine、Pichia stipitis、Rhodosporidium toruloides、Rhodotorula glutinis、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces carlsbergensis、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces pastorianus、Schyzochytrium spp.、Trichoderma Reesei、Trichosporon cutaneum、Yarrowia lipolytica、Zymomonas mobilis、又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
生物有機体を、発酵抑制化合物を補酵素A及び2単位の還元型補因子を有するアルデヒド経路を経由してアルコールに転化させるように遺伝子組換えする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
還元型補因子がNADHである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
生物有機体が1以上のアルコールデヒドロゲナーゼ単位を用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
生物有機体が1以上のアルデヒドデヒドロゲナーゼ単位を用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
生物有機体が1以上のアルデヒドレダクターゼ単位を用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
生物有機体が、補酵素Aトランスフェラーゼ、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、及びアルコールデヒドロゲナーゼを用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
再生可能な物質がバイオ燃料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
再生可能な物質が、エタノール、ブタノール、遊離脂肪酸、トリアシルグリセリド、アルキルエステル、イソプレノイド、乳酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸、又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
消費段階及び産生段階を糖発酵から独立して行う、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
消費段階及び産生段階を糖発酵と同時に行う、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
発酵抑制化合物がリグノセルロース物質の加水分解から得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法によって製造される再生可能な物質。
【請求項19】
生物有機体によって2つのアルドース分子を消費して2つのポリオール分子を産生し;
生物有機体によって2つのポリオール分子を消費して、2つのケトース分子及び2つの還元型補因子分子を産生し;
生物有機体によって2つのケトース分子を消費して再生可能な物質の分子を産生し;
生物有機体によって有機酸分子及び1つの還元型補因子分子を消費して、アルデヒド分子及び酸化型補因子分子を産生し;そして
生物有機体によってアルデヒド分子及び1つの還元型補因子分子を消費して、2つのケトース分子及び酸化型補因子分子から形成されるものと同一か又は異なる再生可能な物質の分子を産生する;
ことを含む再生可能な物質の製造方法。
【請求項20】
アルドース分子がキシロースを含み;
ポリオール分子がキシリトールを含み;そして
ケトース分子がキシルロースを含む;
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
有機酸分子が酢酸塩又は酪酸塩を含み;そして
アルデヒド分子がアセトアルデヒド又はブチルアルデヒドを含む;
請求項19に記載の方法。
【請求項22】
生物有機体が、古細菌、バクテリア、真核生物、又はこれらの組合せを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
還元型補因子がNADHである、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
生物有機体が、Aspergillus nidulans、Bacillus subtilis、Candida curvata、Candida sorensis、Clostridium acetobutylicum、Clostridium beijerinckii、Crypthecodinium cohnii、Cryptococcus terricolus、Entomorphtoria coronata、Escherichia coli、Geobacter thermoglucosidasius、Hansenula polymorpha、Klebsiella oxytoca、Kluyveromyces marxianus、Lipomyces lipfer、Moorella thermoaceticum、Mortierella alpine、Pichia stipitis、Rhodosporidium toruloides、Rhodotorula glutinis、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces carlsbergensis、 Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces pastorianus、Schyzochytrium spp.、 Trichoderma Reesei、Trichosporon cutaneum、Yarrowia lipolytica、Zymomonas mobilis、又はこれらの組合せを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
生物有機体が、キシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、及び1種類以上のアルコールデヒドロゲナーゼの遺伝子を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
生物有機体が、キシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、及び1種類以上のアルデヒドデヒドロゲナーゼの遺伝子を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
生物有機体が、キシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、及び1種類以上のアルデヒドレダクターゼの遺伝子を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
生物有機体が、キシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、補酵素Aトランスフェラーゼ、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、及びアルコールデヒドロゲナーゼの遺伝子を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
再生可能な物質がバイオ燃料を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
再生可能な物質の分子が、エタノール、ブタノール、遊離脂肪酸、トリアシルグリセリド、アルキルエステル、イソプレノイド、乳酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸、又はこれらの組合せを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
酸化還元電位補因子NADHの正味の消費及び産生が約0に等しい、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
請求項19に記載の方法によって製造される再生可能な物質。
【請求項33】
リグノセルロース流を受容するように適合されている発酵容器;及び
発酵容器内に配置されている、キシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、補酵素Aトランスフェラーゼ、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、及びアルコールデヒドロゲナーゼの遺伝子を含む生物有機体;
を含む、再生可能な物質を製造するための装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−512670(P2013−512670A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542084(P2012−542084)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/057637
【国際公開番号】WO2011/068708
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(503259381)ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド (84)
【Fターム(参考)】