説明

投与デバイス

【課題】個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスを提供する。
【解決手段】個別の粉末用量を1対のキャリア12のそれぞれのポケットから投与するためのデバイスが、各ディスク形のキャリア12が、それぞれのポケットが中に形成され、それぞれの第1の蓋シートが空洞部を密閉するために第1の側面を密封する、空洞部の環状アレイを有する少なくとも1つのほぼ平面の第1の側面を含み、支持体がほぼ共通軸周りで回転可能にキャリア12を支持する、2つのディスク形のキャリア12のための支持体と、キャリアから粉末を運搬する気流を吸入するためのマウスピースと、支持されたキャリア12のそれぞれのポケットの粉末を気流中に放出するため投与機と、異なるポケットから粉末を放出することが可能になるように、投与機構に対してキャリアを回転させるためのインデックス機構とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は投与デバイスに関し、特に個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するための投与デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入用の粉末形態の薬物の用量を投与するための多種多様なデバイスが知られている。粉末薬物を保存し、必要に応じて個別の用量を計量するデバイスが知られている。また、それぞれの粉末用量を含有する複数のポケットを有するキャリアを備えたデバイスも知られている。これらのキャリアは一般にブリスターパックの形態である。これらのデバイスはすべて、信頼度が高く繰返し可能であり、かつ正確な吸入量の粉末を提供する、という問題に面している。
【0003】
粉末の投与用量のすべてを確実に吸入気流中に取り込むことに関して問題が存在する。さらに、本来吸入のために提供された粉末のうちの一部がデバイス内の表面に付着することがある。このことによって吸入される用量が減少する。しかし、より重要なことは、多数回の使用後に以前から付着していた粉末が脱落することがあり、それによって、望まない、かつ望ましくない吸入用量の増加が生じることである。他にも、所望通りの粉末を繰返し、かつ一貫して吸入気流中に放出することに関する問題もある。
【0004】
これらの問題を減らそうと試みると、従来のデバイスでは、サイズの大型化、複雑性、および/またはコストの問題が生じる。
米国特許第4,811,731号には、ブリスターの環状アレイを有するブリスターパックのための支持体を含む吸入器が記載されている。支持体は、マウスピースへの流路を画成する直立壁を有するトレーに面している。使用時には、支持体およびブリスターパックが、各ブリスターからの粉末がトレーおよび直立壁によって画成された流路を通って投与されるように、連続的にインデックスされる。すべてのブリスターに同一のトレーおよび直立壁が使用されるので、粉末がトレーおよび直立壁に付着し、その後脱落する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、これらの問題を克服する、あるいは少なくとも低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスが提供され、デバイスはそれぞれの粉末用量を含有する複数のポケットおよび粉末用量を搬送する気流を吸入するためのマウスピースを有するキャリアのための支持体を含み、デバイスは支持されたキャリアの各ポケットの下流にある個別のそれぞれの第1の流路を画成する直立壁をさらに含み、個別のそれぞれの第1の流路が個別のそれぞれの第1の流路に固有の各壁によって全体が画成されており、対応する各ポケットをマウスピースに連結するためのものであり、かつ気流中で粉末を分散させるためのものである。
【0007】
このように、各粉末ポケットは、第1の流路の壁に付着した粉末がデバイスによるその後の投与吸入に影響を与えないように、独自の第1の流路を備えている。第1の流路の壁に付着した粉末がその後の用量に影響を与えないように、それぞれの第1の流路間には共通の壁はない。特に、以前付着した粉末が以前投与されたポケットの第1の流路内に脱落しても、この粉末が吸入気流の一部とはならず、したがって使用者に吸入されることがないように、その後の吸入は、投与されるそれぞれのポケットの第1の流路を通して気流を吸引する。
【0008】
本発明によれば、個別の粉末用量をキャリアの各ポケットから投与するためのデバイスも提供され、デバイスはそれぞれの粉末用量を含有する複数のポケットを有するキャリアのための支持体、粉末用量を搬送する気流を吸入するためのマウスピースを含み、デバイスはさらに、対応するそれぞれのポケットをマウスピースに連結し、かつ粉末を気流中に分散するための、支持されたキャリアの各ポケットの下流にある個別のそれぞれの第1の流路を画成する壁、各ポケットをそれぞれの保存位置からそれぞれの排出位置へ個別に移動させるための配置を含み、各ポケットがそれぞれの排出位置で、個別のそれぞれの第1の流路の一体部分を形成する。
【0009】
好ましくは、デバイスは、蓋シートを備えたポケットを有するキャリアとともに使用するためのものであり、デバイスはポケットがそれぞれの保存位置からそれぞれの排出位置に移動した結果として、蓋シートを破断させる。
【0010】
好ましくは、デバイスは、マウスピースと連結しポケットをバイパスする第2の流路を画成する壁をさらに含む。
これにより、デバイスを通る流量が増加し、流れに対する抵抗が減少し、使用者はデバイスを通してより容易に吸入することができるようになる。このことが最も重要であるのは、ポケットのサイズが、薬物を肺内部へ搬送するのに必要な流量に達するのに十分でない場合である。さらに、ほぼ一度にというよりは、短時間だが持続的な時間にわたって、気流内に粉末を取り込むことも可能になる。粉末は、吸入器の中間部で取り込むことができるので、使用者への粉末の搬送が改善される。デバイスは、好ましくはこのような機能を28.3l/分から60l/分までの流速で行い、好ましくは60l/分時に4kPa以下の圧力降下を生じるものとする。
【0011】
好ましくは、支持されたキャリアのポケットのうち1つから粉末用量を投与する形状のデバイスでは、それぞれの流路が、バイパスの下流にある第2の流路と連結し、ほぼどの粉末も第2の流路を画成する壁に衝突しないような角度になっている。いくらかの衝突が起こることもあるが、その後好ましくは、沈着がほとんど起こらない。第2の流路を画成する壁に沈着する粉末もあるが、その後好ましくは、デバイスおよび第2の流路を繰り返し使用すると、用量の25%以下または好ましくは15%以下が第2の流路を画成する壁に沈着したままとなる。第2の流路を通る気流もまた、第2の流路を画成する壁に沈着した粉末を、除去しまたは一掃するように作用することは明らかであろう。
【0012】
言い換えると、第2の流路の一部をキャリアのすべてのポケットに対して連続的に使用することが可能である。しかし、それぞれの第1の流路によって必要な分散が行われるので、第2の流路は、最小量の気流をもたらし、ほぼどの粉末も壁に付着しないように配置することができる。第1の流路が第2の流路と出会う角度を適切にすることによって、それぞれの第1の流路から第2の流路に合流するとき、粉末が第2の流路の壁にほぼ衝突しないようにすることができる。
【0013】
好ましくは、それぞれの第1の流路が第2の流路に連結するとき、角度は45度未満、より好ましくは30度未満である。
このことにより、ほぼどの粉末も第2の流路を画成する壁に付着しないことが確実になる。
【0014】
好ましくは、キャリアの支持体および第1の流路を画成する壁は、それぞれの第1の流路を第2の流路と選択的に連結し、したがって粉末用量を支持されたキャリアの各ポケットから選択的に投与するように、支持されたキャリアとともに可動である。
【0015】
このように、デバイスはコストおよび複雑性を最小限に抑えるように、単一のマウスピースおよび投与機構を備えることができ、さらにキャリアの各ポケットが独自のそれぞれの第1の流路を備え、そこで粉末が分散され付着を生じない。
【0016】
好ましい実施形態では、キャリアはポケットの円周アレイを備えたディスク形である。この実施形態では、ポケットおよびそれぞれの第1の流路は、マウスピースを通して吸入用の粉末用量が連続的に投与されるように、第2の流路およびマウスピースに対して回転することによってインデックスされる。
【0017】
好ましくは、第1の流路を画成する壁は、ポケットの上流で、それぞれのポケットのほうに向けられ、それぞれのポケット内へ比較的高速の気流を向かわせるように置かれた、それぞれの比較的小さい断面積部分を含む。
【0018】
実際、本発明によると、粉末用量をキャリアのポケットから投与するためのデバイスも提供され、デバイスは粉末用量および粉末用量を運搬する気流を吸入するためのマウスピースを含むポケットを有するキャリアのための支持体を含み、デバイスはマウスピースと連結する第1および第2の流路を画成する壁を含み、第1の流路が支持されたキャリアのポケットをマウスピースに連結し、第2の流路がポケットをバイパスし、第1の流路を画成する壁が、ポケットの上流で、それぞれのポケットのほうに向けられ、それぞれのポケット内へ比較的高速の気流を向かわせるように置かれた、それぞれの比較的小さい断面積部分を含む。
【0019】
このように、高速の気流が、単に粉末をポケットから洗い流すことを試みるのではなく段階的に気流中に取り込むように、ポケット内の粉末を浸食することができる。この結果、粉末は持続的な時間にわたって気流中に取り込まれる。時間は、好ましくは0.01秒から1.0秒までの間、より好ましくは0.2秒から0.5秒までの間である。これにより吸入特性が改善される。
【0020】
さらに、第1の流路と結合している第2の流路のおかげで、気流への抵抗を減少させることができ、気流の体積を増加させることができる。比較的小さい断面積部分によって、粉末を浸食するのに適切な、小さい高速の気流を生じさせることができる。これらを第2の流路と結合させることによって、使用者はそれぞれの小さい断面積部分による制限にもかかわらず、デバイスを通して比較的簡単に吸入することができる
容易に理解できるように、単一のポケット、したがって単一の第1の流路を有するキャリアとともに使用するとき、この配置は同様の利点を有する。
【0021】
好ましくは、各部分は第2の流路の最小部分の断面積の50%から66%までの断面積を有する。実際、好ましくは、各流路の非縮小部分の断面積は、圧力降下の大きな原因を生じることなく粉末を取り込み続けるのに必要な高速気流を維持するために、各流路の110%から150%までの最小値である。
【0022】
これにより、吸入に対する全体抵抗を不適当に増加させることなく、十分高速な気流の全体体積を実現しながら、適切な高速気流がポケット内に向かうことが可能になる。
好ましい実施形態では、デバイスの他方の側面に別の第2の流路および対応するキャリアがある。使用時には、患者は、使用する第1の流路から粉末を吸引しながら、両方の第2の流路を通して吸入する。第2の流路はそれぞれ、平均的な使用の総吸入量の約40%を運搬する予定である。
【0023】
実際の要件は粉末の性質および対象となる使用者によって異なる。粉末を吸入しやすくするためには、ポケットの入口を形成する部分を小さくすることができ、子供、またはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者のためには、総圧力降下を低くするものとする。この場合、入口部分は2mmの断面積、バイパスの第2の流路は8mmの最小断面積を備えることができ、その比率は25%となる。一方、健康な成人のための粘性のある粉末には、入口部分は4mmの断面積、ならびにバイパスの第2の流路は6mmの最小断面積を備えることができ、その比率は66%となる。もちろん中間値も可能であり、好ましい配置では、3mmの断面積の入口部分、および6mmの最小断面積の第2の流路を有することができ、その比率は50%となる。
【0024】
添付の図面の図21(a)を参照すると、断面積A、AおよびAは、バイパス流路の最小断面積Bの120%から200%までの間とすることが重要であることが分かるであろう。同様に断面積C、CおよびCは、ポケットを通る流路の最小断面積部分Dの120%から200%までの間とすることが重要である。結合した流路の断面積Eは、ポケット内の気流速度が減少しないように、AとCの合計よりも大きいものとする。
【0025】
この配置では、A、CおよびEにおける圧力はすべて同一とし、患者の口における圧力と等しく、またはそれより小さくすることができる。次いで、吸入による全体的な圧力降下がBおよびDの両方で起こる。粘着性のある調剤には、ポケット部分に最大空気速度を通過させることが好都合である。これは、吸入中にCにおける圧力を最小限にすることによって実現することができる。マウスピースが、一般には10度未満である小さい発散角を使用することによって空気を層流とともに拡散させる形状である場合、Cにおける圧力を口における圧力より小さくし、したがってポケット部分を通る空気速度を上昇させることが可能である。
【0026】
Dに対するBの比率は、バイパスおよびポケットの気流の速度の比率を設定する。
面積BとDの合計は全体的な流れ抵抗を設定し、好ましくは、60l/分時に3kPaから4kPaである。
【0027】
約20mgの個別の粉末用量を約30mmの容積のポケットに保存する、好ましい実施形態では、各部分の断面積は好ましくは2.0mmから10.0mm、より好ましくは2.0mmから5.0mmである。
【0028】
正常な吸入速度および吸入量のためには、縮小した断面は、ポケット内への適切な高速気流をもたらす面積の50%から90%までにするよう選択される。
添付の図面の図21(b)は、特定の実施形態のための好ましい断面を示す。特に、バイパス流路の最小断面積Bは約5.0mmであり、ポケット流路の最小断面積Dは約3.8mmであり、結合流路断面積Eは約12.0mmである。
【0029】
本発明によれば、個別の粉末用量を1対のキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスが提供され、デバイスは2つのディスク形のキャリアを含み、各ディスク形のキャリアが、空洞部の環状アレイを有する少なくとも1つのほぼ平面の第1の側面を含み、空洞部内にはそれぞれのポケットが形成され、それぞれの第1の蓋シートが空洞部を密閉するために第1の側面を密封しており、支持体がほぼ共通軸周りで回転可能にキャリアを支持するためのものであり、気流を吸入するためのマウスピースがキャリアから粉末を運搬するためのものであり、投与機構が支持されたキャリアのそれぞれのポケットの粉末を気流中に放出するためのものであり、インデックス機構が、異なるポケットから粉末を放出することが可能になるように、投与機構に対してキャリアを回転させるためのものである。
【0030】
この配置によれば、複数のポケットの粉末を保持および投与する、非常にコンパクトで効率的な方法が可能になる。両方のキャリアに単一の投与機構を備えることができ、キャリアは、各ポケットを投与機構およびマウスピースに粉末を運搬する気流と選択的に位置合わせするように、簡単に動かすことができる。
【0031】
配置は上述の特徴と併せて使用することができ、この点において特に効果的である。
好ましくは、キャリアの一方から粉末が連続的に投与される間、インデックス機構は両方のキャリアを投与機構に対して回転させるように操作可能である。
【0032】
言い換えると、粉末が第1のディスクから投与される場合、さらに多くの粉末が第1のディスクから投与される前に、粉末は第2のディスクからも投与される。したがって、同様に好ましくは、キャリアの他方から粉末が連続的に投与される間、インデックス機構は両方のキャリアを投与機構に対して回転させるように操作可能である。
【0033】
好ましくは、投与機構は、両方のそれぞれの粉末を同時に一度に吸入するために、各キャリアのポケットから粉末を放出するように操作可能である。
言い換えると、粉末は第1のディスクのポケットから投与され、また粉末は第2のディスクのポケットからも投与される。次いで、使用者は両方のディスクから同時に投与される粉末を吸入することができる。これにより、吸入段階の直前まで、または実際の吸入段階まで、薬物を互いに接触させずに2つの異なる薬物を同時に投与することが可能になる。
【0034】
好ましくは、機構は各ディスクのポケットから薬物を同時に投与するように操作可能である。
したがって、ディスクを使用可能な各ディスクの未開封のポケットとともに適切な位置に回転させた後、機構は1操作で両方のポケットを同時に開封する。
【0035】
あるいは、投与機構は、吸入のためのキャリアの一方のポケットから粉末を放出し、次いで吸入のためのキャリアの他方のポケットから粉末を放出するように操作可能とすることもできる。
【0036】
このように、使用者は2つの異なる薬剤を1つずつ続けて投与することもでき、または吸入デバイスを異なる薬物を所定の時間をおいて交互に投与する治療の一環として使用することもできる。例として、例えば喘息や慢性閉塞性肺疾患の治療のために、一方のディスクからステロイド化合物を投与し、他方のディスクから長時間作用性ベータ作動薬を投与することができる。長時間作用性ベータ作動薬の例にはホルモテロール、サルメテロールがあり、ステロイドの例にはプロピオン酸フルチカゾン、ブデゾニド、およびフランカルボン酸モメタゾンがある。
【0037】
実際、吸入デバイスはより複雑な薬剤のコースを投与することができるように、3つ以上のディスクを含むことができる。実際、機構は、他方のディスクから用量を投与する前に、一方のディスクから所定の数の用量を投与するように配置することができる。
【0038】
ある実施形態では、機構はキャリアの一方のポケットから粉末を放出し、連続的にキャリアの他方のポケットから粉末を放出するよう操作可能にすることができる。
このようなシステムは、2つのポケットの粉末を同時に、または連続的に吸入するときに使用することができる。
【0039】
デバイスは、それぞれ異なる薬物の粉末を含む2つのディスク形のキャリアを備えることができる。
このことにより、上述のように、異なる薬物を同一のデバイスから投与することが可能になる。
【0040】
好ましくは、連続する粉末投与の間に、キャリアの他方が回転する前に、キャリアの一方を順番に連続する投与位置の間に回転するようにインデックス機構が操作可能である。
言い換えると、インデックス機構はキャリアの他方をそのままにしながら、キャリアの一方を連続するポケットの間に移動するように配置される。
【0041】
投与機構およびインデックス機構は、キャリアの他方のポケットから粉末を投与する前に、キャリアの一方のすべてのポケットから粉末を投与するように、互いに操作可能とすることができる。
【0042】
このことにより、インデックス機構の使用者は、常に一方またはキャリアの他方を次の位置に移動することが可能になる。
本発明によると、個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスも提供され、デバイスは、互いに反対側の第1および第2の側面、それぞれのポケットが中に形成され、第1の蓋シートが第1の側面を密封する空洞部のアレイを有する第1のキャリアのための第1の支持体を含み、第1のプロジャー部材が、支持された第1のキャリアの第2の側面に向かっておよびそこから離れるように、収縮位置と展開位置の間で可動であり、カム部材が、支持されたキャリアの第2の側面に隣接し一般にそれと平行に休止位置とプライム位置の間で可動であり、カム部材が、第1のプロジャー部材に係合するための第1のカム面を含み、カム部材が休止位置からプライム位置に移動することによって、支持された第1のキャリアの第2の側面を押圧し支持された第1のキャリアの第1の蓋シートを外向きに破断させるよう、プロジャー部材が収縮位置から展開位置まで動くようになっている。
【0043】
このように、キャリアの個別のポケットを開くためのコンパクトで効果的な機構が提供される。カム部材は比較的大量の動作を備えることができるが、これは一般にキャリアの面に平行であるので、余剰の空間を占める必要がない。同時に、この大量動作をプロジャー部材に必要な少量動作に変換すると、使用者は大きな機械的倍率が得られ、ポケットからの粉末の投与が比較的簡単で十分に管理されるようになる。
【0044】
好ましくは、デバイスはさらに、互いに反対側の第1および第2の側面、それぞれのポケットが中に形成され、第1の蓋シートが第1の側面を密封する空洞部のアレイを有する第2のキャリアのための第2の支持体を含み、第1および第2のキャリアが互いに向き合うそれぞれの第2の側面によって支持され、第2のプロジャー部材が支持された第2のキャリアの第2の側面に向かっておよびそこから離れるように、収縮位置と展開位置の間で可動であり、カム部材が、第2のプロジャー部材に係合するための第2のカム面を含み、カム部材が休止位置からプライム位置に移動することによって、支持された第2のキャリアの第2の側面を押圧し支持された第2のキャリアの第1の蓋シートを外向きに破断させるよう、プロジャー部材が収縮位置から展開位置まで動くようになっている。
【0045】
このように、同様の利点が第2のキャリアにも得られる。さらにこれらの利点は、2つのキャリアの両方から投与するための単一のカム部材のみを使用して達成される。したがって、デバイスはその空間の使用において非常に効率的である。
【0046】
デバイスは、この利点を得るために上述のように配置することができる。したがって、好ましくは、デバイスはこの利点を得るために、キャリアのポケットをそれぞれのプロジャー部材と選択的に整列させるように、第1および第2の支持体を第1および第2のプロジャー部材に対して移動させるためのインデックス機構をさらに含む。
【0047】
このように、キャリアは投与機構およびマウスピースに対して効率的に動き、位置する。
好ましくは、インデックス機構は、第1および第2のプロジャー部材の一方がそれぞれのポケットに整列し、第1および第2のプロジャー部材の他方がそれぞれのポケットの間に整列し、それによりカム部材が休止位置からプライム位置に移動することによって、第1および第2のプロジャー部材の一方のみが、対応する第1および第2のキャリアの一方の第1の蓋シートを外向きに破断するように、配置される。
【0048】
このように、カム部材は使用の度に同一方向に動くが、インデックス機構によって、1つのキャリアのポケットがカム部材の特定の使用のために投与されるように、キャリアが配置される。しかし、このカム部材は依然としてどちらのキャリアのポケットを開くこともできる。これもまた、機構の使用およびデバイス内の空間の使用において非常に効率的である。
【0049】
好ましくは、カム部材は支持された第1および第2のキャリアの第2の側面に向かうおよびそこから離れる方向に可動であり、第1および第2のプロジャー部材の他方がそれぞれのポケットの間に整列するとき、カム部材が休止位置からプライム位置に移動することによって、およびその結果第1および第2のプロジャー部材の他方が対応するカム面に係合することによって、第1および第2のプロジャー部材の他方は対応する第2の側面に当接し、カム部材は対応する第1および第2のキャリアの一方に向かって移動する。
【0050】
したがって、カム部材を使用する度に、各カム面が対応するカム部材を押圧する。しかし、1つのプロジャー部材がポケットの間で第2の側面に当接し、それ自体は動かないので、対応するカム部材は実際は、第2の側面から離れるように移動する。
【0051】
このように、事実上、両方のカム面によってプロジャー部材がポケットを開くように動かされており、各カム面は比較的小さな傾斜しか必要としないようになっている。
好ましくは、カム部材はインデックス機構の一部として可動なプライム部材上に設けられている。
【0052】
このように、使用者は2つの別個のアクチュエータを操作する必要がない。カム部材を動かすようにデバイスを一方向に作動させると、吸入用の粉末用量を投与するようにデバイスがプライムされ、カム部材を休止位置に戻すように動かすと、少なくとも1つのキャリアがインデックスされ、投与する粉末の別のポケットを準備する。
【0053】
好ましくは、インデックス機構は、第1および第2のキャリアがそれぞれのポケットをすべてインデックスした後、第1および第2のプロジャー部材が両方ともそれぞれのキャリアのポケットの間に整列し、カム部材の動きに抵抗をもたらすように配置される。
【0054】
これにより、キャリアのすべてのポケットが使用されデバイスが事実上空になった後、使用者に身体的フィードバックが送られる「ロックアウト」機能が可能になる。特に、カム部材がプロジャー部材を動かすことができないので、使用者はデバイスのプライムレバーを動かし難くなる。
【0055】
好ましくは、カム部材は、互いにそれぞれの反対側の第1および第2のカム面を有する細長い可撓性の部材を含む。
このように、カム部材またはその一部が左右に動く必要があるとき、細長い可撓性の部材が動くだけで十分である。
【0056】
好ましくは、第1のカム面および/または第2のカム面は、以前投与されたポケットからの浮遊粉末がその中に移動することができる少なくとも1つの溝を含む。
このように、浮遊粉末はカム面とプロジャー部材の間のインターフェイスに介入せず、操作の妨げになることがない。
【0057】
好ましくは、デバイスは、第1の側面と第2の側面の間にそれぞれの貫通孔によって形成された空洞部を有し、第2の蓋シートが第2の側面を密封し、各空洞部内で開口部が第1の蓋シートに面しているそれぞれのカップ形のインサートを有するキャリアとともに使用するためのものであり、第1のプロジャー部材および/または第2のプロジャー部材が、対応する第2のインサートを第1の蓋シートを通して外向きに押圧するように、整列した貫通孔を第2の蓋シートを通して貫通するように配置されている。
【0058】
これは特に粉末用量の効果的な投与方法であり、プロジャーを動かす機構は必要に応じてインサートを押圧する際に特に効果的である。
好ましくは、少なくとも1つのカム面が弾性的に変形可能であり、カム部材はプロジャー部材が展開位置より先まで動くようにする寸法であり、プロジャー部材がそれぞれの展開位置に達すると、カム部材がさらに動くことによって、カム面の少なくとも1つが弾性的に変形するようになっている。
【0059】
このように、デバイスはそれ自体が公差の変動を補償することができ、カム部材はプロジャー部材を、必要な正確な距離だけ動かさなくてもよい。
好ましくは、各支持体はギア歯の円周アレイを含み、インデックス機構は、支持体およびキャリアを選択的に動かすようにギア歯に係合可能である。
【0060】
これにより、キャリアの位置を動かし制御する有利な方法が提供される。
好ましくは、インデックス機構は中心軸周りで回転するために取り付けられたプライム部材、および支持体のプライム部材およびギア歯と相互作用するために中央軸からずらした軸上に回転可能に取り付けられたゼネバホイールを含み、プライム部材が第1の位置から第2の位置に回転することによって、少なくとも1つの支持体が所定の角度だけ回転し、プライム部材が第2の位置から第1の位置に戻るように回転することによって、少なくとも1つの支持体が回転しないようになっている。
【0061】
実際、本発明によれば、個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスも提供され、デバイスはシャシを含み、第1の支持体は中心軸周りで回転し、それぞれのポケットが中に形成され中心軸を中心にして円形アレイに配置された空洞部を有する第1のキャリアを支持するためにシャシに取り付けられ、第1の支持体が中心軸を中心にしたギア歯のアレイを含み、プライム部材が中心軸周りで回転するためにシャシに取り付けられ、間欠動作機構がプライム部材および第1の支持体のギア歯と相互作用するためにャシに取り付けられ、プライム部材が第1の位置から第2の位置に回転することによって、第1の支持体が所定の角度だけ回転し、プライム部材が第2の位置から第1の位置に戻るように回転することによって、第1の支持体が回転しないようになっている。
【0062】
これにより、使用者は、支持体およびキャリアを所定量だけ確実に動かしながら、プライム部材を比較的大きい不正確な動作によって動かすことが可能になる
好ましくは、間欠動作機構は中心軸からずれた軸上でシャシに回転可能に取り付けられたゼネバホイールである。
【0063】
デバイスは、中心軸周りで回転し、それぞれのポケットが中に形成され中心軸を中心にして円形アレイに配置された空洞部を有する、シャシに取り付けられた第2の支持体をさらに含むことができ、第2の支持体が中心軸を中心にしてギア歯のアレイを含み、ゼネバホイールが第2の支持体のギア歯と相互作用することができ、プライム部材が第1の位置から第2の位置に回転することによって、第2の支持体が所定の角度だけ回転し、プライム部材が第2の位置から第1の位置に戻るように回転することによって、第2の支持体が回転しないようになっている。
【0064】
このように、プライム部材を第1および第2の支持体およびそれらに関連するキャリアを回転させるために使用することができる。
好ましくは、第1および第2の支持体のギア歯のそれぞれのアレイを不完全な円形アレイとし、それぞれの空間は、空間がゼネバホイールの間にあるときはプライム部材の回転がそれぞれの支持体を回転させないようになっている。
【0065】
このように、プライム部材は1つまたは複数の支持体を選択的に回転することが可能である。
インデックス機構はディスク軸周りで枢動するレバーによって作動することができ、約30度から180度までの角度によって動き、好ましくはレバーが最小角度で動く場合はインデックス動作は一定のままである。
【0066】
機構は、好ましくは、プロジャー部材が確実に正確にポケットを見つけ出すのに十分な係方向の精度を見つけ出す。好ましくは、動作をインデックスするのに必要な力は1Nから20Nである。
【0067】
好ましくは、インデックス機構はキャリアを定位置に保持し、ポケットに入れて持ち運んだり硬い面の上に落としたりすることによって衝撃を受けたときに動かないようになっている。それはディスク上のポケットの数を正確にインデックスするように設計できる。
【0068】
インデックス機構は、好ましくは、選択されたディスクキャリアを固定角度によって遅延位置にインクリメントし、次に開くポケットの通気路がマウスピースに通じる通気路と整列されるようにする。
【0069】
レバーの小さな動きによって通気路の整列が妨げられるので、インデックスに使用されるプライムレバーはディスクの位置に剛性に連結されていないことが好ましい。したがって、ディスクの正しい動きは、レバーがその移動部分の中心を通ったときに起こり、開始および終了位置が正確な操作にとって重要ではないことが好ましい
このタイプの動作を行うために様々な機構を使用することができるが、好ましい方法は、インデックスのロストモーションを許容するゼネバ機構を使用することである。ギアとゼネバ機構の組合せによって、プライムレバーのすべての操作でキャリアディスクが所定の角度をインデックスすることが確実になる。例えば、31箇所の位置を有するキャリアディスクは11.61度のインデックス角度が必要である。
【0070】
好ましくは、デバイスは第1と第2の支持体の間に位置する切替部品をさらに含み、第1の支持体が切替部品と係合する第1のフィーチャを有し、第2の支持体が切替部品と係合する第2のフィーチャを有し、第2の支持体の空間がゼネバホイールに隣接する状態で、プライム部材が連続的に回転することによって、第1の支持体のみを第1のフィーチャが切替部品に係合するまで回転させ、次いで切替部品を第2のフィーチャに係合するように動かし、第2の支持体を第2の支持体の空間が第2の支持体に隣接しない位置まで回転し、次いで第1の支持体の空間がゼネバホイールに隣接し、プライム部材が連続的に回転することによって、第2の支持体のみ回転させる。
【0071】
このように、プライム部材を連続的に操作し、さらに、第1の支持体をインデックスし、次いで第2の支持体をインデックスする間に、自動的な切替えを実行することが可能である。
【0072】
好ましくは、プライム部材が第2の支持体を第2の支持体の空間がゼネバホイールに隣接する位置付近まで戻すように回転するとき、第2のフィーチャが切替部品と係合せず、プライム部材が連続的に回転することによってどちらの支持体も回転しないように、切替部品が配置される。
【0073】
このように、デバイスは自動的に以前使用したキャリアのポケットにインデックスしないようになっている。
上述したように、操作のこの時点で、第1および第2のプロジャー部材は、好ましくは両方ともキャリアのそれぞれのポケットの間に整列され、したがってカム部材の動作に抵抗を生じる。これにより「ロックアウト」機能がもたらされる。
【0074】
本発明によれば、個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスも提供され、デバイスは中心軸周りで回転可能であり、それぞれのポケットが中に形成され中心軸を中心にして第1および第2の円形アレイに配置された空洞部を有する、それぞれの第1および第2のキャリアを支持するための第1および第2の支持体を含み、第1と第2の支持体の間に位置する切替部品をさらに含み、第1の支持体が切替部品と係合する第1のフィーチャを有し、第2の支持体が切替部品と係合する第2のフィーチャを有し、インデックス機構が第1および第2の支持体をそれぞれ回転するように配置され、インデックス機構が、第1の支持体を第1のフィーチャが切替部品に係合するまで回転させ、次いで第1の支持体が切替部品を動かし、次いで切替部品が、インデックス機構が第2の支持体をそこから回転するように配置される位置まで、第2の支持体を回転するように、第2のフィーチャに係合するよう配置される。
【0075】
このように、単一のインデックス機構は第1および第2の支持体を、切替部品を使用して自動的に切替えが行われるよう順番に回転するように設けることができる。
好ましくは切替部品は、第2の支持体を、インデックス機構によって第2の支持体が回転されない位置から回転させ、第1の支持体が切替部品を動かすと、第1の支持体は、インデックス機構によって第1の支持体が回転されない位置まで移動する。
【0076】
第2の支持体が、インデックス機構によって第2の支持体が回転されない位置へと戻るように回転するとき、好ましくは、インデックス機構の連続的操作によってどちらの支持体も回転されない。
【0077】
このように、デバイスは自動的に以前使用したキャリアのポケットにインデックスしないようになっている。
切替機構によって、このインデックス機構は、最初に第1のキャリアディスクをインデックスし、次いで所定の位置で、両方のキャリアディスクを同時に1インクリメントだけインデックスし、その後インデックス機構が第2のキャリアディスクのみをインデックスすることが可能になっている。
【0078】
切替動作は第1のキャリアディスクの角度位置によってのみ開始され、使用者による他の入力は必要なく、わずかな差異が触覚フィードバックによって示される。
好ましくは、切替部品は第1および第2の部品の間で、それらによって自由支持される。
【0079】
好ましくは、デバイスは、第1の表示面にユニットカウントの表示を有する第1のカウンタリングを含み、第1のカウンタリングはカウンタ軸周りで回転可能であり、第2の表示面に10カウントの表示を有する第2のカウンタリングを含み、第2のカウンタリングはカウンタ軸周りで回転可能である用量カウンタ、および第2のカウンタリングを第1のカウンタリングから駆動し、第1のカウンタリングが2つの所定のユニットカウント間で回転するとき、第2のカウンタリングを連続する10カウント間で回転するためのゼネバ機構をさらに含む。
【0080】
このように、使用した用量または残存用量を使用者に示すことができる。
ユニットカウントおよび10カウントのそれぞれに2つのカウンタリングを設けることによって、例えば40、60、または80など、多数のカウントを可能にしながら比較的大きな数字の表示が可能になる。ゼネバ機構は、必要に応じて10カウンタリングをインクリメントできるようにする特に効果的な方法である。
【0081】
好ましくは、第1のカウンタリングが第1の支持体の回転によって駆動される。
したがって、投与されるユニット用量のカウントは、デバイスがインデックスするごとに自動的にインクリメント/デクリメントされる。第1のカウンタリングは外周にギア歯を含むことができ、インデックス機構から駆動するために中間ギアを設けることができる。上述のように、インデックス機構がゼネバホイールを含む場合、ゼネバホイールから直接中間ギアを駆動することができる。
【0082】
好ましくは、カウンタ軸は第1の支持体と同軸である。
したがって、第1および第2のカウンタリングは、キャリアおよびその支持体と同じ軸周りで回転することができる。これにより特にコンパクトな配置が可能になる。
【0083】
本発明によれば、個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスも提供され、デバイスはキャリアをそれぞれのポケットの間にインデックスするためのインデックス機構を含み、第1のカウンタリングが第1の表示面にユニットカウントの表示を含み、第1のカウンタリングがカウンタ軸周りで回転可能であり、第2のカウンタリングが第2の表示面に10カウントの表示を含み、第2のカウンタリングがカウンタ軸周りで回転可能であり、第2のカウンタリングを第1のカウンタリングから駆動し、第2のカウンタリングを連続する10カウントの間で回転するための間欠動作機構を含み、第1のカウンタリングが2つの所定の連続するユニットカウントの間で回転し、第1のカウンタリングがインデックス機構とともに駆動される。
【0084】
好ましくは、間欠動作機構がゼネバ機構である。
したがって、上述のように、これによって比較的大きな数を表示する多数のカウントが可能になる。
【0085】
好ましくは、第1および第2のカウンタリングは、一方が他方の内部に配置され、第1および第2の表示面が互いに隣接する。
したがって、表示面は一般に平面(かつカウンタ軸に対して垂直)とすることができる。
【0086】
好ましくは、第2のカウンタリングを第1のカウンタリング内に配置することができ、第1のカウンタリングがカウンタ軸からオフセットされた軸周りで回転可能なゼネバホイールに係合するためのピンを含むことができ、第2のカウンタリングがゼネバホイールによって係合可能な特徴を含むことができる。
【0087】
このように、第1のカウンタリングが完全に回転する間、その回転の所定位置で、ピンがゼネバホイールに係合することができ、それによりゼネバホイールを回転させ、1インクリメントすることによって第2のカウンタホイールを回転させることができる。この配置によって特にコンパクトな設計が可能になる。
【0088】
本発明によれば、個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスも提供され、デバイスはキャリアをそれぞれのポケットの間にインデックスするためのインデックス機構を含み、第1のカウンタリングが第1の表示面にユニットカウントの表示を含み、第1のカウンタリングがカウンタ軸周りで回転可能であり、第2のカウンタリングが第2の表示面に10カウントの表示を含み、第2のカウンタリングがカウンタ軸周りで回転可能であり、第1のカウンタリングが2つの所定の連続するユニットカウントの間で回転するとき、第2のカウンタリングを連続する10カウントの間で回転するための機構を含み、第1のカウンタリングがインデックス機構とともに駆動され、第1および第2のカウンタリングは一方が他方の内部に配置され、第1および第2の表示面が互いに隣接する。
【0089】
本発明によるデバイスは、キャリアを備えることでき、備えないこともできることを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0090】
本発明は、例示のためにのみ使用される添付の図面を参照して、以下の説明からより明確に理解されるであろう。
本発明の好ましい実施形態は、乾燥粉末形態の薬物の連続的な用量を使用者が吸入することのできる吸入デバイスである。好ましい実施形態を図1(a)から(c)に示す。
【0091】
デバイスは、マウスピースカバー4を回転可能に支持しているハウジング2を含む。
デバイスを使用するために、マウスピースカバー4を回転しハウジング2から離す。図1(b)に示すように、これによりマウスピース6が露出する。マウスピース6はハウジング2と一体型に形成してもよいが、後述するように、ハウジング2に取り付ける別個の部品として形成することもできる。このことにより、デバイスの要件に従って、マウスピース6とハウジング2の材料の特性、例えば色などを容易に変えることができる。
【0092】
図1(b)に示すように、プライムレバー8がマウスピース6に隣接する位置でハウジング2から延びている。プライムレバー8は、デバイス内の中心軸周りで回転するように取り付けられている(詳細は後述)。このように、プライムレバー8は使用者によって、ハウジング2の外縁周りを図1(c)に示す位置まで可動である。特に、図1(b)に示す第1の位置から図1(c)に示す第2の位置へのプライムレバー8の移動は、デバイスを準備して粉末用量を露出し、気流とともにマウスピース6から外へ運搬することができるように構成されている。
【0093】
プライムレバー8の第1の位置をマウスピース6に隣接させることは、使用者がプライムレバー8を図1(c)の第2の位置にマウスピース6から離すように移動させる前にマウスピース6からの吸入を試みることを防ぐので、非常に有利であることに留意されたい。言い換えると、使用者は、デバイスからの吸入を試みる前に、デバイスを準備するよう促される。ただし、使用者がマウスピース6に指を触れずにプライムレバー8を操作できるように、好ましくはマウスピース6とプライムレバー8の間に小さい空間が設けられることに留意されたい。
【0094】
デバイスの使用後、マウスピースカバー4を回転して図1(a)に示す収納位置に戻す。この点に関して、マウスピースカバー4の内面はプライムレバー8に係合するためのリターンアクチュエータを備えている。特に、マウスピースカバー4が図1(b)および(c)の開位置から図1(a)の閉位置まで移動するとき、リターンアクチュエータはプライムレバー8に係合し、それを図1(c)に示す第2の位置から図1(b)に示す第1の位置まで戻すよう移動させる。さらに以下に述べるように、好ましい実施形態では、プライムレバー8のこの移動により、未使用および未開封の粉末ポケットが投与機構と位置合わせされ、そのポケットの粉末がその後デバイスを準備することによって吸入のために投与されるように、インデックス機構が操作される。放出された粉末が吸入されない場合、粉末ポケットのプライムおよび放出の直後にプライムレバー8の戻り動作中にインデックス機構を操作することによって、デバイス内で安全に保持することのできる位置にインデックスされる。
【0095】
図1(a)から(c)に示すように、好ましい実施形態は、ハウジング2の片面にウインドウ10も含む。ウインドウ10は、使用者がデバイス内のカウンター表示を見られるように設けられる。カウンタ機構は投与された用量および/または未使用の用量の回数を使用者に示すように、デバイスを使用する度にカウンタ表示を示す。
【0096】
本発明の多くの態様が、多種多様の異なる用量キャリアを収容するデバイスに適用可能である。特に、後述する実施形態の特徴の多くは、従来のブリスターパック構造を有するキャリア、ポケットの様々なアレイを有するキャリア、およびいくつかの構成では単一のそれぞれのポケットを有するキャリアとともに使用することができる。ただし、本発明は図2(a)および(b)に示す形態のキャリアとともに使用すると特に有利である。
【0097】
図2(a)に示すように、各キャリア12は、ほぼ平面の第2の側面18と向かい合い、それに平行なほぼ平面の第1の側面16を有するディスク形の基部14から形成される。複数の貫通孔20が、粉末用量を収容するための空間を形成するように第1の側面16と第2の側面18の間に形成されている。基部14は必要な粉末の用量を収容するのに十分な空間を貫通孔20にもたらすように、相当の厚さを備えて形成される。貫通孔20は円周アレイとして配列され、好ましい実施形態では30個の貫通孔がアレイに設けられている。
【0098】
図2(b)に示すように、基部14の第1の側面16および第2の側面18は、それぞれ第1の蓋シート22および第2の蓋シート24で密封される。このように、キャリア12は、個別のそれぞれの粉末用量を収容する複数のポケットを設けている。
【0099】
図3(a)および(b)の断面図に示すように、ポケットは好ましくは各貫通孔20内にそれぞれのインサート26を含む。インサート26は一般にカップ形であり、開口端が第1の蓋シート22に向いている。それぞれが、それぞれの粉末28の用量を含む。
【0100】
インサート26の閉鎖端を第2の蓋シート24の側から押圧することによって、インサート26をキャリア12の基部14から外向きに第1の蓋シート22を通して押圧することができる。このことは図3(b)に示されているが、明確化のためにいずれの蓋シートも外して示されている。図に示すように、インサート26が基部14から突出していると、より簡便に(矢印で示すように)気流を生じ、粉末をポケットから取り除くことができる。
【0101】
好ましい実施形態では、吸入デバイスのハウジング2内部では、図4(a)に示すように2つのキャリア12が並んで同軸上に配置される。各キャリア12は図4(b)に示すように支持体30を備える。図示された実施形態では、各支持体30がそれぞれのキャリア12の外側を向いた面に隣接して配置される。特に、各キャリア12の第1の側面16は、それぞれの支持体30に面しており、それぞれのインサート26をそれぞれの支持体30に向かって外向きに押圧するよう、投与機構を2つのキャリア12の間に設けることができるようになっている。このための好ましい配置を、以下でさらに説明する。
【0102】
図に示すように、プライムレバー8が投与機構およびインデックス機構を操作するように、キャリア12の間を延び、キャリア12の共通軸周りで回転可能であるように配置される。
【0103】
好ましい実施形態では、各支持体30は2つの部品、すなわちアンビルプレート32および通気プレート34で構成される。これらを図5(a)および(b)に関連するキャリア12と併せて示す。
【0104】
各アンビルプレート32は、使用時には関連する第1の蓋シート22で覆われているキャリア12の第1の側面16に当接する平面36を含む。各アンビルプレート32はまた、関連するキャリア12の貫通孔20に対応する複数のガイド貫通孔38を含む。
【0105】
このように、図6に概略的に示すように、インサート26を貫通孔20から押し出しアンビルプレート32の対応するガイド貫通孔38内に入れることができる。したがって、インサート26は第1の蓋シート22を通って外向きに噴出するように使用されるが、定位置に確実に保持された状態にある。ここでは特に関与しないが、アンビルプレート32はまた、第1の蓋シート22を貫通孔20の周りで支持し、蓋シートの破断性質の予測性を向上させるために使用することができる。
【0106】
図7(a)の断面図に示すように、アンビルプレート32は関連する通気プレート34の内面に当接する第2の面40を含む。通気プレート34は、対応するアンビルプレート32のガイド貫通孔38にそれぞれ対応する1対の貫通孔を含む。特に、各対は入口孔42および出口孔44を含む。
【0107】
図7(a)に示すように、通気プレート34の内面に当接するアンビルプレート32の表面40に対して、陥凹溝46が、アンビルプレート32のガイド貫通孔38と連通するように、出口孔44の径方向内向きに延びている。したがって通気プレート34は、アンビルプレート32の各ガイド貫通孔38に、それと連通するように、対応する入口孔42および出口孔44を関連する陥凹溝46とともに形成している。特に、各入口孔42は関連するガイド貫通孔38の片面と連通し、一方、対応する出口孔44は関連するガイド貫通孔38の反対面と連通する。
【0108】
図7(b)に示すように、インサート26が基部14の貫通孔20から外向きに、アンビルプレート32のガイド貫通孔38内へと押圧されると、カップ形の開口部が(カップ形の一端で)入口孔42に、および(カップ形の反対端で)陥凹溝46に面するように配置される。図に示すように、気流を通気プレート34を通して引き込むことができ、インサート26に形成されたポケット内へと下降して入り、陥凹溝46内へと再び上昇し、次いで出口孔44から出るようにする。したがって、インサート26内の粉末は、気流によって取り込まれ、インサート26から取り出され、通気プレート34から運び出される。したがってポケット内外に通じる流路が形成され、次いでポケットをデバイスのマウスピース6に結合することができる。
【0109】
図8に示すように、ハウジング2は1対のケース半体2aおよび2bから形成することができる。図9(a)および(b)に示すように、ケース半体2aおよび2bの内壁50は通気プレート34と協働し、ポケットをバイパスするマウスピース6への第2の流路を形成する。あるいは、第2の流路を画成するための追加の部品を設けることができる。
【0110】
図9(b)に示すように、インサート26によって形成される各ポケットには、通気プレート34の対応する入口42がポケットの周縁部に隣接して配置される。対応する出口44がポケットの反対側に設けられ、入口42と出口44の間の気流がポケットと交差し、したがってポケットから粉末を拾い上げる。
【0111】
図示するように、入口42はポケットを形成するインサート26内に向かって下降する部分として形成される。
このように使用者がデバイスによって吸入し、それを通る気流を生成すると、入口42を通って引き込まれる気流は、インサート26内のあらゆる粉末を取り除くようにそれに向かい、それを出口44から外へと運搬するように気流内へと運ぶ。図示された実施形態では、ポケットの容積を出口44に連結する陥凹溝46が入口42に隣接して配置される。このように、入口42からの気流が陥凹溝46に向かって移動するように、インサート26(およびそこにあるあらゆる粉末)の基部からそらされる。陥凹溝46への気流内に運搬された粉末は、比較的急な方向に転換される。この結果、気流内の粉末は分散される傾向にある。さらに、粉末は陥凹溝46の表面に衝突する傾向にあり、このことも分散の一因となる。
【0112】
図9(b)から明らかなように、通気路の形状は、気流の方向を変えて粉末の大きな凝集物を壁に衝突させ、それにより粉末の大きな塊が分散されるように選択される。形状はまた、過剰な粉末が表面に付着しないように、通気路内のあらゆる表面上の気流が高速に維持されるように設計される。したがって角は丸く、管に沿った各部分の交差部は過剰な圧力降下を起こさずに空気速度を維持するように設計される。
【0113】
図9(a)に図示するように、この実施形態では、ポケットを通る気流はポケットの入口で寸法「a」によって画成される最小面積を有し、一方ポケットをバイパスする気流は気流が合流する直前の最小交差部を有し、寸法Aによって画成される。
【0114】
空気速度は交差部面積が最小のときに最高であるので、この配置はポケットから粉末を抽出する高速空気をもたらし、ポケット気流内に含有された粉末を合流させる高速のバイパス空気を使用して分散化を助け、壁を粉末の沈着から保護する。
【0115】
ポケットを通過する気流速度は使用者の吸入によって形成される吸引圧によって主に制御され、容積流量速度は気流速度および面積の両方の因数となる。
粉末が気流内に取り込まれることを確実にするように十分に高速の空気が生成される。ただし、速度が速すぎ、流量が多すぎる場合、ポケット内の粉末の塊全体が通気路を通り凝集した塊として押し出される可能性がある。このようなことが起きた場合、塊は、分解され分散が行われるように通気路内の壁に衝突するのに十分な速度に加速できないこともある。粉末は気流によって徐々にポケットから取り除かれることが好ましい。これを実行するためには、ポケット内の粉末表面と、通気プレート34内の入口42と陥凹溝46の間の仕切りから形成された通気路頂部の間に、小さい隙間46aが設けられる。これは、ポケットを通る流量を制限する寸法「a」と組み合わせると、押し出すよりも確実にポケットから粉末を浸食する。
【0116】
これを可能にするために、(円周方向に)幅が約2.0mm、(径方向に)長さが約7.3mmのポケットには、入口孔径「a」は0.5mmから2.0mmの間で選択される。選択される数値は粉末の特性によって決まる。
【0117】
このように、0.1秒から1.0秒の長さの時間に粉末をポケットから取り除くことができる。これは吸入サイクルの高速の流速内であり、粉末を十分に分散することができる。
【0118】
他の実施形態では、例えば粉末の下流など、ポケットを通る流路の入口孔以外の部分が流路の最小断面積を形成することが可能である。同じ考察が入口孔の直径「a」にも当てはまる。
【0119】
入口孔42および溝46の構成は、深く狭い粉末ポケットと併せると有利である。例えば10リットル/分など特定の流速で、粉末表面はある深さで浸食される。例えば20リットル/分など流速を増加すると、さらに深く粉末を浸食する。使用者の吸入による流速によって、流速が段階的に最大まで増加するので、粉末はだんだん深く浸食され、ポケットは適切な時間で徐々に空になる。
【0120】
吸入の量および強度は使用者によって異なるが、デバイスが吸入に大きすぎる抵抗を及ぼさないことが重要である。この点に関して、所望の断面積を有する入口42を通して吸入することは非常に困難である。実際、可能な場合は、インサート26からあらゆる粉末を過度に迅速に取り込む過度に高速の流速がもたらされる。実際的には吸入された空気の約20%のみが、直接粉末を取り込み分散するために使用されていることが明らかにされた。
【0121】
図9(b)に示すように、ハウジング2の内壁50と通気プレート34の外側の間に第2の流路が形成される。第2の流路はポケットをバイパスし、吸入に利用可能な全体的断面積を増加させる。寸法aおよびAの値を変えることによって、使用者にとって吸入が快適であるように、ポケットとバイパスの間の気流の流速を変化させ、デバイスのすべての流れ抵抗を制御することが可能である。デバイスの一般的な流れ抵抗は、60リットル/分の流量に対して2kPaから5kPaの間である。より分散し難い粉末にはより高い流れ抵抗が選択され、一方子供が使用するデバイスにはより低い流れ抵抗が好ましい。陥凹溝46および出口44は一般に入口42より大きい断面積を有する。ポケット通路の最小断面積は3.5mmから4.0mm、バイパスは5.0mmから6.0mmであると考えられる。
【0122】
このように、気流の大部分は第2の流路を通るので、デバイスを通して吸入することは比較的容易である。しかし、上述のように粉末を取り込み分散するために第1の流路を通る気流も発生する。
【0123】
好ましい実施形態では、デバイスおよび対応するキャリアの反対側に別の第2の流路がある。使用時には、患者は両方の第2の流路を通して吸入し、粉末は使用時に第1の流路から吸引される。第2の流路は、平均的使用においてそれぞれ全吸入空気の約40%を運搬すると予想される。
【0124】
実際の要件は粉末の性質および対象となる使用者によって異なる。投与しやすい粉末では、ポケットへの入口を形成する部分は小さくすることができ、子供やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者には、全圧力降下を低くする。この場合、入口部分は2.0mmの断面積を備え、バイパスの第2の流路は8.0mmの最小断面積を備え、25%の比率となる。一方、健康な成人のための粘性のある粉末には、入口部分は4mmの断面積、ならびにバイパスの第2の流路は6mmの最小断面積を備えることができ、その比率は66%となる。もちろん中間値も可能であり、好ましい配置では、3mmの断面積の入口部分、および6mmの最小断面積の第2の流路を有することができ、その比率は50%となる。
【0125】
図9(a)に示すように、出口44の壁は、第2の流路の流れに対して角度θで、気流および粉末を第2の流路内へと向かわせるような向きである。角度θを確実に45度より小さくすることによって、出口44の反対側の壁50に衝突、または粘着する粉末量を大幅に減少させることが可能である。好ましくは、角度θは45度以下であり、より好ましくは30度以下である。このように、マウスピース6への第2の流路を形成する壁50にほとんど粉末が付着しなくなる。好ましくは、デバイスを繰返し使用すると、25%以下、好ましくは15%以下の用量が壁50に沈着したままとなる。この点に関して、壁50を通り過ぎる流れが粉末を壁50から除去しまたは一掃するように作用することが明らかであろう。
【0126】
図4(b)を参照して上述したように、アンビルプレート32および通気プレート34は、互いに対応するキャリア12の支持体を形成する。プライムレバー8およびインデックス機構を後述の通り使用して、支持体30および対応するキャリア12を、連続するポケットから粉末を投与するために連続する位置に動かす。この点に関して、各ポケットが通気プレート34に形成された独自の第1の流路を有することが明らかであろう。上記から、粉末をポケットから取り除き粉末を分散する乱流が第1の流路で発生することは明らかであろう。したがって、いくらかの粉末がプレート34内の壁に付着した場合、この粉末は、次の粉末ポケットが投与されるときに吸入されることがない。
【0127】
デバイスは好ましくは、図9(a)および(b)に示すように、ポケットを通り、バイパスを通る気流を供給する入口通路が、投与位置にあるポケットにのみ空気を送るように配置される構成である。使用後に、キャリア12、アンビルプレート32、および通気プレート34をインデックスすることによって、使用済みのポケットの入口42および出口44が、現在使用中のポケットの気流の外側にくるように配置しなおす。
【0128】
この配置によって、ポケットからの粉末が開封された後でまったく除去されなかったとしても、一度インデックスされると、その後の用量とともに吸入されることがないように、粉末をデバイス内部に永久に保持することが確実になる。
【0129】
図10に示すように、シャシのサブアセンブリ58を使用して、支持体30および関連するキャリア12をハウジング2内部に回転可能に設置することができる。シャシのサブアセンブリ58は、キャリア12の第2の側面18同士の間に配置される。シャシのサブアセンブリ58は、キャリア12の軸に沿って軸方向に延び、ハウジング2の2つの半体2a、2bの一方または両方に固定されている。
【0130】
図10に示すように、プライムレバー8はプライム部材60の一部を形成して(またはそれに取り付けられて)いる。プライム部材60は、シャシ66の枢動軸64を回転可能に支持する中心枢動開口62を有する。
【0131】
図13に示すように、プライム部材60およびシャシ66は互いに2つのキャリア12および関連する支持体30同士の間に配置される。さらに、シャシ66はハウジング2に回転可能に固定されるように取り付けられている。図示された実施形態では、枢動軸64は、ハウジング2の2つの半体2a、2bの一方または両方の内側に設けられた軸68上に据えることができる。また、径方向突出部(図10に示す)をシャシ66上に設け、シャシ66を回転可能に固定するように、ハウジング2の内部と相互作用させることができる。
【0132】
キャリア12および関連する支持体30は、シャシ66に回転可能に設置することができる。
プライム部材60は、円周方向に伸び、2つの反対側の面それぞれにカム面74を有する、細長いカム部材72を含む。
【0133】
各カム面74は、プロジャーと呼ばれるそれぞれの部材76と相互作用する。
プライム部材60、カム部材72、カム面74、およびプロジャー76の操作は、図11の概略図を参照して説明する。
【0134】
プライムレバー8を第1の位置から第2の位置に移動すると、プライム部材60がシャシ66、キャリア12、およびそれらの支持体30に対して回転し、図11の概略図では、カム部材72が上方に移動するようになる。
【0135】
図10から分かるように、プライム部材60は、プロジャー76のアーム80が中を通って延びることのできる細長い開口をカム部材72の一方の側に含む。シャシ66はプロジャー76を回転可能に保持するが、デバイスの軸方向に動かす、すなわち、どちらかの側面のキャリア12に近づいたり離れたりするように動かすこともできる。実際、図示されているように、シャシ66には開口部82があり、プロジャー76の1つが対応するキャリア12に向かってシャシ66の中を通って延びることができる。
【0136】
図11に示すように、カム部材72の一方の側のカム面74は、プライム部材60が回転しカム部材72が図11に示すように上方に移動するにつれて、プロジャー76がそれぞれのキャリア12に向かって外向きに移動するようになっている。
【0137】
図11では、右側のプロジャー76が対応するキャリア12のポケットと位置合わせして示されている。
したがって、プライム部材60が回転し図11のカム部材72が上方に移動すると、右側のプロジャー76が対応するキャリア12のほうへ外向きに動かされ、貫通孔20を穿通しインサート26aを第1の側面16から外へ押圧する。この点に関して、図11はプロジャー76によって既に押し出された1つのインサート26bを示す。
【0138】
後述するようにインデックス機構が右側のキャリア12および対応する支持体30を次の位置へと回転し、そこでプロジャー76は新しい未開封のポケットと位置合わせされる。次いで、ポケットの開封操作を繰り返すことができる。
【0139】
図11から、プライム部材60の一方の側のキャリア12は、カム部材72の操作によってキャリア12のポケットが同時に開封されるようにプロジャー76と位置合わせされるそれぞれのポケットを有することが明らかであろう。ただし、図示された実施形態では、インデックス機構は1つのプロジャー76を1つのポケットと位置合わせし、他のプロジャー76はポケット同士の間の位置にあるように配置している。このように、カム部材72およびプロジャー76から形成される投与機構は、一度に1つのポケットのみを開封する。
【0140】
図2(a)を参照すると、好ましいキャリア12は、貫通孔20が形成されない空間82を含む貫通孔20のアレイを有することが明らかである。
このタイプのキャリアを使用すると、キャリアの他方12をその貫通孔20およびそれらが形成するポケットの周りでそれらが空になるまで連続してインデックスしながら、空白部分82を含む1つのキャリア12をプロジャー76の反対側に配置することが可能である。次いでインデックス機構は、空白部分82がプロジャー76の反対側にくる位置まで空のキャリアを回転させ、対応するプロジャー76が貫通孔20と整列されるすべての位置の周りでキャリアの他方12を回転させることができる。このように、同じ操作を使用して両方のキャリアから粉末を投与するために、同一の投与機構が使用される。
【0141】
個別のポケットから投与されるほぼすべての粉末は、吸入することによってデバイスから除去されるが、いくらかの粉末がデバイス内部に残る可能性がある。実際、異なるタイプのキャリアを使用し、またはデバイスの適用が異なる場合、より多くの粉末がデバイス内部に残ることがある。
【0142】
図10に示すように、カム面74は1つまたは複数の溝または溝路84を含む。したがって、あらゆる過剰な粉末は、カム面74とプロジャー76の接触および移動の妨げにならないように、溝84内に落ちるようにすることができる。
【0143】
一方または他方のプロジャー76がキャリア12のポケットのない部分82に当接する配置のとき、プライム部材60が回転しカム部材72がプロジャー76をキャリアの他方12に向かって動かすために、カム部材72は部分82から離れるように動く必要があることは明らかであろう。いくつかの実施形態では、プライム部材60全体を軸方向に動かす、またはキャリア12を軸方向に動かすことが可能である。ただし、好ましい実施形態では、カム部材72はそれ自体の可撓性に制限がある。図示されているように、カム部材72は、一方の側に細長い開口を備えた各端部がプライム部材60のレストに取り付けられた細長い部材として設けられている。これによりカム部材72に、キャリア12に近づいたり離れたりする十分な可撓性が可能になる。
【0144】
図1(a)から(c)を参照して述べた全体的な実施形態を考慮すると、粉末用量を十分に投与するように、使用者は、プライムレバー8をその移動距離全体にわたって確実に動かすことが大変望ましいことが明らかであろう。特に図11を考慮すると、使用者は、プロジャー76がインサート26を第1の側面16の蓋シートを部分的に破断するには十分であるが、インサート26を図6および7(b)に示す位置に十分に突出させないように、プライムレバー8およびプライム部材60を部分的に操作することは望ましくない。
【0145】
インサート26の動作は、キャリアプレート12の両面を密封するフォイル22、24によって制限されるので、インサート26を動かし始めるには大きな力が必要となる。この力はフォイル22、24が破断する点まで増加し、その後大幅に減少する。したがって、使用者はプライムレバー8の動作に対し、その初期の移動に抵抗を感じる。移動に沿ってある地点で、フォイル22、24が破断するので抵抗は急激に減少する。使用者は加える力を即座に緩めることはできないので、プライムレバー8は可能な移動行程の終点まで迅速に押圧される。この触覚フィードバックによって、使用者はポケットを十分に開くように促される。
【0146】
プロジャー76を駆動するカム部材72が図11に示すように中実である場合、インサート26は示された位置に配置される。ただし、部品がプラスチックで成形される好ましい実施形態では、すべての部品の寸法を完全に正確に制御することは不可能である。したがって、インサート26によって移動する距離が可能な空間よりも小さい場合、ポケットの上部に隙間があるが、移動する距離が可能な空間よりも大きい場合、アンビルプレート32がキャリア12から離れて力によって押圧される。十分大きい力がプライムレバー8に加えられると、この力がケースに伝達されそれを変形させる。
【0147】
この起こる可能性のある問題を避けるために、カム部材72は、長さに沿って距離に対する力が変化する断面の形態に製造される。
図12に適切な形態の例を示す。好ましい実施形態は背中合わせに配置された2つの部材を含む。図12に示す右側の中実のウェッジの断面は、図11と同一の断面を有する。この形態はプライムレバー8によって加えられた力をインサート26に厳密に伝達する。この断面の長さは、すべてのデバイスでプロジャー76がこの断面のフォイル22、24を破断するのに十分遠くまで動くように選択される。フォイル22、24が破断された後は、必要な力ははるかに小さくなるが、インサート26が移動しなければならない距離はデバイスによって異なる。したがって、残りの移動部分に対するカム部材72の断面はその動作に一致するように設計される。これによりカム部材72は、インサート26がアンビルプレート32内で可能な移動距離の端部まで押圧されるように、十分な力を確実に与える。しかし、移動距離の端部でインサート26が停止すると、カム部材72がプロジャー76に加えた力は、それが変形して生じた力による制限を受ける。これは、プロジャー76がプライム部材60に剛性に連結されていた場合に加えられる力よりもずっと小さくすることができる。
【0148】
このように、従来の材料および成形方法によって製造することのできる部品を使用して、信頼性の高いポケットの開封が行われる。
カム部材72およびプロジャー76の動作を、さらに図16(a)から16(h)に示す。これらの図は、プライムレバー8およびプライム部材60がポケットを開封するように動くときのカム部材72およびプロジャー76を連続位置で示す。図は対にまとめられており、各グループは同一位置を2つの図面で示している。
【0149】
図16(a)および16(b)は、カム部材72の一端で完全な収納位置にあるプロジャー76aを示す。プロジャー76aおよび76bは、それらの間で互いにカム部材72を挟み込む同一の部品である。各プロジャー76はそれらのアーム80の端部に、アーム80が中を通って延びる細長い開口のどちらかの側でプライム部材60上に形成された別のカム面88とともに配置されるフィーチャ86を有する。
【0150】
プロジャー部材76が、第2の表面を通してポケットを押圧するためにキャリアディスクの第1の面を穿通する場合、次にプロジャー部材76を、キャリアディスクが次の位置にインデックスされる前に収納する必要がある。
【0151】
プロジャー部材76を基部表面に対して押圧する位置にある場合、ばねを使用してこれを実行することができる。ただし、プロジャー部材76を収納するためには、カム部材72が元の位置に戻るにつれて作動する能動的方法を使用することが好ましい。ただし、カム部材72を元の位置に戻す動作もキャリアディスクをインデックスするために使用される場合、キャリアディスクがインデックスされる前にプロジャー部材76の収納を確実に完了することが重要である。
【0152】
これを実行する好ましい方法は、カム部材およびキャリアディスクが置かれた非移動式のハウジング内に位置する他のカム面88を使用することである。
図17(a)はプロジャー76aおよび76bがそれぞれ収納位置にある概略的な断面図を示す。
【0153】
プロジャー76aの位置はカム88の表面90およびカム部材72のカム面74によって包囲されている。カム88およびカム部材72は、それらの厚さC1およびC2がプライム部材60の動作の方向に沿って変化するように設計されている。図17(b)は開封位置にあるプロジャー76aおよび76bを示し、閉鎖位置にあるときと比較するとC2は増加しC1は減少していることが分かる。
【0154】
カム部材72は、徐々に面積が増加する矩形の断面C2を一端に有する。剛性ではなく弾性のウェッジになることを開始する時点で、ウェッジは74を押し上げる中央部分および74aを押し下げる2つの側面部分へと分割される。
【0155】
この配置によってプロジャー76aおよび76bの両方を開閉する正の力が生じる。
図16(c)から16(h)は、図17(a)および(b)で示した概念を実行する方法を示している。
【0156】
図16(c)および(d)は、カム部材72が全移動距離のほぼ3分の1を完了したプロジャー76aおよび76bを示す。この部分にあるカム部材72はプロジャーが完全に収納されるように厚さが均一である。これにより、この部分の戻り行程での回転式プライム部材60の動作が、(後述するように)インデックス機構を駆動する。
【0157】
図16(e)および(f)は、カム部材72が全移動距離の3分の2を完了したプロジャー76aおよび76bを示す。この部分に沿ったカム部材72は、上述の円周方向溝84を含む。カム部材72の隆起部は、プライムレバー8に加えられた力をプロジャー76aおよび76bに厳密に連結するのに十分であり、溝84はカム面74に収集することのできる浮遊粉末に対する機構の公差を増加させるためにのみ設けられる。
【0158】
図16(g)および(h)は、カム部材72が全移動距離を完了したプロジャーを示す。この部分では、カム部材72は中実でないが中央部分が分割し、中央部分が一方のプロジャーを押し上げ、2つの外側部分が他方のプロジャーを押し下げるように、2つの側方部分が配置されている。
【0159】
カム部材72が移動距離の端部に到達する前に、プロジャー76aおよび76bがそれぞれの移動距離の端部に到達した場合、カム部材72の細い部分が変形し、それによって、残りのカム部材72の移動距離においてプロジャー76aおよび76bに加えられる力を制限する。
【0160】
好ましい実施形態では、2つのキャリアアセンブリ(図5(a)および(b))のインデックスは、プライムレバー8が作動される度にキャリア12を1ポケットずつインクリメントするインデックス機構、およびインデックス機構によって最初に第1のキャリア12が駆動されるが、そのキャリア12の最後のポケットを使用すると、そのキャリア12は固定されたままとなり、インデックス機構が作動すると第2のキャリア12がインクリメントされる、切替機構によって実行される。
【0161】
図14(a)から(f)に示す好ましいインデックス機構は、インデックス機構が作動する度に正確に120度回転する3ペグゼネバ100を使用している。ゼネバペグホイール100は、通気プレート34上でギアが歯35と係合することができるように配置されたペグホイールと同軸の2つのギアを含む。
【0162】
両方の通気プレート34が同時に駆動されるのを防ぐために、通気プレート34の周りで1つの位置のギア歯35が欠けている。その結果、この位置ではゼネバペグホイール100の回転によって通気プレート34が回転されない。したがって、インデックス機構は、ゼネバ100およびそのギアを介して第1のキャリア12を、そのキャリア12のギア歯35の端部に到達するまで駆動する。次のインデックスによって、第1のキャリア12は非駆動位置、すなわちギア歯35が欠けている位置まで動かされ、第2のキャリア12をギア35がゼネバペグホイール100のギアに係合するまで回転させる切替機構に係合する。
【0163】
インデックス機構の好ましい実施形態を図14(a)から14(f)に示す。これらの図では、ペグホイール100の軸が用量キャリア12および回転式プライム部材60の軸に平行に置かれていることが分かる。
【0164】
回転式プライム部材60は、上述の多くの機能的要素を単一の成形部品に組み込んでいる。プライム部材60は、プライムレバー8、カム部材72、およびカム83を閉鎖し、ゼネバ100をインデックスするための駆動部材にもなるプロジャーを含む。
【0165】
図は、プライム部材60がその移動距離の端部でポケットが開封されたところから始まり、マウスピースカバー4を閉じることによって、プライムレバー8が開始位置に戻るにつれて何が起こるかを示している。
【0166】
ペグホイール100はその縁部に60度間隔で配置された6つのペグ102aから102c、103aから103cを含む。これらのペグの3つ102a、102b、102cは他の3つのペグ103a、103b、103cよりも長く、明確化のために端部を黒く示してある。回転式プライム部材60が図14(a)の位置から図14(b)の位置へと移動すると、プライム部材60によって形成された駆動部材104の先頭部分101は短いペグ103aを通過し、その外周がより長いペグ102aおよび102cに接触し、ペグホイール100が回転しないようにする。図14(b)に示す位置では、駆動部材104から下向きに前方に傾斜するラチェット105がペグ103aに係合する。プライム部材60および駆動部材104は、図14(b)の位置から図14(c)の位置へと移動し続けると、ペグホイールは回転するよう駆動される。ペグホイール100を回転させるように、プライム部材60の駆動部材104にスロット106が切り込まれ、その中に長いペグ102cが入る。図14(c)の位置で、ラチェット105がペグ103aと係合解除し始めるが、スロット106の後縁部107が長いペグ102cに係合し、図14(d)に示す位置までペグホイール100を引き続き回転するよう駆動する。図14(d)の位置では、駆動部材104の縁108が短いペグ103cを通過する。次いでペグホイール100は図14(e)の位置まで回転し続け、ペグホイール100の前方移動が完了する。スロット109が長いペグ102bを収容するように設けられている。この位置で、次に開封するポケットが所望の位置を越えるように用量キャリア12が駆動されており、回転式プライム部材60を駆動したマウスピースカバー4は完全に閉じられる。
【0167】
ポケットを開くためにプライムレバー8が使用者によって反対方向に押圧されると、プロジャー部材76aおよび76bが動かない移動距離の最初の部分によって、回転式プライム部材60プレートは図14(e)に示す位置から図14(b)に示す位置まで戻る。回転式プライム部材60のスロット109にある傾斜面110が長いペグ102bを押圧し、2つの長いペグ102bおよび102cが両方とも駆動縁から係合解除されるまでペグホイール100が後向きに回転し、回転式プライム部材60の外縁部108に対して押圧される。
【0168】
これによりペグホイール100の回転位置が正確に画成され、プロジャー76aおよび76bがポケットと正確に整列する。回転式プライム部材60の外縁部内の短いペグ103cは十分に短いので、ラチェット105がその上を通って戻ることができる。したがって、最初の動作の後、ペグホイール100は、ポケットを開封する残りの行程の間、固定されたままとなる。したがって、各インデックス操作によってペグホイール100は120度回転する。ペグホイール100の平面の上部および下部のギアが図14(f)に示されており、明確化のために図14(a)から14(e)とは反対側から示す。図14(f)は、ペグホイール100上のギアに係合する、1つの通気プレート34上のギア35を示す。通気プレート34およびペグホイール100のギア歯の数は、ペグホイールの120度移動が用量キャリアプレートを正確に1ポケットピッチだけインクリメントするように、配置される。
【0169】
上述の配置は、非常に狭い空間割当および最小部品数で2つのディスクを正確に間欠的動作によって制御する際に有利である。
上述のように、2つのディスクキャリアプレートを操作するためのデバイスでは、好ましくは、インデックス機構が最初に第1のディスクを駆動し、これがすべてのポケットを開封すると、次いで第2のディスクを駆動するように、切替機構が設けられる。このような切替機構を、図15(a)から図15(e)を参照して説明する。これらの図は、2つの水平に配置された通気プレート34の縁部を示したデバイスを図示している。
【0170】
図15(a)は、第1のポケットが開封される前の位置にあるデバイスを示す。
図15(b)では、通気プレート34aが右に1位置だけインデックスされている。通気プレート34の外周にある2つのフィーチャ123が移動しているのを見ることができる。
【0171】
図15(c)は、通気プレート34aの下側キャリア12の最後のポケットが開封された後の位置を示す。回転によってフィーチャ123がデバイスの周囲で右に動かされ、図示されている位置になっている。次のインデックス操作によって、下側通気プレート34aが以前の位置に戻る。ただし、先頭のフィーチャ123は切替部品124を押圧し、124は上側通気プレート34bのフィーチャ122を押圧し、それによって両方のプレート34aおよび34b、ならびにキャリア12がともに移動する。上側通気プレート34bが元の位置にくると、プロジャー76bは欠ポケット部分82と整列し、それによりプロジャー76bは硬面に対して押圧することができ、他方のプロジャー76aは下側通気プレート34aのポケットに対して押圧することができるようになる。さらにこの位置で、上側通気プレート34bのギア35の欠歯がゼネバペグホイール100のギアと整列し、そのためペグホイール100の回転によって上側通気プレート34bはインデックスされない。ただし、上側通気プレート34bの切替部品124によるインデックス操作によって、上側通気プレート34bのギアがペグホイール100のギアに係合するように移動し、上側キャリア12の第1のポケットがプロジャー76と整列する。同時に、プライム部材60によってインデックスされることによって、下側通気プレート34aのギア歯35がペグホイール100のギアから係合解除される位置にまで、下側通気プレート34aが移動し続ける。プライム部材60およびペグホイール100によって、下側通気プレート34aのギア35の欠歯がゼネバペグホイール100のギアと整列し、下側用量キャリア12の欠ポケット部分82がプロジャー76と整列する位置にまで、下側通気プレート34aが移動する。
【0172】
クリップ125はインターロックをもたらし、下側通気プレート34aが正しい位置に到達する前に、摩擦連結によって上側通気プレート34bが動くことを防ぐ。
したがって、1つのディスクから他のディスクへの切替えが、自動的に、最小部品数で、非常に狭い空間で実行される。
【0173】
デバイスをインデックスすることによって、次のポケットがプロジャー76と整列するように移動する他にも、好ましくは用量カウンタを作動し、使用者に残余用量数を視覚的に表示する。用量表示器の操作は図19および20を参照しながら説明する。
【0174】
薬物を投与するとき、デバイスはデバイス内に残っている用量数を使用者に表示することが好ましい。
このような表示は、簡単に読取可能であることが望ましく、残余用量を示す非常に小さい数字は不利となる。60用量を含むポケット携帯式デバイスのサイズ制限内で、そのような表示を設けることは困難である。
【0175】
2つのキャリアディスクが使用されているケースで、ウインドウを通して数字を見ることができるようにキャリアディスクに表示する最も簡単な配置では、使用者は別々のウインドウを見る必要があり、さらに、キャリアディスクの周りの利用可能な空間では数字のサイズは小さい。
【0176】
好ましい方法では、ユニット表示が9から0にインデックスされると同時に10カウント表示が1つインデックスされるように駆動される、ユニットおよび10カウントの別個の表示を使用する。これによって、同一のケース内部でより大きな数を使用することが可能になる。例えば図13に示す軸68上などで、2つのディスクを、一方を他方の内部で同心に、好ましくはデバイスの軸と同軸に設けることができる。表示されたユニットおよび10カウントは図1(a)に示すウインドウ10を通して見ることができる。
【0177】
好ましい実施形態では、表示はゼロまでカウントダウンするが、10カウントのディスクには「ゼロ」がない。代わりに、デバイスがその機能的寿命の終わりに近づいていることを使用者に示すように、例えば記号、色、光などの表示器を備えている。
【0178】
好ましい実施形態では、キャリアディスクの動作から駆動される別のゼネバおよびギア配置を使用する。最初に第1のキャリアディスクの動作によって、次に第2のキャリアディスクの動作によって、デバイスが2つのキャリアディスクを含むことが使用者にとって明らかでないように、単一のカウンタがインクリメントされることが好ましい。
【0179】
図20(a)は用量カウンタ表示の図面を示す。カウンタは2つの同心リング130、131からなり、リングに形成された数字がデバイスの外側ケース2を向いている。外側リングはユニットカウンタ130であり、内側リングは10カウンタ131である。外側ケース2に設けられたウインドウ10は、使用者がユニットカウンタ130で1つの数字のみを、および10ユニットカウンタ131で隣接する数字を見ることができるように配置されている。図20(a)では、カウンタは、21の用量が残っていることを表示している。カウンタの操作では、ユニットカウンタ130はインデックス機構が作動する度に36度ずつインデックスする必要があり、10カウンタはユニットカウンタが9から0の表示に移動するときのみ、36度ずつインデックする必要がある。ユニットの数字はリングの周りに均等に分布されており、一方、60用量を含む図20(a)の例では、10カウンタ131には1から6の数字のみが記されているのを見ることができる。
【0180】
カウンタはギア133によって駆動され、それ自体はインデックスゼネバペグホイール100のギアの1つによって駆動される。上述の好ましい実施形態では、インデックスゼネバ100は各インデックス操作ごとに120度回転し、そのギアは6つの歯を含む。図19(a)に示すように、ギア133は15の歯を含み、ユニットカウンタの20の歯134に係合する。したがって、インデックスゼネバ100の120度回転はユニットカウンタ130を36度駆動する。図19(a)は、数字が形成された面の後方から見たユニットカウンタリング130を示す。
【0181】
カウンタゼネバホイール135は、シャシ66の一部である固定ポスト上に取り付けるためのユニットカウンタリング130内部に置かれて示されている。
カウンタゼネバ機構のための作動ペグ136はユニットカウンタホイール130の内径上に位置している。このペグ136は、ゼネバホイール135内の3つの窪み137のうちの1つに係合し、数字9の表示から0の表示の間で36度回転する間に、ペグ136がホイール135を通過するときゼネバホイール135を120度回転させる。
【0182】
ゼネバ機構、ペグ136は外側の大径部品130上にあり、これによってスロットのある小径のホイール135が駆動されるが、一方、インデックスゼネバ100では、スロットが大径のホイール上にあり、それによって小径ホイールのペグが駆動されることに留意されたい。ただし、両方とも、回転の間に正確な位置をとる間欠的回転を行うゼネバタイプ機構の例である。
【0183】
ゼネバホイールは、ユニットカウンタ130の内壁139に接触するカム面138を含み、ゼネバ135がインデックスの間に回転しないようにする。ペグ136に押されるとゼネバ135が回転するように、ペグ136に隣接する内壁139には空隙139aがある。
【0184】
ゼネバはその下側に、10カウンタリングのペグに係合しそれを駆動する3歯ギアを含む。
図19(a)から19(e)はゼネバホイール135、駆動ギア133、およびユニットカウンタ130の位置を、ユニットカウンタが36度回転する間の4段階で示す。
【0185】
図20(a)から20(c)は、外側ユニットカウンタ130のみが動くとき、残余量が21用量から20用量へとインデックスされるときの2つのカウンタホイールの動作を示す。図20(c)から図20(e)は、両方のカウンタがインデックスされる場合の、残余量20用量から19用量への同様の状況を示す。
【0186】
最後の用量が使用された後、残余用量表示は0を読み出し、デバイスが空であることを使用者に表示する。
しかし、使用者が表示を見ない場合、さらなる用量を所望するとデバイスを再度作動させることがある。
【0187】
デバイスは、作動されるときにそれが空であることを使用者に示す何らかの正のフィードバックを行うことが好ましい。
このフィードバックは、通常使用される程度の力でプライムレバー8を操作位置へと動かすことができない、という形態をとることができる。この触覚フィードバックによりロックアウト機能がもたらされる。
【0188】
2ディスクのデバイスでこれを実行する好ましい方法は、最後の用量が使用された後、プロジャー下にポケットが存在しないように第2のディスクがインデックスするよう配置することである。この時点で、2つのプロジャー部材76は両方ともディスクのポケットがない面に向いている。したがってプライムレバー8を動かすと、どちらのプロジャー部材76もディスク上へと移動することができず、プロジャー部材76上に結果的に生じる力は、駆動機構を通してプライムレバー8へ、したがって使用者へと戻るように伝達される。
【0189】
プライムレバー8をホーム位置までずっと動かすのに十分な力は、使用者によって加えることができるが、これはケースの制約に対してディスクを分離させることによってのみ可能である。これを行うのに必要な力は、使用者に明らかとなるように通常の作動力より十分大きい力を用いることができる。
【0190】
説明から、この機構が最小部品数で残余用量数を明確に視覚的に表示することができることを理解することができる。
上述の好ましい実施形態は、1つのキャリアの各ポケットから粉末を連続的に投与し、次にキャリアの他方の各ポケットから粉末を投与するように配置される。ただし、キャリアの一方とキャリアの他方から交互に、ポケットからの粉末を投与するデバイスも可能であることが明らかであろう。あるいは、両方のディスクのポケットから同時に投与することもできる。
【0191】
両方のキャリアから粉末を交互にまたは同時に投与することによって、使用者は両方のキャリアから粉末を同時に吸入することができる。この配置は、各ディスクが異なる薬物を含むときは特に有利である。特に、単一よりも一緒にしたほうが効果的である薬物の組合せを含むディスクを設けることが好ましい。例として、例えば喘息や慢性閉塞性肺疾患の治療のために、一方のディスクからステロイド化合物を投与し、他方のディスクから長時間作用性ベータ作動薬(LABA)を投与することができる。長時間作用性ベータ作動薬の例にはホルモテロール、サルメテロールがあり、ステロイドの例にはプロピオン酸フルチカゾン、ブデゾニド、およびフランカルボン酸モメタゾンがある。
【0192】
一方または両方のキャリアから選択的に投与するための配置にするように、機構を適合させることも可能である。両方のディスクが同じ薬物を含む場合、これは投与する用量を変えるために使用することができる。
【0193】
以上、特に貫通孔を有し、一方の側を蓋シートで密封された、特定のタイプのキャリアを参照してデバイスを説明したが、より簡便なブリスターパックなど他のキャリアを使用することも可能である。これは上述のものと同様のインサートを含むことができる。あるいは、ポケット内の粉末自体が外向きに蓋シートを破裂させることもできる。また、デバイスのある態様では、蓋シートを剥離し、または切断するなどの、他の開口配置も適用可能である。
【0194】
最後に、デバイスは、プレインストールされたキャリア、あるいは適切なキャリアとともに使用するよう準備されたキャリアを含むことができることが明らかであろう。
図13に示すように、上述の好ましい配置は、キャリア12とともに使用するための3つのアセンブリのように、簡便に設けることができる。特に、第1のカバーのサブアセンブリAはキャリアの一方12を収容し、第2のカバーのサブアセンブリBはキャリアの他方12を収容する。2つのカバーサブアセンブリAおよびBは、互いに、それらの間にあるシャシのサブアセンブリCとともに固定される。
【図面の簡単な説明】
【0195】
【図1a】本発明による組立て済みのデバイスの操作を示す図である。
【図1b】本発明による組立て済みのデバイスの操作を示す図である。
【図1c】本発明による組立て済みのデバイスの操作を示す図である。
【図2a】本発明で使用するキャリアを蓋シートなしで示す図である。
【図2b】本発明で使用するキャリアを蓋シートとともに示す図である。
【図3a】図2(a)から(c)のキャリアからインサートを動かすことを示す図である。
【図3b】図2(a)から(c)のキャリアからインサートを動かすことを示す図である。
【図4a】デバイス内でのキャリアの好ましい配置をデバイスの支持体なしで示す図である。
【図4b】デバイス内でのキャリアの好ましい配置をデバイスの支持体とともに示す図である。
【図5a】デバイスの通気プレートおよびアンビルプレートを対応するキャリアと併せて示す図である。
【図5b】デバイスの通気プレートおよびアンビルプレートを対応するキャリアと併せて示す図である。
【図6】キャリアのインサートが対応するアンビルプレート内に押し込まれている図である。
【図7a】キャリアプレートのインサートを対応するアンビルプレート内に動かすことを示す図である。
【図7b】キャリアプレートのインサートを対応するアンビルプレート内に動かすことを示す図である。
【図8】好ましい実施形態のハウジングを示す図である。
【図9】好ましい実施形態による気流通路を示す図である。
【図10】好ましい実施形態のシャシおよびカム部材アセンブリを示す図である。
【図11】好ましい実施形態の投与機構の操作を概略的に示す図である。
【図12】カム部材の好ましい断面を概略的に示す図である。
【図13】好ましい実施形態のサブアセンブリを示す図である。
【図14a】本発明の実施形態のインデックス機構のゼネバ機構を示す図である。
【図14b】本発明の実施形態のインデックス機構のゼネバ機構を示す図である。
【図14c】本発明の実施形態のインデックス機構のゼネバ機構を示す図である。
【図14d】本発明の実施形態のインデックス機構のゼネバ機構を示す図である。
【図14e】本発明の実施形態のインデックス機構のゼネバ機構を示す図である。
【図14f】本発明の実施形態のインデックス機構のゼネバ機構を示す図である。
【図15a】本発明の実施形態の切替機構を示す図である。
【図15b】本発明の実施形態の切替機構を示す図である。
【図15c】本発明の実施形態の切替機構を示す図である。
【図15d】本発明の実施形態の切替機構を示す図である。
【図15e】本発明の実施形態の切替機構を示す図である。
【図16a】本発明の実施形態の投与機構を示す図である。
【図16b】本発明の実施形態の投与機構を示す図である。
【図16c】本発明の実施形態の投与機構を示す図である。
【図16d】本発明の実施形態の投与機構を示す図である。
【図16e】本発明の実施形態の投与機構を示す図である。
【図16f】本発明の実施形態の投与機構を示す図である。
【図16g】本発明の実施形態の投与機構を示す図である。
【図16h】本発明の実施形態の投与機構を示す図である。
【図17a】図16(a)から(h)の部品による断面図を示す図である。
【図17b】図16(a)から(h)の部品による断面図を示す図である。
【図18】本発明を実施するデバイスで開封されるポケットを示す図である。
【図19a】本発明の実施形態におけるカウンタのゼネバ機構を示す図である。
【図19b】本発明の実施形態におけるカウンタのゼネバ機構を示す図である。
【図19c】本発明の実施形態におけるカウンタのゼネバ機構を示す図である。
【図19d】本発明の実施形態におけるカウンタのゼネバ機構を示す図である。
【図20a】図19(a)から(d)のカウンタの操作を示す図である。
【図20b】図19(a)から(d)のカウンタの操作を示す図である。
【図20c】図19(a)から(d)のカウンタの操作を示す図である。
【図20d】図19(a)から(d)のカウンタの操作を示す図である。
【図20e】図19(a)から(d)のカウンタの操作を示す図である。
【図21a】本発明の実施形態における様々な位置の好ましい断面積を示す図である。
【図21b】本発明の実施形態における様々な位置の好ましい断面積を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別の粉末用量を1対のキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスであって、
各ディスク形のキャリアが、それぞれのポケットが中に形成され、それぞれの第1の蓋シートが空洞部を密閉するために第1の側面を密封する、空洞部の環状アレイを有する少なくとも1つのほぼ平面の第1の側面を含み、支持体がほぼ共通軸周りで回転可能に前記キャリアを支持する、2つのディスク形のキャリアのための支持体と、
キャリアから粉末を運搬する気流を吸入するためのマウスピースと、
支持されたキャリアのそれぞれのポケットの粉末を気流中に放出するため投与機と、
異なるポケットから粉末を放出することが可能になるように、投与機構に対してキャリアを回転させるためのインデックス機構とを含むデバイス。
【請求項2】
前記キャリアの一方から粉末が連続的に投与される間、前記インデックス機構が両方の前記キャリアを前記投与機構に対して回転させるように操作可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記キャリアの他方から粉末が連続的に投与される間、前記インデックス機構が両方の前記キャリアを前記投与機構に対して回転させるように操作可能である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記投与機構が、両方のそれぞれの粉末を同時に一度に吸入するために、各キャリアのポケットから粉末を放出するように操作可能である、請求項1、2、または3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記投与機構が、各キャリアのポケットから粉末を同時に放出するように操作可能である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記投与機構が、吸入のためのキャリアの一方のポケットから粉末を放出し、次いで吸入のためのキャリアの他方のポケットから粉末を放出するように操作可能である、請求項1、2、または3に記載のデバイス。
【請求項7】
前記投与機構が、キャリアの一方のポケットから粉末を放出し、連続してキャリアの他方のポケットから粉末を放出するように操作可能である、請求項4、5、または6に記載のデバイス。
【請求項8】
それぞれ異なる薬物の粉末を含む前記ディスク形のキャリアの2つを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記インデックス機構が、連続する粉末投与の間に、前記キャリアの他方が回転する前に、前記キャリアの一方を順番に連続する投与位置の間に回転するように操作可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記投与機構および前記インデックス機構が、前記キャリアの他方のポケットから粉末を投与する前に、前記キャリアの一方のすべてのポケットから粉末を投与するように、互いに操作可能である、請求項1または9に記載のデバイス。
【請求項11】
個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスであって、
互いに反対側の第1および第2の側面、およびそれぞれのポケットが中に形成され、第1の蓋シートが第1の側面を密封する空洞部のアレイを有する第1のキャリアのための第1の支持体と、
支持された第1のキャリアの第2の側面に向かっておよびそこから離れるように、収縮位置と展開位置の間で可動である第1のプロジャー部材と、
支持されたキャリアの第2の側面に隣接し一般にそれとほぼ平行に休止位置とプライム位置の間で可動であるカム部材とを含み、
前記カム部材が、前記第1のプロジャー部材に係合するための第1のカム面を含み、前記カム部材が休止位置からプライム位置に移動することによって、支持された第1のキャリアの第2の側面を押圧し前記支持された第1のキャリアの第1の蓋シートを外向きに破断させるよう、前記プロジャー部材が収縮位置から展開位置まで動くようになっているデバイス。
【請求項12】
互いに反対側の第1および第2の側面、およびそれぞれのポケットが中に形成され、第1の蓋シートが第1の側面を密封する空洞部のアレイを有し、前記第1および第2のキャリアが互いに向き合うそれぞれの第2の側面によって支持される、第2のキャリアのための第2の支持体と、
前記支持された第2のキャリアの第2の側面に向かっておよびそこから離れるように、収縮位置と展開位置の間で可動である第2のプロジャー部材とをさらに含み、
前記カム部材が、前記第2のプロジャー部材に係合するための第2のカム面を含み、前記カム部材が休止位置からプライム位置に移動することによって、前記支持された第2のキャリアの第2の側面を押圧し前記支持された第2のキャリアの第1の蓋シートを外向きに破断させるよう、前記第2のプロジャー部材が収縮位置から展開位置まで動くようになっている、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記キャリアのポケットをそれぞれのプロジャー部材と選択的に整列させるように、前記第1および第2の支持体を前記第1および第2のプロジャー部材に対して移動させるためのインデックス機構をさらに含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記インデックス機構が、前記第1および第2のプロジャー部材の一方がそれぞれのポケットに整列し、前記第1および第2のプロジャー部材の他方がそれぞれのポケットの間に整列し、それにより前記カム部材が休止位置からプライム位置に移動することによって、前記第1および第2のプロジャー部材の一方のみが、対応する前記第1および第2のキャリアの一方の第1の蓋シートを外向きに破断するように配置される、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
カム部材が、支持された第1および第2のキャリアの第2の側面に向かうおよびそこから離れる方向に可動であり、前記第1および第2のプロジャー部材の他方がそれぞれのポケットの間に整列するとき、前記カム部材が休止位置からプライム位置に移動することによって、およびその結果前記第1および第2のプロジャー部材の他方が対応する前記カム面に係合することによって、前記第1および第2のプロジャー部材の他方が対応する前記第2の側面に当接し、前記カム部材が対応する前記第1および第2のキャリアの一方に向かって移動する、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記カム部材が、前記インデックス機構の一部として可動なプライム部材上に設けられている、請求項13、14、または15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記インデックス機構が、前記第1および第2のキャリアがそれぞれのポケットをすべてインデックスした後、第1および第2のプロジャー部材が両方ともそれぞれのキャリアのポケットの間に整列し、前記カム部材の動きに抵抗をもたらすように配置される、請求項11から16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記カム部材が、互いにそれぞれの反対側の前記第1および第2のカム面を有する細長い可撓性の部材を含む、請求項12から17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第1のカム面および/または前記第2のカム面が、以前投与されたポケットからの浮遊粉末がその中に移動することができる少なくとも1つの溝を含む、請求項11から18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第1および第2の側面の間にそれぞれの貫通孔から形成された前記空洞部を有し、第2の蓋シートが前記第2の側面を密封し、各空洞部内で開口部が前記第1の蓋シートに面しているそれぞれのカップ形のインサートを有するキャリアとともに使用するためのデバイスであり、前記第1のプロジャー部材および/または第2のプロジャー部材が、対応するインサートを前記第1の蓋シートを通して外向きに押圧するように、整列した貫通孔を第2の蓋シートを通して貫通するように配置されている、請求項11から19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
少なくとも1つの前記カム面が弾性的に変形可能であり、前記カム部材がプロジャー部材は展開位置より先まで動くようにする寸法であり、プロジャー部材がそれぞれの展開位置に達すると、前記カム部材がさらに動くことによって、前記カム面の少なくとも1つが弾性的に変形するようになっている、請求項11から20のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項22】
個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスであって、
シャシと、
中心軸周りで回転し、それぞれのポケットが中に形成され中心軸を中心にして円形アレイに配置された空洞部を有する第1のキャリアを支持するために前記シャシに取り付けられ、中心軸を中心にしたギア歯のアレイを含む第1の支持体と、
前記中心軸周りで回転するように前記シャシに取り付けられたプライム部材と、
前記プライム部材および前記第1の支持体のギア歯と相互作用するために前記シャシに取り付けられ、前記プライム部材が第1の位置から第2の位置に回転することによって、前記第1の支持体が所定の角度だけ回転し、前記プライム部材が前記第2の位置から前記第1の位置に戻るように回転することによって、前記第1の支持体が回転しないようになっている間欠動作とを含むデバイス。
【請求項23】
前記間欠動作機構が前記中心軸からずれた軸上で前記シャシに回転可能に取り付けられたゼネバホイールである、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記中心軸周りで回転し、それぞれのポケットが中に形成され前記中心軸を中心にして円形アレイに配置された空洞部を有する第2の支持体を支持するために前記シャシに取り付けられ、前記中心軸を中心にしてギア歯のアレイを含む第2支持体をさらに含み、
前記ゼネバホイールが第2の支持体のギア歯と相互作用することができ、前記プライム部材が第1の位置から前記第2の位置に回転することによって、前記第2の支持体が所定の角度だけ回転し、前記プライム部材が前記第2の位置から前記第1の位置に戻るように回転することによって、前記第2の支持体が回転しないようにしている、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記第1および第2の支持体のギア歯のそれぞれのアレイが不完全な円形アレイであり、それぞれの空間が、空間が前記ゼネバホイールに隣接する状態で、前記プライム部材の回転が前記それぞれの支持体を回転させないようになっている、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第1と第2の支持体の間に位置する切替部品をさらに含み、前記第1の支持体が前記切替部品と係合する第1のフィーチャを有し、前記第2の支持体が前記切替部品と係合する第2のフィーチャを有し、
前記第2の支持体の空間が前記ゼネバホイールに隣接する状態で、前記プライム部材が連続的に回転することによって、前記第1の支持体のみを前記第1のフィーチャが前記切替部品に係合するまで回転させ、次いで前記切替部品を前記第2のフィーチャに係合するように動かし、前記第2の支持体を、前記第2の支持体の空間が前記ゼネバホイールに隣接しない位置まで回転し、次いで前記第1の支持体の空間が前記ゼネバホイールに隣接し、前記プライム部材が連続的に回転することによって、前記第2の支持体のみ回転させる、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記プライム部材が、前記第2の支持体を前記第2の支持体の空間が前記ゼネバホイールに隣接する位置付近まで戻すように回転するとき、前記第2のフィーチャが前記切替部品と係合せず、プライム部材が連続的に回転することによってどちらの支持体も回転しないように切替部品が配置されている、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスであって、
中心軸周りで回転可能であり、それぞれのポケットが中に形成され中心軸を中心にして第1および第2の円形アレイに配置された空洞部を有する、それぞれの第1および第2のキャリアを支持するための第1および第2の支持体と、
前記第1と第2の支持体の間にあり、前記第1の支持体が前記切替部品と係合する第1のフィーチャを有し、前記第2の支持体が前記切替部品と係合する第2のフィーチャを有する切替部品と、
前記第1および第2の支持体をそれぞれ回転するように配置されたインデックス機構とを含み、
前記インデックス機構が、前記第1の支持体を前記第1のフィーチャが前記切替部品に係合するまで回転させ、次いで前記第1の支持体が前記切替部品を動かし、次いで前記切替部品が、前記インデックス機構が前記第2の支持体をそこから回転するように配置される位置まで、前記第2の支持体を回転するように、前記第2のフィーチャに係合するよう配置されるデバイス。
【請求項29】
前記切替部品が、前記インデックス機構によって前記第2の支持体が回転されない位置から前記第2の支持体を回転し、前記第1の支持体が前記切替部品を動かすとき、前記第1の支持体が、前記インデックス機構によって前記第1の支持体が回転されない位置まで動く、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記第2の支持体が、前記インデックス機構によって前記第2の支持体が回転されない位置へと戻るように回転するとき、前記インデックス機構の連続的操作によってどちらの支持体も回転されない、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記切替部品が、前記第1および第2の支持体の間で前記第1および第2の支持体によって自由支持される、請求項26から30のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項32】
各支持体がギア歯の円周アレイを含み、前記インデックス機構は、前記支持体およびキャリアを選択的に動かすように前記ギア歯に係合可能である、請求項1から21、および28から31のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項33】
前記インデックス機構が、中心軸周りで回転するために取り付けられたプライム部材と、
前記支持体のプライム部材および前記ギア歯と相互作用するために前記中央軸からずらした軸上に回転可能に取り付けられた好ましくはゼネバホイールである間欠動作機構とを含み、前記プライム部材が第1の位置から第2の位置に回転することによって、少なくとも1つの支持体が所定の角度だけ回転し、前記プライム部材が前記第2の位置から前記第1の位置に戻るように回転することによって、少なくとも1つの支持体が回転しないようになる、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
第1の表示面にユニットカウントの表示を有し、カウンタ軸周りで回転可能である第1のカウンタリングと、
第2の表示面に10カウントの表示を有し、カウンタ軸周りで回転可能である第2のカウンタリングと、
前記第2のカウンタリングを前記第1のカウンタリングから駆動し、前記第1のカウンタリングが2つの所定の連続するユニットカウント間で回転するとき、前記第2のカウンタリングを連続する10カウント間で回転させるための、好ましくはゼネバ機構である間欠動作機構とをさらに含む、請求項11から33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項35】
前記第1のカウンタリングが前記第1の支持体の回転によって駆動される、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記カウンタ軸が前記第1の支持体と同軸である、請求項34または35に記載のデバイス。
【請求項37】
個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスであって、
前記キャリアをそれぞれのポケットの間にインデックスするためのインデックス機構と、
第1の表示面にユニットカウントの表示を含み、前記カウンタ軸周りで回転可能である第1のカウンタリングと、
第2の表示面に10カウントの表示を含み、前記カウンタ軸周りで回転可能である第2のカウンタリングと、
前記第1のカウンタリングから前記第2のカウンタリングを駆動し、第2のカウンタリングを連続する10カウントの間で回転させ、前記第1のカウンタリングが2つの所定の連続するユニットカウントの間で回転するとき、前記第1のカウンタリングが前記インデックス機構とともに駆動される間欠動作機構とを含むデバイス。
【請求項38】
前記間欠動作機構がゼネバ機構である、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記第2のカウンタリングが前記第1のカウンタリング内に配置され、前記第1のカウンタリングが、前記カウンタ軸からオフセットされた軸周りで回転可能なゼネバホイールに係合するためのピンを含み、前記第2のカウンタリングが、前記ゼネバホイールによって係合可能なフィーチャを含む、請求項38に記載のデバイス。
【請求項40】
前記第1および第2のカウンタリングが、一方が他方の内部に配置され、前記第1および第2の表示が互いに隣接している、請求項34から39のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項41】
個別の粉末用量をキャリアのそれぞれのポケットから投与するためのデバイスであって、
前記キャリアをそれぞれのポケットの間にインデックスするためのインデックス機構と、
第1の表示面にユニットカウントの表示を含み、前記カウンタ軸周りで回転可能である第1のカウンタリングと、
第2の表示面に10カウントの表示を含み、前記カウンタ軸周りで回転可能である第2のカウンタリングと、
前記第1のカウンタリングが2つの所定の連続するユニットカウント間で回転するとき、前記第1のカウンタリングが前記インデックス機構によって駆動され、前記第2のカウンタリングを連続する10カウント間で回転するための機構とを含み、
前記第1および第2のカウンタリングが、一方が他方とともに配置され、前記第1および第2の表示が互いに隣接しているデバイス。
【請求項42】
少なくとも1つのキャリアを収容する、請求項1から41のいずれかに記載のデバイス。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図14d】
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【図14e】
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【図14f】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図15d】
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【図15e】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図16d】
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【図16e】
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【図16f】
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【図16g】
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【図16h】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18】
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【図19a】
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【図19b】
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【図19c】
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【図19d】
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【図20a】
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【図20b】
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【図20c】
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【図20d】
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【図20e】
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【図21a】
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【図21b】
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【公開番号】特開2010−207616(P2010−207616A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121484(P2010−121484)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【分割の表示】特願2006−516478(P2006−516478)の分割
【原出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(597014501)ファイザー・リミテッド (107)
【氏名又は名称原語表記】Pfizer Limited
【住所又は居所原語表記】Ramsgate Road, Sandwich, Kent, England