説明

投与量表示器

投与量計数器が記載される。本投与量計数器は、例えば、医療用吸入器デバイスにおいて使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスペンサーのための投与量計数器、具体的には、相互作動手段を備えた薬剤に対する容器を備える定量吸入器と共に使用するための投与量計数器に関する。
【背景技術】
【0002】
加圧式定量吸入器が1950年代中頃に導入されて以来、吸入は、気管支拡張薬及びステロイドを喘息患者に気道に送達するために広く使用される経路となっている。最も最近では、加圧式吸入器からの吸入は、気管支疾患の治療に本来関係のない他の薬物の投与のために選択される経路となっている。
【0003】
加圧式定量吸入器は、定量分配弁(本明細書でキャニスターとほぼ称される)及び作動装置を備えたエアゾール容器をほぼ備える。作動装置は、キャニスター(典型的には絞り弁の弁ステム)を保持するためのノズルブロック及びマウスピース等のユーザーポート、並びに任意であるが、典型的に使用される、エアゾール容器を収容するための円筒のハウジングをほぼ備える。エアゾール容器は、ほぼ、液化性の噴射剤及び薬剤、並びに所望される及び/又は必要とされる場合、界面活性剤又は溶媒等の1以上の賦形剤を備える、加圧式エアゾール製剤を含有する。薬剤は、分散の形態又はエアゾール製剤中の溶液としての形態であってもよい。定量分配弁は、ほぼエアゾール製剤の定量を投与するための、容器に対して内部に動かされる弁ステムを備える。キャニスターは、作動装置中に挿入され、弁ステムが作動装置のノズルブロックを係合させる。使用中、患者は、唇をマウスピースの周りに置き、エアゾール容器の底部を押すと、容器が弁ステムに対して動いて、マウスピースを通して薬剤投与量を噴射することになる。
【0004】
かかる既知の吸入器の使用から生じる不都合のうちの1つは、患者が、任意の所定の時点での容器中の薬剤の量を容易に判断できないということである。極端な場合、これは、薬剤投与を必要とする患者が、その内容物がすでに使い果たされているために吸入器が投与量を投与しないことを見出すかもしれないことを意味し得る。
【0005】
定量吸入器、具体的には、例えば、独国特許第10 2006 049 614号(RPC Formatec GmbH)、国際公開第2000/59806号(Allsopら)、国際公開第1998/56444号(Randら)、米国特許第5,349,945号(Wassら)、米国特許第5,871,007号(Clark)、国際公開第1999/36115号(Blackerら)、国際公開第1999/57019号(Grychowskiら)、国際公開第2004/041334号(Bang & Olufsen)、国際公開第2005/060535号(Purkinsら)、国際公開第2007/124406号(Stuartら)、国際公開第06/062450号(Horlines)、及び国際公開第1993/024167号(Holroyd)に記載される投与量計数器を含む、加圧式定量吸入器と共に使用するための投与量計数器について、多くの提案がなされている。エアゾール容器の底部上に装着されるものもあり(例えば、国際公開第1999/57019号)、エアゾール容器のフェルール上に装着されるものもあり(例えば、国際公開第1998/56444号)、またノズルブロックの近く及び又は周囲の空間のエアゾール容器の下の作動装置の内部内に保持されるものもある(例えば、国際公開第2007/124406号及び国際公開第2005/060535号)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ノズルブロックの近く及び/又は周囲の空間におけるエアゾール容器の下の作動装置の内部内に保持された、投与量計数器のタイプの組み込みは、ユーザー(該ユーザーはしばしば、いかなる変化についてもかなり保守的であり、不安を感じる)の視点から見て、投与量表示の提供以外にも、かかる投与量計数器の使用が、いかなる変更も伴わずに吸入器の提供を可能にし得るという点で、ほぼ有利である。更に、作動装置の内部内に保持された投与量計数器は、投与量計数器の寸法が、ノズルブロックの近く及び/又は周囲のエアゾール容器の下の空間に完全に位置するのに十分な程小さい場合、形態又は寸法におけるいかなる変化も伴わずに吸入器の提供を可能にし得る。前述の空間に嵌合するのに十分な程小さい高計数投与量計数器(200を超える数を計数することができる計数器)を提供し、同時に、一般ユーザーにとって読みやすい表示を有し、望ましく頑強である投与量計数器を提供することは困難であることが見出されている。
【0007】
したがって本発明の一態様は、吸入器と共に使用するための投与量計数器であって、薬剤の投与量を投与するための相互作動手段を備えた薬剤に対する容器を備え、前記相互作動手段が、第1の軸線に沿って動作し、投与量計数器が、
第2の軸線の周りを回転可能な表示器部材であって、1以上の投与量が投与されるとき所定の計計数表示動作を経るように構成及び配列され、第2の軸線が、前記第1の軸線に対して鈍角に配置される、表示器部材と、ウォーム軸線の周りを回転可能なウォームであって、表示器部材を駆動するように構成及び配列され、ウォーム軸線と第2の軸線とが、交差せず、かつ、互いに対して垂直の配列に配置されない、ウォームと、を備える。
【0008】
表示器部材がウォームによって駆動される場所であり、その軸線が表示器部材の回転の軸線に対して垂直でない、第1の軸線(作動の軸線)対して表示器部材を鈍角に構成及び整列することによって、200を超える投与量の使用を計数し、表示することができ、同時に、例えば、製造において及び/又は効果的な使用において、望ましく頑強であり得る、望ましく少量の投与量計数器を提供し得ることが見出されている。
【0009】
空間の使用を更に最小化するために、具体的には、第1の軸線に沿った投与量計数器の全体的な長さを最小化するために、好ましくはウォーム軸線及び第1の軸線は、同軸でない。最小限の空間において、効果的/効率的な投与量計数作動をなおも更に促進するために、ほぼ、ウォーム軸線が第1の軸線に対して180度の角度(「厳密に平行の整列」)〜160度の角度に配置されるように、より好ましくはウォーム軸線が第1の軸線に対して平行の整列にあるように、計数器を配列することが望ましい。ウォーム軸線が第1の軸線に対して平行の整列にあるような実施形態では、第1及び第2の軸線は、互いに対して鈍角に配置されるため、第2の軸線もまた、ウォーム軸線に対して鈍角に配置される。
【0010】
望ましくは第1及び第2の軸線は、交差する。望ましくは第1の軸線及びウォーム軸線は、交差しない。
【0011】
小型の寸法及び/又は頑強性の提供をなおも更に促進するために、第1及び第2の軸線は、好ましくは互いに対して145度以下、より好ましくは互いに対して135度以下、更により好ましくは互いに対して125度以下、最も好ましくは互いに対して120度以下の鈍角に配置される。第1及び第2の軸線は、好ましくは互いに対して95度以上、より好ましくは互いに対して100度以上、更により好ましくは互いに対して105度以上、最も好ましくは互いに対して110度以上の鈍角に配置される。
【0012】
好ましくは表示器部材は、ウォームとの相互作用のための領域を備え、表示器部材のこの領域及びウォームは、望ましくは、表示器部材の領域の少なくとも1つの部分がウォームのねじ山の少なくとも1つの部分とかみ合うように構成及び配列される。表示器部材のこの領域を、ウォームホイールと同様に構成及び整列することが有利であることが見出されている。かかるウォームホイールは、表示器部材に固着された若しくは表示器部材に間接的に結合された別個の構成要素であり得るか、又はかかるウォームホイールは、表示器部材と統合され得る。
【0013】
ウォームによる、表示器部材の効果的及び効率的な駆動を更に促進するために、ウォーム軸線と第2の軸線との間の角度に対して、ウォームフライト(ねじ山)のウォーム軸線から外縁までのウォームの断面の半径は、好ましくはほぼウォーム軸線に沿って増加する。ウォームシャフトの断面の直径は、好ましくはウォーム軸線に沿ってほぼ増加し得、及び/又はウォーム軸線に対して垂直のウォームねじ山の断面の幅は、好ましくはほぼウォーム軸線に沿って増加し得る。
【0014】
本発明の更なる態様は、ディスペンサーと共に又はディスペンサーの一部として使用するための作動装置を含み、前記作動装置は、本明細書に記載される投与量計数器を備える。好ましくは投与量計数器は、作動装置の内部内に装着される。
【0015】
本発明の他の態様は、本明細書に記載される投与量計数器を含むディスペンサー及び本明細書に記載される作動装置を含むディスペンサーを含む。好ましくはかかるディスペンサーは、定量ディスペンサー、より好ましくは定量吸入器、及び最も好ましくは加圧式定量吸入器であり得る。
【0016】
具体的には、圧力調整された定量吸入器の好ましい実施形態は、本明細書に記載される投与量計数器を備え、望ましくは投与量計数器は、使用中、投与量計数器がエアゾール容器(又は該容器及び絞り弁を含むキャニスター)の下に及び/又は作動装置のノズルブロックの周囲にほぼ位置付けられるように、作動装置の内部内に装着される。
【0017】
他の好ましい実施形態は、従属請求の範囲から明白となるであろう。
【0018】
本発明の上述の「課題を解決するための手段」は、本発明の開示される各実施形態又は全ての実施を記載することを目的としていない。以下の説明により、例示的な実施形態をより具体的には例示する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
例としてのみであるが、本発明の実施形態は、ここから添付図面を参照して説明されることになる。
【図1】例示的な圧力調整された定量吸入器を通じる垂直の断面図の概略の及び一部の図。
【図2】本発明に従った例示的な投与量計数器の斜視図。
【図3】本発明に従った例示的な投与量計数器の分解図(図3に例証される投与量計数器は、ハウジングにおいて窓が提供されず、計数器のハウジングが透明であるという点で、図2に例証される実施形態とは異なる)。
【図4】異なる角度から見た、図3に例証される投与量計数器の別の分解図。
【図5a】それぞれ表示器部材を伴わない及び表示器部材を伴う、図3に例証される投与量計数器の上からの切欠図。
【図5b】それぞれ表示器部材を伴わない及び表示器部材を伴う、図3に例証される投与量計数器の上からの切欠図。
【図6a】第1の軸線及びウォーム軸線(図6a)、並びに第1及び第2の軸線(図6b)を示す、図3に例証される投与量計数器を通じる、部分的な垂直の断面図。
【図6b】第1の軸線及びウォーム軸線(図6a)、並びに第1及び第2の軸線(図6b)を示す、図3に例証される投与量計数器を通じる、部分的な垂直の断面図。
【図7a】基礎的な動作、並びにウォームの構成及び配列、及びウォームの転の選択された角度での表示器部材を例証する、図3に例証される投与量計数器を通す、部分的な垂直の断面図。
【図7b】基礎的な動作、並びにウォームの構成及び配列、及びウォームの転の選択された角度での表示器部材を例証する、図3に例証される投与量計数器を通す、部分的な垂直の断面図。
【図7c】基礎的な動作、並びにウォームの構成及び配列、及びウォームの転の選択された角度での表示器部材を例証する、図3に例証される投与量計数器を通す、部分的な垂直の断面図。
【図7d】基礎的な動作、並びにウォームの構成及び配列、及びウォームの転の選択された角度での表示器部材を例証する、図3に例証される投与量計数器を通す、部分的な垂直の断面図。
【図7e】基礎的な動作、並びにウォームの構成及び配列、及びウォームの転の選択された角度での表示器部材を例証する、図3に例証される投与量計数器を通す、部分的な垂直の断面図。
【図7f】基礎的な動作、並びにウォームの構成及び配列、及びウォームの転の選択された角度での表示器部材を例証する、図3に例証される投与量計数器を通す、部分的な垂直の断面図。
【図7g】基礎的な動作、並びにウォームの構成及び配列、及びウォームの転の選択された角度での表示器部材を例証する、図3に例証される投与量計数器を通す、部分的な垂直の断面図。
【図8】図3に例証される投与量計数器のハウジングの下部の内側。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、本明細書に記載される発明の具体的な、好適な、望ましい、好都合な、有利な、及び好ましい態様の全ての組み合わせを含むことを理解されたい。
【0021】
本発明のよりよい理解のために、実例的で例示的な圧力調整された定量吸入器が最初に記載されるであろう。図1は、例示的な圧力調整された定量吸入器(5)を通じる垂直の断面図の略図を提供する。例証される加圧式定量吸入器(5)は、次の構成要素を備える:キャニスター(15)、作動装置(20)、及び投与量計数器(200)。投与量計数器は、その外部輪郭が外形線形態である図表で示されるのみであり、有利にそれは本発明に従った投与量計数器であり、具体的には図2に例証される例示的な投与量計数器又は代替的に図3に例証される投与量計数器である(双方とも下に詳細に考察される)。キャニスター(15)は、フェルール(18)を介して止着された絞り弁(17)を備えたエアゾール容器(16)を含む。絞り弁(17)は、とりわけ弁ステム(19)、ほぼ、計量室、及びバネ(24)を定める弁本体(23)を含む。絞り弁(17)はまた、ボトル空けとしての機能を果たす及び/又はプレ計量室を定める、外部弁本体(25)を含み得る。実例には示されないが、容器(16)は、典型的には、ほぼ、少なくとも1つの活性剤(少なくとも1つの薬剤等)及び液化性の噴射剤(例えば、HFA 134a及び/又はHFA 227)、並びに任意に1以上の賦形剤を備えるエアゾール製剤を含有する。作動装置(20)及びキャニスター(15)は、弁ステム(19)が作動装置内に提供されるノズルブロック(21)と係合し、その結果、したがってキャニスターが作動装置に保持されるように配列される。使用中(エアゾール容器が実際に薬剤エアゾール製剤を含有するとき)、ユーザーは、容器(16)を押下げることによってマウスピース(22)を介して薬の単投与量を投与するために、圧力調整された定量吸入器(5)を作動させる。ユーザーがそれを押下げるとき(したがって弁バネ(24)を圧縮する)、弁ステム(19)がノズルブロックによって固定状態で維持され、容器(16)が下向きに移動するという事実に起因して、絞り弁ステムと容器との間に相対的な相互動作が存在する。この作動(外向き)行程に対して、一旦、容器が十分に下向きに移動すると、弁ステム(19)の内溝(26)が内部ガスケット封(28)を通過し、その結果、計量室が密閉され、一旦、容器が更に十分に下向きに移動すると、弁ステム(19)の外部分の開口部(27)は、外部ガスケット(29)を通過して計量室に入り、その結果、絞り弁は、薬剤含有製剤の定量を噴射する(投与する)ことになる(すなわち計量室内のその量の製剤)。作動後、一旦、ユーザーが容器を解放すると、その帰還行程にある容器は、弁ステムに対して上向きに(弁バネの拡張の力の下で)移動してその静止位置に戻ることになる。絞り弁とエアゾール容器との間の相互動作の長手方向軸線は、「A」と標識化される(すなわち第1の軸線、及び時には作動軸線とも称される)。例証されるように、投与量計数器(200)は、ノズルブロック(21)の近く及び周囲の容器の下にほぼ位置付けられる、作動装置(20)の内部内に装着される。図1に示すように、投与量計数器が、作動装置後壁(31)における窓(30)を通じて表示を見ることができる、表示の視覚化を可能にする窓(215)を提供してもよい。代替的に、投与量計数器は、投与量計数器における窓を提供する必要を必ずしも伴わずに表示の視覚化を可能にする透明ハウジングを提供してもよい。一旦、装着された投与量計数器は、投与量計数器が吸入器のユーザーによって除去されなくてもよいように、キャニスター(15)が除去されるときでさえも、望ましくは作動装置内の位置に留まる。
【0022】
本明細書に記載される投与量計数器はまた、エアゾール容器及びディップチューブを取り付けた絞り弁を含むキャニスターと共に使用するための作動装置に関連して使用されてもよい(例えば、経鼻作動装置)。具体的には、かかる作動装置及びキャニスターに関連して、望ましくは投与量計数器は、使用中、投与量計数器が、作動装置のノズルブロックの近く及び/又は周囲の容器の上にほぼ位置付けられるように、作動装置の内部内に装着される。
【0023】
上述のように、本発明は、ディスペンサーに関連して使用するための投与量計数器に関し、具体的には、薬の計量投与のためにディスペンサーと共に使用するための投与量計数器に関する。本明細書の説明及び実例において、上、底、上方、下方、垂直、水平、上向き、下向き、真下、上方、等の配向の参照は、本質的に限定するようには意図されず、読者に視覚的な参照を提供するにすぎない。本明細書に記載される投与量計数器は、任意の配向で、例えば、本明細書に例証される(例えば、図2にあるような)配向で、又は上下逆で、機能するであろう。上に示されるように、本明細書に記載される投与量計数器は、作動装置の内部内に、具体的には投与量計数器が、容器の真下にあるように、装着されてもよい。再び、「真下」という用語は、本質的に限定するようには意図されず、上下逆の配向で、又はかかる反対の配向で動作する場合、投与量計数器は、容器の「上方」にあることが理解されるであろう。
【0024】
図2は、本発明に従った例示的な投与量計数器の斜視図である。図2から理解され得るように、投与量計数器(200)の稼働中の構成要素は、ハウジング(210)内に含有され、蓋(220)によって保持され、そこでは本質的に表示(216)のみが窓(215)を介して可視的である。代替的に、投与量計数器ハウジングの側壁(214)を通して表示が見られ得るように、完全なハウジングが透明な物質により提供されてもよい。かかる例示的な投与量計数器は、図3〜8に例証され、そこではハウジングは、透明な物質で作製され、ハウジングにおいて窓が提供されない。
【0025】
図3及び4は、第1の軸線(A)(作動軸線)の周りのそれらの位置に関連して配向される、投与量計数器(200)の2つの異なる方向からの分解図を表す。蓋(220)及びハウジング(210)の他に、投与量計数器(200)は、表示器部材(270)及びウォーム(300)を備える。投与量計数器が、図1に例証される圧力調整された定量吸入器等の吸入器と組み合わせて使用されるとき、投与量計数器は、表示器部材(270)が後ろへ向き、その結果、作動装置中に提供される窓(30)を通して、表示器部材の単数又は複数の担持表面(272)上に提供される表示(216)が見れるように、作動装置内に装着されてもよい。表示器部材(270)は、1以上の投与量が投与されるとき、所定の計数表示動作を経るように構築及び配列される。表示器部材(270)が第2の軸線(271)の周りを転可能であり、第2の軸線が第1の軸線(A)に対して鈍角に配置されることが認識され得る。後者は、第1及び第2の軸線(A及び271)並びに鈍角(α)を示す、例示的な投与量計数器に通じる、部分的な垂直の断面図を示す図6bで最もよく見られる。(ウォームは、図6bに示されていない。)図5b(上からの表示器部材を示す)と組み合わせて図6b(側面からの表示器部材を示す)を見ると、第2の軸線(271)が第1の軸線(A)と交差していることが認識されるであろう。例証される、例示的な実施形態では、鈍角は、約115度である。
【0026】
上に示されるように、好ましい実施形態では、第1及び第2の軸線は、互いに対して145度以下、具体的には互いに対して135度以下、より具体的には互いに対して125度以下、最も具体的には互いに対して120度以下の鈍角に配置される。第1及び第2の軸線は、好ましくは互いに対して95度以上、より好ましくは互いに対して100度以上、更により好ましくは互いに対して105度以上、最も好ましくは互いに対して110度以上の鈍角に配置される。上に示されるように、望ましくは第1及び第2の軸線は、交差する。
【0027】
上に示されるように、表示器部材は、望ましくは、表示器部材が、例えば、容器中に含有されている投与量の数若しくは薬剤の量、及び/又は容器から投与される投与量の数若しくは薬剤の量、及び/又は前器から投与され得る薬剤が前記容器中に依然として含有されていること、及び/又は容器が空である若しくは空であると考えられること、を表示するための単数又は複数の表示支持表面を備える。表示は、表示器部材の周囲の、値が増加するか、又は値が減少するかのいずれかの連続番号の形態であってもよい。あるいは、又は更に、所望される場合、表示は、色であってもよい。例えば、色の変化、例えば緑色から赤色への変化を使用して、薬剤容器中に残っている薬剤の相対的レベルを表示してもよい。かかる場合、薬剤状態の表示は、十分であるが、投与量計数器は、依然として、投与された各投与量を計数することがほぼ必要とされる。他の表示は、当業者に既知となろう。単数又は複数の表示提供のための相対的に大きい面積の提供を好都合に可能にし、したがって見ることの容易さを促進するために、表示器部材の単数又は複数の表示支持表面は、望ましくは第2の軸線に対して円錐又は円錐台の表面である。
【0028】
例証される例示的な実施形態では、表示器部材(270)は、200から20ずつゼロまで減少する数字の形態で、外側円錐台の表示担持表面(272)の周りに配置された、一連の表示(216)を有する(例えば、図4を参照されたい)。円錐台の表示担持表面(272)は、表示(216)を担持する表面の部分が作動装置の窓(30)を通して可視的であるように配列され(図1参照)、表示が真正面で見ることができるように、垂直に配向される。
【0029】
図3及び4を参照すると、ウォーム(300)が典型的にはウォームねじ山(304)及び中央シャフト(301)を含むことが見られ得る。ウォームは、下でより詳細に考察されるように、表示器部材(270)を駆動するように構成及び配列される。ウォームは、図3で「W」と標識化された、ウォーム軸線の周りを回転可能である。ハウジング(210)の内側を示す図8を参照すると、例証される実施形態では、ウォームのブラインド中央穴(302)(例えば、図4で可視的である)は、ウォームがその垂直の軸線(W)の周りを自由に回転できるように、ハウジング(210)の底面から延びる垂直の柱(219)を係合させる。図6aは、ウォームが、ハウジングの下の区分(229)から延びる柱(219)上のハウジング内に装着される様態を示す。投与量計数器を通じる部分的な垂直の断面図を提供する図6a及び6bを参照すると(図6aはウォームを伴うが、表示器部材を伴わず、図6bはウォームを伴わないが、表示器部材を伴う)、ウォーム軸線(W)及び第2の軸線(271)が互いに対して垂直の整列に配置されていないことが見られ得る。上からの切欠図を提供する図5bを参照すると、ウォーム軸線(W)及び第2の軸線(271)が交差していないことが見られ得る。
【0030】
ほぼ、ウォーム及び第2の軸線は、ウォームが表示器部材を駆動するように配列されるため、同軸でない。ウォーム及び第2の軸線が平行であり得る一方で、望ましい機能性及び空間の最適な使用のために、望ましくはそれらは互いに対して平行でない。
【0031】
上述のように、好ましくはウォーム軸線及び第1の軸線は、同軸でない。ウォーム軸線は、第1の軸線と交差しないことが所望される。
【0032】
ウォーム軸線が、第1の軸線に対して180度の角度(「厳密に平行の整列」)〜160度(を含む)の角度に配置されるように、計数器を配列することが好都合である。(例えば、設計、組立、及び製造、並びに動作における、強化された簡便性に起因して)ウォーム軸線を第1の軸線に対して平行の整列に配置することがより好都合である。かかるより好ましい実施形態に関連して、例えば、製造及び組立における許容度のため、稼動中の、大量生産された投与量計数器におけるウォーム軸線は、第1の軸線に対して厳密に平行の整列(「本質的に平行の整列」)からプラス又はマイナス3度で配置されてもよいことを理解されたく、したがってこの理由のために、「ウォーム軸線は第1の軸線に対して平行の整列に配置される」という一般的な句は、「厳密に平行の」並びに「本質的に平行の」整列を含むことが理解されよう。
【0033】
例証される例示的な実施形態では、ウォーム軸線(W)は、第1の軸線(A)に対して平行であり、それは図3〜6a又は図8のどれでも1つを研究することから理解されるであろう。図8では、垂直の柱(219)がハウジングの中央穴(217)の中央から外れて位置付けられることが見られ得る。
【0034】
望ましくは表示器部材は、ウォームとの相互作用のための領域を備え、表示器部材の領域及びウォームは、表示器部材の領域の少なくとも1つの部分がウォームのねじ山の少なくとも1つの部分とかみ合うように、構成及び配列される。より望ましくは、かかる表示器部材の領域は、ウォームホイールとして構成及び配列される。
【0035】
例証される実施形態を参照すると(例えば、図3及び5bを参照されたい)、表示器部材(270)の内部表面(273)、すなわち表示器部材の表示担持表面(272)と反対の表面は、内部表面から外向きに延び、ウォームホイールを形成する円形パターンに配列される、突出した部材(274)を含むことが見られ得る。例証される実施形態では、突出した部材は、面取りされた縁を備える楕円形であるスポーク(274)の形態である。スポークは、望ましくは、ねじ山がそれらの間を通過し、高い方のスポーク(274a)の下面(321a)及び下のスポーク(274b)の上面(322b)を係合させることを可能にするために十分な間隔を空ける(図7e参照)。図7dから理解され得るように、それがウォーム(300)を通り過ぎる通過中に、スポーク(274)の異なる配向を許容するために、及び通過中に、ねじ山及びスポークの異なる部分の相互作用を許容するために、十分な余地を提供することが望ましい。
【0036】
突出した部材は、ウォームのねじ山との係合に好適な任意の形態、例えば、スポーク、リブ、柱、ラグ、ノブ、ピン等の形態であってもよい。投与量計数器の具体的な構成及び配列に依存して、ウォームホイールは、放射状に外向きに延びる突出した部材から形成されてもよいことが理解されよう。ウォームホイールは、表示器部材の統合した構成要素であってもよく(例えば、例示的な投与量計数器に例証されるように)、又は代替的にウォームホイールは、表示器部材に適切に直接的に固着された若しくは間接的に結合された別個の構成要素であってもよい。
【0037】
例証される、例示的な投与量計数器では、ウォーム(300)のねじ山(304)は、ウォーム(300)の上から見たときほぼ上向きに持ち上がり、360度を超えて延びる(1巻よりも大きな巻き数)。ウォームねじ山の垂直の重なりは、巻きの少なくとも短い部分について、2つの突出した部材が同時に係合されるため、表示器部材(270)上の少なくとも1つの突出した部材(274)との永久的な係合を有利に許容する。かかる係合は、表示器部材(270)が独立して回転するのを最小化又は防止すること、及び出発する突出した部材の止着された(依然として係合している)位置付けに起因して、到着する突出した部材の侵入の正確性を強化すること含む、複数の理由のために有利である。
【0038】
したがって、ほぼ、360度を超えて延びる(すなわち、1巻よりも大きな巻き数)、より具体的には365度を超えて延びる、最も具体的には375度を超えて延びる、ウォームねじ山を提供することが有利である。所望される場合、ウォームねじ山は、2巻よりも大きな巻き数を有してもよいが、機能性のために、及び製造の容易性のために、具体的には1巻よりも大きな巻き数を有する一方で、2つ以下の巻きを有することが有利であることが見出されている。
【0039】
ウォーム軸線と第2の軸線との間の角度に対して、ウォームフライトのウォーム軸線から外縁までのウォームの断面の半径は、望ましくはほぼウォーム軸線に沿って増加する。これは、ほぼ、ウォーム軸線に沿ってウォームシャフトの断面の直径を増加させることによって、又は、ほぼウォーム軸線に沿ってウォーム軸線に対して垂直のウォームねじ山の断面の幅を増加させることによって、又は両方によって、達成されてもよい。
【0040】
図7(具体的には図7a、7d、及び7g)を参照すると、例示的な実施形態では、ウォーム軸線(W)に対して垂直のウォームねじ山(304)の断面の幅は、ウォーム軸線に沿ってほぼ増加することが見られ得る。具体的には、外縁(305)は、ウォーム軸線(W)からの垂直距離が、巻きの増加する角度と共に、及びねじ山(304)がウォーム(300)の上に向かって持ち上がるにつれて増加する、軌道を有する。したがってウォーム軸線からウォームフライトの外縁までのウォームの断面の半径は、ほぼウォーム軸線に沿って増加する。これは、表示器部材(270)がウォーム(300)によって駆動されている間、表示器部材(270)上1以上の突出した部材(274)のねじ山(304)の部分とのかみ合わせを促進するが、第2の軸線及びウォーム軸線(271、W)は、互いに対して垂直の整列にない。図7aから理解され得るように、例証される、例示的な実施形態では、第2の軸線は、好ましくはウォーム軸線に対して鈍角(β)に配置される。
【0041】
フライトの外縁の増加の軌道/率は、垂直距離と、弓又は線状であってもよい。ほぼ弓は、表示器部材に伴う突出した部材のより正確な追跡を許容するために有利であるが、実践上は、延びの線状の率もまた、十分な追跡を提供するために好適に正確であることが見出されており、双方とも有利に、ウォームの係合部分/表面と表示器部材との間の過度のクリアランスに起因する表示器部材の望ましくないぐらつきを最小化又は防止する。例証される例示的な投与量計数器では、ほぼウォーム(300)の各々完全な(360度)巻きは、表示器部材(270)の15度の回転を提供する。例証される例示的な投与量計数器では、1つ計数すると、ウォームが約36度回転し、表示器部材を約1.5度駆動する。
【0042】
望ましくはウォームは、投与量が投与される毎に、所定の回転動作を経るように構成及び配列される。かかる回転動作は、1以上の投与量が投与されるとき、その所定の計数表示動作を達成するように、表示器部材を駆動する。表示器部材は、投与量が投与される毎に、所定の計数表示動作を経てもよく、又は代替的に表示器部材は、複数の投与量が投与された後に、例えば5の投与量毎、又は10の投与量毎の後に、所定の計数表示動作を経る。投与量計数器は、望ましくは、相互作動手段(例えば、弁)及び容器の、相互動作と協調したウォームの所定の回転動作を誘導するように構成及び配列される。
【0043】
図2及び3に例証される例示的な投与量計数器は、好ましくは、前述の構成要素に加えて、計数器部材(240)、計数転送部材(250)、索引付け部材(230)、及びバネ(260)を含む。例えば、図3及び4から捉えることができるように、これらの構成要素の全ては、第1の軸線(A)の周りに配向される。例示的な投与量計数器はまた、ウォーム(300)と同軸(ウォーム軸線に沿って(W)回転可能)に提供されるギア(303)を備える。例証される実施形態では、ギア(303)は、ウォーム(300)の中央シャフト(301)の上端部に形成される統合した部分であるが、代替的な実施形態では、ギアは、ウォームと適切に直接的に固着又は間接的に結合された別個の構成要素であってもよい。
【0044】
例証される実施形態では、計数器部材(240)並びに計数転送部材(250)は、望ましくは、投与量が投与される毎に、それぞれ所定の計数又は計数転送動作を経るように構築及び配列される。ほぼ計数部材(240)は、計数転送部材(250)の(回転又は本質的に回転)移動を誘導し、計数転送部材は、ウォーム(300)の回転移動を誘導し、それは次に表示器部材(270)の回転移動を誘導する。
【0045】
計数器部材(240)は、第1に計数転送部材と、第2に蓋上に提供されるラチェット部材と(複数可)、第3に索引付け部材(具体的にはその鋸歯突出部)と、及び第4に再びラチェット部材と(複数可)の相互作用の少なくとも4つの領域を提供される。具体的には、計数器部材は、中央穴(243)を有する中央円筒(242)の周囲に、直立の歯の2つの輪、歯の内部輪(241)、及び歯の外部輪(244)を提供される。歯(244)の外部輪は、蓋(220)の底表面上に提供されるラチェット部材(224)との相互作用及び係合のために配置される。外部歯輪(244)の歯は、相互作用のための2つの領域を備える:1の領域は、垂直の表面(247)(すなわち計数器部材の第2の領域相互作用)であり、もう1つの領域は、傾斜した表面(248)(すなわち計数器部材の相互作用の4つ目の領域)である。歯(241)の内部輪は、例証される実施形態の、索引付け部材の外向き行程中、及び好ましくは索引付け部材帰還行程中にも、索引付け部材(230)(すなわち計数器部材の相互作用の3つ目の領域)上の鋸歯突出部(235)との相互作用及び係合のために配列される。計数器部材(240)の周辺の外辺部(245)は、外向きに延びる、複数の周辺方向に均等に間隔を空けられた突出部(246)を有する。計数器部材の相互作用の第1の領域を表す突出部(246)は、計数転送部材(250)との係合及び相互作用のために配列される。
【0046】
計数転送部材(250)は、環状の底部(253)によって接合された内部(251)及び外部(252)同軸円筒の形態である。複数の担持表面(218)は、ハウジング(210)内の棚(211)上に配置され(図8参照)、その上で計数転送部材が安置し回転する、低摩擦性表面を提供する。計数転送部材(250)の垂直の移動は、とりわけ投与量計数器のハウジング内に保有される様態によって、好ましくは限定又は本質的に防止される。図6aは、計数転送部材(250)がハウジング(210)内に装着される様態を示す。
【0047】
計数器部材及び計数転送部材は、独立して、輪、円筒、円盤、又は円錐を含む、様々な形態で提供されることが理解されよう。2つの部材が入れ子になってもよいこともまた理解されよう。
【0048】
計数転送部材(250)の内部円筒(251)は、それが計数器部材(240)の中央円筒(242)の内側で軸方向に摺動するような直径を有する。外部円筒(252)は、薄い外部円筒形の表面(257)を有する。計数器部材(240)の外部の周辺の外辺部(245)は、計数転送部材(250)の外部円筒(252)の内側表面(254)よりも直径が若干小さく、したがって計数転送部材(250)に対する、計数器部材(240)の軸方向の(垂直の)移動及びハウジング(210)に対する計数器部材の回転移動を可能にする。
【0049】
計数転送部材(250)は、計数器部材(240)との相互作用及び係合のための領域を含む。具体的には数表示部材は、チャネルのどちらかの側面上で内向きに向いたリブ(255)の1対を含む少なくとも1つのチャネル(256)、具体的には4つのチャネルを含む。チャネルは、計数器部材(240)の対応する突出部(246)との係合及び相互作用のために配列される。突出部(246)は、外向きに延び、計数転送部材(250)のチャネル(256)を係合させる。望ましくは、突出部(246)は、すきまをほとんど伴わずにチャネル(256)内に良好に嵌合する。例示的な実施形態ではチャネルは、ほぼ垂直で、第1の軸線(A)に対して平行であり、計数部材の回転又はらせん状の(垂直の及び回転)移動は、ほぼ計数転送部材の回転移動を誘導するであろう。かかる実施形態では、計数部材及び計数転送部材は、ほぼ並行して回転するであろう。他の代替的な実施形態(図示されず)では、チャネルは、傾斜され、すなわち第1の軸線(A)に対して角度をつけられてもよい。我々の同時係属の出願(2009年11月23日に出願された英国出願第09 20499.1号、(Stuart))に詳述されるように、かかる実施形態では、計数部材及び計数転送部材は、常に並行して計数を完了するが、投与量計数器の動作にわたって常に並行して移動するわけではなく、この特徴は、特に一番最初の投与量計数器動作の間に、患者によって直接印加される力を導くことによって(バネの代償を伴わずに)、とりわけ構成要素とハウジングとの間の静摩擦を解放する利益を提供する。
【0050】
計数転送部材(250)は、ウォームとの相互作用(300)のための第2の領域を含む。具体的には、計数転送部材(250)の内部円筒(251)は、その下端部(すなわち環状の底部(253)の下)で、水平及び同軸のギア(280)の中へ延び、それはしたがって第1の軸線(A)の周りを回転可能である(例えば、図4を参照されたい)。本明細書では、ギア(280)は、計数転送部材の統合した部分であるが、代替的な実施形態では、ギアは、計数転送部材に好適に直接的に固着又は間接的に結合された、別個の構成要素である。計数転送部材のギア(280)(「第1のギア」)は、計数転送部材(250)の回転が第1及び第2のギア(280、303)を介してウォームの回転(300)に変換されるように、ウォーム(300)の末端部に同軸上に固着されたギア(303)(「第2のギア」)と相互作用及び係合する。ウォームの回転(300)は次に、ウォームねじ山/フライト及び突出した部材(274)の相互作用及び係合を介して表示器部材(270)を駆動する。
【0051】
図5aは、計数転送部材(この部材はさもなければ示されない)のギア(280)及びウォーム(300)のギア(303)を示すが、表示器部材を示さない、投与量計数器のハウジング(210)の中を垂直に下向きに見た、切欠等角図を示す。第1のギア(280)の歯(324)が、第2のギア(303)の歯(325)を係合させることが見られる。ウォームのねじ山(304)は、可視的である。更に、投与量計数器(200)の第1の軸線(A)及びウォーム(300)のウォーム軸線(W)端面図は、十字になった破線の交点によって示される。ウォームのギア(303)の最上に、組立中にウォームの配向を可能にすることが意図された、シャフトから軸方向に延びる突出した平坦な円筒(327)を有する鍵穴形の凹所(326)が存在することが見られ得る。
【0052】
図5bは、とりわけ、第2のギア(303)の歯(325)を係合させる第1のギア(280)の歯(324)、及び表示器部材(270)の内側表面(273)上の突出した部材(274)のうちの少なくとも1つ(274a)を係合させるウォームねじ山(304)の一部分を示す、投与量計数器のハウジング(210)の中を垂直に下向きに見た、異なる切欠等角図を示す。表示器部材(270)の軸線(271)は、第1の軸線(A)を交差するように示されるが、垂直の平面における2つの軸線の間のこの図の角度は、可視的でない。例証される投与量計数器の動作中、この図に対して、ギア(280)は、時計回りに巻き、ギア(303)は、反時計回りに巻き、表示器部材(270)は、時計回りに巻く。
【0053】
蓋(220)は、中央の円形の穴(221)を有するほぼ環状である。穴は、若干大きめの半径である複数の周辺方向に均等に間隔を空けられた放射状の穴の延長部(222)、及び複数の周辺方向に均等に間隔を空けられた小さい放射状の内向きの突出部(223)を有する。蓋(220)の底表面上の中央穴(221)の周囲には、計数器部材(240)との係合及び相互作用のための2つの領域を備える複数のラチェット部材(224)があり、1つの領域は、垂直の表面(225)であり、もう1つの領域は、傾斜した表面(226)である。蓋(220)の外部の周辺の縁(227)の周囲には、蓋(220)をハウジング(210)に対して正確に配向し止着する手段を提供する複数の突出部(228)が配置される。
【0054】
索引付け部材(230)は、ほぼ、中央穴(231)を有する円筒形のキャップ様の形状である。索引付け部材(230)は、蓋(220)の放射状の穴の延長部(222)を通過するように設計される、複数の周囲の城郭(232)を有する。索引付け部材(230)はまた、蓋(220)の内向きの突出部(223)を収容するように設計される複数の周囲の溝(233)を有する。これらの特徴の混合は、索引付け部材を投与量計数器内に止着しながら、蓋に対する、索引付け部材の軸方向の(垂直の)移動を許容する。索引付け部材(230)の底周辺の縁(234)上には、複数の周辺方向に均等に間隔を空けられた鋸歯突起(235)が、計数器部材(240)上の歯(241)の内部輪との相互作用のために提供される。索引付け部材の上部は、城郭支持壁(237)及びくぼんだ、円筒形の空間を定める周辺の隆起部(236)を含む。
【0055】
付勢手段を提供するバネ(260)は、環状の板バネの形態であり得る。板バネ(260)は、複数のバネ要素(262)を備える環状の輪(261)又は輪の周辺上の放射状の突起からほぼらせん状に(輪と同軸上で)延びる板を有する。板バネ(260)の内部周辺の縁(263)は、板バネ(260)の底表面が計数転送部材(250)の環状の底部(253)の最上面(259)と係合するように、計数転送部材(250)の内部円筒(251)外部表面(258)よりも直径が若干大きい。バネ要素(262)は、それらが計数器部材(240)の底表面と係合するように、板バネ(260)から上向きに付勢される。板バネ(260)は、したがって計数器部材(240)を、計数転送部材(250)の環状の底部(253)から軸方向に離れて、索引付け部材(230)上の鋸歯突起(235)の方へ、及びラチェット部材(224)の方へ、付勢する。したがって歯(244)の外部輪は、ラチェット部材(224)の方へ付勢され、歯(241)の内部輪は、鋸歯突起(235)の方へ付勢される。動作の任意の段階で係合するこれらの歯の対は、索引付け部材(230)及び計数器部材(240)の相対的な回転位置によって決定される。
【0056】
投与量計数器ハウジング(210)は、蓋(220)をハウジング(210)に止着する手段を提供するために、蓋(220)の突出部(228)と係合するための複数個の挟み機能(212)を備える、ほぼ円筒形の本体を有する。2つの前方脚(213)は、投与量計数器(200)の、作動装置の内部表面との係合のために提供される(例えば、図1に例証されるタイプの作動装置)。上述のように、図3に示される実施形態のハウジングの側壁(214)は、透明な物質から作製される。
【0057】
図8は、図3に示される投与量計数器のハウジング(200)の中を見る図を示す。投与量計数器(200)は、表示器部材(270)をハウジング(210)の先細のハウジング区分に挿入することによって組立てられてもよい。ウォーム(300)は、垂直の柱(219)の上に落下される。計数転送部材(250)は、次いで挿入され、ハウジング(210)の棚(211)上に着座される。計数転送部材は、表示器部材(270)の上に位置し、計数器転送輪部材のギア(280)は、ウォーム(300)のギア(303)を係合させる。板バネ(260)、計数器部材(240)、及び索引付け部材(230)は次いで、計数転送部材(250)の上部に順番に組立てられ得、最後に蓋(220)が、索引付け部材(230)の周囲の城郭(232)の周りに嵌合され得る。上述のように、蓋(220)は、突出部(228)及び関連する挟み機能(212)の係合によって、投与量計数器ハウジング(210)と係合させられるスナップ嵌めである。蓋(220)及びハウジング(210)は、圧入接続による等の別の方法で接続されてもよく、又は超音波で若しくは別の方法で溶接されてもよい。
【0058】
図2及び3に例証される例示的な投与量計数器は、具体的に、圧力調整された定量吸入器の作動装置における使用に好適である。図1と組み合わせて図2及び3、具体的には、図1に示される投与量計数器の概説される輪郭形、及び図2に示される対応する輪郭形を参照すると、図2及び3の投与量計数器(200)は、作動装置のノズルブロック(21)の近く及び周囲の容器(16)の真下にほぼ位置付けられる作動装置(20)の内部内に好適に装着されてもよいことが認識されよう。更に、索引付け部材(230)の城郭(232)は、フェルール(18)を包囲してもよいことが認識され得る。フェルールは、城郭支持壁(237)(図2参照)及び周辺の隆起部(236)内に定められた、くぼんだ、円筒形の領域内に位置してもよい。図1からは容易に明白ではないが、投与量計数器(200)の脚(213、1つが図2で可視的)は、作動装置(20)の底床(32)と好適に係合してもよい。
【0059】
図1に示されるような圧力調整された定量吸入器を備える、図2又は3に例証されるような投与量計数器の動作は、下記に、2つの部分で記載される:(1)計数器部材及び計数転送部材の移動、並びに(2)ウォーム及び表示器部材の移動。
【0060】
投与量計数器(200)の安静位で、蓋(220)の底表面上に配置されるラチェット部材(224)の垂直の表面(225)は、計数器部材(240)上の歯(244)の外部輪の垂直の表面(247)と係合させる。また、計数器部材(240)の外部外辺部上の突出部(246)は、計数転送部材(250)の外部円筒(252)の内部側面上のチャネル(256)と係合させる。板バネ(260)は、計数器部材をその最上部の垂直の位置へと更に促す。投与量計数器バネによって提供される付勢と一緒になった前述の領域の係合は、保管及び取扱中に、計数器部材及び計数転送部材が、いかなる回転移動を経ることも防止する。フェルール(18)は、索引付け部材(230)の周辺の隆起部(236)上に安置していてもよく、又はフェルール(18)は、索引付け部材(230)から離れて安置してもよい。索引付け部材の鋸歯突起(235)は、計数器部材(240)の内部輪歯(241)上に安置していてもよい。
【0061】
ユーザーがエアゾール容器(16)を押下げて、吸入器(5)の作動を開始するとき、ノズルブロック(21)の方へのエアゾール容器の下向きの垂直の移動が、フェルール(18)の係合を引き起こし(それがすでにそのようになっていない場合)、次いで索引付け部材(230)の周辺の隆起部(236)を押下げ、したがって索引付け部材の下向きの垂直の移動を引き起こし、それが索引付け部材の外向き行程を開始する。次いで、索引付け部材(230)の鋸歯突起(235)は、係合し(それらがすでにそのようになっていない場合)、計数器部材(240)の内部輪歯(241)を押下げる。相互作用のこれらの領域は、好ましくは対向する角度表面を有するように構成され、力が印加されるとき、鋸歯突起(235)及び内部歯輪(241)が計数器部材(240)に回転を促すように配列される。しかしながら、最初に、ラチェット部材(224)及び外部歯輪(244)(すなわち各々の垂直の表面(それぞれ225及び247))は、依然として係合しており、計数器部材(240)のいかなる回転移動も限定する。故に、印加される力は、索引付け部材(230)が垂直に下向きに移動するように誘導し、索引付け部材は、次に、計数器部材(240)が、板バネ付勢手段要素(260)からの対向する力に逆らって下向きに垂直の又は本質的に垂直の方向に移動するように誘導する。計数器部材(240)が垂直に又は本質的に垂直に下向きに移動するとき、計数器部材突出部(246)もまた、計数転送部材(250)のチャネル(256)内で対応して垂直に下向きに移動する。
【0062】
容器に対するユーザーからの下向きの力が継続するとき、計数器部材(240)は、ラチェット部材(224)が計数器部材(240)から係脱するまで、(本質的に)垂直に下向きに継続して移動することになる。しかしながら、ラチェット部材から係脱する前に、ユーザーが容器に対するその力を軽減する場合、計数器部材(240)は、第1の安静位置に帰還することになり、投与量計数は記録されないことになる。
【0063】
患者が継続してエアゾール容器(16)を押下げる間、索引付け部材(230)及び計数器部材(240)は、計数器部材の外部歯(244)がラチェット部材(224)から係脱するような時まで(具体的には各々の垂直の表面(それぞれ247及び225)が係脱するまで)、継続して下向きに移動する。係脱すると、投与量計数は確定され、従って反転不可能となる。更に、係脱すると、計数器部材は、自由に回転でき、付勢の力の下で回転することになる。適用可能な場合(すなわちユーザーが容器を継続して押下げて、吸入器の作動を完了する場合)、計数器部材はまた、索引付け部材を介して、ユーザーの力の下に、垂直に下向きに継続して移動することになる。上述のように、索引付け部材(230)及び計数器部材(240)の相互作用の領域は、索引付け部材(230)の鋸歯突起(235)及び計数器部材(240)の内部歯輪(241)を含む。領域の角度表面(235及び241)は、例えば、板バネ(260)によって力が印加されるとき、領域が互いの方へ垂直に促されるように構成及び配列され、索引付け部材(230)が回転できないため、鋸歯突起(235)と内部歯輪(241)との間の相互作用は、今度は計数器部材(240)の回転を引き起こす。計数転送部材は、計数器部材の回転移動と本質的に並行して回転する。再び、適用可能な場合、計数器部材は、全体としての移動が本質的にらせん状の移動であるように、垂直に同時に移動してもよいが、計数転送部材の回転移動を誘導するのは、一般的には回転構成要素である。
【0064】
とりわけ工学的許容度に起因して、投与周期及び投与量計数周期の帰還不可の点を同期化させることは通常困難であり、したがって一般的に、投与量計数器に対する帰還不可の点は、通常は過少に計数するよりむしろ過大に計数する傾向があるように、典型的にはディスペンサーのそれよりも早いように意図的に設定される。したがって典型的には投与量計数器に対する帰還不可の点の後に、ユーザーは、吸入器の作動を引き起こすために、典型的には依然として容器に対して幾らかの更なる力を印加する必要がある。
【0065】
患者は、定量が解放されるまで、典型的にはエアゾール容器(16)に対して力を継続して印加することになる。典型的にはこれは、薬剤を解放する前に投与量数が確定されたことを確実にするために、上述の係脱後間もなく発生することになり、故に、投与された投与量を過少に計数するいかなる可能性も最小化する。薬剤が解放された後、ユーザーは、エアゾール容器に対して力を継続して印加してもよく(そしてほとんどの場合はそうする)、したがって索引付け部材(230)の継続した外向き行程を誘導する。この移動は、しかしながら、ほぼ投与量計数器がその計数動作を完了するために必要でない。この移動中、計数器部材(240)は、計数器部材の突出部(246)が計数転送部材(250)のチャネル(256)の底に到達するまで、垂直に下向きに移動することができる。
【0066】
吸入器のユーザーがエアゾール容器(16)に対する圧力を解放するとき、索引付け部材に対する力が解放され、弁フェルール(18)が弁中のバネ(24)によって索引付け部材から離れて上向きに付勢されるため、索引付け部材は、その帰還行程を開始することが可能となる。更に、計数器部材(240)は、板バネ(260)の力の下に、ラチェット部材(224)の方へ垂直に上向きに促され、それによって索引付け部材(230)を垂直に上向きに移動する。計数器部材が継続して垂直に上向きに移動するとき、ラチェット部材(224)の傾斜した表面(226)及び計数器部材(240)の歯(244)の外部輪の傾斜した表面(248)は、係合する。二組の傾斜した表面(226、248)は、計数器部材(240)が、結果的に生じる板バネ(260)の力の下で更なる垂直の上向きの移動を経るように構成及び配列され、固定されたラチェット部材(224)の傾斜した表面上の計数器部材の該傾斜した表面の係合及び摺動は、計数器部材(240)の更なる回転移動を誘導し、それは次に、計数転送部材の更なる回転移動を誘導する。計数器部材の最後の回転移動は、その所定の計数運動の完了を許容する。計数器部材が、垂直の上向きに移動し、回転してその所定の計数運動を完了するとき、索引付け部材は、垂直に上向きに、継続的に移動され、各鋸歯突起(235)は、2組の傾斜した表面(226、248)の間の相互作用の付勢下でそれらが垂直にそれを行うことが可能となったとき、内部の一組の歯(241)の歯上を移動する。索引付け部材(230)、板バネ(260)、及び計数器部材(240)は、計数器部材の各組の歯(241、244)が1つの歯によって増分されている第2の安静位に帰還し、計数転送部材(250)は、1つの計数に対応する増分を回転させた(したがって第1のギア(280)に伴う計数転送部材(250)もまた1つの歯によって増分されている)。
【0067】
ウォーム及び表示器部材の動作は、上述の動作、具体的には第1及び第2のギア(280、303)を介した計数転送部材の回転に連結される。
【0068】
投与量計数器(200)の、索引付け部材(230)、計数器部材(240)、及びバネ(260)の動作は、回転増分の計数転送部材(250)を駆動し、それは上から見たとき時計回りの方向である。計数転送部材(250)の第1のギア(280)は、典型的には、20個の歯を有し(例えば、図5a又はbを参照されたい)、結果的にそれは20計数後、各歯が1投与量の数に相当する完全な回転を引き起こす(時計回りに)。第2のウォーム(300)のギア(303)は、典型的には10個の歯(例えば、図5a又はbを参照されたい)を有し、結果的にそれは10計数後、各歯が1投与量の数に相当する完全な回転を引き起こす(反時計回りに)。第1のギアの第2のギアとのギア比は、したがって2対1である(20対10個の歯)。各例証される例示的な投与量計数器のウォームは、1計数毎に36度移動し、表示器部材を約1.5度回転させる。ウォームの回転の表示器部材の回転とのギア比はしたがって24対1である(36度〜1.5度)。図5に示される配向に対して、ウォームは、反時計回りに巻き、表示器部材は、時計回りに巻く。
【0069】
図7aは、計数前の第1の安静位の表示であり、図7bは、1つの単回計数後の第2の安静位の表示であり、すなわちウォームが表示器部材を約1.5度回転させる場所である。表示器部材の移動を追跡する際の容易性のために、「274a」と標識化される突出した部材は、陰影をつけられる。図7aでは、ねじ山(304)の上部終端末端部(307)(の垂直の面)が見られ得(右に)、この末端近くの部分は、表示器部材の突出した部材(274z)と係合させられる。例証される例示的な実施形態では、ねじ山は、望ましくは約367°巻き、ねじ山のもう1つの下部の終端末端部(306)の近くのねじ山の部分は、上部終端末端部(307)の近くの部分によって係合させられる突出した部材(274z)に続いて、突出した部材(274a)と係合させられる。
【0070】
第1及び第2のギアがウォームに1計数につき36度の回転を引き起こした後、図7a及び7bから、ねじ山の上部/末端部(307)が示される平面から出て(紙面の後方から出て)動き、突出した部材274zを係脱させている一方で、下部ねじ山の回転移動が、続く突出した部材(274a)を上向きに押し、表示器部材の1.5度の回転を引き起こしていることが理解され得る。図3のねじ山の実例にほぼ示されるように、突出した部材を備えるねじ山の一部分の最初の係合を容易にするために、ねじ山の底(導入)末端部の垂直の面の最上の面取りの形態で、何らかの導入部を提供することが望ましい可能性がある。
【0071】
図7cは、ウォームが90度(2と3との計数の間)、図7dは、180度(5計数)、図7eは、270度(7と8との計数の間)、図7fは、350度(ほぼ10計数)、図7gは、360度(10計数)回転した位置を例証する。
【0072】
上述のように、第2の軸線及びウォーム軸線は、互いに対して垂直の整列にない。第2の軸線は、好ましくはウォーム軸線に対して鈍角に配置されてもよく、より好ましくは互いに対して95度以上、更により好ましくは互いに対して100度以上、なおも更により好ましくは互いに対して105度以上、最も好ましくは互いに対して110度以上の鈍角に配置される。ほぼウォーム及び表示器部材の動作的係合における容易性のために、第2の軸線及びウォーム軸線は、好ましくは互いに対して145度以下、より好ましくは互いに対して135度以下、更により好ましくは互いに対して125度以下、最も好ましくは互いに対して120度以下の鈍角に配置される。
【0073】
ウォームと第2の軸線との間の角度に対して、ウォーム軸線からウォームフライトの外縁までのウォームの断面の半径がウォーム軸線に沿ってほぼ増加するウォームを提供することは有利であることが見出されている。これはとりわけ、ウォームのねじ山の部分を備える表示器部材上の1以上の突出した部材のかみ合わせを促進し、ほぼウォーム軸線と第2の軸線との間の角度が大きいほど、ウォームの前述の断面の半径の増加の勾配が増す。ウォームねじ山が突出した部材(複数可)に対してほぼ接線の(第2の軸線に対して)トルクを提供するように、ウォーム及び/又は表示器部材の突出した部材の、構成及び/又は位置を望ましく配列する(具体的にはそのねじ山)ことは更に有益である。ねじ山と突出した部材(単数又は複数)との間の効率的及び効果的係合を更に促進するために、及び/又はウォームの成形の容易性のために、傾斜の異なる5区分のウォームのねじ山を提供することは有利であることが見出されており、具体的には2つの末端部に接する区分は、ほぼ水平であり、中央のほぼ水平の区分を備える2つのほぼ持ち上がった区分に接続される。
【0074】
ウォーム(300)が90度(図7c)まで回転するとき、ねじ山の持ち上がった区分は、突出した部材(274a)を上向きに担持し、それがその柱(219)上で回転するとき負荷を取る。5計数後、ウォーム(300)が図7aの位置から図7dに示される位置まで180度回転し、それが突出した部材(274a)をその水平端まで動かしており(すなわち図5bの左側の端位置まで)、その場所で、突出した部材は、今度はねじ山の中央のほぼ水平の部分によって担持される。ウォーム(300)が図7eに示される位置まで270度回転した後、第2の持ち上がった区分によって担持されている突出した部材(274a)は、更に上向きに駆動されおり、表示器部材は、7と8との計数の間の半ばに相当する11.25度巻いている。ウォーム(300)が、図7fに示される位置まで350度回転した後、突出した部材は、上部のほぼ水平のねじ山部分によって担持される。またこの位置で、ねじ山(304)によって係合させられる1つのみの突出した部材(274a)が存在するが、ウォームが回転の更なる10度を巻いて、回転の360度を完了して(10計数に相当する)、図7gに示される位置に到達するとき、ねじ山の下端部、すなわちその部分は、次に続く突出した部材(274b)を係合させる。前の突出した部材(274a)は、依然としてねじ山の上部末端部の近くの部分によって係合させられる。図7gに示される位置は、表示器部材が15度回転させられており、したがって突出した部材の異なる対が係合させられることを除いて、図7aに示される位置に等しい(274z及び274aの代わりに274a及び274b)。
【0075】
例証される例示的な投与量計数器では、その所定の200計数を超えた、及びゼロを超えて前進する継続した使用による、表示器部材計数を回避するために、表示器部材上の停止機能(275、図4に示される)は、ハウジングの内側上の類似した機能(329、図8に示される)と接触する。類似した停止機能は、国際公開第2007/124406号に記載される。
【0076】
ゼロを超えて前進する投与量計数器の表示器部材を停止するための代替的な機構は、ウォームねじ山の失速又は妨害を伴う。これは、最終駆動された突出した部材の後に、突出した部材(複数可)を有さないこと(例えば、少なくとも次の突出した部材がさもなければそこに存在する場所まで延びるために十分な幅の間隙を提供すこと)、又は代替的に、捕捉されるべきではないが仮にデバイスが継続する場合には捕捉されるであろう、最終駆動された突出した部材と続いての突出した部材との間の間隙よりはむしろ、継続的な表面を有することのいずれかによって、達成することができる。間隙が提供される場合、ウォームフライトは、表示器部材の駆動を止めることになり、ゼロの表示を伴って定置に留まることになるであろう。動力伝達系を更に遡る投与量計数器構成要素は、影響を受けず、作動手段の作動(例えば、弁)は、依然として可能であろう。突出した部材との間の間隙がないか、又は停止機能が使用されるかのいずれかの場合の選択肢のために、ウォームは、表示器部材の中で妨害し、いかなる回転も防止するであろう。これは表示器部材、ウォーム、計数器部材、及び計数転送部材を妨害するのみであり得る一方で、索引付け部材の変換が可能であり得、したがって作動手段の作動(例えば、弁)が依然として可能であろう。
【0077】
投与量計数器の上述の例示的な実施形態は、圧力調整された定量吸入器を参照して説明される。しかしながら、投与量計数器が、相互作動手段、例えば、圧力調整された経鼻定量デバイス、乾燥粉末吸入器、又はポンプスプレーデバイスを有する他の作動装置、ディスペンサー、又は吸入器と共に使用するために適合させられてもよいことは当業者にとって明白となるであろう。
【0078】
投与量計数器は、投与量計数器の強度及び信頼性を最大化しながら、そのコスト及び重量を最小に抑えるために、ほぼプラスチック構成要素から構築される。これに対する最も一般的な例外は、プラスチック又は金属、具体的には鋼鉄又はバネ鋼鉄から形成されてもよい、付勢手段要素である(それは上述のように、バネ、例えば、コイルバネ又は板バネであってもよい)。金属構成要素が使用される場合、腐食及び/又は酸化に耐える金属製物質が望ましくは選択される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器と共に使用するための投与量計数器であって、薬剤の投与量を投与するための相互作動手段を備えた薬剤に対する容器を備え、前記相互作動手段が、第1の軸線に沿って動作し、前記投与量計数器が、
第2の軸線の周りを回転可能な表示器部材であって、1以上の投与量が投与されるとき所定の計数表示動作を経るように構成及び配列され、前記第2の軸線が、前記第1の軸線に対して鈍角に配置される、表示器部材と、
ウォーム軸線の周りを回転可能なウォームであって、前記表示器部材を駆動するように構成及び配列され、前記ウォーム軸線と前記第2の軸線とが、交差せず、かつ、互いに対して垂直の配列に配置されない、ウォームと、
を備える、投与量計数器。
【請求項2】
前記第1及び第2の軸線が、交差し、及び/又は前記第1の軸線及びウォーム軸線が、交差しない、請求項1に記載の投与量計数器。
【請求項3】
前記ウォーム軸線及び前記第1の軸線が、互いに対して同軸配列に配置されない、請求項1又は2に記載の投与量計数器。
【請求項4】
前記ウォーム軸線が、前記第1の軸線に対して180度〜160度の角度に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の投与量計数器。
【請求項5】
前記ウォーム軸線が、前記第1の軸線に対して平行の配列にある、請求項4に記載の投与量計数器。
【請求項6】
前記表示器部材が、前記ウォームとの相互作用のための領域を備え、前記表示器部材の前記領域及び前記ウォームが、前記表示器部材の前記領域の少なくとも1つの部分が前記ウォームのねじ山の少なくとも1つの部分とかみ合うように構成及び配列される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の投与量計数器。
【請求項7】
前記表示器部材の前記領域が、ウォームホイールとして構成及び配列される、請求項6に記載の投与量計数器。
【請求項8】
前記ウォーム軸線と第2の軸線との間の前記角度に対して、前記ウォーム軸線から前記ウォームフライトの外縁までの、前記ウォームの断面の半径が、ほぼ前記ウォーム軸線に沿って増加する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の投与量計数器。
【請求項9】
前記ウォームシャフトの断面の直径が、ほぼ前記ウォーム軸線に沿って増加し、及び/又は前記ウォーム軸線に対して垂直の前記ウォームねじ山の断面の幅が、ほぼ前記ウォーム軸線に沿って増加する、請求項8に記載の投与量計数器。
【請求項10】
前記ウォームねじ山が、1巻よりも大きな巻き数を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の投与量計数器。
【請求項11】
前記ウォームねじ山が、2巻未満の巻き数を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の投与量計数器。
【請求項12】
前記表示器部材が、前記容器中に含有されている投与量の数若しくは薬剤の量、及び/又は前記容器から投与され投与量の数若しくは薬剤の量、及び/又は前記容器から投与され得る薬剤が前記容器中に依然として含有されていること、及び/又は前記容器が空である若しくは空であると考えられること、を表示するための単数又は複数の表示支持表面を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の投与量計数器。
【請求項13】
前記支持表面が、前記第2の軸線に対して円錐又は円錐台の表面である、請求項12に記載の投与量計数器。
【請求項14】
前記第1及び第2の軸線が、互いに対して95度以上、具体的には互いに対して100度以上、より具体的には互いに対して105度以上、最も具体的には互いに対して110度以上の鈍角に配置される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の投与量計数器。
【請求項15】
前記第1及び第2の軸線が、互いに対して145度以下、具体的には互いに対して135度以下、より具体的には互いに対して125度以下、最も具体的には互いに対して120度以下の鈍角に配置される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の投与量計数器。
【請求項16】
前記第2の軸線及びウォーム軸線が、互いに対して95度以上、具体的には互いに対して100度以上、より具体的には互いに対して105度以上、最も具体的には互いに対して110度以上の鈍角に配置される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の投与量計数器。
【請求項17】
前記第2の軸線及びウォーム軸線が、互いに対して145度以下、具体的には互いに対して135度以下、より具体的には互いに対して125度以下、最も具体的には互いに対して120度以下の鈍角に配置される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の投与量計数器。
【請求項18】
ディスペンサーと共に又はディスペンサーの一部として使用するための作動装置であって、請求項1〜17のいずれか一項に記載の投与量計数器を備える、作動装置。
【請求項19】
前記投与量計数器が、前記作動装置の内部内に装着される、請求項18に記載の作動装置。
【請求項20】
前記作動装置が、エアゾール容器及び絞り弁を含むキャニスターと共に使用するための作動装置であり、前記投与量計数器が、使用中、前記投与量計数器が前記作動装置のノズルブロックの近く及び/又は周囲の前記容器の下にほぼ位置付けられるように、前記作動装置の内部内に装着されるか、あるいは前記作動装置が、エアゾール容器及びディップチューブを取り付けた絞り弁を含むキャニスターと共に使用するための作動装置であり、前記投与量計数器が、使用中、前記投与量計数器が前記作動装置のノズルブロックの近く及び/又は周囲の前記容器の上にほぼ位置付けられるように、前記作動装置の内部内に装着される、請求項18又は19に記載の作動装置。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の投与量計数器又は請求項18〜20のいずれか一項に記載の作動装置を備える、ディスペンサー。
【請求項22】
前記ディスペンサーが、定量ディスペンサー、具体的には定量吸入器、より具体的には圧力調整された定量吸入器である、請求項21に記載のディスペンサー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図7c】
image rotate

【図7d】
image rotate

【図7e】
image rotate

【図7f】
image rotate

【図7g】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2013−513431(P2013−513431A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543175(P2012−543175)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/059019
【国際公開番号】WO2011/071788
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)