投写型映像表示装置
【課題】
映像の高輝度化を図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】
投写型映像表示装置100は、調整部230及び光源制御部250を有する。調整部230は、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する。光源制御部250は、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R又は青成分光Bに割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)を制御する。
映像の高輝度化を図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】
投写型映像表示装置100は、調整部230及び光源制御部250を有する。調整部230は、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する。光源制御部250は、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R又は青成分光Bに割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白色光源が発する白色光を複数の色成分光に分離した上で、各色成分光を変調する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、白色光源が発する白色光を3つの色成分光(赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B)に分離する色分離部と、3つの色成分光をそれぞれ変調する3つの光変調素子とを有する投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
一方で、コスト削減を目的として、2つの光変調素子を有する投写型映像表示装置も提案されている。具体的には、色分離部は、白色光から1つの色成分光を分離するとともに、白色光から2つの色成分光の合成光を分離する。2つの色成分光の合成光の光路上には、2つの色成分光のそれぞれを時分割で出射するカラースイッチが設けられる(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、フレーム間の動き量に応じて、単位時間当たりのフレーム数及び1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する技術(サブフレーム数調整)も提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−244203号公報
【特許文献2】特開2010−197785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、投写型映像表示装置では、映像の高輝度化が望まれている。上述したサブフレーム数調整では、階調性を高めるために、1つのフレームを構成するサブフレームの数を増大するに過ぎない。従って、上述したサブフレーム数調整は、映像の高輝度化には寄与しない。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、映像の高輝度化を図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置(投写型映像表示装置100)は、第1色成分光及び第2色成分光を出射する光源(光源ユニット10)と、第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調するとともに、第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調する第1光変調素子(例えば、液晶パネル71RB)とを備える。投写型映像表示装置は、前記光源から出射される光量を制御する光源制御部(光源制御部250)と、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する調整部(調整部230)とを備える。前記サブフレームは、前記第1信号値又は前記第2信号値に応じて映像データを書き込むデータ書き込み期間と、前記第1光変調素子から光が出射される光出射期間とを含む。前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが1つである場合に、前記データ書き込み期間において前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されないように前記光源を制御する。前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられる前記データ書き込み期間において、前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されるように前記光源を制御する。
【0009】
第1の特徴において、前記調整部は、カラーブレイクが生じる度合いが小さいほど、前記1つのフレームを構成するサブフレームの数を増大する。
【0010】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記第1信号値及び前記第2信号値に基づいて前記第1光変調素子を制御する素子制御部(素子制御部240)を備える。前記素子制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームの数の変化に応じて、前記第1信号値及び前記第2信号値を補正する。
【0011】
第1の特徴において、前記調整部は、前記第1信号値及び前記第2信号値に基づいて、前記1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光及び前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームの数を調整する。
【0012】
第1の特徴において、前記投写型映像表示装置が立体画像を表示する場合において、前記調整部は、前記立体映像の観察者の数に応じて、前記1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、互いに異なるサブフレームを前記立体映像の観察者に割り当てる。
【0013】
第1の特徴において、既存の観察者に対して新たな観察者が追加された場合に、前記調整部は、前記既存の観察者に割り当てるサブフレームの数よりも少ない数のサブフレームを前記新たな観察者に割り当てる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、映像の高輝度化を図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係るカラーブレイクを説明するための図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係るカラーブレイクを説明するための図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【図7】図7は、変更例1に係る信号補正を説明するための図である。
【図8】図8は、変更例1に係る信号補正を説明するための図である。
【図9】図9は、変更例2に係るヒストグラムを説明するための図である。
【図10】図10は、変更例2に係るヒストグラムを説明するための図である。
【図11】図11は、変更例2に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【図12】図12は、変更例3に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【図13】図13は、変更例3に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【図14】図14は、変更例3に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0017】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0018】
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、第1色成分光及び第2色成分光を出射する光源と、第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調するとともに、第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調する第1光変調素子(例えば、液晶パネル71RB)とを備える。投写型映像表示装置は、前記光源から出射される光量を制御する光源制御部と、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する調整部とを備える。前記サブフレームは、前記第1信号値又は前記第2信号値に応じて映像データを書き込むデータ書き込み期間と、前記第1光変調素子から光が出射される光出射期間とを含む。前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが1つである場合に、前記データ書き込み期間において前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されないように前記光源を制御する。前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられる前記データ書き込み期間において、前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されるように前記光源を制御する。
【0019】
実施形態では、調整部は、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する。
【0020】
光源制御部は、光源制御部は、サブフレームの数が調整された結果、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、第1色成分光又は第2色成分光に割り当てられるサブフレームが1つである場合に、データ書き込み期間において第1色成分光又は第2色成分光が第1光変調素子から出射されないように光源を制御する。
【0021】
光源制御部は、サブフレームの数が調整された結果、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、第1色成分光又は第2色成分光に割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、第1色成分光又は第2色成分光が第1光変調素子から出射されるように光源を制御する。従って、映像の高輝度化を適切に図ることができる。
【0022】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0023】
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、複数の光源ユニット10と、ダイクロイックキューブ20と、ロッドインテグレータ30と、色分離部40と、複数のミラー50(ミラー51及びミラー52)とを有する。投写型映像表示装置100は、1対の液晶パネル71(液晶パネル71G、液晶パネル71RB)と、1対の入射側偏光板72(入射側偏光板72G、入射側偏光板72RB)と、1対の出射側偏光板73(出射側偏光板73G、出射側偏光板73RB)とを有する。投写型映像表示装置100は、合成部80と、投写レンズユニット90とを有する。なお、投写型映像表示装置100は、必要なレンズ群(レンズ111、レンズ112、レンズ113)を有する。
【0024】
複数の光源ユニット10は、光源ユニット10R、光源ユニット10G及び光源ユニット10Bである。各光源ユニット10は、複数の固体光源によって構成されたユニットである。固体光源は、例えば、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)である。なお、光源ユニット10Rは、赤成分光Rを発する複数の固体光源によって構成される。光源ユニット10Gは、緑成分光Gを発する複数の固体光源によって構成される。光源ユニット10Bは、青成分光Bを発する複数の固体光源によって構成される。
【0025】
ダイクロイックキューブ20は、光源ユニット10R、光源ユニット10G及び光源ユニット10Bから出射される光を合成する色合成部を構成する。ダイクロイックキューブ20から出射された合成光(映像光)は、ロッドインテグレータ30に導かれる。
【0026】
ロッドインテグレータ30は、ガラスなどの透明部材によって構成される中実のロッドである。ロッドインテグレータ30は、ダイクロイックキューブ20から出射される光を均一化する。なお、ロッドインテグレータ30は、内壁がミラー面によって構成される中空のロッドであってもよい。
【0027】
色分離部40は、ロッドインテグレータ30が出射する白色光を分離する。詳細には、色分離部40は、第3色成分光(ここでは、緑成分光G)を白色光から分離するとともに、第1色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第2色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光を白色光から分離する。
【0028】
ミラー51は、第3色成分光(ここでは、緑成分光G)を液晶パネル71G側に反射する。ミラー52は、第1色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第2色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光を液晶パネル71RB側に反射する。
【0029】
液晶パネル71Gは、緑入力信号Gin(緑出力信号Gout)に基づいて緑成分光Gを変調する。液晶パネル71Gの光入射側には、第1偏光成分を有する光透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72Gが設けられる。一方で、液晶パネル71Gの光出射側には、第1偏光成分を有する透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73Gが設けられる。
【0030】
なお、第1実施形態において、液晶パネル71Gは、第3信号値(ここでは、緑入力信号Gin/緑出力信号Gout)に基づいて、第3色成分光(ここでは、緑成分光G)を変調する第2光変調素子の一例である。
【0031】
液晶パネル71RBは、赤入力信号Rin(赤出力信号Rout)に基づいて赤成分光Rを変調し、青入力信号Bin(青出力信号Bout)に基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル71RBの光入射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72RBが設けられる。一方で、液晶パネル71RBの光出射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73RBが設けられる。
【0032】
ここで、液晶パネル71RBは、赤成分光R及び青成分光Bを時分割で変調する。例えば、1つのフレームが2つのサブフレームによって構成される場合には、液晶パネル71RBは、一方のサブフレームにおいて赤成分光Rを変調し、他方のサブフレームにおいて青成分光Bを変調する。但し、液晶パネル71RBは、同一のサブフレームにおいて、赤成分光R及び青成分光Bを変調してもよい。
【0033】
なお、第1実施形態において、液晶パネル71RBは、第1信号値(ここでは、赤入力信号Rin/赤出力信号Rout)に基づいて、第1色成分光(ここでは、赤成分光R)を変調するとともに、第2信号値(ここでは、青入力信号Bin/青出力信号Bout)に基づいて、第2色成分光(ここでは、青成分光B)を変調する第1光変調素子の一例である。
【0034】
合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光及び液晶パネル71RBから出射される光を合成する。例えば、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するダイクロイックプリズムである。なお、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するダイクロイックミラーであってもよい。
【0035】
或いは、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するPBSプリズムやPBSミラーであってもよい。このようなケースでは、液晶パネル71Gから出射される光の偏光は、液晶パネル71RBから出射される光の偏光と異なることに留意すべきである。
【0036】
投写レンズユニット90は、合成部80から出射される光(映像光)を投写面(不図示)上などに投写する。
【0037】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0038】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する画素毎に入力される信号である。なお、各画素は、赤のサブピクセル、緑のサブピクセル及び青のサブピクセルによって構成される。
【0039】
なお、映像出力信号及び映像出力信号の下限値は、例えば、“0”であり、映像出力信号及び映像出力信号の上限値は、例えば、“255”である。
【0040】
図2に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、判定部220と、調整部230と、素子制御部240と、光源制御部250とを有する。
【0041】
映像信号受付部210は、パーソナルコンピュータ、DVDやTVチューナなどの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。
【0042】
判定部220は、1フレームにおいてカラーブレイクが生じる度合いを判定する。具体的には、判定部220は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binのヒストグラムを作成して、これらのヒストグラムの差異に基づいて、カラーブレイクが生じる度合いを判定する。
【0043】
例えば、判定部220は、以下の手順で、カラーブレイクが生じる度合いを判定する。
【0044】
第1に、判定部220は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binの代表値を特定する。代表値は、最大値、最小値又は平均値である。或いは、代表値は、信号値が大きい順に所定数のサブピクセルを除いた上で、残りサブピクセルが有する信号値の最大値であってもよい。
【0045】
第2に、判定部220は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binの代表値の差分を特定する。詳細には、判定部220は、赤入力信号Rinの代表値と緑入力信号Ginの代表値との差分、赤入力信号Rinの代表値と青入力信号Binの代表値との差分、及び、緑入力信号Ginの代表値と青入力信号Binの代表値との差分を特定する。
【0046】
第3に、判定部220は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binの代表値のいずれかが閾値を超えている場合において、これらの差分の合計値が小さいほど、カラーブレイクが生じる度合いが大きいと判定する。或いは、判定部220は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binの代表値のいずれかが閾値を超えている場合において、これらの差分のうち、最小の差分が小さいほど、カラーブレイクが生じる度合いが大きいと判定する。
【0047】
第1実施形態は、判定部220は、1フレームを構成する複数の領域毎にカラーブレイクが生じる度合いを判定する。また、判定部220は、カラーブレイクが生じる度合いが閾値を超えているか否かを判定する。
【0048】
例えば、第1実施形態において、判定部220は、図3に示す領域1及び領域4のように、白色画像(画像W)が存在する領域について、カラーブレイクが生じると判定する。一方で、判定部220は、図4に示す領域1及び領域4のように、単色画像(画像R及び画像B)が存在する領域について、カラーブレイクが生じないと判定する。
【0049】
調整部230は、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する。調整部230は、カラーブレイクが生じる度合いが小さいほど、1つのフレームを構成するサブフレームの数を増大する。
【0050】
ここで、1つのフレームの長さは、液晶パネル71G及び液晶パネル71RBについて同じでる。サブフレームは、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binに応じて映像データを書き込むデータ書き込み期間と、液晶パネル71G又は液晶パネル71RBから光が出射される光出射期間とを含む。
【0051】
なお、データ書き込み期間は、フレーム間干渉を防ぐために、原則として、液晶パネル71G又は液晶パネル71RBから光が出射されないように光源ユニット10が制御される。但し、以下において説明するように、データ書き込み期間においても、液晶パネル71G又は液晶パネル71RBから光が出射されるように光源ユニット10が制御されることもある。
【0052】
素子制御部240は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル71を制御する。具体的には、素子制御部240は、緑出力信号Goutに基づいて、液晶パネル71Gを制御する。素子制御部240は、赤出力信号Rout及び青出力信号Boutに基づいて、液晶パネル71RBを制御する。
【0053】
光源制御部250は、光源ユニット10を制御する。具体的には、光源制御部250は、1つのフレームを構成するサブフレームの数に基づいて、各液晶パネル71RBから光が出射される期間を制御する。詳細には、光源制御部250は、各光源ユニット10(光源ユニット10R、光源ユニット10G及び光源ユニット10B)から光が出射される期間を制御する。
【0054】
第1実施形態において、光源制御部250は、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R又は青成分光Bに割り当てられるサブフレームが1つである場合に、データ書き込み期間において赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されないように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)を制御する。
【0055】
光源制御部250は、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R又は青成分光Bに割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)を制御する。
【0056】
光源制御部250は、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、緑成分光Gに割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、緑成分光Gが液晶パネル71Gから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10G)を制御する。
【0057】
(発光期間の制御例)
以下において、第1実施形態に係る発光期間の制御例について説明する。図5は、カラーブレイクが生じると判定されたケースを示す図である。図6は、カラーブレイクが生じないと判定されたケースを示す図である。
【0058】
図5及び図6に示すように、1つのフレームの長さは、液晶パネル71G及び液晶パネル71RBについて同じでる。サブフレームは、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binに応じて映像データを書き込むデータ書き込み期間と、液晶パネル71G又は液晶パネル71RBから光が出射される光出射期間とを含む。
【0059】
図5に示すように、カラーブレイクが生じると判定されたケースでは、1つのフレームを構成するサブフレームが2つに調整される。言い換えると、1つのフレームにおいて、赤成分光Rが割り当てられるサブフレームは1つであり、1つのフレームにおいて、青成分光Bが割り当てられるサブフレームは1つである。
【0060】
従って、データ書き込み期間において赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されないように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)が制御される。
【0061】
但し、1つのフレームにおいて、緑成分光Gが割り当てられるサブフレームは2つである。従って、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間(サブフレーム2のデータ書き込み期間)において、緑成分光Gが液晶パネル71Gから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10G)が制御される。
【0062】
図6に示すように、カラーブレイクが生じないと判定されたケースでは、1つのフレームを構成するサブフレームが4つに調整される。言い換えると、1つのフレームにおいて、赤成分光Rが割り当てられるサブフレームは2つであり、1つのフレームにおいて、青成分光Bが割り当てられるサブフレームは2つである。
【0063】
従って、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間(サブフレーム2又はサブフレーム4のデータ書き込み期間)において、赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)が制御される。
【0064】
また、1つのフレームにおいて、緑成分光Gが割り当てられるサブフレームは4つである。従って、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間(サブフレーム2〜4のデータ書き込み期間)において、緑成分光Gが液晶パネル71Gから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10G)が制御される。
【0065】
(作用及び効果)
第1実施形態では、調整部230は、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する。
【0066】
光源制御部250は、サブフレームの数が調整された結果、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R又は青成分光Bに割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)を制御する。
【0067】
光源制御部250は、サブフレームの数が調整された結果、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R又は青成分光Bに割り当てられるサブフレームが1つである場合に、データ書き込み期間において赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されないように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)を制御する。
【0068】
従って、映像の高輝度化を適切に図ることができる。
【0069】
第1実施形態では、調整部230は、カラーブレイクが生じる度合いに基づいて、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する。従って、データ書き込み期間において液晶パネル71から光を出射して輝度が向上することに伴って生じるカラーブレイクが軽減される。
【0070】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0071】
変更例1では、素子制御部240は、1つのフレームを構成するサブフレームの数の変化に応じて、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout、青出力信号Boutを補正する。
【0072】
第1実施形態によれば、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整に伴って映像の輝度が変化する。ここで、最終的な輝度は、光源ユニット10から出射される光量及び液晶パネル71の変調量(映像出力信号の信号値)に基づいて定められる。
【0073】
図7に示すように、映像出力信号の信号値が一定である場合には、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整に伴って、フレーム間において、最終輝度の変化量が大きくなってしまう。
【0074】
これに対して、変更例1では、図8に示すように、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout、青出力信号Boutの補正によって、フレーム間において、最終輝度の変化量を小さくする。
【0075】
すなわち、素子制御部240は、1つのフレームを構成するサブフレームの数の変化に応じて、最終輝度がなだらかに変化するように、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout、青出力信号Boutを補正する。
【0076】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0077】
変更例2では、調整部230は、赤入力信号Rin及び青入力信号Binにおいて、1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R及び青成分光Bに割り当てられるサブフレームの数を調整する。
【0078】
具体的には、第1に、調整部230は、図9に示すように、1フレームにおける赤入力信号Rinのヒストグラムを生成する。同様に、調整部230は、図10に示すように、1フレームにおける青入力信号Binのヒストグラムを生成する。
【0079】
第2に、調整部230は、赤入力信号Rinの代表値及び青入力信号Binの代表値を特定する。代表値は、最大値、最小値又は平均値である。或いは、代表値は、信号値が大きい順に所定数のサブピクセルを除いた上で、残りサブピクセルが有する信号値の最大値であってもよい。
【0080】
図9及び図10では、調整部230は、赤入力信号Rinの代表値が青入力信号Binの代表値よりも大きいケースが例示されている。
【0081】
第3に、調整部230は、赤入力信号Rinの代表値及び青入力信号Binの代表値との比較結果に基づいて、1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R及び青成分光Bに割り当てられるサブフレームの数を調整する。
【0082】
調整部230は、赤入力信号Rinの代表値が青入力信号Binの代表値よりも所定閾値以上大きい場合に、サブフレームの数を青成分光Bに割り当てられるサブフレームの数よりも多いサブフレームの数を赤成分光Rに割り当てる。一方で、調整部230は、青入力信号Binの代表値が赤入力信号Rinの代表値よりも所定閾値以上大きい場合に、サブフレームの数を赤成分光Rに割り当てられるサブフレームの数よりも多いサブフレームの数を青成分光Bに割り当てる。
【0083】
例えば、図9及び図10に示すように赤入力信号Rinの代表値が青入力信号Binの代表値よりも大きいケースにおいて、調整部230は、図11に示すように、赤成分光Rに3つのサブフレームを割り当て、青成分光Bに1つのサブフレームを割り当てる。
【0084】
[変更例3]
以下において、第1実施形態の変更例3について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0085】
変更例3では、投写型映像表示装置100が立体画像を表示するケースについて例示する。立体画像は、複数の視点画像(例えば、左目視点画像及び右目視点画像)によって構成される。また、変更例3では、複数の観察者が異なる立体画像を観察するケースについて例示する。
【0086】
このようなケースにおいて、調整部230は、立体映像の観察者の数に応じて、1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、互いに異なるサブフレームを立体映像の観察者に割り当てる。
【0087】
具体的には、図12〜図14に示すように、右目視点画像(R1)及び左目視点画像(L1)がそれぞれ4つのサブフレームによって構成されるケースについて例示する。
【0088】
図12に示すように、観察者が1人である場合には、サブフレーム1〜サブフレーム4の全てが1人の観察者に割り当てられる。なお、変更例3において、第1実施形態と同様に、各色成分光に割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、各色成分光が液晶パネル71から出射されるように光源ユニット10が制御されることに留意すべきである。
【0089】
このようなケースにおいて、既存の観察者に対して新たな観察者が追加された場合に、調整部230は、図13に示すように、既存の観察者に割り当てるサブフレームの数よりも少ない数のサブフレームを新たな観察者に割り当てる。すなわち、調整部230は、既存の観察者に対して、サブフレーム1〜サブフレーム3を割り当てて、新たな観察者に対して、サブフレーム4を割り当てる。
【0090】
但し、調整部230は、図14に示すように、既存の観察者及び新たな観察者に対して、均等にサブフレームを割り当ててもよい。すなわち、調整部230は、既存の観察者に対して、サブフレーム1〜サブフレーム2を割り当てて、新たな観察者に対して、サブフレーム3〜サブフレーム4を割り当てる。
【0091】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0092】
実施形態では特に触れていないが、単色の色成分光を変調する液晶パネル71Gの駆動周波数(例えば、60Hz)は、複数色の色成分光を変調する液晶パネル71RBの駆動周波数(例えば、120Hz)よりも低くてもよい。
【0093】
実施形態では、第3色成分光が緑成分光Gであるケースについて例示した。しかしながら、第3色成分光は、赤成分光R又は青成分光Bであってもよい。
【0094】
実施形態では、光源として、固体光源を例示した。しかしながら、光源は、白色光源であってもよい。
【0095】
実施形態では、光変調素子として、液晶パネル71G及び液晶パネル71RBが設けられる。しかしながら、光変調素子として、1つの光変調素子(第1光変調素子)が設けられていてもよい。このようなケースでは、1つの光変調素子(第1光変調素子)は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを変調する。
【符号の説明】
【0096】
10…光源、20…クロスダイクロイックミラー、30…ロッドインテグレータ、40…色分離部、50…ミラー、71…液晶パネル、72…入射側偏光板、73…出射側偏光板、80…合成部、90…投写レンズユニット、100…投写型映像表示装置、111〜113…レンズ、200…制御ユニット、210…映像信号受付部、220…判定部、230…調整部、240…素子制御部、250…光源制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、白色光源が発する白色光を複数の色成分光に分離した上で、各色成分光を変調する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、白色光源が発する白色光を3つの色成分光(赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B)に分離する色分離部と、3つの色成分光をそれぞれ変調する3つの光変調素子とを有する投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
一方で、コスト削減を目的として、2つの光変調素子を有する投写型映像表示装置も提案されている。具体的には、色分離部は、白色光から1つの色成分光を分離するとともに、白色光から2つの色成分光の合成光を分離する。2つの色成分光の合成光の光路上には、2つの色成分光のそれぞれを時分割で出射するカラースイッチが設けられる(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、フレーム間の動き量に応じて、単位時間当たりのフレーム数及び1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する技術(サブフレーム数調整)も提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−244203号公報
【特許文献2】特開2010−197785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、投写型映像表示装置では、映像の高輝度化が望まれている。上述したサブフレーム数調整では、階調性を高めるために、1つのフレームを構成するサブフレームの数を増大するに過ぎない。従って、上述したサブフレーム数調整は、映像の高輝度化には寄与しない。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、映像の高輝度化を図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置(投写型映像表示装置100)は、第1色成分光及び第2色成分光を出射する光源(光源ユニット10)と、第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調するとともに、第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調する第1光変調素子(例えば、液晶パネル71RB)とを備える。投写型映像表示装置は、前記光源から出射される光量を制御する光源制御部(光源制御部250)と、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する調整部(調整部230)とを備える。前記サブフレームは、前記第1信号値又は前記第2信号値に応じて映像データを書き込むデータ書き込み期間と、前記第1光変調素子から光が出射される光出射期間とを含む。前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが1つである場合に、前記データ書き込み期間において前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されないように前記光源を制御する。前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられる前記データ書き込み期間において、前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されるように前記光源を制御する。
【0009】
第1の特徴において、前記調整部は、カラーブレイクが生じる度合いが小さいほど、前記1つのフレームを構成するサブフレームの数を増大する。
【0010】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記第1信号値及び前記第2信号値に基づいて前記第1光変調素子を制御する素子制御部(素子制御部240)を備える。前記素子制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームの数の変化に応じて、前記第1信号値及び前記第2信号値を補正する。
【0011】
第1の特徴において、前記調整部は、前記第1信号値及び前記第2信号値に基づいて、前記1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光及び前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームの数を調整する。
【0012】
第1の特徴において、前記投写型映像表示装置が立体画像を表示する場合において、前記調整部は、前記立体映像の観察者の数に応じて、前記1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、互いに異なるサブフレームを前記立体映像の観察者に割り当てる。
【0013】
第1の特徴において、既存の観察者に対して新たな観察者が追加された場合に、前記調整部は、前記既存の観察者に割り当てるサブフレームの数よりも少ない数のサブフレームを前記新たな観察者に割り当てる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、映像の高輝度化を図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係るカラーブレイクを説明するための図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係るカラーブレイクを説明するための図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【図7】図7は、変更例1に係る信号補正を説明するための図である。
【図8】図8は、変更例1に係る信号補正を説明するための図である。
【図9】図9は、変更例2に係るヒストグラムを説明するための図である。
【図10】図10は、変更例2に係るヒストグラムを説明するための図である。
【図11】図11は、変更例2に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【図12】図12は、変更例3に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【図13】図13は、変更例3に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【図14】図14は、変更例3に係るサブフレーム数調整を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0017】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0018】
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、第1色成分光及び第2色成分光を出射する光源と、第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調するとともに、第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調する第1光変調素子(例えば、液晶パネル71RB)とを備える。投写型映像表示装置は、前記光源から出射される光量を制御する光源制御部と、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する調整部とを備える。前記サブフレームは、前記第1信号値又は前記第2信号値に応じて映像データを書き込むデータ書き込み期間と、前記第1光変調素子から光が出射される光出射期間とを含む。前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが1つである場合に、前記データ書き込み期間において前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されないように前記光源を制御する。前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられる前記データ書き込み期間において、前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されるように前記光源を制御する。
【0019】
実施形態では、調整部は、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する。
【0020】
光源制御部は、光源制御部は、サブフレームの数が調整された結果、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、第1色成分光又は第2色成分光に割り当てられるサブフレームが1つである場合に、データ書き込み期間において第1色成分光又は第2色成分光が第1光変調素子から出射されないように光源を制御する。
【0021】
光源制御部は、サブフレームの数が調整された結果、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、第1色成分光又は第2色成分光に割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、第1色成分光又は第2色成分光が第1光変調素子から出射されるように光源を制御する。従って、映像の高輝度化を適切に図ることができる。
【0022】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0023】
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、複数の光源ユニット10と、ダイクロイックキューブ20と、ロッドインテグレータ30と、色分離部40と、複数のミラー50(ミラー51及びミラー52)とを有する。投写型映像表示装置100は、1対の液晶パネル71(液晶パネル71G、液晶パネル71RB)と、1対の入射側偏光板72(入射側偏光板72G、入射側偏光板72RB)と、1対の出射側偏光板73(出射側偏光板73G、出射側偏光板73RB)とを有する。投写型映像表示装置100は、合成部80と、投写レンズユニット90とを有する。なお、投写型映像表示装置100は、必要なレンズ群(レンズ111、レンズ112、レンズ113)を有する。
【0024】
複数の光源ユニット10は、光源ユニット10R、光源ユニット10G及び光源ユニット10Bである。各光源ユニット10は、複数の固体光源によって構成されたユニットである。固体光源は、例えば、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)である。なお、光源ユニット10Rは、赤成分光Rを発する複数の固体光源によって構成される。光源ユニット10Gは、緑成分光Gを発する複数の固体光源によって構成される。光源ユニット10Bは、青成分光Bを発する複数の固体光源によって構成される。
【0025】
ダイクロイックキューブ20は、光源ユニット10R、光源ユニット10G及び光源ユニット10Bから出射される光を合成する色合成部を構成する。ダイクロイックキューブ20から出射された合成光(映像光)は、ロッドインテグレータ30に導かれる。
【0026】
ロッドインテグレータ30は、ガラスなどの透明部材によって構成される中実のロッドである。ロッドインテグレータ30は、ダイクロイックキューブ20から出射される光を均一化する。なお、ロッドインテグレータ30は、内壁がミラー面によって構成される中空のロッドであってもよい。
【0027】
色分離部40は、ロッドインテグレータ30が出射する白色光を分離する。詳細には、色分離部40は、第3色成分光(ここでは、緑成分光G)を白色光から分離するとともに、第1色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第2色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光を白色光から分離する。
【0028】
ミラー51は、第3色成分光(ここでは、緑成分光G)を液晶パネル71G側に反射する。ミラー52は、第1色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第2色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光を液晶パネル71RB側に反射する。
【0029】
液晶パネル71Gは、緑入力信号Gin(緑出力信号Gout)に基づいて緑成分光Gを変調する。液晶パネル71Gの光入射側には、第1偏光成分を有する光透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72Gが設けられる。一方で、液晶パネル71Gの光出射側には、第1偏光成分を有する透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73Gが設けられる。
【0030】
なお、第1実施形態において、液晶パネル71Gは、第3信号値(ここでは、緑入力信号Gin/緑出力信号Gout)に基づいて、第3色成分光(ここでは、緑成分光G)を変調する第2光変調素子の一例である。
【0031】
液晶パネル71RBは、赤入力信号Rin(赤出力信号Rout)に基づいて赤成分光Rを変調し、青入力信号Bin(青出力信号Bout)に基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル71RBの光入射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72RBが設けられる。一方で、液晶パネル71RBの光出射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73RBが設けられる。
【0032】
ここで、液晶パネル71RBは、赤成分光R及び青成分光Bを時分割で変調する。例えば、1つのフレームが2つのサブフレームによって構成される場合には、液晶パネル71RBは、一方のサブフレームにおいて赤成分光Rを変調し、他方のサブフレームにおいて青成分光Bを変調する。但し、液晶パネル71RBは、同一のサブフレームにおいて、赤成分光R及び青成分光Bを変調してもよい。
【0033】
なお、第1実施形態において、液晶パネル71RBは、第1信号値(ここでは、赤入力信号Rin/赤出力信号Rout)に基づいて、第1色成分光(ここでは、赤成分光R)を変調するとともに、第2信号値(ここでは、青入力信号Bin/青出力信号Bout)に基づいて、第2色成分光(ここでは、青成分光B)を変調する第1光変調素子の一例である。
【0034】
合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光及び液晶パネル71RBから出射される光を合成する。例えば、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するダイクロイックプリズムである。なお、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するダイクロイックミラーであってもよい。
【0035】
或いは、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するPBSプリズムやPBSミラーであってもよい。このようなケースでは、液晶パネル71Gから出射される光の偏光は、液晶パネル71RBから出射される光の偏光と異なることに留意すべきである。
【0036】
投写レンズユニット90は、合成部80から出射される光(映像光)を投写面(不図示)上などに投写する。
【0037】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0038】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する画素毎に入力される信号である。なお、各画素は、赤のサブピクセル、緑のサブピクセル及び青のサブピクセルによって構成される。
【0039】
なお、映像出力信号及び映像出力信号の下限値は、例えば、“0”であり、映像出力信号及び映像出力信号の上限値は、例えば、“255”である。
【0040】
図2に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、判定部220と、調整部230と、素子制御部240と、光源制御部250とを有する。
【0041】
映像信号受付部210は、パーソナルコンピュータ、DVDやTVチューナなどの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。
【0042】
判定部220は、1フレームにおいてカラーブレイクが生じる度合いを判定する。具体的には、判定部220は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binのヒストグラムを作成して、これらのヒストグラムの差異に基づいて、カラーブレイクが生じる度合いを判定する。
【0043】
例えば、判定部220は、以下の手順で、カラーブレイクが生じる度合いを判定する。
【0044】
第1に、判定部220は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binの代表値を特定する。代表値は、最大値、最小値又は平均値である。或いは、代表値は、信号値が大きい順に所定数のサブピクセルを除いた上で、残りサブピクセルが有する信号値の最大値であってもよい。
【0045】
第2に、判定部220は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binの代表値の差分を特定する。詳細には、判定部220は、赤入力信号Rinの代表値と緑入力信号Ginの代表値との差分、赤入力信号Rinの代表値と青入力信号Binの代表値との差分、及び、緑入力信号Ginの代表値と青入力信号Binの代表値との差分を特定する。
【0046】
第3に、判定部220は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binの代表値のいずれかが閾値を超えている場合において、これらの差分の合計値が小さいほど、カラーブレイクが生じる度合いが大きいと判定する。或いは、判定部220は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binの代表値のいずれかが閾値を超えている場合において、これらの差分のうち、最小の差分が小さいほど、カラーブレイクが生じる度合いが大きいと判定する。
【0047】
第1実施形態は、判定部220は、1フレームを構成する複数の領域毎にカラーブレイクが生じる度合いを判定する。また、判定部220は、カラーブレイクが生じる度合いが閾値を超えているか否かを判定する。
【0048】
例えば、第1実施形態において、判定部220は、図3に示す領域1及び領域4のように、白色画像(画像W)が存在する領域について、カラーブレイクが生じると判定する。一方で、判定部220は、図4に示す領域1及び領域4のように、単色画像(画像R及び画像B)が存在する領域について、カラーブレイクが生じないと判定する。
【0049】
調整部230は、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する。調整部230は、カラーブレイクが生じる度合いが小さいほど、1つのフレームを構成するサブフレームの数を増大する。
【0050】
ここで、1つのフレームの長さは、液晶パネル71G及び液晶パネル71RBについて同じでる。サブフレームは、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binに応じて映像データを書き込むデータ書き込み期間と、液晶パネル71G又は液晶パネル71RBから光が出射される光出射期間とを含む。
【0051】
なお、データ書き込み期間は、フレーム間干渉を防ぐために、原則として、液晶パネル71G又は液晶パネル71RBから光が出射されないように光源ユニット10が制御される。但し、以下において説明するように、データ書き込み期間においても、液晶パネル71G又は液晶パネル71RBから光が出射されるように光源ユニット10が制御されることもある。
【0052】
素子制御部240は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル71を制御する。具体的には、素子制御部240は、緑出力信号Goutに基づいて、液晶パネル71Gを制御する。素子制御部240は、赤出力信号Rout及び青出力信号Boutに基づいて、液晶パネル71RBを制御する。
【0053】
光源制御部250は、光源ユニット10を制御する。具体的には、光源制御部250は、1つのフレームを構成するサブフレームの数に基づいて、各液晶パネル71RBから光が出射される期間を制御する。詳細には、光源制御部250は、各光源ユニット10(光源ユニット10R、光源ユニット10G及び光源ユニット10B)から光が出射される期間を制御する。
【0054】
第1実施形態において、光源制御部250は、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R又は青成分光Bに割り当てられるサブフレームが1つである場合に、データ書き込み期間において赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されないように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)を制御する。
【0055】
光源制御部250は、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R又は青成分光Bに割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)を制御する。
【0056】
光源制御部250は、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、緑成分光Gに割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、緑成分光Gが液晶パネル71Gから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10G)を制御する。
【0057】
(発光期間の制御例)
以下において、第1実施形態に係る発光期間の制御例について説明する。図5は、カラーブレイクが生じると判定されたケースを示す図である。図6は、カラーブレイクが生じないと判定されたケースを示す図である。
【0058】
図5及び図6に示すように、1つのフレームの長さは、液晶パネル71G及び液晶パネル71RBについて同じでる。サブフレームは、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binに応じて映像データを書き込むデータ書き込み期間と、液晶パネル71G又は液晶パネル71RBから光が出射される光出射期間とを含む。
【0059】
図5に示すように、カラーブレイクが生じると判定されたケースでは、1つのフレームを構成するサブフレームが2つに調整される。言い換えると、1つのフレームにおいて、赤成分光Rが割り当てられるサブフレームは1つであり、1つのフレームにおいて、青成分光Bが割り当てられるサブフレームは1つである。
【0060】
従って、データ書き込み期間において赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されないように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)が制御される。
【0061】
但し、1つのフレームにおいて、緑成分光Gが割り当てられるサブフレームは2つである。従って、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間(サブフレーム2のデータ書き込み期間)において、緑成分光Gが液晶パネル71Gから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10G)が制御される。
【0062】
図6に示すように、カラーブレイクが生じないと判定されたケースでは、1つのフレームを構成するサブフレームが4つに調整される。言い換えると、1つのフレームにおいて、赤成分光Rが割り当てられるサブフレームは2つであり、1つのフレームにおいて、青成分光Bが割り当てられるサブフレームは2つである。
【0063】
従って、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間(サブフレーム2又はサブフレーム4のデータ書き込み期間)において、赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)が制御される。
【0064】
また、1つのフレームにおいて、緑成分光Gが割り当てられるサブフレームは4つである。従って、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間(サブフレーム2〜4のデータ書き込み期間)において、緑成分光Gが液晶パネル71Gから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10G)が制御される。
【0065】
(作用及び効果)
第1実施形態では、調整部230は、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する。
【0066】
光源制御部250は、サブフレームの数が調整された結果、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R又は青成分光Bに割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されるように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)を制御する。
【0067】
光源制御部250は、サブフレームの数が調整された結果、1つのフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R又は青成分光Bに割り当てられるサブフレームが1つである場合に、データ書き込み期間において赤成分光R又は青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されないように光源ユニット10(光源ユニット10R又は光源ユニット10B)を制御する。
【0068】
従って、映像の高輝度化を適切に図ることができる。
【0069】
第1実施形態では、調整部230は、カラーブレイクが生じる度合いに基づいて、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する。従って、データ書き込み期間において液晶パネル71から光を出射して輝度が向上することに伴って生じるカラーブレイクが軽減される。
【0070】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0071】
変更例1では、素子制御部240は、1つのフレームを構成するサブフレームの数の変化に応じて、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout、青出力信号Boutを補正する。
【0072】
第1実施形態によれば、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整に伴って映像の輝度が変化する。ここで、最終的な輝度は、光源ユニット10から出射される光量及び液晶パネル71の変調量(映像出力信号の信号値)に基づいて定められる。
【0073】
図7に示すように、映像出力信号の信号値が一定である場合には、1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整に伴って、フレーム間において、最終輝度の変化量が大きくなってしまう。
【0074】
これに対して、変更例1では、図8に示すように、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout、青出力信号Boutの補正によって、フレーム間において、最終輝度の変化量を小さくする。
【0075】
すなわち、素子制御部240は、1つのフレームを構成するサブフレームの数の変化に応じて、最終輝度がなだらかに変化するように、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout、青出力信号Boutを補正する。
【0076】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0077】
変更例2では、調整部230は、赤入力信号Rin及び青入力信号Binにおいて、1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R及び青成分光Bに割り当てられるサブフレームの数を調整する。
【0078】
具体的には、第1に、調整部230は、図9に示すように、1フレームにおける赤入力信号Rinのヒストグラムを生成する。同様に、調整部230は、図10に示すように、1フレームにおける青入力信号Binのヒストグラムを生成する。
【0079】
第2に、調整部230は、赤入力信号Rinの代表値及び青入力信号Binの代表値を特定する。代表値は、最大値、最小値又は平均値である。或いは、代表値は、信号値が大きい順に所定数のサブピクセルを除いた上で、残りサブピクセルが有する信号値の最大値であってもよい。
【0080】
図9及び図10では、調整部230は、赤入力信号Rinの代表値が青入力信号Binの代表値よりも大きいケースが例示されている。
【0081】
第3に、調整部230は、赤入力信号Rinの代表値及び青入力信号Binの代表値との比較結果に基づいて、1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、赤成分光R及び青成分光Bに割り当てられるサブフレームの数を調整する。
【0082】
調整部230は、赤入力信号Rinの代表値が青入力信号Binの代表値よりも所定閾値以上大きい場合に、サブフレームの数を青成分光Bに割り当てられるサブフレームの数よりも多いサブフレームの数を赤成分光Rに割り当てる。一方で、調整部230は、青入力信号Binの代表値が赤入力信号Rinの代表値よりも所定閾値以上大きい場合に、サブフレームの数を赤成分光Rに割り当てられるサブフレームの数よりも多いサブフレームの数を青成分光Bに割り当てる。
【0083】
例えば、図9及び図10に示すように赤入力信号Rinの代表値が青入力信号Binの代表値よりも大きいケースにおいて、調整部230は、図11に示すように、赤成分光Rに3つのサブフレームを割り当て、青成分光Bに1つのサブフレームを割り当てる。
【0084】
[変更例3]
以下において、第1実施形態の変更例3について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0085】
変更例3では、投写型映像表示装置100が立体画像を表示するケースについて例示する。立体画像は、複数の視点画像(例えば、左目視点画像及び右目視点画像)によって構成される。また、変更例3では、複数の観察者が異なる立体画像を観察するケースについて例示する。
【0086】
このようなケースにおいて、調整部230は、立体映像の観察者の数に応じて、1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、互いに異なるサブフレームを立体映像の観察者に割り当てる。
【0087】
具体的には、図12〜図14に示すように、右目視点画像(R1)及び左目視点画像(L1)がそれぞれ4つのサブフレームによって構成されるケースについて例示する。
【0088】
図12に示すように、観察者が1人である場合には、サブフレーム1〜サブフレーム4の全てが1人の観察者に割り当てられる。なお、変更例3において、第1実施形態と同様に、各色成分光に割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられるデータ書き込み期間において、各色成分光が液晶パネル71から出射されるように光源ユニット10が制御されることに留意すべきである。
【0089】
このようなケースにおいて、既存の観察者に対して新たな観察者が追加された場合に、調整部230は、図13に示すように、既存の観察者に割り当てるサブフレームの数よりも少ない数のサブフレームを新たな観察者に割り当てる。すなわち、調整部230は、既存の観察者に対して、サブフレーム1〜サブフレーム3を割り当てて、新たな観察者に対して、サブフレーム4を割り当てる。
【0090】
但し、調整部230は、図14に示すように、既存の観察者及び新たな観察者に対して、均等にサブフレームを割り当ててもよい。すなわち、調整部230は、既存の観察者に対して、サブフレーム1〜サブフレーム2を割り当てて、新たな観察者に対して、サブフレーム3〜サブフレーム4を割り当てる。
【0091】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0092】
実施形態では特に触れていないが、単色の色成分光を変調する液晶パネル71Gの駆動周波数(例えば、60Hz)は、複数色の色成分光を変調する液晶パネル71RBの駆動周波数(例えば、120Hz)よりも低くてもよい。
【0093】
実施形態では、第3色成分光が緑成分光Gであるケースについて例示した。しかしながら、第3色成分光は、赤成分光R又は青成分光Bであってもよい。
【0094】
実施形態では、光源として、固体光源を例示した。しかしながら、光源は、白色光源であってもよい。
【0095】
実施形態では、光変調素子として、液晶パネル71G及び液晶パネル71RBが設けられる。しかしながら、光変調素子として、1つの光変調素子(第1光変調素子)が設けられていてもよい。このようなケースでは、1つの光変調素子(第1光変調素子)は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを変調する。
【符号の説明】
【0096】
10…光源、20…クロスダイクロイックミラー、30…ロッドインテグレータ、40…色分離部、50…ミラー、71…液晶パネル、72…入射側偏光板、73…出射側偏光板、80…合成部、90…投写レンズユニット、100…投写型映像表示装置、111〜113…レンズ、200…制御ユニット、210…映像信号受付部、220…判定部、230…調整部、240…素子制御部、250…光源制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1色成分光及び第2色成分光を出射する光源と、第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調するとともに、第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調する第1光変調素子とを備えた投写型映像表示装置であって、
前記光源から出射される光量を制御する光源制御部と、
1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する調整部とを備え、
前記サブフレームは、前記第1信号値又は前記第2信号値に応じて映像データを書き込むデータ書き込み期間と、前記第1光変調素子から光が出射される光出射期間とを含み、
前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが1つである場合に、前記データ書き込み期間において前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されないように前記光源を制御し、
前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられる前記データ書き込み期間において、前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されるように前記光源を制御することを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記調整部は、カラーブレイクが生じる度合いが小さいほど、前記1つのフレームを構成するサブフレームの数を増大することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記第1信号値及び前記第2信号値に基づいて前記第1光変調素子を制御する素子制御部を備え、
前記素子制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームの数の変化に応じて、前記第1信号値及び前記第2信号値を補正することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記調整部は、前記第1信号値及び前記第2信号値に基づいて、前記1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光及び前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームの数を調整することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記投写型映像表示装置が立体画像を表示する場合において、
前記調整部は、前記立体映像の観察者の数に応じて、前記1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、互いに異なるサブフレームを前記立体映像の観察者に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項6】
既存の観察者に対して新たな観察者が追加された場合に、
前記調整部は、前記既存の観察者に割り当てるサブフレームの数よりも少ない数のサブフレームを前記新たな観察者に割り当てることを特徴とする請求項5に記載の投写型映像表示装置。
【請求項1】
第1色成分光及び第2色成分光を出射する光源と、第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調するとともに、第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調する第1光変調素子とを備えた投写型映像表示装置であって、
前記光源から出射される光量を制御する光源制御部と、
1つのフレームを構成するサブフレームの数を調整する調整部とを備え、
前記サブフレームは、前記第1信号値又は前記第2信号値に応じて映像データを書き込むデータ書き込み期間と、前記第1光変調素子から光が出射される光出射期間とを含み、
前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが1つである場合に、前記データ書き込み期間において前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されないように前記光源を制御し、
前記光源制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光又は前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームが2つ以上である場合に、連続する2つのサブフレーム間に設けられる前記データ書き込み期間において、前記第1色成分光又は前記第2色成分光が前記第1光変調素子から出射されるように前記光源を制御することを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記調整部は、カラーブレイクが生じる度合いが小さいほど、前記1つのフレームを構成するサブフレームの数を増大することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記第1信号値及び前記第2信号値に基づいて前記第1光変調素子を制御する素子制御部を備え、
前記素子制御部は、前記1つのフレームを構成するサブフレームの数の変化に応じて、前記第1信号値及び前記第2信号値を補正することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記調整部は、前記第1信号値及び前記第2信号値に基づいて、前記1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、前記第1色成分光及び前記第2色成分光に割り当てられるサブフレームの数を調整することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記投写型映像表示装置が立体画像を表示する場合において、
前記調整部は、前記立体映像の観察者の数に応じて、前記1つのサブフレームを構成するサブフレームのうち、互いに異なるサブフレームを前記立体映像の観察者に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項6】
既存の観察者に対して新たな観察者が追加された場合に、
前記調整部は、前記既存の観察者に割り当てるサブフレームの数よりも少ない数のサブフレームを前記新たな観察者に割り当てることを特徴とする請求項5に記載の投写型映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−114232(P2013−114232A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263090(P2011−263090)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]