説明

投写管装置

【課題】 副偏向装置の補正効果のばらつきが小さな偏向装置を備えた投写管装置を提供する。
【解決手段】 コンバーゼンス調整用の副偏向装置29は、トロイダル型の副水平コイル30とサドル型の副垂直コイル31と副コア32とボビン80とを有する。ボビン80は、副コア32を管軸回り方向及び管軸方向にそれぞれ位置規制する複数の当接面72及び複数のリブ62を有する。また、ボビン80は、主偏向装置25の樹脂枠64に設けられた複数の受け部65に嵌入する複数の突起部63を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は投写管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大画面化と低価格化という市場要望から投写型のプロジェクションテレビが普及している。図1はプロジェクションテレビの構成を示す模式図である。赤、緑、青の各色に対応した投写管装置1〜3を備えており、各投写管装置1〜3には偏向装置4が設けられている。それぞれの色の投写管装置1〜3から生成されるラスタがスクリーン5に投写されてカラー画像が構成される。
【0003】
図2は投写型のプロジェクションテレビに用いられる投写管装置1〜3が備える偏向装置4の側面図である。ラスタを生成する主偏向装置6は主水平コイル43と、主垂直コイル7と、主コア8とからなる。主偏向装置6のネック側には、赤、緑、青のそれぞれの投写管装置(図1の投写管装置1〜3)を、プロジェクションテレビセットに組み付ける時の誤差によってプロジェクションテレビのスクリーン5上で発生するラスタのずれ(ミスコンバーゼンス)を補正するための副偏向装置9が備えられている。
【0004】
図3は副偏向装置9の正面図である。ここで主偏向装置6を備える投写管装置(図1の投写管装置1〜3)の管軸をZ軸とし、Z軸と直交する水平方向軸をX軸、X軸及びZ軸と直交する垂直方向軸をY軸とするXYZ直交座標系を定義する。副偏向装置9は、副コア10と、副水平コイル11と、副垂直コイル12とからなる。副水平コイル11は副コア10のX軸が交差する位置付近にトロイダル型に巻回され、副垂直コイル12は副コア10のY軸が交差する位置付近にトロイダル型に巻回される。このような構成の副偏向装置9に適当な電流を供給し、プロジェクションテレビのスクリーン(図1のスクリーン5)上で色ずれのない適切なカラー画像が得られるようにコンバーゼンス補正を行なっている。
【0005】
ところで、トロイダル型の副偏向コイルの場合、図4(A)に示すように、例えば主偏向装置6の主水平コイル43の偏向磁界13が副水平コイル11に鎖交することにより、図4(B)に示すように、副水平コイル11の端子間に、水平周期と同じ周期のパルス状の誘起電圧Vtが発生する。したがって、適切なコンバーゼンス補正を行うためには、副偏向装置の駆動電圧として誘起電圧Vtを打ち消すための高い電圧が必要となり、消費電力が大きくなるという問題がある。
【0006】
また、図5のように、副水平コイル11及び副垂直コイル12はトロイダル型で巻回されているため、副コア10の外側に存在する巻線から発生する磁界は洩れ磁界14となり偏向に寄与しないため、偏向能率が悪いという問題がある。
【0007】
これらの問題を解決する偏向装置が特許文献1に開示されている。図6(A)は特許文献1の副偏向装置19の正面図、図6(B)はその側面図である。この副偏向装置19は、サドル型の副水平コイル15と、サドル型の副垂直コイル16と、副コア17とからなり、副水平コイル15、副垂直コイル16はそれぞれ副水平磁界18、副垂直磁界20を発生する。副水平コイル15がサドル型であるため、例えば主偏向装置6の主水平コイル43の偏向磁界13が副水平コイル15と鎖交する数が少ない。したがって副水平コイル15の端子間に発生する誘起電圧VsはVtにくらべて小さいので、消費電力を小さくすることができる。
【0008】
図7は図6(B)のVII−VII線での矢視断面図である。副偏向装置19はXZ面及びYZ面に対して対称であるので、図7では第1象限のみ図示している。副水平コイル15及び副垂直コイル16はいずれもサドル型であり、その巻線が副コア17の内側に巻回されているため、トロイダル型に比べて偏向能率が良い。
【特許文献1】特開2002−330446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、副水平コイル15及び副垂直コイル16がいずれもサドル型である上記特許文献1の偏向装置は、副水平コイル11及び副垂直コイル12がいずれもトロイダル型である偏向装置に比べると、主偏向コイルが発する主偏向磁界による誘起電圧を小さくすることにより消費電力を低減できるが、その効果は未だ十分ではないという課題がある。以降その理由を図7及び図8を用いて説明する。
【0010】
図8は副水平コイル15が発生する副水平磁界18のY軸方向成分ByをX軸に沿って測定した結果を示したグラフである。図示したように磁界ByはX=0で最大となり、X=0(すなわちY軸)から離れるに従い小さくなる。このような強度分布を有する磁界21を一般にバレル型という。図7に示すように、副水平コイル15の巻線角度θHが30°より大きく90°より小さいとき副水平磁界はバレル型磁界になる。ここで、巻線角度θHは、XY平面において、XZ面とYZ面とで仕切られた各象限内に存在する副水平コイル15のZ軸を中心とする円周方向の中点とZ軸とを通る直線とX軸とがなす角度で定義される。副水平コイル15の偏向能率が最もよくなる巻線角度はθH=0°であり、巻線角度θHが大きくなるほど偏向能率は低下し、θH=90°で最も低下する。
【0011】
以上は副水平コイル15について説明したが、副垂直コイル16についても同様である。ただし、副垂直コイル16の巻線角度θVは、XY平面において、XZ面とYZ面とで仕切られた各象限内に存在する副垂直コイル16のZ軸を中心とする円周方向の中点とZ軸とを通る直線とY軸とがなす角度で定義される。
【0012】
図7からわかるように特許文献1の偏向装置では、副水平コイル15及び副垂直コイル16のそれぞれの内径DH、DVは同じであり、副水平コイル15及び副垂直コイル16が相互に干渉するのを回避するために、それぞれの巻線角度θH、θVはいずれも30°よりも大きくせざるを得ない。従って、副水平コイル15及び副垂直コイル16が発生する磁界はいずれもバレル型磁界となる。よって、偏向能率が悪く、特許文献1の偏向装置は、副水平コイル15及び副垂直コイル16をいずれもサドル型とすることにより主水平コイル43の偏向磁界13による誘起電圧Vsを低減することはできたとしても、全体として消費電力を十分低減できていない。
【0013】
また、図9のようにサドル型副水平コイル15の内径DHとサドル型副垂直コイル16の内径DVとを異ならせることで巻線角度θH、θVを適切に設定することは一応可能である。ところが、この場合、副水平コイル15、副垂直コイル16、副コア17をZ軸から外側に向かって順に重ねる必要があり、副垂直コイル16および副コア17の内径が大きくなり、電子ビームとの距離が拡大するので、結局は偏向能率が低下する。
【0014】
また、一般にプロジェクションテレビの場合、副偏向装置はコンバーゼンス補正機能の他に画面の上下のピンクッション歪みを補正する機能も兼ねている。画面の上下のピンクッション歪みを補正するときに必要な電力はコンバーゼンス補正時の消費電力にくらべて著しく大きい。したがって、プロジェクションテレビセットで消費電力を効率よく低減するためには、副偏向装置の特に上下方向に偏向するための副垂直コイルの偏向能率を向上させることが重要である。
【0015】
また、上述の通り特許文献1の偏向装置では副水平磁界及び副垂直磁界ともバレル磁界なので、副偏向装置を動作させた時に画面周辺域の電子ビームのスポット形状が変化する。図10は画面第1象限におけるビームスポットを示している。まずX軸上の電子ビーム22について説明する。副水平磁界はバレル型であるので電子ビーム22のY軸に近い方の電子22aに作用するローレンツ力Faは、電子ビーム22のY軸から遠い方の電子22bに作用するローレンツ力Fbよりも大きい。その結果、電子ビーム22は点線23のような縦長形状となり、画質劣化の原因となる。Y軸上の電子ビーム22’も同様の理由によりバレル型副垂直磁界により点線23’のような横長形状となる。このため副偏向装置の動作の度合いによって電子ビームの断面形状が異なり、量産された偏向装置間でばらつきが大きいという課題がある。
【0016】
更に、副水平コイル15、副垂直コイル16、及び副コア17間の相対的位置ずれ、及びこれらを含む副偏向装置9と主偏向装置6との相対的位置ずれが生じると、副偏向装置による補正効果のばらつきが生じてしまう。
【0017】
本発明は、偏向能率を向上でき、ビームスポットの形状変化を低減しつつ、上下のピンクッション歪を効率良く補正することが可能で、副偏向装置の補正効果のばらつきが小さな偏向装置を備えた投写管装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の投写管装置は、(1)ガラス製のパネルと、前記パネルに接続されたガラス製のファンネルと、前記ファンネルに接続された円筒状のガラス製のネック部とを有する投写管装置本体と、(2)前記ネック部内に設けられた電子銃と、(3)前記投写管装置本体の外周上に搭載された主偏向装置及びコンバーゼンス調整用の副偏向装置を含む偏向装置とを備える。前記主偏向装置は、主水平コイルと、前記主水平コイルの外側に設けられた樹脂枠、主垂直コイル、及び主コアとを少なくとも有し、前記副偏向装置は、管軸方向において前記主偏向装置よりも前記電子銃側に配置され、副水平コイルと副垂直コイルと副コアとボビンとを有する。
【0019】
第1の投写管装置においては、副水平コイルはトロイダル型コイルであり、前記副垂直コイルはサドル型コイルである。前記副コアは、その内周面に、内径が互いに異なる径小部及び径大部と、前記径小部と前記径大部との間の段差部とを有し、前記ボビンは、略円筒形状のボビン本体を有する。前記ボビン本体は、管軸と直交する面にほぼ沿って延設された前記副垂直コイルの渡り部を管軸と直交する方向において覆うように設けられた複数の保持部と、管軸に略平行に延設された前記副垂直コイルの偏向寄与部を支持する複数の支持部と、前記副コアの前記段差部と当接することにより、前記ボビン本体に対して前記副コアを管軸回り方向に位置規制する複数の当接面と、管軸に対して略垂直に立設され、管軸と平行な方向において前記副コアと当接して、前記ボビン本体に対して記副コアを管軸と平行な方向に位置規制する複数のリブと、前記ボビン本体の前記パネル側の端面に設けられた、前記パネル側に突出した複数の突起部とを有する。前記樹脂枠は、前記複数の突起部がそれぞれ嵌入される複数の受け部を有する。
【0020】
第2の投写管装置においては、副水平コイルはサドル型コイルであり、前記副垂直コイルはトロイダル型コイルである。前記副コアは、その内周面に、内径が互いに異なる径小部及び径大部と、前記径小部と前記径大部との間の段差部とを有し、前記ボビンは、略円筒形状のボビン本体を有する。前記ボビン本体は、管軸と直交する面にほぼ沿って延設された前記副水平コイルの渡り部を管軸と直交する方向において覆うように設けられた複数の保持部と、管軸に略平行に延設された前記副水平コイルの偏向寄与部を支持する複数の支持部と、前記副コアの前記段差部と当接することにより、前記ボビン本体に対して前記副コアを管軸回り方向に位置規制する複数の当接面と、管軸に対して略垂直に立設され、管軸と平行な方向において前記副コアと当接して、前記ボビン本体に対して記副コアを管軸と平行な方向に位置規制する複数のリブと、前記ボビン本体の前記パネル側の端面に設けられた、前記パネル側に突出した複数の突起部とを有する。前記樹脂枠は、前記複数の突起部がそれぞれ嵌入される複数の受け部を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の投写管装置を構成する副偏向装置では、前記副水平コイル及び前記副垂直コイルのうちの一方はトロイダル型コイルであり、他方はサドル型コイルであるので、従来に比べて偏向能率を向上でき、副偏向装置動作時のビームスポットの形状変化を低減しつつ、上下のピンクッション歪みを効率よく補正できる。よって、低消費電力で、画質のばらつきが少ない投写管装置を提供することができる。
【0022】
更に、副偏向装置を構成する、副水平コイル、副垂直コイル、及び副コア間の相対的位置ずれ、及び、副偏向装置と主偏向装置との相対的位置ずれを低減でき、偏向装置の組立精度が飛躍的に向上する。よって、副偏向装置の補正効果のばらつきが少ない投写管装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る上記の第1及び第2の投写管装置において、前記ボビン本体に開口が設けられており、前記開口内に前記副コアの前記径小部が挿入されていることが好ましい。これにより、偏向装置の組立精度を低下させることなく、副偏向装置の偏向感度を向上させることができる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】
(実施の形態1)
まず、本発明の投写管装置の一実施形態を図11を参照しながら説明する。図11に示すように、本実施形態の投写管装置51は、画面表示部42がほぼ矩形状のガラス製のパネル44と、このパネル44に連接された漏斗状のガラス製ファンネル45と、このファンネル45に連接された円筒状のガラス製のネック部46とからなる真空外囲器を有する。ネック部46からファンネル45に至る外囲器の外周面上に偏向装置24が装着されている。ファンネル45は、ネック部46との連接部から偏向装置24の装着された位置までの径小部、いわゆるヨーク部47を有する。ネック部46内には電子ビーム48を射出する電子銃49が配設されている。電子ビーム48は、偏向装置24が発生する水平、垂直偏向磁界により水平、垂直方向に偏向され、スクリーン50を水平、垂直走査し、これにより画像が表示される。
【0026】
図12に本発明の一実施形態にかかる偏向装置24の側面図を示す。この偏向装置24は主水平コイル26、主垂直コイル27、及び主コア28が順に管軸から外側に向かって配置された主偏向装置25と、主偏向装置25のネック側に備えられた副偏向装置29とからなる。
【0027】
図13は副偏向装置29の斜視図である。この副偏向装置29は副水平コイル30と、副垂直コイル31と、副コア32とからなる。副水平コイル30の巻線は副コア32にトロイダル型に巻装され、副垂直コイル31の巻線はサドル型に巻装されている。副垂直コイル31は図13では簡略化して薄板状に描かれているが、実際には20ターン程度のサドル型コイルである。
【0028】
トロイダル型の副水平コイル30は、XZ面及びYZ面に対して対称に4箇所に巻回される。XY平面において、各副水平コイル30のZ軸を中心とする円周方向における存在領域の中点とZ軸とを通る直線とX軸とがなす角度で定義される、副水平コイル30の巻線角度θHは約30°である。
【0029】
サドル型の副垂直コイル31は、副コア32よりもZ軸側に、YZ面に対称に一対配置されている。副垂直コイル31は、巻線がZ軸と略平行に配置された一対の偏向寄与部33と、巻線がXY平面と平行であり、且つZ軸を中心とする円弧状に配置された渡り部34a,34bとを備えている。XY平面において、偏向寄与部33のZ軸を中心とする円周方向における存在領域の中点とZ軸とを通る直線とY軸とがなす角度で定義される、副垂直コイル31の巻線角度θVは約30°である。
【0030】
このような構成にすることで副偏向装置の消費電力を低減することができる。これを図13及び図14を用いて説明する。
【0031】
本発明では副垂直コイル31をサドル型にしたため、図13に示すように、Z軸と略平行な一対の偏向寄与部33と、いずれも偏向に寄与しないパネル側の渡り部34a及びネック側の渡り部34bとで囲まれた、巻線が存在しない開口39が存在する。
【0032】
図14は副偏向装置29のXY面と平行な面における断面図である。図14で示すように、この開口39内に、副水平コイル30が入り込んでいる。また、副コア32の内周面のうち、副垂直コイル31の偏向寄与部33及び副水平コイル30と対向しない領域がZ軸に向かって突出し、副コア突起部40が形成されている。この副コア突起部40も開口39内に入り込んでいる。副垂直コイル31の偏向寄与部33の内径、外径をそれぞれDV0、DV1、副水平コイル30の内径をDH0、副コア突起部40の頂部における副コア32の内径をDPとしたとき、DV0とDH0とDPとは相互にほぼ等しい。従って、DP<DV1、DH0<DV1である。これにより、副垂直コイル31の偏向寄与部33と副水平コイル30とを電子ビームに可能な限り接近させることができるので、副垂直コイル31及び副水平コイル30の偏向能率を向上させることができる。更に、副垂直コイル31及び副水平コイル30に干渉しない範囲において、副コア32の内周面に副コア突起部40を設けることにより副コア32を電子ビームに可能な限り接近させているので、副垂直コイル31及び副水平コイル30の偏向能率が更に向上する。しかも、副垂直コイル31をサドル型として副コア32に対してZ軸側に配置しているので、副垂直コイル31の副偏向磁界はコア32の外側に洩れない。以上により、副偏向装置29のトータルの消費電力を低減することができる。
【0033】
さらに、この副偏向装置29によれば動作時のビームスポットの形状変化を低減できる。以下にこの理由を図14を用いて説明する。Y軸に対する巻線角度θVが約30°に設定された副垂直コイル31に副偏向電流を流すと、副垂直コイル31の周辺に磁界が発生する。この磁界は、副コア32に対してZ軸側の空間を通過する磁界35aと、副コア32の内部を通過する磁界35bとからなる。副コア32の内部を通過する磁界35bは副垂直コイル31から遠いところで副コア32のZ軸側空間内に向かって吹き出される。副垂直コイル31の近傍に発生した磁界35aと副コア32から吹き出された磁界とが合成されて、副垂直偏向磁界36が副コア32に対してZ軸側の空間内に形成される。磁界36は、X軸とほぼ平行で、Y軸方向における強度分布がほぼ均一である。従って、磁界36により電子ビーム37を構成する電子に印加されるローレンツ力は、その電子のXY断面内の位置にかかわらず同じである。従って、副垂直コイル31の動作の如何に関わらず、電子ビーム37のスポット形状は常にほぼ円形である。以上は、副垂直コイル31について説明したが、副水平コイル30についても、X軸に対する巻線角度θHが約30°に設定されているので、同様に副水平コイル30の動作の如何に関わらず、電子ビーム37のスポット形状は常にほぼ円形である。従って、この副偏向装置29によれば、動作の度合いにかかわらずビームスポットの形状はほとんど変化しない。
【0034】
次に副垂直コイル31の渡り部34a,34bの形状とプロジェクションテレビセットでの消費電力との関係を図13及び図15を用いて説明する。図13に示すように、副垂直コイル31の渡り部34a,34bは、副コア32の端面32aに対してZ軸方向において突出し、渡り部34a,34bと偏向寄与部33とは、Z軸を中心軸とする共通する仮想の円筒面上にほぼ配置される。渡り部34a,34bの配置としては、図13の他に、渡り部34a,34bをZ軸から遠ざかるように折り曲げることも可能である。この場合には、渡り部34a,34bは副コア32の端面32aに沿うように接近する。しかしながら、図13のような配置の方がプロジェクションテレビセットでの消費電力を低減できるので好ましい。理由は以下の通りである。
【0035】
図13のように渡り部34a,34bを端面32aに対してZ軸方向に突出させた場合には、渡り部34a,34bを端面32aに沿って折り曲げた場合に比べて、渡り部34a,34bを副コア32から遠ざけることができる。従って、図15に示すように、渡り部34a,34bから発生する磁界41のうち副コア32に吸い込まれる磁束数が減少し、副垂直コイル31自身と鎖交する磁束数が減少する。したがって副垂直コイル31のインダクタンス値を低減できる。渡り部34a,34bを端面32aに対してZ軸方向に突出させても副垂直コイル31の巻数は変わらないので、電子ビームに対する起磁力は変化しない。副偏向装置29に印加される副偏向電流の周波数は数百KHzと非常に高く、消費電力はコイルの直流抵抗よりもインダクタンスのほうに大きく依存する。図13及び図15のように渡り部34a,34bを配置することにより、電子ビームに対する起磁力を変えることなくインダクタンス値を小さくすることができるので、テレビセットの消費電力の指標であるLI2を効率よく小さくすることができる。
【0036】
上記の実施の形態で示した副コア32の内周面に形成された副コア突起部40のZ軸に沿って見た形状は角型(台形)形状としたが、これに限定されず、半球状でもよい。また、副コア突起部40は形成されていなくても良い。副コア突起部40が形成されていない場合は、副コア突起部40が形成されている場合と比較して、消費電力の低減効果は劣るが、副コア32が単純な円筒形になるので副コア32のコストを低減できる。
【0037】
なお、本発明者らは上記の実施の形態の構成においてトロイダル型副水平コイル30の巻線角度θH及びサドル型副垂直コイル31の巻線角度θVをいずれも約30°、副コア32の最小内径DPを31mmとして実験した結果、ビームスポット形状に対する影響がほとんど生じることなく、消費電力を約11〜18%低減できることを確認した。
【0038】
上記の実施の形態において、ビームスポットの形状変化を低減するためには、副垂直コイル31の偏向寄与部33及び副水平コイル30を所定の位置に確実に固定する必要がある。しかし、上記の副偏向装置29では、副垂直コイル31がサドル型、副水平コイル30が副コア32に巻回されたトロイダル型であるので、副垂直コイル31と副水平コイル30及び副コア32との相対的位置精度をどのようにして確保するかが問題となる。更に、副偏向装置29と主偏向装置25との相対的位置精度をどのようにして確保するかも問題となる。これらの相対的位置精度が悪いと、副偏向装置29による補正効果にばらつきが生じ、プロジェクションテレビとしたときにコンバーゼンスが悪化し画質が劣化する。
【0039】
以下に、本実施の形態における上記の問題の解決手段を説明する。
【0040】
図16は、本発明の実施の形態1にかかる副偏向装置において、ボビン80に副垂直コイル31を巻装した状態を示した斜視図であり、図17は、これをパネル側から見た正面図である。
【0041】
ボビン80はZ軸を中心軸とする略円筒形のボビン本体81と、ボビン本体81から立設されたアーム部82とを備える。ボビン本体81の内径は、これに内挿されるネック部46の外径よりも約1.5mm大きい。
【0042】
ボビン本体81の外周面81a上に副垂直コイル31が固定される。ボビン本体81の外周面81a上に設けられた保持部52は、外周面81aに沿って巻装される副垂直コイル31のうち、XY面と略平行に延設された渡り部34a,34bを、ボビン本体81との間に挟み込むようにして保持する。保持部52のボビン本体81と対向する側の内周面53は、巻線に傷をつけることなく副垂直コイル31を巻装するため、外周面81aと同心の円筒面とすることが好ましい。保持部52は、Z軸と直交する方向において渡り部34a,34bを覆うように形成されていることにより、渡り部34a,34bがZ軸から離れる方向に膨らんで巻装されるのを効果的に防止する。保持部52は、この効果が有効に発揮されるように、XZ平面およびYZ平面に対して対称に複数箇所に設けられることが好ましい。
【0043】
ボビン本体81の外周面81a上に設けられた複数の支持部55は、副垂直コイル31のZ軸に略平行な偏向寄与部33を、ボビン本体81との間に挟み込むようにして支持する。支持部55のボビン本体81と対向する側の内周面58は、副垂直コイル31が発生する副垂直磁界36を斉一磁界に保つため、外周面81aと同軸の円筒面とするのが好ましい。この理由を図18、図19を用いて説明する。
【0044】
図18はボビン80に副垂直コイル31を巻装した状態のXY面と平行な面での断面図である。図19は図18の部分Aの拡大断面図である。支持部55の内周面58が円筒面ではなく、例えば二点鎖線59のように平面であった場合、ボビン本体81の外周面81aとの間の隙間60の間隔が、Z軸を中心とする円周方向の位置により変化する。従って、偏向寄与部33のZ軸を中心とする円周方向の両端での半径方向(Z軸と直交する直線方向)における厚みt1,t2が互いに異なり、t2>t1となる。この結果、偏向寄与部33の巻線角度は、支持部55の内周面が円筒面58である場合の巻線角度θVから平面59である場合の巻線角度θV’へと大きくなり、副垂直磁界36がバレル磁界となる。このため副垂直磁界36によって偏向された電子ビーム90の断面形状は、図20のように、偏向方向の原点に近い方に頂点を持つ三角形状になる。したがって、副垂直コイル31が発生する副垂直磁界36を斉一磁界とするためには、支持部55の内周面58を、ボビン本体81の外周面81aと同軸の円筒面にして、偏向寄与部33の厚みをt1=t2とすることが好ましい。
【0045】
支持部55は、ボビン本体81から半径方向に突出した突部61に片持ち支持されている。この突部61の作用について図21及び図22を用いて以下に説明する。図21は、副垂直コイル31が巻装されたボビン80に、副水平コイル30が巻装された副コア32が組み付けられた副偏向装置29の斜視図、図22は、そのXY面に平行な面での断面図である。副コア32の内周面には、内径が互いに異なる径小部70と径大部71とが形成されている。径大部71の凹部にボビン本体81の外周面81aに形成された突部61及び支持部55が嵌入する。突部61の略半径方向に沿った側面61aのZ軸回りの位置、及び、副コア32の径小部70と径大部71との間の段差部の略半径方向に沿った側面72のZ軸回りの位置は、それぞれ所定の精度で形成されている。ボビン80に副コア32が取り付けられると、ボビン80に設けられた側面61aと副コア32に設けられた側面72とが当接する。これにより、ボビン80と副コア32とのZ軸回りの相対的回転挙動が規制される。このように、複数の突部61の各側面61aは、副コア32の段差部の側面72にそれぞれ当接して、ボビン本体81に対して副コア32をZ軸回り方向に位置規制する当接面として機能する。この結果、ボビン80に巻装された副垂直コイル31と副コア32に巻装された副水平コイル30とのZ軸回りの相対的位置ずれを防止できる。
【0046】
ボビン80と副コア32とのZ軸方向に沿った相対的位置規制は、ボビン本体81の外周面81a上に、Z軸に対して略垂直に立設された複数のリブ62により行われる。即ち、リブ62は、ボビン80に組み付けられた副コア32のZ軸方向の端面32aに当接して、ボビン80に対する副コア32のZ軸方向の位置ずれを防止する。リブ62は、副コア32をボビン80に組み付ける際に副水平コイル30が傷付けられるのを防止するため、副コア32の副水平コイル30が巻装されていない部分に当接するような位置(Z軸回りの角度)に設けられていることが好ましい。リブ62は、Z軸方向において副コア32に対して両側に設けられる。更に、リブ62が、Z軸を中心とする円周方向に離間して複数箇所に設けられていると、ボビン80と副コア32とのZ軸方向に沿った相対的挙動をより確実に制止することができるので好ましい。かくして、ボビン80に巻装された副垂直コイル31と副コア32に巻装された副水平コイル30とのZ軸方向の相対的位置ずれを防止できる。
【0047】
次に突起部63について図23を用いて説明する。図23は副偏向装置29と主偏向装置6の樹脂枠64との嵌合部を示す分解斜視図である。突起部63はボビン本体81のパネル側端面69にZ軸方向に突出して複数個設けられている。樹脂枠64の電子銃側端面73には複数の受け部65が設けられている。副偏向装置29と主偏向装置25とを結合する際に、複数の突起部63が複数の受け部65にそれぞれ嵌合し挿入され、且つ、ボビン80のパネル側端面69と樹脂枠64の電子銃側端面73とが当接する。これにより、副偏向装置29は主偏向装置6に対してZ軸方向及びZ軸回り方向において所望の位置に確実に位置決めされる。
【0048】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図24を用いて説明する。図24は本発明の実施の形態2にかかるボビン85の斜視図である。86はボビン本体、87はアーム部であり、それぞれ実施の形態1のボビン本体81、アーム部82に対応する。実施の形態1と同様の構成要素には同一の符号を付してそれらについての説明を省略する。
【0049】
本実施の形態では、ボビン本体86に一対の開口67が形成されている。一対の開口67は、X軸が開口67内を通過するように、YZ面と対称位置に形成されている。図25は副垂直コイル31が巻装されたボビン85に、副水平コイル30が巻装された副コア68が組み付けられた副偏向装置のXY面に平行な面での断面図である。ボビン85に一対の開口67を設けているので、副コア68の径小部74での内径は、実施の形態1における径小部70での内径よりも小さく設定され、径小部74は開口67内に挿入されている。これにより、副コア68の実効的な内径を実施の形態1に比べて小さくすることができる。したがって、副偏向装置29の偏向感度を向上させることができる。ただし、副コア68の径小部74での内径を小さくしすぎると、偏向装置24を外囲器に外挿する際、副コア68の径小部74がネック部46に接触してネック部46を傷つけてしまう可能性がある。よって、副コア68の径小部74での内径は、ボビン本体86の内面75の内径よりも約0.2mm以上大きいことが好ましい。
【0050】
次に本発明の偏向装置の組立方法について実施の形態2の場合を例に説明する。
【0051】
まず、図26のようにボビン85のアーム部87の先端に4本のピン76を圧入し、次いで、ボビン本体86に副垂直コイル31を巻装する。副垂直コイル31の巻始め線91および巻き終わり線92はそれぞれピン76にからげる。
【0052】
副コア68として、XZ面をZ軸を中心に45°回転させた面で2分割した一対の分割コア68a,68bを用いる。各分割コア(第1,第2副コア)68a,68bに副水平コイル30a,30bをそれぞれ巻装する。
【0053】
図27のように、第1副水平コイル30aを巻装した第1副コア68aを、ボビン85に形成された突部61及びリブ62を利用して、ボビン85に係着する。
【0054】
同様にして、図28のように、第2副水平コイル30bを巻装した第2副コア68bを、ボビン85に形成された突部61及びリブ62を利用して、ボビン85に係着する。第1副水平コイル30aの巻始め線95及び第2副水平コイル30bの巻始め線93をそれぞれピン76にからげる。第1副水平コイル30aの巻き終わり線96と第2副水平コイル30bの巻き終わり線94とは点Pにて半田付けにて結線する。
【0055】
最後に図29に示すように、第1副コア68aと第2副コア68bとを固定するように、これらの外周にテープ83を巻いた後、副偏向装置29を主偏向装置25の樹脂枠64に結合する。実際は副偏向装置29の電子銃側にバックカバー(図示せず)を取り付け、バックカバーで副偏向装置29を保護しながら、バックカバーと樹脂枠64とで副偏向装置29を挟み込むようにして固定する。
【0056】
上記の実施の形態1,2では副水平コイル30をトロイダル型、副垂直コイル31をサドル型としたが、プロジェクションテレビセットメーカの要望に合わせて、たとえば副垂直コイルの偏向能率向上よりも主水平磁界による誘起電圧の低減を優先する場合は、副水平コイルをサドル型、副垂直コイルをトロイダル型にすればよい。この場合の構成及び効果は上記説明を読み替えることにより容易に理解できるので詳細な説明を省略する。この場合には、副垂直コイルの偏向能率向上の効果は落ちるが、副水平コイルに誘起される誘起電圧を低減することができる。なお、ボビン本体に実施の形態2で説明した一対の開口を設ける場合には、開口の位置は実施の形態2と異なり、Y軸が開口内を通過するように、XZ面と対称位置に設ける。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の利用分野は特に制限はないが、例えば投写型プロジェクションテレビの画像投射部に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来のプロジェクションテレビの構成を示す模式図
【図2】従来のプロジェクションテレビに用いられる偏向装置の側面図
【図3】従来の副偏向装置の正面図
【図4】(A)は従来の副偏向装置に主水平磁界が作用する様子を示した模式図、(B)は主水平磁界により副水平コイルの端子間に生じる電圧波形図
【図5】従来の副偏向装置の動作時の磁界を示す図
【図6】(A)は従来の別の副偏向装置の正面図、(B)はその側面図
【図7】図6(B)のVII−VII線での矢視断面図
【図8】サドル型副水平コイルが発生する副水平磁界のY軸方向成分ByをX軸に沿って測定した結果を示したグラフ
【図9】従来の副偏向装置の変形例を示した断面図
【図10】従来の偏向装置におけるバレル型の副水平磁界及び副垂直磁界がビームスポット形状に及ぼす影響を示す模式図
【図11】本発明の実施の形態1にかかる投写管装置の側面図
【図12】本発明の実施の形態1にかかる偏向装置の側面図
【図13】本発明の実施の形態1にかかる偏向装置における副偏向装置の斜視図
【図14】本発明の実施の形態1にかかる偏向装置における副偏向装置の断面図
【図15】本発明の実施の形態1にかかる副偏向装置の副垂直コイルの渡り部とこれによる磁界とを示した斜視図
【図16】本発明の実施の形態1にかかる副偏向装置において、ボビンに副垂直コイルを巻装した状態を示した斜視図
【図17】本発明の実施の形態1にかかる副偏向装置において、ボビンに副垂直コイルを巻装した状態をパネル側から見た正面図
【図18】本発明の実施の形態1にかかる副偏向装置において、ボビンに副垂直コイルを巻装した状態のXY面と平行な面での断面図
【図19】図18の部分Aの拡大断面図
【図20】バレル磁界である副垂直磁界によって偏向されたビームの断面形状を示した図
【図21】副垂直コイルが巻装されたボビンに、副水平コイルが巻装された副コアが組み付けられた本発明の実施の形態1にかかる副偏向装置の斜視図
【図22】図21の副偏向装置のXY面に平行な面での断面図
【図23】本発明の実施の形態1において、副偏向装置と主偏向装置の樹脂枠との嵌合部を示す分解斜視図
【図24】本発明の実施の形態2にかかるボビンの斜視図
【図25】副垂直コイルが巻装されたボビンに、副水平コイルが巻装された副コアが組み付けられた本発明の実施の形態2にかかる副偏向装置のXY面に平行な面での断面図
【図26】本発明の実施の形態2において、副垂直コイルが巻装されたボビンを示した斜視図
【図27】本発明の実施の形態2において、ボビンに第1副水平コイルが巻装された第1副コアを装着した状態を示した斜視図
【図28】本発明の実施の形態2において、ボビンに第1,第2副水平コイルがそれぞれ巻装された第1,第2副コアを装着した状態を示した斜視図
【図29】本発明の実施の形態2において、主偏向装置と副偏向装置とを結合した状態の要部を示した斜視図
【符号の説明】
【0059】
1 赤の投写管装置
2 緑の投写管装置
3 青の投写管装置
4 偏向装置
5 スクリーン
6 主偏向装置
7 主垂直コイル
8 主コア
9 副偏向装置
10 副コア
11 副水平コイル
12 副垂直コイル
13 主水平コイルからの洩れ磁界
14 副水平コイル及び副垂直コイルからの洩れ磁界
15 副水平コイル
16 副垂直コイル
17 副コア
18 副水平コイルの副偏向磁界
19 副偏向装置
20 副垂直コイルの副偏向磁界
21 副偏向磁界の磁界の型
22,22’ 電子ビーム
22a Y軸に近い方の電子
22b Y軸から遠い方の電子
23,23’ 変形後の電子ビーム
24 偏向装置
25 主偏向装置
26 主水平コイル
27 主垂直コイル
28 主コア
29 副偏向装置
30 副水平コイル
31 副垂直コイル
32 副コア
33 副垂直コイルの偏向寄与部
34a,34b 副垂直コイルの渡り部
35a,35b 副垂直コイルの副偏向磁界
36 副垂直コイルによる副偏向磁界
37 電子ビーム
39 開口
40 副コア突起部
41 渡り部から発生する磁界
42 画面表示部
43 主水平コイル
44 パネル
45 ファンネル
46 ネック部
47 ヨーク部
48 電子ビーム
49 電子銃
50 スクリーン
51 投写管装置
52 保持部
53 保持部の内周面
55 支持部
58 支持部の内周面
59 平面状の支持部の内周面
60 ボビン本体と支持部と間の隙間
61 突部
61a 突部の側面(当接面)
62 リブ
63 突起部
64 樹脂枠
65 受け部
67 開口
68 副コア
69 ボビン本体のパネル側端面
70 副コアの径小部
71 副コアの径大部
72 段差部の側面
73 樹脂枠の電子銃側端面
74 副コアの径小部
75 ボビン本体の内面
76 ピン
80 ボビン
81 ボビン本体
81a ボビン本体の外周面
82 アーム部
83 テープ
85 ボビン
86 ボビン本体
87 アーム部
90 電子ビーム
91 副垂直コイルの巻始め線
92 副垂直コイルの巻き終わり線
93 第2副水平コイルの巻始め線
94 第2副水平コイルの巻き終わり線
95 第1副水平コイルの巻始め線
96 第1副水平コイルの巻き終わり線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製のパネルと、前記パネルに接続されたガラス製のファンネルと、前記ファンネルに接続された円筒状のガラス製のネック部とを有する投写管装置本体と、
前記ネック部内に設けられた電子銃と、
前記投写管装置本体の外周上に搭載された主偏向装置及びコンバーゼンス調整用の副偏向装置を含む偏向装置と
を備えた投写管装置であって、
前記主偏向装置は、主水平コイルと、前記主水平コイルの外側に設けられた樹脂枠、主垂直コイル、及び主コアとを少なくとも有し、
前記副偏向装置は、管軸方向において前記主偏向装置よりも前記電子銃側に配置され、副水平コイルと副垂直コイルと副コアとボビンとを有し、
副水平コイルはトロイダル型コイルであり、前記副垂直コイルはサドル型コイルであり、
前記副コアは、その内周面に、内径が互いに異なる径小部及び径大部と、前記径小部と前記径大部との間の段差部とを有し、
前記ボビンは、略円筒形状のボビン本体を有し、
前記ボビン本体は、
管軸と直交する面にほぼ沿って延設された前記副垂直コイルの渡り部を管軸と直交する方向において覆うように設けられた複数の保持部と、
管軸に略平行に延設された前記副垂直コイルの偏向寄与部を支持する複数の支持部と、
前記副コアの前記段差部と当接することにより、前記ボビン本体に対して前記副コアを管軸回り方向に位置規制する複数の当接面と、
管軸に対して略垂直に立設され、管軸と平行な方向において前記副コアと当接して、前記ボビン本体に対して記副コアを管軸と平行な方向に位置規制する複数のリブと、
前記ボビン本体の前記パネル側の端面に設けられた、前記パネル側に突出した複数の突起部と
を有し、
前記樹脂枠は、前記複数の突起部がそれぞれ嵌入される複数の受け部を有する
ことを特徴とする投写管装置。
【請求項2】
ガラス製のパネルと、前記パネルに接続されたガラス製のファンネルと、前記ファンネルに接続された円筒状のガラス製のネック部とを有する投写管装置本体と、
前記ネック部内に設けられた電子銃と、
前記投写管装置本体の外周上に搭載された主偏向装置及びコンバーゼンス調整用の副偏向装置を含む偏向装置と
を備えた投写管装置であって、
前記主偏向装置は、主水平コイルと、前記主水平コイルの外側に設けられた樹脂枠、主垂直コイル、及び主コアとを少なくとも有し、
前記副偏向装置は、管軸方向において前記主偏向装置よりも前記電子銃側に配置され、副水平コイルと副垂直コイルと副コアとボビンとを有し、
副水平コイルはサドル型コイルであり、前記副垂直コイルはトロイダル型コイルであり、
前記副コアは、その内周面に、内径が互いに異なる径小部及び径大部と、前記径小部と前記径大部との間の段差部とを有し、
前記ボビンは、略円筒形状のボビン本体を有し、
前記ボビン本体は、
管軸と直交する面にほぼ沿って延設された前記副水平コイルの渡り部を管軸と直交する方向において覆うように設けられた複数の保持部と、
管軸に略平行に延設された前記副水平コイルの偏向寄与部を支持する複数の支持部と、
前記副コアの前記段差部と当接することにより、前記ボビン本体に対して前記副コアを管軸回り方向に位置規制する複数の当接面と、
管軸に対して略垂直に立設され、管軸と平行な方向において前記副コアと当接して、前記ボビン本体に対して記副コアを管軸と平行な方向に位置規制する複数のリブと、
前記ボビン本体の前記パネル側の端面に設けられた、前記パネル側に突出した複数の突起部と
を有し、
前記樹脂枠は、前記複数の突起部がそれぞれ嵌入される複数の受け部を有する
ことを特徴とする投写管装置。
【請求項3】
前記ボビン本体に開口が設けられており、前記開口内に前記副コアの前記径小部が挿入されている請求項1又は2に記載の投写管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−114439(P2006−114439A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−303097(P2004−303097)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(503217783)松下東芝映像ディスプレイ株式会社 (176)
【Fターム(参考)】