説明

投射型映像表示装置

【課題】 使用場所を適切に判定可能な設置場所判定手段を提供し、設置場所に応じた適切なUIでの操作を可能にした投射型表示装置を提供すること。
【解決手段】 操作手段に操作可能なメニュー形態を、一つ以上切り替え可能なメニュー形態切り替え手段を有し、一つ以上のあらかじめ設定された場所に該当するかどうかを判定する設置場所判定手段を有し、前期設置場所判定手段の判定結果に応じて、前記メニュー形態切り替え手段を制御する表示装置において、設置場所判定手段は、複数の設置場所検出手段の中からあらかじめ操作手段により選択された一つ以上の設置場所検出手段について、それぞれの設置場所検出手段取得値とそれぞれ設定される設置場所判定値とを比較することで、設置場所の判定が行われることを特徴とする構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射型映像表示装置(プロジェクタ)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なプロジェクタの使用方法として、あらかじめ設置作業が行われ常設されているプロジェクタを用いて投射を行う場合(以下固定設置用途)と、プロジェクタを必要な場所に持ち込み設置作業を行い投射を行う場合(以下可搬設置用途)の2つがある。
【0003】
一般に明るくなるにつれて併せて筺体の大きさや重量が増加するため、大会議室で明るいプロジェクタが固定設置用途で用いられ、小会議室などでは小型・軽量なプロジェクタが可搬設置用途で用いられる。
【0004】
プロジェクタには、ズーム調整、フォーカス調整、シフト調整、キーストン調整などのプロジェクタと投射面との位置関係に起因するゆがみに対して、投射映像を補正する調整機構を有する。
【0005】
また、天吊り金具等を用いて上下反転して設置される場合、UIを含む入力映像も視聴者に対して正対するように投射されるように設定する必要がある。
【0006】
さらには、スクリーン色補正、環境光補正など、スクリーンや照明光などの視聴環境に起因した、理想環境下との違いに対して、投射映像を補正する調整機構を有し、入力信号は接続環境に応じて選択、設定される必要がある。
【0007】
プロジェクタを設置する際には、これら調整機構等を適切に調整される必要がある。
【0008】
この作業を自動化するために、測距センサーを用いたオートフォーカス、輝度センサー等のスクリーンセンサーを用いた自動スクリーン色補正等、入力検知による自動入力設定、等が実用化されているが、実際にはユーザーによる微調整を要することも多い。
【0009】
固定設置用途では、一度設置作業が行われ、常設されているならば、設置作業時の調整値を保持することが望ましい。
【0010】
しかし、誤ってユーザーの操作ミス等により調整値の変更を行ってしまうと、再度調整機構を用いて設定しなおさなければならない。
【0011】
半面、可搬設置用途では、使用される場所は毎回異なることが多く、この場合、投射が行われる場所が変わるたびに、フォーカス、ズーム、キーストン、シフト、スクリーン色、環境光などの使用場所に応じた設定が行われる。
【0012】
つまり、固定設置用途では、各種調整機構等を操作しやすいUIとし、可搬設置用途では、各種調整機構の誤操作を防止するUIとすることが望ましい。
【0013】
一方で、近年の技術の進歩により、比較的、小型・軽量なプロジェクタでも固定設置用途でも使用に耐えうる明るさを確保できるようになってきている。
【0014】
その結果、特定個所に設置作業が行われているプロジェクタを、必要に応じて別の場所に持ち出して使用し、その使用後は元の場所に戻して投射するような運用を考慮することが望ましい。
【0015】
しかし、従来は、このような使用方法を考慮しておらず、固定設置用途、可搬設置用途で共通のUIとなっており、各種調整機構が操作しづらいUIであるか、誤操作を招きやすいUIであった。
【0016】
例えば、特許文献1ではユーザーの操作により随時調整機構を操作可能な一般のプロジェクタにおいて、調整機構の操作禁止を別途設定可能とすることで、固定設置用途での誤操作防止を図る方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2003−315913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、上述の特許文献に開示された従来技術では、一度操作禁止に設定してしまうと、場所が変わって各種調整機構の操作を行いたい場合に、操作禁止を解除しなければならない。
【0019】
そこで、本発明の目的は、使用場所を適切に判定可能な設置場所判定手段を提供し、設置場所に応じた適切なUIでの操作を可能にした投射型表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明は、
操作手段により操作可能なメニュー形態を、複数切り替え可能なメニュー形態切り替え手段を有し、
一つ以上のあらかじめ設定された場所に該当するかどうかを判定する設置場所判定手段を有し、
前記設置場所判定手段の判定結果に応じて、前記メニュー形態切り替え手段を制御する表示装置において、
設置場所判定手段は、複数の設置場所検出手段の中からあらかじめ操作手段により選択された一つ以上の設置場所検出手段について、
それぞれの設置場所検出手段取得値と それぞれ設定される設置場所判定値とを比較することで、設置場所の判定が行われる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば使用場所を適切に判定可能な設置場所判定手段を提供し、設置場所に応じた適切なUIでの操作を可能にした投射型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1、2におけるプロジェクタの構成
【図2】本発明の実施例1、2における設置場所の例
【図3】本発明の実施例1における設置状態評価項目選択UIの例
【図4】本発明の実施例1、2における設置完了時のフロー図
【図5】本発明の実施例1における設置状態記憶量機の例
【図6】本発明の実施例1におけるプロジェクタ起動時のフロー図
【図7】本発明の実施例1におけるUI切り替えの例
【図8】本発明の実施例1における設置場所の例
【図9】本発明の実施例1における可搬設置UIの例
【図10】本発明の実施例1における固定設置UIの例
【図11】本発明の実施例1における固定設置UIの例
【図12】本発明の実施例1における固定設置UIの例
【図13】本発明の実施例1における設置場所の例
【図14】本発明の実施例1における設置場所の例
【図15】本発明の実施例1における設置場所の例
【図16】本発明の実施例2における設置状態評価項目選択UIの例
【図17】本発明の実施例2における設置状態記憶量機の例
【図18】本発明の実施例2における設置場所の例
【図19】本発明の実施例2におけるプロジェクタ起動時のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかわる投射型表示装置である。
【0024】
[実施例1]
以下、図1を参照して、本発明の第1の実施例による、投射型表示装置について説明する。
【0025】
入力端子101や入力端子102に入力された入力信号は、入力回路103で、信号種別の判別が行われ、アナログ映像信号であれば、A/D変換が行われた上で後段の処理が行われる。
【0026】
ここで、映像入力信号回路103は、信号種別の判別の情報のほか、信号有無の情報を含む入力信号情報をコントローラによる取得を可能とする。
【0027】
起動時やUIの指示により、この入力信号情報を用いた、自動的な入力信号選択等の制御を行ってもよい。
【0028】
映像処理回路103では、入力信号の解像度を表示パネル106に合わせるように解像度変換やその他映像処理が行われる。
【0029】
映像処理回路103の出力は、表示回路106で、各色ごとの信号に分離され、入力階調に対して出力輝度特性が目的の特性となるように、表示パネル106が駆動される。
【0030】
ランプ107から表示パネル108への入射光は、表示回路106により入力信号に対応した反射率(透過型プロジェクタの場合、透過率)となるように駆動され、レンズ109を通じてスクリーン7に投射される。
【0031】
プロジェクタ1とスクリーン2との距離に応じて変動する合焦距離は、コントローラ105により、フォーカス設定値に応じた位置になるようにフォーカス調整機構112が投射レンズ群109を駆動することで制御される。
【0032】
測距センサー110を搭載することで、プロジェクタ1とスクリーン2との距離を測定し、その測定値により、適切な合焦距離となるようなフォーカス設定値でフォーカス調整機構112を制御するAF制御が可能となる。
【0033】
同様に、投射レンズ群109がズーム設定値に応じた位置となるよう、ズーム調整機構114が制御される。
【0034】
さらに、投射レンズ群109がレンズシフト設定値に応じた位置となるよう、レンズシフト調整機構116が制御される。
【0035】
ここで、映像処理回路104により黒表示領域と映像表示領域を制御することによって、投射領域内における映像領域を調整する方法でも同様の効果が得られる。
【0036】
映像処理回路104は、環境光の設定値に応じて、環境光のない状態と同じように見えるように処理を行う。
【0037】
ここで、環境光がどのような光源であるかを明確にする値を環境光の設定値とし、映像処理回路104はその値を読み出して、環境光のない状態と同ように見えるように処理映像処理を行う。
【0038】
あるいは、環境光のない状態と同じに映像となる、または見えるようになる映像処理に関する値を環境光の設定値とし、映像処理回路104はその値に応じて処理を行っても同様である。
【0039】
環境光センサー115を搭載することで、によりプロジェクタ1周辺の環境光の明るさ、色などを測定し、その測定値により、適切な環境光補正となるような環境光設定値で映像処理回路104を制御することで、環境光補正の自動化が可能となる。
【0040】
同様にして、キーストン、スクリーン色などの設定値に応じて、スクリーンの投射映像の台形ひずみ、スクリーン色の影響を補正するように映像処理回路103、表示回路106が駆動される。
【0041】
傾きセンサーや116やスクリーンセンサー111を搭載することで、プロジェクタ本体の傾きやスクリーン色を測定し、台形ゆがみ、スクリーン色の影響を補正するように映像処理回路104、表示回路106を駆動することで、キーストン補正、スクリーン色補正の自動化が可能となる。
【0042】
理想的には、以上のようなセンサーなどの各種検出手段に自動的な設定が望ましい。
【0043】
しかし、実際には環境依存度が高いなどを理由に、UIによる微調整を要し、簡便とは言い難い。
【0044】
プロジェクタ1を、図2のような場所で投射を行う場合の設定手順を以下に示す。
【0045】
ユーザーは、まず従来通り、UIを操作することにより、入力信号を接続し、フォーカス、ズーム、キーストン補正、画像シフト、スクリーン色補正、環境光補正等を調整する。
【0046】
そして、UIにより、設置状態評価項目の選択と、評価項目に対応して取得した設置状態値を不揮発メモリ等の設置状態記憶領域119に記憶する。
【0047】
これは、図3のような専用のUIを操作することにより実行されるが、このUIによるフローを図4に示す。
【0048】
ユーザーはこの設置状態で変わらないと考えられる項目を選択する(S102)。
【0049】
たとえば、入力端子に接続される信号が、その設置場所に常設された機器であり、必ずその機器を使用して投射が行われることが想定される場合は、入力信号を選択する。
【0050】
さらに、プロジェクタ1本体とスクリーン2の設置場所が固定され、投射距離が変わりづらいと判断されれば、これを選択する。
【0051】
そのスクリーン2も固定され、その場所での投影の際には必ず同一のスクリーンに投影されると判定されれば、スクリーン色を選択する。
【0052】
このUIで完了が選択された際、プロジェクタ1の図2の場所での設置作業が完了したとし、コントローラからの指示により、選択された設置状態評価項目と、それぞれに対応する測定値を取得する(S103)。
【0053】
そして、その測定値を設置状態値として設置状態記憶領域119に記憶する(S104)。
【0054】
つまり、そのときの投射距離、入力信号、スクリーン色にそれぞれ対応する設置状態値として、測距センサー値、入力信号情報、スクリーンセンサー値を測定、記憶する。
【0055】
具体的には、図5のように、測距センサー1、入力信号状態1、スクリーンセンサー値1が取得される場所を、設置完了した場所として記憶する。
【0056】
このようにして、設置作業が完了したプロジェクタ1を、再び図2の場所で用いる場合のフローを図6に示す。
【0057】
まず、設置状態記憶領域119より、設置状態評価項目を読み出し、評価項目とそれに対応する設置状態値を読みだす。
【0058】
設置状態記憶領域119にこれらの値が格納されていない場合、一度の設置作業もおこなわれていない場所での起動と認識して、可搬設置UIで制御される。
【0059】
プロジェクタ1では設置状態記憶領域119にこれらの値が格納されており、設置状態評価項目として、入力信号情報と測距センサー値とスクリーンセンサー値が選ばれていると判定することができる。
【0060】
設置状態評価項目に対応する現在地として測距センサー値と入力信号情報とスクリーンセンサー値の測定値を取得する(S203)。
【0061】
同時に、設置状態記憶領域119より各評価項目に対応する設置状態値を取得し、測距センサー値1と入力信号情報1とスクリーンセンサー値1を得る。
【0062】
次に、各評価項目ごとに測定値と設置状態値を比較して、すべての評価項目が一致するか判定を行う(S206)。
【0063】
図2の場所であれば、各評価項目の設置状態値と現在値は一致することになり、設置が行われた場所であると判定することができる。
【0064】
設置が行われた場所であると判定が行われた場合、固定設置用UIとなるように制御される(S206)。
【0065】
設置が行われた場所でない場合は、可搬設置用UIとなるように制御を行う(S208)。
【0066】
ここで、固定設置UIと可搬設置UIとは、前述の、入力選択、フォーカス、キーストン補正、画面シフト等の設置に関わるUIのうち一つ以上に差異があるUIのそれぞれを指す。
【0067】
たとえば、固定設置UIと可搬設置UIで異なるフローとして、フォーカスボタン押下時のものを図7に示す。
【0068】
固定設置と判定され(S302)、固定設置UIとして制御されるときは、フォーカスボタン押下時には、固定設置されていることを表示(S303)し、フォーカス調整の調整を続行するか、中止するかを選択可能とする(S304)。
【0069】
UIより続行が指示された場合は、そのままフォーカス制御を可能(S305)とし、中止が選択されればその調整を中止し、投射を続行する。
【0070】
このような制御を行うことで、あらかじめ入念に設置作業が行われたプロジェクタにおいて、ユーザーの誤操作により設置が変更されてしまうことを未然に防ぐことが可能となる。
【0071】
このプロジェクタ1を図8の場所に持ち出し、投射を行う場合を示す。
【0072】
図8の場所では、投射距離は図2の場所と同様であるが、接続端子や接続機器の違いにより入力信号情報が図2の場所と異なる。
【0073】
図6のフローにより制御を行うことで、設置状態記憶領域より、設置状態判定項目を読みだすことで、入力信号情報と投射距離が選ばれていると判定することができる。
【0074】
選択評価項目である測距センサー110と入力信号情報の現在の値を取得する。
【0075】
設置状態値として得られる値は測距センサー値1と入力信号情報1を取得可能であり、現在地として測距センサー値1と入力信号情報2を取得可能である。
【0076】
これを、測距センサーの値は一致するが、入力信号情報は一致しない。
【0077】
そのため可搬設置状態であると判定し、可搬設置UIとなるように制御を行う(S207)。
【0078】
可搬設置UIのとき、フォーカスボタン押下時には、そのままフォーカス調整を可能とし、即時性を高めることができる。
【0079】
固定設置UIと可搬設置UIの違いとして、フローの違いを示したが、図9の固定設置用UIと図10の可搬設置用UIのようにメニュー画面で、上位となる項目を切り替えてもよい。
【0080】
図9の可搬設置UIは、入力信号選択、キーストン、環境光補正、スクリーン色補正、フォーカス調整のような設置に関わるメニューを即時性の高い位置に配置している。
【0081】
図10の固定設置用UIは、キーストン、環境光補正、スクリーン色補正、フォーカス調整のような設置に関わるメニューを誤操作防止となる位置に配置している。
【0082】
同様に、固定設置UIは図11のようにメニューとし、設置に関わるメニューを図12のように別メニューとして、階層上上位となる項目を切り替えてもよい。
【0083】
同様に、このプロジェクタ1は、図13のように測距センサー値2となる場所では、可搬設置UIで制御される。
【0084】
さらに、図14のようにスクリーンセンサーの測定値がスクリーンセンサー値2となる場所では、可搬設置UIで制御される。
【0085】
図2の場所が、多種の照明があるなどして、使用毎に図15のように照明環境が変わる可能性があるとする。
【0086】
その場合、図3の設置状態評価項目選択時に、ユーザーは周辺の設備から環境光が変わりうることを想定可能である。
【0087】
その際に、ユーザーは変わる可能性の高い項目を評価項目として選択しないことで、図15のように、同一の場所において、環境光が変化しても適切なUIで操作を行うことが可能となる。
【0088】
以上のように、設置作業完了時に、その場所で変わらないと想定される評価項目と変わる可能性がある項目をユーザーにより選択可能とすることで、設置作業を行った場所と行っていない場所とでのUIの切り替えを適切に行うことが可能となる。
【0089】
[実施例2]
以下、実施例1と同様の図1を参照して、本発明の第2の実施例による、投射型表示装置について説明する。
【0090】
プロジェクタ1を、図2のような場所1で投射を行う場合の設定手順を以下に示す。
【0091】
ユーザーは、まず従来通り、UIを操作することにより、入力信号を接続し、フォーカス、ズーム、キーストン補正、画像シフト、スクリーン色補正、環境光補正等を調整する。
【0092】
そして、UIにより、設置状態評価項目の選択と、評価項目に対応して取得した設置状態値を不揮発メモリ等の設置状態記憶領域119に記憶する。
【0093】
これは、図16のような専用のUIを操作することにより実行されるが、このUIによるフローを実施例1と同様に図4に示す。
【0094】
設置場所を複数登録可能として、図16のUIによる設置場所番号を設定可能とする。
ユーザーはこの設置状態で変わらないと考えられる項目を選択する(S102)。
【0095】
たとえば、入力端子に接続される信号が、その設置場所に常設された機器であり、必ずその機器を使用して投射が行われることが想定される場合は、入力信号を選択する。
【0096】
さらに、プロジェクタ1本体とスクリーン2の設置場所が固定され、投射距離が変わりづらいと判断されれば、これを選択する。
【0097】
そのスクリーン2も固定され、その場所での投影の際には必ず同一のスクリーンに投影されると判定されれば、スクリーン色を選択する。
【0098】
このUIで完了が選択された際、プロジェクタ1の図2の場所での設置作業が完了したとし、コントローラからの指示により、選択された設置状態評価項目と、それぞれに対応する測定値を取得する(S103)。
【0099】
そして、その測定値を設置状態値として、設置状態記憶領域119の選択された設置場所番号の領域に記憶する(S104)。
【0100】
つまり、そのときの投射距離、入力信号、スクリーン色にそれぞれ対応する設置状態値として、測距センサー値、入力信号情報、スクリーンセンサー値を測定、記憶する。
【0101】
具体的には、図17のように、測距センサー1、入力信号状態1、スクリーンセンサー値1が取得される場所を、設置完了した登録場所1として記憶する。
【0102】
もうひとつの設置場所として、図18の場所に設置がなされるとする。
【0103】
ここでは、天吊り金具などにより本体向きが固定され、かつスクリーン色、投射距離、環境光が固定され、入力信号などは変わりうる推定し、同様に図4の制御が行われ、図17のように設置情報記憶領域119に設置場所2の設置状態値が格納される。
【0104】
このようにして、設置作業が完了したプロジェクタ1を、再び図2の場所で用いる場合のフローを図19に示す。
【0105】
まず、設置状態記憶領域119より、1つの登録場所の設置状態評価項目を読み出し、評価項目とそれに対応する設置状態値を読みだす。
【0106】
設置状態記憶領域119にこれらの値が格納されていない場合、一度の設置作業もおこなわれていない場所での起動と認識して、可搬設置UIで制御される。
【0107】
プロジェクタ1では設置状態記憶領域119にこれらの値が格納されており、登録場所1の設置状態評価項目として、入力信号情報と測距センサー値とスクリーンセンサー値が選ばれていると判定することができる。
【0108】
設置状態評価項目に対応する現在値として測距センサー値と入力信号情報とスクリーンセンサー値の測定値を取得する(S203)。
【0109】
同時に、設置状態記憶領域119に各評価項目に対応する設置状態値として、測距センサー値1と入力信号情報1とスクリーンセンサー値1を得る。
【0110】
次に、各評価項目ごとに測定値と設置状態値を比較して、すべての評価項目が一致するか判定を行う(S206)。
【0111】
図2の場所であれば、各評価項目の設置状態値と現在の値は一致することになり、設置が行われた場所であると判定することができる。
【0112】
設置が行われた場所であると判定が行われた場合、固定設置用UIとなるように制御される(S206)。
【0113】
これらの値のうちどれか一つ以上の値が一致しない場合、可搬設置用UIとなるように制御を行う(S207)。
【0114】
また、同様にして、このプロジェクタを一度設置作業が行われた図18の場所に持ち込まれた場合、図19のフローにおいて、設置状態記憶領域119の設置場所2の設置状態値と一致し、固定設置UIで起動される。
【0115】
以上のように、設置作業完了時に、その場所で変わらないと想定される評価項目と変わる可能性がある項目をユーザーにより選択可能とすることで、設置作業を行った場所と行っていない場所とでのUIの切り替えを適切に行うことが可能となる。
【0116】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0117】
101 入力端子
102 入力端子
103 入力回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段により操作可能なメニュー形態を、複数切り替え可能なメニュー形態切り替え手段を有し、
一つ以上のあらかじめ設定された場所に該当するかどうかを判定する設置場所判定手段を有し、
前記設置場所判定手段の判定結果に応じて、前記メニュー形態切り替え手段を制御する表示装置において、
設置場所判定手段は、複数の設置場所検出手段の中からあらかじめ操作手段により選択された一つ以上の設置場所検出手段について、
それぞれの設置場所検出手段取得値とそれぞれ設定される設置場所判定値とを比較することで、設置場所の判定が行われることを特徴とする投射型表示装置。
【請求項2】
設置場所判定値は
操作手段により、設置場所判定検出手段の選択が行われたときの設置場所検出手段の検出値により決定することを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
【請求項3】
設置場所検出手段の中から操作手段により選択される設置場所検出手段は、
投射型表示装置の傾きを検出する傾き検出手段、
投射型表示装置に接続される接続信号の有無、もしくは接続信号特性を判定する入力信号特性判定手段、
投射領域との距離を測定する測距手段、
投射型表示装置の視聴環境の輝度・色のいずれか一つ以上を測定する投射環境測定手段、
投射領域の色・輝度のいずれか一つ以上を測定する投射面測定手段、
の一つ以上を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置。
【請求項4】
切り替え可能なメニュー形態の一つと、もうひとつの切り替え可能なメニュー形態のひとつには、
投射型表示装置の設置方法に応じた入力映像と操作手段を制御する設置方法設定手段、
投射映像の焦点距離を調整する焦点距離調節手段、
投射映像の投影倍率を調整する投影倍率調整手段、
投射映像の台形歪みを補正する台形歪み補正手段、
投射映像の位置を調整する投射映像位置調整手段、
投射型表示装置が想定していない投射領域での視聴映像を、想定している投射領域での視聴映像に近づける色・輝度のどちらか一つ以上の補正を行う投射領域補正手段、
投射型表示装置が想定していない環境光での視聴映像を、想定している環境光での視聴映像に近づける色・輝度のどちらか一つ以上の補正を行う環境光補正手段、
のいずれか一つ以上のメニュー形態が異なることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の投射型表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−109182(P2013−109182A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254591(P2011−254591)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】