投射型表示装置
【課題】 ユーザーがレンズシフト操作を行なう際に、シフト可動範囲と現在の投射領域のシフト位置との位置関係を把握することを可能にした投射型表示装置を提供すること。
【解決手段】 本提案の投射型表示装置は、映像を投射する投射レンズと、前記映像の投射位置を水平・垂直方向にシフトさせるレンズシフト機構と、前記投射位置のシフト量を計算するシフト量計算部と、前記投射位置のシフト可動範囲を計算するシフト可動範囲計算部と、前記シフト量計算部から取得した前記シフト量と前記シフト可動範囲計算部から取得したシフト可動範囲情報に基づいて、前記投射位置のシフト状態を模式化したシフトガイドを作成するシフトガイド作成部と、前記シフトガイド作成部から取得するシフトガイドと入力映像信号とを合成し映像を表示する映像表示部を備えることを特徴とする構成とした。
【解決手段】 本提案の投射型表示装置は、映像を投射する投射レンズと、前記映像の投射位置を水平・垂直方向にシフトさせるレンズシフト機構と、前記投射位置のシフト量を計算するシフト量計算部と、前記投射位置のシフト可動範囲を計算するシフト可動範囲計算部と、前記シフト量計算部から取得した前記シフト量と前記シフト可動範囲計算部から取得したシフト可動範囲情報に基づいて、前記投射位置のシフト状態を模式化したシフトガイドを作成するシフトガイド作成部と、前記シフトガイド作成部から取得するシフトガイドと入力映像信号とを合成し映像を表示する映像表示部を備えることを特徴とする構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射型表示装置に関し、特にレンズシフトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタ用交換レンズの種類、また本体パネルのサイズに依存してレンズシフトの可動範囲は変化するが、ユーザはレンズシフト操作を行う場合、そのシフト可動範囲を把握した操作をし難いという課題がある。
例えば、特許文献1において、シフト可動範囲を超える場合に警告を表示する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−215610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の特許文献1に開示された従来技術では、レンズシフト操作によりシフト可動範囲の限界位置へ投射位置が移動した場合に警告が表示されるばかりでシフト可動範囲における現在のシフト位置を把握できるわけではない。また、限界位置までレンズシフト操作を行なった場合に限界位置を初めて把握することが出来るが、工場初期化時のレンズシフト位置やレンズシフトの可動範囲を予め把握することはできない。
【0005】
そこで本発明の目的は、ユーザーがレンズシフト操作を行なう際に、シフト可動範囲と現在の投射領域のシフト位置との位置関係を把握することを可能にした投射型表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明における投射型表示装置は、
映像を投射する投射レンズと、前記映像の投射位置を水平・垂直方向にシフトさせるレンズシフト機構と、前記投射位置のシフト量を計算するシフト量計算部と、前記投射位置のシフト可動範囲を計算するシフト可動範囲計算部と、前記シフト量計算部から取得したシフト情報と前記シフト可動範囲計算部から取得したシフト可動範囲情報に基づいて、前記投射位置のシフト状態を模式化したシフトガイドを作成するシフトガイド作成部と、前記シフトガイド作成部から取得するシフトガイドと入力映像信号とを合成し映像を表示する映像表示部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シフト量計算部から算出された現状の投射位置のシフト情報と、シフト可動範囲計算部によって算出されたシフト可動範囲情報を用いてシフトガイドを作成しユーザーに示すことにより、ユーザーはシフト可動範囲において現状の投射領域の位置を確認しながらレンズシフト操作を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1における投射型表示装置の機能ブロック図
【図2】実施例1における投射型表示装置のシフトガイドを表示するまでのフローチャート
【図3】実施例2における投射型表示装置の機能ブロック図
【図4】実施例2における投射型表示装置のシフトガイドを表示するまでのフローチャート
【図5】実施例1、2における作成されたシフトガイドを説明する図
【図6】実施例1、2における作成されたシフトガイドを説明する図
【図7】実施例3における投射型表示装置の機能ブロック図
【図8】実施例3における投射型表示装置のシフトガイドを表示するまでのフローチャート
【図9】実施例3における作成されたシフトガイドを説明する図
【図10】実施例3における作成されたシフトガイドを説明する図
【図11】実施例3における作成されたシフトガイドを説明する図
【図12】実施例4おける投射型表示装置の機能ブロック図
【図13】実施例4おける投射型表示装置の機能ブロック図
【図14】実施例4における投射型表示装置のシフトガイドを表示するまでのフローチャート
【図15】実施例4における投射型表示装置のシフトガイドを表示するまでのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態にかかわる投射型表示装置の構成例を示すブロック図である。
【0011】
[実施例1]
以下図1を参照して、本発明の第1の実施例による投射型表示装置の構成を示す機能ブロックについて説明する。
【0012】
101は投射型表示装置本体であり、図示しないが投射レンズ102を交換可能な交換機構を備える。
【0013】
103は映像入力部であり、外部機器からの映像信号が入力される。
【0014】
104は映像合成部であり、映像信号の合成処理を行なう。
【0015】
105は映像表示部であり、映像信号の表示を行なう。
【0016】
110はシフト量計算部であり、ユーザー操作によってシフトした投射レンズ102のシフト量を算出する。
【0017】
111はシフト可動範囲計算部であり、ユーザー操作によって上下左右にシフトが可能な範囲を算出する。
【0018】
112はシフトガイド作成部であり、投射位置のシフト状態を模式化して示すシフトガイドを作成する。
【0019】
本実施例におけるシフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、映像合成部104は、図示しないCPU、ROM、RAMを有する1つ以上のコンピュータである。
【0020】
本実施例における映像表示部105は、LCOSパネルなどから構成される。
【0021】
図2は本実施例に係る、シフトガイドを表示する処理フローの一例を示す。図1の構成を用いて説明する。
【0022】
ユーザーによる投射型表示装置本体101に備えられたレンズシフト釦の押下やリモコンのレンズシフト釦の押下、通信等によるレンズシフトコマンドの送信などによりレンズシフトのトリガーが発行されると、一連の処理が実行される。
【0023】
ステップS100はレンズシフトの可動範囲を取得するステップである。シフト可動範囲は、シフト可動範囲計算部111よりシフト可動範囲を取得する。取得したシフト可動範囲は、シフト可動範囲情報bとしてシフトガイド作成部112へ通知される。
【0024】
ステップS101はレンズシフト操作によるシフト量を算出する。シフト量は図示しないエンコーダなどから取得した値を用いてシフト量計算部110により算出され、シフトガイド作成部112へシフト情報aとして通知される。
【0025】
ステップS102はシフトガイドを作成するステップであり、S100により取得したシフト可動範囲情報aとS101により取得したシフト情報bから、シフト可動範囲における現在のシフト位置を示すシフトガイドAを作成する。
【0026】
シフトガイドAはメニューやガイドを表示するOSDによって表現されても良い。
【0027】
ステップS103はS102により作成した、シフトガイドAと映像入力部103より入力された入力映像信号Bを合成し出力映像信号Cとするステップである。
【0028】
入力映像信号Bがない場合にはシフトガイドAのみを出力映像信号Cとする。
【0029】
ステップS104はS103により合成した出力映像信号Cを表示するステップである。
【0030】
ステップS105はレンズシフト操作の完了を判定するステップであり、レンズシフト操作が完了していない場合は、再びS101から処理を行なう。レンズシフト操作が完了していた場合には、上記一連の処理が終了となる。
【0031】
[実施例2]
以下図3を参照して、本発明の第2の実施例による投射型表示装置の構成を示す機能ブロックについて説明する。なお、既述の実施例で説明した同一名の機能ブロックについて、本実施例においても同一の働きをするものについては説明は省略する。
【0032】
本実施例における投射型表示装置101は、投射レンズ102と、映像入力部103、映像合成部104、映像表示部105、シフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、レンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114から構成されている。
【0033】
113はレンズ情報記憶部であり、レンズの種類を識別できるレンズ情報cを保持する。
【0034】
114はパネル情報記憶部であり、パネルの種類を識別できるパネル情報dを保持する。
【0035】
本実施例におけるシフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、映像合成部104は、図示しないCPU、ROM、RAMを有する1つ以上のコンピュータである。
【0036】
本実施例における映像表示部105は、LCOSパネルなどから構成される。
【0037】
本実施例におけるレンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114は、情報を記録するROMなどの記憶媒体である。
【0038】
図4は本実施例に係る、シフトガイドを表示する処理フローの一例を示す。図3の構成を用いて説明する。
【0039】
ユーザーによる投射型表示装置本体101に備えられたレンズシフト釦の押下やリモコンのレンズシフト釦の押下、通信等によるレンズシフトコマンドの送信などによりレンズシフトのトリガーが発行されると、一連の処理が実行される。
【0040】
ステップS200はレンズ情報を取得するステップである。投射レンズ102に備えられたレンズ情報記憶部113からレンズ情報cを取得する。
【0041】
ステップS201はパネル情報を取得するステップである。図示しない投射型表示装置本体101に備えられたパネルの情報を記憶するパネル情報記憶部114からパネル情報dを取得する。
【0042】
ステップS202はレンズシフトの可動範囲を取得するステップである。S200、S201で取得したレンズ情報cとパネル情報dの組み合わせからシフト可動範囲を算出する。算出されたシフト可動範囲は、シフト可動範囲情報bとしてシフトガイド作成部112へ通知される。
【0043】
ステップS203はレンズシフト操作によるシフト量を算出する。シフト量は図示しないエンコーダなどから取得した値を用いてシフト量計算部110により算出され、シフトガイド作成部112へシフト情報aとして通知される。
【0044】
ステップS204はシフトガイドを作成するステップであり、S202により取得したシフト可動範囲情報bとS202により取得したシフト情報aから、シフト可動範囲における現在のシフト位置を示すシフトガイドAを作成する。
【0045】
シフトガイドAはメニューやガイドを表示するOSDによって表現されても良い。
【0046】
ステップS205はS204により作成した、シフトガイドAと映像入力部103より入力された入力映像信号Bを合成し出力映像信号Cとするステップである。
【0047】
入力映像信号Bがない場合にはシフトガイドAのみを出力映像信号Cとする。
【0048】
ステップS206はS205により合成した出力映像信号Cを表示するステップである。
【0049】
ステップS207はレンズシフト操作の完了を判定するステップであり、レンズシフト操作が完了していない場合は、再びS203から処理を行なう。レンズシフト操作が完了していた場合には、上記一連の処理が終了となる。
【0050】
図5は実施形態1と実施形態2に係るシフトガイドAを説明するための図である。
【0051】
1はスクリーンを示す。
【0052】
2は投射型表示装置101の出力映像の投射領域を示す。
【0053】
シフトガイドAはの投射レンズのシフト可動範囲4を模式化したシフトガイドA−1、シフトに合せて常に光軸上を移動する投射領域2の位置を示すシフトガイドA−2から構成される。以下、シフトガイドA−1、シフトガイドA−2と記す。
【0054】
矢印1000は投射領域2のシフト方向を示す。
【0055】
投射領域2がレンズシフトにより移動する度に、レンズシフトにより移動する投射領域2の位置を示すシフトガイドA-2はシフト可動範囲4を模式化したシフトガイドA−1の範囲内で移動し、常にシフト可動範囲4における投射領域2のシフト状態を示す。
【0056】
また、シフトガイドAが図5に示すようなデザインとして限定されたものではなく、また図6に示すようにシフト方向の水平方向1000と垂直方向2000への切替えによってシフトガイドAを切替えても良い。
【0057】
[実施例3]
以下図7を参照して、本発明の第3の実施例による投射型表示装置の構成を示す機能ブロックについて説明する。なお、既述の実施例で説明した同一名の機能ブロックについて、本実施例においても同一の働きをするものについては説明は省略する。
【0058】
本実施例における投射型表示装置101は、投射レンズ102と、映像入力部103、映像合成部104、映像表示部105、シフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、レンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114、ガイド位置制御部115から構成されている。
【0059】
115はガイド位置制御部である。映像信号B上にシフトガイドAを合成する際の合成位置を指示するための合成位置情報Dを算出する。
【0060】
本実施例におけるシフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、ガイド位置制御部115、映像合成部104は、図示しないCPU、ROM、RAMを有する1つ以上のコンピュータである。
【0061】
本実施例における映像表示部は、LCOSパネルなどから構成される。
【0062】
本実施例におけるレンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114は、情報を記録するROMなどの記憶媒体である。
【0063】
図8は本実施例に係る、シフトガイドを表示する処理フローの一例を示す。図7の構成を用いて説明する。
【0064】
ユーザーによる投射型表示装置本体101に備えられたレンズシフト釦の押下やリモコンのレンズシフト釦の押下、通信等によるレンズシフトコマンドの送信などによりレンズシフトのトリガーが発行されると、一連の処理が実行される。
【0065】
ステップS300はレンズ情報を取得するステップである。投射レンズ102に備えられたレンズ情報記憶部113からレンズ情報cを取得する。
【0066】
ステップS301はパネル情報を取得するステップである。図示しない投射型表示装置本体101に備えられたパネルの情報を記憶するパネル情報記憶部114からパネル情報dを取得する。
【0067】
ステップS302はレンズシフトの可動範囲を取得するステップである。S300、S301で取得したレンズ情報cとパネル情報dの組み合わせからシフト可動範囲を算出する。算出されたシフト可動範囲は、シフト可動範囲情報bとしてシフトガイド作成部112へ通知される。
【0068】
ステップS303はレンズシフト操作によるシフト量を算出する。シフト量は図示しないエンコーダなどから取得した値を用いてシフト量計算部110により算出され、シフトガイド作成部112へシフト情報aとして通知される。
【0069】
ステップS304はシフトガイドを作成するステップであり、S302により取得したシフト可動範囲情報aとS303により取得したシフト情報bから、シフト可動範囲における現在のシフト位置を示すシフトガイドAを作成する。
【0070】
シフトガイドAはメニューやガイドを表示するOSDによって表現されても良い。
【0071】
ステップS305はS304により作成した、シフトガイドAを、映像入力部103より入力された入力映像信号B上に合成するための合成位置を示す合成位置情報Dを、S303により取得したシフト情報aに基づき算出する。
【0072】
本実施例におけるガイド位置制御部115はシフト情報aから、常に光軸上にありレンズシフト操作によってシフトする投射領域2上で、シフトを行なわない場合の投射領域3の相対位置を算出し、算出された相対位置上にシフトガイドAを表示するようにシフトガイド表示位置を制御するとしても良い。
【0073】
ステップS306はS304により作成した、シフトガイドAと映像入力部103より入力された入力映像信号Bを、S305より取得した合成位置情報Dに基づいて合成し出力映像信号Cとするステップである。
【0074】
入力映像信号Bがない場合にはシフトガイドAのみを出力映像信号Cとする。
【0075】
ステップS307はS306により合成した出力映像信号Cを表示するステップである。
【0076】
ステップS308はレンズシフト操作の完了を判定するステップであり、レンズシフト操作が完了していない場合は、再びS303から処理を行なう。レンズシフト操作が完了していた場合には、上記一連の処理が終了となる。
【0077】
図9は上記実施形態2のシフトガイドAを説明するための図である。
【0078】
シフトガイドAはレンズシフトを行なわない場合の投射領域3の中心上に表示されるシフト可動範囲を等比サイズで模式化したシフトガイドA−1と、常に光軸上にある投射領域2の中心を示すシフトガイドA−2から構成されている。以下、それぞれシフトガイドA−1、シフトガイドA−2と記す。
【0079】
シフトガイドA−1はレンズシフトを行なわない場合の投射領域3の中心位置上に表示される。ユーザーが1000方向にレンズシフト操作を行なうと、投射領域2がスクリーン1上を1000方向にシフトする度にガイド位置制御部115によって常に光軸上にある投射領域2上で、レンズシフトを行なわない場合の投射領域3の中心位置が算出され、算出されたレンズシフトを行なわない場合の投射領域3の中心位置上に表示される。
【0080】
シフトガイドA−2は常に光軸上にある投射領域2の中心上から移動しないため、投射領域2に合せてスクリーン1上を移動する。
【0081】
また図10に示すようにシフト可動範囲を等比サイズで模式化したシフトガイドA−1を常に光軸上にある投射領域2の中心上で表現し、シフトガイドA−2をレンズシフトを行なわない場合の投射領域3の中心位置を示すとしてもよい。
【0082】
また図11に示すように投射レンズとパネルとの組み合わせにより、シフト可動範囲が投射領域2を越える範囲であった場合、シフトガイドA−1は投射領域2に対して等比サイズでシフト可動範囲を模式化した際に投射領域2を越える大きさで表現されていても良い。
【0083】
上記実施例により、ユーザーはシフト可動範囲における現在のシフト量や、レンズシフトをしていない場合の投射領域3とレンズシフトにより常に光軸上を移動する投射領域2をの位置関係を、容易に把握することが出来る。
【0084】
[実施例4]
以下図12を参照して、本発明の第4の実施例による投射型表示装置の構成を示す機能ブロックについて説明する。なお、既述の実施例で説明した同一名の機能ブロックについて、本実施例においても同一の働きをするものについては説明は省略する。
【0085】
本実施例における投射型表示装置101は、投射レンズ102と、映像入力部103、映像合成部104、映像表示部105、シフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、レンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114、ガイド位置制御部115、シフトガイド記憶部116から構成されている。
【0086】
116はシフトガイド記憶部116である。レンズ情報cとパネル情報dの組み合わせ別に変化する、シフト可動範囲を表現する最適なシフトガイドAを作成するためのシフトガイドパターンを記憶する。
【0087】
本実施例におけるシフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、ガイド位置制御部115、映像合成部104は、図示しないCPU、ROM、RAMを有する1つ以上のコンピュータである。
【0088】
本実施例における映像表示部は、LCOSパネルなどから構成される。
【0089】
本実施例におけるレンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114は、シフトガイド記憶部116は、情報を記録するROMなどの記憶媒体である。
【0090】
また図13に示すようにシフトガイドパターン記憶部116は投射型表示装置101ではなく投射レンズ102側に備えられた構成でも良い。
【0091】
図14は本実施例に係る、シフトガイドを表示する処理フローの一例を示す。
【0092】
ユーザーによる投射型表示装置本体101に備えられたレンズシフト釦の押下やリモコンのレンズシフト釦の押下、通信等によるレンズシフトコマンドの送信などによりレンズシフトのトリガーが発行されると、一連の処理が実行される。
【0093】
ステップS400はレンズ情報を取得するステップである。投射レンズ102に備えられたレンズ情報記憶部113からレンズ情報cを取得する。
【0094】
ステップS401はパネル情報を取得するステップである。図示しない投射型表示装置本体101に備えられたパネルの情報を記憶するパネル情報記憶部114からパネル情報dを取得する。
【0095】
ステップS402はレンズシフトの可動範囲を取得するステップである。S400、S401で取得したレンズ情報cとパネル情報dの組み合わせからシフト可動範囲を算出する。算出されたシフト可動範囲は、シフト可動範囲情報bとしてシフトガイド作成部112へ通知される。
【0096】
ステップS403はシフトガイドパターンを選択するステップである。S400、S401で取得したレンズ情報cとパネル情報dの組み合わせから最適なシフトガイドパターンを選択する。
【0097】
ステップS404はレンズシフト操作によるシフト量を算出する。シフト量は図示しないエンコーダなどから取得した値を用いてシフト量計算部110により算出され、シフトガイド作成部112へシフト情報aとして通知される。
【0098】
ステップS405はシフトガイドを作成・更新するステップであり、S403により取得したガイドパターン情報eとS402により取得したシフト可動範囲情報bとS404により取得したシフト情報aから、シフト可動範囲における現在のシフト位置を示すシフトガイドAを作成する。
【0099】
シフトガイドAはメニューやガイドを表示するOSDによって表現されても良い。
【0100】
ステップS406はS405により作成した、シフトガイドAを、映像入力部103より入力された入力映像信号B上に合成するための合成位置を示す合成位置情報Dを、S404により取得したシフト情報aに基づき算出する。
【0101】
本実施例におけるガイド位置制御部115はシフト情報aから、常に光軸上にありレンズシフト操作によってシフトする投射領域2上で、レンズシフトを行なわない場合の投射領域3の相対位置を算出し、算出された相対位置上にシフトガイドAを表示するようにシフトガイド表示位置を制御するとしても良い。
【0102】
ステップS407はS405により作成した、シフトガイドAと映像入力部103より入力された入力映像信号Bを、S406より取得した合成位置情報Dに基づいて合成し出力映像信号Cとするステップである。
【0103】
入力映像信号Bがない場合にはシフトガイドAのみを出力映像信号Cとする。
【0104】
ステップS408はS407により合成した出力映像信号Cを表示するステップである。
【0105】
ステップS409はレンズシフト操作の完了を判定するステップであり、レンズシフト操作が完了していない場合は、再びS404から処理を行なう。レンズシフト操作が完了していた場合には、上記一連の処理が終了となる。
【0106】
図15は上記実施形態2のシフトガイドAを説明するための図である。
【0107】
シフトガイドAは、シフトガイド記憶部116の記憶するシフトガイドパターンを用いて、レンズ情報bとパネル情報cとの組み合わせによって、図15のように形状を変化させて表現されてもよい。
【0108】
上記実施例により、投射型表示装置101の環境変化に対応して最適なシフトガイドAの作成でき、ユーザーはより分かりやすくレンズシフト状態を把握することができる。
【0109】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0110】
101 投射型表示装置
102 投射レンズ
103 映像入力部
104 映像合成部
105 映像表示部
110 シフト量計算部
111 シフト可動範囲計算部
112 シフトガイド作成部
a シフト情報
b シフト可動範囲情報
A シフトガイド
B 入力映像信号
C 出力映像信号
S100 ステップ
S101 ステップ
S102 ステップ
S103 ステップ
S104 ステップ
S105 ステップ
1 スクリーン
2 投射領域
3 投射領域
4 シフト可動範囲
1000 シフト移動方向
2000 シフト移動方向
A−1 シフトガイド(OSD)
A−2 シフトガイド(OSD)
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射型表示装置に関し、特にレンズシフトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタ用交換レンズの種類、また本体パネルのサイズに依存してレンズシフトの可動範囲は変化するが、ユーザはレンズシフト操作を行う場合、そのシフト可動範囲を把握した操作をし難いという課題がある。
例えば、特許文献1において、シフト可動範囲を超える場合に警告を表示する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−215610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の特許文献1に開示された従来技術では、レンズシフト操作によりシフト可動範囲の限界位置へ投射位置が移動した場合に警告が表示されるばかりでシフト可動範囲における現在のシフト位置を把握できるわけではない。また、限界位置までレンズシフト操作を行なった場合に限界位置を初めて把握することが出来るが、工場初期化時のレンズシフト位置やレンズシフトの可動範囲を予め把握することはできない。
【0005】
そこで本発明の目的は、ユーザーがレンズシフト操作を行なう際に、シフト可動範囲と現在の投射領域のシフト位置との位置関係を把握することを可能にした投射型表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明における投射型表示装置は、
映像を投射する投射レンズと、前記映像の投射位置を水平・垂直方向にシフトさせるレンズシフト機構と、前記投射位置のシフト量を計算するシフト量計算部と、前記投射位置のシフト可動範囲を計算するシフト可動範囲計算部と、前記シフト量計算部から取得したシフト情報と前記シフト可動範囲計算部から取得したシフト可動範囲情報に基づいて、前記投射位置のシフト状態を模式化したシフトガイドを作成するシフトガイド作成部と、前記シフトガイド作成部から取得するシフトガイドと入力映像信号とを合成し映像を表示する映像表示部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シフト量計算部から算出された現状の投射位置のシフト情報と、シフト可動範囲計算部によって算出されたシフト可動範囲情報を用いてシフトガイドを作成しユーザーに示すことにより、ユーザーはシフト可動範囲において現状の投射領域の位置を確認しながらレンズシフト操作を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1における投射型表示装置の機能ブロック図
【図2】実施例1における投射型表示装置のシフトガイドを表示するまでのフローチャート
【図3】実施例2における投射型表示装置の機能ブロック図
【図4】実施例2における投射型表示装置のシフトガイドを表示するまでのフローチャート
【図5】実施例1、2における作成されたシフトガイドを説明する図
【図6】実施例1、2における作成されたシフトガイドを説明する図
【図7】実施例3における投射型表示装置の機能ブロック図
【図8】実施例3における投射型表示装置のシフトガイドを表示するまでのフローチャート
【図9】実施例3における作成されたシフトガイドを説明する図
【図10】実施例3における作成されたシフトガイドを説明する図
【図11】実施例3における作成されたシフトガイドを説明する図
【図12】実施例4おける投射型表示装置の機能ブロック図
【図13】実施例4おける投射型表示装置の機能ブロック図
【図14】実施例4における投射型表示装置のシフトガイドを表示するまでのフローチャート
【図15】実施例4における投射型表示装置のシフトガイドを表示するまでのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態にかかわる投射型表示装置の構成例を示すブロック図である。
【0011】
[実施例1]
以下図1を参照して、本発明の第1の実施例による投射型表示装置の構成を示す機能ブロックについて説明する。
【0012】
101は投射型表示装置本体であり、図示しないが投射レンズ102を交換可能な交換機構を備える。
【0013】
103は映像入力部であり、外部機器からの映像信号が入力される。
【0014】
104は映像合成部であり、映像信号の合成処理を行なう。
【0015】
105は映像表示部であり、映像信号の表示を行なう。
【0016】
110はシフト量計算部であり、ユーザー操作によってシフトした投射レンズ102のシフト量を算出する。
【0017】
111はシフト可動範囲計算部であり、ユーザー操作によって上下左右にシフトが可能な範囲を算出する。
【0018】
112はシフトガイド作成部であり、投射位置のシフト状態を模式化して示すシフトガイドを作成する。
【0019】
本実施例におけるシフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、映像合成部104は、図示しないCPU、ROM、RAMを有する1つ以上のコンピュータである。
【0020】
本実施例における映像表示部105は、LCOSパネルなどから構成される。
【0021】
図2は本実施例に係る、シフトガイドを表示する処理フローの一例を示す。図1の構成を用いて説明する。
【0022】
ユーザーによる投射型表示装置本体101に備えられたレンズシフト釦の押下やリモコンのレンズシフト釦の押下、通信等によるレンズシフトコマンドの送信などによりレンズシフトのトリガーが発行されると、一連の処理が実行される。
【0023】
ステップS100はレンズシフトの可動範囲を取得するステップである。シフト可動範囲は、シフト可動範囲計算部111よりシフト可動範囲を取得する。取得したシフト可動範囲は、シフト可動範囲情報bとしてシフトガイド作成部112へ通知される。
【0024】
ステップS101はレンズシフト操作によるシフト量を算出する。シフト量は図示しないエンコーダなどから取得した値を用いてシフト量計算部110により算出され、シフトガイド作成部112へシフト情報aとして通知される。
【0025】
ステップS102はシフトガイドを作成するステップであり、S100により取得したシフト可動範囲情報aとS101により取得したシフト情報bから、シフト可動範囲における現在のシフト位置を示すシフトガイドAを作成する。
【0026】
シフトガイドAはメニューやガイドを表示するOSDによって表現されても良い。
【0027】
ステップS103はS102により作成した、シフトガイドAと映像入力部103より入力された入力映像信号Bを合成し出力映像信号Cとするステップである。
【0028】
入力映像信号Bがない場合にはシフトガイドAのみを出力映像信号Cとする。
【0029】
ステップS104はS103により合成した出力映像信号Cを表示するステップである。
【0030】
ステップS105はレンズシフト操作の完了を判定するステップであり、レンズシフト操作が完了していない場合は、再びS101から処理を行なう。レンズシフト操作が完了していた場合には、上記一連の処理が終了となる。
【0031】
[実施例2]
以下図3を参照して、本発明の第2の実施例による投射型表示装置の構成を示す機能ブロックについて説明する。なお、既述の実施例で説明した同一名の機能ブロックについて、本実施例においても同一の働きをするものについては説明は省略する。
【0032】
本実施例における投射型表示装置101は、投射レンズ102と、映像入力部103、映像合成部104、映像表示部105、シフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、レンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114から構成されている。
【0033】
113はレンズ情報記憶部であり、レンズの種類を識別できるレンズ情報cを保持する。
【0034】
114はパネル情報記憶部であり、パネルの種類を識別できるパネル情報dを保持する。
【0035】
本実施例におけるシフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、映像合成部104は、図示しないCPU、ROM、RAMを有する1つ以上のコンピュータである。
【0036】
本実施例における映像表示部105は、LCOSパネルなどから構成される。
【0037】
本実施例におけるレンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114は、情報を記録するROMなどの記憶媒体である。
【0038】
図4は本実施例に係る、シフトガイドを表示する処理フローの一例を示す。図3の構成を用いて説明する。
【0039】
ユーザーによる投射型表示装置本体101に備えられたレンズシフト釦の押下やリモコンのレンズシフト釦の押下、通信等によるレンズシフトコマンドの送信などによりレンズシフトのトリガーが発行されると、一連の処理が実行される。
【0040】
ステップS200はレンズ情報を取得するステップである。投射レンズ102に備えられたレンズ情報記憶部113からレンズ情報cを取得する。
【0041】
ステップS201はパネル情報を取得するステップである。図示しない投射型表示装置本体101に備えられたパネルの情報を記憶するパネル情報記憶部114からパネル情報dを取得する。
【0042】
ステップS202はレンズシフトの可動範囲を取得するステップである。S200、S201で取得したレンズ情報cとパネル情報dの組み合わせからシフト可動範囲を算出する。算出されたシフト可動範囲は、シフト可動範囲情報bとしてシフトガイド作成部112へ通知される。
【0043】
ステップS203はレンズシフト操作によるシフト量を算出する。シフト量は図示しないエンコーダなどから取得した値を用いてシフト量計算部110により算出され、シフトガイド作成部112へシフト情報aとして通知される。
【0044】
ステップS204はシフトガイドを作成するステップであり、S202により取得したシフト可動範囲情報bとS202により取得したシフト情報aから、シフト可動範囲における現在のシフト位置を示すシフトガイドAを作成する。
【0045】
シフトガイドAはメニューやガイドを表示するOSDによって表現されても良い。
【0046】
ステップS205はS204により作成した、シフトガイドAと映像入力部103より入力された入力映像信号Bを合成し出力映像信号Cとするステップである。
【0047】
入力映像信号Bがない場合にはシフトガイドAのみを出力映像信号Cとする。
【0048】
ステップS206はS205により合成した出力映像信号Cを表示するステップである。
【0049】
ステップS207はレンズシフト操作の完了を判定するステップであり、レンズシフト操作が完了していない場合は、再びS203から処理を行なう。レンズシフト操作が完了していた場合には、上記一連の処理が終了となる。
【0050】
図5は実施形態1と実施形態2に係るシフトガイドAを説明するための図である。
【0051】
1はスクリーンを示す。
【0052】
2は投射型表示装置101の出力映像の投射領域を示す。
【0053】
シフトガイドAはの投射レンズのシフト可動範囲4を模式化したシフトガイドA−1、シフトに合せて常に光軸上を移動する投射領域2の位置を示すシフトガイドA−2から構成される。以下、シフトガイドA−1、シフトガイドA−2と記す。
【0054】
矢印1000は投射領域2のシフト方向を示す。
【0055】
投射領域2がレンズシフトにより移動する度に、レンズシフトにより移動する投射領域2の位置を示すシフトガイドA-2はシフト可動範囲4を模式化したシフトガイドA−1の範囲内で移動し、常にシフト可動範囲4における投射領域2のシフト状態を示す。
【0056】
また、シフトガイドAが図5に示すようなデザインとして限定されたものではなく、また図6に示すようにシフト方向の水平方向1000と垂直方向2000への切替えによってシフトガイドAを切替えても良い。
【0057】
[実施例3]
以下図7を参照して、本発明の第3の実施例による投射型表示装置の構成を示す機能ブロックについて説明する。なお、既述の実施例で説明した同一名の機能ブロックについて、本実施例においても同一の働きをするものについては説明は省略する。
【0058】
本実施例における投射型表示装置101は、投射レンズ102と、映像入力部103、映像合成部104、映像表示部105、シフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、レンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114、ガイド位置制御部115から構成されている。
【0059】
115はガイド位置制御部である。映像信号B上にシフトガイドAを合成する際の合成位置を指示するための合成位置情報Dを算出する。
【0060】
本実施例におけるシフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、ガイド位置制御部115、映像合成部104は、図示しないCPU、ROM、RAMを有する1つ以上のコンピュータである。
【0061】
本実施例における映像表示部は、LCOSパネルなどから構成される。
【0062】
本実施例におけるレンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114は、情報を記録するROMなどの記憶媒体である。
【0063】
図8は本実施例に係る、シフトガイドを表示する処理フローの一例を示す。図7の構成を用いて説明する。
【0064】
ユーザーによる投射型表示装置本体101に備えられたレンズシフト釦の押下やリモコンのレンズシフト釦の押下、通信等によるレンズシフトコマンドの送信などによりレンズシフトのトリガーが発行されると、一連の処理が実行される。
【0065】
ステップS300はレンズ情報を取得するステップである。投射レンズ102に備えられたレンズ情報記憶部113からレンズ情報cを取得する。
【0066】
ステップS301はパネル情報を取得するステップである。図示しない投射型表示装置本体101に備えられたパネルの情報を記憶するパネル情報記憶部114からパネル情報dを取得する。
【0067】
ステップS302はレンズシフトの可動範囲を取得するステップである。S300、S301で取得したレンズ情報cとパネル情報dの組み合わせからシフト可動範囲を算出する。算出されたシフト可動範囲は、シフト可動範囲情報bとしてシフトガイド作成部112へ通知される。
【0068】
ステップS303はレンズシフト操作によるシフト量を算出する。シフト量は図示しないエンコーダなどから取得した値を用いてシフト量計算部110により算出され、シフトガイド作成部112へシフト情報aとして通知される。
【0069】
ステップS304はシフトガイドを作成するステップであり、S302により取得したシフト可動範囲情報aとS303により取得したシフト情報bから、シフト可動範囲における現在のシフト位置を示すシフトガイドAを作成する。
【0070】
シフトガイドAはメニューやガイドを表示するOSDによって表現されても良い。
【0071】
ステップS305はS304により作成した、シフトガイドAを、映像入力部103より入力された入力映像信号B上に合成するための合成位置を示す合成位置情報Dを、S303により取得したシフト情報aに基づき算出する。
【0072】
本実施例におけるガイド位置制御部115はシフト情報aから、常に光軸上にありレンズシフト操作によってシフトする投射領域2上で、シフトを行なわない場合の投射領域3の相対位置を算出し、算出された相対位置上にシフトガイドAを表示するようにシフトガイド表示位置を制御するとしても良い。
【0073】
ステップS306はS304により作成した、シフトガイドAと映像入力部103より入力された入力映像信号Bを、S305より取得した合成位置情報Dに基づいて合成し出力映像信号Cとするステップである。
【0074】
入力映像信号Bがない場合にはシフトガイドAのみを出力映像信号Cとする。
【0075】
ステップS307はS306により合成した出力映像信号Cを表示するステップである。
【0076】
ステップS308はレンズシフト操作の完了を判定するステップであり、レンズシフト操作が完了していない場合は、再びS303から処理を行なう。レンズシフト操作が完了していた場合には、上記一連の処理が終了となる。
【0077】
図9は上記実施形態2のシフトガイドAを説明するための図である。
【0078】
シフトガイドAはレンズシフトを行なわない場合の投射領域3の中心上に表示されるシフト可動範囲を等比サイズで模式化したシフトガイドA−1と、常に光軸上にある投射領域2の中心を示すシフトガイドA−2から構成されている。以下、それぞれシフトガイドA−1、シフトガイドA−2と記す。
【0079】
シフトガイドA−1はレンズシフトを行なわない場合の投射領域3の中心位置上に表示される。ユーザーが1000方向にレンズシフト操作を行なうと、投射領域2がスクリーン1上を1000方向にシフトする度にガイド位置制御部115によって常に光軸上にある投射領域2上で、レンズシフトを行なわない場合の投射領域3の中心位置が算出され、算出されたレンズシフトを行なわない場合の投射領域3の中心位置上に表示される。
【0080】
シフトガイドA−2は常に光軸上にある投射領域2の中心上から移動しないため、投射領域2に合せてスクリーン1上を移動する。
【0081】
また図10に示すようにシフト可動範囲を等比サイズで模式化したシフトガイドA−1を常に光軸上にある投射領域2の中心上で表現し、シフトガイドA−2をレンズシフトを行なわない場合の投射領域3の中心位置を示すとしてもよい。
【0082】
また図11に示すように投射レンズとパネルとの組み合わせにより、シフト可動範囲が投射領域2を越える範囲であった場合、シフトガイドA−1は投射領域2に対して等比サイズでシフト可動範囲を模式化した際に投射領域2を越える大きさで表現されていても良い。
【0083】
上記実施例により、ユーザーはシフト可動範囲における現在のシフト量や、レンズシフトをしていない場合の投射領域3とレンズシフトにより常に光軸上を移動する投射領域2をの位置関係を、容易に把握することが出来る。
【0084】
[実施例4]
以下図12を参照して、本発明の第4の実施例による投射型表示装置の構成を示す機能ブロックについて説明する。なお、既述の実施例で説明した同一名の機能ブロックについて、本実施例においても同一の働きをするものについては説明は省略する。
【0085】
本実施例における投射型表示装置101は、投射レンズ102と、映像入力部103、映像合成部104、映像表示部105、シフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、レンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114、ガイド位置制御部115、シフトガイド記憶部116から構成されている。
【0086】
116はシフトガイド記憶部116である。レンズ情報cとパネル情報dの組み合わせ別に変化する、シフト可動範囲を表現する最適なシフトガイドAを作成するためのシフトガイドパターンを記憶する。
【0087】
本実施例におけるシフト量計算部110、シフト可動範囲計算部111、シフトガイド作成部112、ガイド位置制御部115、映像合成部104は、図示しないCPU、ROM、RAMを有する1つ以上のコンピュータである。
【0088】
本実施例における映像表示部は、LCOSパネルなどから構成される。
【0089】
本実施例におけるレンズ情報記憶部113、パネル情報記憶部114は、シフトガイド記憶部116は、情報を記録するROMなどの記憶媒体である。
【0090】
また図13に示すようにシフトガイドパターン記憶部116は投射型表示装置101ではなく投射レンズ102側に備えられた構成でも良い。
【0091】
図14は本実施例に係る、シフトガイドを表示する処理フローの一例を示す。
【0092】
ユーザーによる投射型表示装置本体101に備えられたレンズシフト釦の押下やリモコンのレンズシフト釦の押下、通信等によるレンズシフトコマンドの送信などによりレンズシフトのトリガーが発行されると、一連の処理が実行される。
【0093】
ステップS400はレンズ情報を取得するステップである。投射レンズ102に備えられたレンズ情報記憶部113からレンズ情報cを取得する。
【0094】
ステップS401はパネル情報を取得するステップである。図示しない投射型表示装置本体101に備えられたパネルの情報を記憶するパネル情報記憶部114からパネル情報dを取得する。
【0095】
ステップS402はレンズシフトの可動範囲を取得するステップである。S400、S401で取得したレンズ情報cとパネル情報dの組み合わせからシフト可動範囲を算出する。算出されたシフト可動範囲は、シフト可動範囲情報bとしてシフトガイド作成部112へ通知される。
【0096】
ステップS403はシフトガイドパターンを選択するステップである。S400、S401で取得したレンズ情報cとパネル情報dの組み合わせから最適なシフトガイドパターンを選択する。
【0097】
ステップS404はレンズシフト操作によるシフト量を算出する。シフト量は図示しないエンコーダなどから取得した値を用いてシフト量計算部110により算出され、シフトガイド作成部112へシフト情報aとして通知される。
【0098】
ステップS405はシフトガイドを作成・更新するステップであり、S403により取得したガイドパターン情報eとS402により取得したシフト可動範囲情報bとS404により取得したシフト情報aから、シフト可動範囲における現在のシフト位置を示すシフトガイドAを作成する。
【0099】
シフトガイドAはメニューやガイドを表示するOSDによって表現されても良い。
【0100】
ステップS406はS405により作成した、シフトガイドAを、映像入力部103より入力された入力映像信号B上に合成するための合成位置を示す合成位置情報Dを、S404により取得したシフト情報aに基づき算出する。
【0101】
本実施例におけるガイド位置制御部115はシフト情報aから、常に光軸上にありレンズシフト操作によってシフトする投射領域2上で、レンズシフトを行なわない場合の投射領域3の相対位置を算出し、算出された相対位置上にシフトガイドAを表示するようにシフトガイド表示位置を制御するとしても良い。
【0102】
ステップS407はS405により作成した、シフトガイドAと映像入力部103より入力された入力映像信号Bを、S406より取得した合成位置情報Dに基づいて合成し出力映像信号Cとするステップである。
【0103】
入力映像信号Bがない場合にはシフトガイドAのみを出力映像信号Cとする。
【0104】
ステップS408はS407により合成した出力映像信号Cを表示するステップである。
【0105】
ステップS409はレンズシフト操作の完了を判定するステップであり、レンズシフト操作が完了していない場合は、再びS404から処理を行なう。レンズシフト操作が完了していた場合には、上記一連の処理が終了となる。
【0106】
図15は上記実施形態2のシフトガイドAを説明するための図である。
【0107】
シフトガイドAは、シフトガイド記憶部116の記憶するシフトガイドパターンを用いて、レンズ情報bとパネル情報cとの組み合わせによって、図15のように形状を変化させて表現されてもよい。
【0108】
上記実施例により、投射型表示装置101の環境変化に対応して最適なシフトガイドAの作成でき、ユーザーはより分かりやすくレンズシフト状態を把握することができる。
【0109】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0110】
101 投射型表示装置
102 投射レンズ
103 映像入力部
104 映像合成部
105 映像表示部
110 シフト量計算部
111 シフト可動範囲計算部
112 シフトガイド作成部
a シフト情報
b シフト可動範囲情報
A シフトガイド
B 入力映像信号
C 出力映像信号
S100 ステップ
S101 ステップ
S102 ステップ
S103 ステップ
S104 ステップ
S105 ステップ
1 スクリーン
2 投射領域
3 投射領域
4 シフト可動範囲
1000 シフト移動方向
2000 シフト移動方向
A−1 シフトガイド(OSD)
A−2 シフトガイド(OSD)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を投射する投射レンズと、前記映像の投射位置を水平・垂直方向にシフトさせるレンズシフト機構と、前記投射位置のシフト量を計算するシフト量計算部と、前記投射位置のシフト可動範囲を計算するシフト可動範囲計算部と、前記シフト量計算部から取得した前記シフト量と前記シフト可動範囲計算部から取得したシフト可動範囲情報に基づいて、前記投射位置のシフト状態を模式化したシフトガイドを作成するシフトガイド作成部と、前記シフトガイド作成部から取得するシフトガイドと入力映像信号とを合成し映像を表示する映像表示部を備えることを特徴とする投射型表示装置。
【請求項2】
前記投射位置のシフトに連動して前記シフト量計算部から取得したシフト量に基づいて、前記シフトガイド作成部から取得した前記シフトガイドの表示位置を制御するガイド位置制御部を備え、前記ガイド位置制御部から取得したガイド表示位置情報に基づいて前記シフトガイドと入力映像信号とを合成し映像を表示する映像表示部を備えることを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
【請求項3】
前記シフトガイドは常に光軸上にある投射領域の位置を示す投射領域位置ガイドと、シフトが行われていない場合の前記投射領域の位置を示すシフト基準位置ガイドから構成され、前記投射領域位置ガイドまたは前記シフト基準位置ガイドを、前記ガイド位置制御部から取得した前記ガイド表示位置情報に基づいて入力映像信号と合成する前記映像表示部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置。
【請求項4】
レンズの種類に基づいて異なるレンズ情報を保持するレンズ情報記憶部を備える前記投射レンズを交換可能な交換レンズ機構を備え、前記レンズ情報記憶部から取得する前記レンズ情報に基づいて前記シフトガイドを作成する前記シフトガイド作成部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【請求項5】
パネルの種類に基づいて異なるパネル情報を保持するパネル情報記憶部を備え、前記パネル情報記憶部から取得する前記パネル情報に基づいて前記シフトガイドを作成する前記シフトガイド作成部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【請求項6】
種々の形状を模した前記シフトガイドパターンを記憶するシフトガイド記憶部と、前記シフトガイド記憶部から取得した前記シフトガイドパターンを用いて、前記シフトガイドを作成する前記シフトガイド作成部を備えることを特徴とした請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【請求項7】
レンズの種類に基づいて種々の形状を模した前記シフトガイドパターンを記憶する前記シフトガイド記憶部を備える前記投射レンズを交換可能な交換レンズ機構を備え、前記シフトガイド記憶部から前記シフトガイドパターンを取得し、前記シフトガイドを作成することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の投射型表紙装置。
【請求項8】
前記投射領域位置ガイド、または前記シフト基準位置ガイドはシフト可動範囲を示すゲージ状のパターンであることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【請求項9】
前記投射領域位置ガイド、または前記シフト基準位置ガイドはシフト可動範囲を縮小して表現されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【請求項10】
前記シフト基準位置情報は前記投射領域を越える範囲の大きさを持つことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【請求項1】
映像を投射する投射レンズと、前記映像の投射位置を水平・垂直方向にシフトさせるレンズシフト機構と、前記投射位置のシフト量を計算するシフト量計算部と、前記投射位置のシフト可動範囲を計算するシフト可動範囲計算部と、前記シフト量計算部から取得した前記シフト量と前記シフト可動範囲計算部から取得したシフト可動範囲情報に基づいて、前記投射位置のシフト状態を模式化したシフトガイドを作成するシフトガイド作成部と、前記シフトガイド作成部から取得するシフトガイドと入力映像信号とを合成し映像を表示する映像表示部を備えることを特徴とする投射型表示装置。
【請求項2】
前記投射位置のシフトに連動して前記シフト量計算部から取得したシフト量に基づいて、前記シフトガイド作成部から取得した前記シフトガイドの表示位置を制御するガイド位置制御部を備え、前記ガイド位置制御部から取得したガイド表示位置情報に基づいて前記シフトガイドと入力映像信号とを合成し映像を表示する映像表示部を備えることを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
【請求項3】
前記シフトガイドは常に光軸上にある投射領域の位置を示す投射領域位置ガイドと、シフトが行われていない場合の前記投射領域の位置を示すシフト基準位置ガイドから構成され、前記投射領域位置ガイドまたは前記シフト基準位置ガイドを、前記ガイド位置制御部から取得した前記ガイド表示位置情報に基づいて入力映像信号と合成する前記映像表示部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置。
【請求項4】
レンズの種類に基づいて異なるレンズ情報を保持するレンズ情報記憶部を備える前記投射レンズを交換可能な交換レンズ機構を備え、前記レンズ情報記憶部から取得する前記レンズ情報に基づいて前記シフトガイドを作成する前記シフトガイド作成部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【請求項5】
パネルの種類に基づいて異なるパネル情報を保持するパネル情報記憶部を備え、前記パネル情報記憶部から取得する前記パネル情報に基づいて前記シフトガイドを作成する前記シフトガイド作成部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【請求項6】
種々の形状を模した前記シフトガイドパターンを記憶するシフトガイド記憶部と、前記シフトガイド記憶部から取得した前記シフトガイドパターンを用いて、前記シフトガイドを作成する前記シフトガイド作成部を備えることを特徴とした請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【請求項7】
レンズの種類に基づいて種々の形状を模した前記シフトガイドパターンを記憶する前記シフトガイド記憶部を備える前記投射レンズを交換可能な交換レンズ機構を備え、前記シフトガイド記憶部から前記シフトガイドパターンを取得し、前記シフトガイドを作成することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の投射型表紙装置。
【請求項8】
前記投射領域位置ガイド、または前記シフト基準位置ガイドはシフト可動範囲を示すゲージ状のパターンであることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【請求項9】
前記投射領域位置ガイド、または前記シフト基準位置ガイドはシフト可動範囲を縮小して表現されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【請求項10】
前記シフト基準位置情報は前記投射領域を越える範囲の大きさを持つことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の投射型表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−109185(P2013−109185A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254594(P2011−254594)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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