説明

投影型静電容量方式センサおよび感圧タッチセンサを用いたデュアルセンサタッチスクリーン

【課題】本発明は、タッチスクリーンシステムにおいて、偽の接触を判別する方法および装置を提供するものである。
【解決手段】本発明に係るタッチスクリーンシステムは、タッチスクリーンシステムのタッチスクリーンに接続された複数の感圧センサと、前記タッチスクリーンに接続された複数の電極であって、前記電極の第1部分が第1軸に沿って形成され、前記電極の第2部分が第2軸に沿って形成された複数の電極と、前記複数の電極に接続された投影型静電容量方式センサシステムと、前記複数の感圧センサおよび前記投影型静電容量方式センサシステムに接続されたプロセッサとを備え、前記プロセッサは、前記複数の感圧センサおよび前記投影型静電容量方式センサシステムが、実質的に同時に前記タッチスクリーンの前記接触を検出した場合に、前記接触に関する位置座標を計算することを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にタッチスクリーンに関し、とりわけタッチスクリーンに対する偽の接触事象と真の接触事象を判別する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンは、データ処理システムへの情報入力手段として、陰極線管(すなわちCRT)、および液晶ディスプレイスクリーン(すなわちLCDスクリーン)を含むさまざまな形式のディスプレイに組み込まれている。タッチスクリーンがディスプレイの上方に配置され、あるいはディスプレイと一体に組み込まれている場合、ユーザは、所望のアイコンまたは要素に対応する位置を触れることにより、表示されたアイコンもしくは要素を選択することができる。タッチスクリーンは、たとえばPOSシステム、インフォメーションセンタ、現金自動支払機(すなわちATM)、およびデータ入力システムなどのさまざまな用途において一般的に利用されている。
【0003】
さまざまな形式のタッチスクリーンが開発されている。残念なことに、これらのタッチスクリーンは、少なくともいくつかの用途において、その利便性を制限する少なくとも1つの問題点を有する。たとえば抵抗式タッチスクリーンのカバーシートは、悪意のある汚損行為に起因する表面の傷や切断などにより損傷を受けやすい。また抵抗式タッチスクリーンは、反復的にスクリーンを押下するだけでも、やがては摩滅するおそれがある。この形式のタッチスクリーンは、たとえばディスプレイ内に入る湿気などの環境要因によっても損傷を受けやすい。第2の形式のタッチスクリーンとしての薄膜誘電層を有する静電容量方式タッチスクリーンは、手袋をはめた手でタッチしたときに問題が生じる。投影型静電容量方式タッチスクリーンと呼ばれる厚膜誘電層を有する静電容量方式タッチスクリーンは、触ったという感覚が得られないという問題がある。弾性表面波を用いた第3の形式のタッチスクリーンは、センサ表面上の異物(たとえば雨滴)の蓄積に影響されやすい。異物は、同様に赤外線方式のタッチスクリーンの動作を妨げることにもなる。さらに赤外線タッチスクリーンについては、直射日光による信号上の障害を回避するための特別な手段が必要である。第5の形式のタッチスクリーンは、感圧センサを有するものであるが、衝撃や振動に影響されやすい。
【0004】
主として、データを入力するための指やスタイラスなどの異なる接触様式に対応する手段として、2つの異なるタッチスクリーン技術を利用するさまざまなシステムが考案されてきた。
【0005】
米国特許第5,231,381号は、デジタル化用タブレットを一体化したタッチスクリーンを用いた多目的データ入力装置を開示している。このタッチスクリーンは、弾性表面波、圧力、静電容量、または光学式タッチセンサを含むさまざまな技術を用いて、受動入力(たとえば指の接触)の存在および位置を検出するものである。デジタル化用タブレットは、静電容量方式センサ、誘導容量方式センサ、または弾性表面波センサを起動させるために、アクティブスタイラス機構を採用している。
【0006】
米国特許第5,510,813号は、接触位置および接触圧力の双方を測定するタッチパネルを開示している。このタッチパネルは、抵抗性導電層を用いて、現在のパターンをモニタすることにより、接触位置を決定するものである。タッチパネルと、これに実質的に平行に延びる第2の導電性パネルとの間の静電容量値をモニタすることにより、接触圧力が測定される。接触したことに呼応して、システムは検出された接触位置および接触圧力を処理する。
【0007】
米国特許第5,543,589号は、2つのセンサ(デュアルセンサ)を有するタッチスクリーンを開示し、各センサが異なる解像度を用いて接触位置を決定することを開示している。2つのセンサは、これらにより指やスタイラスなどの単一の接触として検出されるように、単一のセンサを形成するように一体に挟持されている。使用に際して、まず低解像度センサの幅広の導体と同じ大きさを有する矩形領域の範囲を接触位置として特定するために、低解像度センサを走査させる。高解像度センサを用いて接触位置を特定するためには、低解像度センサを用いて特定した矩形領域に対応する狭小の導体を走査する必要がある。したがって開示されたシステムは、必要な走査ドライバおよび走査レシーバの数を低減し、走査処理の速度を改善するだけでなく、コストを低減することを意図するものである。
【0008】
米国特許第5,670,755号は、2つのモードのうちの一方のモードで用いられるタッチパネルを開示している。一方のモードでは、タッチパネルは従来のタッチスクリーンのように作動し、ユーザは、指、ペン、または他の接触手段を用いてスクリーンに触れることにより情報を入力することができる。このモードにおいて、パネルに取り付けられた2つの抵抗層が接触位置で接触する。接触位置は抵抗比に基づいて特定される。第2モードにおいては、タッチパネルは特注のスタイラスを用いるディジタイザとして機能する。スタイラスのパネルに対する接触点における容量結合を用いて、接触点を特定する。
【0009】
米国特許第5,777,607号は、指の接触を静電容量式に感知するとともに、スタイラスの接触を抵抗的に感知するシステムを開示している。このシステムは、いずれの接触モードにおいても、単一の抵抗層を用いて、開示されたシステムは、いずれのタッチモードでも、単一の抵抗層を用いて、タッチスクリーン上における接触のx−y座標を特定することができる。好適な実施形態では、スタイラスが使用中であることをシステムにより検出された場合、指の検出モードは作動不能とし、ユーザの手による静電結合を介した不注意によるデータ入力を防止する。
【0010】
米国特許第5,801,682号は、デュアルセンサタッチスクリーンを開示し、静電容量方式センサからの座標データの変動を、センサのコーナーに設置された歪みゲージを用いて補償することを開示している。静電容量方式センサのデータ変動は、たとえばユーザが手袋をしたことによる信号経路の変化から生じる場合がある。
【0011】
この技術分野においては、振動、電気雑音、汚染物質などの外部刺激から生じ得る偽の接触を判別し、あるいは確かに接触があったことを確認する方法および装置が必要とされている。本発明は、こうした方法および装置、ならびにとりわけ屋外用途に良好に適合する方法および装置を提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,231,381号明細書
【特許文献2】米国特許第5,510,813号明細書
【特許文献3】米国特許第5,543,589号明細書
【特許文献4】米国特許第5,670,755号明細書
【特許文献5】米国特許第5,777,607号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、タッチスクリーンシステムにおいて、偽の接触を判別する方法および装置を提供するものである。本発明に係るシステムは、タッチスクリーン上の接触を認証するために、複数の異なる形式のタッチスクリーンセンサを利用する。したがって本発明は、とりわけ管理が不十分であったり、雨滴や他の異物が存在するような屋外または準屋外の用途において要求される他の形式のセンサが有する問題点を、特定のセンサの長所を活用することにより解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の原理は、1つのタッチセンサにより検知された接触を、別のタッチセンサによって確認または認証する機能に基づく。当該接触が確認された場合には、たとえば接触位置座標を操作システムに送信することにより、当該接触を処理することができる。他方、接触が確認されない場合には、当該接触は無効とされる。本システムは、接触位置座標を特定する一次タッチセンサと、独立した信号または比較のための第2の接触位置座標の生成することにより、当該接触の真偽を認証する二次センサとを備えるものとして構成されている。さらに接触位置座標は、最初の接触が認証される前または後において認証することができる。感圧センサおよび投影型静電容量方式センサシステムは、屋外または準屋外の用途における要請に対し特に適合するものである。
【0015】
本発明に係る1つ実施形態によれば、投影型静電容量方式センサは一次センサとして用いられ、1つまたはそれ以上の感圧センサが当該接触を認証するために用いられる。この実施形態では、感圧センサを用いて、物体が接触表面に接触した時点を決定する。好適には、本発明に係るシステムは、接触を検知するために、所定の圧力がタッチスクリーンに加える必要があることを要件として設定される。本システムは、タッチスクリーンに所定の圧力以上の圧力が加わると、投影型静電容量方式センサが接触を検知したか否かを判断する。投影型静電容量方式センサが接触を検知していない場合、当該接触は無効とされ、本システムは準備モードへ戻し、投影型静電容量方式センサが接触を検知した場合には、接触座標位置を特定する。さらに好適な実施形態では、非接触閾値が設定される。この閾値は、例えば、最初に感圧センサにより接触が検知された時の投影型静電容量方式センサの信号振幅の大きさに等しくてもよい。
【0016】
本発明の他の実施形態によれば、複数の感圧センサを一次センサとして用いて、接触位置座標を正確に特定し、一方、投影型静電容量方式センサを二次センサとして用いて、一次センサで検出された接触を認証するものである。この実施形態において、投影型静電容量方式センサは、当該接触の認証のためだけに用いられるものであるため、用いられる電極数を極めて少なくすることができ、タッチスクリーンを製造しやすくし、必要な電子配線を最小限に抑えることができる。この実施形態のシステムは、感圧センサが接触を検出した後、投影型静電容量方式センサを用いて、当該接触が接地電位を有する導電性の物体によるものか否か判断する。当該接触が認証された場合、一次センサにより接触位置座標が生成され、システムは準備モードに戻る。最も簡便な構成では、当該接触が認証されなかった場合、本システムは、接触座標を特定せず、もしくは操作システムに位置座標を通知せず、準備モードに戻るだけである。択一的な構成では、当該接触が認証されなかった場合、さらに偽の接触検知を極力回避するために、感圧センサの圧力閾値が調整される。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、投影型静電容量方式および感圧センサのそれぞれを用いて正確な接触位置座標を特定することができる。この実施形態では、本システムは、一連の所与の条件に対して、いずれのセンサが正確な位置座標を特定することができるか、判断するように構成される。
【0018】
以下の本明細書および図面を参照することにより、本発明の特徴および利点を十分に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る基本的な方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係る択一的な方法を示すフローチャートである。
【図3】感圧センサを示す図である。
【図4】タッチスクリーンに取り付けられた1つまたはそれ以上の感圧センサを示す図である。
【図5】投影型静電容量方式の感圧タッチセンサを示す図である。
【図6】図5に示す投影型静電容量方式の感圧タッチセンサの断面図である。
【図7】投影型静電容量方式センサを一次センサとして、1つまたはそれ以上の感圧センサを二次センサとして用いる実施形態を示す図である。
【図8】図7に示す実施形態を用いた好適な方法を示すフローチャートである。
【図9】複数の感圧センサを一次センサとして、投影型静電容量方式センサを二次センサとして用いる実施形態を示す図である。
【図10】図9に示す実施形態を用いる好適な方法を示すフローチャートである。
【図11】投影型静電容量方式センサおよび感圧タッチセンサの両方が接触位置座標を特定する、本発明の実施形態で用いられる方法を示すフローチャートである。
【図12】センサ素子検出回路の一般的なブロック回路図である。
【図13】図12に示す回路で用いられる投影型静電容量方式のセンサ素子を示す図である。
【図14】図12に示す回路で用いられる感圧センサ素子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の好適な動作方法を示すフローチャートである。ステップ101において、タッチスクリーンは接触前状態または準備状態にある。そしてスクリーンはたとえば指または手袋を着けた指により接触される(ステップ103)。このとき一次タッチセンサは接触したことを検知する(ステップ105)。一次タッチセンサが接触座標を特定する前、あるいは一次タッチセンサが任意の情報(たとえば接触位置や接触モードなど)を操作システムへ送る前に、二次センサは、一次センサにより感知された接触が有効な接触であったことを確認する(ステップ107)。係る接触が二次センサにより有効であることが確認された場合(ステップ109)、接触位置が特定される(ステップ111)。所望の構成によるが、接触座標位置は一次センサまたは二次センサを用いて特定することができる。そしてタッチコントローラが、接触位置座標などの接触情報を操作システムへ送る(ステップ113)。二次センサが一次センサにより感知された接触が有効でないと判断した場合には、いかなる接触情報も操作システムには送られず、タッチセンサは準備状態101に戻る。この実施形態の利点は、無効である判断された接触の位置を特定するために時間を費やすことがなく、システムは有効な接触が感知されたことを迅速に確認することができ、接触が無効であれば直ちに準備状態に復帰させることができる点にある。
【0021】
図2に示すように若干変形されたシステムは、一次センサが接触を検知した後に(ステップ105)、接触位置を特定する(ステップ201)。システムは、接触位置を特定した後、二次センサも同様に接触を検知したか否かについて判断し(ステップ107)、肯定的ならば、接触を確認し(ステップ109)、位置座標を操作システムへ送信する(ステップ203)。択一的には、接触位置が特定された後(ステップ201)、二次センサについて座標に依存する接触閾値を設定し(ステップ205)、座標依存の接触感度を設定する。
【0022】
本発明の好適な実施形態においては、接触が検知されたか否かについては、一方のセンサ、好ましくは二次センサだけが判定する。当該センサは正確な接触位置を特定しないので、安価なセンサでもよい。択一的には、当該センサは概略的な接触位置を特定するように設計してもよい。たとえば、このセンサは、スクリーンのどの四分象限に接触があったかを特定するよう設計してもよい。第3の択一例では、当該センサが接触位置の実際の座標を特定するように設計して、システム冗長性を提供することができる。
【0023】
好適には、一方のセンサは投影型静電容量方式センサであり、他方のセンサは感圧センサである。一方のセンサが一次センサとして、接触位置座標を特定するセンサとして機能し、他方のセンサが単に認証センサとして機能するようにシステムを設計することができる。本発明の少なくとも1つの実施形態においては、両方のセンサが正確に接触座標を特定して、冗長性を与えるとともに、より洗練された接触認証方法を実現することができる。択一的には、第1のセンサが正確に接触座標を特定し、第2のセンサが接触座標を概略的に(たとえばタッチスクリーンの四分象限内のいずれかを)判断するものであってもよい。
【0024】
タッチスクリーンの感圧センサの設計および使用方法は、当業者に広く知られているので、本願明細書では詳細には説明しない。典型的な感圧センサは、米国特許第5,742,222号に開示された温度補償歪みゲージである。また感圧センサは、米国特許第4,355,202号および米国特許第4,675,569号、および欧州特許出願公開第EP0754936号で開示された圧電システムを用いたものであってもよい。本発明では、英国特許出願公開第GB2310288A号、英国特許出願第公開GB2321707A号、および英国特許出願公開第GB2326719A号に示された圧力感知感圧センサを採用することが好ましい。図3は、英国特許出願公開第GB2321707A号の図5aに基づくものであるが、こうした2つの感圧センサ300を図示している。
【0025】
図示のように、圧電抵抗式感圧センサ300は、タッチプレート301の1つまたはそれ以上の角部(コーナ部)と、支持構造体303との間に設置してもよい。各感圧センサ300は、圧電抵抗材料305により構成され、加えられる圧力に応じて抵抗が変化する。上方電極307および下方電極309を用いて、圧電抵抗材料305の電気抵抗を測定することができる。感圧センサ構造の機械的強度を確保するために、センサ基板311が設けられている。必要ならば、絶縁層(図示せず)を追加して、電気的絶縁を保証するようにしてもよい。通常、検知用電気回路部は、抵抗の微小変化を容易に検知するために、感圧センサ300をホイートストンブリッジ回路内に組み込んだものである。
【0026】
図3に示すような感圧センサは、多くの利点を有する。第1に、こうした構成によれば、周囲温度および湿度の変化に影響を受けることなく、環境変化に対して丈夫なものとすることができる。第2に、圧力を直接的に測定することができる。第3に、極めて大きな付勢圧力に耐え得るため、ボルトによる組み立ての際の単なる座金として機械的に組み込むことができる。
【0027】
感圧センサは、タッチスクリーンに対して重畳式(重ね合わせるように)または非重畳式に取り付けることができ、そして接触を認証するものか、接触座標を検知するものであるかによるが、1つまたは複数のセンサを用いるものであってもよい。図4に示す最も簡便な構成においては、単一の感圧センサ401がタッチスクリーン405上に配置されている。単一の感圧センサが用いられる場合、角部406には剛性の低い支持部材を配置し、角部408には剛性の高い支持部材を配置して、接触感度が限定的である領域、または接触感度を有さない領域が形成されないようにしてもよい。好適には、スクリーン405の表示領域のすぐ外側であって、タッチスクリーンのカウリング407の下方に配置される。択一的には、米国特許第5,708,460号で開示されているように、それぞれの角部に1つずつの感圧センサ401〜404を4つ配置してもよい。
【0028】
単一の感圧センサ401は、通常、接触位置に依存した接触感度を有することに留意すべきである。また接触感度は、タッチスクリーン405の実装方法(たとえば堅固な実装方法または柔軟な実装方法)に依存している。したがって単一の感圧センサを接触認証用として用いる場合、感圧センサの接触閾値は、以下詳述する投影型静電容量方式センサにより特定される接触位置に基づいて設定することが好ましい。
【0029】
本発明の好適な実施形態で用いられる他方のセンサは、投影型静電容量方式センサである。図5および図6はそれぞれ、米国特許第5,844,506号で開示された投影型静電容量方式のタッチセンサの正面図および断面図であり、その内容にはここに一体のものとして参考に統合される。この構成によれば、細いワイヤ電極により形成された電極パターン503、抵抗膜パターンまたは他の標準的な電極が基板501上に配設されている。保護オーバレイ層601は、電極503の使用時の破損を防止するものである。上述のように、投影型静電容量方式センサ503は、正確な接触位置を特定するか、あるいは単に接触したことを認証するために用いることができる。一般に、電極の間隔は用途に応じて決定され、すなわち電極間隔は、正確な接触位置を特定するために用いられる場合には狭小であり、単に接触したことを認証するために用いられる場合には幅広である。
【0030】
前掲の米国特許第5,650,597号、米国特許第4,954,823号、国際特許出願公開第WO95/27334号、および国際特許出願公開第WO96/15464号(これらの内容はここに一体のものとして参考に統合される)で開示された投影型静電容量方式のタッチスクリーンは、タッチスクリーンの静電容量の変化をモニタするものである。薄膜誘電体層を有する静電容量方式センサとは異なり、投影型静電容量方式センサの静電容量は、接地電位を有する物体が接触することによってのみ変化するのではなく、接地電位を有する物体がセンサに接近することによっても変化する。
したがって、こうしたタイプのタッチスクリーンに係る第1の問題は、用いられる接地電位を有する物体の大きさにばらつきがある点にある。たとえば小さな指(たとえば子供の指)で触った時の信号は、大きな指で触った時の信号より実質的に小さい。また、屋外用途において予想されるように、手袋を着用した人が触れた時の信号は、手袋を着用していない人が触れた時の信号より相当に小さいものとなる。
また、たとえばスクリーンに近接した表面にユーザが手をかざすこと等により、スクリーンの一部にあまりにも接近すると、別の問題が生じ得る。すなわち、ただ1つの信号レベルを閾値とするシステムは、その閾値によるが、(たとえばユーザの大きな手を子供の指であると認識して)実際の接触がある前に接触があったと検知し、あるいは(大人の指を認識するように設定されていたため、子供の指を無視して)接触を完全に無視することがあるため、単一信号レベル閾値システムは、実際の接触位置を特定するためには十分に機能しない。
【0031】
投影型静電容量方式センサを用いてタッチスクリーンとは異なり、感圧センサを用いたタッチスクリーンは、さまざまな指の大きさに起因する認識の問題はない。また、感圧センサは、手袋を着用した手、スタイラス、ペン等を認識する上での問題もない。しかしながら、感圧センサを用いたタッチスクリーンは、機械的ノイズに起因した偽信号の問題を有する。たとえば、タッチスクリーンが振動すると、基準マスが振動して、外因性のバックグラウンド信号を発生させる。さらに外因性バックグラウンド信号により、システムが有効な接触を認識できなくする場合がある。
【0032】
屋外用途において、感圧センサを用いたタッチスクリーンは、風による接触位置誤差が生じ得る。たとえばタッチスクリーンに平行に風が吹いている場合、タッチスクリーン前に立っている人がスクリーンの左側部分に加える圧力と、右側部分に加える圧力とが非対称となる場合がある。この圧力不均衡に起因して、タッチスクリーンの感圧センサは、誤った接触座標を特定することになる。位置の誤差の程度は、タッチスクリーンに対する風による圧力非対称の度合いによる。こうした非対称性は、風速、風とスクリーンとの間の角度、障害物(すなわちユーザ)による気流変更の程度、スクリーンの大きさ、およびユーザの接触により加えられた力の程度に依存する。
【0033】
感圧センサに関する別の問題は、ドラッグ・アンド・アンタッチ機能を実現しようとする場合に生じる。この機能を実現するためには、感圧センサの信号は、サブヘルツ範囲内でうまく処理する必要がある。しかし残念ながら、感圧センサは、本質的に、加えられた圧力の時間微分である信号を生成するものであるので、サブヘルツの情報を提供することは困難である。加えられた圧力に比例する信号を生成する感圧センサは、機械的ノイズに起因して、サブヘルツ情報を処理する上で問題を有する場合がある。
【0034】
図7に示す本発明の実施形態においては、一次センサは、複数の電極503からなる電極アレイを有する投影型静電容量方式センサである。この投影型静電容量方式センサはプロセッサ701に接続され、このプロセッサを用いて接触位置座標を特定する。二次タッチセンサは感圧センサであり、図示のように、感圧センサ401〜404で構成されている。単一の感圧センサ401を用いて接触の認証を行ってもよい点を理解されたい。したがってセンサ401の出力は、図7に示すように、接触を認証するためにモニタ703および判別部705に接続するか、あるいは副次的に接触座標を特定するために、感圧センサ402〜404からの出力とともに直接的にプロセッサ701に接続することができる。
【0035】
図7に示す実施形態において、感圧センサは、指が接触表面に接触した時点を決定するためにのみ用いられる。すなわちシステムは、「接触」を検知するためには、所定の圧力がスクリーン501に加わったことを要求するように設定されている。たとえばセンサ401〜404の複数の感圧センサが用いられる場合、これらの感圧センサからの信号の合計が閾値を超える必要がある。この実施形態では、感圧センサがドラッグ・アンド・アンタッチ機能をサポートする必要はないので、感圧センサ信号は、比較的に狭小な周波数フィルタを用いて処理することができる。狭小の周波数フィルタを用いることにより、基準マスの振動に起因する機械的バックグラウンドノイズを比較的に容易に抑制することができる。
【0036】
図8は、図7に示す実施形態に係るシステムを用いた好適な方法を示す。当初、システムは、接触を待機する間、準備モードにある(ステップ801)。感圧センサは、タッチスクリーンに加えられた圧力が所定の閾値を超えたと判定することにより、接触を検知し(ステップ803)、このときシステムは投影型静電容量式センサも同様に接触を検知したか否かについて確認する(ステップ805)。投影型静電容量式センサが接触を検知していない場合、システムは準備モードに戻って(ステップ801)、接触は無効なものとする。投影型静電容量式センサが接触を検知していた場合、本発明の好適な実施形態では、非接触閾値が設定される(ステップ807)。この閾値は、感圧センサが最初に接触したことを検知した時の投影型静電容量信号の振幅に対する所定の比率(たとえば50%)に等しいとしてもよい。択一的な実施形態において、事前に設定された閾値を用いることにより、閾値を設定するステップを省略してもよい。
【0037】
次のステップにおいて、接触位置の座標が生成される(ステップ809)。好適な実施形態では、位置座標は、投影型静電容量式システムにより特定される。好適には、システムは投影静電容量信号をモニタし続け、投影容量信号が非接触閾値を超えている限り、位置座標を生成し続ける(ステップ811)。したがってユーザがドラッグ動作(すなわちスクリーンを横切って指を引きずること)を行う場合、システムは必要な接触位置情報を生成し続ける。投影静電容量信号が非接触閾値より小さくなると、システムは、非接触メッセージおよび最終的な位置座標を生成して(ステップ813)、その後準備モードへと戻る。
【0038】
上述のシステムは数多くの利点を有する。第1に、感圧センサを用いることにより、実際の接触以前に、すなわちユーザの指もしくは手が単にスクリーンの近傍にあるに過ぎず、スクリーンに触れていない場合に、投影型静電容量式システムが接触に応答する可能性を排除することができる。第2に、上述の閾値設定ステップを用いることにより、指の大きさすなわち静電容量が異なること(たとえば大きな指に対する小さな指、手袋を着用した指と着用していない指など)に起因する問題を解決することができる。第3に、投影型静電容量式システムを用いて、ドラッグ・アンド・アンタッチ機能を実現することができるので、感圧センサを用いたときのサブヘルツ情報の処理に伴う典型的な問題を解決することができる。第4に、この実施形態において、感圧センサは、正確な接触位置を特定するためでなく、接触があったことを認証するためにのみ用いられるので、感圧センサに付随する較正および安定性の問題のみならず、風もしくは大きな振動に起因する偽接触発生の問題を回避することができる。
【0039】
図9に示す投影型静電容量方式センサおよび感圧センサの組み合わせを用いる第2の実施形態によれば、投影型静電容量方式センサは真の接触があったことを確認するためだけに用いられ、正確な位置を特定するためには感圧センサ401〜404が用いられる。このシステムにおいて、感圧センサは、当業者に広く知られた技術を用いて、必要な精度を実現するために標準的な構成に設定されている。これとは対照的に、投影型静電容量方式センサは、最小限の精度が得られるように設計されているので、少数の電極503、すなわち1本程度に少数の電極503を必要とするものである。1本以上の電極503を用いて、より高い精度および性能を実現することが好ましい。複数の電極が用いられる場合であっても、接触位置を最終的に特定するために投影型静電容量式システムを用いることはないので、必要とされる電極および電気的チャンネルの数を実質的に削減することができる。さらに、投影型静電容量式電極は、接触を確認するためだけにのみ用いられるため、xおよびy軸方向の両方の電極を必要とせず、センサおよび電子回路が複雑になることを回避することができる。図示のように、投影型静電容量方式センサの出力はモニタ703および判別部705を介してプロセッサ701に接続され、感圧センサ401〜404は接触位置の座標を特定するために直接的にプロセッサ701に接続される。
【0040】
図10は、図9を参照して説明したように、投影型静電容量方式センサ接触認証用センサとしてのみ用いられるときの本発明の方法を示している。当初、システムは準備モードにある(ステップ1001)。第1のステップ(ステップ1003)において、感圧センサが接触を検出する。次に、投影型静電容量式システムは、接地電位を有する導電性物体が接触したか否かを判断することにより、当該接触が有効なものであるか否かを判断する(ステップ1005)。当該接触が有効なものであると認証された場合、感圧センサにより接触位置座標が生成され(ステップ1007)、システムは準備モードに戻る。この実施形態の最も簡便な構成によれば、投影型静電容量式システムが、有効な接触があったと認証しない場合、システムは準備モードに戻るだけである。択一的構成によれば、接触が無効であると判断された場合、システムは、感圧センサの閾値を調整する(ステップ1009)。たとえば、要求される圧力の閾値を大きくして、偽の接触検出(たとえば風による偽の接触検出)を排除することができる。偽の接触検出を排除するように圧力閾値を調整する場合、ノイズ(たとえば風によるノイズが小さくなることを考慮して)、周期的に当該閾値を自動的に小さくすることにより、最適な接触検知精度を実現することが好ましい。感圧センサの振幅の閾値について設定する他、バックグラウンド信号の周波数スペクトルを同様にモニタして、必要に応じて適切な周波数フィルタを用いてもよい。この構成によれば、投影型静電容量方式センサが偽の接触が検知した場合、バックグラウンド信号の周波数スペクトルを確認して、適当な周波数フィルタが用いられる。圧力閾値の場合と同様、周波数フィルタを定期的に解除し、または周波数スペクトルを定期的に再測定することにより、結果として、不要なフィルタリング処理がなされないようにすることが好ましい。
【0041】
本発明に係る1つの実施形態によれば、投影型静電容量方式センサシステムおよび感圧センサシステムの両方が、接触位置座標を特定できるものであってもよい。この実施形態では、システムの接触アルゴリズムは、いずれのセンサシステムが所与の条件下で最も正確な位置座標が得られるかについて判断するように設計されている。そして選択されたセンサシステムを用いて、接触位置座標を求める。図11は、このデュアルセンサシステムで用いられる方法を示すものである。
【0042】
当初、接触検知システムは準備モードにある(ステップ1101)。最初に感圧センサが接触を検知して(ステップ1103)、投影型静電容量方式センサで生じ得る接近による誤検知を回避することが好ましい。接触が感圧センサで検知され、二次センサシステム(すなわち好適な実施形態における投影型静電容量方式センサ)で認証されたとき(ステップ1105)、接触アルゴリズムは、指の大きさまたは導電率の差異による問題を解消するために、投影型静電容量方式センサの閾値を調整する(ステップ1107)。両方のセンサが十分な精度で位置を特定できるので、次のステップにおいて、2つのセンサで検知された接触位置の間でのずれ(差異)を判断する(ステップ1109)。位置ずれが合理的な値より大きい場合(すなわち、風や手の大きさなどに起因すると考えられるものよりも大きい場合)には、システムは当該接触を無効とし、準備モードに戻る。2つの接触位置間の位置ずれが許容限度内にある場合には、当該接触は認証され、処理を続行する。
【0043】
次に接触アルゴリズムは、接触座標を特定する際に、いずれのタッチセンサによる接触位置を用いるべきかを判断する(ステップ1111)。たとえば、接触アルゴリズムは、非接触メッセージが送信される前に接触位置が変化し続けていると判断したときに、システムがドラッグモードで使用されていると認識することができる(ステップ1113)。この場合、一般に、投影型静電容量式システムの方が上述のようにドラッグモードを支援する上で有効であるので、投影型静電容量式システムを用いて接触位置と、接触が離れた位置(すなわち非接触位置)を特定することが好ましい(ステップ1115)。択一的には、振動または風により生じたバックグラウンドノイズがあまりにも大きいとシステムが判断した場合(ステップ1117)、接触アルゴリズムは、投影型静電容量式センサを選択してもよい(ステップ1119)。上記以外の場合には、感圧センサを用いて接触位置を特定してもよい(ステップ1121)。
【0044】
上記実施形態を若干変形した実施形態においては、感圧センサが最初に検知した接触を、投影型静電容量方式センサが認証しない場合(ステップ1105)、システムは、準備モードに戻る前に、感圧センサの閾値を調整してもよい(ステップ1123)。図10に参照して説明したように、感圧センサに対する振幅閾値または周波数フィルタのいずれかを調整してもよい。
【0045】
上述のようにセンサを組み合わせることにより、双方のセンサシステムの問題点を克服できる他にも利点が得られる。たとえば、システムが準備モードにあるとき、一方のセンサシステムのみを準備状態にしておけばよい。すなわち、他方のセンサシステムを完全な電源非供給状態にして、電力消費量を低減することができる。たとえば、感圧センサを待機状態として、起動されたときに、投影型静電容量方式システムの電極を走査するようにしてもよい。
【0046】
上述のようにセンサを組み合わせることによる別の利点は、限定的にユーザを同定し得る点にある。たとえば、ユーザが右利きであった場合、投影型静電容量式システムは、感圧センサが検知した接触位置の右側において、ユーザの手の静電容量に起因して接触位置を投影する傾向がある。同様にユーザが左利きであった場合、投影型静電容量式システムは、感圧センサが検知した接触位置の左側において、接触位置を投影する傾向がある。同定システムで利用可能な他の接触に係る属性情報としては、2つのセンサシステムが特定した接触位置間の位置ずれ、スクリーンに接触したときの圧力、ユーザがスクリーンの複数の領域に触れた際の速度、およびユーザが最初に接触してから接触しなくなるまでの時間が挙げられる。本発明に係るシステムは、特定の接触動作のみ(たとえばATM装置のユーザコード)をモニタし、あるいはすべての接触動作をモニタするよう設計することができる。これらのデータに関する1つの可能性のある利用方法によれば、異なるユーザの過去の使用状況に応じて、異なるメニュー画面やタッチスクリーンを提供することができる。
【0047】
タッチスクリーンコントローラに付随する多くの電子部品は、検知器(センサ)の形式とは無関係であるので、通常、複数の接触センサを用いても、複数セットの電子部品を必要とすることはない。たとえば一般的なタッチスクリーンコントローラは、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、アナログ−デジタル変換器(ADC)、電源供給回路、ホストコンピュータとの通信をサポートするデジタル回路、およびプリント回路基板を必要とする。すなわち多くの場合、タッチスクリーンに付随する多くの電子部品は、複数センサシステムを支援するために利用することができる。
【0048】
いくつかの事例において、コントローラ電子部品の他の態様が、2つの異なる形式のセンサにおいて共通している場合もある。たとえば、ある種の圧電抵抗式感圧センサは、より一般的な手法として直流励起電圧を用いた測定するのではなく、数十キロヘルツの範囲の交流励起電圧を用いて測定することができる。したがって、感圧センサおよび静電結合方式の検知センサの双方に対して、同様の励起周波数および同様の受信用電子部品を利用することができる。
【0049】
図12は、センサ素子検出回路1200の一般的なブロック回路図を示す。負帰還回路により、フィードバックライン1201の電圧が確実に基準電源1203から生じる発振電圧Vと同一となる。センサ素子1205からの出力は基準電圧Vに重畳した信号電圧ΔVとなる。出力ラインに基準電圧ラインを加えたものは、差分信号出力電圧ΔVとなる。
【0050】
図13は、図12の回路で用いられる投影型静電容量方式センサ素子を示す。可変コンデンサ1301は投影型静電容量方式センサ電極を示す。使用に際して、ユーザの指または他の接地電位を有する物体により、接地電位に対する静電容量が増大する。抵抗1303は検知機構を支援する。抵抗1303は、センサ内に直接的に組み込まれるか、もしくは検知電極と共に設置することができる。
【0051】
図12に示す帰還回路は、感圧センサの交流検出回路とともに使用することができる。いくつかの感圧センサ、たとえばC−キューブド社(C-Cubed Limited)製の感圧センサは、ホイートストンブリッジ回路を用いて検出する。したがって図14に示すように、4つの抵抗1401〜1404のうちの1つまたはそれ以上が、感圧センサの圧電抵抗素子に相当するものであってもよい。図示された実施形態において、ホイートストンブリッジ回路は、コンデンサ1405を介して接地されている。コンデンサ1405は必要なものではないが、励起電圧とフィードバック電圧との間の差を低減して、Vに対するΔVの比を投影静電結合センサ電極からの信号により近づける上で有用なものである。
【0052】
当業者には理解されるように、本発明は、その精神と本質的特徴から逸脱することなく、他の特定の実施形態において実現することができる。したがって、本願明細書における記載および開示内容は、例示的なものであることを意図するものであり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を例示的に説明するものであって、制限することを意図したものではない。
【符号の説明】
【0053】
300:圧電抵抗式感圧センサ、301:タッチプレート、303:支持構造体、305:圧電抵抗材料、307:上方電極、309:下方電極、311:センサ基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンシステムであって、
タッチスクリーンシステムのタッチスクリーンに接続された複数の感圧センサと、
タッチスクリーンに接続された複数の電極であって、電極の第1部分が第1軸に沿って形成され、電極の第2部分が第2軸に沿って形成された複数の電極と、
複数の電極に接続された投影型静電容量方式センサシステムと、
複数の感圧センサおよび投影型静電容量方式センサシステムに接続されたプロセッサとを備え、
プロセッサは、複数の感圧センサおよび投影型静電容量方式センサシステムが、実質的に同時にタッチスクリーンの接触を検出した場合に、前記接触に関する位置座標を計算することを特徴とするタッチスクリーンシステム。
【請求項2】
位置座標が、複数の感圧センサにより検知されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーンシステム。
【請求項3】
位置座標が、投影型静電容量方式センサシステムにより検知されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーンシステム。
【請求項4】
タッチスクリーンシステムの操作方法であって、
少なくとも1つの感圧センサを用いて、タッチスクリーンシステムのタッチスクリーンに加えられた圧力を検出するステップと、検出された圧力はタッチスクリーンに対する接触に対応し、
少なくとも1つの感圧センサを用いて検出されたタッチスクリーンに対する前記接触を、投影型静電容量方式センサを用いて確認するステップと、
前記接触に対応する位置座標を生成するステップと、
位置座標をタッチスクリーン操作システムへ送信するステップとを有することを特徴とするタッチスクリーンシステムの操作方法。
【請求項5】
請求項4に記載の操作方法であって、
確認ステップに対して否定的な応答を投影型静電容量方式センサから受信した場合に、タッチスクリーンシステムを準備モードに戻すステップをさらに有することを特徴とする操作方法。
【請求項6】
請求項5に記載の操作方法であって、
投影型静電容量方式センサに対する非接触閾値を設定するステップをさらに有することを特徴とする操作方法。
【請求項7】
請求項6に記載の操作方法であって、
非接触閾値が、前記接触が感圧センサにより最初に検知された時の投影型静電容量信号の振幅に対して所定の比率を有することを特徴とする操作方法。
【請求項8】
請求項7に記載の操作方法であって、
前記接触に対応した投影型静電容量信号の振幅を、非接触閾値と比較するステップをさらに有し、
位置座標は、非接触閾値以下である投影型静電容量信号の振幅に関連する第2接触位置に対応することを特徴とする操作方法。
【請求項9】
請求項7に記載の操作方法であって、
前記接触に対応した投影型静電容量信号の振幅を、非接触閾値と比較するステップと、
非接触閾値以下である投影型静電容量信号の振幅に関連する第2接触位置に対応する第2の組の位置座標を生成するステップを有することを特徴とする操作方法。
【請求項10】
請求項9に記載の操作方法であって、
投影型静電容量信号の振幅が非接触閾値以下であるとき、非接触メッセージを生成するステップと、
非接触メッセージをタッチスクリーン操作システムに送信するステップとを有することを特徴とする操作方法。
【請求項11】
請求項5に記載の操作方法であって、
確認ステップに対して否定的な応答を投影型静電容量方式センサから受信した場合に、感圧センサ閾値を設定するステップをさらに有することを特徴とする操作方法。
【請求項12】
請求項5に記載の操作方法であって、
少なくとも1つの感圧センサにより特定された第1接触位置を、投影型静電容量方式センサにより特定された第2接触位置と比較するステップと、
第1および第2の接触位置間の位置ずれが、所定の位置ずれ閾値より大きい場合、タッチスクリーンシステムを準備モードに戻すステップとを有することを特徴とする操作方法。
【請求項13】
請求項5に記載の操作方法であって、
バックグラウンド機械的ノイズレベルを決定するステップと、
バックグラウンド機械的ノイズレベルをノイズ閾値と比較するステップとを有し、
バックグラウンド機械的ノイズレベルがノイズ閾値より小さい場合には、位置座標が少なくとも1つの感圧センサにより生成され、バックグラウンド機械的ノイズレベルがノイズ閾値より大きい場合には、位置座標が投影型静電容量方式センサにより生成されることを特徴とする操作方法。
【請求項14】
請求項5に記載の操作方法であって、
タッチスクリーンシステムがドラッグモードで作動しているか否かを判断するステップを有し、
タッチスクリーンシステムがドラッグモードで作動していない場合には、位置座標が少なくとも1つの感圧センサにより生成され、さらに、タッチスクリーンシステムがドラッグモードで作動している場合には、位置座標が投影型静電容量方式センサにより生成されることを特徴とする操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−272143(P2010−272143A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−190913(P2010−190913)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【分割の表示】特願2002−538371(P2002−538371)の分割
【原出願日】平成12年10月27日(2000.10.27)
【出願人】(399034633)イーロ・タッチシステムズ・インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】Elo TouchSystems,Inc.
【Fターム(参考)】