説明

投影装置、投影制御方法及びプログラム

【課題】文字情報に伴う表罫線などの描画情報を、投影条件等により変形されてしまう環境下でもより自然な状態で投影させる。
【解決手段】描画情報を含む画像情報を入力する入力コネクタ部11,USBメモリ13,フロントエンド12と、入力した画像情報を記憶する画像記憶部32と、記憶した画像情報に対し、描画情報の加工を伴う画像処理を施して投影に適した解像度の画像情報に変換する画像変換部14と、入力した画像情報中の描画情報に基づき、画像変換部14で得た変換後の画像情報中の描画情報を書換えるCPU28、メインメモリ29、プログラムメモリ30と、描画情報を書換えた画像情報を投影する投影系15〜27とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパーソナルコンピュータと接続してプレゼンテーションを行なうデータプロジェクタ装置等の投影装置、投影制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、書画カメラとしての使用が可能であると共に、プレゼンテーション用の資料に適した撮影画像を容易に取得することが可能なカメラ装置を提供するべく、カメラ装置及び書画カメラの技術が考えられている。(例えば、特許文献1)
この特許文献1では、デジタルカメラで撮影した画像被写体から輪郭抽出処理により矩形領域を特定し、その領域が画像全体となるように角度補正と台形補正処理とを施した上で、さらに色調整処理と濃淡調整処理により画像中の文字情報を顕在化させる。
【特許文献1】特開2005−143092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載された技術も含め、文字情報を含んだ画像に対する台形補正等の各種の処理や変換等を行なうことで、表示や投影に適した画像を取得する技術が一般に種々提案されている、
しかるに、例えば文字情報を有する画像が同時に表罫線を含むものであった場合、上記台形補正や角度補正の処理を施す過程で、文字列の方向に対して水平または垂直に描画される直線による表罫線が、上記処理によって画素単位で不自然にジグザグを生じることが多々見られる。
【0004】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、文字情報に伴う表罫線などの描画情報を、投影条件等により変形されてしまう環境下でもより自然な状態で投影させることが可能な投影装置、投影制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、描画情報を含む画像情報を入力する入力手段と、上記入力手段で入力した画像情報を記憶する記憶手段と、上記記憶手段で記憶した画像情報に対し、描画情報の加工を伴う画像処理を施して投影に適した解像度の画像情報に変換するスケール変換手段と、上記入力手段で入力した画像情報中の描画情報に基づき、上記スケール変換手段で得た変換後の画像情報中の描画情報を書換える書換手段と、上記書換手段で描画情報を書換えた画像情報を投影する投影手段とを具備したことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記描画情報は表罫線であり、上記書換手段は、変換後の画像情報中の少なくとも縦横方向に対応した表罫線を描画することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記入力手段で入力する画像情報の解像度が上記投影手段で投影する画像の解像度より高いか否かを判断する判断手段をさらに具備し、上記書換手段は、上記判断手段での判断結果に応じて描画情報の書換えを行なうことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記スケール変換手段で変換した画像情報を台形補正する台形補正手段をさらに具備し、上記書換手段は、上記台形補正手段での台形補正後の描画情報を書換えることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、描画情報を含む画像情報を入力する入力工程と、上記入力工程で入力した画像情報を記憶する記憶工程と、上記記憶工程で記憶した画像情報に対し、描画情報の加工を伴う画像処理を施して投影に適した解像度の画像情報に変換するスケール処理工程と、上記入力工程で入力した画像情報中の描画情報に基づき、上記スケール処理工程で得た変換後の画像情報中の描画情報を書換える書換工程と、上記書換工程で描画情報を書換えた画像情報を投影する投影工程とを有したことを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、投影装置に内蔵されたコンピュータが実行するプログラムであって、描画情報を含む画像情報を入力する入力ステップと、上記入力ステップで入力した画像情報を記憶する記憶ステップと、上記記憶ステップで記憶した画像情報に対し、描画情報の加工を伴う画像処理を施して投影に適した解像度の画像情報に変換するスケール処理ステップと、上記入力ステップで入力した画像情報中の描画情報に基づき、上記スケール処理ステップで得た変換後の画像情報中の描画情報を書換える書換ステップと、上記書換ステップで描画情報を書換えた画像情報を投影する投影ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、文字情報に伴う表罫線などの描画情報を、投影条件等により変形されてしまう環境下でもより自然な状態で投影させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下本発明をDLP(Digital Light Processing)(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置に適用した場合の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るデータプロジェクタ装置10の概略機能構成について示す図である。同図で、11は入力コネクタ部であり、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子、及びRGB入力端子からなる。
【0014】
入力コネクタ部11より入力される各種規格の画像信号は、フロントエンド12に入力される。このフロントエンド12にはまた、USB端子Cを介してUSBメモリ13が接続可能である。
【0015】
フロントエンド12は、入力コネクタ部11からアナログの画像信号を入力し、あるいはUSBインタフェース(I/F)としてUSBメモリ13から電子データの画像信号を読出して、システムバスSBを介し、画像変換部14へ出力する。
【0016】
画像変換部14は、一般にスケーラとも称されるもので、入力される画像信号を投影に適した所定のフォーマットの画像信号に統一した後に、投影画像処理部14へ送出する。
この際、OSD(On Screen Display)用の各種キャラクタやポインタ等も必要に応じて画像信号に重畳加工された状態で投影画像処理部15へ送出する。
【0017】
投影画像処理部15は、送られてきた画像信号をビデオRAM16に展開して記憶させた上で、このビデオRAM16の記憶内容からビデオ信号を生成する。投影画像処理部15は、このビデオ信号のフレームレート、例えば60[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により空間的光変調素子(SOM)であるマイクロミラー素子17を表示駆動する。
【0018】
一方、リフレクタ18内に配置された、例えば超高圧水銀灯を用いた光源ランプ19が高輝度の白色光を出射する。光源ランプ19の出射した白色光は、高速回転するカラーホイール20を介して時分割で原色に着色され、インテグレータ21で輝度分布が均一な光束とされた後にミラー22で全反射して上記マイクロミラー素子17に照射される。
【0019】
そして、マイクロミラー素子17での反射光で光像が形成され、形成された光像が光学レンズユニット23を介して、投影対象となるここでは図示しないスクリーンに投影表示される。
【0020】
光学レンズユニット23は、マイクロミラー素子17で形成された光像を拡大してスクリーン等の対象に投影するものであり、合焦位置及びズーム位置(投影画角)を任意に可変できるものとする。
【0021】
すなわち、光学レンズユニット23中の図示しないフォーカスレンズ及びズームレンズは共に光軸方向に沿って前後に移動することで制御されるもので、それらレンズはステッピングモータ(M)24の回動駆動により移動する。
【0022】
また、上記光源ランプ19の点灯駆動、上記カラーホイール20用のモータ(M)25の回転駆動、及び上記ステッピングモータ24の回動駆動をいずれも投影光処理部26が実行する。
【0023】
加えてこの投影光処理部26は、上記リフレクタ18に取付けられて光源ランプ19の温度を検出する温度センサ27からの温度データを入力する。
【0024】
上記各回路の動作すべてをCPU28が制御する。このCPU28は、SDRAM(シンクロナスDRAM)で構成されたメインメモリ29、動作プログラムや各種定型データ等を記憶した電気的書換可能な不揮発性メモリでなるプログラムメモリ30を用いてこのデータプロジェクタ装置10内の制御動作を実行する。
【0025】
上記CPU28は、操作部31からの操作信号に応じて各種投影動作を実行する。この操作部31は、データプロジェクタ装置10の筐体本体に設けられたキー操作部と、このデータプロジェクタ装置10専用の図示しないリモートコントローラからの赤外線変調信号を受信する赤外線受信部とを含み、ユーザが直接または該リモートコントローラを介して操作したキーに基づくキーコード信号をCPU28へ直接出力する。
【0026】
上記CPU28はさらに、上記システムバスSBを介して画像記憶部32及び音声処理部33と接続される。
【0027】
画像記憶部32は、CPU28の制御の下に上記入力コネクタ部11またはUSBメモリ13から入力した画像データや画像中の表罫線の位置情報等を記憶する。
【0028】
音声処理部33は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部34を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
【0029】
次に上記実施形態の動作について説明する。
なお、本動作では、入力コネクタ部11から画像信号が入力されるか、あるいはUSB端子Cに接続したUSBメモリ13から一連の画像信号からなるファイルを選択してその画像信号を逐次読出すことで、投影する場合の処理内容について説明する。
【0030】
図2は、一連の画像データの投影動作を開始してから終了するまでの投影動作について示したものであり、その処理に対する制御はすべてCPU28がプログラムメモリ30に記憶された動作プログラムを読出してメインメモリ29に展開しながら実行する。
【0031】
その当初、フロントエンド12を介して入力コネクタ部11またはUSBメモリ13からの画像信号を入力する(ステップS101)。
【0032】
ここでフロントエンド12では、入力した画像信号を画像変換部14へ送出すると共に、当該画像信号のサンプリング条件をチェックして画像変換部14でダウンサンプリングを行なう必要があるか否かを判断する(ステップS102)。
【0033】
例えば、入力された画像信号の解像度がSXGA(1280ドット×1024ドット)相当であり、一方でマイクロミラー素子17での表示解像度がXGA(1024ドット×768ドット)である場合には、画像変換部14でのスケーリング処理時にダウンサンプリングが必要となる。
【0034】
上記ステップS102でダウンサンプリングの必要がないと判断した場合には、次いで事前の操作部31でのキー操作による罫線モードの設定がなされているか否かを判断する(ステップS103)。
【0035】
ここで罫線モードの設定がなされていないと判断すると、さらにその時点で入力されている画像信号がUSBメモリ13に記憶されている表計算ファイルのものであるか否かを判断する(ステップS104)。
【0036】
これは、入力されている画像信号がUSBメモリ13からのものであり、且つその画像ファイルの拡張子が「xls」「jsd」「csv」「123」など表計算ソフトウェアのファイルに該当するものであるか否かにより判断する。
【0037】
ここで、入力されている画像信号がUSBメモリ13からではなく入力コネクタ部11からのものであるか、あるいはUSBメモリ13からのものであっても表計算ソフトウェアのファイルではないと判断した場合には、画像変換部14で通常のスケーリング処理を行なう(ステップS105)。
【0038】
このスケーリング処理で得た画像信号を基に投影画像処理部15がマイクロミラー素子17を表示駆動することで光像が形成され、光学レンズユニット23により投影対象のスクリーンに投影される(ステップS106)。
【0039】
この投影状態を維持しながら、併せてフロントエンド12に新たな画像信号の入力があったか否かを判断する(ステップS107)処理を繰返し実行して、次の画像信号の入力を待機する。
【0040】
そして、次の画素信号が入力された時点でステップS107によりこれを判断し、再び上記ステップS101からの処理に戻る。
【0041】
また、上記ステップS102でダウンサンプリングを行なう必要があると判断した場合、上記ステップS103で罫線モードの設定がなされていると判断した場合、及び上記ステップS104で入力されている画像信号が表計算ファイルのものであると判断した場合はいずれも、単なるスケーリング処理の実行のみでは、投影される画像中に非常に高い可能性で現出すると予想される表罫線が部分的にジグザグになったり、線が薄くなってしまう虞があるため、まず元の画像信号中の表罫線の位置情報を画像記憶部32にて記憶する(ステップS108)。
【0042】
その後、あらためて画像変換部14で必要なスケーリング処理を実行する(ステップS109)。
さらに、このスケーリング処理で得た画像情報に対し、画像記憶部32で記憶しておいた罫線の位置情報を基に新たな表罫線の画像情報を作成し(ステップS110)、上記スケーリング処理後の画像情報に重畳合成することで新たに投影のための画像情報を作成する(ステップS111)。
【0043】
その後、作成した投影の画像情報に輪郭強調処理を施してさらに視認し易い画像に加工した上で(ステップS112)、上記ステップS106に進んで、当該加工後の画像信号を基に投影画像処理部15がマイクロミラー素子17を表示駆動することで光像を形成し、光学レンズユニット23により投影対象のスクリーンに投影させる。
【0044】
このように本実施形態によれば、文字情報に伴う表罫線の情報を、投影条件により変形の発生が想定される環境下でも、違和感なく、より自然な状態で投影させることが可能となる。
【0045】
特に、本来の画像中で縦横各方向に延在する表罫線は、上述したダウンサンプリング処理によって一部の線が他の線と比して極端に細くなり、あるいは欠損する可能性も多々あるため、画像の劣化として認識され易い。
そのため、特に表罫線を含む画像信号に対する処理を行なう場合、及び画像の解像度を低下させるダウンサンプリング処理を行なう場合には、投影前にそれを検知して、描画情報としての表罫線その他を補償することで、投影内容を見る者が画像の劣化を感じることなく、より自然な状態で投影させることが可能となる。
【0046】
(第2の実施形態)
以下本発明をDLP(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置に適用した場合の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
【0047】
なお、本実施形態に係るデータプロジェクタ装置10′の概略機能構成については、上記図1に示した内容と基本的に同様であるものとし、同一部分は同一符号を用いてその図示と説明とを省略する。
【0048】
次に上記実施形態の動作について説明する。
なお、本動作では、入力コネクタ部11から画像信号が入力されるか、あるいはUSB端子Cに接続したUSBメモリ13から一連の画像信号からなるファイルを選択してその画像信号を逐次読出すことで、投影する場合の処理内容について説明する。
【0049】
図3は、一連の画像データの投影動作を開始してから終了するまでの投影動作について示したものであり、その処理に対する制御はすべてCPU28がプログラムメモリ30に記憶された動作プログラムを読出してメインメモリ29に展開しながら実行する。
【0050】
その当初、フロントエンド12を介して入力コネクタ部11またはUSBメモリ13からの画像信号を入力すると(ステップS201)、フロントエンド12では入力した画像信号を画像変換部14へ送出し、これを受けた画像変換部14がスケーリング処理を行なう(ステップS202)。
【0051】
このとき、併せてその時点で台形補正機能による投影画像の変形処理を設定中であるか否かを判断する(ステップS203)。
なお、上記台形補正機能とは、投影光軸に対して投影対象のスクリーン面が垂直に位置していないことに起因する、矩形の投影画像がスクリーン面上で歪んで台形に投影されてしまうのを補正するべく、予め表示素子(本実施形態ではマイクロミラー素子17)で光像を形成する際に上記歪みと相対する方向に歪みを生じた光像を形成することで、相対的にスクリーン面上で矩形の画像を投影する技術を指す。
ここで台形補正機能を設定中であると判断した場合にのみ、その時点で設定されている変形内容に従って上記スケーリング処理後の画像信号を変形する台形補正処理を実行する(ステップS204)。
【0052】
その後、事前の操作部31でのキー操作による罫線モードの設定がなされているか否かを判断する(ステップS205)。
【0053】
ここで罫線モードの設定がなされていないと判断すると、さらにその時点で台形補正機能による投影画像の変形処理を設定中であり、且つ直前の上記ステップS204で設定した変形内容から台形補正の程度が所定のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS206)。
【0054】
これは、台形補正処理を実行することで投影する画像が大きく変形するか否かを判断するもので、台形補正機能による投影画像の変形処理を設定中ではないか、あるいは設定中であるとしても台形補正の程度が所定のしきい値未満であると判断した場合には、直前のステップS202でスケーリング処理し、必要に応じて上記ステップS204で台形補正処理した画像信号を用いて投影画像処理部15がマイクロミラー素子17を表示駆動することで光像が形成され、光学レンズユニット23により投影対象のスクリーンに投影される(ステップS207)。
【0055】
この投影状態を維持しながら、併せてフロントエンド12に新たな画像信号の入力があったか否かを判断する(ステップS208)処理を繰返し実行して、次の画像信号の入力を待機する。
【0056】
そして、次の画素信号が入力された時点でステップS208によりこれを判断し、再び上記ステップS201からの処理に戻る。
【0057】
また、上記ステップS205で罫線モードの設定がなされていると判断した場合には、投影される画像中に非常に高い可能性で現出すると予想される表罫線が部分的にジグザグになったり、線が薄くなってしまう虞がある。
【0058】
そのため、スケーリング処理後の画像信号に対して画像処理を施して画像中の罫線位置上を一定の線幅でトレースするような表罫線の画像情報を作成し(ステップS209)、作成した表罫線の画像情報を上記スケーリング処理した画像情報に重畳合成することで新たに投影のための画像情報を作成する(ステップS210)。
【0059】
その後、作成した投影の画像情報に輪郭強調処理を施してさらに視認し易い画像に加工した上で(ステップS211)、上記ステップS207に進んで、当該加工後の画像信号を基に投影画像処理部15がマイクロミラー素子17を表示駆動することで光像を形成し、光学レンズユニット23により投影対象のスクリーンに投影させる。
【0060】
また、上記ステップS205で罫線モードの設定がなされていないと判断したものの、続くステップS206でその時点で台形補正機能による投影画像の変形処理を設定中であり、且つ台形補正の程度が所定のしきい値以上であると判断した場合には、やはり投影画像中の描画情報にある程度の歪みを生じている可能性が高いため、上記ステップS211に進み、投影の画像情報に輪郭強調処理を施して視認し易い画像に加工した上で、上記ステップS207の投影処理に移行する。
【0061】
このように本実施形態によれば、台形補正処理により表罫線をはじめとする描画情報に歪みを生じている可能性がある場合に、描画情報に対する輪郭強調等の処理を加えて内容を書換えるものとしたので、違和感なく、より自然な状態で投影させることが可能となる。
【0062】
なお、上記第1及び第2の実施形態はいずれも、本発明をDLP(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限ることなく、光像を形成する空間的光変調素子(SOM)として透過型のカラー液晶パネルを用いた液晶プロジェクタ装置等でも同様に適用することが可能である。
【0063】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件により適宜の組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデータプロジェクタ装置の概略機能構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態に係る入力画像信号に応じた投影動作の処理内容を示すフローチャート。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る入力画像信号に応じた投影動作の処理内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0065】
10…データプロジェクタ装置、11…入力コネクタ部、12…フロントエンド、13…USBメモリ、14…画像変換部、15…投影画像処理部、16…ビデオRAM、17…マイクロミラー素子、18…リフレクタ、19…光源ランプ、20…カラーホイール、21…インテグレータ、22…ミラー、23…光学レンズユニット、24…ステッピングモータ(M)、25…モータ(M)、26…投影光処理部、27…温度センサ、28…CPU、29…メインメモリ、30…プログラムメモリ、31…操作部、32…画像記憶部、33…音声処理部、34…スピーカ部、C…USB端子、SB…システムバス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画情報を含む画像情報を入力する入力手段と、
上記入力手段で入力した画像情報を記憶する記憶手段と、
上記記憶手段で記憶した画像情報に対し、描画情報の加工を伴う画像処理を施して投影に適した解像度の画像情報に変換するスケール変換手段と、
上記入力手段で入力した画像情報中の描画情報に基づき、上記スケール変換手段で得た変換後の画像情報中の描画情報を書換える書換手段と、
上記書換手段で描画情報を書換えた画像情報を投影する投影手段と
を具備したことを特徴とする投影装置。
【請求項2】
上記描画情報は表罫線であり、
上記書換手段は、変換後の画像情報中の少なくとも縦横方向に対応した表罫線を描画する
ことを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項3】
上記入力手段で入力する画像情報の解像度が上記投影手段で投影する画像の解像度より高いか否かを判断する判断手段をさらに具備し、
上記書換手段は、上記判断手段での判断結果に応じて描画情報の書換えを行なう
ことを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項4】
上記スケール変換手段で変換した画像情報を台形補正する台形補正手段をさらに具備し、
上記書換手段は、上記台形補正手段での台形補正後の描画情報を書換える
ことを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項5】
描画情報を含む画像情報を入力する入力工程と、
上記入力工程で入力した画像情報を記憶する記憶工程と、
上記記憶工程で記憶した画像情報に対し、描画情報の加工を伴う画像処理を施して投影に適した解像度の画像情報に変換するスケール処理工程と、
上記入力工程で入力した画像情報中の描画情報に基づき、上記スケール処理工程で得た変換後の画像情報中の描画情報を書換える書換工程と、
上記書換工程で描画情報を書換えた画像情報を投影する投影工程と
を有したことを特徴とする投影制御方法。
【請求項6】
投影装置に内蔵されたコンピュータが実行するプログラムであって、
描画情報を含む画像情報を入力する入力ステップと、
上記入力ステップで入力した画像情報を記憶する記憶ステップと、
上記記憶ステップで記憶した画像情報に対し、描画情報の加工を伴う画像処理を施して投影に適した解像度の画像情報に変換するスケール処理ステップと、
上記入力ステップで入力した画像情報中の描画情報に基づき、上記スケール処理ステップで得た変換後の画像情報中の描画情報を書換える書換ステップと、
上記書換ステップで描画情報を書換えた画像情報を投影する投影ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−133986(P2009−133986A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308949(P2007−308949)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】