説明

投影装置およびその方法、並びに投影装置を用いた形状認識装置およびその方法

【課題】配置の制約が少なく、かつ照度不足および照度ムラが生じにくい投影装置を提供する。
【解決手段】撮像部の撮像対象物に対して光を投影する投影装置200であって、放射する光の波長帯が互いに異なる赤色LED240R、緑色LED240Gおよび青色LED240Bと、撮像対象物の特性に基づき、各LEDが放射する光の光量を制御する投影制御部230と、複数のLEDから放射される光を、同一の光軸上に導くことにより、撮像対象物に対して光を投影するリレー部250とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置およびその方法、並びに投影装置を用いた形状認識装置およびその方法に関する。特に、撮像対象物に投影する光の波長を変化させることができる投影装置およびその方法、並びに投影装置を用いた形状認識装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像部の撮像対象物に対して光を投影する際の照度不足または照度ムラを防止する照明装置としてドーム型照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このドーム型照明装置は、検査用カメラが撮影する検査領域を覆うように近接配置される概略平板状またはドーム状をなす光拡散部材と、その光拡散部材の外側に離間して配置され、検査領域に当該光拡散部材を透過させて光を照射する複数の光照射部材と、光拡散部材に設けられた撮影用観測孔の周囲からカメラの方向に延びる筒状体とを備える。また、ドーム型照明装置は、カメラが、それら筒状体および観測孔を介し検査領域を撮影できるように構成されているとともに、筒状体のカメラ側開口に、光照射部材からの直射光が入らないように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−102103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のドーム型照明装置には、撮像対象物を囲むように複数の光照射部材が配置されている。このため、装置自体が大型であり、多くの設置スペースを必要とする。よって、ドーム型照明装置の配置に制約が生じるという課題がある。
【0005】
また、基板検査にドーム型照明装置に代表される従来の照明装置を利用することを考えると、撮像対象物の中には、はんだのように反射率が高いものと、抵抗器(以下、「抵抗」と言う)のように反射率が低いものとが混在する。また、同じ撮像対象物であっても、QFP(Quad Flat Package)のように、反射率の高いリード部分と反射率の低いパッケージ部分とが含まれるものもある。反射率の高い部分は、その撮像時にハレーションが起こりやすい。このため、あらゆる反射率の撮像対象物を撮像したとしてもハレーションが起こらないようにするためには、照明の照度を低めに設定しなければならず、照度不足および照度ムラが生じやすいという課題がある。
【0006】
また、このような照度不足および照度ムラが生じた照明下で撮像した撮像対象物の画像データを用いて形状認識を行った場合には、撮像対象物が暗く写っていたり、ハレーションを起こしたりしているために、正確に撮像対象物の形状を認識することができないという課題もある。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、配置の制約が少なく、かつ照度不足および照度ムラが生じにくい投影装置および投影方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、正確に撮像対象物の形状を認識することができる形状認識装置および形状認識方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に係る投影装置は、撮像部の撮像対象物に対して光を投影する投影装置であって、放射する光の波長帯が互いに異なる複数の光源と、前記撮像対象物の特性に基づき、各光源が放射する光の光量を制御する投影制御部と、前記複数の光源から放射される光を、前記撮像対象物に対して光を投影する同一の光軸上に導くことにより、前記撮像対象物に対して光を投影するリレー部とを備える。
【0010】
この構成によると、撮像対象物の特性に基づいて、各光源が放射する光の光量を制御している。このため、例えば、反射率の大きな撮像対象物に対しては、光の光量を小さくし、反射率の大きな撮像対象物に対しては、光の光量を大きくするなどの制御を行うことができる。また、基板のレジスト部分などのように緑色の撮像対象物に対しては、赤色の波長帯の光を当てることにより、反射の影響を抑えつつ適切な光量の光を投影することができる。このため、照度不足および照度ムラが生じにくくなる。
【0011】
また、複数の光源が放射する光をリレー部において、撮像対象物に対して光を投影する同一の光軸上に導いているため、複数の方向から撮像対象物に対して光を投影する従来のドーム型照明装置に比べて、投影装置を小型化することができる。このため、投影装置の配置の制約が少ない。
【0012】
具体的には、前記撮像対象物の特性は、前記撮像対象物の種類、形状または反射率である。
【0013】
また、前記複数の光源は、放射する光の波長帯が互いに異なる複数の発光ダイオードであり、前記投影制御部は、前記撮像対象物の特性に基づき、各発光ダイオードの駆動電流値、または各発光ダイオードをパルス点灯させる際のパルス間隔若しくはパルス幅を制御することにより、各発光ダイオードが放射する光の光量を制御してもよい。
【0014】
例えば、発光ダイオードの駆動電流値を大きくすることにより発光ダイオードが放射する光の光量を大きくすることができる。また、パルス間隔を小さくすることにより発光ダイオードが放射する光の光量を大きくすることができる。また、パルス幅を大きくすることにより発光ダイオードが放射する光の光量を大きくすることができる。
【0015】
また、前記複数の光源は、第1波長帯を含む波長帯の光を放射する第1光源と、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を含む波長帯の光を放射する第2光源とを含み、前記リレー部は、前記第1光源から前記撮像対象物までの光路上に位置し、前記第1波長帯の光を前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸の方向に反射し、前記第1波長帯以外の光を透過させる第1ダイクロイックミラーと、前記第2光源から前記撮像対象物までの光路上に位置し、前記第2波長帯の光を前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸の方向に反射し、前記第2波長帯以外の光を透過させる第2ダイクロイックミラーとを含み、前記第1ダイクロイックミラーと前記第2ダイクロイックミラーとはX形状に配置されていてもよい。
【0016】
例えば、X形状となるように配置した2つのダイクロイックミラーを用いることにより、各光源から撮像対象物までの光路長を等しく構成することができ、第1波長帯の光と第2波長帯の光とを選択的に撮像対象物に対して光を投影する光軸上に導き、コンパクトに撮像対象物に投影することができる。また、複数の光源から撮像対象物までの光路長が等しいので光路長やレンズ等に対する結像位置等の調整が容易である。
【0017】
また、前記第1ダイクロイックミラーと前記第2ダイクロイックミラーとは、各々が前記光軸に対して45度傾き、かつ互いに直交して配置され、前記第1光源から前記撮像対象物までの光路長と前記第2光源から前記撮像対象物までの光路長とは等しくても良い。
【0018】
2つのダイクロイックミラーを直交して配置し、各光源から撮像対象物までの光路長を等しくしていることより、各光源から放射される光の幅がリレー部においてほぼ等しくなる。また、各光源と各ダイクロイックミラーとの間に配置すべきコンデンサレンズの数を等しくすることができるため、コンデンサレンズの合計枚数が少なくなる。
【0019】
また、前記第1ダイクロイックミラーは、前記第1光源から前記撮像対象物までの光路上に位置し、前記第1波長帯としての赤色波長帯の光を前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸の方向に反射し、前記赤色波長帯以外の光を透過させ、前記第2ダイクロイックミラーは、前記第2光源から前記撮像対象物までの光路上に位置し、前記第2波長帯としての青色波長帯の光を前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸の方向に反射し、前記青色波長帯以外の光を透過させ、前記第1光源は、前記赤色波長帯を含む波長帯の光を放射する赤色光源であり、前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸と直交する方向であって、かつ、前記赤色光源が放射する光が前記第1ダイクロイックミラーで反射され、反射光が前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸上に導かれる位置に配置され、前記第2光源は、前記青色波長帯を含む波長帯の光を放射する青色光源であり、前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸と直交する方向であって、かつ、前記青色光源が放射する光が前記第2ダイクロイックミラーで反射され、反射光が前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸上に導かれる位置に配置され、前記複数の光源は、さらに、緑色波長帯を含む波長帯の光を放射し、前記光軸の延長上に配置される緑色光源を含み、前記第1ダイクロイックミラーおよび前記第2ダイクロイックミラーは、前記緑色光源が放射する光の光路上に配置されていても良い。
【0020】
投影装置は、赤色光源、緑色光源および青色光源を備えていることより、様々な波長帯の光を撮像対象物に投影することができる。また、第1ダイクロイックミラーとして、赤色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーを用い、第2ダイクロイックミラーとして、青色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーを用いている。赤色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーは、ある閾値よりも低い波長帯の光を透過し、当該ある閾値よりも高い波長帯において光を反射するように構成される。また、青色の波長帯の光を反射するダイクロイックミラーは、ある閾値よりも低い波長帯において光を反射し、当該ある閾値よりも高い波長帯において光を透過するように構成される。しかし、緑色波長帯は、赤色波長帯と青色波長帯との間に位置するため、緑色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーは、第1閾値と第1閾値よりも大きい第2閾値との間の波長帯において光を反射し、第1閾値よりも低い波長帯および第2閾値よりも高い波長帯において光を透過するように構成される。つまり、赤色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーと青色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーとは、透過と反射とを分離するための閾値が1つであるのに対し、緑色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーはその閾値が2つである。よって、緑色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーの方が、赤色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーおよび青色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーに比べて設計が難しいために高価である。この構成では、緑色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーを用いずに、赤色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーおよび青色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーを用いていることより、投影装置の製造コストを小さくすることができる。
【0021】
また、前記複数の光源は、第1波長帯を含む波長帯の光を放射する第1光源と、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を含む波長帯の光を放射する第2光源とを含み、前記リレー部は、前記第1光源から前記撮像対象物までの光路上であって、かつ前記第2光源から前記撮像対象物までの光路上に位置し、前記第1波長帯の光を前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸の方向に反射し、かつ前記第2波長帯の光を前記光軸の方向に反射するダイクロイックプリズムを含んでいても良い。
【0022】
ダイクロイックミラーの変わりにダイクロイックプリズムを用いることにより、第1波長帯の光と第2波長帯の光とを選択的に撮像対象物に投影することができる。
【0023】
また、前記投影制御部は、前記撮像対象物の特性と各光源が放射する光の光量とを対応付けて示す制御情報を参照することにより、各光源が放射する光の光量を制御しても良い。
【0024】
例えば、撮像対象物の種類と、その撮像対象物に対して各光源が放射する光の光量とを、制御情報の中に予め登録しておけば、撮像対象物ごとに、適切な光を投射することができる。
【0025】
また、上述の投影装置は、さらに、前記リレー部から投影される光を通過させることにより、前記撮像対象物に照射する投影パターン光を発生させるパターン発生部と、前記パターン発生部が発生した前記投影パターン光を前記撮像対象物に投影する投影光学系とを備えていても良い。
【0026】
この構成によると、パターン発生部と投影光学系とを含んでいるため、位相シフト法などを用いて撮像対象物の形状を認識するために、所定の投影パターン光を撮像対象物に投影することができる。
【0027】
本発明の他の局面に係る形状認識装置は、上述の投影装置と、前記撮像対象物を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像された前記撮像対象物の画像データを用いて、前記撮像対象物の形状を認識する認識部とを備える。
【0028】
この構成によると、撮像対象物ごとに適切な光量の光を投影することができる。このため、照度不足および照度ムラが生じにくく、ハレーション等も生じないため、正確に撮像対象物の形状を認識することができる。特に、位相シフト法などにおいては撮像対象物がハレーションを起こすと、光の輝度分布の位置変化を示す正弦波を正しく推定することができないが、ハレーションが生じないために、このような問題も生じない。
【0029】
また、前記投影制御部は、前記撮像対象物の特性に基づき、前記複数の光源のうちの少なくともいずれか1つの光源からの光であるメイン光と、他の少なくとも1つの光源からの光であるサブ光との光量を制御し、前記メイン光と前記サブ光とを時間的に切り替えながらまたは同時に放射するための制御を行っても良い。
【0030】
1つの投影装置からメイン光とサブ光とを撮像対象物に投影することによって、より効率的な形状認識が可能となる。例えば、電子部品の電極の形状を認識するために青色のメイン光を投影するとともに、電子部品の形状を認識するために赤色のサブ光を投影するなどすることにより、1つの投影装置を用いて複数種類の形状認識が可能となる。
【0031】
また、前記投影制御部は、(1)前記撮像対象物の特性に基づき、前記メイン光と前記サブ光との光量を制御し、前記メイン光と前記サブ光とを時間的に切り替えながら放射するための制御を行い、(2)前記メイン光が前記パターン発生部を通過する場合と前記サブ光が前記パターン発生部を通過する場合とでは、前記パターン発生部が発生する前記投影パターン光を変化させても良い。
【0032】
例えば、電子部品の電極の高さを認識する場合には、輝度分布の位置変化が正弦波で示されるメイン光を撮像対象物に投影し、輝度分布の位置変化がないサブ光を撮像対象物に投影する。これにより、メイン光が投影された撮像対象物の画像データから位相シフト法を用いて電子部品の電極の高さを認識し、サブ光が投影された撮像対象物の画像データから電子部品の形状を認識するなど、複数種類の形状認識が可能となる。
【0033】
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備える投影装置または形状認識装置として実現することができるだけでなく、投影装置または形状認識装置に含まれる特徴的な処理部が実行する処理をステップとする投影方法または形状認識方法として実現することができる。また、投影装置もしくは形状認識装置に含まれる特徴的な処理部としてコンピュータを機能させるためのプログラム、または投影方法もしくは形状認識方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムを、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【発明の効果】
【0034】
本発明によると、配置の制約が少なく、かつ照度不足および照度ムラが生じにくい投影装置および投影方法を提供するができる。
【0035】
また、正確に撮像対象物の形状を認識することができる形状認識装置および形状認識方法を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態1における実装基板生産システムの構成を示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態1における検査装置が備える形状認識装置の構成を示す図である。
【図3】撮像部が備えるCCDの感度特性を示すグラフである。
【図4】形状認識装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】投影装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】各LEDの相対分光分布を示すグラフである。
【図7】各LEDの特性を示す図である。
【図8】制御情報の一例を示す図である。
【図9】ダイクロイックミラーの透過特性を示す図である。
【図10】撮像対象物の波長と反射率との関係を示すグラフである。
【図11】レジストによる2次反射の問題について説明するための図である。
【図12】撮像対象物の種類毎の投影する光の波長を説明するための図である。
【図13】撮像対象物の種類毎の、選択して投影する光を説明するための図である。
【図14】各LEDの駆動電流値、または各LEDをパルス点灯させる際のパルス間隔若しくはパルス幅の制御について説明するための図である。
【図15】形状認識装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】変形例1におけるダイクロイックミラーの配置を示す図である。
【図17】変形例2におけるダイクロイックプリズムの一例を示す図である。
【図18】変形例3における形状認識装置を備える部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図19】変形例4におけるサブ光の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る実装基板生産システムが備える、投影装置および形状認識装置について説明する。
【0038】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における実装基板生産システム10の構成を示す外観図である。
【0039】
実装基板生産システム10は、上流側の実装基板生産装置から下流側の実装基板生産装置に基板20を搬送し、基板20に電子部品などの部品が実装された実装基板20aを生産するシステムである。同図に示すように、実装基板生産システム10は、実装基板生産装置として、2台の部品実装装置700、印刷装置300、3台の検査装置400、接着剤塗布装置500およびリフロー炉600を備えている。なお、実装基板生産システム10の構成は一例であり、図1に示す構成に限定されるものではない。
【0040】
部品実装装置700は、部品を基板20に実装する装置である。印刷装置300は、ペースト状のはんだであるソルダーペーストを基板20の表面にスクリーン印刷するスクリーン印刷機である。接着剤塗布装置500は、基板20上に接着剤を塗布する装置である。リフロー炉600は、部品が実装された基板20を熱することにより、はんだ等を溶融および固化させた後、部品と基板20の電極同士を接合し固定させる装置である。
【0041】
検査装置400は、基板20上の状態を検査する装置である。具体的には、3台の検査装置400は、印刷装置300によるはんだ付け状態の外観を検査する検査装置400と、部品実装装置700による基板20上の部品の装着状態を検査する検査装置400と、リフロー炉600による熱処理後の基板20上の部品の装着状態を検査する検査装置400とを含む。
【0042】
検査装置400は、基板20上(基準面40上)の部品の装着状態を検査するために、基板20上の部品の形状を認識する形状認識装置100を備えている。
【0043】
図2は、本発明の実施の形態1における検査装置400が備える形状認識装置100の構成を示す図である。
【0044】
形状認識装置100は、基板20上の部品などの撮像部140による撮像対象物30の形状を認識する装置である。同図に示すように、形状認識装置100は、投影装置200および撮像部140を備えている。ここでは、説明の簡単化のために、撮像対象物30の形状を認識するために、撮像対象物30が形状認識装置100に対して同図のX軸方向に移動することとするが、形状認識装置100が撮像対象物30に対して移動することにしてもよい。なお、一例として、撮像対象物30の移動は、ベルトコンベア上または基板支持テーブル上(図示せず)に撮像対象物30を載置して搬送することにより行われたり、または部品実装装置700に形状認識装置100が備えられて撮像対象物30である部品を吸着した装着ヘッドを形状認識装置100に対して相対的に移動させることにより、撮像および認識が行われたりする構成であっても良い。
【0045】
投影装置200は、撮像部140の撮像対象物30に対して光を投影する。投影装置200の詳細な構成については、後述する。なお、光を投影するとは、光を照射する、または光を放射すると同義である。
【0046】
撮像部140は、X軸方向に相対的に移動する基準面40上に保持または載置された撮像対象物30を、撮像する。ここで基準面40とは、撮像対象物30が撮像される際に保持あるいは載置されている面であり、例えば、基板20あるいは装着ヘッドの撮像対象物30の保持面等である。撮像部140は、一般的なCCD(Charge Coupled Device)カメラまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラであっても良いし、ラインセンサであっても良い。
【0047】
図3は、周囲温度Taが25℃の場合の撮像部140が備えるCCDの感度特性を示すグラフである。横軸は波長λを示し、縦軸は最大感度を1としたときの相対感度を示す。図3に示すように、CCDの感度特性はおよそ波長λが600nmのときにピークとなる。つまり、赤色波長帯において感度特性が最大になる。
【0048】
図4は、形状認識装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0049】
図4に示すように、形状認識装置100は、図2に示した投影装置200および撮像部140の他に、各部を制御する形状認識制御部101を備えている。なお、この形状認識制御部101は、検査装置400に組み込まれた各部を制御するコンピュータであるが、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムがプログラムを実行することによって実現されることにしてもよい。
【0050】
投影処理部102は、例えば、検査装置400を制御する制御部(図示せず)から、撮像対象物30である部品の種類を示す情報を取得し投影装置200に転送する。撮像処理部103は、撮像部140による撮像対象物30の撮像タイミングを制御する。認識部104は、撮像部140で撮像された撮像対象物30の画像データから撮像対象物30の形状を認識する。撮像対象物30の形状の認識方法は限定されるものではなく、どのような方法であっても良い。例えば、撮像対象物30の二次元的なサイズを求める場合には、画像データからエッジを検出し、エッジ位置から撮像対象物30の外接矩形を求め、外接矩形から撮像対象物30のサイズを求めるようにしても良い。また、撮像対象物30の高さを求める場合には、輝度分布の位置変化が正弦波で示される光である輝度変化光を撮像対象物30に投影するとともに撮像対象物30を撮像し、撮像対象物30の画像データから位相シフト法に従い撮像対象物30の高さを求めるようにしても良い。
【0051】
次に、投影装置200の詳細な構成について説明する。
【0052】
図5は、投影装置200の内部構成を示すブロック図である。投影装置200は、照明光学部210と、赤色LED(発光ダイオード)240Rと、緑色LED240Gと、青色LED240Bと、投影制御部230と、リレー部250と、パターン発生部260と、投射光学系220とを含む。
【0053】
赤色LED240R、緑色LED240Gおよび青色LED240Bは、放射する光の波長帯が互いに異なる複数の光源である。つまり、赤色LED240Rは、赤色波長帯を含む波長帯の光を放射する光源である。緑色LED240Gは、緑色波長帯を含む波長帯の光を放射する光源である。青色LED240Bは、青色波長帯を含む波長帯の光を放射する光源である。赤色LED240R、緑色LED240Gおよび青色LED240Bの各々から撮像対象物30までの光路長は全て等しくなるような位置に赤色LED240R、緑色LED240Gおよび青色LED240Bは配置される。
【0054】
図6は、各LED(赤色、緑色、青色、紺青色、シアン色、赤橙色等)の相対分光分布を示すグラフであり、横軸は波長を示し、縦軸は最大値を1に正規化した各LEDの放射強度を示す。例えば、青色LED240Bが放射する光は、おおよそ420nm〜520nmの波長帯の光である。
【0055】
図7は、例えば、赤色、緑色、青色等の各LEDの特性(中心波長等)を示す図である。つまり、赤色LED240Rが放射する光の中心波長は620nmであり、その光束は85lmであり、その駆動電流値の最大値は700mAである。緑色LED240Gが放射する光の中心波長は520nmであり、その光束は145lmであり、その駆動電流値の最大値は700mAである。青色LED240Bが放射する光の中心波長は460nmであり、その光束は27lmであり、その駆動電流値の最大値は700mAである。
【0056】
再度図5を参照して、投影制御部230は、例えば予め取得した撮像対象物30の特性に基づき、各LEDが放射する光の光量を制御する。つまり、投影制御部230は、撮像対象物30の特性に基づき、各LEDの駆動電流値、または各LEDをパルス点灯させる際のパルス間隔若しくはパルス幅を制御することにより、各LEDが放射する光の光量を制御する。ここで、撮像対象物30の特性は、撮像対象物30の種類、形状または反射率である。
【0057】
投影制御部230は、撮像対象物30の特性と各LED(赤色LED240R、緑色LED240G、青色LED240B)が放射する光の光量とを対応付けて示す制御情報を予め記憶しており、その制御装置を参照することにより、各LEDが放射する光の光量を制御する。
【0058】
図8は、制御情報の一例を示す図である。図8に示す制御情報は、撮像対象物30の種類501と、赤色LED240RのR駆動電流値502と、緑色LED240GのG駆動電流値503と、青色LED240BのB駆動電流値504とを対応付けて示す情報である。例えば、撮像対象物30の種類がQFPのリードである場合には、赤色LED240R、緑色LED240Gおよび青色LED240Bの駆動電流値がそれぞれ、0mA、0mAおよび600mAであることが示されている。
【0059】
この制御情報は、投影装置200の内部に設けられた記憶装置に記憶されていても良いし、投影装置200の外部に設けられた記憶装置に記憶されていても良い。また、制御情報に記憶される駆動電流値等の値は、経験的に定めても良いし、予め同種の部品に光を投影し、ハレーションを起こさず、かつ投影不足にならないような値を、例えば予備テスト等により定めても良い。
【0060】
再度図5を参照して、リレー部250は、複数のLEDから放射される光を、同一の光軸上に導くことにより、撮像対象物30に対して光を投影する。
【0061】
リレー部250は、第1ダイクロイックミラー251Rと、第2ダイクロイックミラー251Bと、複数のコンデンサレンズ241と、複数のリレーレンズ252と、インテグレータ部253とを含む。
【0062】
第1ダイクロイックミラー251Rは、赤色LED240Rから撮像対象物30までの光路上に位置し、赤色波長帯の光を撮像対象物30に対して投影する光軸の方向に反射し、赤色波長帯以外の光を透過させるダイクロイックミラーである。第2ダイクロイックミラー251Bは、青色LED240Bから撮像対象物30までの光路上に位置し、青色波長帯の光を撮像対象物30に対して投影する光軸の方向に反射し、青色波長帯以外の光を透過させるダイクロイックミラーである。ダイクロイックミラーとは、特殊な光学素材を用いて作成された鏡の一種で、特定の波長帯の光を反射し、その他の波長帯の光を透過する。
【0063】
図9は、ダイクロイックミラーの透過特性を示す図であり、図9(a)、図9(b)および図9(c)は、それぞれ、上記特定の波長帯が赤色波長帯、緑色波長帯および青色波長帯であるダイクロイックミラーの透過特性を示す。各グラフの横軸は波長を示し、縦軸は光の透過率を示す。図9(a)に示すように、赤色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーは、高波長帯の光を反射し、低波長帯の光を透過する。また、図9(b)に示すように、緑色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーは、中間の波長帯の光を反射し、それ以外の波長帯の光を透過する。さらに、図9(c)に示すように、青色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーは、低波長帯の光を反射し、高波長帯の光を透過する。
【0064】
図5に示すように、第1ダイクロイックミラー251Rと第2ダイクロイックミラー251Bとは、X形状に配置され、各々が光軸に対して45度傾き、かつ互いに直交して配置される。
【0065】
なお、赤色LED240Rは、光軸と直交する方向であって、かつ、赤色LED240Rが放射する光が第1ダイクロイックミラー251Rで反射され、反射光が撮像対象物30に対して投影する光軸上に導かれる位置に配置される。
【0066】
また、青色LED240Bは、光軸と直交する方向であって、かつ、青色LED240Bが放射する光が第2ダイクロイックミラー251Bで反射され、反射光が撮像対象物30に対して投影する光軸上に導かれる位置に配置される。
【0067】
また、緑色LED240Gは、光軸上であって、かつ、緑色LED240Gが放射する光が第1ダイクロイックミラー251Rおよび第2ダイクロイックミラー251Bを透過する位置に配置される。つまり、第1ダイクロイックミラー251Rおよび第2ダイクロイックミラー251Bは、緑色LED240Gが撮像対象物30に対して放射する光の光路上に配置される。
【0068】
インテグレータ部253は、第1ダイクロイックミラー251Rまたは第2ダイクロイックミラー251Bにおいて反射または透過した光の照度ムラを低減する光学部材である。インテグレータ部253としては、例えば、ロッドレンズを用いることができ、ロッドレンズ内で光の全反射を繰り返すことにより、光の照度ムラを低減させることができる。なお、インテグレータ部253の構成はこのような構成に限定されるものではなく、どのような構成であってもよい。
【0069】
リレーレンズ252は、光路上のインテグレータ部253の前後に設けられ、第1ダイクロイックミラー251Rまたは第2ダイクロイックミラー251Bにおいて反射または透過した光をインテグレータ部253に集光したり、インテグレータ部253を通過した光をパターン発生部260に導いたりする。
【0070】
パターン発生部260は、インテグレータ部253を通過した光を通過または反射させることにより、撮像対象物30に照射する投影パターン光を発生させる。パターン発生部260は、所定のパターンのフィルタ、DMD(Digital Mirror Device)や液晶(透過型または反射型)により実現することができる。また、所定のパターンのフィルタは、安価でかつ小型であるという特徴がある反面、パターンを変更することができないという課題もある。DMDや液晶は、パターンを容易に変更可能であるが、高価であるという課題もある。また、DMDは、10〜15μsecでパターン切り替えが可能であり、液晶は、1msec〜12msecでパターン切り替えが可能である。このため、高速にパターンを切り替えながら光を投影し、撮像対象物30を撮像する場合に有効である。
【0071】
投射光学系220は、パターン発生部260が発生した投影パターン光を撮像対象物30に投影する光学系である。投射光学系220は、投射部221と、絞り222とを含む。投射部221は、投影パターン光を任意の倍率で投影するための投射レンズ群である。絞り222は、絞り222は、投射部221を通過した光の光量を制限するための光学部材である。
【0072】
次に、撮像対象物30の特性と各LEDが放射する光の光量との関係について説明する。
【0073】
図10は、撮像対象物30の波長と反射率との関係を示すグラフである。横軸は撮像対象物30に投影される光の波長を示し、縦軸は撮像対象物30の反射率を示す。例えば、撮像対象物30の種類がはんだの場合には、全般的に反射率が高いが、そのうち、赤色波長帯(例えば、600nm〜780nmの波長帯)においては反射率が高い傾向がある。また、撮像対象物30の種類がレジストの場合には、全般的に反射率が低いが、緑色波長帯(特に495nm〜530nmの波長帯)においては反射率が高い傾向がある。また、撮像対象物30の種類が抵抗(チップ抵抗)の場合には、全ての波長帯において同程度に反射率が低い傾向にある。
【0074】
図11は、基板20の表面に形成されるレジストによる2次反射の問題について説明するための図である。
【0075】
例えば、撮像対象物30が電子部品31であるとした場合に、投影装置200より投影され電子部品31で反射された光が撮像部140で撮像されるが、レジスト21で反射され電子部品31の側面で2次反射された光も撮像部140で撮像される。この2次反射された光は、本来の電子部品31の位置とはずれた位置からの反射光である。このため、2次反射光をできるだけ除去して電子部品31の形状を認識することが形状の認識精度向上に繋がる。本実施の形態ではレジスト21は緑色をしているものとする。このため、2次反射光を除去するために、緑色波長帯以外の光を撮像対象物30に対して投影するのが望ましい。
【0076】
このため、投影制御部230は、全体的に反射率が高いはんだや部品のリード部分に対しては、撮像時のハレーションを防止するために反射率が低い青色波長帯の光を投影するための制御を行う。また、投影制御部230は、はんだに対して相対的に反射率が低いレジストおよび抵抗に対しては、暗く写るのを防止するために、反射率が高い赤色波長帯の光を投影するための制御を行う。
【0077】
具体的には、図12に示すように、QFPのリード部分およびはんだには430〜480nmの青色波長帯の光を投影するのが好ましい。また、レジストには600〜780nmの赤色波長帯の光を投影するのが好ましい。また、反射率の低いQFPのパッケージ部分および抵抗には630〜780nmの赤色波長帯の光を投影するのが好ましい。
【0078】
図13は、撮像対象物30の種類毎の、選択して投影する光を説明するための図である。
【0079】
図13(a)〜図13(e)のそれぞれは、赤色LED240R、緑色LED240Gおよび青色LED240Bと、第1ダイクロイックミラー251Rおよび第2ダイクロイックミラー251Bとを模式的に示しており、発光していないLEDを白色で示し、発光しているLEDをハッチングで示している。例えば、図13(a)は、全てのLEDが発光していない状態を示し、図13(b)は、全てのLEDが発光している状態を示している。図13(c)に示すように、撮像対象物30の種類が反射率の高いはんだ、またはQFPのリード部分の場合には、投影制御部230は、青色LED240Bのみを発光させる。図13(d)に示すように、撮像対象物30の種類が反射率の低いレジストの場合には、投影制御部230は、赤色LED240Rのみを発光させる。図13(e)に示すように、撮像対象物30の種類が反射率の低いQFPのパッケージ部分または抵抗(チップ抵抗)の場合には、投影制御部230は、赤色LED240Rのみを発光させる。
【0080】
図14は、投影制御部230による、撮像対象物30の特性に基づいた、各LED(赤色LED240R、緑色LED240G、青色LED240B)の駆動電流値、または各LEDをパルス点灯させる際のパルス間隔若しくはパルス幅の制御について説明するための図である。図14(a)〜図14(f)はそれぞれ、横軸が時間を示し、縦軸がLEDの駆動電流値を示すグラフである。図14(a)は、600mAの駆動電流で赤色LED240Rをパルス点灯させた場合の赤色LED240Rの駆動電流値を示している。つまり、投影制御部230が赤色LED240Rの駆動電流値を600mAと0mAとの間で周期的に変化させることにより、赤色LED240Rがパルス点灯する。600mAの駆動電流で赤色LED240Rを所定の間隔でパルス点灯させた場合にハレーションを起こすような撮像対象物30に対しては、例えば、図14(b)に示すように、投影制御部230は、駆動電流値を下げ、例えば400mAの駆動電流で赤色LED240Rを駆動させる。
【0081】
図14(c)は、各々600mAの駆動電流で赤色LED240Rおよび緑色LED240Gを交互にパルス点灯させた場合の赤色LED240Rおよび緑色LED240Gの駆動電流を示している。つまり、赤色LED240Rの駆動電流値が0mAの時間に緑色LED240Gの駆動電流値を600mAにし、緑色LED240Gの駆動電流値が0mAの時間に赤色LED240Rの駆動電流値を600mAにする。図14(c)では、赤色LED240Rのパルス幅と緑色LED240Gのパルス幅とを同じ幅としている。つまり、赤色成分光と緑色成分光の割合とが等しい。これに対して、撮像対象物30に投影する緑色成分光の割合を赤色成分光の割合よりも小さくするためには、図14(d)に示すように赤色LED240Rの駆動電流値である600mAに対して、緑色LED240Gの駆動電流値を400mAのように低く設定すればよい。または、図14(e)に示すように赤色LED240Rのパルス幅よりも緑色LED240Gのパルス幅のほうを短く設定しても良い(例えば、赤色LED240Rのパルス幅が0.7msec、緑色LED240Gのパルス幅が0.3msec)。
【0082】
また、発光するLEDの個数は1つまたは2つに限定されるものではなく、3つであっても良い。例えば、図14(f)に示すように、投影制御部230は、赤色LED240R、緑色LED240Gおよび青色LED240Bの駆動電流値を交互に600mAにすることにより、3つのLEDを点灯させても良い。
【0083】
このように、各LEDの駆動電流値を大きくすることにより各LEDが放射する光の光量を大きくすることができる。また、パルス間隔または電流値を小さくすることにより各LEDが放射する光の光量を小さくすることができる。また、パルス幅を大きくすることにより各LEDが放射する光の光量を大きくすることができる。
【0084】
なお、パルス間隔は、一例として数μsecから数十μsecである。LEDはパルス点灯を行う場合の方が、連続点灯する場合に比べて、投入電流値が大きく設定でき、かつ寿命を2倍程度伸ばすことができる。
【0085】
図15は、形状認識装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0086】
投影処理部102(図4参照)は、撮像対象物30の特性を取得する(S102)。例えば、検査装置400に形状認識装置100が備えられている場合には、投影処理部102は、検査装置400を制御する制御部から検査対象となっている撮像対象部30である電子部品の特性を取得する。例えば、電子部品の種類が取得される。
【0087】
投影装置200の投影制御部230(図5参照)は、投影処理部102が取得した撮像対象物30の特性に基づいて、図8に示すような制御情報を参照することにより、各LEDの駆動条件を選択する(S104)。例えば、撮像対象物30の特性として、撮像対象物30の種類が反射率の高いQFPのリード部分である場合には、投影制御部230は、制御情報から、赤色LED240Rおよび緑色LED240Gの駆動電流値が0mAであり、青色LED240Bの駆動電流値が600mAであるとの駆動条件を選択する。
【0088】
投影制御部230は、選択した駆動条件に従って各LEDを駆動することにより、投影装置200が撮像対象物30に対して光を投影するとともに、撮像部140が撮像処理部103の制御に従い、撮像対象物30を撮像する(S106)。
【0089】
撮像部140は、撮像対象物30の画像データを、撮像処理部103を介して認識部104に転送する(S108)。
【0090】
認識部104は、転送された画像データから撮像対象物30の形状を認識する(S110)。なお、投影制御部230は、投影装置200に含まれるとしたが、形状認識制御部101あるいはその上位の制御部に含まれる構成としてもよい。
【0091】
以上説明したように、本実施の形態に係る形状認識装置によると、撮像対象物の特性に基づいて、光源である各LEDが放射する光の光量を制御している。このため、例えば、反射率の高い撮像対象物に対しては、光の光量を小さくし、反射率の低い撮像対象物に対しては、光の光量を大きくするなどの制御を行うことができる。また、全体的に反射率が低いが特に赤色の波長帯で反射率が低い基板のレジスト部分(図10参照)などのように緑色の撮像対象物に対しては、赤色の波長帯の光を当てることにより、反射の影響を抑えつつ適切な光量の光を投影することができる。このため、照度不足および照度ムラが生じにくくなる。
【0092】
また、複数のLEDが放射する光をリレー部において撮像対象物に対して光を投影する同一の光軸上に導いているため、複数の方向から撮像対象物に対して光を投影する従来のドーム型照明装置に比べて、投影装置を小型化することができる。このため、投影装置の配置の制約が少ない。
【0093】
また、投影装置は、X形状(X字状)に配置した2つのダイクロイックミラーを用いていることにより、各光源から撮像対象物までの光路長を等しく構成でき、複数の波長帯の光を選択的に撮像対象物に対して光を照射する光軸上に導き、コンパクトに撮像対象物に投影することができる。また、複数の光源から撮像対象物までの光路長が等しいので、光路長やレンズ等に対する結像位置等の調整が容易である。
【0094】
また、2つのダイクロイックミラーを直交して配置し、光源である各LEDから撮像対象物までの光路長を等しくしていることより、各LEDから放射される光の幅がリレー部においてほぼ等しくなる。また、各LEDと各ダイクロイックミラーとの間に配置すべきコンデンサレンズの数を等しくすることができるため、コンデンサレンズの合計枚数が少なくなる。
【0095】
また、投影装置は、光源として赤色LED、緑色LEDおよび青色LEDを備えていることより、様々な波長帯の光を撮像対象物に投影することができる。また、第1ダイクロイックミラーとして、赤色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーを用い、第2ダイクロイックミラーとして、青色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーを用いている。赤色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーは、波長領域(波長帯)において、ある閾値よりも低い波長帯の光を透過し、当該ある閾値よりも高い波長帯(赤色の波長帯)において光を反射するように構成される。また、青色の波長帯の光を反射するダイクロイックミラーは、波長領域(波長帯)において、ある閾値よりも低い波長帯(青色の波長帯)において光を反射し、当該ある閾値よりも高い波長帯において光を透過するように構成される。しかし、緑色波長帯は、赤色波長帯と青色波長帯との間に位置するため、例えば緑色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーは、第1閾値と第1閾値よりも大きい第2閾値との間の波長帯(緑色の波長帯)において光を反射し、第1閾値よりも低い波長帯および第2閾値よりも高い波長帯において光を透過するように構成される。つまり、赤色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーと青色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーとは、透過と反射とを分離するための閾値が1つであるのに対し、緑色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーはその閾値が2つである。よって、緑色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーの方が、赤色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーおよび青色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーに比べて設計が難しいために高価である。上述の構成では、緑色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーを用いずに、X形状(X字状)に配置した赤色波長帯の光を反射する第1ダイクロイックミラーおよび青色波長帯の光を反射する第2ダイクロイックミラーを用い、緑色LEDを撮像対象物に対して光を投影する光軸上に配置し、さらに、第1ダイクロイックミラーおよび第2ダイクロイックミラーを緑色LEDが撮像対象物に対して光を放射する光の光路上に配置させることより、波長領域(波長帯)において、高い波長帯である赤色波長帯の光と低い波長帯である青色波長帯の光とを反射し、その間の波長帯である緑色波長帯の光を撮像対象物に対して光を投影する光軸上に透過することができるため、投影装置の製造コストを小さくすることができる。
【0096】
また、撮像対象物の種類と、その撮像対象物に対して各光源が放射する光の光量とを、制御情報の中に予め登録しておけば、撮像対象物ごとに、適切な光を投射することができる。
【0097】
また、投影装置は、パターン発生部と投影光学系とを含んでいる。このため、位相シフト法などを用いて撮像対象物の形状を認識するために、輝度分布の位置変化が正弦波で示される光である輝度変化光などの所定の投影パターン光を撮像対象物に投影することができる。
【0098】
また、投影装置は、撮像対象物の特性(種類、形状、反射率等)ごとに適切な光量の光を投影することができる。このため、照度不足および照度ムラが生じにくく、ハレーション等も生じないため、正確に撮像対象物の形状を認識することができる。特に、位相シフト法などにおいては撮像対象物がハレーションを起こすと、光の輝度分布の位置変化を示す正弦波を正しく推定することができないが、ハレーションが生じないために、このような問題も生じない。
【0099】
以上、本発明に係る形状認識装置について、上記実施の形態を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、以下に示すような種々の変形例が考えられる。
【0100】
(変形例1)
上述の実施の形態では、2枚のダイクロイックミラーを直交させて配置する構成としたが、ダイクロイックミラー枚数および配置は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、図16に示すように、第1ダイクロイックミラー251R、第3ダイクロイックミラー251Gおよび第2ダイクロイックミラー251Bからなる3枚のダイクロイックミラーを光軸方向に並べて配置し、各ダイクロイックミラーを光軸に対して45度傾けるような配置にしても良い。このような配置に伴い、赤色波長帯の光を照射する赤色LED240R、緑色波長帯の光を照射する緑色LED240Gおよび青色波長帯の光を照射する青色LED240Bは、それぞれ、照射する光が第1ダイクロイックミラー251R、第3ダイクロイックミラー251Gおよび第2ダイクロイックミラー251Bで反射され、光軸方向に反射するような位置に設けられる。
【0101】
このような配置により複数の波長帯の光を選択的に撮像対象物に投影することができる。ただし、光源である各LEDから撮像対象物30までの光路長は互いに異なる。このため、それぞれの光源からの光の結像位置の調整を行うためLEDごとに光路上に配置されるコンデンサレンズ241の個数が異なるため、実施の形態1に示した投影装置200の構成に比べ、コンデンサレンズ241の個数は多くなる。
【0102】
(変形例2)
また、上述の実施の形態では、2枚のダイクロイックミラーを用いて各LEDからの光を撮像対象物30に導いていたが、2枚のダイクロイックミラーの代わりにダイクロイックプリズムを用いても良い。
【0103】
図17は、ダイクロイックプリズムの一例を示す図である。ダイクロイックプリズム270は、例えば、3つのプリズム271が接合されることにより構成される。赤色LED240Rおよび青色LED240Bの各々は、放射する光がダイクロイックプリズム270内で屈折して撮像対象物30に対して光を投影する光軸上に導かれる位置に配置される。緑色LED240Gは、光軸上に配置され、緑色LED240Gから放射する光がダイクロイックプリズム270を透過して光軸上に導かれる。なお、プリズム271間の接合面の角度を変更することにより、光軸に導かれるそれぞれの光の波長を変更することができる。
【0104】
このように、2枚のダイクロイックミラーの変わりにダイクロイックプリズムを用いても、複数のLEDが放射する光を選択的に撮像対象物に投影することができる。
【0105】
(変形例3)
また、上述の実施の形態では、形状認識装置100は検査装置400に備えられているとしたが、部品実装装置700に備えられていても良い。
【0106】
この場合、形状認識装置100は、例えば部品実装装置700が備える装着ヘッドが吸着した部品を検査(認識)するために用いられる。
【0107】
図18は、形状認識装置100を備える部品実装装置700の一例を示すフローチャートである。
【0108】
装着ヘッドは、部品供給部から、基板20に実装する部品を取り出し、吸着する(S101)。
【0109】
投影処理部102は、部品実装装置700の制御部から、装着ヘッドが吸着した撮像対象物30である部品の特性を取得する(S103)。
【0110】
投影装置200の投影制御部230は、投影処理部102が取得した部品の特性に基づいて、図8に示すような制御情報を参照することにより、光源である各LEDの駆動条件を選択する(S104)。例えば、部品の特性として、反射率が高い部品の種類のQFPのリード部分である場合には、投影制御部230は、制御情報から、赤色LED240Rおよび緑色LED240Gの駆動電流値が0mAであり、青色LED240Bの駆動電流値が600mAであるとの駆動条件を選択する。
【0111】
投影制御部230は、選択した駆動条件に従って各LEDを駆動することにより、投影装置200が部品に対して光を投影するとともに、撮像部140が撮像処理部103の制御に従い、部品を撮像する(S106)。
【0112】
撮像部140は、部品の画像データを、撮像処理部103を介して認識部104に転送する(S108)。
【0113】
認識部104は、転送された画像データから部品の形状を認識する(S110)。
【0114】
部品実装装置700の制御部は、認識部104の認識結果に基づいて、装着ヘッドが部品を吸着しているか否かを判断する(S112)。部品を吸着していなければ(S112でNo)、部品吸着処理(S101)以降の処理を再度実行する。
【0115】
部品を吸着していれば(S112でYes)、部品実装装置700の制御部は、吸着した部品の位置ずれが許容範囲内であるか否かを判断する(S114)。位置ずれが許容範囲外であれば(S114でNo)、位置補正をすることができないため、装着ヘッドは吸着した部品を廃棄箱に廃棄し(S116)、部品吸着処理(S101)以降の処理を再度実行する。位置ずれが許容範囲内であれば(S114でYes)、装着ヘッドは吸着した部品の位置補正を行い(S118)、基板上に部品を装着する(S120)。
【0116】
以上説明したように、形状認識装置100は様々な装置に設置することができ、様々な検査(認識)に用いることができる。
【0117】
(変形例4)
上述の実施の形態では、1つの撮像対象物30を撮像する際に投影する光のパターンは1つとしているが、1つの撮像対象物30を撮像する際に、2つのパターンの光を投影するようにしても良い。
【0118】
つまり、投影装置200の投影制御部230は、撮像対象物30の特性に基づき、光源である複数のLEDのうちの少なくともいずれか1つのLEDからの光であるメイン光と、他の少なくとも1つの光源からの光であるサブ光との光量を制御し、メイン光とサブ光とを時間的に切り替えながらまたは同時に放射するための制御を行う。
【0119】
例えば、投影制御部230は、(1)撮像対象物30の特性に基づき、メイン光とサブ光との光量を制御し、メイン光とサブ光とを時間的に切り替えながら放射するための制御を行い、(2)メイン光が光軸上のパターン発生部260を通過する場合とサブ光が前記パターン発生部260を通過する場合とでは、パターン発生部260が発生する投影パターン光を変化させても良い。
【0120】
例えば、メイン光として図13(c)に示すような青色LED240Bが放射する光を撮像対象物30に投影し、サブ光として図19に示すような赤色LED240Rが放射する光と緑色LED240Gが放射する光との混合光を撮像対象物30に投影するようにしても良い。
【0121】
このように1つの投影装置からメイン光とサブ光とを撮像対象物に投影することによって、より効率的な形状認識が可能となる。例えば、撮像対象物である電子部品の反射率の高い電極の形状を認識するために青色のメイン光を投影するとともに、反射率の低い電子部品の形状を認識するために赤色のサブ光を投影するなどすることにより、1つの投影装置を用いて複数種類の形状認識が可能となる。
【0122】
具体的には、撮像対象物の形状認識として電子部品の電極の高さを認識する場合には、撮像対象物に対して投影される光の輝度分布の位置変化が正弦波で示されるメイン光を撮像対象物に投影し、輝度分布の位置変化がないサブ光を撮像対象物に投影する。これにより、メイン光が投影された撮像対象物の画像データから位相シフト法を用いて撮像対象物である電子部品の電極の高さを認識し、サブ光が投影された撮像対象物の画像データから撮像対象物である電子部品の形状を認識するなど、複数種類の形状認識が可能となる。
【0123】
なお、本発明は、このような投影装置およびその方法、並びに投影装置を用いた形状認識装置およびその方法として実現することができるだけでなく、投影方法または形状認識方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムや、投影装置または形状認識装置に含まれる処理部を備える集積回路として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体およびインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0124】
なお、撮像対象物30に対してパターン光を投影する必要のない場合には、パターン発生部260は備えられていなくても良い。
【0125】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、様々な特性を有する撮像対象物に光を投影する投影装置や、様々な特性を有する撮像対象物の形状認識を精度良く行うことができる形状認識装置や、そのような形状認識装置を備える検査装置または部品実装装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0127】
10 実装基板生産システム
20 基板
20a 実装基板
21 レジスト
30 撮像対象物
31 電子部品
40 基準面
100 形状認識装置
101 形状認識制御部
102 投影処理部
103 撮像処理部
104 認識部
140 撮像部
200 投影装置
210 照明光学部
220 投射光学系
221 投射部
222 絞り
230 投影制御部
240R 赤色LED
240G 緑色LED
240B 青色LED
241 コンデンサレンズ
250 リレー部
251R ダイクロイックミラー
251G ダイクロイックミラー
251B ダイクロイックミラー
252 リレーレンズ
253 インテグレータ部
260 パターン発生部
270 ダイクロイックプリズム
271 プリズム
300 印刷装置
400 検査装置
500 接着剤塗布装置
501 種類
502 R駆動電流値
503 G駆動電流値
504 B駆動電流値
600 リフロー炉
700 部品実装装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部の撮像対象物に対して光を投影する投影装置であって、
放射する光の波長帯が互いに異なる複数の光源と、
前記撮像対象物の特性に基づき、各光源が放射する光の光量を制御する投影制御部と、
前記複数の光源から放射される光を、前記撮像対象物に対して光を投影する同一の光軸上に導くことにより、前記撮像対象物に対して光を投影するリレー部と
を備える投影装置。
【請求項2】
前記撮像対象物の特性は、前記撮像対象物の種類、形状または反射率である
請求項1に記載の投影装置。
【請求項3】
前記複数の光源は、放射する光の波長帯が互いに異なる複数の発光ダイオードであり、
前記投影制御部は、前記撮像対象物の特性に基づき、各発光ダイオードの駆動電流値、または各発光ダイオードをパルス点灯させる際のパルス間隔若しくはパルス幅を制御することにより、各発光ダイオードが放射する光の光量を制御する
請求項1または2に記載の投影装置。
【請求項4】
前記複数の光源は、
第1波長帯を含む波長帯の光を放射する第1光源と、
前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を含む波長帯の光を放射する第2光源とを含み、
前記リレー部は、
前記第1光源から前記撮像対象物までの光路上に位置し、前記第1波長帯の光を前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸の方向に反射し、前記第1波長帯以外の光を透過させる第1ダイクロイックミラーと、
前記第2光源から前記撮像対象物までの光路上に位置し、前記第2波長帯の光を前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸の方向に反射し、前記第2波長帯以外の光を透過させる第2ダイクロイックミラーとを含み、
前記第1ダイクロイックミラーと前記第2ダイクロイックミラーとはX形状に配置されている
請求項1〜3のいずれか1項に記載の投影装置。
【請求項5】
前記第1ダイクロイックミラーと前記第2ダイクロイックミラーとは、各々が前記光軸に対して45度傾き、かつ互いに直交して配置され、
前記第1光源から前記撮像対象物までの光路長と前記第2光源から前記撮像対象物までの光路長とは等しい
請求項4に記載の投影装置。
【請求項6】
前記第1ダイクロイックミラーは、前記第1光源から前記撮像対象物までの光路上に位置し、前記第1波長帯としての赤色波長帯の光を前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸の方向に反射し、前記赤色波長帯以外の光を透過させ、
前記第2ダイクロイックミラーは、前記第2光源から前記撮像対象物までの光路上に位置し、前記第2波長帯としての青色波長帯の光を前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸の方向に反射し、前記青色波長帯以外の光を透過させ、
前記第1光源は、前記赤色波長帯を含む波長帯の光を放射する赤色光源であり、前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸と直交する方向であって、かつ、前記赤色光源が放射する光が前記第1ダイクロイックミラーで反射され、反射光が前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸上に導かれる位置に配置され、
前記第2光源は、前記青色波長帯を含む波長帯の光を放射する青色光源であり、前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸と直交する方向であって、かつ、前記青色光源が放射する光が前記第2ダイクロイックミラーで反射され、反射光が前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸上に導かれる位置に配置され、
前記複数の光源は、さらに、緑色波長帯を含む波長帯の光を放射し、前記光軸の延長上に配置される緑色光源を含み、
前記第1ダイクロイックミラーおよび前記第2ダイクロイックミラーは、前記緑色光源が放射する光の光路上に配置される
請求項5に記載の投影装置。
【請求項7】
前記複数の光源は、
第1波長帯を含む波長帯の光を放射する第1光源と、
前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を含む波長帯の光を放射する第2光源とを含み、
前記リレー部は、前記第1光源から前記撮像対象物までの光路上であって、かつ前記第2光源から前記撮像対象物までの光路上に位置し、前記第1波長帯の光を前記撮像対象物に対して光を投影する前記光軸の方向に反射し、かつ前記第2波長帯の光を前記光軸の方向に反射するダイクロイックプリズムを含む
請求項1〜3のいずれか1項に記載の投影装置。
【請求項8】
前記投影制御部は、前記撮像対象物の特性と各光源が放射する光の光量とを対応付けて示す制御情報を参照することにより、各光源が放射する光の光量を制御する
請求項1〜7のいずれか1項に記載の投影装置。
【請求項9】
さらに、
前記リレー部から投影される光を通過させることにより、前記撮像対象物に照射する投影パターン光を発生させるパターン発生部と、
前記パターン発生部が発生した前記投影パターン光を前記撮像対象物に投影する投影光学系とを備える
請求項1〜8のいずれか1項に記載の投影装置。
【請求項10】
請求項9に記載の投影装置と、
前記撮像対象物を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された前記撮像対象物の画像データを用いて、前記撮像対象物の形状を認識する認識部と
を備える形状認識装置。
【請求項11】
前記投影制御部は、前記撮像対象物の特性に基づき、前記複数の光源のうちの少なくともいずれか1つの光源からの光であるメイン光と、他の少なくとも1つの光源からの光であるサブ光との光量を制御し、前記メイン光と前記サブ光とを時間的に切り替えながらまたは同時に放射するための制御を行う
請求項10に記載の形状認識装置。
【請求項12】
前記投影制御部は、(1)前記撮像対象物の特性に基づき、前記メイン光と前記サブ光との光量を制御し、前記メイン光と前記サブ光とを時間的に切り替えながら放射するための制御を行い、(2)前記メイン光が前記パターン発生部を通過する場合と前記サブ光が前記パターン発生部を通過する場合とでは、前記パターン発生部が発生する前記投影パターン光を変化させる
請求項11に記載の形状認識装置。
【請求項13】
放射する光の波長帯が互いに異なる複数の光源を備える投影装置により、撮像部の撮像対象物に対して光を投影する投影方法であって、
前記撮像対象物の特性に基づき、各光源が放射する光の光量を制御するステップと、
前記複数の光源から放射される光を、前記撮像対象物に対して光を投影する同一の光軸上に導くことにより、前記撮像対象物に対して光を投影するステップと
を含む投影方法。
【請求項14】
請求項13に記載の投影方法に含まれる全てのステップと、
前記撮像対象物を撮像するステップと、
前記撮像部で撮像された前記撮像対象物の画像データを用いて、前記撮像対象物の形状を認識するステップと
を含む形状認識方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−243097(P2012−243097A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112843(P2011−112843)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】