投影装置及び光測距方法。
【課題】 投影装置から投影面上までの距離を迅速且つ高精度に測距出来る投影装置及び光測距方法を提供する。
【解決手段】 入力された映像データに基づいて映像を投影表示させる映像表示制御部53と、前記映像表示制御部53により映像が投影表示される投影面にレーザーを照射させて、前記投影面までの投影距離を取得する投影距離取得部14と、を備え、前記映像表示制御部53は、前記投影距離取得部14により前記投影距離が取得される際に、少なくとも前記レーザーが照射される領域としてのレーザー測距点63に対応する第一映像領域66の表示状態を、前記投影距離を取得するための表示状態に調整する投影装置。
【解決手段】 入力された映像データに基づいて映像を投影表示させる映像表示制御部53と、前記映像表示制御部53により映像が投影表示される投影面にレーザーを照射させて、前記投影面までの投影距離を取得する投影距離取得部14と、を備え、前記映像表示制御部53は、前記投影距離取得部14により前記投影距離が取得される際に、少なくとも前記レーザーが照射される領域としてのレーザー測距点63に対応する第一映像領域66の表示状態を、前記投影距離を取得するための表示状態に調整する投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置及び光測距方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータの画面に表示される画像や映像信号の画像、更にはメモリカードなどに記憶されている画像データによる画像などをスクリーンに投影する投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。
【0003】
投影装置は、多くの場合、メタルハライドランプや超高圧水銀ランプなど小型高輝度の光源を用い、光源から射出された光をカラーフィルタにより3原色の光として光源側光学系により液晶やDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれる表示素子に照射し、表示素子の透過光または反射光を、ズーム機能を備えた投影側光学系とされるレンズ群を介してスクリーンに投影する。
【0004】
このような投影装置では、投影装置から発せられる投影光の光軸に垂直な面に対して、投影面が斜めに傾いている場合、投影映像が台形に歪んでしまうという事象が生じる。そこで従来より、例えば位相差方式の測距センサで投影面上の複数点から投影装置までの距離を測定して、投影装置と投影面との相対位置関係を求め、これに基づいて、投影装置と投影面との相対位置関係を物理的に調整することなく投影像の台形歪を画像処理により補正する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところで、位相差方式に代わる測距センサとして、レーザー方式による測距センサがあり、位相差方式と比較して、測距速度が速い、測距精度が高い、などといったメリットがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−39558号公報
【特許文献2】特開平7−84045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、投影装置においてレーザー方式で投影面までの測距を行う場合、投影面上にレーザー光と同一波長の色成分の像が投影されているときは、その像としての反射光の影響によって測距の精度が落ちてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、投影装置から投影面上までの距離を迅速且つ高精度に測距出来る投影装置及び光測距方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の投影装置は、入力された映像データに基づいて映像を投影表示させる映像表示制御部と、前記映像表示制御部により映像が投影表示される投影面に光を照射させて、前記投影面までの投影距離を取得する投影距離取得部と、を備え、前記映像表示制御部は、前記投影距離取得部により前記投影距離が取得される際に、少なくとも前記光が照射される領域に対応する第一映像領域の表示状態を、前記投影距離を取得するための表示状態に調整することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の投影装置は、請求項1に記載の投影装置において、前記映像表示制御部は、少なくとも前記光のピーク波長領域に対応する色成分の輝度値が減衰するように前記第一映像領域の表示状態を調整することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の投影装置は、請求項2に記載の投影装置において、前記映像表示制御部は、前記第一映像領域が、前記第一映像領域以外の映像領域よりも減衰率が大きくなるように調整することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の投影装置は、請求項1から3の何れかに記載の投影装置において、前記映像表示制御部により投影表示される映像の大きさを光学的に拡縮制御する拡縮制御部を備え、前記映像表示制御部は、前記拡縮制御部により制御される拡縮状態に基づいて前記第一映像領域を切り換えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の投影装置は、請求項2または3に記載の投影装置において、前記映像表示制御部は、前記光の光路上に干渉することのない前記投影面までの投影光路上に、所定のフィルタを配置制御することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の投影装置は、請求項1から5の何れかに記載の投影装置において、前記投影距離取得部により取得された前記投影距離に基づいて、前記投影面上に結像される投影像の歪を補正する歪補正部を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の投影装置は、請求項6に記載の投影装置において、
前記投影距離取得部は、少なくとも三方向に光を照射させ、前記投影面までの前記各方向における投影距離を取得し、前記歪補正部は、前記投影距離取得手段により取得された前記各方向における投影距離に基づいて前記投影面上に結像する投影像の歪を補正することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載の投影装置は、請求項1から5の何れかに記載の投影装置において、前記投影距離取得部により取得された前記投影距離に基づいて、前記投影面上に結像される投影像のフォーカスを調整するフォーカス調整部を備えることを特徴とする。
【0016】
上述の目的を達成するため、請求項9に記載の光測距方法は、入力された映像データに基づいて映像を投影表示させる表示制御ステップと、前記表示制御ステップにより映像が投影表示される投影面に光を照射させて、前記投影面までの投影距離を取得する投影距離取得ステップと、を有し、前記表示制御ステップは、前記投影距離取得ステップで前記投影距離が取得される際に、少なくとも前記光が照射される領域に対応する第一映像領域の表示状態を、前記投影距離を取得するための表示状態に調整することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に記載の投影装置は、請求項1から8の何れかに記載の投影装置において、前記光は、レーザーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、投影装置から投影面上までの距離を迅速且つ高精度に測距することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第一の実施の形態)
以下、本発明の投影装置をプロジェクタ1に適用した場合の第一の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第一の実施の形態においては、プロジェクタ1によって映像が投影される投影面から当該プロジェクタ1までの投影距離を取得し、この取得した投影距離に基づいて投影映像のフォーカス調整を行う場合について説明する。
【0020】
プロジェクタ1の外観構成は、図1に示すように、外部操作のためのキー入力/インジケータ部20や、音声出力部18、映像を投影する投影部13、投影面に向かって強度変調されたレーザーを照射して投影面までの投影距離を取得する投影距離取得部14、リモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部15等の各動作ブロックが、筐体としての本体ケース10,11に設置された構成となっている。
【0021】
筐体には、その側面側や前面側に、外気を導入して当該筐体内を冷却するための複数の吸気孔17や排気孔16が形成されている。また、筐体の底面には、投影角度を手動調整することが可能なように伸張機能を有する前足19が備えられている。さらに、筐体の背面には、外部からの映像データ入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子を備える入力コネクタ部21や、図示はしないが、USB端子、電源アダプタプラグ、メモリカードスロット等が備えられている。
【0022】
ここで、キー入力/インジケータ部20は、当該プロジェクタ1の電源をオン/オフ操作させるための電源スイッチキーや、電源のオン/オフ状態を報知するパワーインジケータ、後述するハロゲンランプを点灯操作させるためのランプスイッチキー、ハロゲンランプの点灯状態を表示するランプインジケータ、ハロゲンランプ等が過熱したときにその旨を報知する過熱インジケータ、等から構成されている。
【0023】
また、プロジェクタ1の内部(筐体の内部)には、図2に示すように、電源回路ブロック30や、プロジェクタ1内部の温度を検出する温度センサ31、温度センサ31により検出される温度に基づいてプロジェクタ1の内部温度を冷却する冷却ファン32、高輝度のハロゲンランプ等を備えた光源装置33、入力コネクタ部21を介して外部から入力される外部信号を後述の表示素子に対応した映像データに変換する変換回路部40、変換回路部40によって変換された映像データに基づく映像を顕在化させるための表示素子としてのDMD35(デジタル・マイクロミラー・デバイス)、DMD35によって所定方向に反射されたハロゲンランプからの光を投影面61へ投影させる投影側光学系36等の各動作ブロックと、上述したような各動作ブロックを統括制御する制御部50、が備えられている。なお、ハロゲンランプとDMD35との間には、ハロゲンランプから射出された光を各色成分に分光するとともに、この分光された各色成分の光をDMD35に集光させる光源側光学系34が配置されている。
【0024】
DMD35は、基板上に複数のマイクロミラーがマトリックス状に配置され、当該基板の正面方向に対して一方向に傾くように入射されたハロゲンランプからの光を複数のマイクロミラーによって反射させるものである。
【0025】
具体的には、DMD35は、DMD35上に入射された各領域の光を、それぞれの領域に対応する各マイクロミラーが、変換回路部40から入力されてくる映像データに基づいてその傾き方向を切換えることにより、正面方向のオン状態光線と斜め方向のオフ状態光線とに切り換えて反射させるものである。そして、オン状態光線として正面方向に反射された光は投影側光学系36によって投影面61へ投影される。また、オフ状態光線として反射された光は吸光板によって吸収される。つまり、正面方向への反射による明表示と、斜め方向への反射による暗表示とにより映像が顕在化される。なお、各階調は、所定期間内における明表示時間と暗表示時間との比率を調整するといった時分割駆動によって表現される。
【0026】
投影側光学系36は、DMD35によって正面方向に反射された光を投影面61に投影させるためのもので、投影映像を投影面61上で合焦させるためのフォーカスレンズや投影映像を光学的に拡縮するズームレンズからなるレンズ群38、フォーカスレンズやズームレンズの位置を主光軸Laに沿うように前後方向に移動させるレンズ駆動部37、などを備えて構成されている。
【0027】
投影距離取得部14は、図3に示すように、測距用基板23と、測距用基板23に固定されたレーザー光線受光素子24と、両端面を開口とする円錐台形状の筒体であってレーザー光線受光素子24の周縁に配置された受光鏡筒25と、受光鏡筒25の外側面に配置され、例えば赤色領域にそのピーク波長を有した強度変調されたレーザーを射出するレーザー光源22と、受光鏡筒の先端部に配置された集光レンズ26とを備える。そして、レーザー光線受光素子24は、観測面で反射されて戻ってきた当該レーザー光源22から射出した強度変調されたレーザーを受光するとともに、強度変調されたレーザーのピーク波長に対する受光感度が、他の波長領域に対する受光感度よりも高くなるように構成されている。
【0028】
つまり、投影距離取得部14は、レーザー光源から射出され、観測面(投影面61)で反射されて戻ってくることによりレーザー光線受光素子24で検出される強度変調されたレーザーの往復時間に基づいて観測面までの距離を検出するように構成されている。
【0029】
なお、投影距離取得部14は、投影面61までの距離が少なくとも所定距離以上あれば、図4に示すように、投影面61上に投影される投影映像の映像領域62の大凡中心付近に、強度変調されたレーザーが照射される領域であるレーザー測距点63がくるように、その配置位置が調整されている。例えば、投影光の主光軸64とレーザー光源から射出される強度変調されたレーザーの軌跡65とが平行となるように、投影距離取得部14と投影側光学系36とが近接して配置されている。
【0030】
変換回路部40は、入力コネクタ部21等から入力された各種規格の映像信号や予め記憶されている映像信号を所定のフォーマットに変換するとともに、内蔵のビデオRAMに色成分(例えば、赤成分、緑成分、青成分)別に展開して加工処理した上で、このビデオRAMの記憶内容を映像データとしてDMD35に送る。
【0031】
また、変換回路部40は、図5に示すように、投影距離取得部14によって投影面61までの投影距離が測距される際には、レーザー測距点63に対応する映像領域66において、強度変調されたレーザーのピーク波長に対応した表示色の輝度値が減衰するように、映像データを調整してDMD35に送る。
【0032】
具体的には、本実施形態の場合、上述したように、投影距離取得部14は、レーザー光源22から射出される、例えば赤色領域にそのピーク波長を有した強度変調されたレーザーが、投影映像に対して大凡中心付近に照射されるように設置されているため、投影映像の大凡中央の映像領域66(以下、「第一映像領域」と記す)において、赤色成分の輝度値が減衰するように映像データを調整してDMD35に送る。
【0033】
例えば、図6に示すように、ビデオRAMに展開された映像データとしての赤色成分の輝度値に対して、映像領域62の中央付近に対応する輝度値が低下するように映像データを調整する。詳述すると、第一映像領域66に対応する赤色成分の輝度値が0となっている調整用データを、赤色成分の輝度値からなる映像データに上書き合成することによって、第一映像領域66における赤色成分の輝度値が0になるように、換言すると、赤色成分の表示色が減衰するように映像データを調整する。なお、調整用データは予め記憶されているものとする。
【0034】
つまり、変換回路部40は、投影面までの投影距離を測距する際に、レーザー測距点に投影された投影光(赤色成分の光)の投影面からのさらなる反射光が、レーザー光線受光素子24に入射することで、投影面61までの測距精度が低下してしまうことを防止するように映像データを調整する。また、少なくとも強度変調されたレーザーのピーク波長に対応する色成分、ここでは、赤色成分の映像データに対してのみその輝度値を調整することによって、たとえ表示色が調整される映像領域であったとしても(レーザー測距点であったとしても)、他の色成分の映像によって、投影される映像の内容が視認可能なように構成されている。ここで、図6においては、0階調を黒とし、225階調に近づくほど高輝度(白)になることを示している。
【0035】
なお、変換回路部40はデジタル拡縮処理部42を備えた構成としてもよい。つまり、キー入力/インジケータ部20やリモートコントローラを介したユーザからの操作に基づいて、変換回路部40は、デジタル拡縮処理部42により映像のデジタル的な拡大縮小処理(デジタルズーム)を実行する構成としてもよい。
【0036】
ここで、デジタルズームは、図7に示すように、例えば、拡大対象とする映像領域Dzを元映像データOdから切り出して、この映像領域Dzにおける映像データに対して最近隣内挿法、共一次内挿法、三次たたみ込み内挿法(バイキュービック)等の関数を用いた画素補完処理を施すことによって、元映像データと同等の大きさ(データ量)の映像データBdに拡大するものである。従って、デジタルズームした映像を投影しているときに投影面61までの測距を行う際には、デジタルズームされた映像データBdに対して、上述したように調整用データを上書き合成することが好ましい。
【0037】
制御部50は、動作プログラムを固定的に記憶したROMと、ワークメモリとして使用されるRAMと、ROMに記憶されたプログラムを展開して実行するCPUとを備えている。そして、制御部50における機能ブロック構成は、図2に示すように、ランプスイッチキーの操作に応じて光源装置33のハロゲンランプを点灯させる光源制御部51と、光源装置33等に設けられた複数の温度センサ31による検出温度に基づいて冷却ファン32を回転制御する温度制御部52と、変換回路部40に映像データを調整させその映像データに基づいた映像をDMD35に顕在化させる映像表示制御部53と、投影距離取得部14により取得された投影面61までの距離に基づいてレンズ駆動部37を介してフォーカスレンズの位置を移動制御するフォーカス調整部54と、レンズ駆動部37を介してズームレンズの位置を移動させることで投影映像の光学的拡大縮小処理(光学ズーム)を制御する光学的拡縮制御部55などを備えて構成されている。なお、光源制御部51は、点灯されているハロゲンランプに対して温度センサ31による検出温度に基づいて消灯制御も行う。そして、温度制御部52は、ハロゲンランプ消灯後も、温度センサ31による検出温度が所定の温度に低下するまでまたは所定の時間だけ冷却ファン32の回転を持続させる。
【0038】
映像表示制御部53は、入力コネクタ部21を介して入力されてくる外部信号としての映像信号や予め記憶されている映像信号に基づいて、変換回路部40やDMD35により映像を顕在化させて投影面に該映像を表示させるものである。そして、投影距離取得部14が投影面61までの投影距離をレーザー測距する際は、DMD35によって顕在化される映像が投影距離測定のための表示状態となるように、変換回路部40に映像データに対して上述したような処理を施させる。
【0039】
フォーカス調整部54は、投影距離取得部14によって取得された投影距離に基づいて、フォーカスレンズ位置を調整する。具体的には、投影面61上に結像される投影像が合焦可能なフォーカスレンズ位置が予め投影距離に対応させて内部メモリに記憶されていて、投影距離取得部14によって投影距離が取得されると、当該取得された投影距離に対応したフォーカスレンズ位置を内部メモリから読み出し、フォーカスレンズ位置が当該読み出したフォーカスレンズ位置になるようにレンズ駆動部37を駆動する。
【0040】
光学系拡縮制御部55は、キー入力/インジケータ部20やリモートコントローラを介したユーザからの操作に基づいて、投影映像を光学的に拡大縮小制御する。具体的には、予め各ズーム倍率に対応したズームレンズ位置が内部メモリに記憶されていて、ユーザからの操作に基づいたズーム倍率に対応したフォーカスレンズ位置を内部メモリから読み出し、ズームレンズ位置が当該読み出したズームレンズ位置になるようにレンズ駆動部37を駆動する。
【0041】
以下、上述のように構成されるプロジェクタ1におけるレーザー測距にかかる動作を映像表示制御部53の動作とフォーカス調整部54の動作とに分けて説明する。最初に映像表示制御部53の動作について図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0042】
当該プロジェクタ1の電源が投入されると、映像表示制御部53は、予め内蔵している内蔵カウンタ56のカウント値Nを0にリセットするとともに、そのカウント(計時)を開始する(SA1、SA2)。
【0043】
そして、映像表示制御部53は、入力コネクタ部21を介して外部から入力される映像信号の有無を検出する(SA3)。
【0044】
外部からの映像信号があるときには(SA3/Y)、変換回路部40に当該映像信号を所定のフォーマットに変換させるとともに、色成分(例えば、赤成分、緑成分、青成分)別に映像データとしてビデオRAMに展開させる(SA4)。
【0045】
一方、外部からの映像信号がないときには、例えばブルーバックなどが表示されることとなる予め記憶されている映像信号を読み出し、変換回路部40に当該映像信号を所定のフォーマットに変換させるとともに、色成分(例えば、赤成分、緑成分、青成分)別に映像データとしてビデオRAMに展開させる(SA5)。
【0046】
そして、内蔵カウンタ56のカウント値Nが第一の閾値T1を超えていなければ(SA6/N)、ビデオRAMに展開されている映像データをそのままDMDに出力させて(SA7)、ステップSA3に戻る。ここで、第一の閾値T1は、定期的に行うレーザー測距の時間間隔として設定されているものであり、予め所定の値が第一の閾値T1として記憶されていてもよいし、キー入力/インジケータ部20やリモートコントローラを介したユーザからの操作に基づいて、その値を変更可能なように構成されていてもよい。
【0047】
一方、内蔵カウンタ56のカウント値Nが第一の閾値T1を超えているときには(SA6/Y)、映像表示制御部53は、変換回路部40に、上述したように、ビデオRAMに展開された映像データのうち、赤色成分の映像データに対して、第一映像領域の輝度値が低下するように映像データを調整させて、当該調整された映像データをDMD35に出力させる(SA8)。なお、赤色成分以外の映像データは、ビデオRAMに展開された映像データがそのままDMD35に出力される。
【0048】
そして、内蔵カウンタ56により計時され続けたカウント値Nが、第一の閾値T1よりも大きい第二の閾値T2を超えていなければ(SA9/N)、ステップSA3に戻る。一方、内蔵カウンタ56のカウンタ値Nが第二の閾値T2を超えていれば(SA9/Y)、ステップSA1に戻り、内蔵カウンタ56のカウント値Nを0にリセットする。
【0049】
つまり、映像表示制御部53は、所定の時間毎に、図5に示したような測距用の映像を表示制御するとともに、投影距離取得部14が投影面61までの投影距離を測距するのに十分な時間として、内蔵カウンタが第一閾値T1から第二閾値T2に至るまでの間、図5に示したような測距用の映像表示を継続する。ここで、第二の閾値T2は、予め所定の値が第二の閾値T2として記憶されていてもよいし、キー入力/インジケータ部20やリモートコントローラを介したユーザからの操作に基づいて、その値を変更可能なように構成されていてもよい。
【0050】
次に、フォーカス調整部54の動作について図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0051】
内蔵カウンタ56のカウンタ値Nが第一の閾値T1を超えると(SB1)、フォーカス調整部54は、投影距離取得部14に強度変調されたレーザーを射出させるとともに投影面61によって反射して戻ってきた当該強度変調されたレーザーを受光させて、その往復時間に基づいた投影面61までの投影距離を取得する(SB2)。
【0052】
このとき、投影面61に投影されている映像は、図5や図6に示したように、レーザー測距点63に対応した第一映像領域66において、赤色成分の表示色が減衰されているため、レーザー光線受光素子23に、投影映像としての赤色成分の光が入射してしまうことを防止でき、結果として、投影面61までの投影距離を精度よく取得することができる。また、レーザーを用いて投影面61までの投影距離を取得するので投影距離取得時間が短縮化されている。
【0053】
次に、フォーカス調整部55は、当該取得した投影距離に基づいて、投影面61で投影映像が合焦するフォーカスレンズ位置を導出する(SB3)。つまり、当該取得した投影距離に対応するフォーカスレンズ位置データを内部メモリから読み出す。
【0054】
そして、フォーカス調整部55は、当該導出したフォーカスレンズ位置となるように、レンズ駆動部37を介してフォーカスレンズを移動させて(SB4)、ステップSB1に戻る。
【0055】
(第二の実施の形態)
以下、本発明の投影装置をプロジェクタ2に適用した場合の第二の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第二の実施形態においては、プロジェクタ2によって映像が投影される投影面61から当該プロジェクタ2までの投影距離を取得し、この取得した投影距離に基づいて投影映像の歪補正(台形補正)を行う場合について説明する。また、第一の実施の形態と同一構成のものについては、その説明は省略する。
【0056】
プロジェクタ2は、図10に示すように、第一の実施の形態に加え、制御部50に投影距離取得部14により取得された投影距離に基づいて傾斜角を導出する傾斜角導出部58が、また、変換回路部40に傾斜角導出部58により導出された傾斜角に基づき投影映像の台形歪が補正されるように映像データを調整する歪補正部59が、さらに備えられた構成となっている。なお、フォーカス調整部54は、その記載を省略している。
【0057】
ここで、投影面61の当該プロジェクタ2に対する傾斜角度は、投影面上の直線状にない異なる少なくとも三点までの距離を取得し、この三点までの距離に基づいて導出することが可能である。
【0058】
このため、第二の実施の形態においては、投影距離取得部14は、例えば図11に示すように、投影面61上の三点のレーザー測距点63a,63b,63cに、順次強度変調されたレーザーを照射し、それぞれまでの投影距離を取得するように構成されている。なお、可動部を介してプロジェクタ2に当該投影距離取得部14を設置する構成とすれば、適宜、可動部を制御することにより、投影面61上の異なる3方向に強度変調されたレーザーを射出することができるとともに、それぞれまでの投影距離を取得することができる。
【0059】
そして、傾斜角導出部58は、投影距離取得部14により取得された投影距離に基づいて、当該プロジェクタの投影光の主光軸64に対する投影面61の傾斜角θv,θhを導出する。
【0060】
また、第二の実施の形態においては、変換回路部40は、図12に示すように、投影距離取得部14によって投影面61までの投影距離が測距される際には、レーザー測距点63a,63b,63cに対応する映像領域66a,66b,66c(以下、「第二映像領域」と記す)において、強度変調されたレーザーのピーク波長に対応した表示色の輝度値が減衰するように、映像データを調整してDMD35に送る。
【0061】
例えば、図13に示すように、ビデオRAMに展開された映像データとしての赤色成分の輝度値に対して、第二映像領域66a,66b,66cに対応する輝度値が低下するように映像データを調整する。具体的には、第二映像領域66a,66b,66cに対応する赤色成分の輝度値が0となっている調整用データを、赤色成分の輝度値からなる映像データに上書き合成することによって、第二映像領域66a,66b,66cにおける赤色成分の輝度値が0になるように、換言すると、赤色成分の表示色が減衰するように映像データを調整する。なお、調整用データは予め記憶されているものとする。
【0062】
つまり、変換回路部40は、投影面61までの投影距離を測距する際に、レーザー測距点に投影された投影光(赤色成分の光)の投影面からのさらなる反射光が、レーザー光線受光素子24に入射することで、投影面61までの測距精度が低下してしまうことを防止するように映像データを調整する。また、少なくとも強度変調されたレーザーのピーク波長に対応する色成分、ここでは、赤色成分の映像データに対してのみその輝度値を調整することによって、たとえ表示色が調整される映像領域であったとしても(レーザー測距点であったとしても)、他の色成分の映像によって、投影される映像の内容が視認可能なように構成されている。ここで、図13においては、0階調を黒とし、225階調に近づくほど高輝度(白)になることを示している。
【0063】
また、変換回路部40は、歪補正部59により、傾斜角導出部58で導出される傾斜角θv,θhに基づき投影映像の台形歪をも補正する。つまり、傾斜角導出部58で導出された傾斜角θv,θhが代入された所定の台形補正変換関数を用いて、ビデオRAMに展開された各色成分の映像データを変換することによって、台形補正された映像データを導出し、これをDMD35に出力する。
【0064】
なお、変換回路部40は、所定の映像データに対して、このような台形補正処理と、先に説明した所定の表示色の減衰処理とをともに施すような場合には、所定の表示色の減衰処理を施した後に、台形補正処理を施す構成となっている。
【0065】
以下、上述のように構成されるプロジェクタ2のレーザー測距にかかる動作を映像表示制御部53の動作と傾斜角導出部58の動作とに分けて説明する。最初に映像表示制御部53の動作について図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0066】
当該プロジェクタ2の電源が投入されると、映像表示制御部53は、変換回路部40に内蔵されているメモリAに、投影面61が当該プロジェクタ2の投影光の主光軸64に対して垂直になっている旨を示す初期傾斜角データをセットする(SC1)。つまり、初期傾斜角データは、台形補正変換関数に映像データを入力しても、入力した映像データと等しい出力が得られるものであり、初期傾斜角データがメモリAにセットされている間は、台形補正処理部59は、映像データに対して実質的に台形補正を行わないことになる。
【0067】
次に、映像表示制御部53は、予め内蔵している内蔵カウンタ56のカウント値Nを0にリセットするとともに、そのカウント(計時)を開始する(SC2、SC3)。
【0068】
そして、映像表示制御部53は、入力コネクタ部21を介して外部から入力される映像信号の有無を検出する(SC4)。
【0069】
外部からの映像信号があるときには(SC4/Y)、変換回路部40に当該映像信号を所定のフォーマットに変換させるとともに、色成分(例えば、赤成分、緑成分、青成分)別に映像データとしてビデオRAMに展開させる(SC5)。
【0070】
一方、外部からの映像信号がないときには、例えばブルーバックなどが表示されることとなる予め記憶されている映像信号を読み出し、変換回路部40に当該映像信号を所定のフォーマットに変換させるとともに、色成分(例えば、赤成分、緑成分、青成分)別に映像データとしてビデオRAMに展開させる(SC6)。
【0071】
そして、内蔵カウンタ56のカウント値Nが第一の閾値T1を超えているときには(SC7/Y)、映像表示制御部53は、変換回路部40に、上述したように、ビデオRAMに展開された映像データのうち、赤色成分の映像データに対して、第二映像領域66a,66b,66cの輝度値が低下するように映像データを調整する(SC8)。なお、赤色成分以外の映像データは、少なくともこの時点では調整されない。
【0072】
一方、内蔵カウンタ56のカウント値Nが第一の閾値T1を超えていなければ(SC7/N)、少なくともこの時点ではビデオRAMに展開されている各色成分の映像データに対しての調整は行わない。
【0073】
次に、映像表示制御部53は、変換回路部40にそのメモリAにセットされている傾斜角データを読み出させるとともに(SC9)、台形補正変換関数にこの傾斜角データを代入し、当該台形補正変換関数に基づいてビデオRAMに展開されている映像データを台形補正変換して(SC10)、この変換した映像データをDMD35に出力する(SC11)。なお、メモリAにセットされている傾斜角データは、後述する傾斜角導出部58の動作によって、投影光の主光軸64に対する投影面61の傾斜角θv,θhが当該時点に対応するように、適宜上書き更新されている。
【0074】
さらに、映像表示制御部53は、内蔵カウンタ56により計時され続けたカウント値Nが、第一の閾値T1よりも大きい第二の閾値T2を超えていなければ(SC12/N)、ステップSC4に戻る。一方、第二の閾値T2を超えていれば(SC12/Y)、ステップSC2に戻り、内蔵カウンタ56のカウント値Nを0にリセットする。
【0075】
次に、傾斜角導出部58の動作について図15に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0076】
内蔵カウンタ56のカウンタ値Nが第一の閾値T1を超えると(SD1)、傾斜角導出部58は、投影距離取得部14に強度変調されたレーザーを射出させるとともに投影面61によって反射して戻ってきた当該強度変調されたレーザーを受光させて、その往復時間に基づいた投影面61までの投影距離を取得する(SD2)。なお、投影距離取得部14は、投影面61上の三点のレーザー測距点63a,63b,63cに、順次強度変調されたレーザーを照射し、それぞれまでの投影距離を取得するが、このとき、投影面61に投影されている映像は、図12や図13に示したように、レーザー測距点63a,63b,63cに対応した第二映像領域66 a,66b,66cにおいて、赤色成分の表示色が減衰されているため、レーザー光線受光素子23に、投影映像としての赤色成分の光が入射してしまうことを防止でき、結果として、投影面61までの投影距離を精度よく取得することができる。また、レーザーを用いて投影面61までの投影距離を取得するので投影距離取得時間が短縮化されている。
【0077】
次に、傾斜角導出部58は、当該取得した投影距離に基づいて、当該プロジェクタ2の投影光の主光軸64に対する投影面61の傾斜角θv,θhを導出する(SD3)。そして、この導出した傾斜角θv,θhを傾斜角データとして変換回路部40に内蔵されているメモリAにセットし(SD4)、ステップSD1に戻る。
【0078】
つまり、傾斜角導出部58は、歪補正部59の行う台形補正が、当該時点での投影光の主光軸64に対する投影面61の傾斜角θv,θhに対応するように、メモリAの傾斜角データを定期的に上書き更新している。そして、映像表示制御部53は、投影距離取得部14の取得する投影距離が精度の高いものとなるように、傾斜角導出部58の動作に同期させて投影映像の表示状態を調整している。
【0079】
なお、上述の実施の形態では、光学的拡縮制御部55により調整される光学ズーム倍率にかかわらず、同一の調整データを用いる場合について説明したが、光学ズーム倍率に応じて調整データを切り換える構成としてもよい。
【0080】
例えば、光学ズーム倍率が高いときには、投影面61に投影される投影映像は比較的大きく拡大されるため、これに伴って投影面61上の第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cも比較的大きく拡大される。よって、このようなときには、レーザー測距点63,63a,63b,63cと比較して、必要以上に第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cが広く投影されてしまうことがある。そこで、このようなときには、図16(a)、(b)に示すように、映像領域全体に対して、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cが比較的小さくなるような調整データに切り換えることが好ましい。一方、光学ズーム倍率が低いときには、投影面61に投影された投影映像は比較的小さく拡大されるため、これに伴って第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cも比較的小さく拡大される。よって、このようなときには、レーザー測距点63,63a,63b,63cと比較して、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cが小さく、その範囲が不十分な広さとして投影されてしまうことがある。そこで、このようなときには、図17(a)、(b)に示すように、映像領域全体に対して、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cが比較的大きくなるような調整データに切り換えることが好ましい。
【0081】
なお、光学ズーム倍率に対応させて、第一映像領域66或いは第二映像領域66a,66b,66cの中心位置を切り換えたり、或いは、強度変調されたレーザーの射出方向を調整すれば、光学ズーム倍率を可変させた場合であっても、第一映像領域66或いは第二映像領域66a,66b,66cを、確実にレーザー測距点63,63a,63b,63cに対応させることが可能となり好ましい。
【0082】
また、上述の実施の形態では、調整データにおける第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cに予め所定の階調値を設定しておき、映像データに当該調整データを上書き合成する場合について説明したが、例えば図18または図19に示すように、調整データにおける第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cに予め所定の減衰率を設定しておき、映像データと当該調整データとを乗算合成する構成としてもよい。
【0083】
なお、このような場合は、例えば図20(a)、(b)に示すように、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cにおける減衰率が、それぞれに対応するレーザー測距点63,63a,63b,63cに近づくほど、大きくなるように設定されている構成としてもよい。
【0084】
また、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cは、映像領域全体に亘っていてもよい。何れにしても、レーザー測距点63,63a,63b,63cにおいて、所定の表示色が減衰される構成となっていればよい。
【0085】
また、上述の実施の形態では、定期的にフォーカス調整や歪補正のための傾斜角導出を行う構成について説明したが、キー/インジケータ部20やリモートコントローラを介したユーザからの操作に基づいて、フォーカス調整や歪補正のための傾斜角導出を開始する構成としてもよい。何れにしても、レーザーによる測距と当該測距のための映像表示とが、同期して実行される構成となっていればよい。
【0086】
また、上述の実施の形態では、強度変調されたレーザーが赤色成分にそのピーク波長があり、それに対応させて赤色成分のみの映像データを調整する場合について説明したが、他の色成分における映像データに対しても同様の調整を行ってもよい。何れにしても、強度変調されたレーザーのピーク波長に対応した色成分の映像データが調整される構成となっていればよい。
【0087】
また、上述の実施の形態では、映像データを調整することによって、レーザー測距点63,63a,63b,63cに対応する映像領域(第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66c)の所定の表示色を減衰させる構成について説明したが、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66における所定の表示色が減衰するように、ハロゲンランプとDMD35との間、或いは、DMD35と投影側光学系36との間に、物理的な光学フィルタを、レーザー測距のタイミングに同期させて介在させる構成としてもよい。つまり、強度変調されたレーザーの光路(光線軌跡)上に干渉することのない投影面61までの投影光路上に、物理的な光学フィルタを介在させる構成としてもよい。
【0088】
また、上述の実施の形態では、制御部50と変換回路部40とが分離されて構成されている場合について説明したが、変換回路部40は、制御部50の一部として構成されていてもよい。
【0089】
また、上述の実施の形態では、DMD35を表示素子として適用した場合に説明したが、表示素子は、例えば、液晶パネルなど、他の表示素子を適用することもできる。
【0090】
また、上述の実施の形態では、レーザーを投影距離を取得するための光として適用した場合に説明したが、これに限定するものではない。
【0091】
前記投影距離を取得するための光は、半導体から射出されるレーザーや、LEDから射出される光や、LEDから射出される光を変調した光等、投影面に射出することができるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】プロジェクタの外観構成の説明図
【図2】第一の実施の形態におけるプロジェクタの説明図
【図3】投影距離取得部の説明図
【図4】第一の実施の形態におけるレーザー測距点の説明図
【図5】投影面上における第一映像領域の説明図
【図6】第一の実施の形態における映像データの調整にかかる説明図
【図7】デジタルズームの説明図
【図8】映像表示制御部の動作を説明するためのフローチャート
【図9】フォーカス調整部の動作を説明するためのフローチャート
【図10】第二の実施の形態におけるプロジェクタの説明図
【図11】第二の実施の形態におけるレーザー測距点の説明図
【図12】投影面上における第二映像領域の説明図
【図13】第二の実施の形態における映像データの調整にかかる説明図
【図14】映像表示制御部の動作を説明するためのフローチャート
【図15】傾斜角導出部の動作を説明するためのフローチャート
【図16】(a)第一の実施形態における調整データの説明図、(b)第二の実施形態における調整データの説明図
【図17】(a)第一の実施形態における調整データの説明図、(b)第二の実施形態における調整データの説明図
【図18】映像データの調整にかかる説明図
【図19】映像データの調整にかかる説明図
【図20】(a)第一の実施形態における調整データの説明図、(b)第二の実施形態における調整データの説明図
【符号の説明】
【0093】
1、2 : プロジェクタ
10 : 上面板
11 : 前面板
13 : 投影口
14 : 投影距離取得部
20 : キー/インジケータ部
21 : 入力コネクタ部
22 : レーザー光源
24 : レーザー光線受光素子
33 : 光源装置
34 : 光源側光学系
35 : DMD
36 : 投影側光学系
37 : レンズ駆動部
40 : 変換回路部
42 : デジタル拡縮処理部
50 : 制御部
53 : 映像表示制御部
54 : 光学的拡縮制御部
55 : フォーカス調整部
56 : 内蔵カウンタ
58 : 傾斜角導出部
59 : 歪補正部
61 : 投影面
62 : 映像領域
63、63a、63b、63c : レーザー測距点
64 : 投影光主光軸
65 : 強度変調されたレーザー軌跡
66 : 第一映像領域
66a、63b、63c : 第二映像領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置及び光測距方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータの画面に表示される画像や映像信号の画像、更にはメモリカードなどに記憶されている画像データによる画像などをスクリーンに投影する投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。
【0003】
投影装置は、多くの場合、メタルハライドランプや超高圧水銀ランプなど小型高輝度の光源を用い、光源から射出された光をカラーフィルタにより3原色の光として光源側光学系により液晶やDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれる表示素子に照射し、表示素子の透過光または反射光を、ズーム機能を備えた投影側光学系とされるレンズ群を介してスクリーンに投影する。
【0004】
このような投影装置では、投影装置から発せられる投影光の光軸に垂直な面に対して、投影面が斜めに傾いている場合、投影映像が台形に歪んでしまうという事象が生じる。そこで従来より、例えば位相差方式の測距センサで投影面上の複数点から投影装置までの距離を測定して、投影装置と投影面との相対位置関係を求め、これに基づいて、投影装置と投影面との相対位置関係を物理的に調整することなく投影像の台形歪を画像処理により補正する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところで、位相差方式に代わる測距センサとして、レーザー方式による測距センサがあり、位相差方式と比較して、測距速度が速い、測距精度が高い、などといったメリットがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−39558号公報
【特許文献2】特開平7−84045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、投影装置においてレーザー方式で投影面までの測距を行う場合、投影面上にレーザー光と同一波長の色成分の像が投影されているときは、その像としての反射光の影響によって測距の精度が落ちてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、投影装置から投影面上までの距離を迅速且つ高精度に測距出来る投影装置及び光測距方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の投影装置は、入力された映像データに基づいて映像を投影表示させる映像表示制御部と、前記映像表示制御部により映像が投影表示される投影面に光を照射させて、前記投影面までの投影距離を取得する投影距離取得部と、を備え、前記映像表示制御部は、前記投影距離取得部により前記投影距離が取得される際に、少なくとも前記光が照射される領域に対応する第一映像領域の表示状態を、前記投影距離を取得するための表示状態に調整することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の投影装置は、請求項1に記載の投影装置において、前記映像表示制御部は、少なくとも前記光のピーク波長領域に対応する色成分の輝度値が減衰するように前記第一映像領域の表示状態を調整することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の投影装置は、請求項2に記載の投影装置において、前記映像表示制御部は、前記第一映像領域が、前記第一映像領域以外の映像領域よりも減衰率が大きくなるように調整することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の投影装置は、請求項1から3の何れかに記載の投影装置において、前記映像表示制御部により投影表示される映像の大きさを光学的に拡縮制御する拡縮制御部を備え、前記映像表示制御部は、前記拡縮制御部により制御される拡縮状態に基づいて前記第一映像領域を切り換えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の投影装置は、請求項2または3に記載の投影装置において、前記映像表示制御部は、前記光の光路上に干渉することのない前記投影面までの投影光路上に、所定のフィルタを配置制御することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の投影装置は、請求項1から5の何れかに記載の投影装置において、前記投影距離取得部により取得された前記投影距離に基づいて、前記投影面上に結像される投影像の歪を補正する歪補正部を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の投影装置は、請求項6に記載の投影装置において、
前記投影距離取得部は、少なくとも三方向に光を照射させ、前記投影面までの前記各方向における投影距離を取得し、前記歪補正部は、前記投影距離取得手段により取得された前記各方向における投影距離に基づいて前記投影面上に結像する投影像の歪を補正することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載の投影装置は、請求項1から5の何れかに記載の投影装置において、前記投影距離取得部により取得された前記投影距離に基づいて、前記投影面上に結像される投影像のフォーカスを調整するフォーカス調整部を備えることを特徴とする。
【0016】
上述の目的を達成するため、請求項9に記載の光測距方法は、入力された映像データに基づいて映像を投影表示させる表示制御ステップと、前記表示制御ステップにより映像が投影表示される投影面に光を照射させて、前記投影面までの投影距離を取得する投影距離取得ステップと、を有し、前記表示制御ステップは、前記投影距離取得ステップで前記投影距離が取得される際に、少なくとも前記光が照射される領域に対応する第一映像領域の表示状態を、前記投影距離を取得するための表示状態に調整することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に記載の投影装置は、請求項1から8の何れかに記載の投影装置において、前記光は、レーザーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、投影装置から投影面上までの距離を迅速且つ高精度に測距することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第一の実施の形態)
以下、本発明の投影装置をプロジェクタ1に適用した場合の第一の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第一の実施の形態においては、プロジェクタ1によって映像が投影される投影面から当該プロジェクタ1までの投影距離を取得し、この取得した投影距離に基づいて投影映像のフォーカス調整を行う場合について説明する。
【0020】
プロジェクタ1の外観構成は、図1に示すように、外部操作のためのキー入力/インジケータ部20や、音声出力部18、映像を投影する投影部13、投影面に向かって強度変調されたレーザーを照射して投影面までの投影距離を取得する投影距離取得部14、リモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部15等の各動作ブロックが、筐体としての本体ケース10,11に設置された構成となっている。
【0021】
筐体には、その側面側や前面側に、外気を導入して当該筐体内を冷却するための複数の吸気孔17や排気孔16が形成されている。また、筐体の底面には、投影角度を手動調整することが可能なように伸張機能を有する前足19が備えられている。さらに、筐体の背面には、外部からの映像データ入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子を備える入力コネクタ部21や、図示はしないが、USB端子、電源アダプタプラグ、メモリカードスロット等が備えられている。
【0022】
ここで、キー入力/インジケータ部20は、当該プロジェクタ1の電源をオン/オフ操作させるための電源スイッチキーや、電源のオン/オフ状態を報知するパワーインジケータ、後述するハロゲンランプを点灯操作させるためのランプスイッチキー、ハロゲンランプの点灯状態を表示するランプインジケータ、ハロゲンランプ等が過熱したときにその旨を報知する過熱インジケータ、等から構成されている。
【0023】
また、プロジェクタ1の内部(筐体の内部)には、図2に示すように、電源回路ブロック30や、プロジェクタ1内部の温度を検出する温度センサ31、温度センサ31により検出される温度に基づいてプロジェクタ1の内部温度を冷却する冷却ファン32、高輝度のハロゲンランプ等を備えた光源装置33、入力コネクタ部21を介して外部から入力される外部信号を後述の表示素子に対応した映像データに変換する変換回路部40、変換回路部40によって変換された映像データに基づく映像を顕在化させるための表示素子としてのDMD35(デジタル・マイクロミラー・デバイス)、DMD35によって所定方向に反射されたハロゲンランプからの光を投影面61へ投影させる投影側光学系36等の各動作ブロックと、上述したような各動作ブロックを統括制御する制御部50、が備えられている。なお、ハロゲンランプとDMD35との間には、ハロゲンランプから射出された光を各色成分に分光するとともに、この分光された各色成分の光をDMD35に集光させる光源側光学系34が配置されている。
【0024】
DMD35は、基板上に複数のマイクロミラーがマトリックス状に配置され、当該基板の正面方向に対して一方向に傾くように入射されたハロゲンランプからの光を複数のマイクロミラーによって反射させるものである。
【0025】
具体的には、DMD35は、DMD35上に入射された各領域の光を、それぞれの領域に対応する各マイクロミラーが、変換回路部40から入力されてくる映像データに基づいてその傾き方向を切換えることにより、正面方向のオン状態光線と斜め方向のオフ状態光線とに切り換えて反射させるものである。そして、オン状態光線として正面方向に反射された光は投影側光学系36によって投影面61へ投影される。また、オフ状態光線として反射された光は吸光板によって吸収される。つまり、正面方向への反射による明表示と、斜め方向への反射による暗表示とにより映像が顕在化される。なお、各階調は、所定期間内における明表示時間と暗表示時間との比率を調整するといった時分割駆動によって表現される。
【0026】
投影側光学系36は、DMD35によって正面方向に反射された光を投影面61に投影させるためのもので、投影映像を投影面61上で合焦させるためのフォーカスレンズや投影映像を光学的に拡縮するズームレンズからなるレンズ群38、フォーカスレンズやズームレンズの位置を主光軸Laに沿うように前後方向に移動させるレンズ駆動部37、などを備えて構成されている。
【0027】
投影距離取得部14は、図3に示すように、測距用基板23と、測距用基板23に固定されたレーザー光線受光素子24と、両端面を開口とする円錐台形状の筒体であってレーザー光線受光素子24の周縁に配置された受光鏡筒25と、受光鏡筒25の外側面に配置され、例えば赤色領域にそのピーク波長を有した強度変調されたレーザーを射出するレーザー光源22と、受光鏡筒の先端部に配置された集光レンズ26とを備える。そして、レーザー光線受光素子24は、観測面で反射されて戻ってきた当該レーザー光源22から射出した強度変調されたレーザーを受光するとともに、強度変調されたレーザーのピーク波長に対する受光感度が、他の波長領域に対する受光感度よりも高くなるように構成されている。
【0028】
つまり、投影距離取得部14は、レーザー光源から射出され、観測面(投影面61)で反射されて戻ってくることによりレーザー光線受光素子24で検出される強度変調されたレーザーの往復時間に基づいて観測面までの距離を検出するように構成されている。
【0029】
なお、投影距離取得部14は、投影面61までの距離が少なくとも所定距離以上あれば、図4に示すように、投影面61上に投影される投影映像の映像領域62の大凡中心付近に、強度変調されたレーザーが照射される領域であるレーザー測距点63がくるように、その配置位置が調整されている。例えば、投影光の主光軸64とレーザー光源から射出される強度変調されたレーザーの軌跡65とが平行となるように、投影距離取得部14と投影側光学系36とが近接して配置されている。
【0030】
変換回路部40は、入力コネクタ部21等から入力された各種規格の映像信号や予め記憶されている映像信号を所定のフォーマットに変換するとともに、内蔵のビデオRAMに色成分(例えば、赤成分、緑成分、青成分)別に展開して加工処理した上で、このビデオRAMの記憶内容を映像データとしてDMD35に送る。
【0031】
また、変換回路部40は、図5に示すように、投影距離取得部14によって投影面61までの投影距離が測距される際には、レーザー測距点63に対応する映像領域66において、強度変調されたレーザーのピーク波長に対応した表示色の輝度値が減衰するように、映像データを調整してDMD35に送る。
【0032】
具体的には、本実施形態の場合、上述したように、投影距離取得部14は、レーザー光源22から射出される、例えば赤色領域にそのピーク波長を有した強度変調されたレーザーが、投影映像に対して大凡中心付近に照射されるように設置されているため、投影映像の大凡中央の映像領域66(以下、「第一映像領域」と記す)において、赤色成分の輝度値が減衰するように映像データを調整してDMD35に送る。
【0033】
例えば、図6に示すように、ビデオRAMに展開された映像データとしての赤色成分の輝度値に対して、映像領域62の中央付近に対応する輝度値が低下するように映像データを調整する。詳述すると、第一映像領域66に対応する赤色成分の輝度値が0となっている調整用データを、赤色成分の輝度値からなる映像データに上書き合成することによって、第一映像領域66における赤色成分の輝度値が0になるように、換言すると、赤色成分の表示色が減衰するように映像データを調整する。なお、調整用データは予め記憶されているものとする。
【0034】
つまり、変換回路部40は、投影面までの投影距離を測距する際に、レーザー測距点に投影された投影光(赤色成分の光)の投影面からのさらなる反射光が、レーザー光線受光素子24に入射することで、投影面61までの測距精度が低下してしまうことを防止するように映像データを調整する。また、少なくとも強度変調されたレーザーのピーク波長に対応する色成分、ここでは、赤色成分の映像データに対してのみその輝度値を調整することによって、たとえ表示色が調整される映像領域であったとしても(レーザー測距点であったとしても)、他の色成分の映像によって、投影される映像の内容が視認可能なように構成されている。ここで、図6においては、0階調を黒とし、225階調に近づくほど高輝度(白)になることを示している。
【0035】
なお、変換回路部40はデジタル拡縮処理部42を備えた構成としてもよい。つまり、キー入力/インジケータ部20やリモートコントローラを介したユーザからの操作に基づいて、変換回路部40は、デジタル拡縮処理部42により映像のデジタル的な拡大縮小処理(デジタルズーム)を実行する構成としてもよい。
【0036】
ここで、デジタルズームは、図7に示すように、例えば、拡大対象とする映像領域Dzを元映像データOdから切り出して、この映像領域Dzにおける映像データに対して最近隣内挿法、共一次内挿法、三次たたみ込み内挿法(バイキュービック)等の関数を用いた画素補完処理を施すことによって、元映像データと同等の大きさ(データ量)の映像データBdに拡大するものである。従って、デジタルズームした映像を投影しているときに投影面61までの測距を行う際には、デジタルズームされた映像データBdに対して、上述したように調整用データを上書き合成することが好ましい。
【0037】
制御部50は、動作プログラムを固定的に記憶したROMと、ワークメモリとして使用されるRAMと、ROMに記憶されたプログラムを展開して実行するCPUとを備えている。そして、制御部50における機能ブロック構成は、図2に示すように、ランプスイッチキーの操作に応じて光源装置33のハロゲンランプを点灯させる光源制御部51と、光源装置33等に設けられた複数の温度センサ31による検出温度に基づいて冷却ファン32を回転制御する温度制御部52と、変換回路部40に映像データを調整させその映像データに基づいた映像をDMD35に顕在化させる映像表示制御部53と、投影距離取得部14により取得された投影面61までの距離に基づいてレンズ駆動部37を介してフォーカスレンズの位置を移動制御するフォーカス調整部54と、レンズ駆動部37を介してズームレンズの位置を移動させることで投影映像の光学的拡大縮小処理(光学ズーム)を制御する光学的拡縮制御部55などを備えて構成されている。なお、光源制御部51は、点灯されているハロゲンランプに対して温度センサ31による検出温度に基づいて消灯制御も行う。そして、温度制御部52は、ハロゲンランプ消灯後も、温度センサ31による検出温度が所定の温度に低下するまでまたは所定の時間だけ冷却ファン32の回転を持続させる。
【0038】
映像表示制御部53は、入力コネクタ部21を介して入力されてくる外部信号としての映像信号や予め記憶されている映像信号に基づいて、変換回路部40やDMD35により映像を顕在化させて投影面に該映像を表示させるものである。そして、投影距離取得部14が投影面61までの投影距離をレーザー測距する際は、DMD35によって顕在化される映像が投影距離測定のための表示状態となるように、変換回路部40に映像データに対して上述したような処理を施させる。
【0039】
フォーカス調整部54は、投影距離取得部14によって取得された投影距離に基づいて、フォーカスレンズ位置を調整する。具体的には、投影面61上に結像される投影像が合焦可能なフォーカスレンズ位置が予め投影距離に対応させて内部メモリに記憶されていて、投影距離取得部14によって投影距離が取得されると、当該取得された投影距離に対応したフォーカスレンズ位置を内部メモリから読み出し、フォーカスレンズ位置が当該読み出したフォーカスレンズ位置になるようにレンズ駆動部37を駆動する。
【0040】
光学系拡縮制御部55は、キー入力/インジケータ部20やリモートコントローラを介したユーザからの操作に基づいて、投影映像を光学的に拡大縮小制御する。具体的には、予め各ズーム倍率に対応したズームレンズ位置が内部メモリに記憶されていて、ユーザからの操作に基づいたズーム倍率に対応したフォーカスレンズ位置を内部メモリから読み出し、ズームレンズ位置が当該読み出したズームレンズ位置になるようにレンズ駆動部37を駆動する。
【0041】
以下、上述のように構成されるプロジェクタ1におけるレーザー測距にかかる動作を映像表示制御部53の動作とフォーカス調整部54の動作とに分けて説明する。最初に映像表示制御部53の動作について図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0042】
当該プロジェクタ1の電源が投入されると、映像表示制御部53は、予め内蔵している内蔵カウンタ56のカウント値Nを0にリセットするとともに、そのカウント(計時)を開始する(SA1、SA2)。
【0043】
そして、映像表示制御部53は、入力コネクタ部21を介して外部から入力される映像信号の有無を検出する(SA3)。
【0044】
外部からの映像信号があるときには(SA3/Y)、変換回路部40に当該映像信号を所定のフォーマットに変換させるとともに、色成分(例えば、赤成分、緑成分、青成分)別に映像データとしてビデオRAMに展開させる(SA4)。
【0045】
一方、外部からの映像信号がないときには、例えばブルーバックなどが表示されることとなる予め記憶されている映像信号を読み出し、変換回路部40に当該映像信号を所定のフォーマットに変換させるとともに、色成分(例えば、赤成分、緑成分、青成分)別に映像データとしてビデオRAMに展開させる(SA5)。
【0046】
そして、内蔵カウンタ56のカウント値Nが第一の閾値T1を超えていなければ(SA6/N)、ビデオRAMに展開されている映像データをそのままDMDに出力させて(SA7)、ステップSA3に戻る。ここで、第一の閾値T1は、定期的に行うレーザー測距の時間間隔として設定されているものであり、予め所定の値が第一の閾値T1として記憶されていてもよいし、キー入力/インジケータ部20やリモートコントローラを介したユーザからの操作に基づいて、その値を変更可能なように構成されていてもよい。
【0047】
一方、内蔵カウンタ56のカウント値Nが第一の閾値T1を超えているときには(SA6/Y)、映像表示制御部53は、変換回路部40に、上述したように、ビデオRAMに展開された映像データのうち、赤色成分の映像データに対して、第一映像領域の輝度値が低下するように映像データを調整させて、当該調整された映像データをDMD35に出力させる(SA8)。なお、赤色成分以外の映像データは、ビデオRAMに展開された映像データがそのままDMD35に出力される。
【0048】
そして、内蔵カウンタ56により計時され続けたカウント値Nが、第一の閾値T1よりも大きい第二の閾値T2を超えていなければ(SA9/N)、ステップSA3に戻る。一方、内蔵カウンタ56のカウンタ値Nが第二の閾値T2を超えていれば(SA9/Y)、ステップSA1に戻り、内蔵カウンタ56のカウント値Nを0にリセットする。
【0049】
つまり、映像表示制御部53は、所定の時間毎に、図5に示したような測距用の映像を表示制御するとともに、投影距離取得部14が投影面61までの投影距離を測距するのに十分な時間として、内蔵カウンタが第一閾値T1から第二閾値T2に至るまでの間、図5に示したような測距用の映像表示を継続する。ここで、第二の閾値T2は、予め所定の値が第二の閾値T2として記憶されていてもよいし、キー入力/インジケータ部20やリモートコントローラを介したユーザからの操作に基づいて、その値を変更可能なように構成されていてもよい。
【0050】
次に、フォーカス調整部54の動作について図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0051】
内蔵カウンタ56のカウンタ値Nが第一の閾値T1を超えると(SB1)、フォーカス調整部54は、投影距離取得部14に強度変調されたレーザーを射出させるとともに投影面61によって反射して戻ってきた当該強度変調されたレーザーを受光させて、その往復時間に基づいた投影面61までの投影距離を取得する(SB2)。
【0052】
このとき、投影面61に投影されている映像は、図5や図6に示したように、レーザー測距点63に対応した第一映像領域66において、赤色成分の表示色が減衰されているため、レーザー光線受光素子23に、投影映像としての赤色成分の光が入射してしまうことを防止でき、結果として、投影面61までの投影距離を精度よく取得することができる。また、レーザーを用いて投影面61までの投影距離を取得するので投影距離取得時間が短縮化されている。
【0053】
次に、フォーカス調整部55は、当該取得した投影距離に基づいて、投影面61で投影映像が合焦するフォーカスレンズ位置を導出する(SB3)。つまり、当該取得した投影距離に対応するフォーカスレンズ位置データを内部メモリから読み出す。
【0054】
そして、フォーカス調整部55は、当該導出したフォーカスレンズ位置となるように、レンズ駆動部37を介してフォーカスレンズを移動させて(SB4)、ステップSB1に戻る。
【0055】
(第二の実施の形態)
以下、本発明の投影装置をプロジェクタ2に適用した場合の第二の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第二の実施形態においては、プロジェクタ2によって映像が投影される投影面61から当該プロジェクタ2までの投影距離を取得し、この取得した投影距離に基づいて投影映像の歪補正(台形補正)を行う場合について説明する。また、第一の実施の形態と同一構成のものについては、その説明は省略する。
【0056】
プロジェクタ2は、図10に示すように、第一の実施の形態に加え、制御部50に投影距離取得部14により取得された投影距離に基づいて傾斜角を導出する傾斜角導出部58が、また、変換回路部40に傾斜角導出部58により導出された傾斜角に基づき投影映像の台形歪が補正されるように映像データを調整する歪補正部59が、さらに備えられた構成となっている。なお、フォーカス調整部54は、その記載を省略している。
【0057】
ここで、投影面61の当該プロジェクタ2に対する傾斜角度は、投影面上の直線状にない異なる少なくとも三点までの距離を取得し、この三点までの距離に基づいて導出することが可能である。
【0058】
このため、第二の実施の形態においては、投影距離取得部14は、例えば図11に示すように、投影面61上の三点のレーザー測距点63a,63b,63cに、順次強度変調されたレーザーを照射し、それぞれまでの投影距離を取得するように構成されている。なお、可動部を介してプロジェクタ2に当該投影距離取得部14を設置する構成とすれば、適宜、可動部を制御することにより、投影面61上の異なる3方向に強度変調されたレーザーを射出することができるとともに、それぞれまでの投影距離を取得することができる。
【0059】
そして、傾斜角導出部58は、投影距離取得部14により取得された投影距離に基づいて、当該プロジェクタの投影光の主光軸64に対する投影面61の傾斜角θv,θhを導出する。
【0060】
また、第二の実施の形態においては、変換回路部40は、図12に示すように、投影距離取得部14によって投影面61までの投影距離が測距される際には、レーザー測距点63a,63b,63cに対応する映像領域66a,66b,66c(以下、「第二映像領域」と記す)において、強度変調されたレーザーのピーク波長に対応した表示色の輝度値が減衰するように、映像データを調整してDMD35に送る。
【0061】
例えば、図13に示すように、ビデオRAMに展開された映像データとしての赤色成分の輝度値に対して、第二映像領域66a,66b,66cに対応する輝度値が低下するように映像データを調整する。具体的には、第二映像領域66a,66b,66cに対応する赤色成分の輝度値が0となっている調整用データを、赤色成分の輝度値からなる映像データに上書き合成することによって、第二映像領域66a,66b,66cにおける赤色成分の輝度値が0になるように、換言すると、赤色成分の表示色が減衰するように映像データを調整する。なお、調整用データは予め記憶されているものとする。
【0062】
つまり、変換回路部40は、投影面61までの投影距離を測距する際に、レーザー測距点に投影された投影光(赤色成分の光)の投影面からのさらなる反射光が、レーザー光線受光素子24に入射することで、投影面61までの測距精度が低下してしまうことを防止するように映像データを調整する。また、少なくとも強度変調されたレーザーのピーク波長に対応する色成分、ここでは、赤色成分の映像データに対してのみその輝度値を調整することによって、たとえ表示色が調整される映像領域であったとしても(レーザー測距点であったとしても)、他の色成分の映像によって、投影される映像の内容が視認可能なように構成されている。ここで、図13においては、0階調を黒とし、225階調に近づくほど高輝度(白)になることを示している。
【0063】
また、変換回路部40は、歪補正部59により、傾斜角導出部58で導出される傾斜角θv,θhに基づき投影映像の台形歪をも補正する。つまり、傾斜角導出部58で導出された傾斜角θv,θhが代入された所定の台形補正変換関数を用いて、ビデオRAMに展開された各色成分の映像データを変換することによって、台形補正された映像データを導出し、これをDMD35に出力する。
【0064】
なお、変換回路部40は、所定の映像データに対して、このような台形補正処理と、先に説明した所定の表示色の減衰処理とをともに施すような場合には、所定の表示色の減衰処理を施した後に、台形補正処理を施す構成となっている。
【0065】
以下、上述のように構成されるプロジェクタ2のレーザー測距にかかる動作を映像表示制御部53の動作と傾斜角導出部58の動作とに分けて説明する。最初に映像表示制御部53の動作について図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0066】
当該プロジェクタ2の電源が投入されると、映像表示制御部53は、変換回路部40に内蔵されているメモリAに、投影面61が当該プロジェクタ2の投影光の主光軸64に対して垂直になっている旨を示す初期傾斜角データをセットする(SC1)。つまり、初期傾斜角データは、台形補正変換関数に映像データを入力しても、入力した映像データと等しい出力が得られるものであり、初期傾斜角データがメモリAにセットされている間は、台形補正処理部59は、映像データに対して実質的に台形補正を行わないことになる。
【0067】
次に、映像表示制御部53は、予め内蔵している内蔵カウンタ56のカウント値Nを0にリセットするとともに、そのカウント(計時)を開始する(SC2、SC3)。
【0068】
そして、映像表示制御部53は、入力コネクタ部21を介して外部から入力される映像信号の有無を検出する(SC4)。
【0069】
外部からの映像信号があるときには(SC4/Y)、変換回路部40に当該映像信号を所定のフォーマットに変換させるとともに、色成分(例えば、赤成分、緑成分、青成分)別に映像データとしてビデオRAMに展開させる(SC5)。
【0070】
一方、外部からの映像信号がないときには、例えばブルーバックなどが表示されることとなる予め記憶されている映像信号を読み出し、変換回路部40に当該映像信号を所定のフォーマットに変換させるとともに、色成分(例えば、赤成分、緑成分、青成分)別に映像データとしてビデオRAMに展開させる(SC6)。
【0071】
そして、内蔵カウンタ56のカウント値Nが第一の閾値T1を超えているときには(SC7/Y)、映像表示制御部53は、変換回路部40に、上述したように、ビデオRAMに展開された映像データのうち、赤色成分の映像データに対して、第二映像領域66a,66b,66cの輝度値が低下するように映像データを調整する(SC8)。なお、赤色成分以外の映像データは、少なくともこの時点では調整されない。
【0072】
一方、内蔵カウンタ56のカウント値Nが第一の閾値T1を超えていなければ(SC7/N)、少なくともこの時点ではビデオRAMに展開されている各色成分の映像データに対しての調整は行わない。
【0073】
次に、映像表示制御部53は、変換回路部40にそのメモリAにセットされている傾斜角データを読み出させるとともに(SC9)、台形補正変換関数にこの傾斜角データを代入し、当該台形補正変換関数に基づいてビデオRAMに展開されている映像データを台形補正変換して(SC10)、この変換した映像データをDMD35に出力する(SC11)。なお、メモリAにセットされている傾斜角データは、後述する傾斜角導出部58の動作によって、投影光の主光軸64に対する投影面61の傾斜角θv,θhが当該時点に対応するように、適宜上書き更新されている。
【0074】
さらに、映像表示制御部53は、内蔵カウンタ56により計時され続けたカウント値Nが、第一の閾値T1よりも大きい第二の閾値T2を超えていなければ(SC12/N)、ステップSC4に戻る。一方、第二の閾値T2を超えていれば(SC12/Y)、ステップSC2に戻り、内蔵カウンタ56のカウント値Nを0にリセットする。
【0075】
次に、傾斜角導出部58の動作について図15に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0076】
内蔵カウンタ56のカウンタ値Nが第一の閾値T1を超えると(SD1)、傾斜角導出部58は、投影距離取得部14に強度変調されたレーザーを射出させるとともに投影面61によって反射して戻ってきた当該強度変調されたレーザーを受光させて、その往復時間に基づいた投影面61までの投影距離を取得する(SD2)。なお、投影距離取得部14は、投影面61上の三点のレーザー測距点63a,63b,63cに、順次強度変調されたレーザーを照射し、それぞれまでの投影距離を取得するが、このとき、投影面61に投影されている映像は、図12や図13に示したように、レーザー測距点63a,63b,63cに対応した第二映像領域66 a,66b,66cにおいて、赤色成分の表示色が減衰されているため、レーザー光線受光素子23に、投影映像としての赤色成分の光が入射してしまうことを防止でき、結果として、投影面61までの投影距離を精度よく取得することができる。また、レーザーを用いて投影面61までの投影距離を取得するので投影距離取得時間が短縮化されている。
【0077】
次に、傾斜角導出部58は、当該取得した投影距離に基づいて、当該プロジェクタ2の投影光の主光軸64に対する投影面61の傾斜角θv,θhを導出する(SD3)。そして、この導出した傾斜角θv,θhを傾斜角データとして変換回路部40に内蔵されているメモリAにセットし(SD4)、ステップSD1に戻る。
【0078】
つまり、傾斜角導出部58は、歪補正部59の行う台形補正が、当該時点での投影光の主光軸64に対する投影面61の傾斜角θv,θhに対応するように、メモリAの傾斜角データを定期的に上書き更新している。そして、映像表示制御部53は、投影距離取得部14の取得する投影距離が精度の高いものとなるように、傾斜角導出部58の動作に同期させて投影映像の表示状態を調整している。
【0079】
なお、上述の実施の形態では、光学的拡縮制御部55により調整される光学ズーム倍率にかかわらず、同一の調整データを用いる場合について説明したが、光学ズーム倍率に応じて調整データを切り換える構成としてもよい。
【0080】
例えば、光学ズーム倍率が高いときには、投影面61に投影される投影映像は比較的大きく拡大されるため、これに伴って投影面61上の第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cも比較的大きく拡大される。よって、このようなときには、レーザー測距点63,63a,63b,63cと比較して、必要以上に第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cが広く投影されてしまうことがある。そこで、このようなときには、図16(a)、(b)に示すように、映像領域全体に対して、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cが比較的小さくなるような調整データに切り換えることが好ましい。一方、光学ズーム倍率が低いときには、投影面61に投影された投影映像は比較的小さく拡大されるため、これに伴って第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cも比較的小さく拡大される。よって、このようなときには、レーザー測距点63,63a,63b,63cと比較して、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cが小さく、その範囲が不十分な広さとして投影されてしまうことがある。そこで、このようなときには、図17(a)、(b)に示すように、映像領域全体に対して、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cが比較的大きくなるような調整データに切り換えることが好ましい。
【0081】
なお、光学ズーム倍率に対応させて、第一映像領域66或いは第二映像領域66a,66b,66cの中心位置を切り換えたり、或いは、強度変調されたレーザーの射出方向を調整すれば、光学ズーム倍率を可変させた場合であっても、第一映像領域66或いは第二映像領域66a,66b,66cを、確実にレーザー測距点63,63a,63b,63cに対応させることが可能となり好ましい。
【0082】
また、上述の実施の形態では、調整データにおける第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cに予め所定の階調値を設定しておき、映像データに当該調整データを上書き合成する場合について説明したが、例えば図18または図19に示すように、調整データにおける第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cに予め所定の減衰率を設定しておき、映像データと当該調整データとを乗算合成する構成としてもよい。
【0083】
なお、このような場合は、例えば図20(a)、(b)に示すように、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cにおける減衰率が、それぞれに対応するレーザー測距点63,63a,63b,63cに近づくほど、大きくなるように設定されている構成としてもよい。
【0084】
また、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66cは、映像領域全体に亘っていてもよい。何れにしても、レーザー測距点63,63a,63b,63cにおいて、所定の表示色が減衰される構成となっていればよい。
【0085】
また、上述の実施の形態では、定期的にフォーカス調整や歪補正のための傾斜角導出を行う構成について説明したが、キー/インジケータ部20やリモートコントローラを介したユーザからの操作に基づいて、フォーカス調整や歪補正のための傾斜角導出を開始する構成としてもよい。何れにしても、レーザーによる測距と当該測距のための映像表示とが、同期して実行される構成となっていればよい。
【0086】
また、上述の実施の形態では、強度変調されたレーザーが赤色成分にそのピーク波長があり、それに対応させて赤色成分のみの映像データを調整する場合について説明したが、他の色成分における映像データに対しても同様の調整を行ってもよい。何れにしても、強度変調されたレーザーのピーク波長に対応した色成分の映像データが調整される構成となっていればよい。
【0087】
また、上述の実施の形態では、映像データを調整することによって、レーザー測距点63,63a,63b,63cに対応する映像領域(第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66c)の所定の表示色を減衰させる構成について説明したが、第一映像領域66、或いは、第二映像領域66a,66b,66における所定の表示色が減衰するように、ハロゲンランプとDMD35との間、或いは、DMD35と投影側光学系36との間に、物理的な光学フィルタを、レーザー測距のタイミングに同期させて介在させる構成としてもよい。つまり、強度変調されたレーザーの光路(光線軌跡)上に干渉することのない投影面61までの投影光路上に、物理的な光学フィルタを介在させる構成としてもよい。
【0088】
また、上述の実施の形態では、制御部50と変換回路部40とが分離されて構成されている場合について説明したが、変換回路部40は、制御部50の一部として構成されていてもよい。
【0089】
また、上述の実施の形態では、DMD35を表示素子として適用した場合に説明したが、表示素子は、例えば、液晶パネルなど、他の表示素子を適用することもできる。
【0090】
また、上述の実施の形態では、レーザーを投影距離を取得するための光として適用した場合に説明したが、これに限定するものではない。
【0091】
前記投影距離を取得するための光は、半導体から射出されるレーザーや、LEDから射出される光や、LEDから射出される光を変調した光等、投影面に射出することができるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】プロジェクタの外観構成の説明図
【図2】第一の実施の形態におけるプロジェクタの説明図
【図3】投影距離取得部の説明図
【図4】第一の実施の形態におけるレーザー測距点の説明図
【図5】投影面上における第一映像領域の説明図
【図6】第一の実施の形態における映像データの調整にかかる説明図
【図7】デジタルズームの説明図
【図8】映像表示制御部の動作を説明するためのフローチャート
【図9】フォーカス調整部の動作を説明するためのフローチャート
【図10】第二の実施の形態におけるプロジェクタの説明図
【図11】第二の実施の形態におけるレーザー測距点の説明図
【図12】投影面上における第二映像領域の説明図
【図13】第二の実施の形態における映像データの調整にかかる説明図
【図14】映像表示制御部の動作を説明するためのフローチャート
【図15】傾斜角導出部の動作を説明するためのフローチャート
【図16】(a)第一の実施形態における調整データの説明図、(b)第二の実施形態における調整データの説明図
【図17】(a)第一の実施形態における調整データの説明図、(b)第二の実施形態における調整データの説明図
【図18】映像データの調整にかかる説明図
【図19】映像データの調整にかかる説明図
【図20】(a)第一の実施形態における調整データの説明図、(b)第二の実施形態における調整データの説明図
【符号の説明】
【0093】
1、2 : プロジェクタ
10 : 上面板
11 : 前面板
13 : 投影口
14 : 投影距離取得部
20 : キー/インジケータ部
21 : 入力コネクタ部
22 : レーザー光源
24 : レーザー光線受光素子
33 : 光源装置
34 : 光源側光学系
35 : DMD
36 : 投影側光学系
37 : レンズ駆動部
40 : 変換回路部
42 : デジタル拡縮処理部
50 : 制御部
53 : 映像表示制御部
54 : 光学的拡縮制御部
55 : フォーカス調整部
56 : 内蔵カウンタ
58 : 傾斜角導出部
59 : 歪補正部
61 : 投影面
62 : 映像領域
63、63a、63b、63c : レーザー測距点
64 : 投影光主光軸
65 : 強度変調されたレーザー軌跡
66 : 第一映像領域
66a、63b、63c : 第二映像領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された映像データに基づいて映像を投影表示させる映像表示制御部と、
前記映像表示制御部により映像が投影表示される投影面に光を照射させて、前記投影面までの投影距離を取得する投影距離取得部と、を備え、
前記映像表示制御部は、
前記投影距離取得部により前記投影距離が取得される際に、
少なくとも前記光が照射される領域に対応する第一映像領域の表示状態を、前記投影距離を取得するための表示状態に調整することを特徴とした投影装置。
【請求項2】
前記映像表示制御部は、
少なくとも前記光のピーク波長領域に対応する色成分の輝度値が減衰するように前記第一映像領域の表示状態を調整することを特徴とした請求項1記載の投影装置。
【請求項3】
前記映像表示制御部は、
前記第一映像領域が、前記第一映像領域以外の映像領域よりも減衰率が大きくなるように調整することを特徴とした請求項2記載の投影装置。
【請求項4】
前記映像表示制御部により投影表示される映像の大きさを光学的に拡縮制御する拡縮制御部を備え、
前記映像表示制御部は、
前記拡縮制御部により制御される拡縮状態に基づいて前記第一映像領域を切り換えることを特徴とした請求項1から3の何れかに記載の投影装置。
【請求項5】
前記映像表示制御部は、
前記光の光路上に干渉することのない前記投影面までの投影光路上に、所定のフィルタを配置制御することを特徴とした請求項2または3に記載の投影装置。
【請求項6】
前記投影距離取得部により取得された前記投影距離に基づいて、前記投影面上に結像される投影像の歪を補正する歪補正部を備えることを特徴とした請求項1から5の何れかに記載の投影装置。
【請求項7】
前記投影距離取得部は、少なくとも三方向に光を照射させ、前記投影面までの前記各方向における投影距離を取得し、
前記歪補正部は、前記投影距離取得手段により取得された前記各方向における投影距離に基づいて前記投影面上に結像する投影像の歪を補正することを特徴とした請求項6記載の投影装置。
【請求項8】
前記投影距離取得部により取得された前記投影距離に基づいて、前記投影面上に結像される投影像のフォーカスを調整するフォーカス調整部を備えることを特徴とした請求項1から5の何れかに記載の投影装置。
【請求項9】
入力された映像データに基づいて映像を投影表示させる映像表示制御ステップと、
前記映像表示制御ステップにより映像が投影表示される投影面に光を照射させて、前記投影面までの投影距離を取得する投影距離取得ステップと、を有し、
前記映像表示制御ステップは、
前記投影距離取得ステップで前記投影距離が取得される際に、
少なくとも前記光が照射される領域に対応する第一映像領域の表示状態を、前記投影距離を取得するための表示状態に調整することを特徴とした光測距方法。
【請求項10】
前記光は、
レーザーであることを特徴とした請求項1から8の何れかに記載の投影装置。
【請求項1】
入力された映像データに基づいて映像を投影表示させる映像表示制御部と、
前記映像表示制御部により映像が投影表示される投影面に光を照射させて、前記投影面までの投影距離を取得する投影距離取得部と、を備え、
前記映像表示制御部は、
前記投影距離取得部により前記投影距離が取得される際に、
少なくとも前記光が照射される領域に対応する第一映像領域の表示状態を、前記投影距離を取得するための表示状態に調整することを特徴とした投影装置。
【請求項2】
前記映像表示制御部は、
少なくとも前記光のピーク波長領域に対応する色成分の輝度値が減衰するように前記第一映像領域の表示状態を調整することを特徴とした請求項1記載の投影装置。
【請求項3】
前記映像表示制御部は、
前記第一映像領域が、前記第一映像領域以外の映像領域よりも減衰率が大きくなるように調整することを特徴とした請求項2記載の投影装置。
【請求項4】
前記映像表示制御部により投影表示される映像の大きさを光学的に拡縮制御する拡縮制御部を備え、
前記映像表示制御部は、
前記拡縮制御部により制御される拡縮状態に基づいて前記第一映像領域を切り換えることを特徴とした請求項1から3の何れかに記載の投影装置。
【請求項5】
前記映像表示制御部は、
前記光の光路上に干渉することのない前記投影面までの投影光路上に、所定のフィルタを配置制御することを特徴とした請求項2または3に記載の投影装置。
【請求項6】
前記投影距離取得部により取得された前記投影距離に基づいて、前記投影面上に結像される投影像の歪を補正する歪補正部を備えることを特徴とした請求項1から5の何れかに記載の投影装置。
【請求項7】
前記投影距離取得部は、少なくとも三方向に光を照射させ、前記投影面までの前記各方向における投影距離を取得し、
前記歪補正部は、前記投影距離取得手段により取得された前記各方向における投影距離に基づいて前記投影面上に結像する投影像の歪を補正することを特徴とした請求項6記載の投影装置。
【請求項8】
前記投影距離取得部により取得された前記投影距離に基づいて、前記投影面上に結像される投影像のフォーカスを調整するフォーカス調整部を備えることを特徴とした請求項1から5の何れかに記載の投影装置。
【請求項9】
入力された映像データに基づいて映像を投影表示させる映像表示制御ステップと、
前記映像表示制御ステップにより映像が投影表示される投影面に光を照射させて、前記投影面までの投影距離を取得する投影距離取得ステップと、を有し、
前記映像表示制御ステップは、
前記投影距離取得ステップで前記投影距離が取得される際に、
少なくとも前記光が照射される領域に対応する第一映像領域の表示状態を、前記投影距離を取得するための表示状態に調整することを特徴とした光測距方法。
【請求項10】
前記光は、
レーザーであることを特徴とした請求項1から8の何れかに記載の投影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
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【図10】
【図11】
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【図14】
【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−71567(P2009−71567A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−237501(P2007−237501)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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