投影装置
【課題】3D画質の改善を図る。
【解決手段】投影装置は、色合成部、投射レンズおよび偏光変換部を備える。色合成部は、3原色光を合成する。投射レンズは、色合成部からの出射光を投射する。偏光変換部は、投射レンズの投射側に配置され、投射レンズにより投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する。偏光変換部は、偏光変換素子として、所定波長に対して位相をπシフトする波長選択性1/2波長板、光学軸を1つ持つ有機材料である一軸性有機材料、光学軸を1つ持つ結晶である一軸性結晶のいずれかを有する。
【解決手段】投影装置は、色合成部、投射レンズおよび偏光変換部を備える。色合成部は、3原色光を合成する。投射レンズは、色合成部からの出射光を投射する。偏光変換部は、投射レンズの投射側に配置され、投射レンズにより投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する。偏光変換部は、偏光変換素子として、所定波長に対して位相をπシフトする波長選択性1/2波長板、光学軸を1つ持つ有機材料である一軸性有機材料、光学軸を1つ持つ結晶である一軸性結晶のいずれかを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、映像表示を行う投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アクティブシャッター方式の3D(dimensions)機能を有するLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)プロジェクタが開発されている。
【0003】
アクティブシャッター方式とは、遠近感を伴う映像表示方式の1つであり、左眼用と右眼用の映像を交互に表示し、映像の切り替えと同期して左右交互に3Dメガネの視界を相互に遮ることで、視差を生み出して、立体視を可能とするものである。
【0004】
一方、2D画を表示するプロジェクタよりも、3D画を表示する上記のようなプロジェクタの方が、品質を確保するのが困難になってきている。これは、スクリーンで反射した、ある偏光状態の光の中で、3Dメガネによって特定方向の偏光成分のみが透過し、この偏光状態が3D画質に大きく影響(色ムラ、輝度落ち)を与えてしまうためである。
【0005】
2D画表示は、3Dメガネを使用しないため、どの偏光状態も等しく観察者の瞳に光が入り、スクリーン反射後の偏光状態が画質に影響を与えない。これに対し、アクティブシャッター方式3D機能を有するLCDプロジェクタ等では、3Dメガネに届くまでの偏光状態を考慮することが重要となる。
【0006】
従来技術として、水平/垂直方向のRGBの各色の光量比を等しくして、各色の偏光状態を変換する投写型表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−304607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の3D画を表示するプロジェクタでは、プロジェクタの投射光がスクリーンで反射して3Dメガネに到達するまでに、3D画質を向上するための適切な偏光変換処理が施されてはいなかった。
【0009】
このため、3Dメガネを傾けない状態で、3D画の色ムラが見えてしまうといった問題があった。また、3Dメガネを傾けた状態で、3D画の色ムラおよび輝度落ちが見えてしまうといった問題があった。
【0010】
本技術はこのような点に鑑みてなされたものであり、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減させ、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減させて、3D画質を大幅に向上させた投影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、投影装置が提供される。投影装置は、色合成部、投射レンズおよび偏光変換部を備える。色合成部は、3原色光を合成する。投射レンズは、色合成部からの出射光を投射する。偏光変換部は、投射レンズの投射側に配置され、投射レンズにより投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する。
【発明の効果】
【0012】
3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】投影装置の構成例を示す図である。
【図2】偏光状態の変化要素を示す図である。
【図3】3Dメガネを通して見た色ムラを示す図である。
【図4】3Dメガネを通して見た色ムラを示す図である。
【図5】透過型LCD方式プロジェクタの光学ユニット構成例を示す図である。
【図6】反射型LCD方式プロジェクタの光学ユニット構成例を示す図である。
【図7】波長選択性1/2波長板を示す図である。
【図8】波長選択性1/2波長板の特性を説明するための図である。
【図9】一軸性有機材料および一軸性結晶を示す図である。
【図10】一軸性有機材料および一軸性結晶の特性を説明するための図である。
【図11】一軸性有機材料および一軸性結晶の位相差による偏光状態を示す図である。
【図12】投影装置の構成例を示す図である。
【図13】投影装置の構成例を示す図である。
【図14】投影装置の構成例を示す図である。
【図15】投影装置の構成例を示す図である。
【図16】投影装置の構成例を示す図である。
【図17】投影装置の構成例を示す図である。
【図18】投影装置の構成例を示す図である。
【図19】投影装置の構成例を示す図である。
【図20】投影装置の構成例を示す図である。
【図21】投影装置の構成例を示す図である。
【図22】投影装置の構成例を示す図である。
【図23】投影装置の構成例を示す図である。
【図24】設置形態例を示す図である。
【図25】設置形態例を示す図である。
【図26】設置形態例を示す図である。
【図27】投影状態例を示す図である。
【図28】投影状態例を示す図である。
【図29】投影状態例を示す図である。
【図30】投影状態例を示す図である。
【図31】投影装置の投影イメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態を図面を参照して説明する。図1は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1は、色合成部10、投射レンズ20および偏光変換部30を備える。
【0015】
色合成部10は、3原色のR(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を合成する。投射レンズ20は、色合成部10からの出射光を投射する。偏光変換部30は、投射レンズ20の投射側に配置され、投射レンズ20により投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0016】
ここで、偏光変換部30は、偏光変換素子として、所定波長に対して位相をπシフトする波長選択性1/2波長板、光学軸を1つ持つ有機材料である一軸性有機材料、光学軸を1つ持つ結晶である一軸性結晶のいずれかを有している。これらの偏光変換素子により、投射レンズ20により投射された各色光内の波長の偏光を、波長毎に互いに異なる偏光に変換して無偏光状態にする。
【0017】
このように、投影装置1は、色合成部10、投射レンズ20および偏光変換部30を備え、偏光変換部30は、投射レンズ20により投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する構成とした。
【0018】
この構成により、投影装置1からスクリーン7へ向かって投影される投射光は、無偏光状態であり、スクリーン7で反射して観測者の3Dメガネ2に入射する光も無偏光状態である。
【0019】
これにより、3Dメガネ2を傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができるので、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0020】
次に本技術が解決すべき問題点について詳しく説明する。図2は偏光状態の変化要素を示す図である。投影装置(プロジェクタ)50の投射レンズ51からの投射光は、スクリーン7で反射して3Dメガネ2に到達する。3Dメガネ2に入る偏光状態の変化要素は、主に以下の3つによって影響を受ける。
【0021】
(1)プロジェクタ50で発生する偏光ムラ
プロジェクタ50で発生する偏光ムラは、プロジェクタ50内の色合成プリズム52から投射レンズ51までの間で発生する。特に投射レンズ51によって発生し、投射レンズ51がガラスレンズやプラスチックレンズのいずれであっても偏光ムラが発生する。
【0022】
投射レンズ51がガラスレンズの場合では、ガラスレンズの材料、形状、AR(Anti Reflection)コートなどが原因となって偏光ムラが生じる。また、プラスチックレンズの場合では、プラスチックレンズの材料、形状、ARコート、成型条件などによって偏光ムラが発生する。特にプラスチックレンズでは、多大な偏光ムラが発生する。
【0023】
(2)スクリーン7の反射偏光特性
スクリーン7が特にシルバースクリーンの場合では、入射偏光状態を維持したまま反射するので、プロジェクタ50で発生する上記の(1)の偏光ムラがそのまま3D画質に影響を与える。また、偏光特性の面内ムラのあるスクリーンは、以下の(3)の影響を直接受ける。
【0024】
(3)観察者の3Dメガネ2の傾け角
通常の使用状態を想定した際の3Dメガネ2の偏光透過軸に対する傾け角では、観察者が首を傾けると±25°程度となる。観察者が首を傾けて、3Dメガネ2の傾け角が±25°程度になると、3Dメガネ2の偏光透過方向も変化する。その結果、3D画質も大きく変化する。
【0025】
上記の(1)〜(3)による偏光状態変化要素により、3Dメガネ2に入る偏光状態が変化し、従来では、主に以下の2つの問題点が発生していた。
(a)3Dメガネ2を傾けない状態で、3D画の色ムラが見えてしまう。
(b)3Dメガネ2を傾けた状態で、3D画の色ムラおよび輝度落ちが見えてしまう。
【0026】
図3、図4は3Dメガネを通して見た色ムラを示す図である。スクリーン7に対して、例えば、背景が白色の場合に、図3に示すような色ムラ(楕円で示している)が観察されることがある。また、スクリーン7に例えば、偏光特性の面内ムラがある場合は、観察者が首を傾けたときには、図4に示すような線状の色ムラが見えることがある。
【0027】
従来の問題点(a)、(b)を解決する場合は、上述の(1)の偏光状態変化要素にて解決する必要がある。なぜなら、(2)の偏光状態変化要素では、観察者(カスタマー)に対し、設置するスクリーン7を指定できないためである。さらに、(3)の偏光状態変化要素では、3Dメガネ2の標準化の流れの中で、専用3Dメガネにすることは現実的ではないためである。
【0028】
ここで、(1)の偏光状態変化要素にて解決する際、問題点(a)については、以下の方法(#1)〜(#3)で解決することが可能であった。
【0029】
(#1)すべてガラスレンズを使用した投射レンズ51を使用する(プラスチックレンズを使用しない)。しかし、この場合、問題点(a)を解決することができても、問題点(b)を解決することができなかった。
【0030】
(#2)色合成プリズム52がSPS方式の場合、投射レンズ51と、色合成プリズム52との間に、波長選択性1/2波長板(Color Select)を使用する。そして、RGBの順番で、S偏光/P偏光/S偏光を、P偏光/P偏光/P偏光またはS偏光/S偏光/S偏光に揃える。しかし、この場合、問題点(a)を解決することができても、問題点(b)を解決することができなかった。
【0031】
なお、一般的にプロジェクタで使用する色合成プリズムでは、緑色光は、S偏光のときよりもP偏光のときの方が、透過率が高いので、SSS方式よりもSPS方式の方が主流である。ただし、色合成プリズムの出射後のRGBの偏光を揃えるためにSSS方式も使用されている。
【0032】
(#3)色合成プリズム52をSSS方式にする。しかし、この場合、問題点(a)を解決することができても、問題点(b)を解決することができなかった。また、G(Green)の透過率が大幅に落ちるため、2D輝度が大幅に落ちてしまう。
【0033】
このように、問題点(a)に対しては、上記の(#1)〜(#3)の解決方法がある。しかし、方法(#1)〜(#3)では、問題点(b)については解決することができない。なぜなら、(#1)〜(#3)の方法では、いずれも単にRGBを同じ方向の直線偏光に揃えているだけで、プロジェクタ50の投射光を無偏光に変換できていなかったためである(この無偏光化が解決手段となることも発見されていなかった)。
【0034】
本技術はこのような点に鑑みてなされたものであり、3Dメガネ2を傾けない状態での3D画の色ムラを低減させ、かつ3Dメガネ2を傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減させて、3D画質を大幅に向上させた投影装置1を提供するものである。
【0035】
次に投影装置1の適用例として、透過型LCD方式プロジェクタおよび反射型LCD方式プロジェクタについて説明する。
【0036】
図5は透過型LCD方式プロジェクタの光学ユニット構成例を示す図である。透過型LCD方式プロジェクタ100は、光源部、照明光学系、分離光学系、光変調素子部、合成光学系および投射光学系を有している。
【0037】
光源部は、光源101およびリフレクタ102を有する。光源101は、例えば、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどのHID(High Intensity Discharge)ランプであり、白色光を出射する。光源101は、リフレクタ102の焦点位置に配置され、光源101から出射した白色光をリフレクタ102で反射して略平行光を生成する。なお、リフレクタ102は、パラボラ形状だけでなく、楕円形状等もある。
【0038】
照明光学系は、UV(Ultra Violet)カットフィルタ111、フライアイレンズ112−1、112−2、偏光分離素子113、波長板ユニット(偏光変調素子)114およびコンデンサレンズ115を有している。
【0039】
UVカットフィルタ111は、光源101の前方に設けられ、光源101から出射される紫外線の通過を阻止する。フライアイレンズ112−1、112−2は、リフレクタ102で反射した略平行光を入射し、偏光分離素子113に出射する。フライアイレンズ112−1、112−2は、光変調素子部に入射する光の照度を均一化する。
【0040】
偏光分離素子113は、入射光束を第1の偏光成分と第2の偏光成分に分離する。例えば、偏光分離素子113は、S偏光とP偏光を含む光を入射して、第1の領域にP偏光を出射し、第2の領域にS偏光を出射する。
【0041】
波長板ユニット114は、偏光分離素子113からの出射光の偏光軸を所定方向に揃える。例えば、波長板ユニット114は、第1の領域に入射したP偏光をS偏光に変調し、偏光軸を第2の領域に入射したS偏光と揃える。
【0042】
コンデンサレンズ115は、波長板ユニット114の出射光を入射して集光する。コンデンサレンズ115を出射した白色光は、分離光学系に入射する。
【0043】
分離光学系は、コンデンサレンズ115からの入射光をRGB(赤色、緑色、青色)に分離する。分離光学系は、ダイクロイックミラー121−1、121−2、反射ミラー122−1〜122−3、リレーレンズ123−1、123−2、コンデンサレンズ124R、124G、124Bを有している。
【0044】
ダイクロイックミラー121−1、121−2は、RGBの各光をその波長帯域により選択的に透過または反射する。ダイクロイックミラー121−1は、緑色波長帯域の光Gおよび赤色波長帯域の光Rを透過し、青色波長帯域の光Bを反射する。ダイクロイックミラー121−2は、赤色波長帯域の光Rを透過し、緑色波長帯域の光Gを反射する。これにより、白色光は、RGBの3色に色分離される。なお、ダイクロイックミラーは、赤色分離または青色分離のどちらの分離方式においても使用される。
【0045】
反射ミラー122−1は、全反射ミラーで構成され、ダイクロイックミラー121−1で分離された青色波長帯域の光Bを反射して光変調素子125Bに導く。反射ミラー122−2、122−3は、全反射ミラーで構成され、ダイクロイックミラー121−2で分離された赤色波長帯域の光Rを反射して光変調素子125Rに導く。
【0046】
リレーレンズ123−1、123−2は、赤色波長帯域の光Rについての光路長の補正をおこなう。コンデンサレンズ124R、124G、124Bは、緑色波長帯域の光G、赤色波長帯域の光R、および青色波長帯域の光Bをそれぞれ収束する。
【0047】
分離光学系から出射される緑色波長帯域の光G、赤色波長帯域の光R、および青色波長帯域の光Bは、それぞれ光変調素子125R、125G、125Bに入射する。
【0048】
光変調素子125R、125G、125Bの前方(光源側)には、入射側偏光板128R、128G、128Bがあり、分離光学系から出射される緑色波長帯域の光G、赤色波長帯域の光R、および青色波長帯域の光Bの偏光成分を揃える。
【0049】
光変調素子125R、125G、125Bは、赤色波長帯域の光R、緑色波長帯域の光G、および青色波長帯域の光Bをそれぞれ空間変調する。出射側偏光板129R、129G、129Bは、空間変調された光のうち、所定の偏光成分を透過する。
【0050】
合成光学系は、色合成プリズム126を有する。色合成プリズム126は、緑色波長帯域の光Gを透過し、赤色波長帯域の光Rおよび青色波長帯域の光Bを投射光学系方向に反射するように構成されている。
【0051】
色合成プリズム126は、例えば、複数のガラスプリズム(4つの略同形状の直角二等辺プリズム)を接合することによって構成されており、各ガラスプリズムの接合面には、所定の光学特性を有する2つの干渉フィルタが形成されている。
【0052】
第1干渉フィルタは、青色波長帯域の光Bを反射し、赤色波長帯域の光Rおよび緑色波長帯域の光Gを透過する。第2干渉フィルタは、赤色波長帯域の光Rを反射し、緑色波長帯域の光Gおよび青色波長帯域の光Bを透過する。
【0053】
したがって、光変調素子125R、125G、125Bによって変調されたRGBの各光は、色合成プリズム126で合成されて、投射光学系に入射する。
【0054】
投射光学系である投影レンズ127は、色合成プリズム126からの出射光を所定の倍率に拡大してスクリーン7に映像を投影する。
【0055】
図6は反射型LCD方式プロジェクタの光学ユニット構成例を示す図である。反射型LCD方式プロジェクタ200において、光源201は、リフレクタ202の焦点位置に配置され、光源201から出射した白色光をリフレクタ202で反射して略平行光を生成する。UV/IR(Ultra Violet/Infrared Rays)カットフィルタ211は、略平行光を受光して紫外線および赤外線の通過を阻止する。なお、リフレクタ202は、パラボラ形状だけでなく、楕円形状等もある。
【0056】
フライアイレンズ212−1、212−2は、光の照度を均一化し、PSコンバータ(偏光変換素子)213は、P偏光/S偏光のランダム偏光の偏光方向を揃える。メインコンデンサレンズ221は、PSコンバータ213で偏光方向が揃って均一化された白色照明光を集光する。
【0057】
ダイクロイックミラー222は、赤色の波長領域の光LRと、緑色および青色の波長領域の光LGBとを分離する。なお、ダイクロイックミラー222は、赤色分離または青色分離のどちらの分離方式においても使用される。反射ミラー223は、ダイクロイックミラー222で分離された赤光LRを反射する。
【0058】
反射ミラー224は、ダイクロイックミラー222で分離された緑および青光LGBを反射する。ダイクロイックミラー225は、反射ミラー224で反射された光LGBのうち緑色の波長領域のみ反射し、青色の波長領域が透過する。
【0059】
偏光板226Rは、反射ミラー223で反射されたP偏光である赤光LRを透過して反射型液晶パネル230Rに入射させ、反射型液晶パネル230Rで空間変調され、S偏光に変換された赤光を反射して色合成プリズム240に入射させる。なお、色合成プリズム240のRGBの入射面それぞれに偏光板が配置されてもよい。
また、SSS方式時には、緑色光は色合成プリズム240にそのまま入射する。SPS方式時には、色合成プリズム240の入射側に1/2波長板が配置され、緑色光はP偏光で色合成プリズム240に入射する。
【0060】
偏光板226Gは、ダイクロイックミラー225で反射されたP偏光である緑光LGを透過して反射型液晶パネル230Gに入射させ、反射型液晶パネル230Gで空間変調され、S偏光に変換された緑光を反射して色合成プリズム240に入射させる。
【0061】
偏光板226Bは、ダイクロイックミラー225を透過したP偏光である青光LBを透過して反射型液晶パネル230Bに入射させ、反射型液晶パネル230Bで空間変調され、S偏光に変換された青光を反射して色合成プリズム240に入射させる。なお、各偏光板226R、226G、226Bの入射側には、光学レンズ227〜229が配置される(光学レンズ228と偏光板226Gとの間にも偏光板が配置される場合がある)。
【0062】
ここで、光源201より出力された白色光は、フライアイレンズ212−1、212−2により照度が均一化され、PSコンバータ213により所定の偏光に揃えられる。そして、その出力光が、メインコンデンサレンズ221により反射型液晶パネル230R、230G、230Bを照射するように配向された後、色分離ミラーとしてのダイクロイックミラー222、225等により3つの波長帯域の光に分離される。
【0063】
分離された各色光は、反射型偏光板に入射し、ある一方向の偏光方向の光のみが、偏光板226R、226G、226Bによって選択されて、反射型液晶パネル230R、230G、230Bに入射する。各反射型液晶パネル230R、230G、230Bには、RGBの光が入射することになる。
【0064】
反射型液晶パネル230R、230G、230Bには入射光に対応した色の映像信号が印加され、映像信号に従い、入射光の偏光方向を回転させて変調出力する。液晶パネルから出射した被変調光は、再び偏光板226R、226G、226Bに入射する。
【0065】
偏光板226R、226G、226Bに入射した偏光から90度回転した偏光成分のみ選択され、色合成プリズム240に入射する。3枚の反射型液晶パネルにて変調された各色光は、色合成プリズム240において、同じ方向に合成されて出射される。色合成プリズム240からの出射合成光は、投影レンズ250により、スクリーン7に投影出力される。
【0066】
次に投影装置1における偏光変換部30について説明する。偏光変換部30では、偏光変換素子を含み、偏光変換素子としては、波長選択性1/2波長板、一軸性有機材料、一軸性結晶のいずれかを用いる。以下、各特性について説明する。
【0067】
図7は波長選択性1/2波長板を示す図である。波長選択性1/2波長板31aは、第1の光軸と、第1の光軸に直交する第2の光軸とを有し、所定の波長の光を横振動から縦振動へ、縦振動から横振動へ変換し、所定波長の位相をπシフトする特性を有している。
【0068】
図8は波長選択性1/2波長板の特性を説明するための図である。波長選択性1/2波長板31aに、直線偏光化された入射光線が、その振動方向が第1の光軸方向に対して平行に(0゜またはπの角度で)入射したとき、位相がπシフトして、第2の光軸と平行な光線が出射する。
【0069】
逆に、波長選択性1/2波長板31aに、直線偏光化された入射光線が、その振動方向が第2の光軸方向に対して平行に(0゜またはπの角度で)入射したとき、位相がπシフトして、第1の光軸と平行な光線が出射する。
【0070】
ここで、投影装置1で波長選択性1/2波長板31aを使用する場合、入射光線を第1、第2の光軸に対して平行な光線を波長選択性1/2波長板31aに入射するのではなく、第1、第2の光軸に対して平行ではない直線偏光、円偏光、楕円偏光等を入射することが好ましい。
【0071】
すなわち、投射レンズ20での投射光は、波長選択性1/2波長板31aの第1、第2の光軸に対して平行ではない偏光であるほど、出射光は“波長ごとに異なる偏光”に近くなり、無偏光状態となる。
【0072】
このように、第1、第2の光軸に対して、光振動方向が平行ではない偏光が、波長選択性1/2波長板31aを透過することで、投射レンズ20からの投射光は、波長選択性1/2波長板31aによって、波長毎に互いに異なる偏光に変換されて無偏光状態となる。
【0073】
なお、投射レンズ20として偏光乱れの激しいプラスチックレンズを使用するような場合は、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向く1/4波長板を、波長選択性1/2波長板31aと組み合わせて使用してもよい。
【0074】
例えば、波長選択性1/2波長板31aの入射側に1/4波長板を配置することで、波長選択性1/2波長板31aの第1、第2の光軸に対して、光振動方向がより平行ではない偏光を、波長選択性1/2波長板31aに入射でき、偏光状態をより無偏光状態に近づかせることが可能になる。
【0075】
図9は一軸性有機材料および一軸性結晶を示す図である。一軸性有機材料31bは、光学軸を1つ持つ有機材料であって、例えば、高位相差板が該当する。一軸性有機材料31bの入射光に与える位相差は10000nm以上である。
【0076】
また、一軸性結晶31cは、光学軸を1つ持つ結晶である。例えば、水晶(石英)、サファイア、方解石、フッ化マグネシウム、カルサイト等が該当する。一軸性結晶31cの入射光に与える位相差は10000nm程度である(水晶の場合は1mm程度)。一方、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cは共に、遅相軸が45°である。
【0077】
図10は一軸性有機材料および一軸性結晶の特性を説明するための図である。一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cは、図10に示す遅相軸と同じ方向の光の振動を持つ入射光に対しては屈折率が大きく働き、遅相軸と同じ方向にない光の振動を持つ入射光に対しては、屈折率は小さく働くという特性を有している。
【0078】
したがって、入射偏光が、遅相軸に対して45°ずれた方向に振動(回転)する偏光の場合は、出射偏光は無偏光となる。また、入射偏光が、遅相軸に対して0°、90°ずれた方向に振動する偏光の場合は、出射偏光は入射偏光の位相と同じで変化しない。
【0079】
一方、入射偏光が、遅相軸に対して上記以外の方向に振動する偏光の場合は、出射偏光は偏りの大きな偏光が出射して、無偏光状態とはかけ離れた状態となる。
【0080】
ここで、投影装置1で一軸性有機材料31bまたは一軸性結晶31cを使用する場合、入射光線は、遅相軸に対して45°ずれた方向に振動する偏光の直線偏光、円偏光、楕円偏光等を入射することが好ましい。
【0081】
すなわち、投射レンズ20からの投射光は、一軸性有機材料31bまたは一軸性結晶31cの遅相軸に対して45°ずれた方向に振動する偏光であって、このような偏光が、一軸性有機材料31bまたは一軸性結晶31cに入射することになる。
【0082】
このように、遅相軸に対して45°ずれた方向に振動する偏光が、一軸性有機材料31bまたは一軸性結晶31cを透過することで、投射レンズ20からの投射光は、一軸性有機材料31bまたは一軸性結晶31cによって、波長毎に互いに異なる偏光に変換されて無偏光状態となる。
【0083】
ここで、投射レンズ20の前に配置させる偏光変換素子としては、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cよりも、波長選択性1/2波長板31aの方が高効果といえる。これは、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cは、入射光が遅相軸より45°ずれた方向に振動する偏光のときに最大の効果を発揮するが、投射レンズ20の前では45°方向以外の偏光もあるからである。
【0084】
ただし、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cは、投射レンズ20の偏光乱れ具合が小さい場合(例えば、投射レンズ20をガラスレンズにした場合)では、十分効果を発揮するものであり、また、波長選択性1/2波長板よりも安価である。
【0085】
なお、上記では、偏光変換素子として、波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cの各特性について説明したが、波長毎に互いに異なる偏光に変換する機能を持つ光学部材であれば、波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31c以外の光学部材を使用しても構わない。
【0086】
次に一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cの位相差による偏光状態について説明する。図11は一軸性有機材料および一軸性結晶の位相差による偏光状態を示す図である。縦軸は偏光状態を示し、横軸は波長nmを示している。なお、図中の曲線k1は位相差が500nm、曲線k2は位相差が1000nm、曲線k3は位相差が2000nm、曲線k4(ギザギザ線)は位相差が10000nmである。
【0087】
入射する直線偏光に対して、45°方向に遅相軸があり、位相差量が大きい(例えば、10000nm)場合を考える(図中のギザギザ線に該当)。遅相軸を光が通過する場合、ある波長(例えば550nm)の偏光状態が直線偏光とすると、隣接波長(例えば501nm)の偏光状態は、直線偏光に近い楕円偏光となる。
【0088】
このように使用波長(430〜700nm程度)のそれぞれで偏光状態が異なった光が足し合わされると、波長毎に互いに異なる偏光が生成されるので、無偏光状態を作り出すことができる。
【0089】
したがって、偏光変換素子として、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cを用いた場合、45°方向の遅相軸と高位相差量という条件が揃う場合は、波長変化あたりの偏光変化量が増え、より均一な無偏光状態を生成することが可能である。
【0090】
次に投影装置1における偏光変換処理の各バージョン(光学部材の配置パターン)について図12〜図19を用いて説明する。図12は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−1は、色合成部10−1、投射レンズ20および偏光変換部30−1を備える。
【0091】
色合成部10−1は、色合成プリズム11および1/2波長板12を含む。偏光変換部30−1は、偏光変換素子31を含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0092】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g1sをP偏光に変換して、緑色P偏光g1pを生成する。なお、1/2波長板の一般的な基本機能は、光が通過したとき、2つの直線偏光(平行成分、垂直成分)間に1/2波長(位相差δ=180°+N×360°)の光路差を与えるものであり、主に偏光面を所要の角度へ回転させる目的で使用される(N=1、2、3、・・・)。
【0093】
色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r1sと、緑色P偏光g1pと、青色光のS偏光である青色S偏光b1sとを合成して合成光を生成する。
【0094】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r1sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r11s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0095】
また、合成光内の緑色P偏光g1pは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g11p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b1sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b11s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0096】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r11s、緑色楕円偏光g11pおよび青色楕円偏光b11sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。その後、これらの無偏光状態の投射光は、スクリーンに投射される。
【0097】
上記のような投影装置1−1の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0098】
図13は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−2は、色合成部10−2、投射レンズ20および偏光変換部30−2を備える。
【0099】
色合成部10−2は、色合成プリズム11、1/2波長板12および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−2は、偏光変換素子31を含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0100】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g2sをP偏光に変換して、緑色P偏光g2pを生成する。色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r2sと、緑色P偏光g2pと、青色光のS偏光である青色S偏光b2sとを合成して合成光を生成する。
【0101】
1/4波長板13は、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r2sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r21に変換し、緑色P偏光g2pを右回り円偏光である緑色右回り円偏光g21に変換し、青色S偏光b2sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b21に変換する。
【0102】
なお、1/4波長板の一般的な基本機能は、光が透過したとき、2つの直線偏光(平行成分、垂直成分)間に1/4波長の光路差(位相差δ=90°+N×360°)を与えるもので、主に直線偏光を円偏光に変換、または逆に円偏光を直線偏光に変換する目的に使用される(N=1、2、3、・・・)。
【0103】
ここで、色合成プリズム11からの出射光の投射レンズ20への入射時には、投射レンズ20で反射した反射光が、再び色合成プリズムに逆戻りしてしまう場合がある。このようなことが起きると迷光が発生して、スクリーン上ではゴースト現象などが生じてしまう。このため、本技術では、色合成プリズム11の出射段と、投射レンズ20の入射段との間に上記のような1/4波長板13を配置して、1/4波長板を迷光防止用として使用している。
【0104】
一方、投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r21は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r22s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0105】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g21は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g22p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b21は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b22s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0106】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r22s、緑色楕円偏光g22pおよび青色楕円偏光b22sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。その後、これらの無偏光状態の投射光は、スクリーンに投射される。
【0107】
上記のような投影装置1−2の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0108】
図14は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−3は、色合成部10−3、投射レンズ20および偏光変換部30−3を備える。
偏光変換部30−3は、偏光変換素子31を含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0109】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r3sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g3sと、青色光のS偏光である青色S偏光b3sとを合成して合成光を生成する。
【0110】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r3sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r31s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0111】
また、合成光内の緑色S偏光g3sは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g31s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b3sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b31s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0112】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r31s、緑色楕円偏光g31sおよび青色楕円偏光b31sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。その後、これらの無偏光状態の投射光は、スクリーンに投射される。
【0113】
上記のような投影装置1−3の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0114】
図15は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−4は、色合成部10−4、投射レンズ20および偏光変換部30−4を備える。
色合成部10−4は、色合成プリズム11および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−4は、偏光変換素子31を含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0115】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r4sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g4sと、青色光のS偏光である青色S偏光b4sとを合成して合成光を生成する。
【0116】
1/4波長板13は、上述の迷光防止のために、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r4sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r41に変換し、緑色S偏光g4sを左回り円偏光である緑色左回り円偏光g41に変換し、青色S偏光b4sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b41に変換する。
【0117】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r41は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r42s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0118】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g41は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g42s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b41は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b42s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0119】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r42s、緑色楕円偏光g42sおよび青色楕円偏光b42sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。その後、これらの無偏光状態の投射光は、スクリーンに投射される。
【0120】
上記のような投影装置1−4の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0121】
図16は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−5は、色合成部10−5、投射レンズ20および偏光変換部30−5を備える。
【0122】
色合成部10−5は、色合成プリズム11および1/2波長板12を含む。偏光変換部30−5は、偏光変換素子31および1/4波長板32aを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0123】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g5sをP偏光に変換して、緑色P偏光g5pを生成する。色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r5sと、緑色P偏光g5pと、青色光のS偏光である青色S偏光b5sとを合成して合成光を生成する。
【0124】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r5sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r51s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0125】
また、合成光内の緑色P偏光g5pは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g51p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b5sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b51s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0126】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r51s、緑色楕円偏光g51pおよび青色楕円偏光b51sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0127】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の出射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32aを設けてもよい。1/4波長板32aをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0128】
上記のような投影装置1−5の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0129】
図17は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−6は、色合成部10−6、投射レンズ20および偏光変換部30−6を備える。
【0130】
色合成部10−6は、色合成プリズム11、1/2波長板12および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−6は、偏光変換素子31および1/4波長板32aを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0131】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g6sをP偏光に変換して、緑色P偏光g6pを生成する。色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r6sと、緑色P偏光g6pと、青色光のS偏光である青色S偏光b6sとを合成して合成光を生成する。
【0132】
1/4波長板13は、上述の迷光防止のために、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r6sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r61に変換し、緑色P偏光g6pを右回り円偏光である緑色右回り円偏光g61に変換し、青色S偏光b6sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b61に変換する。
【0133】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r61は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r62s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0134】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g61は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g62p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b61は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b62s(S偏光に近い楕円偏光)に変換する。
【0135】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r62s、緑色楕円偏光g62pおよび青色楕円偏光b62sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0136】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の出射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32aを設けてもよい。1/4波長板32aをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0137】
上記のような投影装置1−6の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0138】
図18は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−7は、色合成部10−7、投射レンズ20および偏光変換部30−7を備える。
【0139】
色合成部10−7は、色合成プリズム11および1/2波長板12を含む。偏光変換部30−7は、偏光変換素子31および1/4波長板32bを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0140】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g7sをP偏光に変換して、緑色P偏光g7pを生成する。色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r7sと、緑色P偏光g7pと、青色光のS偏光である青色S偏光b7sとを合成して合成光を生成する。
【0141】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r7sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r71s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0142】
また、合成光内の緑色P偏光g7pは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g71p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b7sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b71s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0143】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r71s、緑色楕円偏光g71pおよび青色楕円偏光b71sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0144】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、投射レンズ20の投射側と、偏光変換素子31の入射側との間に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32bを設けてもよい。1/4波長板32bをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0145】
上記のような投影装置1−7の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0146】
図19は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−8は、色合成部10−8、投射レンズ20および偏光変換部30−8を備える。
【0147】
色合成部10−8は、色合成プリズム11、1/2波長板12および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−8は、偏光変換素子31および1/4波長板32bを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0148】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g8sをP偏光に変換して、緑色P偏光g8pを生成する。色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r8sと、緑色P偏光g8pと、青色光のS偏光である青色S偏光b8sとを合成して合成光を生成する。
【0149】
1/4波長板13は、上述の迷光防止のために、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r8sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r81に変換し、緑色P偏光g8pを右回り円偏光である緑色右回り円偏光g81に変換し、青色S偏光b8sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b81に変換する。
【0150】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r81は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r82s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0151】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g81は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g82p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b81は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b82s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0152】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r82s、緑色楕円偏光g82pおよび青色楕円偏光b82sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0153】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、投射レンズ20の投射側と、偏光変換素子31の入射側との間に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32bを設けてもよい。1/4波長板32bをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0154】
上記のような投影装置1−8の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0155】
なお、図19で示した投射装置1−8は、最良の光学形態となる。投影装置1−8のような光学形態とすることにより、投射レンズ20にプラスチックレンズを使用可能である(偏光ムラが多大なプラスチックレンズでも対応可能)。
【0156】
また、色合成プリズム11をSPS方式で使用するため、2D輝度が最大となる。さらに、色合成プリズム11の出射側へ1/4波長板13を入射偏光に対して45°の向きに光軸が向くように配置することで、投射レンズ20に起因する迷光を防止できる。
【0157】
さらにまた、投射レンズ20の投射段に、1/4波長板32bを入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように配置する。そして、偏光変換素子31として波長選択性1/2波長板31aを、入射偏光に対して2つの光軸が0°または90°の方向になるように配置する。これにより、無偏光状態を効率よく生成して、色ムラおよび輝度落ちを大幅に低減することが可能になる。
【0158】
図20は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−9は、色合成部10−9、投射レンズ20および偏光変換部30−9を備える。
偏光変換部30−9は、偏光変換素子31および1/4波長板32aを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0159】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r9sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g9sと、青色光のS偏光である青色S偏光b9sとを合成して合成光を生成する。
【0160】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r9sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r91s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。また、合成光内の緑色S偏光g9sは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g91s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b9sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b91s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0161】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r91s、緑色楕円偏光g91sおよび青色楕円偏光b91sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0162】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の出射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32aを設けてもよい。1/4波長板32aをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0163】
上記のような投影装置1−9の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0164】
図21は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−10は、色合成部10−10、投射レンズ20および偏光変換部30−10を備える。
色合成部10−10は、色合成プリズム11および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−10は、偏光変換素子31および1/4波長板32aを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0165】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r10sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g10sと、青色光のS偏光である青色S偏光b10sとを合成して合成光を生成する。
【0166】
1/4波長板13は、上述の迷光防止のために、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r10sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r101に変換し、緑色S偏光g10sを左回り円偏光である緑色左回り円偏光g101に変換し、青色S偏光b10sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b101に変換する。
【0167】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r101は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r102s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0168】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g101は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g102s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b101は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b102s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0169】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r102s、緑色楕円偏光g102sおよび青色楕円偏光b102sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0170】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の出射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32aを設けてもよい。1/4波長板32aをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0171】
上記のような投影装置1−10の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0172】
図22は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−11は、色合成部10−11、投射レンズ20および偏光変換部30−11を備える。
偏光変換部30−11は、偏光変換素子31および1/4波長板32bを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0173】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r11sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g11sと、青色光のS偏光である青色S偏光b11sとを合成して合成光を生成する。
【0174】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r11sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r111s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。また、合成光内の緑色S偏光g11sは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g111s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b11sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b111s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0175】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r111s、緑色楕円偏光g111sおよび青色楕円偏光b111sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0176】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の入射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32bを設けてもよい。1/4波長板32bをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0177】
上記のような投影装置1−11の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0178】
図23は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−12は、色合成部10−12、投射レンズ20および偏光変換部30−12を備える。
色合成部10−12は、色合成プリズム11および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−12は、偏光変換素子31および1/4波長板32bを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0179】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r12sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g12sと、青色光のS偏光である青色S偏光b12sとを合成して合成光を生成する。
【0180】
1/4波長板13は、上述の迷光防止のために、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r12sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r121に変換し、緑色S偏光g12sを左回り円偏光である緑色左回り円偏光g121に変換し、青色S偏光b12sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b121に変換する。
【0181】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r121は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r122s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0182】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g121は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g122s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b121は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b122s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0183】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r122s、緑色楕円偏光g122sおよび青色楕円偏光b122sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0184】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の入射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32bを設けてもよい。1/4波長板32bをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0185】
上記のような投影装置1−12の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0186】
次に投影装置1における偏光変換部30の設置形態について説明する。図24は設置形態例を示す図である。投影装置1aは、装置本体部1a−1(プロジェクタ本体)と、偏光変換器30aとを備え、偏光変換器30aは、装置本体部1a−1に対して、外部から取り付け可能な構成としている。
【0187】
偏光変換器30aは、偏光変換部30およびメカ枠部品3aを含み、メカ枠部品3aに偏光変換部30が設置されている。メカ枠部品3aは、例えば、L型金具などであって、偏光変換部30が、装置本体部1a−1内の投射レンズの投射位置にくるように、メカ枠部品3aが装置本体部1a−1に対して適切な位置に固定設置される。
【0188】
図25、図26は設置形態例を示す図である。投影装置1bは、装置本体部1b−1(プロジェクタ本体)と、偏光変換器30bとを備え、偏光変換器30bは、装置本体部1b−1に対して、外部から取り付け可能な構成としている。
【0189】
偏光変換器30bは、偏光変換部30およびメカ枠部品3bを含み、メカ枠部品3bに偏光変換部30が設置されている。メカ枠部品3bは、装置本体部1b−1内の投射レンズのフォーカス環8に取り付け可能な形状を有している。
【0190】
また、偏光変換部30は、メカ枠部品3bに対して、投射レンズの投射中心位置を含んで、メカ枠部品3bの片側に寄った位置に設けられている。
【0191】
図25、図26では、このような偏光変換器30bをフォーカス環8に取り付け状態を示している。図25の場合では、偏光変換部30の窓が上側(シフトダイヤル9側)になるように取り付けるイメージを示している。図26の場合では、偏光変換部30の窓が下側になるように取り付けるイメージを示している。
【0192】
図27〜図30は投影状態例を示す図である。図27は、図25で上述したような、偏光変換部30の窓が上側(シフトダイヤル9側)になるように、偏光変換器30bが取り付けられたときの投影装置1bの投影状態を示している。この場合、図27では、投影装置1bの投射レンズを上向きにして、スクリーンに対して上方向に投影する。
【0193】
一方、図28では、投影装置1bを天井から吊るして、スクリーンに対して下方向に投影している。図28のように投影装置1bを天井から吊るす(装置天面と天吊り金具を接続する)場合は、図26に示すように、窓が下側(シフトダイヤル9側でない側)になるようにする。
【0194】
ただし、天井から吊るす場合は、投影装置1bを上下逆さまにするケースが多い(装置底面に天吊り金具をつけるビス穴が開いているため)。その時は、図25のように窓が上側(シフトダイヤル9側)になるようにする。
【0195】
なお、高いところから打ち下げる投射をする場合は、上記天吊りケース以外には、高いラックに投影装置1bを置くケースがある。その際は、図26のように窓が下側(シフトダイヤル9側でない側)になる。
【0196】
図29は、図26で上述したような、偏光変換部30の窓が下側になるように、偏光変換器30bが取り付けられたときの投影装置1bの投影状態を示している。この場合、投影装置1bの投射レンズを下向きにして、スクリーンに対して下方向に投影する。なお、図30はまっすぐ投影する場合を示しており、この場合は、偏光変換器30bを図25、図26のいずれの取り付け方で行っても構わない。
【0197】
一方、投影装置1で使用する光源としては、広範囲波長の連続発光スペクトルの光源や、またはRGB投射光に広範囲波長の連続スペクトルを使用する光源などである。一般的なLCDプロジェクタでは、UHP(Ultra High Performance)ランプやXe(キセノン)ランプ等の連続波長光源を使用しているため、事実上ほぼすべのLCDプロジェクタに対して、投影装置1の機能を適用することができる。
【0198】
次に従来技術と本技術とを比較して差異について説明する。図31は投影装置の投影イメージを示す図である。従来の投影装置300から発せられた投射光においては、スクリーン7への入射光およびスクリーン7からの反射光は無偏光化されていなかった。これに対し、本技術の投影装置1から発せられる投射光は、スクリーン7への入射光およびスクリーン7からの反射光共に無偏光状態化されている。
【0199】
以上説明したように、投影装置1によれば、RGBすべての投射光を無偏光化する構成とした。従来では、RGBを同じ方向の直線偏光に単に揃えていただけであったが、投影装置1では、RGBすべてを無偏光化した。
【0200】
これにより、3Dメガネを傾けない状態で、3Dメガネ越しの3D画の色ムラを大幅に低減することが可能になる。さらに、3Dメガネを例えば、±25°程度傾けた状態(カスタマーの使用範囲を想定)で、3Dメガネ越しの3D画の色ムラ/輝度落ちを大幅に低減することが可能になる。
【0201】
さらに、投影装置1は、あらゆるアクティブシャッター方式3DのLCDプロジェクタ、光学部材または使用環境に対応できるため親和性が高く、サービス性にも優れている。例えば、あらゆる反射型LCD、透過型LCD等のLCDプロジェクタに対応可能であり、また、あらゆる色合成プリズム(SPS方式、SSS方式)にも対応可能である。
【0202】
さらに、投射レンズ等にプラスチックレンズを使用することも可能であり、また、あらゆるスクリーン(シルバースクリーン, ビーズスクリーン, マットスクリーン等)にも対応可能である。さらにまた、投影装置1の偏光変換機能は、カスタマーによる後付けが可能であるため、柔軟性および利便性が高く、装置の改修等も不要である。
【0203】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1) 3原色光を合成する色合成部と、
前記色合成部からの出射光を投射する投射レンズと、
前記投射レンズの投射側に配置され、前記投射レンズにより投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する偏光変換部と、
を有する投影装置。
(2) 前記偏光変換部は、偏光変換素子として、所定波長に対して位相をπシフトする波長選択性1/2波長板、光学軸を1つ持つ有機材料である一軸性有機材料、光学軸を1つ持つ結晶である一軸性結晶のいずれかを有する前記(1)記載の投影装置。
(3) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された第2の1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(4) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(5) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(6) 前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子は、前記赤色S偏光、前記緑色S偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(7) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(8) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記偏光変換部は、1/4波長板と、前記1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(9) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、第2の1/4波長板と、前記第2の1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(10) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(11) 前記偏光変換部は、1/4波長板と、前記1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(12) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、第2の1/4波長板と、前記第2の1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(13) 前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(14) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された第2の1/4波長板とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(15) 前記偏光変換部は、前記投射レンズのフォーカス環に外部から取り付け可能な外枠部品に設けられ、前記投射レンズの投射中心位置を含んで前記外枠部品の片側に寄った位置に前記偏光変換部が設けられている前記(1)乃至(14)のいずれか1つに記載の投影装置。
【0204】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0205】
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0206】
1…投影装置、2…3Dメガネ、10…色合成部、20…投射レンズ、30…偏光変換部、7…スクリーン
【技術分野】
【0001】
本技術は、映像表示を行う投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アクティブシャッター方式の3D(dimensions)機能を有するLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)プロジェクタが開発されている。
【0003】
アクティブシャッター方式とは、遠近感を伴う映像表示方式の1つであり、左眼用と右眼用の映像を交互に表示し、映像の切り替えと同期して左右交互に3Dメガネの視界を相互に遮ることで、視差を生み出して、立体視を可能とするものである。
【0004】
一方、2D画を表示するプロジェクタよりも、3D画を表示する上記のようなプロジェクタの方が、品質を確保するのが困難になってきている。これは、スクリーンで反射した、ある偏光状態の光の中で、3Dメガネによって特定方向の偏光成分のみが透過し、この偏光状態が3D画質に大きく影響(色ムラ、輝度落ち)を与えてしまうためである。
【0005】
2D画表示は、3Dメガネを使用しないため、どの偏光状態も等しく観察者の瞳に光が入り、スクリーン反射後の偏光状態が画質に影響を与えない。これに対し、アクティブシャッター方式3D機能を有するLCDプロジェクタ等では、3Dメガネに届くまでの偏光状態を考慮することが重要となる。
【0006】
従来技術として、水平/垂直方向のRGBの各色の光量比を等しくして、各色の偏光状態を変換する投写型表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−304607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の3D画を表示するプロジェクタでは、プロジェクタの投射光がスクリーンで反射して3Dメガネに到達するまでに、3D画質を向上するための適切な偏光変換処理が施されてはいなかった。
【0009】
このため、3Dメガネを傾けない状態で、3D画の色ムラが見えてしまうといった問題があった。また、3Dメガネを傾けた状態で、3D画の色ムラおよび輝度落ちが見えてしまうといった問題があった。
【0010】
本技術はこのような点に鑑みてなされたものであり、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減させ、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減させて、3D画質を大幅に向上させた投影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、投影装置が提供される。投影装置は、色合成部、投射レンズおよび偏光変換部を備える。色合成部は、3原色光を合成する。投射レンズは、色合成部からの出射光を投射する。偏光変換部は、投射レンズの投射側に配置され、投射レンズにより投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する。
【発明の効果】
【0012】
3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】投影装置の構成例を示す図である。
【図2】偏光状態の変化要素を示す図である。
【図3】3Dメガネを通して見た色ムラを示す図である。
【図4】3Dメガネを通して見た色ムラを示す図である。
【図5】透過型LCD方式プロジェクタの光学ユニット構成例を示す図である。
【図6】反射型LCD方式プロジェクタの光学ユニット構成例を示す図である。
【図7】波長選択性1/2波長板を示す図である。
【図8】波長選択性1/2波長板の特性を説明するための図である。
【図9】一軸性有機材料および一軸性結晶を示す図である。
【図10】一軸性有機材料および一軸性結晶の特性を説明するための図である。
【図11】一軸性有機材料および一軸性結晶の位相差による偏光状態を示す図である。
【図12】投影装置の構成例を示す図である。
【図13】投影装置の構成例を示す図である。
【図14】投影装置の構成例を示す図である。
【図15】投影装置の構成例を示す図である。
【図16】投影装置の構成例を示す図である。
【図17】投影装置の構成例を示す図である。
【図18】投影装置の構成例を示す図である。
【図19】投影装置の構成例を示す図である。
【図20】投影装置の構成例を示す図である。
【図21】投影装置の構成例を示す図である。
【図22】投影装置の構成例を示す図である。
【図23】投影装置の構成例を示す図である。
【図24】設置形態例を示す図である。
【図25】設置形態例を示す図である。
【図26】設置形態例を示す図である。
【図27】投影状態例を示す図である。
【図28】投影状態例を示す図である。
【図29】投影状態例を示す図である。
【図30】投影状態例を示す図である。
【図31】投影装置の投影イメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態を図面を参照して説明する。図1は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1は、色合成部10、投射レンズ20および偏光変換部30を備える。
【0015】
色合成部10は、3原色のR(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を合成する。投射レンズ20は、色合成部10からの出射光を投射する。偏光変換部30は、投射レンズ20の投射側に配置され、投射レンズ20により投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0016】
ここで、偏光変換部30は、偏光変換素子として、所定波長に対して位相をπシフトする波長選択性1/2波長板、光学軸を1つ持つ有機材料である一軸性有機材料、光学軸を1つ持つ結晶である一軸性結晶のいずれかを有している。これらの偏光変換素子により、投射レンズ20により投射された各色光内の波長の偏光を、波長毎に互いに異なる偏光に変換して無偏光状態にする。
【0017】
このように、投影装置1は、色合成部10、投射レンズ20および偏光変換部30を備え、偏光変換部30は、投射レンズ20により投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する構成とした。
【0018】
この構成により、投影装置1からスクリーン7へ向かって投影される投射光は、無偏光状態であり、スクリーン7で反射して観測者の3Dメガネ2に入射する光も無偏光状態である。
【0019】
これにより、3Dメガネ2を傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができるので、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0020】
次に本技術が解決すべき問題点について詳しく説明する。図2は偏光状態の変化要素を示す図である。投影装置(プロジェクタ)50の投射レンズ51からの投射光は、スクリーン7で反射して3Dメガネ2に到達する。3Dメガネ2に入る偏光状態の変化要素は、主に以下の3つによって影響を受ける。
【0021】
(1)プロジェクタ50で発生する偏光ムラ
プロジェクタ50で発生する偏光ムラは、プロジェクタ50内の色合成プリズム52から投射レンズ51までの間で発生する。特に投射レンズ51によって発生し、投射レンズ51がガラスレンズやプラスチックレンズのいずれであっても偏光ムラが発生する。
【0022】
投射レンズ51がガラスレンズの場合では、ガラスレンズの材料、形状、AR(Anti Reflection)コートなどが原因となって偏光ムラが生じる。また、プラスチックレンズの場合では、プラスチックレンズの材料、形状、ARコート、成型条件などによって偏光ムラが発生する。特にプラスチックレンズでは、多大な偏光ムラが発生する。
【0023】
(2)スクリーン7の反射偏光特性
スクリーン7が特にシルバースクリーンの場合では、入射偏光状態を維持したまま反射するので、プロジェクタ50で発生する上記の(1)の偏光ムラがそのまま3D画質に影響を与える。また、偏光特性の面内ムラのあるスクリーンは、以下の(3)の影響を直接受ける。
【0024】
(3)観察者の3Dメガネ2の傾け角
通常の使用状態を想定した際の3Dメガネ2の偏光透過軸に対する傾け角では、観察者が首を傾けると±25°程度となる。観察者が首を傾けて、3Dメガネ2の傾け角が±25°程度になると、3Dメガネ2の偏光透過方向も変化する。その結果、3D画質も大きく変化する。
【0025】
上記の(1)〜(3)による偏光状態変化要素により、3Dメガネ2に入る偏光状態が変化し、従来では、主に以下の2つの問題点が発生していた。
(a)3Dメガネ2を傾けない状態で、3D画の色ムラが見えてしまう。
(b)3Dメガネ2を傾けた状態で、3D画の色ムラおよび輝度落ちが見えてしまう。
【0026】
図3、図4は3Dメガネを通して見た色ムラを示す図である。スクリーン7に対して、例えば、背景が白色の場合に、図3に示すような色ムラ(楕円で示している)が観察されることがある。また、スクリーン7に例えば、偏光特性の面内ムラがある場合は、観察者が首を傾けたときには、図4に示すような線状の色ムラが見えることがある。
【0027】
従来の問題点(a)、(b)を解決する場合は、上述の(1)の偏光状態変化要素にて解決する必要がある。なぜなら、(2)の偏光状態変化要素では、観察者(カスタマー)に対し、設置するスクリーン7を指定できないためである。さらに、(3)の偏光状態変化要素では、3Dメガネ2の標準化の流れの中で、専用3Dメガネにすることは現実的ではないためである。
【0028】
ここで、(1)の偏光状態変化要素にて解決する際、問題点(a)については、以下の方法(#1)〜(#3)で解決することが可能であった。
【0029】
(#1)すべてガラスレンズを使用した投射レンズ51を使用する(プラスチックレンズを使用しない)。しかし、この場合、問題点(a)を解決することができても、問題点(b)を解決することができなかった。
【0030】
(#2)色合成プリズム52がSPS方式の場合、投射レンズ51と、色合成プリズム52との間に、波長選択性1/2波長板(Color Select)を使用する。そして、RGBの順番で、S偏光/P偏光/S偏光を、P偏光/P偏光/P偏光またはS偏光/S偏光/S偏光に揃える。しかし、この場合、問題点(a)を解決することができても、問題点(b)を解決することができなかった。
【0031】
なお、一般的にプロジェクタで使用する色合成プリズムでは、緑色光は、S偏光のときよりもP偏光のときの方が、透過率が高いので、SSS方式よりもSPS方式の方が主流である。ただし、色合成プリズムの出射後のRGBの偏光を揃えるためにSSS方式も使用されている。
【0032】
(#3)色合成プリズム52をSSS方式にする。しかし、この場合、問題点(a)を解決することができても、問題点(b)を解決することができなかった。また、G(Green)の透過率が大幅に落ちるため、2D輝度が大幅に落ちてしまう。
【0033】
このように、問題点(a)に対しては、上記の(#1)〜(#3)の解決方法がある。しかし、方法(#1)〜(#3)では、問題点(b)については解決することができない。なぜなら、(#1)〜(#3)の方法では、いずれも単にRGBを同じ方向の直線偏光に揃えているだけで、プロジェクタ50の投射光を無偏光に変換できていなかったためである(この無偏光化が解決手段となることも発見されていなかった)。
【0034】
本技術はこのような点に鑑みてなされたものであり、3Dメガネ2を傾けない状態での3D画の色ムラを低減させ、かつ3Dメガネ2を傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減させて、3D画質を大幅に向上させた投影装置1を提供するものである。
【0035】
次に投影装置1の適用例として、透過型LCD方式プロジェクタおよび反射型LCD方式プロジェクタについて説明する。
【0036】
図5は透過型LCD方式プロジェクタの光学ユニット構成例を示す図である。透過型LCD方式プロジェクタ100は、光源部、照明光学系、分離光学系、光変調素子部、合成光学系および投射光学系を有している。
【0037】
光源部は、光源101およびリフレクタ102を有する。光源101は、例えば、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどのHID(High Intensity Discharge)ランプであり、白色光を出射する。光源101は、リフレクタ102の焦点位置に配置され、光源101から出射した白色光をリフレクタ102で反射して略平行光を生成する。なお、リフレクタ102は、パラボラ形状だけでなく、楕円形状等もある。
【0038】
照明光学系は、UV(Ultra Violet)カットフィルタ111、フライアイレンズ112−1、112−2、偏光分離素子113、波長板ユニット(偏光変調素子)114およびコンデンサレンズ115を有している。
【0039】
UVカットフィルタ111は、光源101の前方に設けられ、光源101から出射される紫外線の通過を阻止する。フライアイレンズ112−1、112−2は、リフレクタ102で反射した略平行光を入射し、偏光分離素子113に出射する。フライアイレンズ112−1、112−2は、光変調素子部に入射する光の照度を均一化する。
【0040】
偏光分離素子113は、入射光束を第1の偏光成分と第2の偏光成分に分離する。例えば、偏光分離素子113は、S偏光とP偏光を含む光を入射して、第1の領域にP偏光を出射し、第2の領域にS偏光を出射する。
【0041】
波長板ユニット114は、偏光分離素子113からの出射光の偏光軸を所定方向に揃える。例えば、波長板ユニット114は、第1の領域に入射したP偏光をS偏光に変調し、偏光軸を第2の領域に入射したS偏光と揃える。
【0042】
コンデンサレンズ115は、波長板ユニット114の出射光を入射して集光する。コンデンサレンズ115を出射した白色光は、分離光学系に入射する。
【0043】
分離光学系は、コンデンサレンズ115からの入射光をRGB(赤色、緑色、青色)に分離する。分離光学系は、ダイクロイックミラー121−1、121−2、反射ミラー122−1〜122−3、リレーレンズ123−1、123−2、コンデンサレンズ124R、124G、124Bを有している。
【0044】
ダイクロイックミラー121−1、121−2は、RGBの各光をその波長帯域により選択的に透過または反射する。ダイクロイックミラー121−1は、緑色波長帯域の光Gおよび赤色波長帯域の光Rを透過し、青色波長帯域の光Bを反射する。ダイクロイックミラー121−2は、赤色波長帯域の光Rを透過し、緑色波長帯域の光Gを反射する。これにより、白色光は、RGBの3色に色分離される。なお、ダイクロイックミラーは、赤色分離または青色分離のどちらの分離方式においても使用される。
【0045】
反射ミラー122−1は、全反射ミラーで構成され、ダイクロイックミラー121−1で分離された青色波長帯域の光Bを反射して光変調素子125Bに導く。反射ミラー122−2、122−3は、全反射ミラーで構成され、ダイクロイックミラー121−2で分離された赤色波長帯域の光Rを反射して光変調素子125Rに導く。
【0046】
リレーレンズ123−1、123−2は、赤色波長帯域の光Rについての光路長の補正をおこなう。コンデンサレンズ124R、124G、124Bは、緑色波長帯域の光G、赤色波長帯域の光R、および青色波長帯域の光Bをそれぞれ収束する。
【0047】
分離光学系から出射される緑色波長帯域の光G、赤色波長帯域の光R、および青色波長帯域の光Bは、それぞれ光変調素子125R、125G、125Bに入射する。
【0048】
光変調素子125R、125G、125Bの前方(光源側)には、入射側偏光板128R、128G、128Bがあり、分離光学系から出射される緑色波長帯域の光G、赤色波長帯域の光R、および青色波長帯域の光Bの偏光成分を揃える。
【0049】
光変調素子125R、125G、125Bは、赤色波長帯域の光R、緑色波長帯域の光G、および青色波長帯域の光Bをそれぞれ空間変調する。出射側偏光板129R、129G、129Bは、空間変調された光のうち、所定の偏光成分を透過する。
【0050】
合成光学系は、色合成プリズム126を有する。色合成プリズム126は、緑色波長帯域の光Gを透過し、赤色波長帯域の光Rおよび青色波長帯域の光Bを投射光学系方向に反射するように構成されている。
【0051】
色合成プリズム126は、例えば、複数のガラスプリズム(4つの略同形状の直角二等辺プリズム)を接合することによって構成されており、各ガラスプリズムの接合面には、所定の光学特性を有する2つの干渉フィルタが形成されている。
【0052】
第1干渉フィルタは、青色波長帯域の光Bを反射し、赤色波長帯域の光Rおよび緑色波長帯域の光Gを透過する。第2干渉フィルタは、赤色波長帯域の光Rを反射し、緑色波長帯域の光Gおよび青色波長帯域の光Bを透過する。
【0053】
したがって、光変調素子125R、125G、125Bによって変調されたRGBの各光は、色合成プリズム126で合成されて、投射光学系に入射する。
【0054】
投射光学系である投影レンズ127は、色合成プリズム126からの出射光を所定の倍率に拡大してスクリーン7に映像を投影する。
【0055】
図6は反射型LCD方式プロジェクタの光学ユニット構成例を示す図である。反射型LCD方式プロジェクタ200において、光源201は、リフレクタ202の焦点位置に配置され、光源201から出射した白色光をリフレクタ202で反射して略平行光を生成する。UV/IR(Ultra Violet/Infrared Rays)カットフィルタ211は、略平行光を受光して紫外線および赤外線の通過を阻止する。なお、リフレクタ202は、パラボラ形状だけでなく、楕円形状等もある。
【0056】
フライアイレンズ212−1、212−2は、光の照度を均一化し、PSコンバータ(偏光変換素子)213は、P偏光/S偏光のランダム偏光の偏光方向を揃える。メインコンデンサレンズ221は、PSコンバータ213で偏光方向が揃って均一化された白色照明光を集光する。
【0057】
ダイクロイックミラー222は、赤色の波長領域の光LRと、緑色および青色の波長領域の光LGBとを分離する。なお、ダイクロイックミラー222は、赤色分離または青色分離のどちらの分離方式においても使用される。反射ミラー223は、ダイクロイックミラー222で分離された赤光LRを反射する。
【0058】
反射ミラー224は、ダイクロイックミラー222で分離された緑および青光LGBを反射する。ダイクロイックミラー225は、反射ミラー224で反射された光LGBのうち緑色の波長領域のみ反射し、青色の波長領域が透過する。
【0059】
偏光板226Rは、反射ミラー223で反射されたP偏光である赤光LRを透過して反射型液晶パネル230Rに入射させ、反射型液晶パネル230Rで空間変調され、S偏光に変換された赤光を反射して色合成プリズム240に入射させる。なお、色合成プリズム240のRGBの入射面それぞれに偏光板が配置されてもよい。
また、SSS方式時には、緑色光は色合成プリズム240にそのまま入射する。SPS方式時には、色合成プリズム240の入射側に1/2波長板が配置され、緑色光はP偏光で色合成プリズム240に入射する。
【0060】
偏光板226Gは、ダイクロイックミラー225で反射されたP偏光である緑光LGを透過して反射型液晶パネル230Gに入射させ、反射型液晶パネル230Gで空間変調され、S偏光に変換された緑光を反射して色合成プリズム240に入射させる。
【0061】
偏光板226Bは、ダイクロイックミラー225を透過したP偏光である青光LBを透過して反射型液晶パネル230Bに入射させ、反射型液晶パネル230Bで空間変調され、S偏光に変換された青光を反射して色合成プリズム240に入射させる。なお、各偏光板226R、226G、226Bの入射側には、光学レンズ227〜229が配置される(光学レンズ228と偏光板226Gとの間にも偏光板が配置される場合がある)。
【0062】
ここで、光源201より出力された白色光は、フライアイレンズ212−1、212−2により照度が均一化され、PSコンバータ213により所定の偏光に揃えられる。そして、その出力光が、メインコンデンサレンズ221により反射型液晶パネル230R、230G、230Bを照射するように配向された後、色分離ミラーとしてのダイクロイックミラー222、225等により3つの波長帯域の光に分離される。
【0063】
分離された各色光は、反射型偏光板に入射し、ある一方向の偏光方向の光のみが、偏光板226R、226G、226Bによって選択されて、反射型液晶パネル230R、230G、230Bに入射する。各反射型液晶パネル230R、230G、230Bには、RGBの光が入射することになる。
【0064】
反射型液晶パネル230R、230G、230Bには入射光に対応した色の映像信号が印加され、映像信号に従い、入射光の偏光方向を回転させて変調出力する。液晶パネルから出射した被変調光は、再び偏光板226R、226G、226Bに入射する。
【0065】
偏光板226R、226G、226Bに入射した偏光から90度回転した偏光成分のみ選択され、色合成プリズム240に入射する。3枚の反射型液晶パネルにて変調された各色光は、色合成プリズム240において、同じ方向に合成されて出射される。色合成プリズム240からの出射合成光は、投影レンズ250により、スクリーン7に投影出力される。
【0066】
次に投影装置1における偏光変換部30について説明する。偏光変換部30では、偏光変換素子を含み、偏光変換素子としては、波長選択性1/2波長板、一軸性有機材料、一軸性結晶のいずれかを用いる。以下、各特性について説明する。
【0067】
図7は波長選択性1/2波長板を示す図である。波長選択性1/2波長板31aは、第1の光軸と、第1の光軸に直交する第2の光軸とを有し、所定の波長の光を横振動から縦振動へ、縦振動から横振動へ変換し、所定波長の位相をπシフトする特性を有している。
【0068】
図8は波長選択性1/2波長板の特性を説明するための図である。波長選択性1/2波長板31aに、直線偏光化された入射光線が、その振動方向が第1の光軸方向に対して平行に(0゜またはπの角度で)入射したとき、位相がπシフトして、第2の光軸と平行な光線が出射する。
【0069】
逆に、波長選択性1/2波長板31aに、直線偏光化された入射光線が、その振動方向が第2の光軸方向に対して平行に(0゜またはπの角度で)入射したとき、位相がπシフトして、第1の光軸と平行な光線が出射する。
【0070】
ここで、投影装置1で波長選択性1/2波長板31aを使用する場合、入射光線を第1、第2の光軸に対して平行な光線を波長選択性1/2波長板31aに入射するのではなく、第1、第2の光軸に対して平行ではない直線偏光、円偏光、楕円偏光等を入射することが好ましい。
【0071】
すなわち、投射レンズ20での投射光は、波長選択性1/2波長板31aの第1、第2の光軸に対して平行ではない偏光であるほど、出射光は“波長ごとに異なる偏光”に近くなり、無偏光状態となる。
【0072】
このように、第1、第2の光軸に対して、光振動方向が平行ではない偏光が、波長選択性1/2波長板31aを透過することで、投射レンズ20からの投射光は、波長選択性1/2波長板31aによって、波長毎に互いに異なる偏光に変換されて無偏光状態となる。
【0073】
なお、投射レンズ20として偏光乱れの激しいプラスチックレンズを使用するような場合は、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向く1/4波長板を、波長選択性1/2波長板31aと組み合わせて使用してもよい。
【0074】
例えば、波長選択性1/2波長板31aの入射側に1/4波長板を配置することで、波長選択性1/2波長板31aの第1、第2の光軸に対して、光振動方向がより平行ではない偏光を、波長選択性1/2波長板31aに入射でき、偏光状態をより無偏光状態に近づかせることが可能になる。
【0075】
図9は一軸性有機材料および一軸性結晶を示す図である。一軸性有機材料31bは、光学軸を1つ持つ有機材料であって、例えば、高位相差板が該当する。一軸性有機材料31bの入射光に与える位相差は10000nm以上である。
【0076】
また、一軸性結晶31cは、光学軸を1つ持つ結晶である。例えば、水晶(石英)、サファイア、方解石、フッ化マグネシウム、カルサイト等が該当する。一軸性結晶31cの入射光に与える位相差は10000nm程度である(水晶の場合は1mm程度)。一方、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cは共に、遅相軸が45°である。
【0077】
図10は一軸性有機材料および一軸性結晶の特性を説明するための図である。一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cは、図10に示す遅相軸と同じ方向の光の振動を持つ入射光に対しては屈折率が大きく働き、遅相軸と同じ方向にない光の振動を持つ入射光に対しては、屈折率は小さく働くという特性を有している。
【0078】
したがって、入射偏光が、遅相軸に対して45°ずれた方向に振動(回転)する偏光の場合は、出射偏光は無偏光となる。また、入射偏光が、遅相軸に対して0°、90°ずれた方向に振動する偏光の場合は、出射偏光は入射偏光の位相と同じで変化しない。
【0079】
一方、入射偏光が、遅相軸に対して上記以外の方向に振動する偏光の場合は、出射偏光は偏りの大きな偏光が出射して、無偏光状態とはかけ離れた状態となる。
【0080】
ここで、投影装置1で一軸性有機材料31bまたは一軸性結晶31cを使用する場合、入射光線は、遅相軸に対して45°ずれた方向に振動する偏光の直線偏光、円偏光、楕円偏光等を入射することが好ましい。
【0081】
すなわち、投射レンズ20からの投射光は、一軸性有機材料31bまたは一軸性結晶31cの遅相軸に対して45°ずれた方向に振動する偏光であって、このような偏光が、一軸性有機材料31bまたは一軸性結晶31cに入射することになる。
【0082】
このように、遅相軸に対して45°ずれた方向に振動する偏光が、一軸性有機材料31bまたは一軸性結晶31cを透過することで、投射レンズ20からの投射光は、一軸性有機材料31bまたは一軸性結晶31cによって、波長毎に互いに異なる偏光に変換されて無偏光状態となる。
【0083】
ここで、投射レンズ20の前に配置させる偏光変換素子としては、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cよりも、波長選択性1/2波長板31aの方が高効果といえる。これは、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cは、入射光が遅相軸より45°ずれた方向に振動する偏光のときに最大の効果を発揮するが、投射レンズ20の前では45°方向以外の偏光もあるからである。
【0084】
ただし、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cは、投射レンズ20の偏光乱れ具合が小さい場合(例えば、投射レンズ20をガラスレンズにした場合)では、十分効果を発揮するものであり、また、波長選択性1/2波長板よりも安価である。
【0085】
なお、上記では、偏光変換素子として、波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cの各特性について説明したが、波長毎に互いに異なる偏光に変換する機能を持つ光学部材であれば、波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31c以外の光学部材を使用しても構わない。
【0086】
次に一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cの位相差による偏光状態について説明する。図11は一軸性有機材料および一軸性結晶の位相差による偏光状態を示す図である。縦軸は偏光状態を示し、横軸は波長nmを示している。なお、図中の曲線k1は位相差が500nm、曲線k2は位相差が1000nm、曲線k3は位相差が2000nm、曲線k4(ギザギザ線)は位相差が10000nmである。
【0087】
入射する直線偏光に対して、45°方向に遅相軸があり、位相差量が大きい(例えば、10000nm)場合を考える(図中のギザギザ線に該当)。遅相軸を光が通過する場合、ある波長(例えば550nm)の偏光状態が直線偏光とすると、隣接波長(例えば501nm)の偏光状態は、直線偏光に近い楕円偏光となる。
【0088】
このように使用波長(430〜700nm程度)のそれぞれで偏光状態が異なった光が足し合わされると、波長毎に互いに異なる偏光が生成されるので、無偏光状態を作り出すことができる。
【0089】
したがって、偏光変換素子として、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cを用いた場合、45°方向の遅相軸と高位相差量という条件が揃う場合は、波長変化あたりの偏光変化量が増え、より均一な無偏光状態を生成することが可能である。
【0090】
次に投影装置1における偏光変換処理の各バージョン(光学部材の配置パターン)について図12〜図19を用いて説明する。図12は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−1は、色合成部10−1、投射レンズ20および偏光変換部30−1を備える。
【0091】
色合成部10−1は、色合成プリズム11および1/2波長板12を含む。偏光変換部30−1は、偏光変換素子31を含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0092】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g1sをP偏光に変換して、緑色P偏光g1pを生成する。なお、1/2波長板の一般的な基本機能は、光が通過したとき、2つの直線偏光(平行成分、垂直成分)間に1/2波長(位相差δ=180°+N×360°)の光路差を与えるものであり、主に偏光面を所要の角度へ回転させる目的で使用される(N=1、2、3、・・・)。
【0093】
色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r1sと、緑色P偏光g1pと、青色光のS偏光である青色S偏光b1sとを合成して合成光を生成する。
【0094】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r1sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r11s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0095】
また、合成光内の緑色P偏光g1pは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g11p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b1sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b11s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0096】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r11s、緑色楕円偏光g11pおよび青色楕円偏光b11sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。その後、これらの無偏光状態の投射光は、スクリーンに投射される。
【0097】
上記のような投影装置1−1の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0098】
図13は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−2は、色合成部10−2、投射レンズ20および偏光変換部30−2を備える。
【0099】
色合成部10−2は、色合成プリズム11、1/2波長板12および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−2は、偏光変換素子31を含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0100】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g2sをP偏光に変換して、緑色P偏光g2pを生成する。色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r2sと、緑色P偏光g2pと、青色光のS偏光である青色S偏光b2sとを合成して合成光を生成する。
【0101】
1/4波長板13は、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r2sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r21に変換し、緑色P偏光g2pを右回り円偏光である緑色右回り円偏光g21に変換し、青色S偏光b2sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b21に変換する。
【0102】
なお、1/4波長板の一般的な基本機能は、光が透過したとき、2つの直線偏光(平行成分、垂直成分)間に1/4波長の光路差(位相差δ=90°+N×360°)を与えるもので、主に直線偏光を円偏光に変換、または逆に円偏光を直線偏光に変換する目的に使用される(N=1、2、3、・・・)。
【0103】
ここで、色合成プリズム11からの出射光の投射レンズ20への入射時には、投射レンズ20で反射した反射光が、再び色合成プリズムに逆戻りしてしまう場合がある。このようなことが起きると迷光が発生して、スクリーン上ではゴースト現象などが生じてしまう。このため、本技術では、色合成プリズム11の出射段と、投射レンズ20の入射段との間に上記のような1/4波長板13を配置して、1/4波長板を迷光防止用として使用している。
【0104】
一方、投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r21は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r22s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0105】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g21は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g22p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b21は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b22s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0106】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r22s、緑色楕円偏光g22pおよび青色楕円偏光b22sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。その後、これらの無偏光状態の投射光は、スクリーンに投射される。
【0107】
上記のような投影装置1−2の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0108】
図14は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−3は、色合成部10−3、投射レンズ20および偏光変換部30−3を備える。
偏光変換部30−3は、偏光変換素子31を含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0109】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r3sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g3sと、青色光のS偏光である青色S偏光b3sとを合成して合成光を生成する。
【0110】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r3sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r31s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0111】
また、合成光内の緑色S偏光g3sは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g31s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b3sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b31s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0112】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r31s、緑色楕円偏光g31sおよび青色楕円偏光b31sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。その後、これらの無偏光状態の投射光は、スクリーンに投射される。
【0113】
上記のような投影装置1−3の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0114】
図15は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−4は、色合成部10−4、投射レンズ20および偏光変換部30−4を備える。
色合成部10−4は、色合成プリズム11および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−4は、偏光変換素子31を含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0115】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r4sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g4sと、青色光のS偏光である青色S偏光b4sとを合成して合成光を生成する。
【0116】
1/4波長板13は、上述の迷光防止のために、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r4sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r41に変換し、緑色S偏光g4sを左回り円偏光である緑色左回り円偏光g41に変換し、青色S偏光b4sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b41に変換する。
【0117】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r41は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r42s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0118】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g41は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g42s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b41は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b42s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0119】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r42s、緑色楕円偏光g42sおよび青色楕円偏光b42sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。その後、これらの無偏光状態の投射光は、スクリーンに投射される。
【0120】
上記のような投影装置1−4の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0121】
図16は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−5は、色合成部10−5、投射レンズ20および偏光変換部30−5を備える。
【0122】
色合成部10−5は、色合成プリズム11および1/2波長板12を含む。偏光変換部30−5は、偏光変換素子31および1/4波長板32aを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0123】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g5sをP偏光に変換して、緑色P偏光g5pを生成する。色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r5sと、緑色P偏光g5pと、青色光のS偏光である青色S偏光b5sとを合成して合成光を生成する。
【0124】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r5sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r51s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0125】
また、合成光内の緑色P偏光g5pは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g51p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b5sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b51s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0126】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r51s、緑色楕円偏光g51pおよび青色楕円偏光b51sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0127】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の出射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32aを設けてもよい。1/4波長板32aをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0128】
上記のような投影装置1−5の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0129】
図17は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−6は、色合成部10−6、投射レンズ20および偏光変換部30−6を備える。
【0130】
色合成部10−6は、色合成プリズム11、1/2波長板12および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−6は、偏光変換素子31および1/4波長板32aを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0131】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g6sをP偏光に変換して、緑色P偏光g6pを生成する。色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r6sと、緑色P偏光g6pと、青色光のS偏光である青色S偏光b6sとを合成して合成光を生成する。
【0132】
1/4波長板13は、上述の迷光防止のために、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r6sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r61に変換し、緑色P偏光g6pを右回り円偏光である緑色右回り円偏光g61に変換し、青色S偏光b6sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b61に変換する。
【0133】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r61は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r62s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0134】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g61は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g62p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b61は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b62s(S偏光に近い楕円偏光)に変換する。
【0135】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r62s、緑色楕円偏光g62pおよび青色楕円偏光b62sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0136】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の出射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32aを設けてもよい。1/4波長板32aをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0137】
上記のような投影装置1−6の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0138】
図18は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−7は、色合成部10−7、投射レンズ20および偏光変換部30−7を備える。
【0139】
色合成部10−7は、色合成プリズム11および1/2波長板12を含む。偏光変換部30−7は、偏光変換素子31および1/4波長板32bを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0140】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g7sをP偏光に変換して、緑色P偏光g7pを生成する。色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r7sと、緑色P偏光g7pと、青色光のS偏光である青色S偏光b7sとを合成して合成光を生成する。
【0141】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r7sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r71s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0142】
また、合成光内の緑色P偏光g7pは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g71p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b7sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b71s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0143】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r71s、緑色楕円偏光g71pおよび青色楕円偏光b71sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0144】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、投射レンズ20の投射側と、偏光変換素子31の入射側との間に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32bを設けてもよい。1/4波長板32bをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0145】
上記のような投影装置1−7の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0146】
図19は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−8は、色合成部10−8、投射レンズ20および偏光変換部30−8を備える。
【0147】
色合成部10−8は、色合成プリズム11、1/2波長板12および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−8は、偏光変換素子31および1/4波長板32bを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0148】
1/2波長板12は、SPS方式の色合成プリズム11の緑色光の入射側に配置され、緑色光のS偏光g8sをP偏光に変換して、緑色P偏光g8pを生成する。色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r8sと、緑色P偏光g8pと、青色光のS偏光である青色S偏光b8sとを合成して合成光を生成する。
【0149】
1/4波長板13は、上述の迷光防止のために、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r8sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r81に変換し、緑色P偏光g8pを右回り円偏光である緑色右回り円偏光g81に変換し、青色S偏光b8sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b81に変換する。
【0150】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r81は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r82s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0151】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g81は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g82p(P偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b81は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b82s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0152】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r82s、緑色楕円偏光g82pおよび青色楕円偏光b82sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0153】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、投射レンズ20の投射側と、偏光変換素子31の入射側との間に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32bを設けてもよい。1/4波長板32bをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0154】
上記のような投影装置1−8の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0155】
なお、図19で示した投射装置1−8は、最良の光学形態となる。投影装置1−8のような光学形態とすることにより、投射レンズ20にプラスチックレンズを使用可能である(偏光ムラが多大なプラスチックレンズでも対応可能)。
【0156】
また、色合成プリズム11をSPS方式で使用するため、2D輝度が最大となる。さらに、色合成プリズム11の出射側へ1/4波長板13を入射偏光に対して45°の向きに光軸が向くように配置することで、投射レンズ20に起因する迷光を防止できる。
【0157】
さらにまた、投射レンズ20の投射段に、1/4波長板32bを入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように配置する。そして、偏光変換素子31として波長選択性1/2波長板31aを、入射偏光に対して2つの光軸が0°または90°の方向になるように配置する。これにより、無偏光状態を効率よく生成して、色ムラおよび輝度落ちを大幅に低減することが可能になる。
【0158】
図20は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−9は、色合成部10−9、投射レンズ20および偏光変換部30−9を備える。
偏光変換部30−9は、偏光変換素子31および1/4波長板32aを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0159】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r9sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g9sと、青色光のS偏光である青色S偏光b9sとを合成して合成光を生成する。
【0160】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r9sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r91s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。また、合成光内の緑色S偏光g9sは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g91s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b9sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b91s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0161】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r91s、緑色楕円偏光g91sおよび青色楕円偏光b91sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0162】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の出射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32aを設けてもよい。1/4波長板32aをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0163】
上記のような投影装置1−9の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0164】
図21は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−10は、色合成部10−10、投射レンズ20および偏光変換部30−10を備える。
色合成部10−10は、色合成プリズム11および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−10は、偏光変換素子31および1/4波長板32aを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0165】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r10sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g10sと、青色光のS偏光である青色S偏光b10sとを合成して合成光を生成する。
【0166】
1/4波長板13は、上述の迷光防止のために、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r10sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r101に変換し、緑色S偏光g10sを左回り円偏光である緑色左回り円偏光g101に変換し、青色S偏光b10sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b101に変換する。
【0167】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r101は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r102s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0168】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g101は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g102s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b101は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b102s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0169】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r102s、緑色楕円偏光g102sおよび青色楕円偏光b102sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0170】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の出射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32aを設けてもよい。1/4波長板32aをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0171】
上記のような投影装置1−10の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0172】
図22は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−11は、色合成部10−11、投射レンズ20および偏光変換部30−11を備える。
偏光変換部30−11は、偏光変換素子31および1/4波長板32bを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0173】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r11sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g11sと、青色光のS偏光である青色S偏光b11sとを合成して合成光を生成する。
【0174】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色S偏光r11sは、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r111s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。また、合成光内の緑色S偏光g11sは、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g111s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色S偏光b11sは、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b111s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0175】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r111s、緑色楕円偏光g111sおよび青色楕円偏光b111sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0176】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の入射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32bを設けてもよい。1/4波長板32bをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0177】
上記のような投影装置1−11の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0178】
図23は投影装置の構成例を示す図である。投影装置1−12は、色合成部10−12、投射レンズ20および偏光変換部30−12を備える。
色合成部10−12は、色合成プリズム11および1/4波長板13を含む。偏光変換部30−12は、偏光変換素子31および1/4波長板32bを含む。偏光変換素子31は、図7〜図11で上述した波長選択性1/2波長板31a、一軸性有機材料31bおよび一軸性結晶31cのいずれかを適用する。
【0179】
SSS方式の色合成プリズム11は、赤色光のS偏光である赤色S偏光r12sと、緑色光のS偏光である緑色S偏光g12sと、青色光のS偏光である青色S偏光b12sとを合成して合成光を生成する。
【0180】
1/4波長板13は、上述の迷光防止のために、色合成プリズム11の出射側に、入射偏光に対して45°の方向に光軸が向くように配置される。そして、赤色S偏光r12sを左回り円偏光である赤色左回り円偏光r121に変換し、緑色S偏光g12sを左回り円偏光である緑色左回り円偏光g121に変換し、青色S偏光b12sを左回り円偏光である青色左回り円偏光b121に変換する。
【0181】
投射レンズ20は、合成光を受光して所定の倍率に拡大して投射する。このとき、合成光内の赤色左回り円偏光r121は、投射レンズ20を透過することで、赤色楕円偏光r122s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0182】
また、合成光内の緑色右回り円偏光g121は、投射レンズ20を透過することで、緑色楕円偏光g122s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。さらに、合成光内の青色左回り円偏光b121は、投射レンズ20を透過することで、青色楕円偏光b122s(S偏光に近い楕円偏光)に変換される。
【0183】
偏光変換素子31は、投射レンズ20から投射された、赤色楕円偏光r122s、緑色楕円偏光g122sおよび青色楕円偏光b122sのそれぞれの偏光状態を無偏光状態に変換する。
【0184】
なお、投射レンズ20の偏光乱れ具合によっては、偏光変換素子31の入射段に、入射偏光に対して135°の方向に光軸が向くように1/4波長板32bを設けてもよい。1/4波長板32bをこのように配置することで、偏光状態をより無偏光化することができ、さらに色ムラ/輝度落ちを抑制することが可能になる。
【0185】
上記のような投影装置1−12の構成により、スクリーンへの入射光の偏光状態およびスクリーンでの反射光の偏光状態は、無偏光状態になっている。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画の色ムラを低減し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画の色ムラおよび輝度落ちを低減することができ、3D画質を大幅に向上させることが可能になる。
【0186】
次に投影装置1における偏光変換部30の設置形態について説明する。図24は設置形態例を示す図である。投影装置1aは、装置本体部1a−1(プロジェクタ本体)と、偏光変換器30aとを備え、偏光変換器30aは、装置本体部1a−1に対して、外部から取り付け可能な構成としている。
【0187】
偏光変換器30aは、偏光変換部30およびメカ枠部品3aを含み、メカ枠部品3aに偏光変換部30が設置されている。メカ枠部品3aは、例えば、L型金具などであって、偏光変換部30が、装置本体部1a−1内の投射レンズの投射位置にくるように、メカ枠部品3aが装置本体部1a−1に対して適切な位置に固定設置される。
【0188】
図25、図26は設置形態例を示す図である。投影装置1bは、装置本体部1b−1(プロジェクタ本体)と、偏光変換器30bとを備え、偏光変換器30bは、装置本体部1b−1に対して、外部から取り付け可能な構成としている。
【0189】
偏光変換器30bは、偏光変換部30およびメカ枠部品3bを含み、メカ枠部品3bに偏光変換部30が設置されている。メカ枠部品3bは、装置本体部1b−1内の投射レンズのフォーカス環8に取り付け可能な形状を有している。
【0190】
また、偏光変換部30は、メカ枠部品3bに対して、投射レンズの投射中心位置を含んで、メカ枠部品3bの片側に寄った位置に設けられている。
【0191】
図25、図26では、このような偏光変換器30bをフォーカス環8に取り付け状態を示している。図25の場合では、偏光変換部30の窓が上側(シフトダイヤル9側)になるように取り付けるイメージを示している。図26の場合では、偏光変換部30の窓が下側になるように取り付けるイメージを示している。
【0192】
図27〜図30は投影状態例を示す図である。図27は、図25で上述したような、偏光変換部30の窓が上側(シフトダイヤル9側)になるように、偏光変換器30bが取り付けられたときの投影装置1bの投影状態を示している。この場合、図27では、投影装置1bの投射レンズを上向きにして、スクリーンに対して上方向に投影する。
【0193】
一方、図28では、投影装置1bを天井から吊るして、スクリーンに対して下方向に投影している。図28のように投影装置1bを天井から吊るす(装置天面と天吊り金具を接続する)場合は、図26に示すように、窓が下側(シフトダイヤル9側でない側)になるようにする。
【0194】
ただし、天井から吊るす場合は、投影装置1bを上下逆さまにするケースが多い(装置底面に天吊り金具をつけるビス穴が開いているため)。その時は、図25のように窓が上側(シフトダイヤル9側)になるようにする。
【0195】
なお、高いところから打ち下げる投射をする場合は、上記天吊りケース以外には、高いラックに投影装置1bを置くケースがある。その際は、図26のように窓が下側(シフトダイヤル9側でない側)になる。
【0196】
図29は、図26で上述したような、偏光変換部30の窓が下側になるように、偏光変換器30bが取り付けられたときの投影装置1bの投影状態を示している。この場合、投影装置1bの投射レンズを下向きにして、スクリーンに対して下方向に投影する。なお、図30はまっすぐ投影する場合を示しており、この場合は、偏光変換器30bを図25、図26のいずれの取り付け方で行っても構わない。
【0197】
一方、投影装置1で使用する光源としては、広範囲波長の連続発光スペクトルの光源や、またはRGB投射光に広範囲波長の連続スペクトルを使用する光源などである。一般的なLCDプロジェクタでは、UHP(Ultra High Performance)ランプやXe(キセノン)ランプ等の連続波長光源を使用しているため、事実上ほぼすべのLCDプロジェクタに対して、投影装置1の機能を適用することができる。
【0198】
次に従来技術と本技術とを比較して差異について説明する。図31は投影装置の投影イメージを示す図である。従来の投影装置300から発せられた投射光においては、スクリーン7への入射光およびスクリーン7からの反射光は無偏光化されていなかった。これに対し、本技術の投影装置1から発せられる投射光は、スクリーン7への入射光およびスクリーン7からの反射光共に無偏光状態化されている。
【0199】
以上説明したように、投影装置1によれば、RGBすべての投射光を無偏光化する構成とした。従来では、RGBを同じ方向の直線偏光に単に揃えていただけであったが、投影装置1では、RGBすべてを無偏光化した。
【0200】
これにより、3Dメガネを傾けない状態で、3Dメガネ越しの3D画の色ムラを大幅に低減することが可能になる。さらに、3Dメガネを例えば、±25°程度傾けた状態(カスタマーの使用範囲を想定)で、3Dメガネ越しの3D画の色ムラ/輝度落ちを大幅に低減することが可能になる。
【0201】
さらに、投影装置1は、あらゆるアクティブシャッター方式3DのLCDプロジェクタ、光学部材または使用環境に対応できるため親和性が高く、サービス性にも優れている。例えば、あらゆる反射型LCD、透過型LCD等のLCDプロジェクタに対応可能であり、また、あらゆる色合成プリズム(SPS方式、SSS方式)にも対応可能である。
【0202】
さらに、投射レンズ等にプラスチックレンズを使用することも可能であり、また、あらゆるスクリーン(シルバースクリーン, ビーズスクリーン, マットスクリーン等)にも対応可能である。さらにまた、投影装置1の偏光変換機能は、カスタマーによる後付けが可能であるため、柔軟性および利便性が高く、装置の改修等も不要である。
【0203】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1) 3原色光を合成する色合成部と、
前記色合成部からの出射光を投射する投射レンズと、
前記投射レンズの投射側に配置され、前記投射レンズにより投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する偏光変換部と、
を有する投影装置。
(2) 前記偏光変換部は、偏光変換素子として、所定波長に対して位相をπシフトする波長選択性1/2波長板、光学軸を1つ持つ有機材料である一軸性有機材料、光学軸を1つ持つ結晶である一軸性結晶のいずれかを有する前記(1)記載の投影装置。
(3) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された第2の1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(4) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(5) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(6) 前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子は、前記赤色S偏光、前記緑色S偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(7) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(8) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記偏光変換部は、1/4波長板と、前記1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(9) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、第2の1/4波長板と、前記第2の1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(10) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(11) 前記偏光変換部は、1/4波長板と、前記1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(12) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、第2の1/4波長板と、前記第2の1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(13) 前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(14) 前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された第2の1/4波長板とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する前記(1)乃至(2)のいずれか1つに記載の投影装置。
(15) 前記偏光変換部は、前記投射レンズのフォーカス環に外部から取り付け可能な外枠部品に設けられ、前記投射レンズの投射中心位置を含んで前記外枠部品の片側に寄った位置に前記偏光変換部が設けられている前記(1)乃至(14)のいずれか1つに記載の投影装置。
【0204】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0205】
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0206】
1…投影装置、2…3Dメガネ、10…色合成部、20…投射レンズ、30…偏光変換部、7…スクリーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3原色光を合成する色合成部と、
前記色合成部からの出射光を投射する投射レンズと、
前記投射レンズの投射側に配置され、前記投射レンズにより投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する偏光変換部と、
を有する投影装置。
【請求項2】
前記偏光変換部は、偏光変換素子として、所定波長に対して位相をπシフトする波長選択性1/2波長板、光学軸を1つ持つ有機材料である一軸性有機材料、光学軸を1つ持つ結晶である一軸性結晶のいずれかを有する請求項1記載の投影装置。
【請求項3】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された第2の1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項4】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項5】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項6】
前記色合成部は、色合成プリズムを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子は、前記赤色S偏光、前記緑色S偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項7】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項8】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記偏光変換部は、1/4波長板と、前記1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項9】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、第2の1/4波長板と、前記第2の1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項10】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項11】
前記偏光変換部は、1/4波長板と、前記1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記色合成部は、色合成プリズムを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項12】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、第2の1/4波長板と、前記第2の1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項13】
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記色合成部は、色合成プリズムを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項14】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された第2の1/4波長板とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項15】
前記偏光変換部は、前記投射レンズのフォーカス環に外部から取り付け可能な外枠部品に設けられ、前記投射レンズの投射中心位置を含んで前記外枠部品の片側に寄った位置に前記偏光変換部が設けられている請求項1記載の投影装置。
【請求項1】
3原色光を合成する色合成部と、
前記色合成部からの出射光を投射する投射レンズと、
前記投射レンズの投射側に配置され、前記投射レンズにより投射された各色光の偏光状態を無偏光状態に変換する偏光変換部と、
を有する投影装置。
【請求項2】
前記偏光変換部は、偏光変換素子として、所定波長に対して位相をπシフトする波長選択性1/2波長板、光学軸を1つ持つ有機材料である一軸性有機材料、光学軸を1つ持つ結晶である一軸性結晶のいずれかを有する請求項1記載の投影装置。
【請求項3】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された第2の1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項4】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項5】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項6】
前記色合成部は、色合成プリズムを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子は、前記赤色S偏光、前記緑色S偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項7】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項8】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記偏光変換部は、1/4波長板と、前記1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項9】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板と、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、第2の1/4波長板と、前記第2の1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色P偏光を右回り円偏光である緑色右回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色右回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項10】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記色合成プリズムの緑色光の入射側に配置された1/2波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記1/2波長板は、緑色光のS偏光をP偏光に変換し、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のP偏光である緑色P偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項11】
前記偏光変換部は、1/4波長板と、前記1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記色合成部は、色合成プリズムを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項12】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、第2の1/4波長板と、前記第2の1/4波長板の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された前記偏光変換素子とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項13】
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された1/4波長板とを備え、
前記色合成部は、色合成プリズムを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記偏光変換素子および前記1/4波長板は、前記赤色S偏光、前記緑色P偏光および前記青色S偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項14】
前記色合成部は、色合成プリズムと、前記投射レンズの入射側と前記色合成プリズムの出射側との間に配置された第1の1/4波長板とを備え、
前記偏光変換部は、前記偏光変換素子と、前記偏光変換素子の入射側と前記投射レンズの投射側との間に配置された第2の1/4波長板とを備え、
前記色合成プリズムは、赤色光のS偏光である赤色S偏光と、緑色光のS偏光である緑色S偏光と、青色光のS偏光である青色S偏光とを合成し、
前記第1の1/4波長板は、前記赤色S偏光を左回り円偏光である赤色左回り円偏光に変換し、前記緑色S偏光を左回り円偏光である緑色左回り円偏光に変換し、前記青色S偏光を左回り円偏光である青色左回り円偏光に変換し、
前記偏光変換素子および前記第2の1/4波長板は、前記赤色左回り円偏光、前記緑色左回り円偏光および前記青色左回り円偏光が、前記投射レンズを透過することで楕円偏光にそれぞれ変換された赤色楕円偏光、緑色楕円偏光および青色楕円偏光の各偏光状態を無偏光状態に変換する請求項2記載の投影装置。
【請求項15】
前記偏光変換部は、前記投射レンズのフォーカス環に外部から取り付け可能な外枠部品に設けられ、前記投射レンズの投射中心位置を含んで前記外枠部品の片側に寄った位置に前記偏光変換部が設けられている請求項1記載の投影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2013−104933(P2013−104933A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247055(P2011−247055)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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