説明

投票ポイントシステム、投票ポイント算出方法およびそのためのプログラム

【課題】出場停止が発生し出場停止となった選手または該選手の乗物に賭けた投票券を購入した会員の累計ポイント値から投票券の購入金額に対するポイント値を減算する。
【解決手段】競技の進行状態を管理し中央管理システム20に送信する競技管理サーバ16と投票ポイントサーバ11とを備え、投票ポイントサーバ11は、会員を特定する情報と該会員が購入した投票券の情報と該会員の現在のポイントの累積値の情報を格納する記憶手段を備えた中央管理システム20内の会員管理システム25に通信可能に接続され、中央管理システム20と通信し、会員が購入した投票券が競技への出場停止をした選手または該選手の乗物に対するものか否かを判定し、その判定結果が肯定のとき当該投票券を購入した時に付与された前記会員のポイント値を受信し、前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公営競技のように直線コースまたは周回コースを移動して着順を競う競技に参加する選手または選手が乗る馬、自転車、オートバイまたはボート等の乗物の着順を当てる投票券にポイントを付与する投票ポイントシステム、投票ポイント算出方法およびそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、公営競馬場のような公営競技場では、競技場の来場者で会員となった者が購入する投票券の金額に応じてポイント、例えば投票券の購入代金100円のつき1ポイントを付与し、累積されたポイント値に対し商品等で還元するサービスを受けることができる。
【0003】
会員登録は、競技場に設置された会員登録端末または投票登録端末で、会員またはオペレータが会員の氏名、生年月日、識別番号等の会員情報を入力することで行われ、会員情報が格納された磁気カードまたはICカードからなる会員カードが発行される。会員カードには会員が購入した投票券の購入金額に応じてポイントが付与される。
【0004】
ポイントは自動発売機または自動発払機に会員カードを挿入して購入した投票券に対して当該会員カードに付与される。従来のトータリゼーションシステム(Totalizator System)では、サーバは、全レースの競技の発券中には発券業務に専念し、全レース終了後には全レースに対するレース毎の売上高、払戻高の集計をバッチ処理し、バッチ処理後にポイントの加算を行っている。したがって、会員に対するポイントの反映は競技の翌日以降になっている。
【0005】
このような投票ポイントシステムにおいて、レースによっては選手または該選手の乗物が競技の直前に競技への出場停止となる場合がある。この出場停止は、競馬では出走取消、競輪では競走除外、オートレースでは欠車、競艇では欠艇と呼ばれている。出場停止が発生すると出場停止となった選手または該選手の乗物に賭けた投票券をすでに購入した会員にその投票券の購入金額に対する払戻しは行われるもののポイントは付与されたままとなっている。また、レースによっては何等かの理由で、例えば競馬で人気馬の出場停止が多数発生するとレースが不成立になる場合がある。このような場合も投票券をすでに購入した会員にその投票券の購入金額に対する払戻しは行われるもののポイントは付与されたままとなっている。
【0006】
特許文献1に記載のポイント処理装置は、センターサーバが自身に接続された端末装置の投票受付部で受け付けた投票券に記録された投票情報を受信し、投票情報とレース結果とを比較し、投票情報に係るレース結果の予想が的中していない場合にポイント値を発生させ、端末装置の投票受付部で受け付けられたポイントカードに記録されたポイントIDに対応してセンターサーバ内のポイントデータベースに格納されている現在のポイント値に加算して上書きして格納する。このポイント処理装置によれば、レース結果の予想が的中した場合には投票券を購入した会員は配当金等を受け取ることができるのでポイント値が加算されなくても満足できるが、レース結果の予想が的中していない場合には投票券を購入した会員は配当金等を受け取ることができないのでポイント値を加算することで報償でき娯楽性が高められる。
【0007】
【特許文献1】特開平2002−92241号公報(特許請求の範囲の[請求項1]、[請求項4]〜[請求項7]、段落番号[0006]、[0009]、[0018]、[0019]、[0022]および[0027]および図面の[図1]参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のポイント処理装置では、会員に対するポイントの反映は競技の翌日以降であり、当日に取得したポイントを利用することができないという問題がある。
【0009】
また、特許文献1に記載のポイント処理装置では、レース不成立が発生した場合や出場停止が発生した場合に、レース不成立となった投票券や出場停止となった選手または該選手の乗物に賭けた投票券を、すでに購入した会員にその投票券の購入金額に対する払戻しは行われるもののポイントは付与されたままとなっており、競技の開催者側にとってこのようなポイントは会員に反映される必要がないものであるにも関わらず付与されたままとなるので過剰なサービスとなり負担が掛かるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、会員に対するポイントの反映を当該競技の確定直後に行う投票ポイントシステム、投票ポイント算出方法およびそのためのプログラムの提供を目的とする。
【0011】
本発明はまた、レース不成立が発生した場合や出場停止が発生した場合に、レース不成立となった投票券や出場停止となった選手または該選手の乗物に賭けた投票券を、すでに購入した会員の累計ポイント値から当該投票券の購入金額に対するポイント値を減算する投票ポイントシステム、投票ポイント算出方法およびそのためのプログラムの提供を他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する本発明による投票ポイントシステムは、
直線コースまたは周回コースを移動して着順を競う競技に参加する選手または該選手の乗物の着順を当てる投票券の購入者にポイントを付与する投票ポイントシステムにおいて、
前記競技の進行状態を管理する競技管理サーバと、
前記投票ポイントシステムに加入する会員を登録する会員登録端末と該会員が購入した前記投票券に対して付与されたポイントの累積値を照会するポイント照会端末と前記投票券を発売する発券機とにそれぞれ通信可能に接続され、前記競技が行われる競技場に設置される投票ポイントサーバとを備え、
前記投票ポイントサーバは、
前記会員を特定する情報と該会員が購入した投票券の情報と該会員の現在のポイントの累積値の情報を格納する会員情報記憶手段を備えた会員管理システムに通信可能に接続され、
ネットワークを介して自身および前記競技管理サーバに通信可能に接続され、該競技管理サーバから前記競技の進行状態に係るデータを受信する中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信し、前記会員が購入した投票券が前記競技への出場停止をした選手または該選手の乗物に対するものか否かを判定し、該判定結果が肯定のとき当該投票券を購入した時に付与された前記会員のポイント値を受信し、前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算する、
ことを特徴とする。
【0013】
上記投票ポイントシステムにおいて、
前記会員管理システムは、前記投票ポイントシステム内に設置される。
【0014】
上記投票ポイントシステムにおいて、
前記会員管理システムは、前記中央管理システム内に設置される。
【0015】
上記投票ポイントシステムにおいて、
前記投票ポイントサーバは、前記中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信し、レース不成立のとき、前記会員が当該レースの投票券を購入した時に付与された該会員のポイント値を受信し、前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算する。
【0016】
上記目的を達成する本発明による投票ポイントシステムにおける投票ポイント算出方法は、
直線コースまたは周回コースを移動して着順を競う競技に参加する選手または該選手の乗物の着順を当てる投票券の購入者にポイントを付与する投票ポイントシステムにおける投票ポイント算出方法において、
前記投票ポイントシステムは、
前記競技の進行状態を管理する競技管理サーバと、
前記投票ポイントシステムに加入する会員を登録する会員登録端末と該会員が購入した前記投票券に対して付与されたポイントの累積値を照会するポイント照会端末と前記投票券を発売する発券機とにそれぞれ通信可能に接続され、前記競技が行われる競技場に設置され、前記会員を特定する情報と該会員が購入した投票券の情報と該会員の現在のポイントの累積値の情報を格納する会員情報記憶手段を備えた会員管理システムに通信可能に接続される投票ポイントサーバとを備え、
前記投票ポイントサーバが、
ネットワークを介して自身および前記競技管理サーバに通信可能に接続され、該競技管理サーバから前記競技の進行状態に係るデータを受信する中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信し、
前記会員が購入した投票券が前記競技への出場停止をした選手または該選手の乗物に対するものか否かを判定し、
前記判定結果が肯定のとき当該投票券を購入した時に付与された前記会員のポイント値を受信し、
前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算する、
ことを特徴とする。
【0017】
上記投票ポイント算出方法において、
前記投票ポイントサーバは、前記中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信し、レース不成立のとき、前記会員が当該レースの投票券を購入した時に付与された該会員のポイント値を受信し、前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算する。
【0018】
上記目的を達成する本発明による投票ポイントシステムにおける投票ポイント算出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、
直線コースまたは周回コースを移動して着順を競う競技に参加する選手または該選手の乗物の着順を当てる投票券の購入者にポイントを付与する投票ポイントシステムにおける投票ポイント算出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記投票ポイントシステムは、
前記競技の進行状態を管理する競技管理サーバと、
前記投票ポイントシステムに加入する会員を登録する会員登録端末と該会員が購入した前記投票券に対して付与されたポイントの累積値を照会するポイント照会端末と前記投票券を発売する発券機とにそれぞれ通信可能に接続され、前記競技が行われる競技場に設置され、前記会員を特定する情報と該会員が購入した投票券の情報と該会員の現在のポイントの累積値の情報を格納する会員情報記憶手段を備えた会員管理システムに通信可能に接続される投票ポイントサーバとを備え、
前記投票ポイントサーバが、
自身のコンピュータに、
ネットワークを介して自身および前記競技管理サーバに通信可能に接続され、該競技管理サーバから前記競技の進行状態に係るデータを受信する中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信するステップと、
前記会員が購入した投票券が前記競技への出場停止をした選手または該選手の乗物に対するものか否かを判定し、
前記判定結果が肯定のとき当該投票券を購入した時に付与された前記会員のポイント値を受信するステップと、
前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算するステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0019】
上記プログラムにおいて、
前記投票ポイントサーバが、
自身のコンピュータに、
前記中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信するステップと、
レース不成立のとき、前記会員が当該レースの投票券を購入した時に付与された該会員のポイント値を受信するステップと、
前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算するステップと、
を実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、会員に対するポイントの反映を当該競技の確定直後に行う投票ポイントシステム、投票ポイント算出方法およびそのためのプログラムが提供できる。
【0021】
本発明によれば、レース不成立が発生した場合や出場停止が発生した場合に、レース不成立となった投票券や出場停止となった選手または該選手の乗物に賭けた投票券を、すでに購入した会員の累計ポイント値から当該投票券の購入金額に対するポイント値を減算する投票ポイントシステム、投票ポイント算出方法およびそのためのプログラムが提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を競馬場に設置された投票ポイントシステムの実施形態を例に挙げて詳細に説明する。
図1は本発明の第一実施形態に係る投票ポイントシステムのブロック構成図である。図1に示す投票ポイントシステム1は、競馬場内に設置され、耐障害性を高めるため二重化を計った現用と予備用の2つの投票ポイントサーバ(現用)11および投票ポイントサーバ(予備用)12を備えている。
【0023】
投票ポイントサーバ(現用)11および投票ポイントサーバ(予備用)12には、それぞれLAN(Local Area Network)13およびLAN14が接続されており、投票ポイントサーバ(現用)11および投票ポイントサーバ(予備用)12に、LAN13を介して会員登録端末111、投票ポイント照会端末112および投票ポイント交換端末113が接続され、LAN14を介して複数n個の自動発払機121、122、…、12nが接続されている。自動発払機は自動発売機および自動払戻機を兼ねたものである。n個の自動発払機は自動発売機または自動払戻機でもよい。
【0024】
会員登録端末111は、競馬場内の受付窓口にあり、競馬場の来場者が投票ポイントシステムに加入を希望する場合申込書に所定の事項、会員希望者の氏名、生年月日、識別番号等の会員情報を記入すると、受付窓口のオペレータがその会員情報を入力し即座に会員カードを発行し、会員希望者に渡す。
【0025】
投票ポイント照会端末112は、競馬場の適切な場所に設置された投票窓口であり、会員カードを挿入することで会員カードに付与されている現在のポイント値を照会する装置である。
【0026】
投票ポイント交換端末113は、競馬場内にあり、会員が取得したポイント値に応じて商品を交換するための窓口であり、受付窓口のオペレータが会員により挿入された会員カードに付与されている現在のポイント値に応じて商品を交換するための装置である。
【0027】
自動発払機121、122、…、12nは、競馬場の適切な場所に多数設置された投票券の購入装置であり、発券ユニットとマークシートユニットを有し、発券ユニットに会員カードを挿入し、現金を挿入し、マークシートユニットにマークシートを挿入することでレース毎の投票券の購入手続を実行すると投票券が発行され、当該レースの結果が確定した後に購入した投票券の金額に応じたポイント値が会員カードの現在のポイント値に加算される。ここで、マークシートとはレース毎の各種投票券を購入する際に、例えば第9レースの連勝複式馬券1000円を記入するマークシートである。
【0028】
投票ポイントシステム1は会員管理システム15を備えており、会員管理システム15は投票ポイントサーバ(現用)11および投票ポイントサーバ(予備用)12にそれぞれ接続されている。会員管理システム15内の会員情報記憶部(不図示)には、会員の有効期限や会員を特定する情報と該会員が購入した投票券の情報と該会員の現在のポイントの累積値の情報が格納されている。
【0029】
競技管理サーバ16は、出走取消等の競技の進行状態を管理し、LAN14に接続され、LAN14を介して投票ポイントサーバ(現用)11および投票ポイントサーバ(予備用)12にそれぞれ接続され、かつLAN14およびインターネット3を介して中央管理システム2に接続され、中央管理システム2に競技の進行状態に係るデータを送信する。
【0030】
投票ポイントサーバ(現用)11と投票ポイントサーバ(予備用)12とは全く同じ機能を有するので、以下に投票ポイントサーバ(現用)11についてのみ説明する。
【0031】
投票ポイントシステム1は、競馬場外に設置された中央管理システム2にインターネット3を介して接続されている。図1には一つの投票ポイントシステム1を示しているが、中央管理システム2には不図示の複数の投票ポイントシステムが各競馬場からインターネット3を介して接続されている。中央管理システム2は例えば国内に1、2台設置され、国内の複数の競馬場を管理するものである。
【0032】
図2は本発明の第二実施形態に係る投票ポイントシステムのブロック構成図である。図1に示す第一実施形態に係る投票ポイントシステム1と異なるところは、第一実施形態の会員管理システム15は投票ポイントシステム1内に設置されているのに対し、第二実施形態の会員管理システム25はインターネット3を介して投票ポイントシステム10に接続される中央管理システム20内に設置されている点にある。
【0033】
第二実施形態の投票ポイントサーバ(現用)110および投票ポイントサーバ(予備用)120は第一実施形態の投票ポイントサーバ(現用)11および投票ポイントサーバ(予備用)12と実質的に同じであるが、LAN14およびインターネット3を介して接続された中央管理システム20内の会員管理システム25と通信する点で異なる。
【0034】
図2に示す投票ポイントシステム10内の投票ポイントサーバ(現用)110は、LAN14およびインターネット3を介して中央管理システム20と相互に通信し、図3に示すフローチャートの処理を実行する。投票ポイントサーバ(現用)110と投票ポイントサーバ(予備用)120とは全く同じ機能を有するので、以下に投票ポイントサーバ(現用)110についてのみ説明する。次に、本発明の第2実施形態に係る投票ポイントシステムの動作について以下に説明する。
【0035】
図3は図2に示す投票ポイントシステム全体の動作を示すフローチャートである。
ステップ301では、自動発払機121の発券ユニットで会員カードを挿入する。
ステップ302では、自動発払機121が発券ユニットに挿入された会員カードの情報を読取り、中央管理システム20に会員カードの認証要求を送信する。
【0036】
ステップ303では、中央管理システム20は会員カードの認証を行う。すなわち、会員カードの情報を元に、会員カードの有効期限は有効か否かおよび会員カードの会員であるか否かの確認を行う。この会員カードの認証は、まず自動発払機121が発券ユニットに挿入された会員カードのデータを読込み、そのデータを投票ポイントサーバ110に送信し、次いで投票ポイントサーバ110が、会員管理システム25を介して会員管理システム25内の会員情報記憶部に格納された会員に関する各種情報を参照し、受信した会員カードの認証を行う。投票ポイントサーバ110はこの会員カードの認証結果を示すデータを中央管理システム20に送信する。
【0037】
ステップ304では、中央管理システム20から自動発払機121に、ステップ303での認証結果がNGの場合は投票は可能であるが認証はエラーである旨を表示する信号を送り、OKの場合は現在のポイント値を表示する信号を送る。
ステップ305では、自動発払機121の発券ユニットで会員カードを返却する。
【0038】
ステップ306では、自動発払機121で現金の挿入とマークシートユニットからのマークシートの挿入を受け発券処理を実行する。具体的には、以下のステップ306−1〜306−4の処理を実行する。
【0039】
ステップ306−1では、自動発払機121から自動発払機内のマークシートユニットにマークシートの読取指示を送信する。
ステップ306−2では、自動発払機内のマークシートユニットから自動発払機121にマークシートの読取応答を送信する。
【0040】
図4は自動発払機と投票ポイントサーバ間で送受信される発売データまたはポイント用発売データを示す図である。
STXは送信されるデータの開始を示し、ETXは送信されるデータの終了を示す。
【0041】
データ種別には発売データかポイント用発売データかが記述され、他の種別として予備1、予備2が記述される。
発売場名にはレースが開催されるレース会場の名前が記述される。
発売所名にはレースが開催されるレース会場内の複数個所に設置される自動発払機のコードが記述される。
【0042】
レースNo.にはレースの番号が記述される。
発売日時には発券された日時が記述される。
年回日には例えば2007年、第3回(同一年内における第何回目の開催かを示す)および第6日目(例えば6日連続の第何日目の開催かを示す)が記述される。
主催には主催者名が記述される。
発券No.には数十桁の発券番号が記述される。
【0043】
式別には1〜9の数字が記述され、単勝には1、複勝には2、枠連複には3、枠連単には4、馬連複には5、馬連単には6、三連複には7、三連単には8、ワイドには9が記述される。
組券+金額には組番と購入金額が複数個記述される。それゆえ可変長のデータが記述される。
レース成立にはレースが成立したとき1が不成立であったとき2が示される。
データ内容には発売データ要求送信のとき1が発売データ応答受信のとき2がポイント用発売データ要求送信のとき3がポイント用発売データ応答受信のとき4が喜寿される。
予備には将来追加され得るデータのために設けられ、現状はブランクデータが記述される。
【0044】
ステップ306−3では、自動発払機121は、マークシートに記入されたデータを読取り、投票ポイントサーバ110に発売データの送信要求を送信するとともに、自動発払機121内の発券ユニットでプレ編集を行う。ここで、プレ編集とは、自動発払機121が自身のCPUにより読取ったデータを自身の発券ユニットが処理可能なように編集することを意味する。
【0045】
ステップ306−4では、自動発払機121内の発券ユニットから自動発払機121にプレ編集が終了したことを通知する。
【0046】
ステップ307では、投票ポイントサーバ110から自動発払機121に上記発売データを受信したことを通知する。
ステップ308では、発売データ応答がOKの場合、自動発払機121から自動発払機内のマークシートユニットにマークシートの収納指示を送信する。
【0047】
ステップ309では、発売データ応答がOKの場合、自動発払機121から自動発払機内のマークシートユニットに次のマークシートの読取指示を送信する。
ステップ310では、投票券が有効の場合、自動発払機121から投票ポイントサーバ110にポイント用発売データ要求を送信し、投票ポイントサーバ110はその処理を実行する。すなわち、カード番号+券面ID(券1枚毎のデータ)+投票内容(発売データ)からポイント用発売データを得る。ここで、ポイント用発売データ要求とは、自動発払機121から投票ポイントサーバ110にポイントに関するデータの送信を要求することを意味する。ステップ310の処理は投票券の発券処理が完結するまで続けられる。
【0048】
ステップ311では、ポイント用発売データ応答受信でNGの場合、投票ポイントサーバ110から自動発払機121にポイント用発売データ応答受信を送信し控券に印字する。ここで、控券とは当該自動発払機121でどのような投票券が発売されたかを印字して記録しておくため自身に装備したロール紙を意味する。
【0049】
ステップ312では、自動発払機内のマークシートユニットから自動発払機121にマークシートの読取応答を行う。ここで、マークシートの読取応答とは自動発払機121が発券ユニットで購入された投票券のデータを自身のCPUにより正常に読取ったことを発券ユニットに通知する処理を言う。
【0050】
ステップ313では、マークシートが複数枚挿入されていた場合は上記プレ編集およびマークシートの要求送信を繰り返し実行する。
【0051】
図5は本発明によるポイント減算処理のフローチャートである。
ステップ501では、投票ポイントサーバ110は中央管理システム20からポイント減算値、すなわちレース不成立、出走取消等のときに減算するポイント値を受信する。ここで、中央管理システム20は競技管理サーバ16から競技の進行状態に係るデータを受信しているので出走取消が発生すると会員管理システム25内の会員情報記憶部(不図示)に格納された会員を特定する情報と該会員が購入した投票券の情報と該会員の現在のポイントの累積値の情報を検索して、上記レース不成立または出走取消により減算するポイント値を読取ることができる。
【0052】
ステップ502では、投票ポイントサーバ110は中央管理システム20にポイント減算値の受信が正常の場合にポイント減算値を受信したことを通知する。
ステップ503では、投票ポイントサーバ110は中央管理システム20内の会員管理システム25に登録され格納された会員の一覧表から検索される該当会員のポイントの累積値からステップ502で受信したポイント減算値を減算する。
【0053】
以上、図2に示す本発明の第2実施形態に係る投票ポイントシステムの動作について説明したが、図1に示す第1実施形態に係る投票ポイントシステムでは、実質的に会員管理システム15が投票ポイントシステム1内に設けられた点が第2実施形態と異なるだけであるので投票ポイントシステムの動作の詳細説明は省略する。
【0054】
また、本発明の第3実施形態に係る投票ポイントシステムとして、図1に示す第1実施形態に係る投票ポイントシステム1内の投票ポイントサーバが中央管理システムを兼ねた構成としてもよい。この場合、単一の競技場内に中央管理システムとは独立した本発明の投票ポイントシステムを実現することができる。
【0055】
図6はポイント減算処理を行う具体例を表で示す図であり、(A)はころがし投票の成立例を示す表であり、(B)はころがし投票の不成立例を示す表であり、(C)はころがし投票の結果のパターン例を示す表である。
【0056】
ころがし投票は3レース続けて1着と2着の馬を当てる投票券(馬券)であり、図6の(A)に示す例では、各レースが成立し、つまり各レースで所定数の馬が出走し、第8レースは1着が5番の馬で2着が6番の馬の着順で確定し、第9レースは1着が6番の馬で2着が2番の馬の着順で確定し、第10レースは1着が1番の馬で2着が2番の馬の着順で確定し、投票券の購入者は各レースで的中するとそのレースの配当金を次のレースに自動投入することになり、全レースに的中すると、配当金が倍々に増える。この場合各レースが成立したので、投票券の購入者にはポイントが付与される。
【0057】
図6の(B)に示すように、第8レースは1着が5番の馬で2着が6番の馬の着順で確定し、第9レースは1着が6番の馬で2着が2番の馬の着順で確定し、第10レースは2番の馬が出走取消しとなり、1着が1番の馬で2着が2番以外の馬の着順で確定した例を示す。この場合各レースは成立したが、投票券の購入者には第8レース、第9レースでポイントは付与されるが、第10レースで2番の馬が出走取消しとなったので払戻しはできるもののポイントは付与されない。
【0058】
図6の(C)に示すころがし投票の結果のパターン例は5つのパターンを示している。図6の(C)において、左から順に第1の欄は返還(投票券の購入代金の払戻し)の有無を示し、第2の欄はレースが成立したか否かを示し、第3の欄はポイントの成立の損得、つまりポイントを投票券の購入者に付与することが主催者側にとって損か得かを示し、第4の欄は投票券の購入者にポイントを付与するか否かを示し、第5の欄はこれらのパターンの番号を示している。図6の(C)から、本発明では主催者側にとって投票券の購入者にポイントを付与することが損の場合にポイントを付与しないことが判る。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第一実施形態に係る投票ポイントシステムのブロック構成図である。
【図2】本発明の第二実施形態に係る投票ポイントシステムのブロック構成図である。
【図3】図2に示す投票ポイントシステム全体の動作を示すフローチャートである。
【図4】自動発払機と投票ポイントサーバ間で送受信される発売データまたはポイント用発売データを示す図である。
【図5】本発明によるポイント減算処理のフローチャートである。
【図6】ポイント減算処理を行う具体例を表で示す図であり、(A)はころがし投票の成立例を示す表であり、(B)はころがし投票の不成立例を示す表であり、(C)はころがし投票の結果のパターン例を示す表である。
【符号の説明】
【0060】
1、10 投票ポイントシステム
2、20 中央管理システム
3 インターネット
11、110 投票ポイントサーバ(現用)
12、120 投票ポイントサーバ(予備用)
13、14 LAN
15、25 会員管理システム
16 競技管理サーバ
111 会員登録端末
112 投票ポイント照会端末
113 投票ポイント交換端末
121、122、…、12n 自動発払機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線コースまたは周回コースを移動して着順を競う競技に参加する選手または該選手の乗物の着順を当てる投票券の購入者にポイントを付与する投票ポイントシステムにおいて、
前記競技の進行状態を管理する競技管理サーバと、
前記投票ポイントシステムに加入する会員を登録する会員登録端末と該会員が購入した前記投票券に対して付与されたポイントの累積値を照会するポイント照会端末と前記投票券を発売する発券機とにそれぞれ通信可能に接続され、前記競技が行われる競技場に設置される投票ポイントサーバとを備え、
前記投票ポイントサーバは、
前記会員を特定する情報と該会員が購入した投票券の情報と該会員の現在のポイントの累積値の情報を格納する会員情報記憶手段を備えた会員管理システムに通信可能に接続され、
ネットワークを介して自身および前記競技管理サーバに通信可能に接続され、該競技管理サーバから前記競技の進行状態に係るデータを受信する中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信し、前記会員が購入した投票券が前記競技への出場停止をした選手または該選手の乗物に対するものか否かを判定し、該判定結果が肯定のとき当該投票券を購入した時に付与された前記会員のポイント値を受信し、前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算する、
ことを特徴とする投票ポイントシステム。
【請求項2】
前記会員管理システムは、前記投票ポイントシステム内に設置される、
請求項1に記載の投票ポイントシステム。
【請求項3】
前記会員管理システムは、前記中央管理システム内に設置される、
請求項1に記載の投票ポイントシステム。
【請求項4】
前記投票ポイントサーバは、前記中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信し、レース不成立のとき、前記会員が当該レースの投票券を購入した時に付与された該会員のポイント値を受信し、前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算する、
請求項1乃至3の何れか一つに記載の投票ポイントシステム。
【請求項5】
直線コースまたは周回コースを移動して着順を競う競技に参加する選手または該選手の乗物の着順を当てる投票券の購入者にポイントを付与する投票ポイントシステムにおける投票ポイント算出方法において、
前記投票ポイントシステムは、
前記競技の進行状態を管理する競技管理サーバと、
前記投票ポイントシステムに加入する会員を登録する会員登録端末と該会員が購入した前記投票券に対して付与されたポイントの累積値を照会するポイント照会端末と前記投票券を発売する発券機とにそれぞれ通信可能に接続され、前記競技が行われる競技場に設置され、前記会員を特定する情報と該会員が購入した投票券の情報と該会員の現在のポイントの累積値の情報を格納する会員情報記憶手段を備えた会員管理システムに通信可能に接続される投票ポイントサーバとを備え、
前記投票ポイントサーバが、
ネットワークを介して自身および前記競技管理サーバに通信可能に接続され、該競技管理サーバから前記競技の進行状態に係るデータを受信する中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信し、
前記会員が購入した投票券が前記競技への出場停止をした選手または該選手の乗物に対するものか否かを判定し、
前記判定結果が肯定のとき当該投票券を購入した時に付与された前記会員のポイント値を受信し、
前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算する、
ことを特徴とする投票ポイント算出方法。
【請求項6】
前記投票ポイントサーバは、前記中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信し、レース不成立のとき、前記会員が当該レースの投票券を購入した時に付与された該会員のポイント値を受信し、前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算する、
請求項5に記載の投票ポイント算出方法。
【請求項7】
直線コースまたは周回コースを移動して着順を競う競技に参加する選手または該選手の乗物の着順を当てる投票券の購入者にポイントを付与する投票ポイントシステムにおける投票ポイント算出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記投票ポイントシステムは、
前記競技の進行状態を管理する競技管理サーバと、
前記投票ポイントシステムに加入する会員を登録する会員登録端末と該会員が購入した前記投票券に対して付与されたポイントの累積値を照会するポイント照会端末と前記投票券を発売する発券機とにそれぞれ通信可能に接続され、前記競技が行われる競技場に設置され、前記会員を特定する情報と該会員が購入した投票券の情報と該会員の現在のポイントの累積値の情報を格納する会員情報記憶手段を備えた会員管理システムに通信可能に接続される投票ポイントサーバとを備え、
前記投票ポイントサーバが、
自身のコンピュータに、
ネットワークを介して自身および前記競技管理サーバに通信可能に接続され、該競技管理サーバから前記競技の進行状態に係るデータを受信する中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信するステップと、
前記会員が購入した投票券が前記競技への出場停止をした選手または該選手の乗物に対するものか否かを判定し、
前記判定結果が肯定のとき当該投票券を購入した時に付与された前記会員のポイント値を受信するステップと、
前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
前記投票ポイントサーバが、
自身のコンピュータに、
前記中央管理システムおよび前記会員管理システムと通信するステップと、
レース不成立のとき、前記会員が当該レースの投票券を購入した時に付与された該会員のポイント値を受信するステップと、
前記会員の現在のポイントの累積値から前記ポイント値を減算するステップと、
を実行させる請求項7に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−70267(P2009−70267A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239787(P2007−239787)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】