説明

投票券発券装置、および投票券発券方法

【課題】投票券を適切な順序で発券し、投票券購入機会の喪失可能性を低減する投票券発券装置を提供する。
【解決手段】投票券発券装置100は、投票内容読取手段1により、投入口に一括投入された複数の投票カード7から投票内容を読み取る。取得したイメージデータ、投票内容は、投票内容記憶手段2により所定の記憶領域に記憶される。投票内容は、修正要否判定手段3により、投票カード7ごとに投票内容の修正の要否を判定される。修正を要するとされた投票カード7について投票内容修正手段4により投票内容が修正される。投票内容に対応する投票締切時間にもとづいて投票カード7ごとの投票券の発券処理順序が処理順序設定手段5により設定される。投票券発券手段6は、投票内容記憶手段2に記憶された投票内容にしたがい、処理順序設定手段5が設定した発券処理順序で投票券の発券をおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票カードを受け入れて投票券を発券する投票券発券装置、および投票券発券方法に関する。
【背景技術】
【0002】
競馬、競輪、競艇、オートレースなどの投票券の発売は、窓口での取り扱いのほかに、投票券発券装置での取り扱いがある。投票券発券装置での投票券の発売は、投票内容の入力操作時間の短縮を目的にして、あらかじめ投票内容をマークシート式で記載した投票カードの入力により受け付けることができる。
【0003】
投票券発券装置は、一度に複数枚の投票カードを受け入れて投入金額の範囲で順次投票券の発券をおこなう。投票券発券装置は、投票カードに修正を要する項目があれば、その都度、客の修正操作を受け付けて投票内容を修正している(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、投票券発券装置は、投票カードの投入口と紙幣の投入口を共通にするものがある(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−37001号公報
【特許文献2】実用新案登録第3084533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
投票カードを一括して受け入れ可能とする投票券発券装置で、投入金額の不足がある場合に、投票券発券装置は、投票券の発券を停止して紙幣または硬貨の追加投入を促していた。また、投票カードの記入誤りがある場合にも、投票券発券装置は、投票券の発券を停止してタッチパネルからの修正入力を促していた。
【0007】
こうした発券停止中にレースの投票が締め切られ、投票券購入者は、投票締切直前で投票機会を失うことがあった。また、レース主催者側にとっても売上機会の喪失となっていた。そして、紙幣または硬貨の追加投入を促された投票カード、あるいは修正対象とされた投票カードでの売上喪失となるだけでなく、これらの投票カードとともに投入された投票カードの売上を喪失することとなる場合があった。
【0008】
たとえば、紙幣または硬貨の追加投入を待たなくても発券可能な投票カードが、金額不足のために発券できない投票カードとともにレースの投票が締め切られる場合がある。また、修正を要しない正常に記入された投票カードが、修正を要する投票カードとともにレースの投票が締め切られる場合がある。
【0009】
そこで、投票券購入機会の喪失可能性を低減した投票券発券装置および投票券発券方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、投票券発券装置は、投票内容読取手段と、投票内容記憶手段と、投票券発券手段と、処理順序設定手段とを備える。
投票内容読取手段は、投入口に一括投入された複数の投票カードから投票内容を読み取る。投票内容記憶手段は、投票内容を投票カードごとに記憶する。投票券発券手段は、記憶された投票内容にもとづいて投票券の発券をおこなう。処理順序設定手段は、投票内容に対応する投票締切時間にもとづいて投票カードごとの投票券の発券処理順序を設定する。
【0011】
また、上記課題を解決するために、投入口に一括投入された複数の投票カードから投票内容を読み取り、投票内容を投票カードごとに記憶し、投票内容に対応する投票締切時間にもとづいて投票カードごとの投票券の発券処理順序を設定し、発券処理順序にしたがい投票券の発券をおこなう投票券発券方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
上記の投票券発券装置および投票券発券方法によれば、投票券購入機会の喪失可能性を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態の投票券発券装置のブロック図である。
【図2】第2の実施形態のトータリゼータシステムを示す図である。
【図3】第2の実施形態の投票券発券装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】第2の実施形態の投票カード読取ユニットの構成例を示す図である。
【図5】第2の実施形態の投票券発券装置のゼネラルフローチャートである。
【図6】第2の実施形態の投票券発券処理のフローチャートである。
【図7】第2の実施形態の投票カード読取処理のフローチャートである。
【図8】第2の実施形態のイメージデータ記憶領域を示す図である。
【図9】第2の実施形態の発券順序管理テーブルを示す図である。
【図10】第2の実施形態の発券処理のフローチャートである。
【図11】第2の実施形態の投票カード修正処理のフローチャートである。
【図12】第2の実施形態の修正画面の一例を示す図である。
【図13】第2の実施形態の発券確認画面の一例を示す図である。
【図14】第2の実施形態の発券順序設定処理のフローチャートである。
【図15】第3の実施形態の発券順序管理テーブルを示す図である。
【図16】第3の実施形態の投票カード修正処理のフローチャートである。
【図17】第3の実施形態の発券順序設定処理のフローチャートである。
【図18】第4の実施形態の投票カード読取処理のフローチャートである。
【図19】第4の実施形態の発券順序管理テーブルを示す図である。
【図20】第4の実施形態の発券処理のフローチャートである。
【図21】第5の実施形態の投票カード読取・紙幣還流ユニットの構成例を示す図である。
【図22】第6の実施形態の修正順序設定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態の投票券発券装置のブロック図である。
投票券発券装置100は、競馬場などのレース場に設置され、投票カード7と現金を受け入れて、投票カード7に記載された投票内容にしたがい投票券を発券する。
【0015】
投票券発券装置100は、投票内容読取手段1と、投票内容記憶手段2と、修正要否判定手段3と、投票内容修正手段4と、処理順序設定手段5と、投票券発券手段6を備える。
【0016】
投票内容読取手段1は、投入口に一括投入された複数(たとえば、最大20枚)の投票カード7から投票内容を読み取る。投票カード7は、あらかじめ用意されたマーク箇所を投票者が選択的にマークする(たとえば、鉛筆で塗り潰す)ことで投票内容を記載することができる。投票内容読取手段1は、投入口に一括投入された複数の投票カード7を搬送路に1枚ずつ繰り出す。そして、投票内容読取手段1は、搬送路上にあるイメージセンサにより投票カード7ごとのイメージデータを取得する。そして、投票内容読取手段1は、取得したイメージデータについて、イメージ中の識別マークにより投票カード7の種別を、イメージ中のタイミングマークによりマークの有無を判定し、投票内容を取得する。なお、投票カード7は、マークシート式に限らず、記述式であってもよい。その場合、投票内容読取手段1は、イメージデータからの文字認識機能を備えればよい。なお、投票カード7の種別は、投票券の種別に対応し、たとえば、通常投票券、ボックス/ながし投票券、フォーメーション投票券などがあり、その識別は、単勝式投票券、複勝式投票券、連勝単式投票券、連勝複式投票券、3連勝単式投票券、3連勝複式投票券などがある。
【0017】
投票内容記憶手段2は、投票内容読取手段1が取得したイメージデータ、投票内容を所定の記憶領域に記憶する。なお、投票内容記憶手段2は、投票内容読取手段1が取得したイメージデータ、投票内容のうち少なくとも一方を記憶するようにしてもよい。
【0018】
修正要否判定手段3は、投票カードごとに投票内容の修正の要否を判定する。修正要否判定手段3は、投票内容について投票カード7単位で、正常な記載、修正を要する記載(たとえば、軽微な記載不備)、修正できない記載(たとえば、著しい記載不備)に分別する。そして、修正要否判定手段3は、正常な記載、または修正できない記載とされた投票カード7について修正対象としないと判定する。一方、修正要否判定手段3は、修正を要する記載とされた投票カード7について修正対象とすると判定する。
【0019】
投票内容修正手段4は、修正を要する記載とされた投票カード7について投票者の修正指示を受けて投票内容の修正をおこなう。修正済みの投票カード7は、修正後の内容で正常な記載のされた投票カード7として扱うことができる。
【0020】
処理順序設定手段5は、投票内容に対応する投票締切時間にもとづいて(たとえば、投票締切時間が近い順に)投票カード7ごとの投票券の発券処理順序を設定する。処理順序設定手段5は、正常な記載とされた投票カード7、および修正済みの投票カード7について投票券の発券処理順序を設定する。
【0021】
投票券発券手段6は、投票内容記憶手段2に記憶された投票内容にしたがい、処理順序設定手段5が設定した発券処理順序で投票券の発券をおこなう。
このような投票券発券装置100によれば、投票券は適切な順序で発券されるため、投票券購入機会の喪失可能性を低減する。
【0022】
なお、投票券発券装置100は、競馬に限らず、競艇、競輪、オートレース、あるいはその他のレースの投票券を発券するものであってもよい。また、投票券発券装置100の設置場所は、レース場内(たとえば、競馬場)に限らず、場外(たとえば、場外馬券売り場)などであってもよい。
【0023】
また、投票券発券装置100は、投票券の発券をおこなうだけでなく、投票券の発券と投票券の払い戻しをおこなう自動発払機であってもよい。
次に、より具体的な第2の実施形態について説明する。投票券発券装置100を構成要素とするトータリゼータシステムについて図2を用いて説明する。図2は、第2の実施形態のトータリゼータシステムを示す図である。
【0024】
トータリゼータシステム10は、投票券の発券、オッズの表示と集計、配当金の計算、投票券の払い戻しなどを管理するシステムである。トータリゼータシステム10は、管理装置20と、投票券発券装置100と、ネットワーク30と、図示しない有人窓口用投票券発券装置、オッズモニタ、その他の機器から構成される。
【0025】
投票券発券装置100は、表示窓101、投票券投出入口102、投票カード投出入口103、紙幣投出入口104、タッチパネル105、ディスプレイ106、硬貨払出口107、硬貨投入口108を備える。表示窓101は、投票券発券装置100が投票券の発券受付中か、発券停止中かを表示する。投票券投出入口102は、発券する投票券の投出口であり、また払い戻しをする投票券の投入口である。なお、投票券の投出口と投票券の投入口を一体に設けたが、別体とすることもできる。投票カード投出入口103は、投票カード7の投入口であり、また返却する投票カードの投出口である。なお、投票カードの投出口と投票カードの投入口を一体に設けたが、別体とすることもできる。紙幣投出入口104は、紙幣の投入口であり、また返却または釣銭として紙幣を払い出す紙幣の投出口である。なお、紙幣の投出口と紙幣の投入口を一体に設けたが、別体とすることもできる。
【0026】
ディスプレイ106は、客に操作案内、レース案内、投票カード7の投票内容などの情報を客に表示する情報表示装置である。ディスプレイ106は、たとえば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ106は、タッチパネル105の下層に位置している。ディスプレイ106の表示する画像は、タッチパネル105を透過して、客から視認可能である。客は、ディスプレイ106によって表示された画像を見ながら、タッチパネル105に対するタッチ操作(たとえば、情報表示切替操作、投票券購入操作、投票内容修正操作など)をおこなうことができる。硬貨投入口108は、硬貨の投入口である。硬貨払出口107は、返却または釣銭として硬貨を払い出す払出口である。なお、硬貨投入口108と硬貨払出口107を別体に設けたが、一体とすることもできる。
【0027】
管理装置20は、投票券発券装置100と通信をし、投票券発券装置100がおこなう投票券の発券や投票券の払い戻しを管理する。また、管理装置20は、オッズの表示と集計、配当金の計算などをおこなう。管理装置20と投票券発券装置100は、ネットワーク30を介して通信をおこなう。
【0028】
次に、第2の実施形態の投票券発券装置100のハードウェア構成について図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態の投票券発券装置のハードウェア構成例を示す図である。
【0029】
投票券発券装置100は、投票券発券装置制御部100a、ディスプレイ106、管理者用ディスプレイ116を備える。また、投票券発券装置100は、タッチパネル105、管理者用タッチパネル117、投票カード読取ユニット118、紙幣還流ユニット119、硬貨還流ユニット120、投票券印刷ユニット121、払戻投票券読取ユニット122を備える。
【0030】
投票券発券装置制御部100aは、CPU(Central Processing Unit)109によって装置全体が制御されている。CPU109には、バス115を介してRAM(Random Access Memory)110、HDD(Hard Disk Drive)111、通信インタフェース112、グラフィック処理装置113、および入出力インタフェース114が接続されている。
【0031】
RAM110には、CPU109に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM110には、CPU109による処理に必要な各種データが格納される。HDD111には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0032】
グラフィック処理装置113には、ディスプレイ106、管理者用ディスプレイ116が接続されている。グラフィック処理装置113は、CPU109からの命令に従って、画像をディスプレイ106、管理者用ディスプレイ116の画面に表示させる。なお、管理者用ディスプレイ116は、投票券発券装置100の裏面側に備えられる管理者向けの情報表示装置である。
【0033】
入出力インタフェース114には、タッチパネル105、管理者用タッチパネル117、投票カード読取ユニット118、紙幣還流ユニット119、硬貨還流ユニット120、投票券印刷ユニット121、払戻投票券読取ユニット122が接続されている。また、入出力インタフェース114は、可搬型記録媒体123への情報の書込み、および可搬型記録媒体123への情報の読出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース114は、タッチパネル105、管理者用タッチパネル117、投票カード読取ユニット118、紙幣還流ユニット119、硬貨還流ユニット120、投票券印刷ユニット121、払戻投票券読取ユニット122、可搬型記録媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス115を介してCPU109に送信する。なお、管理者用タッチパネル117は、投票券発券装置100の裏面側に備えられる管理者向けの情報入力装置である。投票カード読取ユニット118は、投票カード7から投票内容を読み取るユニットである。投票カード読取ユニット118の詳細は、図4を用いて後述する。紙幣還流ユニット119は、紙幣の受け入れ、紙幣の真贋の鑑別、紙幣の収納、紙幣の返却、釣銭(紙幣)の払い出しをおこなう。硬貨還流ユニット120は、硬貨の受け入れ、硬貨の真贋の鑑別、硬貨の収納、硬貨の返却、釣銭(硬貨)の払い出しをおこなう。投票券印刷ユニット121は、投票券を印刷して発券する。払戻投票券読取ユニット122は、投票券を受け入れて投票内容を読み取る。
【0034】
通信インタフェース112は、ネットワーク30に接続されている。通信インタフェース112は、管理装置20との間でデータの送受信をおこなう。
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、管理装置20も同様のハードウェア構成で実現できる。
【0035】
なお、投票券発券装置制御部100aは、それぞれFPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processer)などからなるモジュールを含んで構成することもでき、CPU109を有しない構成とすることもできる。その場合、投票券発券装置制御部100aは、それぞれ不揮発性メモリ(たとえば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカードなど)を備え、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリは、可搬型記録媒体123、あるいは通信インタフェース112を介してファームウェアを書き込むことができる。このように投票券発券装置制御部100aは、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアの更新をすることもできる。
【0036】
次に、第2の実施形態の投票カード読取ユニット118の構成について図4を用いて説明する。図4は、第2の実施形態の投票カード読取ユニットの構成例を示す図である。
投票カード読取ユニット118は、受け入れた投票カード7から投票カード7のイメージデータを読み取るユニットである。投票カード読取ユニット118は、投票カード7ごとのイメージデータを出力する。投票カード読取ユニット118は、投票カード投出入口103、受入口部124、イメージ取得部125、搬送路126、投票カード一時保留部127、投票カード回収部128、取り忘れ取込部129、返却口部130、および図示しない投票カード読取ユニット制御部を備える。投票カード読取ユニット制御部は、入出力インタフェース114を介してCPU109からの指示にしたがい、投票カード読取ユニット118を制御する。
【0037】
投票カード投出入口103は、複数の投票カード7の一括投入を受け付ける。一括投入された投票カード7は、受入口部124から1枚ずつ搬送路126に繰り出される。搬送路126は、受入口部124から繰り出された投票カード7をイメージ取得部125を通してから投票カード一時保留部127まで搬送する。イメージ取得部125は、搬送路126を搬送される投票カード7からイメージデータを取得する。イメージ取得部125は、たとえば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、あるいはCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサによりイメージデータを取得する。投票カード読取ユニット118は、イメージ取得部125により1枚ずつイメージデータを取得した投票カード7を一旦、投票カード一時保留部127に収納する。投票カード読取ユニット118は、投票カード一時保留部127に収納した投票カード7のうち投入金額不足や修正できない記載不備のある投票カード7を返却口部130に1枚ずつ搬送する。また、投票カード読取ユニット118は、投票カード一時保留部127に収納した投票カード7のうち投票券を発券した投票カード7を投票カード回収部128に1枚ずつ搬送する。返却口部130は、1枚ずつ搬送されてきた投票カード7をまとめて、投票カード投出入口103に送り出して返却する。投票カード読取ユニット118は、返却した投票カード7を客が受け取らなかった場合、受け取らなかった投票カード7を取り込み、取り忘れ取込部129に搬送して回収する。
【0038】
このように、投票カード読取ユニット118は、一括投入された投票カード7から1枚ずつイメージデータを取得して、投票カード一時保留部127に一括して退避するので、受入口部124から返却口部130までの搬送路126上で投票カード7を滞留させない。したがって、投票カード読取ユニット118は、投票カード7の追加受入時に、先に投入した投票カード7が滞留して受入を制限されるおそれが低減されている。
【0039】
次に、第2の実施形態の投票券発券装置100のゼネラルフローについて図5を用いて説明する。図5は、第2の実施形態の投票券発券装置のゼネラルフローチャートである。投票券発券装置100は、電源オンにより起動する。
【0040】
[ステップS11]投票券発券装置100は、管理装置20から運用データを取得する。運用データは、投票券発券装置100の起動を確認した管理装置20により通知される(ステップS21)。運用データは、投票券の発売情報を含む。投票券の発売情報は、たとえば、発売場(レースの開催場所)、発売レース、発売式別、予定投票締切時刻、発売状況などがある。運用データを取得した投票券発券装置100は、投票券の発券を受付可能な状態であれば、表示窓101に投票券発券装置100が投票券の発券受付中である旨を表示する。また、投票券発券装置100は、投票券の発券を受付可能な状態であれば、硬貨還流ユニット120による投入硬貨の受け入れを開始する。硬貨還流ユニット120は、たとえば、硬貨投入口108のシャッタを開放することにより投入硬貨の受け入れを開始する。また、投票券発券装置100は、投票券の発券を受付可能な状態であれば、紙幣還流ユニット119による投入紙幣の受け入れを開始する。紙幣還流ユニット119は、紙幣の投入検出により紙幣の搬送路126への繰り出しを開始する。
【0041】
[ステップS12]投票券発券装置100は、管理装置20から投票券の発売状況を取得する。投票券の発売状況は、管理装置20により定期的に、またはイベント発生により通知される(ステップS22)。投票券発券装置100は、投票券の発売状況を更新する。投票券の発売状況は、発売中レース番号、発売締切レース番号、投票数、オッズなどがある。また、管理装置20は、予定投票締切時刻や発走数などレース進行に関わる情報に変更がある場合は、レース進行に関わる情報を含めて通知する。
【0042】
[ステップS13]投票券発券装置100は、投票券の発券を受付可能な状態であれば、投票券発券処理をおこなう。投票券発券処理の詳細は、図6を用いて後述する。なお、投票券発券装置100は、投票券の発券に先立ち投票内容を管理装置20に照会し、管理装置20の許可を受けて投票券の発券をおこなう。管理装置20は、投票券発券装置100から投票内容を受け付けて、投票可能であれば投票許可をおこなう(ステップS23)。
【0043】
[ステップS14]投票券発券装置100は、投票券発券処理の運用を終了するか否かを管理装置20から投票受付の終了の通知を受けているか否かにもとづいて判定する。投票券発券装置100は、投票券発券処理の運用を終了するとした場合は、ステップS15にすすむ。一方、投票券発券装置100は、投票券発券処理の運用を継続するとした場合は、ステップS12にすすむ。管理装置20は、投票券の受け付けを終了する場合、投票券発券装置100に投票受付の終了を通知する(ステップS24)。
【0044】
[ステップS15]投票券発券装置100は、投票券発券処理の運用を終了し、運用終了処理をおこなう。運用終了処理は、投票券の発売を終了する旨の案内表示を、表示窓101およびディスプレイ106によりおこなう。また、投票券発券装置100は、硬貨還流ユニット120による投入硬貨の受け入れを停止する。硬貨還流ユニット120は、たとえば、硬貨投入口108のシャッタを閉じることにより投入硬貨の受け入れを停止する。また、投票券発券装置100は、投票カード読取ユニット118による投票カード7の受け入れを停止する。たとえば、投票カード読取ユニット118は、投票カード7の搬送路126への繰り出しを停止する。また、投票券発券装置100は、紙幣還流ユニット119による投入紙幣の受け入れを停止する。紙幣還流ユニット119は、紙幣の投入検出に関わらず紙幣の搬送路126への繰り出しを停止する。
【0045】
次に、第2の実施形態の投票券発券装置100の投票券発券処理について図6を用いて説明する。図6は、第2の実施形態の投票券発券処理のフローチャートである。
[ステップS31]投票券発券装置100は、紙幣投出入口104および硬貨投入口108への現金の投入をディスプレイ106により案内する。硬貨還流ユニット120は、投入硬貨について識別部により真贋を識別する。硬貨還流ユニット120は、真と識別した硬貨を受け入れ、真と識別できなかった硬貨を返却する。紙幣還流ユニット119は、投入紙幣について識別部により真贋を識別する。紙幣還流ユニット119は、真と識別した紙幣を受け入れ、真と識別できなかった紙幣を返却する。投票券発券装置制御部100aは、硬貨還流ユニット120および紙幣還流ユニット119から受け入れた投入金額の通知を受けて投入金額を管理する。
【0046】
[ステップS32]投票券発券装置100は、投票券発券装置100への現金の投入を受けて投票カード7の受け入れを可能にするとともに、投票カード投出入口103への投票カード7の投入をディスプレイ106により案内する。
【0047】
[ステップS33]投票券発券装置制御部100aは、投票カード読取ユニット118から投票カード7の投入検出の通知を受けて、投票券発券処理と並行して、投票カード読取処理を実行する。投票券発券装置制御部100aは、投票カード読取処理により投票カードごとの投票内容を取得する。投票カード読取処理の詳細は、図7を用いて後述する。
【0048】
[ステップS34]投票券発券装置制御部100aは、投票内容の取得を受けて、投票券発券処理と並行して、発券処理を実行する。投票券発券装置制御部100aは、発券処理により投票内容にしたがった投票券を発券する。したがって、投票券発券装置100は、投票カード読取処理と発券処理とを並行して実行する。発券処理の詳細は、図10を用いて後述する。
【0049】
[ステップS35]投票券発券装置制御部100aは、投票カード読取処理により取得した投票カード7ごとの投票内容について記載不備があるか否かを判定する。投票券発券装置制御部100aは、投票カード7ごとの投票内容について軽微な記載不備があれば、ステップS37にすすむ。一方、投票券発券装置制御部100aは、投票カード7ごとの投票内容について記載不備がなければ、ステップS38にすすむ。また、投票券発券装置制御部100aは、投票カード7ごとの投票内容について著しい記載不備があれば、記載不備の著しい投票カード7を返却(ステップS36)し、ステップS35にすすむ。
【0050】
なお、記載不備の程度は、記載不備が1箇所であれば軽微とし、記載不備が2箇所以上あれば著しい記載不備としているが、内容による重み付けをしてあらかじめ定めた閾値により記載不備の程度を評価してもよい。
【0051】
[ステップS37]投票券発券装置制御部100aは、軽微な記載不備のある投票カード7について、投票内容の修正を受け付けて投票内容を修正する投票カード修正処理をおこなう。投票カード修正処理の詳細は、図11を用いて後述する。
【0052】
[ステップS38]投票券発券装置制御部100aは、並行して実行する投票カード読取処理と発券処理により、管理する投入金額に不足が生じているか否かを判定する。投票券発券装置制御部100aは、管理する投入金額に不足が生じていると判定した場合は、ステップS39にすすむ。一方、投票券発券装置制御部100aは、管理する投入金額に不足が生じていないと判定した場合は、ステップS40にすすむ。
【0053】
[ステップS39]投票券発券装置制御部100aは、紙幣投出入口104および硬貨投入口108への現金の投入をディスプレイ106により案内して、現金の追加投入を受け付ける。
【0054】
[ステップS40]投票券発券装置制御部100aは、投入されたすべての投票カード7について発券が終了したか否かを判定する。投票券発券装置制御部100aは、投入されたすべての投票カード7について発券が終了したと判定した場合は、ステップS41にすすむ。一方、投票券発券装置制御部100aは、投入されたすべての投票カード7についての発券の一部が終了していないと判定した場合は、ステップS35にすすむ。投票券発券終了の判定は、たとえば、受け付けた投票カード7にもとづく投票券の発券が終了した状態で、投入金額が0、または釣銭返却の操作を受け付けた場合に投票券発券終了と判定できる。また、投票券発券終了の判定は、発券終了の確認操作を受け付けた場合に投票券発券終了と判定することもできる。
【0055】
[ステップS41]投票券発券装置制御部100aは、投票カード一時保留部127に保留している投票カード7のうち投票券を発券したものについて移動搬送して投票カード回収部128に回収する。また、投票券発券装置制御部100aは、投票カード一時保留部127に保留している投票カード7のうちステップS36で返却するとした投票カード7について移動搬送して返却口部130から返却する。なお、返却した投票カード7が返却口部130に放置された場合は、所定時間の放置判定時間を経過した後、取り忘れ取込部129に回収する。
【0056】
また、投票券発券装置制御部100aは、釣銭がある場合は、紙幣還流ユニット119、および硬貨還流ユニット120に釣銭の払い出しを指示する。そして、投票券発券装置制御部100aは、釣銭の抜き取りを確認して投票券発券処理を終了する。
【0057】
次に、第2の実施形態の投票券発券装置100が実行する投票カード読取処理について図7を用いて説明する。図7は、第2の実施形態の投票カード読取処理のフローチャートである。投票カード読取処理は、投票券発券装置制御部100aが投票カード読取ユニット118から投票カード7の投入検出の通知を受けて実行する。
【0058】
[ステップS51]投票券発券装置制御部100aは、投票カード読取ユニット118から投票カード7の投入検出の通知を受けて、投票カード読取ユニット118に、受入口部124から搬送路126への投票カード7の繰り出しを指示する。投票カード読取ユニット118は、投票券発券装置制御部100aから投票カード7の繰り出しの指示を受けて、投票カード7を1枚だけ搬送路126に繰り出してイメージ取得部125に向けて搬送する。
【0059】
なお、投票カード読取ユニット118は、搬送路126を搬送される投票カード7からイメージデータを読み出して、投票券発券装置制御部100aに通知する。そして、投票カード読取ユニット118は、イメージデータを読み出した投票カード7を投票カード一時保留部127に収納する。
【0060】
[ステップS52]投票券発券装置制御部100aは、投票カード読取ユニット118から投票カード読取ユニット118が読み出した投票カード7のイメージデータを取得する。
【0061】
取得したイメージデータは、図8に示すように、イメージデータ記憶領域200に取得イメージデータ201(イメージデータ#1、イメージデータ#2、・・・)として記憶される。図8は、第2の実施形態のイメージデータ記憶領域を示す図である。イメージデータ記憶領域200は、たとえば、RAM110内の所定領域である。
【0062】
[ステップS53]投票券発券装置制御部100aは、取得した投票カード7のイメージデータから投票内容を取得する。具体的には、投票券発券装置制御部100aは、イメージデータ中の識別コード(たとえば、タイミングマークの一番目に予め印刷された該当種別カード固有のマーク、あるいはバーコード)から投票カード7の種別を識別する。そして、投票券発券装置制御部100aは、タイミングマークの位置でマークの有無を認識し、投票カード7の種別とマークの有無を併せて投票内容を解釈する。このようにして、投票券発券装置制御部100aは、場名、式別、レース番号、投票金額などの具体的な投票内容を取得する。また、投票券発券装置制御部100aは、投票内容の解釈において、投票カード7の記載不備の修正の要否を判定する。
【0063】
そして、投票券発券装置制御部100aは、図9に示すように、「イメージデータ」と「発券データ(投票内容)」、「修正要否」、「発券」とを対応付けた発券順序管理テーブル202を生成する。図9は、第2の実施形態の発券順序管理テーブルを示す図である。発券順序管理テーブル202は、「発券順序」、「イメージデータ」、「発券データ」、「修正要否」、「発券」の項目を有し、投票カード7のデータをまとめたテーブルである。「発券順序」は、複数の投票カード7間の発券順序である。複数の投票カード7間の発券順序は、図14を用いて後で説明する発券順序設定処理で設定される。「イメージデータ」は、投票カード7に対応するイメージデータを記憶するイメージデータ記憶領域200の参照先を示す情報である。「発券データ」は、イメージデータから取得した投票内容である。「修正要否」は、投票カード7の記載不備の修正の要否を示す情報である。修正の要否を示す情報には、たとえば、修正を要する「要」、修正を要しない「不要」、修正できない(著しい記載不備)「返却」がある。「発券」は、発券が終了したか否かを示す情報であり、たとえば、発券が終了していないことを示す「未」、発券が終了したことを示す「済」がある。
【0064】
なお、ステップS53において、たとえば、投票券発券装置制御部100aは、「イメージデータ#1」を有する投票カード7について、「イメージデータ」として「イメージデータ#1」を設定する。そして、投票券発券装置制御部100aは、「イメージデータ#1」について、「発券データ」として「発券データ#1」、「修正要否」として「不要」、「発券」として「未」を設定する。
【0065】
[ステップS54]投票券発券装置制御部100aは、複数の投票カード7間の発券順序を設定する発券順序設定処理を実行する。発券順序設定処理の詳細は、図14を用いて後で説明する。
【0066】
[ステップS55]投票券発券装置制御部100aは、発券順序設定処理で設定した発券順序で、発券順序管理テーブル202を更新する。これにより、発券順序管理テーブル202の「イメージデータ」と「発券順序」とが対応付けされる。
【0067】
[ステップS56]投票券発券装置制御部100aは、すべての投票カード7について投票内容を取得したか否かを判定する。投票券発券装置制御部100aは、すべての投票カード7について投票内容を取得したと判定した場合は、投票カード読取処理を終了する。一方、投票券発券装置制御部100aは、すべての投票カード7について投票内容の取得を完了していない(投票内容の取得ができていない投票カード7が残っている)と判定した場合は、ステップS51にすすむ。すべての投票カード7について投票内容を取得したか否かは、たとえば、投票カード読取ユニット118から通知される投票カード7の投入検出にもとづいて判定することができる。
【0068】
なお、ステップS54で実行する発券順序設定処理と、ステップS55で実行する発券順序管理テーブルの更新は、1枚の投票カード7のイメージを取得するごとではなく、すべての投票カード7のイメージを取得した後としてもよい。
【0069】
次に、第2の実施形態の投票券発券装置100が実行する発券処理について図10を用いて説明する。図10は、第2の実施形態の発券処理のフローチャートである。発券処理は、投票内容の取得を受けて投票券発券装置制御部100aにより実行される。より具体的には、発券処理は、発券順序管理テーブル202に発券順序が設定されることで投票券発券装置制御部100aにより実行される。
【0070】
[ステップS61]投票券発券装置100の投票券発券装置制御部100aは、発券順序管理テーブル202を参照し、「修正要否」が「不要」で、「発券」が「未」の発券データのうち「発券順序」が最も小さい発券データを取得する。たとえば、発券順序管理テーブル202に示した例では、「発券データ#1」が取得対象となる。
【0071】
[ステップS62]投票券発券装置制御部100aは、取得した発券データにもとづく発券要求を管理装置20におこなう。
[ステップS63]管理装置20は、投票券発券装置制御部100aからの発券要求を受け付ける。
【0072】
[ステップS64]管理装置20は、発券要求について投票締切時間内の要求であるか、投票内容が正常であるかを判定する。管理装置20は、発券要求について発券してよい場合は投票券発券装置100に発券許可を通知する。一方、管理装置20は、発券要求について発券してはいけない場合は投票券発券装置100に発券不許可を通知する。
【0073】
[ステップS65]投票券発券装置制御部100aは、発券要求についての応答を管理装置20から受け付ける。投票券発券装置制御部100aは、発券要求についての応答が許可であれば、ステップS66にすすむ。一方、投票券発券装置制御部100aは、発券要求についての応答が不許可であれば、ステップS67にすすむ。
【0074】
[ステップS66]投票券発券装置制御部100aは、許可された投票内容に相当する金額を管理する投入金額から精算する。そして、投票券発券装置制御部100aは、投票券印刷ユニット121に投票内容にしたがった投票券の印刷と投票券の投出を指示する。
【0075】
[ステップS67]投票券発券装置制御部100aは、不許可とされた投票内容について投票券の発券要求を取り消し、投票カード読取ユニット118に対応する投票カード7の返却を指示する。
【0076】
[ステップS68]投票券発券装置制御部100aは、ステップS66で発券を指示した発券データについて、「発券」を「未」から「済」にして発券順序管理テーブル202を更新する。また、投票券発券装置制御部100aは、たとえば、ステップS67で発券要求を取り消した発券データについて、「修正要否」を「不要」から「返却」にして発券順序管理テーブル202を更新する。なお、投票券発券装置制御部100aは、返却対象となった発券データについて発券順序管理テーブル202から削除するようにしてもよい。
【0077】
[ステップS69]投票券発券装置制御部100aは、すべての発券データについて、発券が終了したか否かを判定する。投票券発券装置制御部100aは、すべての発券データについて発券が終了したと判定した場合は、発券処理を終了する。一方、投票券発券装置制御部100aは、すべての発券データについて発券が終了していない(発券が終了していない発券データが残っている)と判定した場合は、ステップS61にすすむ。発券データについて発券が終了したか否かの判定は、たとえば、発券順序管理テーブル202で、返却対象となっていない投票カード7に対応する発券データについて「発券」が「未」のものを参照することによりできる。投票券発券装置制御部100aは、返却対象となっていない投票カード7に対応する発券データについて「発券」が「未」のものがあれば、発券データについて発券が終了していないものがあると判定できる。
【0078】
このように、投票券発券装置100は、発券順序管理テーブル202を用いて発券データについて発券順序を設定、および変更をすることができる。なお、発券順序管理テーブル202の「発券順序」により発券順序を制御するようにしたが、「発券順序」によらず、イメージデータ記憶領域200に記憶されている取得イメージデータ201の格納位置を並べ替えることで発券順序を制御することもできる。
【0079】
次に、第2の実施形態の投票券発券装置100が実行する投票カード修正処理について図11から図13を用いて説明する。図11は、第2の実施形態の投票カード修正処理のフローチャートである。投票カード修正処理は、投票カード7に軽微な記載不備があったときに実行される。投票カード修正処理は、投票券発券装置制御部100aにより投票券発券処理の中で実行される。図12は、第2の実施形態の修正画面の一例を示す図である。図13は、第2の実施形態の発券確認画面の一例を示す図である。
【0080】
[ステップS71]投票券発券装置制御部100aは、ディスプレイ106に修正画面140を表示する。修正画面140は、投票カード7から取得した投票内容として、たとえば、投票券の式別、場名、レース番号、投票内訳(たとえば、枠番組み合わせ、投票金額、あるいは投票数)、合計金額などを表示内容に含む。また、修正画面140は、投入金額、投票券の払戻枚数、払戻金、発券枚数、残金などの発券処理、および払戻処理などその他の処理に伴う付帯情報を表示内容に含む。また、修正画面140には、投票内容のうち修正の必要な項目が明示(たとえば、場名の記載漏れについて「場名?」と表示)される。さらに、修正画面140には、修正案内(たとえば、「場名を選んでください。」)と併せて修正候補(たとえば、場名の選択候補について「東京」、「湯布院」、「阪神」と表示)が表示される。また、修正画面140には、対応する投票カード7の発券をキャンセルするための項目(たとえば、「精算」)が表示される。
【0081】
[ステップS72]投票券発券装置制御部100aは、タッチパネル105から修正指示を受け付ける。
[ステップS73]投票券発券装置制御部100aは、受け付けた修正指示にもとづく発券確認画面141をディスプレイ106に表示する。発券確認画面141は、投票カード7から取得した投票内容として、たとえば、投票券の式別、場名、レース番号、投票内訳(たとえば、枠番組み合わせ、投票金額、あるいは投票数)、合計金額などを表示内容に含む。また、発券確認画面141は、投入金額、投票券の払戻枚数、払戻金、発券枚数、残金などの発券処理、および払戻処理などその他の処理に伴う付帯情報を表示内容に含む。また、発券確認画面141には、対応する投票カード7の発券にすすむ項目(たとえば、「発券」)、修正をやり直すための項目(たとえば、「やり直し」)、発券をキャンセルするための項目(たとえば、「精算」)が表示される。
【0082】
[ステップS74]投票券発券装置制御部100aは、タッチパネル105から確認指示(たとえば、「発券」、「やり直し」、「精算」)を受け付ける。投票券発券装置制御部100aは、受け付けた確認内容が、「発券」であればステップS76にすすみ、「やり直し」であれば、ステップS71にすすみ、「精算」であればステップS75にすすむ。
【0083】
[ステップS75]投票券発券装置制御部100aは、修正されなかった投票内容について投票券の発券ができないとし、投票カード読取ユニット118に対応する投票カード7の返却を指示する。
【0084】
[ステップS76]投票券発券装置制御部100aは、ステップS74で発券確認をした発券データについて、「修正要否」を「要」から「不要」にして発券順序管理テーブル202を更新する。また、投票券発券装置制御部100aは、ステップS74で発券をキャンセルした発券データについて、「修正要否」を「要」から「返却」にして発券順序管理テーブル202を更新する。そして、投票券発券装置制御部100aは、投票カード修正処理を終了する。
【0085】
次に、第2の実施形態の投票券発券装置100が実行する発券順序設定処理について図14を用いて説明する。図14は、第2の実施形態の発券順序設定処理のフローチャートである。発券順序設定処理は、投票券発券装置制御部100aにより投票カード読取処理の中で実行される。
【0086】
[ステップS81]投票券発券装置制御部100aは、修正を要する発券データについて、投票締切時間を仮設定する。投票券発券装置制御部100aは、たとえば、最終レースの投票締切時間よりも遅い時間に投票締切時間を仮設定する。
【0087】
[ステップS82]投票券発券装置制御部100aは、仮設定された投票締切時間を含めた投票締切時間で、修正を要する発券データおよび修正を要しない発券データを投票締切時間順(投票締切時間が近い順)に整列する。
【0088】
[ステップS83]投票券発券装置制御部100aは、投票締切時間順に整列した発券データに発券順序を設定する。そして、投票券発券装置制御部100aは、発券順序設定処理を終了する。
【0089】
これにより、投票券は、発券データに設定された発券順序で発券され得る。なお、投票券発券装置制御部100aは、修正を要する発券データについて、最終レースの投票締切時間よりも遅い時間に投票締切時間を仮設定したが、対象レースを特定可能な場合には、対応するレースの投票締切時間に投票締切時間を仮設定してもよい。また、投票券発券装置制御部100aは、修正を要する発券データについて、対象レースを特定できなくても推定可能な場合には、対応するレースの投票締切時間に投票締切時間を仮設定してもよい。たとえば、投票カード7のレース欄のマークが重複して対象レースを絞り込めない場合は、対応する複数のレースの投票締切時間から選択した一つのレースの投票締切時間を仮設定してもよい。より具体的には、仮設定する投票締切時間は、番号の小さいレース番号(締切時間が最も早いレース番号)に対応する投票締切時間とすることができる。
【0090】
次に、第3の実施形態の投票券発券装置100が実行する投票カード修正処理について図15から図17を用いて説明する。図15は、第3の実施形態の発券順序管理テーブルを示す図である。発券順序管理テーブル203は、「発券順序」、「修正順序」、「イメージデータ」、「発券データ」、「修正要否」、「発券」の項目を有し、投票カード7のデータをまとめたテーブルである。発券順序管理テーブル203は、「修正順序」という項目を有する点で、第2の実施形態の発券順序管理テーブル202と異なる。「修正順序」は、投票内容の修正を要する複数の投票カード7間の修正順序である。投票内容の修正を要する複数の投票カード7間の修正順序は、図17を用いて後で説明する発券順序設定処理で設定される。
【0091】
第3の実施形態では、発券データに設定する発券順序とは、別に発券データを修正する修正順序を設定する。これにより、投票内容の確定しない発券データの修正を待つことなく、投票内容の確定した発券データについて発券処理をすすめることができる。
【0092】
図16は、第3の実施形態の投票カード修正処理のフローチャートである。第3の実施形態の投票カード修正処理のステップS91からステップS93は、図11を用いて説明した第2の実施形態の投票カード修正処理のステップS71からステップS73と同様であるため説明を省略し、ステップS94から説明する。
【0093】
[ステップS94]投票券発券装置制御部100aは、タッチパネル105から確認指示(たとえば、「発券」、「やり直し」、「精算」)を受け付ける。投票券発券装置制御部100aは、受け付けた確認内容が、「発券」であればステップS95にすすみ、「やり直し」であれば、ステップS91にすすみ、「精算」であればステップS96にすすむ。
【0094】
[ステップS95]投票券発券装置制御部100aは、複数の投票カード7間の発券順序を設定する発券順序設定処理を実行する。第3の実施形態の発券順序設定処理の詳細は、図17を用いて後で説明する。第3の実施形態では、投票カード読取処理の中で実行した発券順序設定処理を投票カード修正処理の中でもおこなう。これは、投票カード修正処理を実行して投票内容が確定した発券データを含めた発券順序を再設定するためである。特に、投入金額に不足が生じて投票券発券処理が完了していない場合に、発券順序の再設定は、投票券購入機会の喪失可能性の低減に有効である。
【0095】
[ステップS96]投票券発券装置制御部100aは、修正されなかった投票内容について投票券の発券ができないとし、投票カード読取ユニット118に対応する投票カード7の返却を指示する。
【0096】
[ステップS97]投票券発券装置制御部100aは、ステップS94で発券確認をした発券データについて、「修正要否」を「要」から「不要」にするとともに、「発券順序」、「修正順序」を再設定して発券順序管理テーブル203を更新する。また、投票券発券装置制御部100aは、ステップS94で発券をキャンセルした発券データについて、「修正要否」を「要」から「返却」にするとともに、「修正順序」を再設定して発券順序管理テーブル203を更新する。そして、投票券発券装置制御部100aは、投票カード修正処理を終了する。そして、投票券発券装置制御部100aは、投票カード修正処理を終了する。
【0097】
図17は、第3の実施形態の発券順序設定処理のフローチャートである。第3の実施形態の発券順序設定処理は、発券順序とは別に修正順序を設定する点で第2の実施形態の発券順序設定処理と異なる。さらに、第3の実施形態の発券順序設定処理は、投票券発券装置制御部100aにより、投票カード読取処理と投票カード修正処理の中で実行される。
【0098】
[ステップS101]投票券発券装置制御部100aは、修正を要する発券データについて、投票締切時間を仮設定する。投票券発券装置制御部100aは、たとえば、対象レースを特定可能な場合には、対応するレースの投票締切時間に投票締切時間を仮設定する。また、投票券発券装置制御部100aは、修正を要する発券データについて、対象レースを特定できなくても推定可能な場合には、対応するレースの投票締切時間に投票締切時間を仮設定してもよい。たとえば、投票カード7のレース欄のマークが重複して対象レースを絞り込めない場合は、対応する複数のレースの投票締切時間から選択した一つのレースの投票締切時間を仮設定してもよい。より具体的には、仮設定する投票締切時間は、番号の小さいレース番号(締切時間が最も早いレース番号)に対応する投票締切時間とすることができる。
【0099】
[ステップS102]投票券発券装置制御部100aは、修正の要否で発券データを整列する。
[ステップS103]投票券発券装置制御部100aは、修正を要する発券データを投票締切時間順に整列する。さらに、投票券発券装置制御部100aは、修正を要しない発券データを投票締切時間順に整列する。
【0100】
[ステップS104]投票券発券装置制御部100aは、投票締切時間順に整列した修正を要しない発券データに発券順序を設定する。
[ステップS105]投票券発券装置制御部100aは、投票締切時間順に整列した修正を要する発券データに修正順序を設定する。そして、投票券発券装置制御部100aは、発券順序設定処理を終了する。
【0101】
これにより、投票券は、発券データに設定された修正順序で、たとえば投票締切時間の早いものから順に修正され得る。
次に、第4の実施形態の投票券発券装置100が実行する投票カード読取処理について図18、図19を用いて説明する。図18は、第4の実施形態の投票カード読取処理のフローチャートである。第4の実施形態は、投票カード読取処理の中で管理装置20から投票券の発券許可を受ける点で、発券処理の中で管理装置20から投票券の発券許可を受ける第2の実施形態と異なる。図19は、第4の実施形態の発券順序管理テーブルを示す図である。発券順序管理テーブル204は、「発券順序」、「発券許可」、「イメージデータ」、「発券データ」、「修正要否」、「発券」の項目を有し、投票カード7のデータをまとめたテーブルである。発券順序管理テーブル203は、「発券許可」という項目を有する点で、第2の実施形態の発券順序管理テーブル202と異なる。「発券許可」は、管理装置20からの投票券の発券許可、あるいは不許可の通知の記録である。図19を用いて説明する第4の実施形態の発券処理は、投票券発券の都度、管理装置20に許可を求めることなく、発券順序管理テーブル203の「発券許可」を参照して投票券を発券する。
【0102】
第4の実施形態の投票カード修正処理のステップS111からステップS114は、図7を用いて説明した第2の実施形態の投票カード読取処理のステップS51からステップS54と同様であるため説明を省略し、ステップS115から説明する。
【0103】
[ステップS115]投票券発券装置制御部100aは、発券順序管理テーブル204を参照し、「修正要否」が「不要」で、「発券」が「未」の発券データのうち「発券順序」が最も小さい発券データを取得する。そして、投票券発券装置制御部100aは、取得した発券データにもとづく発券要求を管理装置20におこなう。
【0104】
[ステップS116]管理装置20は、投票券発券装置制御部100aからの発券要求を受け付ける。
[ステップS117]管理装置20は、発券要求について投票締切時間内の要求であるか、投票内容が正常であるかを判定する。管理装置20は、発券要求について発券してよい場合は投票券発券装置100に発券許可を通知する。一方、管理装置20は、発券要求について発券してはいけない場合は投票券発券装置100に発券不許可を通知する。
【0105】
[ステップS118]投票券発券装置制御部100aは、発券要求についての応答を管理装置20から受け付ける。投票券発券装置制御部100aは、発券要求についての応答が許可であれば、ステップS119にすすむ。一方、投票券発券装置制御部100aは、発券要求についての応答が不許可であれば、ステップS120にすすむ。
【0106】
[ステップS119]投票券発券装置制御部100aは、許可された投票内容に相当する金額を管理する投入金額から精算する。
[ステップS120]投票券発券装置制御部100aは、不許可とされた投票内容について投票券の発券要求を取り消し、投票カード読取ユニット118に対応する投票カード7の返却を指示する。
【0107】
[ステップS121]投票券発券装置制御部100aは、ステップS119で発券を許可された発券データについて、「発券許可」を「不許可」から「許可」にして発券順序管理テーブル204を更新する。また、投票券発券装置制御部100aは、たとえば、ステップS115で発券を不許可とされた発券データについて、「修正要否」を「不要」から「返却」にして発券順序管理テーブル204を更新する。なお、投票券発券装置制御部100aは、返却対象となった発券データについて発券順序管理テーブル204から削除するようにしてもよい。
【0108】
[ステップS122]投票券発券装置制御部100aは、ここまでに認識した投票内容について、残高が十分か不足かを判定する。投票券発券装置制御部100aは、ここまでに認識した投票内容について、残高が十分と判定した場合は、ステップS123にすすむ。一方、投票券発券装置制御部100aは、ここまでに認識した投票内容について、残高が不足と判定した場合は、ステップS124にすすむ。
【0109】
[ステップS123]投票券発券装置制御部100aは、すべての投票カード7について投票内容を取得したか否かを判定する。投票券発券装置制御部100aは、すべての投票カード7について投票内容を取得したと判定した場合は、投票カード読取処理を終了する。一方、投票券発券装置制御部100aは、すべての投票カード7について投票内容を取得していない(投票内容を取得できていない投票カードが残っている)と判定した場合は、ステップS111にすすむ。
【0110】
[ステップS124]投票券発券装置制御部100aは、すべての投票カード7について投票内容を取得したか否かを判定する。投票券発券装置制御部100aは、すべての投票カード7について投票内容を取得したと判定した場合は、投票カード読取処理を終了する。一方、投票券発券装置制御部100aは、すべての投票カード7について投票内容を取得していないと判定した場合(一部の投票カード7について投票内容を取得していない判定した場合)は、ステップS111にすすむ。投票券発券装置制御部100aは、投票カード投出入口103にある未だ繰り出していない投票カード7を返却して、投票カード読取処理を終了する。
【0111】
次に、第4の実施形態の投票券発券装置100が実行する発券処理について図20を用いて説明する。図20は、第4の実施形態の発券処理のフローチャートである。
[ステップS131]投票券発券装置制御部100aは、発券順序管理テーブル204を参照し、「発券許可」が「許可」で、「発券」が「未」の発券データのうち「発券順序」が最も小さい発券データを取得する。たとえば、発券順序管理テーブル204に示した例では、「発券データ#1」が取得対象となる。
【0112】
[ステップS132]投票券発券装置制御部100aは、投票券印刷ユニット121に投票内容にしたがった投票券の印刷と投票券の投出を指示する。
[ステップS133]投票券発券装置制御部100aは、発券を指示した発券データについて、「発券」を「未」から「済」にして発券順序管理テーブル204を更新する。
【0113】
[ステップS134]投票券発券装置制御部100aは、すべての発券データについて、発券が終了したか否かを判定する。投票券発券装置制御部100aは、すべての発券データについて発券が終了したと判定した場合は、発券処理を終了する。一方、投票券発券装置制御部100aは、発券が終了していない発券データが残っていると判定した場合は、ステップS131にすすむ。
【0114】
次に、第5の実施形態の投票カード読取・紙幣還流ユニット150の構成について図21を用いて説明する。図21は、第5の実施形態の投票カード読取・紙幣還流ユニットの構成例を示す図である。
【0115】
投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、受け入れた投票カード7から投票カード7のイメージデータを読み取るユニットである。また、投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、受け入れた紙幣の回収や釣銭や払戻金の払い出しをおこなうユニットである。また、投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、投票カード7ごとのイメージデータを出力する。また、投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、投入された紙幣の入金データ、および払い出した釣銭や払戻金の出金データを出力する。
【0116】
投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、受入口部151、イメージ取得部152、搬送路153、識別部154、返却口部166を備える。また、投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、スタッカ部155、156、補充リジェクト部157、紙幣回収部158、紙幣補充部159、投票カード一時保留部160を備える。また、投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、投票カード回収部161、出金リジェクト部162、単位回収部163、特定紙幣回収部164、取忘れ取込部165、および図示しない投票カード読取・紙幣還流ユニット制御部を備える。投票カード読取・紙幣還流ユニット制御部は、入出力インタフェース114を介してCPU109からの指示にしたがい、投票カード読取・紙幣還流ユニット150を制御する。
【0117】
受入口部151は、一括投入された紙幣、または投票カード7を1枚ずつ搬送路153に繰り出す。イメージ取得部152は、搬送路153を搬送される投票カード7からイメージデータを取得する。イメージ取得部152は、たとえば、CMOSイメージセンサ、あるいはCCDイメージセンサによりイメージデータを取得する。識別部154は、搬送路153を搬送される紙幣の真贋、および券種(たとえば、千円札、一万円札など)を識別する。搬送路153は、受入口部151から繰り出された投票カード7をイメージ取得部152を通してから投票カード一時保留部160まで搬送する。また、搬送路153は、受入口部151から繰り出された紙幣を識別部154を通してから、真正とされた紙幣について対応するスタッカ部155、スタッカ部156、あるいは特定紙幣回収部164に回収する。また、搬送路153は、受入口部151から繰り出された紙幣を識別部154を通してから、真正とされなかった紙幣について返却口部166に返却する。
【0118】
スタッカ部155は、紙幣の収納庫であり、たとえば、千円札を収納する。スタッカ部156は、紙幣の収納庫であり、たとえば、一万円札を収納する。紙幣補充部159は、補充紙幣の収納庫であり、紙幣補充部159に補充(たとえば、投票券発券装置100の裏面側から)された紙幣は、搬送路153を通って識別部154で識別され、スタッカ部155、またはスタッカ部156に振り分けられる。ここで、識別部154により異金種(たとえば、二千円札、五千円札、汚れ紙幣)と識別された紙幣は、補充リジェクト部157に搬送される。紙幣回収部158は、スタッカ部155、またはスタッカ部156に収納されている紙幣を、スタッカ部155、またはスタッカ部156から転送して収納し、投票券発券装置100からの紙幣回収を容易にする。出金リジェクト部162は、スタッカ部155、またはスタッカ部156から釣銭、または払戻金として返却(払い戻し)されるときに、識別部154で出金可能紙幣として識別できなかった紙幣を収納する。単位回収部163は、紙幣回収部158より容量の小さい収納庫であり、たとえば、50枚、あるいは100枚単位で紙幣を回収するための収納庫である。特定紙幣回収部164は、たとえば、二千円札や、五千円札などの釣銭や払戻金に使用しない紙幣を回収するための収納庫である。取忘れ取込部165は、返却口から一旦返却した紙幣について、客が所定時間内に抜き取らなかった場合に、回収する収納庫である。取忘れ取込部165は、返却口から一旦返却した投票カード7について、客が所定時間内に抜き取らなかった場合に、回収する収納庫でもある。
【0119】
これにより、投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、紙幣還流ユニットとしての機能を有する。
また、投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、複数の投票カード7の一括投入を受け付ける。一括投入された投票カード7は、受入口部151から1枚ずつ搬送路153に繰り出される。投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、イメージ取得部152により1枚ずつイメージデータを取得した投票カード7を一旦、投票カード一時保留部160に収納する。投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、投票カード一時保留部160に収納した投票カード7のうち投入金額不足や修正できない記載不備のある投票カード7を返却口部166に1枚ずつ搬送する。また、投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、投票カード一時保留部160に収納した投票カード7のうち投票券を発券した投票カード7を投票カード回収部161に1枚ずつ搬送する。返却口部は166は、1枚ずつ搬送されてきた投票カード7をまとめて返却する。投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、返却した投票カード7を客が受け取らなかった場合、受け取らなかった投票カード7を取り込み、取忘れ取込部165に搬送して回収する。
【0120】
このように、投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、一括投入された投票カード7から1枚ずつイメージデータを取得して、投票カード一時保留部160に一括して退避するので、受入口部151から返却口部166までの搬送路153上で投票カード7を滞留させない。したがって、投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、紙幣の追加受入時に、先に投入した投票カード7が滞留して紙幣の受入を制限されるおそれがない。
【0121】
これにより、投票カード読取・紙幣還流ユニット150は、投票カード読取ユニットとしての機能を有する。
なお、イメージ取得部152と識別部154を別体に構成したが、一体に構成してもよい。その場合、CMOSイメージセンサ、あるいはCCDイメージセンサに、投票カード7のイメージデータ取得と、紙幣の光学特性取得とに共用してもよい。
【0122】
このような、投票カード読取・紙幣還流ユニット150により、第2の実施形態、第3の実施形態、および第4の実施形態で説明した投票券の発券処理をおこなうこととしてもよい。
【0123】
次に、第6の実施形態の投票券発券装置100が実行する修正順序設定処理について図22を用いて説明する。図22は、第6の実施形態の修正順序設定処理のフローチャートである。修正順序設定処理は、たとえば、投票カード修正処理でおこなう投票カード7の修正順序を設定するときに投票券発券装置制御部100aにより実行される。
【0124】
[ステップS141]投票券発券装置制御部100aは、投票カード7ごとに投票締切時間を特定する。投票締切時間を特定できた投票カード7については、投票締切時間特定可能投票カードとして、投票締切時間を特定できない投票カード7については、投票締切時間特定不能投票カードとして扱う。
【0125】
[ステップS142]投票券発券装置制御部100aは、現在時刻と直近のレースの投票締切時間とを比較して投票締切時間まで余裕があるか否かを判定する。余裕があるか否かの閾値は、あらかじめ定めた値(たとえば、10分)とする。また、固定値としてもよいし、投票カード7の一括投入枚数に応じて可変値(たとえば、一括投入枚数が多いほど閾値を小さくする)としてもよい。
【0126】
投票券発券装置制御部100aは、投票締切時間まで余裕がないと判定した場合、ステップS143にすすむ。一方、投票券発券装置制御部100aは、投票締切時間まで余裕があると判定した場合、ステップS144にすすむ。
【0127】
[ステップS143]投票券発券装置制御部100aは、投票締切時間特定可能投票カードを投票締切時間特定不能投票カードに優先して修正順序を設定する。
[ステップS144]投票券発券装置制御部100aは、投票締切時間特定不能投票カードを投票締切時間特定可能投票カードに優先して修正順序を設定する。
【0128】
[ステップS145]投票券発券装置制御部100aは、決定した優先順序にしたがい投票カード7の修正順序を設定する。
これにより、投票締切時間が直近に迫っている投票カード7の修正を優先し、投票機会の喪失を低減することができる。また、投票締切時間に余裕があるときは、対象レースを特定できない投票カード7の修正を優先し、投票機会の喪失を低減することができる。
【0129】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、投票券発券装置100が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0130】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0131】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0132】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0133】
1 投票内容読取手段
2 投票内容記憶手段
3 修正要否判定手段
4 投票内容修正手段
5 処理順序設定手段
6 投票券発券手段
7 投票カード
10 トータリゼータシステム
20 管理装置
30 ネットワーク
100 投票券発券装置
101 表示窓
102 投票券投出入口
103 投票カード投出入口
104 紙幣投出入口
105 タッチパネル
106 ディスプレイ
107 硬貨払出口
108 硬貨投入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口に一括投入された複数の投票カードから投票内容を読み取る投票内容読取手段と、
前記投票内容を前記投票カードごとに記憶する投票内容記憶手段と、
記憶された前記投票内容にもとづいて投票券の発券をおこなう投票券発券手段と、
前記投票内容に対応する投票締切時間にもとづいて前記投票カードごとの前記投票券の発券処理順序を設定する処理順序設定手段と、
を備えることを特徴とする投票券発券装置。
【請求項2】
前記投票内容の修正をおこなう投票内容修正手段と、
前記投票カードごとに前記投票内容の修正の要否を判定する修正要否判定手段と、
を備え、
前記処理順序設定手段は、
前記投票内容の修正を不要と判定した複数の前記投票カードについて、前記投票内容に対応する投票締切時間にもとづいて前記投票カードごとの発券処理順序を設定することを特徴とする請求項1記載の投票券発券装置。
【請求項3】
前記投票内容の修正をおこなう投票内容修正手段と、
前記投票カードごとに前記投票内容の修正の要否を判定する修正要否判定手段と、
を備え、
前記処理順序設定手段は、
前記投票内容の修正を不要と判定した複数の前記投票カードおよび前記投票内容を修正された前記投票カードについて、前記投票内容に対応する投票締切時間にもとづいて前記投票カードごとの発券処理順序を設定することを特徴とする請求項1記載の投票券発券装置。
【請求項4】
前記投票内容の修正をおこなう投票内容修正手段と、
前記投票カードごとに前記投票内容の修正の要否を判定する修正要否判定手段と、
を備え、
前記処理順序設定手段は、
前記投票内容の修正を不要と判定した複数の前記投票カードについて、前記投票内容に対応する投票締切時間にもとづいて前記投票カードごとの発券処理順序を設定し、
前記投票カードについて前記投票内容が修正された場合は、前記投票内容の修正を不要と判定した複数の前記投票カードに前記投票内容が修正された前記投票カードを含めて前記投票カードごとの発券処理順序を再設定することを特徴とする請求項1記載の投票券発券装置。
【請求項5】
前記投票内容にもとづいて前記投票券を発券した前記投票カードを回収する投票カード回収手段と、
前記投票内容にもとづいて前記投票券を発券しない前記投票カードを返却する投票カード返却手段と、
一括投入された複数の前記投票カードを、前記投票カード回収手段による回収、または前記投票カード返却手段による返却をするまでの間、一括して一時保留する投票カード一時保留手段と、
を備えることを特徴とする請求項2記載の投票券発券装置。
【請求項6】
前記投票内容読取手段は、前記投入口に一括投入された複数の前記投票カードを搬送路に1枚ずつ繰り出して前記一時保留手段まで搬送する過程で、イメージセンサにより前記投票カードごとのイメージデータを取得することを特徴とする請求項5記載の投票券発券装置。
【請求項7】
前記投入口は、紙幣を投入する紙幣投入口を兼ね、
前記搬送路は、前記紙幣を搬送する紙幣搬送路を兼ねることを特徴とする請求項6記載の投票券発券装置。
【請求項8】
修正対象となる複数の前記投票カードの修正順序を、前記投票内容に対応する投票締切時間にもとづいて設定する修正順序設定手段を備えることを特徴とする請求項2記載の投票券発券装置。
【請求項9】
前記修正順序設定手段は、修正対象となる前記投票カードのうち投票締切時間を特定可能な投票カードについて所定の余裕時間がある場合は、修正対象となる前記投票カードのうち投票締切時間を特定不能な投票カードの修正を優先して修正順序を設定することを特徴とする請求項8記載の投票券発券装置。
【請求項10】
投入口に一括投入された複数の投票カードから投票内容を読み取り、
前記投票内容を前記投票カードごとに記憶し、
前記投票内容に対応する投票締切時間にもとづいて前記投票カードごとの投票券の発券処理順序を設定し、
前記発券処理順序にしたがい前記投票券の発券をおこなうことを特徴とする投票券発券方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−53782(P2011−53782A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200096(P2009−200096)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】