説明

投票券発券装置、投票券発券システム、および投票券発券方法

【課題】投票内容の集計結果に誤差を含む機会を低減して、速やかな投票内容の受付と投票内容の集計を可能とする。
【解決手段】投票券32の発券に失敗した投票券発券装置10(故障端末)は、投票券32を再発券するための再発券情報31を出力する。故障端末から投票券32の再発券を引き継ぐ投票券発券装置10(正常端末)は、再発券情報31を入力する。正常端末は、再発券情報31にもとづいて投票券32の再発券要求を管理装置20におこなう。管理装置20は、故障端末が投票要求をした投票券32の投票内容と正常端末が再発券要求をした投票券32の投票内容とが一致する場合、投票券32の再発券を正常端末に許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票券を発券する投票券発券装置、投票券発券システム、および投票券発券方法に関する。
【背景技術】
【0002】
競馬、競輪、競艇、オートレースなどの投票券は、対人窓口での取り扱いのほかに、投票券発券装置での取り扱いがある。近年、投票券の発券は、対人窓口から投票券発券装置に置き換えがすすんでいる。投票券発券装置は、投票内容の集計、管理をおこなう管理装置(ホストコンピュータ)と接続し、投票券発券システム(たとえば、トータリゼータシステム)を構成している。
【0003】
投票券発券システムでは、たとえば、投票券発券装置がユーザから受け付けた投票内容にもとづく投票要求を管理装置におこなう。管理装置は、投票要求のあった投票内容について投票内容を受付可能である場合は、集計をおこない、投票券の発券許可を投票券発券装置に通知する。投票券発券装置は、管理装置からの発券許可を受けて投票券の発券をおこなう。
【0004】
しかし、この投票券発券の過程で、投票券発券装置の故障、あるいは投票券発券装置と管理装置間の通信の不具合等により、投票券の発券が正常におこなわれないことがある。
投票券の発券が正常におこなわれない場合、レースの開催主にとっては、売上が減少し、投票券の購入者にとっては投票機会が喪失するという問題点があった。さらに、管理装置は、一旦集計した集計結果を修正する必要が生じる場合があり、修正作業に手間がかかるばかりか、レース開始時刻との関係で修正が間に合わないこともあった。
【0005】
このような集計誤差を防止するため、投票券発券装置は、管理装置に投票要求をおこなってから、所定の期間内に発券許可、あるいは発券不可の応答信号を受信しない場合、リトライ通信をおこなう。管理装置は、投票要求について集計済みである場合、リトライ通信について集計をおこなわずに応答信号を返信する。
【0006】
集計誤差を防止する公知の技術として、たとえば、投票券発券装置が管理装置から発券を許可する旨の通知を受けて発券をおこなう際に、投票券発券装置は、所定の時間内に伝送終了を受信した場合には、以降の機械動作を停止して発券処理をおこなわない。一方、投票券発券装置は、所定の時間内に伝送終了を受信しない場合には、発券処理をおこなう。管理装置は、投票券発券装置から応答信号を受信した場合には、投票要求について集計をキャンセルし、応答信号を受信しない場合には、投票要求について集計をおこなうこととしている。そして、管理装置は、投票券発券装置に送信した問合せ信号に対する端末の応答を判断して、投票券発券装置の異常を認識することにより、誤集計を防止する技術の提案がある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭60−220457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、投票内容の集計結果は、投票締切後からレース開始時刻までの間に確定させなければならず、事後的に集計結果を修正、変更することができない。投票内容の集計結果が正確であるために、投票券発券システムは、異常の正確な検知と、速やかな集計結果の修正、あるいは集計時から集計結果に誤差を含ませないことが求められる。
【0009】
また、レースの開催主にとっての売上確保と、投票券の購入者にとっての投票機会確保をおこなうため、速やかな投票内容の受付と投票内容の集計が求められる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、投票内容の集計結果に誤差を含む機会を低減して、速やかな投票内容の受付と投票内容の集計が可能な投票券発券装置、投票券発券システム、および投票券発券方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、投票券発券システムは、投票情報の集計と管理をおこなう管理装置と、ネットワークを介して管理装置と接続する投票券発券装置とを備える。
管理装置は、投票要求受付手段と、集計手段と、再発券要求受付手段と、検索手段と、発券許可手段とを備える。
【0011】
投票要求受付手段は、投票要求を受け付ける。集計手段は、投票要求から投票内容の集計をおこなう。再発券要求受付手段は、再発券要求を受け付ける。検索手段は、再発券要求をおこなうこととなった投票要求に対応する投票内容が集計されているか否かを検索する。発券許可手段は、集計した投票内容に対応する投票要求の発券許可、または検索結果が集計されているとされた場合の発券許可を投票券発券装置に通知する。
【0012】
投票券発券装置は、投票情報入力手段と、投票要求手段と、発券許可受付手段と、発券手段と、再発券情報出力手段と、再発券情報入力手段と、再発券要求手段とを備える。
投票情報入力手段は、投票情報を入力する。投票要求手段は、入力された投票情報にもとづく投票要求を管理装置におこなう。発券許可受付手段は、管理装置からの投票券の発券許可を受け付ける。発券手段は、発券許可にもとづく投票券の発券をおこなう。再発券情報出力手段は、投票券の発券を失敗した場合に、投票券を再発券するための再発券情報を出力する。再発券情報入力手段は、再発券情報を入力する。再発券要求手段は、入力された再発券情報にもとづく投票券の再発券要求を管理装置におこなう。
【発明の効果】
【0013】
上記の投票券発券装置、投票券発券システム、および投票券発券方法によれば、投票内容の集計結果に誤差を含む機会を低減して、速やかな投票内容の受付と投票内容の集計が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態の投票券発券システムの構成を示す図である。
【図2】実施形態の投票券発券システムを構成する投票券発券装置と管理装置のブロック図である。
【図3】実施形態の投票内容管理テーブルを示す図である。
【図4】実施形態の投票券発券装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図5】実施形態の投票券発券装置のゼネラルフローチャートである。
【図6】実施形態の投票券発券装置の投票券発券処理のフローチャートである。
【図7】実施形態の投票券発券装置の投票券再発券処理のフローチャートである。
【図8】実施形態の投票券発券装置の再発券情報出力処理のフローチャートである。
【図9】実施形態の投票券発券装置の再発券情報入力処理のフローチャートである。
【図10】実施形態の投票券発券システムにおける再発券シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の投票券発券システムの構成を示す図である。
投票券発券システム1は、投票券の発券、投票内容の集計、オッズの表示、配当金の計算、投票券の払い戻しなどを管理するシステムである。投票券発券システム1は、トータリゼータシステムとも呼ばれ、競馬場、競輪場、競艇場、オートレース場などで投票券の発券管理等をおこなう。
【0016】
投票券発券システム1は、投票券発券装置10と、管理装置20と、ネットワーク2とを含んで構成される。また、投票券発券システム1は、図示しない有人窓口用投票券発券装置、オッズモニタ、その他の機器を含む場合がある。
【0017】
投票券発券装置10は、開催場3、あるいは場外投票券売場4などに備えられ、ネットワーク2を介して、管理装置20と通信可能に接続される。投票券発券装置10は、多くの場合、開催場3、あるいは場外投票券売場4ごとに複数台が備えられる。
【0018】
投票券発券装置10は、表示窓、投票券投出入口、投票カード投出入口、紙幣投出入口、タッチパネル、ディスプレイ、硬貨払出口、硬貨投入口を備える。表示窓は、投票券発券装置10が投票券の発券受付中か、発券停止中かを表示する。投票券投出入口は、発券する投票券の投出口であり、また払い戻しをする投票券の投入口である。投票カード投出入口は、投票カードの投入口であり、また返却する投票カードの投出口である。紙幣投出入口は、紙幣の投入口であり、また返却または釣銭として紙幣を払い出す紙幣の投出口である。
【0019】
ディスプレイは、投票券購入者に操作案内、レース案内、投票カードの投票内容などの情報を表示する情報表示装置である。ディスプレイは、たとえば、液晶ディスプレイである。ディスプレイは、タッチパネルの下層に位置し、ディスプレイの表示する画像は、タッチパネルを透過して、投票券購入者から視認可能である。投票券購入者は、ディスプレイによって表示された画像を見ながら、タッチパネルに対するタッチ操作(たとえば、情報表示切替操作、投票券購入操作など)をおこなうことができる。硬貨投入口は、硬貨の投入口である。硬貨払出口は、返却または釣銭として硬貨を払い出す払出口である。
【0020】
管理装置20は、投票券発券装置10と通信をし、投票券発券装置10がおこなう投票券の発券や投票券の払い戻しを管理する。また、管理装置20は、投票内容の集計、オッズの表示、配当金の計算などをおこなう。
【0021】
次に、実施形態の投票券発券システム1を構成する投票券発券装置10、管理装置20が有する各機能について説明する。図2は、実施形態の投票券発券システムを構成する投票券発券装置と管理装置のブロック図である。図3は、実施形態の投票内容管理テーブルを示す図である。
【0022】
投票券発券装置10は、投票券購入者から投票情報30を受け付けて、投票情報30に対応する投票を受け付けると、投票券32を発券する。
投票券発券装置10は、投票情報入力手段11、投票要求手段12、再発券情報入力手段13、再発券要求手段14、再発券情報出力手段15、発券手段16、発券許可受付手段17、確認手段18を有する。
【0023】
管理装置20は、投票券発券装置10からの投票要求を受け付けて、投票内容の集計と管理をおこなう。また、管理装置20は、投票券発券装置10に対して投票券の発券許可と発券の確認をおこなう。また、管理装置20は、投票券発券装置10に対して投票券の再発券許可と再発券の確認をおこなう。
【0024】
管理装置20は、投票要求受付手段21、集計手段22、再発券要求受付手段23、検索手段24、発券許可手段25、確認受付手段26を有する。
投票情報入力手段11は、投票券購入者が指示する投票情報30を入力する。投票情報入力手段11がおこなう投票情報30の入力は、たとえば、投票券購入者が投票カードに記録した情報(投票内容)を光学的に読み取ることによりできる。あるいは、投票情報30の入力は、ディスプレイによって表示された画像を見ながら、投票券購入者がおこなうタッチパネルに対するタッチ操作を受け付けることによりできる。なお、投票情報30の入力は、携帯電話やコンピュータ等の通信機器、非接触ICカード等の外部記憶媒体から情報入力をおこなうことによってもできる。投票情報入力手段11が入力する投票情報30は、たとえば、発売日、場名、レース番号、式別、枠番、馬番(車番、船番)、金額、単位などを含む。なお、式別には、たとえば、単勝式、複勝式、連勝単式、連勝複式、3連勝単式、3連勝複式などがある。
【0025】
投票要求手段12は、投票情報入力手段11により入力された投票情報30にもとづく投票要求を管理装置20に通知する。投票要求は、投票要求メッセージ(投票要求電文)として通信により、投票券発券装置10から管理装置20に通知される。投票要求メッセージは、たとえば、投票券発券装置10を一意に特定可能な端末識別情報(端末ID)、発売日、場名、レース番号、式別、枠番、馬番(車番、船番)、金額、単位を含み、一度に複数通り(たとえば、10通り)の投票内容を通知可能にしている。なお、投票要求メッセージが一度に通知可能な範囲は、投票内容の数によって制限してもよいし、投票カードに記録できる情報の範囲で制限してもよいし、金額や、レース番号ごと、式別ごとなど、任意の区分とすることができる。したがって、投票要求手段12は、投票情報入力手段11が受け付けた投票情報30を1つの投票要求メッセージとして管理装置20に通知してもよいし、複数の投票要求メッセージに分割して管理装置20に通知してもよい。また、投票要求手段12は、投票情報入力手段11が複数回にわたって受け付けた投票情報30を1つの投票要求メッセージとして管理装置20に通知してもよい。
【0026】
投票要求受付手段21は、投票券発券装置10からの投票要求を受け付ける。
集計手段22は、投票要求受付手段21が受け付けた投票要求から投票内容の集計をおこなう。投票内容の集計は、発券を許可する投票券と、投票券ごとの投票内容との対応関係を特定可能に記録したうえでおこなわれる。具体的には、集計手段22は、投票券IDに対応付けて、投票要求端末ID、再発券要求端末ID、投票内容、再発券内容を投票内容管理テーブル300に記録する。投票要求端末ID、再発券要求端末IDは、投票券発券装置10を一意に特定可能な端末識別情報である。投票内容は、投票券ごとの投票内容を記録する。発券は、発券処理が確認できている場合に「済」、未確認の場合に「未」が記録される。再発券は、再発券処理が確認できている場合に「済」、未確認の場合に「未」が記録される。集計手段22は、投票内容管理テーブル300に記録した投票内容にもとづいて、投票数を集計する。管理装置20は、集計手段22が集計した投票数から、オッズ、売上などを算出して管理する。
【0027】
発券許可手段25は、集計手段22が集計した投票内容に対応する投票要求の発券許可を投票券発券装置10に通知する。発券許可は、発券応答メッセージ(発券応答電文)として通信により、管理装置20から投票券発券装置10に通知される。発券応答メッセージは、たとえば、投票要求メッセージの送信元である投票券発券装置10を一意に特定可能な端末識別情報、発券種別、発券可否、投票券IDを含む。投票要求に対する発券許可の場合、発券種別は新規発券を示す情報が記録される。特に、発券可否に発券許可を示す情報を記録した発券応答メッセージは、発券許可メッセージとされる。これに対して、発券可否に発券不許可を示す情報を記録した発券応答メッセージは、発券不許可メッセージとされる。
【0028】
また、発券許可手段25は、再発券要求に対して発券許可をおこなう場合がある。この場合、発券許可手段25は、再発券要求のあった投票内容に対応する投票要求の発券許可を投票券発券装置10に通知する。再発券要求のあった投票内容は、投票要求があった際に集計手段22により集計済みの投票内容である。再発券要求に対する発券許可は、発券応答メッセージ(発券応答電文)として通信により、管理装置20から投票券発券装置10に通知される。再発券要求に対する発券許可の場合、発券種別は再発券を示す情報が記録される。
【0029】
発券許可受付手段17は、管理装置20からの投票券32の発券応答メッセージ(発券許可メッセージ)を受け付ける。
発券手段16は、発券許可にもとづいて投票券32の発券をおこなう。発券手段16は、投票券32に投票内容を印刷して明示するとともに、投票券ID、投票内容を記録して、投票券投出入口から投票券32を排出する。投票券ID、投票内容の記録は、たとえば、投票券裏面の磁性面に磁気記録する。なお、投票券ID、投票内容の記録は、バーコード等のコード化した情報として印刷記録してもよいし、内蔵、または貼付されたICチップやRFID(Radio Frequency Identification:電波による個体識別)に記録するようにしてもよい。
【0030】
確認手段18は、発券許可を受けた投票内容について発券手段16が投票券32の発券をおこなった場合、発券が完了した旨を確認メッセージ(確認電文)により管理装置20に通知する。確認メッセージは、たとえば、投票要求メッセージの送信元である投票券発券装置10を一意に特定可能な端末識別情報、発券種別、発券結果、投票券IDを含む。発券が完了した旨を確認する場合、発券結果は発券完了を示す情報が記録される。特に、発券結果に発券完了を示す情報を記録した確認メッセージは、発券確認メッセージとされる。これに対して、発券結果に発券失敗を示す情報を記録した確認メッセージは、発券失敗メッセージとされる。なお、発券種別には、投票要求に対する発券の場合に新規発券を示す情報が記録され、再発券要求に対する発券の場合に再発券を示す情報が記録される。
【0031】
確認受付手段26は、投票券発券装置10からの投票券32の確認メッセージ(発券確認メッセージ)を受け付ける。
なお、確認受付手段26が確認メッセージを受け付けることで、集計手段22は、管理する投票内容管理テーブル300の発券項目(発券を確認した投票券IDに対応する)を「済」に更新する。管理装置20は、投票内容管理テーブル300の発券項目から、投票券の発券が完了しているか否かを容易に確認することができる。
【0032】
再発券情報出力手段15は、発券手段16が投票券32の発券を失敗した場合に、投票券32を再発券するための再発券情報31を出力する。再発券情報31は、自己の端末識別情報と、発券に失敗した投票券の投票内容を含む。なお、再発券情報31は、自己の端末識別情報と、発券に失敗した投票券の投票内容に代えて投票券IDを含んでもよい。あるいは、再発券情報31は、自己の端末識別情報と、発券に失敗した投票券の投票券IDと、投票内容を含んでもよい。
【0033】
再発券情報入力手段13は、再発券情報31を入力する。再発券情報入力手段13が入力する再発券情報31は、投票券32の発券に失敗した投票券発券装置10の再発券情報出力手段15が出力した再発券情報31である。したがって、通常は、投票券32の発券に失敗した投票券発券装置10(発券失敗端末)が再発券情報31を出力し、投票券32を再発券する投票券発券装置10(再発券端末)が再発券情報31を入力する。
【0034】
再発券要求手段14は、再発券情報入力手段13により入力された再発券情報31にもとづく投票券32の再発券要求を管理装置20に通知する。再発券要求は、再発券要求メッセージ(再発券要求電文)として通信により、投票券発券装置10から管理装置20に通知される。再発券要求メッセージは、たとえば、自己の端末識別情報、発券失敗端末の端末識別情報、発券に失敗した投票内容を含む。あるいは、再発券要求メッセージは、自己の端末識別情報、発券失敗端末の端末識別情報、投票券IDを含む。あるいは、再発券情報31は、再発券端末(自己)の端末識別情報と、発券に失敗した投票券の投票券IDと、投票内容を含む。
【0035】
再発券要求受付手段23は、投票券発券装置10からの再発券要求を受け付ける。
検索手段24は、再発券要求をおこなうこととなった投票要求に対応する投票内容が集計されているか否か、投票内容管理テーブル300を検索する。検索手段24は、投票内容と発券失敗端末の端末識別情報を手掛かりにして検索をおこなう。なお、検索手段24は、投票券IDを手掛かりに含めて検索をおこなうようにしてもよい。検索手段24は、検索結果を発券許可手段25に通知する。発券許可手段25は、再発券要求をおこなうこととなった投票要求に対応する投票内容が投票内容管理テーブル300に記録されていて、なおかつ発券も再発券も未だおこなわれていない場合に、投票券発券装置10(再発券端末)に発券応答メッセージを通知する。
【0036】
このようにして、管理装置20は、投票券発券装置10から投票要求があった時点で、投票内容の集計をおこなうので、投票締切時間を意識せずに投票券32の発券、再発券をおこなうことができる。そのため、投票締切時間内に投票券32を発券、再発券できなかった場合の再集計処理を必要とする機会を低減することができる。
【0037】
次に、実施形態の投票券発券装置10のハードウェア構成について図4を用いて説明する。図4は、実施形態の投票券発券装置のハードウェア構成例を示す図である。
投票券発券装置10は、投票券発券装置制御部100、ディスプレイ108、管理者用ディスプレイ109を備える。また、投票券発券装置10は、タッチパネル110、管理者用タッチパネル111、投票カード読取ユニット112、紙幣還流ユニット113、硬貨還流ユニット114、投票券印刷ユニット115、払戻投票券読取ユニット116を備える。
【0038】
投票券発券装置制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102、HDD(Hard Disk Drive)103、通信インタフェース104、グラフィック処理装置105、および入出力インタフェース106が接続されている。
【0039】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0040】
グラフィック処理装置105には、ディスプレイ108、管理者用ディスプレイ109が接続されている。グラフィック処理装置105は、CPU101からの命令に従って、画像をディスプレイ108、管理者用ディスプレイ109の画面に表示させる。なお、管理者用ディスプレイ109は、投票券発券装置10の裏面側に備えられる管理者向けの情報表示装置である。
【0041】
入出力インタフェース106には、タッチパネル110、管理者用タッチパネル111、投票カード読取ユニット112、紙幣還流ユニット113、硬貨還流ユニット114、投票券印刷ユニット115、払戻投票券読取ユニット116が接続されている。また、入出力インタフェース106は、可搬型記録媒体120への情報の書込み、および可搬型記録媒体120への情報の読出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース106は、タッチパネル110、管理者用タッチパネル111、投票カード読取ユニット112、紙幣還流ユニット113、硬貨還流ユニット114、投票券印刷ユニット115、払戻投票券読取ユニット116、可搬型記録媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス107を介してCPU101に送信する。なお、管理者用タッチパネル111は、投票券発券装置10の裏面側に備えられる管理者向けの情報入力装置である。投票カード読取ユニット112は、投票カードから投票内容を読み取るユニットである。紙幣還流ユニット113は、紙幣の受け入れ、紙幣の真贋の鑑別、紙幣の収納、紙幣の返却、釣銭(紙幣)の払い出しをおこなう。硬貨還流ユニット114は、硬貨の受け入れ、硬貨の真贋の鑑別、硬貨の収納、硬貨の返却、釣銭(硬貨)の払い出しをおこなう。投票券印刷ユニット115は、投票券を印刷して発券する。払戻投票券読取ユニット116は、投票券を受け入れて投票内容を読み取る。
【0042】
通信インタフェース104は、ネットワーク2に接続されている。通信インタフェース104は、管理装置20との間でデータの送受信をおこなう。
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、管理装置20も同様のハードウェア構成で実現できる。
【0043】
なお、投票券発券装置10は、投票券32の再発券に伴う操作のための表示を管理者用ディスプレイ109に限定し、投票券32の再発券に伴う操作入力を管理者用タッチパネル111に限定してもよい。これにより、投票券発券装置10は、投票券32の再発券に伴う操作(再発券情報31の入出力)を管理者による操作に限定することができる。
【0044】
なお、投票券発券装置制御部100は、それぞれFPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processer)などからなるモジュールを含んで構成することもでき、CPU101を有しない構成とすることもできる。その場合、投票券発券装置制御部100は、それぞれ不揮発性メモリ(たとえば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカードなど)を備え、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリは、可搬型記録媒体120、あるいは通信インタフェース104を介してファームウェアを書き込むことができる。このように投票券発券装置制御部100は、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアの更新をすることもできる。
【0045】
次に、実施形態の投票券発券装置10のゼネラルフローについて図5を用いて説明する。図5は、実施形態の投票券発券装置のゼネラルフローチャートである。投票券発券装置10は、電源オンにより起動する。
【0046】
[ステップS11]投票券発券装置10は、管理装置20から運用データを取得する。運用データは、投票券発券装置10の起動を確認した管理装置20により通知される(ステップS21)。運用データは、投票券の発売情報を含む。投票券の発売情報は、たとえば、発売場(レースの開催場所)、発売レース、発売式別、予定投票締切時刻、発売状況などがある。運用データを取得した投票券発券装置10は、投票券の発券を受付可能な状態であれば、表示窓に投票券発券装置10が投票券の発券受付中である旨を表示する。また、投票券発券装置10は、投票券の発券を受付可能な状態であれば、硬貨還流ユニット114による投入硬貨の受け入れを開始する。硬貨還流ユニット114は、たとえば、硬貨投入口のシャッタを開放することにより投入硬貨の受け入れを開始する。また、投票券発券装置10は、投票券の発券を受付可能な状態であれば、紙幣還流ユニット113による投入紙幣の受け入れを開始する。紙幣還流ユニット113は、紙幣の投入検出により紙幣の搬送路への繰り出しを開始する。
【0047】
[ステップS12]投票券発券装置10は、管理装置20から投票券の発売状況を取得する。投票券の発売状況は、管理装置20により定期的に、またはイベント発生により通知される(ステップS22)。投票券発券装置10は、投票券の発売状況を更新する。投票券の発売状況は、発売中レース番号、発売締切レース番号、投票数、オッズなどがある。また、管理装置20は、予定投票締切時刻や発走数などレース進行に関わる情報に変更がある場合は、レース進行に関わる情報を含めて通知する。
【0048】
[ステップS13]投票券発券装置10は、投票券の発券を受付可能な状態であれば、投票券発券処理をおこなう。投票券発券処理の詳細は、図6を用いて後述する。なお、投票券発券装置10は、投票券の発券に先立ち管理装置20に投票要求をおこない、管理装置20からの発券許可を受けて投票券の発券をおこなう。そして、投票券発券装置10は、投票券の発券が完了すると投票券の発券完了を確認する旨を管理装置20に通知する。管理装置20は、投票券発券装置10から投票要求を受け付けて、投票要求を受付可能であれば発券許可を投票券発券装置10に通知する。また、管理装置20は、投票券発券装置10から投票券の発券完了を確認する旨の通知を受け付ける(ステップS23)。
【0049】
[ステップS14]投票券発券装置10は、投票券の再発券を受付可能な状態であれば、投票券再発券処理をおこなう。投票券再発券処理の詳細は、図7を用いて後述する。なお、投票券発券装置10は、投票券の再発券に先立ち管理装置20に再発券要求をおこない、管理装置20からの発券許可を受けて投票券の再発券をおこなう。そして、投票券発券装置10は、投票券の再発券が完了すると投票券の再発券完了を確認する旨を管理装置20に通知する。管理装置20は、投票券発券装置10から再発券要求を受け付けて、再発券要求を受付可能であれば発券許可を投票券発券装置10に通知する。また、管理装置20は、投票券発券装置10から投票券の再発券完了を確認する旨の通知を受け付ける(ステップS24)。
【0050】
[ステップS15]投票券発券装置10は、投票券発券処理(投票券再発券処理を含む)の運用を終了するか否かを管理装置20から投票受付の終了の通知を受けているか否かにもとづいて判定する。投票券発券装置10は、投票券発券処理の運用を終了するとした場合は、ステップS16にすすむ。一方、投票券発券装置10は、投票券発券処理の運用を継続するとした場合は、ステップS12にすすむ。管理装置20は、投票券の受け付けを終了する場合、投票券発券装置10に投票受付の終了を通知する(ステップS25)。
【0051】
[ステップS16]投票券発券装置10は、投票券発券処理の運用を終了し、運用終了処理をおこなう。運用終了処理は、投票券の発売を終了する旨の案内表示を、表示窓およびディスプレイ108によりおこなう。また、投票券発券装置10は、硬貨還流ユニット114による投入硬貨の受け入れを停止する。硬貨還流ユニット114は、たとえば、硬貨投入口のシャッタを閉じることにより投入硬貨の受け入れを停止する。また、投票券発券装置10は、投票カード読取ユニット112による投票カードの受け入れを停止する。たとえば、投票カード読取ユニット112は、投票カードの搬送路への繰り出しを停止する。また、投票券発券装置10は、紙幣還流ユニット113による投入紙幣の受け入れを停止する。紙幣還流ユニット113は、紙幣の投入検出に関わらず紙幣の搬送路への繰り出しを停止する。
【0052】
次に、実施形態の投票券発券装置10の投票券発券処理について図6を用いて説明する。図6は、実施形態の投票券発券装置の投票券発券処理のフローチャートである。
[ステップS31]投票券発券装置10は、投票券購入者が指示する投票情報を取得する。投票情報の取得は、投票券購入者が投票カードに記録した投票内容を投票カード読取ユニット112により光学的に読み取ることによりおこなう。また、投票情報の取得は、ディスプレイ108に投票案内を表示して、投票券購入者がおこなうタッチパネル110に対するタッチ操作を受け付けることによりおこなう。取得する投票情報は、たとえば、発売日、場名、レース番号などのレースを特定する情報と、特定されるレースごとの式別、枠番、馬番(車番、船番)、金額、単位などの具体的な投票内容である。
【0053】
[ステップS32]投票券発券装置10は、投票内容に応じた投票券購入のための入金をディスプレイ108により案内する。投票券発券装置10は、紙幣投出入口および硬貨投入口からの現金の投入を受け付ける。投票券発券装置10は、投票券購入に十分な入金があった場合に、取得した投票内容にもとづく投票要求を管理装置20に通知する。
【0054】
[ステップS33]管理装置20は、投票券発券装置10からの投票要求を受け付ける。
[ステップS34]管理装置20は、受け付けた投票要求に対して発券が可能か否かを判定する。たとえば、発券が可能か否かの判定は、受け付けた投票要求が投票締切時間内であるかなど、あらかじめ定めてある判定項目にしたがいおこなう。管理装置20は、投票券の発券を許可できる場合にステップS35にすすみ、投票券の発券を許可できない場合にステップS36にすすむ。
【0055】
[ステップS35]管理装置20は、受け付けた投票要求から投票内容の集計をおこなう。
[ステップS36]管理装置20は、集計した投票内容に対応する投票要求の発券許可または発券不許可を投票券発券装置10に通知する。
【0056】
[ステップS37]投票券発券装置10は、管理装置20からの発券許可または発券不許可を受け付ける。投票券発券装置10は、投票券の発券許可を受け付けた場合にステップS39にすすみ、投票券の発券不許可を受け付けた場合にステップS38にすすむ。なお、投票券発券装置10は、管理装置20に投票要求をおこなってから所定時間内に応答がなかった場合にもステップS38にすすむ。
【0057】
[ステップS38]投票券発券装置10は、管理装置20に通知した投票要求を取り消してステップS42にすすむ。
[ステップS39]投票券発券装置10は、発券許可にもとづいて投票券の発券をおこなう。投票券発券装置10は、投票券の発券が完了すると、発券が完了した旨を管理装置20に通知する。投票券発券装置10は、投票券の発券に失敗した(たとえば、投票要求をおこなってから所定時間内に投票券の発券ができなかった)場合、発券が完了した旨を管理装置20に通知しない。投票券発券装置10は、投票券の発券の成否を問わずステップS41にすすむ。
【0058】
[ステップS40]管理装置20は、投票券発券装置10から投票券の発券が完了した旨の通知を受け付ける。管理装置20は、発券が完了した投票券の再発券を禁止するため、発券が完了した投票券の投票券IDについて発券が完了したことを記録する。
【0059】
[ステップS41]投票券発券装置10は、投票券の発券が完了した場合にステップS42にすすみ、投票券の発券が完了していない場合にステップS43にすすむ。
[ステップS42]投票券発券装置10は、引き続き投票券の発券をおこなう場合にステップS31にすすみ、引き続いての投票券の発券をおこなわない場合には投票券発券処理を終了する。
【0060】
[ステップS43]投票券発券装置10は、投票券の発券に失敗したため、他の投票券発券装置10により投票券を再発券可能とするために再発券情報出力処理をおこない、投票券発券処理を終了する。再発券情報出力処理の詳細は、図8を用いて後述する。
【0061】
次に、実施形態の投票券発券装置10の投票券再発券処理について図7を用いて説明する。図7は、実施形態の投票券発券装置の投票券再発券処理のフローチャートである。
投票券再発券処理は、異常発生により投票券の発券ができなかった投票券発券装置10(故障端末)に代わって正常な投票券発券装置10(再発券端末)が投票券を再発券する処理である。
【0062】
[ステップS51]投票券発券装置10は、故障端末が出力した再発券情報を入力する再発券情報入力処理を実行する。再発券情報出力処理の詳細は、図9を用いて後述する。投票券発券装置10は、再発券情報入力処理の実行により、投票要求端末ID(故障端末ID)と投票内容を取得する。
【0063】
[ステップS52]投票券発券装置10は、取得した再発券情報にもとづく再発券要求を管理装置20に通知する。
[ステップS53]管理装置20は、投票券発券装置10からの再発券要求を受け付ける。
【0064】
[ステップS54]管理装置20は、受け付けた再発券要求に対して再発券が可能か否か投票内容の集計データを検索する。具体的には、管理装置20は、投票券発券装置10から通知された投票要求端末ID(故障端末ID)での投票内容が投票内容管理テーブル300に記録されているか否かを検索する。そして、管理装置20は、投票券発券装置10から通知された投票要求端末IDでの投票内容が投票内容管理テーブル300に記録と一致するか否かを判定する。また、管理装置20は、投票券発券装置10から通知された投票内容での発券および再発券が未だおこなわれていないか、投票内容管理テーブル300の記録にもとづいて判定する。
【0065】
管理装置20は、投票券発券装置10から通知された投票要求端末IDと投票内容が一致し、なおかつ検索された投票券IDでの発券、再発券のいずれもおこなわれていない場合に、投票券発券装置10での再発券を許可する。このとき、管理装置20は、投票内容管理テーブル300に投票券発券装置10の端末IDを再発券要求端末IDとして記録する。また、管理装置20は、再発券を「済」にして再発券がおこなわれたことを投票内容管理テーブル300に記録する。
【0066】
[ステップS55]管理装置20は、再発券を要求された投票券の再発券許可または再発券不許可を投票券発券装置10に通知する。
[ステップS56]投票券発券装置10は、管理装置20からの再発券許可または再発券不許可を受け付ける。投票券発券装置10は、投票券の再発券許可を受け付けた場合にステップS58にすすみ、投票券の再発券不許可を受け付けた場合にステップS57にすすむ。なお、投票券発券装置10は、管理装置20に再発券要求をおこなってから所定時間内に応答がなかった場合にもステップS57にすすむ。
【0067】
[ステップS57]投票券発券装置10は、管理装置20に通知した再発券要求を取り消してステップS60にすすむ。
[ステップS58]投票券発券装置10は、1回の再発券許可にもとづいて投票券の再発券を1回だけおこなう。投票券発券装置10は、投票券の再発券が完了すると、再発券が完了した旨を管理装置20に通知する。投票券発券装置10は、投票券の再発券に失敗した(たとえば、再発券要求をおこなってから所定時間内に投票券の再発券ができなかった)場合、再発券が完了した旨を管理装置20に通知しない。投票券発券装置10は、投票券の再発券の成否を問わずステップS60にすすむ。
【0068】
[ステップS59]管理装置20は、投票券発券装置10から投票券の再発券が完了した旨の通知を受け付ける。管理装置20は、再発券が完了した投票券のさらなる再発券を禁止するため、再発券が完了した投票券の投票券IDについて再発券が完了したことを記録する。
【0069】
[ステップS60]投票券発券装置10は、引き続き投票券の再発券をおこなう場合にステップS51にすすみ、引き続いての投票券の再発券をおこなわない場合には投票券再発券処理を終了する。
【0070】
なお、投票券発券装置10は、再発券情報入力処理の実行により、投票要求端末ID(故障端末ID)と投票内容を取得するようにしたが、投票内容に代えて投票券IDを取得するようにしてもよい。その場合、管理装置20は、投票要求端末ID(故障端末ID)、および投票内容での投票内容管理テーブル300の検索に代えて、投票券IDで投票内容管理テーブル300を検索することができる。
【0071】
次に、実施形態の投票券発券装置10の再発券情報出力処理について図8を用いて説明する。図8は、実施形態の投票券発券装置の再発券情報出力処理のフローチャートである。
【0072】
再発券情報出力処理は、異常発生により投票券の発券ができなかった投票券発券装置10(故障端末)が正常な投票券発券装置10(再発券端末)に投票券の再発券を引き継ぐのに必要な情報を出力する処理である。
【0073】
[ステップS71]投票券発券装置10は、再発券情報出力の指示があるか否かを判定する。投票券発券装置10は、再発券情報出力の指示がある場合にステップS72にすすみ、再発券情報出力の指示がない場合には再発券情報出力処理を終了する。
【0074】
[ステップS72]投票券発券装置10は、再発券情報の出力形態の選択指示を判定する。投票券発券装置10は、再発券情報の出力形態として通信出力の指示がある場合にステップS73にすすみ、再発券情報の出力形態として媒体出力の指示がある場合にはステップS75にすすむ。
【0075】
[ステップS73]投票券発券装置10は、再発券をおこなう投票券発券装置10(再発券端末)の指定を受け付けて再発券端末を設定する。なお、投票券発券装置10は、再発券端末を限定する必要がない場合は、再発券端末の設定を省略できる。この場合、通信出力先は、あらかじめ設定されている再発券端末、ブロードキャスト可能な範囲にある再発券端末、あるいは管理装置20とすることができる。
【0076】
[ステップS74]投票券発券装置10は、指定された通信相手先に再発券情報を通信出力する。
[ステップS75]投票券発券装置10は、再発券情報を記録した媒体を発行する。なお、記録媒体は、電磁気的な記録媒体(たとえば、ICカード、磁気カードなど)のほか、情報を印刷した紙媒体などとすることができる。
【0077】
[ステップS76]投票券発券装置10は、再発券情報を出力した投票券IDについて、再度の再発券情報出力を禁止して再発券情報出力処理を終了する。再度の再発券情報出力の禁止は、再発券情報出力禁止を示すフラグを用いてもよいし、再発券するための情報を消去してもよい。
【0078】
なお、投票券発券装置10は、再発券情報出力のための操作案内を管理者用ディスプレイ109に表示し、管理者用タッチパネル111から操作入力を受け付けることができる。また、管理者ではなく投票券購入者に操作を委ねる場合は、投票券発券装置10は、再発券情報出力のための操作案内をディスプレイ108に表示し、タッチパネル110から操作入力を受け付けることができる。
【0079】
なお、通信出力と媒体出力を選択する場合を示したが、投票券発券装置10は、通信出力と媒体出力を併用するようにしてもよい。
次に、実施形態の投票券発券装置10の再発券情報入力処理について図9を用いて説明する。図9は、実施形態の投票券発券装置の再発券情報入力処理のフローチャートである。
【0080】
再発券情報入力処理は、異常発生により投票券の発券ができなかった投票券発券装置10(故障端末)から正常な投票券発券装置10(再発券端末)が投票券の再発券を引き継ぐのに必要なデータを入力する処理である。
【0081】
[ステップS81]投票券発券装置10は、再発券情報入力の指示があるか否かを判定する。投票券発券装置10は、再発券情報入力の指示がある場合にステップS82にすすみ、再発券情報入力の指示がない場合には再発券情報入力処理を終了する。
【0082】
[ステップS82]投票券発券装置10は、再発券情報の出力形態の選択指示を判定する。投票券発券装置10は、再発券情報の入力形態として通信入力の指示がある場合にステップS83にすすみ、再発券情報の入力形態として媒体入力の指示がある場合にはステップS84にすすむ。
【0083】
[ステップS83]投票券発券装置10は、受信している再発券情報の一覧を示したうえで、入力する再発券情報の選択を受け付ける。投票券発券装置10は、選択を受け付けた再発券情報を入力して、再発券情報入力処理を終了する。
【0084】
[ステップS84]投票券発券装置10は、再発券情報を記録した媒体を受け付ける。投票券発券装置10は、受け付けた媒体から再発券情報を入力して、再発券情報入力処理を終了する。
【0085】
なお、投票券発券装置10は、再発券情報入力のための操作案内を管理者用ディスプレイ109に表示し、管理者用タッチパネル111から操作入力を受け付けることができる。また、管理者ではなく投票券購入者に操作を委ねる場合は、投票券発券装置10は、再発券情報入力のための操作案内をディスプレイ108に表示し、タッチパネル110から操作入力を受け付けることができる。
【0086】
なお、通信入力と媒体入力を選択する場合を示したが、投票券発券装置10は、通信出力と媒体出力を併用するようにしてもよい。たとえば、投票券発券装置10が複数の再発券情報を受信している場合、媒体に記録してある再発券情報を特定する情報にもとづいて再発券情報を選択するようにしてもよい。
【0087】
また、投票券発券装置10は、故障端末からの通信入力、あるいは媒体入力による再発券情報の入力に代えて、管理装置20から再発券情報を通信により入力するようにしてもよい。この場合、投票券発券装置10は、故障端末からの通信入力、あるいは媒体入力により再発券情報の照会情報を入力する。
【0088】
次に、実施形態の投票券発券システム1における再発券シーケンスの一例について図10を用いて説明する。図10は、実施形態の投票券発券システムにおける再発券シーケンスの一例を示す図である。
【0089】
投票券発券システム1の再発券シーケンスは、最初に投票券の発券処理をおこなっている投票券発券装置Aに異常が発生し、投票券発券装置Bが投票券の発券を引き継ぐ場合を例示している。
【0090】
[ステップS91]投票券発券装置Aは、入力された投票情報にもとづく投票要求メッセージを管理装置20に送信する。たとえば、投票券発券装置Aの投票要求端末IDが「投票要求端末ID#4」、投票情報にもとづく投票内容が「投票内容#4」だとすると、投票要求メッセージは、「投票要求端末ID#4」、「投票内容#4」を含む。
【0091】
[ステップS92]管理装置20は、投票券発券装置Aから投票要求メッセージを受信する。投票要求メッセージを受信した管理装置20は、投票券IDを生成する。たとえば、管理装置20は、投票券IDとして「投票券ID#4」を生成する。そして、管理装置20は、「投票券ID#4」、「投票要求端末ID#4」、「投票内容#4」を投票内容管理テーブル300に記録する。
【0092】
また、管理装置20は、投票内容管理テーブル300(図3参照)に記録した投票内容「投票内容#4」にもとづいて、投票数を集計する。
[ステップS93]管理装置20は、投票要求のあった投票券「投票券ID#4」について発券を許可する発券応答メッセージを投票券発券装置10に送信する。発券応答メッセージは、「投票券ID#4」、「投票要求端末ID#4」を含む。また、発券応答メッセージは、発券種別「新規発券」、発券可否「許可」を含む。
【0093】
[ステップS94]投票券発券装置Aは、管理装置20から発券応答メッセージを受信する。投票券発券装置Aは、発券許可にもとづいて投票券の発券処理を開始する。ここで、投票券発券装置Aに異常が発生し、発券処理を完了することができなくなった場合、発券処理を完了しないまま終了する。
【0094】
[ステップS95]投票券発券装置Aは、投票券を再発券するための再発券情報を出力する。再発券情報は、「投票内容#4」、「投票要求端末ID#4」を含む。投票券発券装置Aは、「投票内容#4」を含む再発券情報の出力により、「投票内容#4」と「投票要求端末ID#4」から特定される「投票券ID#4」の投票券について以降の発券処理、再発券情報の出力をおこなわない。これにより、「投票券ID#4」の投票券が複数枚発券されることを防止する。
【0095】
[ステップS96]投票券発券装置Bは、ネットワーク2を介して接続する投票券発券装置Aから再発券情報を入力する。
[ステップS97]投票券発券装置Bは、入力された再発券情報にもとづく投票券の再発券をおこなうため、再発券要求メッセージを管理装置20に送信する。再発券要求メッセージは、「投票内容#4」、「投票要求端末ID#4」、再発券端末(自己)の端末識別情報である「再発券要求端末ID#4」を含む。
【0096】
[ステップS98]管理装置20は、投票券発券装置Bから再発券要求メッセージを受信する。再発券要求メッセージを受信した管理装置20は、投票券発券装置Bから再発券を要求された「投票内容#4」、「投票要求端末ID#4」の投票券ID「投票券ID#4」が投票内容管理テーブル300に存在するか否か検索をおこなう。
【0097】
[ステップS99]管理装置20は、投票券ID「投票券ID#4」が投票内容管理テーブル300に記録されていて、なおかつ発券「未」、再発券「未」なので、投票券発券装置Bに発券応答メッセージを通知する。発券応答メッセージは、「投票券ID#4」、「再発券要求端末ID#4」を含む。また、発券応答メッセージは、発券種別「再発券」、発券可否「許可」を含む。また、管理装置20は、「投票券ID#4」について「再発券要求端末ID#4」を投票内容管理テーブル300に記録する。
【0098】
[ステップS100]投票券発券装置Bは、管理装置20から発券応答メッセージを受信する。投票券発券装置Bは、発券許可にもとづいて投票券の再発券処理を開始する。
[ステップS101]投票券発券装置Bは、発券処理を完了すると、管理装置20に確認メッセージを送信する。確認メッセージは、「投票券ID#4」、「再発券要求端末ID#4」を含む。また、発券応答メッセージは、発券種別「再発券」、発券結果「完了」を含む。投票券発券装置Bは、「投票券ID#4」の投票券の再発券完了により、「投票券ID#4」の投票券について以降の再発券処理、再発券情報の出力をおこなわない。これにより、「投票券ID#4」の投票券が複数枚発券されることを防止する。
【0099】
[ステップS102]管理装置20は、投票券発券装置Bから発券応答メッセージを受信する。管理装置20は、「投票券ID#4」について再発券「済」を投票内容管理テーブル300に記録する。これにより、管理装置20は、「投票券ID#4」について再度の再発券要求を受け付けても、「投票券ID#4」について再度の再発券を許可することはない。
【0100】
このように、投票券発券装置Aが投票券の発券に失敗をしても、投票券発券装置Bが再発券を引き継ぐため、管理装置20は、投票内容の集計結果を修正する必要を生じない。また、投票券発券装置Bは、投票締切と関係なく投票券を再発券することができるから、投票締切間際の投票券の発券失敗があっても、レース主催者の売上機会、投票券購入者の投票券購入機会を失うことがない。
【0101】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、投票券発券装置10、管理装置20が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0102】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0103】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0104】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0105】
1 投票券発券システム
2 ネットワーク
10 投票券発券装置
11 投票情報入力手段
12 投票要求手段
13 再発券情報入力手段
14 再発券要求手段
15 再発券情報出力手段
16 発券手段
17 発券許可受付手段
18 確認手段
20 管理装置
21 投票要求受付手段
22 集計手段
23 再発券要求受付手段
24 検索手段
25 発券許可手段
26 確認受付手段
30 投票情報
31 再発券情報
32 投票券

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投票情報の集計と管理をおこなう管理装置と、ネットワークを介して前記管理装置と接続する投票券発券装置を備える投票券発券システムにおいて、
前記投票券発券装置は、
前記投票情報を入力する投票情報入力手段と、
入力された前記投票情報にもとづく投票要求を前記管理装置におこなう投票要求手段と、
前記管理装置からの前記投票券の発券許可を受け付ける発券許可受付手段と、
前記発券許可にもとづく前記投票券の発券をおこなう発券手段と、
前記投票券の発券を失敗した場合に、前記投票券を再発券するための再発券情報を出力する再発券情報出力手段と、
前記再発券情報を入力する再発券情報入力手段と、
入力された前記再発券情報にもとづく投票券の再発券要求を前記管理装置におこなう再発券要求手段と、を備え、
前記管理装置は、
前記投票要求を受け付ける投票要求受付手段と、
前記投票要求から投票内容の集計をおこなう集計手段と、
前記再発券要求を受け付ける再発券要求受付手段と、
前記再発券要求をおこなうこととなった前記投票要求に対応する前記投票内容が集計されているか否かを検索する検索手段と、
集計した前記投票内容に対応する前記投票要求の発券許可、または検索結果が集計されているとされた場合の発券許可を前記投票券発券装置に通知する発券許可手段と、
を備えることを特徴とする投票券発券システム。
【請求項2】
前記投票券発券装置は、前記投票券の発券完了を通知する確認手段を備え、
前記管理装置は、前記投票券の発券完了の通知を受け付ける確認受付手段を備えることを特徴とする請求項1記載の投票券発券システム。
【請求項3】
前記集計手段は、受け付けた投票要求にもとづいて投票券単位で投票券を一意に識別可能な投票券識別情報を付与し、投票券識別情報に対応付けて、投票要求端末ID、投票内容を記録することを特徴とする請求項1または請求項2記載の投票券発券システム。
【請求項4】
前記集計手段は、前記確認手段から通知を受けた前記投票券の発券完了の結果を、前記投票券識別情報に対応付けて記録することを特徴とする請求項3記載の投票券発券システム。
【請求項5】
前記発券許可手段は、前記投票券識別情報に対応付けて記録した前記投票券の発券完了の結果が発券完了である場合、前記投票券識別情報に対応する前記投票券の再発券を許可しないことを特徴とする請求項4記載の投票券発券システム。
【請求項6】
前記再発券情報出力手段は、出力した前記再発券情報の再出力をおこなわないことを特徴とする請求項1記載の投票券発券システム。
【請求項7】
前記発券手段は、前記再発券情報出力手段が前記再発券情報を出力した前記投票券の発券をおこなわないことを特徴とする請求項1記載の投票券発券システム。
【請求項8】
前記再発券情報出力手段は、再発券が完了した前記投票券に対応する前記再発券情報の出力をおこなわないことを特徴とする請求項1記載の投票券発券システム。
【請求項9】
投票情報の集計と管理をおこなう管理装置とネットワークを介して接続して投票券発券システムを構成する投票券発券装置において、
前記投票券発券装置は、
前記投票情報を入力する投票情報入力手段と、
入力された前記投票情報にもとづく投票要求を前記管理装置におこなう投票要求手段と、
前記管理装置からの前記投票券の発券許可を受け付ける発券許可受付手段と、
前記発券許可にもとづく前記投票券の発券をおこなう発券手段と、
前記投票券の発券を失敗した場合に、前記投票券を再発券するための再発券情報を出力する再発券情報出力手段と、
前記再発券情報を入力する再発券情報入力手段と、
入力された前記再発券情報にもとづく投票券の再発券要求を前記管理装置におこなう再発券要求手段と、を備えることを特徴とする投票券発券装置。
【請求項10】
投票情報の集計と管理をおこなう管理装置と、ネットワークを介して前記管理装置と接続する投票券発券装置を備える投票券発券システムの投票券発券方法において、
前記投票券発券装置は、
投票券の発券を失敗した投票券発券装置が出力した前記投票券を再発券するための再発券情報を入力し、
入力された前記再発券情報にもとづく前記投票券の再発券要求を前記管理装置におこない、
前記管理装置は、
前記再発券要求を受け付けて、前記投票券の発券を失敗した前記投票券発券装置からの投票要求にもとづく投票内容と、前記再発券要求にもとづく投票内容とが一致する場合に、前記投票券発券装置に前記投票券の再発券許可を通知することを特徴とする投票券発券方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−154604(P2011−154604A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16557(P2010−16557)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】