説明

投票管理プログラム、投票管理方法、および、投票管理システム

【課題】集計誤差の発生を抑制すること。
【解決手段】端末装置200a、200bは、ホストコンピュータ100から投票券の発売停止通知を受けた後にホストコンピュータ100から集計の停止を予告する減算停止予告通知を受信する。そして、予告通知を受信したときに、発券のキャンセルを行っているか否かを判断する。発券のキャンセルを行っている場合、発券のキャンセル後にホストコンピュータ100に減算完了通知を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は投票管理プログラム、投票管理方法、および、投票管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
勝馬投票券等の各種投票券を発売、および集計するシステムが知られている。
このシステムでは、例えば、投票時には、投票券を発売する端末装置から投票内容を含む投票要求を送信する。投票要求を受信したホストコンピュータは、発券可能か否かを確認する。そして、発券可能ならばホストコンピュータ上の投票の集計表を更新し、端末装置に発券可能を応答する。端末装置は、その応答を受信すると、発券する。このような一連の動作により、発売業務を行っている。
【0003】
しかし、(1)端末装置とホストコンピュータ間の通信異常の発生により、端末装置に発券可能の応答が届かなかった場合や、(2)発券可能の応答は受信できたが、端末装置の発券機能に異常が発生することにより発券できなかった場合等は、投票の集計はされているが、投票券が存在しないという状態が起こりうる。
【0004】
このため、(1)の場合は、端末装置は、投票要求を送信した後に、ホストコンピュータから所定時間、発券可能の応答がなければ、投票要求を再度送信する。ホストコンピュータは、受信した投票要求に含まれる投票内容が集計済みであれば、集計せずに応答のみ返すという処理を行うことにより、集計が正しく行われるように対処している。
【0005】
また、(2)の場合は、端末装置が存在する投票所で別の手段により減算(集計キャンセル)操作等を行い集計が正しく行われるように対処している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−295278号公報
【特許文献2】特開平07−028908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、公営競技では、競走開始時間が予め定められている。このため、公正を期するために投票券の発行を競走開始時間の所定時間前に停止するという時間的制約が存在する。
【0008】
このため、(1)や(2)の処理が発行停止時間に間に合わない場合は、集計されたにもかかわらず、投票券が存在しないということになり、集計誤差が発生するという問題があった。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、集計誤差の発生を抑制する投票管理プログラム、投票管理方法、および、投票管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、顧客の投票券の発券操作に応じてホストコンピュータに対し発券可能か否かを問い合わせ、ホストコンピュータから発券可能を受信して投票券を発券する投票管理プログラムが提供される。この投票管理プログラムは、コンピュータに、受信手順、判断手順、通知手順を実行させる。
【0011】
受信手順では、ホストコンピュータから投票券の発券の停止通知を受けた後にホストコンピュータから集計の停止を予告する予告通知を受信する。
判断手順では予告通知を受信したときに、発券のキャンセルを行っているか否かを判断する。
【0012】
通知手順では、発券のキャンセルを行っている場合、発券のキャンセル後にホストコンピュータに業務完了を通知する。
【発明の効果】
【0013】
開示の投票管理プログラムによれば、集計誤差の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態の投票管理システムの概要を示す図である。
【図2】投票管理システムの処理を示すシーケンス図である。
【図3】端末装置にしかかり中の減算が発生した場合の処理を示すシーケンス図である。
【図4】ホストコンピュータが、端末装置から減算完了通知を受信できなかった場合の処理を示す図である。
【図5】ホストコンピュータに接続されたモニタに表示される発売状況を示す画面を示す図である。
【図6】投票所の詳細な内容を示す図である。
【図7】ホストコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【図8】ホストコンピュータの機能を示すブロック図である。
【図9】ホストコンピュータの減算停止予告通知送信時の処理を説明するフローチャートである。
【図10】端末装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図11】端末装置の機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施の形態の投票管理システムの概要を示す図である。
実施の形態の投票管理システム1000は、ホストコンピュータ100と、複数の端末装置(図1では、端末装置200a、および、端末装置200b)とがネットワーク50を介して接続されている。
【0016】
ホストコンピュータ100は、投票券の発券を管理する。具体的には、ホストコンピュータ100は、投票券の発券金額と、投票券の購入の際に入金された入金額を一致させる処理を行う。
【0017】
端末装置200a、および、端末装置200bは、それぞれ、1箇所または複数箇所の投票所に設置されている。これら端末装置200a、および、端末装置200bは、顧客(投票者)の投票券の発券操作に応じてホストコンピュータ100に投票要求を送信する。
【0018】
この投票要求は、端末装置200a、または、端末装置200bが、ホストコンピュータ100に対して投票があったことを通知し、発券可能か否かを問い合わせる要求である。この投票要求には、例えば、本日開催される競馬場の第11レースの馬番1番に単勝100円等の投票内容が含まれている。
【0019】
ホストコンピュータ100は、受信した投票要求に含まれる投票内容を集計表に反映させる。そして、投票要求を送信した端末装置200a、または、端末装置200bに対し、発券許可を応答する。
【0020】
ホストコンピュータ100の発券許可を受けた端末装置200a、または、端末装置200bは、投票券を発券する。
ところで、ホストコンピュータ100は、発売許可期間と、発売停止期間を管理する。
【0021】
発売許可期間は、投票券の発売を許可する期間である。この期間は、端末装置200a、または、端末装置200bからの投票要求、並びに、端末装置200a、または、端末装置200bからの減算要求の両方を受け付ける。
【0022】
ここで、減算要求とは、例えば、端末装置200a、または、端末装置200bに異常が発生する等の集計を修正する状況が発生した場合において、発券できなかった投票券が存在する場合に、その投票券の投票内容を集計表からキャンセルさせる要求である。
【0023】
ホストコンピュータ100は、端末装置200a、または、端末装置200bから減算要求があった場合には、集計表の内容を修正する。その後、その減算(発券のキャンセル)を許可する処理を行う。
【0024】
ホストコンピュータ100は、定刻に発売許可期間から発売停止期間への移行を端末装置200a、および、端末装置200bに送信する。
発売停止期間は、投票券の発売を停止する期間である。この期間は、端末装置200a、および、端末装置200bからの投票要求を受け付けない。
【0025】
この発売停止期間においては、一定期間のみ、減算要求を受け付ける。
一定期間が経過すると、ホストコンピュータ100は、減算要求の受け付けの停止予告を端末装置200a、および、端末装置200bに送信する。
【0026】
ホストコンピュータ100は、減算要求の受け付けの停止予告の通知後に、端末装置200a、および、端末装置200bから通知に対する業務完了の応答を受信した場合は、減算の停止を端末装置200a、および、端末装置200bに送信する。
【0027】
これにより、ホストコンピュータ100は、集計処理が完了したことを確認することができるため、対策が可能となり集計誤差が抑制される。
次に、ホストコンピュータ100と端末装置200a、200bとの間の情報のやり取りを詳しく説明する。
【0028】
図2は、投票管理システムの処理を示すシーケンス図である。
図2に示す用語の意味は以下の通りである。
発券可応答:ホストコンピュータ100が、投票要求を出力した端末装置に対し、発券を許可するときにホストコンピュータ100が出力する応答を言う。
【0029】
発売停止通知:発売許可期間から発売停止期間への移行に伴い、ホストコンピュータ100が、端末装置200a、および、端末装置200bに対し、投票券の発券を停止させるときの通知を言う。
【0030】
減算停止予告通知:所定時間経過後に減算要求の受け付けを停止する予告の通知を言う。
減算可応答:端末装置200a、または、端末装置200bからの減算要求に対し、減算を許可するときにホストコンピュータ100が当該端末装置に対し出力する応答を言う。
【0031】
減算完了通知:端末装置200a、および、端末装置200bが減算停止予告通知を受けて減算を行っていないときはそのときに、減算を行っているときは、減算が完了したときにホストコンピュータ100に対する業務完了を示す通知を言う。
【0032】
減算停止通知:ホストコンピュータ100が、端末装置200a、および、端末装置200b(全ての端末装置)からの減算完了通知を確認した後に、端末装置200a、および、端末装置200bに対し出力する通知を言う。これ以降、ホストコンピュータ100は、集計表を追加、訂正する処理は行わない。
【0033】
以下、端末装置200aが、ホストコンピュータ100に対し投票要求を送信する場合を例に投票管理システム1000の処理を説明する。
[シーケンスSeq1] 端末装置200aが、ホストコンピュータ100に対し投票要求を送信する。
【0034】
[シーケンスSeq2] 投票要求を受信したホストコンピュータ100は、投票要求に含まれる投票内容に基づいて、集計表を修正する。その後、発券可応答を端末装置200aに送信する。
【0035】
[シーケンスSeq3] 発券可応答を受信した端末装置200aは、購入金額の投票券を発券する。
[シーケンスSeq4] 定刻にホストコンピュータ100は、投票券の発売停止通知を端末装置200a、および、端末装置200bに送信する。
【0036】
[シーケンスSeq5] 端末装置200bにしかかり中の減算が存在する場合、端末装置200bは、ホストコンピュータ100に対し減算要求を送信する。
なお、ここでいうしかかり中とは、端末装置200a、または、端末装置200bから投票要求を送信し、発券完了までの間、ないし、端末装置200a、または、端末装置200bが、ホストコンピュータ100へ減算要求を送信してから、その応答を受信するまでの期間をさす。
【0037】
[シーケンスSeq6] 減算要求を受信したホストコンピュータ100は、減算要求に含まれる減算内容に応じて集計表を修正し、減算可応答を端末装置200bに送信する。減算可応答を受信した端末装置200bは、減算を行う。
【0038】
[シーケンスSeq7] 定刻にホストコンピュータ100は、減算停止予告通知を端末装置200a、および、端末装置200bに送信する。なお、発売停止通知から減算停止予告通知までの時間は、例えば、数十秒である。
【0039】
[シーケンスSeq8] 端末装置200aは、減算を行っていないため、減算停止予告通知に応じて減算完了通知をホストコンピュータ100に返す。
[シーケンスSeq9] 端末装置200bは、減算を行っていないため、減算停止予告通知に応じて減算完了通知をホストコンピュータ100に返す。
【0040】
[シーケンスSeq10] ホストコンピュータ100は、稼働している全ての端末装置200a、および、端末装置200bから減算完了通知を受信した後に、減算停止通知を端末装置200a、および、端末装置200bに送信する。
【0041】
以上で投票管理システム1000の処理の説明を終了する。
次に、発券ジャム等により、端末装置200aにしかかり中の減算が発生した場合の処理を説明する。
【0042】
図3は、端末装置にしかかり中の減算が発生した場合の処理を示すシーケンス図である。
[シーケンスSeq11] 端末装置200aが、ホストコンピュータ100に対し投票要求を送信する。
【0043】
[シーケンスSeq12] 投票要求を受信したホストコンピュータ100は、発券可応答を端末装置200aに送信する。
[シーケンスSeq13] 発券可応答を受信した端末装置200aは、発券ジャム等により、投票券の発券ができない。
【0044】
[シーケンスSeq14] 定刻にホストコンピュータ100は、投票券の発売停止通知を端末装置200a、および、端末装置200bに送信する。
[シーケンスSeq15] 定刻にホストコンピュータ100は、減算停止予告通知を端末装置200a、および、端末装置200bに送信する。
【0045】
[シーケンスSeq16] 減算停止予告通知を受信した端末装置200bは、減算完了通知をホストコンピュータ100に応答する。減算完了通知を受信したホストコンピュータ100は、端末装置200bの減算完了を認識する。
【0046】
[シーケンスSeq17] 発売停止通知を受信した端末装置200aは、しかかり中の減算が発生しているので、減算要求をホストコンピュータ100に応答する。
[シーケンスSeq18] 減算要求を受信したホストコンピュータ100は、減算可応答を端末装置200aに応答する。
【0047】
[シーケンスSeq19] 減算が終了した端末装置200aは、減算完了通知をホストコンピュータ100に送信する。減算完了通知を受信したホストコンピュータ100は、端末装置200aの減算完了を認識する。
【0048】
[シーケンスSeq20] ホストコンピュータ100は、稼働している全ての端末装置200a、および、端末装置200bから減算完了通知を受信した後に、減算停止通知を端末装置200a、および、端末装置200bに送信する。
【0049】
以上で、端末装置200aにしかかり中の減算が発生した場合の処理の説明を終了する。
次に、ホストコンピュータ100が、端末装置200a、および、端末装置200bから減算完了通知を受信できなかった場合の処理を説明する。
【0050】
図4は、ホストコンピュータが、端末装置から減算完了通知を受信できなかった場合の処理を示す図である。
[シーケンスSeq21] 端末装置200aが、ホストコンピュータ100に対し投票要求を送信する。
【0051】
[シーケンスSeq22] 投票要求を受信したホストコンピュータ100は、発券可応答を端末装置200aに送信する。
以下、端末装置200aに障害が発生したものとして説明する。
【0052】
[シーケンスSeq23] 定刻にホストコンピュータ100は、投票券の発売停止通知を端末装置200a、および、端末装置200bに送信する。
[シーケンスSeq24] 端末装置200bにしかかり中の減算が存在する場合、端末装置200bはホストコンピュータ100に対し減算要求を送信する。
【0053】
図4では、端末装置200bが送信した減算要求が、何らかの理由によりホストコンピュータ100が受信できなかった場合を示している。この場合、端末装置200bは、減算要求に対する減算可応答を受信できずに、減算要求は、タイムアウトしている。
【0054】
[シーケンスSeq25] 定刻にホストコンピュータ100は、減算停止予告通知を端末装置200a、および、端末装置200bに送信する。
このとき、端末装置200aは、障害が発生しており、減算完了通知をホストコンピュータ100に送信できない。また、端末装置200bは、減算可応答が受信できなかったため、減算を完了することができずに、減算完了通知をホストコンピュータ100に送信できない。この場合、ホストコンピュータ100は、減算停止予告通知に対する減算完了通知を受信できずに、減算停止予告通知は、タイムアウトしている。
【0055】
これにより、ホストコンピュータ100は、端末装置200a、および、端末装置200bのいずれもが減算を完了できなかったことを把握することができる。
[シーケンスSeq26] タイムアウト時は、図4に示すように、減算完了通知が受信できなかった端末装置200a、および、端末装置200bへ再度、減算停止予告通知を送信するようにしてもよい。それでも端末装置200a、および、端末装置200bからの応答がない場合には、ホストコンピュータ100は、応答がないことをホストコンピュータ100に接続されたモニタに表示する。例えば、画面に減算完了通知を受信できなかった投票所や、端末装置の番号等を表示し、オペレータに減算の有無を確認するよう促す。オペレータが、投票所の管理者に減算の有無を確認し、減算が存在する場合は、ホストコンピュータ100側の操作にて減算を実施する。
【0056】
図5は、ホストコンピュータに接続されたモニタに表示される発売状況を示す画面を示す図である。
図5では10箇所の投票所が示されている。各投票所には、複数の端末装置が設定されている。
【0057】
図5では、第5投票所に発売中の端末装置が存在していること(丸印)を示している。また、第6投票所に減算中の端末装置が存在していること(三角印)を示している。それ以外の投票所の端末装置は、減算を完了していること(−印)を示している。
【0058】
また、オペレータは、ホストコンピュータ100に接続されたモニタ104aに表示された各投票所を選択することにより、各投票所の詳細な内容をモニタ104aに表示させることができる。
【0059】
図6は、投票所の詳細な内容を示す図である。
図6では、オペレータが第5投票所を選択したときの第5投票所の詳細な内容がホストコンピュータ100に接続されたモニタ104aに表示されている。
【0060】
図6では、「端末24」の端末装置が投票券の発売中であること(丸印)を示している。「端末35」の端末装置が減算中であること(三角印)を示している。それ以外の端末装置は、減算を完了していること(−印)を示している。
【0061】
なお、本実施の形態では、図5にて全ての投票所の状況、および、図6において全ての端末装置の状況をモニタ104aに表示する例を示したが、これに限らず、発売中や減算中の端末装置のみをモニタ104aに表示するようにしてもよい。
【0062】
以下、前述した処理を実現するホストコンピュータ100の構成、および、機能の一例、並びに、端末装置200a、200bの構成、および、機能の一例を説明する。
<ホストコンピュータの構成>
図7は、ホストコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【0063】
ホストコンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、外部補助記憶装置106および通信インタフェース107が接続されている。
【0064】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。また、HDD103内には、プログラムファイルが格納される。
【0065】
グラフィック処理装置104には、モニタ104aが接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ104aの画面に表示させる。入力インタフェース105には、キーボード105aとマウス105bとが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード105aやマウス105bから送られてくる信号を、バス108を介してCPU101に送信する。
【0066】
外部補助記憶装置106は、記録媒体に書き込まれた情報を読み取ったり、記録媒体に情報を書き込んだりする。外部補助記憶装置106で読み書きが可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等が挙げられる。磁気記録装置としては、例えば、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等が挙げられる。光ディスクとしては、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等が挙げられる。光磁気記録媒体としては、例えば、MO(Magneto-Optical disk)等が挙げられる。
【0067】
通信インタフェース107は、ネットワーク50に接続されている。通信インタフェース107は、ネットワーク50を介して、端末装置200a、200bとの間でデータの送受信を行う。
【0068】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。このようなハードウェア構成のホストコンピュータ100内には、以下のような機能が設けられる。
【0069】
図8は、ホストコンピュータの機能を示すブロック図である。
ホストコンピュータ100は、制御部110と、集計記憶部120と、通信部130とを有している。
【0070】
制御部110は、投票要求を受信すると、集計記憶部120に記憶されている集計表を書き換える。
また、制御部110は、所定時刻に発売停止、減算停止予告通知を送信する。
【0071】
また、制御部110は、減算停止予告通知の送信後、端末装置200a、および、端末装置200b(稼動中のすべての端末装置)から減算完了通知を受信することにより、該当レースの減算を完全に停止する。
【0072】
また、制御部110は、端末装置200aが減算の途中で異常が発生した場合等、一部の端末装置からの減算完了通知を受信できない場合は、一定時間応答を待機する。
そして、ネットワーク50の異常や端末装置200a、または、端末装置200bの異常で発券不可だった場合や、端末装置200a、または、端末装置200bが減算したのにエラーが発生した場合等、減算完了通知が受信できなかったときは、その該当する投票券の集計をキャンセルする。
【0073】
集計記憶部120は、集計表を記憶する。
通信部130は、制御部110から受け取った情報を通信インタフェース107に送ったり、通信インタフェース107から受け取った情報を制御部110に渡したりする。
【0074】
次に、ホストコンピュータ100の減算停止予告通知送信時の処理を説明する。
図9は、ホストコンピュータの減算停止予告通知送信時の処理を説明するフローチャートである。
【0075】
[ステップS1] 制御部110が、減算停止予告通知を各端末装置に送信する。その後、ステップS2に遷移する。
[ステップS2] 制御部110が、端末装置200a、および、端末装置200bから減算完了通知を受信したか否かを判断する。減算完了通知を受信していない端末装置が存在する場合(ステップS2のNo)、ステップS3に遷移する。端末装置200a、および、端末装置200bから減算完了通知を受信した場合(ステップS2のYes)、ステップS4に遷移する。
【0076】
[ステップS3] 制御部110が、減算停止時刻になったか否かを判断する。減算停止時刻になった場合(ステップS3のYes)、ステップS4に遷移する。減算停止時刻になっていない場合(ステップS3のNo)、ステップS2に遷移する。
【0077】
[ステップS4] 制御部110が、減算停止通知を端末装置200a、および、端末装置200bに対し送信する。
以上で、減算停止予告通知送信時の処理の説明を終了する。
【0078】
<端末装置の構成>
図10は、端末装置のハードウェア構成例を示す図である。
端末装置200aは、CPU201によって装置全体が制御されている。CPU201には、バス209を介してRAM202、HDD203、紙幣管理装置204、発券装置205、グラフィック処理装置206、入力インタフェース207、および通信インタフェース208が接続されている。
【0079】
RAM202には、CPU201に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM202には、CPU201による処理に必要な各種データが格納される。HDD203には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。また、HDD203内には、プログラムファイルが格納される。
【0080】
紙幣管理装置204は、顧客からの投票券購入の際に入金される紙幣や硬貨の入金口やおつりの払い出し口を有している。紙幣管理装置204は、紙幣や硬貨が入金されると、入金される紙幣や硬貨を種別毎に管理する。そして、CPU201からの命令に従って、指定された金額をおつりの払い出し口から払い出す。
【0081】
発券装置205は、投票カードの入力口や投票券の払い出し口を有している。
発券装置205は、入力された投票カードの内容を読み取る。例えば、投票カードがマークシートであれば、マークされた内容を読み取る。競馬の場合、投票カードには、開催地名、レース番号、枠番、馬番、金額、単位等がマークされるようになっている。そして、発券装置205は、読み取った内容をCPU201に送る。
【0082】
また、発券装置205は、CPU201の指示により、投票券を発券し、払い出し口から払い出す。
グラフィック処理装置206および入力インタフェース207には、タッチパネルモニタ206aが接続されている。グラフィック処理装置206は、CPU201からの命令に従って、投票券の発券枚数や、投入金額や、おつりの金額等をタッチパネルモニタ206aの画面に表示させる。また、入力インタフェース207は、顧客の操作に応じてタッチパネルモニタ206aから送られてくる位置信号を、バス209を介してCPU201に送信する。
【0083】
通信インタフェース208は、ネットワーク50に接続されている。通信インタフェース208は、ネットワーク50を介して、ホストコンピュータ100との間でデータの送受信を行う。
【0084】
以上、端末装置200aのハードウェア構成について説明したが、端末装置200bも同様のハードウェア構成をなしている。
次に、端末装置200aが有する機能を説明する。
【0085】
図11は、端末装置の機能を示すブロック図である。
端末装置200aは、制御部210と、発券部220と、減算部230と、通信部240と、表示部250とを有している。
【0086】
制御部210は、該当レースの減算停止予告通知を受信すると、しかかり中の発券・減算がなければ、直ちに減算完了通知をホストコンピュータ100へ送信する。しかかり中の減算があれば、その処理完了後に、減算完了通知をホストコンピュータ100へ送信する。
【0087】
発券部220は、投票券の発券処理を行う。
減算部230は、減算を行う。
通信部240は、制御部210から受け取った情報を通信インタフェース208に送ったり、通信インタフェース208から受け取った情報を制御部210に渡したりする。
【0088】
表示部250は、タッチパネルモニタ206aに発券画面等を表示する。
以上、端末装置200aが有する機能について説明したが、端末装置200bも同様の機能を有している。
【0089】
以上述べたように、投票管理システム1000によれば、しかかり中の発券、減算がなければ直ちに減算完了通知をホストコンピュータ100に通知し、しかかり中の発券、減算があれば、その処理完了後に減算完了通知をホストコンピュータ100に通知するようにした。これにより、集計誤差を抑制することができる。
【0090】
また、端末装置200a、および、端末装置200bは、投票券の一部保留部等の特別な機構を不要とすることができる。
以上、本発明の投票管理プログラム、投票管理方法、および、投票管理システムを、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0091】
また、本発明は、前述した実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、前述したように、ホストコンピュータ100、並びに、端末装置200a、および、端末装置200bの処理機能は、コンピュータによって実現することができる。
【0092】
その場合、ホストコンピュータ100、並びに、端末装置200a、および、端末装置200bは、それぞれ、前述した処理内容を記述したプログラムが提供され、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0093】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等が挙げられる。磁気記録装置としては、例えば、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等が挙げられる。光ディスクとしては、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等が挙げられる。光磁気記録媒体としては、例えば、MO(Magneto-Optical disk)等が挙げられる。
【0094】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0095】
投票管理プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【符号の説明】
【0096】
100 ホストコンピュータ
110 制御部
120 集計記憶部
130 通信部
200a、200b 端末装置
210 制御部
220 発券部
230 減算部
240 通信部
250 表示部
1000 投票管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の投票券の発券操作に応じてホストコンピュータに対し発券可能か否かを問い合わせ、前記ホストコンピュータから発券可能を受信して前記投票券を発券する投票管理プログラムにおいて、
コンピュータに、
前記ホストコンピュータから前記投票券の発券の停止通知を受けた後に前記ホストコンピュータから集計の停止を予告する予告通知を受信する受信手順、
前記予告通知を受信したときに、発券のキャンセルを行っているか否かを判断する判断手順、
前記発券のキャンセルを行っている場合、前記発券のキャンセル後に前記ホストコンピュータに業務完了を通知する通知手順、
を実行させることを特徴とする投票管理プログラム。
【請求項2】
前記通知手順では、前記発券のキャンセルを行っていない場合、直ちに前記予告通知に対して業務完了を応答することを特徴とする請求項1記載の投票管理プログラム。
【請求項3】
端末装置の顧客の投票券の発券操作に応じて発券可能か否かの問い合わせを受けて、前記端末装置に対し発券可能を送信する投票管理プログラムにおいて、
コンピュータに、
前記問い合わせに含まれる投票内容を集計する集計手順、
前記集計の停止を予告する予告通知を全ての前記端末装置に送信する送信手順、
前記予告通知後に前記端末装置からの業務完了の通知を受信する受信手順、
全ての前記端末装置から前記業務完了の通知を受信すると前記集計を停止する停止手順、
全ての前記端末装置から前記業務完了の通知を受信できない場合、前記業務完了の通知を受信していない前記端末装置を表示する表示手順、
を実行させることを特徴とする投票管理プログラム。
【請求項4】
顧客の投票券の発券操作に応じてホストコンピュータに対し発券可能か否かを問い合わせ、前記ホストコンピュータから発券可能を受信して前記投票券を発券する投票管理方法において、
コンピュータが、
前記ホストコンピュータから前記投票券の発券の停止通知を受けた後に前記ホストコンピュータから集計の停止を予告する予告通知を受信し、
前記予告通知を受信したときに、発券のキャンセルを行っているか否かを判断し、
前記発券のキャンセルを行っている場合、前記発券のキャンセル後に前記ホストコンピュータに業務完了を通知する、
ことを特徴とする投票管理方法。
【請求項5】
顧客の投票券の発券操作に応じてホストコンピュータに対し発券可能か否かを問い合わせ、前記ホストコンピュータから発券可能を受信して前記投票券を発券する端末装置を有する投票管理システムにおいて、
前記端末装置は、
前記ホストコンピュータから前記投票券の発券の停止通知を受けた後に前記ホストコンピュータから集計の停止を予告する予告通知を受信する受信部と、
前記予告通知を受信したときに、発券のキャンセルを行っているか否かを判断する判断部と、
前記発券のキャンセルを行っている場合、前記発券のキャンセル後に前記ホストコンピュータに業務完了を通知する通知部と、
を有し、
前記ホストコンピュータは、
前記問い合わせに含まれる投票内容を集計する集計部と、
前記予告通知を全ての前記端末装置に送信する送信部と、
前記予告通知後に前記端末装置からの前記業務完了の通知を受信する受信部と、
全ての前記端末装置から前記業務完了の通知を受信すると前記集計を停止する停止部と、
全ての前記端末装置から前記業務完了の通知を受信できない場合、前記業務完了の通知を受信していない前記端末装置を表示する表示部と、
を有することを特徴とする投票管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−154603(P2011−154603A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16556(P2010−16556)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】