説明

投稿情報評価装置及び投稿情報評価方法

【課題】投稿情報が不正行為によるものか否かの信頼性をより正確に評価することを可能にした投稿情報評価装置及び投稿情報評価方法を提供する。
【解決手段】ユーザ端末100に通信可能に接続され、ユーザ端末100から送信される投稿情報の信頼性を評価する投稿情報信頼性評価装置1であって、投稿情報を含む行動履歴情報を、順次ユーザを識別するユーザIDに関連付けて記憶するユーザ行動ログDB131と、ユーザ行動ログDB131から、所定の投稿情報について、当該所定の投稿情報に関連付けられたユーザIDと同一のユーザIDに関連付けられた、それ以前の所定の前記行動履歴情報を抽出する投稿前行動抽出手段144と、投稿前行動抽出手段144により抽出された行動履歴情報と、予め記憶した、投稿情報が不正投稿であるか否かを判定するための投稿信用条件とに基づいて、投稿情報の信頼性を評価する投稿前行動評価手段146と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投稿情報評価装置及び投稿情報評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ウェブページに表示された地図からエリア選択を受け付け、選択されたエリア内の店舗情報を表示するサービスがある(特許文献1参照)。あるいは、地図サービスを伴わないものも含めて、店舗に対するユーザからの評価等を含む投稿情報を受け付けて集計し、当該投稿情報の数、投稿情報に含まれる評価の高低等によってランク付けを行うサービスがある。このようなサービスにより、ユーザは、店舗側が提供する情報や広告とは異なり、実際に店舗を利用したユーザの視点に基づいて提供される投稿情報や評価を頼りに、店舗の探索や選定を行うことが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−546082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように、店舗についてユーザからの投稿情報や評価を表示したり、ランク付けを行うサービスにおいて、ウェブページ上に特定の店舗について有利な投稿情報を表示させたり、ランキングにおいて特定の店舗を上位に表示させるために、実際には店舗に行っていないにもかかわらず、実際に行ったかのように見せかけてウェブページに投稿を行う不正行為が発生する場合がある。このような投稿の不正行為が行われると、ウェブページに事実とは異なる投稿情報が表示されたり、表示されるランキングが影響を受けたりすることになり、当該ウェブページの信頼性が低くなってしまい、上述したような投稿情報に基づく店舗情報の提供の目的を達成することができない。このため、不正行為による投稿情報を抑制する必要がある。
【0005】
しかし、投稿情報の内容自体は通常の投稿と見分けがつかない場合もあり、不正行為による投稿であるかについて判断することは困難な場合もある。このため、投稿情報の内容の分析のみでは信頼性を評価できない場合においても、投稿情報の信頼性を正確に評価できる投稿情報評価装置及び投稿情報評価方法の出現が望まれている。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決し、投稿情報が不正行為によるものか否かの信頼性をより正確に評価することを可能にした投稿情報評価装置及び投稿情報評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
【0008】
(1) ユーザの端末に通信可能に接続され、当該ユーザの端末から送信される投稿情報の信頼性を評価する投稿情報信頼性評価装置であって、投稿情報を含む行動履歴情報を、順次ユーザを識別するユーザ識別情報に関連付けて記憶するユーザ行動履歴記憶手段と、前記ユーザ行動履歴記憶手段が記憶した前記行動履歴情報から、所定の前記投稿情報について、当該所定の前記投稿情報に関連付けられた前記ユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報に関連付けられた、それ以前の所定の前記行動履歴情報を抽出する投稿前行動抽出手段と、前記投稿前行動抽出手段により抽出された前記行動履歴情報と、予め記憶した、前記投稿情報が不正投稿であるか否かを判定するための投稿信用条件とに基づいて、前記投稿情報の信頼性を評価する投稿前行動評価手段と、を備える投稿情報評価装置。
【0009】
(1)の投稿情報評価装置によれば、投稿情報を受け付けた際に、ユーザの端末から、例えばCookie等によってユーザの端末に記憶されている行動履歴情報を取得する。そして、その投稿以前にユーザがどのような行動をとったかを分析して、信頼性を評価する。具体的には、所定のサイトへの投稿以前にユーザが同じ所定のサイトに何度も投稿している場合には、その投稿が不正投稿である可能性が高いとして、信頼性低と評価する。あるいは、ネットショッピングを提供するショッピングサイトの投稿前に当該ショッピングサイトにおいて商品購入を行っている場合には、その投稿が不正投稿である可能性が低いとして、信頼性高と評価する。これにより、投稿情報の内容の分析のみでは信頼性を評価できない場合においても、投稿前の行動履歴情報に基づいて当該投稿情報の信頼性を正確に評価することが可能になる。
【0010】
(2) 前記投稿前行動評価手段は、前記投稿信用条件の判定項目に該当する行動の順序に基づいて前記投稿情報の信頼性を評価する(1)に記載の投稿情報評価装置。
【0011】
(2)の投稿情報評価装置によれば、その投稿以前に当該ユーザがとった行動の順序を分析して、信頼性を評価する。このことにより、ユーザ行動履歴記憶手段に記憶した投稿前の行動履歴情報の順序も加味して、投稿情報の信頼性の評価をより精度良く行うことが可能となる。例えば、店舗検索を行ってから店舗の最寄り駅の改札を通過した後に当該店舗の投稿を行った場合には、実際に来店した可能性が高いとして当該投稿の信頼性を高と判断することができる。
【0012】
(3) ユーザの端末に通信可能に接続された投稿情報評価装置が当該ユーザの端末から送信される投稿情報の信頼性を評価する投稿情報信頼性評価方法であって、前記投稿情報評価装置が、投稿情報を含む行動履歴情報を、順次ユーザを識別するユーザ識別情報に関連付けて記憶するユーザ行動履歴記憶ステップと、前記ユーザ行動履歴記憶ステップにおいて記憶した前記行動履歴情報から、所定の前記投稿情報について、当該所定の前記投稿情報に関連付けられた前記ユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報に関連付けられた、それ以前の所定の前記行動履歴情報を抽出する投稿前行動抽出ステップと、当該投稿前行動抽出ステップにより抽出された前記行動履歴情報と、予め記憶した、前記投稿情報が不正投稿であるか否かを判定するための投稿信用条件とに基づいて、前記投稿情報の信頼性を評価する投稿前行動評価ステップと、を実行する投稿情報評価方法。
【0013】
(3)の方法によれば、(1)の投稿情報評価装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザが、端末を使用してウェブ上に所定の投稿を行った場合に、その投稿以前にどのような行動を行ったかを分析して、信頼性を評価している。このため、投稿情報の内容の分析のみでは信頼性を評価できない場合においても、投稿情報が不正行為によるものか否かの信頼性を正確に評価することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る投稿情報評価装置の機能概要を示す図である。
【図2】本実施形態に係るユーザ行動ログDBを示す図である。
【図3】本実施形態に係る投稿信用条件DBを示す図である。
【図4】本実施形態に係る投稿信頼性評価DBを示す図である。
【図5】投稿情報評価装置が行う処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
【0017】
[機能構成]
図1は、本実施形態に係る投稿情報評価装置の機能概要を示す図である。投稿情報評価装置1は、ユーザ端末100にインターネット等の通信回線を介して通信可能に接続され、ユーザ端末100から送られた投稿情報が不正行為によるものか否かの信頼性の評価を行う機能を有するサーバである。
【0018】
本実施形態は、コンピュータ(投稿情報評価装置1及びユーザ端末100)及びその周辺装置に適用される。本実施形態における各部は、コンピュータ及びその周辺装置が備えるハードウェア並びに当該ハードウェアを制御するソフトウェアによって構成される。
【0019】
上記ハードウェアには、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)の他、記憶部、通信装置、表示装置及び入力装置が含まれる。記憶部としては、例えば、メモリ(RAM:Random Access Memory、ROM:Read Only Memory等)、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)及び光ディスク(CD:Compact Disk、DVD:Digital Versatile Disk等)ドライブが挙げられる。通信装置としては、例えば、各種有線及び無線インターフェース装置が挙げられる。表示装置としては、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイが挙げられる。入力装置としては、例えば、キーボード及びポインティング・デバイス(マウス、トラッキングボール等)が挙げられる。
【0020】
上記ソフトウェアには、上記ハードウェアを制御するコンピュータ・プログラムやデータが含まれる。コンピュータ・プログラムやデータは、記憶部により記憶され、制御部により適宜実行、参照される。また、コンピュータ・プログラムやデータは、通信回線を介して配布されることも可能であり、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体に記録して配布されることも可能である。
【0021】
投稿情報評価装置1は、本実施形態の機能を実行するプログラム(図示省略)等を記憶する記憶部13と、投稿情報評価装置1に係る各機能を統括的に制御する制御部14と、を備える。
【0022】
記憶部13は、上述の各種プログラムの他に、ユーザ行動履歴記憶手段としてのユーザ行動ログDB131と、投稿信用条件DB132と、投稿信頼性評価記憶手段としての投稿信頼性評価DB133と、を備える。ユーザ行動ログDB131は、行動履歴情報をユーザIDに関連付けた情報を記憶する。投稿信用条件DB132は、投稿情報が不正投稿であるか否かを判定するための投稿信用条件を、予め記憶する。投稿信頼性評価DB133は、投稿情報の評価結果を記憶する。
【0023】
制御部14は、受付手段141と、行動履歴情報取得手段142と、行動履歴情報記憶制御手段143と、投稿前行動抽出手段144と、投稿前行動分析手段145と、投稿前行動評価手段146と、Webページ生成手段147と、を備える。
【0024】
受付手段141は、ユーザ端末100から各種の情報を受け付ける。各種の情報には、投稿情報や、ユーザIDやパスワード等の認証情報、ウェブサイト内のリンクのクリックログ等がある。また、ユーザ端末100が携帯端末の場合には、携帯端末の電子マネー決済機能を使用した際の決済相手及び決済の付随情報が各種の情報に含まれる。
【0025】
行動履歴情報取得手段142は、ユーザの行動履歴情報を取得する。例えば、受付手段141がユーザIDやパスワード等の認証情報を受け付け、ユーザ端末100のアクセスを許可した場合に、行動履歴情報取得手段142は、ユーザ端末100に保存されているCookie情報を行動履歴情報として取得する。ここで、Cookie情報とは、ユーザ端末100が所定のWebサイトに初めてアクセスしたときに、そのWebサイトのサーバがユーザ端末100の記憶部に保存する情報(例えばID番号)のことである。更に、行動履歴情報取得手段142は、ユーザIDによって特定されたユーザ端末100が操作されることで、ユーザ端末100のWebサイトへのアクセスを行動履歴情報として取得する。
【0026】
行動履歴情報記憶制御手段143は、行動履歴情報取得手段142が取得した行動履歴情報を、ユーザIDに関連付けてユーザ行動ログDB131に順次記憶する。
【0027】
投稿前行動抽出手段144は、受付手段141が投稿情報を受け付けた場合に、ユーザ行動ログDB131から当該投稿を行ったユーザのユーザIDに対応する行動履歴情報を抽出する。具体的に、投稿前行動抽出手段144は、受付手段141が投稿情報を受け付けた場合に、それ以前の所定期間分の行動履歴情報を抽出する。所定期間としては、前回の投稿から今回の投稿までの期間、今回の投稿から1日前まで遡った期間、今回の投稿から遡って20件分前の行動履歴情報までの期間等が設定可能である。
【0028】
投稿前行動分析手段145は、投稿前行動抽出手段144が抽出した行動履歴情報に基づいて、ユーザIDで特定される投稿者が所定期間内にどのような行動をとっていたかを分析する。具体的には、投稿前行動分析手段145は、投稿信用条件DB132に予め記憶されている投稿信用条件に該当する行動の回数や、行動の順序の有無を求める。
【0029】
投稿前行動評価手段146は、投稿前行動分析手段145による分析結果と、投稿信用条件DB132に予め記憶されている投稿信用条件とに基づいて、受付手段141が投稿情報を受け付ける毎に、当該投稿情報の信頼性を評価する。
【0030】
具体的には、投稿前行動評価手段146は、投稿前行動分析手段145による分析結果に基づいて、投稿者の投稿前の行動に不自然な行動があるか否かを判定する。例えば、投稿者が所定のサイトへ評価対象の投稿情報を送る以前の所定期間に、同じ所定のサイトに対して所定数以上の投稿を行っているか否か、あるいは投稿者が所定時間よりも短い時間間隔で連続して投稿を行っているか否かを判定する。
【0031】
そして、投稿前行動評価手段146は、このような条件を満たしていると判定した場合に、投稿情報の信頼性が低いと評価する。一方で、投稿前行動評価手段146は、当該条件を満たしていると判定しない場合には、投稿信用条件DB132に予め記憶されている投稿信用条件を参照して、投稿前行動分析手段145による分析結果の中に投稿信用条件を満たすものが含まれているか否かを判定する。投稿前行動評価手段146は、投稿信用条件を満たすものが含まれていると判定した場合に、投稿情報の信頼性が高いと評価する。また、投稿前行動評価手段146は、投稿信用条件を満たすものが含まれていないと判定した場合に、投稿情報の信頼性が中程度と評価する。なお、本実施形態においては、投稿前行動評価手段146が、投稿情報の信頼性を信頼性低、信頼性中又は信頼性高の3段階で評価しているが、それ以上の段階で評価してもよい。
【0032】
また、投稿前行動評価手段146は、投稿情報の評価を行う際に、投稿信頼性評価DB133を参照して、過去において投稿情報の信頼性が低いと評価された投稿に対応するユーザIDの中に、評価対象の投稿情報を送った投稿者のユーザIDが含まれているか否かを判定する。そして、投稿前行動評価手段146は、ユーザIDが含まれていると判定した場合、すなわち、投稿者が過去において信頼性低いという評価を受けた投稿を行っている場合には、当該投稿情報を信頼性低と評価する。なお、投稿前行動評価手段146は、投稿情報の評価結果を投稿信頼性評価DB133に記憶してもよい。
【0033】
Webページ生成手段147は、Webサイトを構成するWebページを生成する。このWebサイトは、Webページ生成手段147によって生成される複数のWebページによって、店舗に対するユーザからの評価等を含む投稿情報を受け付けて集計し、当該投稿情報の数、投稿情報に含まれる評価の高低等によってランク付けを行うサービスを提供する。Webページ生成手段147は、受付手段141がユーザ端末100からの閲覧要求を受け付けた場合に、要求されたWebページを作成して、ユーザ端末100に送信する。
【0034】
[DBの説明]
図2は、本実施形態に係るユーザ行動ログDBを示す図である。ユーザ行動ログDB131は、ユーザ(投稿者)を識別するユーザIDと、ユーザIDによって特定された投稿者の行動履歴情報とを関連付けて記憶している。行動履歴情報は、行動情報、内容情報及び時間情報からなる。例えば、図2において、最上位に記載されているものは、行動情報が「投稿」、内容情報が「http://・・」、時間情報が「2011年4月1日午後12時00分」という行動履歴情報が、ユーザID「A」に関連付けられている。この行動履歴情報から、例えば、投稿者が、2011年4月1日午後12時05分に「http://・・」へ投稿する以前の、「2011年4月1日午後12時00分」の時点で「http://・・」へ投稿を行っていた、ということが分かる。なお、行動情報としては「投稿」の他にも、「検索」、「Webページの閲覧」、「地図検索」、「商品購入」、「改札通過」といったものが記憶される。内容情報としては、閲覧中のWebページのURL、店舗検索、Web検索、駅名といったものが記憶される。
【0035】
図3は、本実施形態に係る投稿信用条件DBを示す図である。投稿信用条件DB132は、投稿情報が不正投稿ではないと判定するための条件を、条件IDに関連付けて記憶している。具体的に、図2において、条件ID「001」には、検索回数15回、ページ参照回数30回という条件が関連付けられている。ここで、不正投稿を行う者は検索やページ参照を頻繁に繰り返すことが少ないことから、検索回数、ページ参照回数が所定値を越えた場合には、投稿情報の信頼性が高いと判定することが可能である。また、条件ID「007」には、店舗カテゴリ検索、店舗ページ参照、店舗周辺地図閲覧の順番でユーザが行動していたという条件が関連付けられている。この場合には、投稿前に、店を探しているという一連の行動がみられることから投稿情報の信頼性が高いと判定することが可能である。
【0036】
図4は、本実施形態に係る投稿信頼性評価DBを示す図である。投稿信頼性評価DB133は、投稿情報の評価結果を投稿IDに関連付けて記憶する。評価結果は、信頼性、投稿情報の対象となった店舗の識別情報(店舗ID)及びユーザID等からなる。
【0037】
次に、投稿情報の信頼性評価について具体的に説明する。
図2において、ユーザID「A」から4月1日12時11分に受け付けた投稿情報を評価する場合、投稿前行動抽出手段144は、それ以前の行動履歴情報を抽出する。ここで、図2に示すように、投稿者は、4月1日12時11分に投稿を行う以前に、12時00分及び12時05分に投稿を行っている。このように短時間で投稿を繰り返し行っている場合には、投稿信頼性評価DB133によって、ユーザID「A」から4月1日12時11分に受け付けた投稿情報は、信頼性低と評価される。そして、投稿信頼性評価DB133の評価結果は、例えば、投稿ID「00002」に関連付けられて、図4に示すように投稿信頼性評価DB133に記憶される。
【0038】
なお、ユーザID「A」の投稿者からは、4月1日12時11分及び4月3日22時00分に投稿が行われているが、ユーザID「A」の投稿者は過去に信頼性低と評価された投稿を行っているため、4月3日22時00分の投稿は信頼性低と評価される。更に、この評価結果が、例えば、投稿ID「00004」に関連付けられて、図4に示すように投稿信頼性評価DB133に記憶される。
【0039】
また、図2において、投稿前行動抽出手段144は、ユーザID「B」の投稿者から4月2日21時30分に受け付けた投稿情報を評価する場合、それ以前の行動履歴情報を抽出する。ここで、図2に示すように、ユーザID「B」の行動履歴情報には、投稿前において、店舗検索、ページ閲覧、地図検索という、図3の投稿信用条件DB132における条件ID「007」の条件を満たす内容が含まれている。更に、ユーザID「B」の行動履歴情報には、商品購入や改札通過といった行動をしているため、図3の投稿信用条件DBにおける条件ID「005」、「006」の条件を満たす内容が含まれている。このような場合には、店舗検索を行ってから店舗の最寄り駅の改札を通過した後に、投稿を行っていることから、実際に来店した可能性が高いと判断することができる。このため、ユーザID「B」の投稿者による、4月2日21時30分に受け付けた投稿情報は、投稿信頼性評価DB133によって信頼性高と評価される。そして、投稿信頼性評価DB133の評価結果は、例えば、投稿ID「00003」に関連付けられて、図4に示すように投稿信頼性評価DB133に記憶される。
【0040】
また、図2において、投稿前行動抽出手段144は、ユーザID「C」の投稿者から4月3日22時30分に受け付けた投稿情報を評価する場合、それ以前の行動履歴情報を抽出する。ここで、図2に示すように、ユーザID「C」の行動履歴情報には、投稿が短時間に繰り返し行われておらず、投稿信用条件DB132の条件を満たす内容が含まれていない。このような場合には、投稿情報は信頼性中と評価される。したがって、投稿信頼性評価DB133によって、ユーザID「C」の投稿者による4月3日22時30分に受け付けた投稿情報は、信頼性中と評価される。そして、投稿信頼性評価DB133の評価結果は、例えば、投稿ID「00005」に関連付けられて、図4に示すように投稿信頼性評価DB133に記憶される。
【0041】
なお、このような評価は、上述の実施形態では投稿信用条件DB132に記憶した条件の一致により行うこととしているが評価の手法はこれに限られず、このような条件との距離の近さ(すなわち条件の満足度)等によりスコアを計算することとしてもよい。具体的には例えば、検索回数15回を超えたら信頼度高という評価ではなく、5回や10回の場合にも距離の近さ(回数の差の少なさ)に応じてある程度の信頼度評価を行うこともできる。また、順序の評価においても、条件となっている順序のうち一部が欠けている場合においてもその距離の近さ(欠けているステップの数の少なさや重要度の低さ)に応じてある程度の評価を行うこともできる。
【0042】
また、本実施形態の投稿情報評価装置1によれば、投稿前の行動履歴情報に基づいて投稿情報の信頼性を評価しているが、他の投稿者の行動履歴情報と比較することによって、投稿情報の信頼性を評価することも可能である。例えば、上述の実施形態において、投稿情報評価装置1が、受け付けた投稿情報を信頼性中と評価した場合、更に、以前に信頼度高と評価された投稿を行った他の投稿者の行動履歴情報を読み出し、投稿者の行動履歴情報と他の投稿者の行動履歴情報とを比較して、特異な行動が含まれているか否かを判定する。そして、特異な行動が含まれていると判定した場合に、投稿情報は信頼度低と評価し、特異な行動が含まれていると判定しない場合に信頼度中とすることも可能である。
【0043】
図5を参照して、投稿情報評価装置1が行う処理について説明する。図5は、投稿情報評価装置1が行う処理のフローチャートである。
【0044】
ステップS1において、投稿情報評価装置1の制御部14は、ユーザ端末100から情報を受信したか否かを判定し、情報を受信したと判定した場合にはステップS2に処理を移し、情報を受信しないと判定した場合にはステップS1に処理を移す。
【0045】
ステップS2において、投稿情報評価装置1の制御部14(受付手段141)は、ステップS1で受信した情報が、投稿情報であるか否かを判定し、投稿情報であると判定した場合には、ステップS3に処理を移す。投稿情報ではないと判定した場合には、ステップS8に処理を移す。
【0046】
ステップS3において、投稿情報評価装置1の制御部14(行動履歴情報取得手段142)は、行動履歴情報を取得する処理を行う。
【0047】
ステップS4において、投稿情報評価装置1の制御部14(行動履歴情報記憶制御手段143)は、行動履歴情報をユーザ行動ログDB131に順次記憶する処理を行う。
【0048】
ステップS5において、投稿情報評価装置1の制御部14(投稿前行動抽出手段144)は、受付手段141が受け付けた投稿情報のユーザIDに対応する行動履歴情報をユーザ行動ログDB131から抽出する処理を行う。
【0049】
ステップS6において、投稿情報評価装置1の制御部14(投稿前行動分析手段145)は、ステップS5において抽出された行動履歴情報を分析し、投稿信用条件DB132に予め記憶されている投稿信用条件に該当する行動の回数や、行動の順序の有無を求める処理を行う。
【0050】
ステップS7において、投稿情報評価装置1の制御部14(投稿前行動評価手段146)は、投稿前行動分析手段145による分析結果と、投稿信用条件DB132に予め記憶されている投稿信用条件とに基づいて、投稿情報の信頼性を評価する処理を行う。制御部14は、この処理が終了すると、本フローチャートに示す処理を終了する。
【0051】
ステップS8において、投稿情報評価装置1の制御部14は、ユーザ端末100からの受信内容に対応する処理を行う。制御部14は、この処理が終了すると、本フローチャートに示す処理を終了する。
【0052】
以上、説明したように、本実施形態の投稿情報評価装置1によれば、投稿情報を受け付けた際に、ユーザ端末100から、例えばCookie等によってユーザ端末100に記憶されている行動履歴情報を取得したり、Webサイト内の行動情報を取得することによって、行動履歴情報を取得する。そして、その投稿以前にユーザがどのような行動をとったかを分析して、信頼性を評価する。具体的には、所定のサイトへの投稿以前にユーザが同じ所定のサイトに何度も投稿している場合には、その投稿が不正投稿である可能性が高いとして、信頼性低と評価する。あるいは、ネットショッピングを提供するショッピングサイトの投稿前に当該ショッピングサイトにおいて商品購入を行っている場合には、その投稿が不正投稿である可能性が低いとして、信頼性高と評価する。
【0053】
このように、本実施形態の投稿情報評価装置1によれば、投稿情報の内容から投稿情報の信頼性を求めるのではなく、投稿者が端末を使用してウェブ上に所定の投稿を行った場合に、その投稿以前にどのような行動を行ったかを分析して、信頼性を評価している。このため、投稿情報の内容の分析のみでは信頼性を評価できない場合においても、投稿情報が不正行為によるものか否かの信頼性を正確に評価することが可能になる。
【0054】
また、本実施形態の投稿情報評価装置1によれば、以前に信頼性が低い投稿であると評価された投稿情報に付されたユーザIDの投稿者からの投稿情報については、信頼性が低いと評価する。これにより、ウェブページの信頼性を維持することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態の投稿情報評価装置1によれば、投稿前行動評価手段146が、投稿信用条件DB132に記憶されている投稿信用条件に対応する、行動の回数に基づいて投稿情報の信頼性を評価する。不正投稿が行われている場合には、例えば、短時間に、特定のサイトに対して複数回投稿している場合が多いことから、特定サイトへの投稿が多い場合には、不正投稿である可能性が高いと評価することができる。また、不正投稿を行っているとは考えにくい行動を1回でも行っている場合には、不正投稿である可能性が低いと評価することができる。このように、行動の回数を、投稿の信頼性を評価するための条件とすることが可能になる。
【0056】
また、本実施形態の投稿情報評価装置1によれば、複数の行動の順序に基づいて投稿情報の信頼性を評価する。正規に投稿が行われている場合には、その投稿が行われる前に、特定の順序の操作を行っている場合が多いことから、当該順序を検出した場合には、不正投稿ではない可能性が高いと評価することができる。例えば、店舗検索を行ってから店舗の最寄り駅の改札を通過した後に当該店舗の投稿を行った場合には、実際に来店した可能性が高いとして、当該投稿の信頼性を高と判断することができる。このように、ユーザ行動履歴記憶手段に記憶した投稿前の行動履歴情報の順序も加味することにより、投稿情報の信頼性の評価をより精度良く行うことが可能となる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した実施形態においては、ユーザID、パスワードによる認証を行うことによってユーザIDを取得しているが、それに限らず、Cookie情報に含まれるユーザ端末100に付されるIDを、ユーザIDとして利用してもよい。これにより、ユーザID、パスワードによる認証がないWebサイトにおける、投稿によるランク付けサービスにおいて、不正投稿を抑えることが可能になる。
【符号の説明】
【0058】
1 投稿情報評価装置
13 記憶部
14 制御部
100 ユーザ端末
141 受付手段
142 行動履歴情報取得手段
143 行動履歴情報記憶制御手段
144 投稿前行動抽出手段
145 投稿前行動分析手段
146 投稿前行動評価手段
147 Webページ生成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末に通信可能に接続され、当該ユーザの端末から送信される投稿情報の信頼性を評価する投稿情報信頼性評価装置であって、
投稿情報を含む行動履歴情報を、順次ユーザを識別するユーザ識別情報に関連付けて記憶するユーザ行動履歴記憶手段と、
前記ユーザ行動履歴記憶手段が記憶した前記行動履歴情報から、所定の前記投稿情報について、当該所定の前記投稿情報に関連付けられた前記ユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報に関連付けられた、それ以前の所定の前記行動履歴情報を抽出する投稿前行動抽出手段と、
前記投稿前行動抽出手段により抽出された前記行動履歴情報と、予め記憶した、前記投稿情報が不正投稿であるか否かを判定するための投稿信用条件とに基づいて、前記投稿情報の信頼性を評価する投稿前行動評価手段と、
を備える投稿情報評価装置。
【請求項2】
前記投稿前行動評価手段は、前記投稿信用条件の判定項目に該当する行動の順序に基づいて前記投稿情報の信頼性を評価する請求項1に記載の投稿情報評価装置。
【請求項3】
ユーザの端末に通信可能に接続された投稿情報評価装置が当該ユーザの端末から送信される投稿情報の信頼性を評価する投稿情報信頼性評価方法であって、
前記投稿情報評価装置が、
投稿情報を含む行動履歴情報を、順次ユーザを識別するユーザ識別情報に関連付けて記憶するユーザ行動履歴記憶ステップと、
前記ユーザ行動履歴記憶ステップにおいて記憶した前記行動履歴情報から、所定の前記投稿情報について、当該所定の前記投稿情報に関連付けられた前記ユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報に関連付けられた、それ以前の所定の前記行動履歴情報を抽出する投稿前行動抽出ステップと、
当該投稿前行動抽出ステップにより抽出された前記行動履歴情報と、予め記憶した、前記投稿情報が不正投稿であるか否かを判定するための投稿信用条件とに基づいて、前記投稿情報の信頼性を評価する投稿前行動評価ステップと、
を実行する投稿情報評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−12071(P2013−12071A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144740(P2011−144740)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】