説明

投薬レジメン

同じ活性成分で1日3回投与されることを求める投薬レジメンと同等の1日の患者血中活性医薬成分レベルを達成する、1日2回の投薬を可能にする方法およびキットが、提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先行出願との関係
本出願は、2007年9月12日に出願された米国仮出願第60/971,882の優先権の利益を請求する。本出願は、2004年4月19日に出願された米国出願第10/827,689の一部継続でもある。本出願は、2006年3月10日に出願された米国出願第11/372,857の一部継続でもあり、米国出願第11/372,857は、現在の米国特許第6,793,936である2003年1月30日に出願された出願第10/354,483の継続である2004年4月19日に出願された出願第10/827,689の一部継続であり、出願第10/354,483は、現在の米国特許第6,730,325である2001年5月7日に出願された出願第09/850,425の継続である、現在の米国特許第6,902,742である2002年12月30日に出願された出願第10/331,754の継続であり、出願第09/850,425は、1998年11月2日に出願された仮出願第60/106,726の利益を請求する1999年11月1日に出願された出願第PCT/US99/25632の継続である、現在の米国特許第6,228,398である2000年5月8日に出願された出願第09/566,636の継続である。すべてのこれらの出願は、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、概して、薬物投与方法;具体的には、薬物の1日2回投与を可能にする方法およびキットであって、当該1日2回投与が、同じ薬物で1日3回投与されることを求める投薬レジメンにより達成されるものと同等の1日の患者血中薬物レベルを提供する、前記方法およびキットに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景に関する以下の考察は、単に読者が本発明を理解するのに役立てるために提供されるのであって、本発明の先行技術を記載または構成することは認められない。
例えば1日3回の、多数回の用量が毎日投与されることを求める投薬レジメンは、多くの患者にとって遵守することが難しい。例えば、1日3回の投薬は、具体的には、学校が子供に製剤を学校にいる間に投与しないこととなる場合、小児患者にとって困難な投薬レジメンであり得る。日中に多数の薬物を複数回服用することを伴う複雑なスケジュールに従わなければならない高齢者等にとっても、遵守は困難であり得る。遵守率は、より少ない薬物投与頻度を求めることにより、改善される可能性がある。しかしながら、典型的には1日3回投薬される特定の薬物は、例えば処方物の送達および/または薬物動態プロファイルが異なることによって、かなりの臨床試験および安全性試験が必要である可能性があることから、1日1回または1日2回投与される製品として製剤化されることが難しい場合がある。
【0004】
加えて、併用投与される薬物の送達および/または薬物動態プロファイルがさまざまであり、薬物の1つのレベルが治療量以下である期間をもたらす可能性がある。特定の適応については、薬物の1つに関して薬物のない期間があることが望ましい場合がある。このような場合、投薬レジメンはかなり複雑となり、患者による遵守が低くなる可能性がある。
【0005】
したがって、同じ薬物の1日3回投薬の効果に倣う薬物の1日2回投薬を可能にする方法および組み合わせに対する需要が、依然として存在する。
【発明の概要】
【0006】
特定の側面において、本発明は、慣用の投薬レジメンよりも1日当たりの投薬を少なくすることを求める薬物投薬レジメンに関する。本発明の特定の側面は、1日当たりの投薬回数をより多く求める投薬レジメンにより投与される活性薬剤の血中レベルに倣う活性医薬成分の血中レベルを達成する、即時放出型(IR)と遅延放出型(DR)の薬物処方物の組み合わせを提供する。本発明の側面には、同じ活性薬剤の1日3回投薬で達成されるものと同等の1日の患者血中レベルを達成する1日2回の投薬レジメンで、IR剤形とDR剤形との組み合わせを用いることが含まれる。
【0007】
本発明の特定の側面は、患者に薬物治療の1日2回コースを供する方法に関し、該方法は、第一1日用量を時間0に、第二1日用量を時間0に続くある時点に患者に投与する際に、患者の血中における活性薬剤の24時間にわたる薬物動態プロファイルが該活性薬剤の患者への1日3回投与のプロファイルに倣うように、(A)活性薬剤を含んでなる少なくとも1つの剤形を含んでなる第一1日用量であって、即時放出型コンポーネントおよび遅延放出型(DR)コンポーネントとを含んでなる前記第一用量を、毎日患者に供すること、ならびに、(B)活性薬剤の即時放出型剤形を含んでなる第二用量を患者に供すること;を含んでなる。
【0008】
本発明の特定の側面は、患者に薬物治療のコースを供するためのキットに関する。該キットは、(A)即時放出型コンポーネントおよび遅延放出型コンポーネントを含んでなる活性薬剤の少なくとも1回分の第一1日用量;と、(B)即時放出型剤形を含んでなる活性薬剤の少なくとも1回分の第二1日用量とを含んでなってもよい。第一1日用量を時間0に、第二1日用量を時間0に続くある時点に患者に投与する際に、患者の血中における活性薬剤の24時間にわたる薬物動態プロファイルは、該活性薬剤の患者への1日3回投与のプロファイルに倣う。
【0009】
本発明のさらなる側面は、活性医薬成分をそれを必要とする対象に1日2回投与する方法に関し、該方法は、患者の血中における活性薬剤の24時間にわたる薬物動態プロファイルが該活性薬剤の患者への1日3回投与のプロファイルに倣うように、(A)活性薬剤を含んでなる少なくとも1つの剤形を含んでなる第一用量を時間0に対象に投与し;ここで、第一用量は即時放出型コンポーネントおよび遅延放出型コンポーネントを含んでなる;(B)活性薬剤を含んでなる即時放出型剤形を含んでなる少なくとも1回分の第二用量を、時間0に続く時点に患者に投与する;工程を含んでなる。
【0010】
別の側面によると、本発明は、組み合わせる各薬物が異なる薬物動態プロファイルを示す活性成分の組み合わせを、それを必要とする対象に投与する方法に関する。この実施態様によると、一方の薬物補完物の薬物動態プロファイルがもう一方の薬物とある程度協調するか、重複するか、または競合するように、薬物をそれを必要とする対象に供する。例示的な実施態様によると、双方の薬物が投薬期間にわたって網羅されるように、薬物の組み合わせを示す投薬カードを患者の遵守を確実にするために用いてもよい。
【0011】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はともに、例示的かつ説明的なものであって、特許請求の範囲に記載された本発明の説明をさらに提供することを意図する。他の目的、利点および新規の特徴は、本発明の以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の例示的な実施態様による投薬カードを表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
定義
上記および本開示全体にわたって、以下の語は、別段に示されない限り、以下の意味であることが理解されよう。
【0014】
本明細書では、「約」は、当業者により理解され、かつ、それが用いられている文脈によってある程度異なるであろう。それが用いられている文脈に当業者に明白でない語の使用があるならば、「約」は、特定の語のプラスマイナス10%までを意味するであろう。
【0015】
本明細書では、「治療有効量」は、関連する治療を必要とする相当数の対象において、活性薬剤の投与に対して特定の薬理学的反応を供する投与量を意味する。特定の場合に特定の対象に投与される活性薬剤の治療有効量は、このような投与量が当業者によって治療有効量であるとみなされていても、本明細書に記載された状態の治療に必ずしも有効であるとは限らないことを、強調しておく。
【0016】
本明細書では、「対象」の語は、動物、好ましくは、ヒトを含む哺乳類を意味するために用いられる。「患者」および「対象」の語は同義的に用いられてもよい。このように、本発明の特定の実施態様は、対象への活性医薬成分の投与に有用な、適切な剤形に関する。
【0017】
本明細書では、「活性医薬成分」または「活性薬剤」の語には、本明細書に記載されるか、または当該技術分野において公知の活性原薬、ならびにその塩、誘導体、抱合体、水和物、多形体および類似体が含まれる。活性薬剤は、1つの実質的に光学的純粋なエナンチオマーの形態で存在してもよく、あるいは、エナンチオマーの混合体、ラセミ体などとして存在してもよい。
【0018】
本明細書では、「IR」の語は、当業者によって理解されるように、活性成分がそれを必要とする対象に即時放出的に送達されることを説明している。
本明細書では、「DR」の語は、活性成分がそれを必要とする対象に、本明細書に定義のIRでない方式で送達されることを説明しており、活性医薬成分の遅延放出を含む。このようなDR送達方式には、CR−制御放出、ER−長期放出、MR−調整放出、パルス放出およびゼロ次放出を含む、当該技術分野において公知であろう送達機構が含まれる。
【0019】
一実施態様によると、本発明は、同じ薬物で1日2回、1日3回、1日4回またはそれより多く投与されることを求める投薬レジメンにより達成されるものと同等の1日の患者血中薬物レベルを提供する、薬物の1日1回投与に関する。別の実施態様によると、本発明は、同じ薬物で1日2回、1日3回、1日4回またはそれより多く投与されることを求める投薬レジメンにより達成されるものと同等の1日の患者血中薬物レベルを提供する、薬物の1日2回投与に関する。
【0020】
特定の側面において、本発明は、1日当たりの投薬回数をより多く求める投薬レジメンにより投与される薬物の血中レベルに倣う活性薬剤の血中レベルを供する、IR薬物処方物とDR薬物処方物の組み合わせに関する。特定の実施態様において、IRおよびDR処方物を用いた1日2回投薬は、1日3回投与を求める投薬レジメンにより達成されるものと同等の、24時間にわたる活性薬剤の血中レベルを提供する。特定の好ましい実施態様において、剤形は、薬物の遅延放出を供する。特定の側面において、IRおよびDR処方物中に製剤化される薬物は、同じ薬物であるか、または、本発明の併用療法の側面に記載されるように異なる薬物である。
【0021】
本発明の特定の側面において、1日3回投薬に倣う薬物処方物の1日2回投与は、活性薬剤を含んでなるIRコンポーネントおよびDRコンポーネントを含有する薬物処方物を含んでなる第一用量を(時間0に)投与し、これに加えて、それに続く時点に活性薬剤を含んでなる即時放出型コンポーネントを含んでなる第二用量を投与することによって、達成され得る。好ましくは、第一用量は朝に投与し、第二用量は1日の後半、好ましくは就寝時間近くに投与する。特定の好ましい実施態様において、第二1日用量の投与は、時間0における第一用量の投与後約12〜約20、約14〜約18、または約16時間に行う。特定の実施態様において、第一用量は、IRコンポーネントの放出に続いて活性薬剤の放出を可能にする、遅延放出型コンポーネントを含んでなってもよい。好ましい実施態様において、遅延放出型コンポーネントは、投与後およそ8時間に活性薬剤の放出を可能にする。
【0022】
本発明の特定の実施態様において、時間0に投与される第一の1日(午前)用量を含んでなるIRおよびDR処方物を、同じ剤形中に組み合わせている。
本発明の別の実施態様において、時間0に投与される即時放出型および遅延放出型の活性薬剤の組み合わせを、2つの別々の処方物:一方は活性薬剤の即時放出を供する剤形、もう一方は活性薬剤の遅延放出を供する剤形;の同時投与により、達成してもよい。
【0023】
一実施態様において、IRおよびDR処方物を、指定された治療期間各日の午前区分および午後区分のあるパッケージに入れて、患者に供する。一実施態様において、パッケージの午前区分は、IRコンポーネントおよびDRコンポーネントを組み合わせて含んでなる処方物を含んでなり、一方、パッケージの午後区分は、薬物のIR剤形を含んでなる。
【0024】
別の実施態様において、IR処方物およびDR処方物は、第一用量投与のためにパッケージの午前区分中に一緒になって包装されている別々の剤形に、それぞれ含有されてもよい。午後区分中の第二用量は、IR剤形を含んでなる。
【0025】
特定の実施態様において、IRおよびDR処方物を患者に供するために用いられる包装は、投薬カード、ピルパックの形態、または任意の他の適切な包装形態であってもよい。
特定の好ましい実施態様において、包装は、投薬カードの形態である。好ましくは、投薬カードは、図1に示すように、時間0に投与される処方物(単数または複数)を示す午前区分、ならびに、時間0に続く時点に投与される処方物を示す午後区分を含んでなる。
【0026】
他の実施態様において、IR処方物およびDR処方物は、それぞれ同じ剤形中に含有されてもよく、例えば第一のボトルなどの別個のパッケージ形態に入れて患者に供してもよい。第二のパッケージもしくはボトルもまた、患者に与えられてよい。第二のボトルは、IR処方物のみを含有する。実施態様によると、IRおよびDR処方物中に製剤化されている活性成分の治療効果を必要とする患者は、午前中に第一のパッケージから1つのIR/DR剤形を取るように指示され、午後に第二のパッケージからIR剤形を取るように指示される。処方物を規定するレジメンと組み合わせることで、患者が摂取することを求められるであろう剤形数は、同じ活性成分での慣用の療法と比較して減少する。
【0027】
本発明の他の側面において、活性薬剤の組み合わせを投与してもよい。一実施態様において、薬物動態プロファイルの異なる薬物の組み合わせを、朝の用量(時間0)が長期作用型薬剤を含んでなるIRコンポーネントと短期作用型薬剤を含んでなるIRコンポーネントとを含んでなるように、患者に供してもよい。午後の用量は、短期作用型薬剤を含んでなるIRコンポーネントを含んでなる。特定の好ましい実施態様において、長期作用型薬剤の作用持続時間は約24時間であってもよく、短期作用型薬剤の作用持続時間は約12時間であってもよい。この投薬レジメンは、双方の活性薬剤の有効性を1日24時間維持するために、1日2回の投薬を提供する。
【0028】
本発明の他の側面において、活性薬剤の1つに関して薬物のない期間を可能にするように活性薬剤の組み合わせを投与することが望ましい場合がある。一実施態様において、長期作用型薬剤を含んでなるIRコンポーネントと短期作用型薬剤を含んでなるIRコンポーネントとを含んでなる用量を、朝(時間0)に投与する。午後の用量は、短期作用型薬物を含んでなるIR剤形を含んでなる。特定の好ましい実施態様において、長期作用型薬剤の作用持続時間は約18時間であってもよく、一方、短期作用型薬剤の作用持続時間は約12時間であってもよい。この投薬レジメンは、長期作用型薬剤の有効性を24時間提供するが、一方で、短期作用型薬剤は日中しか存在しないこととなる。
【0029】
特定の他の側面において、本発明は、併用療法に関し、この場合、少なくとも2、場合により3またはそれより多くの活性成分の薬物動態プロファイルが補完的であるか、重複しているか、または競合的であることが望ましい。
【0030】
本発明の併用療法の側面の一例は、シングレア(登録商標)(ニュージャージー州ホワイトステーションのメルク&Co.Inc.により製造される、持続時間が24時間のモンテルカストナトリウム錠)とアレグラ−D(登録商標)(ニュージャージー州ブリッジウォーターのサノフィ・アベンティス社により製造される、持続時間が12時間の塩酸フェキソフェナジン長期放出型錠)との同時治療、同時投与または同時製剤化による組み合わせなどの、少なくとも2活性成分の組み合わせである。この例では、患者は、合計24時間にわたって鼻炎を治療するために、24時間型モンテルカストと、12時間型フェキソフェナジンの双方の有効なレベルを必要とする。例示的な実施態様によると、モンテルカストとフェキソフェナジンの組み合わせを含む製品を、1つの剤形中に製剤化するか、あるいは、投与カードを入れて包装し、24時間の投薬期間にわたって各活性成分の有効性を維持する1日2回投薬を可能にするように規定してもよい。
【0031】
別の例示的な実施態様において、2つの活性薬剤を用いてもよい。例えば、一連の実施態様において、第一の活性成分を、医学的状態を治療するために投与するが、しかし、この第一の薬剤には望ましくない副作用がある。第一の薬剤の副作用に対処するため、第二の薬剤がキット内に提供される。
【0032】
例えば、オピエートと刺激剤の組み合わせを用いることが可能である。オピエート類は、疼痛管理に広く用いられているが、しかし、オピエート治療レジメンの副作用には疲労および眠気が含まれる。オピエート治療レジメンを刺激剤治療で補完するならば、これらの副作用は克服され得る。本発明のキットを、日中の刺激剤の活性効果を確実にするが、オピエートの効果は24時間続くように設計してもよい。例えば、刺激剤を、オピエートの第一1日用量の遅延放出型コンポーネント内に組み合わせてもよい。
【0033】
別の非限定的な例では、オピエートと緩下剤の組み合わせが提供される。当該技術分野において公知のように、オピエートの投与は、便秘を引き起こす可能性があり、該便秘は重度であり得る。便秘に対処するために、緩下剤が提供される。一実施態様において、緩下剤を、それが比較的短期間にのみその効果を発揮するように、IRコンポーネント中に供する。
【0034】
薬剤のその他の適切な組み合わせには、癌治療のための化学療法剤と、化学療法剤の望ましくない副作用を減少させる第二の活性薬剤が含まれる。化学療法剤の副作用には、非限定的に、疲労、脱毛、悪心および/もしくは嘔吐、貧血ならびに感染が含まれる。しかしながら、全員にすべての副作用が起こるわけではないことに留意することが重要である。したがって、適切な第二の薬剤の選択は、化学療法剤で治療される特定の患者における副作用の性質に応じて決まる。本発明のある実施態様において(例えば、副作用が貧血である場合)、第二の活性薬剤は、第一用量のIRおよびDRコンポーネント中、ならびに第二用量中に存在するであろう。
【0035】
活性成分の例としては、これに限定されないが、覚醒剤および脳刺激剤などの中枢神経系に作用する薬物化合物(例えば、メチルフェニデート);スピロノラクトン、エプレレノンおよびその類似体などのアルドステロン阻害剤;アルカロイド類;ラベタロール、カルベジロールおよびその類似体などのアルファ/ベータ阻害剤;アセトアミノフェン、ナプロキセン、パベリンおよびその類似体、トラマドール、ならびに、モルヒネ、コデイン、テバイン、ヘロイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ジヒドロコデイン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、ブプレノルフィン、エトルフィン、ナロキソン、ニコモルフィン、メタドン、ペチジン、フェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、レミフェンタニル、カルフェンタニル、ペンタゾシン、フェナゾシン、ブトルファノール、レボファノールおよびその類似体などのオピオイド類などの、鎮痛薬;リドカインおよびブピバカイン、ならびにその類似体などの麻酔剤;ベンズフェタミン、ジエチルプロピオン、マジンドール、フェンジメトラジンおよびフェンテルミンなどの食欲低下剤;中枢および末梢に作用する抗アドレナリン剤およびその類似体などの、抗アドレナリン薬;抗アレルギー薬;ニトログリセリンおよびその類似体などの抗狭心症薬;モリシジン、イブチリド、キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、リドカイン、トカイニド、フレカイニド、メキシレチン、プロパフェノン、ブレチリウム、アミオダロン、アデノシン、ドフェチリドおよびその類似体などの抗不整脈薬;サルブタモールおよびその類似体などの抗喘息薬;アミノサリチル酸、アモキシシリン、アモキシシリン・クラブラン酸カリウム、アンピシリン、アンピシリン・スルバクタム、アジスロマイシン、バカンピシリン、カルベニシリン、カルベニシリンインダニルナトリウム、カプレオマイシン、セファドロキシル、セファゾリン、セフカペンピボキシル、セファレキシン、セファロチン、セファピリン、セファセロール、セフプロジル、セファドリン、セファマンドール、セフォニシド、セフォラニド、セフロキシム、セフィキシム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタキシジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム、セフメタゾール(cefinetazole)、セフォテタン、セフォキシチン、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、クロファジミン、クロキサシリン、コトリアモキサゾール、シクロセリン、ジクロキサシリン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、エタンブトール、エチオナミド、ホスホマイシン、イミペネム、イソニアジド、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、ロラカルベフ、メチシリン、メテナミン、メトロニダゾール、メトクロプラミド、メジオシリン、ナフシリン、ナリジクス酸、ニトロフラントイン、ノルフロキサシン、ノボビオシン、オフロキサシン、オキサシリン、ペニシリン、ペンタミジン、ピペラシリン、ピペラシリン・タゾバクタム、スパルフロキサシン、スルファシチン、スルファメラジン、スルファメタジン、スルファメチキソール、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、スルファピリジン、スルファジアジン、スルファメトキサゾール、スルファピリジン、チカルシリン、チカリシリン・クラブラン酸カリウム、トリメトプリム、トリメトレキセート、トロレアノマイシン、バンコマイシン、ベラパミルおよびその類似体などの抗生剤;抗癌剤;ヘパリン、ヒルジンおよびその類似体などの抗凝固剤;止血剤;カルバマゼピン、レベチラセタム、トピラマートおよびその類似体などの抗けいれん剤;アミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、イミプラミン、マプロチリン、ミルタザピン、ネファゾドン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フェネルジン、プロトリプチリン、セルトラリン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミン、ベンラファキシンおよびその類似体などの抗うつ剤;抗糖尿病薬;ロペラミドおよびその類似体などの止痢薬;スコポラミン、オンダンセトロン、ドンペリドン、メトクロプラミドおよびその類似体などの制吐剤;抗てんかん剤;アシルアニリドおよびその類似体などの抗真菌剤;テルフェナジンおよびその類似体などの抗ヒスタミン薬;アトルバスタチン、ロスバスタチン、ロバスタチン等などの降圧薬;駆虫薬;抗炎症剤;スマトリプタン、エルゴットアルカロイド類およびその類似体などの抗偏頭痛薬;抗ムスカリン作用薬;抗抗酸菌薬;フルオロウラシル、ブレオマイシンおよびその類似体などの抗新生物薬;抗パーキンソン薬;アセトフェナジン、アリピプラゾール、クロルプロチキセン、ドロペリドール、オランザピン、プロマジン、クエチアピン、リスペリドン、スルピリド、トリフロプロマジン、ジプラシドンおよびその類似体などの抗精神病薬;フェンチアザクおよびその類似体などの抗リウマチ薬;抗トロンビン薬;鎮咳薬;5−asa、シメチジン、ファモチジン、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラニチジンおよびその類似体などの抗潰瘍薬;アシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ジドブジンおよびその類似体などの抗ウイルス薬;アルプラゾラム、ブスピロン、クロナゼパム、クロラゼペート、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、ヒドロキシジン、ロラゼパム、メプロバメート、オキサゼパムおよびその類似体などの抗不安薬;イルベサルタン、カンデサルタン、ロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタンおよびその類似体などのARB遮断薬;アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、エスモロール、メトプロロール、カルテオロール、ナドロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロパノロール、ソタロール、チモロール、ラベタロールおよびその類似体などのベータ遮断薬;シンバスタチンおよびその類似体などのスタチン類のような血中脂質低下薬;ニフェジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ニカルジピン、ニソルジピン、ニモジピン、イスラジピン、ベプリジル、フェロジピン、アムロジピンおよびその類似体などのカルシウムチャネル遮断薬;ベナゼプリル、カプトプリル、クロニジン、エナラプリル、フォシノプリル、二硝酸イソソルビド、5-一硝酸イソソルビド、ヒドラリジン、リシノプリル、モエキシプリル、ペントキシフィリン、ペリンドプリル、プラゾシン、キナラプリル、キニジン、ラミプリル、トランドラプリル、硝酸類、末梢血管拡張薬およびその類似体などの心血管系薬、降圧薬および血管拡張薬;デフェロキサミンおよびその類似体などのキレート剤;ビンクリスチンおよびその類似体などの化学療法剤;避妊薬;ループ利尿薬、アセタゾラミド、アミロリド、ベンドロフルメチアジド、ブメタニド、クロルタリドン、クロロチアジド、ジクロルフェナミド、エタクリン酸、フロセアミド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、インダパミド、マンニトール、メタゾラミド、メチクロチアジド、メトラゾン、ナツレチン(naturetin)、ポリチアジド、スピロノラクトン、トリアメテレン(triameterene)、トリアムテレン、トリクロルメチアジド、トリアムテレン、トルセミドおよびその類似体などの利尿薬;抗利尿薬;受胎促進剤;ドーパミン作動薬;アモバルビタール、ブタバルビタール、抱水クローラル、エスタゾラム、フルラゼパム、メフォバルビタール、パラアルデヒド、ペントバルビタール、フェノバルビタール、クアゼパム、セコバルビタール、テマゼパム、トリアゾラム、ザレプロン、ゾルピデムおよびその類似体などの睡眠薬;子宮分娩の誘発剤および阻害剤;免疫抑制剤;ジゴキシンおよびその類似体などの強心薬;麻薬拮抗薬;セレコキシブ、エトリコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナメート、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサレート、スリンダク、トルメチン、チアプロフェン酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウムおよびサリチル酸ナトリウムなどのサリチル酸類、ならびにその類似体などのNSAID;抗甲状腺薬;収れん剤;神経弛緩薬;デスモプレシン、バソプレシン、インスリン、カルシトニン、カルシトニン遺伝子制御タンパク質、心房性ナトリウム利尿タンパク質、コロニー刺激因子、ベタセロン、エリスロポエチン(EPO)、□、□、□インターフェロンなどのインターフェロン類、ソマトロピン、ソマトトロピン、ソマストスタチン、インスリン様増殖因子(ソマトメジン類)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、オキシトシン、エストラジオール、成長ホルモン類、酢酸ロイプロリド、第VIII因子、インターロイキン−2などのインターロイキン類およびその類似体などの、合成および天然のペプチド、タンパク質またはホルモン類;プロスタグランジン類およびその類似体;ベンゾジアゼピン類、フェノチアジン類およびその類似体などの鎮静薬;ならびに、血管保護剤が挙げられる。薬物のこれらの分類のより詳細な説明、および各分類内の種類の一覧は、Martindale, The Extra Pharmacopoeia、第29版、ファーマシューティカル・プレス社、ロンドン、1989年に見つけられ、該文献の開示は、その全体が参照によって本明細書に援用される。活性薬剤は、市販されており、かつ/または、当該技術分野において公知の技術により製造可能である。
【0036】
1日2回投与が1日3回投薬の効果に倣う側面を非限定的に含む、本発明の特定の実施態様において、好ましい活性薬剤としては、これに限定されないが、ファムシクロビル、プレガバリン、セベラマー、ネルフィナビル、インジナビル、プラミペキソール、メタキサロン、トリエンチン、チオリダジン、リファキシミン、アルプラゾラム、カルビドパ、レボドパ、エチルコハク酸エリスロマイシン、フェニトイン、アカンプロセート、プラジカンテル、モリンドン、レボカルニチン(levocamitine)、ジクロルフェナミド、ポサコナゾール、プロメタジン、デラビルジンおよびシルデナフィルが挙げられる。
【0037】
本明細書に記載される方法およびキットの利点としては、慣用の投薬レジメンから通常得られる利益をなお維持しながら、必要とされる投薬頻度を低減することが挙げられる。この投薬頻度の低減は、子供の場合、患者に混乱を生じさせ、かつ当惑させ得る学校にいる間の投薬の必要が排除されるという点で、特に好都合である。低減された頻度で投与してもよい処方物があることもまた、患者の遵守の観点から好都合である。本明細書に記載される実施態様を利用することによって可能となる投与頻度の低減は、医療従事者が薬物の投与に費やす時間を低減することによる医療コストの低減に貢献する可能性がある。
【0038】
本明細書で使用される活性薬剤を、必要とされる即時放出型と遅延放出型の組み合わせ、ならびに必要とされる即時放出型コンポーネントを供する、任意の適切な剤形に製剤化してもよい。特定の側面において、IR型およびDR型を、同じ剤形中に組み合わせてもよい。あるいは、別々の剤形がIRおよびDRコンポーネントを供してもよく、特定の側面においては、患者への提供用に包装することによって組み合わせてもよく、このことが、患者へ利便性を供し、かつ遵守を容易にする。
【0039】
本明細書で使用される即時放出型のコンポーネントおよび剤形は、当該技術分野において公知の任意の適切な方法により製造してもよい。
遅延放出型を非限定的に含む特定の活性薬剤の放出を、当該技術分野において公知の任意の適切な手段によって達成してもよい。例としては、非限定的に、「Multiparticulate Modified Release Composition」という表題のDevaneらによる米国特許第6,228,398が挙げられ、該出願は参照によって本明細書に援用される。
【0040】
活性成分の放出を所望のように修飾する、任意のコーティング材料を用いてもよい。具体的に、本発明の実施における使用に適したコーティング材料としては、これに限定されないが、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリマレテート(trimaletate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、登録商標EUDRAGIT(登録商標)RS及びRLとして販売されているもののようなアンモニオメタクリレート・コポリマー類などの、ポリマーコーティング材料、ならびに、当業者によって理解されるであろうその他のポリマーコーティング材料が挙げられる。
【0041】
特定の実施態様において、遅延放出は、マトリックス材料を含んでなる放出コンポーネントによって達成されてもよい。遅延放出型コンポーネントがマトリックス材料を含んでなる場合、任意の適切なマトリックス材料または適切なマトリックス材料の組み合わせを用いてもよい。このような材料は当業者に公知であって、これに限定されないが、in vitroまたはin vivoで分散される活性成分の放出を修飾可能な、親水性ポリマー類、疎水性ポリマー類およびその混合物が挙げられる。本発明の実施に適したより具体的なマトリックス材料としては、これに限定されないが、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース類、ポリエチレンオキシド、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのアルキルセルロース類、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリト酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、ポリメタクリル酸アルキル類、ポリ酢酸ビニルおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0042】
特定の実施態様において、活性薬剤を、活性成分の脈動的な放出を容易にする適切な剤形に組み入れてもよい。典型的には、剤形は、即時放出型コンポーネントおよび遅延放出型コンポーネントを構成する活性成分含有粒子の異なる集団のブレンドであってもよく、該ブレンドは、硬もしくは軟ゼラチンカプセルなどの適切なカプセル内に充填される。あるいは、活性成分含有粒子の異なる個々の集団を、(所望により、さらなる賦形剤とともに)ミニ錠剤に圧縮し、続いて、これを適切な比率でカプセル内に充填してもよい。別の適切な剤形は、多層錠剤の剤形である。この場合は、マルチ粒子組成物の第一のコンポーネントを1層に圧縮し、続いて、第二のコンポーネントを多層錠剤の第二の層に加えてもよい。該組成物を構成する活性成分含有粒子の集団を、さらに、発泡性剤形または急速融解剤形などの急速溶解剤形に含めてもよい。
【0043】
特定の実施態様において、in vitro溶解プロファイルの異なる活性成分含有粒子の集団を少なくとも2つ含んでなる組成物が、使用される。
好ましくは、固体経口剤形が使用される。経口投与用の固体剤形としては、これに限定されないが、錠剤、カプセル、サシェ、ロゼンジ、粉末、丸薬または顆粒が挙げられ、固体剤形は、例えば、急速融解剤形、凍結乾燥剤形、またはそれらの組み合わせであることが可能である。
【0044】
一般に、使用される剤形は、所望の生理学的効果を供するのに十分な薬物または活性薬剤のレベルを用いて、それを必要とする対象に投与されるであろう。本発明の組成物の活性薬剤の有効量は、経験的に決定することが可能であり、純粋な形態、あるいは医薬的に許容可能な塩、エステルまたはプロドラッグの形態(このような形態が存在する場合)で使用することが可能である。剤形中活性薬剤の実際の投与量レベルを、特定の組成物および投与方法および治療される状態に対して所望の治療反応を得るのに有効な活性薬剤の量を得るために、変更してもよい。したがって、選択される投与量レベルは、所望の治療効果、投与経路、投与される活性薬剤の力価、所望の治療期間およびその他の要因によって決まる。所望の生理学的結果をもたらすのに必要な活性薬剤のレベルは、Goodman and GillmanおよびPhysician's Desk Referenceなどの標準的教本を参照することによって、当業者により容易に決定される。
【0045】
投与単位組成物(dosage unit compositon)は、1日用量を構成するために用いられる、該1日用量の約数の量を含有してもよい。しかしながら、いかなる特定対象に対する特定の用量レベルも、さまざまな要因:達成すべき細胞反応または生理学的反応の種類および程度;使用する特定の薬剤または組成物の活性;患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別および食事;活性薬剤の投与時間、投与経路および排泄速度;治療期間;特定の活性薬剤と組み合わせて、または同時に用いる活性薬剤;ならびに医療分野において周知の同様な要因によって決まることが、理解されるであろう。
【0046】
特定の実施態様において、固体経口剤形は、第一のコンポーネントに含有される実質的にすべての活性成分が、第二のコンポーネントから活性成分が放出される前に放出されるように、活性成分を放出する。第一のコンポーネントがIRとDRの組み合わせを(同じ剤形中、または別々の剤形中に)含んでなる場合、IRコンポーネントは、摂取直後または口に入れた後に活性成分を放出し(剤形、すなわち急速融解による)、かつ、DRコンポーネント中の活性成分の放出は、IRコンポーネント中の実質的にすべての活性成分が放出されるまで遅延されることが、好ましい。活性成分のDRコンポーネントからの放出を、放出コーティングおよび/または放出マトリックス材料の使用によって、上記に詳述のように遅延してもよい。
【0047】
組成物の投与
特定の実施態様において、本発明はまた、少なくとも1つの活性薬剤の有効量のそれを必要とする対象への投与を含んでなる方法も提供する。
【0048】
特定の実施態様において、活性薬剤をそれを必要とする対象に投与する方法は、(A)活性薬剤を含んでなる少なくとも1つの剤形であって、IRコンポーネントおよびDRコンポーネントを含んでなる該剤形を含んでなる第一用量を、時間0に対象に投与し;(B)活性薬剤の即時放出型剤形を含んでなる少なくとも1回分の第二用量を、時間0に続くある時点に患者に投与する;工程を含んでなり、活性薬剤の24時間にわたる患者血中薬物動態プロファイルは、該活性薬剤の患者への1日3回投与のプロファイルに倣う。本発明の好ましい実施態様において、第二用量は、時間0後約12〜約20時間、時間0後約14〜約18時間、または時間0後約16時間に対象に投与される。
【0049】
本発明の特定の側面は、抗ウイルス薬を含んでなる組成物の治療有効量の対象への投与に関してもよい。好ましい実施態様において、ファムシクロビルが、本発明のさまざまな側面により投与される活性薬剤である。
【実施例】
【0050】
(実施例1)
現在推奨される投与量が500mgのファムシクロビル8時間毎(すなわち、1日3回)7日間である、帯状疱疹の治療に、1日2回の投薬レジメンを提供する。2種類の用量:朝起床後に服用するもの、就寝前(時間12〜18h)に服用するもの;を含有する、本明細書に記載のような投薬カードを提供する。7日間の投薬レジメンを、カード上に提供する。
【0051】
朝用量(時間0)は、それぞれ500mgのファムシクロビルを含有する2つの経口剤形(錠剤またはカプセルなど)からなり、250mgは即時放出に向けて製剤化され、250mgは8時間の遅延放出に向けて製剤化されている。
【0052】
就寝時用量(時間12〜18h)は、500mgの即時放出型ファムシクロビルとして製剤化されている。
上記1日2回の投薬レジメンを用いた投与は、慣用の(1日3回)投薬レジメンの薬物動態に倣う。
【0053】
投薬レジメンを1日3回から1日2回に簡素化することにより、患者の遵守を増加させるという臨床的な有益性が期待される。
(実施例2)
各朝用量(時間0)が、カードの午前区分中に一緒になって提供される2つの別々の経口剤形(錠剤であってもカプセルであってもよい)を含んでなり;第一の剤形が即時放出に向けて製剤化された500mgのファムシクロビルを含有し、第二の剤形が8時間の遅延放出に向けて製剤化された500mgのファムシクロビルを含有する;ことを除いては上記実施例1におけるような投薬カードを、提供する。
【0054】
(実施例3)
短期作用型薬剤と組み合わせ得る長期作用型薬剤の例としては、作用持続時間が24時間であるモンテルカスト(montekulast)を作用持続時間が12時間であるフェキソフェナジンと組み合わせたものが挙げられる。これらの薬剤は、指定された治療期間各日の朝食(午前)区分および夕食(午後)区分のある投薬カード中に、製剤化され、包装されている。投薬スケジュールにしたがった投与は、1日2回の投与が、鼻炎の治療に対して24時間にわたり有効性を維持することを可能にする。これは、IR型モンテルカスト(montekulast)成分とIR型フェキソフェナジン成分の組み合わせによる朝の投薬、および、IR型フェキソフェナジン成分による夕食時投薬によって、達成される。
【0055】
(実施例4)
さらなる実施例は、12時間放出制御型のオキシコドン(例えば、オキシコンチン(登録商標)、パーデュー・ファーマ社)と持続時間約18時間のモダフィニルとの併用投与である。本明細書に記載の併用投与は、疼痛を治療するために継続的なレベルのオキシコドンを提供し得るが、ただし、オキシコドンの副作用である眠気を克服するために、日中のみモダフィニルを存在させる。
【0056】
オキシコドンは短期作用型薬物であり、患者への薬物提供の間に薬物のない期間のあることが望ましい。このような薬物のない期間は、制御放出型処方物中にオキシコドンを含んでなるIR/DR処方物を、長期作用型のモダフィニルと組み合わせて午前中に投薬することによって、達成される。夕食時に患者が服用する午後用IRコンポーネントは、オキシコドンの制御放出型処方物のみを含むであろう。治療レジメンは、指定された治療期間各日の朝食(午前)区分および夕食(午後)区分のある投薬カード上に提示してもよい。IR/DR組成物およびIR組成物を含むこのような治療レジメンにしたがう患者は、剤形が服用を必要とする回数の低減により利益を得て;それにより、遵守が統計学的に増加する。
【0057】
本発明の方法および組成物において、種々の修飾および変形形態を、本発明の精神または範囲を逸脱することなく行ってもよいことは、当業者に明らかであろう。このように、本発明は、本発明の修飾および変形形態が添付した特許請求の範囲およびその等価物の範囲内であるならば、それらを包含することが意図される。
【0058】
使用されている用語および表現は、限定的なものではなく、説明用の語として用いられ、このような用語および表現の使用において、提示および記載された特徴またはその一部分のいかなる等価物も除外することは意図されないが、本発明の範囲内で種々の修飾が可能であることは認識される。このように、本発明が特定の実施態様および最適な特徴によって例示されていても、本明細書に開示される概念の修飾および/または変形形態は当業者に用いられてもよいこと、ならびに、このような修飾および変形形態が本発明の範囲内であると見なされることが、理解されるべきである。
【0059】
加えて、本発明の特徴または側面が、マーカッシュの群または代替の他の群分けの観点から記載される場合、それによって、本発明が、マーカッシュの群もしくは他の群に属するいかなる個々のものまたはその下位群の観点からも記載されることを、当業者は認識するであろう。
【0060】
反することが示されない限り、本明細書に記載されるすべての数値範囲には、そこに包含される範囲および特定の整数のあらゆる組み合わせおよび部分的組み合わせが含まれる。このような範囲もまた、記載された本発明の範囲内である。
【0061】
本文書において引用もしくは記載されている各特許、特許出願および出版物は、その全体が参照によって本明細書に援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)活性薬剤を含んでなる少なくとも1つの剤形を含んでなる、少なくとも1回分の第一1日用量であって、即時放出型コンポーネントおよび遅延放出型コンポーネントを含んでなる前記第一用量を患者に供し;
(B)前記活性薬剤の即時放出型剤形を含んでなる少なくとも1回分の第二用量を患者に供する;
工程を含んでなる、薬物治療のコースを供する方法であって、第一1日用量を時間0に、第二1日用量を時間0後約12〜約20時間に前記患者に投与する際に、患者の血中における活性薬剤の24時間にわたる薬物動態プロファイルが該活性薬剤の患者への1日3回投与のプロファイルに倣う、前記方法。
【請求項2】
(A)において、少なくとも1回分の第一1日用量が、2つの剤形:即時放出型コンポーネントを含んでなる第一の剤形および遅延放出型コンポーネントを含んでなる第二の剤形;を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(A)即時放出型コンポーネントおよび遅延放出型コンポーネントを含んでなる少なくとも1つの剤形を含んでなる活性薬剤の、少なくとも1回分の第一1日用量;
(B)少なくとも1つの即時放出型剤形を含んでなる活性薬剤の、少なくとも1回分の第二1日用量;
を含んでなる、患者に薬物治療のコースを供するためのキットであって、第一1日用量を時間0に、第二1日用量を時間0後約12〜約20時間に前記患者に投与する際に、患者の血中における前記活性薬剤の24時間にわたる薬物動態プロファイルが該活性薬剤の患者への1日3回投与のプロファイルに倣う、前記キット。
【請求項4】
(A)において、少なくとも1回分の第一1日用量が、2つの剤形:即時放出型コンポーネントを含んでなる第一の剤形および遅延放出型コンポーネントを含んでなる第二の剤形;を含んでなる、請求項3に記載のキット。
【請求項5】
キットが投薬カードを含んでなる、請求項3に記載のキット。
【請求項6】
活性薬剤が、ファムシクロビル、プレガバリン、セベラマー、ネルフィナビル、インジナビル、プラミペキソール、メタキサロン、トリエンチン、チオリダジン、リファキシミン、アルプラゾラム、カルビドパ、レボドパ、エチルコハク酸エリスロマイシン、フェニトイン、アカンプロセート、プラジカンテル、モリンドン、レボカルニチン、ジクロルフェナミド、ポサコナゾール、プロメタジン、デラビルジン、シルデナフィルおよびそれらの混合物からなる、請求項3に記載のキット。
【請求項7】
活性薬剤がファムシクロビルである、請求項6に記載のキット。
【請求項8】
(A)時間0に、活性薬剤を含んでなる少なくとも1つの剤形であって、即時放出型コンポーネントおよび遅延放出型コンポーネントを含んでなる前記剤形を含んでなる第一用量を対象に投与し;
(B)時間0後約12〜約20時間に、活性薬剤の即時放出型剤形を含んでなる少なくとも1回分の第二用量を患者に投与する;
工程を含んでなる、活性薬剤をそれを必要とする対象に投与する方法であって、患者の血中における活性薬剤の24時間にわたる薬物動態プロファイルが該活性薬剤の患者への1日3回投与のプロファイルに倣う、前記方法。
【請求項9】
(A)即時放出型コンポーネントおよび遅延放出型コンポーネントを含んでなる少なくとも1つの剤形を含んでなる第一の活性薬剤の、少なくとも1回分の第一1日用量;
(B)少なくとも1つの即時放出型剤形を含んでなる第一の活性薬剤の、少なくとも1回分の第二1日用量;
(C)第二の活性薬剤の少なくとも1回分の第一1日用量;
を含んでなる、患者に薬物治療のコースを供するためのキットであって、第一1日用量を時間0に、第二1日用量を時間0後約12〜約20時間に前記患者に投与する際に、患者の血中における前記第一の活性薬剤の24時間にわたる薬物動態プロファイルが第一の活性薬剤の患者への1日3回投与のプロファイルに倣う、前記キット。
【請求項10】
A)前記の第一の活性薬剤の少なくとも1回分の第一1日用量と、前記の第二の活性薬剤の少なくとも1回分の第一1日用量が、1つの用量内に供される;か、または、
B)前記の第一の活性薬剤の少なくとも1回分の第二1日用量と、前記の第二の活性薬剤の少なくとも1回分の第一1日用量が、1つの用量内に供される;か、または
C)それらの組み合わせ;
である、請求項9に記載のキット。
【請求項11】
前記の第一の活性薬剤の少なくとも1回分の第一1日用量と、前記の第二の活性薬剤の少なくとも1回分の第一1日用量が、1つの用量内に供され、かつ、さらに:
A)前記の第二の活性薬剤の少なくとも1回分の第一1日用量が、即時放出型コンポーネント内に供される;か、または、
B)前記の第二の活性薬剤の少なくとも1回分の第一1日用量が、遅延放出型コンポーネント内に供される;か、または、
C)それらの組み合わせ;
である、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
第一の活性薬剤が、第二の活性薬剤での治療が可能な副作用を引き起こす、請求項9に記載のキット。
【請求項13】
第一の活性薬剤がオピエートであって、第二の活性薬剤が刺激剤または緩下剤である、請求項9に記載のキット。
【請求項14】
緩下剤が、
A)前記の少なくとも1回分の第一1日用量の即時放出型コンポーネント;または、
B)少なくとも1回分の第二1日用量;または、
C)それらの組み合わせ;
中に存在する、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
刺激剤が、前記の少なくとも1回分の第一1日用量の遅延放出型コンポーネント中に存在する、請求項13に記載のキット。

【図1】
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【公表番号】特表2010−539184(P2010−539184A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525030(P2010−525030)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/076189
【国際公開番号】WO2009/036287
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(507250508)エラン・ファルマ・インターナショナル・リミテッド (23)
【Fターム(参考)】