説明

抗うつ剤

【課題】PKB(Akt)活性化剤を含有してなる、うつ病、不安症、躁うつ病またはPTSDの予防・治療剤を提供する。
【解決手段】式:


〔式中、R1、R2、R3は、H、炭化水素基等であり、Wは:式:


(式中、A環はベンゼン環;B環は5ないし7員含窒素複素環であり、R4は芳香族基等を含有するアシル基であり、R5は、H、C1-6アルキル等であり、R4cは芳香族基等であり、XはO、Sである。)で表される基であり、YはO等であり、C環はベンゼン環である。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテインキナーゼB(以下PKBと称することがある。)活性化剤およびこれらPKB活性化剤によるうつ病、PTSD、パーキンソン病、アルツハイマー病等の予防・治療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテインキナーゼB(PKB)はAktとも称され、タンパク質リン酸化酵素の一つであり、細胞外部からの刺激を細胞内部に伝達し、これらの刺激に対する細胞の応答に関与していることが知られている。特に、フォスファチジル イノシトール-3(phosphatidylinositol-3;以下PI-3と称する)からのシグナル伝達経路が神経細胞生存や神経再生あるいは神経分化に関与していることも示唆されている。さらにPKBの基質の一つであるglycogen synthase kinase−3β(以下GSKと称することがある)の阻害剤による糖尿病などの疾患治療法なども知られている。しかしながら、PKB活性化とパーキンソン病等の神経変性疾患との治療効果について必ずしもin vivo等で確認されていない。また、PKB活性化とうつ病、不安症、躁うつ病またはPTSD(心的外傷後ストレス障害;以下PTSDと略称することがある。)の予防・治療効果との関係についても確認されていない。
一方、神経変性疾患すなわち選択的な神経細胞死が進行性に起きる疾患として、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病が知られている。
現在の薬物治療法としては、神経変性に伴う神経伝達物質の枯渇を補う補充療法が主流であり、パーキンソン病に関してはドーパミンの前駆物質であるL−ドーパ等のドーパミン作動薬が、補充療法剤あるいは対症療法剤として、使用されている。しかしながら、それら補充療法剤や対症療法剤が神経変性の進行を抑制するわけではなく、病状の進行とともに効果は徐々に失われていく。その為、神経変性の進行を抑制し、残存した神経終末の再生を促す薬剤の開発が望まれるが、現状ではこのような作用を有する薬剤は見出されていない。さらに、神経変性疾患においては発症した時点で神経細胞の大半が変性していると考えられており、変性抑制または神経終末の再生促進のみでは充分な機能再生を果たせないと考えられる。
一方、近年になり中枢神経系の再生能力に関して大きな概念転換が起きた。従来中枢神経系においては神経変性が生じた場合、神経は新たに産成補充されないため機能の回復は困難であると考えられていた。しかし、ヒトを含む成熟した哺乳動物の中枢神経系には神経を新生しうる神経幹細胞および神経前駆細胞が存在する事がごく最近になり相次いで明らかにされ、内在性の神経幹細胞を活性化することにより障害された神経組織および機能を再生する可能性が検討され始めた(非特許文献1および2参照)。
神経再生促進作用を有し、神経変性疾患予防・治療用の医薬として有用なベンゾフラン誘導体が、特許文献1および2に報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第98/55454号パンフレット
【特許文献2】国際公開第00/34262号パンフレット
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ネイチャーメディシン(Nature Medicine)、6巻、271-277頁 2000年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一つは、単なる補充療法や対処療法によらない、もっと根本から神経新生を含め、神経再生を促進し、神経細胞の生存維持によるパーキンソン病等の予防・治療薬を提供することである。このような目的を達成するのに適したPKB活性化剤を提供することがもう一つの目的である。また、現在のストレス社会においてうつ病、不安症、躁うつ病を患う患者は多く、治療薬の必要性が高いにもかかわらず、従来の抗うつ等では治療効果が不十分であったり、副作用が問題になる事が多く、より治療効果の高いうつ病治療剤が求められている。また、同様にストレスに基づく疾患であるPTSD(心的外傷後ストレス障害)についてもより副作用が少なく、より予防・治療効果の高い薬剤が求められている。本発明は、より副作用が低く、従来公知のモノアミン阻害作用、選択的セロトニン再取り込み阻害作用、コルチゾール合成阻害作用などとは異なる新しい作用メカニズムによるうつ病、不安症、躁うつ病およびPTSD(心的外傷後ストレス障害)等の予防、治療剤を提供することをもう一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明者らは神経再生、神経新生、神経生存維持の作用・効果を奏する薬剤を、作用メカニズムの解明とともに鋭意研究した結果、下記式(I)で表される化合物がすぐれたPKB活性化作用を有することを見出し、さらに、PKB活性化作用を有する化合物が、神経新生を含め、神経再生を促進し、神経細胞の生存を維持し/保護することにより、有用なパーキンソン病等の予防・治療薬になり得ることを見出した。
また、本発明者らは従来の作用メカニズムとは異なるメカニズムによるうつ病、不安症、躁うつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害;以下PTSDと略称することがある)等の予防、治療剤を鋭意探索した結果、意外にも、PKB活性化剤、特にPKB活性化による神経再生促進剤および/または神経幹細胞もしくは神経前駆細胞分化促進剤がこれらの疾患の治療・予防に有効であること、とりわけ、このような神経再生促進剤として、下記ベンゾフラン誘導体が、これらの治療・予防に有効であることを見出し、さらに検討を重ね、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は
(1)式:
【化1】

〔式中、R1およびR2は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が、隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素または複素環を形成していてもよく、
3は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、
- - - は単結合または二重結合を示し、
Wは(i)式:
【化2】

〔式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、B環は置換基を有していてもよい5ないし7員含窒素複素環を示す〕で表される基、
(ii)式:
【化3】

〔式中、R4は(1)置換基を有していてもよい芳香族基で置換され、かつさらに置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または(2)置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基を示し、R5は水素原子、C1-6アルキルまたはアシル基を示す〕で表される基または
(iii)式:
【化4】

〔式中、R4cは置換基を有していてもよい芳香族基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基またはアシル基を示し、Xは酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を示す〕で表される基を示し、
Yは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子または置換基を有していてもよいイミノを示し、
C環はWで表される基の他にさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有してなるプロテインキナーゼB(PKB)活性化剤、
(2)- - - が単結合である(1)記載の剤、
(3)Yが酸素原子である(1)記載の剤、
(4)Wが式(Wa)で表される基である(1)記載の剤、
(5)R1およびR2がそれぞれC1-6アルキル基で、R3がC1-6アルキルおよびハロゲン原子から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル基で、C環がさらにC1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいベンゼン環で、- - - が単結合で、Yが酸素原子で、Wが式(Wa)で表される基であり、式(Wa)で表される基が式:
【化5】

〔式中、A1環がハロゲン、C1-6アルコキシおよびC1-6アルキレンジオキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいベンゼン環を示す。〕で表される基である請求項1記載の剤、
(6)式(Wa)で表される基がベンゾフラン環の5位に置換している(1)記載の剤、
(7)(i)2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(ii)5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(iii)5,6−ジメトキシ−2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(iv)5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−2H−イソインドール、(v)6−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール、(vi)6−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール、(vii)6−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−6、7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール、(viii)(R)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(ix)(R)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン塩酸塩、または(x)(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリンを含有してなる(1)記載の剤、
(8)(R)−(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(R)−(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4-(1−メチルエチル)フェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(R)−(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−ブロモフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリンまたはその塩を含有してなる(1)記載の剤、
(9)(i)N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(ii)N−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(iii)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−N,2,2,4,6,7−ヘキサメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(iv)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(v)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(vi)N−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(vii)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(viii)N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(ix)N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(x)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン、(xi)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン、(xii)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン、(xiii)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミンまたは(xiv)(R)−N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩を含有してなる(1)記載の剤、
(10)3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン、3−(4−メチルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル 4−メトキシベンゾエート、
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル 4−メトキシベンゾエート、
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン、
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]またはそれらの塩を含有してなる(1)記載の剤、
(11)うつ病、不安症、躁うつ病またはPTSDの予防・治療剤である(1)記載の剤、
(12)プロテインキナーゼB(PKB)活性化剤を含有してなるパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病の予防・治療剤、
(13)PKB活性化剤が請求項1記載のプロテインキナーゼB(PKB)活性化剤である(12)記載の剤、
(14)PKB活性化剤を含有してなるうつ病、不安症、躁うつ病またはPTSDの予防・治療剤、
(15)PKB活性化に基づく神経再生促進剤および/または幹細胞および/または神経前駆細胞増殖・分化促進剤を含有してなるうつ病、不安症、躁うつ病またはPTSDの予防・治療剤、
(16)PKB活性化に基づく神経再生促進剤および/または幹細胞および/または神経前駆細胞増殖・分化促進剤を含有してなるパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病の予防・治療剤、
(17)PKB活性化剤のパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病の予防・治療のための使用、
(18)PKB活性化剤のパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病の予防・治療剤製造のための使用、
(19)PKB活性化剤を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけるパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病の予防・治療方法、
(20)PKB活性化剤の、うつ病,不安症、躁うつ病またはPTSD(予防・治療のための使用、
(21)(1)記載のPKB活性化剤の、うつ病,不安症、躁うつ病またはPTSD予防・治療剤製造のための使用、
(22)PKB活性化剤を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけるうつ病、不安症、躁うつ病またはPTSDの予防・治療方法および
(23)(1)記載のPKB活性化剤を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけるうつ病、不安症、躁うつ病またはPTSDの予防・治療方法に関する。
前記式(I)中、- - - は単結合または二重結合を示す。- - - は単結合が好ましい。
前記式(I)中、R1およびR2は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素または複素環を形成していてもよい。
なお、前記式において、- - - が二重結合を示す時、R2は存在しない。すなわち、前記式において、
(i)- - - が単結合を示す時、部分構造:
【化6】

(ii)- - - が二重結合を示す時、部分構造:
【化7】

は、
【化8】

を示すが、本願明細書では、便宜上、(i)および(ii)をまとめて、式:
【化9】

で表わす場合がある。
【発明の効果】
【0008】
本発明のPKB活性化剤は、従来のドパーミンなどによる補充療法とは全く異なる、より根本的に内因性神経幹細胞の増殖・分化を促進し、また神経幹細胞・神経細胞移植における生着・分化を促進することにより、パーキンソン病の予防・治療に有用である。
また、本発明のPKB活性化剤、とりわけ化合物(I)もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有するPKBの活性化剤およびPKBの活性化に基づく神経再生促進剤は、例えば、神経幹細胞自己複製促進作用、神経前駆細胞分化促進作用、神経栄養因子様作用、神経栄養因子活性増強作用、神経変成抑制作用、神経再生促進作用、抗酸化作用またはβアミロイドによる神経細胞死抑制作用等の優れた医薬作用により、海馬のCA3領域の錐体細胞の萎縮を抑制し、あるいはストレスによる海馬における神経新生の抑制を防御し、乃至は海馬の神経新生・分化を促進する等の作用によりうつ病、不安症、躁うつ病またはPTSDの予防・治療剤として有用である。また、これらのことからうつ病に伴う認知障害の治療薬としても有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ラット海馬グリア混合培養系での化合物A(Compound A)およびIGF-IのAktリン酸化促進作用を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、鎖状または環状炭化水素基(例、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール等)等が挙げられる。このうち、炭素数1ないし16個の鎖状または環状炭化水素基等が好ましい。
「アルキル」としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等が好ましい。
「アルケニル」としては、例えばC2-6アルケニル(例、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニル等)等が好ましい。
「アルキニル」としては、例えばC2-6アルキニル(例、エチニル、プロパルギル、ブチニル、1−ヘキシニル等)等が好ましい。
「シクロアルキル」としては、例えばC3-6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)等が好ましい。
「アリール」としては、例えばC6-14アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等)等が好ましい。
1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としては、例えば(1)ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、(2)C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等)、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2-6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2-6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、(9)C6-14アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等)、(10)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオまたはメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ等)、(15)モノ−C6-14アリールアミノ(例、フェニルアミノ、1−ナフチルアミノ、2−ナフチルアミノ等)、(16)ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(17)ジ−C6-14アリールアミノ(例、ジフェニルアミノ等)、(18)アシル、(19)アシルアミノ、(20)アシルオキシ、(21)置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)5ないし10員芳香族複素環基(例、2−または3−チエニル、2−,3−または4−ピリジル、2−,3−,4−,5−または8−キノリル、1−,3−,4−または5−イソキノリル、1−,2−または3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フラニル等)、(23)スルホ、(24)C6-14アリールオキシ(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等)等が挙げられる。
該「炭化水素基」は、例えば前記置換基を、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0011】
前記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC2-6アルケニル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC2-6アルケニル(例、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニル等)等が挙げられる。具体例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニル、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル、4,4,4−トリフルオロ−1−ブテニル等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC2-6アルキニル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC2-6アルキニル(例、エチニル、プロパルギル、ブチニル、1−ヘキシニル等)等が挙げられる。具体例としては、エチニル、プロパルギル、ブチニル、1−ヘキシニル、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル、4,4,4−トリフルオロ−1−ブチニル等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC3-6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)等が挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4,4−ジクロロシクロヘキシル、2,2,3,3−テトラフルオロシクロペンチル、4−クロロシクロヘキシル等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)等が挙げられる。具体例としては、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1-6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等)等が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げられる。
【0012】
前記「アシル」としては、例えばホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル等)、C3-6シクロアルキル−カルボニル(例、シクロプロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等)、C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等)、C6-14アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)、C7-16アラルキル−カルボニル(例、フェニルアセチル、フェニルプロピオニル等)、C6-14アリールオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニル等)、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル等)、5または6員複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、2−テノイル、3−テノイル、2−フロイル、3−フロイル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、1−ピロリジニルカルボニル等)、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等)、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル等)、C6-14アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイル等)、チオカルバモイル、5または6員複素環カルバモイル(例、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイル等)、C1-6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、C6-14アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等)、C1-6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等)、C6-14アリールスルフィニル(例、フェニルスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニル等)等が挙げられる。
前記「アシルアミノ」としては、例えばホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルアミノ(例、アセチルアミノ等)、C6-14アリール−カルボニルアミノ(例、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等)、C1-6アルコキシ−カルボキニルアミノ(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ等)、C1-6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等)、C6-14アリールスルホニルアミノ(例、フェニルスルホニルアミノ、2−ナフチルスルホニルアミノ、1−ナフチルスルホニルアミノ等)等が挙げられる。
前記「アシルオキシ」としては、例えばC1-6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ等)、C6-14アリール−カルボニルオキシ(例、ベンゾイルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ等)、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ等)、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ等)、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等)、C6-14アリール−カルバモイルオキシ(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ等)、ニコチノイルオキシ等が挙げられる。
前記「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」の「5ないし7員飽和環状アミノ」としては、例えばモルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジン−1−イル、ピペリジノ、ピロリジン−1−イル等が挙げられる。該「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」の「置換基」としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C6-14アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等)、5ないし10員芳香族複素環基(例、2−または3−チエニル、2−,3−または4−ピリジル、2−,3−,4−,5−または8−キノリル、1−,3−,4−または5−イソキノリル、1−,2−または3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フラニル等)等が1ないし3個挙げられる。
【0013】
1またはR2で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員複素環基(芳香族複素環基、飽和または不飽和の非芳香族複素環基)等が挙げられる。
該「芳香族複素環基」としては、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1ないし4個)を含む5ないし14員、好ましくは5ないし10員の芳香族複素環基等が挙げられる。具体的には、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、イソインドリジン、キサントレン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン等の芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環から任意の水素原子を除いてできる1価基等が挙げられる。
「芳香族複素環基」の好ましい例としては、1個のベンゼン環と縮合していてもよい5または6員芳香族複素環基等が挙げられる。具体例としては、2−,3−または4−ピリジル、2−,3−,4−,5−または8−キノリル、1−,3−,4−または5−イソキノリル、1−,2−または3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フラニル、2−または3−チエニル等が挙げられる。さらに好ましくは、2−または3−チエニル、2−,3−または4−ピリジル、2−または3−キノリル、1−イソキノリル、1−または2−インドリル、2−ベンゾチアゾリル等である。
「非芳香族複素環基」としては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等の3ないし8員(好ましくは5または6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族複素環基(脂肪族複素環基)等が挙げられる。
1またはR2で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「置換基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが同個数用いられる。
1とR2とで形成される「置換基を有していてもよい3ないし8員同素環」の「3ないし8員同素環」としては、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のC3-8シクロアルカン等が挙げられる。
1とR2とで形成される「置換基を有していてもよい3ないし8員複素環」の「3ないし8員複素環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、ヘキサヒドロピリミジン等の炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む3ないし8員複素環が挙げられる。
1とR2とで形成される「置換基を有していてもよい3ないし8員同素または複素環」の「置換基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが同個数用いられる。
3で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものが用いられる。
【0014】
前記式中、Wは
(i)式:
【化10】

〔式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、B環は置換基を有していてもよい5ないし7員含窒素複素環を示す〕で表される基、
(ii)式:
【化11】

〔式中、R4は(1)置換基を有していてもよい芳香族基で置換され、かつさらに置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または(2)置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基を示し、R5は水素原子、C1-6アルキルまたはアシル基を示す〕で表される基または
(iii)式:
【化12】

〔式中、R4cは置換基を有していてもよい芳香族基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基またはアシルを示し、Xは酸化原子または酸化されていてもよい硫黄原子を示す〕で表される基を示す。
WがWaのとき、前記式中、R3は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基が好ましい(以下、R3aと表記する場合がある)。
【0015】
前記式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。
A環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものを、置換可能な位置に1ないし4個(好ましくは1または2個)有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
前記式中、B環は置換基を有していてもよい5ないし7員含窒素複素環を示す。
B環で示される「5ないし7員含窒素複素環」としては、例えばピロール(例、1H−ピロール等)、ジヒドロピロール(例、2,5−ジヒドロ−1H−ピロール等)、ジヒドロピリジン(例、1,2−ジヒドロピリジン等)、テトラヒドロピリジン(例、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン等)、アゼピン(例、1H−アゼピン等)、ジヒドロアゼピン(例、2,3−ジヒドロ−1H−アゼピン、2,5−ジヒドロ−1H−アゼピン、2,7−ジヒドロ−1H−アゼピン等)、テトラヒドロアゼピン(例、2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン、2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン等)等の5ないし7員含窒素複素環等が挙げられる。
B環で示される「置換基を有していてもよい5ないし7員含窒素複素環」の「置換基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものを同個数用いることもできる。また、B環の置換基としては、オキソ基等も用いられる。
【0016】
式:
【化13】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基としては、より具体的には式:
【化14】

〔式中、R6およびR7は、同一または異なって、水素原子、ハロゲンまたは置換基を有していてもよい炭化水素基を、A環は前記と同意義を示す。〕で表される基等が挙げられ、好ましくは式:
【化15】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等、さらに好ましくは式:
【化16】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等であり、中でも式:
【化17】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等が特に好ましい。
6およびR7で示される「ハロゲン」または「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、前記B環の「置換基」としての「ハロゲン」または「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
【0017】
前記式中、C環は式 Wで表される基の他にさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。
C環は式 Wで表される基を置換可能な位置に1ないし3個(好ましくは1個)有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
C環がさらに有していてもよい「置換基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが挙げられる。また、C環の「置換基」としての「C1-6アルキル」は、「ヒドロキシ等で置換されていてもよい4ないし8員ラクトン(例えば3−ヒドロキシ−δ−バレロラクトン等)」等で置換されていてもよい。C環はこれらの置換基を置換可能な位置に1ないし3個(好ましくは3個)有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
C環は3個のメチル等のC1-6アルキルで置換されたベンゼン環が好ましい。
WがWaのとき、前記式中、C環は式:
【化18】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基の他にさらにハロゲン、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル、ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシおよびハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオから選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環(以下、C1環と表記する場合がある)が好ましい。
【0018】
1環は式:
【化19】

で表される基を置換可能な位置に1ないし3個(好ましくは1個)有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
1環がさらに有していてもよい「置換基」としての「ハロゲン」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。「ハロゲン化されていてもよい低級アルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等が挙げられ、具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等が挙げられる。「ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)等が挙げられる。具体例としては、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。「ハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1-6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等)等が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げられる。
1環はこれらの置換基を置換可能な位置に1ないし3個(好ましくは3個)有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0019】
WがWbを示すとき、前記式中、R3は置換基を有していてもよいC6-14アリール基が好ましい(以下、R3bと表記する場合がある)。
3bで示される「置換基を有していてもよいC6-14アリール」の「C6-14アリール」としては、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、アンスリル等のC6-14アリール基等が挙げられる。
該「置換基を有していてもよいC6-14アリール」の「置換基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが同個数用いられる。
【0020】
前記式中、R4は(1)置換基を有していてもよい芳香族基で置換され、かつさらに置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または(2)置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基を示す。
4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を有し、かつさらに置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の置換基としての「置換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族基」としては、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基等が挙げられる。
該「芳香族炭化水素基」としては、例えば炭素数6ないし14個の単環式または縮合多環式(2または3環式)芳香族炭化水素基等が挙げられる。その具体例として、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、アンスリル等のC6-14アリール等、好ましくは例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等のC6-10アリール等が挙げられる。
該「芳香族複素環基」としては、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1ないし4個)を含む5ないし14員、好ましくは5ないし10員の芳香族複素環基等が挙げられる。具体的には、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、イソインドリジン、キサントレン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン等の芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環から任意の水素原子を除いてできる1価基等が挙げられる。
「芳香族複素環基」の好ましい例としては、1個のベンゼン環と縮合していてもよい5または6員芳香族複素環基等が挙げられる。具体例としては、2−,3−または4−ピリジル、2−,3−,4−,5−または8−キノリル、1−,3−,4−または5−イソキノリル、1−,2−または3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フラニル、2−または3−チエニル等が挙げられる。さらに好ましくは、2−または3−チエニル、2−,3−または4−ピリジル、2−または3−キノリル、1−イソキノリル、1−または2−インドリル、2−ベンゾチアゾリル等である。
該「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが同個数用いられる。
【0021】
4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を有し、かつさらに置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の「脂肪族炭化水素基」としては、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル等が挙げられる。中でも、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10シクロアルキル等が好ましい。
「アルキル」としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等が好ましい。
「アルケニル」としては、例えばC2-6アルケニル(例、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニル等)等が好ましい。
「アルキニル」としては、例えばC2-6アルキニル(例、エチニル、プロパルギル、ブチニル、1−ヘキシニル等)等が好ましい。
「シクロアルキル」としては、例えばC3-6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)等が好ましい。
中でも、C1-6アルキルが好ましい。
該「脂肪族炭化水素基」は、「置換基を有していてもよい芳香族基」を、置換可能な位置に1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
該「脂肪族炭化水素基」がさらに有していていてもよい「置換基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが同個数用いられる。
4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基」の「アシル基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としての「アシル基」と同様のものが用いられる。
4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基」の「置換基を有していてもよい芳香族基」としては、前記R4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を有し、かつさらに置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の「置換基を有していてもよい芳香族基」と同様のものが用いられる。
4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基」の具体例としては、C6-14アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)、C7-16アラルキル−カルボニル(例、フェニルアセチル、フェニルプロピオニル等)、C6-14アリールオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニル等)、C7-16アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル等)、5または6員複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、2−テノイル、3−テノイル、2−フロイル、3−フロイル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、1−ピロリジニルカルボニル等)、C6-14アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイル等)、5または6員複素環カルバモイル(例、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイル等)、C6-14アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等)、C6-14アリールスルフィニル(例、フェニルスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニル等)等が好ましい。
【0022】
前記式中、R5は水素原子、C1-6アルキル基またはアシル基を示す。
5で示されるC1-6アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
5で示される「アシル基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としての「アシル基」と同様のものが用いられる。
【0023】
WがWbのとき、前記式中、C環は式−NR4(R5)で表される基の他にさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を示す(以下、C2環と表記する場合がある)。
2環は式−NR4(R5)で表される基を置換可能な位置に1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
2環が式−NR4(R5)で表される基の他にさらに有していてもよい「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC2-6アルケニル、ハロゲン化されていてもよいC2-6アルキニル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、C6-14アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ等)、モノ−C6-14アリールアミノ(例、フェニルアミノ、1−ナフチルアミノ、2−ナフチルアミノ等)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、ジ−C6-14アリールアミノ(例、ジフェニルアミノ等)、アシル、アシルアミノ、置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、5ないし10員芳香族複素環基(例、2−または3−チエニル、2−,3−または4−ピリジル、2−,3−,4−,5−または8−キノリル、1−,3−,4−または5−イソキノリル、1−,2−または3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フラニル等)、スルホ等が挙げられる。
該「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル」、「ハロゲン化されていてもよいC2-6アルケニル」、「ハロゲン化されていてもよいC2-6アルキニル」、「ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル」、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ」、「アシル」、「アシルアミノ」および「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」は、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」として詳述したものと同様のものが挙げられる。
【0024】
4cは置換基を有していてもよい芳香族基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基またはアシル基を示す。
4cで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族基」としては、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが挙げられる。
該「芳香族炭化水素基」としては、例えば炭素数6ないし14個の単環式または縮合多環式(2または3環式)芳香族炭化水素基などが挙げられる。その具体例として、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、アンスリルなどのC6-14アリールなどが挙げられる。
該「芳香族複素環基」としては、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1〜4個)を含む5ないし14員、好ましくは5ないし10員の芳香族複素環基などが挙げられる。具体的には、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、イソインドリジン、キサントレン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジンなどの芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環から任意の水素原子を除いてできる1価基などが挙げられる。
「芳香族複素環基」の好ましい例としては、1個のベンゼン環と縮合していてもよい5または6員芳香族複素環基などが挙げられる。具体例としては、2−,3−または4−ピリジル、2−,3−,4−,5−または8−キノリル、1−,3−,4−または5−イソキノリル、1−,2−または3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フラニル、2−または3−チエニルなどが挙げられる。さらに好ましくは、2−または3−チエニル、2−,3−または4−ピリジル、2−または3−キノリル、1−イソキノリル、1−または2−インドリル、2−ベンゾチアゾリルなどである。
【0025】
該「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC2-6アルケニル、ハロゲン化されていてもよいC2-6アルキニル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、スルホ、C6-14アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなど)、C6-14アリールオキシ(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシなど)などが挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル」、「ハロゲン化されていてもよいC2-6アルケニル」、「ハロゲン化されていてもよいC2-6アルキニル」、「ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル」、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ」、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ」、「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」、「アシル」、「アシルアミノ」および「アシルオキシ」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」で詳述したものと同様のものが挙げられる。
該「芳香族基」は、例えば前記置換基を、置換可能な位置に1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
この「置換基を有していてもよい芳香族基」として好ましくは、ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC2-6アルケニル、ハロゲン化されていてもよいC2-6アルキニル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、スルホ、C6-14アリール、C6-14アリールオキシから選ばれる置換基1ないし3個でそれぞれ置換されていてもよいフェニル、2−,3−または4−ピリジル、2−または3−キノリル、1−イソキノリルなどである。
【0026】
4cで示される「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の「脂肪族炭化水素基」としては、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルなどが挙げられる。このうち、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10シクロアルキルなどが好ましい。
「アルキル」としては、例えばC1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)などが好ましい。
「アルケニル」としては、例えばC2-6アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニルなど)などが好ましい。
「アルキニル」としては、例えばC2-6アルキニル(例えば、エチニル、プロパルギル、ブチニル、1−ヘキシニルなど)などが好ましい。
「シクロアルキル」としては、例えばC3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)などが好ましい。
なかでも、C1-6アルキルが好ましい。
該「脂肪族炭化水素基」が有していていてもよい「置換基」としては、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが同個数用いられる。
この「置換基」として好ましくは、アシル(例、カルボキシ、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-14アリール−カルボニルなど)などが挙げられる。
4cで示される「アシル基」としては、例えば、前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としての「アシル基」と同様のものが用いられる。
【0027】
XまたはYで示される「酸化されていてもよい硫黄原子」としては、S、SO、SO2が挙げられる。
Yで示される「置換基を有していてもよいイミノ」の「置換基」としては、例えば、置換基を有していてもよい炭化水素基、アシルなどが挙げられる。
該「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、例えば前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
該「アシル」としては、例えば前記R1またはR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」で詳述した「アシル」と同様のものが挙げられる。
Yで示される「置換基を有していてもよいイミノ」として好ましくは、イミノ、C1-6アルキルイミノ(例、メチルイミノ、エチルイミノなど)、C6-14アリールイミノ(例、フェニルイミノ、1−ナフチルイミノ、2−ナフチルイミノなど)、C7-16アラルキルイミノ(例、ベンジルイミノなど)などである。
XおよびYは酸素原子が好ましい。
【0028】
このように、本発明の化合物(I)には、式:
【化20】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物(Ia)、式:
【化21】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物(Ib)および式:
【化22】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物(Ic)が含まれる。
【0029】
前記の化合物(Ia)中、R1およびR2としては、例えば、同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよいC1-6アルキル基(特に、メチルなどのC1-3アルキル基など)、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素または複素環を形成する場合等が好ましく、中でもR1およびR2がそれぞれC1-6アルキル基である場合等がさらに好ましい。また、- - - が二重結合を示す場合、R2は存在せず、R1としては、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基などが好ましく、特にメチルなどのC1-3アルキル基が好ましい。
3aとしては、例えば、置換基を有していてもよいC6-14アリール基等が好ましい。
A環としては、例えば、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシおよびC1-6アルキレンジオキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいベンゼン環等が好ましい。
B環としては、例えば、1ないし2個のC1-6アルキルで置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環等が好ましい。
1環としては、さらに1ないし3個のC1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環等が好ましい。
式:
【化23】

(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基としては、式:
【化24】

(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基等が好ましい。特に、R6およびR7としては水素原子が好ましく、A環としては、ハロゲン、C1-6アルコキシおよびC1-6アルキレンジオキシから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいベンゼン環が好ましい。
式:
【化25】

(式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す)で表される基のC1環上の置換位置はベンゾフラン環またはジヒドロベンゾフラン環の5位である場合等が好ましい。
【0030】
特に、化合物(Ia)としては、R1およびR2がそれぞれ水素原子またはC1-6アルキル基(特に、メチルなどのC1-3アルキル基)で、R3aが水素原子またはC1-6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどのC1-3アルキル)およびハロゲン原子(特に、フッ素)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル基で、A環がハロゲン、C1-6アルキル(特に、メチルなどのC1-3アルキル)、C1-6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1-3アルコキシ)およびC1-6アルキレンジオキシ(特に、メチレンジオキシなどのC1-3アルキレンジオキシ)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいベンゼン環で、B環が1ないし2個のC1-6アルキルで置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環で、C1環がさらに1ないし3個のC1-6アルキル(特に、メチルなどのC1-3アルキル)およびC1-6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1-3アルコキシ)から選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環で、Yが酸素原子である化合物が好ましく、特に、式:
【化26】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される基が式:
【化27】

〔式中、A1環はハロゲン、C1-6アルコキシおよびC1-6アルキレンジオキシから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいベンゼン環を示す〕で表される基である化合物が好ましい。
また、- - - が二重結合を示す場合、R2は存在せず、R1としては、C1-6アルキル基などが好ましく、特にメチルなどのC1-3アルキル基が好ましい。他の記号としては、前記と同様のものが好ましいが、なかでも、R3aが1ないし3個のC1-6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピイル、イソプロピルなどのC1-3アルキル)を有していてもよいフェニル基で、A環が1ないし3個のC1-6アルコキシ(特にメトキシ)で置換されていてもよいベンゼン環で、B環が5ないし7員含窒素複素環で、C1環がさらに1ないし3個のC1-6アルキル(特に、メチルなどのC1-3アルキル)で置換されていてもよいベンゼン環(特に、3個のメチル等のC1-6アルキルで置換されたベンゼン環)で、Yが酸素原子である化合物が好ましい。特に、式:
【化28】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される基が式:
【化29】

で表される基である化合物が好ましい。
【0031】
化合物(Ia)の具体例としては、下記の化合物1a〜化合物22aまたはその塩などが好ましい。
化合物1a: 2−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)イソインドリン
化合物2a: 5,6−ジクロロ−2−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)イソインドリン
化合物3a: 5,6−ジメトキシ−2−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)イソインドリン
化合物4a: 2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
化合物5a: 5,6−ジクロロ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
化合物6a: 5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
化合物7a: 2−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
化合物8a: 5,6−ジクロロ−2−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
化合物9a: 2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
化合物10a: 5,6−ジクロロ−2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
【0032】
化合物11a: 5,6−ジメトキシ−2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
化合物12a: 6−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール
化合物13a: 2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
化合物14a: 6−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール
化合物15a: 2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
化合物16a: 6−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール
化合物17a: (+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
化合物18a: (−)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
化合物19a: (+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン塩酸塩
化合物20a: (−)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン塩酸塩
【0033】
化合物21a: (+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン臭化水素酸塩
化合物22a: (−)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン臭化水素酸塩
化合物23a: 5,6-ジメトキシ-2-[2,2,4,6,7-ペンタメチル-3-(4-メチルフェニル)-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-5-イル]-2H-イソインドール
【0034】
化合物1a〜23aの化学構造式を以下に示す。
【表1】

【0035】
【表2】

【0036】
化合物(Ia)としては、なかでも、
(i)2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(化合物4a)またはその塩、
(ii)5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(化合物6a)またはその塩、とりわけその光学活性体の(R)−(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(または(R)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)ベンゾフラン−5−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドールとも称する。)またはその塩、
(iii)5,6−ジメトキシ−2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(化合物11a)またはその塩、とりわけ(R)−(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4-(1−メチルエチル)フェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリンまたはその塩、
(iv)6−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール(化合物12a)またはその塩、
(v)6−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール(化合物14a)またはその塩、
(vi)6−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−6、7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール(化合物16a)またはその塩、
(vii)(R)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(化合物17a)、
(viii)(R)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン塩酸塩(化合物19a)、
(ix)5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−2H−イソインドール(化合物23a)またはその他の塩等が好ましく、特に、
(i)5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(化合物6a)、
(ii)6−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール(化合物12a)、
(iii)(R)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(化合物17a)、
(iv)(R)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン塩酸塩(化合物19a)、
(v)5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−2H−イソインドール(化合物23a)等が好ましい。
【0037】
前記の化合物(Ib)中、R1およびR2としては、同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよいC1-6アルキル基(特に、メチルなどのC1-3アルキル基)、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素環(シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のC3-8シクロアルカン等)を形成する場合等が好ましく、同一または異なって、水素原子またはC1-6アルキル基(特に、メチルなどのC1-3アルキル基)、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に3ないし8員同素環を形成する場合等がさらに好ましい。中でもR1およびR2がそれぞれC1-6アルキル基である場合等がさらに好ましく、それぞれメチル基である場合等が特に好ましい。
3bとしては、例えば、ハロゲン(特に、フッ素)およびC1-6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどのC1-3アルキル)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル基等が好ましく、フッ素、メチルまたはイソプロピルで置換されていてもよいフェニル基等がさらに好ましい。
4としては、例えば、(1)ハロゲン、C1-6アルコキシおよびC1-3アルキレンジオキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい芳香族基(特に、フェニルなどのC6-14アリール基やチエニル、ピリジルなどの炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子などから選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含有する5または6員の芳香族複素環基)で置換されたC1-6アルキル基または(2)ハロゲン、C1-6アルコキシおよびC1-3アルキレンジオキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい芳香族基(特に、フェニルなどのC6-14アリール基)を含有するアシル基等が好ましく、(1)ハロゲン(特に、フッ素、塩素)、C1-6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1-3アルコキシ)およびC1-3アルキレンジオキシ(特に、メチレンジオキシ)から選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいC6-14アリール(特に、フェニル)、チエニルまたはピリジルで置換されたC1-6アルキル基(特に、メチルなどのC1-3アルキル基)または(2)ハロゲン(特に、フッ素、塩素)、C1-6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1-3アルコキシ)およびC1-3アルキレンジオキシ(特に、メチレンジオキシ)から選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいC6-14アリール−カルボニル基(特に、フェニルカルボニル基)、C7-16アラルキル−カルボニル基(特に、ベンジルカルボニル基)、C6-14アリール−スルホニル基(特に、フェニルスルホニル基)、ニコチノイル基またはテノイル基等がさらに好ましい。中でもフッ素、メトキシおよびメチレンジオキシから選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいベンジル基またはフェネチル基等が特に好ましい。
5としては、例えば、水素原子、C1-6アルキル基(特に、メチルなどのC1-3アルキル基)またはC1-6アルキル−カルボニル基(特に、アセチルなどのC1-3アルキル−カルボニル基)等が好ましく、水素原子またはメチル基等がさらに好ましい。
2環としては、さらに1ないし3個のC1-6アルキル(特に、メチルなどのC1-3アルキル)で置換されていてもよいベンゼン環等が好ましく、さらに3個のメチルで置換されたベンゼン環等が特に好ましい。
特に、化合物(Ib)としては、R1およびR2が、同一または異なって、水素原子またはC1-6アルキル基(特に、メチルなどのC1-3アルキル基)、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に3ないし8員同素環を形成し;
3bがハロゲン(特に、フッ素)およびC1-6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどのC1-3アルキル)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル基;
4が(1)ハロゲン(特に、フッ素、塩素)、C1-6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1-3アルコキシ基)およびC1-3アルキレンジオキシ(特に、メチレンジオキシ)から選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいC6-14アリール(特に、フェニル)、チエニルまたはピリジルで置換されたC1-6アルキル基(特に、メチルなどのC1-3アルキル基)または(2)ハロゲン(特に、フッ素、塩素)、C1-6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1-3アルコキシ基)およびC1-3アルキレンジオキシ(特に、メチレンジオキシ)から選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいC6-14アリール−カルボニル基(特に、フェニルカルボニル基)、C7-16アラルキル−カルボニル基(特に、ベンジルカルボニル基)、C6-14アリール−スルホニル基(特に、フェニルスルホニル基)、ニコチノイル基またはテノイル基;
5が水素原子、C1-6アルキル基(特に、メチルなどのC1-3アルキル基)またはC1-6アルキル−カルボニル基(特に、アセチルなどのC1-3アルキル−カルボニル基);
Yが酸素原子;および
2環がさらに1ないし3個のC1-6アルキル(特に、メチルなどC1-3アルキル)で置換されたベンゼン環である化合物等が好ましく、
1およびR2がそれぞれメチル基;
3bがフッ素、メチルまたはイソプロピルで置換されていもよいフェニル基;
4がフッ素、メトキシまたはメチレンジオキシで置換されていてもよいベンジル基またはフェネチル基;
5が水素原子またはメチル基;
- - - が単結合;
Yが酸素原子;および
2環がさらに3個のメチルで置換されたベンゼン環である化合物等が特に好ましい。
【0038】
また、- - - が二重結合を示す場合、R2は存在せず、R1としては、C1-6アルキル基などが好ましく、特にメチルなどのC1-3アルキル基が好ましい。他の記号としては、前記と同様のものが好ましいが、なかでも、R3bがハロゲン(特に、フッ素)およびC1-6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどのC1-3アルキル)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル基;R4が(1)ハロゲン(特に、フッ素)およびC1-6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1-3アルコキシ基)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6-14アリール(特に、フェニル)で置換されたC1-6アルキル基(特に、メチルなどのC1-3アルキル基)または(2)ハロゲン(特に、フッ素)およびC1-6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1-3アルコキシ基)から選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいC6-14アリール−カルボニル基(特に、フェニルカルボニル基)またはC7-16アラルキル−カルボニル基(特に、ベンジルカルボニル基);R5が水素原子;Yが酸素原子;およびC2環がさらに1ないし3個のC1-6アルキル(特に、メチルなどC1-3アルキル)で置換されたベンゼン環(特に、3個のメチル等のC1-6アルキルで置換されたベンゼン環)である化合物が好ましい。
【0039】
化合物(Ib)の具体例としては、下記の化合物1b〜化合物67bなどが好ましい。
化合物1b: 4−メトキシ−N−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)ベンズアミド
化合物2b: N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物3b: 4−フルオロ−N−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)ベンズアミド
化合物4b: N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物5b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
化合物6b: N−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
化合物7b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシベンズアミド
化合物8b: 3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物9b: 3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−N,2,2,4,6,7−ヘキサメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物10b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシフェニルアセトアミド
【0040】
化合物11b: 3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物12b: 3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−N,2,2,4,6,7−ヘキサメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物13b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]アセトアミド
化合物14b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]アセトアミド
化合物15b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−3−(4−メトキシフェニル)プロピオンアミド
化合物16b: 3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[3−(4−メトキシフェニル)プロピル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物17b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシベンゼンスルホンアミド
化合物18b: 4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
化合物19b: N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
化合物20b: 4−クロロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
【0041】
化合物21b: N−(4−クロロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物22b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシアミド
化合物23b: N−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物24b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−2−チオフェンカルボキシアミド
化合物25b: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−N−(2−チエニルメチル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物26b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ニコチンアミド
化合物27b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソニコチンアミド塩酸塩
化合物28b: N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシベンズアミド
化合物29b: 3−(4−フルオロフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物30b: 4−フルオロ−N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
【0042】
化合物31b: N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物32b: 4−メトキシ−N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
化合物33b: N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物34b: 4−フルオロ−N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
化合物35b: N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物36b: 4−[[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イルアミノ]カルボニル]安息香酸メチル
化合物37b: 4−[[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イルアミノ]カルボニル]安息香酸
化合物38b: 5−(4−メトキシベンジルアミノ)−2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニル−1−ベンゾフラン塩酸塩
化合物39b: 4−フルオロ−N−(2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニル−1−ベンゾフラン−5−イル)ベンズアミド
化合物40b: N−(4−フルオロベンジル)−2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニル−1−ベンゾフラン−5−アミン
【0043】
化合物41b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]−ベンズアミド
化合物42b: N−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物43b: [N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]]−4−メトキシベンズアミド
化合物44b: [N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]]−4−メトキシフェニルアセトアミド
化合物45b: 3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
化合物46b: 4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
化合物47b: N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物48b: N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシベンズアミド
化合物49b: N−(4−メトキシベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物50b: 4−フルオロ−N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
【0044】
化合物51b: N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン
化合物52b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−イル]−4−メトキシベンズアミド
化合物53b: 3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミン
化合物54b: 4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−イル]ベンズアミド
化合物55b: N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミン
化合物56b: 4−クロロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−イル]ベンズアミド
化合物57b: N−(4−クロロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミン
化合物58b: N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−3,4−ジメトキシベンズアミド
化合物59b: N−(3,4−ジメトキシベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
化合物60b: (+)−4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
【0045】
化合物61b: (+)−N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
化合物62b: (−)−4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
化合物63b: (−)−N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
化合物64b: 3,4−ジメトキシ−N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
化合物65b: N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
化合物66b: N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシアミド
化合物67b: N−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
【0046】
化合物1b〜66bの化学構造式を以下に示す。
【表3】

【0047】
【表4】

【0048】
【表5】

【0049】
【表6】

【0050】
【表7】

【0051】
化合物(Ib)としては、なかでも、
(1)N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物4b)またはその塩、
(2)N−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物6b)またはその塩、
(3)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−N,2,2,4,6,7−ヘキサメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物9b)またはその塩、
(4)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物11b)またはその塩、
(5)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物19b)またはその塩、
(6)N−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物23b)またはその塩、
(7)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物31b)またはその塩、
(8)N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物33b)またはその塩、
(9)N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物35b)またはその塩、
(10)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物45b)またはその塩、
(11)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物47b)またはその塩、
(12)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物51b)またはその塩、
(13)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミン(化合物55b)またはその塩、
(14)(R)−N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、その塩酸塩(化合物61b)またはその他の塩等が好ましく、特に
(i)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(化合物19b)、
(ii)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミン(化合物55b)、
(iii)(R)−N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩(化合物61b)等が好ましい。
【0052】
化合物(Ic)において、式 −X−R4cで表される基は、以下のように基本骨格の5位に置換している場合が好ましい。
【化30】

化合物(Ic)として好ましくは、R1およびR2が、それぞれ(1)C6-14アリール、(2)C1-6アルコキシ、(3)C1-6アルキルチオ、(4)ヒドロキシ、(5)アミノ、(6)モノ−C1-6アルキルアミノ、(7)モノ−C6-14アリールアミノ、(8)ジ−C1-6アルキルアミノ、(9)ジ−C6-14アリールアミノ、(10)カルボキシ、(11)C1-6アルキルスルホニル、(12)C6-14アリールスルホニル、(13)C1-6アルキルスルフィニル、(14)C6-14アリールスルフィニルおよび(15)C1-6アルキル、C6-14アリールおよび5ないし10員芳香族基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1-6アルキルであるか、あるいは
1とR2が隣接する炭素原子と共に、C1-6アルキル、C6-14アリール、C7-16アラルキルおよび5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい3ないし8員同素または複素環を形成;
3が(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル、(3)C1-6アルコキシ、(4)アミノ、(5)モノ−C1-6アルキルアミノ、(6)ジ−C1-6アルキルアミノおよび(7)C1-6アルキル、C6-14アリールおよび5ないし10員芳香族基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノから選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−チニエル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、1−イソキノリル、1−インドリル、2−インドリルまたは2−ベンゾチアゾリル;
4cが(i)(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル、(3)C1-6アルコキシ、(4)ヒドロキシ、(5)アミノ、(6)モノ−C1-6アルキルアミノ、(7)ジ−C1-6アルキルアミノ、(8)カルボキシおよび(9)C1-6アルキル、C6-14アリールおよび5ないし10員芳香族基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノから選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、1−イソキノリル、1−インドリル、2−インドリルまたは2−ベンゾチアゾリルを有し、かつさらにカルボキシまたはC1-6アルコキシ−カルボニルを有していてもよいC1-6アルキルまたは
(ii)(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル、(3)C1-6アルコキシ、(4)ヒドロキシ、(5)アミノ、(6)モノ−C1-6アルキルアミノ、(7)ジ−C1-6アルキルアミノおよび(8)カルボキシから選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいC1-6アルキル−カルボニル、C3-6シクロアルキル−カルボニル、C6-14アリール−カルボニルまたはC7-16アラルキル−カルボニル;
Xが酸素原子;
Yが酸素原子;
3環が、さらにハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノおよびジ−C1-6アルキルアミノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいベンゼン環である化合物である。
さらに好ましくは、R1およびR2が、それぞれ、C6-14アリール、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、モノ−C6-14アリールアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C6-14アリールアミノ、カルボキシ、C1-6アルキルスルホニル、C6-14アリールスルホニル、C1-6アルキルスルフィニルおよびC6-14アリールスルフィニルから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1-6アルキルであるか、あるいは
1とR2が隣接する炭素原子と共に、C1-6アルキル、C6-14アリールおよびC7-16アラルキルから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいピペリジンを形成;
3がハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノおよびジ−C1-6アルキルアミノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル;
4が(i)ハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノおよびカルボキシから選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいフェニルまたはピリジルを有するC1-6アルキル、または
(ii)式 −(C=O)−R5' 〔式中、R5'がハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノおよびカルボキシから選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいフェニルまたはフェニル−C1-6アルキルである〕で表されるアシル;
Xが酸素原子;
Yが酸素原子;
3環が、さらにハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノおよびジ−C1-6アルキルアミノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいベンゼン環である化合物である。
【0053】
また、式:
【化31】

〔式中、R1およびR2が、それぞれフェニルで置換された6員飽和環状アミノを有していてもよいC1-6アルキルであるか、あるいは
1とR2が隣接する炭素原子と共に、C1-6アルキルまたはC7-16アラルキルで置換されたピペリジンを形成;
3が(i)水素原子、または
(ii)(1)C1-6アルキル、(2)ジ−C1-6アルキルアミノおよび(3)C1-6アルキルを有していてもよい6員飽和環状アミノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル;
4cが(i)ニトロおよびC1-6アルキル−カルボキサミドから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル、
(ii)C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルコキシ−カルボニル、C1-6アルキルスルホニルおよびC1-6アルキルスルフィニルから選ばれる置換基を1ないし3個それぞれ有していてもよいフェニル、キノリルまたはピリジル1ないし3個をそれぞれ有し、さらに置換基としてフェニル、カルボキシまたはC1-6アルコキシ−カルボニルをそれぞれ有していてもよいC1-6アルキルまたはC2-6アルケニル、または
(iii)式 −(C=O)−R5'' 〔式中、R5''がC1-6アルコキシで置換されたフェニルである〕で表されるアシル;および
'環が、さらに1ないし3個のC1-6アルキルを有していてもよいベンゼン環(特に3個のメチル等のC1-6アルキルで置換されたベンゼン環)である〕で表される化合物も好ましい。
【0054】
化合物(Ic)の具体例としては、下記の化合物1c〜化合物33cなどが好ましい。
化合物1c: 5−ベンジルオキシ−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物2c: 5−ベンジルオキシ−3−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物3c: 5−ベンジルオキシ−2,4,6,7−テトラメチル−2−(4−フェニル−1−ピペラジニル)メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物4c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物5c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物6c: 3−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物7c: 5−(4−メトキシベンジルオキシ)−3−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物8c: 5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物9c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−5−(4−メチルチオベンジルオキシ)−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物10c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−5−[4−(メチルスルフィニル)ベンジルオキシ]−2,3−ジヒドロベンゾフラン
【0055】
化合物11c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−5−[4−(メチルスルフォニル)ベンジルオキシ]−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物12c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−5−(3−フェニル−2−プロペン−1−イルオキシ)−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物13c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−5−(2−キノリルメチルオキシ)−2,3−ジヒドロベンゾフラン塩酸塩
化合物14c: 5−(3,3−ジフェニルプロピルオキシ)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物15c: 4−[[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル]オキシメチル]安息香酸メチル
化合物16c: α−[[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル]オキシ]フェニル酢酸メチル
化合物17c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−5−(2−ピリジルメチルオキシ)−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物18c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−5−(3−ピリジルメチルオキシ)−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物19c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−5−(4−ピリジルメチルオキシ)−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物20c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(2,4−ジニトロフェニルオキシ)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
【0056】
化合物21c: 5−(2,4−ビスアセチルアミノフェニルオキシ)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物22c: α−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルオキシ]フェニル酢酸
化合物23c: α−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルオキシ]フェニル酢酸
化合物24c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−5−(3−フェニル−1−プロピル)オキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物25c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−5−(2−フェニルエチル)オキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物26c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル 4−メトキシベンゾエート
化合物27c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン
化合物28c: 2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニルベンゾフラン−5−イル 4−メトキシベンゾエート
化合物29c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−6−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
化合物30c: 1’−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−4,6,7−トリメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]
【0057】
化合物31c: 1’−ベンジル−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−4,6,7−トリメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]
化合物32c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]
化合物33c: 3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチル−5−(4−ピリジルメチルオキシ)スピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]
【0058】
化合物1c〜33cの化学構造式を以下に示す。
【表8】


【表9】


【表10】

【0059】
化合物(Ic)として好ましくは、なかでも、
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン、3−(4−メチルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル 4−メトキシベンゾエート、
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル 4−メトキシベンゾエート、
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン、
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]、
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(3−ピリジルメチル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフランおよびそれらの塩などである。
このうち特に好ましくは、
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン、3−(4−メチルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル 4−メトキシベンゾエート、
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル 4−メトキシベンゾエート、
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン、
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]およびそれらの塩である。
【0060】
かかる化合物の塩としては、−COOH等の酸性基を有する場合には例えば金属塩、アンモニウム塩、有機塩基等との塩、−NH2等の塩基性基を有する場合には例えば無機酸、有機酸、塩基性または酸性アミノ酸等との塩等の他分子内塩であってもよい。金属塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合には、アルカリ金属塩(例、ナトリウム塩,カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩,マグネシウム塩,バリウム塩等)との塩等の無機塩、アンモニウム塩等、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸酸塩等の無機塩または、酢酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩等の有機塩が挙げられる。
【0061】
化合物(I)(化合物(Ia)、(Ib)および(Ic)を含む)は、自体公知の方法、例えば、WO 98/55454、WO 00/34262、WO 95/29907、特開平5−194466号公報、USP 4,881,967、USP 4,212,865およびテトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)、37巻、51号、9183-9186頁、1996年等に記載の方法、またはこれらに準じた方法により製造することができる。
【0062】
化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物であってよい。
化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物(I)のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
【0063】
本願発明のPKB活性化剤、とりわけ化合物(I)またはその塩或いはそのプロドラッグ(以下単に化合物(I)と総称することがある)は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、PKBを活性化することにより神経変性抑制作用、神経再生促進作用、神経幹細胞自己複製促進作用、幹細胞(例、胚性幹細胞、神経幹細胞等)増殖促進作用、神経前駆細胞分化促進作用を発揮するか乃至はPKBの基質としてのGSKを阻害する情報伝達を通じ、神経幹細胞自己複製促進作用、幹細胞(例、胚性幹細胞、神経幹細胞等)増殖促進作用、神経前駆細胞分化促進作用、神経栄養因子様作用、神経栄養因子活性増強作用、神経変性抑制作用、神経再生促進作用、抗酸化作用またはβアミロイドによる神経細胞死抑制作用等の医薬作用を奏し、パーキンソン病およびアルツハイマー病を予防および/または治療すると推察される。本発明のPKB活性化剤、とりわけ化合物(I)は毒性が低く、かつ副作用も少ない等の医薬品として優れた性質も有するので、パーキンソン病およびアルツハイマー病の予防・治療剤として有用である。
また、本願発明のPKB活性化剤は、うつ病(特に好適には、神経の萎縮または脱落を伴ううつ病)、不安症、躁うつ病またはPTSDの予防・治療剤としても有用である。中でも、神経の萎縮または脱落を伴ううつ病に特に有用である。また、うつ病に伴う認知障害にも有効である。とりわけ、化合物(I)は、これらの疾患治療・予防に有用である。
尚、化合物(I)をはじめとするPKB活性化剤を含有してなる医薬は、パーキンソン病やアルツハイマー病、うつ病、不安症、躁うつ病またはPTSDの予防・治療に加え、幹細胞および/または神経前駆細胞の増殖および/または分化促進剤として、または神経栄養因子様物質、神経栄養因子活性増強物質、神経変性抑制物質として、神経細胞死を抑制し、神経新生および神経軸索伸長により神経組織・機能の再生を促進することにより、その他の疾患、例えば、神経変性疾患(例、軽度認知障害(MCI)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、多発性硬化症(MS),Pick病等)、その他の精神疾患(例、統合失調症、不安神経症、強迫性神経症等)、頭部外傷、脊髄損傷、脳血管障害、脳血管性痴呆、無症候性脳梗塞、ポリグルタミン病(歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症、球脊髄筋萎縮症、Machado-Jacob病、脊髄小脳失調症6型)、プリオン病(Creutzfeldt-Jacob病、Gerstmann-straussler-Scheinker病)、大脳皮質基底核神経節変性症、進行性核上性麻痺、AIDS脳症、筋ジストロフィー、糖尿病性神経障害等に対しても有効であり、パーキンソン病やうつ病、不安症、躁うつ病またはPTSDの予防・治療と並行してあるいは独立して、これらの疾患の予防・治療剤として用いられる。
また、化合物(I)をはじめとするPKB活性化剤を含有してなる医薬は、多種の幹細胞システムに対し分化促進的に作用することにより、内在的自己再生能力を活性化し、すい臓のβ−細胞、肝細胞や骨芽細胞等の組織・機能の再生を促進することにより、例えば、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、肝硬炎、アルコール性肝炎、自己再生能力低下に伴う種々の老年性疾患の予防・治療剤;骨形成促進剤、骨疾患予防治療剤、骨折予防治療剤、軟骨形成促進剤および軟骨疾患予防治療剤(例、非代謝性骨疾患[例、整形外科領域における骨折、再骨折、骨変形・変形脊椎症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不全、側弯症等]、代謝性骨疾患[例、骨欠損、骨粗鬆症,骨軟化症、くる病、線維性骨炎、腎性骨異栄養症、骨ペーチェット病、硬直性脊髄炎等]、関節疾患[例、変形性関節症または慢性関節リウマチのような軟骨疾患等の予防治療薬];ならびに多発性骨髄腫、肺癌、乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤として用いることができる。また、歯科領域においては、歯周病の治療、歯周疾患における歯周組織欠損の修復、人工歯根の安定化、顎堤形成および口蓋裂の修復などにも用いることができる。
化合物(I)等のPKB活性化剤は、そのままあるいは自体公知の手段に従って、薬理学的に許容される担体を混合した医薬組成物、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、口腔内崩壊錠等を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤、貼布剤等を製造して、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
例えば、化合物(I)の本発明製剤中の含有量は、製剤全体の約0.01ないし約100重量%である。
該投与量は、投与対象、投与ルート、疾患等によっても異なるが、例えば化合物(I)をパーキンソン治療剤として、成人に対し、経口剤として投与する場合、本発明の化合物を有効成分として約0.1ないし約20mg/kg体重、好ましくは約0.2ないし約10mg/kg体重、さらに好ましくは約0.5ないし約10mg,好ましくは約0.5ないし約5mg/kg体重であって、1日1ないし数回に分けて投与することができる。
さらに、化合物(I)などPKB活性化剤によるパーキンソン病やアルツハイマー病、うつ病、不安症、躁うつ病またはPTSDの治療・予防のために、あるいはこれらの治療と並行してあるいは独立して例えば、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、多発性硬化症(MS)等)、精神神経疾患(例、統合失調症等)、頭部外傷、脊髄損傷、脳血管障害、脳血管性痴呆、脊髄損傷、ポリグルタミン病(歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症、球脊髄筋萎縮症、Machado-Jacob病、脊髄小脳失調症6型)、プリオン病(Creutzfeldt-Jacob病、Gerstmann-straussler-Scheinker病)、大脳皮質基底核神経節変性症、進行性核上性麻痺、AIDS脳症、筋ジストロフィー、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、肝硬炎、アルコール性肝炎、骨粗鬆症等上記した疾患に適応するにあたっては、化合物(I)などPKB活性化剤に加え、他の活性成分と併用してもよい。このような併用薬として例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、ザナペジル(TAK-147)等)、βアミロイド蛋白産生、分泌、蓄積、凝集および/または沈着抑制剤[βセクレターゼ阻害剤(例.6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジメチルアミノ)メチルテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジプロピルアミノ)メチルテトラリン、2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(2’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(3’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、その光学活性体、その塩およびその水和物、OM99−2(WO01/00663))、γセクレターゼ阻害作用剤、βアミロイド蛋白凝集阻害作用剤(例、PTI−00703、ALZHEMED(NC−531)、PPI−368(特表平11−514333)、PPI−558(特表平2001−500852)、SKF−74652(Biochem.J.(1999),340(1),283−289))、βアミロイドワクチン、βアミロイド分解酵素等]、脳機能賦活薬(例、アニラセタム、ニセルゴリン等)、他のパーキンソン病治療薬[(例、ドーパミン受容体作動薬(L−ドーパ、ブロモクリプテン、パーゴライド、タリペキソール、プラシペキソール、カベルゴリン、アダマンタジン等)、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬(デプレニル、セルジリン(セレギリン)、レマセミド(remacemide),リルゾール(riluzole)等)、抗コリン剤(例、トリヘキシフェニジル、ビペリデン等)、COMT阻害剤(例、エンタカポン等)]、筋萎縮性側索硬化症治療薬(例、リルゾール等、神経栄養因子等)、コレステロール低下薬等の高脂血症治療薬[スタチン系(例、プラバスタチンナトリウム、アトロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン等)、フィブラート(例、クロフィブラート等)、スクワレン合成酵阻害剤]、痴呆の進行に伴う異常行動、徘徊等の治療薬(例、鎮静剤、抗不安剤等)、アポトーシス阻害薬(例、CPI-1189、IDN-6556、CEP-1347等)、神経分化・再生促進剤(レテプリニム(Leteprinim)、キサリプローデン(Xaliproden;SR-57746-A)、 SB-216763等)、降圧剤、糖尿病治療薬、抗うつ剤、抗不安薬、非ステロイド性抗炎症薬(例、メロキシカム、テオキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン、インドメタシン等)、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)、抗サイトカイン薬(TNF阻害薬、MAPキナーゼ阻害薬など)、ステロイド薬(例、デキサメサゾン、ヘキセストロール、酢酸コルチゾン等)、性ホルモンまたはその誘導体(例、プロゲステロン、エストラジオール、安息香酸エストラジオール、等)、副甲状腺ホルモン(PTH)、カルシウム受容体拮抗薬、等が挙げられる。とりわけ、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン塩酸塩・1水和物等のβセクレターゼ阻害作用剤などとの併用が好ましい。
該その他の活性成分と本発明の化合物(I)を始めとするPKB活性化剤、パーキンソン病およびアルツハイマー病予防・治療剤、抗うつ病等の治療・予防剤とを自体公知の方法に従って混合し、ひとつの医薬組成物(例、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等)中に製剤化して併用してもよく、また、それぞれを別々に製剤化し、同一対象に対して同時にまたは時間差を置いて投与してもよい。
【0064】
本発明製剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。また、必要に応じて、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。
等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、 D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。
【実施例】
【0065】
本発明は、さらに以下の製剤例および実験例によって詳しく説明されるが、これらは単なる例であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【0066】
製剤例1a
(1)化合物14a 50mg
(2)ラクトース 34mg
(3)トウモロコシ澱粉 10.6mg
(4)トウモロコシ澱粉(のり状) 5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
(6)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg
計 120mg
常法に従い前記(1)ないし(6)を混合し、打錠機により打錠し、錠剤を製造する。
【0067】
製剤例1b
(1)化合物19b 50mg
(2)ラクトース 34mg
(3)トウモロコシ澱粉 10.6mg
(4)トウモロコシ澱粉(のり状) 5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
(6)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg
計 120mg
常法に従い前記(1)ないし(6)を混合し、打錠機により打錠し、錠剤を製造する。
【0068】
製剤例1c
(1)化合物4c 50mg
(2)ラクトース 34mg
(3)トウモロコシ澱粉 10.6mg
(4)トウモロコシ澱粉(のり状) 5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
(6)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg
計 120mg
常法に従い前記(1)〜(6)を混合し、打錠機により打錠し、錠剤を得た。
【0069】
実験例1
実験方法
生後3日齢のラットより海馬を摘出し、神経分散液により細胞を分散した。細胞数を計測した後、細胞を10% FCS (Embryo Max)を含むDMEM/F-12培地に懸濁し、type Iコラーゲンコートした6穴プレートに3×105 cells/cm2の密度で播種した。4日間培養後、培地をN2 supplement 含有培地に変え、それぞれのウェルに化合物(I)(化合物17aを使用;以下化合物AまたはCompoundAと称する) 300nMまたは 1000nM、およびIGF-1 が100ng/mLとなるよう各薬物を添加した。添加1日後および3日後にprotease inhibitor cocktailを含むLysis Bufferで細胞を回収した。各細胞懸濁液を20000 rpmで30分間遠心し、上清を回収した。この上清にAnti-5G3 Akt antibodyを加え、細胞内のAktを免疫沈降させた。5-20%ポリアクリルアミドゲルを用いてSDS-PAGEを行った後、ウエスタンブロットを行った。一次抗体としてanti-Phospho Akt antibody、二次抗体としてHRP-linked anti-Rabbit antibody を用いてリン酸化Akt(Ser473およびThr308)のバンドを検出した。Total Aktを検出するため、PVDF膜をreprobe bufferに浸し、55℃下で20分間浸透することにより、抗体をはがした。その後、一次抗体としてanti-Akt antibody (Cell signaling technology)、二次抗体としてHRP-linked anti-Rabbit antibody (Cell signaling technology) を用いてTotal Aktのバンドを検出した。
実験成績
ラット海馬混合培養系におけるAktのリン酸化に及ぼす化合物A(CompoundA)およびインシュリン様栄養因子-1(IGF-1)の作用を図1に示す。化合物Aの添加は1日後および3日後のいずれにおいてもThr308およびSer473の両部位におけるリン酸化を促進した(図1)。IGF-1の100 ng/mL添加もThr308およびSer473のリン酸化を促進した。以上の結果から、化合物AはAktの活性化作用を有することが明らかとなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

〔式中、R1およびR2は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が、隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素または複素環を形成していてもよく、
3は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、
- - - は単結合または二重結合を示し、
Wは(i)式:
【化2】

〔式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、B環は置換基を有していてもよい5ないし7員含窒素複素環を示す〕で表される基、
(ii)式:
【化3】

〔式中、R4は(1)置換基を有していてもよい芳香族基で置換され、かつさらに置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または(2)置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基を示し、R5は水素原子、C1-6アルキルまたはアシル基を示す〕で表される基または
(iii)式:
【化4】

〔式中、R4cは置換基を有していてもよい芳香族基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基またはアシル基を示し、Xは酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を示す〕で表される基を示し、
Yは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子または置換基を有していてもよいイミノを示し、
C環はWで表される基の他にさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有してなるプロテインキナーゼB(PKB)活性化剤。
【請求項2】
- - - が単結合である請求項1記載の剤。
【請求項3】
Yが酸素原子である請求項1記載の剤。
【請求項4】
Wが式(Wa)で表される基である請求項1記載の剤。
【請求項5】
1およびR2がそれぞれC1-6アルキル基で、R3がC1-6アルキルおよびハロゲン原子から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル基で、C環がさらにC1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいベンゼン環で、- - - が単結合で、Yが酸素原子で、Wが式(Wa)で表される基であり、式(Wa)で表される基が式:
【化5】

〔式中、A1環がハロゲン、C1-6アルコキシおよびC1-6アルキレンジオキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいベンゼン環を示す。〕で表される基である請求項1記載の剤。
【請求項6】
式(Wa)で表される基がベンゾフラン環の5位に置換している請求項1記載の剤。
【請求項7】
(1)2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(2)5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(3)5,6−ジメトキシ−2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(4)5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−2H−イソインドール、(5)6−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール、(6)6−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール、(7)6−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−6、7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール、(8)(R)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(9)(R)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン塩酸塩、または(10)(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリンを含有してなる請求項1記載の剤。
【請求項8】
(R)−(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(R)−(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4-(1−メチルエチル)フェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(R)−(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−ブロモフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリンまたはその塩を含有してなる請求項1記載の剤。
【請求項9】
(1)N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(2)N−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(3)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−N,2,2,4,6,7−ヘキサメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(4)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(5)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(6)N−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(7)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(8)N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(9)N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(10)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン、(11)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン、(12)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン、(13)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミンまたは(14)(R)−N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩を含有してなる請求項1記載の剤。
【請求項10】
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン、3−(4−メチルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル 4−メトキシベンゾエート、
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル 4−メトキシベンゾエート、
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン、
3−(4−イソプロピルフェニル)−5−(4−メトキシベンジルオキシ)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]またはそれらの塩を含有してなる請求項1記載の剤。
【請求項11】
うつ病、不安症、躁うつ病またはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の予防・治療剤である請求項1記載の剤。
【請求項12】
プロテインキナーゼB(PKB)活性化剤を含有してなるパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病の予防・治療剤。
【請求項13】
プロテインキナーゼB(PKB)活性化剤が請求項1記載のプロテインキナーゼB(PKB)活性化剤である請求項12記載の剤。
【請求項14】
プロテインキナーゼB(PKB)活性化剤を含有してなるうつ病、不安症、躁うつ病またはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の予防・治療剤。
【請求項15】
プロテインキナーゼB(PKB)活性化に基づく神経再生促進剤および/または幹細胞および/または神経前駆細胞増殖・分化促進剤を含有してなるうつ病、不安症、躁うつ病またはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の予防・治療剤。
【請求項16】
プロテインキナーゼB(PKB)活性化に基づく神経再生促進剤および/または幹細胞および/または神経前駆細胞増殖・分化促進剤を含有してなるパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病の予防・治療剤。
【請求項17】
プロテインキナーゼB(PKB)活性化剤のパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病の予防・治療のための使用。
【請求項18】
プロテインキナーゼB(PKB)活性化剤のパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病の予防・治療剤製造のための使用。
【請求項19】
プロテインキナーゼB(PKB)活性化剤を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけるパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病の予防・治療方法。
【請求項20】
プロテインキナーゼB(PKB)活性化剤の、うつ病、不安症、躁うつ病またはPTSD(心的外傷後ストレス障害)予防・治療のための使用。
【請求項21】
請求項1記載のプロテインキナーゼB(PKB)活性化剤の、うつ病,不安症、躁うつ病またはPTSD(心的外傷後ストレス障害)予防・治療剤製造のための使用。
【請求項22】
プロテインキナーゼB(PKB)活性化剤を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけるうつ病、不安症、躁うつ病またはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の予防・治療方法。
【請求項23】
請求項1記載のプロテインキナーゼB(PKB)活性化剤を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけるうつ病、不安症、躁うつ病またはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の予防・治療方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−111698(P2010−111698A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5081(P2010−5081)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【分割の表示】特願2003−52503(P2003−52503)の分割
【原出願日】平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】