説明

抗しわ剤および皮膚用化粧料

【課題】即時的にしわ改善作用を示す抗しわ剤の提供。
【解決手段】式(1)で表される構成単位(a)20〜95モル%及び式(2)で表される構成単位(b)5〜80モル%からなる共重合体を有効成分として含む抗しわ剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、即時的にしわ改善作用を示す抗しわ剤、およびこれを含有する皮膚用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
しわの発生を抑制することを目的として、様々な抗しわ剤が開発されている。例えば、特許文献1には、特定の植物抽出物にしわ改善効果が見出され、該特定の植物抽出物を含む皮膚外用剤が提案されている。特許文献2には、ビタミン類を含有する皮膚外用剤にしわ改善効果があることが開示されている。しかしながら、これらのしわ改善効果には即効性がなく、安全性の懸念もあることから、より即時的な効果を持ち、安全性に優れた抗しわ剤が求められている。特許文献3には、高分子被膜形成剤を含有するしわ改善剤が提案されているが、これらは皮膚親和性が十分でなく、またしわ改善効果も不十分である。
【0003】
一方、特許文献4には、分子構造中にグリセロール基とウレタン結合とを両方あわせ持ち、セラミドの化学構造に類似した構造の単量体である、グリセロール(メタ)アクリレートを含む組成物を重合した重合体を配合した化粧料が、皮膚バリア機能や毛髪保護効果に優れることが提案されている。しかし、該特許文献4には、具体的に抗しわ素材として有効な重合体については言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−94734号公報
【特許文献2】特開2000−239140号公報
【特許文献3】特開2000−63261号公報
【特許文献4】特開2007−119374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、即時的にしわを改善でき、はり感の強い皮膚に改善しうる抗しわ剤を提供することにある。
本発明の別の課題は、皮膚に良好なはり感を付与し、しわ改善作用に優れた皮膚用化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、式(1)で表される構成単位(a)20〜95モル%及び式(2)で表される構成単位(b)5〜80モル%からなり、構成単位(a)及び(b)の合計が100モル%となる共重合体(以下、GLYMOU-MMAと略記することがある)を有効成分として含む抗しわ剤が提供される。
【化1】

【0007】
また本発明によれば、式(1)で表される構成単位(a)20〜90モル%、式(2)で表される構成単位(b)5〜75モル%及び式(3)で表される構成単位(c)5〜75モル%からなり、構成単位(a)〜(c)の合計が100モル%となる共重合体(以下、GLYMOU-MMA-LAと略記することがある)を有効成分として含む抗しわ剤が提供される。
【化2】

(式(3)中、Lは水素原子、−CH2CH2OHもしくは−CH2CH(OH)CH2(OH)を示す。)
更に本発明によれば、化粧料材料と、上記GLYMOU-MMAを有効成分とする抗しわ剤及び/又は上記GLYMOU-MMA-LAを有効成分とする抗しわ剤とを含む皮膚用化粧料が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の抗しわ剤は、上記構成単位(a)及び(b)を必須とするGLYMOU-MMA又はGLYMOU-MMA-LAを有効成分として含み、該有効成分が、強固な水素結合性、被膜形成性を示すので、皮膚上に強度の高い被膜を形成し、即時的にしわを改善することができる。また優れたはり感を皮膚に与えることができる。
本発明の皮膚用化粧料は、上記抗しわ剤を含有するので、はり感に優れ、高いしわ改善効果を発現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明をさらに詳細に説明する。
本発明の抗しわ剤は、前記式(1)で表される構成単位(a)及び前記式(2)で表される構成単位(b)を特定割合で有する共重合体であるGLYMOU-MMA、もしくは前記式(1)で表される構成単位(a)、前記式(2)で表される構成単位(b)及び前記式(3)で表される構成単位(c)を特定割合で有する共重合体であるGLYMOU-MMA-LAを有効成分として含む。尚、式(3)中、Lは水素原子、−CH2CH2OHもしくは−CH2CH(OH)CH2(OH)を示す。
【0010】
前記GLYMOU-MMAにおいて、構成単位(a)の割合は、20〜95モル%であり、特に40〜90モル%の範囲が好ましい。構成単位(b)の割合は、5〜80モル%であり、特に10〜60モル%の範囲が好ましい。構成単位(a)が20モル%未満、また構成単位(b)が80モル%を超える場合は、しわ改善効果が損なわれ、また、皮膚親和性が悪くなる恐れがある。構成単位(a)が95モル%を超え、また構成単位(b)が5モル%未満の場合は、皮膚のはり感が損なわれる恐れがある。GLYMOU-MMAにおいては、構成単位(a)及び(b)の合計が100モル%となる。
【0011】
前記GLYMOU-MMA-LAにおいて、構成単位(a)の割合は、20〜90モル%であり、特に30〜80モル%の範囲が好ましい。構成単位(b)の割合は、5〜75モル%であり、特に10〜40モル%の範囲が好ましい。構成単位(c)の割合は、5〜75モル%であり、特に10〜40モル%の範囲が好ましい。構成単位(a)〜(c)の割合が上記範囲外の場合には、しわ改善効果が損なわれるおそれがある。GLYMOU-MMA-LAにおいては、構成単位(a)〜(c)の合計が100モル%となる。
【0012】
前記GLYMOU-MMA又はGLYMOU-MMA-LAの重量平均分子量は、それぞれ5,000〜5,000,000の範囲が好ましく、100,000〜3,000,000の範囲が特に好ましい。該分子量が5,000未満の場合は、被膜形成性が悪くなる恐れがある。一方、該分子量が5,000,000を超えると、化粧料等への配合性が悪くなる恐れがある。
本発明の抗しわ剤において、GLYMOU-MMA又はGLYMOU-MMA-LAは、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0013】
前記GLYMOU-MMAは、式(4)で示される単量体(以下、GLYMOUと略記することがある)と、式(5)で示される単量体(以下、MMAと略記することがある)とを溶媒の存在下、重合反応させることにより得られる。
一方、前記GLYMOU-MMA-LAは、GLYMOUと、MMAと、式(6)で示される単量体(以下、LAと略記することがある)とを溶媒の存在下、重合反応させることにより得られる。尚、式(6)中のLは、水素原子、−CH2CH2OHもしくは−CH2CH(OH)CH2(OH)を示す。
【0014】
【化3】

【0015】
前記式(4)で表されるGLYMOUは、公知の方法で製造できる。例えば、特開2006-151953号公報に示される方法に準じて合成することができる。具体的には、2,3-O-イソプロピリデングリセロールとメタクリロイルオキシエチルイソシアナートとをウレタン化反応させて得られる化合物を、ウレタン化反応用触媒の存在下に水含有溶媒中で加水開環反応させる方法により製造することができる。
【0016】
前記式(6)中のLが水素原子である場合、LAはメタクリル酸であり、式(6)中のLが−CH2CH2OHである場合、LAは2-ヒドロキシエチルメタアクリレートであり、式(6)中のLが−CH2CH(OH)CH2(OH)である場合、LAはグリセリンモノメタアクリレートである。式(6)で表されるLA中で最も好ましいモノマーは、しわ改善効果の観点からグリセリンモノメタアクリレートである。
【0017】
前記GLYMOU-MMA又はGLYMOU-MMA-LAを製造する際に用いる溶媒としては、原料である上記GLYMOU、MMAや、LAを溶解し得る溶媒であれば特に制限はなく、混合溶媒でも構わない。
重合反応により得られるGLYMOU-MMA又はGLYMOU-MMA-LAは、再沈殿、透析、限外濾過等の一般的な精製方法により精製することができる。
【0018】
本発明の皮膚用化粧料は、化粧料材料と、上記GLYMOU-MMAを有効成分とする抗しわ剤及び/又は上記GLYMOU-MMA-LAを有効成分とする抗しわ剤とを含む。
本発明の皮膚用化粧料において、上記GLYMOU-MMAを有効成分とする抗しわ剤及び/又は上記GLYMOU-MMA-LAを有効成分とする抗しわ剤の含有割合は、皮膚用化粧料全量中、抗しわ剤の有効成分であるGLYMOU-MMA及び/又はGLYMOU-MMA-LA量として、0.001〜30質量%の範囲が好ましい。GLYMOU-MMA及び/又はGLYMOU-MMA- LAの含有濃度が0.001質量%未満の場合、皮膚に適用してもその表面に残存するGLYMOU-MMA及び/又はGLYMOU-MMA-LAが不十分なために所望の効果が得られ難い恐れがある。また30質量%を超える場合は、使用感を損なう恐れがある。
【0019】
本発明の皮膚用化粧料に用いる化粧料材料は、化粧料の形態等に応じて、皮膚用化粧料に常用されている材料や添加剤を適宜用いることができる。該化粧料材料としては、本発明の目的を防げない限り特に限定されず、例えば、油分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、色材、アルコール類、紫外線防御剤、アミノ酸類、ビタミン類、美白剤、有機酸、無機塩類、酵素、酸化防止剤、安定剤、防腐剤、殺菌剤、消炎剤、皮膚賦活剤、血行促進剤、抗脂漏剤、抗炎症剤等の薬剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、収斂剤、清涼剤、香料、色素、水、またはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0020】
本発明の皮膚用化粧料の形態は特に限定されず、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、ファンデーション等の形態でスキンケア化粧料やメーキャップ化粧料、マッサージ化粧料、パック化粧料に用いることができる。また浴用剤として用いることができる他、ボディシャンプー、ボディクリームなどの形態でボディケア化粧料に用いることができる。これらのうち、しわ改善効果に優れる点から、クリーム、美容液等の形態のスキンケア化粧料に用いるのが特に好ましい。
【実施例】
【0021】
次に合成例、実施例および比較例により本発明の内容を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、例中の各種分析は、以下の方法に従って実施した。
【0022】
1.重合体の分子量分析
(分子量測定)
重合体の分子量は、試験溶液を、次のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)の条件により測定した。試験溶液の調製は、まず、試料重合体を0.5質量%の臭化リチウムを含むクロロホルム/メタノール(=6/4、v/v)混合溶媒に溶解させた。次いで、0.5質量%の重合体溶液を調製し、この溶液を0.45μmのメンブランフィルターで濾過することにより行った。
【0023】
(GPC分析の条件)
カラム;Plge 15μm MIXED−C、2本直列(ポリマー・ラボラトリー社製)、溶出溶媒;0.5質量%の臭化リチウムを含むクロロホルム/メタノール(=6/4、v/v)混合溶媒、検出;示差屈折計、重量平均分子量(Mw)測定の際の標準物質;PMMA(ポリマー・ラボラトリー社製)、流速;1.0mL/分、試料溶液使用量;20μL、カラム温度;40℃、東ソー社製インテグレーター内蔵分子量計算プログラム(SC−8020用GPCプログラム)を用いた。
【0024】
2. IR分析
重合体の試料をメタノールに溶解させ、FT/IR-6100(日本電子データム株式会社製)を用いて薄膜法により行った。
3. NMR分析
重合体の試料を重メタノールに溶解させ、FT NMR AL400(日本電子データム株式会社製)を用いて行った。
4.有機元素分析
重合体の試料を、機種パーキンエルマー2400II-CHNS/Iアナライザーを用いて元素分析することにより行った。
【0025】
合成例1;P-1の合成
GLYMOU(日油株式会社製) 19.68g、及びMMA(三菱レイヨン株式会社製) 5.32g(単量体組成モル比GLYMOU/MMA=60/40)を水/エタノール(=5/5、v/v)混合溶媒100gに溶解し、窒素ガスにて反応容器内を十分に置換した。この溶液に、アゾビスイソブチロニトリル0.1gを加え、60℃の温浴中に浸漬して8時間加熱重合した。冷却後、重合液を1リットルのヘキサン/エタノール(=5/5、v/v)混合溶媒中にかき混ぜながら滴下し、析出した沈殿を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末20.8gを得た。得られた重合体(P-1)の重量平均分子量は752,000であった。以下に、P-1のIR、NMR、元素分析のデータを示す。
【0026】
<P-1>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;50.87%、H;7.09%、N;4.40%(理論値:C;51.00%、H;7.12%、N;4.46%)
ケルダール窒素含量4.44%(理論値4.46%)
【0027】
合成例2〜15:P-2〜P-15の合成
表1の合成例2〜15に示すように単量体の種類、組成比を変更した以外は、合成例1のP-1に準じて、P-2〜P-15を得た。得られた重合体の収量、重量平均分子量を表1及び2に、P-2〜P-15のIR、NMR、元素分析のデータを以下に示す。
尚、表1中、HEMAは2-ヒドロキシエチルメタアクリレート(日油株式会社製)、MAcはメタクリル酸(三菱レイヨン株式会社製)、GLMはグリセリンモノメタアクリレート(日油株式会社製)を示す。
【0028】
<P-2>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;55.54%、H;7.47%、N;2.08%(理論値:C;55.61%、H;7.57%、N;2.16%)
ケルダール窒素含量2.11%(理論値2.16%)
【0029】
<P-3>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;48.80%、H;6.94%、N;5.51%(理論値:C;48.82%、H;6.91%、N;5.55%)
ケルダール窒素含量5.50%(理論値5.55%)
【0030】
<P-4>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)、10.0-15.0 ppm (-COOH)
元素分析データ:実測値:C;51.58%、H;7.01%、N;3.57%(理論値:C;51.68%、H;7.05%、N;3.65%)
ケルダール窒素含量3.62%(理論値3.65%)
【0031】
<P-5>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)、10.0-15.0 ppm (-COOH)
元素分析データ:実測値:C;52.88%、H;6.92%、N;2.29%(理論値:C;52.95%、H;6.98%、N;2.35%)
ケルダール窒素含量2.28%(理論値2.35%)
【0032】
<P-6>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)、10.0-15.0 ppm (-COOH)
元素分析データ:実測値:C;55.32%、H;7.46%、N;2.11%(理論値:C;55.44%、H;7.53%、N;2.17%)
ケルダール窒素含量2.13%(理論値2.17%)
【0033】
<P-7>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)、10.0-15.0 ppm (-COOH)
元素分析データ:実測値:C;48.87%、H;6.86%、N;5.34%(理論値:C;48.96%、H;6.91%、N;5.44%)
ケルダール窒素含量5.39%(理論値5.44%)
【0034】
<P-8>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;51.87%、H;7.16%、N;3.14%(理論値:C;51.98%、H;7.26%、N;3.28%)
ケルダール窒素含量3.20%(理論値3.28%)
【0035】
<P-9>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;53.21%、H;7.33%、N;1.71%(理論値:C;53.32%、H;7.44%、N;1.84%)
ケルダール窒素含量1.76%(理論値1.84%)
【0036】
<P-10>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;55.31%、H;7.43%、N;2.00%(理論値:C;55.43%、H;7.56%、N;2.14%)
ケルダール窒素含量2.09%(理論値2.14%)
【0037】
<P-11>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;48.89%、H;6.85%、N;5.24%(理論値:C;49.02%、H;6.93%、N;5.39%)
ケルダール窒素含量5.31%(理論値5.39%)
【0038】
<P-12>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;51.09%、H;7.21%、N;3.10%(理論値:C;51.18%、H;7.22%、N;3.06%)
ケルダール窒素含量3.08%(理論値3.06%)
【0039】
<P-13>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;51.47%、H;7.26%、N;1.47%(理論値:C;51.56%、H;7.33%、N;1.60%)
ケルダール窒素含量1.51%(理論値1.60%)
【0040】
<P-14>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;55.12%、H;7.45%、N;1.97%(理論値:C;55.25%、H;7.55%、N;2.11%)
ケルダール窒素含量2.00%(理論値2.11%)
【0041】
<P-15>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;48.79%、H;6.82%、N;5.31%(理論値:C;48.96%、H;6.93%、N;5.35%)
ケルダール窒素含量5.30%(理論値5.35%)
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
参考例1〜4:RP-1〜RP-4の合成
表3の参考例1〜4に示すように単量体の種類、組成比を変更した以外は、合成例1のP-1に準じて、RP-1〜RP-4を得た。得られた重合体の収量、重量平均分子量を表3に、RP-1〜RP-4のIR、NMR、元素分析のデータを以下に示す。
【0045】
<RP-1>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;59.06%、H;7.85%、N;0.38%(理論値:C;59.13%、H;7.91%、N;0.40%)
ケルダール窒素含量0.40%(理論値0.40%)
【0046】
<RP-2>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)、10.0-15.0 ppm (-COOH)
元素分析データ:実測値:C;57.11%、H;7.39%、N;0.35%(理論値:C;57.23%、H;7.46%、N;0.43%)
ケルダール窒素含量0.37%(理論値0.43%)
【0047】
<RP-3>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;56.64%、H;7.67%、N;0.35%(理論値:C;56.76%、H;7.76%、N;0.35%)
ケルダール窒素含量0.31%(理論値0.35%)
【0048】
<RP-4>
IR:3332 cm-1 (-OH)、2953 cm-1 (-CH)、1724 cm-1 (C=O)、1531 cm-1 (-NH)、1478 cm-1 (-CH)、1390 cm-1 (C-N)、1262 cm-1 (C-O-C)
NMR:0.8-1.2 ppm (CH3-C-)、1.4-2.2 ppm (-CH2CH2-、-CHCH-)、3.5-5.0 ppm (-CH2CH2O-、-C-CH-O-、-CH2CH(OH)-)
元素分析データ:実測値:C;54.73%、H;7.68%、N;0.36%(理論値:C;54.85%、H;7.63%、N;0.31%)
ケルダール窒素含量0.36 %(理論値0.31%)
【0049】
【表3】

【0050】
実施例1−1
合成例1で得られた重合体P-1の1.0gを純水99.0gに溶解し重合体溶液(1質量%)を作製した。この重合体溶液に関して、下記に示すしわ改善効果の評価、肌のはりの評価、塗布時の滑り・肌への馴染みの評価を行った。結果を表3に示す。
【0051】
<しわ改善効果の評価>
21〜55歳の女性10人を対象として、恒温・恒湿環境下に十分馴化させた後、座位にて軽く眼を閉じた状態で目尻の皮膚のレプリカを採取した。各被験者の顔面の半分に、作製した重合体溶液を塗布し、1時間後、同様に同部位のレプリカを再度採取した。採取したレプリカを反射用レプリカ解析システムASA-03R(有限会社アサヒバイオメッド製)を用いて解析した。以下の方法により、しわ面積率と総しわ平均深さを算出した。それぞれ塗布前の値を1とした塗布後の相対値を算出し、10名の平均をとり判定した。値が低いほどしわ体積率およびしわ個数の減少率が多く、しわ改善効果に優れる。
(しわ面積率)
レプリカに30°から投射光を当て、10×10mmの特定の領域を撮影する。得られた画像を二値化処理し、以下の式より求めた。
しわ面積率 = (しわに由来した影の総面積) / (解析領域の総面積)
(総しわ平均深さ)
上記と同様に撮影、画像処理を行い、以下の式よりしわ深さを求めた。解析領域中に存在する全てのしわについて算出し、平均をとった。
しわ深さ = ( s / l )×tanθ
ただし、式中、sは影の面積、lは影の長さ、θは投射光角度を示す。
【0052】
<肌のはりの評価>
同モニターについて、下記の評価基準に従い、重合体溶液塗布前と塗布1時間後の肌のはりの状態を評価した。10名の平均をとり判定した。
判断基準
5:肌のはりが非常に増した、4:肌のはりが増した、3:肌のはりは変化なし、2:肌のはりが減少した、1:肌のはりが非常に減少した。
【0053】
<塗布時の滑り・肌への馴染みの評価>
同モニターについて、重合体溶液塗布時の滑り、肌への馴染みについて、下記基準により評価した。10名の平均をとり判定した。
判断基準
5:非常に良好、4:良好、3:普通、2:不良、1:非常に不良。
【0054】
実施例1−2〜1−15
合成例2〜15で得られた重合体P-2〜P-15に関して実施例1−1と同様にしてしわ改善効果の評価、肌のはりの評価、塗布時の滑り・肌への馴染みの評価を行った。結果を表4に示す。
【0055】
比較例1−1〜1−4
参考例1〜4で得られた重合体RP-1〜RP-4に関して実施例1−1と同様にしてしわ改善効果の評価、肌のはりの評価、塗布時の滑り・肌への馴染みの評価を行った。結果を表4に示す。
【0056】
比較例1−5
コラーゲン(商品名「マリンコラーゲンリッチ500」ラビジェ製)を重合体濃度が1質量%となるように調製し、実施例1−1と同様にしてしわ改善効果の評価、肌のはりの評価、塗布時の滑り・肌への馴染みの評価を行った。結果を表4に示す。
【0057】
【表4】

【0058】
表4より、実施例で用いた重合体は比較例で用いた重合体と比較して、しわ改善効果、肌のはり、塗布時の滑り、肌への馴染みのいずれの評価項目においても優れていることがわかった。中でもGLYMOU-MMA-GLMは、特にしわ改善効果に優れていることが明らかになった。
【0059】
実施例2−1〜2−15 (化粧水)
表5の処方に従い、イの各成分を室温下にて溶解した。一方、合成例1〜15で得られた各重合体(P-1〜P-15)を含む、表5に示すロの各成分を60℃にて均一に溶解し、これをかき混ぜながらイの成分を加え、ローション状化粧水を調製した。得られた化粧水に関して、実施例1−1と同様に試験を実施した。結果を表5に示す。
【0060】
比較例2−1〜2−5 (化粧水)
表5の処方に従い、イの各成分を室温下にて溶解した。一方、参考例1〜4で得られた各重合体(RP-1〜RP-4)、またはコラーゲンを含む、表5に示すロの各成分を60℃にて均一に溶解し、これをかき混ぜながらイの成分を加え、ローション状化粧水を調製した。得られた化粧水に関して、実施例1−1と同様に試験を実施した。結果を表5に示す。
【0061】
【表5】

【0062】
実施例3−1〜3−15 (乳液)
表6の処方に従い、イの各成分を75℃にて均一に溶解した。また、合成例1〜15で得られた各重合体(P-1〜P-15)を含む、ロの各成分を同様に75℃にて均一に溶解し、イを徐々に加えて予備乳化した。次に75℃に温度を保ちながらホモミキサーにて均一に乳化した。これをかき混ぜながら冷却し、乳液を調製した。得られた乳液に関して、実施例1−1と同様に試験を実施した。結果を表6に示す。
【0063】
比較例3−1〜3−5 (乳液)
表6の処方に従い、イの各成分を75℃にて均一に溶解した。また、参考例1〜4で得られた各重合体(RP-1〜RP-15)、またはコラーゲンを含む、ロの各成分を同様に75℃にて均一に溶解し、イを徐々に加えて予備乳化した。次に75℃に温度を保ちながらホモミキサーにて均一に乳化した。これをかき混ぜながら冷却し、乳液を調製した。得られた乳液に関して、実施例1−1と同様に試験を実施した。結果を表6に示す。
【0064】
【表6】

【0065】
実施例4−1〜4−15 (O/W型クリーム)
表7の処方に従い、イの各成分を75℃にて均一に溶解した。また、合成例1〜15で得られた各重合体(P-1〜P-15)を含む、ロの各成分を同様に75℃にて均一に溶解し、イを徐々に加えて予備乳化した。次に75℃に温度を保ちながらホモミキサーにて均一に乳化した。これをかき混ぜながら冷却し、O/W型クリームを調製した。得られたクリームに関して、実施例1−1と同様に試験を実施した。結果を表7に示す。
【0066】
比較例4−1〜4−5 (O/W型クリーム)
表7の処方に従い、イの各成分を75℃にて均一に溶解した。また、参考例1〜4で得られた各重合体(RP-1〜RP-4)、またはコラーゲンを含む、ロの各成分を同様に75℃にて均一に溶解し、イを徐々に加えて予備乳化した。次に75℃に温度を保ちながらホモミキサーにて均一に乳化した。これをかき混ぜながら冷却し、O/W型クリームを調製した。得られたクリームに関して、実施例1−1と同様に試験を実施した。結果を表7に示す。
【0067】
【表7】

【0068】
表5〜表7より、本発明の化粧料は、比較例の重合体を用いた化粧料と比較して、しわ改善効果、肌のはり、塗布時の滑り、肌への馴染みのいずれの評価項目においても優れていることがわかった。中でもGLYMOU-MMA-GLM重合体を用いた化粧料は、特にしわ改善効果、肌のはりに優れていることが明らかになった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表される構成単位(a)20〜95モル%及び式(2)で表される構成単位(b)5〜80モル%からなり、構成単位(a)及び(b)の合計が100モル%となる共重合体を有効成分として含む抗しわ剤。
【化1】

【請求項2】
式(1)で表される構成単位(a)20〜90モル%、式(2)で表される構成単位(b)5〜75モル%及び式(3)で表される構成単位(c)5〜75モル%からなり、構成単位(a)〜(c)の合計が100モル%となる共重合体を有効成分として含む抗しわ剤。
【化2】


(式(3)中、Lは水素原子、−CH2CH2OHもしくは−CH2CH(OH)CH2(OH)を示す。)
【請求項3】
化粧料材料と、請求項1記載の抗しわ剤及び/又は請求項2記載の抗しわ剤とを含む皮膚用化粧料。

【公開番号】特開2011−168546(P2011−168546A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34419(P2010−34419)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】