説明

抗ゆるみ及び多角度締付具並びに手術用骨ネジ/プレートシステム

締結具と締結具受容部材を含む締付具。この締付具は、使用者により選択される可変な挿入角で締結具を締結具受容部材に取り付けることを可能にして、更に抗ゆるみ機能を提供する。この締付具は、伸長部と、その中に少なくとも一つの溝を有する相接する頭部を有する。この締結具受容部材は、それを通して対応する1つ又はそれ以上の締結具を挿入することのできる接触部を有する1つ又はそれ以上の開口部を有する。この接触部は、締結具の頭部のネジ山により接触部にネジを切るのに十分な密度と強度を持つ複数の突起のマトリックスを含む。この頭部のネジ山は、選択された角度で、接触部へネジ込まれる。その結果、この突起は上記の少なくとも一つの溝の中に突き出して、締結具が締結具受容部材から外れるのを防止する。締結具ドライバーも開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2007年3月21日に出願された米国特許出願11/726,382
の優先権を主張するものであり、その内容を包含するものである。
この発明は、ファスナーを付け加えたファスナー及びその部品のデザインに関する。その用途は、整形外科手術における骨ネジ/プレートシステムを設計し使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
骨の破損を治療するための整形外科手術の分野には、様々な技術がある。多くの知られた技術においては、骨ネジと骨固定プレートを使用する。典型的には、このプレートは骨の破損部分を安定させるために用いられ、このプレートに設けた複数の開口部に1又はそれ以上の骨ネジを通して、これらを骨にネジ込み、プレートを骨に固定する。また、この骨ネジの主軸に普通にネジを切ることに加えて、この骨ネジの頭部にネジを切ることにより、骨ネジ/プレートシステムを改良することができることも知られている。頭部にネジを切った締結具を使用することについて、プレートの開口部には、ネジの頭部のネジ山を受け入れるように、ネジが切られる。そうすることによって、ネジを、プレートの一つの開口部に挿入して、骨にネジ込むにつれて、このネジの頭部も同様にその開口部にネジ込まれる。その結果、そのネジは、プレートにしっかりと固定され、単にプレートを押すよりも効果的にプレートに固定される。頭部にネジを切った骨ネジと開口部にネジを切った骨プレートの例は特許文献1及び2に開示されている。
【0003】
頭部にネジを切った締結具と開口部にネジを切ったプレートを使用することには、いくつかの利点がある。時間の経過とともに、小さな骨の断片は、プレートに対する相対的位置が変化する傾向がある。この有害な状況は、プレートに固定されたネジの"トグリング(toggling)"と呼ばれる効果により引き起こされる。しかし、複数のネジが、ネジの頭部に対応するプレートの開口部のネジ山にかみ合うことにより、プレートにしっかりと固定されていれば、そのネジはプレート中でトグリングを起こさない。開口部にネジを切ったプレートに組み合わされた頭部にネジを切った締結具により提供されるこの固定機構は、骨の断片とプレートとの間の動きを制限し、ネジが早期に緩むことを防止する。
【0004】
頭部にネジを切った締結具を使うことにより、整形外科手術の技術は改善したが、これらの骨ネジ/プレートシステムは一方向であることの欠点がある。即ち、プレートの開口部の内表面に設けられたネジ山は、構造的に、開口部の中心点を通る中心軸に対して一定のつる巻角に固定されている。そのため、従来の頭部にネジを切った締結具の頭部は、骨ネジが常に一方向に、例えば、プレートに対して垂直又は同軸に、挿入され、ネジ込まれて、ネジの頭部がプレート開口部のネジ山にかみ合って、ただプレートにしっかりと固定されるにすぎない。
【0005】
この分野の最近に進歩により、外科医がプレートの開口部にネジが挿入され固定される角度を選択できるような骨ネジ/プレートシステムが開発されている。このようなシステムの例は特許文献3に開示されている。このような改良により、外科医は、プレートの開口部の真下にあるとは限らない骨の断片の方向に、骨ネジを向けることができるし、また、骨の断片に対するプレートの位置を柔軟に決めることができる。しかし、これらのシステムは、このような用途に付随する通常の負荷と脱負荷によって、ネジがプレートからゆるんだり後戻りしたりする問題には対処していない。このような事態が起こると、プレートが緩んできて、意図する機能を適正に発揮することができなくなるので、問題がある。更に、前大脳動脈脊椎のような解剖学上きわどい分野では、ネジが抜け落ちて重畳構造物に衝突すると、重篤な病的状態をもたらし、死亡に至ることもあり得る。
また、ネジのような締付具を挿入するために用いる従来のネジまわしのようなドライバー工具は、傾いて置かれたときに、ネジがドライバー工具から外れる傾向があるため、角度のある配置は制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,206,881号
【特許文献2】米国特許第6,306,140号
【特許文献3】米国特許第6,955,677号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、ネジがプレートの開口部に対して同軸又は非同軸の位置にあるかどうかによらず、プレートから外れることを防止するような改良されたネジ/プレートシステムを提供することには価値がある。ネジがプレートから外れないとしても、このシステムは、プレートを除去したり再位置決めをするためや、最初の挿入が不満足な場合にネジの角度を調整するためや、又は損傷が治癒した後にプレートを取り外すために、外科医が必要とすればネジを締めたり外したりすることができるようなドライバー工具を含んでもよい。従って、更に改良されたシステムは抗ゆるみ性能を提供すると同時に、選択的な脱着性を提供するものである。更に、このようなシステムの使用を容易にすることのできるドライバー工具が提供され、このようなドライバー工具は、プレートの開口部の中心軸に対して様々な角度をでネジを挿入するために、改善された角度調節性と制御を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、広い意味で、締結具を用いた固定に適した一つのプレート又はその他の部品から成り、プレートから外れないような、改良された多角度締付骨ネジ/プレートシステムを提供する。このプレートは、それを通して1又はそれ以上の対応する締結具を挿入できる、1又はそれ以上の開口部を有する。これらの開口部には、骨外傷の治療のような用途に限定されうる上記の従来技術に見られるような、如何なる形の恒久的な内部ネジ山構造がない。各開口部は、締結具、特にこの締結具のネジを切られた頭部が、その領域を構成する材料の中にネジを切ることを可能にするように構成された領域に境を接する。このネジ切り可能な領域を提供することにより、この開口部の中心軸に対して如何なる所望の角度においても、この締結具を挿入することができる。そのため、実際上顕著な柔軟性を提供する。この締結具は、ノッチや溝を備えるように設計され、これらは、締結具がそのプレートから外れることを防止するような抗ゆるみ方法で、ネジ切り可能な領域に噛み合う。この骨ネジ/プレートシステムは、また抗ゆるみ技術を採用する締結具を取り外す工具も提供する。
【0009】
本発明は、広範囲の締結および固定技術に応用できるものであって、特に整形外科手術の分野に利点が見いだせる。本発明の実施形態は、従来骨ネジ/プレートシステムを使用する如何なる外科手術においても実施できるものである。例として、一般の骨外傷の手術、骨幹端破損の固定化、骨粗鬆症の骨の手術、骨の結合、人工関節、脊柱の位置合わせと修正、などが挙げられる。
【0010】
本発明の一つの実施形態によれば、骨ネジを用いて固定するために適応させた手術用プレートが提供される。このプレートは、第1の主表層面及び対向する第2の主表層面、並びにこの第1と第2の主表層面の間に広がる内壁から成る。この内壁は、一般に開口部軸に対して同軸に配置された、開口部の輪郭を定める。この開口部の内壁上に、ネジを切られていない、ネジ切り可能な接触部が配置されている。このネジ切り可能な接触部は、少なくとも一つの溝を有する一つの骨ネジが、締結具の長軸と開口部軸の間に規定される挿入角で、それを通過させるに十分に大きい最小内径を有する。このネジ切り可能な接触部は、骨ネジの外部ネジ山によりネジを切られるために適応されており、この骨ネジを上記挿入角でネジ切り可能な接触部に固定する。このネジ切り可能な接触部は、さらにこの締結具の少なくとも一つの溝に噛み合って、締結具がプレートの開口部から外れることを防止するように適応される。
【0011】
この実施形態の一つの観点によれば、この締結具は、この締結具をこのプレートに恒久的に固定するための、少なくとも一つの溝を有する。他の観点によれば、この締結具は、この抗ゆるみ締付具をこのプレートから取り外すことを容易にする多数の開口部を有する。
【0012】
この実施形態の更に別の観点によれば、締結具をプレートから取り外すことを可能にするために、締結具ドライバー工具は、この溝内部からネジ切り可能な接触部の突起を偏向させるための溝噛み合わせ部分を有する。また他の観点によれば、この締結具ドライバー工具は、締結具の角度を付けた挿入を改善するために、ニップル(乳頭状突起)を有する。また更なる他の観点によれば、この締結具ドライバー工具は、締結具の角度を付けた挿入を容易にするためのドライバーロッドを受けるためのシャフトの輪郭を定める。更に別の実施形態によれば、締結具を正確な角度で挿入することを容易にするために、締結具を工具の末端上で正確に制御することを可能にするための角度挿入工具が提供される。
【0013】
したがって、本発明の目的は、骨ネジ/プレートシステムから締結具が外れることを防止するための抗ゆるみ装置と方法を提供し、また抗ゆるみ機能が永久ではないように、推進具を選択的に取り外すことを可能にする工具を提供することである。
【0014】
上記の目的はここで開示する主題によりその全部又は一部が達成されるが、以下の図面を伴った記述により、他の目的も達成されることが明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
当業者にとってベストモードを含む本発明は、以下の図面を参照することも含んで、残余の明細書により開示される。
【図1】本発明の一つの締結具の正面図である。
【図2A】本発明の一つの締結具受容部材の上面図である。
【図2B】図2Aの締結具受容部材の2B−2B線に沿った側面断面図である。
【図2C】本発明の一形態の締結具受容部材の接触部の平面断面図である。
【図2D】本発明の別の形態の接触部の平面断面図である。
【図3】本発明の一応用例の部分断面図であり、締結具が締結具受容部材に取り付けられ、骨材料のような目的物を所望の角度で固定した様子を示す。
【図4】本発明の別の応用例である締結具と締結具受容部材の部分断面図である。
【図5】本発明の更に別の応用例である締結具と締結具受容部材の部分断面図である。
【図6】本発明の別の接触部を備えた締結具受容部材の上面図である。
【図7】図6に示す締結具受容部材に取り付けられた締結具の部分断面図である。
【図8】本発明の締結具受容部材の部分の上面透視図である。
【図9】締結具が抗ゆるみ性能を提供するために少なくとも一つの溝を有する本発明の締結具受容部材の部分の上面透視図である。
【図10】締結具受容部材内に位置する多数の締結具溝を有する締結具の部分断面図である。
【図11】本発明の抗ゆるみ性能を提供するための骨ネジ/プレートシステムの部分断面図である。
【図12】本発明の締結具が配置された締結具受容部材の部分断面図である。締結具は、締結具の角度調節を改善することができる空洞を有する。
【図13】本発明の抗ゆるみ性能と改善された締結具の角度挿入制御を提供するための骨ネジ/プレートシステムの部分断面図である。
【図14】図13の骨ネジ/プレートシステムの断面図である。締結具ドライバーが断面で示されている。
【図15】本発明の抗ゆるみ性能と改善された締結具の角度挿入制御を提供するための他の骨ネジ/プレートシステムの部分断面図である。
【図16】図15の骨ネジ/プレートシステムの断面図である。締結具ドライバーが断面で示されている。
【図17】本発明の締結具の角度挿入を制御するためのガイドワイヤーを用いた抗ゆるみ骨ネジ/プレートシステムの部分断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態の詳細について述べ、その1又はそれ以上の実施例を図をもって示す。各実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。実際上、一つの実施形態の部分として例証され又は記載される特徴は、他の実施形態においても使用されて、更に別の実施形態を生じることができる。このような改良や変更についても本発明の範囲内であることを意図するものである。
【0017】
図1は、頭部にネジを切った締結具10の一例を示し、これは本発明に従って例証されたものである。締結具10は、締結具10を目標位置に適用する間又はその後に遭遇する圧縮、引張り、ねじり又はその他の力に耐えるために適当な如何なる材料から構成することができる。整形外科手術においては、締結具10は、好ましくは、生物学的適合性の材料や、ステンレス、チタン、クロム若しくはこれらの合金のような金属合金から構成される。当業者が好むように、また締結具10は、適当なセラミック材料や、再吸収性ポリマーのようなポリマー材料で構成されてもよいし、ポリマーフィルムで被覆されてもよい。締結具10は、伸長部20と相接する頭部40から成り、これら両者は一般に長手方向の締結具軸FAに沿って配置される。伸長部20は、締結具軸FAに対して同軸に配置された第1の外表面25を有する。この第1の外表面25は好ましくは円筒形である。伸長部20はその上に第1のネジ山31を形成するように機械加工される。第1のネジ山31は、そこから第1のネジ山31が外に放射状に伸びて頂31Bを終点とする第1の外表面25に相接する谷底31Aを有する。第1のネジ山31は、第1の外表面25又はその長さ方向の周りに一般にらせん状に巻き付いている。図示された例では、第1のネジ山31は、円錐形の又はV型断面の形状を有し、そのため第1の外表面25からその頂31Bまで先細の形をしている。
【0018】
締結具10が骨断片のような骨材料Bに固定するための骨ネジとして用いられるような一つの態様において、図示された第1のネジ山31のV型形状は、締結具10を自己ネジ切り(self-tapping)にするのに有利である。しかし、本発明は第1のネジ山31の特定デザインに限定されるものではない。例えば、第1のネジ山31の形状は、頂31Bが一般に平らな表面であるような、直線状又は直角状であってもよい。また第1のネジ山31の形状は、台形(例えば、"アクメ"ネジ山)であってもよい。頂31Bの尖った角度や平坦度は限定されず、頂31Bは円形でもよい。更に、本発明は、特定の第1の外表面25の直径、頂31Bの直径、隣接するスレッドパスの両側壁の間のネジ山角度TA、又はネジ山のピッチP(即ち、隣接するスレッドパスの頂間の軸方向の距離、又は1インチ当たりのスレッドパスの数の逆数)に限定されない。更に、第1のネジ山31は、2又はそれ以上の個別のネジ山が互いに並んで設けられた多山(multi-threaded)型又は多条(multi-start)型のデザインでもよい。また第1のネジ山31は、心棒の軸方向の異なる断面上に形成された1又はそれ以上の単一ネジ山を構成してもよい。また、第1のネジ山31のピッチPは、隣接するスレッドパスが、その間に心棒の第1の外表面25だけが存在するように、互いに軸方向の距離Dだけ互いに離れるようなものでもよい。最後に、締結具軸FAに対する第1のネジ山31の回転については、標準的な右手則に従っても従わなくてもよい。
【0019】
引き続いて図1を参照すれば、頭部40は、締結具軸FAに対して同軸に配置された第2の外表面45を有する。図1に示す例では、頭部40の形状、即ち、第2の外表面45の断面形状は、実質的に半球状又は放物線状である。しかし、頭部40は他の円形形状であってもよく、その形状が凸形又は凹形であってもよい。更に、頭部40の形状は実質的に図4や5に示すようなフルストコニカル(frusto-conical)形であってもよい。更に、頭部40の形状は、収束/発散形又はトランペット形のような複合形状であってもよい。頭部40は、その上に第2のネジ山51を形成するように機械加工される。第2のネジ山51は、そこから第2のネジ山51が外に放射状に伸びて頂51Bを終点とする第2の外表面45に相接する谷底を有する。第2のネジ山51は、第2の外表面45の周りに一般にらせん状に巻き付いている。使用者が締結具10を回転しやすいように、ネジまわし、鍵又はレンチのような適当な工具を挿入するために、頭部40の先端表面55にへこみ53が設けられている。へこみ53の形状は、単一又は十文字の溝、正方形、六角形、星形などいずれでもよい。
【0020】
図示された例では、第2のネジ山51は、円錐形の又はV型断面の形状を有し、そのため第1の外表面45からその頂51Bまで先細の形をしている。第2のネジ山51のV型形状は、下記のように、頭部40をプレート又はその他の締結具受容部材60(図2Aと2Bを参照のこと)に自己ネジ切り(self-tapping)することを容易にするので、好ましい。しかし、伸長部20の第1のネジ山31のように、本発明は、第2のネジ山51の特定のデザインに限定されない。したがって、第1のネジ山31の輪郭や形状、頂31Bの尖った角度や平坦度、第2の外表面45や頂31Bの如何なる部分の外径(ただし、頭部40の平均径は伸長部20の平均径よりも大きい。)、ネジ山角度TA、ネジ山のピッチP、第2のネジ山51のネジ山の数や位置、又は締結具軸FAに対して第2のネジ山51の回転方向に関して制限はない。
【0021】
別の実施態様において、伸長部20はネジを切られておらず、締結具10はペグや針の形状を有する。この別の実施態様は、例えば、主目的が骨断片が傾くことを防止するためであったり、締結具10が骨から抜けてしまうことに何の関心もなかったりして、伸長部20にネジを切る必要がない場合には、好ましいかもしれない。これらの場合であっても、頭部40はネジを切られており、そのため本発明の利点や利益を享受できる。
【0022】
図2A〜2Dに、本発明の締結具受容部材60を示す。これらの図において、締結具受容部材60は、整形外科手術に用いるための骨プレートのような取付板の形状をしている。締結具受容部材60は、締結具10や締結具受容部材60を目標位置に適用する間又はその後で遭遇する圧縮、引張り、ねじり又はその他の力に耐えるために適当な如何なる材料から構成されてもよい。整形外科手術においては、締結具受容部材60は、好ましくは、生物学的適合性の材料や、ステンレス、チタン、コバルト、クロム、タングステン、タンタル、モリブデン、金、及びこれらの合金のような金属合金から構成される。また、締結具受容部材60は、適当なセラミック材料やポリマー材料で構成されてもよい。このポリマー材料は、ガラス、カーボン又は金属のファイバーで補強されていてもよい。
【0023】
締結具受容部材60は、第1の主表層面62、対向する第2の主表層面64、並びに周囲の外側端66、67、68及び69から成る。整形外科用途においては、第2の主表層面64は、いくつかの場合には、骨材料Bに接触するように用いられるが(図3参照)、他の場合には、実際に接触することが不必要であったり、望ましくないことがある。図示した例では、第1と第2の表層面62と64は平面であるが、締結具受容部材60又はその特定部分の断面は、これ以外の形状であってもよい。例えば、いくつかのタイプの整形外科用途においては、締結具受容部材60と標的の骨材料Bとの間の接触が少ないことが望まれる場合もある。このような場合には、第2の主表層面64又はその特定部分が凹状であってもよい。
【0024】
1又はそれ以上の開口部A(例えば、図2Aと2Bに示す開口部AとA)は、1又はそれ以上の対応する締結具10の伸長部20を受け入れるために、締結具受容部材60の厚さを通して形成される。各開口部Aは、内壁81により輪郭が定められ、締結具受容部材60の厚さを通して形成される。各開口部Aは、一般に第1と第2の表層面62と64に対して、横断的方向を向き、したがって、一般に締結具受容部材60の厚さ方向を向く中心開口部軸AA(例えば、図2Bに示す開口部軸AAとAA)に対して同軸に配置される。このような開口部Aの正確な数と配置は、締結具受容部材60の意図する用途によって定まる。しかし、本発明が、複数の開口部を有する締結具受容部材60を一つの締結具10と共に用いるような処置において、一つの締結具10を仲介させるためにこの締結具受容部材60の一つの開口部が用いられることについても考慮していることは理解されたい。
【0025】
上記のように、本発明は、ネジ頭部のネジ山に合うように開口部Aの内壁81に形成されたネジ山を、従来の方法で使用することからは離れている。即ち、締結具受容部材60の開口部Aは、方向が固定された恒久的ならせん状ネジ山構造を含まない。その代りに、締結具受容部材60の各内壁81にネジ切り可能な接触部85を設ける。この"ネジ切り可能な(tappable)"という文言は、締結具10の頭部40を接触部85の材料中に力を入れて挿入し回転することに対応して、接触部85が、頭部40の第2のネジ山51によってネジ切られるように、接触部85が構成されていることを示すために用いられる。後で図3に関連して記述するように、このことにより、使用者が、頭部40の第2のネジ山51を操作して、その結果、使用者によって選択された締結具受容部材60に対して任意の方向に、締結具10を保持するに十分な内部ネジ山を接触部85に形成することを可能にする。図3において、この方向は、締結具軸FAと開口部軸AAとの間で定まる挿入角度IAで表わされる。本発明の開示に従えば、挿入角度IAは0〜90度の範囲で変動する。挿入角度IAが0度の場合、締結具軸FAは開口部軸AAと一致する。開口部A、第2の表層面64及び締結具10の相対的位置により、実際上挿入角度IAは90度より小さい。
【0026】
図2A〜2Dに示す形態において、ネジ切り可能な(tappable)性能は、接触部85を突起87及び2つの突起87の間の隙間89のマトリックスとして構成することにより実現される。突起87は、ペグ、とげ又は歯などの如何なる形状であってもよい。突起87は、内壁81に基礎をおき、一般に開口部Aの空間へ中心から放射状に伸びる。突起87は、内壁81及び開口部Aに外接する締結具受容部材60の領域に直接形成されてもよい。この代わりに、図2Bに示されているように、突起87は、後に内壁81に、プレス嵌め又は結合によるように、嵌合された基板91(図2B参照)上に形成されてもよい。突起87用に選択される材料は、締結具10によりネジ切られるために適した如何なる材料であってもよい。この材料として、ステンレス鋼、チタン、コバルト、クロム、タングステン、タンタル、モリブデン、金及びこれらの合金、適当なポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
内壁81の面積に対する突起87の密度と個々の突起87のサイズは、内壁81上に形成されたマトリックスが接触部85をネジ切り可能にする限り、この開示に限定されない。従って、突起87のマトリックスは、トゲのある板又は多孔性表面として現れてもよい。各突起87の断面の寸法(例えば、直径、幅など)は、約1μm〜約25mmの範囲であってもよいが、本発明はこれに限定されない。内壁81の面積に対する突起87の密度は、約5〜約65%の範囲であってもよいが、本発明はこれに限定されない。突起87は、例えば、材料堆積によって突起87を成長させること、コーティングにより突起87を形成させること、内壁81に突起87を溶接すること、又はリッジ若しくは溝を形成し、引き続いてリッジを不連続にして突起87にするために、このリッジに横断的に切れ込みを入れることなど、如何なる適当な手段によって形成されてもよい。
【0028】
図2A〜2Dに示すように、一般に突起87の断面は直線状である。しかし、本発明は、接触部85をネジ切り可能にする限り、如何なる断面形状であってもよい。従って、他の例として、図2Cに接触部85を示すように、突起87の断面が楕円形のものが挙げられる。更なる例として、図2Dに接触部を示すように、突起87の断面が円形のものが挙げられる。更に、突起87の密度及びサイズ並びにこのマトリックスで規定されるパターンに依存して、突起87は、接触部85をネジ切り可能にするために必要に応じて、変形可能であってもそうでなくてもよい。
【0029】
図2の透視図から理解されるように、締結具10の頭部の円形の輪郭に適応させるように、その結果突起87の輪郭を円形にした形態が示されている。この"その結果"という文言は、この輪郭がそれぞれが実質上一定の長さを有する突起87を有する内壁81自体により定められてもよいし、又はその代りに、この輪郭が長さが変化する突起87により定められてもよいことを示す。しかし、本発明は、接触部85の特定の輪郭に限定されない。更に、本発明のいくつかの形態において、接触部85は内壁81の軸方向全ての長さにおいては形成されない。したがって、図2Bにおいて、接触部85は、締結具受容部材60の第2の主表層面64に最も近い内壁81(又は、基板91)の下部95で終わる。
【0030】
図2Aの下部95の輪郭は円筒形であるが、本発明においては、この下部95は他の輪郭でもよい。接触部85及び下部95のような内壁81の露出部分のそれぞれの輪郭は、一部は締結具10の頭部40の形で定まるが、締結具受容部材60及び/又は締結具10が固定されるべき骨材料B又はその他の目的物に対する可能な挿入角IAの範囲にわたって締結具10を結合させる必要性によっても定まる。従って、図4においては、円筒形の輪郭の接触部85及び第2の主表層面64から接触部85にかけて先細りになる下部95を有する締結具受容部材60に対応して、円錐形の頭部40を有する締結具10を採用する。他の例として、図5においては、収束/発散形又はトランペット形の接触部85及び先細りの輪郭の下部95を有する締結具受容部材60に対応して、円形の頭部40を有する締結具10を採用する接触部の最小内径は、伸長部20及びその第1のネジ山31が、開口部Aを通過するためのゆとりを提供するに十分大きいものであるべきである。一例として、最小内径は、約0.5〜約10mmの範囲であってもよい。整形外科ではない用途においては、この最小内径は10mm以上であってもよい。
【0031】
図6及び7は、ネジ切り可能な接触部105の別の形態を例証する。この形態において、ネジ切り可能な接触部105は、締結具受容部材60の各開口部Aの内壁81を内張りする繊維状金属107のマトリックス又はメッシュ(網目状の網地)の形態をとる。当業者は理解するように、繊維状金属は、金属又は金属合金のワイヤー又はファイバーの多孔性又は間隙性の凝集物から成る。各ファイバーの特徴的断面寸法(例えば、直径、幅など)は、約1μm〜約25mmの範囲であってもよい。このマトリックスの多孔性は約40〜約90%の範囲であってもよい。このファイバーはしばしば異なるパターンで何度も連結し、ネジられ、しばしばスチールウールの外見を呈する。この凝集物は、様々な技術により形成されてもよい。一例として、このファイバーは成型され焼結され、ファイバーと基質表面との間に冶金学的結合を形成する。接触部105のこのファイバーの組成は、接触部105に、本発明の締結具10によりネジを切られるのに適するような、機械的強度と変形性を付与する生物学的適合性材料であってもよい。このような材料の例として、ステンレス、チタン、コバルト、クロム、タングステン、タンタル、モリブデン、金、及びこれらの合金が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
締結具10を締結具受容部材60に取り付ける方法の例を図3に示すが、この方法は図4〜7に例証した他の形態と同様に記述することができる。この例は、整形外科手術に関して挙げられているが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、本発明のこの締結具/受容部材システムは、ネジ山を切られた締結具が目的物の中にネジを切るものであり、かつ締結具受容部材60のような取付用構造物に対して所望の角度でこのような締結具をしっかりと配向させることができることが有益であるような、如何なる方法、即ち、手術又は非手術の方法について適用可能である。
【0033】
外科医は、例えば、骨の破損部Fが位置し、体内の適切な治療のため安定化を必要とする目的の手術部位に近づく。この外科医は、骨の破損部Fに対して所望の位置に、骨材料Bに接して締結具受容部材60を置く。締結具10を完全に取り付ける前に、適当な位置合わせと据え付けの工具(ここには示さない)を用いて、締結具受容部材60を所望に位置に保持することができる。次に、この外科医は、締結具10を、受容部材60の選択された開口部Aを通して挿入し、続いて骨材料Bの目標区域内に打ち込む方向として、挿入角IAを選ぶ。受容部材60が複数の開口部Aを有する場合には、外科医は、用いるべき特定の開口部Aを選択する。開口部Aと挿入角IAを選んだら、外科医は、開口部Aを通して、伸長部20の先端が開口部Aの下にある骨材料Bに接触するまで、締結具10の伸長部20を挿入する。いくつかの場合には、締結具10による最初のネジ切りを容易にするために、この時点で、骨材料Bに挿入角IAに沿って穴をあけるかネジを切ってもよい。そして、外科医は、適当なドライバー工具(示さない)を締結具10の頭部40のへこみに入れて、ドライバー工具を操作して、骨材料Bを締結具10で圧迫しながら、締結具10を回転させる。これにより、伸長部20の第1のネジ山31が骨材料Bの中にネジを切り、締結具10が骨材料Bに固定される。伸長部20が開口部Aを通して骨材料の中を進むにつれて、頭部40がついに開口部Aの接触部85に遭遇する。この段階で、間に接触部85が存在することにより、締結具10が骨材料Bに継続的に進むことによって、頭部40の第2のネジ山51が接触部85の中にネジを切り、その結果、締結具10は所望の挿入角度IAで締結具受容部材60に取り付けられる。
【0034】
締結具10の頭部40を締結具受容部材60の開口部Aに取り付ける方法は、図2A〜3に示す接触部85を用いるか、又は図6及び7に示す接触部105を用いるかによって異なる。接触部85を用いた場合、頭部40の第2のネジ山51が一連の隙間89(図2Cと2Dを参照)とこれら隙間89に隣接する突起87の中を進む。第2のネジ山51が進むことによって、この一連の隙間89が第2のネジ山51に接触し、締結具10は所望の挿入角度IAで保持される。すでに述べたように、第2のネジ山51が接触部85の中を進むことに対応して、第2のネジ山51に接触する隙間89は変形しても変形しなくてもよく、またそれ以外の動きをしてもよい。一方、接触部105を用いた場合、金属ファイバーは、第2のネジ山51が進むことに対応してたわみ、第2のネジ山51を包む。第2のネジ山51に接触するか又は最も近いファイバーの機械強度は、所望の挿入角度IAで締結具10を保持するのに十分である。このファイバーの中のいくつかは、第2のネジ山51が接触部105の中を進むことに対応して、切断されてもよい。接触部85又は接触部105のいずれを用いても、第2のネジ山51が開口部Aを通過することによって、接触部85又は接触部105に、第2のネジ山51の方向と構造に相補的であって締結具軸に対して回転する、あつらえた内部ネジ山を形成するという結果を生じる。
【0035】
外科医は、行っている処置の性質によって、追加の締結具10を締結具受容部材60の追加の開口部Aに、例示した締結具10と同じ挿入角IA又は異なる角度で、取りつけることができる。外科医が、適宜、用いた締結具10の数や締結具10をどのくらい離して相当する開口部Aにネジ込むかを調整することにより、対応する第2のネジ山51と接触部85又は接触部105との間の界面の機械強度を、骨材料Bに締結具受容部材60を圧迫するに十分なものにすることができることに注意すべきである。
【0036】
図1〜7に示した特定の形態の変形として、頭部40の第2のネジ山51と開口部Aの接触部85又は接触部105との間の界面を、逆にしてもよい。すなわち、締結具10の頭部40に接触部85又は接触部105を設け、締結具受容部材60の開口部Aに第2のネジ山51を設けてもよい。この変形の形態においても、同様に、締結具10を開口部Aに非同軸にしっかり固定することができる。
【0037】
多角度骨ネジ/プレートシステムの抗ゆるみ形態
1.抗ゆるみシステム
締結具受容部材60から締結具10が外れることを防止するために、図8に示すような本発明の別の観点を提供することができる。このような防止策は、締結具10が緩んで、締結具受容部材60を固定位置に保持することができなくなることを防ぐために望ましい。更に、前大脳動脈脊椎のような解剖学上きわどい分野では、締結具10が外れて重畳構造物に衝突すると、重篤な病的状態をもたらし、死亡に至ることもあり得る。そのため、締結具10がプレート又は締結具受容部材60から緩んだり外れたりすることを防止するために、抗ゆるみシステムが望まれている。
【0038】
抗ゆるみ機能を提供する一つの形態として、図9に示すように、締結具10が少なくとも一つの溝100を有することができる。締結具10が締結具受容部材60の接触部85に挿入されるに従い、この溝は、締結具受容部材60の接触部85の突起87で塞がれ、その結果、締結具10が緩んだり外れることを防止し、締結具10を恒久的に固定する。本発明の他の形態として、図10に示すように、締結具10が多数の溝102を有することができ、突起87が締結具10の多数の溝102を塞ぐ。
【0039】
しかし、ある場合においては、この抗ゆるみシステムから締結具10を外すことが望まれたり必要になったりすることがある。そのため、図11に示すように、この抗ゆるみシステムから締結具10を外すための締結具ドライバー200を提供することができる。締結具ドライバー200は、少なくとも一つの溝100から突起87をたわませるか、又は締結具受容部材60の接触部85から締結具10を外す。
【0040】
締結具10の角度調節と挿入方向の制御を改善するために、端部310を有する角度ドライバー工具300が提供される。ニップル320を備えた工具300(図13と14)又は締結具10の空洞48(図12)内に伸びるネジが切られた端部342を有するロッド340を備えた工具300(図13と14)が提供されることにより、外科医は、締結具10が角度ドライバー工具300から外れないことを確実にすると同時に、締結具10の挿入角をより正確に制御することができる。言い換えると、外科医が、締結具10を傾いた角度で挿入するために工具300を傾けた場合、締結具10が工具300の端部310から外れない。他の観点からみると、締結具ドライバー200と角度ドライバー工具300の特徴を組み合わせることにより、締結具10の挿入角の制御を改善し、その一方で、提供された抗ゆるみシステムで用いられる締結具10の挿入と取り外しを実現することができる。
【0041】
A.抗ゆるみ締結具
締結具10の頭部40は、その外周に先端表面55から下向きに伸びる少なくとも一つの溝100を有することができる。溝100は、締結具受容部材60から締結具10が外れることを防止する抗ゆるみ性能を持つ。更に、溝100は、頭部40の全長に渡って下向きに伸びていてもよいし、頭部40に沿ってその途中の如何なる終点で終わっていてもよい。溝100の幅と深さは如何なるものでもよい。締結具受容部材60の突起87は、締結具10が一方向に回転することは許すが、反対方向に回転することには抵抗するように、傾いていてもよい。使用者が締結具10を回転することを容易にするために、ネジまわし、鍵又はレンチのような適当な工具を挿入するために、頭部40の先端表面55にへこみ53が設けられていてもよい。へこみ53の形状は、単一又は十文字の溝、正方形、六角形、星形などいずれでもよい。
【0042】
締結具10が逆向きに回転したり外れたりすることを防止するために、締結具10が突起87に引っ掛かりかつ噛み合うように、突起87は溝100の中に突き出している。この状態で締結具10を外そうと試みるには、突起87を破壊できるほどの強力なねじり力を必要とし、その結果、突起は、手術部位に散乱するか又は機能しない程度に曲げられることになる。したがって、溝100を有する締結具10を締結具受容部材60から取り外すことを容易にする、以下で議論する締結具ドライバー200のような、工具を持っていることが有利である。
【0043】
図10に示すような別の観点において、頭部40は、空間的に離れた多数の溝102を有していてもよい。複数の溝102は、締結具10が外れることを防止する抗ゆるみ性能を持つ。複数の溝102は、締結具10の頭部40の先端表面55から下向きに伸びて、、頭部40に沿って如何なる長さで終わっていてもよい。複数の溝102は溝100と同じように機能し、突起87がその中に突き出し、締結具10が逆向きに回転しないようにする。複数の溝102は、頭部40の内側に放射状に伸びて、締結具10を回転させるためのネジまわし型の工具に噛み合うことを容易にし、その結果、多数の弓型部分110を形成するようなものであってもよい。複数の弓型部分110は、それぞれ、その上に一般に締結具10の頭部40の周りに展開する第2のネジ山51を有してもよい。第2のネジ山51は、第2のネジ山51が突起87に引っ掛かることを防止するために傾斜部分112を有してもよい。溝102の数、形及びデザインは如何なるものであってもよい。また、複数の溝102は、対応した形の適当な工具を挿入するために、頭部40のへこみ53で終了したり、頭部40のへこみ53に変化するものでもよい。
【0044】
他の観点では、図12に示すように締結具10に空洞48を設けて、締結具10の確実な角度制御を行うことができる。空洞48は、実質的に細長い形状であってもよく、また、例えば、下記の工具300のような、ネジまわし型の工具を受け入れるように構成されてもよい。空洞48は、工具300のネジを切られた部分に合うように、ネジを切られていてもよく、その結果、締結具10が工具300から分離して外れる危険性なしに、締結具10を傾けることができる。更に、空洞48は、締結具10の中の如何なる深さに伸びてもよく、その形と大きさは如何なる適当なものであってもよい。また、空洞48は、ガイドワイヤーなどを受け入れるために締結具10に管を設けることができるように、締結具10の全長に渡るものでもよい。
【0045】
B.抗ゆるみドライバー
ある工具を、本発明の抗ゆるみシステムに締結具10を挿入したり外したり際に使用するように構成することができる。締結具ドライバー200は、締結具10が単一の溝100又は複数の溝102を有する場合に、抗ゆるみ機能を提供するために、締結具受容部材60の中に締結具10を挿入するために用いることができる。締結具ドライバー200は、図11に示すように、実質的に細長い形状であってもよい。
【0046】
一つの観点では、締結具ドライバー200は、締結具受容端202、伸長シャフト204、及び操作端206から成ってもよい。締結具ドライバー200は、締結具受容端202が回転すると回転トルクが提供されるように、締結具10の頭部40の複数の溝102内に適合して受け入れられるようなサイズの、溝噛み合わせ部分210を有してもよい。更に、溝噛み合わせ部分210は、締結具10が回転しながら進行する際に、複数の溝102を埋めて、突起87が溝102の中に突き出ることを妨げることができ、その結果、突起87が溝102に引っ掛っかからずに、締結具10が締結具受容部材60の中で回転することを可能にする。締結具ドライバー200を取り除くと、突起87は、抗ゆるみ態様で、締結具10と溝102で噛み合うことができる。
【0047】
締結具10を取り外すために、締結具ドライバー200の溝噛み合わせ部分210を、複数の溝102に挿入して、その結果、突起87を溝102から外側にたわませることができる。突起87が溝102の中にないため、回転を妨げないので、締結具10は締結具受容部材60から外側に進行することができ、その結果、締結具10は取り外される。上記のように、第2のネジ山51は、第2のネジ山51が突起87に引っ掛かることを防止するために傾斜部分112を有してもよい。
【0048】
C.角度挿入工具
本発明の抗ゆるみシステムを用いている時などで、締結具10を角度を付けて挿入することがしばしば必要になる。図14〜16に示すように、締結具10を角度を付けて挿入する際に、締結具10の確実な角度制御をするように、角度ドライバー工具300を構成することができる。外科医にとって、締結具10を角度を付けて挿入する時に、締結具10が工具300から外れることを防ぐことは、極めて重要である。一つの形態において、締結具10が工具300から滑って外れることを防ぐために、溝噛み合わせ部分310をを実質的に深くすることができる。これにより、締結具受容端302が改善された態様で角度方向に固定されることができる。
【0049】
図13と14に示す観点において、工具300は、締結具10の空洞48に合うようなニップル320を備えてもよい。空洞48にニップル320を挿入することにより、外科処置において通常用いられ、締結具10が容易に外れてしまう、単にネジまわしを用いることに比べて、締結具10の制御が良くなる。溝噛み合わせ部分310を溝102に受け入れると同時に、ニップル320を空洞48に挿入することができる。そのため、外科医は、締結具10が締結具受容端302から外れてしまうことを気にせずに、工具300と締結具10を傾けることができる。その結果、締結具10を正確な角度で挿入することを確実に行うことができる。ニップル320はネジを切られていても、ネジを切られていなくてもよい。空洞48もネジを切られていても、ネジを切られていなくてもよい。更に、ニップル320は、外科医が工具300を締結具10に対して正確に同軸に保持することを助け、工具300が同軸ではなく、また溝噛み合わせ部分310が溝に埋まっていない可能性をなくし、突起87が固定状態で溝102に突き出るため締結具10が外れることを難しくする。
【0050】
更に図13と14に示す別の観点において、外科医が、脊椎手術中のように、工具300を締結具10から外す余裕がない場合に、締結具10の絶対に正確な角度制御を提供するように工具300を構成することができる。このような形態において、工具300は、ネジが切られた端部342を空洞48に合うようにすることができる、ドライバーロッド340を備えることができる。空洞48を、ネジが切られた端部342を受け入れるように、ネジを切ってもよい。工具300は、ドライバーロッド340を受け入れるための管を設けたシャフト350(図16)の輪郭を定めることのできる、袖部分360を有することができる。管を設けたシャフト350は、工具300の全長に渡って伸びていてもよい。ドライバーロッド340は、ネジが切られた端部342の反対側の端にラム380を有してもよい。
【0051】
使用に際し、ドライバーロッド340は、締結具10の頭部40の空洞48に、回転しながら入ることができる。そして、溝噛み合わせ部分310を、締結具10の頭部40の溝102に適合させるように、袖部分360はドライバーロッド340を滑りながら下がっていくことができる。その結果、骨や締結具受容部材60の接触部85の中に締結具10を挿入する動作の間、締結具10を回転することが可能になるように、ねじ込んで取り付けることが可能になり、突起87が溝102に引っ掛かるか又は溝102に突き出ることのないように溝102を埋めることになる(これは、取り外しが必要な時に締結具10を外すことを可能にする。)。そして、ロッド340にネジを切って、ラム380をねじ込むと、ラム380は袖部分360を締結具10に押し込み、締結具10はドライバーロッド340に締結されるので、締結具10は固定位置に保持される。即ち、締結具10はドライバーロッド340上に固定され、袖部分360は滑り落ちて、ねじり制御を提供し、溝102を埋め、袖部分360はラム380によってその位置に堅固に保持される。
【0052】
締結具10を骨と接触部85の中に一旦固定すると、ラム380を外して、袖部分360を引き抜くことができる。その結果、突起87は溝102の中に落ち、締結具10は締結具受容部材60から外れなくなる。その結果、外科医は、締結具10を外すことなしに、締結具10からドライバーロッド340を外すことができる。締結具10を外すことが必要な場合には、例えば、治療の後などで、外科医は、締結具10の溝102の中から柔組織を洗い出し、ドライバーロッド340を袖部分360に挿入し、溝102を埋め、突起87をたわませ、ラム380を用いて工具300を固定し、全組立体を外すことができる。ラム380、ドライバーロッド340及び袖部分360を締結具10に組み付けたら、締結具10を角度を付けた方向に回転させるように、これら全てを協同して機能するように構成することができる(即ち、一緒に回転し、一つの組立体として機能する。)。
【0053】
他の観点では、図17に示すように、空洞48が締結具10の全長に渡り、ガイドワイヤー400が締結具10の中を同軸で貫けるように、締結具10に管を設けることができるようにしてもよい。工具300は、ガイドワイヤー400が全長に渡って同軸で貫けるように、管を設けたシャフト350の輪郭を定める袖部分360を含んでもよい。更に工具300は、改善された角度挿入制御を提供しながら、工具300を抗ゆるみシステムに用いることができるように、溝噛み合わせ部分310を有してもよい。使用の際、外科医は、まず、突起87を有する接触部85の中を、締結具10が入る骨の中の所定の位置まで、ガイドワイヤー400を通す。これはX線画像で確認できる。次に、外科医は、管を設けた締結具10をガイドワイヤー400に沿って滑らせ、そこで、工具300を用いて締結具10をねじ込む。ガイドワイヤー400は、ニップル320やドライバーロッド340を用いずに、全ての構成部品を一直線に並べて、締結具10が工具300の締結具受容端302上で正しい角度方向にあることを確実にすることができる。
【0054】
D.抗ゆるみ及び角度挿入器具
他の観点では、抗ゆるみシステムに用いることを容易にして、確実な角度挿入制御を提供するために、締結具ドライバー200と角度ドライバー工具300の構成部品を組み合わせて、図13〜17に示すような、溝噛み合わせ部分210、310を持つ器具を作ることができる。このような形態においては、溝噛み合わせ部分210、310をニップル320やドライバーロッド340のネジが切られた端部342と組み合わせて、抗ゆるみ性能と角度挿入性能の両方を示すことができる。
ここに開示した様々な詳細は、本発明の範囲を離れることなしに、変更することができることを理解されたい。更に、本発明はこの後に記載される特許請求の範囲により規定されるものであり、これまでの記載は本発明を例証することを目的にしてなされたものであり、本発明を限定するためのものではない。
【符号の説明】
【0055】
10 締結具
20 伸長部
31 第1のネジ山
40 頭部
51 第2のネジ山
60 締結具受容部材
62 第1の主表層面
64 第2の主表層面
81 内壁
85、105 接触部
87 突起
100、102 溝
A 開口部
AA 開口部軸
B 骨材料
FA 締結具軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗ゆるみ機能を提供する手術用締付具であって、
(a)締結具軸に沿って配置された伸長部と相接する頭部から成る締結具であって、該頭部が、該頭部の外周に設けられた、一つのネジ山及び少なくとも一つの溝から成る締結具、及び
(b)(i)第1の主表層面及び対向する第2の主表層面、(ii)該第1と第2の主表層面の間に広がり、開口部軸に対して同軸に配置された、開口部の輪郭を定める内壁、及び(iii)該内壁上に設けられたネジ切り可能な接触部から成る締結具受容部材であって、該ネジ切り可能な接触部が、該締結具の少なくとも一つの溝に噛み合い、その結果、締結具が締結具受容部材から外れることを防止する締結具受容部材、
から成る手術用締付具。
【請求項2】
前記少なくとも一つの溝が多数の溝である請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項3】
前記締結具が手術用骨ネジである請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項4】
前記伸長部が一つのネジ山から成る請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項5】
前記伸長部が第1の外表面を有し、前記伸長部のネジ山が、該第1の外表面の長さ方向に沿って、締結具軸に対してらせん状に、展開する、請求項4に記載の手術用締付具。
【請求項6】
前記頭部が第2の外表面を有し、前記頭部のネジ山が、該第2の外表面の長さ方向に沿って、締結具軸に対してらせん状に、展開する、請求項5に記載の手術用締付具。
【請求項7】
前記頭部が円形の垂直な輪郭を有する請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項8】
前記頭部が実質的に半球形の垂直な輪郭を有する請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項9】
前記頭部が実質的にフルストコニカル(frusto-conical)形の垂直な輪郭を有する請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項10】
前記頭部が収束/発散形の垂直な輪郭を有する請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項11】
前記締結具受容部材の第1及び第2の主表層面が手術用板の輪郭をを定める請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項12】
前記ネジ切り可能な接触部が、前記締結具受容部材の内壁に形成された請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項13】
前記ネジ切り可能な接触部が、前記内壁に適合されたインサーとを有する請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項14】
前記ネジ切り可能な接触部が、内壁から中心から放射状に伸びる多数の突起と、この突起の間にある多数の隙間から成り、この多数の突起が、前記締結具の溝の中に突き出て、外れるのを防止する、請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項15】
前記突起が、金属含有材料から構成される請求項14に記載の手術用締付具。
【請求項16】
前記突起が、ポリマー材料から成る請求項14に記載の手術用締付具。
【請求項17】
前記ネジ切り可能な接触部が、多孔性ファイバー金属マトリックスから成る請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項18】
前記多孔性ファイバー金属マトリックスが、多数のチタン含有ファイバーから成る請求項17に記載の手術用締付具。
【請求項19】
前記締結具が、0〜90度の範囲の角度で挿入された請求項1に記載の手術用締付具。
【請求項20】
抗ゆるみ機能を提供する手術用抗ゆるみシステムであって、
(a)締結具軸に沿って配置された伸長部と相接する頭部から成る締結具であって、該頭部が、該頭部の外周に設けられた、一つのネジ山及び少なくとも一つの溝から成る締結具、
(b)(i)第1の主表層面及び対向する第2の主表層面、(ii)該第1と第2の主表層面の間に広がり、開口部軸に対して同軸に配置された、開口部の輪郭を定める内壁、及び(iii)該内壁上に設けられた突起を有するネジ切り可能な接触部から成る締結具受容部材であって、該突起が、該締結具の少なくとも一つの溝に噛み合い、その結果、締結具が締結具受容部材から外れることを防止する締結具受容部材、及び
(c)該締結具にねじり力を与えるための締結具ドライバーであって、第1及び第2の端部を有し、該第1の端部が、該締結具の少なくとも一つの溝によりしっかりと受け入れられるように構成された、少なくとも一つの溝噛み合わせ部分を有し、それにより、締結具ドライバーによって該締結具が挿入される間、該少なくとも一つの溝噛み合わせ部分が、該突起が該少なくとも一つの溝の中に突き出すことを防止して、挿入を容易にし、かつ締結具を取り除く間、該溝噛み合わせ部分が、該少なくとも一つの溝から突起をたわませて、取り除きを容易にする締結具ドライバー
から成る手術用抗ゆるみシステム。
【請求項21】
前記締結具が、手術用骨ネジである請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも一つの溝が、多数の溝である請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも一つの溝噛み合わせ部分が、多数の溝噛み合わせ部分である請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記締結具の頭部が、該頭部の先端から該締結具内のある地点まで伸びる空洞の輪郭を定める請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記締結具ドライバーが、前記締結具の角度挿入を制御するために、更に前記第1の端部から伸びるニップルを有し、該ニップルが、前記空洞内で実質的に同軸に受け入れられている請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
前記ニップルがネジを切られている請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記頭部により輪郭が定められた空洞が、ネジを切られている請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
前記締結具の第2の端部が、前記締結具を回転することを補助するためのハンドルを有する請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
前記締結具ドライバーが、更に(i)〜(iii)を有する請求項27に記載のシステム。
(i)前記第1及び第2の端部をつなぎ、該締結具ドライバーの全長に渡って伸びる管を設けた細長いシャフトの輪郭を定める袖部分、
(ii)隣接端と遠心端を有し、該管を設けた細長いシャフトの中にぴったりと受け入れられたドライバーロッドであって、該隣接端が該空洞にネジで噛み合うように、該隣接端と遠心端がネジを切られているドライバーロッド、及び
(iii)該ドライバーロッドの遠心端にネジで噛み合うラムであって、締結具ドライバーの第2の端部に隣接するラム
【請求項30】
更に、前記第1及び第2の端部をつなぎ、該締結具ドライバーの全長に渡って伸びる管を設けた細長いシャフトの輪郭を定める袖部分を有する請求項20に記載のシステム。
【請求項31】
前記締結具が、前記頭部の先端から該締結具の全体に伸びる空洞の輪郭を定めるように、管を設けた請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記締結具が、ガイドワイヤーが前記締結具と前記締結具ドライバーの中を伸びて、これらを一直線に並べることを可能にする請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
下記の段階から成る、締結具が締結具受容部材から外れないように、締結具を締結具受容部材に取り付ける方法。
(a)締結具軸に沿って配置された伸長部と相接する頭部から成る締結具であって、該頭部が、該締結具の外周に設けられた、一つのネジ山及び少なくとも一つの溝から成る締結具を提供する段階、
(b)(i)第1の主表層面及び対向する第2の主表層面、(ii)該第1と第2の主表層面の間に広がり、開口部軸に対して同軸に配置された、開口部の輪郭を定める内壁、及び(iii)該内壁上に設けられた突起を有するネジ切り可能な接触部から成る締結具受容部材を提供する段階、
(c)該締結具受容部材に対して該締結具が挿入されるべき挿入角度であって、締結具軸と開口部軸との間で定まる角度を選択する段階、
(d)該締結具の伸長部を、開口部の中を、該頭部のネジ山が該ネジ切り可能な接触部に接触するまで、挿入する段階、及び
(e)該締結具が該挿入角度で傾いたままで該頭部のネジ山によりネジが切られることにより、該締結具が該挿入角度で傾き、該ネジ切り可能な接触部が該少なくとも一つの溝に噛み合って該締結具が外れないように、該締結具を該締結具受容部材の中にネジを切る段階
【請求項34】
更に、前記締結具受容部材の主表層面のうちの一つが骨材料に接して配置される段階、及び前記締結具の伸長部が該骨材料に挿入される段階を含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記伸長部がネジを切られて、前記締結具の伸長部が該骨材料に挿入される段階が、該伸長部が該骨材料の中にネジ切られる段階から成る請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記伸長部が前記骨材料の中に更にネジ切られることが、前記頭部のネジ山が前記締結具受容部材の前記ネジ切り可能な接触部にネジ切ることを引き起こす請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ネジ切り可能な接触部が、前記内壁から内部に伸びる多数の突起と、これら突起の間の多数の隙間を有し、この突起が前記少なくとも一つの溝に突き出して、前記締結具が外れることを防止する請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記締結具を挿入することが、第1及び第2の端部を有し、該第1の端部が、該締結具の少なくとも一つの溝によりしっかりと受け入れられるように構成された、少なくとも一つの溝噛み合わせ部分を有し、それにより、該締結具が挿入される間、該少なくとも一つの溝噛み合わせ部分が、該突起が該少なくとも一つの溝の中に突き出すことを防止して、該締結具が進行することを容易にする、締結具ドライバーを使用することを含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
更に下記の段階を含む請求項37に記載の方法。
(f)第1及び第2の端部を有し、該第1の端部が、該締結具の少なくとも一つの溝によりしっかりと受け入れられるように構成された、少なくとも一つの溝噛み合わせ部分を有し、それにより、該締結具を取り除く間、該溝噛み合わせ部分が、該少なくとも一つの溝から突起をたわませて、取り除きを容易にする締結具ドライバーを使用して、該締結具を取り除く段階
【請求項40】
(a)第1及び第2の端部を有する細長い部材、及び(b)該第1の端部から伸びて、締結具の空洞内に受け入れられるニップル、から成り、該ニップルが締結具が挿入される角度の正確な制御を提供する、締結具の正確な角度制御を容易にするための手術用角度挿入工具。
【請求項41】
前記ニップルがネジを切られている請求項40に記載の角度挿入工具。
【請求項42】
更に、締結具を回転状態で進めるように、前記第1の端部に、締結具に噛み合うための溝噛み合わせ部分を有する請求項40に記載の角度挿入工具。
【請求項43】
前記細長い部材が袖部分を有する請求項40に記載の角度挿入工具。
【請求項44】
更に、袖部分により輪郭が定められ、工具の全長に渡って伸びる、管を設けた細長いシャフトを有する請求項43に記載の角度挿入工具。
【請求項45】
工具と締結具とを正しく一直線に並べることを補助するために、前記管を設けた細長いシャフトが、ガイドワイヤーを受け入れる請求項44に記載の角度挿入工具。
【請求項46】
更に、隣接端と遠心端を有し、前記管を設けた細長いシャフトの中にぴったりと受け入れられたドライバーロッドであって、前記ニップルが該隣接端に固定され、該ニップルが前記締結具をの空洞にネジで噛み合うように該遠心端がネジを切られているドライバーロッドを有する請求項44に記載の角度挿入工具。
【請求項47】
更に、前記ドライバーロッドの遠心端にネジで噛み合うラムであって、挿入工具の第2の端部に隣接するラム

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2010−522019(P2010−522019A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554517(P2009−554517)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/001626
【国際公開番号】WO2008/115318
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(501345323)ザ ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル (52)
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF NORTH CAROLINA AT CHAPEL HILL
【住所又は居所原語表記】308 Bynum Hall,Campus Box 4105,Chapel Hill,North Carolina 27599−4105, United States of America
【Fターム(参考)】