説明

抗インフルエンザウイルス剤及びこれを吸着、含浸、添加させてなるインフルエンザ感染抑制用品及び飲食物

【課題】日常的に安心して使用できる安全性の高い植物抽出物を用いて、インフルエンザウイルスの感染に対して高い抑制効果を示し、副作用の無い抗インフルエンザウイルス剤、抗インフルエンザウイルス剤を吸着、含浸、添加させてなるインフルエンザ感染抑制用品及び飲食物を提供する。
【解決手段】リン(Chaenomeles sinensis,Pseudocydonia sinensis)の植物抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗インフルエンザウイルス剤及びこれを吸着、含浸、添加させてなるインフルエンザ感染抑制用品並びに飲食物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインフルエンザウイルスの感染抑制作用を有する植物由来の抽出物を有効成分とする抗インフルエンザウイルス剤及びそれを吸着、含浸、添加させてなるインフルエンザ感染抑制用品並びに飲食物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
毎年のようにインフルエンザの流行を引き起こすインフルエンザウイルスは直径1万分の1ミリメートル程度のエンベロープ膜を有するRNAウイルスである。その抗原性の違いからA、B、Cの3つの型に分類されるが、流行的な広がりをみせるのはA型、B型である。これらのウイルスの粒子表面には、赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という2種類の糖蛋白がスパイク状に突き出しており、内部には8本に分節した遺伝子RNAが存在する。ウイルスの表面にあるHAとNAは同一の亜型内で変異を頻繁に起こし、毎年のように新しい抗原変異株が出現する。
【0003】
咳による飛沫によって放出されたインフルエンザウイルスはヒトの鼻や口から侵入し、ウイルス表層のスパイク状糖蛋白質HAにより上気道の粘膜上皮細胞に吸着し、細胞へ侵入後増殖を開始する。近年の研究により、ウイルスの感染メカニズムが明らかにされている。ウイルスはヒトの標的細胞の表層に存在する糖鎖よりなるレセプターに結合し、エンドゾームへ取り込まれ、ウイルス膜とエンドゾーム膜の融合により細胞内に侵入し、ウイルス遺伝子の発現と複製、さらに宿主細胞膜からの出芽により子孫ウイルス粒子を形成し増殖する。
【0004】
インフルエンザウイルスの感染により数日で突然の発熱、頭痛、関節の痛み、全身倦怠感等の症状が現れ、それと前後して咳や喉の痛み、鼻水、鼻づまりなどの呼吸器症状が出現する。いわゆる風邪とは異なり、感染力が強く短期間で爆発的な流行を引き起こすのが特徴である。またインフルエンザウイルスのHA蛋白質の構造は年ごとに変異を繰り返し、過去の感染によりできた抗体があまり役に立たないことも感染を広げてしまう要因になっている。
【0005】
インフルエンザウイルスの感染を抑制するためには、上皮細胞への吸着の阻害、細胞への侵入の阻害、遺伝子の転写・複製の抑制、蛋白質の合成阻害、細胞からの放出の抑制などが考えられ、それぞれが抗ウイルス薬のターゲットになっている。現在までに、アマンタジン、リマンタジン、ザナミビル等の抗ウイルス薬が開発されているが、過敏症、精神神経症状、消化器系症状、自律神経系症状等の副作用が報告されており、その応用に関しては注意が必要である。
【0006】
またインフルエンザウイルスは気道粘膜上皮で感染、増殖することや、その年の流行型が正確には予想できないことから、ワクチンの接種によって感染を抑えることも困難であると考えられている。頻繁なうがいと、喉の乾燥を避けること、栄養と休息を十分にとることなどが、現在最も有効な予防策と考えられている。感染抑制効果が高く、さらに安全性に問題がなく、日常的に利用できる抗インフルエンザウイルス剤の開発が望まれている。
【0007】
近年、天然物由来の抗インフルエンザ素材としてお茶や紅茶のポリフェノール成分が報告されており(例えば、非特許文献1及び2参照。)、人を用いた試験により紅茶のうがいが実際のウイルス感染を抑えることが明らかになっている(例えば、非特許文献3参照。)。またオウゴン由来のフラボノイド成分が、ウイルスのシアリダーゼ阻害活性によりインフルエンザ感染抑制効果を示すことが報告されている(例えば、非特許文献4参照。)。さらに漢方製剤である桂枝二越婢一湯(例えば、特許文献1参照。)、黒房すぐり抽出物(例えば、特許文献2参照。)、馬鈴薯アントシアニン色素(例えば、特許文献3参照。)、グァバ葉抽出物(例えば、特許文献4参照。)羅布麻抽出物(例えば、特許文献5参照。)等の抗ウイルス効果が報告されている。
【0008】
また、バラ科植物においては、その花蕾または花弁の抽出物を有効成分とする抗インフルエンザ剤が開示されている(例えば、特許文献6参照。)が、カリンの抗インフルエンザウイルス効果は明らかにされていない。ミカン属においては、その種子成分の細菌およびウイルス等による感染症に対する予防効果が開示されている(例えば、特許文献7参照。)が、ミカン属の葉の効果については触れられていない。すなわち、本特許に示された植物抽出物のインフルエンザウイルス感染抑制効果に関する報告はみられず、本特許により初めて明らかにされたものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】感染症学雑誌,68(7)824−829(1994)
【非特許文献2】感染症学雑誌,70(11)1190−1192(1996)
【非特許文献3】感染症学雑誌,71(6)487−494(1997)
【非特許文献4】Chem.Pharm.Bull.38(5)1329−1332(1990)
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−199680号公報
【特許文献2】特開2000−212092公報
【特許文献3】特開2001−316399公報
【特許文献4】特開2000−273048公報
【特許文献5】特開平11−71296号公報
【特許文献6】特開2002−145790公報
【特許文献7】特表2002−020305公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、日常的に安心して使用できる安全性の高い植物抽出物を用いて、インフルエンザウイルスの感染に対して高い抑制効果を示し、副作用の無い抗インフルエンザウイルス剤、それを吸着、含浸、添加させてなるインフルエンザ感染抑制用品及び飲食物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明者らは副作用がなく安全性の高い古くより食品や香料、お茶などに利用されてきた植物や生薬、ハーブなどに着目し、これらの中から抗インフルエンザウイルス作用を有する植物抽出物を見出すため、インフルエンザウイルス(A型ウイルス株:Udorn/307/72 H3N2 B型ウイルス:Johannesburg/5/99)のMDCK細胞に対する感染性の抑制効果を指標に試験を実施した。その結果、カリンより得られた抽出物が、強いインフルエンザウイルスの感染抑制効果を有することを見出し、本発明品を完成させた。
【0013】
すなわち、本発明は、カリン(Chaenomeles sinensis,Pseudocydonia sinensis)の植物抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗インフルエンザウイルス剤である。
【0014】
また、本発明は、上記抗インフルエンザウイルス剤を吸着、含浸、添加させてなるインフルエンザ感染抑制用品及び飲食品である。
【発明の効果】
【0015】
本発明は安全性の高い植物の抽出物を有効成分とし、インフルエンザウイルスに対して強い感染抑制作用を有する抗インフルエンザウイルス剤を提供するものである。また、本発明の抗インフルエンザウイルス剤の有効成分である植物抽出物は安全性が高いことから、マスク、エアコンフィルター、衣類、ウェットティッシュ、スプレー液等に吸着、含浸、添加することにより、インフルエンザウイルス感染抑制用品として日常生活において広く利用することができる。さらに、チューインガム、キャンディ、錠菓、飲料等の飲食物に添加し、抗インフルエンザウイルス作用を有する飲食物として日常的に利用、摂取することも可能である。本発明品はインフルエンザウイルスの感染予防や、インフルエンザウイルスに起因する疾病症状の緩和に有効である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明品の原料となるルーにおいてはその全体を使用することができるが、ミカン属植物については葉を、カリンについてはその実を、エヴァーラスティング、リンデンについては花を、キャッツクロー、ベイベリーについては樹皮を、オールスパイス、カカオについては種子を使用することが望ましい。またカカオ種子については、ロースト処理したものについても使用する事ができる。
【0017】
上記植物の粉砕物から本発明の抽出物を得る方法については特に限定しないが、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール並びにn−ブタノール等の低級アルコール、エーテル、酢酸エチル、アセトン、グリセリン、プロピレングリコール等の有機溶剤の1種または2種以上の混合溶媒を加えて、従来行なわれている抽出方法によって抽出する。しかし、本発明の抗インフルエンザウイルス剤を経口で摂取することを考慮すると、安全性の面から水、エタノールもしくはその混合液を用いて抽出することが望ましい。
【0018】
抽出条件としては特に制限はないが、50〜90℃で1〜5時間程度が望ましい。抽出液を濾過し、抽出溶剤を留去したあと、減圧下において濃縮または凍結乾燥したものを使用することができる。また、これらの抽出物を有機溶剤分画、カラムクロマトグラフィー等により分画精製したものも使用することができる。
【0019】
本発明品の利用形態については特に制限はなく、有効成分として例示した植物抽出物に溶剤、分散剤、製剤用担体、乳化剤、希釈剤、安定剤等を添加することにより、散剤、錠剤、トローチ剤、吸入剤、うがい薬、含漱剤、座剤、注射剤等任意の製剤として調製することが可能であり、投与経路として経口投与、気道投与、静脈内投与、直腸投与、皮下投与、皮内投与等を例示することができる。この場合成人への投与量は各抽出物で10〜2000mg/日が好ましいが、この値に制限されるものではない。各種製剤への抽出物の添加量としては、その製剤の形態によって異なるが、0.001重量%以上、好ましくは約0.01重量%以上の割合になるように添加するのが好適である。
【0020】
また、本発明の抗インフルエンザウイルス剤を、マスク、エアコンフィルター、衣類、ウェットティッシュ、スプレー液等に吸着、含浸、添加することにより、インフルエンザ予防に寄与しうる感染抑制用品を提供することができる。これらの用途における植物抽出物の吸着、添加量は、その感染抑制用品の形態に応じて異なり、一概に規定することは出来ないが、0.001〜5重量%の割合になるように添加するのが好適である。
【0021】
また本発明の抗インフルエンザウイルス剤は安全性が高いことから、例えばチューインガム、キャンディ、錠菓、グミゼリー、チョコレート、ビスケット等の菓子、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓、飲料、スープ、ジャム等の飲食物に配合し、日常的に利用することが可能である。添加量としては、その利用形態および抽出物の呈味性によって異なるが、飲食品に対して0.001〜5重量%、好ましくは約0.01〜1重量%の割合になるように添加するのが好適である。
【0022】
以下実施例、試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
リンデン花粉末30gに50%エタノール300mlを加えたフラスコに、還流冷却器を取り付け、1時間還流しながら抽出する。得られた抽出液を濾別し、溶媒を除去した後、凍結乾燥することにより抽出物を4.86g得た。
【0024】
同様にして、ミカン属植物葉、キャッツクロー樹皮、ベイベリー樹皮、ルー全草、エヴァーラスティング花、オールスパイス種子、カカオ種子(ロースト・未ロースト)、カリン実について、50%エタノールを用いて抽出し、抽出液を濃縮・凍結乾燥することにより抽出物を調製した。なお、カカオ種子(ロースト、未ロースト)については、粉砕後、10倍量のn−ヘキサンで脱脂処理を行なったものを用いた。各抽出物の収率を表1に示した。
【実施例2】
【0025】
ミカン属植物葉粉末30gに70%エタノール300mlを加えたフラスコに、還流冷却器を取り付け、1時間還流しながら抽出する。得られた抽出液を濾別し、溶媒を除去した後、凍結乾燥することにより抽出物を4.68g得た。
【0026】
同様にして、ベイベリー樹皮について、70%エタノールを用いて抽出し、抽出液を濃縮・凍結乾燥することにより抽出物を調製した。各抽出物の収率を表1に示した。
【実施例3】
【0027】
キャッツクロー樹皮粉末30gに100%エタノール300mlを加えたフラスコに、還流冷却器を取り付け、1時間還流しながら抽出する。得られた抽出液を濾別し、溶媒を除去した後、乾固することにより抽出物を3.42g得た。
【0028】
同様にして、ミカン属植物葉、エヴァーラスティング花、リンデン花、オールスパイス種子、カカオ種子(ロースト・未ロースト)、カリン実について100%エタノールを用いて抽出し、抽出液を濃縮・乾固することにより抽出物を調製した。なお、カカオ種子(ロースト、未ロースト)については、粉砕後、10倍量のn−ヘキサンで脱脂処理を行なったものを用いた。各抽出物の収率を表1に示した。
【実施例4】
【0029】
ベイベリー樹皮粉末30gに水300mlを加えたフラスコに、還流冷却器を取り付け、1時間還流しながら抽出する。得られた抽出液を濾別し、溶媒を除去した後、凍結乾燥することにより抽出物を6.78g得た。
【0030】
同様にして、ミカン属植物葉、キャッツクロー樹皮、ルー全草、エヴァーラスティング花、リンデン花、オールスパイス種子について水を用いて抽出し、抽出液を濃縮・凍結乾燥することにより抽出物を調製した。各抽出物の収率を表1に示した。
【実施例5】
【0031】
エヴァーラスティング花粉末30gに100%メタノール300mlを加えたフラスコに、還流冷却器を取り付け、1時間還流しながら抽出する。得られた抽出液を濾別し、溶媒を除去した後、乾固することにより抽出物を2.49g得た。抽出物の収率を表1に示した。
【実施例6】
【0032】
ベイベリー樹皮粉末30gに酢酸エチル300mlを加えたフラスコに、還流冷却器を取り付け、1時間還流しながら抽出する。得られた抽出液を濾別し、溶媒を除去した後、乾固することにより抽出物を9.27g得た。
【0033】
同様にして、ミカン属植物葉について酢酸エチルを用いて抽出し、抽出液を濃縮・乾固することにより抽出物を調製した。各抽出物の収率を表1に示した。
【実施例7】
【0034】
ミカン属植物葉粉末30gにアセトン300mlを加えたフラスコに、還流冷却器を取り付け、1時間還流しながら抽出する。得られた抽出液を濾別し、溶媒を除去した後、乾固することにより抽出物を2.37g得た。抽出物の収率を表1に示した。
【実施例8】
【0035】
ルー全草粉末30gにn−ブタノール300mlを加えたフラスコに、還流冷却器を取り付け、1時間還流しながら抽出する。得られた抽出液を濾別し、溶媒を除去した後、乾固することにより抽出物を5.82g得た。
【0036】
同様にして、キャッツクロー樹皮についてn−ブタノールを用いて抽出し、抽出液を濃縮・乾固することにより抽出物を調製した。各抽出物の収率を表1に示した。
【0037】
【表1】

【試験例1】
【0038】
実施例1〜8で示した本発明品である抽出物を試料として、インフルエンザウイルス感染抑制効果を調べた。インフルエンザウイルスはA/Udorn/307/72(H3N2)、B/Johannesburg/5/99N2株を用いた。試料をジメチルスルフォキシドに溶解(50mg/ml)したものを試料原液とした。試料原液をTris−Glucose−Saline(TGS)で10倍段階希釈し(10倍希釈まで)、これらの試料希釈液とウイルス液(1000PFU(plaque forming unit)/ml)を1:1に混合して室温で30分間反応させた。この0.1mlをMadin−Darby canine kidney(MDCK)細胞の単層培養(直径35mmシャーレ)に接種し、ウイルスを室温で1時間吸着させ、2mlのL−15アガロース培地を流し込み固めて34℃、3日間培養し、生じたプラーク数を計測した。プラーク数がTGS処理コントロールの50%以下となる試料の希釈倍数を感染中和価とした。実施例1〜8で調製した本発明品である抽出物のインフルエンザウイルス感染抑制活性(感染中和価)を、以下の表2に示した。本発明品であるこれらの抽出物はいずれも感染中和価が10以上であり、強いウイルス感染抑制効果を示した。
【0039】
【表2】

【0040】
実施例1〜8で調製した植物抽出物を用いて、うがい薬、吸入剤、トローチ剤、スプレー液、チューインガム、キャンディ、錠菓、飲料、粉末剤、錠剤、含漱剤、グミゼリー、チョコレート、ビスケット、アイス、シャーベット、スープ、ジャム、ウェットティッシュ、マスクを調製した。以下に実施例としてその処方を示した。
【実施例9】
【0041】
うがい薬の処方
エタノール 2.0 重量%
香料 1.0 重量%
サッカリン 0.05 重量%
塩酸クロルヘキシジン 0.01 重量%
ベイベリー樹皮70%エタノール抽出物(実施例2) 0.5 重量%
水 残
100.0 重量%
【実施例10】
【0042】
吸入剤の処方
エタノール 5.0 重量%
エヴァーラスティング花
100%エタノール抽出物(実施例3) 1.0 重量%
水 残
100.0 重量%
【実施例11】
【0043】
トローチ剤の処方
ブドウ糖 72.3 重量%
乳糖 19.0 重量%
アラビアゴム 6.0 重量%
香料 1.0 重量%
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7 重量%
キャッツクロー樹皮
n−ブタノール抽出物(実施例8) 1.0 重量%
100.0 重量%
【実施例12】
【0044】
スプレー液の処方
エタノール 25.0 重量%
クエン酸 1.5 重量%
クエン酸三ナトリウム 1.0 重量%
ルー全草50%エタノール抽出物(実施例1) 0.5 重量%
水 残
100.0 重量%
【実施例13】
【0045】
チューインガムの処方
ガムベース 20.0 重量%
砂糖 54.7 重量%
グルコース 15.0 重量%
水飴 9.3 重量%
香料 0.5 重量%
カカオ種子(ロースト)
50%エタノール抽出物(実施例1) 0.2 重量%
ミカン属植物葉50%エタノール抽出物(実施例1) 0.3 重量%
100.0 重量%
【実施例14】
【0046】
キャンディの処方
砂糖 50.0 重量%
水飴 34.0 重量%
クエン酸 1.0 重量%
香料 0.2 重量%
リンデン花水抽出物(実施例4) 0.4 重量%
水 残
100.0 重量%
【実施例15】
【0047】
錠菓の処方
砂糖 76.1 重量%
グルコース 19.0 重量%
ショ糖脂肪酸エステル 0.2 重量%
香料 0.2 重量%
オールスパイス種子
50%エタノール抽出物(実施例1) 0.5 重量%
水 残
100.0 重量%
【実施例16】
【0048】
飲料の処方
ミカン属植物果汁 30.00 重量%
異性化糖 15.24 重量%
クエン酸 0.10 重量%
ビタミンC 0.04 重量%
香料 0.10 重量%
カリン実50%エタノール抽出物(実施例1) 0.10 重量%
水 残
100.00 重量%
【実施例17】
【0049】
粉末剤の処方
トウモロコシ澱粉 55.0 重量%
カルボキシセルロース 40.0 重量%
エヴァーラスティング花水抽出物(実施例4) 5.0 重量%
100.0 重量%
【実施例18】
【0050】
錠剤の処方
ラクトース 70.0 重量%
結晶性セルロース 15.0 重量%
ステアリン酸マグネシウム 5.0 重量%
リンデン花50%エタノール抽出物(実施例1) 10.0 重量%
100.0 重量%
【実施例19】
【0051】
含漱剤の処方
エタノール 2.00 重量%
香料 1.00 重量%
サッカリン 0.05 重量%
塩酸クロルヘキシジン 0.01 重量%
ベイベリー樹皮酢酸エチル抽出物(実施例6) 0.50 重量%
水 残
100.00 重量%
【実施例20】
【0052】
グミゼリーの処方
ゼラチン 60.00 重量%
水飴 23.00 重量%
砂糖 8.50 重量%
植物油脂 4.50 重量%
マンニトール 2.95 重量%
レモン果汁 1.00 重量%
オールスパイス種子
100%エタノール抽出物(実施例3) 0.05 重量%
100.00 重量%
【実施例21】
【0053】
チョコレートの処方
粉糖 40.80 重量%
カカオビター 20.00 重量%
全脂粉乳 20.00 重量%
カカオバター 17.00 重量%
マンニトール 1.00 重量%
香料 0.20 重量%
ミカン属植物葉水抽出物(実施例4) 1.00 重量%
100.00 重量%
【実施例22】
【0054】
ビスケットの処方
薄力1級 25.59 重量%
中力1級 22.22 重量%
精白糖 4.80 重量%
食塩 0.73 重量%
ブドウ糖 0.78 重量%
パームショートニング 11.78 重量%
炭酸水素ナトリウム 0.17 重量%
重亜硫酸ナトリウム 0.16 重量%
米粉 1.45 重量%
全脂粉乳 1.16 重量%
代用粉乳 0.29 重量%
ベイベリー樹皮70%エタノール抽出物(実施例2) 0.50 重量%
水 残
100.00 重量%
【実施例23】
【0055】
アイスの処方
脱脂粉乳 50.0 重量%
生クリーム 25.0 重量%
砂糖 10.0 重量%
卵黄 10.0 重量%
キャッツクロー樹皮
50%エタノール抽出物(実施例1) 1.0 重量%
香料 0.1 重量%
水 残
100.0 重量%
【実施例24】
【0056】
シャーベットの処方
ミカン属植物果汁 25.0 重量%
砂糖 25.0 重量%
卵白 10.0 重量%
ミカン属植物葉水抽出物(実施例4) 2.0 重量%
水 残
100.0 重量%
【実施例25】
【0057】
スープの処方
牛乳 60.00 重量%
たまねぎ 20.00 重量%
にんじん 10.00 重量%
野菜ブイヨン 1.00 重量%
バター 0.10 重量%
コショウ 0.05 重量%
塩 0.05 重量%
オールスパイス種子水抽出物(実施例4) 1.00 重量%
水 残
100.00 重量%
【実施例26】
【0058】
ジャムの処方
果肉 4.0 重量%
砂糖 65.0 重量%
清澄果汁 25.0 重量%
クエン酸 0.5 重量%
カリン実50%エタノール抽出物(実施例1) 2.0 重量%
水 残
100.0 重量%
【実施例27】
【0059】
ウェットティッシュの処方
中液 塩化ベンザルコニウム 0.2 重量%
ルー全草50%エタノール抽出物(実施例1) 0.2 重量%
水 残
100.0 重量%
不織布(150×200mm)20枚を重ねて、前記成分を不織布重量に対して3倍重量を含浸させた。
【実施例28】
【0060】
マスクの処方
リンデン花100%エタノール抽出物(実施例3) 1.0 重量%
水 残
100.0 重量%
不織布を前記成分に浸し、軽く脱水後乾燥した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン(Chaenomeles sinensis,Pseudocydonia sinensis)植物抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗インフルエンザウイルス剤。
【請求項2】
請求項1記載の抗インフルエンザウイルス剤を吸着、含浸、添加させてなるインフルエンザ感染抑制用品。
【請求項3】
請求項1記載の抗インフルエンザウイルス剤を含む飲食物。

【公開番号】特開2010−100649(P2010−100649A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12393(P2010−12393)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【分割の表示】特願2004−166592(P2004−166592)の分割
【原出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【出願人】(307013857)株式会社ロッテ (101)
【Fターム(参考)】