説明

抗ウィルス薬としての四環式インドール誘導体

本発明は、式(I)


(式中、Ar、A、R、R、L、W、X、YおよびZは、本明細書に定義される。)の四環式インドール誘導体および薬学的に許容できるその塩、これらを含む医薬組成物、およびC型肝炎ウィルスによる感染の治療または予防のためのこれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四環式インドール化合物、これらを含有する医薬組成物、C型肝炎感染の予防および治療におけるこれらの使用、ならびにこのような化合物および組成物を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎(HCV)は、ウィルス感染の一因である。HCV感染のための適切な治療はいまだにないが、哺乳動物、特にヒトにおいてC型肝炎のRNAポリメラーゼの阻害が有効であろうと信じられている。
【0003】
公開された国際特許出願WO2003/010140およびWO2004/065367(両者ともBoehringer Ingelheim)は、可能性のあるHCVポリメラーゼ阻害剤としてのインドール誘導体を示唆している。しかしながら、四環式インドール誘導体は、開示されていない。
【発明の開示】
【0004】
従って、本発明は、式(I)
【化5】

[式中、
Arは、少なくとも1つの芳香環を含有する部分であり、N、OおよびSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を場合により含有する5−、6−、9−または10−環原子を有し、該環は、Q基およびQ基によって場合により置換されており;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、CONR、(CH0−3NR、O(CH1−3NR、O(CH0−3CONR、O(CH0−3アリール、O(CH0−3ヘテロアリール、OCHRであり;
およびRは、水素、C1−4アルキルおよびC(O)C1−4アルキルから各々独立して選択され;
またはR、Rおよびそれらが結合する窒素原子は、4から7環原子のヘテロ脂肪族環を形成し、前記環が、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
およびRは、水素およびC1−4アルコキシから各々独立して選択され;または
およびRは、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子によって連結されて4から7環原子の複素環式脂環を形成し、前記環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;および
ここで、前記C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびアリール基は、ハロゲンまたはヒドロキシによって場合により置換されており;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり、前記C1−4アルキル基およびC1−4アルコキシ基は、ハロゲンまたはヒドロキシによって場合により置換されており、または
およびQは、単結合、またはN、OおよびSから選択されるヘテロ原子によって連結され得て4から7個の原子の環を形成し、前記環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
Aは、C3−6アルキルまたはC2−6アルケニルであり、または
Aは、3から8個の環原子の非芳香環であり、前記環は、二重結合を含有し得るおよび/またはO、S、SO、SOまたはNH部分を含有し得、または
Aは、4から8個の環原子の非芳香性二環式部分であり、および
Aは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
は、水素、C1−6アルキルまたはC2−6アルケニルであり;
は、水素またはC1−6アルキルであり;
Lは、
【0005】
【化6】

(式中、RおよびRは、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニルまたはC1−4アルコキシから各々独立して選択され;または
およびRは、連結されてC3−8シクロアルキル基を形成し;
Bは、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されている、アリール、ヘテロアリール、CONRであり;
は、水素またはC1−6アルキルであり;または
は、Rおよび/またはRに連結されて5から10員環を形成し、ここで前記環は、飽和され、部分的に飽和されまたは不飽和であり得、およびここで前記環は、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
は、アリールまたはヘテロアリールであり;または
,Rおよびそれらが結合する窒素原子は、5から10員の単環式または二環式環系を形成し、ここで前記環は、飽和され、部分的に飽和されまたは不飽和であり得、およびここで前記環は、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
Dは、単結合、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、C2−6アルキニレン、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで前記アリールまたはヘテロアリールは、ハロゲン、C1−4アルキルまたはC2−4アルケニルによって場合により置換されている。)であり、
WおよびZは、単結合、C=O、O、S(O)0−2、−(CR1011)−(CR12130−1−およびNR10から独立して選択され;
XおよびYは、単結合、C=O、O、−CR1415−およびNR14から独立して選択され;
およびW、X、YおよびZのうちの0、1または2は、単結合であり;
10、R11、R12、R13、R14およびR15は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6アルコキシ、C(O)C1−6アルキル、Het、(CH0−3NR1617、C(O)(CH0−3NR1617、NHC(O)(CH0−3NR1617、O(CH1−3NR1617、S(O)0−2(CH0−31617およびC(O)(CH0−3OR16から各々独立して選択され;
Hetは、4から7個の環原子の複素環式脂環であり、該環は、N、OまたはS、またはS(O)基、S(O)基、NH基またはNC1−4アルキル基から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し得、
16およびR17は、水素、C1−6アルキルおよび(CH0−4NR1819から独立して選択され;または
16、R17およびこれらが結合している窒素原子は、4から7個の環原子の複素環式脂環を形成し、該環は、OもしくはSまたはS(O)基、S(O)基、NH基もしくはNC1−4アルキル基から選択される1個または2個のさらなるヘテロ原子を場合により含有し得、および該環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
18およびR19は、水素およびC1−6アルキルから独立して選択され;
またはR18、R19およびそれらが結合する窒素原子は、4から7個の環原子の複素環式脂環を形成し、該環は、OもしくはS、またはS(O)基、S(O)基、NH基またはNC1−4アルキル基から選択される1個または2個のさらなるヘテロ原子を場合により含有し得、および該環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されている。]
の化合物および薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0006】
本発明の1つの実施形態において、Arは、N、OおよびSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を場合により含有する5員または6員の芳香環であり、該環は、前に定義されたように、Q基およびQ基によって場合により置換されている。
【0007】
好ましくは、Arは、フェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、フラニル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびチエニル等の、N、OまたはSから独立して選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含有する5員または6員の芳香環であり、該環は、前に定義されたように、Q基およびQ基によって場合により置換されている。より好ましくは、Arは、前に定義されたとおりQ基およびQ基によって場合により置換されている、フェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フラニルまたは3−フラニル、特にフェニルである。
【0008】
好ましくは、Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシまたは(CH0−3N(C1−6アルキル)である。より好ましくは、Qは、フッ素、塩素、メチル、メトキシまたはCHNMeである。最も好ましくは、Qは、メトキシである。
【0009】
好ましくは、Qは、欠失している。
【0010】
さらなる実施形態において、Aは、C3−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC3−8シクロアルキルであり、ここでAは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されている。好ましくは、Aは、C3−8シクロアルキル、より好ましくはシクロペンチルまたはシクロヘキシル、最も好ましくはシクロヘキシルであり、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されている。
【0011】
好ましくは、Aは、置換されていないまたはフッ素、塩素、メチルまたはメトキシ、特にフッ素によって置換されている。より好ましくは、Aは、置換されていない。
【0012】
さらなる実施形態において、Rは、水素またはC1−4アルキルである。好ましくは、Rは、水素またはメチルである。より好ましくは、Rは水素である。
【0013】
さらなる実施形態において、Rは、水素またはC1−4アルキルである。好ましくは、Rは、水素またはメチルである。より好ましくは、Rは水素である。
【0014】
さらなる実施形態において、RおよびRは、連結されてシクロブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基を形成する。好ましくは、RおよびRは、連結されてシクロペンチル基を形成する。
【0015】
さらなる実施形態において、Bは、ハロゲン、C1−4アルコキシによって場合により置換されているCONRアリールであり、ここで、Rは、前に定義されたとおりである。好ましくは、Bは、CONHフェニルである。
【0016】
さらなる実施形態において、Dは、単結合またはエテニレンである。好ましくは、Dは、エテニレンである。
【0017】
適したL基の例は、
【0018】
【化7】

を含む。
【0019】
さらなる実施形態において、Wは、単結合、C=O、−(CR1011)−(CR12130−1−またはNR10であり、ここでR10、R11、R12およびR13は、前に定義されたとおりである。好ましくは、Wは、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CH(CH)−CH(CH)−、−C(CH−または−C(CH−C(CH−等の−(CR1011)−(CR12130−1−である。より好ましくは、Wは、−CH−または−CHCH−である。最も好ましくは、Wは、−CH−である。
【0020】
さらなる実施形態において、Zは、単結合、C=O、O、−(CR1011)−(CR12130−1−またはNR10であり、ここでR10、R11、R12およびR13は、前に定義されたとおりである。好ましくは、Zは、単結合、Oまたは−(CR1011)−(CR12130−1である。より好ましくは、Zは、単結合、O、−CH−または−CHCH−である。最も好ましくは、Zは、単結合、Oまたは−CH−である。
【0021】
さらなる実施形態において、Xは、C=O、−CR1415−またはNR14であり、ここでR14およびR15は、前に定義されたとおりである。好ましくは、Xは、C=O、−CH−、−CH(C1−6アルキル)−、−CHNHR16または−CHN(CH)R16であり、ここでR16は、前に定義されたとおりである。より好ましくは、Xは、C=O、−CH−、−CHNH−CH−CH−NR1819または−CHN(CH)−CH−CH−NR1819であり、ここでR18およびR19は、前に定義されたとおりである。最も好ましくは、Xは、−CH−または−CHN(CH)−CH−CH−N(CHである。
【0022】
さらなる実施形態において、Yは、C=O、O、−CR1415−またはNR14であり、ここでR14およびR15は、前に定義されたとおりである。好ましくは、Yは、O、−CR1415−またはNR14である。より好ましくは、Yは、−CH−、NH、N(C1−6アルキル)、NCHCHN(C1−6アルキル)またはNHC(O)(CH1−2N(C1−6アルキル)である。最も好ましくは、Yは、−CH−、NH、N(C1−4アルキル)、N(CHN(C1−4アルキル)またはNHC(O)CHN(C1−4アルキル)である。特に、Yは、−CH−、NCHまたはN(CHN(CHである。
【0023】
本発明の1つの実施形態において、式(Ia)
【0024】
【化8】

(式中、W、X、YおよびZは、式(I)に関して定義されたとおりである。)
の化合物またはその薬学的に許容できる塩が供与される。
【0025】
好ましくは、Wは、−CH−または−CHCH−である。より好ましくは、Wは、−CH−である。
【0026】
好ましくは、Zは、単結合、O、−CH−または−CHCH−である。より好ましくは、Zは、単結合、Oまたは−CH−である。
【0027】
好ましくは、Xは、C=O、−CH−、−CHCH−または−CHN(C1−4アルキル)−(CH−N(C1−4アルキル)である。より好ましくは、Xは、−CH−または−CHN(CH)−(CH−N(CHである。
【0028】
好ましくは、Yは、−CR1415−またはNR14であり、ここでR14およびR15は、前に定義されたとおりである。より好ましくは、Yは、−CH−またはNR14であり、ここでR14は、水素、C1−6アルキルまたは(CH0−3NR1617であり、ここでR16およびR17は、前に定義されたとおりである。最も好ましくは、Yは、−CH−、NH、N(C1−4アルキル)またはN(CHN(C1−4アルキル)である。特にYは、−CH−、NCHまたはN(CHである。
【0029】
いずれかの変動が、式(I)においてまたはいずれかの置換体において2回以上生じるとき、各発生に関するその定義は、あらゆる他の発生におけるその定義とは独立している。
【0030】
ここで用いられるとき、基または基の一部としての「アルキル」または「アルコキシ」という用語は、該基が直鎖または分岐鎖であることを意味する。適したアルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチルおよびt−ブチルを含む。適したアルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシおよびt−ブトキシを含む。
【0031】
ここに参照されるシクロアルキル基は、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを表し得る。
【0032】
ここで使用されるとき、基または基の一部としての「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、該基が直鎖または分岐鎖であることを意味する。適したアルケニル基の例は、ビニルおよびアリルを含む。適したアルキニル基は、プロパルギルである。
【0033】
ここで使用されるとき、「アルキレン」という用語は、アルキル基が、2つの別個の基を連結し、直鎖または分岐鎖であり得ることを意味する。適したアルキレン基の例は、エチレン[−CH−CH−]およびプロピレン[−CH−CH−CH−、−CH(CH)−CH−または−CH−CH(CH)−]を含む。「アルケニレン」および「アルキニレン」という用語は、同様の方法で解釈されるべきである。
【0034】
ここで使用される場合、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0035】
ここで使用される場合、基または基の一部としての「アリール」という用語は、炭素環式芳香環を意味する。適したアリール基の例は、フェニルおよびナフチルを含む。
【0036】
ここで使用される場合、基または基の一部としての「ヘテロアリール」という用語は、N、OおよびSから選択される1から4個のヘテロ原子を含有する5員から10員の複素芳香環系を意味する。このような基の詳細な例は、ピロリル、フラニル、チエニル、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンジミダゾリル、ベンゾフリル、キノリニルおよびイソキノリニルを含む。
【0037】
化合物または基が、「場合により置換されている」と記載されている場合、1つ以上の置換体が存在し得る。さらに、場合による置換体は、それらが多様な方法で、直接、または次のもの、すなわちアミン、アミド、エステル、エーテル、チオエーテル、スルホンアミド、スルファミド、スルホキシド、尿素、チオ尿素およびウレタンが例である接続基を通じて置換する化合物または基へ結合され得る。必要に応じて、ある場合による置換体はそれ自体別の置換体によって置換され得、後者は前者へ直接または上述に例示されるもの等の接続基を通じて接続される。
【0038】
本発明の範囲内での具体的な化合物は、
(2E)−3−(4−{[(1−{[(14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリル酸、
(2E)−3−(4−{[(1−{[(14−シクロヘキシル−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリル酸、
(2E)−3−{4−[({1−[({13−シクロヘキシル−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−イル}カルボニル)アミノ]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]フェニル}アクリル酸、
(2E)−3−{4−[({1−[({14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル}カルボニル)アミノ]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]フェニル}アクリル酸、
(2E)−3−{4−[({1−[({(7R)−14−シクロヘキシル−7−[[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]−7,8−ジヒドロ−6H−インドロ[1,2−e][1,5]ベンゾキサゾシン−11−イル}カルボニル)アミノ]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]フェニル}アクリル酸
および薬学的に許容できるそれらの塩を含む。
【0039】
薬学における使用のため、式(I)の化合物の塩は、非毒性の薬学的に許容できる塩である。しかしながら、他の塩が、本発明に記載の化合物または非毒性の薬学的に許容できるその塩の調製において有用であり得る。本発明の化合物の薬学的に許容できる、適した塩は、例えば本発明に記載の化合物の溶液を、塩酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、カルボン酸、リン酸または硫酸等の薬学的に許容できる酸の溶液と混合することによって形成され得る酸付加塩を含む。アミン基の塩は、アミノ窒素原子が、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアラルキル部分等の適した有機基を有する第四級アンモニウム塩も含み得る。さらに、本発明の化合物が酸部分を有する場合、薬学的に許容できるその適した塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩またはカリウム塩、およびアルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩を含み得る。
【0040】
塩は、生成物の遊離塩基形態が、塩が不溶性である溶媒または媒質中で、または真空除去される水等の溶媒中で適切な酸の1つ以上の等価物と反応させることによりまたは凍結乾燥によりまたは存在する塩の陰イオンを適したイオン交換樹脂上の別の陰イオンと交換することにより等の従来の手段によって形成され得る。
【0041】
本発明は、本発明の範囲内で上述の式(I)の化合物のプロドラッグを含む。一般的に、このようなプロドラッグは、式(I)の必要な化合物へインビボで迅速に変換できる式(I)の化合物の機能的誘導体である。適したプロドラッグ誘導体の選択および調製のための便利な手法は、例えば「Design of Prodrugs」、H.Bundgaard編、Elsevier,1985に記載されている。
【0042】
プロドラッグは、活性のある薬物を放出するために体内で形質転換を必要とし、親薬物分子を上回って送達特性が改善されている、生物学的に活性のある物質(「親薬物」または「親分子」)の薬理学的に不活性の誘導体であり得る。インビボでの形質転換は例えば、カルボン酸、リン酸または硫酸のエステルの化学的もしくは酵素的加水分解、または感受性のある官能性の還元もしくは酸化等の、いくつかの代謝過程の結果としてであり得る。
【0043】
本発明は、本発明の範囲内で、式(I)の化合物の溶媒和化合物およびその塩、例えば水和物を含む。
【0044】
本発明は、本発明の範囲内で、式(I)の化合物のいずれかの鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体および互変異性体も含む。このような異性体およびこれらの混合物が全て、本発明の範囲内に包含されることは理解されるべきである。
【0045】
本発明はさらに、治療における使用のための式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0046】
もう1つの態様において、本発明は、ヒトまたは動物におけるC型肝炎ウィルスによる感染の治療または予防のための医薬の製造のための、上述に定義される式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用を提供する。
【0047】
本発明のさらなる態様は、上述に定義される式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩を、薬学的に許容できる担体とともに含む、医薬組成物を提供する。該組成物は、企図される投与方法に依存して、いずれかの適した形態であり得る。該組成物は例えば、経口投与のための錠剤、カプセルまたは液体の形態、または非経口的な投与のための溶液もしくは懸濁液の形態であり得る。
【0048】
該医薬組成物は、抗ウィルス薬等のウィルス感染の治療のための1つ以上の他の薬物、または、α−、β−もしくはγ−インターフェロン等の免疫調節薬も場合により含む。
【0049】
さらなる態様において、本発明は、C型肝炎ウィルスポリメラーゼを阻害するかおよび/またはC型肝炎ウィルスによる疾病を治療または予防する方法を提供し、該方法は、該疾患を罹患するヒトまたは動物(好ましくは哺乳動物)へ、上述の医薬組成物のまたは上述に定義される式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の治療上または予防上有効量を投与することを包含する。「有効量」とは、対象へ利益を生じるかまたは対象の疾患に少なくとも変化を生じるのに十分な量を意味する。
【0050】
化合物が投与される薬用量の割合は、採用される具体的な化合物の活性、前記化合物の作用の代謝的安定性および長さ、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食習慣、投与の様式および時間、排泄の割合、薬物の組み合わせ、特定の病状の重度および宿主の経験する治療法を含む多様な因子に依存する。適した薬用量レベルは、1日あたり0.02から5または10gのオーダーであり得、経口薬用量では2から5倍多い。例えば、体重1kgあたり化合物1mgから50mgまでの、1日あたり1回から3回までの投与が、望ましくあり得る。適切な値は、所定の検査によって選択可能である。化合物は、単独、または他の治療との組み合わせで、同時または順次のいずれかで投与され得る。例えば、該化合物は、当業者に公知の抗菌剤、免疫調節薬、抗感染薬またはワクチンの有効量との組み合わせで投与され得る。該化合物は、経口的、静脈内、皮膚的および皮下的を含むいずれかの適した経路によって投与され得る。該化合物は、適した部位へ直接的に、またはそれが特定の細胞種類等の特定の部位を標的化する方法で投与され得る。適した標的化方法は、すでに公知である。
【0051】
本発明のさらなる態様は、上述に定義されるような式(I)の少なくとも1つの化合物または薬学的に許容できるその塩を、1つ以上の薬学的に許容できるアジュバント、希釈剤または担体と、および/または1つ以上の治療上または予防上活性のある他の薬剤と混合することを包含する、医薬組成物の調製方法を提供する。
【0052】
本発明は、式(I)の化合物の調製のための過程も提供する。
【0053】
一般的な過程(a)によると、式(I)の化合物は、式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応によって調製され得る。
【0054】
【化9】

(式中、R、R、L、A、Ar、W、X、YおよびZは、式(I)に関して定義されるとおりである。)
該反応は、DMF等の適した溶媒中で、HATU等のカップリング剤およびジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下で、都合よく実施され得る。
【0055】
式(II)および(III)の化合物は、本分野で公知であるか、または例えば後述の説明および実施例に記載の手法を使用する当業者に周知の従来型の方法によって、またはすでに明白である代替的な手法によって調製され得るかのいずれかである。
【0056】
例えば、式(III)の化合物は、式(IV)の化合物の内部環閉鎖によって調製され得る。
【0057】
【化10】

(式中、A、Ar、WおよびZは、式(I)に関して定義されたとおりであり、Pは、メチル等の適した保護基であり、X’およびY’は、式(I)に関して定義されたとおりであるX基およびY基のいずれかまたは両者に対して適した前駆体官能性を有する。)
例えば、Xが−CH−であり、YがN(CH)である場合、X’およびY’はそれぞれ、−CHOおよびNC(CH)であり得、ここで反応は、メタノール等の適した溶媒中での穏やかな酸性条件下で、ナトリウムシアノボロヒドリド等の穏やかな還元剤の存在下で実施される。あるいは、XがC=Oであり、YがNHである場合、X’およびY’はそれぞれ、C(O)OBuおよびNHC(O)OBuであり得、反応は、ジクロロメタン/水の混合物等の適した溶媒系中での酸性条件下で実施される。
【0058】
式(I)の化合物は、本分野で周知の合成方法を使用して、式(I)の他の化合物へと変換できる。例えば、RがCOCHCHである式(I)の化合物は、水の存在下で、ジオキサン、THFおよび/またはメタノール等の適した溶媒中で、LiOHによる処理によって、Rが、エステルからカルボン酸への変換によってCOHである式(I)の化合物へと変換され得る。
【0059】
さらに、XがC=Oである式(I)の化合物は、THF等の適した溶媒中で、例えばBH・MeS等のボラン試薬によるオキソ基の還元によって、XがCHである式(I)の化合物へと変換され得る。
【0060】
上述の合成順序のいずれかの間、関連する分子のいずれかで感受基または反応基を保護することが必要であり得るかおよび/または望ましくあり得る。このことは、Protective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press, 1973、およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,3rd edition, 1999に記載のもの等の、従来型の保護基によって達成され得る。該保護基は、本分野で公知の方法を使用して、その後の都合のよい段階で除去され得る。
【0061】
本発明は、次の制限のない例によってさらに説明される。
【0062】
本発明の化合物は、酵素阻害アッセイ(例(i))および細胞に基づくサブゲノム複製アッセイ(例ii))において、HCV RNA依存的RNAポリメラーゼ(NS5B)に対する阻害活性に関して検査された。該化合物は一般的に、該酵素アッセイにおいて、IC50が1μM未満であり、いくつかの例は、細胞に基づくアッセイにおいてEC50が0.5μM未満である。
【0063】
該例における化合物名は、ACDLabs製のソフトウェア(第6.0版)を使用して発生した。
【0064】
(i)インビトロHCV NS5B酵素阻害アッセイ
WO96/37619は、該酵素をコード化する組換えバキュロウィルスに感染した昆虫細胞からの組換えHCV RdRpの産生を記載する。精製した酵素は、RNAをテンプレートとして使用して、インビトロRNAポリメラーゼ活性を有することが示された。該参考文献は、ポリ(A)およびオリゴ(U)をプライマーまたはヘテロポリマーテンプレートとして使用する重合アッセイを記載する。トリチウム標識したUTRまたはNTPの組み込みは、酸不溶性放射能を測定することによって定量化される。本発明者は、HCV RdRpの阻害剤として上述の多様な化合物をスクリーニングするために、本アッセイを採用している。
【0065】
放射性UMPの組み込みを、次のとおり測定した。20mMトリス/HCl pH7.5、5mMのMgCl、1mMのDTT、50mMのNaCl、0.03%のN−オクチルグルコシド、1μCiの[H]−UTP(40Ci/mmol、NEN)、10μMのUTPおよび10μg/mLのポリ(A)または5μMのNTPおよび5μg/mLのへテロポリマーテンプレートを含有する緩衝液中で、標準的な反応(50μL)を実施した。ポリ(A)テンプレート上で機能するアッセイにおけるプライマーとして、オリゴ(U)12(1μg/mL、Genset)を添加した。NS5B酵素の終濃度は、5nMであった。重合の順序は、1)化合物、2)酵素、3)テンプレート/プライマー、4)NTPであった。22℃で1時間の温置後、20%TCA50μLおよび適用している試料をDE81フィルターへ添加することによって、反応を停止させた。1M NaHPO/NaHPO、pH7.0を含有する5%TCAで該フィルターを完全に洗浄し、水ですすいだ後、エタノールですすぎ、空気乾燥させ、フィルターに結合した放射能をシンチレーションカウンタで測定した。上述に記載の各化合物の多様な濃度の存在下でこの反応を実施することによって、式:
%残余活性=100/(1+[I]/IC50
を利用することにより、IC50値を測定した。式中、[I]は、阻害剤濃度であり、「s」は、阻害曲線の傾斜である。
【0066】
(ii)細胞ベースのHCV複製アッセイ
Huh−7細胞を、Lohmann et al.(1999)によって記載されるI377neo/NS3−3’/wt(EMBL−genbank AJ242652番)と同一のRNAレプリコンで形質移入した後、硫酸ネオマイシン(G418)によって選択することによって、サブゲノムHCVレプリコンを安定して維持する細胞クローンを得た。(公開された国際出願WO02/5932に記載のとおり)抗NS3モノクローナル抗体10E5/24を使用して、96ウェルマイクロタイタープレート(Cell−ELISA)中で生育した細胞でELISAアッセイを直接実施することによって、NS3タンパク質の発現を測定することによって、ウィルス複製をモニターした。DMEM/10%FCS0.1mLの最終容積でウェルあたり10個の細胞数で96ウェルプレート中に細胞を播種した。播種2時間後、3倍濃度の阻害剤を含有するDMEM/10%FCS50μLを添加し、細胞を96時間温置した後、氷冷イソプロパノールで10分間固定した。各条件を二つ組で検査し、平均吸光度の値を算出のために使用した。該細胞をPBSで2回洗浄し、PBS+0.1%トリトンX100+0.02%SDS(PBSTS)中の5%無脂肪乾燥乳でブロッキングした後、乳/PBSTS中に希釈した10E5/24モノクローナル抗体とともに4℃で一晩温置した。PBSTSによって5回洗浄した後、乳/PBSTS中に希釈した、アルカリホスファターゼ(Sigma)へ連結したFc特異的抗マウスIgGとともに、該細胞を室温で3時間インキュベートした。上述のとおり再度洗浄した後、反応物をリン酸p−ニトロフェニル二ナトリウム基質(Sigma)で発色させ、間隔を置いて405/620nmで吸光度を読み取った。算出のため、我々は、阻害剤なしで温置した試料が1と1.5との間を含む吸光度の値を有するデータセットを使用した。該データをHillの式:
画分阻害=1−(Ai−b)/(A−b)=[I]/([I]+IC50
へ当てはめることによって、NS3の発現が50%だけ低下する阻害剤濃度(IC50)を算出した。式中、
−Ai=示された阻害剤濃度で補充したHBI10細胞の吸光度の値
−A=阻害剤なしで温置したHBI10細胞の吸光度の値
−b=同一のマイクロタイタープレート中の同一密度で播種し、阻害剤なしで温置したHuh−7細胞の吸光度の値
−n=Hill係数
であった。
【0067】
(iii)一般的な手法
全ての溶媒は、商業的供給源(Fluka,puriss.)から得、さらに精製せずに使用した。所定の脱保護段階および共役段階を除き、オーブン乾燥(110℃)したガラス器具中で窒素の大気下で反応を実施した。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で作動する回転式蒸発器で(乾燥させる薬剤のろ過後に)濃縮した。公開された手法(W.C.Still et al.,J.Org.Chem.1978,43,2923)に従うシリカゲルで、またはあらかじめ充填されたカラムを利用する商業用フラッシュクロマトグラフィーシステム(Biotage corporation and Jones Flashmaster II)で、フラッシュクロマトグラフィーを実施した。
【0068】
試薬は、通常、商業的供給元から直接得(および供給されるように使用し)たが、限られた数の化合物は、社内の収集物由来のものを利用した。後者の場合、試薬は、科学文献に報告されているまたは当業者に公知のいずれかである所定の合成段階を使用して容易に利用し得る。
【0069】
300MHzと600MHzとの間の(報告される)周波数で作動するBruker AMシリーズの分光計で、H NMRスペクトルを記録した。交換できない水素イオン(および可視光の場合、交換可能な水素原子)に相当するシグナルに関する化学シフト(δ)を、テトラメチルシランに相対的な百万分率(ppm)で記録し、残留溶媒ピークを参照として使用して測定する。シグナルを順に作表する:すなわち、多重度(s、一重項;d、二重項;t、三重項;q、四重項;m、多重項;br、ブロード、およびそれらの組み合わせ)、ヘルツ(Hz)での共役定数、水素イオン数。陰性(ES)または陽性(ES)イオン化モードにおいて作動するPerkin Elmer API100、またはWaters MicroMass ZQで、質量スペクトル(MS)データを得、親イオンのみに関する荷電に対する質量の比(m/z)として結果を報告する。調製用規模のHPLC分離は、Waters 486吸光度検出器を装備したWaters Delta Prep 4000分離モジュールで、またはGilson調製用システムで、実施した。全ての場合において、15mL/分と40mL/分との間の流速を使用する、0.1%TFAを含有する水およびアセトニトリルの両者の直線勾配を使用して、化合物を溶出した。
【0070】
次の略語を例、図式および表において使用する。Ar:アリール;cat.:触媒量;DCM:ジクロロメタン;ジオキサン:1,4−ジオキサン;DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;DMAP:N,N−ジメチルピリジン−4−アミン;DME:ジメトキシエタン;DMF:ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDAC.HCl:1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドHCl塩;eq.:等価物;Et:エチル;EtOAc:酢酸エチル;EtO:ジエチルエーテル;EtOH:エタノール;h:時;HATU:ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム;Me:メチル;MeCN:アセトニトリル;MeOH:メタノール;min:分;MS:質量スペクトル;NBS:N−ブロモスクシンイミド;PE:石油エーテル;Ph:フェニル;Prep:調製用;PrNEt:ジイソプロピルエチルアミン;quant.:定量的;RP−HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー;RT/rt:室温;sol.:溶液;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン;TMS:トリメチルシリル。
記述1:14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸。
【0071】
段階1:メチル2−ブロモ−3−シクロヘキシル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−インドール−6−カルボキシラート
NaH(1.5当量、鉱油中の60%分散液)を、(公開された国際特許出願WO2004/065367に記載のとおり調製した)DMF(0.1M)中のメチル2−ブロモ−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシラートの溶液へ添加し、一度沸騰が弱まると、該溶液を室温でさらに30分間撹拌した。次に、2−ブロモメチル−1,3−ジオキソラン(4当量)および触媒量(0.025当量)のヨウ化カリウムを添加し、混合物を50℃で36時間加熱した。反応混合物を室温へ冷却し、水性HCl(1N)で反応停止し、EtOAcで抽出した。有機層を水性HCl(1N)(3回)、水および塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を真空で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/PE)により精製すると、淡黄色の固体を付与し、それをEtO/PEで倍散すると、表題化合物を白色固体として生じた(69%)。H NMR(400MHz、DMSO−d,300K)δ1.35−1.45(m,3H),1.68−1.80(m,3H),1.8−2.0(m,4H),2.83−2.89(m,1H),3.78(s,4H),3.88(s,3H),4.45−4.46(m,2H),5.13−5.18(m,1H),7.65(d,J8.5,1H),7.81(d,J8.5,1H),8.14(s,1H);MS(ES)m/z422(M+H),m/z424(M+H)
【0072】
段階2:メチル3−シクロヘキシル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−2−(2−ホルミル−4−メトキシフェニル)−1H−インドール−6−カルボキシラート
ジオキサン(0.1M)中の(段階1からの)メチル2−ブロモ−3−シクロヘキシル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−インドール−6−カルボキシラートの溶液へ、NaCO(6当量、2M水溶液)、4−メトキシ−2−ホルミルフェニルボロン酸(2当量)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.2当量)を添加した。混合物を脱気した後、30分間還流加熱した。反応混合物のRP−HPLC分析は、出発材料が持続することを示した。反応混合物を冷却し、さらに、4−メトキシ−2−ホルミルフェニルボロン酸1当量およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド0.1当量を導入した。次に、還流加熱をさらに30分間再開した。反応を室温へ冷却させ、水とEtOAcとの間に分画した。水性画分をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層を水性HCl(1N)、水および塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10から20%勾配のEtOAc/PE)により、粗材料を精製すると、表題化合物を黄色の泡として生じた(72%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.10−1.24(m,3H),1.60−1.80(m,7H),2.30−2.39(m,1H),3.41−3.48(m,1H),3.56−3.65(m,3H),3.89(s,3H),3.94(s,3H),3.98(dd,J15.3,4.4,1H),4.25(dd,J15.3,2.6,1H),4.92−4.93(m,1H),7.40−7.46(m,2H),7.49(d,J2.2,1H),7.70(d,J8.8,1H),7.85(d,J8.8,1H),8.21(s,1H),9.61(s,1H);MS(ES)m/z478(M+H)
【0073】
段階3:メチル3−シクロヘキシル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−2−{4−メトキシ−2−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−1H−インドール−6−カルボキシラート
THF(0.05M)中の(段階2からの)メチル3−シクロヘキシル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−2−(2−ホルミル−4−メトキシフェニル)−1H−インドール−6−カルボキシラートの溶液へ、メチルアミン(10当量、THF中の2M溶液)を添加し、酢酸でpHをpH6に調整した。溶液を室温で45分間撹拌した後、真空で濃縮した。残渣をMeOH中に取り、0.025M溶液を付与した。NaBHCN(2.4当量)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物のRP−HPLC分析は、望ましいアミンへの完全な変換を示した。反応を飽和NaHCO水溶液で反応停止し、EtOAcで(2回)抽出した。組み合わせた有機層を水および塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮すると、表題化合物を粘性のある油として付与した(89%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.10−1.27(m,3H),1.60−1.75(m,6H),1.79−1.90(m,1H),2.20(s,3H),2.29−2.35(m,1H),3.34(br s,2H,水のピークにより部分的に不明瞭),3.63−3.72(m,3H),3.73−3.78(m,1H),3.79−3.84(m,1H),3.85(s,3H),3.87(s,3H),4.15(dd,J15.0,4.7,1H),4.84−4.87(m,1H),6.96(dd,J8.5,2.6,1H),7.18(d,J8.5,1H),7.23(d,J2.6,1H),7.65(dd,J8.4,1.3,1H),7.80(d,J8.4,1H),8.16(d,J1.3,1H);MS(ES)m/z493(M+H)
【0074】
段階4:メチル3−シクロヘキシル−2−{4−メトキシ−2−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−1−(2−オキソエチル)−1H−インドール−6−カルボキシラート
水性HCl(25当量、3M)を、THF中の(段階3からの)メチル3−シクロヘキシル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−2−{4−メトキシ−2−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−1H−インドール−6−カルボキシラートの溶液(0.02M)へ添加し、混合物を24時間還流加熱した。反応混合物からの一定分量のH NMR分析は、出発材料の完全な変換を確認した。揮発性物質を真空で減少させ、残渣をEtOAcと(水相が塩基性であることを確保する)飽和NaHCO水溶液との間に分画した。水相をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層を水および塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮すると、本質的に定量的な収量で表題化合物を付与した。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.05−1.35(m, 3H),1.60−1.95(m,7H),2.25−2.33(m,1H),2.86(s,3H),3.74−3.78(m,1H,水のピークにより不明瞭),3.88(s,3H),3.95(s,3H),4.29(d,J14.2,1H),5.31(d,J7.3,1H),5.70(d,J7.3,1H),7.06−7.10(m,2H),7.32(d,J8.3,1H),7.63(dd,J8.4,1.4,1H),7.84(d,J8.4,1H),7.96(d,J1.4,1H),9.02(br s,1H);MS(ES)m/z449(M+H)
【0075】
段階5:14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸
MeOH中の(段階4からの)メチル3−シクロヘキシル−2−{4−メトキシ−2−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−1−(2−オキソエチル)−1H−インドール−6−カルボキシラートの撹拌した溶液(0.005M)へ、酢酸を室温で滴下して添加し、pHをpH6に調整した。混合物を10分間撹拌した後、NaCNBH(3.2当量)を導入した。1時間後、反応混合物のRP−HPLC分析によって、アミノアルデヒドが望ましい環状アミンへ完全に変換したことが確認された。導入したTHFおよびNaOH(100当量、2M水溶液)の等容積で、該反応物を希釈した。次に、反応混合物を60℃で3時間加熱した後、室温へ冷却した。THF/MeOHの容積を真空で減少させ、残渣を水性HCl(1N)で酸性化した後、EtOAcで(4回)抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮すると、生成物の塩酸塩を黄色の固体として生じた。自動RP−MS−HPLC(固定相:Waters XTERRA調製用C18カラム、5um、19×100mm。移動相:MeCN/0.1%TFAで緩衝したHO)により精製した。純粋な化合物を含有する画分を組み合わせ、凍結乾燥させると、表題化合物を白色粉末として生じた(21%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.09−1.21(m,1H),1.28−1.37(m,2H),1.50−1.56(m,1H),1.65−1.75(m,2H),1.82−2.0(m,4H),2.58−2.67(m,1H),3.04(br s,3H),3.3−3.5(m,1H,水のピークにより不明瞭),3.63−3.75(m,3H),3.91(s,3H),4.32(d,J13.4,1H), 4.79(dd,J16.0,3.5,1H),7.25(dd,J8.5,2.3,1H),7.40(d,J8.5,1H),7.61(d,J2.3,1H),7.73(d,J8.3,1H),7.91(d,J8.3,1H),8.19(s,1H),9.86(br s,1H),12.68(br s,1H);MS(ES)m/z419(M+H)
【0076】
記述2:14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸
【0077】
段階1:メチル2−ブロモ−3−シクロヘキシル−1−(2,2−ジメトキシエチル)−1H−インドール−6−カルボキシラート
DMF中の(公開された国際特許出願WO2004/087714に記載のとおり調製した)メチル2−ブロモ−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシラートの撹拌した溶液(0.2M、1当量)へ、NaH(鉱油中の60%分散液、1.75当量)を添加した。1時間後、KI(8モル%)およびブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(2.5当量)を添加し、反応物を80℃で17時間加熱した。室温へ冷却した後、水性HCl(1N)の添加により反応物を反応停止し、EtOAc中に(3回)抽出した。組み合わせた有機層をHCl(1N)、HOおよび塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage、5から10%EtOAc/PE勾配)により精製すると、表題化合物を白色固体として付与した(79%)。H NMR(300MHz,d−DMSO,300K)δ1.51−1.68(m,3H),1.67−1.72(m,3H),1.82−1.99(m,4H),2.81−2.89(m,1H),3.25(s,6H),3.87(s,3H),4.35−4.37(m,2H),4.46−4.59(m,1H),7.64(d,J8.4,1H),7.80(d,J8.4,1H),8.10(s,1H);MS(ES)m/z446(M+H),448(M+H)
【0078】
段階2:メチル3−シクロヘキシル−1−(2,2−ジメトキシエチル)−2−(2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−6−カルボキシラート
ジオキサンおよびNaCO中の(段階1からの)メチル2−ブロモ−3−シクロヘキシル−1−(2,2−ジメトキシエチル)−1H−インドール−6−カルボキシラート(0.16M、1当量)の溶液(2M溶液の6当量)を超音波処理により10分間脱気した。2−ホルミルフェニルボロン酸(1.5当量)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(20モル%)を添加し、108℃にあらかじめ加熱しておいた油槽中に反応物を20分間、黒くなるまで放置した。室温へ冷却した後、反応物をHOとEtOAcとの間に(3回)分画した。組み合わせた有機層をHCl(1N)、HOおよび塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage、10%EtOAc/PE)により精製すると、表題化合物を淡黄色の固体として付与した(85%)。H NMR(300MHz,d−DMSO,300K)δ1.08−1.23(m,3H),1.60−1.81(m,7H),2.30−2.34(m,1H),3.01(s,3H),3.07(s,3H),3.89(s,3H),3.95−3.97(m,1H),4.12−4.18(m,1H),4.36−4.37(m,1H),7.53(d,J7.5,1H),7.70−7.78(m,2H),7.84−7.88(m,2H),8.04(d,J7.5,1H),8.17(s,1H),9.66(s,1H);MS(ES)m/z472(M+Na),450(M+H)
【0079】
段階3:メチル3−シクロヘキシル−1−(2,2−ジメトキシエチル)−2−[2−({[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチル)フェニル]−1H−インドール−6−カルボキシラート
THF中の(段階2からの)メチル3−シクロヘキシル−1−(2,2−ジメトキシエチル)−2−(2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−6−カルボキシラート(0.16M、1当量)および2−ジメチルアミノエチルアミン(2当量)の撹拌した溶液へ、氷酢酸を添加し、反応物のpHをpH約4へ調整した。反応物を1時間撹拌した後、THFを減圧下で除去し、残渣をMeOH中に再度溶解した。LC−MS分析によって完全な変換が観察されるまで、NaBH(8当量)を少量ずつ添加した。飽和NaHCO水溶液の添加により反応物を反応停止し、EtOAc中へ(3回)抽出した。組み合わせた有機層をHOおよび塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮した。表題化合物を淡黄色の油として得、さらに(定量的な)精製をせずに利用した。H NMR(300MHz,d−DMSO,300K)δ1.15−1.23(m,3H),1.67−1.72(m,7H),2.16(s,6H),2.33−2.50(m,DMSOにより不明瞭になった5H),3.00(s,3H),3.08(s,3H),3.40−3.50(m,HOにより不明瞭になった2H),3.78(dd,J14.8,4.6,1H),3.88(s,3H),4.07−4.14(m,1H),4.26−4.28(m,1H),7.29(d,J7.5,1H),7.40−7.44(m,1H),7.52−7.56(m,1H),7.65−7.70(m,2H),7.83(d,J8.4,1H),8.1(s,1H);MS(ES)m/z522(M+H)
【0080】
段階4:メチル14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボキシラート
THF中の(段階3からの)メチル3−シクロヘキシル−1−(2,2−ジメトキシエチル)−2−[2−({[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチル)フェニル]−1H−インドール−6−カルボキシラートの撹拌した溶液(0.16M、1当量)へ、1N HCl水溶液の等容積を添加した。反応物を60℃で2.5時間加熱し、室温へ冷却した後、NaOH(2N)の添加により反応停止し、EtOAc中に(3回)抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮した。残渣をMeOH中に再度溶解し、氷酢酸でpH4に酸性化した。45分間撹拌した後、LC−MS分析により証明されるように、結晶化が完了するまで、NaBH(8当量)を少量ずつ添加した。飽和NaHCO水溶液の添加により反応物を反応停止し、EtOAc中へ(3回)抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮した。表題化合物を淡黄色の油として得、さらに(定量的な)精製をせずに利用した。H NMR(400MHz,d−DMSO,300K)δ1.12−1.35(m,3H),1.50−1.53(m,1H),1.66−1.72(m,2H),1.79−1.86(m,1H),1.94−1.92(m,3H),2.53−2.57(m,DMSOにより不明瞭な1H),2.61−2.65(m,2H),2.82(s,6H),2.85−2.92(m,3H),3.25−3.36(m,HOにより不明瞭になった2H),3.51−3.57(m,1H),3.79(d,J13.8,1H),3.88(s,3H),4.47−4.52(m,1H),7.38(d,J7.5,1H),7.47−7.50(m,1H),7.53−7.57(m,1H),7.64(d,J7.5,1H),7.70(d,J8.4,1H),7.91(d,J8.4,1H),8.10(s,1H);MS(ES)m/z460(M+H)
【0081】
段階5:14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸
MeOHおよび1N NaOH(4当量)中の(段階4からの)メチル14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボキシラート(0.16M、1当量)の溶液を80℃まで6時間加熱した。室温へ冷却した後、MeOHを減圧下で除去し、得られた水溶液を3NのHCl水溶液で、pHが1から2になるまで酸性化した結果、淡黄色の沈殿物を形成した。これをろ過し、フィルター上で一晩乾燥させると、生成物の粗塩酸塩を黄色の固体として生じた。RP−HPLC(固定相:Waters XTERRA調製用C18カラム、5um、30×100mm。移動相:MeCN/0.1%TFAで緩衝したHO)により精製した。純粋な化合物を含有する画分を組み合わせ、3NのHCl水溶液の存在下で(2回)凍結乾燥させると、表題化合物のビス−HCl塩を白色粉末として生じた(段階、3、4および5を通じて65%)。H NMR(400MHz,d−DMSO+TFA,300K)δ1.12−1.15(m,1H),1.31−1.36(m,2H),1.53−1.56(m,1H),1.67−1.72(m,2H),1.82−1.84(m,1H),1.90−1.99(m,3H),2.62−2.69(m,1H),2.87(s,6H),3.45−3.50(m,1H),3.62−3.82(m,7H),4.52(d,J13.6,1H),4.84(dd,J16.6,4.6,1H),7.47−7.49(m,1H),7.63−7.68(m,2H),7.74(d,J8.4,1H),7.93−7.95(m,2H),8.2(s,1H);MS(ES)m/z446(M+H)
【実施例1】
【0082】
(2E)−3−(4−{[(1−{[(14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリル酸
【0083】
段階1:エチル(2E)−3−(4−{[(1−アミノシクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリラート
1−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}シクロペンタンカルボン酸をDMF中に溶解した(0.2M)。HATU(1当量)およびトリエチルアミン(3当量)を添加した後、エチル(2E)−3−(4−アミノフェニル)アクリラート(0.95当量)を添加した。得られた混合物を40℃で48時間撹拌した。DMFを蒸発させ、得られた油をEtOAc中に取り、溶液を塩酸(1M、3回)、水、飽和NaHCO水溶液(2回)および塩水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させると、オレンジ色の固体を付与し、溶離液としてPE/EtOAc(2.5:1、1%EtOH含有)を使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより該固体を精製した。得られた固体をDCM(0.1M)中に即時溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸(5当量)を室温で滴下して添加した。室温で5分後、赤色の混合物をNaHCOの水溶液中に注いだ。有機相を分離し、水性相をDCMで(4回)抽出し、組み合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。蒸発させると、表題化合物をオフホワイト色の固体として付与し、さらに精製せずに該固体を使用した。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.26(t,J7.1,3H),1.48−1.61(m,2H),1.63−1.87(m,4H),1.96−2.10(m,2H),4.188(q,J7.1Hz,2H),6.53(d,J16.0,1H),6.60−7.30(bs,3H),7.59(d,J16.0,1H),7.67(d,J8.5,2H),7.76(d,J8.5,2H);MS(ES)m/z303(M+H)
【0084】
上述のものと同様の方法で、1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロペンタンカルボン酸を(2E)−3−(4−アミノフェニル)アクリラートへ連結することによって、エチル(2E)−3(4−{[(1−アミノシクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリラートもそのHCl塩として調製した。次に、EtOAc中でHClにより脱保護すると、HCl塩を生じた。場合によりHCl塩を中和させる塩基のさらなる等価物を単純に採用するその後の共役において、遊離塩基または塩としてのエチル(2E)−3(4−{[(1−アミノシクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリラートを互換的に使用した。
【0085】
段階2:エチル(2E)−3−(4−{[(1−{[(14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリラート
無水DMF中の(記述1からの)14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸(0.015M)、(段階1からの)エチル(2E)−3−(4−{[(1−アミノシクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリラート(1.1当量)およびPrNEt(3.5当量)の撹拌した溶液へ、HATU(1.1当量)を添加した。次に、反応物を50℃で2時間加熱した。反応物を室温へ冷却し、さらに、0.2当量のHATU、0.2当量のエチル(2E)−3−(4−{[(1−アミノシクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリラートHCl塩および1当量のPrNEtを導入した後、1.5時間加熱を再開した。反応物を室温へ冷却し、飽和NaHCO水溶液で反応停止し、EtOAc中に抽出した。水性相をEtOAcで2回抽出し、組み合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液、水、1N HCl(3回)および塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮すると、生成物を淡黄色のワックス状固体として生じた(91%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.10−1.38(m,6H),1.47−1.56(m,1H),1.64−1.99(m,10H),2.05−2.14(m,2H),2.31−2.49(m,5H,DMSOピークによって部分的に不明瞭),2.58−2.66(m,1H),2.78−2.86(m,1H),3.12−3.21(m,1H),3.51−3.66(m,2H),3.86(s,3H),4.13−4.21(m,3H),4.35−4.44(m,1H),6.49(d,J16.2,1H),7.01−7.05(m,1H),7.12(br s,1H),7.26(d,J8.6,1H),7.56(d,J16.2,1H),7.60−7.68(m, 5H),7.80(d,J8.6,1H),8.06(s,1H),8.29(s,1H),9.67(s,1H);MS(ES)m/z703(M+H)
【0086】
段階3:(2E)−3−(4−{[(1−{[(14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリル酸
1:1のメタノール:水の混合物中の(段階2からの)エチル(2E)−3−(4−{[(1−{[(14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリラート(0.06M)へ、水酸化リチウム一水和物(2.5当量)を添加した。エステルの完全な加水分解が生じるまで、反応物を40℃で3時間撹拌した。反応物を室温へ冷却した後、1N HClで急冷し、その水溶液をEtOAcで(3回)抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮すると、粗生成物を褐色の固体として生じた。自動RP−MS−HPLC(固定相:Waters XTERRA調製用C18カラム、5um、19×100mm。移動相:MeCN/0.1%TFAで緩衝したHO)により精製した。純粋な化合物を含有する画分を組み合わせ、6N HClの存在下で凍結乾燥させると、表題化合物のHCl塩を白色粉末として生じた(33%)。H NMR(400MHz,DMSO−d+TFA,300K)δ1.10−1.20(m,1H),1.25−1.38(m,2H),1.49−1.58(m,1H),1.64−1.99(m,10H),2.04−2.15(m,2H),2.31−2.40(m,2H),2.58−2.65(m,1H),3.04(br s,3H),3.38−3.49(m,1H),3.60−3.76(m,3H),3.90(s,3H),4.29−4.36(m,1H),4.69−4.77(m,1H),6.38(d,J16.0,1H),7.20−7.25(m,1H),7.39(d,J8.8,1H),7.50(d,J16.0,1H),7.56−7.61(m,3H),7.65(d,J9.0,2H),7.74−7.78(m,1H),7.85(d,J8.6,1H),8.16(s,1H),8.38(s,1H),9.71(s,1H),10.0(br s,1H);MS(ES)m/z675(M+H)
【実施例2】
【0087】
(2E)−3−(4−{[(1−{[(14−シクロヘキシル−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリル酸
【0088】
段階1:メチル3−シクロヘキシル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−2−(2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−6−カルボキシラート
ジオキサン中の(記述1、段階1からの)メチル2−ブロモ−3−シクロヘキシル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−インドール−6−カルボキシラートの溶液(0.15M)へ、NaCO(4当量、2M水溶液)、2−ホルミルフェニルボロン酸(1.5当量)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.2当量)を添加した。混合物を脱気した後、45分間還流加熱した。反応混合物のRP−HPLC分析は、出発材料が持続することを示した。従って、還流加熱をさらに30分間再開した。反応物を室温へ冷却させ、水とEtOAcとの間に分画した。水性画分をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層を塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10から20%勾配のEtOAc/PE)により、粗材料を精製すると、表題化合物を黄色の泡として生じた(85%)。H NMR(300MHz,DMSO−d,300K)δ1.02−1.23(m,3H),1.59−1.81(m,7H),2.30−2.37(m,1H),3.37−3.45(m,1H),3.52−3.64(m,3H),3.89(s,3H),3.95−4.00(m,1H),4.26(dd,J15.3,2.5,1H),4.91−4.93(m,1H),7.51(d,J7.1,1H),7.69−7.77(m,2H),7.82−7.87(m,2H),8.03(d,J7.7,1H),8.22(s,1H),9.67(s,1H);MS(ES)m/z448(M+H)
【0089】
段階2:メチル3−シクロヘキシル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−2−{2−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−1H−インドール−6−カルボキシラート
THF中の(段階1からの)メチル3−シクロヘキシル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−2−(2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−6−カルボキシラートの溶液(0.15M)へ、メチルアミン(10当量、THF中の2M溶液)を添加し、酢酸でpHをpH6に調整した。溶液を室温で1時間撹拌した後、真空で濃縮した。残渣をMeOH中に取り、0.075M溶液を付与した。NaBHCN(1.5当量)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物のRP−HPLC分析は、望ましいアミンへの完全な変換を示した。反応物を飽和NaHCO水溶液で反応停止し、EtOAcで(2回)抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮すると、表題化合物を粘性のある油として付与した(定量的)。H NMR(300MHz,DMSO−d,300K)δ1.12−1.29(m,4H),1.60−1.75(m,6H),2.18(s,3H),2.27−2.32(m,1H),3.36(br s,2H,水のピークによって部分的に不明瞭),3.61−3.81(m,5H),3.87(s,3H),4.14−4.21(m,1H),4.87(t,J4.2,1H),7.27(d,J7.3,1H),7.37−7.42(m,1H),7.50−7.55(m,1H),7.65−7.68(m,2H),7.82(d,J8.4,1H),8.18(s,1H);MS(ES)m/z463(M+H)
【0090】
段階3:14−シクロヘキシル−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸
THF中の(段階2からの)メチル3−シクロヘキシル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−2−{2−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}−1H−インドール−6−カルボキシラートの溶液(0.02M)へHCl水溶液(25当量、3M)を添加し、混合物を21時間還流加熱した。反応混合物からの一定分量のH NMR分析は、出発材料の完全な消費を確認した。揮発性物質を真空で減少させ、残渣をEtOAcと(水性相が塩基性であることを確保する)飽和NaOH水溶液(2M)との間に分画した。水性相をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層を塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮した。残渣をMeOH(0.06M)中に再度溶解し、撹拌した溶液へ酢酸を室温で滴下して添加し、pHをpH6へ調整した。混合物を10分間撹拌した後、NaCNBH(1.5当量)を導入した。18時間後、反応混合物のRP−HPLC分析によって、アミノアルデヒドが望ましい環状アミンへ完全に変換したことが確認された。導入したTHFおよびNaOH(50当量、2M水溶液)の等容積で、該反応物を希釈した。次に、反応混合物を90℃で10時間加熱した後、室温へ冷却した。THF/MeOHの容積を真空で減少させ、残渣をHCl水溶液(1M)で酸性化した後、EtOAcで(4回)抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮すると、生成物の塩酸塩を黄色の固体として生じた。自動RP−MS−HPLC(固定相:Waters XTERRA調製用C18カラム、5um、19×100mm。移動相:MeCN/0.1%TFAで緩衝したHO)により精製した。純粋な化合物を含有する画分を組み合わせ、凍結乾燥させると、表題化合物を白色粉末として生じた(40%)。H NMR(400MHz,DMSO−d+TFA,300K)δ1.12−1.15(m,1H),1.31−1.37(m,2H),1.53−1.56(m, 1H),1.67−1.75(m,2H),1.82−1.85(m,1H),1.93−1.98(m,3H),2.63−2.67(m,1H),3.04(br s,3H),3.65−3.78(m,4H),4.38−4.41(m,1H),4.79−4.83(m,1H),7.47−7.49(m,1H),7.66−7.68(m,2H),7.74(dd,J8.3,1H),7.92−7.95(m,2H),8.21(s,1H);MS(ES)m/z389(M+H)
【0091】
段階4:(2E)−3−(4−{[(1−{[(14−シクロヘキシル−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリル酸
実施例1の段階2および3と直接的に類似した方法で、(段階3からの14−シクロヘキシル−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸および実施例1の段階1からのエチル(2E)−3−(4−{[(1−アミノシクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリラートから出発して)実施した。H NMR(400MHz,DMSO−d+TFA,300K)δ1.05−1.17(m,2H),1.25−1.33(m,2H),1.52−1.54(m,1H),1.68−1.74(m,6H),1.87−1.96(m,3H),2.09−2.11(m,2H),2.34−2.36(m,2H),2.63−2.67(m,1H),3.02(br s,3H),3.40−3.51(m,1H),3.62−3.74(m,3H),4.35−4.38(m,1H),4.71−4.75(m,1H),6.33−6.37(d,J16.0,1H),7.45−7.47(m,2H),7.51−7.56(m,3H),7.63−7.65(m,4H),7.75−7.77(m,1H),7.85−7.88(m,1H),7.92(s,1H),8.15(s,1H),8.38(s,1H),9.69(s,1H),9.98(br s,1H);MS(ES)m/z645(M+H)
【実施例3】
【0092】
(2E)−3−{4−[({1−[({13−シクロヘキシル−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−イル}カルボニル)アミノ]シクロペンチル)カルボニル)アミノ]フェニル}アクリル酸
【0093】
段階1:メチル2−ブロモ−1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシラート
DMF中のメチル2−ブロモ−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシラートの溶液(0.2M)へ、NaH(1.4当量、鉱油中の60%分散液)を添加し、溶液を室温で1時間撹拌した。次に、tert−ブチルブロモアセテート(1.1当量)を添加し、混合物を室温で40分間撹拌した。RP−HPLC分析は、出発材料が存在せず、単一の主要生成物が形成されることを示した。DMFを真空で濃縮し、残渣をEtOAc中に取った。有機層をHO(2回)、次に塩水で洗浄した後、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を真空で蒸発させた。表題化合物を褐色の固体として得た(90%)。H NMR(400MHz、DMSO−d,300K)δ1.3−1.50(m,12H),1.65−1.80(m,3H),1.80−2.00(m,4H),2.85−2.95(m,1H),3.87(s,3H),5.1(s,2H),7.67(d,J8.4,1H),7.83(d,J8.4,1H),8.13(s,1H);MS(ES)m/z450(M+H),m/z452(M+H)
【0094】
段階2:メチル2−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}−1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシラート
ジオキサン中の(段階1からの)メチル2−ブロモ−1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシラートの溶液(0.15M)へ、NaCO(4当量、2M水溶液)、tert−ブチル[2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]カルバメート(1.5当量)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.2当量)を添加した。混合物を1時間還流加熱し、その時点で、RP−HPLC分析は、出発材料の完全な消費を示した。反応混合物をろ過した後、ろ液をEtOAcで希釈した。有機相をHO、塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させた後、ろ過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(BiotageカートリッジSi40M、0.8:9.2のEtOAc:PE)により、粗生成物を精製すると、表題化合物を白色固体として生じた(65%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.10−1.40(m,20H),1.50−1.90(m,8H),2.20−2.40(m,1H),3.87(s,3H),4.51−4.73(m,2H),7.10−7.22(m,2H),7.45−7.52(m,1H),7.65−7.71(m,2H),7.78−7.82(m,1H),7.86(d,J8.4,1H),8.10(s,1H);MS(ES)m/z563(M+H)
【0095】
段階3:メチル13−シクロヘキシル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボキシラート
DCM/HOの1:1の混合物中の(段階2からの)メチル2−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}−1−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシラートの溶液へ、TFAの大過剰量(200当量超)を添加し、溶液を40℃で10時間加熱した。RP−HPLC分析は、出発材料の完全な消費を示した。溶媒を真空で除去した。フラッシュクロマトグラフィー(BiotageカートリッジSi40M、4:6のEtOAc:PE)により、粗残渣を精製すると、表題化合物を白色固体として生じた(74%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.10−1.20(m,1H),1.30−1.55(m,3H),1.65−1.80(m,2H),1.81−1.95(m,1H),1.98−2.11(m,3H),2.80−2.92(m,1H),3.90(s,3H),4.54(d,J14.7,1H),5.08(d,J14.7,1H),7.29(d,J7.8,1H),7.38−7.42(m,1H),7.51−7.55(m,2H),7.69(d,J8.5,1H),7.97(m,J8.5 1H),8.28(s,1H),10.3(s,1H);MS(ES)m/z389(M+H)
【0096】
段階4:メチル13−シクロヘキシル−5−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボキシラート
DMF中の(段階3からの)メチル13−シクロヘキシル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボキシラートの溶液(0.15M)へ、NaH(1.4当量、鉱油中の60%分散液)を添加し、溶液を室温で45分間撹拌した。次に、2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド(1.1当量)を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した。RP−HPLC分析は、出発材料が存在せず、望ましい生成物が主要ピークとして存在することを示した。溶液をEtOAcで希釈し、1N HClで洗浄した。水性相をEtOAcで(3回)抽出し、組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を真空で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(BiotageカートリッジSi12M、9:1のEtOAc:PE)により粗生成物を精製すると、表題化合物を付与した(73%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.15−1.23(m,1H),1.35−1.48(m,2H),1.55−1.61(m,1H),1.70−1.77(m,2H),1.85−2.11(m,4H),2.46−2.51(m,DMSOピークによって部分的に不明瞭な1H),2.82(s,3H),2.90(s,3H),3.89(s,3H),4.42(d,J16.8,1H),4.49(d,J14.6,1H),4.66(d,J16.8,1H),5.20(d,J14.6,1H),7.42−7.49(m,2H),7.52−7.68(m,2H),7.69(d,J8.8,1H),7.96(d,J8.8,1H),8.29(s,1H);MS(ES)m/z474(M+H)
【0097】
段階5:メチル13−シクロヘキシル−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボキシラート
THF中の(段階4からの)メチル13−シクロヘキシル−5−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボキシラートの溶液(0.15M)へ、BH.MeS(20当量、THF中の2M溶液)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。RP−HPLC分析は、出発材料が存在せず、新たな単一主要生成物が形成されることを確認した。沸騰が弱まるまで、MeOH中の1.25N HClを添加することによって、溶液を注意深く反応停止した。次に、乾燥するまで混合物を沸騰させることによって、揮発性物質を蒸発させた。粗残渣を次の段階で直接使用した。MS(ES)m/z446(M+H)
【0098】
段階6:13−シクロヘキシル−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸
MeOH中の(段階5からの)メチル13−シクロヘキシル−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボキシラートの溶液(0.06M)へ、5当量の1N NaOHを添加した。溶液を60℃で5時間撹拌した時点で、RP−HPLC分析は、出発材料が存在せず、主要ピークとして生成物が形成されることを示した。溶媒を真空で蒸発させた。次に、調製用RP−HPLC(固定相:Waters XTERRA調製用C18カラム、5um、19×150mm。移動相:MeCN/0.1%TFAで緩衝したHO)により粗生成物を精製した。純粋な化合物を含有する画分を組み合わせ、凍結乾燥させると、表題化合物を黄色の粉末として(2段階を通じて)35%収率で生じた。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.15−1.55(m,4H),1.70−2.10(m,6H),2.46(s,6H),2.70−2.82(m,1H),3.00−3.20(m,3H),3.50−4.00(m,4H),4.70−4.85(br s,1H),7.25−7.38(m,3H),7.50(t,J7.2,1H),7.61(d,J8.4,1H),7.86(d,J8.4,1H), 8.12(s,1H),9.14(br s,1H),12.6(br s,1H);MS(ES)m/z432(M+H)
【0099】
段階7:(2E)−3−{4−[({1−[({13−シクロヘキシル−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−イル}カルボニル)アミノ]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]フェニル}アクリル酸
実施例1の段階2および3と直接的に類似した方法で、(段階6からの13−シクロヘキシル−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸および実施例1の段階1からのエチル(2E)−3−(4−{[(1−アミノシクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリラートから出発して)実施した。いずれの水性精密検査においても酸性洗浄を省略した。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.15−1.46(m,4H),1.60−1.90(m,8H),1.95−2.20(m,4H),2.30−2.40(m,2H),2.46(s,6H),2.75−2.85(m,1H),3.00−4.00(m,3H),3.50−4.00(m,水のピークによって部分的に不明瞭な5H),6.38(d,J16.0,1H),7.27−7.40(m,3H),7.50(d,J16,1H),7.48−7.52(m,1H),7.54−7.70(m,6H),7.81(d,J8.5,1H),8.18(s,1H),8.29(s,1H),9.14(br s,1H),9.67(s,1H),12.20(br s,1H);MS(ES)m/z688(M+H)
【実施例4】
【0100】
(2E)−3−{4−[({1−[({14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル}カルボニル)アミノ]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]フェニル}アクリル酸
実施例1の段階2および3と直接的に類似した方法で、((記述2からの)14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸および実施例1の段階1からのエチル(2E)−3−(4−{[(1−アミノシクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリラートから出発して)実施し、いずれの水性精密検査においても酸性洗浄を省略した。H NMR(400MHz,DMSO−d+TFA,300K)δ1.10−1.20(m,1H),1.25−1.40(m,2H),1.50−1.60(m,1H),1.65−1.85(m,7H),1.90−2.00(m,3H),2.11−2.16(m,2H),2.29−2.43(m,2H),2.50−2.70(m,1H),2.85(s,6H),3.38−3.50(m,1H),3.50−3.77(m,7H),4.40(d,J13.6,1H),4.77(m,1H),6.56(d,J16.0,1H),7.46−7.52(m,2H),7.55−7.60(m,2H),7.62−7.69(m,4H),7.80−7.91(m,3H),8.11(s,1H),8.43(s,1H),9.71(s,1H);MS(ES)m/z702(M+H)
【実施例5】
【0101】
(2E)−3−{4−[({1−[({(7R)−14−シクロヘキシル−7−[[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]−7,8−ジヒドロ−6H−インドロ[1,2−e][1,5]ベンゾキサゾシン−11−イル}カルボニル)アミノ]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]フェニル}アクリル酸
無水DMF中の(国際特許出願WO2006/04603、実施例9および12に記載のとおり調製した)(7R)−N−(11−カルボキシ−14−シクロヘキシル−7,8−ジヒドロ−6H−インドロ[1,2−e][1,5]ベンゾキサゾシン−7−イル)−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミニウムビス(トリフルオロアセテート)およびメチル(2E)−3−(4−{[(1−アミノシクロペンチル)カルボニル]−アミノ}フェニル)アクリラート(1.1当量、エチルエステルに関して実施例1の段階1に概略されるように調製)の溶液(0.14M)へ、DIPEA(6当量)およびHATU(1.5当量)を添加し、得られた混合物を室温で60時間撹拌したままにした。次に、混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO水溶液および塩水で抽出した。NaSO上で乾燥させた後、全ての揮発性物質を真空で蒸発させ、残留材料をTHF:MeOH:水(4:1:1)中に溶解し、水酸化リチウム一水和物(1.5当量)を添加した。混合物を40℃で3時間撹拌したままにした。次に、全ての揮発性物質を真空で蒸発させ、質量により誘導される調製用RP−HPLC(固定相:Waters XTERRA調製用C18カラム、5um、19×150mm。移動相:MeCN/0.1%TFAで緩衝したHO)によって、残留材料を精製した。生成物画分の凍結乾燥後、生成物を無色の粉末として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ1.15−1.56(m,5H),1.70−1.99(m,10H),2.07−2.14(m,2H),2.29−2.38(m,5H),2.65−2.74(m,6H),2.82−2.92(m,1H),3.03−3.26(m,4H),3.39(d,J7.13,1H),3.78−3.84(m,1H),4.02−4.08(m,1H);4.26−4.30(m,1H),4.60−4.64(m,1H),6.39(d,J15.9,1H),7.26−7.33(m,3H),7.48−7.66(m,6H),7.75−7.77(m,1H),7.80−7.83(m,1H),8.06(s,1H),8.36(s,1H),9.68(s,1H);MS(ES)m/z732.8(M+H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Arは、少なくとも1つの芳香環を含有する部分であり、N、OおよびSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を場合により含有する5−、6−、9−または10−環原子を有し、前記環は、Q基およびQ基によって場合により置換されており;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、CONR、(CH0−3NR、O(CH1−3NR、O(CH0−3CONR、O(CH0−3アリール、O(CH0−3ヘテロアリール、OCHRであり;
およびRは、水素、C1−4アルキルおよびC(O)C1−4アルキルから各々独立して選択され;
またはR、Rおよびそれらが結合する窒素原子は、4から7環原子の複素環式脂環を形成し、ここで前記環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
およびRは、水素およびC1−4アルコキシから各々独立して選択され;または
およびRは、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子によって連結されて4から7環原子の複素環式脂環を形成し、ここで前記環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
およびここで、前記C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびアリール基は、ハロゲンまたはヒドロキシによって場合により置換されており;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり、ここで前記C1−4アルキル基およびC1−4アルコキシ基は、ハロゲンまたはヒドロキシによって場合により置換されており;または
およびQは、単結合、またはN、OおよびSから選択されるヘテロ原子によって連結されて4から7個の原子の環を形成し、ここで前記環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
Aは、C3−6アルキルまたはC2−6アルケニルであり、または
Aは、3から8個の環原子の前記非芳香環であり、この非芳香環は、二重結合を含有し得および/またはO、S、SO、SOまたはNH部分を含有し得、または
Aは、4から8個の環原子の非芳香性二環式部分であり、および
Aは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
は、水素、C1−6アルキルまたはC2−6アルケニルであり;
は、水素またはC1−6アルキルであり;
Lは、
【化2】

(式中、RおよびRは、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニルまたはC1−4アルコキシから各々独立して選択され;または
およびRは、連結されてC3−8シクロアルキル基を形成し;
Bは、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されている、アリール、ヘテロアリール、CONRであり;
は、水素またはC1−6アルキルであり;または
は、Rおよび/またはRに連結されて5から10員環を形成し、ここで前記環は、飽和され、部分的に飽和されまたは不飽和であり得、およびここで前記環は、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
は、アリールまたはヘテロアリールであり;または
,Rおよびこれらが結合している窒素原子は、5から10員の単環式または二環式環系を形成し、ここで前記環は、飽和され、部分的に飽和されまたは不飽和であり得、およびここで前記環は、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
Dは、単結合、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、C2−6アルキニレン、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで前記アリールまたはヘテロアリールは、ハロゲン、C1−4アルキルまたはC2−4アルケニルによって場合により置換されている。)であり、
WおよびZは、単結合、C=O、O、S(O)0−2、−(CR1011)−(CR12130−1−およびNR10から独立して選択され;
XおよびYは、単結合、C=O、O、−CR1415−およびNR14から独立して選択され;
およびW、X、YおよびZのうちの0、1または2は、単結合であり;
10、R11、R12、R13、R14およびR15は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6アルコキシ、C(O)C1−6アルキル、Het、(CH0−3NR1617、C(O)(CH0−3NR1617、NHC(O)(CH0−3NR1617、O(CH1−3NR1617、S(O)0−2(CH0−31617およびC(O)(CH0−3OR16から各々独立して選択され;
Hetは、4から7環原子の複素環式脂環であり、前記環は、N、OまたはS、またはS(O)基、S(O)基、NH基またはNC1−4アルキル基から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し得;
16およびR17は、水素、C1−6アルキルおよび(CH0−4NR1819から独立して選択され;または
16、R17およびこれらが結合している窒素原子は、4から7個の環原子の複素環式脂環を形成し、前記環は、OもしくはSまたはS(O)基、S(O)基、NH基もしくはNC1−4アルキル基から選択される1個または2個のさらなるヘテロ原子を場合により含有し得、および前記環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されており;
18およびR19は、水素およびC1−6アルキルから独立して選択され;または
18、R19およびこれらが結合している窒素原子は、4から7個の環原子の複素環式脂環を形成し、前記環は、OもしくはSまたはS(O)基、S(O)基、NH基もしくはNC1−4アルキル基から選択される1個または2個のさらなるヘテロ原子を場合により含有し得、および前記環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されている。]の化合物および薬学的に許容できるその塩。
【請求項2】
Arが、N、OおよびSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を場合により含有する5員または6員の芳香環であり、前記環は、前述に定義されたように、Q基およびQ基によって場合により置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、C3−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC3−8シクロアルキルであり、ここでAは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシによって場合により置換されている、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、水素またはC1−4アルキルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、水素またはC1−4アルキルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
およびRが、シクロブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基を形成するために連結される、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Bが、ハロゲン、C1−4アルコキシによって場合により置換されている、CONRアリールであり、ここでRは、請求項1に定義されたとおりである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Dが、単結合またはエテニレンである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
Wが、単結合、C=O、−(CR1011)−(CR12130−1−またはNR10であり、ここで、R10、R11、R12およびR13は、請求項1に定義されたとおりである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Zが、単結合、C=O、O、−(CR1011)−(CR12130−1−またはNR10であり、ここで、R10、R11、R12およびR13は、請求項1に定義されたとおりである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Xが、C=O、−CR1415−またはNR14であり、ここで、R14およびR15は、請求項1に定義されたとおりである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
Yが、C=O、O、−CR1415−またはNR14であり、ここで、R14およびR15は、請求項1に定義されたとおりである、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
式(Ia)
【化3】

(式中、W、X、YおよびZは、請求項1に定義されたとおりである。)
の請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項14】
(2E)−3−(4−{[(1−{[(14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリル酸、
(2E)−3−(4−{[(1−{[(14−シクロヘキシル−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンチル)カルボニル]アミノ}フェニル)アクリル酸、
(2E)−3−{4−[({1−[({13−シクロヘキシル−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−イル}カルボニル)アミノ]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]フェニル}アクリル酸、
(2E)−3−{4−[({1−[({14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル}カルボニル)アミノ]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]フェニル}アクリル酸、
(2E)−3−{4−[({1−[({(7R)−14−シクロヘキシル−7−[[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]−7,8−ジヒドロ−6H−インドロ[1,2−e][1,5]ベンゾキサゾシン−11−イル}カルボニル)アミノ]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]フェニル}アクリル酸
から選択される、請求項1に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩。
【請求項15】
治療における使用のための、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項16】
ヒトまたは動物においてC型肝炎ウィルスによる感染の治療または予防のための医薬の製造のための請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用。
【請求項17】
薬学的に許容できる担体と合わせて、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物。
【請求項18】
抗ウィルス薬等のウィルス感染の治療のための1つ以上の他の薬剤、またはα−、β−もしくはγ−インターフェロン等の免疫調節薬をさらに含む、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
C型肝炎ウィルスポリメラーゼを阻害するおよび/またはC型肝炎ウィルスによる疾病を治療または予防する方法であり、前記疾病を罹患しているヒトまたは動物(好ましくは哺乳動物)の対象へ、請求項17または請求項18に記載の医薬組成物または請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の治療上または予防上有効量を投与することを包含する、前記方法。
【請求項20】
DMF等の適した溶媒中で、HATU等のカップリング剤およびジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下で、式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応により、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物を調製する方法。
【化4】

(式中、R、R、L、A、Ar、W、X、YおよびXは、請求項1に定義されたとおりである。)

【公表番号】特表2009−507816(P2009−507816A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529698(P2008−529698)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【国際出願番号】PCT/GB2006/050267
【国際公開番号】WO2007/029029
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー (90)
【Fターム(参考)】