説明

抗ウイルスヌクレオチド類似物としてのホスホネート基を有するピリミジン化合物

【課題】RNAまたはDNAウイルス(例えば、HIV、HBVまたはHSV)に対して抗ウイルス活性を有する新規化合物の提供。
【解決手段】式(I):


を有する新規化合物が提供されている:ここで、R、R、R、R、Z、Xおよび*は、本明細書中で定義されている。また、式(I)の化合物を使用する抗ウイルス方法およびそれを合成する方法が提供されている。他の目的は、イオン交換樹脂またはキラル媒体の調製で有用な化合物を提供することにある。さらに他の目的は、このような化合物を製造する中間体および方法を提供することにある。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(新規化合物および治療方法)
(発明の背景)
ホスホネート基を含有するアクリルヌクレオチド類似物は、例えば、米国特許第4,659,825号、第4,808,716号、第4,724,233号、第5,142,051号、第5,302,585号、第5,208,221号、第5,352,786号、第5,356,886号、EP公開番号第269,947号、第481,214号、第630,381号、第369、409号、第454、427号、第468,119号、第434,450号、第618,214号および第398,231号、およびWO 95/07920、WO 94/03467およびWO 96/33200で開示されている。これらの特許および刊行物の教示には、一般に、ピリミジンまたはプリン塩基のそれぞれ1−位置または9−位置で、2−(メトキシ)プロピル基、2−(メトキシ)エチル基、2−メトキシ−3−ヒドロキシプロピル基または2−メトキシ−3−フルオロプロピル基(これらは、それぞれ、PMP、PME、HPMPおよびFPMPプリンまたはピリミジン化合物として知られている)によって規定のプリンまたはピリミジン塩基にホスホネート基が連結された化合物が含まれる。これらの化合物は、抗ウイルス活性および細胞増殖抑制活性を示す。
【0002】
Daluge et al.(34th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy,Oct.4−7,1994)は、そのプリンの6位置をシクロプロピルアミノ、N−シクロプロピル−N−メチルアミノまたはN−アジリジニルで置換したカルボビル誘導体を開示している。
【0003】
Cihlar et al.,「Antimicrobial Agents and
Chemotherapy」 39(1):117−124(1995)は、N−アミノヘキシル−PMEDAPを開示している。
【0004】
Holy et al.,「ACS Symp.Ser.」 401:57−71(1989)およびHoly,「Kem.Ind.」 38(10):457−462(1989)は、ある種のN−置換ヌクレオチド類似物の抗ウイルス活性を記述している。
【0005】
さらに別のホスホネート置換ピリミジン類似物は、Holy et al.,「Collect.Czech.Chem.Commun.」 64:242−256(1999),Eger et al.、「J.Med.Chem.」 37:3057−3061(1994)、Wormstadt et al.,「J.Heterocyclic Chem.」 37:1187−1191(2000)およびFranchetti et al.,「Nucleosides & Nucleotides」 14(3−5):607−610(1995)で記述されている。後者の3つの刊行物は、2,4−二置換ピリミジンの6−N置換基を介したホスホネート含有側鎖を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明の目的は、特に、RNAまたはDNAウイルス(例えば、HIV、HBVまたはHSV)に対して抗ウイルス活性を有する新規化合物を提供することにある。
【0007】
他の目的は、イオン交換樹脂またはキラル媒体の調製で有用な化合物を提供することにある。
【0008】
さらに他の目的は、このような化合物を製造する中間体および方法を提供することにある。
【0009】
これらの目的および他の目的は、本明細書中の開示をさらに参照することより、さらに十分に理解される。
【0010】
本発明によれば、式(Iaa):
【0011】
【化35】

を有する新規化合物およびそれらの塩および溶媒和物が提供される:
ここで、
は、H、アミノ、メチルスルファニルである;
は、H、メチル、ハロ、−N(R、ヒドロキシまたは保護ヒドロキシである;
は、別個に、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、以下から選択される:
(i)C〜C10アルキル、
(ii)C〜C10アルケニル、または
(iii)C〜C10アルキニル、
(iv)C〜Cシクロアルキル、
(v)アリール、
(vi)ヘテロアリール、
(vii)C〜C14アリールアルキル、
(viii)ヘテロアリールアルキル、
(ix)−CHOH、
(x)−CHOR
(xi)−CHC(O)R
(xii)−CH
(xiii)−CHOC(O)R
(xiv)−CHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xv)−CHNR10
(xvi)−CHCN、
(xvii)−CO
(xviii)−CHCHOH、
(xix)−CHCHOR
(xx)−CHCHOC(O)R
(xxi)−CHCHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xxii)−CHSH、
(xxiii)−C(O)H、
(xxiv)−CHCO
(xxv)−CHSOH、
(xxvi)−CHCHSOH、
(xxvii)−CHCHPO
(xxviii)−CHCHOCHPO
(xxix)−CHOPO
(xxx)−OCHPO
(xxxi)−OH、
(xxxii)−OR10
(xxxiii)−NH
(xxxiv)−NR1112
(xxxv)−SH、
(xxxvi)−SR
(xxxvii)−SCN、
(xxxviii)−N
(xxxix)−CN、
(xl)−CONR1112
(xli)−CHCONR1112
(xlii)−NHOH、
(xliii)−NHOR
(xliv)−NO、
(xlv)−NO
(xlvi)−NHNR1112
(xlvii)2−ハロビニル、
(xlviii)3,3,3−トリフルオロプロペニル、
(xlix)C〜C10 2−(アルコキシカルボニル)エテニル、
(l)2−カルボキシエテニル、
(li)2−シアノエテニル、
(lii)ジフルオロメチル、
(liii)トリフルオロメチル、
(liv)2,2,2−トリフルオロエチル、
(lv)2−ハロエチル、および
(lvi)−CH
Xは、別個に、酸素、硫黄または結合である;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;
は、別個に、H、C〜C10アルキルまたは保護基である;
は、F、Cl、BrまたはIである;
は、未保護またはN−保護a−アミノ酸のいずれかの側鎖である;
は、Hまたは−C(O)CH(R)(NH)である;
およびR10は、別個に、H、C〜C10アルキル、カルボキシアルキル、アミノアルキルおよびC〜C10アルケニルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない;
11およびR12は、別個に、H、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC〜C12アリールアルキルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない。
【0012】
本発明によれば、式(I):
【0013】
【化36】

を有する新規化合物が提供される:
ここで、
*は、キラル炭素原子を表わす;そして
は、H、アミノ、メチルスルファニルである;
は、H、メチル、ハロ、−N(R、ヒドロキシまたは保護ヒドロキシである;
は、別個に、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、以下から選択される:
(i)C〜C10アルキル、
(ii)C〜C10アルケニル、または
(iii)C〜C10アルキニル、
(iv)C〜Cシクロアルキル、
(v)アリール、
(vi)ヘテロアリール、
(vii)C〜C14アリールアルキル、
(viii)ヘテロアリールアルキル、
(ix)−CHOH、
(x)−CHOR
(xi)−CHC(O)R
(xii)−CH
(xiii)−CHOC(O)R
(xiv)−CHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xv)−CHNR10
(xvi)−CHCN、
(xvii)−CO
(xviii)−CHCHOH、
(xix)−CHCHOR
(xx)−CHCHOC(O)R
(xxi)−CHCHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xxii)−CHSH、
(xxiii)−C(O)H、
(xxiv)−CHCO
(xxv)−CHSOH、
(xxvi)−CHCHSOH、
(xxvii)−CHCHPO
(xxviii)−CHCHOCHPO
(xxix)−CHOPO
(xxx)−OCHPO
(xxxi)−OH、
(xxxii)−OR10
(xxxiii)−NH
(xxxiv)−NR1112
(xxxv)−SH、
(xxxvi)−SR
(xxxvii)−SCN、
(xxxviii)−N
(xxxix)−CN、
(xl)−CONR1112
(xli)−CHCONR1112
(xlii)−NHOH、
(xliii)−NHOR
(xliv)−NO、
(xlv)−NO
(xlvi)−NHNR1112
(xlvii)2−ハロビニル、
(xlviii)3,3,3−トリフルオロプロペニル、
(xlix)C〜C10 2−(アルコキシカルボニル)エテニル、
(l)2−カルボキシエテニル、
(li)2−シアノエテニル、
(lii)ジフルオロメチル、
(liii)トリフルオロメチル、
(liv)2,2,2−トリフルオロエチル、
(lv)2−ハロエチル、および
(lvi)−CH
Xは、別個に、酸素、硫黄または結合である;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;
は、別個に、H、C〜C10アルキルまたは保護基である;
は、F、Cl、BrまたはIである;
は、未保護またはN−保護a−アミノ酸のいずれかの側鎖である;
は、Hまたは−C(O)CH(R)(NH)である;
およびR10は、別個に、H、C〜C10アルキル、カルボキシアルキル、アミノアルキルおよびC〜C10アルケニルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない;
11およびR12は、別個に、H、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC〜C12アリールアルキルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない。
【0014】
本発明の代表的な化合物には、RおよびRがNHであり、R=Hであり、X=Oであり、そしてR=CH、CN、CH=O、COHである式Iおよび式Iaaの化合物が挙げられる。
【0015】
これらの目的は、式(I):
【0016】
【化37】

および式(Iaa)の化合物を調製する方法により、達成される:
ここで、
、R、R、R、X、Z、Rおよび*は、上で定義している;
該方法は、双極性非プロトン性溶媒中で、塩基の存在下にて、式(II):
【0017】
【化38】

の化合物と式(III):
【0018】
【化39】

の化合物とを反応させて、式(I)の化合物を得る工程を包含し、ここで、Zは、エステルまたはアミドである:
ここで、
およびRは、上で定義している;
は、H、メチル、ハロ、−N(R、ヒドロキシまたは保護ヒドロキシである;そして
Xは、OまたはSである;
ここで、
Zは、エステルまたはアミドである;
*は、RがHではないとき、キラル炭素原子を表わす;
は、H、メチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;そして
Yは、脱離基である;
(b)Z基の一方または両方は、変換されて、式(I)の化合物を生成し、ここで、少なくとも1個のZは、ヒドロキシである。
【0019】
本発明の他の実施態様では、式(I)および式(Iaa)の化合物を調製する方法が提供され、ここで、
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、−N(Rである;
は、別個に、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、上で定義したとおりであり、そしてアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ホルミル(−CHO)、アジド(−N)、アミノ(−NH)、アルキルアミノ(−NR)、ヒドロキシル(−OH)、アルコキシ(−OR)、シアノ(−CN)、カルボキシル(−COOH)、アミド(−NRC(O)Rまたはアルコキシカルボニルアルキルを含む;
Xは、酸素または硫黄である;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;
は、別個に、H、C〜Cアルキルまたは保護基である;そして
*は、RがHではないとき、キラル炭素原子を表わす;
該方法は、化合物(IV):
【0020】
【化40】

とアミンHN(Rとを反応させる工程を包含する:
ここで、化合物(IV)は、置換基を含む:
は、H、メチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
Xは、OまたはSである;そして
Zは、アミドまたはエステルである。
【0021】
Z基の一方または両方は、必要に応じて、式(I)の化合物に変換され、ここで、少なくとも1個のZは、ヒドロキシである。
【0022】
他の実施態様では、式(V):
【0023】
【化41】

の化合物を調製する方法が提供される:
ここで:
は、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、別個に、H、C〜Cアルキルまたは保護基である;
Xは、酸素または硫黄である;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;そして
*は、RがHではないとき、キラル炭素原子を表わす;
該方法は、化合物(IVa):
【0024】
【化42】

と、無水溶媒中のN(R、水溶液中の水酸化アルカリまたは炭酸アルカリとを反応させる工程を包含し、そしてZは、必要に応じて、式(I)の化合物に変換され、ここで、1個または2個のZ基は、ヒドロキシである:
他の実施態様では、式(VI):
【0025】
【化43】

の化合物を調製する方法が提供される:
ここで、
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;そして
*は、RがHではないとき、キラル炭素原子を表わす;
該方法は、塩基の存在下にて、式(VII):
【0026】
【化44】

の化合物と式(VIII):
【0027】
【化45】

の化合物とを反応させる工程を包含する:
ここで、
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
ここで、Zは、アミドまたはエステルである。必要に応じて、一方または両方のZ基は、変換されて、ヒドロキシを生成する。
【0028】
本発明の他の実施態様では、式(XIII):
【0029】
【化46】

の化合物を調製する方法が提供される:
ここで、
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
*は、RがHではないとき、キラル炭素原子を表わす;
は、H、クロロ、ヒドロキシまたはアミノである;
は、H、メチル、ハロメチルまたはヒドロキシメチルである;
は、上で定義したとおりである;そして
Zは、アミドまたはエステルである;
該方法は、(a)塩基の存在下にて、溶媒なしでまたは非プロトン性溶媒の存在下にて、式(IX):
【0030】
【化47】

の化合物と式(X):
【0031】
【化48】

の化合物とを反応させて、式(XI):
【0032】
【化49】

の化合物を生成する工程:
ここで、
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、H、クロロまたはアミノ;
ここで、
は、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
*は、RがHではないとき、キラル炭素原子を表わす;
は、ヒドロキシまたは保護ヒドロキシである;
またはRおよびRは、環状アセタールまたはケタール保護基で結合される;
は、H、アミノまたはメチルスルファニル;
*は、RがHではないとき、キラル炭素原子を表わす;
は、H、クロロまたはアミノである;
は、H、メチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチル;および
(b)塩基の存在下にて、ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフラン中で、化合物(XI)と式(XII):
【0033】
【化50】

の化合物とを反応させて、式(XIII)の化合物を生成する工程を包含する:
ここで、
Yは、脱離基である;
Zは、アミドまたはエステルである;および
(c)必要に応じて、式(XIII)中のZ基を加水分解して、式(VI)の化合物を生成する工程であって、ここで、1個または2個のZ基は、ヒドロキシであり、そしてXは、酸素原子である。
【0034】
本発明の他の実施態様では、式(I)の化合物を調製する方法が提供され、ここで、
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、上で定義したとおりである;
Xは、酸素である;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;そして
*は、RがHではないとき、キラル炭素原子を表わす;
該方法は、不活性溶媒中にて、式(VI)の化合物と元素ハロゲンとを反応させて、式(I)の化合物を生成する工程を包含し、ここで、
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
Zは、別個に、エステルである;そして
*は、RがHではないとき、キラル炭素原子を表わす。
【0035】
必要に応じて、一方または両方のZ基は、ヒドロキシに変換される。
【0036】
本発明のさらに他の目的は、HIV、HBVまたはHSV感染を含めた病気を治療の必要を必要とする患者に式(I)の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する方法により、達成される。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
式(I):
【化1】


の化合物およびそれらの塩および溶媒和物であって、
ここで、
*は、キラル炭素原子を表わす;
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、H、メチル、ハロ、−N(R、ヒドロキシまたは保護ヒドロキシである;
は、別個に、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、以下:
(i)C〜C10アルキル、
(ii)C〜C10アルケニル、または
(iii)C〜C10アルキニル、
(iv)C〜Cシクロアルキル、
(v)アリール、
(vi)ヘテロアリール、
(vii)C〜C14アリールアルキル、
(viii)ヘテロアリールアルキル、
(ix)−CHOH、
(x)−CHOR
(xi)−CHC(O)R
(xii)−CH
(xiii)−CHOC(O)R
(xiv)−CHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xv)−CHNR10
(xvi)−CHCN、
(xvii)−CO
(xviii)−CHCHOH、
(xix)−CHCHOR
(xx)−CHCHOC(O)R
(xxi)−CHCHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xxii)−CHSH、
(xxiii)−C(O)H、
(xxiv)−CHCO
(xxv)−CHSOH、
(xxvi)−CHCHSOH、
(xxvii)−CHCHPO
(xxviii)−CHCHOCHPO
(xxix)−CHOPO
(xxx)−OCHPO
(xxxi)−OH、
(xxxii)−OR10
(xxxiii)−NH
(xxxiv)−NR1112
(xxxv)−SH、
(xxxvi)−SR
(xxxvii)−SCN、
(xxxviii)−N
(xxxix)−CN、
(xl)−CONR1112
(xli)−CHCONR1112
(xlii)−NHOH、
(xliii)−NHOR
(xliv)−NO、
(xlv)−NO
(xlvi)−NHNR1112
(xlvii)2−ハロビニル、
(xlviii)3,3,3−トリフルオロプロペニル、
(xlix)C〜C10 2−(アルコキシカルボニル)エテニル、
(l)2−カルボキシエテニル、
(li)2−シアノエテニル、
(lii)ジフルオロメチル、
(liii)トリフルオロメチル、
(liv)2,2,2−トリフルオロエチル、
(lv)2−ハロエチル;および
(lvi)−CH
から選択される;
Xは、別個に、酸素、硫黄または結合である;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;
は、別個に、H、C〜C10アルキルまたは保護基である;
は、F、Cl、BrまたはIである;
は、未保護またはN−保護a−アミノ酸のいずれかの側鎖である;
は、Hまたは−C(O)CH(R)(NH)である;
およびR10は、別個に、H、C〜C10アルキル、カルボキシアルキル、アミノアルキルおよびC〜C10アルケニルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない;そして
11およびR12は、別個に、H、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC〜C12アリールアルキルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない、
化合物およびそれらの塩および溶媒和物。
(項目2)
およびRが、アミノであり、そしてXが、酸素である、項目1に記載の化合物。
(項目3)
およびRが、同時に、アミノであり、Rが、メチルであり、Xが、酸素であり、そしてRの立体配置が、(R)である、項目1に記載の化合物。
(項目4)
およびRが、同時に、アミノであり、Rが、ヒドロキシメチルであり、Xが、酸素であり、そしてRの立体配置が、(R)である、項目1に記載の化合物。
(項目5)
およびRが、同時に、アミノであり、そしてXが、硫黄である、項目1に記載の化合物。
(項目6)
が、アミノであり、Rが、ヒドロキシであり、そしてXが、酸素である、項目1に記載の化合物。
(項目7)
結晶性である、項目1に記載の化合物。
(項目8)
キラル炭素で実質的に純粋な鏡像異性体である、項目1に記載の化合物。
(項目9)
(R)立体配置である、項目8に記載の化合物。
(項目10)
(S)立体配置である、項目8に記載の化合物。
(項目11)
式(Iaa):
【化2】


の化合物およびそれらの塩および溶媒和物であって、
ここで、
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、H、メチル、ハロ、−N(R、ヒドロキシまたは保護ヒドロキシである;
は、別個に、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、以下:
(i)C〜C10アルキル、
(ii)C〜C10アルケニル、または
(iii)C〜C10アルキニル、
(iv)C〜Cシクロアルキル、
(v)アリール、
(vi)ヘテロアリール、
(vii)C〜C14アリールアルキル、
(viii)ヘテロアリールアルキル、
(ix)−CHOH、
(x)−CHOR
(xi)−CHC(O)R
(xii)−CH
(xiii)−CHOC(O)R
(xiv)−CHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xv)−CHNR10
(xvi)−CHCN、
(xvii)−CO
(xviii)−CHCHOH、
(xix)−CHCHOR
(xx)−CHCHOC(O)R
(xxi)−CHCHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xxii)−CHSH、
(xxiii)−C(O)H、
(xxiv)−CHCO
(xxv)−CHSOH、
(xxvi)−CHCHSOH、
(xxvii)−CHCHPO
(xxviii)−CHCHOCHPO
(xxix)−CHOPO
(xxx)−OCHPO
(xxxi)−OH、
(xxxii)−OR10
(xxxiii)−NH
(xxxiv)−NR1112
(xxxv)−SH、
(xxxvi)−SR
(xxxvii)−SCN、
(xxxviii)−N
(xxxix)−CN、
(xl)−CONR1112
(xli)−CHCONR1112
(xlii)−NHOH、
(xliii)−NHOR
(xliv)−NO、
(xlv)−NO
(xlvi)−NHNR1112
(xlvii)2−ハロビニル、
(xlviii)3,3,3−トリフルオロプロペニル、
(xlix)C〜C10 2−(アルコキシカルボニル)エテニル、
(l)2−カルボキシエテニル、
(li)2−シアノエテニル、
(lii)ジフルオロメチル、
(liii)トリフルオロメチル、
(liv)2,2,2−トリフルオロエチル、
(lv)2−ハロエチル;および
(lvi)−CH
から選択される;
Xは、別個に、酸素、硫黄または結合である;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;
は、別個に、H、C〜C10アルキルまたは保護基である;
は、F、Cl、BrまたはIである;
は、未保護またはN−保護a−アミノ酸のいずれかの側鎖である;
は、Hまたは−C(O)CH(R)(NH)である;
およびR10は、別個に、H、C〜C10アルキル、カルボキシアルキル、アミノアルキルおよびC〜C10アルケニルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない;そして
11およびR12は、別個に、H、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC〜C12アリールアルキルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない、
化合物およびそれらの塩および溶媒和物。
(項目12)
およびRが、アミノであり、Rが、水素であり、そしてXが、酸素である、項目11に記載の化合物。
(項目13)
およびRが、同時に、アミノであり、Rが、水素であり、そしてXが、硫黄である、項目11に記載の化合物。
(項目14)
が、アミノであり、Rが、ヒドロキシであり、Rが、水素であり、そしてXが、酸素である、項目11に記載の化合物。
(項目15)
薬学的に受容可能な賦形剤と項目1に記載の化合物とを含有する、組成物。
(項目16)
式(I):
【化3】


の化合物を調製する方法であって、
該方法は、双極性非プロトン性溶媒中で、塩基の存在下にて、式(II):
【化4】


の化合物と式(III):
【化5】


の化合物とを反応させる工程を包含し、
ここで、Yは、脱離基である;
ここで、*は、キラル炭素原子を表わす;
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、H、メチル、ハロ、−N(R、ヒドロキシ、保護ヒドロキシまたは式(Ia):
【化6】


の基である;
は、別個に、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、以下:
(i)C〜C10アルキル、
(ii)C〜C10アルケニル、または
(iii)C〜C10アルキニル、
(iv)C〜Cシクロアルキル、
(v)アリール、
(vi)ヘテロアリール、
(vii)C〜C14アリールアルキル、
(viii)ヘテロアリールアルキル、
(ix)−CHOH、
(x)−CHOR
(xi)−CHC(O)R
(xii)−CH
(xiii)−CHOC(O)R
(xiv)−CHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xv)−CHNR10
(xvi)−CHCN、
(xvii)−CO
(xviii)−CHCHOH、
(xix)−CHCHOR
(xx)−CHCHOC(O)R
(xxi)−CHCHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xxii)−CHSH、
(xxiii)−C(O)H、
(xxiv)−CHCO
(xxv)−CHSOH、
(xxvi)−CHCHSOH、
(xxvii)−CHCHPO
(xxviii)−CHCHOCHPO
(xxix)−CHOPO
(xxx)−OCHPO
(xxxi)−OH、
(xxxii)−OR10
(xxxiii)−NH
(xxxiv)−NR1112
(xxxv)−SH、
(xxxvi)−SR
(xxxvii)−SCN、
(xxxviii)−N
(xxxix)−CN、
(xl)−CONR1112
(xli)−CHCONR1112
(xlii)−NHOH、
(xliii)−NHOR
(xliv)−NO、
(xlv)−NO
(xlvi)−NHNR1112
(xlvii)2−ハロビニル、
(xlviii)3,3,3−トリフルオロプロペニル、
(xlix)C〜C10 2−(アルコキシカルボニル)エテニル、
(l)2−カルボキシエテニル、
(li)2−シアノエテニル、
(lii)ジフルオロメチル、
(liii)トリフルオロメチル、
(liv)2,2,2−トリフルオロエチル、
(lv)2−ハロエチル、および
(lvi)−CH
から選択される;
Xは、OまたはSである;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;
は、別個に、H、C〜C10アルキルまたは保護基である;
は、F、Cl、BrまたはIである;
は、未保護またはN−保護a−アミノ酸のいずれかの側鎖である;
は、Hまたは−C(O)CH(R)(NH)である;
およびR10は、別個に、H、C〜C10アルキル、カルボキシアルキル、アミノアルキルおよびC〜C10アルケニルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない;そして
11およびR12は、別個に、H、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC〜C12アリールアルキルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない、
方法。
(項目17)
さらに、式(I)の得られた化合物を単離する工程を包含する、項目16に記載の方法。
(項目18)
Zが、エステルまたはアミドであり、さらに、一方または両方のZ基を加水分解して式(I)の化合物を生成する工程を包含し、ここで、少なくとも1個のZが、ヒドロキシである、項目16に記載の方法。
(項目19)
Zが、(ORであり、そしてRが、イソプロピルである、項目16に記載の方法。
(項目20)
が、メチルであり、そしてYが、p−トルエンスルホニルオキシまたはブロモである、項目16に記載の方法。
(項目21)
式(Iaa):
【化7】


の化合物を調製する方法であって、
該方法は、双極性非プロトン性溶媒中で、塩基の存在下にて、式(II):
【化8】


の化合物と式(III):
【化9】


の化合物とを反応させる工程を包含する:
ここで、Yは、脱離基である;
ここで、
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、H、メチル、ハロ、−N(R、ヒドロキシ、保護ヒドロキシまたは式(Ia):
【化10】


の基である;
は、別個に、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、以下:
(i)C〜C10アルキル、
(ii)C〜C10アルケニル、または
(iii)C〜C10アルキニル、
(iv)C〜Cシクロアルキル、
(v)アリール、
(vi)ヘテロアリール、
(vii)C〜C14アリールアルキル、
(viii)ヘテロアリールアルキル、
(ix)−CHOH、
(x)−CHOR
(xi)−CHC(O)R
(xii)−CH
(xiii)−CHOC(O)R
(xiv)−CHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xv)−CHNR10
(xvi)−CHCN、
(xvii)−CO
(xviii)−CHCHOH、
(xix)−CHCHOR
(xx)−CHCHOC(O)R
(xxi)−CHCHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xxii)−CHSH、
(xxiii)−C(O)H、
(xxiv)−CHCO
(xxv)−CHSOH、
(xxvi)−CHCHSOH、
(xxvii)−CHCHPO
(xxviii)−CHCHOCHPO
(xxix)−CHOPO
(xxx)−OCHPO
(xxxi)−OH、
(xxxii)−OR10
(xxxiii)−NH
(xxxiv)−NR1112
(xxxv)−SH、
(xxxvi)−SR
(xxxvii)−SCN、
(xxxviii)−N
(xxxix)−CN、
(xl)−CONR1112
(xli)−CHCONR1112
(xlii)−NHOH、
(xliii)−NHOR
(xliv)−NO、
(xlv)−NO
(xlvi)−NHNR1112
(xlvii)2−ハロビニル、
(xlviii)3,3,3−トリフルオロプロペニル、
(xlix)C〜C10 2−(アルコキシカルボニル)エテニル、
(l)2−カルボキシエテニル、
(li)2−シアノエテニル、
(lii)ジフルオロメチル、
(liii)トリフルオロメチル、
(liv)2,2,2−トリフルオロエチル、
(lv)2−ハロエチル、および
(lvi)−CH
から選択される;
Xは、OまたはSである;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;
は、別個に、H、C〜C10アルキルまたは保護基である;
は、F、Cl、BrまたはIである;
は、未保護またはN−保護a−アミノ酸のいずれかの側鎖である;
は、Hまたは−C(O)CH(R)(NH)である;
およびR10は、別個に、H、C〜C10アルキル、カルボキシアルキル、アミノアルキルおよびC〜C10アルケニルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない;そして
11およびR12は、別個に、H、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC〜C12アリールアルキルから選択されるか、または両者が一緒になって環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない、
方法。
(項目22)
式(I):
【化11】


の化合物を調製するための方法であって、
ここで、式(I)のRは、−N(Rである;
該方法は、式(IV):
【化12】


の化合物とアミンHN(Rとを反応させる工程を包含する:
ここで:
*は、キラル炭素原子を表わす;
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、別個に、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、以下:
(i)C〜C10アルキル、
(ii)C〜C10アルケニル、または
(iii)C〜C10アルキニル、
(iv)C〜Cシクロアルキル、
(v)アリール、
(vi)ヘテロアリール、
(vii)C〜C14アリールアルキル、
(viii)ヘテロアリールアルキル、
(ix)−CHOH、
(x)−CHOR
(xi)−CHC(O)R
(xii)−CH
(xiii)−CHOC(O)R
(xiv)−CHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xv)−CHNR10
(xvi)−CHCN、
(xvii)−CO
(xviii)−CHCHOH、
(xix)−CHCHOR
(xx)−CHCHOC(O)R
(xxi)−CHCHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xxii)−CHSH、
(xxiii)−C(O)H、
(xxiv)−CHCO
(xxv)−CHSOH、
(xxvi)−CHCHSOH、
(xxvii)−CHCHPO
(xxviii)−CHCHOCHPO
(xxix)−CHOPO
(xxx)−OCHPO
(xxxi)−OH、
(xxxii)−OR10
(xxxiii)−NH
(xxxiv)−NR1112
(xxxv)−SH、
(xxxvi)−SR
(xxxvii)−SCN、
(xxxviii)−N
(xxxix)−CN、
(xl)−CONR1112
(xli)−CHCONR1112
(xlii)−NHOH、
(xliii)−NHOR
(xliv)−NO、
(xlv)−NO
(xlvi)−NHNR1112
(xlvii)2−ハロビニル、
(xlviii)3,3,3−トリフルオロプロペニル、
(xlix)C〜C10 2−(アルコキシカルボニル)エテニル、
(l)2−カルボキシエテニル、
(li)2−シアノエテニル、
(lii)ジフルオロメチル、
(liii)トリフルオロメチル、
(liv)2,2,2−トリフルオロエチル、
(lv)2−ハロエチル、および
(lvi)−CH
から選択される;
Xは、OまたはSである;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;そして
は、別個に、H、C〜Cアルキルまたは保護基である、
方法。
(項目23)
さらに、一方または両方のZ基を加水分解して式(I)の化合物を生成する工程を包含し、ここで、一方または両方のZが、ヒドロキシである、項目22に記載の方法。
(項目24)
式(Iaa):
【化13】


の化合物の調製のための方法であって、
ここで、式(I)のRは、−N(Rである;
該方法は、式(IV):
【化14】


の化合物とアミンHN(Rとを反応させる工程を包含する:
ここで:
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、別個に、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、以下:
(i)C〜C10アルキル、
(ii)C〜C10アルケニル、または
(iii)C〜C10アルキニル、
(iv)C〜Cシクロアルキル、
(v)アリール、
(vi)ヘテロアリール、
(vii)C〜C14アリールアルキル、
(viii)ヘテロアリールアルキル、
(ix)−CHOH、
(x)−CHOR
(xi)−CHC(O)R
(xii)−CH
(xiii)−CHOC(O)R
(xiv)−CHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xv)−CHNR10
(xvi)−CHCN、
(xvii)−CO
(xviii)−CHCHOH、
(xix)−CHCHOR
(xx)−CHCHOC(O)R
(xxi)−CHCHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xxii)−CHSH、
(xxiii)−C(O)H、
(xxiv)−CHCO
(xxv)−CHSOH、
(xxvi)−CHCHSOH、
(xxvii)−CHCHPO
(xxviii)−CHCHOCHPO
(xxix)−CHOPO
(xxx)−OCHPO
(xxxi)−OH、
(xxxii)−OR10
(xxxiii)−NH
(xxxiv)−NR1112
(xxxv)−SH、
(xxxvi)−SR
(xxxvii)−SCN、
(xxxviii)−N
(xxxix)−CN、
(xl)−CONR1112
(xli)−CHCONR1112
(xlii)−NHOH、
(xliii)−NHOR
(xliv)−NO、
(xlv)−NO
(xlvi)−NHNR1112
(xlvii)2−ハロビニル、
(xlviii)3,3,3−トリフルオロプロペニル、
(xlix)C〜C10 2−(アルコキシカルボニル)エテニル、
(l)2−カルボキシエテニル、
(li)2−シアノエテニル、
(lii)ジフルオロメチル、
(liii)トリフルオロメチル、
(liv)2,2,2−トリフルオロエチル、
(lv)2−ハロエチル、および
(lvi)−CH
から選択される;
Xは、OまたはSである;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;そして
は、別個に、H、C〜Cアルキルまたは保護基である、
方法。
(項目25)
式(V):
【化15】


の化合物の調製のための方法であって、
ここで:
は、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、以下:
(i)C〜C10アルキル、
(ii)C〜C10アルケニル、または
(iii)C〜C10アルキニル、
(iv)C〜Cシクロアルキル、
(v)アリール、
(vi)ヘテロアリール、
(vii)C〜C14アリールアルキル、
(viii)ヘテロアリールアルキル、
(ix)−CHOH、
(x)−CHOR
(xi)−CHC(O)R
(xii)−CH
(xiii)−CHOC(O)R
(xiv)−CHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xv)−CHNR10
(xvi)−CHCN、
(xvii)−CO
(xviii)−CHCHOH、
(xix)−CHCHOR
(xx)−CHCHOC(O)R
(xxi)−CHCHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xxii)−CHSH、
(xxiii)−C(O)H、
(xxiv)−CHCO
(xxv)−CHSOH、
(xxvi)−CHCHSOH、
(xxvii)−CHCHPO
(xxviii)−CHCHOCHPO
(xxix)−CHOPO
(xxx)−OCHPO
(xxxi)−OH、
(xxxii)−OR10
(xxxiii)−NH
(xxxiv)−NR1112
(xxxv)−SH、
(xxxvi)−SR
(xxxvii)−SCN、
(xxxviii)−N
(xxxix)−CN、
(xl)−CONR1112
(xli)−CHCONR1112
(xlii)−NHOH、
(xliii)−NHOR
(xliv)−NO、
(xlv)−NO
(xlvi)−NHNR1112
(xlvii)2−ハロビニル、
(xlviii)3,3,3−トリフルオロプロペニル、
(xlix)C〜C10 2−(アルコキシカルボニル)エテニル、
(l)2−カルボキシエテニル、
(li)2−シアノエテニル、
(lii)ジフルオロメチル、
(liii)トリフルオロメチル、
(liv)2,2,2−トリフルオロエチル、
(lv)2−ハロエチル、および
(lvi)−CH
から選択される;
は、別個に、H、C〜Cアルキルまたは保護基である;
Xは、OまたはSである;
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;そして
*は、キラル炭素原子を表わす;
該方法は、化合物(IVa):
【化16】


と、無水溶媒中のN(R、水溶液中の水酸化アルカリまたは炭酸アルカリとを反応させる工程を包含する、方法。
(項目26)
式(V):
【化17】


の化合物の調製のための方法であって、
ここで:
は、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、以下:
(i)C〜C10アルキル、
(ii)C〜C10アルケニル、または
(iii)C〜C10アルキニル、
(iv)C〜Cシクロアルキル、
(v)アリール、
(vi)ヘテロアリール、
(vii)C〜C14アリールアルキル、
(viii)ヘテロアリールアルキル、
(ix)−CHOH、
(x)−CHOR
(xi)−CHC(O)R
(xii)−CH
(xiii)−CHOC(O)R
(xiv)−CHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xv)−CHNR10
(xvi)−CHCN、
(xvii)−CO
(xviii)−CHCHOH、
(xix)−CHCHOR
(xx)−CHCHOC(O)R
(xxi)−CHCHOC(O)CH(R)(NHR)、
(xxii)−CHSH、
(xxiii)−C(O)H、
(xxiv)−CHCO
(xxv)−CHSOH、
(xxvi)−CHCHSOH、
(xxvii)−CHCHPO
(xxviii)−CHCHOCHPO
(xxix)−CHOPO
(xxx)−OCHPO
(xxxi)−OH、
(xxxii)−OR10
(xxxiii)−NH
(xxxiv)−NR1112
(xxxv)−SH、
(xxxvi)−SR
(xxxvii)−SCN、
(xxxviii)−N
(xxxix)−CN、
(xl)−CONR1112
(xli)−CHCONR1112
(xlii)−NHOH、
(xliii)−NHOR
(xliv)−NO、
(xlv)−NO
(xlvi)−NHNR1112
(xlvii)2−ハロビニル、
(xlviii)3,3,3−トリフルオロプロペニル、
(xlix)C〜C10 2−(アルコキシカルボニル)エテニル、
(l)2−カルボキシエテニル、
(li)2−シアノエテニル、
(lii)ジフルオロメチル、
(liii)トリフルオロメチル、
(liv)2,2,2−トリフルオロエチル、
(lv)2−ハロエチル、および
(lvi)−CH
から選択される;
は、別個に、H、C〜Cアルキルまたは保護基である;
Xは、OまたはSである;そして
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである;そして
該方法は、化合物(IVa):
【化18】


と、無水溶媒中のN(R、水溶液中の水酸化アルカリまたは炭酸アルカリとを反応させる工程を包含する、方法。
(項目27)
式(VI):
【化19】


の化合物を調製する方法であって、
該方法は、塩基の存在下にて、式(VII):
【化20】


の化合物と式(VIII):
【化21】


の化合物とを反応させる工程を包含する:
ここで、
*は、キラル炭素原子を表わす;
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ホルミル(−CHO)、アジド(−N)、アミノ(−NH)、アルキルアミノ(−NR)、ヒドロキシル(−OH)、アルコキシ(−OR)、シアノ(−CN)、カルボキシル(−COOH)、アミド(−NRC(O)Rまたはアルコキシカルボニルアルキルである;そして
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである、
方法。
(項目28)
さらに、Z基を加水分解して式(VI)の化合物を生成する工程を包含し、ここで、1個または2個のZ基が、ヒドロキシである、項目27に記載の方法。
(項目29)
式(VI):
【化22】


の化合物を調製する方法であって、
該方法は、塩基の存在下にて、式(VII):
【化23】


の化合物と式(VIII):
【化24】


の化合物とを反応させる工程を包含する:
ここで、
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ホルミル(−CHO)、アジド(−N)、アミノ(−NH)、アルキルアミノ(−NR)、ヒドロキシル(−OH)、アルコキシ(−OR)、シアノ(−CN)、カルボキシル(−COOH)、アミド(−NRC(O)Rまたはアルコキシカルボニルアルキルである;そして
Zは、別個に、ヒドロキシ、エステルまたはアミドである、
方法。
(項目30)
式(XIII):
【化25】


の化合物を調製する方法であって、
該方法は、(a)塩基の存在下にて、溶媒なしでまたは非プロトン性溶媒の存在下にて、式(IX):
【化26】


の化合物と式(X):
【化27】


の化合物とを反応させて式(XI):
【化28】


の化合物を生成する工程:
および(b)塩基の存在下にて、ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフラン中で、化合物(XI)と式(XII):
【化29】


の化合物とを反応させて、式(XIII)の化合物を生成する工程を包含する:
ここで、
*は、キラル炭素原子である;
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、H、クロロ、ヒドロキシまたはアミノである;
は、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ホルミル(−CHO)、アジド(−N)、アミノ(−NH)、アルキルアミノ(−NR)、ヒドロキシル(−OH)、アルコキシ(−OR)、シアノ(−CN)、カルボキシル(−COOH)、アミド(−NRC(O)Rまたはアルコキシカルボニルアルキルである;
は、ヒドロキシまたは保護ヒドロキシである;またはRおよびRは、環状アセタールまたはケタール保護基により結合される;
Yは、脱離基である;そして
Zは、ヒドロキシ、アミドまたはエステルである、
方法。
(項目31)
さらに、Z基を加水分解して式(XIII)の化合物を生成する工程を包含し、ここで、1個または2個のZ基が、ヒドロキシルである、項目30に記載の方法。
(項目32)
式(XIII):
【化30】


の化合物を調製する方法であって、
該方法は、(a)塩基の存在下にて、溶媒なしでまたは非プロトン性溶媒の存在下にて、式(IX):
【化31】


の化合物と式(X):
【化32】


の化合物とを反応させて、式(XI):
【化33】


の化合物を生成する工程:
および(b)塩基の存在下にて、ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフラン中で、化合物(XI)と式(XII):
【化34】


の化合物とを反応させて、式(XIII)の化合物を生成する工程を包含する:
ここで、
は、H、アミノまたはメチルスルファニルである;
は、H、クロロ、ヒドロキシまたはアミノである;
は、H、メチル、ヒドロキシメチル、ハロメチルまたは保護ヒドロキシメチルである;
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ホルミル(−CHO)、アジド(−N)、アミノ(−NH)、アルキルアミノ(−NR)、ヒドロキシル(−OH)、アルコキシ(−OR)、シアノ(−CN)、カルボキシル(−COOH)、アミド(−NRC(O)Rまたはアルコキシカルボニルアルキルである;
は、ヒドロキシまたは保護ヒドロキシである;またはRおよびRは、環状アセタールまたはケタール保護基で結合される;
Yは、脱離基である;そして
Zは、ヒドロキシ、アミドまたはエステルである、
方法。
(項目33)
ウイルス感染を治療するための方法であって、そのような治療を必要とする患者に、項目1に記載の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
(項目34)
前記ウイルスが、DNAウイルスである、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記ウイルスが、レトロウイルスまたはヘパドナウイルスである、項目34に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、実施例1〜9の試験化合物の抗ウイルス活性を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(発明の詳細な説明)
本発明の置換基変数には、本明細書で特に明記しない限り、米国特許第5952375号、2〜8欄で記述された置換基変数を含める。下付きおよび上付き文字は、交換可能かつ等価であると見なされ解釈される。慣例に従って、下付きは、置換基の数を示す。
【0039】
特に明記しない限り、本明細書中で使用する「アルキル」とは、分枝、直鎖または環状の飽和炭化水素を意味し、これには、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、イソプロピル、n−、sec−、iso−およびtert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、ネオペンチおよびt−ペンチルが挙げられる。
【0040】
「置換アルキル」、「置換アリール」および「置換アリールアルキル」とは、それぞれ、1個またはそれ以上の水素原子をそれぞれ別個に置換基で置換したアルキル、アリールおよびアリールアルキルを意味する。典型的な置換基には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:−X、−R、−O、−OR、−SR、−S、−NR、−NR、=NR、−CX、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO、=N、−N、NC(=O)R、−C(=O)R、−C(=O)NRR −S(=O)、−S(=O)OH、−S(=O)R、−OS(=O)OR、−S(=O)NR、−S(=O)R、−OP(=O)ORR−P(=O)ORR、−P(=O)(O、−P(=O)(OH)、−C(=O)R、−C(=O)X、−C(S)R、−C(O)OR、−C(O)O、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(S)SR、−C(O)NRR、−C(S)NRR、−C(NR)NRRであって、ここで、各Xは、別個に、ハロゲン:F、Cl、BrまたはIである;そして各Rは、別個に、−H、アルキル、アリール、複素環、保護基またはプロドラッグ部分である。アルキレン基、アルケニレン基およびアルキニレン基もまた、同様に置換され得る。
【0041】
本明細書中で使用する「複素環」には、限定ではなく例として、Paquette、Leo A.;「Principles of Modern Heteroctclic
Chemistry」(W.A.Benjamin、New York、1968)、particularly Chapters 1、3、4、6、7、and 9;「The Chemistry of Heteroctclic Compounds、A
series of Monographs」(John Wiley & Sons、New York、1950から現在)、特に、Volumes 13、14、16、19、and 28;およびJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566で記述された複素環が挙げられる。
【0042】
複素環の例には、限定ではなく例として、ピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアンフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チエニル、チアンスレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキシチニル、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、オキシンドリル、ベンゾキサゾリニルおよびイサチノイルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
限定ではなく例として、炭素結合複素環は、ピリジンの2、3、4、5または6位置、ピリダジンの3、4、5または6位置、ピリミジンの2、4、5または6位置、ピラジンの2、3、5または6位置、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールまたはテトラヒドロピロールの2、3、4または5位置、オキサゾール、イミダゾールまたはチアゾールの2、4または5位置、イソオキサゾール、ピラゾールまたはイソチアゾールの3、4または5位置、アジリジンの2または3位置、アゼチジンの2、3または4位置、キノリンの2、3、4、5、6、7または8位置、またはイソキノリンの1、3、4、5、6、7または8位置で、結合される。さらに典型的には、炭素結合複素環には、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリルまたは5−チアゾリルが挙げられる。
【0044】
限定ではなく例として、窒素結合複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位置、イソインドールまたはイソインドリンの2位置、モルホリンの4位置、およびカルバゾールまたはβ−カルボリンの9位置で、結合される。さらに典型的には、窒素結合複素環には、1−アジリジル、1−アゼテジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリルおよび1−ピペリジニルが挙げられる。
【0045】
式IおよびIaの化合物は、非対称炭素原子を含有し得、それゆえ、純粋な鏡像異性体、鏡像異性体の混合物またはラセミ化合物として、存在できる。本発明は、その範囲内に、これらの形状の全てを含む。本明細書中で使用する「R」および「S」立体配置との用語は、IUPAC 1974 Recommendations for Section E,Fundamental Stereochemistry.Pure.Appl.Chem.(1976)45,13−30で規定されたとおりである。
【0046】
本明細書中で使用する「C〜C10アルキル」とは、1個〜10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖アルキルラジカルを意味し、これには、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2、3−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、2、2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用する「アルケニル」とは、炭素−炭素二重結合を含有するC〜C直鎖または分枝炭素鎖を意味し、これには、ビニル、アリル、プロペニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用する「アルキニル」との用語は、炭素−炭素三重結合を含有するC〜C直鎖または分枝炭素鎖を意味し、これには、エチニル、プロピニル、ブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用する「アルコキシ」との用語は、−OR13を意味し、ここで、R13は、C〜C10アルキル基である。本明細書中で使用する「カルボキシアルキル」との用語は、C〜C10アルキルラジカルに付加されたカルボン酸基(−COOH)を意味する。本明細書中で使用する「アルコキシカルボニル」との用語は、−C(O)R14を意味し、ここで、R14は、アルコキシ基である。本明細書中で使用する「アミノアルキル」とは、C〜C10アルキルラジカルに付加されたアミノ基を意味する。本明細書中で使用する「ハロ」または「ハロゲン」との用語は、Cl、Br、FまたはIを意味する。本明細書中で使用する「アルキルアミノ」との用語は、−NHR15を意味し、ここで、R15は、C〜C10アルキル基を意味する。本明細書中で使用する「ジアルキルアミノ」との用語は、−NR1617を意味し、ここで、R16およびR17は、別個に、C〜C10アルキルから選択されるか、または両方が一緒になって、環を形成し、該環には、ヘテロ原子が関与しているかまたは関与していない。「天然に存在するアミノ酸のいずれかの側鎖」との用語は、天然に存在するアミノ酸のb−炭素で付加された官能基を意味し
、これには、水素、メチル、イソプロピル、ヒドロキシメチル、ベンジルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用する「アラルキルC〜C12」との用語は、置換アリールメチルまたは2−アリールエチル基を意味する。本明細書中で使用する「アリール」との用語は、フェニルまたはナフチル基を意味する。本明細書中で使用する「ヘテロアリール」との用語は、複素環基を意味し、これは、アリール基と比較したとき、類似の構造および類似の特性を有する。それに加えて、ヘテロアリールは、異なる原子を含有し得、アリール基と同じ配列で同じ全電子または価電子を有する限り、必ずしも同数の原子を含有し得ない。ヘテロアリール基には、ピロール、ピロリジン、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリン、ピペリジン、モルホリン、1,3−ジオキソランまたは1,4−ジオキサンなどにおけるCHまたはCH基からの水素抽出により誘導された置換基が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用する「ヘテロアリールアルキル」とは、炭素原子によりC〜Cアルキルに連結された複素環基を意味する。本明細書中で使用する「N−保護基」との用語は、合成手順中にて望ましくない反応に対して炭素原子を保護する目的の基を意味し、これには、ホルミル、アセチル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、トリフルオロエトキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)またはベンゾイル基、または有機合成の当業者に公知の他の窒素保護基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
は、典型的には、Hまたはメチルであるが、ヒドロキシメチル(典型的には、(R)鏡像異性体を実質的に含まない(S)立体配置(>90%Sおよび<10%R))またはハロメチルであり得る。もし、Rがメチルまたはハロメチルであるなら、その炭素は、(2S)立体配置を実質的に含まない(2R)立体配置であり得る。例えば、ハロメチルは、フルオロメチルであり得る。
【0048】
以下でさらに記述するように、Zは、適当には、ヌクレオチドホスホネートと併用することが従来知られている任意のエステルまたはアミドである。Zは、エステルであるとき、構造ORを有する。Rは、通常、それ自体抗ウイルス活性を有する化合物中にて、Hである(すなわち、Zは、ヒドロキシである)ものの、下記の他のRエステル基は、保護基として、またはプロドラッグ実施態様のプロ官能基として、適当である。
【0049】
Zは、望ましくない反応に対して本発明の化合物を保護することが望ましいとき、またはその目的がこの化合物のインビボプロドラッグを提供することであるとき、エステルまたはアミドである。そうでなければ、Zは、OHである。
【0050】
これらのエステルまたはアミドは、Z=OHである本発明の化合物の合成における保護中間体として、有用である。この実施態様では、エステルまたはアミドの選択は、関与している反応の性質に依存して、重要ではあり得ない。必要なのは、合成においてこれが望ましい工程までZ置換基が除去されないことであり、もし、理論的な根拠からこれが明らかではないなら、それは、基礎的な実験により、容易に決定できる。例えば、エステルは、特に、アルキル化に対してホスホネート水酸基を保護するのに使用される。
【0051】
Zがプロドラッグ官能基として供されるとき、このエステルまたはアミドは、インビボで、このホスホネートから除去される。適当なプロドラッグエステルまたはアミデートは、必要に応じて、前駆体加水分解が望ましい細胞内で発見されると予想されるエステラーゼおよび/またはカルボキシペプチダーゼの基質特異性に基づいて、選択される。これらの酵素の特異性が未知である程度まで、所望の基質特異性が発見されるまで、本発明の複数のヌクレオチド類似物をスクリーニングする。一般に、(i)上部消化管において加水分解されないか比較的にゆっくりと加水分解される化合物、(ii)消化管および細胞に浸透性である化合物および(iii)細胞質および/または体循環において加水分解される化合物を選択する。特定の組織に由来の細胞でのスクリーニングは、標的ウイルスまたは微生物感染を受けやすい臓器で放出される前駆体(例えば、例えば、肝臓の場合、肝臓において加水分解できる前駆体薬剤)を確認するのに使用される。他の感染(例えば、CMVまたはHIV)は、必要に応じて、全ての組織において実質的に同じ速度および実質的に同じ程度で加水分解される前駆体で、治療される。これらの目的には、当該技術分野で公知のアッセイが適当であり、これには、腸管腔安定性、細胞浸透性、肝臓ホモジネート安定性および血漿安定性アッセイが挙げられる。これらのアッセイは、これらの前駆体のバイオアベイラビリティー特性を決定するのに、使用される。
【0052】
エステルおよびアミド置換基Zの典型例は、WO95/07920、WO98/04569およびEP 481214 A1で見られる。これらの刊行物(およびこのような刊行物で示されている優先順序)で記述されている任意のエステルまたはアミド属および種は、本明細書中のZ基として、使用できる。
【0053】
通常、両方のZは、ヒドロキシルであるか、または両方共にエステルおよび/またはアミドであり、すなわち、典型的には、2個または0個のZ基は、ヒドロキシである。一般に、いずれのZもOHではないとき、Zは、アミドであり、そして一方は、エステルである。天然に存在するアミノ酸を備えたアミドおよびフェニルを備えたエステルは、代表的なものである。アミノ酸Z基の遊離カルボキシルは、C〜Cアルキルでエステル化され得る。
【0054】
一般に、Zは、抗ウイルス目的に直接使用される化合物において、ヒドロキシであり、すなわち、このような化合物は、このエステルまたはアミドのインビボ加水分解のためのいずれの要件もなしで、使用される。
【0055】
ヒドロキシルの保護基には、アセタール、ケタールまたはC〜Cアルキルが挙げられる。アミノに典型的な保護基には、トリチルがある。他の通常の保護基は、公知である(Greene et al.、「Protecting Groups in Organic Synthesis、2nd Ed.1991,pp.10−142 and
309−405)。
【0056】
(用途)
本発明の化合物は、ウイルスの治療に有用であるか、またはこのような化合物の調製における中間体として有用である。治療するか本発明の化合物の感受性について試験する代表的なウイルス感染には、DNAまたはRNAウイルスにより引き起こされる感染(例えば、ヘルペスウイルス(CMV、HSV 1、HSV 2、EBV、水痘帯状疱疹ウイルス[VZV]、1型ボビドヘルペスウイルス、1型ウマヘルペスウイルス、HHV−6、パピローマウイルス(HPV型1−55(発癌性HPVを含めて))、フラビウイルス(黄熱病ウイルス、アフリカブタ発熱ウイルスおよび日本脳炎ウイルスを含めて)、トガウイルス(ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルスを含めて)、インフルエンザウイルス(A〜C型)、レトロウイルス(HIV−1、HIV−2、HTLV−I、HTLV−II、SIV、FeLV、FIV、MoMSV)、アデノウイルス(1〜8型)、ポックスウイルス(ワクシニアウイルス)、エンテロウイルス(1〜3型ポリオウイルス、コクサッキー、A型肝炎ウイルスおよびECHOウイルス)、胃腸炎ウイルス(ノーウォークウイルス、ロタウイルス)、ハンタウイルス(Hantaanウイルス)、ポリオーマウイルス、パポバウイルス、ライノウイルス、1〜4型パラインフルエンザウイルス、狂犬病ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、肝炎ウイルスA、B、CおよびEなど)が挙げられる。
【0057】
本発明の化合物には、ヘルペスウイルス、ヘパドナウイルスおよびHIVに治療に有効な化合物が挙げられ、ここで、R=NHであり、R=NHまたはOHであり、X=Oであり、そしてR=Hまたはメチルである。本発明の化合物の他の抗ウイルス活性は、当業者が理解するように、酵素阻害アッセイ、組織培養アッセイ、動物モデルアッセイなどを使用する抗ウイルス活性の通常のアッセイにより、決定される。
【0058】
本発明の新規化合物はまた、それ自体有用であるか、または多種多様な診断用途、治療用途および工業用途を有する重合体の治療における中間体として有用である。
【0059】
本発明の化合物は、不純な混合物から化合物を吸収するのに有用な特性を有する置換基を持ったアフィニティー吸収媒体を調製するための中間体として、適当である。これらは、同じ置換基(例えば、ホスホネートまたはアミノ)を含む他のイオン交換媒体と同じ様式で、調製され使用される。例えば、本明細書中の化合物のホスホネート基は、不溶性マトリックスに共有結合され、その複素環ベース上の遊離のRアミノ置換基は、イオン交換部位として、供される。あるいは、この複素環ベースアミノ基は、このマトリックスに連結され、次いで、この遊離ホスホネート基は、正に荷電した分子のクロマトグラフィー吸収で有用である。本明細書中の化合物の他の固定化実施態様は、本発明の化合物が結合し得るタンパク質(例えば、酵素)(例えば、輸送タンパク質)を精製する際に有用である(Cihlar(上記)を参照)。
【0060】
本発明の化合物を不溶性マトリックス(例えば、高分子樹脂)に取り込む適当な方法は、当業者に容易に明らかとなる。本明細書中の化合物は、そのピリミジンアミノまたは水酸基を不溶性マトリックスに共有結合的に架橋することにより、固定化できる。同様に、本発明の化合物は、従来公知の共有結合剤を使用して、このマトリックスまたは樹脂にホスホネート基またはヒドロキシメチルR基のヒドロキシを結合することにより、不溶性樹脂に取り込まれる。適当な連結方法は、Cihlar(上記)で記述されている。
【0061】
本発明の化合物はまた、(前の段落で述べたアフィニティー部分それ自体として機能することとは対照的に)、アフィニティー吸収マトリックスを調製する際に、架橋剤またはスペーサとして、有用である。本明細書中の化合物は、非常に多数の官能基を含有し、これらは、架橋する所望の物質に対して、部位として適当である。不溶性基質にアフィニティー試薬(例えば、ホルモン、ペプチド、抗体、酵素、薬剤など)を連結することは、従来行われている。これらの不溶化試薬は、製造された製剤、診断試料および他の不純混合物から物質を吸収するために、公知の様式で、使用される。同様に、固定化した酵素は、生成物から酵素を容易に分離しつつ、触媒変換を実行するのに使用される。
【0062】
ある実施態様では、本発明の化合物が不溶性マトリックスに架橋される必要はない。例えば、それらは、溶解性診断試薬を調製する際に、検出可能基を分析物に連結するのに使用できる。
【0063】
本発明の化合物で見られる置換基を使用して架橋する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、このホスホン酸は、アルコールとのエステルまたはアミンとのアミドを形成するのに使用される。同様に、このピリミジンで見られるアミノ、ハロ、ヒドロキシおよび他の反応部位は、必要な場合、この架橋試薬を組み立てている間に、使用される。一般に、本発明の化合物は、ホスホン酸を介して連結パートナーの水酸基またはアミノ基に連結することにより使用され、そして本発明の化合物の他の置換基を介して、他の結合パートナーに共有結合される。例えば、第一結合パートナー(例えば、ステロイドホルモン)は、本発明のホスホン酸にエステル化され、次いで、この抱合体は、Rヒドロキシメチルを介して、臭化シアン活性化Sepharoseに架橋され、それにより、固定化されたステロイドが得られる。抱合のための他の化学反応は、周知である。例えば、Maggio、「Enzyme−Immunoassay」(CRC、1988、pp 71−135)およびそこで引用された参考文献を参照。
【0064】
(医薬処方)
本発明の化合物およびそれらの生理学的に受容可能な塩および溶媒和物(以下、総称して、活性成分と呼ぶ)は、治療する病気に適当な任意の経路による投与のために、処方される。これらの化合物および処方は、好ましくは、無菌である。
【0065】
これらの活性成分は、医薬処方に入れられる。獣医学用途およびヒト用途の両方のための処方は、上で規定した少なくとも1種の活性成分、および必要に応じて、1種またはそれ以上の受容可能な担体、および必要に応じて、他の治療成分を含有する。この担体は、この処方の他の成分と相溶性であり受容者に対して有害ではないという意味で、「受容可能」でなければならない。
【0066】
これらの処方は、単位剤形で提供され、そして薬学分野で周知の方法のいずれかにより、調製され得る。一般に、これらの処方は、その活性成分を液状担体または細かく分解された固体担体またはそれらの両方に均一かつ密接に結合することにより、次いで、もし必要なら、その生成物を成形することにより、調製される。
【0067】
経口投与に適当な本発明の処方は、別個の単位(例えば、カプセル剤、カシュ剤または錠剤であって、各々は、所定量の活性成分を含有する)として;粉末または顆粒として;水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液として;または水中油型液状乳濁液または油中水型液状乳濁液として、調製され得る。この活性成分はまた、巨丸剤、舐剤またはペーストとして、提供され得る。
【0068】
目または他の外部組織(例えば、口および皮膚)の外部感染には、これらの処方は、例えば、0.075〜20重量%の量の活性成分(0.1%と20%の間の範囲で0.1重量%ずつで増やした活性成分(例えば、0.6重量%、0.7重量%など)を含めて、典型的には、0.2〜15重量%、最も典型的には、0.5〜10重量%)を含有する局所軟膏またはクリームとして、塗布され得る。軟膏に処方されるとき、これらの活性成分は、パラフィンまたは水混和性のいずれかの軟膏基剤と併用され得る。あるいは、これらの活性成分は、水中油型クリーム基剤を備えたクリームに処方され得る。
【0069】
もし望ましいなら、このクリーム基剤の水相は、例えば、少なくとも30重量%の多価アルコール(すなわち、2個またはそれ以上の水酸基を有するアルコール(例えば、グリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG 400を含めて)およびそれらの混合物))を含有し得る。これらの局所処方は、望ましくは、皮膚または他の患部への活性成分の吸収または浸透を高める化合物を含有し得る。このような皮膚浸透向上剤の例には、ジメチルスルホキシドおよび関連した類似物が挙げられる。
【0070】
本発明の乳濁液の油相は、公知の様式で、公知の成分から構成され得る。この相は、乳濁液単独、または少なくとも1種の乳濁液と脂肪またはオイルまたは脂肪とオイルの両方との混合物を含有し売る。親水性乳濁液は、親油性乳濁液と共に含有され得、安定剤として作用する。本発明の処方で使用するのに適当な乳濁液安定剤には、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリルおよびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。適当なオイルまたは脂肪には、直鎖または分枝鎖の一塩基性または二塩基性アルキルエステル(例えば、ココナッツ脂肪酸のジ−イソアジピン酸エステル、イソセチルステアリン酸エステル、プロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチルまたはパルミチン酸2−エチルヘキシル)が挙げられる。これらは、必要な特性に依存して、単独で、または組み合わせて、使用され得る。あるいは、高融点脂質(例えば、白色軟質パラフィンおよび/または液状パラフィン)または他の鉱油は、使用できる。
【0071】
目への局所投与に適当な処方には、また、点眼液(ここで、活性成分は、適当な担体(特に、活性成分用の水性溶媒)に溶解または懸濁されている)が挙げられる。この活性成分は、典型的には、このような処方中にて、0.01〜20重量%の濃度で、存在している。
【0072】
鼻内投与に適当な処方(ここで、その担体は、固体である)には、例えば、20〜500ミクロンの範囲の粒径(5ミクロンずつ増やして20ミクロンと500ミクロンの範囲の範囲(例えば、30ミクロン、35ミクロンなど))を有する粗い粉末が挙げられ、これは、その粉末の容器から、鼻孔を通って、迅速吸入により、投与される。例えば、鼻内スプレーまたは点鼻液として投与するにのに適当な処方(ここで、その担体は、液体である)には、この活性成分の水溶液または油性溶液が挙げられる。エアロゾル投与に適当な処方は、通常の方法に従って調製され得、そして他の治療薬(例えば、ニューモシスティス肺炎を治療するためのペンタミジン)と共に送達され得る。
【0073】
膣内投与に適当な処方は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー処方として提供され得、これは、この活性成分に加えて、適当であることが当該技術分野で公知の担体を含有する。
【0074】
非経口投与に適当な処方には、水性および非水性の無菌注射溶液(これらは、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤および溶質(これらは、その処方を目的受容者の血液と等張性にする)を含有し得る);および水性および非水性無菌懸濁液(これらは、懸濁剤および増粘剤を含有し得る)が挙げられる。これらの処方は、単位用量または多用量容器(例えば、密封したアンプルおよびバイアル)として、提供され得、そして凍結乾燥状態(これは、使用直前に、無菌液状担体(例えば、注射用の水)を加えることだけが必要である)で保存され得る。即席注射溶液および懸濁液は、先に記述した種類のものの無菌粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。剤形処方は、本明細書中で列挙したように、活性成分の毎日用量または単位毎日サブ用量、またはそれらの適当な部分を含有し得る。
【0075】
本発明は、さらに、獣医学組成物を提供し、これは、上で規定した少なくとも1種の活性成分と獣医学用担体とを含有する。獣医学用担体には、その組成物を投与するための組成物があり、これらは、その活性成分と相溶性である固形、液状または気体状物質である。これらの獣医学用組成物は、経口的、非経口的、または任意の他の所望の経路により、投与され得る。
【0076】
本明細書中の化合物は、必要に応じて、徐放医薬処方で使用され、これは、活性成分として、1種またはそれ以上の活性化合物を含有し、ここで、この活性成分の放出は、それほど頻繁ではない投薬ができるように、または所定化合物の薬理学的または毒性プロフィールを改善するように、制御され調節される。一般に、これらの化合物は、徐放系(例えば、WO 92/14450または米国特許第5,098,443号のインプラント、あるいは米国特許第4,740,365号または米国特許第5,141,752号のマトリックス)から投与される。多くの他のものは、公知であり、ここで使用するのに適当である。
【0077】
(治療的投与)
適当な投与経路には、経口、直腸、鼻内、局所(眼内、口内および舌下を含めて)、膣内および非経口(皮下、筋肉内、硝子体内、静脈内、皮内、くも膜下腔内および硬膜外を含めて)が挙げられる。好ましい投与経路は、臨床医に既知の要件のうち、患者の状態、その化合物の毒性および感染部位に依存している。
【0078】
上述の治療適応症の各々について、活性成分(これは、上で規定した)の必要量は、多数の要因に依存しており、これには、治療する病気の重症度、感染剤(その使用が予防的であるか、または急性の感染を治療するためか)、感染部位または病理部位および他の要因が挙げられ、最終的に、担当医または獣医の自由裁量である。しかしながら、一般に、臨床医が考慮する適当な用量は、インビトロ試験での効力の差を考慮しつつ、類似のメトキシホスホネート(上記参照)の範囲であり、一般に、0.1〜250mg/受容者の体重1kg/用量(0.5mg/Kg/用量ずつ増やして、0.1mg/Kg/用量と400mg/Kg/用量の間の範囲(例えば、2.5mg/Kg/用量、3.0mg/Kg/用量、3.5mg/Kg/用量など)を含めて)、典型的には、0.5〜50mg/受容者の体重1kg/用量、最も普通には、1〜300mg/受容者の体重1kg/用量の範囲である。
【0079】
望ましい用量は、単位剤形で、通常、比較的に高い誘導用量および低くそれほど頻繁ではない維持用量と共に、適当な間隔で、投与される。これらの化合物はまた、例えば、ウイルス感染の約1〜7日前に投与することにより、予防的に使用される。HPV腫瘍またはその成長およびヘルペス外傷は、しばしば、局所注射、または局所ゲル、軟膏などのいずれかにより、局所的に治療される。
【0080】
本発明の化合物は、上述の感染または病気を治療または予防するために、他の治療薬と併用される。このような他の治療薬の例には、ウイルス感染の治療または予防に有効である薬剤が挙げられる。これらには、NRTIs、3’アジド−3’デオキシチミジン(ジドブジン、AZT)、2’デオキシ−3’−チアシチジン(3TC)、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロチミジン(D4T)、カルボビル(炭素環式2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドログアノシン)、アバカビル(ABC)、2’,3’−ジデオキシイノシン(ddI)、ジダノシン、2’,3’−ジデオキシシチジン(ddc、ザルシタビン)、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシウリジン、(E)−5−(2−ブロモビニル)−2’−デオキシウリジン(BVDU)、2−クロロ−2’−デオキシアデノシン、2−デオキシコホルマイシン、5−フルオロウラシル、フルオロウリジン、5−フルオロ−2’−デオキシウリジン、5−トリフルオロメチル−2’−デオキシウリジン、6−アザウリジン、5−フルオロオロト酸、メトトレキセート、トリアセチルウリジン、1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−1−β−D−アラビノシル)−5−ヨードシチジン(FIAC)、テトラヒドロイミダゾ(4,5,1−jk)−(1,4)−ベンゾジアゼピン−2(1H)−チオン(TIBO)または他の非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(例えば、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、ダパリビンなど)、タンパク質分解酵素阻害剤(例えば、サキナビル、インジナビル、リトノビル、アンプレナビルなど)、2’−ノルサイクリックGMP、6−メトキシプリンアラビノシド(アラ−M)、6−メトキシプリンアラビノシド2’−O−吉草酸塩、シトシンアラビノシド(アラ−C)、非環式ヌクレオシド(例えば、アシクロビル、バラシクロビル、ペニシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル)、非環式ヌクレオチド類似物(例えば、HPMPC、PMEA、PMEG、PMPA、PMPDAP、FPMPA、HPMPAおよびHPMPDAP)、(2R,5R)−9−[テトラヒドロ−5−(ホスホノメトキシ)−2−フラニル]アデニン、(2R,5R)−1−[テトラヒドロ−5−(ホスホノメトキシ)−2−フラニル]チミン、他の抗ウイルス薬(リバビリン(アデニンアラビノシド)、2−チオ−6−アザウリジン、ツベルシジン、アウリントリカルボン酸、3−デアザネオプラノシン、ネオプラノシン、リマンチジン、アダマンチン、フォスカーネット(ホスホノギ酸三ナトリウム)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
(合成方法)
式(I)に入る化合物は、NaH、CsCOまたはDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン)の存在下にて、双極性非プロトン性溶媒(通常、DMF)中で、対応する6−ヒドロキシピリミジン塩基を2−クロロエトキシメチルホスホン酸ジアルキル(または他のR基を生じるその類似物)でアルキル化することにより、続いて、必要に応じて、例えば、ブロモトリメチルシランで脱保護し引き続いて加水分解することにより、合成される。使式(I)の生成物は、種々の量の対応するN1−異性体、すなわち、2,4−二置換1−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]ピリミジン−6−オンの形成を伴う。それは、ブロモトリメチルシラン処理の前に、中性ジエステルとして、クロマトグラフィーにより除去できる。
【0082】
式(I)の化合物を調製する他の方法は、無水溶媒(例えば、エタノール)、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩(水中)にて第一級または第二級アミンと反応させることによる2−置換4−クロロ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン誘導体(およびそのR類似物)の変換を包含する。この反応は、例えば、1,3,5−トリアゾール、イミダゾールにより、または有利には、DABCO(ジアゾビシクロオクタン)で触媒できる。次いで、これらの保護基は、例えば、ブロモトリメチルシラン処理および加水分解により、除去される。
【0083】
式(I)の化合物はまた、2,4−二置換6−ハロゲンピリミジンと2−ヒドロキシエチルホスホン酸ジアルキルのナトリウムアルコキシド(または他のR基を生じるその類似物)との反応に続いて、必要に応じて、脱保護することにより、得ることができる。この手順の有利な点は、必要なO6−異性体のみを形成することにある。適当な合成手順の選択は、出発物質として使用される複素環ピリミジン誘導体の利用可能性に依存している。
【0084】
式(I)の化合物はまた、NaHの存在下での2,4−二置換6−(2−ヒドロキシアルキル)ピリミジンとp−トルエンスルホニルオキシメチルホスホン酸ジアルキルまたはブロモメチルホスホン酸ジアルキルとの反応により、得ることができる。これらの出発物質は、塩基の存在下にて、適当な6−クロロピリミジンを保護または未保護ジオールで処理することにより、調製される。
【0085】
式(I)の化合物は、さらに、そのピリミジン環での様々な位置での置換により、得ることができる。
【0086】
Z基アミドまたはエステルは、加水分解により、ヒドロキシルに変換される。
【0087】
モノエステルは、DMF中にてリチウムまたはナトリウムアジドで処理することにより、そのジエステルまたはジ−およびモノエステルの混合物から容易に入手できる(A.Holy、「Synthesis 1998」 381−385(1998))。
【0088】
全ての引用例の内容は、本明細書中で参考として援用されている。本発明は、以下の実施例を参照して、さらに十分に理解される。
【実施例】
【0089】
(実施例1:5−アリル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン)
【0090】
【化51】

5−アリル−2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン(0.66g、4mmol)をトルエンと共に蒸留し、その残留物をジメチルホルムアミド(7mL)および炭酸セシウム(0.65g、2mmol)で超音波処理し、そして80℃まで加熱した。2−[(ジイソプロポキシホスホリル)メトキシ]エチルトシレート(1.7g、4.4mmol、1.1当量)を加え、その反応混合物を、100℃で、20時間加熱し、真空中で蒸発させ、そしてトルエンおよびエタノールと共に蒸留した。その残留物を熱クロロホルムで処理し、濾過し、その濾液を真空まで下げた。分取HPLCにかけると、無色発泡体(0.25g、それぞれの16%)として、N1−およびO6−異性体が得られた。
【0091】
O6−異性体(5−アリル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ジイソプロピルホスホリルメトキシ)エトキシ]ピリミジン(0.2g、0.5mmol)、アセトニトリル(10mL)およびBrSiMe(1mL)を、室温で、一晩撹拌した。真空中で蒸発させ、そしてアセトニトリルと共に蒸留した後、その残留物を水で処理し、そしてアルカリ反応物に濃アンモニア水を加えた。この混合物を乾燥状態まで蒸発させ、その残留物をDowex 50×8カラム(H−形状、20mL)に入れ、そして水洗した。2.5%アンモニア水で溶出し、そして真空中で蒸発させると、アンモニウム塩として、粗生成物が得られた。この残留物を、最小容量の水で、Dowex 1×2(アセテート、25mL)カラムに入れ、これを、次いで、水洗し、続いて、酢酸の勾配(0〜1M)で洗浄した。主なUV吸収画分を蒸発させ、その残留物を、水と共に、3回蒸留し、そして水−エタノールから結晶化して、白色固形物として、生成物を得た:(113mg、75%)、融点240〜241℃。C1017P(304.2)の計算値39.48%C、5.63%H、18.42%N、10.18%P;実測値39.16%C、5.69%H、18.19%N、10.17%P、FABMS: 303 (M−H) (25). H NMR (DMSO−d): 5.98brs, 2 H, and 5.92 brs, 2 H (NH); 5.73 ddt, 1 H, J(2’’,1’’) = 6.1, J(2’’,3’’) = 10.0 and 17.1,
(H−2’’); 5.00 brd, 1 H, J(3’’,2’’) = 17.1 (H−3’’trans); 4.88 brd, 1 H, J(3’’,2’’) = 10.0 (H−3’’cis); 4.27 m, 2 H (H−1’); 3.73 m, 2 H, (H−2’); 3.57 d, 2 H, J(P,CH) = 8.3 (P−CH); 3.00 brd, 2 H, J(1’’,2’’) = 6.1 (H−1’’).
(実施例2:5−ベンジル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン)
【0092】
【化52】

5−ベンジル−2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン(0.86g、4mmol)をトルエンと共に蒸留し、その残留物をジメチルホルムアミド(7mL)および炭酸セシウム(0.65g、2mmol)で超音波処理し、そして80℃まで加熱した。2−[(ジイソプロポキシホスホリル)メトキシ]エチルトシレート(1.7g、4.4mmol、1.1当量)を加え、その反応混合物を、110℃で、26時間加熱し、真空中で蒸発させ、そしてトルエンおよびエタノールと共に蒸留した。その残留物を熱クロロホルムで処理し、濾過し、その濾液を真空まで下げた。分取HPLCにかけると、N1−異性体(0.25g、14%)およびO6−異性体(0.40g、32%)が得られた。
【0093】
O6−異性体(5−ベンジル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ジイソプロピルホスホリルメトキシ)エトキシ]ピリミジン(0.22g、0.5mmol)、アセトニトリル(10mL)およびBrSiMe(1mL)を、室温で、一晩撹拌した。真空中で蒸発させ、そしてアセトニトリルと共に蒸留した後、その残留物を水で処理し、そしてアルカリ反応物に濃アンモニア水を加えた。この混合物を乾燥状態まで蒸発させ、その残留物をDowex 50×8カラム(H−形状、20mL)に入れ、そして水洗した。2.5%アンモニア水で溶出し、そして真空中で蒸発させると、アンモニウム塩として、粗生成物が得られた。この残留物を、最小容量の水で、Dowex 1×2(アセテート、25mL)カラムに入れ、これを、次いで、水洗し、続いて、酢酸の勾配(0〜1M)で洗浄した。主なUV吸収画分を蒸発させ、その残留物を、水と共に、3回蒸留し、そして水−エタノールから結晶化して、白色固形物として、生成物を得た:(121mg、68%)、融点241〜242℃。C1419P・2/3HO(366.3)の計算値45.31%C、5.66%H、15.46%N;実測値45.64%C、5.38%H、15.28%N。FABMS: 355 (MH) (50). H NMR (DMSO−d): 7.23 m, 4 H and 7.10 m, 1 H (arom−H); 6.15brs, 4 H (NH); 4.30 m, 2 H
(H−1’); 3.74 m, 2 H (H−2’); 3.62 s, 2 H
(H−1’’); 3.58 d, 2 H, J(P,CH) = 8.6 (P−CH). 13C NMR (DO): 168.05 (C−6); 163.70 (C−4); 160.70 (C−2); 139.95, 128.74, 2
C, 127.89, 2 C, and 126.32 (arom−C); 90.38 (C−5); 70.66 d, J(P,C) = 8.8 (C−2’);
67.75 d, J(P,C) = 149.4 (P−C); 65.66 (C−1’); 27.50 (C−1’’)。
【0094】
(実施例3:5−シアノメチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン)
【0095】
【化53】

5−シアノメチル−2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン(0.66g、4mmol)をトルエンと共に蒸留し、その残留物をジメチルホルムアミド(7mL)および炭酸セシウム(0.65g、2mmol)で超音波処理し、そして80℃まで加熱した。2−[(ジイソプロポキシホスホリル)メトキシ]エチルトシレート(1.7g、4.4mmol、1.1当量)を加え、その反応混合物を、110℃で、10時間加熱し、真空中で蒸発させ、そしてトルエンおよびエタノールと共に蒸留した。その残留物を熱クロロホルムで処理し、濾過し、その濾液を真空まで下げた。分取HPLCにかけると、N1−異性体(0.25g、16%)およびO6−異性体(0.26g、17%)が得られた。
【0096】
O6−異性体(5−シアノメチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ジイソプロピルホスホリルメトキシ)エトキシ]ピリミジン(0.19g、0.5mmol)、アセトニトリル(10mL)およびBrSiMe(1mL)を、室温で、一晩撹拌した。真空中で蒸発させ、そしてアセトニトリルと共に蒸留した後、その残留物を水で処理し、そしてアルカリ反応物に濃アンモニア水を加えた。この混合物を乾燥状態まで蒸発させ、その残留物をDowex 50×8カラム(H−形状、20mL)に入れ、そして水洗した。2.5%アンモニア水で溶出し、そして真空中で蒸発させると、アンモニウム塩として、粗生成物が得られた。この残留物を、最小容量の水で、Dowex 1×2(アセテート、25mL)カラムに入れ、これを、次いで、水洗し、続いて、酢酸の勾配(0〜1M)で洗浄した。主なUV吸収画分を蒸発させ、その残留物を、水と共に、3回蒸留し、そして水−エタノールから結晶化して、白色固形物として、生成物を得た:(123mg、81%)、融点258〜259℃(分解点)。C14P(303.2)の計算値35.65%C、4.65%H、23.10%N、10.22%P;実測値35.21%C、4.70%H、22.65%N、10.11%P。FABMS: 304 (MH) (60). H NMR (DMSO−d): 6.28brs, 2 H, and 6.02 brs, 2 H (NH); 4.31 m, 2 H (H−1’); 3.75 m, 2 H (H−2’); 3.53 d, 2 H, J(P,CH) = 8.2 (P−CH); 3.49 s, 2 H (H−1’’)。
【0097】
(実施例4:5−エトキシカルボニルメチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジンおよび5−カルボキシメチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン)
【0098】
【化54】

5−エトキシカルボニルメチル−2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン(1.70g、8mmol)をトルエンと共に蒸留し、その残留物をジメチルホルムアミド(15mL)および炭酸セシウム(1.3g、4mmol)で超音波処理し、そして80℃まで加熱した。2−[(ジイソプロポキシホスホリル)メトキシ]エチルトシレート(3.4g、8.8mmol、1.1当量)を加え、その反応混合物を、100℃で、20時間加熱し、真空中で蒸発させ、そしてトルエンおよびエタノールと共に蒸留した。その残留物を熱クロロホルムで処理し、濾過し、その濾液を真空まで下げた。分取HPLCにかけると、N1−異性体(050g、15%)およびO6−異性体(0.44g、13%)が得られた。
【0099】
O6−異性体(5−エトキシカルボニルメチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ジイソプロピルホスホリルメトキシ)エトキシ]ピリミジン(0.38g、1mmol)、アセトニトリル(20mL)およびBrSiMe(2mL)を、室温で、一晩撹拌した。真空中で蒸発させ、そしてアセトニトリルと共に蒸留した後、その残留物を水で処理し、そしてアルカリ反応物に濃アンモニア水を加えた。この混合物を乾燥状態まで蒸発させ、その残留物をDowex 50×8カラム(H−形状、40mL)に入れ、そして水洗した。2.5%アンモニア水で溶出し、そして真空中で蒸発させると、アンモニウム塩として、粗生成物が得られた。この残留物を、最小容量の水で、Dowex 1×2(アセテート、25mL)カラムに入れ、これを、次いで、水洗し、続いて、酢酸の勾配(0〜1M)で洗浄した。2つの主なUV吸収画分を蒸発させ、その残留物を、水と共に、3回蒸留し、そして水−エタノールから結晶化して、白色固形物として、両方の生成物を得た:
5−エトキシカルボニルメチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン:0.25M AcOH(130mg、34%)で溶出した、融点199〜200℃。C1119P・2HO(386.3)の計算値34.20%C、6.00%H、14.50%N;実測値34.30%C、5.83%H、14.57%N.FABMS: 351 (MH) (20). H NMR (DMSO−d): 6.21 brs, 2 H and 6.12 brs, 2 H (NH); 4.24 m, 2 H (H−1’); 4.04 q, 2 H, J(CH,CH) = 7.1 (O−CH); 3.70 m, 2 H (H−2’); 3.54 d, 2 H, J(P,CH) = 8.5 (P−CH); 3.30 s, 2 H (H−1’’); 1.17 t, 3 H, J(CH,CH) = 7.1 (CH)。
【0100】
5−カルボキシメチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン:0.5〜1.0M AcOH(72mg、22%)で溶出した、融点228〜229℃。C15P・HO(341.2)の計算値31.77%C、5.04%H、16.47%N;実測値31.88%C、4.87%H、16.34%N。FABMS: 323 (MH) (20). H NMR (DMSO−d): 6.21 brs, 2 H and 6.14 brs, 2 H (NH);
4.26 m, 2 H (H−1’); 3.70 m, 2 H (H−2’);
3.55 d, 2 H, J(P,CH) = 8.5 (P−CH); 3.21 s, 2 H (H−1’’)。
【0101】
(実施例5:5−メチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン)
【0102】
【化55】

5−メチル−2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン(0.56g、4mmol)をトルエンと共に蒸留し、その残留物をジメチルホルムアミド(7mL)および炭酸セシウム(0.65g、2mmol)で超音波処理し、そして80℃まで加熱した。2−[(ジイソプロポキシホスホリル)メトキシ]エチルトシレート(1.7g、4.4mmol、1.1当量)を加え、その反応混合物を、110℃で、25時間加熱し、真空中で蒸発させ、そしてトルエンおよびエタノールと共に蒸留した。その残留物を熱クロロホルムで処理し、濾過し、その濾液を真空まで下げた。分取HPLCにかけると、N1−異性体(0.39g、27%)およびO6−異性体(0.61g、42%)が得られた。
【0103】
O6−異性体(5−メチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ジイソプロピルホスホリルメトキシ)エトキシ]ピリミジン(0.18g、0.5mmol)、アセトニトリル(10mL)およびBrSiMe(1mL)を、室温で、一晩撹拌した。真空中で蒸発させ、そしてアセトニトリルと共に蒸留した後、その残留物を水で処理し、そしてアルカリ反応物に濃アンモニア水を加えた。この混合物を乾燥状態まで蒸発させ、その残留物をDowex 50×8カラム(H−形状、20mL)に入れ、そして水洗した。2.5%アンモニア水で溶出し、そして真空中で蒸発させると、アンモニウム塩として、粗生成物が得られた。この残留物を、最小容量の水で、Dowex 1×2(アセテート、25mL)カラムに入れ、これを、次いで、水洗し、続いて、酢酸の勾配(0〜1M)で洗浄した。主なUV吸収画分を蒸発させ、その残留物を、水と共に、3回蒸留し、そして水−エタノールから結晶化して、白色固形物として、生成物を得た:(81mg、57%)、融点253〜254℃(分解点)。C15P・HO(296.2)の計算値32.44%C、5.78%H、18.91%N;実測値32.23%C、5.86%H、18.56%N。FABMS: 279 (MH) (70). H NMR (DO + NaOD): 4.37 m, 2 H (H−1’); 3.91 m,
2 H (H−2’); 3.58 d, 2 H, J(P,CH) = 8.4 (P−CH); 1.84 s, 3 H (CH). 13C NMR: 167.06 (C−6); 163.58 (C−4); 160.01 (C−2); 85.75 (C−5); 70.47 d, J(P,C) = 10.3 (C−2’); 68.96 d, J(P,C) = 148.9 (P−C); 65.42 (C−1’); 10.54 (CH)。
【0104】
(実施例6:5−フェニル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン)
【0105】
【化56】

5−フェニル−2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン(0.81g、4mmol)をトルエンと共に蒸留し、その残留物をジメチルホルムアミド(7mL)および炭酸セシウム(0.65g、2mmol)で超音波処理し、そして80℃まで加熱した。2−[(ジイソプロポキシホスホリル)メトキシ]エチルトシレート(1.7g、4.4mmol、1.1当量)を加え、その反応混合物を、110℃で、23時間加熱し、真空中で蒸発させ、そしてトルエンおよびエタノールと共に蒸留した。その残留物を熱クロロホルムで処理し、濾過し、その濾液を真空まで下げた。分取HPLCにかけると、N1−異性体(0.18g、10%)およびO6−異性体(0.36g、21%)が得られた。
【0106】
O6−異性体(5−フェニル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ジイソプロピルホスホリルメトキシ)エトキシ]ピリミジン(0.21g、0.5mmol)、アセトニトリル(10mL)およびBrSiMe(1mL)を、室温で、一晩撹拌した。真空中で蒸発させ、そしてアセトニトリルと共に蒸留した後、その残留物を水で処理し、そしてアルカリ反応物に濃アンモニア水を加えた。この混合物を乾燥状態まで蒸発させ、その残留物をDowex 50×8カラム(H−形状、20mL)に入れ、そして水洗した。2.5%アンモニア水で溶出し、そして真空中で蒸発させると、アンモニウム塩として、粗生成物が得られた。この残留物を、最小容量の水で、Dowex 1×2(アセテート、25mL)カラムに入れ、これを、次いで、水洗し、続いて、酢酸の勾配(0〜1M)で洗浄した。主なUV吸収画分を蒸発させ、その残留物を、水と共に、3回蒸留し、そして水−エタノールから結晶化して、白色固形物として、生成物を得た:(133mg、75%)、融点230〜231℃。C1317P・3/2HO(367.3)の計算値42.51%C、5.49%H、15.25%N、8.43%P;実測値42.71%C、5.50%H、15.27%N、8.50%P。FABMS: 341 (MH
(40). H NMR (DMSO−d): 7.36 m, 2 H and
7.25 m, 3 H (arom−H); 6.35 brs, 2 H and 5.79 brs, 2 H (NH); 4.27 m, 2 H (H−1’);
3.65 m, 2 H (H−2’); 3.48 d, 2 H, J(P,CH) = 8.4 (P−CH)。
【0107】
(実施例7:5−シクロプロピル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン)
【0108】
【化57】

5−シクロプロピル−2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン(0.66g、4mmol)をトルエンと共に蒸留し、その残留物をジメチルホルムアミド(7mL)および炭酸セシウム(0.65g、2mmol)で超音波処理し、そして80℃まで加熱した。2−[(ジイソプロポキシホスホリル)メトキシ]エチルトシレート(1.7g、4.4mmol、1.1当量)を加え、その反応混合物を、110℃で、214時間加熱し、真空中で蒸発させ、そしてトルエンおよびエタノールと共に蒸留した。その残留物を熱クロロホルムで処理し、濾過し、その濾液を真空まで下げた。分取HPLCにかけると、N1−異性体(0.29g、19%)およびO6−異性体(0.55g、35%)が得られた。
【0109】
O6−異性体(5−シクロプロピル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ジイソプロピルホスホリルメトキシ)エトキシ]ピリミジン(0.19g、0.5mmol)、アセトニトリル(10mL)およびBrSiMe(1mL)を、室温で、一晩撹拌した。真空中で蒸発させ、そしてアセトニトリルと共に蒸留した後、その残留物を水で処理し、そしてアルカリ反応物に濃アンモニア水を加えた。この混合物を乾燥状態まで蒸発させ、その残留物をDowex 50×8カラム(H−形状、20mL)に入れ、そして水洗した。2.5%アンモニア水で溶出し、そして真空中で蒸発させると、アンモニウム塩として、粗生成物が得られた。この残留物を、最小容量の水で、Dowex 1×2(アセテート、25mL)カラムに入れ、これを、次いで、水洗し、続いて、酢酸の勾配(0〜1M)で洗浄した。主なUV吸収画分を蒸発させ、その残留物を、水と共に、3回蒸留し、そして水−エタノールから結晶化して、白色固形物として、生成物を得た:(125mg、82%)、融点255〜256℃。C1017P(304.2)の計算値39.48%C、5.63%H、18.42%N、10.18%P;実測値39.14%C、5.63%H、18.10%N、10.23%P。FABMS: 305 (MH) (95). H NMR (DO + NaOD): 4.38 m, 2 H (H−1’); 3.93 m, 2 H (H−2’); 3.62 d, 2 H, J(P,CH) = 8.4 (P−CH); 1.24 m, 1 H, 0.93 m, 2 H and 0.45 m, 2 H (シクロプロピル)。
【0110】
(実施例8:5−シアノ−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン)
【0111】
【化58】

(反応物5−シアノ−2,4−ジアミノ−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリミジンは、テトラシアノエチレンから、2段階で調製した:(a)Middleton W.J.,Engelhardt V.A.:J.Am.Chem.Soc.1958,80,2788.(b)Middleton W.J.,Engelhardt V.A.:J.Am.Chem.Soc.1958,80,2829)。5−シアノ−2,4−ジアミノ−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリミジン(2.4g、12mmol)のトリエチルアミン(8mL)懸濁液に、(ジイソプロポキシホスホリル)メチルトシレート(4.8g、13.7mmol)を加え、続いて、ジメチルホルムアミド(20mL)およびNaH(鉱油中の60%分散体、1.3g)を加えた。その反応混合物を、室温で、1時間撹拌し、真空中で蒸発させ、そしてトルエンおよびエタノールと共に蒸留した。その残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。CHCl中の4%MeOHで溶出した画分により、2g(45%)の5−シアノ−2,4−ジアミノ−6−[2−(ジイソプロポキシホスホリルメトキシ)エトキシ]ピリミジンが得られた。
【0112】
この化合物(0.19g、0.5mmol)、アセトニトリル(10mL)およびBrSiMe(1mL)を、室温で、一晩撹拌した。真空中で蒸発させアセトニトリルと共に蒸留した後、その残留物を水で処理し、そしてアルカリ反応物に濃アンモニア水を加えた。この混合物を乾燥状態まで蒸発させ、その残留物をDowex 50×8(H−形状、20mL)のカラムに入れ、そして水で洗浄した。2.5%アンモニア水で溶出し、そして真空中で蒸発させると、アンモニウム塩として、粗生成物が得られた。この残留物を、最小量の水中にて、Dowex 1×2(アセテート、25mL)カラムに入れ、これを、水で洗浄し、続いて、酢酸の勾配(0〜3M)で洗浄した。その主なUV吸収画分を蒸発させ、その残留物を水と共に3回蒸留し、そして水−エタノールから結晶化して、白色固形物として、生成物を得た:(120mg、86%)、融点294〜295℃。C12P・HO(307.2)の計算値31.28%C、4.59%H、22.80%N、10.08%P;実測値31.27%C、4.67%H、22.54%N、9.94%P。FABMS: 290 (MH) (10). H NMR (DO + NaOD): 4.48 m, 2 H (H−1’); 3.95 m, 2 H (H−2’); 3.74 d, 2 H, J(P,CH) = 8.4 (P−CH). 13C NMR: 171.87 (C−6); 166.15 (C−4); 163.30 (C−2); 116.85 (CN); 70.88 d,
J(P,C) = 10.7 (C−2’); 67.69 d, J(P,C) =
156.2 (P−C); 66.72 (C−5); 64.52 (C−1’)。
【0113】
(実施例9:5−ホルミル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン)
【0114】
【化59】

5−シアノ−2,4−ジアミノ−6−[2−(ジイソプロポキシホスホリルメトキシ)エトキシ]ピリミジン(1.5g、4mmol)を、水(36mL)および硫酸(6mL)中にて、室温で、20時間撹拌下にて、木炭上5%パラジウム(0.25g)で水素化した。その混合物をセライトのパッドで濾過し、そして触媒を熱湯および熱メタノール(各100mL)で洗浄した。その濾液をNaOH水溶液で中和し、そして溶媒を蒸発させた。その残留物を熱メタノールと混合し、塩を濾過して除き、この混合物を取り出した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(これは、CHCl中の3%MeOHで溶出する)で精製して、0.63g(42%)の5−ホルミル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ジイソプロポキシホスホリルメトキシ)エトキシ]ピリミジンを得た。
【0115】
この化合物(0.36g、0.95mmol)、アセトニトリル(10mL)およびBrSiMe(1mL)を、室温で、一晩撹拌した。真空中で蒸発させアセトニトリルと共に蒸留した後、その残留物を水で処理し、そしてアルカリ反応物にトリエチルアミンを加えた。この混合物を乾燥状態まで蒸発させ、その残留物をDowex 1×2(アセテート、25mL)カラムに入れ、これを、水で洗浄し、続いて、酢酸の勾配(0〜2M)で洗浄した。その主なUV吸収画分を蒸発させ、その残留物を水と共に3回蒸留し、そして水−メタノールから結晶化して、白色固形物として、生成物を得た:(230mg、82%)、融点225〜227℃。C13P・5/4HO(314.7)の計算値30.53%C、4.96%H、17.80%N;実測値30.87%C、5.01%H、17.65%N。FABMS: 293 (MH) (10). H NMR (DO + NaOD): 9.73 s, 1 H (CH=O); 4.46
m, 2 H (H−1’); 3.95 m, 2 H (H−2’); 3.59
d, 2 H, J(P,CH) = 8.4 (P−CH). 13C NMR:
187.89 (CH=O); 172.46 (C−6); 164.285 (C−4); 163.85 (C−2); 92.44 (C−5); 70.25 d,
J(P,C) = 9.3 (C−2’); 69.18 d, J(P,C) = 148.4 (P−C); 66.11 (C−1’)。
【0116】
(実施例10:ウイルス)
MSV、1型HIV(HIV−1)(IIIおよびBa−L株)、HIV−2(ROD株)およびFIV(Petaluma株)の入手源は、先に記述されている(Balzarini et al.,AIDS 5:21−28,1991;De Clercq
et al.,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.137:590−594,1971;Egberink et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.87:3087−3091,1990;Hartmann et al.,Antiviral Chem.Chemother.5:13−19,1994;Popovic et al.,Science 224:497−500,1984)。HIV−1(III)およびHIV−2(ROD)ストックは、ウイルスに感染したMT−4細胞培養物の上澄み液から得た。HIV−1BaLは、ヒトプラスマリーM/Mから拡大し、それらの上澄み液を集め、濾過し、そして使用前に−80℃で保存した。本研究に使用したウイルスストックの特性は、2.1×10 HIV−RNAゲノム/ml(これは、35ngのp24抗原に相当する)および5、000組織培養感染用量50% per mL(TCID50/ml)(他のプライマリーM/M培養物でのウイルス滴定により、評価した)であった。臨床HIV−1単離体L1S、L6SおよびL6S/PMEAの単離および性質決定は、報告されている(Thormar et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:3283−3287,1995;Van Laethem et al.,AIDS 15:553−561,2001)。このHIV−1/L1S臨床単離体は、NRTIs(ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤)またはANPsの治療を受けていない患者から誘導し、そしていずれの薬剤の選択的圧力なしで培養した。従って、それは、NRTIまたはANPで治療した患者に特徴的な明らかな突然変異を含んでいなかった。HIV−1/L6Sは、いずれの薬剤の選択的圧力なしで培養した薬剤治療個体からの臨床単離体である。NRTIで治療した患者に特徴的なように、それは、そのRT中で、S68G、K70T、V75I、F77L、F116YおよびQ151M突然変異を含んでいた。HIV−1/L6S/PMEAは、濃度を高めたPMEA(アデフォビル)の存在下にて11パセッジでウイルスを培養した後に単離された臨床単離体HIV−1/L6Sである。それは、HIV−1/L6Sについて言及した突然変異にに加えて、また、その逆転写酵素(RT)中で、also the PMEAに特徴的なK65R突然変異を獲得した。
【0117】
(実施例11:本発明の化合物の抗ウイルス活性)
本明細書中の化合物の抗ウイルス活性は、J.Balzarini,et al.「9−(2−phosphonylmethoxyethyl)adenine(PMEA)effectively inhibits retrovirus replication in vitro and simian immunodeficiency
virus infection in rhesus monkeys」 AIDS
5:21−28,1991およびJ.Balzarini,et al. 「Differential antiherpesvirus and antiretrovirus effects of the(S)and(R)enantiomers of acyclic nucleoside phosphonates:potent
and selective in vitro and in vivo antiretrovirus activities of(R)−9−(2−phosphonomethoxypropyl)−2,6−diaminopurine」 Antimicrobial Agents and Chemotherapy,37:332−338,1993で開示された一般手順に従って、決定した。
【0118】
DNAおよびレトロウイルスのパネルに対する阻害活性について、種々の5−置換2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジンを研究した。これらの化合物のいずれも、1型および2型単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルスおよびワクシニアウイルスに対して活性ではなかった。5−メチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン(実施例5)は、中程度の抗−VZV活性を示した。しかしながら、数種の化合物は、ネズミ(MSV)およびヒト(HIV−1、HIV−2)レトロウイルスに対して、著しく阻害性であった。これらの5−シアノおよび5−ホルミル誘導体(それぞれ、実施例8および9)は、0.8〜3.3μg/mlでHIVに対して阻害性であり、また、2.7〜6μg/mlで、MSVに対して阻害性であった(表)。それらの抗ウイルス効力は、HIVに対しては、5−非置換2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジンおよびその5−クロロ誘導体で見られたものに匹敵していたが、MSVに対しては、劣っていた。興味深いことに、この5−メチル誘導体は、MSV(EC50:0.04〜0.06μg/ml)に対してだけでなく、HIV−1およびHIV−2(EC50:0.065μg/ml)に対しても、極めて素晴らしく阻害性であった。この5−非置換化合物(その抗HIV活性は、そのMSV活性の20分の1の効力であった)とは対照的に、5−メチル誘導体(実施例5)は、同程度の抗HIVおよび抗MSV活性を示した。結果として、HIVに対するこの活性は、かつて試験した他のいずれの非環式ヌクレオシドホスホネート誘導体で認められたものよりも著しかった。従って、この化合物がまた、参照薬剤PMEA(アデフォビル)および(R)−PMPA(テノホビル)と比較して、HIVに感染した個体において、優れた抗HIV活性を発揮するということは、除外できない。しかしながら、この化合物はまた、CEM細胞培養物(CC50:1.3〜4.1μg/ml)において、PMEA(CC50:11μg/ml)よりも僅かに細胞毒性であることが判明している(表)。
【0119】
この5−シアノ(実施例8)、5−メチル(実施例5)および5−クロロ−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジンをまた、PMEAおよび(R)−PMPAと比較して、MSVに感染した新生NMRIマウスにおけて、それらの抗レトロウイルス活性について評価した。抗ウイルス効力の順序は、5−シアノ誘導体(最も有効性が低い薬剤である)から、5−クロロ誘導体に続いて、5−メチル誘導体(これは、最も有効性が高い薬剤である)であった。5−シアノ−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジンは、PMEAよりも効率的ではない様式で、MSV誘発腫瘍細胞の形成およびそれらに関連した動物の死を阻止した。また、この5−クロロ−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジンは、MSV誘発主要形成の開始およびMSV関連動物死の両方について、PMEAに劣っていた(表)。しかしながら、この5−メチル誘導体は、明らかに、PMEAよりも優れているだけでなく、また、(R)−PMPAよりも優れていた。50および20mg/kgでは、腫瘍形成は、5−メチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン、PMEAおよび(R)−PMPAにより、完全に阻止された。5mg/kgでは、5−メチル誘導体の存在下では、マウスの90%には、腫瘍形成がなかったのに対して、PMEAおよび(R)−PMPAの存在下では、70%および10%であった。しかしながら、最も高い用量の5−メチル−2,4−ジアミノ−6−[2−(ホスホノメトキシ)エトキシ]ピリミジン(50mg/kg)では、おそらく、薬剤の毒性が原因で、腫瘍のないマウスにおいて、動物が死亡した(平均して:10.1日)。この現象はまた、PMEAでも、50および20mg/kgで見られたが、(R)−PMPAを50mg/kgでは、見られなかった。それゆえ、5−メチル誘導体は、MSV誘発腫瘍形成の阻止において、(R)−PMPAよりも僅かに有効であり、また、明らかに、PMEAよりも有効ではあるものの、それはまた、僅かに毒性が高い。従って、両方の薬剤は、おそらく、インビボで、同程度の抗レトロウイルス選択性を有する。
【0120】
(新生NMRIマウスにおけるMSV誘発腫瘍細胞形成に対する試験化合物の阻害活性)
【0121】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
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【公開番号】特開2012−153731(P2012−153731A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−115602(P2012−115602)
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【分割の表示】特願2006−515644(P2006−515644)の分割
【原出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(505457466)インスティチュート オブ オーガニック ケミストリー アンド バイオケミストリー, アカデミー オブ サイエンシズ オブ ザ チェコ リパブリック (5)
【出願人】(599098493)カトリーケ・ウニフェルジテイト・ルーベン・カー・イュー・ルーベン・アール・アンド・ディ (83)
【氏名又は名称原語表記】Katholieke Universiteit Leuven,K.U.Leuven R&D
【Fターム(参考)】