説明

抗ウイルス化合物

フラビウイルス科ウイルスのウイルスによって少なくとも部分的に媒介される感染を治療するための式(I)(式中、A、L、V、W、T、Z、R、Yおよびpは本明細書に定義される通りである)を有する化合物、その立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグ、それらの製法、使用およびその組成物が開示される。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本願は2006年11月21日に出願された米国仮出願第60/860,614号に対する35U.S.C.§119(e)の下での利益を主張するものであり、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、製薬化学の分野、特に、フラビウイルス科ウイルスのウイルスによって少なくとも部分的に媒介される患者におけるウイルス感染を治療するための、化合物、それらの製造、組成物、および使用に関する。
【背景技術】
【0003】
参考文献
下記の刊行物は、上付き番号として本願に引用される。
刊行物は全て、各個々の刊行物が参照によりその全体が組み込まれることが具体的かつ、個々に示された場合と同じ程度で、参照によりそれらの全体が本明細書中に組み込まれる。
【0004】
技術水準
HCVの慢性感染は、肝硬変、肝細胞癌および肝不全に関連する大きな健康問題である。世界中で推定1億7000万人の慢性キャリアが肝疾患を発症するリスクがある(非特許文献11,2)。米国だけで、270万人がHCVに慢性的に感染しており、さらに2000年のHCV関連死の数は8,000〜10,000人と推定され、この数は、向こう数年にわたって著しく増加すると予想される。HCVによる感染は、慢性的に感染した(かつ、感染力を有する)キャリアの高い割合において潜伏性であり、該キャリアは何年も臨床症状を経験しない場合もある。肝硬変は、最終的には肝不全に至り得る。慢性HCV感染に起因する肝不全は、現在、肝臓移植の主な理由と認識されている。
【0005】
HCVは、動物およびヒトを侵すフラビウイルス科のRNAウイルスのメンバーである。そのゲノムは約9.6キロベースの一本鎖のRNAであり、かつ、5’末端と3’末端の両方において非翻訳領域(5’−および3’−UTR)が隣接した約3000個のアミノ酸のポリタンパク質をコードする1つのオープンリーディングフレームからなる。前記ポリタンパク質は、後代ウイルス粒子の複製および構築に重要な少なくとも10個の別個のウイルスタンパク質の前駆体として働く。前記HCVポリタンパク質の構造タンパク質および非構造タンパク質の構成は以下の通りである:C−E1−E2−p7−NS2−NS3−NS4a−NS4b−NS5a−NS5b。HCVの複製周期にはDNA中間体は含まれず、該ウイルスは宿主ゲノムへ組み込まれないので、HCV感染は理論的には治癒可能である。HCV感染の病態は主として肝臓を侵すが、該ウイルスは末梢血リンパ球をはじめとする体内の他の細胞種にも見られる(非特許文献3,4)。
【0006】
現在、慢性HCVに対する標準的な治療は、インターフェロンα(IFN−α)とリバビリンとの組合せであり、これには少なくとも6ヶ月の治療が必要である。IFN−αは、いくつかの疾患、特にウイルス感染に応答してほとんどの動物の有核細胞によって産生および分泌される、抗ウイルス、免疫調節および抗腫瘍活性などの特徴的な生物学的効果を有する天然の低分子タンパク質のファミリーに属する。IFN−αは、細胞連絡および免疫学的制御に影響を与える増殖および分化の重要な調節因子である。インターフェロンを用いたHCVの治療にはしばしば、疲労、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、軽度の脱毛、精神医学的作用および関連の障害、自己免疫現象および関連の障害、ならびに甲状腺機能障害などの副作用を伴ってきた。イノシン5’−一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害剤であるリバビリンは、HCVの治療におけるIFN−αの有効性を増強する。リバビリンの導入にもかかわらず、50%を超える患者は、インターフェロン−α(IFN)およびリバビリンの現行の標準的な療法ではこのウイルスを排除しない。現在では、慢性C型肝炎の標準的な療法は、ペグ化IFN−α+リバビリンの併用に変更されている。しかし、多数の患者は依然として、主にリバビリンに関連する著しい副作用を有する。リバビリンは、現在推奨されている用量で被治療患者の10〜20%において著しい溶血を引き起こし、また、該薬剤は催奇形性かつ胎芽毒性である。最近の改善をもってしても、相当な割合の患者がウイルス負荷の持続的減少を伴った応答を示さず(非特許文献)、HCV感染のより有効な抗ウイルス療法の明確な必要性がある。
【0007】
いくつかのアプローチが、このウイルスを撲滅するために追求されている。それらとしては、例えば、HCV複製を阻害するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはリボザイムの適用が挙げられる。さらに、HCVタンパク質を直接阻害し、かつ、ウイルス複製に干渉する低分子量化合物が、HCV感染を制御するための魅力的な戦略として考えられている。ウイルス標的の中でも、NS3/4Aプロテアーゼ/ヘリカーゼおよびNS5b RNA依存性RNAポリメラーゼが、新薬のための最も有望なウイルス標的と考えられている(非特許文献6〜8)。
【0008】
ウイルス遺伝子ならびにそれらの転写産物および翻訳産物を標的化することに加えて、抗ウイルス活性は、ウイルス複製に必要な宿主細胞タンパク質を標的化することによっても達成可能である。例えば、Watashiらは、宿主細胞シクロフィリンを阻害することによっていかに抗ウイルス活性が達成され得るかを示している。あるいは、強力なTLR7アゴニストが、ヒトにおいてHCV血漿濃度を低下させることが示されている(非特許文献10)。
【0009】
しかし、上記の化合物に臨床試験より先に進んでいるものはない(非特許文献6,8)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Szabo, et al, Pathol. Oncol. Res. 2003, 9:215-221
【非特許文献2】Hoofhagle JH, Hepatology 1997, 26: 15S-20S
【非特許文献3】Thomson BJ and Finch RG, Clin Microbial Infect. 2005, 11 :86-94
【非特許文献4】Moriishi K and Matsuura Y, Antivir. Chem. Chemother. 2003, 14:285-297
【非特許文献5】Fried, et al. N. Engl. J Med 2002, 347:975-982
【非特許文献6】Ni, Z. J. and Wagman, A. S. Curr. Opin. Drug Discov. Devel. 2004, 7, 446-459
【非特許文献7】Beaulieu, P. L. and Tsantrizos, Y. S. Curr. Opin. Investig. Drugs 2004, 5, 838-850
【非特許文献8】Griffith, et al., Ann. Rep. Med. Chem 39, 223-237, 2004
【非特許文献9】Watashi, et al, Molcular Cell, 19, 111-122, 2005
【非特許文献10】Horsmans, et al, Hepatology, 42, 724-731, 2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記にもかかわらず、フラビウイルス科ウイルスのウイルスの1以上のメンバーに対して活性な新規化合物を発見することは、特に、このようなウイルスの1以上によって少なくとも部分的に媒介される疾患を治療することにおいて現在直面している問題からして有益である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、フラビウイルス科ウイルスのウイルスによって少なくとも部分的に媒介されるウイルス感染を治療するための、化合物、それらの製造、組成物、プロドラッグおよびその使用に関する。一実施形態では、式(I):
【化1】

[式中、
Aは、場合により−(Rで置換されていてもよい3〜13員環であり、該環はシクロアルキル、複素環式、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
各Rは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、ニトロ、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群から独立に選択され;
mは、0、1、2または3であり;
は、結合、C−Cアルキレン、C−Cヘテロアルキレン、C−CアルケニレンまたはC−Cアルキニレンであり;
Tは、C−CアルキレンまたはC−Cヘテロアルキレンであり、VおよびWと一緒に4〜8員環を形成し;
VおよびWは双方ともCHであるか、またはVもしくはWの一方がCHであって、VもしくはWの他方がNであり;
pは、0、1または2であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、=CH、オキソからなる群から独立に選択されるか;または2つのY基が、それらが結合している原子と一緒にフェニル、4〜7員シクロアルキルもしくは4〜7員複素環式環を形成し、該フェニル、シクロアルキルまたは複素環式環はそれ自体場合により1〜2個のY基で置換されていてもよく;
は、アルキル、置換アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノおよびアルコキシからなる群から独立に選択され(ただし、それが結合している環がフェニルである場合には、Yはオキソでない);
Zは、C(O)、C(S)および−SO−からなる群から選択され;
Rは、R、OR、OCHおよびNR1aからなる群から選択され;
は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され;かつ
1aは、水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される]
の化合物またはその立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
【0013】
一実施形態では、製薬上許容される担体と治療上有効な量の式(I)の化合物、立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグを含んでなる医薬組成物が提供される。
【0014】
一実施形態では、フラビウイルス科ウイルスのウイルスによって少なくとも部分的に媒介される患者におけるウイルス感染を治療する方法であって、該患者に式(I)の組成物を投与することを含む方法が提供される。いくつかの態様では、該ウイルス感染はC型肝炎ウイルスによって媒介される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
定義
本明細書において、特に断りのない限り、次の定義が当てはまる。
【0016】
「アルキル」とは、1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語には、例えば、直鎖および分枝型のヒドロカルビル基、例えば、メチル(CH−)、エチル(CHCH−)、n−プロピル(CHCHCH−)、イソプロピル((CHCH−)、n−ブチル(CHCHCHCH−)、イソブチル((CHCHCH−)、sec−ブチル((CH)(CHCH)CH−)、t−ブチル((CHC−)、n−ペンチル(CHCHCHCHCH−)およびネオペンチル((CHCCH−)が含まれる。
【0017】
「アルケニル」とは、2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を有し、かつ、少なくとも1個、好ましくは1〜2個のビニル(>C=C<)不飽和部位を有する、直鎖または分枝型のヒドロカルビル基を指す。このような基は、例えば、ビニル、アリル、およびブト−3−エン−1−イルによって例示される。シスおよびトランス異性体またはこれらの異性体の混合物もこの用語に含まれる。
【0018】
「アルキニル」は、2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜3個の炭素原子を有し、かつ、少なくとも1個、好ましくは1〜2個のアセチレン(−C≡C−)不飽和部位を有する、直鎖または分枝型の一価ヒドロカルビル基を指す。このようなアルキニル基の例としては、アセチレニル(−C≡CH)およびプロパルギル(−CHC≡CH)が挙げられる。
【0019】
「置換アルキル」とは、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、複素環式、置換複素環式、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SOH、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群から選択される1〜5個、好ましくは1〜3個、またはより好ましくは1〜2個の置換基を有するアルキル基を指し、ここで、該置換基は本明細書で定義されている通りである。
【0020】
「置換アルケニル」とは、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、複素環式、置換複素環式、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SOH、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群からり選択される1〜3個の置換基、好ましくは1〜2個の置換基を有するアルケニル基を指し、ここで、該置換基は本明細書で定義されている通りであり、ただし、いずれのヒドロキシ置換もビニル(不飽和)炭素原子とは結合されていない。
【0021】
「置換アルキニル」とは、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、複素環式、置換複素環式、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SOH、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群から選択される1〜3個の置換基、好ましくは1〜2個の置換基を有するアルキニル基を指し、ここで、該置換基は本明細書で定義されている通りであり、ただし、いずれのヒドロキシ置換もアセチレン炭素原子とは結合されていない。
【0022】
「C−Cアルキレン」とは、1〜6個の炭素を有する二価の直鎖アルキル基を指す。
【0023】
「C−Cヘテロアルキレン」とは、1または2個の−CH−基が−S−または−O−で置換されて、1〜5個の炭素を有するヘテロアルキレンを与える場合のアルキレン基を指し、ただし、該ヘテロアルキレンは−O−O−、−S−O−または−S−S−基を含まない。
【0024】
「アルコキシ」とは、−O−アルキル基を指し、ここで、アルキルは本明細書で定義されている通りである。アルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、sec−ブトキシおよびn−ペントキシが挙げられる。
【0025】
「置換アルコキシ」とは、−O−(置換アルキル)基を指し、ここで、置換アルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0026】
「アシル」とは、H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、シクロアルケニル−C(O)−、置換シクロアルケニル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)−、複素環式−C(O)−および置換複素環式−C(O)−基を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。アシルには、「アセチル」基CHC(O)−が含まれる。
【0027】
「アシルアミノ」とは、−NR47C(O)アルキル、−NR47C(O)置換アルキル、−NR47C(O)シクロアルキル、−NR47C(O)置換シクロアルキル、−NR47C(O)シクロアルケニル、−NR47C(O)置換シクロアルケニル、−NR47C(O)アルケニル、−NR47C(O)置換アルケニル、−NR47C(O)アルキニル、−NR47C(O)置換アルキニル、−NR47C(O)アリール、−NR47C(O)置換アリール、−NR47C(O)ヘテロアリール、−NR47C(O)置換ヘテロアリール、−NR47C(O)複素環式および−NR47C(O)置換複素環式基を指し、ここで、R47は水素またはアルキルであり、かつ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0028】
「アシルオキシ」とは、アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、アルケニル−C(O)O−、置換アルケニル−C(O)O−、アルキニル−C(O)O−、置換アルキニル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、置換アリール−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換シクロアルキル−C(O)O−、シクロアルケニル−C(O)O−、置換シクロアルケニル−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−、置換ヘテロアリール−C(O)O−、複素環式−C(O)O−および置換複素環式−C(O)O−基を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0029】
「アミノ」とは、−NH基を指す。
【0030】
「置換アミノ」とは、−NR4849基を指し、ここで、R48およびR49は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アルケニル、−SO−置換アルケニル、−SO−シクロアルキル、−SO−置換シクロアルキル、−SO−シクロアルケニル、−SO−置換シクロアルケニル、−SO−アリール、−SO−置換アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−置換ヘテロアリール、−SO−複素環式および−SO−置換複素環式からなる群から独立に選択され、かつ、R48およびR49は、場合により、それらと結合している窒素原子と一緒に連結されて複素環式または置換複素環式基を形成してもよく、ただし、R48およびR49は双方とも水素である場合はなく、かつ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。R48が水素であり、かつ、R49がアルキルである場合、前記置換アミノ基は、本明細書においてアルキルアミノと呼ばれる場合がある。R48およびR49がアルキルである場合、前記置換アミノ基は、本明細書においてジアルキルアミノと呼ばれる場合がある。一置換アミノという場合には、R48またはR49のいずれかが水素であるが、双方ともが水素である場合はないことを意味する。二置換アミノという場合には、R48もR49も水素ではないことを意味する。
【0031】
「アミノカルボニル」とは、−C(O)NR5051基を指し、ここで、R50およびR51は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から独立に選択され、かつ、R50およびR51は、場合により、それらと結合している窒素と一緒に連結されて複素環式または置換複素環式基を形成してもよく、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0032】
「アミノチオカルボニル」とは、−C(S)NR5051基を指し、ここで、R50およびR51は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から独立に選択され、かつ、R50およびR51は、場合により、それらと結合している窒素と一緒に連結されて複素環式または置換複素環式基を形成してもよく、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0033】
「アミノカルボニルアミノ」とは、−NR47C(O)NR5051基を指し、ここで、R47は水素またはアルキルであり、かつ、R50およびR51は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から選択され、かつ、R50およびR51は、場合により、それらと結合している窒素と一緒に連結されて複素環式または置換複素環式基を形成してもよく、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0034】
「アミノチオカルボニルアミノ」とは、−NR47C(S)NR5051基を指し、ここで、Rは水素またはアルキルであり、かつ、R50およびR51は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から独立に選択され、かつ、R50およびR51は、場合により、それらと結合している窒素と一緒に連結されて複素環式または置換複素環式基を形成してもよく、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0035】
「アミノカルボニルオキシ」とは、−O−C(O)NR5051基を指し、ここで、R50およびR51は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から独立に選択され、かつ、R50およびR51は、場合により、それらに結合している窒素と一緒に連結されて複素環式または置換複素環式基を形成してもよく、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0036】
「アミノスルホニル」とは、−SONR5051基を指し、ここで、R50およびR51は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から独立に選択され、かつ、R50およびR51は、場合により、それらに結合している窒素と一緒に連結されて複素環式または置換複素環式基を形成してもよく、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0037】
「アミノスルホニルオキシ」とは、−O−SONR5051基を指し、ここで、R50およびR51は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から独立に選択され、かつ、R50およびR51は、場合により、それらに結合している窒素と一緒に連結されて複素環式または置換複素環式基を形成してもよく、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0038】
「アミノスルホニルアミノ」とは、−NR47SONR5051基を指し、ここで、R47は水素またはアルキルであり、かつ、R50およびR51は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から独立に選択され、かつ、R50およびR51は、場合により、それらに結合している窒素と一緒に連結されて複素環式または置換複素環式基を形成してもよく、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0039】
「アミジノ」とは、−C(=NR52)NR5051基を指し、ここで、R50、R51およびR52は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から選択され、かつ、R50およびR51は、場合により、それらに結合している窒素と一緒に連結されて複素環式または置換複素環式基を形成してもよく、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0040】
「アリール」または「Ar」とは、単一の環(例えば、フェニル)または複数の縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する6〜14個の炭素原子の一価の芳香族炭素環式基を指し、該縮合環は、結合点が芳香族炭素原子にある限り、芳香族であってもなくてもよい。好ましいアリール基としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0041】
「置換アリール」とは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、複素環式、置換複素環式、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SOH、置換スルホニル、スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群から選択される1〜5個、好ましくは1〜3個、またはより好ましくは1〜2個の置換基で置換されているアリール基を指し、ここで、該置換基は本明細書で定義されている通りである。
【0042】
「アリールオキシ」とは、−O−アリール基を指し、ここで、アリールは、本明細書で定義されている通りであり、例えば、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。
【0043】
「置換アリールオキシ」とは、−O−(置換アリール)基を指し、ここで、置換アリールは、本明細書で定義されている通りである。
【0044】
「アリールチオ」とは、−S−アリール基を指し、ここで、アリールは、本明細書で定義されている通りである。
【0045】
「置換アリールチオ」とは、−S−(置換アリール)基を指し、ここで、置換アリールは本明細書で定義されている通りである。
【0046】
「カルボニル」とは、二価の−C(O)−基を指し、これは−C(=O)−に等しい。
【0047】
「カルボキシル」または「カルボキシ」とは、−COOHまたはその塩を指す。
【0048】
「カルボキシルエステル」または「カルボキシエステル」とは、−C(O)O−アルキル、−C(O)O−置換アルキル、−C(O)O−アルケニル、−C(O)O−置換アルケニル、−C(O)O−アルキニル、−C(O)O−置換アルキニル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−置換アリール、−C(O)O−シクロアルキル、−C(O)O−置換シクロアルキル、−C(O)O−シクロアルケニル、−C(O)O−置換シクロアルケニル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)O−置換ヘテロアリール、−C(O)O−複素環式および−C(O)O−置換複素環式基を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0049】
「(カルボキシルエステル)アミノ」とは、−NR47C(O)O−アルキル、−NR47C(O)O−置換アルキル、−NR47C(O)O−アルケニル、−NR47C(O)O−置換アルケニル、−NR47C(O)O−アルキニル、−NR47C(O)O−置換アルキニル、−NR47C(O)O−アリール、−NR47C(O)O−置換アリール、−NR47C(O)O−シクロアルキル、−NR47C(O)O−置換シクロアルキル、−NR47C(O)O−シクロアルケニル、−NR47C(O)O−置換シクロアルケニル、−NR47C(O)O−ヘテロアリール、−NR47C(O)O−置換ヘテロアリール、−NR47C(O)O−複素環式および−NR47C(O)O−置換複素環式基を指し、ここで、R47はアルキルまたは水素であり、かつ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0050】
「(カルボキシルエステル)オキシ」とは、−O−C(O)O−アルキル、−O−C(O)O−置換アルキル、−O−C(O)O−アルケニル、−O−C(O)O−置換アルケニル、−O−C(O)O−アルキニル、−O−C(O)O−置換アルキニル、−O−C(O)O−アリール、−O−C(O)O−置換アリール、−O−C(O)O−シクロアルキル、−O−C(O)O−置換シクロアルキル、−O−C(O)O−シクロアルケニル、−O−C(O)O−置換シクロアルケニル、−O−C(O)O−ヘテロアリール、−O−C(O)O−置換ヘテロアリール、−O−C(O)O−複素環式および−O−C(O)O−置換複素環式基を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0051】
「シアノ」とは、−CN基を指す。
【0052】
「シクロアルキル」とは、縮合(fused)環系、架橋環系およびスピロ環系を含む単環式環または多環式環を有する、3〜10個の炭素原子の環状アルキル基を指す。これらの環の1以上は、その結合点が非芳香族、非複素環式環、炭素環式環(例えば、フルオレニル)を介する限り、アリール、ヘテロアリールまたは複素環式であり得る。好適なシクロアルキル基の例としては、例えば、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロオクチルが挙げられる。
【0053】
「シクロアルケニル」とは、単環式環または多環式環を有し、かつ、少なくとも1個の>C=C<環不飽和、好ましくは1〜2箇所の>C=C<環不飽和を有する、3〜10個の炭素原子の非芳香族環状アルキル基を指す。
【0054】
「置換シクロアルキル」および「置換シクロアルケニル」とは、オキソ、チオオキソ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、複素環式、置換複素環式、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SOH、置換スルホニル、置換スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群から選択される1〜5個または好ましくは1〜3個の置換基を有するシクロアルキルまたはシクロアルケニル基を指し、ここで、前記置換基は本明細書で定義されている通りである。
【0055】
「シクロアルキルオキシ」とは、−O−シクロアルキルを指す。
【0056】
「置換シクロアルキルオキシ」とは、−O−(置換シクロアルキル)を指す。
【0057】
「シクロアルキルチオ」とは、−S−シクロアルキルを指す。
【0058】
「置換シクロアルキルチオ」とは、−S−(置換シクロアルキル)を指す。
【0059】
「シクロアルケニルオキシ」とは、−O−シクロアルケニルを指す。
【0060】
「置換シクロアルケニルオキシ」とは、−O−(置換シクロアルケニル)を指す。
【0061】
「シクロアルケニルチオ」とは、−S−シクロアルケニルを指す。
【0062】
「置換シクロアルケニルチオ」とは、−S−(置換シクロアルケニル)を指す。
【0063】
「グアニジノ」とは、−NHC(=NH)NH基を指す。
【0064】
「置換グアニジノ」とは、−NR53C(=NR53)N(R53を指し、ここで、各R53は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式および置換複素環式からなる群から独立に選択され、かつ、共通のグアニジノ窒素原子に結合している2つのR53基は、場合により、それらに結合している窒素と一緒に連結されて複素環式または置換複素環式基を形成し、ただし、少なくとも1つのR53は水素ではなく、かつ、前記置換基は本明細書で定義されている通りである。
【0065】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指し、好ましくは、フルオロまたはクロロである。
【0066】
「ハロアルキル」とは、1〜5個、1〜3個、または1〜2個のハロ基で置換されたアルキル基を指し、ここで、アルキルおよびハロは本明細書で定義されている通りである。
【0067】
「ハロアルコキシ」とは、1〜5個、1〜3個、または1〜2個のハロ基で置換されたアルコキシ基を指し、ここで、アルコキシおよびハロは本明細書で定義されている通りである。
【0068】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」とは、−OH基を指す。
【0069】
「ヘテロアリール」とは、1〜10個の炭素原子と、環内の酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子の芳香族基を指す。このようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジニルもしくはフリル)または複数の縮合環(例えば、インドリジニルもしくはベンゾチエニル)を有することができ、ここで、該縮合環は、その結合点が芳香族ヘテロアリール基の原子を介する限り、芳香族であってもなくてもよく、かつ/またはヘテロ原子を含有してもしなくてもよい。一実施形態において、ヘテロアリール基の窒素環原子および/または硫黄環原子は、N−オキシド(N→O)、スルフィニルまたはスルホニル部分を提供するように場合により酸化されてもよい。好ましいヘテロアリールとしては、ピリジニル、ピロリル、インドリル、チオフェニルおよびフラニルが挙げられる。
【0070】
「置換ヘテロアリール」とは、置換アリールに関して定義されたものと同じ置換基群からなる群から選択される1〜5個、好ましくは1〜3個、またはより好ましくは1〜2個の置換基で置換されているヘテロアリール基を指す。
【0071】
「ヘテロアリールオキシ」とは、−O−ヘテロアリールを指す。
【0072】
「置換ヘテロアリールオキシ」とは、−O−(置換ヘテロアリール)基を指す。
【0073】
「ヘテロアリールチオ」とは、−S−ヘテロアリール基を指す。
【0074】
「置換ヘテロアリールチオ」とは、−S−(置換ヘテロアリール)基を指す。
【0075】
「複素環」または「複素環式」または「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロシクリル」とは、1〜10個の環炭素原子と窒素、硫黄または酸素からなる群から選択される1〜4個の環ヘテロ原子を有する、飽和または部分飽和型であるが芳香族ではない基を指す。複素環は、単環または複数の縮合環(condensed rings)(複数の縮合(fused)環系、架橋環系およびスピロ環系を含む)を包含する。縮合(fused)環系において、1以上の環は、その結合点が非芳香族環を介する限り、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり得る。一実施形態において、複素環式基の窒素原子および/または硫黄原子は、N−オキシド、スルフィニルまたはスルホニル部分を提供するように場合により酸化されてもよい。
【0076】
「置換複素環式」または「置換ヘテロシクロアルキル」または「置換ヘテロシクリル」とは、置換シクロアルキルに関して定義されたものと同じ、1〜5個または好ましくは1〜3個の置換基で置換されているヘテロシクリル基を指す。
【0077】
「ヘテロシクリルオキシ」とは、−O−ヘテロシクリル基を指す。
【0078】
「置換ヘテロシクリルオキシ」とは、−O−(置換ヘテロシクリル)基を指す。
【0079】
「ヘテロシクリルチオ」とは、−S−ヘテロシクリル基を指す。
【0080】
「置換ヘテロシクリルチオ」とは、−S−(置換ヘテロシクリル)基を指す。
【0081】
複素環およびヘテロアリールの例としては、限定されるものではないが、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも呼ばれる)、1,1−ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジンおよびテトラヒドロフラニルが挙げられる。
【0082】
「ニトロ」とは、−NO基を指す。
【0083】
「オキソ」とは、(=O)原子または(−O)原子を指す。
【0084】
「スピロ環系」とは、両環に共通の環原子を1個だけ有する二環式環系を指す。
【0085】
「スルホニル」とは、二価の−S(O)−基を指す。
【0086】
「置換スルホニル」とは、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アルケニル、−SO−置換アルケニル、−SO−シクロアルキル、−SO−置換シクロアルキル、−SO−シクロアルケニル、−SO−置換シクロアルケニル、−SO−アリール、−SO−置換アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−置換ヘテロアリール、−SO−複素環式、−SO−置換複素環式基を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。置換スルホニルとしては、メチル−SO−、フェニル−SO−および4−メチルフェニル−SO−などの基が挙げられる。
【0087】
「スルホニルオキシ」とは、−OSO−アルキル、−OSO−置換アルキル、−OSO−アルケニル、−OSO−置換アルケニル、−OSO−シクロアルキル、−OSO−置換シクロアルキル、−OSO−シクロアルケニル、−OSO−置換シクロアルケニル、−OSO−アリール、−OSO−置換アリール、−OSO−ヘテロアリール、−OSO−置換ヘテロアリール、−OSO−複素環式、−OSO−置換複素環式基を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0088】
「チオアシル」とは、H−C(S)−、アルキル−C(S)−、置換アルキル−C(S)−、アルケニル−C(S)−、置換アルケニル−C(S)−、アルキニル−C(S)−、置換アルキニル−C(S)−、シクロアルキル−C(S)−、置換シクロアルキル−C(S)−、シクロアルケニル−C(S)−、置換シクロアルケニル−C(S)−、アリール−C(S)−、置換アリール−C(S)−、ヘテロアリール−C(S)−、置換ヘテロアリール−C(S)−、複素環式−C(S)−および置換複素環式−C(S)−基を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式は本明細書で定義されている通りである。
【0089】
「チオール」とは、−SH基を指す。
【0090】
「チオカルボニル」とは、二価の−C(S)−基を指し、これは−C(=S)−に等しい。
【0091】
「チオキソ」とは、(=S)原子を指す。
【0092】
「アルキルチオ」とは、−S−アルキル基を指し、ここで、アルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0093】
「置換アルキルチオ」とは、−S−(置換アルキル)基を指し、ここで、置換アルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0094】
「立体異性体」とは、1個以上の立体中心のキラリティーが異なる化合物を指す。立体異性体としては、エナンチオマーおよびジアステレオマーが挙げられる。
【0095】
「互変異性体」とは、プロトンの位置が異なる化合物の択一形態、例えば、エノール−ケト互変異性体およびイミン−エナミン互変異性体、または環−NH−部分および環=N−部分の双方に結合した環原子を含有するヘテロアリール基の互変異性形態、例えば、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾールおよびテトラゾールを指す。
【0096】
「代謝産物」とは、親化合物の投与後に被験体内で産生されたいずれの誘導体も指す。代謝産物は、例えば、酸化、還元、加水分解またはコンジュゲーションなど、被験体内での種々の生化学変換により親化合物から産生され得る。代謝産物には、例えば、酸化物および脱メチル化誘導体が含まれる。
【0097】
「プロドラッグ」とは、官能基がin vivoで代謝されて本発明の化合物またはその活性代謝物を提供する1以上の官能基に対する当技術分野で認知されている修飾物を指す。このような官能基は当技術分野ではよく知られ、ヒドロキシルおよび/またはアミノ置換ではアシル基、一リン酸、二リン酸および三リン酸のエステル(ここでは、1以上のペンダントヒドロキシル基が、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシまたは置換アリールオキシ基へ変換されている)などが挙げられる。
【0098】
「患者」とは哺乳動物を指し、ヒトおよび非ヒト哺乳動物を含む。
【0099】
「製薬上許容される塩」とは、化合物の製薬上許容される塩を指し、該塩は当技術分野でよく知られている種々の有機および無機対イオンから誘導され、一例を挙げれば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウム;ならびに該分子が塩基性官能性を含む場合には、有機酸または無機酸の塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩およびシュウ酸塩が含まれる[薬学的塩、それらの選択、製造および使用の包括的考察については、Stahl and Wermuth, eds., “Handbook of Pharmaceutically Acceptable Salts”, (2002), Verlag Helvetica Chimica Acta, Zurich, Switzerlandを参照]。
【0100】
「治療上有効な量」とは、特定の障害または疾患を治療するに十分な量である。
【0101】
患者における疾患を「治療する」もしくは「治療すること」とは、(1)疾病素因のある患者もしくはその疾患の症状をまだ示していない患者において疾患が生じるのを防ぐこと;(2)疾患を抑制するかもしくはその発症を阻止すること;または(3)疾患を改善するかもしくはその退縮を生じさせることを指す。
【0102】
特に断りのない限り、本明細書で明確に定義されていない置換基の命名は、その官能基の末端部と、それに続く結合点に対して隣接する官能基を命名することによって達せられる。例えば、置換基「アリールアルキルオキシカルボニル」は、基(アリール)−(アルキル)−O−C(O)−を指す。
【0103】
上記で定義される全ての置換基において、それら自体に対してさらなる置換基を有する置換基を定義することによって達せられるポリマーは、本明細書では含むものとしないと理解される。この場合、このような置換の最大数は3である。例えば、2つの他の置換アリール基での置換アリール基の連続的な置換は、−置換アリール−(置換アリール)−置換アリールに限定される。
【0104】
同様に、上記定義は、容認されない置換パターン(例えば、5個のフルオロ基で置換されたメチル)を含むものとしないと理解される。このような容認されない置換パターンは、当業者によく知られている。
【0105】
よって、本発明は、式(I):
【化2】

[式中、
Aは、場合により−(Rで置換されていてもよい3〜13員環であり、該環はシクロアルキル、複素環式、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
各Rは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、ニトロ、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群から独立に選択され;
mは、0、1、2または3であり;
は、結合、C−Cアルキレン、C−Cヘテロアルキレン、C−CアルケニレンまたはC−Cアルキニレンであり;
Tは、C−CアルキレンまたはC−Cヘテロアルキレンであり、かつ、VおよびWと一緒に4〜8員環を形成し;
VおよびWは双方ともCHであるか、またはVまたはWの一方がCHであって、VまたはWの他方がNであり;
pは、0、1または2であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、=CH、オキソからなる群から独立に選択されるか;または2つのY基が、それらが結合している原子と一緒にフェニル、4〜7員シクロアルキルもしくは4〜7員複素環式環を形成し、該フェニル、シクロアルキルまたは複素環式環はそれ自体場合により1〜2個のY基で置換されていてもよく;
は、アルキル、置換アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノおよびアルコキシからなる群から独立に選択され(ただし、それが結合している環がフェニルである場合には、Yはオキソでない);
Zは、C(O)、C(S)および−SO−からなる群から選択され;
Rは、R、OR、OCHおよびNR1aからなる群から選択され;
は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され;かつ
1aは、水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される]
の化合物またはその立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグを提供する。
【0106】
一態様では、Aは
【化3】

からなる群から選択される。
【0107】
一実施形態では、式(II):
【化4】

[式中、
EまたはFの一方は−N=であって、EまたはFの他方は−S−、−O−または−NH−であり;
各Rは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、ニトロ、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群から独立に選択され;
mは、1または2であり;
は、結合、C−Cアルキレン、C−Cヘテロアルキレン、C−CアルケニレンまたはC−Cアルキニレンであり;
Tは、C−CアルキレンまたはC−Cヘテロアルキレンであり、VおよびWと一緒に4〜8員環を形成し;
VおよびWは双方ともCHであるか、またはVまたはWの一方がCHであって、VまたはWの他方がNであり;
pは、0、1または2であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、=CH、オキソからなる群から独立に選択されるか;または2つのY基が、それらが結合している原子と一緒にフェニル、4〜7員シクロアルキルもしくは4〜7員複素環式環を形成し、該フェニル、シクロアルキルまたは複素環式環はそれ自体場合により1〜2個のY基で置換されていてもよく;
は、アルキル、置換アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノおよびアルコキシからなる群から独立に選択され(ただし、それが結合している環がフェニルである場合には、Yはオキソでない);
Zは、C(O)、C(S)および−SO−からなる群から選択され;
Rは、R、OR、OCHおよびNR1aからなる群から選択され;
は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され;かつ
1aは、水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される]
の化合物またはその立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
【0108】
式(I)および(II)の化合物、その立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグのいくつかの態様では、VはCであり、かつ、WはNである。
【0109】
他の態様では、Tは−CHCHCH−である。
【0110】
一実施形態では、式(III):
【化5】

[式中、
EまたはFの一方は−N=であって、EまたはFの他方は−S−、−O−または−NH−であり;
各Rは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、ニトロ、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群から独立に選択され;
mは、1または2であり;
は、結合、C−Cアルキレン、C−Cヘテロアルキレン、C−CアルケニレンまたはC−Cアルキニレンであり;
Qは、CH、CH(Y)、C(Y)(Y)、SおよびOからなる群から選択され;
pは、0、1または2であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、=CH、オキソからなる群から独立に選択されるか;または2つのY基が、それらが結合している原子と一緒にフェニル、4〜7員シクロアルキルもしくは4〜7員複素環式環を形成し、該フェニル、シクロアルキルまたは複素環式環はそれ自体場合により1〜2個のY基で置換されていてもよく;
は、アルキル、置換アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノおよびアルコキシからなる群から独立に選択され(ただし、それが結合している環がフェニルである場合には、Yはオキソでない);
Zは、C(O)、C(S)および−SO−からなる群から選択され;
Rは、R、OR、OCHおよびNR1aからなる群から選択され;
は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され;かつ
1aは、水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される]
の化合物またはその立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグが提供される。
【0111】
式(III)の化合物、立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグのいくつかの態様では、QはS、CHまたはOである。
【0112】
式(I)、(II)または(III)の化合物、その立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグのいくつかの態様では、Lは結合である。
【0113】
他の態様では、LはCアルキニレンである。
【0114】
いくつかの態様では、少なくとも1つのRがR−L−であり、ここで、Rはアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から選択され;R−L−配向で定義されるLは、結合、−O−、−S−、−CH−、−CHCH−、−SCH−、−C(O)−、−C(S)−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−SO−、−SONH−、−SOCH−、−OCH−、−CHCHNHC(O)−、−CHCHNHC(O)CH−、−NHN=C(CHCHOCO)−、−NHSO−、=CH−、−NHC(O)CHS−、−NHC(O)CHC(O)−、スピロシクロアルキル、−C(O)CHS−および−C(O)CHO−からなる群から選択され、ただし、Lが=CH−である場合、Rは複素環式または置換複素環式である。いくつかの態様では、Lは結合である。
【0115】
いくつかの態様では、Rは置換フェニルである。このようないくつかの態様では.該フェニルは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノシクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、ニトロ、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオから独立に選択される1〜3個の基で置換されている。いくつかの態様では、少なくとも1つの置換基がシクロアルキル−C(O)NH−である。
【0116】
いくつかの態様では、Rは、シクロプロピル−C(O)NH−、フェニル−C(O)NH−、シクロペンチル−C(O)NH−、4−クロロフェニル−C(O)NH−、4−クロロフェニル−C(O)NH−、メチル−C(O)NH−、メチルアミノ、4−メチルフェニル−SONH−、アミノ、エチル−C(O)NH−、ブロモ、メトキシ、メチル−SONH−、クロロ、フェニル−SONH−、メチル−C(O)NH−、メチル−C(O)−、フルオロ、メチル、エチル、プロピル、4−フルオロフェニル、ニトロ、フェニル、4−ブロモベンジルオキシ、シクロヘキシル、イソプロピル、tert−ブチル、4−メチルペンチルオキシメチル、NHC(O)−、ヒドロキシ、シクロヘキシル−NHC(O)CHS−、アリル、エトキシカルボニルメチルチオ、ジメチルアミノ、3−ニトロ−フェニル、イソブチル、プロポキシ、ブトキシメチル、ブチル−C(O)NH−、メチル−NHC(O)−、エチル−NHC(O)−、(2−オキソ−ヘキサヒドロ−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル)−ブチル−C(O)NH−、シクロプロピル−NHC(O)−、シクロヘキシル−NHC(O)−、シクロペンチル−NHC(O)−、プロピル、イソブチル、カルボキシ、ペンチル−C(O)NH−、フェニルアミノ−C(O)−、シクロプロピルアミノ−C(O)−、イソプロピルアミノ−C(O)−およびエチルアミノ−C(O)−から選択される少なくとも1つの置換基で置換されたフェニルである。
【0117】
いくつかの態様では、ZはC(O)である。
【0118】
他の態様では、RはOCHであり、Rはフェニルまたは置換フェニルである。
【0119】
他の態様では、pは1であり、かつ、Yは、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式および置換複素環式からなる群から選択される。
【0120】
他の態様では、Yは、フェニル、ピリジル、置換フェニルまたは置換ピリジルである。
【0121】
他の態様では、Yは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、3−フルオロ−ピリジン−4−イル−、2−ヒドロキシ−ピリジン−4−イル、テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル、フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、4−フルオロフェニル、3−カルボキシ−フェニル、4−カルボキシ−フェニル、3−メトキシカルボニル−フェニル、4−メトキシカルボニル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、フェニルメチル、キノリン−4−イル、チアゾール−2−イル、3−シアノ−フェニル、4−シアノ−フェニル、ピペリジン−3−イル−、ピペリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル−、テトラヒドロ−ピラン−4−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、シクロヘキシル、オキサゾール−5−イル、4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル、1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルまたはオキサゾール−2−イルである。
【0122】
さらに他の実施形態では、本発明は、表1から選択される化合物、その立体異性体、互変異性体または製薬上許容される塩を提供する。

【表1】












【0123】
一実施形態では、製薬上許容される担体と、治療上有効な量の式(I)〜(III)のいずれか1つの化合物、その立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩もしくはプロドラッグまたは表1の化合物を含む医薬組成物が提供される。別の実施形態では、フラビウイルス科ウイルスのウイルスによって少なくとも部分的に媒介される患者におけるウイルス感染を治療する方法であって、該患者にこのような組成物を投与することを含む方法が提供される。いくつかの態様では、ウイルス感染はC型肝炎ウイルスによって媒介される。
【0124】
他の態様では、治療上有効な量の本発明の化合物および/または組成物の投与は、C型肝炎ウイルスに対して活性な1以上の薬剤と組み合わせて用いられる。これらの薬剤としては、HCVプロテアーゼ、HCVポリメラーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV NS4Bタンパク質、HCV侵入、HCVアセンブリ、HCV放出、HCV NS5Aタンパク質またはイノシン5’−一リン酸デヒドロゲナーゼの阻害剤が含まれる。他の実施形態では、薬剤はインターフェロンである。
【0125】
投与および医薬組成物
一般的に、本発明の化合物は、同様の有用性を果たす薬剤についての許容される投与様式のいずれかによって、治療有効量で投与される。本発明の化合物、すなわち、有効成分の実際の量は、治療される疾患の重篤度、対象の年齢および相対的な健康、使用される化合物の効力、投与の経路および形態、ならびに他の因子などの、多数の因子に依存する。該薬剤は、1日1回以上、好ましくは1日1回または2回投与することができる。これらの因子は全て担当医の技能内にある。
【0126】
式(I)〜(III)の化合物の治療有効な量は、1日当たりレシピエントの体重1kg当たり約0.05〜50mg、好ましくは約0.1〜25mg/kg/日、より好ましくは約0.5〜10mg/kg/日の範囲であり得る。従って、70kgの人への投与では、用量範囲は最も好ましくは1日当たり約35〜700mgである。
【0127】
一般的に、本発明の化合物は、以下の経路:経口、全身(例えば、経皮、経鼻または坐剤による)、または非経口(例えば、筋肉内、静脈内または皮下)投与のいずれか1つによって医薬組成物として投与される。好ましい投与様式は、苦痛の程度に従って調節可能な便宜な1日用量計画を使用する経口である。組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、半固体、散剤、徐放性製剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、エアロゾル剤または任意の他の好適な組成物の形態をとり得る。本発明の化合物を投与するための別の好ましい様式は、吸入である。これは、治療薬を気道へ直接送達するために有効な方法である(米国特許第5,607,915号参照)。
【0128】
製剤の選択は、薬剤投与の様式および薬剤物質のバイオアベイラビリティ(生物利用能)などの種々の因子に依存する。吸入による送達では、該化合物は、液体溶液、懸濁剤、エアロゾル噴射剤または乾燥粉末として調剤することができ、投与に好適なディスペンサーへ装填することができる。ネブライザ吸入器、定量吸入器(MDI)およびドライパウダー吸入器(DPI)などの数種の医薬吸入装置が存在する。ネブライザ装置は、患者の気道中へ運搬されるミストとして治療薬(これは液体形態で調剤されている)を噴霧させる高速気流を生じさせる。MDIは一般に、圧縮ガスとともにパッケージされた製剤である。作動時に、該装置は、圧縮ガスによって定量の治療薬を放出し、従って、所定量の薬剤を投与する信頼できる方法を提供する。DPIは、該装置により呼吸の間に患者の呼気流中に分散可能なフリーフロー(自由流動性)粉末の形態で治療薬を分配する。フリーフロー粉末を得るためには、該治療薬をラクトースなどの賦形剤とともに調剤する。定量の治療薬がカプセル形態で保存され、作動の度に分配される。
【0129】
最近、表面積を増加させることにより、すなわち、粒径を小さくすることによりバイオアベイラビリティが増加され得るという原理に基づいて、特に、低いバイオアベイラビリティを示す薬剤のための医薬製剤が開発された。例えば、米国特許第4,107,288号は、有効材料が高分子の架橋マトリクスに支持されている、10〜1,000nmの粒径範囲の粒子を有する医薬製剤を記載している。米国特許第5,145,684号は、薬剤物質を表面改質剤の存在下でナノ粒子(平均粒径400nm)へと粉砕した後、液体媒体に分散し、著しく高いバイオアベイラビリティを示す医薬製剤とする、医薬製剤の製造を記載している。
【0130】
該組成物は、一般に、少なくとも1種類の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた式(I)〜(III)の化合物からなる。許容される賦形剤は無毒であり、投与を補助し、かつ、式(I)〜(III)の化合物の治療的利益に悪影響を与えない。このような賦形剤は、任意の固体、液体、半固体、またはエアロゾル組成物の場合には、当業者に一般に入手可能であるガス状賦形剤であり得る。
【0131】
固体医薬賦形剤としては、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウムおよび乾燥スキムミルクなどが挙げられる。液体および半固体賦形剤は、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール、ならびに石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などを含む種々のオイルから選択され得る。特に注射溶液に好ましい液体担体としては、水、生理食塩水、水性デキストロースおよびグリコールが挙げられる。
【0132】
圧縮ガスは、エアロゾル形態で本発明の化合物を分散するために使用され得る。この目的に好適な不活性ガスは、窒素、二酸化炭素などである。他の好適な医薬賦形剤およびそれらの製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, E. W. Martin編(Mack Publishing Company, 18th ed., 1990)に記載されている。
【0133】
製剤中の化合物の量は、当業者によって使用される全範囲内で可変である。一般には、製剤は、重量パーセント(重量%)で、全製剤に対して約0.01〜99.99重量%の式(I)〜(III)の化合物を含有し、残部は1種類以上の好適な医薬賦形剤である。好ましくは、該化合物は、約1〜80重量%のレベルで存在する。式(I)〜(III)の化合物を含有する代表的な医薬製剤を以下に記載する。
【0134】
さらに、本発明は、治療有効な量の本発明の化合物を、RNA依存性RNAウイルスに対する、特にHCVに対する治療有効な量の別の活性薬剤と組み合わせて含む医薬組成物を対象とする。
【0135】
本明細書においてHCVに対して活性な薬剤としては、限定されるものではないが、リバビリン(ribavirin)、レボビリン(levovirin)、ビラミジン(viramidine)、チモシン(thymosin)α−1、HCV NS3セリンプロテアーゼ阻害剤、インターフェロン−α、ペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)、インターフェロン−αとリバビリンの組合せ、ペグインターフェロン−αとリバビリンの組合せ、インターフェロン−αとレボビリンの組合せ、およびペグインターフェロン−αとレボビリンの組合せが挙げられる。インターフェロン−αとしては、限定されるものではないが、組換えインターフェロン−α2a(Hoffman-LaRoche, Nutley, NJから入手可能なRoferonインターフェロンなど)、インターフェロン−α2b(Schering Corp., Kenilworth, New Jersey, USAから入手可能なIntron−Aインターフェロン)、コンセンサスインターフェロン、および精製インターフェロン−α製品が挙げられる。リバビリンおよびHCVに対するその活性に関する考察ついては、J.O. Saunders and S.A. Raybuck, "Inosine Monophosphate Dehydrogenase: Consideration of Structure, Kinetics and Therapeutic Potential," Ann. Rep. Med. Chem., 35:201-210 (2000)を参照のこと。
【0136】
C型肝炎ウイルスに対して活性な薬剤としては、HCVプロテアーゼ、HCVポリメラーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV NS4Bタンパク質、HCV侵入、HCVアセンブリ、HCV放出、HCV NS5Aタンパク質、およびイノシン5’−一リン酸デヒドロゲナーゼを阻害する薬剤が挙げられる。他の薬剤としては、HCV感染の治療についてのヌクレオシド類似体が挙げられる。さらに他の化合物としては、WO2004/014313およびWO2004/014852ならびにそれらにそこに引用される参考文献に開示されているものが挙げられる。特許出願WO2004/014313およびWO2004/014852は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0137】
特定の抗ウイルス剤としては、Omega IFN(BioMedicines Inc.)、BILN−2061(Boehringer Ingelheim)、Summetrel(Endo Pharmaceuticals Holdings Inc.)、ロフェロンA(Roferon A)(F. Hoffman-La Roche)、ペガシス(Pegasys)(F. Hoffman-La Roche)、ペガシス/リバビリン(Pegasys/Ribaravin)(F. Hoffman-La Roche)、セルセプト(CellCept)(F. Hoffman-La Roche)、ウェルフェロン(Wellferon)(GlaxoSmithKline)、アルブフェロン−α(Albuferon-α)(Human Genome Sciences Inc.)、レボビリン(Levovirin)(ICN Pharmaceuticals)、IDN−6556(Idun Pharmaceuticals)、IP−501(Indevus Pharmaceuticals)、アクトイミューン(Actimmune)(InterMune Inc.)、インフェルゲンA(Infergen A)(InterMune Inc.)、ISIS 14803(ISIS Pharamceuticals Inc.)、JTK−003(Japan Tobacco Inc.)、ペガシス/セプレン(Pegasys/Ceplene)(Maxim Pharmaceuticals)、セプレン(Ceplene)(Maxim Pharmaceuticals)、シバシール(Civacir)(Nabi Biopharmaceuticals Inc.)、イントロンA/ザダキシン(Intron A/Zadaxin)(RegeneRx)、レボビリン(Levovirin)(Ribapharm Inc.)、ビラミジン(Viramidine)(Ribapharm Inc.)、ヘプタザイム(Heptazyme)(Ribozyme Pharmaceuticals)、イントロンA(Intron A)(Schering-Plough)、ペグイントロン(PEG-Intron)(Schering-Plough)、レベトロン(Rebetron)(Schering-Plough)、リ
バビリン(Ribavirin)(Schering-Plough)、ペグイントロン/リバビリン(PEG-Intron/Ribavirin)(Schering-Plough)、ザダザイム(Zadazim)(SciClone)、レビフ(Rebif)(Serono)、IFN−β/EMZ701(Transition Therapeutics)、T67(Tularik Inc.)、VX−497(Vertex Pharmaceuticals Inc.)、VX−950/LY−570310(Vertex Pharmaceuticals Inc.)、オムニフェロン(Omniferon)(Viragen Inc.)、XTL−002(XTL Biopharmaceuticals)、SCH 503034(Schering-Plough)、イサトリビン(isatoribine)とそのプロドラッグANA971およびANA975(Anadys)、R1479(Roche Biosciences)、バロピシタビン(Valopicitabine)(Idenix)、NIM811(Novartis)、ならびにアクチロン(Actilon)(Coley Pharmaceuticals)が挙げられる。
【0138】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物および方法は式(I)〜(III)の化合物とインターフェロンを含有する。いくつかの態様では、このインターフェロンは、インターフェロンα2B、ペグ化インターフェロンα、コンセンサスインターフェロン、インターフェロンα2A、およびリンパ芽球様インターフェロンτからなる群から選択される。
【0139】
他の実施形態では、本発明の組成物および方法は、式(I)〜(IV)の化合物と、インターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン12、1型ヘルパーT細胞応答の発生を増強する化合物、干渉RNA、アンチセンスRNA、イミキモド(Imiqimod)、リバビリン(ribavirin)、イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、アマンタジン(amantadine)およびリマンタジン(rimantadine)からなる群から選択される抗HCV活性を有する化合物とを含有する。
【0140】
一般的な合成方法
本発明の化合物は、下記の一般的な方法および手順を用いて、容易に入手可能な出発材料から製造することができる。典型的なまたは好ましい製造(process)条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、特に断りのない限り、他の製造条件も使用可能であると考えられる。最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒により異なり得るが、このような条件は、慣例の最適化手順により当業者によって決定可能である。
【0141】
さらに、当業者に明らかであるように、特定の官能基が望まれない反応を受けるのを防ぐために慣例の保護基が必要な場合がある。種々の官能基に対する好適な保護基ならびに特定の官能基を保護および脱保護するための好適な条件は、当技術分野において周知である。例えば、多数の保護基が、T. W. Green and G. M. Wuts, Protecting Groups in Organic Synthesis, 第三版, Wiley, New York, 1999およびそこに引用される参考文献に記載されている。
【0142】
さらに、本発明の化合物は、1以上のキラル中心を含む。よって、必要に応じて、このような化合物は、純粋な立体異性体として、すなわち、個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーとして、または立体異性体富化混合物として製造または単離することができる。このような立体異性体(および富化混合物)は全て、特に記載されない限り、本発明の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(または富化混合物)は、例えば、当技術分野で周知の光学的に活性な出発材料または立体選択的試薬を用いて製造することができる。あるいは、このような化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィーおよびキラル分割剤などを用いて分割することができる。
【0143】
以下の反応の出発材料は、一般的に公知の化合物であるか、または公知の手順またはその明らかな改変によって製造することができる。例えば、出発材料の多くは、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee, Wisconsin, USA)、Bachem(Torrance, California, USA)、Emka-ChemceまたはSigma(St. Louis, Missouri, USA)などの商業的供給業者から入手可能である。他のものは、Fieser and FieserのReagents for Organic Synthesis 1〜15巻(John Wiley and Sons, 1991)、RoddのChemistry of Carbon Compounds 1〜5巻および補足(Elsevier Science Publishers, 1989)、Organic Reactions 1〜40巻(John Wiley and Sons, 1991)、MarchのAdvanced Organic Chemistry(John Wiley and Sons, 第4版)、およびLarockのComprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc., 1989)などの標準的な参考テキストに記載されている手順、またはその明らかな改変によって製造することができる。
【0144】
本発明の種々の出発材料、中間体および化合物は、沈殿、濾過、結晶化、蒸発、蒸留およびクロマトグラフィーなどの通常の技術を用いて適宜、単離および精製することができる。これらの化合物の特性決定は、融点、質量スペクトル、核磁気共鳴および種々の他の分光分析などの通常の方法を用いて行うことができる。
【0145】
本発明の種々の中間体の製造は、1以上のアミド結合形成反応を含み得る。好適なアミドカップリング条件としては、カップリング試薬の使用を含む。アミド結合を形成させるためには種々のアミドカップリング試薬が使用可能であり、N−N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)などのカルボジイミドの使用が含まれる。これらのカルボジイミドは、ベンゾトリアゾール7−aza−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOAt)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)および6−クロロ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(Cl−HOBt)などの添加剤と併用可能である。
【0146】
アミドカップリング試薬としてはまた、アミニウムおよびホスホニウムに基づく試薬も含む。アミニウム塩としては、N−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシド(HATU)、N−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)(ジメチルアミノ)メチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシド(HBTU)、N−[(1H−6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)(ジメチルアミノ)メチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシド(HCTU)、N−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)(ジメチルアミノ)メチレン]−N−メチルメタンアミニウムテトラフルオロボレートN−オキシド(TBTU)およびN−[(1H−6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)(ジメチルアミノ)メチレン]−N−メチルメタンアミニウムテトラフルオロボレートN−オキシド(TCTU)が挙げられる。ホスホニウム塩としては、7−アザベンゾトリアゾール−1−イル−N−オキシ−トリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyAOP)およびベンゾトリアゾール−1−イル−N−オキシ−トリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)が挙げられる。
【0147】
アミド形成工程は、ジメチルホルムアミド(DMF)などの極性溶媒中で行うことができ、また、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)などの有機塩基を含み得る。
【0148】
【化6】

スキーム1は、例として環Aが置換フェニル環であり、pが0であり、かつ、Z−Rが一緒にベンジルオキシカルボニル基を形成する、本発明の化合物の一般合成を示す。ハロゲン化物1.1をアジ化ナトリウムなどのアジ化物と反応させて1.2を得、次にこれをPhPなどの還元剤で処理してイミン1.3を得る。1.3を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤に曝してアミン1.4を得、次にこれを、塩化カルボニルベンジルオキシと反応させることによるなどして官能基化し、カルバメート1.5を得る。中間体1.5を、遷移金属により触媒されるクロスカップリング反応においてアリールボロン酸または好適なカップリング相手と反応させ、化合物1.6を得る。好適な遷移金属触媒としては、鈴木のカップリングに用いられるものなどのPdに基づく触媒(例えば、Pd(PPhCl、Pd[P(Ph)]など)が挙げられる。中間体1.5はまた、当技術分野で明らかな方法を用いて、本発明の化合物を得るようにさらに修飾することもできる。
【0149】
【化7】

スキーム2は、例としてLがCアルキニレンであり、環Aが置換フェニル環であり、pが0であり、かつ、Z−Rが一緒にベンジルオキシカルボニル基を形成する化合物の一般合成を示す。ポリノール2.1をスワーン(Swern)酸化などの参加条件に曝し、アルデヒド2.2を形成する。このアルデヒドを、アルコキシドなどの塩基の存在下でBestmann−Ohiraの試薬2.3と反応させてアルキン2.4を得る。園頭(Sonogashira)カップリング条件(Cu(I)、Et3N、Pd(O))下で2.4をヨウ化物2.5と反応させてボロン酸2.4を得、次にこれを鈴木のカップリング条件下でAr−X(式中、Xはハロゲン化物である)とカップリングさせて化合物2.7を得ることができる。
【0150】
【化8】

スキーム3は、例として環Aが置換ベンズイミダゾール−2−イル、ベンズオキサゾール−2−イルまたはベンズチアゾール−2−イルであり、pが0であり、かつ、Z−Rが一緒にベンジルオキシカルボニル基を形成する化合物の一般合成を示す。酸3.1を、HATUなどのカップリング試薬の存在下でアミン3.2とカプリングさせて3.2を得る。3.3を酢酸などの酸で処理して環化ハロゲン化物3.4を得、次にこれを鈴木のカップリング条件下でAr−X(式中、Xはハロゲン化物である)とカップリングさせて化合物3.5を得る。
【0151】
本発明の前述および他の態様は、下記の代表的な実施例によりより良く理解することができる。
【実施例】
【0152】
以下の実施例および本願を通じて、下記の略語は次の意味を有する。定義されない場合、それらの用語はそれらの一般的に受け入れられている意味を有する。
atm=大気
cm=センチメートル
DMF=ジメチルホルムアミド
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMSO=ジメチルスルホキシド
eq.=当量
F.W.=式量
g=グラム
HATU=N−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシド
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
KOAc=酢酸カリウム
L=リットル
MeCN=アセトニトリル
mg=ミリグラム
mL=ミリリットル
mmol=ミリモル
MS=質量スペクトル
TEA=トリエチルアミン
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
TLC=薄層クロマトグラフィー
v/v=容量/容量
μL=マイクロリットル
【0153】
一般手順A
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、2−[6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(100mg、0.220mmol)、アリールボロン酸(1eq)、Pd[P(Ph)(5mol%、13mg)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に再溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。
【0154】
一般手順B
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、2−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(100mg、0.25mmol)、アリールボロン酸(1eq)、Pd[P(Ph)(5mol%、14mg)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に再溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。
【0155】
一般手順C
(S)−2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシ−フェニルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
Z−保護(S)−プロリン(664mg)をDMF(15mL)に溶解させ、HATU(1.1eq.、1000mg)およびDIPEA(2.1eq、1mL)で処理し、15分間攪拌した。次に、2−アミノ−4−ブロモ−フェノール(1eq、500mg)を加え、この混合物を周囲温度で一晩攪拌した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に再溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。MS: 419.5 (M+H+)
【0156】
(S)−2−(5−ブロモ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシ−フェニルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(上記から)をHOAc(50mL)に溶解させ、12時間110℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に再溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。MS: 401.5 (M+H+).
【0157】
(S)−2−(6−アリール−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−2−(5−ブロモ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(80mg、0.2mmol)、アリールボロン酸(1eq)、Pd[P(Ph)(5mol%、11mg)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70度に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。
【0158】
一般手順D
2−アミノ−5−ブロモ−ベンゼンチオール
6−ブロモ−ベンゾチアゾール−2−イルアミン(1g)をエチレングリコール(4mL)に溶解させ、KOH水溶液(4mL、10M)で処理し、12時間125℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、HOAcで中和し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。MS: 204.5 (M+H+).
【0159】
(S)−2−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニルスルファニルカルボニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
Z−保護(S)−プロリン(1.35g)をDMF(5mL)に溶解させ、HBTU(1.1eq.、2.3g)で処理し、DIPEA(2.1eq、2.5mL)で処理し、15分間攪拌した。次に、2−アミノ−5−ブロモ−ベンゼンチオール(1eq、1.1g)を加え、この混合物を周囲温度で一晩攪拌した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。MS: 435.5 (M+H+)
【0160】
(S)−2−(6−ブロモ−ベンゾチアゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
2−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニルスルファニルカルボニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(上記から)は冷蔵庫で1週間すると自然に環化した。これを次の反応にそのまま用いた。MS: 417.5 (M+H+).
【0161】
(S)−2−(6−アリール−ベンゾチアゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−2−(6−ブロモ−ベンゾチアゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(83mg、0.2mmol)、アリールボロン酸(1eq)、Pd[P(Ph)(5mol%、11mg)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。
【0162】
実施例1
(S)−2−[6−(3−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4001)
3−ブロモ−N−シクロプロピル−ベンズアミド
3−ブロモ−安息香酸(2.5518g、12.7mmol)およびHATU(5.2230g、13.7mmol)をDMF(40mL)に溶解させた。DIPEA(4.644mL、26.7mmol)を加え、この混合物を室温で15分間攪拌した。次に、シクロプロピルアミン(0.88mL、12.7mmol)を加え、この反応物を周囲温度で一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的生成物を得た。
【0163】
(S)−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
【0164】
DMSO(20mL)中、(S)−2−(5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(3.5g、8.75mmol)の溶液にKOAc(2.5g)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[1,3,2]ジオキサボロラニル](5.8g)、NaHCO(900mg)、PdP(Ph)Cl(600mg)を加え、一晩80℃に加熱した。この混合物を20mLの水に注ぎ、濾過し、シリカカラムにのせ、生成物をヘキサン中20%のEtOAcで溶出させた。MS: 448 (M+H+)
【0165】
(S)−2−[5−(3−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4001)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(90mg、0.20mmol)、3−ブロモ−N−シクロプロピル−ベンズアミド(48.6mg、0.20mmol)およびPd[P(Ph)(14.5mg、6.2mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量15.0mg。MS: 481.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.52-0.74 (m, 4H), 1.88-2.18 (m, 3H), 2.78-2.89 (m, 1H), 3.42-3.74 (m, 2H), 4.78-5.13 (m, 2H), 5.16-5.29 (m, 1H), 6.78-7.09 (m, 2H), 7.24-7.40 (m, 2H), 7.48+7.58 (m, 1H), 7.67-7.96 (m, 6H), 8.04-8.10 (s, 1H), 8.49-8.58 (m, 1H).
【0166】
実施例2
2−(4’−シクロプロピルカルバモイルメチル−ビフェニル−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4002)
2−(4−ブロモ−フェニル)−N−シクロプロピル−アセトアミド
(4−ブロモ−フェニル)−酢酸(632.3mg、2.9mmol)およびDCC(609.2mg、3.0mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解させ、周囲温度で5分間攪拌した。次に、シクロプロピルアミン(204.5μL、3.0mmol)を加え、この反応物を周囲温度で一晩攪拌した。この反応物を濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物をDMF(10mL)に再溶解させ、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。
【0167】
4−アジド−1−(4−ブロモ−フェニル)−ブタン−1−オン
DMSO(10mL)中、1−(4−ブロモ−フェニル)−4−クロロ−ブタン−1−オン(2.6g、10mmol)の溶液をNaI(100mg)およびNaN(3eq、2g)で処理した。この混合物を一晩60℃に加熱した後、冷却した。水(30mL)を加え、この溶液をEtOAc(2×20mL)で抽出した。有機層をブライン(1×)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を除去した。MS: 268 (M+H+)
【0168】
5−(4−ブロモ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール
ヘキサン(50mL)中、4−アジド−1−(4−ブロモ−フェニル)−ブタン−1−オン(2.7g、10mmol)の懸濁液をトリフェニルホスフィン(1eq、2.62g)で処理し、室温で一晩攪拌した。この懸濁液を濾過し、冷EtOで洗浄した。エーテル相を1容量のヘキサンで希釈し、濾過した。有機相から溶媒を除去し、粗生成物をそのまま次の反応に用いた。MS: 224 (M+H+).
【0169】
2−(4−ブロモ−フェニル)−ピロリジン
5−(4−ブロモ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール(10mmol)をMeOH(w/20% HOAc、5mL)に溶解させ、−40℃に冷却した。NaBH(2eq、760mg)を加え、この混合物を室温まで温めた。2時間後、この反応物をHCl(2M、50mL)で酸性化し、エーテル(2×50mL)で抽出し、水層をNaOH(水中2M、100mL)で塩基性とし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、濃縮し、油状物を得た。MS: 226 (M+H+)
【0170】
2−(4−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
0℃下、DMF(15mL)中、5−(4−ブロモ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール(661mg、3mmol)の溶液をDIPEA(1.5eq、781μL)、次いで、塩化カルボニルベンジルオキシ(1.3eq、540μL)で処理した。2時間後、溶媒を除去し、粗混合物をDMFに溶解させ、0.1%TFAで酸性化し、逆相HPLCで精製し、生成物を得た。MS: 360 (M+H+).
【0171】
N−シクロプロピル−2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−アセトアミド
【0172】
DMSO(30mL)中、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](3.7877g、14.92mmol)、2−(4−ブロモ−フェニル)−N−シクロプロピル−アセトアミド(1.2612g、4.96mmol)、酢酸カリウム(1.4608g、14.88mmol)およびPd(PPhCl(0.3490g、10.0mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩80℃に加熱した。この反応物を冷却し、蒸留水およびブラインを加えた。この混合物を遠心分離し、液体をデカントした。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的生成物を得た。
【0173】
2−(4’−シクロプロピルカルバモイルメチル−ビフェニル−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4002)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、N−シクロプロピル−2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−アセトアミド(66.4mg、0.22mmol)、2−(4−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(84.0mg、0.23mmol)およびPd[P(Ph)(12.4mg、4.6mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量44.9mg。MS: 455.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.37-0.46 (m, 2H), 0.58-0.68 (m, 2H), 1.68-1.93 (m, 3H), 2.20-2.46 (m, 1H), 2.56-2.68 (m, 1H), 3.34-3.42 (s, 2H), 3.48-3.73 (m2H), 4.81-5.12 (m, 3H), 6.80-6.90 (m, 1H), 7.05-7.40 (m, 8H), 7.49-7.63 (m, 4H), 8.13-8.20 (d, 1H)
【0174】
実施例3
(S)−2−[6−(3−シクロプロピルカルバモイルメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4003)
2−(3−ブロモ−フェニル)−N−シクロプロピル−アセトアミド
(3−ブロモ−フェニル)−酢酸(636.0mg、3.0mmol)およびDCC(608.2mg、2.9mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解させ、周囲温度で5分間攪拌した。次に、シクロプロピルアミン(204.5μL、3.0mmol)を加え、この反応物を周囲温度で一晩攪拌した。この反応物を濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物をDMF(10mL)に再溶解させ、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。
【0175】
(S)−2−[6−(3−シクロプロピルカルバモイルメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4003)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(90mg、0.20mmol)、2−(3−ブロモ−フェニル)−N−シクロプロピル−アセトアミド(51.8mg、0.20mmol)およびPd[P(Ph)(13.5mg、5.8mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量15.0mg。MS: 495.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.30-0.55 (m, 2H), 0.53-0.78 (m, 2H), 1.92-2.21 (m, 3H), 2.55-2.68 (m, 1H), 3.55-3.80 (m, 2H), 4.81-5.19 (m, 2H), 5.19-5.32 (m, 1H), 7.02-7.13 (m, 2H), 7.21-7.89 (m, 10H), 8.16-8.23 (m, 1H)
【0176】
実施例4
(S)−2−[4’−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−ビフェニル−3−イルエチニル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4004)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(1.6mL)中、(S)−2−(3−ボロン酸−フェニルエチニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(62.5mg、0.18mmol)、シクロプロパンカルボン酸(4−ブロモ−フェニル)−アミド(実施例58、43.5mg、0.18mmol)およびPd[P(Ph)(12.7mg、6.1mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量21.8mg。MS: 465.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.73-0.85 (m, 4H), 1.70-2.30 (m, 5H), 4.71-4.83 (m, 1H), 4.80-5.31 (m, 2H), 7.17-7.71 (m, 13H), 10.24-10.31 (2, 1H).
【0177】
実施例5
(S)−2−[6−(1H−インドール−5−イル)−ベンゾチアゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4005)
一般手順Dに従い、1eq.の1H−インドール5−ボロン酸から。収量44mg。MS: 454.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 11.1 (s, 1H), 8.3 (s, 1H), 7.9-7.7 (m, 3H), 7.5-7.3 (m, 6H), 7.1-6.9 (m, 2H), 6.5 (s, 1H), 5.3 (m, 1H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.6-3.5 (m, 4H), 2.39 (m, 1H), 2.12-1.98 (m, 3H)
【0178】
実施例6
(S)−4−[5−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2−ピリジン−4−イル−チアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4006)
(S)−4−(2−アミノ−4−ブロモ−フェニルカルバモイル)−2−ピリジン−4−イル−チアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル
2−ピリジン−4−イル−チアゾリジン−3,4−ジカルボン酸3−ベンジルエステル(172mg)をDMF(15mL)に溶解させ、PyBrOP(1.1eq.、256mg)およびDIPEA(2.1eq、200μL)で処理し、15分間攪拌した。次に、4−ブロモ−ベンゼン−1,2−ジアミン(1eq、102mg)を加え、この混合物を周囲温度で一晩攪拌した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。MS: 513.5 (M+H+)
【0179】
(S)−4−(5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−ピリジン−4−イル−チアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル
(S)−4−(2−アミノ−4−ブロモ−フェニルカルバモイル)−2−ピリジン−4−イル−チアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(上記から)をHOAc(10mL)に溶解させ、3時間90℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。MS: 495.5 (M+H+)
【0180】
(S)−4−[5−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2−ピリジン−4−イル−チアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4006)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−4−(5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−ピリジン−4−イル−チアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(49.5mg、0.1mmol)、N−シクロプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアミド(実施例10、29mg、1eq)、Pd[P(Ph)(5mol%、11mg)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。収量33.5mg。MS: 576.5 (M + H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.8-8.4 (m, 3H), 8.0-7.6 (m, 6H), 7.3-6.9 (m, 5H), 6.4-6.0 (m, 2H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.7 (m, 2H), 3.4 (m, 2H), 2.87 (m, 1H), 0.7-0.6 (m, 4H).
【0181】
実施例7
(S)−2−(6−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4007)
一般手順Aに従い、1eqのブロモ−ベンゼンから。収量14.0mg。MS: 398.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.9-7.7 (m, 5H), 7.48 (s, 2H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H)
【0182】
実施例8(S)−2−[6−(4−アミノ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4008)
一般手順Aに従い、1eq.の4−ブロモ−フェニルアミンから。収量6.6mg。MS: 412.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.85-7.6 (m, 4H), 7.35 (m, 3H), 7.1 (m, 2H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H)
【0183】
実施例9
2−[3’−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4009)
シクロプロパンカルボン酸[3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−アミド
DMSO(30mL)中、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](3.9783g、15.67mmol)、シクロプロパンカルボン酸(3−ブロモ−フェニル)−アミド(実施例37、1.2515g、5.21mmol)、酢酸カリウム(1.5250g、15.54mmol)およびPd(PPhCl(0.3646g、10.0mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩80℃に加熱した。この反応物を冷却し、蒸留水およびブラインを加えた。この混合物を遠心分離し、液体をデカントした。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的生成物を得た。
【0184】
2−[3’−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4009)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、シクロプロパンカルボン酸[3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−アミド(65.5mg、0.23mmol)、2−(4−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(83.3mg、0.23mmol)およびPd[P(Ph)(12.4mg、4.6mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量14.2mg。MS: 441.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.75-0.90 (m, 4H), 1.68-1.94 (m, 4H), 2.21-2.45 (m, 1H), 3.47-3.74 (m, 2H), 4.80-5.13 (m, 3H), 6.78-6.89 (m, 1H), 7.05-7.59 (m, 11H), 7.84-7.97 (d, 1H), 10.22-10.33 (s, 1H).
【0185】
実施例10
(S)−2−[6−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3−ジヒドロ−インドール−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4010)
4−ブロモ−N−シクロプロピル−ベンズアミド
4−ブロモ−安息香酸(2.5116g、12.5mmol)およびHATU(5.2213g、13.7mmol)をDMF(40mL)に溶解させた。DIPEA(4.572mL、26.2mmol)を加え、この混合物を周囲温度で15分間攪拌した。次に、シクロプロピルアミン(0.866mL、12.5mmol)を加え、この反応物を周囲温度で一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的生成物を得た。
【0186】
N−シクロプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアミド
DMSO(30mL)中、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](3.9837g、15.67mmol)、4−ブロモ−N−シクロプロピル−ベンズアミド(1.2516g、5.21mmol)、酢酸カリウム(1.5353g、15.64mmol)およびPd(PPhCl(0.3677g、10.0mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩80℃に加熱した。この反応物を冷却し、蒸留水およびブラインを加えた。この混合物を遠心分離し、液体をデカントした。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的生成物を得た。
【0187】
(S)−2−(2−アミノ−4−ブロモ−フェニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロ−インドール−1−カルボン酸ベンジルエステルおよび(S)−2−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロ−インドール−1−カルボン酸ベンジルエステル
(S)−2,3−ジヒドロ−インドール−1,2−ジカルボン酸1−ベンジルエステル(394.7mg、1.33mmol)をDMF(10mL)に溶解させた。DIPEA(465μL、2.67mmol)、次いで、HATU(504.8mg、1.33mmol)を加えた。この反応物を周囲温度で15分間攪拌した。次に、4−ブロモ−ベンゼン−1,2−ジアミン(250.1mg、1.34mmol)を加え、この反応物を周囲温度で1時間攪拌した。この反応物を濾過し、逆相HPLCにより精製した。
【0188】
(S)−2−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−インドール−1−カルボン酸ベンジルエステル
氷酢酸(5mL)中、(S)−2−(2−アミノ−4−ブロモ−フェニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロ−インドール−1−カルボン酸ベンジルエステルおよび(S)−2−(2−アミノ−5−ブロモ−フェニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロ−インドール−1−カルボン酸ベンジルエステル(619mg、1.33mmol)の溶液を密閉バイアル中で2.5時間110℃に加熱した。酢酸を除去し、得られた混合物を濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。
【0189】
(S)−2−[6−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3−ジヒドロ−インドール−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4010)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、N−シクロプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアミド(75.9mg、0.26mmol)、(S)−2−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−インドール−1−カルボン酸ベンジルエステル(60mg、0.13mmol)およびPd[P(Ph)(8.3mg、5.4mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。次に、この生成物をHCl塩へ変換した。生成物を最少量のアセトニトリルに溶解させ、その溶液をドライアイス中で冷却した後、ジエチルエーテル中2.0MのHClを溶液から沈殿が析出するまで加えた。この混合物を遠心分離し、液体をデカントした。冷ジエチルエーテルを追加し、この混合物を再び遠心分離し、液体をデカントした。得られた固体を乾燥させ、目的生成物のHCl塩を得た。収量7.9mg。MS: 529.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.55-0.77 (m, 4H), 2.80-2.93 (m, 1H), 3.32-3.45 (m, 1H), 3.75-3.90 (m, 1H), 5.96-6.08 (m, 1H), 6.87-7.33 (m, 6H), 7.68-8.00 (m, 8H), 8.48-8.54 (d, 1H).
【0190】
実施例11
(S)−2−(6−ナフタレン−2−イル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4011)
一般手順Aに従い、1eq.の2−ブロモ−ナフタレンから。収量5.4mg。MS: 448.5 (M-NHCOCH3); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.2(s, 1H), 8.0-7.6 (m, 7H), 7.5 (m, 2H), 7.3 (m, 2H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0191】
実施例12
(S)−2−[6−(5−ニトロ−フラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4012)
一般手順Aに従い、1eq.の2−ブロモ−5−ニトロ−フランから。収量8mg。MS: 433.4 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.1-7.7 (m, 3H), 7.5 (m, 1H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0192】
実施例13
(S)−2−(6−キノリン−3−イル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4013)
一般手順Aに従い、1eq.の3−ブロモ−キノリンから。収量24mg。MS: 449.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 9.5 (m, 1H), 9.1 (m, 1H), 8.3-7.7 (m, 6H), 7.5 (m, 1H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 2H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0193】
実施例14
(S)−2−[6−(1H−インドール−7−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4014)
一般手順Aに従い、1eq.の7−ブロモ−1H−インドールから。収量16mg。MS: 437.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.9-7.5 (s, 5H), 7.3 (m, 4H), 7.1-6.8 (m, 4H), 6.5 (m, 1H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0194】
実施例15
(S)−2−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4015)
一般手順Bに従い、1eq.の4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸から。収量25mg。MS: 466.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.2-8.4 (m, 4H), 7.9 (m, 1H), 7.7 (m, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0195】
実施例16
(S)−2−[6−(3−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4016)
一般手順Bに従い、1eq.の3−メトキシ−フェニルボロン酸から。収量24mg。MS: 428.5 ( (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.9-7.7 (m, 5H), 7.4-7.2 (m, 5H), 7.0-6.8 (m, 2H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0196】
実施例17
(S)−2−[6−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4017)
一般手順Bに従い、1eq.の2,4−ジトキシ−フェニル−1ボロン酸から。収量15mg。MS: 458.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.7 (m, 3H), 7.5 (m, 1H), 7.4-7.25 (m, 4H), 7.0-6.8 (m, 3H), 6.65 (m, 2H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0197】
実施例18
(S)−2−[6−(1H−インドール−6−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4018)
一般手順Bに従い、1eq.の1H−インドール6−1ボロン酸から。収量36mg。MS: 437.5 (M-NHCOCH3); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.9-7.6 (m, 5H), 7.3 (m, 4H), 7.0-6.8 (m, 2H), 6.5 (m, 1H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0198】
実施例19
(S)−2−[6−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4019)
一般手順Cに従い、1eq.のN−シクロプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアミド(実施例10)から。収量22mg。MS: 482.5 (M-NHCOCH3); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.4 (m, 1H), 8.0 (m, 1H), 7.9-7.6 (m, 5H), 7.3 (m, 2H), 7.1-6.8 (m, 2H), 5.2-4.8 (m, 3H), 2.8 (m, 1H), 2.42 (m, 1H), 2.02 (m, 3H), 0.7-0.6 (m, 4H)
【0199】
実施例20
(S)−2−[6−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4020)
メタノール(4mL)、NaHCO(飽和水溶液、600μL)およびDMF(800μL)中、(S)−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(93.5mg、0.33mmol)、4−ブロモ−N−シクロプロピル−ベンズアミド(実施例10、137.4mg、0.34mmol)およびPd[P(Ph)(19.2mg、5.1mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。次に、この生成物をHCl塩へ変換した。生成物を最少量のアセトニトリルに溶解させ、その溶液をドライアイス中で冷却した後、ジエチルエーテル中2.0MのHClを溶液から沈殿が析出するまで加えた。この混合物を遠心分離し、液体をデカントした。冷ジエチルエーテルを追加し、この混合物を再び遠心分離し、液体をデカントした。得られた固体を乾燥させ、目的生成物のHCl塩を得た。MS: 481.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.54-0.76 (m, 4H), 1.92-2.27 (m, 3H), 2.81-2.93 (m, 1H), 3.38-3.85 (m, 2H), 4.80-5.17 (m, 2H), 5.25-5.40 (m, 1H), 6.83-7.10 (m, 2H), 7.26-7.43 (m, 2H), 7.74-8.03 (m, 8H), 8.49-8.57 (m, 1H)
【0200】
実施例21
(S)−2−[6−(4−シクロプロピルカルバモイルメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4021)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(90mg、0.20mmol)、2−(4−ブロモ−フェニル)−N−シクロプロピル−アセトアミド(実施例2、51.0mg、0.20mmol)およびPd[P(Ph)(14.3mg、6.2mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量15.0mg。MS: 495.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.35-0.45 (m, 2H), 0.53-0.67 (m, 2H), 1.90-2.20 (m, 3H), 2.55-2.69 (m, 1H), 3.45-3.81 (m, 2H), 4.79-5.18 (m, 2H), 5.18-5.32 (m, 1H), 6.80-7.12 (m, 2H), 7.24-7.41 (m, 4H), 7.50-7.97 (m, 6H), 8.11-8.22 (m, 1H).
【0201】
実施例22
(S)−2−[6−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−ベンゾタゾール(benzothazol)−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4022)
一般手順Dに従い、1eq.のN−シクロプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアミド(実施例10)から。収量6.5mg。MS: 498 (M-NHCOCH3); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.5 (m, 1H), 8.4 (m, 1H), 8.0-7.8 (m, 6H), 7.3 (m, 2H), 7.1-6.8 (m, 2H), 5.3 (m, 1H), 5.2-4.8 (m, 2H), 3.6 (m, 4H), 2.8 (m, 1H), 2.42 (m, 1H), 1.98 (m, 3H), 0.7-0.6 (m, 4H).
【0202】
実施例23
2−{3’−[(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−メチル]−ビフェニル−4−イル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4023)
シクロプロパンカルボン酸3−ブロモ−ベンジルアミド
3−ブロモ−ベンジルアミン塩酸塩(437.3mg、2.0mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解させ、この溶液を0℃に冷却した。次に、DIPEA(688.0μL、3.9mmol)を加え、この反応物を0℃で5分間攪拌した。次に、塩化シクロプロパンカルボニル(180.0μL、2.3mmol)を加え、この反応物を0℃で20分間攪拌した。この反応物を蒸留水でクエンチし、溶媒を除去した。得られた混合物をDMF(10mL)に再溶解させ、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。
【0203】
シクロプロパンカルボン酸3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルアミド
DMSO(30mL)中、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](3.7925g、14.93mmol)、シクロプロパンカルボン酸3−ブロモ−ベンジルアミド(1.2595g、4.96mmol)、酢酸カリウム(1.4632g、14.91mmol)およびPd(PPhCl(0.3452g、9.9mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩80℃に加熱した。この反応物を冷却し、蒸留水およびブラインを加えた。この混合物を遠心分離し、液体をデカントした。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的生成物を得た。
【0204】
2−{3’−[(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−メチル]−ビフェニル−4−イル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4023)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、シクロプロパンカルボン酸3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルアミド(66.4mg、0.22mmol)、2−(4−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(83.1mg、0.23mmol)およびPd[P(Ph)(12.7mg、4.8mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量30.0mg。MS: 455.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.60-0.79 (m, 4H), 1.56-1.96 (m, 4H), 2.20-2.47 (m, 1H), 3.47-3.75 (m, 2H), 4.29-4.40 (s, 2H), 4.80-5.12 (m, 3H), 6.79-6.90 (m, 1H), 7.05-7.61 (m, 12H), 8.53-8.67 (m, 1H).
【0205】
実施例24
(S)−2−(4’−シクロプロピルカルバモイルメチル−ビフェニル−3−イルエチニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4024)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(1.6mL)中、(S)−2−(3−ボロン酸−フェニルエチニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(62.5mg、0.18mmol)、2−(4−ブロモ−フェニル)−N−シクロプロピル−アセトアミド(実施例2、45.8mg、0.18mmol)およびPd[P(Ph)(11.1mg、5.4mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量23.4mg。MS: 479.6 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.36-0.44 (m, 2H), 0.57-0.66 (m, 2H), 1.86-2.30 (m, 4H), 2.54-2.65 (m, 1H), 4.72-4.84 (m, 1H), 4.98-5.31 (m, 2H), 7.14-7.68 (m, 13H), 8.11-8.17 (m, 1H).
【0206】
実施例25
(S)−2−(6−ピリジン−2−イル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4025)
一般手順Aに従い、1eq.の2−ブロモ−ピリジンから。収量41mg。MS: 399.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.7 (m, 1H), 8.4-7.8 (m, 3H), 7.47 (s, 1H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0207】
実施例26
2−[4’−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4026)
シクロプロパンカルボン酸[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−アミド
DMSO(30mL)中、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](3.9704g、15.64mmol)、シクロプロパンカルボン酸(4−ブロモ−フェニル)−アミド(実施例58、1.2498g、5.21mmol)、酢酸カリウム(1.5272g、15.56mmol)およびPd(PPhCl(0.3639g、10.0mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩80℃に加熱した。この反応物を冷却し、蒸留水およびブラインを加えた。この混合物を遠心分離し、液体をデカントした。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的生成物を得た。
【0208】
2−[4’−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4026)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、シクロプロパンカルボン酸[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−アミド(66.2mg、0.23mmol)、2−(4−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(82.0mg、0.23mmol)およびPd[P(Ph)(12.3mg、4.6mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量22.3mg。MS: 441.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.75-0.86 (m, 4H), 1.68-1.94 (m, 4H), 2.21-2.42 (m, 1H), 3.48-3.73 (m, 2H), 4.80-5.12 (m, 3H), 6.81-6.89 (m, 1H), 7.06-7.40 (m, 6H), 7.50-7.72 (m, 6H), 10.24-10.30 (s, 1H).
【0209】
実施例27
2−(3’−シクロプロピルカルバモイル−ビフェニル−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4027)
N−シクロプロピル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアミド
DMSO(30mL)中、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](3.9706g、15.64mmol)、3−ブロモ−N−シクロプロピル−ベンズアミド(実施例1、1.2463g、5.19mmol)、酢酸カリウム(1.5394g、15.69mmol)およびPd(PPhCl(0.3645g、10.0mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩80℃に加熱した。この反応物を冷却し、蒸留水およびブラインを加えた。この混合物を遠心分離し、液体をデカントした。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的生成物を得た。
【0210】
2−(3’−シクロプロピルカルバモイル−ビフェニル−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4027)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、N−シクロプロピル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアミド(65.0mg、0.23mmol)、2−(4−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(82.6mg、0.23mmol)およびPd[P(Ph)(12.7mg、4.9mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量20.5mg。MS: 441.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.54-0.77 (m, 4H), 1.69-1.93 (m, 3H), 2.22-2.45 (m, 1H), 2.80-2.91 (m, 1H), 3.48-3.74 (m, 2H), 4.82-5.14 (m, 3H), 6.81-6.95 (m, 1H), 7.05-7.85 (m, 11H), 7.98-8.08 (m, 1H), 8.47-8.56 (m, 1H).
【0211】
実施例28
(S)−2−[6−(4−ニトロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4028)
一般手順Aに従い、1eqの4−ブロモニトロベンゼンから。収量17mg。MS: 443.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.3 (m, 1H), 8.0-7.7 (m, 5H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0212】
実施例29
(S)−2−(6−チオフェン−2−イル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4029)
一般手順Aに従い、1eq.の2−ブロモ−チオフェンから。収量30mg。MS: 404.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.9-7.7 (m, 4H), 7.6 (m, 2H), 7.3 (m, 2H), 7.1 (m, 1H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0213】
実施例30
(S)−2−(6−フラン−2−イル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4030)
一般手順Bに従い、1eq.のフラン−2−イル−1ボロン酸から。収量5.4mg。MS: 388.4 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.9-7.7 (m, 4H), 7.3 (m, 3H), 7.1 (m, 2H), 7.0-6.8 (m, 3H), 6.6 (m, 1H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0214】
実施例31
(S)−2−[6−(3−シアノ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4031)
一般手順Bに従い、1eq.のベンゾニトリル−3−ボロン酸から。収量15mg。MS: 423.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.02-7.8 (m, 8H), 7.37 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 2H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0215】
実施例32
(S)−2−(6−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4032)
一般手順Bに従い、1eq.のベンゾ[13]ジオキソール−5−イル−ボロン酸から。収量15mg。MS: 442.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.8-7.7 (m, 3H), 7.4-6.8 (m, 8H), 6.07 (s, 2H) 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0216】
実施例33
(S)−2−[6−(7−ニトロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4033)
一般手順Aに従い、1eq.の5−ブロモ−7−ニトロ−1H−インドールから。収量22mg。MS: 482.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.43 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.0-7.7 (m, 4H), 7.6 (m, 1H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0217】
実施例34
(S)−2−[6−(4−ウレイド−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4034)
一般手順Aに従い、1eq.の(4−ブロモ−フェニル)−尿素から。収量48mg。MS: 456.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.9-7.3 (m, 11H), 7.0-6.8 (m, 3H), 6.4 (br s, 1H), 6.1 (1H, br s), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0218】
実施例35
(S)−2−[6−(1H−インドール−5−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4035)
一般手順Aに従い、1eq.の1H−インドール5−ボロン酸から。収量30mg。MS: 437.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.9-7.7 (m, 5H), 7.3 (m, 5H), 7.0-6.8 (m, 2H), 6.5 (m, 1H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.76 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 3.53 (m, 3H), 2.02 (m, 4H).
【0219】
実施例36
(S)−2−[6−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4036)
一般手順Bに従い、1eq.の4−メタンスルホニル−フェニル−ボロン酸から。収量39mg。MS: 476.6 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.0 (m, 5H), 7.8 (m, 2H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 2H), 5.2-4.8 (m, 3H) 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 3.28 (s, 3H), 2.02 (m, 4H).
【0220】
実施例37
(S)−2−{6−[3−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−フェニル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4037)
シクロプロパンカルボン酸(3−ブロモ−フェニル)−アミド
3−ブロモ−フェニルアミン(0.431mL、4.0mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解させ、この溶液を0℃に冷却した。次に、DIPEA(1.38mL、7.9mmol)を加え、この反応物を5分間0℃で攪拌した。次に、塩化シクロプロパンカルボニル(0.315mL、4.0mmol)を加え、この反応物を0℃で20分間攪拌した。この反応物を蒸留水でクエンチし、溶媒を除去した。得られた混合物をDMF(10mL)に再溶解させ、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。
【0221】
(S)−2−{6−[3−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−フェニル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4037)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(90mg、0.20mmol)、シクロプロパンカルボン酸(3−ブロモ−フェニル)−アミド(48.6mg、0.20mmol)およびPd[P(Ph)(13.5mg、5.8mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量15.0mg。MS: 481.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.74-0.90 (m, 4H), 1.72-1.87 (m, 1H), 1.90-2.21 (m, 3H), 3.45-3.78 (m, 2H), 4.79-5.16 (m, 2H), 5.19-5.32 (m, 1H), 6.80-7.12 (m, 2H), 7.35-8.06 (m, 10H), 10.28-10.37 (s, 1H)
【0222】
実施例38
(S)−2−(6−{4−[(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−メチル]−フェニル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4038)
シクロプロパンカルボン酸4−ブロモ−ベンジルアミド
4−ブロモ−ベンジルアミン塩酸塩(367.8mg、1.7mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解させ、この溶液を0℃に冷却した。次に、DIPEA(380μL、2.2mmol)を加え、この反応物を0℃で5分間攪拌した。次に、塩化シクロプロパンカルボニル(180μL、2.3mmol)を加え、この反応物を0℃で20分間攪拌した。この反応物を蒸留水でクエンチし、溶媒を除去した。得られた混合物をDMF(10mL)に再溶解させ、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。
【0223】
(S)−2−(5−{4−[(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−メチル]−フェニル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4038)
メタノール(4mL)、NaHCO(飽和水溶液、600μL)およびDMF(800μL)中、(S)−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(181.2mg、0.41mmol)、シクロプロパンカルボン酸4−ブロモ−ベンジルアミド(103.1mg、0.41mmol)およびPd[P(Ph)(24.2mg、5.2mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。次に、この生成物を、GL101520の手順に従ってHCl塩へ変換した。収量15.0mg。MS: 495.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.58-0.80 (m, 4H), 1.52-1.69 (m, 1H), 1.90-2.21 (m, 3H), 3.45-3.65 (m, 1H), 4.20-4.48 (m, 2H), 4.80-5.18 (m, 2H), 5.18-5.31 (m, 1H), 6.81-7.98 (m, 12H), 8.50-8.64 (m, 1H)
【0224】
実施例39
(S)−2−[6−(1H−インドール−5−イル)−ベンゾオキサゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4039)
一般手順Cに従い、1eq.の1H−インドール5−ボロン酸から。収量13.9mg。MS: 438.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 11.1 (s, 1H), 7.9-7.6 (m, 6H), 7.5-7.3 (m, 7H), 7.1-6.9 (m, 3H), 6.5 (s, 1H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.6-3.5 (m, 4H), 2.39 (m, 1H), 2.12 (m, 3H).
【0225】
実施例40
2−{4’−[(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−メチル]−ビフェニル−4−イル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4040)
シクロプロパンカルボン酸4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルアミド
DMSO(16mL)中、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](1.4976g、5.90mmol)、シクロプロパンカルボン酸4−ブロモ−ベンジルアミド(実施例38、0.4991g、1.96mmol)、酢酸カリウム(0.5708g、5.82mmol)およびPd(PPhCl(0.1403g、10.2mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩80℃に加熱した。この反応物を冷却し、蒸留水およびブラインを加えた。この混合物を遠心分離し、液体をデカントした。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的生成物を得た。
【0226】
2−{4’−[(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−メチル]−ビフェニル−4−イル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4040)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、シクロプロパンカルボン酸4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジルアミド(66.3mg、0.22mmol)、2−(4−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(82.9mg、0.23mmol)およびPd[P(Ph)3](12.7mg、5.0mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量30.4mg。MS: 455.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.59-0.78 (m, 4H), 1.55-1.94 (m, 4H), 2.20-2.43 (m, 1H), 3.48-3.75 (m, 2H), 4.23-4.36 (m, 2H), 4.78-5.12 (m, 3H), 6.78-6.89 (m, 1H), 7.00-7.65 (m, 12H), 8.51-8.66 (m, 1H).
【0227】
実施例41
(S)−2−{4’−[(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−メチル]−ビフェニル−3−イルエチニル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4041)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−2−(3−ボロン酸−フェニルエチニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(62.5mg、0.18mmol)、シクロプロパンカルボン酸4−ブロモ−ベンジルアミド(実施例38、45.6mg、0.18mmol)およびPd[P(Ph)(11.2mg、5.4mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量11.6mg。MS: 479.5 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.64-0.75 (m, 4H), 1.56-1.67 (m, 1H), 1.86-2.30 (m, 4H), 4.27-4.34 (d, 2H), 4.71-4.84 (m, 1H), 4.96-5.31 (m, 2H), 7.08-7.67 (m, 13H), 8.52-8.62 (m, 1H).
【0228】
実施例42
(S)−2−(6−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4042)
一般手順Aに従い、1eq.の4−ブロモ−ピリジンから。収量24mg。MS: 399.5 (M+H+); M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.2-8.4 (m, 4H), 7.9 (m, 1H), 7.7 (m, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0229】
実施例43
2−(3’−シクロプロピルカルバモイルメチル−ビフェニル−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4043)
N−シクロプロピル−2−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−アセトアミド
DMSO(30mL)中、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](3.8025g、14.97mmol)、2−(3−ブロモ−フェニル)−N−シクロプロピル−アセトアミド(実施例3、0.8089g、3.18mmol)、酢酸カリウム(1.4564g、14.84mmol)およびPd(PPhCl(0.3490g、15.6mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩80℃に加熱した。この反応物を冷却し、蒸留水およびブラインを加えた。この混合物を遠心分離し、液体をデカントした。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的生成物を得た。
【0230】
2−(3’−シクロプロピルカルバモイルメチル−ビフェニル−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4043)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、N−シクロプロピル−2−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボラン−2−イル)−フェニル]−アセトアミド(66.1mg、0.22mmol)、2−(4−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(81.8mg、0.23mmol)およびPd[P(Ph)(12.8mg、5.0mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量37.8mg。MS: 455.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.35-0.44 (m, 2H), 0.55-0.70 (m, 2H), 1.66-1.92 (m, 3H), 2.20-2.45 (m, 1H), 2.53-2.65 (m, 1H), 3.35-3.44 (s, 2H), 3.46-3.72 (m, 2H), 5.30-5.62 (m, 3H), 6.78-6.88 (m, 1H), 7.03-7.57 (m, 12H), 8.11-8.20 (m, 1H).
【0231】
実施例44
2−(4’−シクロプロピルカルバモイル−ビフェニル−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4044)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、N−シクロプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアミド(実施例10、64.5mg、0.22mmol)、2−(4−ブロモ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(82.7mg、0.23mmol)およびPd[P(Ph)(13.1mg、4.9mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量39.0mg。MS: 441.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.540.75 (m, 4H), 1.69-1.92 (m, 3H), 2.23-2.43 (m, 1H), 2.79-2.90 (m, 1H), 4.82-5.11 (m, 3H), 6.80-6.89 (m, 1H), 7.04-7.41 (m, 6H), 7.57-7.95 (m, 6H), 8.42-8.50 (m, 1H).
【0232】
実施例45
(S)−2−[6−(3−アセチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4045)
一般手順Aに従い、1eq.の1−(3−ブロモ−フェニル)−エタノンから。収量21mg。MS: 440.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.1 (m, 1H), 7.9 (m, 2H), 7.7 (m, 3H), 7.65 (m, 1H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.66 (s, 3H), 2.02 (m, 4H).
【0233】
実施例46
(S)−2−(6−チオフェン−3−イル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4046)
一般手順Aに従い、1eq.の3−ブロモ−チオフェンから。収量10mg。MS: 404.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.2-8.4 (m, 4H), 7.9 (m, 1H), 7.7 (m, 1H), 8.0-7.6 (m, 6H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0234】
実施例47
(S)−2−[6−(9H−カルバゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4047)
一般手順Aに従い、1eq.の3−ブロモ−9H−カルバゾールから。収量18mg。MS: 489.5 (M-NHCOCH3); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.5 (s, 1H), 8.2 (m, 1H), 8.0-7.7 (m, 6H), 7.6 (m, 1H), 7.5 (m, 1H), 7.3 (m, 3H), 7.1-6.8 (m, 4H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0235】
実施例48
(S)−2−[6−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4048)
(S)−2−(3−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−2−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
Z−保護(S)−プロリン(500mg)をDMF(15mL)に溶解させ、HATU(1.1eq.、800mg)およびDIPEA(2.1eq、0.78mL)で処理し、15分間攪拌した。5−ブロモ−ピリジン−2,3−ジアミン(1eq、376mg)を加え、この混合物を周囲温度で一晩攪拌した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。MS: 419.5 (M+H+)
【0236】
(S)−2−(6−ブロモ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
(S)−2−(3−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−2−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルをHOAc(50mL)に溶解させ、12時間110℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。MS: 401.5 (M+H+)
【0237】
(S)−2−[6−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4048)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−2−(6−ブロモ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(80mg、0.2mmol)、N−シクロプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアミド(実施例10、1eq)、Pd[P(Ph)(5mol%、11mg)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。収量8.2mg。MS: 482.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.7 (m, 1H), 8.5 (m, 1H), 8.3 (m, 1H), 7.9-7.8 (m, 5H), 7.3 (m, 2H), 6.9-6.8 (m, 2H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.8 (m, 1H), 3.5 (m, 1H), 2.8 (m, 1H), 2.42 (m, 1H), 2.02 (m, 2H), 0.7-0.6 (m, 4H)
【0238】
実施例49
(S)−2−[6−(4−シアノ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4049)
一般手順Bに従い、1eq.のベンゾニトリル−4−ボロン酸から。収量27mg.MS: 423.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) ) 8.02-7.8 (m, 8H), 7.37 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 2H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0239】
実施例50
(S)−2−[6−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4050)
一般手順Bに従い、1eq.の2,4−ジメトキシ−ピリミジン5−ボロン酸から。収量11mg。MS: 460.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.5 (s, 1H), 7.9-7.5 (m, 5H), 7.3 (m, 5H), 7.0-6.8 (m, 2H), 6.5 (m, 1H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.76 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 3.53 (m, 3H), 2.02 (m, 4H).
【0240】
実施例51
(S)−2−[6−(2−メチル−ベンゾチアゾール−5−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4051)
一般手順Aに従い、1eq.の5−ブロモ−2−メチル−ベンゾチアゾールから。収量38mg。MS: 469.6 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.2-7.7 (m, 7H), 7.3 (m, 2H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.02 (m, 4H).
【0241】
実施例52
(S)−2−[6−(2−ヒドロキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4052)
一般手順Bに従い、1eq.の2−(5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)−フェノールから。収量39mg。MS: 414.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.9-7.6 (m, 4H), 7.4-6.8 (m, 8H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0242】
実施例53
(S)−2−[6−(3−アミノ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4053)
一般手順Bに従い、1eq.の3−アミノフェニルボロン酸から。収量31mg。MS: 413.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.8-7.7 (m, 3H), 7.4 (m, 4H), 7.2 (m, 2H), 7.0-6.8 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H)
【0243】
実施例54
(S)−2−[6−(3−ヒドロキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4054)
一般手順Aに従い、1eq.の3−ブロモ−フェノールから。収量22mg。MS: 414.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 7.8-7.7 (m, 5H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 4H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.02 (m, 4H).
【0244】
実施例55
(S)−2−{[4−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4055)
4−(2−アミノ−チアゾール−4−イル)−安息香酸
55℃下、HOAc(400mL)中、4−アセチル−安息香酸(10g、61mmol)の溶液に10分かけて臭素(1eq、3.12mL)を滴下処理した。90分後、この反応物を冷却し、酢酸を除去し、酢酸エチル(50mL)を加えた後に除去し、酢酸の残りを取り除いた。次に、粗ブロモケトンを、NaOAc(12g)とともにエタノール(200mL)に溶解させ、チオ尿素(1eq.、4.4g)を加えた。この懸濁液を室温で15時間攪拌した。溶媒を除去し、固体を水(3×100mL)、次いで、エーテル:エタノール(4:1、3×100mL)で洗浄し、乾燥させ、生成物を黄褐色固体として得た。MS: 221.2 (M+H+).
【0245】
4−(2−アミノ−チアゾール−4−イル)−N−シクロプロピル−ベンズアミド
4−(2−アミノ−チアゾール−4−イル)−安息香酸(4.4g、20mmol)をDMF(100mL)に溶解させ、HATU(1.1eq.、8.4g)およびDIPEA(2.1eq、7.5mL)で処理し、15分間攪拌した。次に、シクロプロピルアミン(1.1eq、1.5mL)を加え、この混合物を周囲温度で1時間攪拌した。この反応物を100mLの水で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出し、ブライン(100mL)、次いで、NaSOで乾燥させた、溶媒を除去した。得られた固体をエーテルでトリチュレートし、HPLCによって95%を超える純度で生成物を得た。MS: 260.3 (M+H).
【0246】
(S)−2−{[4−(4−シクロプロピルカルバモイル−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4055)
メタノール(1mL)中、4−(2−アミノ−チアゾール−4−イル)−N−シクロプロピル−ベンズアミド(259mg、1mmol)、(S)−2−ホルミル−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(1eq、233mg)の溶液をNaBHCN(2eq.、211mg)で処理し、密閉バイアル中で一晩50℃に加熱した。NaBHCN(100mg)を追加し、この混合物さらに1時間加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。収量20mg。MS: 476.3 (M+H). H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.3 (s, 1H), 7.8 (m, 5H), 7.3-7.1 (m, 8H), 5.1 (m, 4H), 3.5 (m, 2H), 3.3 (m, 2H), 1.9 (m, 4H), 0.7-0.5 (m, 4H).
【0247】
実施例56
(S)−2−[5−(4−シクロプロピルカルバモイル−チアゾール−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4056)
一般手順Aに従い、1eqの2−ブロモ−チアゾール−4−カルボン酸シクロプロピルアミドから。収量11.6mg。MS: 488.5 (M+H+); H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.5 (m, 1H), 8.2 (m, 2H), 8.1 (m, 1H), 7.8 (m, 1H), 7.3 (m, 3H), 7.0-6.8 (m, 2H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.90 (m, 1H), 2.02 (m, 4H), 0.71 (m, 4H)
【0248】
実施例57
(S)−2−(6−{3−[(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−メチル]−フェニル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4057)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(90.6mg、0.20mmol)、シクロプロパンカルボン酸3−ブロモ−ベンジルアミド(実施例23、51.8mg、0.20mmol)およびPd[P(Ph)(13.5mg、5.8mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量16.4mg。MS: 495.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.56-0.72 (m, 4H), 1.51-1.66 (m, 1H), 1.89-2.20 (m, 3H), 4.20-4.39 (m, 2H), 4.79-5.16 (m, 2H), 5.18-5.32 (m, 1H), 6.76-7.98 (m, 12H), 8.51-8.66 (m, 1H).
【0249】
実施例58
(S)−2−{6−[4−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−フェニル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4058)
シクロプロパンカルボン酸(4−ブロモ−フェニル)−アミド
4−ブロモ−フェニルアミン(690mg、4.0mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解させ、この溶液を0℃に冷却した。次に、DIPEA(1.38mL、7.9mmol)を加え、この反応物を0℃で5分間攪拌した。次に、塩化シクロプロパンカルボニル(0.315mL、4.0mmol)を加え、この反応物を0℃で20分間攪拌した。この反応物を蒸留水でクエンチし、溶媒を除去した。得られた混合物をDMF(10mL)に再溶解させ、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。
【0250】
(S)−2−{6−[4−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−フェニル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4058)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(90mg、0.20mmol)、シクロプロパンカルボン酸(4−ブロモ−フェニル)−アミド(49.0mg、0.20mmol)およびPd[P(Ph)(13.0mg、5.6mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量15.0mg。MS: 481.2 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.75-0.87 (m, 4H), 1.74-1.85 (m, 1H), 1.92-2.21 (m, 3H), 3.65-3.78 (m, 2H), 4.80-5.16 (m, 2H), 5.19-5.32 (m, 1H), 6.80-7.15 (m, 2H), 7.23-7.45 (m, 2H), 7.56-7.93 (m, 8H), 10.26-10.37 (s, 1H)
【0251】
実施例59
(S)−2−(6−ブロモ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4059)
(S)−2−(3−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−2−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
Z−保護(S)−プロリン(500mg)をDMF(15mL)に溶解させ、HATU(1.1eq.、800mg)およびDIPEA(2.1eq、0.78mL)で処理し、15分間攪拌した。次に、5−ブロモ−ピリジン−2,3−ジアミン(1eq、376mg)を加え、この混合物を周囲温度で一晩攪拌した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。MS: 419.3 (M+H+)
【0252】
(S)−2−(6−ブロモ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4059)
(S)−2−(3−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−2−イルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルをHOAc(10mL)に溶解させ、12時間110℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、溶媒を除去した。得られた混合物を5mLの90%DMF−10%水(0.1%TFAを含む)に溶解させ、逆相HPLCにより精製し、生成物を得た。収量6.2mg。MS: 401.5 (M+H+). H1-NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 8.4 (m, 1H), 8.1 (m, 1H), 7.3 (m, 2H), 7.1-6.7 (m, 3H), 5.2-4.8 (m, 3H), 3.5 (m, 2H), 1.91 (m, 4H)
【0253】
実施例60
(S)−2−(4’−シクロプロピルカルバモイル−ビフェニル−3−イルエチニル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(化合物4060)
メタノール(2mL)、NaHCO(飽和水溶液、300μL)およびDMF(400μL)中、(S)−2−(3−ボロン酸−フェニルエチニル−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(62.5mg、0.18mmol)、4−ブロモ−N−シクロプロピル−ベンズアミド(実施例10、43.3mg、0.18mmol)およびPd[P(Ph)(11.2mg、5.4mol%)の溶液を脱気し、密閉バイアル中で一晩70℃に加熱した。この反応物を冷却し、濾過し、逆相HPLCにより精製し、目的生成物を得た。収量10.1mg。MS: 465.5 (M+H+); H1 NMR (DMSO-d6):δ(ppm) 0.54-0.70 (m, 4H), 1.86-2.28 (m, 3H), 2.78-2.90 (m, 1H), 4.71-4.82 (m, 2H), 4.96-5.12 (m, 2H), 5.18-5.29 (m, 1H), 7.30-7.90 (m, 13H), 8.41-8.8.49 (m, 1H).
【0254】
生物学的実施例
実施例1.抗C型肝炎活性
化合物は、複製サイクルにおいて必要とされるウイルスおよび宿主細胞標的を阻害することによって抗C型肝炎活性を示し得る。これらの活性を評価するためのいくつかのアッセイが公開されている。培養におけるHCVウイルスの総増加を評価する一般法が、Milesらの米国特許第5,738,985号に開示されている。In vitroアッセイは、Ferrari et al. J. of Vir., 73:1649-1654, 1999; Ishii et al., Hepatology, 29:1227-1235, 1999; Lohmann et al., J. of Bio. Chem., 274:10807-10815, 1999;およびYamashita et al., J. of Bio. Chem., 273:15479-15486, 1998に報告されている。
【0255】
レプリコンアッセイ
細胞株ET(Huh−lucubineo−ET)を、HCV複製の阻害に関して本発明の化合物をスクリーニングするために使用した。ET細胞株をI389luc−ubi−neo/NS3−3’/ET;ホタルルシフェラーゼ−ユビキチン−ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合タンパク質及び細胞培養適合性突然変異(E1202G;T1280I;K1846T)を含むEMCV−IRES駆動NS3−5Bポリタンパク質を有するレプリコン、を担持するRNA転写物で安定的にトランスフェクトした(Krieger et al, 2001および未公開)。これらのET細胞を、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、ペニシリン(100IU/mL)/ストレプトマイシン(100μg/mL)、1×非必須アミノ酸および250μg/mL G418(「Geneticin」)を添加したDMEM(ダルベッコの改変イーグル培地)で増殖させた。それらは全てLife Technologies(Bethesda, MD)から入手可能であった。これらの細胞を96ウェルプレートで0.5〜1.0×10細胞/ウェルでプレーティングし、試験化合物を加える前に24時間インキュベートした。次に、これらの細胞に、終濃度0.1nM〜50μM、DMSO終濃度0.5%となるように化合物を加えた。ルシフェラーゼ活性は、溶解バッファーおよび基質(カタログ番号Glo−溶解バッファーE2661およびBright−GloルシフェラーゼシステムE2620 Promega, Madison, WI)を加えることによって、48〜72時間後に測定した。細胞は、アッセイの間、集密になり過ぎないようにすべきである。複製阻害率%は、化合物不含対照に対してプロットした。同一の条件下で、これらの化合物の細胞傷害性を、細胞増殖試薬WST−1(Roche, Germany)を用いて測定した。抗ウイルス活性を示すが顕著な細胞傷害性を示さない化合物を、EC50およびTC50を測定するために選択した。これらの測定では、各化合物につき10点の2倍連続希釈を用い、1000倍の濃度範囲にわたった。EC50値および同様にTC50値を、各濃度を下式:
阻害率%=100%/[(IC50/[I])+1]
(式中、bは、Hillの係数である)
に当てはめることにより算出した。
【0256】
好ましくは、100μMで試験した場合、本発明の化合物は、少なくとも30%の阻害率%、より好ましくは少なくとも50%の阻害率%を示す。
【0257】
10μMで試験した場合、表1の化合物は、表2に示される阻害値%を有することが分かった。阻害率%が1%未満の表1の化合物は表2に含まれていないが、より高濃度で試験した場合にはより高い活性を持ち可能性がある。いくつかの好ましい実施形態では、式Iの化合物は、10μMで試験した場合に少なくとも20%の阻害率%を有する。他の実施形態では、式Iの化合物は、10μMで試験した場合に少なくとも50%の阻害率%を有する。
【表2】

【0258】
製剤例
下記は、本発明の化合物を含有する代表的な医薬製剤である。
【0259】
実施例1:錠剤製剤
下記の成分を緊密に混合し、打錠して一本割線入り割錠(single scored tablet)とした。
【表3】

【0260】
実施例2:カプセル製剤
下記の成分を緊密に混合し、ゼラチン硬カプセルに充填する。
【表4】

【0261】
実施例3:懸濁液製剤
下記の成分を混合し、経口投与用の懸濁液を形成する。
【表5】

【0262】
実施例4:注射製剤
下記の成分を混合し、注射製剤を形成する。
【表6】

【0263】
実施例5:坐剤製剤
本発明の化合物とWitepsol(登録商標)H−15(飽和植物脂肪酸のトリグリセリド;Riches-Nelson, Inc., New York)とを混合することによって、総重量2.5gの坐剤を製造する。これは下記の組成を有する。
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Aは、場合により−(Rで置換されていてもよい3〜13員環であり、該環はシクロアルキル、複素環式、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
各Rは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、ニトロ、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群から独立に選択され;
mは、0、1、2または3であり;
は、結合、C−Cアルキレン、C−Cヘテロアルキレン、C−CアルケニレンまたはC−Cアルキニレンであり;
Tは、C−CアルキレンまたはC−Cヘテロアルキレンであり、VおよびWと一緒に4〜8員環を形成し;
VおよびWは双方ともCHであるか、またはVもしくはWの一方がCHであって、VもしくはWの他方がNであり;
pは、0、1または2であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、=CH、オキソからなる群から独立に選択されるか;または2つのY基が、それらが結合している原子と一緒にフェニル、4〜7員シクロアルキルもしくは4〜7員複素環式環を形成し、該フェニル、シクロアルキルまたは複素環式環はそれ自体場合により1〜2個のY基で置換されていてもよく;
は、アルキル、置換アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノおよびアルコキシからなる群から独立に選択され、ただし、それが結合している環がフェニルである場合には、Yはオキソでない;
Zは、C(O)、C(S)および−SO−からなる群から選択され;
Rは、R、OR、OCHおよびNR1aからなる群から選択され;
は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され;かつ
1aは、水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される]
の化合物またはその立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項2】
Aが
【化2】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が結合である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項4】
がCアルキニレンである、請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
少なくとも1つのRがR−L−であり、ここで、Rがアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から選択され;R−L−配向で定義されるLが、結合、−O−、−S−、−CH−、−CHCH−、−SCH−、−C(O)−、−C(S)−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−SO−、−SONH−、−SOCH−、−OCH−、−CHCHNHC(O)−、−CHCHNHC(O)CH−、−NHN=C(CHCHOCO)−、−NHSO−、=CH−、−NHC(O)CHS−、−NHC(O)CHC(O)−、スピロシクロアルキル、−C(O)CHS−および−C(O)CHO−からなる群から選択され、ただし、Lが=CH−である場合、Rが複素環式または置換複素環式である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が置換フェニルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
VがCであり、WがNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
ZがC(O)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
RがOCHであり、Rがフェニルまたは置換フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
pが1であり、かつ、Yが、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式および置換複素環式からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
式(II):
【化3】

[式中、
EまたはFの一方は−N=であって、EまたはFの他方は−S−、−O−または−NH−であり;
各Rは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、ニトロ、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群から独立に選択され;
mは、1または2であり;
は、結合、C−Cアルキレン、C−Cヘテロアルキレン、C−CアルケニレンまたはC−Cアルキニレンであり;
Tは、C−CアルキレンまたはC−Cヘテロアルキレンであり、VおよびWと一緒に4〜8員環を形成し;
VおよびWは双方ともCHであるか、またはVまたはWの一方がCHであって、VまたはWの他方がNであり;
pは、0、1または2であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、=CH、オキソからなる群から独立に選択されるか;または2つのY基が、それらが結合している原子と一緒にフェニル、4〜7員シクロアルキルもしくは4〜7員複素環式環を形成し、該フェニル、シクロアルキルまたは複素環式環はそれ自体場合により1〜2個のY基で置換されていてもよく;
は、アルキル、置換アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノおよびアルコキシからなる群から独立に選択され、ただし、それが結合している環がフェニルである場合には、Yはオキソでない;
Zは、C(O)、C(S)および−SO−からなる群から選択され;
Rは、R、OR、OCHおよびNR1aからなる群から選択され;
は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され;かつ
1aは、水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される]
を有する請求項1の化合物またはその立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項12】
が結合である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
がCアルキニレンである、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
少なくとも1つのRがR−L−であり、ここで、Rがアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から選択され;R−L−配向で定義されるLが、結合、−O−、−S−、−CH−、−CHCH−、−SCH−、−C(O)−、−C(S)−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−SO−、−SONH−、−SOCH−、−OCH−、−CHCHNHC(O)−、−CHCHNHC(O)CH−、−NHN=C(CHCHOCO)−、−NHSO−、=CH−、−NHC(O)CHS−、−NHC(O)CHC(O)−、スピロシクロアルキル、−C(O)CHS−および−C(O)CHO−からなる群から選択され、ただし、Lが=CH−である場合、Rが複素環式または置換複素環式である、請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
が置換フェニルである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
VがCであり、WがNである、請求項11に記載の化合物。
【請求項17】
ZがC(O)である、請求項11に記載の化合物。
【請求項18】
RがOCHであり、Rがフェニルまたは置換フェニルである、請求項11に記載の化合物。
【請求項19】
pが1であり、かつ、Yが、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式および置換複素環式からなる群から選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項20】
式(III):
【化4】

[式中、
EまたはFの一方は−N=であって、EまたはFの他方は−S−、−O−または−NH−であり;
各Rは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アリール、置換アリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、ニトロ、チオール、アルキルチオおよび置換アルキルチオからなる群から独立に選択され;
mは、1または2であり;
は、結合、C−Cアルキレン、C−Cヘテロアルキレン、C−CアルケニレンまたはC−Cアルキニレンであり;
Qは、CH、CH(Y)、C(Y)(Y)、SおよびOからなる群から選択され;
pは、0、1または2であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、=CH、オキソからなる群から独立に選択されるか;または2つのY基が、それらが結合している原子と一緒にフェニル、4〜7員シクロアルキルもしくは4〜7員複素環式環を形成し、該フェニル、シクロアルキルまたは複素環式環はそれ自体場合により1〜2個のY基で置換されていてもよく;
は、アルキル、置換アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノおよびアルコキシからなる群から独立に選択され、ただし、それが結合している環がフェニルである場合には、Yはオキソでない;
Zは、C(O)、C(S)および−SO−からなる群から選択され;
Rは、R、OR、OCHおよびNR1aからなる群から選択され;
は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式、置換複素環式、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され;かつ
1aは、水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される]
を有する請求項1の化合物またはその立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項21】
少なくとも1つのRがR−L−であり、ここで、Rがアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式および置換複素環式からなる群から選択され;R−L−配向で定義されるLが、結合、−O−、−S−、−CH−、−CHCH−、−SCH−、−C(O)−、−C(S)−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−SO−、−SONH−、−SOCH−、−OCH−、−CHCHNHC(O)−、−CHCHNHC(O)CH−、−NHN=C(CHCHOCO)−、−NHSO−、=CH−、−NHC(O)CHS−、−NHC(O)CHC(O)−、スピロシクロアルキル、−C(O)CHS−および−C(O)CHO−からなる群から選択され、ただし、Lが=CH−である場合、Rが複素環式または置換複素環式である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
が置換フェニルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
ZがC(O)である、請求項20に記載の化合物。
【請求項24】
RがOCHであり、Rがフェニルまたは置換フェニルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項25】
QがS、CHまたはOである、請求項20に記載の化合物。
【請求項26】
pが1であり、かつ、Yが、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環式および置換複素環式からなる群から選択される、請求項20に記載の化合物。
【請求項27】
請求項1の化合物または、表1から選択されるその立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項28】
製薬上許容される担体と、治療上有効な量の請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物またはその立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩もしくはプロドラッグとを含む医薬組成物。
【請求項29】
フラビウイルス科ウイルスのウイルスによって少なくとも部分的に媒介される患者におけるウイルス感染を治療する方法であって、該患者に請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体、互変異性体、製薬上許容される塩またはプロドラッグを投与することを含む、方法。
【請求項30】
前記ウイルス感染がウイルス感染により媒介されるC型肝炎である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
治療上有効な量の、C型肝炎ウイルスに対して活性な1以上の薬剤を投与することを組み合わせた請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記C型肝炎ウイルスに対して活性な薬剤がHCVプロテアーゼ、HCVポリメラーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV NS4Bタンパク質、HCV侵入、HCVアセンブリ、HCV放出、HCV NS5Aタンパク質またはイノシン5’−一リン酸デヒドロゲナーゼの阻害剤である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記C型肝炎ウイルスに対して活性な薬剤がインターフェロンである、請求項31に記載の方法。

【公表番号】特表2010−510245(P2010−510245A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537412(P2009−537412)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/085218
【国際公開番号】WO2008/070447
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】