説明

抗ウイルス用の亜鉛含有組成物

【課題】抗ウイルス組成物およびウイルス感染の影響を緩和する方法を提供すること。
【解決手段】本発明の1つの局面は、少なくとも1種の亜鉛化合物および少なくとも1種のフェノール性抗酸化剤(ならびに必要に応じて、少なくとも1種の鎮痛剤、少なくとも1種のヒドロカルビル含有化合物、および水などの他の成分)を含有する抗ウイルス組成物に関する。本発明の他の局面は、有効量の亜鉛含有抗ウイルス組成物を病変部に塗布する工程を含む、ウイルス感染の病変症状の治療方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、亜鉛含有組成物、亜鉛含有組成物の製造方法、亜鉛含有組成物の使用方法、ウイルスの治療方法、およびウイルスで誘導された症状の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルス感染は、地球上の多くの人に影響を与える。局所的な症状を引き起こすウイルス感染は、苦しんでいる人には、特にやっかいである。例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)は、皮膚のほとんど至るところに、水疱および糜爛を引き起こし得る。これらの糜爛は、通常、口および鼻の周りのいずれか、あるいは生殖器および臀部上に生じる。
【0003】
HSV感染の症状は、多くの場合、周期的に再発するためいらだたしい。糜爛は、しばしば痛く、そして見苦しい。そして慢性病および新生児に関しては、HSV感染は、めったに致命傷とはならないが、重篤であり得る。
【0004】
HSVには、2つの一般的な型、すなわち1型および2型がある。1型ウイルスは、代表的には、口唇ヘルペスを引き起こす。1型感染は、乳児期および幼年期にしばしば生じる。感染は、感染者との密接な接触から生じる。ウイルスは、キスすること、食器を共用すること、またはタオルを共用することによってさえも伝染され得る。生じた糜爛は、最も通常には唇、口腔、鼻、顎、または頬に影響を与え、そして曝露後まもなく生じる。多くの場合、感染者は、何らかの症状に気づくこと、または痛みの除去のために医療手当てを必要とすることは、ほとんどあり得ない。
【0005】
2型ウイルスは、代表的には、生殖器に糜爛を引き起こす。多くの人々は、感染者との性的接触の後に、2型感染症になる。種々の概算では、ウイルスは、合衆国では、1000万〜4000万人(合衆国における性的活動中のすべての成人の25%に匹敵)、そして全世界の4億人に影響を与えることを示す。
【0006】
単純ヘルペスウイルスのいずれの型でも、新たな病変部は、ヘルペス病変部を触った後に、体の影響を受けていない部分に単に触れることによって、広がり得る。
【0007】
しばしば熱水疱または口唇ヘルペスと呼ばれる単純ヘルペスウイルス1型は、小さく、澄明な、流動体が満たされた水疱であり、最も頻繁には、顔に生じる。頻繁ではないが、1型感染は、生殖器の領域に生じる。1型はまた、皮膚の損傷に発展し得る。
【0008】
単純ヘルペスウイルス2型は、通常、感染者との接触後2日〜20日で、臀部、陰茎、膣、または子宮頸部に糜爛を生じる。性交は、ウイルス移動の最も常習的な手段である。最初の攻撃および再攻撃はいずれも、以下を含む問題を引き起こし得る:小さな発疹、痒み、痛みのある糜爛、発熱、筋肉痛、および排尿時の灼熱感。HSV2型は、生殖器の領域以外の場所に生じる場合があるが、それは、通常、腰よりも下に見出される。
【0009】
1型と同様に、2型由来の症状の部位および繰り返される発作の頻度は、様々である。最初の攻撃後、ウイルスは、神経細胞に移動し、そして月経期、発熱、物理的接触、ストレスなどのいずれか一つによって再び誘発されるまでそこに残る。HSVの出現は、しばしば、非常に特徴的なので、HSV感染を確認するためのさらなる検査の必要はない。
【0010】
現時点で、この疾患の発症を抑えるワクチンはない。アシクロビル、ファムシクロビル、またはバラシクロビルなどの経口抗ウイルス薬物は、ヘルペス感染を治療するために利用される。これらの薬物は、発疹を治療するために使用され得るか、あるいはヘルペスの再発を抑制するために使用され得る。投与量が少ないほど、頻発する発疹を伴う人におけるヘルペス攻撃の回数を減少させるのに有用であり得る。しかし、ヘルペスのアシクロビル耐性株が進化したので、改良された薬物が所望される。
【0011】
したがって、発疹の前およびその期間中に感染し易いこの疾患の予防は、重要である。熱水疱を有する期間中に誰かにキスすること、あるいは性器ヘルペスの発疹を有する者と性行為を行うことが、おそらくウイルスの伝染に至ることが知られている。しかし、ヘルペスは、糜爛がない場合に伝染し得る。すなわちヘルペスは、病変部の不在下で伝染し得る。いくつかの概算では、すべての性器ヘルペスの80%以上が、皮膚に目に見える糜爛がないおよび症状がないときに伝染することを示す。この説明は、おそらく、病変部あるいは症状がないが、生殖器の皮膚上にHSVが存在することによるものである。この現象は、「無症候性ウイルス発散」と分類される。性器ヘルペスの発疹を有することはないが、ヘルペスに対する抗体についての検査が陽性であった人々は、唇または生殖器の皮膚からときどきウイルスを「撒き散らす」と考えられる。
【0012】
アシクロビルを毎日服用する人々は、しばしば、症状または病変部を生じることなくウイルスの量が減少している。ヘルペスの治癒は知られていないが、臨床的な研究が、現在、発疹を減少させるまたは可能な限り除去する試みが進められている。ヘルペスの影響を緩和する必要がある。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、抗ウイルス組成物およびウイルス感染の影響を緩和する方法を提供する。抗ウイルス組成物は、亜鉛含有化合物およびフェノール性抗酸化剤などの活性成分を含み、ウイルス感染に関係する病変部(および他の皮膚の障害)を減少および/または抑制し、および/またはウイルスの伝染を緩和する。抗ウイルス組成物は、感染した患者の皮膚および/または粘膜などの目的領域に局所的に塗布され得る。亜鉛含有化合物およびフェノール性抗酸化剤に加えて、抗ウイルス組成物は、必要に応じて、鎮痛剤および賦形剤、または少なくとも亜鉛含有化合物およびフェノール性抗酸化剤を感染した患者の皮膚および/または粘膜に送達させるためのキャリアを含有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、抗ウイルス用途を有する亜鉛含有組成物に関する。抗ウイルス用途としては、ウイルスの複製を減少または停止させる能力、ウイルスによって引き起こされる症状を減少または除去する能力、および/またはウイルスの活性を不活性化または減少させる能力が挙げられる。亜鉛含有組成物はまた、ウイルスによって引き起こされる症状を簡単に治療するために、特に、皮膚に現れた症状(病変部、にきび、水疱、赤みなど)を局所的に治療するために、および粘膜に現れた症状を治療するために使用され得る。
【0015】
皮膚の疼痛または異常な圧痛は、最初の感染および再感染の両方が発現する前の1日〜数日の間に始まり得る。これは前徴と呼ばれる。ヘルペスまたは他のウイルス感染の治療において、前徴は、本発明の抗ウイルス亜鉛含有組成物を塗布し始める合図であり得る。
【0016】
ウイルスは、タンパク質、核酸、およびある場合には、脂質被膜(脂質−キャプシドウイルス)で構成される感染性因子である。一般的に言えば、本発明の抗ウイルス亜鉛含有組成物は、脂質−キャプシドウイルスに対して特に効果的である。本発明の抗ウイルス亜鉛含有組成物はまた、例えば、病変部、発疹、水疱、にきび、赤み、刺痛感、痒み、灼熱感などの、通常付随する皮膚症状を引き起こすウイルスに対して特に効果的である。より詳細には、抗ウイルス亜鉛含有組成物は、HSV1型、HSV2型、アシクロビル耐性HSV1型、アシロクロビル耐性HSV2型、水痘帯状疫疹ウイルス、サイトメガロウイルス、および乳頭腫ウイルスなどの、1以上のヘルペスウイルスに対して効果的である。
【0017】
亜鉛含有組成物は、少なくとも1種の亜鉛化合物を含有する。いかなる理論によっても縛られることを意図しないが、亜鉛化合物(または亜鉛イオン)が、ターゲットウイルスの阻害、不活性化、ターゲットウイルスとの反応、またはターゲットウイルスの活性の阻害に寄与すると考えられる。
【0018】
亜鉛化合物は、少なくとも1つの亜鉛原子を含む。亜鉛化合物としては、亜鉛、二価亜鉛イオンなどの亜鉛イオン、二価亜鉛塩などの亜鉛塩、亜鉛塩水和物などの亜鉛水和物(例えば、硫酸亜鉛7水和物)、および亜鉛酸化物が挙げられる。亜鉛塩としては、無機亜鉛塩および有機亜鉛塩が挙げられる。有機亜鉛塩としては、亜鉛カルボン酸塩、亜鉛ヒドロキシカルボン酸塩、および亜鉛アミノカルボン酸塩が挙げられる。
【0019】
亜鉛化合物の例としては、亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、スドキシカム亜鉛(sudoxicam zinc)、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、酒石酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、乳酸亜鉛、アミノ酢酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、グルタミン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酪酸亜鉛、蟻酸亜鉛、グリセリン酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、酸化亜鉛、エチレンジアミン四酢酸亜鉛、およびそれらの水和物が挙げられる。
【0020】
他の実施態様においては、亜鉛化合物は、例えば、ペントサンポリ硫酸亜鉛などのポリ硫酸多糖の亜鉛複合体である。
【0021】
他の実施態様においては、亜鉛化合物は、オキシ酢酸亜鉛である。オキシ酢酸亜鉛は、高真空下において、粉末化した無水酢酸亜鉛をゆっくり蒸留することによって調製され得る。オキシ酢酸亜鉛は、徐々に昇華し、そして蒸留容器の冷所に結晶クラストとして回収される。あるいは、オキシ酢酸亜鉛は、亜鉛、カルボン酸、および過酸化水素を水性混合液中で反応させ、次いで沈殿物として亜鉛オキシアルキレートを回収することによって作成され得る。
【0022】
1つの実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約0.005質量%以上および約20質量%以下の少なくとも1種の亜鉛化合物を含有する。他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約0.01質量%以上および約10質量%以下の少なくとも1種の亜鉛化合物を含有する。さらに他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約0.05質量%以上および約5質量%以下の少なくとも1種の亜鉛化合物を含有する。さらに他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約0.1質量%以上および約2質量%以下の少なくとも1種の亜鉛化合物を含有する。
【0023】
亜鉛含有組成物は、少なくとも1種のフェノール性抗酸化剤を含有する。フェノール性抗酸化剤は、抗酸化特性を有し、そしてフェノール部分を含むかまたはフェノール部分を含む化合物から誘導される。いかなる理論によっても縛られることを意図しないが、フェノール性抗酸化剤は、組成物の安定化に寄与し、および/またはターゲットウイルスの脂質被膜の破壊を促進する(またはウイルスの核酸配列から脂質被膜を分離する)と考えられる。これに関連して、フェノール性抗酸化剤は、活性な脂質低下化合物として作用し得、それによって、ウイルスを他の成分および/またはヒト免疫系に対してより脆弱にする。フェノール性抗酸化剤は、脂溶性であり得る。
【0024】
フェノール性抗酸化剤の例としては、改変BHTを含むブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロールおよびトコトリエノールを含むビタミンE、および立体障害フェノールが挙げられる。最も一般的なBHTは、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールであり、一方、最も一般的なBHAは、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールおよび3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールである。
【0025】
立体障害フェノールは、一般に、フェノールまたはメチレンビスフェノールを、イソブチレン、αメチルスチレン、シクロペンテン、ジイソブチレン、ノネン誘導体などの混合物であってもよいオレフィンでアルキル化することによって得られる。これらのフェノール性抗酸化剤の特定の例は、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クミルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ノニルフェノール、2,6−ジクミルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソオクチルフェノール、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、および2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)である。
【0026】
BHT−ωピリジルエーテルなどの改変BHT化合物は、フェノール性抗酸化化合物として使用され得る。薬学的に活性なBHT−ωピリジルエーテルは、BHT誘導体(ブチル化ヒドロキシトルエン誘導体)と、ω−ピリジルアルキルアルコール、ω−ピリジルアルケニルアルコール、またはω−ピリジルアルキニルアルコールとのエーテルである。より特定には、式Iのエーテル化合物:
【0027】
【化1】

【0028】
式中、mは、1〜3であり、(CHは、必要に応じて、ピリジン環の3位に結合した二重結合または三重結合を含み得、すなわち、ピリジン環の最も近くに隣接する(CH部分の2つの炭素原子間の結合が、単結合、二重結合、または三重結合であり得る;およびそれらの薬学的に受容可能な酸付加塩である
【0029】
BHT−ωピリジルエーテルの調製は、ω−ピリジルアルキルアルコール、ω−ピリジルアルケニルアルコール、またはω−ピリジルアルキニルアルコールから始めることにより行われ得、酢酸塩の形態で3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルアルコールと反応させる。
【0030】
ω−ピリジルアルキルアルコールは、ピリジル−3−アルデヒドおよびホスホニウム塩から開始されるWittig反応によって調製され、対応するハロアルキルアルコールから合成される。得られた不飽和ω−ピリジルアルキルアルコールは、直接、または水素化した後に、エーテル(改変BHT)に変換される。
【0031】
あるいは、開始のω−ピリジルアルキルアルコールは、3−ブロモピリジンと対応するω−アルキニルアルコールとを反応させることによって調製され得る。得られたω−ピリジルアルキニルアルコールは、直接、またはω−ピリジルアルケニルアルコールまたはω−ピリジルアルキルアルコールに水素化した後に、改変BHTに変換される。BHT−ω−ピリジルエーテルは、さらに上記化合物の酸付加塩を含む。
【0032】
式Iの化合物としては、詳細には以下の化合物が挙げられる:2,6−ジ−tert−ブチル−4−[8−(3−ピリジル)−2−オキサオクチル]フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[6−(3−ピリジル)−2−オキサヘキシル]フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[7−(3−ピリジル)−2−オキサヘプチル]フェノール、(Z)−2,6−ジ−tert−ブチル−4−[8−(3−ピリジル)−2−オキサオクト−7−エニル]フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[9−(3−ピリジル)−2−オキサノニル]フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[5−(3−ピリジル)−4−オキサペンチル]フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[7−(3−ピリジル)−4−オキサヘプチル]フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[9−(3−ピリジル)−4−オキサノニル]フェノール、および2,6−ジ−tert−ブチル−4−[8−(3−ピリジル)−2−オキサオクト−7−イニル]フェノール。これらの化合物の詳細な製造方法は、米国特許第5,254,549号に開示され、これは参考として本明細書に援用される。
【0033】
本発明の式IIの化合物は、R基を含み、該R基は、酸素原子を有するまたは有さない、C1〜C12の直鎖あるいは分岐鎖炭化水素鎖を有する脂肪族炭化水素残基である。
【0034】
【化2】

【0035】
Rが、非酸素化脂肪族残基である場合、Rは炭素原子が12以下のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を示し得る。C1〜C12としては、以下が挙げられる:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、およびデシル。C2〜C12のアルケニル基としては、以下が挙げられる:−CH=CH、−CH=CHCH、−CHCH=CH、−C(CHCH=CHCH、−CH=CHCH=CH、−C(CH)=CHCH=CH、および−CHCH=CHCH。C2〜C12のアルキニル基としては、以下が挙げられる:−C≡CH、−CHC≡CH、−CHC≡CCH、および−CH(CH)C≡CCH
【0036】
Rが、C1〜C12の酸素化脂肪族残基である場合、Rは1以上のエーテル、カルボニル、ヒドロキシル、またはカルボキシル官能基を有し得る。C1〜C12のアルコキシ基を有するR基としては、以下が挙げられる:メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、s−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、2,2−ジメチルプロピルオキシ、n−ヘキシルオキシ、1,1,3,3−テトラメチルブチルオキシ、およびデシルオキシ。C1〜C12のカルボニル官能基(CO)を有するR基としては、以下が挙げられる:−CHO、−COCH、−COCHCH、−COCHCHCH、−COCH(CH、−COC(CH、−COCHCHCHCH、および−COC(CHCH(CH。ヒドロキシル官能基(OH)を有するC1〜C12のR基としては、ω−ヒドロキシル基が挙げられる:−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−C(CHOH、−C(CHCHOH、−CHC(CHOH、−CHC(CHCHOH、−CHCHCHCHOH、−CH(CH)CHCH(CH)OH、および−C(CHCHC(CHCHOH。ω−カルボキシル官能基を有するC1〜C12のR基としては、−COOH基および−A−COOH基が挙げられ、ここで該AはC1〜C11の脂肪族炭化水素残基であり、例えば、−COOH、−CHCOOH、−CH(CH)COOH、−C(CHCOOH、−CHCHCHCOOH、−CH(CHCHCOOH、−CH=CHCOOH、および−C(CH)=C(CH)COOHである。
【0037】
本発明の範囲から逸脱せずに、酸素化脂肪族基Rは、(i)フェノール残基に連結する末端に、エーテル−O−またはカルボニル−CO−官能基を有し、そして、(ii)他の末端にω−OHまたはω−COOH官能基を有し得る。そして、2つの末端は、Rの総炭素原子数が12以下であるように、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖によって一緒に連結される。
【0038】
Rが、COOHまたはA−COOHである式IIの化合物の塩としては、RがCOOHまたはA−COOHである式IIの酸と無機塩基との反応によって得られる無機塩が挙げられる。これらの無機塩は、RがCOOXである式IIの化合物であり、ここで、Xは、NHカチオン1/mMm+を示し、Mは、周期表のIa、Ib、IIa、およびIIb族の金属であり、そしてmはその原子価であり、特にNa、K、1/2Ca2+、1/2Zn2+、1/2Mg2+、Cu、または1/2Cu2+である。
【0039】
付加塩は、RがCOOHまたはA−COOHである式IIの化合物と有機塩基とを反応させることによって得られる。有機塩基としては、例えば、アルキルアミンおよびジアルキルアミン(各アルキルフラグメントは直鎖または分岐炭化水素鎖を有するC1〜C8ラジカルである)、アルキルフラグメントが直鎖または分岐炭化水素鎖を有する2価のC1〜C8ラジカルであるN−ヒドロキシアルキルアミン(例えば、2−ヒドロキシエチルアミン)、単環飽和または不飽和環状アミン(例えば、ピリジン、3−メチルピリジン、ピロリジン、ピペリジン、4−メチルピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、4−メチルピペラジン、4−フェニルピペラジン、4−(4−クロロフェニル)ピペラジン、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、およびヘキサメチレンイミン)、およびアミノ酸(例えば、Arg、His、Orn、Lys、Gly、Ala、Phe、Glu、Leu、lle、Nle、Val、Nva、MeGly、Pro、4Hyp、または3Hyp、ここで該アミノ酸の各酸官能基は、ペプチド合成の公知の方法によってブロックされ得る)である。
【0040】
RがCOOHまたはA−COOHである式IIの酸化合物のエステルは、式COOZまたはA−COOZによって示され得、ここで、Aは上記のように定義され、そしてZはアミノ化され得る炭化水素残基である。好都合には、Zとしては、C1〜C5の脂肪族炭化水素残基が挙げられ、そして含有され得るアミノ基は、NHまたは以下の基のうちの1つである:上記付加塩について定義されるような、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、N−ヒドロキシアルキルアミノ、および環状アミノ。
【0041】
RがCOOHまたはA−COOHである式IIの酸化合物のエステルとしては、各アルキルフラグメントがC1〜C5の直鎖または分岐鎖炭化水素残基であるアルキルエステルおよびアミノアルキルエステルが挙げられる。
【0042】
特定の例としては、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(RがOCHである式IIの化合物);3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメタノール(RがCHOHである式IIの化合物);3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(RがCHOである式IIの化合物);3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(RがCOOHである式IIの化合物);2,6−ジ−t−ブチルフェノール(Rが脂肪族炭化水素残基である式IIの化合物);2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾール(Rがメチルである式IIのBHT);2,6−ジ−t−ブチル−4−ブチルフェノール(Rがn−ブチルである式IIのBHT);2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール(Rがt−ブチルである式IIのBHT);2,6−ジ−t−ブチル−4−(2,2−ジメチルプロピル)フェノール(RがCHC(CHである式IIのBHT);2,6−ジ−t−ブチル−4−ヘキシルフェノール(Rがn−ヘキシルである式IIのBHT);および2,6−ジ−t−ブチル−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(RがC(CHCHC(CHである式IIのBHT)が挙げられる。
【0043】
1つの実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約0.001質量%以上および約20質量%以下の少なくとも1種のフェノール性抗酸化剤を含有する。他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約0.005質量%以上および約10質量%以下の少なくとも1種のフェノール性抗酸化剤を含有する。さらに他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約0.01質量%以上および約5質量%以下の少なくとも1種のフェノール性抗酸化剤を含有する。さらに他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約0.1質量%以上および約2質量%以下の少なくとも1種のフェノール性抗酸化剤を含有する。
【0044】
1つの実施態様においては、亜鉛含有組成物は、1種のフェノール性抗酸化剤を含有する。他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、少なくとも2種のフェノール性抗酸化剤または2種のフェノール性抗酸化剤を含有する。
【0045】
1つの実施態様においては、亜鉛含有組成物中のフェノール性抗酸化剤対亜鉛化合物の質量比は、約0.75:1〜約4:1である。他の実施態様においては、亜鉛含有組成物中のフェノール性抗酸化剤対亜鉛化合物の質量比は、約1:1〜約3:1である。さらに他の実施態様においては、亜鉛含有組成物中のフェノール性抗酸化剤対亜鉛化合物の質量比は、約1.25:1〜約2.5:1である。いくつかの場合において、上述の質量比を有する組成物は、ヘルペスウイルスに対して特に有効性を提供する。
【0046】
亜鉛含有組成物は、少なくとも1種の鎮痛剤を含有し得る。鎮痛剤は、疼痛および/または亜鉛含有組成物の作用による不快感またはウイルス感染による不快感を緩和する。鎮痛剤としては、鎮痛化合物および麻酔化合物が挙げられる。いかなる理論によっても縛られることを意図しないが、鎮痛剤は、抗ウイルス亜鉛含有組成物の頻繁な使用に寄与すると考えられる。例えば、温和な疼痛が亜鉛含有組成物の作用に起因する場合、鎮痛剤はこのような疼痛を緩和する。ウイルス活性によって生じる塗布後の数時間の疼痛の増加はまた、患者の患部への亜鉛含有組成物のさらなる塗布の必要性を知らせ得る。
【0047】
鎮痛剤の例としては、サリチル酸、アセチルサリチル酸を含むサリチル酸型化合物、アセトアミノフェン、アロエ汁抽出物およびアロエベラなどのアロエ化合物、アンチピリン(フェナゾン)、ベンゾカイン(エチルアミノ安息香酸)、ブロモフェナク、フェノプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、リドカイン、ナプロキセン、ピロキシカム、トルメチン、トラマドールなどが挙げられる。
【0048】
1つの実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約0.1質量%以上および約50質量%以下の少なくとも1種の鎮痛剤を含有する。他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約1質量%以上および約40質量%以下の少なくとも1種の鎮痛剤を含有する。さらに他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約2質量%以上および約35質量%以下の少なくとも1種の鎮痛剤を含有する。
【0049】
1つの実施態様においては、亜鉛含有組成物は、1種の鎮痛剤を含有する。他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、少なくとも2種の鎮痛剤または2種の鎮痛剤を含有する。さらに他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、少なくとも3種の鎮痛剤または3種の鎮痛剤を含有する。
【0050】
本発明の亜鉛含有組成物は、局所塗布に適切な薬学的アジュバントを含有し得る。これに関連して、亜鉛含有組成物は、チンキ剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、乳剤、および懸濁剤の1以上の形態であり得る。代表的には、チンキ剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、乳剤、および懸濁剤は、精製水および他の成分を含有する。
【0051】
亜鉛含有組成物の特定の性質にかかわらず、本発明の亜鉛含有組成物は、水およびヒドロカルビル含有化合物を含有し得る。水としては、好適には精製水が挙げられる。亜鉛含有組成物中の水の量は、大きく変動し得る。1つの実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約0.1質量%以上および約60質量%以下の水を含有する。他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約0.5質量%以上および約50質量%以下の水を含有する。さらに他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約1質量%以上および約30質量%以下の水を含有する。
【0052】
本明細書において使用する場合、用語「ヒドロカルビル」とは、記載されている基が、本発明の範囲内で、主として炭化水素の特徴を有することを意味する。これらは、天然の純粋な炭化水素(炭素と水素のみを含む)である基だけではなく、基の主な炭化水素の特徴を変更しない置換基またはヘテロ原子を含む基も含む。このような置換基としては、ハロ、カルボニル、エステル、エーテル、アルコキシ、ニトロなどが挙げられ得る。これらの基はまた、ヘテロ原子を含み得る。適切なヘテロ原子は、当業者には明らかであり、例えば、硫黄、窒素、および特に酸素が挙げられる。したがって、本発明の範囲内で、炭化水素の特徴の大部分を残存している限り、これらの基は、本発明の亜鉛含有組成物の抗ウイルス活性に悪影響を与えないならば、その他が炭素原子で構成される鎖または環に存在する炭素以外の原子を含んでもよい。
【0053】
一般に、約3以下、好ましくは1以下の非炭化水素置換基またはヘテロ原子が、ヒドロカルビル系の基の5つの炭素原子ごとに存在する。用語「ヒドロカルビル」としては、t−ブチル、t−ブトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、t−アミル、s−ブチル、イソプロピル、オクチル、ノニル、ドデシル、およびオクタデシルなどのC2〜C60またはC3〜C30のアルキル基およびアルコキシ基が挙げられる。あるいは、ヒドロカルビル基は、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン)、またはポリオレフィン共重合体(例えば、エチレン/プロピレン共重合体)から誘導され得、好ましくはポリイソブテンから誘導され得る。
【0054】
ヒドロカルビル含有化合物は、少なくとも1つのヒドロカルビル基を含む、または少なくとも1つのヒドロカルビル部分を含む化合物であり、そして、代表的には、1以上の有機油、石油ベースの化合物、有機濃縮剤、または有機乳化剤である。一般的な例としては、カルボン酸、脂肪酸、脂肪族アルコール、トリグリセリドおよびグリコールエステルを含む脂肪酸エステル(脂肪酸とアルコールまたはポリオールとから作られる)、ポリアルコール(ポリオール)、ワックス、およびワセリンが挙げられる。
【0055】
脂肪酸エステルまたはカルボン酸エステルとしては、式IIIで示される化合物が挙げられる:
COOR (III)
ここで、RおよびRは、独立して、1〜約50の炭素原子を有するアルキル基、2〜約50の炭素原子を有するオキシアルキル基、1〜50の炭素原子を有するアルケニル基、2〜約50の炭素原子を有する基を含むエステルまたはエーテル含有基、および6〜約50の炭素原子を有する芳香族含有基などの1〜50の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。アルキル基、アルケニル基、およびオキシアルキル基は、1以上の直鎖、分岐鎖、または環状であり得る。式IIIで示される脂肪酸エステルまたはカルボン酸エステルは、天然のソースに由来するか、あるいはカルボン酸(RCOOH)およびアルコール(ROH)から作られ得る。カルボン酸は、モノ酸またはポリ酸であり得、そしてアルコールは、1価アルコールまたは多価アルコールであり得る。脂肪酸エステルまたはカルボン酸エステルの例としては、アスコルビルミリステート、イソプロピルミリステート、アスコルビルパルミテート、アスコルビルステアレート、モノステアリン酸グリセリン、トコフェリルアセテート、ソルビタンモノステアレート、イソプロピルパルミテート、トコフェリルプロピオネート、トコフェリルブチレート、オクチルサリチレート、オクチルメトキシシンナメート、グリセリルリノレート、グリセリルリノレネート、グリセリルアラキドネート、グリセロールモノステアレート、およびステアリルラクチレートが挙げられる。脂肪酸エステルまたはカルボン酸エステルは、しばしば、乳化剤としてあるいは濃縮剤として作用する。
【0056】
脂肪酸エステルは、式IVで示されるグリセリド化合物を含む:
CH(OOCR)CH(OOCR)CH(OOCR) (IV)
ここで、R、R、およびRは、独立して、H、1〜約25の炭素原子を有するアルキル基、2〜約25の炭素原子を有するオキシアルキル基、1〜25の炭素原子を有するアルケニル基、および6〜約25の炭素原子を有する芳香族含有基などの1〜25の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。アルキル基、アルケニル基、およびオキシアルキル基は、1以上の直鎖、分岐鎖、または環状であり得る。一般的な例としては、モノグリセリド(R、R、およびRのうちの2つが、Hである)、ジグリセリド(R、R、およびRのうちの1つが、Hである)、およびトリグリセリド(R、R、およびRはいずれも、Hでない)が挙げられる。特定の例としては、短鎖(R、R、およびRは、C8より小さい)、中鎖(R、R、およびRは、C8〜C16)、および長鎖(R、R、およびRは、C16より大きい)のモノグリセリド、ジグリセルド、およびトリグリセリドが挙げられる。脂肪酸エステルは、しばしば、ヤシ油、パーム油、ピーナッツ油、コーン油などの植物油に由来し得る。中鎖トリグリセリドは、特にヤシ油に由来する。ある場合において、グリセリド化合物は、真皮移動剤として作用し得る。別の場合において、グリセリド化合物は、乳化剤として作用し得る。
【0057】
脂肪酸エステルは、さらに、脂肪酸エステルの塩を含む。例としては、ステアロイルラクチル酸ナトリウムおよびステアロイルラクチル酸カリウムが挙げられる。
【0058】
脂肪酸としては、C5〜C60、および好ましくはC8〜C22のカルボン酸(モノ、ジ、および他のポリ酸)が挙げられ、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ヒポゲン酸(hypogeic acid)、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、トール油脂肪酸、エルシン酸、ブラシジン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、トリデコン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、エニシン酸、テトラコサン酸、ステアリン酸、およびそれらの塩などである。脂肪族アルコールとしては、C2〜C60、および好ましくはC5〜C22のアルコールが挙げられ、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、カプリルアルコール、アルコール、セテアリルアルコール、ベンジルアルコール、ラノリンアルコール、セトステアリルアルコール、およびステアリルアルコールなどである。ポリアルコールとしては、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0059】
ワックスおよびワセリンは、炭化水素化合物であり、そして液体ワックス、固体ワックス、黄色ワセリン(ワセリン)、パラフィン油および/または硬パラフィンを含み、そして好ましくは、水吸収を改良するのに適切なヒドロキシ化合物、ウールワックスアルコール、ウールワックス、キャンデリラワックス、セレシンワックス、カルナウバワックス、ポーラワックス、および蜜蝋を含み得る。ワックスおよびワセリンは、しばしば濃縮剤として作用する。
【0060】
有機油としては、鉱油、精油、および植物油脂が挙げられる。有機油の例としては、ホホバ油、大豆油、ゴマ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、カカオ油、ヤシ油、コーン油、キャノーラ油、アーモンド油、小麦胚芽油、ローズマリー油、ラベンダー油、バームミント油、セージ油、ニンニク油、杜松子油、アニス油、米糠油、麻実油、ブドウ種子油、ベニバナ油、スペアミント油、カルダモン油、ピメント油、アニス油、バラ油、真正バラ油、真正メリッサ油、カミツレ抽出物、ゲルマニウム抽出物、キャラウェイ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、樟脳油、チョウジ油、松葉油、ユーカリ油、Natunola Health Inc.から入手可能なVegelatum(登録商標)などが挙げられる。油は、一般的には、しばしば乳化剤として作用し得、そしていくつかの油は、抗ウイルスおよび/または抗微生物活性を示し得る。いくつかの実施態様においては、亜鉛含有組成物は、1以上の有機油およびワセリンを含む。他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、1以上の有機油を含むが、ワセリンは含まない。
【0061】
必要に応じて1以上の無機の濃縮剤と組み合わせて過酸化物ゲル成分の調製に使用され得る有機濃縮剤の例としては、天然および合成のガムが挙げられる。例えば、カラギーナン(アイルランドゴケ)、粉末セルロース、アカシア(アラビアゴムとも呼ばれる)、寒天、アルギン酸およびその塩(アルギン酸ナトリウムなど)、トラガカントゴム、キサンタンガム、ラノリン(ウール繊維中にヒツジによって分泌される滲出物)、ゼラチン(タンパク質であるコラーゲンを含む混合物)、カルボキシポリメチレン、グリセリルモノステアレート、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ならびにカルボキシビニルポリマーおよび部分中性カルボキシビニルポリマーなどである。
【0062】
亜鉛含有組成物中のヒドロカルビル含有化合物の量はまた、大きく変動し得る。1つの実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約5質量%以上および約80質量%以下の少なくとも1種のヒドロカルビル含有化合物を含有する。他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約10質量%以上および約70質量%以下の少なくとも1種のヒドロカルビル含有化合物を含有する。さらに他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、約15質量%以上および約65質量%以下の少なくとも1種のヒドロカルビル含有化合物を含有する。
【0063】
1つの実施態様においては、亜鉛含有組成物は、1種のヒドロカルビル含有化合物を含有する。他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、少なくとも2種のヒドロカルビル含有化合物または2種のヒドロカルビル含有化合物を含有する。さらに他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、少なくとも3種のヒドロカルビル含有化合物または3種のヒドロカルビル含有化合物を含有する。さらに他の実施態様においては、亜鉛含有組成物は、少なくとも4種のヒドロカルビル含有化合物または4種のヒドロカルビル含有化合物を含有する。
【0064】
チンキ剤および液剤は、一般的には、水性のエタノール性基剤、少なくとも1種のポリアルコールおよび/または低級ポリエチレングリコール、必要に応じて、水分損失を減少させるための湿潤剤、および必要に応じて、低級ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールの脂肪酸エステルなどの脂肪修復物質を含み、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートまたはポリオキシエチレンソルビタンモノオレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0065】
クリーム剤は、約50%より多くの水(精製水)を含む水中油型乳剤である。脂肪族アルコールは、油脂性基剤として使用され得、あるいはまたはさらに、脂肪酸、液体から固体のワックス(例えば、イソプロピルミリスチネート、ウールワックスまたは蜜蝋および/または炭化水素)が使用され得る。適切な乳化剤は、主として親水特性を有する表面活性物質であり、例えば、対応する非イオン性の乳化剤(例えば、ポリアルコールの脂肪酸エステルまたはそのエチレンオキシド付加物)、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween);ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテルまたはエステル;あるいは脂肪族アルコール硫酸エステルのアルカリ金属塩などの対応するイオン性乳化剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、またはステアリル硫酸ナトリウム)である。これらは、脂肪族アルコールの存在下において習慣的に使用される。水相への添加剤としては、蒸発による水分損失を減少させる薬剤、例えば、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールおよび/またはポリエチレングリコールなどのポリアルコールが挙げられる。
【0066】
軟膏剤は、約70質量%まで、代表的には、約10質量%〜約50質量%の水または水相を含む油中水型乳剤である。油相は、主として炭化水素、例えば、ワセリン、パラフィン油および/または硬パラフィンを含み、これは、脂肪族アルコールまたはそのエステルなどの、水吸収を改良するために適切なヒドロキシ化合物、例えば、セチルアルコールまたはウールワックスアルコール、またはウールワックスを含み得る。乳化剤は、ソルビタン脂肪酸エステルなどの対応する親油性物質であり、例えば、オレイン酸ソルビタンおよび/またはイソステアリン酸ソルビタンである。水相への任意の添加剤としては、ポリアルコールなどの湿潤剤が挙げられる。
【0067】
ゲル剤は、活性物質の水性溶液であり、その中に、セルロースエーテルの群のゲル形成剤(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロース)、あるいはアルギン酸ナトリウム、トラガカントゴム、またはアラビアガムなどの植物ハイドロコロイドのゲル形成剤が分散および膨潤されている。ゲル剤はまた、必要に応じて、ポリアルコールおよび/または加湿剤の群からの湿潤剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、モノラウレート、またはモノオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを、約0.02%〜約5%の濃度で含む。さらなるアジュバントとして、ゲル剤は、従来の保存剤、例えば、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、p−ヒドロキシ安息香酸のメチルおよび/またはプロピルエステルなどの低級アルキルエステル、ソルビン酸、またはメルチオレイトなどの有機水銀化合物を含み得る。
【0068】
懸濁剤および乳剤において、添加剤は、不溶性粒子または不混和性液滴が合体すること、底に沈殿すること、または表面へ浮くことを防止するためにしばしば使用される。可溶性ゲル剤において、このような薬剤は、混合物を濃縮し、そして分子成分のすべてが安定した懸濁条件下で残存し、そして比重の違いで相分離しないことを確実にするために使用される。このような添加剤は、懸濁化剤または濃縮化剤と呼ばれ得る。
【0069】
本発明の亜鉛含有組成物は、必要に応じて、1以上の潤滑剤を含み得る。潤滑剤としては、グリセリン(グリセリン、グリセロール、1,2,3−プロパントリオール、およびトリヒドロキシプロパンを含む)およびあるタイプのポリエチレングリコール(PEG)(例えば、PEG200またはPEG400)、ポリプロピレングリコール、ポリイソブテン、ポリオキシエチレン、ベヘン酸、ベヘニルアルコール、ソルビトールなどの糖アルコール、およびポリジメチルシロキサンなどのシリコン化合物が挙げられる。
【0070】
他の任意の添加剤としては、保存剤(クロルヘキシジングルコネートなど)、抗炎症化合物、抗結晶化剤(グルコノ−δ−ラクテートなど)、香料、着色剤、所望のpHを維持するためのアルカリ性剤または酸性剤、肌質改良剤、および無痛化薬または抗膨潤剤(ラノリンまたはヒドロコルチゾンなど)が挙げられる。肌質改良剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ラノリン、ラノリン誘導体、アシルラクチレート、ポリエチレングリコール、アラントイン、アルギン酸、スルホスクシネートのモノエステル塩、αヒドロキシ脂肪酸、セラミド、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0071】
多くの化粧品、シャンプー、または他の局所的塗布混合物は、アルコール、清浄剤、または他の化学品を含み、これらは濃縮形態で塗布される場合、皮膚を刺激するが、特に刺激の影響が無痛化剤または抗膨潤剤によって抑制あるいはマスクされる場合は低濃度で許容される。したがって、亜鉛含有組成物は、得られる組成物が、実質的な刺激を引き起こさない(刺激を軽減するために比較的少量)ならば、濃縮形態で存在する場合に刺激物であり得る比較的少量の化合物(抗ウイルス剤を含む)を含み得る。
【0072】
無機濃縮剤もまた、亜鉛含有組成物に含まれ得る。亜鉛含有組成物を濃縮するために有用な微粒子化無機化合物の例としては、ヒュームドシリカなどの無機濃縮剤、ラポナイト、ベントナイト、カオリンなどのクレー、アモルファスシリカ、アルミナ、および雲母が挙げられる。微粒子化水不溶性無機化合物は、亜鉛含有組成物中に約0.05質量%〜約5質量%または約0.1質量%〜約1質量%の量で組み込まれ得る。
【0073】
従来の保存剤を含有することに加えて、本発明の亜鉛含有組成物は、さらなる活性化合物を含み得る。例えば、消炎剤または抗微生物剤(抗細菌剤、抗真菌剤、または追加の抗ウイルス剤など)を含み得る。追加の抗ウイルス剤としては、例えば、フルメタゾン、ネオマイシン、ゲンタマイシン、乳酸、またはミコナゾールが挙げられる。
【0074】
亜鉛含有組成物は、構成成分を単に混合することによって製造される。構成成分を互いに加える順序は、本発明に重要ではない。しかし、一般には、亜鉛化合物は水と組み合わされ、一方、フェノール性抗酸化剤はヒドロカルビル含有化合物と組み合わされる。他の有機成分は、フェノール性抗酸化剤およびヒドロカルビル含有化合物(有機相)と組み合わされ得、一方、水溶性の任意の成分は、亜鉛含有化合物および水(水相)と組み合わされ得る。有機相および水相は、亜鉛含有組成物を形成するために互いに混合され得る。あるいは、すべての構成成分は短時間内に一緒にされ得る。組み合わせた組成物は加熱され得、そしてそれによって水相および有機相の成分の1つまたは両方が取り出され得る。
【0075】
亜鉛含有組成物は、亜鉛含有組成物を皮膚および/または粘膜に接触させることによって患者に塗布される。亜鉛含有組成物の薄膜は、この組成物を皮膚および/または粘膜に徐々に擦り込みおよび広げることによって形成される。1つの実施態様においては、膜の厚さは、約0.1μmから約1mmまで変化し得る。他の実施態様においては、膜の厚さは、約1μmから約0.5mmまで変化し得る。亜鉛含有組成物の一部が皮膚および/または粘膜によって吸収され得るため、厚さの範囲の最低限度は、提供される範囲を超えてさらに変化し得る。亜鉛含有組成物は、ウイルスが誘導した病変部/発疹を防止するために必要な頻度で、例えば、数時間ごとに塗布され得る。
【0076】
本発明の他の局面は、患者が低アルギニン食餌療法中である場合の、患者に対する亜鉛含有組成物の塗布である。低アルギニン食餌療法は、比較的大量のアルギニンを含む食品および飲料を避けること、または消化されて比較的大量のアルギニンを生成する食品および飲料を避けることを含む。低アルギニン食餌療法と本発明の亜鉛含有組成物の塗布との組み合わせは、ウイルスが誘導した病変部/発疹の発生をさらに阻害するために役立つ。アルギニン含量の高い食品は、チョコレート、ゼラチン、ピーナッツ、種子、および堅果である。
【0077】
本発明のさらなる他の局面は、患者が高リジン食餌療法中である場合の、患者に対する亜鉛含有組成物の塗布である。高リジン食餌療法は、比較的大量のリジンを含む食品および飲料を消費すること、または消化されて比較的大量のリジンを生成する食品および飲料を消費することを含む。高リジン食餌療法と本発明の亜鉛含有組成物の塗布との組み合わせは、ウイルスが誘導した病変部/発疹の発生をさらに阻害するために役立つ。リジン含量の高い食品は、野菜、魚、七面鳥および鶏、スターフルーツ、パパイア、グレープフルーツ、アンズ、洋ナシ、リンゴ、イチジク、黒豆、レンズ豆、大豆、および乳製品である。リジンのサプリメントも高レベルのリジンを提供する。
【実施例】
【0078】
以下の実施例は、本発明を説明する。以下の実施例ならびに明細書および請求の範囲における他の場所で他に指示がなければ、すべての部および%は質量であり、全ての温度は℃であり、そして圧力は大気圧または大気圧付近である。
【0079】
(実施例1)
0.3%の硫酸亜鉛7水和物、10%の精製水、18%の中鎖トリグリセリド油、30%のワセリン、5%の蜜蝋、0.6%のBHT、0.1%のビタミンE、4%のステアロイルラクチル酸ナトリウム、4%のモノステアリン酸グリセリン、20%のアロエベラ抽出物、および8%のベンゾカインを合わせることによって、乳剤を調製する。
【0080】
(実施例2)
0.3%の硫酸亜鉛7水和物、10%の精製水、18%の中鎖トリグリセリド油、23%のワセリン、5%の蜜蝋、0.6%のBHT、0.1%のビタミンE、4%のステアロイルラクチル酸ナトリウム、4%のモノステアリン酸グリセリン、20%のアロエベラ抽出物、および15%のベンゾカインを合わせることによって、濃厚な乳剤を調製する。
【0081】
(実施例3)
0.3%の硫酸亜鉛7水和物、18%の精製水、18%の中鎖トリグリセリド油、26%のワセリン、5%の蜜蝋、0.7%のBHT、4%のステアロイルラクチル酸ナトリウム、4%のモノステアリン酸グリセリン、20%のアロエベラ抽出物、および4%のベンゾカインを合わせることによって、乳剤を調製する。
【0082】
(実施例4)
0.5%の硫酸亜鉛7水和物、17%の精製水、20%の中鎖トリグリセリド油、20%のワセリン、10%の蜜蝋、3%のBHT、4.5%のステアロイルラクチル酸ナトリウム、4.5%のモノステアリン酸グリセリン、および20.5%のアロエベラ抽出物を合わせることによって、乳剤を調製する。
【0083】
(実施例5)
0.5%の硫酸亜鉛7水和物、20%の精製水、30%の中鎖トリグリセリド油、10%のワセリン、5%の蜜蝋、5%のBHT、4.5%のステアロイルラクチル酸ナトリウム、4.5%のモノステアリン酸グリセリン、および20.5%のアロエベラ抽出物を合わせることによって、乳剤を調製する。
【0084】
(実施例6)
0.5%の硫酸亜鉛7水和物、20%の精製水、28%の中鎖トリグリセリド油、10%のワセリン、5%の蜜蝋、5%のBHT、2%のビタミンE、4.5%のステアロイルラクチル酸ナトリウム、4.5%のモノステアリン酸グリセリン、および20.5%のアロエベラ抽出物を合わせることによって、乳剤を調製する。
【0085】
(実施例7)
0.3%の硫酸亜鉛7水和物、10%の精製水、18%の中鎖トリグリセリド油、30%のワセリン、5%の蜜蝋、0.6%のBHT、0.1%のビタミンE、4%のステアロイルラクチル酸ナトリウム、4%のモノステアリン酸グリセリン、20%のアロエベラ抽出物、および8%のベンゾカインを合わせることによって、乳剤を調製する。この乳剤を約120゜Fまで加熱し、水相と有機相との間の分離を生じさせる。水相を組成物から取り出す。
【0086】
(実施例8)
0.3%の硫酸亜鉛7水和物、15%の精製水、18%の中鎖トリグリセリド油、23%のワセリン、0.6%のBHT、0.1%のビタミンE、4%のステアロイルラクチル酸ナトリウム、4%のモノステアリン酸グリセリン、20%のアロエベラ抽出物、および15%のベンゾカインを合わせることによって、乳剤を調製する。
【0087】
(実施例9)
2%のアスパラギン酸亜鉛、15%の精製水、20%の中鎖トリグリセリド油、3%の真正メリッサ油、27%のワセリン、10%のBHA、および23%のサリチル酸を合わせることによって、混合物を調製する。
【0088】
(実施例10)
5%のオレイン酸亜鉛、20%の精製水、20%のプロピレングリコール、8%のBHA、17%のイソプロピルミリステート、10%のプロピレングリコールモノステアレート、5%のシリカ、および15%のアセチルサリチル酸を合わせることによって、混合物を調製する。
【0089】
(実施例11)
9%の安息香酸亜鉛、30%の精製水、11%のグリセリン、20%のパラフィン、0.9%のBHT、1.1%のトコトリエノール、5%のステアリルアルコール、5%のモノステアリン酸グリセリン、および18%のアロエベラ抽出物を合わせることによって、混合物を調製する。
【0090】
(実施例12)
0.3%の酢酸亜鉛、22%の精製水、18%の鉱油、5%の蜜蝋、0.1%のBHT、0.9%のトコトリエノール、4%のステアリン酸マグネシウム、4.7%のイソプロピルミリステート、25%のワセリン、15%のアロエベラ抽出物、および5%のベンゾカインを合わせることによって、乳剤を調製する。
【0091】
(実施例13)
1%の乳酸亜鉛、25%の精製水、20%の中鎖トリグリセリド油、20%のワセリン、1%のBHT、13%のプロピレングリコールモノステアレート、11%のアロエベラ抽出物、および9%のベンゾカインを合わせることによって、乳剤を調製する。
【0092】
実施例1〜6の組成物を、表1に報告するように、示された数の患者の外陰部のヘルペス誘発発疹部位に塗布する。特に、組成物を、例えば、滅菌器具またはQチップを用いて、有効領域に単に広げる。表1は、患者について、シャットダウン(シャットダウンとは、水疱ヘルペス発疹の実質的および/または完全な寛解を意味する)までの平均時間を報告する。完全なシャットダウンは、発疹を誘発したウイルス活性についての終結を意味する。実質的なシャットダウンとは、いくつかの残された赤みおよび/または重大でない刺痛が持続し得るが、ウイルス活性が阻害されることを意味する。
【0093】
【表1】

【0094】
本発明を、いくつかの実施態様に関して説明したが、本明細書を読めば、種々の改変が当業者に明らかであることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された本発明が、添付の請求の範囲内となるような改変を包含することを意図すると理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1質量%以上および50質量%以下の少なくとも1種の鎮痛剤;
0.005質量%以上および20質量%以下の少なくとも1種の亜鉛化合物;
ブチル化ヒドロキシトルエン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、3−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クミルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ノニルフェノール、2,6−ジクミルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソオクチルフェノール、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、および2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)からなる群より選択される0.001質量%以上および20質量%以下の少なくとも1種のフェノール性抗酸化剤;
5質量%以上および80質量%以下の少なくとも1種のヒドロカルビル含有化合物であって、該ヒドロカルビル含有化合物が、カルボン酸、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、ポリアルコール、ワックス、またはワセリンの少なくとも1種を含む、ヒドロカルビル化合物;ならびに
0.1質量%以上および60質量%以下の水
を含有する、亜鉛含有抗ウイルス組成物。
【請求項2】
前記亜鉛化合物が、亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、スドキシカム亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、酒石酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、乳酸亜鉛、アミノ酢酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酪酸亜鉛、蟻酸亜鉛、グリセリン酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、酸化亜鉛、エチレンジアミン四酢酸亜鉛、ペントサンポリ硫酸亜鉛、オキシ酢酸亜鉛、およびそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の亜鉛含有抗ウイルス組成物。
【請求項3】
前記フェノール性抗酸化剤が、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを含む、請求項1または2に記載の亜鉛含有抗ウイルス組成物。
【請求項4】
前記フェノール性抗酸化剤対亜鉛化合物が0.75:1〜4:1の質量比であり、
0.1質量%以上および50質量%以下の鎮痛剤をさらに含有し、該鎮痛剤が、サリチル酸、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、アロエ化合物、アンチピリン、ベンゾカイン、ブロモフェナク、フェノプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、リドカイン、ナプロキセン、ピロキシカム、トルメチン、およびトラマドールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1から3のいずれかに記載の亜鉛含有抗ウイルス組成物。
【請求項5】
前記抗ウイルス薬剤組成物が、液剤、チンキ剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、懸濁剤、または乳剤の形態である、請求項1から4のいずれかに記載の亜鉛含有抗ウイルス組成物。
【請求項6】
ウイルス感染の病変症状の治療用の、請求項1から5のいずれかに記載の亜鉛含有抗ウイルス組成物。
【請求項7】
抗ウイルス薬剤組成物の調製方法であって、
抗ウイルス有効量の少なくとも1種の抗ウイルス亜鉛化合物を水と組み合わせて、第1の混合物を形成する工程;
少なくとも1種のフェノール性抗酸化剤を少なくとも1種のヒドロカルビル含有化合物と組み合わせて、第2の混合物を形成する工程;および
該第1の混合物および該第2の混合物を組み合わせて、該抗ウイルス薬剤組成物を形成する工程
を含む、方法。
【請求項8】
前記フェノール性抗酸化剤対前記亜鉛化合物の質量比が、1:1〜3:1であり、そして前記ヒドロカルビル含有化合物が、アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、およびワックスの少なくとも1種を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
トコトリエノールを前記少なくとも1種のフェノール性抗酸化剤および前記少なくとも1種のヒドロカルビル含有化合物と組み合わせて、前記第2の混合物を形成する工程をさらに含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の混合物および前記第2の混合物を組み合わせた後、前記抗ウイルス薬剤組成物を加熱する工程をさらに含む、請求項7から9のいずれかに記載の方法。

【公開番号】特開2010−70571(P2010−70571A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294444(P2009−294444)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【分割の表示】特願2003−501382(P2003−501382)の分割
【原出願日】平成14年6月4日(2002.6.4)
【出願人】(503445294)
【Fターム(参考)】