説明

抗ウイルス組成物、それを含む抗ウィルス剤及び抗ウイルス機能性食品

【課題】
ウイルス潜伏感染細胞からウイルスを排除し、根本的なウイルス感染症の治療に寄与する抗ウイルス組成物、及びこれを有効成分とする抗ウイルス剤並びに抗ウイルス機能性食品を提供すること。
【解決手段】
抗ウィルス剤は、ウイルス潜伏感染細胞から、フコイダン又はプロアントシアニジンを有効成分として含有して、ウィルス増殖阻害作用を有したり、また、フコイダン又はプロアントシアニジンを有効成分として含有して、ウィルス潜伏感染細胞からのウィルス誘導作用を有する。また、該抗ウイルス組成物を含有して、ウイルス治療用薬剤や抗ウイルス機能性食品を得る。特に、フコイダンは渇藻類由来の硫酸化多糖であり、プロアントシアニジンはピーナツ種皮抽出物に含まれるものであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス感染潜伏細胞からウィルスを誘導する作用を有したり、ウィルス増殖を阻害する作用を有する、抗ウイルス組成物、それを含む抗ウィルス剤及び抗ウイルス機能性食品に関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルス感染症における最も大きな問題の一つは、ウイルスが生体の免役機構では排除できず、体内に長く潜伏感染することである。そのため、生体に長期間にわたって影響を与え、免疫系の細胞や中枢神経系の細胞に潜伏感染し、免疫状態の低下などにより再活性化し、治療困難な難治性の疾患を引き起こす。
【0003】
例えばサイトメガロウイルスや、ヒトヘルペスウイルス(HHV6)などのβ―ヘルペスウイルスは樹状細胞や中枢神経系に潜伏しており、神経疾患や自己免疫疾患との関連性が指摘されている(非特許文献1、2)。
【0004】
HIV−1の治療においてはHIV−1感染細胞からのHIV−1産生を抑えるプロテアーゼ阻害剤が開発され、逆転転写酵素阻害剤2種とプロテアーゼ阻害剤(あるいは非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤)1種との組み合わせによる多剤(3剤)併用療法(highly active antiretroviral therapy, HAART)が奏効している。
【0005】
しかし、投薬スケジュールを厳密に遵守することが、副作用、服薬条件などの問題で必ずしも容易でないことや、耐性の問題などから死亡数の減少が頭打ちになりつつある。HAARTは決して根治療法ではなく、血中のウイルス量が検出限界以下となっても、服薬を中止すると直ちにリンパ節、中枢神経などに残存していたウイルスが再び増殖するリバウンドが起こる。そのため、ウイルスを体内から駆逐するためにはとてつもない長い年月を要することなど、従来の薬物療法には依然改善すべき問題が残されている(非特許文献3)。
【0006】
生体は、感染初期に迅速に免疫応答を行うためのシステムを自然免疫として有している。この自然免疫における病原体の進入を感知するToll様受容体(TLR)は、各々病原体特有の構成成分を特異的に認識する。TLRは、認識後、サイトカイン産生、あるいは種々の共刺激分子の発現増強を誘導し、Tリンパ球の活性化を惹起し、獲得免疫応答を誘導し、細菌やウイルス病原体を排除する。単球・マクロファージの細胞膜のTLR4―CD14はグラム陰性菌の主要構成成分であるリポ多糖(LPS)を認識し、転写因子NF−kBを活性化し、炎症、自然免疫などに関与する遺伝子群を誘導する。TLR2はグラム陽性菌の主要構成成分であるペプチドグリカンを認識する。このように、TLR2及びTLR4―CD14は、病原体を特異的に認識し炎症を惹起し、自然免疫応答に重要な役割を担っている一方、獲得免疫応答を誘導するアジュバント受容体としても役割を担っている(非特許文献7)。
【0007】
最近、単球やマクロファージ細胞のTLR2およびTLR4はリウマチ関節炎(RA)の病態(非特許文献8)のほか、全身性エリテマトーデス、心血管障害など慢性的で深刻な炎症を特徴とする疾患との関連性が強く指摘されている(非特許文献9)。この他、脂肪細胞においてもTLRと病態との関連性が指摘されている。TLR2あるいはTLR4−CD14を介した慢性炎症は耐糖機能に影響を与え、その結果肥満や2型糖尿病のようなメタボリックシンドロームに関連することが明らかとなった(非特許文献10)。さらに、TLRあるいはCD14を介する刺激は、炎症性サイトカインを産生させ、歯槽骨破壊を引き起こすことが知られている。しかし、TLR2あるいはTLR4−CD14を介したこれら疾患の炎症を惹起する病原体は、未だ特定されていない。
【0008】
呼吸器感染にみられるように、炎症の場では細菌感染に先立ってウイルス感染が多く見られる。そのウイルス感染症における最も大きな問題の一つは、ウイルスが生体の免役機構では排除できず、体内に長く潜伏感染することである。そのため、生体に長期間にわたって影響を与え、免疫系の細胞や中枢神経系の細胞に潜伏感染し、免疫状態の低下などにより再活性化し、治療困難な難治性の疾患を引き起こす。例えばサイトメガロウイルスや、ヒトヘルペスウイルス(HHV6)などのβ―ヘルペスウイルスは樹上細胞や中枢神経系に潜伏しており、神経疾患や自己免疫疾患との関連性が指摘されている(非特許文献2)。HIV−1の治療においてはHIV−1感染細胞からのHIV−1産生を抑えるプロテアーゼ阻害剤が開発され、逆転転写酵素阻害剤2種とプロテアーゼ阻害剤(あるいは非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤)1種との組み合わせによる多剤(3剤)併用療法(highly active antiretroviral therapy, HAAT)が奏効している。しかし、血中のウイルス量が検出限界以下となっても、服薬を中止すると直ちにリンパ節、中枢神経などに残存していたウイルスが再び増殖するリバウンドが起こる。そのため、ウイルスを体内から駆逐するためにはとてつもない長い年月を要する(非特許文献3)。
【0009】
最近、TLRを介した坑ウイルス治療法の開発が進行している。イミダキノリン誘導体はTLR7を介して様々な炎症性サイトカインを誘導し、坑ウイルス効果を惹起する。そのため、イミダキノリン誘導体の一つイミキミドは、ヒトパピローマウイルス感染によるせん型コンジロームの治療に広く臨床応用されている。TLRはリガンドを認識すると、アダプター分子MyD88、TRAF6依存的にNF−kBを活性化し、炎症性サイトカインを誘導する一方、IRFを活性化し、坑ウイルス作用を有するI型インターフェロンを(IFN―α/β)誘導する(非特許文献11)。
【0010】
従って、ウイルス感染による種々の病態を改善するためには、TLR介してNF−kBを活性化し、炎症性サイトカインによりウイルスを駆逐するとともに、IFNを誘導することが重要である。
【0011】
近年、海藻や植物由来の様々なフィトケミカルの機能が注目され、機能性素材として期待されている。それらの中には抗ウイルス作用を有するものが報告されている。渇藻類に含まれるフコイダンは硫酸化多糖の総称であり、モズク、メカブ、ワカメなど様々な渇藻類から分離され、アポトーシスによる抗癌作用や免役賦活化作用等の種々の生理活性を有することが報告されている(非特許文献4)。
【0012】
フコイダンは抗ウイルス作用として、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、エイズウイルス、HTLV−Iの増殖を阻害することが公知である(特許文献1、非特許文献5、6)。
【0013】
プロアントシアニジンを含むブドウ抽出物は、ヘルペスウイルス、インフルエンザ、HIV−1、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス(以下SARS−CoVと表現する)の増殖を阻害することが公知である(特許文献2、3)。ピーナツ種皮抽出物は、HIV−1増殖阻害を有することが公知である(特許文献4)。
【0014】
しかし、これまでフコイダンやピーナツ種皮抽出物にはウイルスの根治療法となるウイルス潜伏感染細胞からウイルスを誘導する作用やウイルス潜伏感染細胞をアポトーシスにより死滅させる作用は報告されていない。さらに、これまでフコイダンにヒトTLRを介してNF−kBを活性化し、ウイルスの根治療法となる潜伏感染細胞からウイルスを誘導する作用や、TLRを介するアジュバント作用やIFN誘導作用は報告されていない。
【特許文献1】特開平8−253419号公報
【特許文献2】特許第3448052号公報
【特許文献3】特開2005−314316号公報
【特許文献4】特許第3010258号公報
【非特許文献1】Proc.Natl.Acad.Sci.USA1994;91:11879−11183
【非特許文献2】J.Virol.2002;76:4145−4151
【非特許文献3】Curr Pharm Des.2004;10:4103−4120
【非特許文献4】Antibiot Khimioter.2004;49:24−30
【非特許文献5】Nutr Cancer 2005;52:189−201
【非特許文献6】Chem Pharma Bull(Tokyo)2004;52:1091−1094
【非特許文献7】Nature Immunolgy.2001;2:679−680
【非特許文献8】Arthritis Rheum.2004;50(12):3856−65
【非特許文献9】Expert Opin Investig Drugs.2006;15:857−871
【非特許文献10】Biochem Biophys Res Commun.2006;346(3):739−745
【非特許文献11】Nat. Immunol.2004;5:1061−1068
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、食経験のある安全な食材の中からスクリーニングし、ウイルス潜伏感染細胞からウイルスを誘導する作用及び/又は潜伏感染細胞のウィルス増殖作用を阻害したり、アポトーシスにより死滅する作用を有する、安全で効果的な抗ウイルス組成物、及びこれを有効成分とする抗ウイルス剤並びに抗ウイルス機能性食品を提供することにある。
【0016】
更に、本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、TLR2、TLR4及びCD14のいずれにもリガンドとして結合し、NF−kBを活性化し、潜伏感染細胞よりウイルスの誘導作用を有するウイルスの誘導組成物を提供することを目的とする。更にまた、本発明は、IFN―βおよびIFN―γ誘導作用を有し、経口的に利用できる安全で有効な粘膜アジュバント組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは、食材の中から抗ウイルス作用を広くスクリーニングする過程で、フコイダンにおいてこれまで報告されているHIV−1の増殖阻害作用に加えて、潜伏感染細胞からHIV−1を誘導する作用を併せ持つ事を新たに見出した。
【0018】
さらに、フコイダンにはこれまで報告されていないSARS−CoV潜伏感染細胞をアポトーシスにより死滅させる作用を持つ事を見出した。
【0019】
ピーナツ種皮抽出物は報告されているHIV−1増殖阻害作用に加えて、潜伏感染細胞からHIV−1を誘導する作用とSARS−CoV増殖阻害作用を新たに見出し、本発明を完成するに至った。
【0020】
また、本発明者らは鋭意研究した結果、フコイダンがHIV潜伏感染ヒト細胞株を用いた実験系において、TLR2、TLR4及びCD14のいずれにもリガンドとして作用し、MyD88、TRAF6依存的にNF−kBの活性化を介してHIV誘導効果を促すこと、さらに、フコイダンはIFN―β産生に必須のIRF−3の活性化を誘導することを見出した。これらの事実はフコイダンが免疫誘導作用を有し、アジュバントとしての条件を満たしているものであり、さらに、フコイダンは抗原刺激後にヒトT細胞において、IFN―γを誘導することを見出し、本発明を完成した。
【0021】
本発明は、フコイダン又はプロアントシアニジンを有効成分として含有して、ウィルス増殖阻害作用を有することを特徴とする抗ウィルス組成物である。
また、フコイダン又はプロアントシアニジンを有効成分として含有して、ウィルス潜伏感染細胞からのウィルス誘導作用を有することを特徴とする抗ウィルス組成物である。
前記本発明において、好適には、フコイダンを有効成分として含有して、ヒトToll−like−receptor(以下「TLR」と略す)及び/またはCD14を介して細胞内シグナルを活性化させることにより、ウィルス潜伏感染細胞からのウイルス誘導作用を有することを特徴とする抗ウィルス組成物である。
そして、TLRがTLR2またはTLR4であることが望ましい。
さらに、前記本発明において、TLR2、TLR4及び/またはCD14を介してアダプター分子MyD88、TRAF6依存的に転写因子NF−κBを活性化させることにより、ウィルス潜伏感染細胞からのウイルス誘導作用を有することを特徴とする抗ウィルス組成物である。
さらに、他の本発明は、フコイダンを有効成分として含有し、TLR2、TLR4及び/またはCD14を介してI型インターフェロン(IFN―β)産生に必須の転写因子IRF−3の活性化誘導作用を有することを特徴とする、抗ウィルス組成物である。
また、他の本発明は、フコイダンを有効成分として含有し、TLR2、TLR4及び/またはCD14を介して、粘膜アジュバントとすることを特徴とする、抗ウィルス組成物である。
また、他の本発明は、フコイダンを有効成分として含有し、II型インターフェロン(IFN―γ)の誘導作用を有することを特徴とする、抗ウィルス組成物である。
好適には、上記フコイダンが、渇藻類由来の硫酸化多糖であり、プロアントシアニジンを含む植物抽出物が、ピーナツ種皮抽出物であることが望ましい。
さらに、好適には、前記ウィルスが、エイズウィルス(以下、「HIV−1」と略す)または重症急性呼吸器症候群(以下、「SARS」と略す)ウィルスであることで、より効果的であり、望ましい。
そして、上記本発明の各抗ウイルス組成物を含むことで、抗ウイルス剤または抗ウィルス機能性食品を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の抗ウイルス組成物及びそれを含む抗ウイルス剤並びに抗ウイルス機能性食品を用いることにより、ウイルス潜伏感染からウイルスを誘導することや、潜伏感染細胞の増殖を阻害したり、アポトーシスにより根絶することが可能となり、根本的なウイルスの治療となる。そのことにより、ウイルス治療に掛かる医療費を抑制する上でも、また治療を受ける患者においてもQOL改善に著しく有益となる。
また、免疫誘導作用を有するので、免疫力を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、ウイルス増殖阻害作用と潜伏感染細胞からウイルスを誘導する作用及び/又は感染細胞をアポトーシスにより死滅させる作用を有するフコイダンやピーナツ種皮抽出物等を有効成分として共に含む組成物である。本発明に用いるTLR2、TLR4及びCD14のいずれにも作用するリガンドとしては、少なくともフコイダンを有効成分として含むものである。
本発明の組成物は、抗ウイルス機能性食品や抗ウイルス治療剤の他、ウイルス感染防止のための膣剤やゼリーとしても利用できる。ウイルスの最初の進入経路である気道及び鼻くう等の粘膜表面で利用できる安全かつ有効な粘膜アジュバントとしても利用できる。
【0024】
さらに、本発明の組成物を用いることにより、当該組成物と抗ウイルス剤やワクチンとの併用による安全で効果的な新しいウイルス予防・治療法を提供することが可能となる。好ましくは、該アジュバント組成物は少なくとも前記のウイルスに対する免疫応答を誘導し得るウイルス抗原とフコイダンを含有する。
【0025】
当該作用を有するフコイダンであればモズク、メカブ、コンブなど渇藻類由来のいずれでも良く、特に限定されるものではなく、特許文献5に記載の方法が使用できる。さらに、プロアントシアニジンを含む植物抽出物は、松樹皮抽出物、クランベリー抽出物、リンゴ抽出物、ブドウ種子抽出物、ピーナツ種皮抽出物のいずれでも良いが、特にピーナツ種皮抽出物が好ましい。ピーナツ種皮抽出物は特許文献6に開示された方法により調製することができる。あるいは、プロアントシアニジン38%以上を含む標品として常盤植物化学研究所(千葉市)より入手することができる。
【特許文献5】特開2001−181303号公報
【特許文献6】特開2004−269487号公報
【0026】
本発明で用いるフコイダンは以下の一般的方法により製造することができる。例えば、ワカメ芽株を乾燥後、粉末化し、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールを使用して脱脂する。溶解液としては、水、緩衝液等目的に応じて行うことができる。通常粘性等を考慮し、最適溶解濃度を用いることが望ましい。抽出おいては、酢酸、クエン酸、シュウ酸など有機酸を用いて0.1〜0.2Nあるいはさらに、高濃度で抽出しても構わない。抽出液のpHは通常5以下、好ましくはpH1〜4の範囲で前記の有機酸を用いて抽出する。加水分解は当該pH溶液を通常60〜100℃で加温し、目的のフコイダン液を抽出する。均一な分子量を必要とする場合、ゲルろ過や分子量分画膜を用いると良い。得られた組成物は脱塩後、凍結乾燥することによりフコイダン標品を得ることができる。
【0027】
本発明の対象とするウイルスとしてはエイズウイルス(HIV−1)、成人T細胞白血病ウイルス(HTLV−I/II)を含む各種レトロウイルス群、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス、B型,C型肝炎ウイルス、パポーバウイルス、エプシュタインバーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス、バリセラゾースターウイルス(VZV)を含むヘルペス群、ヒトパピローマウイルス、ボルナウイルス、インフルエンザウイルス、鳥インフルエンザウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザ、ロタウイルス、RSウイルス、ノロウイルスなどのいずれかのウイルスを対象とする。
【0028】
本発明に係る組成物の好ましい投与形態は機能性食品である。組成物のフコイダン量は通常0.001〜100重量%、好ましくは1〜90重量%が好ましい。組成物のプロアントシアニジンを含むピーナツ種皮抽出物は通常0.001〜100重量%、好ましくは1〜90重量%が好ましい。経口的に適用される投与形態としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択されるが、一般には錠剤、カプセル、顆粒、細粒、散剤、ドリンク、トローチ、チューインガム、キャンディ等の形態として経口的に利用される。これらの形態においては、それぞれの形態を製造するに適したデンプン、乳糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類などの賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、潤沢剤、甘味料、着色料、香料等を使用できる。
【0029】
本発明の組成物をウイルス感染防止のための膣投与に使用する場合、当該技術分野において適当であると知られている担体を含有する膣坐剤、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト、泡またはスプレー剤として使用することもできる。
【実施例1】
【0030】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は以下に記載される具体例に制限されるものではない。
フコイダンおよびピーナツ種皮抽出物を披検物として、SARS−CoV増殖阻害作用を以下の方法により評価した。SARS−CoVは、FFM−1株(Dr.HW Doerr,Frankfrut University of Medicine, Germanyより分与)を用いた。培養細胞はVero細胞((株)大日本製薬より購入)を用い、5%CO存在下において37℃で培養した。90%コンフルエントに増殖した培養細胞に、細胞1個当たりのウイルス量を0.1(MOI0.1,Multiplicity of Infection)となる条件でTuckerP.C.らの方法(J.Virol.71:6106,1997)に従い感染と同時に披検物質を培養液1ml当たり各々100,30,3μg/ml加え、各24,48時間後に培養液を回収し、ウイルス量を測定した。
【0031】
ウイルス力価は、以下のプラーク形成法により測定した。回収した培養上精を1%ウシ血清アルブミンを加えたPBS(−)(Mg2+,Ca2+を含まない0.05Mリン酸緩衝液、0.15M NaCl,pH7.0)で10倍段階希釈し、各0.2mlずつをそれぞれの6穴プレートに摂取した。25℃で60分間感染させた後、0.1%メチロセルロースを加えたDMEM(5%シ胎児血清含有)で4日間培養した。培養後、メチルセルロースを取り除き、細胞を2.5%クリスタルバイオレット(30%エチルアルコール、1%シュウ酸アンモニュウム中)で染色し、PBS(−)で3回洗浄、脱色後プラーク数の平均値(3個のウエル)から1ml中のウイルス量をPFU(Plaque Forming Unit)/mlとして算出した。
【0032】
また、上記の方法により披検物質のSARS−CoVの増殖を50%阻害する濃度(IC50:Inhibitory Concentration,μg/ml)を算出した。
【0033】
その結果、フコイダンおよびピーナツ種皮抽出物のSARS−CoVに対するIC50は>100μg/mlおよび10μg/mlであった(表1)。その過程で顕微鏡下においてプラークを観察した結果、ピーナツ種皮抽出物には見られなかったが、フコイダンにおいては対照(コントロール)と比較して、プラーク内の感染細胞がアポトーシスにより死滅する割合が著しく多いことが明らかとなった(図1)。この事は、フコイダンはSARS−CoVにおいて、潜伏感染している細胞をアポトーシスにより死滅させる作用があることを示唆した。これらの試験結果は、表1及び図1に示すとおりであった。
【0034】
【表1】

【実施例2】
【0035】
フコイダンおよびピーナツ種皮抽出物を披検物質として、HIV−1増殖阻害作用を以下の方法により評価した。MT−4細胞にHIV−1を0.001TCID50/個の割合で1時間感染させ、RPMI−1640培養液(10%ウシ胎児血清、ペニシリン100U/ml、ストレプトマイシン100μg/ml含有)を用いて1回洗浄した。このHIV−1感染MT−4細胞を、RPMI−1640培養液で1x10個/mlの濃度で浮遊させ、96穴平底培養プレートに1穴あたり200ulの量で加え、さらに披検物質を段階希釈したものを加え37℃で5%CO存在下で5日間培養した。5日培養後、HIV−1感染によるバルーニングや巨核細胞出現などの細胞変性効果(CPE)を各穴において顕微鏡下で観察した。CPEが認められた場合をHIV−1増殖阻害作用なし、CPEが認められなかった場合をHIV−1増殖阻害作用ありとして判定した。また、上記と同様にしてMT−4細胞に対して細胞毒性を50%細胞障害濃度として判定した。
【0036】
フコイダン及びピーナツ種皮抽出物のHIV−1に対する最小増殖阻害濃度は、それぞれ1.0μg/ml及び15.3μg/mlであった。フコイダンおよびピーナツ種皮抽出物はMT−4細胞に対して、50%最小細胞障害濃度は>413μg/ml及び203μg/mlであった。試験結果は、以下の表2に示すとおりであった。
【0037】
【表2】

【実施例3】
【0038】
フコイダンおよびピーナツ種皮抽出物を披検物質として、HIV−1潜伏感染細胞株に対するHIV−1誘導活性を以下の方法により評価した。HIV−1潜伏感染細胞株として、J22HL60(単球系由来),OM10.1(単球系由来),ACH−2(T細胞由来),U1(単球系由来)を用いた。これらの潜伏感染細胞株をRPMI−1640培養液で1x10個/mlの濃度で浮遊させ、96穴平底培養プレートに1穴あたり200ulの量で加え、さらに段階希釈した披検物質を加えて5%CO存在下で37℃で5日間培養した。5日培養後、培養上精のHIV量をp24量として、ELISAにより測定した。その結果を図2に示した。
【0039】
フコイダンは4種類のHIV−1潜伏感染細胞株において、細胞株による差はあるもののいずれの潜伏感染細胞株においてもHIV−1誘導作用が見出された。また、フコイダンとピーナツ種皮抽出物とは、潜伏感染細胞株によりHIV−1誘導作用の程度が異なっていた。ACH−2においては、ピーナツ種皮抽出物はフコイダンよりHIV−1誘導作用が高かった(図3)。
【実施例4】
【0040】
TNFα(10ng/ml)、LPS(50ng/ml)を対照として、フコイダン(0、0.1、0.5、1mg/ml)を披検物質として、HIV−1潜伏感染細胞株に対するHIV−1誘導活性を次の方法により評価した。HIV−1潜伏感染細胞株としてACH2(T細胞由来)、U1(単核細胞由来)を用いた。これらの潜伏感染細胞株を10%牛胎児血清を含むRPMI−1640培養液で2x10個/mlの濃度で浮遊させ、96穴平底培養プレートに1穴あたり200ulの量で加え、さらに段階希釈した披検物質を加えて5%CO存在下で37℃で5日間培養した。3日培養後、培養上精のHIV−1をP24量として、蛍光法により測定した。その結果を図4に示した。
TNFαはACH2及びU1のいずれもHIV−1誘導効果が見られた。50ng/ml濃度のLPSはACH2に誘導効果が見られたが、U1では見られなかった。フコイダンは、ACH2及びU1いずれにおいても濃度依存的にHIV−1誘導活性が見出された。しかし、フコイダンのHIV−1誘導効果はACH2においてU1より高かった。
従って、フコイダンは潜伏感染細胞株におけるHIV−1誘導効果を有する。
【実施例5】
【0041】
実験に用いた一連のスモールヘアピンRNA(shRNA)発現ベクターはpSuperRetro vector(Oligoengine)とpCS−puro−PREベクターを用いて構築した。ヒトTLR2;GCAGCTCAGGATCTTTAAA、ヒトTLR4;GGTGGCTGTGGAGACAAAT、ヒトCD14;GCTCGAGGACCTAAAGATAをそれぞれ標的配列とした。Penilla luciferase(RL)のコードン配列を標的とするsiRNAをコントロールとして、センス及びアンチセンスshRNAはQIAGEN siRNA Design Toolを用いて設計した。ACH2細胞あるいはU1細胞にTLR2 siRNA、TLR4 siRNA、CD14 siRNAあるいはコントロールsiRNAを発現するベクターをそれぞれ導入した。それらの細胞をLPS(5ng/ml)およびTNFα(1ng/ml)、フコイダン(50ug/ml)、を用いて36時間刺激した後、培養上精中のHIVp24を測定した。それぞれのsiRNAにおけるフコイダンおよびLPSによるHIV−1p24の誘導活性は、TNFαによるHIV−1p24誘導活性を100として相対的に示した。その結果、ACH2およびU1いずれにおいても、フコイダンあるいはLPSによるHIV−1p24誘導効果はTLR2 siRNA、TLR4 siRNAあるいはCD14 siRNAのいずれにおいても、コントロールsiRNAと比較して減少した(図5)。従って、フコイダンはLPSと同様に、TLR2、TLR4及びCD14を介して潜伏感染細胞からHIV−1を誘導することが明らかとなった。
フコイダンは、潜伏感染細胞株でのHIV−1誘導におけるTLR2、TLR4及びCD14のリガンドである。
【実施例6】
【0042】
TRAF6およびMyD88の遺伝子サイレンスの効率を確認するために、RL、MyD88あるいはTRAF6発現ベクターを含む1ugのプラスミド、100ngのIkBレポーターlgk−luc、標準化のための100ngB−galactosidaseプラスミドEF1−lacZを293T細胞(30x10細胞/ウェル)にLipofectamine 2000(Invitrogen Life Technologies)を用いてトランスフェクした。36時間後に細胞を回収し、Dual Luciferase Assay kit (promega)を用いてルシフェラーゼ活性を測定した。TRAF6 siRNAおよびMyD88 siRNAは実施例5記載の方法と同様に、ヒトTRIF6;AGGAGAAACCTGTTGTGAT、ヒトMyD88;GGCAATGAAGAAAGAGTTC を標的配列として構築した。MyD88 siRNAあるいはTRIF6 siRNAは293T細胞において、Luc発現をそれぞれ阻害し、それぞれのsiRNA阻害効果が確認された。
次に、ACH2にMyD88 siRNA、TRAF6 siRNAあるいはコントロールsiRNAを発現するベクターをそれぞれ導入した。それらの細胞をLPS(50ng/ml)およびTNFα(10ng/ml)、フコイダン(500ug/ml)で36時間刺激した後、培養上精中のHIVp24を測定した。その結果、MyD88 siRNAあるいはTRAF6 siRNAはTNFαによるHIVp24量は抑制しなかったが、LPSおよびフコイダンによるHIVp24量を顕著に抑制した(図6)。従って、フコイダンを介するHIV−1誘導効果は、アダプター分子MyD88およびTRAF6に依存することが明らかとなった。
フコイダンによるTLR2、TLR4及びCD14を介するHIV−1誘導効果は、アダプター分子MyD88およびTRAF6に依存する。
【実施例7】
【0043】
ACH細胞をIkB スーパーリプレッサーであるIkBαSR蛋白とコントロールとしてベクター単独を発現ベクターに組み込み、感染させた。フコイダン(0.5mg/ml)あるいはTNFα(0.1ng/ml)で3日間刺激し、それぞれの細胞培養上精中のHIV−1p24を測定した。その結果を図4に示した。フコイダンあるいはTNFαによるHIVの誘導効果はIkBαSRによって著しく抑制された(図7−A)。
次に、LPS(50ng/ml)、TNFα(10ng/ml)あるいはフコイダン(500ug/ml)を用いて経時的(0,5,15,30,60分)にACH2を処理した。それぞれの時間毎に細胞を回収し、1%Triton X−100を含む溶解緩衝液で細胞を可溶化し、10%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。次に、PVDF膜(PALL Co.,Tokyo)に転写後、リン酸化IkBαとその分解を、IkBαあるいはGAPDH(コントロール)に対する特異抗体(Santa Cruz Biotechnology, Inc,(Santa Cruz,CA))を用いてイミュノブロット法によりに検討した。その結果、フコイダンはLPSと同様にIkBαのリン酸化とIkBαの分解が経時的に促進された(図7−B)。これらの結果は、フコイダンは、NF−kBの活性化を介してHIV−1誘導効果を示すことが明らかとなった。
フコイダンは、NF−kBの活性化を介してHIV−1誘導効果を示す。
【実施例8】
【0044】
U373/CD14細胞をLPS(1ug/ml)で1時間、あるいはフコイダン(500ug/ml)で1時間と2時間処理した後、細胞を回収し、IRF−3のリン酸化をp386あるいはp396抗体を用いて、実施例4に記載の方法と同様にイミュノブロットによって検討した。その結果、コントロール(mocK)と比較してLPSおよびフコイダン処理1時間、2時間ともp386あるいはp396抗体でIRF−3のリン酸化が確認された。この結果、フコイダンはINF−β産生に必須の転写因子IRF−3のリン酸化を誘導することが明らかとなった(図8)。
フコイダンは、INF−β誘導に必須の転写因子IRF−3の活性化を誘導する。
【実施例9】
【0045】
ヒト末梢血からファイコールによりリンパ球を分離し、CD4+ Negative isolation kit(Dynal Biotech ASA, Oslo, Noruway)を用いて、CD4+T細胞を高純度に精製した。このCD4+T細胞を、LPS(1ug/ml)、 zymosan(50ug/ml)あるいはフコイダン(500ug/ml)を用いて、坑CD3抗体(OKT3)の存在下において24時間処理を行った。全RNAは48時間処理後に回収し、GAPDHをコントロールとしてINF−γ mRNAをRT−PCRにより検出した。その結果、フコイダンはLPSと同様に、坑CD3抗体刺激においてINF−γ mRNAの発現が検出された(図9)。
フコイダンは抗原刺激後のヒト細胞においてINF−γを誘導する。
【実施例10】
【0046】
(散剤及び顆粒剤タイプの機能性食品)
フコイダン0.2g、ピーナツ種皮抽出物0.2g、トウモロコシデンプン0.8g、乳糖0.8gを一包分として常法に従い調製し、散剤及び顆粒剤を製造した。
【実施例11】
【0047】
(硬質カプセルタイプの機能性食品)
フコイダン0.1g、ピーナツ種皮抽出物0.1g、トウモロコシデンプン0.1g、乳糖0.1gを一錠分としてゼラチンカプセルに充填することによって、カプセル剤を製造した。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の組成物を利用することによって、抗ウイルス作用を持つ機能性食品を製造する事が可能となり、これはいわゆる「健康食品産業」に応用可能である。また本発明の組成物を有効成分とする抗ウイルス薬剤については、それ自体でも効果を持ち、かつ従来用いられてきたワクチンなどと併用する事によってその効果を高めることが期待できる。前記薬剤は製薬などの産業上大いに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施例1に示したフコイダン添加の有無のSARS−CoV感染Vero細胞のプラークを示す。
【図2】実施例2に示した種々のHIV−1潜伏感染細胞株に対するフコイダンのHIV−1誘導作用を示す。
【図3】実施例3に示したフコイダンとピーナツ種皮抽出物のHIV−1潜伏感染細胞株でのHIV−1誘導作用の違いを示す。図中F:はフコイダンを、P:はピーナツ種皮抽出物をそれぞれ表す。
【図4】フコイダンが、潜伏感染細胞株におけるHIV−1誘導効果を示す。図中AはACH2を、BはU1をそれぞれ示す。
【図5】フコイダンが、潜伏感染細胞株でのHIV−1誘導におけるTLR2、TLR4及びCD14のリガンドであることを示す。図中の左グラフはACH2を、右グラフはU1をそれぞれ示す。
【図6】フコイダンによるACH2におけるTLR2、TLR4及びCD14を介するHIV−1誘導効果は、MyD88およびTRAF6アダプターに依存することを示す。
【図7】フコイダンがNF−kBの活性化を介してHIV−1誘導効果を示す。図中AはIkB スーパーリプレッサーであるIkBαSRを発現ベクターを用いて感染させた後のHIV−1p24を、BはIkBαのリン酸化と分解をそれぞれ示す。
【図8】フコイダンがINF−β誘導に必須のIRF−3の活性化を誘導することを示す。図中mockはコントロールを、Fuco.はフコイダンを示す。
【図9】フコイダンがヒト細胞においてINF−γを誘導することを示す。図中Mockは対照、Zym.はzymosan、Fu.はフコイダンを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フコイダン又はプロアントシアニジンを有効成分として含有して、ウィルス増殖阻害作用を有することを特徴とする、抗ウィルス組成物。
【請求項2】
フコイダン又はプロアントシアニジンを有効成分として含有して、ウィルス潜伏感染細胞からのウィルス誘導作用を有することを特徴とする、抗ウィルス組成物。
【請求項3】
フコイダンを有効成分として含有して、ヒトToll−like−receptor(以下「TLR」と略す)及び/またはCD14を介して細胞内シグナルを活性化させることにより、ウィルス潜伏感染細胞からのウイルス誘導作用を有することを特徴とする、請求項2記載の抗ウィルス組成物。
【請求項4】
TLRがTLR2またはTLR4であることを特徴とする、請求項3記載の抗ウィルス組成物。
【請求項5】
TLR2、TLR4及び/またはCD14を介してアダプター分子MyD88、TRAF6依存的に転写因子NF−κBを活性化させることにより、ウィルス潜伏感染細胞からのウイルス誘導作用を有することを特徴とする、請求項3又は4記載の抗ウィルス組成物。
【請求項6】
フコイダンを有効成分として含有し、TLR2、TLR4及び/またはCD14を介してI型インターフェロン(IFN―β)産生に必須の転写因子IRF−3の活性化誘導作用を有することを特徴とする、抗ウィルス組成物。
【請求項7】
フコイダンを有効成分として含有し、TLR2、TLR4及び/またはCD14を介して、粘膜アジュバントとすることを特徴とする、抗ウィルス組成物。
【請求項8】
フコイダンを有効成分として含有し、II型インターフェロン(IFN―γ)の誘導作用を有することを特徴とする、抗ウィルス組成物。
【請求項9】
フコイダンが、渇藻類由来の硫酸化多糖であることを特徴とする、請求項1〜8いずれかの項記載の抗ウイルス組成物。
【請求項10】
プロアントシアニジンを含む植物抽出物が、ピーナツ種皮抽出物であることを特徴とする、請求項1〜8いずれかの項記載の抗ウイルス組成物。
【請求項11】
ウィルスが、エイズウィルス(以下、「HIV−1」と略す)または重症急性呼吸器症候群(以下、「SARS」と略す)ウィルスであることを特徴とする、請求項1〜10いずれかの項記載の抗ウィルス組成物。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれかの項に記載の抗ウイルス組成物を含む、抗ウイルス剤または抗ウィルス機能性食品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−217410(P2007−217410A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12034(P2007−12034)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(506022566)
【出願人】(506022577)
【Fターム(参考)】