説明

抗ウイルス薬としての新規2−アミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン

【課題】抗ウイルス活性を有する新規2−アミノプリン類および使用方法の提供。
【解決手段】下記式(1)および(2)を有するウイルスに対し活性である化合物。


(式中、Bは6位でNHR、ORもしくはSRで置換されなくても若しくはされていてもよい2−アミノプリン−9−イルであり;Rは、ヒドロキシ、ハロ、アミノによっては置換されてよいアルキル、アルケニルおよびC4−18シクロアルキル等;Rは、分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノで置換されてよいC2−18アルキル、アルケニル、およびシクロアルキル等;ならびにRは、分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノで置換されてよいアルキル、アルケニル、シクロアルキル等を示す)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は2002年3月15日出願の米国仮出願第60/364,495号明細書(引用することにより本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する。
【0002】
本発明の研究は国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases)、助成金番号第U19−AI31718および同第P01−AI46390号により部分的に支援された。政府は本発明においてある種の権利を有する。
【0003】
本発明は、全般的に抗ウイルス活性を有する新規2−アミノプリン類ならびにそれらの作成および使用方法に関する。
【背景技術】
【0004】
ウイルスは多くの生命を脅かすヒト疾患の病因である。多くの一般的なウイルス疾患と関連する単純疱疹1(HSV−1)、単純疱疹2(HSV−2)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン−バーウイルス(EBV)、水痘−帯状疱疹ウイルス(VZV)ならびにヒトヘルペスウイルス6、7および8(HHV−6、7および8)のようなヘルペスウイルスがとりわけ重要である。HSV−1およびHSV−2感染症は皮膚、口腔もしくは性器領域の単純ヘルペスを特徴とする。一次感染後に該ウイルスは神経細胞中を住処とし、そして患者の生涯中、後に再出現し得る。ヒトCMV(HCMV)感染症は罹病および死亡をもたらし得る一生涯の苦痛である。これらの病状は、小頭症、肝脾腫大、黄疸、脳炎、新生児もしくは子宮内の胎児の感染症、および免疫無防備状態の宿主の感染症を包含する。HCMV感染症は、AIDS患者における網膜炎、胃炎および肺炎の原因であり、また、HCMV誘発性の肺炎もしくは肝炎は、臓器もしくは骨髄移植の頻繁かつ重大な合併症である。EBVは感染性単核細胞症を引き起こし、また、それは鼻咽頭癌、免疫芽球性リンパ腫、バーキットリンパ腫および毛髪状白斑の病原体と考えられている。VZVは水痘および帯状疱疹を引き起こす。小児において水痘は通常非致死性疾患であるとは言え、再発性の形態のこの感染症(帯状疱疹)は、進行した段階において麻痺、痙攣および最終的に死亡につながることがある。再度、免疫無防備状態の患者において、VZVへの感染は重大な合併症である。小児の発疹と普遍的に関連するヒトヘルペスウイルス6(HHV−6)は後天的免疫不全症候群(AIDS)患者でもまた同定され、そして、それはヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した宿主におけるAIDSの病因論の補助因子でありうる。非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3。ヒトヘルペスウイルス8(HHV−8)はカポシ肉腫(AIDSに付随する致死的苦痛)を伴う患者で同定された。非特許文献4。
【0005】
HIVは致死的な結果を伴う世界的な疫病AIDSの根底にある原因である。HIV/AIDSに関する共同国連プログラム(the
Joint United Nations Programme on
HIV/AIDS)によれば、2001年終わりに4000万の人々がHIV/AIDSを伴い生存していると推定されている。同年中に、AIDSは推定で300万の人々の死亡を引き起こした。
【0006】
B型肝炎ウイルス(HBV)は、肝硬変、癌、臓器不全および最終的には死亡を包含する重大な肝の損傷の原因である慢性疾患を引き起こすウイルスである。世界中でおよそ3億の人々がHBVに感染していると推定される。CDCによれば、HBVに慢性に感染しているおよそ125万の米国人が存在する。予防的ワクチンの使用は新たなのHBV感染の発生を低下させたとは言え、有効な治療薬に対する必要性が存在し続けている。
【0007】
ヌクレオシド類似物の多様な誘導体が抗ウイルス活性を表すことが見出された。とりわけ、アシクロビル(ゾビラックス(Zovirax))およびそのプロドラッグ、バラシクロビル(バルトレックス(Valtrex))がHSV−1およびHSV−2により引き起こされる感染症のための承認された薬物である。非特許文献5;HCMVに対しては4種の薬物すなわちガンシクロビル(サイトベン(Cytovene))、シドフォビル(ビスタイド(Vistide))、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ホミビルセン(ビトラベン(Vitravene))およびホスカルネット(ホスカビル(Foscavir))が現在利用可能である。しかしながら、ガンシクロビルのみが経口で有効であるが、しかし、それは大用量を必要としかつ骨髄抑制のような潜在的に重大な副作用を生じさせる。非特許文献6。かなりの努力が、これらの薬物の類似物の設計、合成および生物学的検討、ならびに新たな抗ウイルス薬の開発に費やされた。非特許文献7;非特許文献8。シドフォビルおよびホミビルセンはAIDS患者の網膜炎に対する局所適用のみに承認され、また、ホスカルネットは静脈内経路によってのみ使用され、そしてそれは特徴的な毒性につながる。
【0008】
AIDSのための現在の薬物は、AZT(ジドブジン、レトロビル(Retrovir))、ddI(ジダノシン、ビデックス(Videx))、ddC(ザルシタビン、ヒビッド(Hivid))およびd4T(スタブジン、ゼリット(Zerit))を包含する。非特許文献9。アデナレンおよびシタレンのようなアレンヌクレオシド類似物が不飽和アルキル基を含有する抗HIV薬の例である。特許文献1;非特許文献10。HBVについては、α−インターフェロンおよび3TC(ラミブジン;エピビル(Epivir))が慢性HBV感染症を伴う人の処置に認可された2種の薬物である。不幸なことに、患者の約40%しかこれらの薬物に応答せず、そして耐性が増大する問題である。
【0009】
特定の2−ヒドロキシメチルシクロプロピリデンメチルプリンおよびある種のウイルスに対するそれらの有用性が別の場所で記述されている(例えば、特許文献2;非特許文献11;非特許文献12を参照されたい)。しかしながら、HCMV、HSV−1、HSV−2、HHV−6、HIVおよびB型肝炎ウイルス(HBV)を包含する病原性ウイルスに対し活性である新規化合物に対する必要性が存在し続けている。
【特許文献1】米国特許第4,935,427号明細書
【特許文献2】共通に譲渡される米国特許第6,352,991号明細書
【非特許文献1】Levine,A.J.Viruses、第4章、W.H.Freeman & Co.、ニューヨーク、pp.67−85(1992)
【非特許文献2】Human HerpesvirusInfections、Raven Press、ニューヨーク(1986)
【非特許文献3】Schirmer,E.C.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:5922−5926(1992)
【非特許文献4】Chang,Y.ら、Science 266:1865−1869(1994)
【非特許文献5】Acyclovir Therapyfor Herpesvirus Infections(Baker編)、M.Dekker、ニューヨーク(1990)
【非特許文献6】Ganciclovir Therapyfor CytomegalovirusInfection(Spector,S.S.編)、M.Dekker、ニューヨーク(1991)
【非特許文献7】Larsson,A.ら、Antimicrob.Agents & Chemother.30:598−605(1986)
【非特許文献8】Ashton,W.T.ら、J.Med.Chem.31:2304−2315(1988)
【非特許文献9】De Clercq,E.、J.Med.Chem.38:2491−2517(1995)
【非特許文献10】Zemlicka,J.、AllenolsDerived from Nucleic Acid Bases−a New Class of Anti−HIV Agents:Chemistry and Biological Activityin Nucleosides and Nucleotides asAntitumor and Antiviral Agents(Chu,C.K.;Baker,D.C.編)、Plenum Press、ニューヨーク、pp.73−100(1993)
【非特許文献11】Qiu,Y.L.ら、J.Med.Chem.41:10−23(1998)
【非特許文献12】Antiviral Chem.Chemother.9:341−352(1998)
【発明の開示】
【0010】
本発明は、新規2−アミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリンの全部の幾何および光学活性異性体、プロドラッグならびに薬理学的に許容できる塩を包含する、新規2−アミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリンを提供する。これらの化合物は有用な抗ウイルス薬であることが見出されており、そして、HCMV、HSV−1、HSV−2、HHV−6、HIV、EBVおよびHBVならびに他の病原性ウイルスに対し有効である。
【0011】
本発明の化合物は、以下の式:
【0012】
【化1】

【0013】
式中、Bは6位でNHR、ORもしくはSRで置換されなくても、置換されていてもよい2−アミノプリン−9−イルであり;
は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびC4−18シクロアルキル(そのいずれもヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;
は、C2−18アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;ならびに
は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択される、
を有する。
【0014】
本発明の化合物はまた、本発明の新規2−アミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン化合物の全部の幾何および光学活性異性体、プロドラッグならびに薬理学的に許容できる塩を包含する、もまた包含する。
【0015】
HCMV、HSV−1、HSV−2、HHV−6、HIV、EBVおよびHBVのようなウイルス感染症を治療するのに有用な本発明の組成物は、有効量の本発明の最低1種の化合物もしくはその製薬学的に許容できる塩、および製薬学的に許容できる担体を含んでなる。
【0016】
本発明の付加的な目的、利点および特徴は、後に続く記述から明らかとなるであろう。
[発明の詳細な記述]
本明細書で使用されるところの以下の用語は、(別の方法で示されない限り)後に続くように定義される:
「アシル」は基C(O)Rを意味し、式中Rはアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル(ベンジルのような)、アルキルアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アルコキシアルキル(メトキシメチルのような)、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル(フェノキシメチルのような)、ポリ(アルキルオキシ)アルキル(ポリ(メトキシ)メチルのようなポリエーテルのような)、アリール(ハロ、低級アルキルもしくは低級アルコキシで場合によっては置換されるフェニルのような)、アリールアルキルおよびアルキルアリールから選択される。アシル部分の特定の例は、限定されるものでないがアセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、3−メチルブチリル、コハク酸水素、3−クロロベンゾエート、ベンゾイル、アセチル、ピバロイル、メシレート、プロピオニル、バレリル、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸を挙げることができる。
【0017】
「アルキル」は、飽和の直鎖または完全に飽和である分枝状の一級、二級もしくは三級炭化水素基、典型的にはC−C18、好ましくはC−C10およびより好ましくはC−Cを意味する。好ましいアルキル基は、限定されるものでないがメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、アミルおよびt−ペンチルを挙げることができる。本発明の目的上、アルキル部分中のいかなる炭素も酸素(O)、イオウ(S)もしくは窒素(N)で置換されてよい。Rの場合、好ましいアルキル基はC−C18、好ましくはC−C10およびより好ましくはC−Cであり、そして、限定されるものでないがエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、アミルおよびt−ペンチルを挙げることができる。
【0018】
「アルケニル」は最低1個の二重結合を有するアルキル部分を意味する。3個もしくはそれ以上の炭素原子を含有するアルケニル基は直鎖状もしくは分枝状であってよい。
【0019】
「アルキニル」は最低1個の三重結合を有するアルキル部分を意味する。3個もしくはそれ以上の炭素原子を含有するアルキニル基は直鎖状もしくは分枝状であってよい。
【0020】
「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸の全部の群から選択されるアミノ酸もしくはアミノ酸残基、それらのDおよびL配置のアミノ酸、ならびにホモシステイン、オルニチン、ノルロイシンおよびβ−バリンのような既知の非天然、合成および改変アミノ酸を意味する。非天然のアミノ酸の一覧は、“The
Peptides”、vol 5、1983、Academic
Press、D.C.RobertsとF.Vellaccioによる第6章に見出されるかもしれない。式3および4中の置換基RXもしくはRXの情況において、好ましいアミノ酸残基はアラニンおよびトリプトファンを包含する。
【0021】
「アリール」は炭素環もしくは複素環であってよくかつ未置換または(限定されるものでないが)アルキル(好ましくは低級アルキル)、ヒドロキシ、アルコキシ(好ましくは低級アルコキシ)、アルキルチオ、シアノ、ハロ、アミノおよびニトロ)から選択される1個もしくはそれ以上の置換基で置換されてよい、単もしくは多環性芳香環もしくは環系を意味する。アリール基の例は、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、アミノフェニル、ニトロフェニル、ヒドロキシフェニルなどである。
【0022】
「シクロアルキル」は単、二もしくは多環性アルキル基を意味する。便宜上、「シクロアルキル」という用語はまたシクロアルケニルシクロアルキニル基もまた明らかに包含する。「分枝状シクロアルキル」は、1個もしくはそれ以上の環メンバーがアルキルで置換されているシクロアルキル環を意味する。一般に、これらの環は典型的にC−C18、好ましくはC−C10およびより好ましくはC−Cである。Rの場合、シクロアルキル基は好ましくはC−C18、より好ましくはC−C12、および最も好ましくはC−C10である。
【0023】
「ハロ」はフルオロ、クロロ、ブロモもしくはヨードを意味する。
【0024】
「ヘテロシクリル」は、飽和、不飽和もしくは芳香族であってよい1個もしくはそれ以上の環を含有する単、二もしくは多環性基を意味し、ここで最低1個の環が窒素(N)、酸素(O)およびイオウ(S)から選択される1個もしくはそれ以上のヘテロ原子を含有する。ヘテロシクリル基は典型的に3〜18の総環メンバー、および好ましくは3〜10の総環メンバーを有する。好ましくは、ヘテロシクリル基は単環性(好ましくは3〜8およびより好ましくは3〜6の環メンバーを有する)もしくは二環性(好ましくは6〜12の環メンバーおよびより好ましくは8〜10の環メンバーを有する)である。本発明の化合物での使用に適するヘテロシクリルは、(限定されるものでないが)フラン、ジオキソラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピラン、ピリジン、ピリミジン、モルホリン、ピペリジン、オキサゾール、イソキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサチアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ベンゾフラン、インドール、イソインドール、キナゾリン、キノリン、イソキノリン、プリン、ピロロピリミジン、ピラゾロピリミジン、プテリジン、ケタールの基を挙げることができる。加えて、ヘテロシクリル基は、該ヘテロシクリル基の環メンバー原子に結合された1個もしくはそれ以上の置換基(すなわちハロゲン原子、アルキル基もしくはアリール基のような環置換基)を含有してよい。ヘテロシクリル基の全部の安定な異性体が本定義で企図される。
【0025】
「低級」は、(シクロアルキルおよびヘテロシクリルのような)環の場合(その場合は「低級」は3〜6の環メンバーを意味する)を除き、好ましく1〜6個、およびより好ましくは1〜4個の炭素原子を有するが適用される基を意味する。
【0026】
「患者」は、限定されるものでないがヒトを挙げることができるいずれかの温血哺乳動物を意味する。
【0027】
「製薬学的に許容できる塩」は、製薬学的組成物に適合性として当該技術分野で認識される無機もしくは有機酸もしくは塩基由来の本発明のいずれかの化合物の塩を意味する。適する酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸およびベンゼンスルホン酸を包含する。シュウ酸のような他の酸は、元来製薬学的に許容できない一方で、本発明の化合物およびそれらの製薬学的に許容できる酸付加塩を得ることにおける中間体として有用であるかもしれない。適切な塩基由来の塩は、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)、アンモニウムおよびNR(式中RはC1−4アルキルである)塩などを包含する。本発明の化合物への言及は、それらのいかなるおよび全部の製薬学的に許容できる塩を包含することが理解される。便宜上、「製薬学的」および「製薬学的に許容できる」という用語は、獣医学の実務に同様に許容できる化合物を包含することが理解される。
【0028】
本発明の製剤での使用のための「製薬学的に許容できる担体」は、製剤の他成分と適合性でありかつその受領者に有害でない担体である。
【0029】
「治療」および「治療的」はウイルス感染症もしくは疾患に対する個体の処置を意味する。便宜上、これらの用語は本発明の化合物の予防的(prophylactic)もしくは予防的(precautionary)使用もしくは投与を包含することもまた理解される。こうした予防的(precautionary)もしくは予防的(prophylactic)使用は、ウイルス感染症を有すると疑われるがしかし証明されていない個体(1体もしくは複数)、または汚染された品目との接触または伝染性ウイルス性疾患を運搬する他の個体との接触により病原性ウイルス感染症への罹患に対し感受性の個体(1体もしくは複数)への抗ウイルス薬の投与により例示される。
【0030】
本明細書で言及される全部の刊行された文書は、引用することにより本明細書に明らかに組み込まれる。
【0031】
HCMV、HSV−1、HSV−2、HHV−6、HIV、EBVおよびHBVを包含する病原性ウイルスに対し有効であることが見出された本発明の化合物は、式1および2:
【0032】
【化2】

【0033】
式中、Bは6位でNHR、ORもしくはSRで置換されなくても、置換されていてもよい2−アミノプリン−9−イルであり;
は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびC4−18シクロアルキル(そのいずれもヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;
は、C2−18アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;ならびに
は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択される、
の化合物である。
【0034】
好ましい一態様において、Bは6位でNHR、ORもしくはSRで置換される2−アミノプリン−9−イルであり;式中、
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC4−10シクロアルキル(そのいずれもヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;
は、C2−8アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−10シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;ならびに
は、C2−8アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−10シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択される。
【0035】
別の好ましい態様において、Bは6位でNHR、ORもしくはSRで置換される2−アミノプリン−9−イルであり;式中、
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC4−8シクロアルキル(そのいずれもシクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;
は、C2−6アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−8シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され、;ならびに
は、C2−6アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−8シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択される。
【0036】
本発明の好ましい化合物は:
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−アリルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−プロパルギルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−シクロプロピルメチルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−イソプロピルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−ベンジルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−シクロヘキシルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−(2−ヒドロキシ)エチルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−プロポキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−ペンチルオキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−アリルオキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−シクロプロピルメトキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−プロピルチオ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−ペンチルチオ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−チオ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;および
(Z,S)−(+)−2−アミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン
である。
【0037】
本発明の抗ウイルス化合物のプロドラッグは、細胞膜を浸透することが可能な親油性リン酸エステルもしくはアミデートを包含する。当業者は、プロドラッグの目的がウイルスの耐性株に対する有効な治療薬を提供する(McGiugan,C.ら、J.Med.Chem.36:1048−1052(1993))もしくは不活性類似物を活性化する(Franchetti,P.ら、J.Med.Chem.37:3534−3541(1994))ことであることを認識するであろう。好ましいプロドラッグは、式3および4:
【0038】
【化3】

【0039】
式中、
Bは式1および2について上のとおり定義され;
XはOであり;ならびに
およびRはアルキルもしくはアリールである、
のリン酸エステルを包含する。RXもしくはRXはNHとしてのXを伴う(アラニンのような)アミノ酸残基であってもまたよい。
【0040】
本発明の化合物の命名法は標準的規約に従う。明快さのために、プリン環Bは下に示されるとおり標準的規約に従って番号付けされる:
【0041】
【化4】

【0042】
ヒドロキシおよびアミノ基を含有する複素環は対応するオキソおよびイミノ化合物と互変異性であることが認識されるであろう。
【0043】
式1から4により記述される化合物は1個の非対称炭素原子を含有する。本発明の式1および2の化合物は、従って2種の光学的対掌体のラセミ混合物であり、それらはクロマトグラフィー、または光学活性の酸(カンファー10−スルホン酸、メトキシ酢酸、ジベンゾイル酒石酸、6−メトキシ−2−ナフチル−2−プロパン酸など)との塩もしくはエステルのような適するジアステレオマー誘導体の分別結晶、アセテートもしくはブチレートのような1種の対掌体のエステルの鏡像選択的酵素的合成、あるいはアセテートもしくはブチレートのような式1および2の化合物のエステルの鏡像選択的酵素的加水分解により分割されるかもしれない。適する酵素は、限定されるものでないがリパーゼAK、リパーゼP30のようなリパーゼもしくはブタ肝エステラーゼのようなエステラーゼを挙げることができる。アデニン部分を含有するラセミ化合物はアデノシンデアミナーゼの作用によってもまた分割されるかもしれない。あるいは、R−およびS−鏡像異性体は鏡像異性的に純粋な出発原料を利用する合成方法により得ることができる。本発明の化合物は、ラセミ混合物およびこれらの化合物のそれぞれの個々の光学的異性体(例えばR−およびS−鏡像異性体)、それらの製薬学的に許容できる塩ならびにそれらのプロドラッグを明らかに包含する。本発明の好ましい化合物は、式1〜4の化合物の個々のR−およびS−鏡像異性体、ならびにより好ましくは式1および2の化合物のR−およびS−鏡像異性体を包含する。
【0044】
式1および2の化合物のラセミ化合物の類似物由来の式3および4の化合物は、4種のジアステレオマーの混合物であることができる(但し、RXはRXと同一でない)。
【0045】
本明細書に付属されるスキーム1および2において、(Z)−2−アミノ−6−クロロ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(化合物5、スキーム1を参照されたい)を本発明の化合物の便宜的な出発原料として使用する。この化合物は、対応するE−異性体と一緒にラセミまたは鏡像異性体(RもしくはS)の形態で得ることができる(Qiuら、J.Med.Chem.1998、41、10−23;QiuとZemlicka、Synthesis
1998 11447−1452;Qiuら、Antiviral
Chem.Chemother.2000、11、191−202;ChenとZemlicka、J.Org.Chem.2002、67、286−289)。具体的説明の目的上、S−鏡像異性体を化合物5で示す)。化合物5の塩素原子の反応性は、例えばスキーム1(化合物6〜12)に示されるとおり、アミンとの容易な置換を提供する。こうした置換は(例えば)アルコール(スキーム2、化合物13a〜15)、チオール(スキーム2、化合物16aおよび16b)、ならびに硫化水素ナトリウム(スキーム2、化合物17)で実施しうる。化合物17の還元は6−未置換2−アミノプリン誘導体(化合物18)を生じる。これらの手順は、本発明の化合物の他の例を製造するため当業者により容易に改変され得る。例えば、この手順を化合物5のE−異性体とともに使用してよい。
【0046】
本発明の範囲内の組成物は、抗ウイルス有効性のような意図された目的を達成するための有効量の本発明の新規化合物を含んでなるものを包含する。有効量および意図される目的の決定は当業者の熟練内にある。例えば感染症の重症度および処置に対する個々の患者の応答に依存する好ましい投薬量は、全血液1mLあたり約0.05Φgから約5mgまでの範囲にわたる血中濃度(好ましくは1ないし約75μM、より好ましくは約2ないし50μM、最も好ましくは約3ないし約30μM)を生じるように、1日あたり約0.01から約100mg/kg体重まで(好ましくは0.5ないし60mg/kg/日の範囲、最も好ましくは1ないし20mg/kg/日の範囲)の範囲にわたることができる。
【0047】
製薬学的製剤は、経口、直腸、鼻、局所(頬側および舌下を包含する)、経皮、膣もしくは非経口(筋肉内、皮下および静脈内を包含する)投与に適する、または吸入(inhalation)もしくは吸入(insufflation)による投与に適する形態のものを包含する。該製剤は、適切な場合は個別の投薬単位で便宜的に提示されてよく、そして薬学の技術分野で公知の方法のいずれにより製造してもよい。全部の方法は、有効成分を液体担体もしくは微細に分割した固体担体または双方との連合にもたらす段階、およびその後、必要な場合は所望の製剤に生成物を成形する段階を包含する。
【0048】
本発明の製薬学的に許容できる組成物は、製薬学的に使用してよい製剤への有効成分の加工を助長する賦形剤および補助物質を含んでなる適する担体を包含してよい。こうした製剤、好ましくは経口で投与し得るものは、錠剤、糖衣錠、液剤、カプレット剤およびカプセル剤を包含する。さらなる好ましい製剤は坐剤のような膣もしくは直腸で投与し得るもの、ならびに注入によるもしくは経口での投与のための適する溶液であり、賦形剤と一緒に約0.1から約99%まで、好ましくは約25ないし約85%の本発明の有効成分を含有する。
【0049】
本発明の製薬学的組成物は、それ自身が既知である様式で、例えば慣習的混合、造粒、糖衣錠作成、溶解もしくは凍結乾燥工程を使用して製造する。従って、経口使用のための製薬学的製剤は、有効成分を固体担体と組み合わせること、場合によっては生じる混合物を粉砕すること、および、所望のもしくは必要な場合は錠剤もしくは糖衣錠核を得るために適する補助物質を添加した後に顆粒の混合物を加工することにより得ることができる。
【0050】
適する賦形剤は、とりわけ、糖、例えば乳糖もしくはショ糖、マンニトールもしくはソルビトール、セルロース調製物および/またはリン酸カルシウム、例えば二リン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウムのような増量剤、ならびに例えばトウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプンを使用するデンプンペースト、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロースおよび/もしくはポリビニルピロリドンのような結合剤である。所望の場合は前述のデンプンおよびまたカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アガーもしくはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムのようなそれらの塩のような崩壊剤を添加してもよい。補助物質は、とりわけ流動調節剤および滑沢剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムもステアリン酸カルシウムのようなその塩、および/あるいはポリエチレングリコールである。糖衣錠核は、所望の場合は胃液に抵抗性である適するコーティングとともに提供される。この目的上、濃縮糖溶液を使用してよく、それは、場合によってはアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/もしくは二酸化チタン、ラッカー溶液ならびに適する有機溶媒もしくは溶媒混合物を含有してよい。胃液に対し抵抗性のコーティングを製造するために、アセチルセルロースフタレートもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのような適するセルロース調製物の溶液を使用する。色素(dyestuff)もしくは色素(pigment)を、例えば同定のためもしくは有効成分の用量の異なる組合せを特徴づけるために錠剤もしくは糖衣錠コーティングに添加してもよい。
【0051】
経口で使用し得る他の製薬学的製剤は、ゼラチンから作成される滑り嵌めカプセル、ならびにゼラチンおよびグリセロールもしくはソルビトールのような可塑剤から作成される軟封止カプセルを包含する。滑り嵌めカプセルは、乳糖のような増量剤、デンプンのような結合剤および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、ならびに場合によっては安定剤と混合してよい顆粒の形態の有効成分を含有してよい。軟カプセル中では、有効成分は、好ましくは脂肪油、流動パラフィンもしくは液体ポリエチレングリコールのような適する液体に溶解もしくは懸濁される。加えて、安定剤を使用してもよい。
【0052】
直腸で使用し得る可能な製薬学的製剤は、例えば坐剤基剤と有効成分の組合せよりなる坐剤を包含する。適する坐剤基剤は、例えば天然のもしくは合成のトリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコールもしくは高級アルコールである。基剤との有効成分の組合せよりなるゼラチン直腸カプセルを使用することもまた可能である。可能な基剤素材は、例えば液体のトリグリセリド、ポリエチレングリコールもしくはパラフィン炭化水素を包含する。
【0053】
非経口投与に適する製剤は、水溶性の形態の有効成分、例えば水溶性の塩の水性溶液を包含する。加えて、適切な油性注入懸濁剤としての有効成分の懸濁剤を投与してもよい。適する親油性溶媒もしくはベヒクルは、ゴマ油のような脂肪油、または合成脂肪酸エステル、例えばエチルオレエートもしくはトリグリセリドを包含する。水性の注入懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび/もしくはデキストランのような懸濁剤の粘度を増大させる物質を含有してもよい。場合によっては、懸濁剤は安定剤もまた含有してもよい。
【0054】
所望の場合は、前述の製剤を、当該技術分野で利用可能な徐放性もしくは時間遅延型(time−delayed)形式のいずれかを使用して本発明の化合物の徐放性もしくは時間遅延型放出を生じるよう適合させてよい。
【0055】
あるいは、本発明の有効成分は、リポソーム(疎水性の脂質層に付着する水性濃縮物層よりなる微粒子中に分散されたかもしくは多様に存在するかのいずれかで有効成分が含有される製薬学的組成物)の形態で投与してもよい。有効成分は水層および脂質層の双方に、もしくは親油性懸濁剤として公知の不均一系中に存在してよい。
【0056】
本発明の有効成分を既知の抗ウイルス剤、例えばアシクロビル、ガンシクロビル、ジドブジン、AZT、ddI、ddC、3TCおよびd4Tを包含する他の治療薬とともに投与してよいことが認識されるであろう。こうした組合せの個々の成分は、連続してまたは別個のもしくは組み合わされた製薬学的製剤中で同時にのいずれかで投与してよい。本発明の化合物もしくはその製薬学的に許容できる塩を第二の治療化合物とともに使用する場合、各化合物の用量は、該化合物が単独で使用される場合のものと同一であるかもしくはそれと異なるかのいずれかであってよい。適切な用量は当業者により容易に認識されるであろう。
【0057】
本発明の化合物と第二の治療薬との間の比は当業者により容易に認識されるであろう。例えば、約1:1から約1:50(重量)までの範囲の本発明の化合物:第二の治療薬の比を使用してよい。さらなる一態様において、約1:1から約1:30(重量)までの範囲にわたる本発明の化合物:第二の治療薬の比を使用してよい。さらなる一態様において、約1:1から約1:20(重量)までの本発明の化合物:第二の治療薬の比を使用してよい。さらなる一態様において、約1:1から約1:15(重量)までの範囲の本発明の化合物:第二の治療薬の比を使用してよい。さらなる一態様において、約1:1から約1:10(重量)までの範囲にわたる本発明の化合物:第二の治療薬の比を使用してよい。さらなる一態様において、約1:1から約1:5(重量)までの範囲の本発明の化合物:第二の治療薬の比を使用してよい。なおさらなる一態様において、約1:1から約1:3(重量)までの範囲の本発明の化合物:第二の治療薬の比を使用してよい。1種以上の付加的な治療薬を本発明の化合物とともに試応する場合は、上の比を相応して調節してよい。
[実施例]
以下の実施例は本発明の化合物およびそれを製造するための合成スキームをさらに記述する(言及は化合物番号について上のスキーム1および2になされる)。これらの実施例は本発明の多様な態様を具体的に説明するために提供され、そして範囲において制限するとみなされない。
【0058】
化合物5は記述されるとおり(Chen,X.;Zemlicka,J.J.Org.Chem.2002、67、286−289)製造した。
【実施例1】
【0059】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−アリルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(6)。
【0060】
エタノール(20mL)中の化合物5(503mg、2.0mmol)およびアリルアミン(680mg、12mmol)の混合物を室温で一夜攪拌した。揮発性成分を真空中で蒸発させ、そして残渣をジクロロメタン−メタノール(95:5)を使用するシリカゲルカラムでクロマトグラフィー分離して生成物6(445mg、82%)を生じた。
【0061】
Mp.168−170℃。[α]2070.2°(c=0.45、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、500MHz)δ1.14−1.17(m、1H)、1.42−1.46(m、1H)、2.06−2.09(m、1H)、3.30−3.35(m、1H)、3.66−3.70(m、1H)、4.04(bs、2H)、5.00−5.14(m、1H)、5.88−5.95(m、1H)、5.97(bs、2H)、7.17(d、1H、J=1.5Hz)、7.48(bs、1H)、8.33(s、1H)。13C NMR(DMSO−d、125MHz)ppm
6.9、19.8、42.4、63.7、111.0、114.2、115.4、134.7、136.8、150.4、155.4、161.2。ESI−MS(NaCl+KCl)567(2M+Na、60)、311(M+K、15)、295(M+Na、58)、273(M+H、100)。C1316Oの計算値:C、57.34;H、5.92;N、30.86。実測値:C、57.32;H、5.82;N、30.91。
【実施例2】
【0062】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−プロパルギルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)−シクロプロピリデンメチル]プリン(7)。
【0063】
エタノール(18mL)中の化合物5(190mg、0.75mmol)およびプロパルギルアミン(270mg、4.8mmol)の混合物を50℃で1時間攪拌し、そして攪拌を室温で16時間継続した。後処理は実施例1に記述された手順に従い、化合物7(175mg、85%)を生じた。
【0064】
Mp.192−194℃。[α]2077.3°(c=0.40、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、500MHz)δ1.15−1.18(m、1H)、1.43−1.47(m、1H)、2.03−2.14(m、1H)、3.03(s、1H)、3.29−3.35(m、1H)、3.67(m、1H)、4.19(d、2H、J=3.2Hz)、5.07(t、1H、J=5.0Hz)、6.08(bs、2H)、7.18(d、1H、J=2.5Hz)、7.69(bs、1H)、8.36(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、100MHz)ppm 6.9、19.8、29.3、63.7、73.1、83.0、110.9、113.6、114.4、135.1、154.8、161.1。ESI−MS(NaCl)563(2M+Na、80)、293(M+Na、100.0)、271(M+H、18)。C1314Oの計算値:C、57.77;H、5.22;N、31.09。実測値:C、57.81;H、5.39;N31.11。
【実施例3】
【0065】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−シクロプロピルメチルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(8)。
【0066】
エタノール(15mL)中の化合物5(200mg、0.8mmol)およびシクロプロピルメチルアミン(360mg、5.0mmol)の混合物を50℃で16時間攪拌した。後処理は実施例1に記述された手順に従い、化合物8(201mg、88%)を生じた。
【0067】
Mp.180〜182℃。[α]2068.4°(c=0.28、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、400MHz)δ1.06−1.12(m、1H)、1.14−1.17(m、1H)、1.44(dt、1H、J=8.4Hzおよび1.6Hz)、2.04−2.09(m、1H)、3.26−3.36(m、3H)、3.66−3.72(m、1H)、5.10(t、1H、J=5.2Hz)、5.97(bs、2H)、7.19(s、1H)、7.35(bs、1H)、8.33(s、1H)、13
NMR(DMSO−d、100MHz)ppm 4.0、6.9、12.0、19.9、44.5、63.7、111.1、113.6、114.1、134.6、150.3、155.5、161.2。ESI−MS(NaCl)309(M+Na、55)、287(M+H、100)。C1418Oの計算値:C:58.73、H、6.34;N、29.35。実測値:C、58.95;H、6.33;N、29.43。
【実施例4】
【0068】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−イソプロピルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(9)。
【0069】
エタノール(10mL)中の化合物5(250mg、1.0mmol)およびイソプロピルアミン(590mg、10mmol)の混合物を室温で16時間攪拌した。後処理は実施例1に記述された手順に従い、化合物9(215mg、80%)を生じた。
【0070】
Mp.153〜155℃。[α]2067.8°(c=0.36、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、500MHz)δ1.15(d、6H、J=6.5Hz)、1.14−1.16(m、1H)、1.43(m、1H)、2.03−2.12(m、1H)、3.30−3.35(m、1H)、3.67−3.69(m、1H)、4.37(m、1H)、5.10(t、1H、J=5.0Hz)、5.94(bs、2H)、7.01(bs、1H)、7.18(s、1H)、8.32(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、125MHz)ppm 6.9、19.8、23.3、41.4、63.7、111.1、113.5、114.1、134.5、150.3、154.9、161.2。ESI−MS(NaCl)571(2M+Na、50)、297(M+Na、50)、275(M+H、100)。C1318Oの計算値:C、56.92;H、6.61;N、30.64。実測値:C、57.09;H、6.40;N、30.76。
【実施例5】
【0071】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−ベンジルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(10)。
【0072】
エタノール(15mL)中の化合物5(250mg、1.0mmol)およびベンジルアミン(645mg、6.0mmol)の混合物を50℃で16時間攪拌した。後処理は実施例1に記述された手順に従い、ジクロロメタン−メタノール(97:3)でのクロマトグラフィー後に化合物10(240mg、75%)を生じた。
【0073】
Mp.133〜135℃。[α]2069.7°(c=0.35、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、400MHz)δ1.14−1.18(m、1H)、1.43−1.48(m、1H)、2.03−2.11(m、1H)、3.28−3.32(m、1H)、3.65−3.70(m、1H)、4.62(s、2H)、5.07(t、1H、J=5.0Hz)、5.96(bs、2H)、7.17−7.20(m、2H)、7.25−7.30(m、4H)、7.86(bs、1H)、8.32(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、100MHz)ppm 6.9、19.9、43.2、63.7、111.1、113.6、114.3、127.2、127.9、128.8、134.8、141.2、150.5、155.5、161.2。ESI−MS(NaCl)345(M+Na、60)、323(M+H、100)。C1718Oの計算値:C、63.34;H、5.63;N、26.07。実測値:C、63.57;H、5.67;N、25.93。
【実施例6】
【0074】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−シクロヘキシルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(11)。
【0075】
エタノール(15mL)中の化合物5(200mg、0.8mmol)およびシクロへキシルアミン(645mg、6.5mmol)の混合物を、攪拌を伴い16時間還流した。後処理は実施例5に記述された手順に従い、化合物11(205mg、82%)を生じた。
【0076】
Mp.183〜185℃。[α]2081.2°(c=0.34、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、400MHz)δ1.07−1.29(m、6H)、1.44(t、1H、J=8.0Hz)、1.56(d、1H、J=11.6Hz)、1.67−1.70(m、2H)、1.78−1.88(m、2H)、2.00−2.11(m、1H)、3.30−3.35(m、1H)、3.66−3.69(m、1H)、4.01(bs、1H)、5.10(t、1H、J=5.2Hz)、5.93(bs、2H)、6.95(bs、1H)、7.18(s、1H)、8.31(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、100MHz)ppm 6.9、19.9、25.8、25.9、33.3、48.6、63.7、111.1、113.4、114.1、134.5、150.5、154.8、161.2。ESI−MS(NaCl)337(M+Na、30)、315(M+H、100)。C1622Oの計算値:C、61.13;H、7.05;N、26.73。実測値:C、61.32;H、6.95;N、26.92。
【実施例7】
【0077】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−(2−ヒドロキシ)エチルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(12)。
【0078】
エタノール(15mL)中の化合物5(200mg、0.80mmol)および(2−ヒドロキシ)エチルアミン(250mg、4.1mmol)の混合物を50℃で16時間攪拌した。後処理は実施例1に記述された手順に従い、ジクロロメタン−メタノール(9:1)を使用するクロマトグラフィー後に化合物12(171mg、77%)を生じた。
【0079】
Mp.150〜153℃。[α]2076.8°(c=0.32、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、400MHz)δ1.14−1.18(m、1H)、1.42−1.46(m、1H)、2.05−2.09(m、1H)、3.30−3.53(m、5H)、3.68(dd、1H、J=10.4Hzおよび5.6Hz)、4.82(bs、1H)、5.09(bs、1H)、5.98(bs、2H)、7.13(bs、1H)、7.18(s、1H)、8.32(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、100MHz)ppm 6.9、19.8、43.0、60.8、63.7、111.1、113.7、114.3、134.8、150.3、155.7、161.2。ESI−MS(NaCl+KCl)315(M+K、10)、299(M+Na、100)、277(M+Na、95)。C1718Oの計算値:C、52.17;H、5.84;N、30.42。実測値:C、52.36;H、5.92;N、30.56。
【実施例8】
【0080】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−プロポキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(13a)。
【0081】
化合物5(200mg、0.8mmol)、炭酸カリウム(166mg、12mmol)および1−プロパノール(6mL)の混合物を70〜80℃で16時間攪拌した。後処理は実施例1に記述された手順に従い、化合物13a(188mg、85%)を生じた。
【0082】
Mp.147〜149℃。[α]2068.3°(c=0.42、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、500MHz)δ0.94(t、3H、J=7.2Hz)、1.15−1.18(m、1H)、1.43−1.46(m、1H)、1.71−1.78(m、2H)、2.06−2.12(m、1H)、3.27−3.32(m、5H)、3.69−3.73(m、1H)、4.34(t、2H、J=6.8Hz)、5.08(t、1H、J=5.0Hz)、6.49(s、2H)、7.20(d、1H、J=1.5Hz)、8.47(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、125MHz)ppm 6.9、10.9、19.9、22.5、63.6、68.0、110.8、114.1、115.2、137.1、153.3、160.8、161.2。ESI−MS(KCl)573(2M+Na、100)、314(M+K、10)、298(M+Na、50)、276(M+H、10)。C1317の計算値:C、56.71;H、6.22;N、25.44。実測値:C、56.91;H、6.39;N、25.18。
【実施例9】
【0083】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−ペンチルオキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(13b)。
【0084】
化合物5(150mg、0.6mmol)、炭酸カリウム(210mg、1.5mmol)、1−ペンタノール(0.4mL、3.7mmol)および1,2−ジメトキシエタン(10mL)の混合物を80℃で16時間攪拌した。後処理は実施例1に記述された手順に従った。ジクロロメタン−メタノール(96:4)を使用するクロマトグラフィーは化合物13b(155mg、85%)を提供した。
【0085】
Mp.135〜137℃。[α]2077.7°(c=0.26、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、400MHz)δ0.87(t、3H、J=6.0Hz)、1.16−1.19(m、1H)、1.25−1.40(m、4H)、1.42−1.49(m、1H)、1.67−1.78(m、2H)、2.05−2.14(m、1H)、3.27−3.35(m、1H)、3.68−3.73(m、1H)、4.38(t、2H、J=6.6Hz)、5.07(t、1H、J=5.4Hz)、6.49(bs、2H)、7.20(s、1H)、8.47(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、125MHz)ppm 6.9、14.6、19.9、22.6、28.3、28.8、63.6、66.4、110.8、114.1、115.2、137.0、153.3、160.8、161.2。ESI−MS(NaCl+KCl)645(2M+K、5)、629(2M+Na、30)、607(2M+H、85)、304(M+H、100)。C1521の計算値:C、59.39;H、6.98;N、23.09。実測値:C、59.49;H、7.02;N、23.12。
【実施例10】
【0086】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−アリルオキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(14)。
【0087】
化合物5(200mg、0.8mmol)、炭酸カリウム(165mg、12mmol)およびアリルアルコール(5mL)の混合物を60〜70℃で16時間攪拌した。後処理は実施例1に記述された手順に従い、化合物14(172mg、79%)を生じた。
【0088】
Mp.163〜165℃。[α]2068.4°(c=0.23、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、300MHz)δ1.15−1.20(m、1H)、1.43−1.49(m、1H)、2.07−2.02(m、1H)、3.26(m、1H)、3.68−3.75(m、1H)、4.94(d、2H、J=6.0Hz)、5.07(t、1H、J=5.2Hz)、5.25(dd、1H、J=7.5および1.8Hz)、5.40(dd、1H、J=17.1Hz、1.8Hz)、6.03−6.16(m、1H)、6.53(s、2H)、7.20(d、1H、J=1.2Hz)、8.49(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、75MHz)ppm 6.9、19.9、63.6、66.8、110.8、114.0、115.4、118.8、133.9、137.3、153.4、160.6、160.7。ESI−MS(NaCl)569(2M+Na、100)、269(M+Na、48)、312(M+K、10)、274(M+H、10)。C1315の計算値:C、57.13;H、5.53;N、25.63。実測値:C、57.43;H、5.44;N、25.52。
【実施例11】
【0089】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−シクロプロピルメトキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(15)。
【0090】
1,2−ジメトキシエタン(7mL)中の化合物5(150mg、0.6mmol)、炭酸カリウム(210mg、1.5mmol)およびシクロプロピルメタノール(2mL)の混合物を80℃で16時間攪拌した。後処理は実施例9に記述された手順に従い、化合物15(142mg、82%)を生じた。
【0091】
Mp.129〜130℃。[α]2074.5°(c=0.33、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、400MHz)δ0.34(d、2H、J=4.0Hz)、0.57(d、2H、J=7.2Hz)、1.16−1.20(m、1H)、1.25−1.33(m、1H)、1.47(t、1H、J=8.4Hz)、2.05−2.14(m、1H)、3.27−3.29(m、1H)、3.69−3.73(m、1H)、4.23(d、2H、J=7.2Hz)、5.06(t、1H、J=5.4Hz)、6.49(bs、2H)、7.21(s、1H)、8.48(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、100MHz)ppm 4.0、6.9、10.7、19.9、63.6、71.1、110.8、114.1、115.3、137.1、153.3、160.8、161.1。ESI−MS(NaCl+KCl)613(M+K、5)、597(2M+Na)、15)、575(2M+1、28)、288(M+H、100)。C1417の計算値:C、58.52;H、5.96;N、24.37。実測値:C、58.49;H、6.03;N、24.29。
【実施例12】
【0092】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−プロピルチオ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(16a)。
【0093】
化合物5(135mg、0.5mmol)、炭酸カリウム(140mg、1.0mmol)、1−プロパンチオール(750mg、10mmol)および1,2−ジメトキシエタン(6mL)の混合物を50℃で10時間攪拌した。後処理は実施例1に記述された手順に従い、化合物16a(105mg、72%)を生じた。
【0094】
Mp.163〜164℃。[α]2077.3°(c=0.39、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、500MHz)δ0.97(t、3H、J=7.5Hz)、1.16−1.19(m、1H)、1.44−1.47(m、1H)、1.62−1.69(m、2H)、2.08−2.11(m、1H)、3.23(t、2H、J=7.0Hz)、3.27−3.31(m、1H)、3.70−3.71(m、1H)、5.05(t、1H、J=4.0Hz)、6.57(s、2H)、7.19(s、1H)、8.53(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、125MHz)ppm 6.9、13.9、19.9、23.4、30.0、63.6、110.5、115.8、124.4、138.0、150.0、160.4、160.6。ESI−MS(NaCl)605(2M+Na、100)、314(M+Na、28)、292(M+H、10)。C1317OSの計算値:C、53.59;H、5.88;N、24.04;S、11.00。実測値:C、53.43;H、5.88;N、24.30;S、10.86。
【実施例13】
【0095】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−ペンチルチオ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(16b)。
【0096】
化合物5(150mg、0.6mmol)、炭酸カリウム(170mg、1.2mmol)、1−ペンタンチオール(374mg、3.60mmol)および1,2−ジメトキシエタン(10mL)の混合物を80℃で16時間攪拌した。後処理は実施例5に記述された手順に従い、化合物16b(141mg、75%)を生じた。
【0097】
Mp.146〜147℃。[α]2082.2°(c=0.37、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、400MHz)δ0.85(t、3H、J=7.2Hz)、1.17−1.21(m、1H)、1.25−1.40(m、4H)、1.45−1.49(m、1H)、1.61−1.68(m、2H)、2.08−2.12(m、1H)、3.25(t、2H、J=7.4Hz)、3.28−3.31(m、1H)、3.70−3.73(m、1H)、5.06(t、1H、J=5.2Hz)、6.57(bs、2H)、7.20(d、1H、J=1.6Hz)、8.54(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、100MHz)ppm 7.0、14.6、19.9、22.4、28.1、29.6、31.1、63.6、110.5、115.8、124.4、138.0、150.0、160.4、160.6。ESI−MS(NaCl)661(2M+Na、20)、639(2M+H、28)、320(M+H、100)。C1521OSの計算値:C、56.40;H、6.63;N、21.92;S、10.04。実測値:C、56.50;H、6.79;N、21.86;S、9.96。
【実施例14】
【0098】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−チオ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(17)。
【0099】
メタノール(50mL)中の化合物5(400mg、1.6mmol)および硫化水素ナトリウム水和物(3.00g、53.5mmol)の混合物を室温で窒素下に24時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(40mL)に溶解し、そして溶液のpHを酢酸で6に調節した。沈殿物を濾過分離しかつそれを水で洗浄した。メタノール−水(1:1)からの再結晶は化合物17(265mg、67%)を生じた。
【0100】
Mp.240℃(分解)。[α]2091.0°(c=0.26、N,N−ジメチルホルムアミド)。
NMR(DMSO−d、500MHz)δ1.17−1.21(m、1H)、1.45−1.49(m、1H)、2.08−2.13(m、1H)、3.25−3.31(m、1H)、3.67−3.72(m、1H)、5.07(t、1H、J=8.0Hz)、6.86(s、2H)、7.09(d、1H、J=2.0Hz)、8.48(s、1H)、11.96(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、125MHz)ppm 6.9、19.8、63.4、110.5、116.8、128.6、137.9、146.8、153.9、175.7。ESI−MS(NaCl+KCl)521(2M+Na、50)、288(M+K、20)、272(M+Na、100)、250(M+H、10)。C1011OSの計算値:C、48.18;H、4.45;N、28.09;S、12.86。実測値:C、48.10;H、4.61;N、28.25;S、13.02。
【実施例15】
【0101】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン(18)。
【0102】
化合物17(166mg、0.67mmol)を水−メタノール(1:1、100mL)に溶解した。ラネーニッケル(およそ200mg)を添加し、そして反応混合物を室温で16時間攪拌した。触媒を濾過分離しかつ濾液を蒸発させた。生成物を、ジクロロメタン−メタノール(9:1)を使用してクロマトグラフィー分離して、化合物18(66mg、46%)を生じた。
【0103】
Mp.185〜187℃。[α]2077.7°(c=0.30、N,N−ジメチルホルムアミド)。
【0104】
H NMR(DMSO−d、400MHz)δ1.19−1.23(m、1H)、1.46−1.51(m、1H)、2.09−2.16(m、1H)、3.27−3.33(m、1H)、3.70−3.75(m、1H)、5.07(dd、1H、J=6.2および4.6Hz)、6.63(s、2H)、7.25(d、1H、J=1.6Hz)、8.60(s、1H)、8.68(s、1H)。13
NMR(DMSO−d、100MHz)ppm 6.9、19.9、63.6、110.3、115.7、127.2、140.1、150.1、152.0、161.5。ESI−MS(NaCl)457(2M+Na、25)、240(M+Na、100)、218(M+H、20)。C1011Oの計算値:C、55.29;H、5.10;N、32.24。実測値:C、55.40;H、5.10;N、32.19。
【実施例16】
【0105】
in vitro抗ウイルス評価法
細胞およびウイルス。KB細胞の慣例の増殖および継代を、10%仔ウシ血清を補充したハンクス塩類[MEM(H)]もしくはアール塩類[MEM(E)]のいずれかを含む最小必須培地(MEM)を使用して単層培養物中で実施した。重炭酸ナトリウム濃度は必要とされる緩衝能力に合うように変動させた。二倍体ヒト包皮線維芽細胞(HFF)もしくはMRC−5細胞の培養物を、10%ウシ胎児血清を含むMEM(E)よりなる培地中で増殖させた。細胞は以前に記述された(Turk,S.R.ら、Antimicrob.Agents
Chemother.31:544−550(1987)とおり、HEPES緩衝塩溶液(HBS)(Shipman,C.,Jr.、Proc.Soc.Exp.Biol.130:305−310(1969))中0.05%トリプシンおよび0.02%EDTAを使用することにより、慣習的手順に従って2ないし10倍希釈で継代した。HFFおよびMRC−5細胞は2倍希釈でのみ継代した。
【0106】
ウイルス学的手順。ストックHCMVは、細胞あたり<0.01プラーク形成単位(p.f.u.)の感染多重度(m.o.i.)でHFF細胞を感染させることにより調製した。細胞増殖培地は、細胞病理学が全細胞にて明らかになるまで(およそ21日)4日ごとに交換した。上清液をウイルスストックとして保持した。高力価のHSV−1ストックは、以前に詳述された(Turk,S.R.ら、Antimicrob.Agents
Chemother.31:544−550(1987)とおり<0.1のm.o.i.でKB細胞を感染させることにより調製した。ウイルス力価は、以前に記述された(Prichard,M.N.ら、J.Virol.Methods
28:101−106(1990)とおり、HCMVについてHFF細胞の単層培養物およびHSV−1についてBSC−1細胞の単層培養物を使用して測定した。簡潔には、HFFもしくはBSC−1細胞を96ウェルクラスター皿に上述されたとおり播き(plant)、そして加湿3%CO−97%空気雰囲気中37℃で一夜インキュベートした。翌日、培養物にHCMVもしくはHSV−1を接種し、そして96ウェルプレートの残存する11の行にわたって連続的に3倍希釈した。培養物を37℃で2時間インキュベートしてウイルスの吸着を可能にし、そしてその後、ウイルス接種物を0.2mLの新鮮培地で置き換えた。培養物はHCMVについて7日間、HSV−1について2もしくは3日間インキュベートし、培地を除去し、そして細胞のシートを20%メタノール中0.1%クリスタルバイオレットで染色した。ウェルあたり5ないし20プラークを生じた希釈を有するウェル中で20倍拡大下にプラークを数えた。ウイルス力価は以下の式:力価(p.f.u./mL)=プラーク数×5×3(式中nは、プラークを数えたウェルを感染させるのに使用したウイルスの希釈倍数を表す)に従って計算した。
【0107】
抗ウイルス活性のアッセイ。(a)HCMV。HCMVの複製に対する化合物の影響はプラーク減数アッセイを使用して測定した。24ウェルクラスター皿中のHFF細胞を、上に詳述された手順を使用して細胞のシート1cmあたりおよそ100p.f.u.のHCMVに感染させた。ウイルス吸着後、増殖培地に溶解した化合物を3ないし6種の選択された濃度で二重のウェルに添加した。37℃で7ないし10日間のインキュベーション後に、細胞のシートを固定し、クリスタルバイオレットで染色し、そして顕微鏡的プラークを上述されたとおり数えた。薬物の影響は、薬物の非存在下で観察されたプラークの数に比較して各薬物濃度の存在下での数の減少のパーセントとして計算した。ガンシクロビル(GCV)を全実験で陽性対照として使用した。
【0108】
HCMVの複製に対する化合物の影響は収量低下アッセイを使用してもまた測定した。HFF細胞を上述されたとおり96ウェルクラスター皿に播き、一夜インキュベートし、培地を除去し、そして、別の場所に報告されたとおり細胞あたり0.5ないし1p.f.u.のm.o.i.で培養物にHCMVを接種した。ウイルス吸着後、試験化合物を含有する0.2mLの新鮮培地で接種物を置き換えた。12ウェルの最初の列は干渉しないまま残し、そしてウイルス対照としてはたらいた。第2列の各ウェルは所望の最終濃度の3倍の試験化合物を含む追加の0.1mLの培地を受領した。12ウェルの内容物を反復したピペット操作により混合し、そしてその後残りのウェルに沿って連続的に3倍希釈した。この様式で、6種の化合物を100μMから0.14μMまでの濃度で単一プレート上で二重で試験することが可能であった。プレートを37℃で7日間インキュベートし、1周期の凍結および融解にかけ;所定の行の8ウェルのそれぞれからのアリコートをHFF細胞の新鮮な96ウェル単層培養物の第1行に移した。内容物を混合しそして二次プレートの残りの11の行にわたって連続的に3倍希釈した。元の一次プレートの各行をこの様式で個別のプレートにわたって希釈した。培養物をインキュベートし、プラークを数え、そして上述されたとおり力価を計算した。
【0109】
抗ウイルス活性のアッセイ。(b)HSV−1。酵素免疫測定法(ELISA)を使用してHSV−1を検出した。96ウェルクラスター皿に、ウェルあたり200μLのMEM(E)および10%仔ウシ血清の総容量中にウェルあたり10,000細胞のBSC−1細胞を播いた。37℃での一夜インキュベーション後に、薬物およびHSV−1を100PFU/ウェルの率で添加した。ELISAプレートをウェルあたり200μLのHBS中10%仔ウシ血清および0.05%トゥイーン(tween)でブロッキングした。30分間のインキュベーションの後にブロッキング剤をHBS−Tで2回すすいだ。HBS−F中のAP結合ウサギ抗HSV−1抗体の400倍希釈物を添加した。プレートを接着性シートで封止し、そして振とう機(rocker)上で37℃で1時間インキュベートした。プレートを、ウェルあたり100μLのp−ニトロフェニルリン酸を含有する基質溶液で暗所で発色させた。プレートを492nmで読み取った。薬物の影響は、薬物の非存在下で得られた力価に比較して各薬物濃度の存在下でのウイルスの減少のパーセントとして計算した。アシクロビルを全実験で陽性対照として使用した。
【0110】
細胞傷害性アッセイ。2種の異なるアッセイを使用して、われわれが以前に詳述したところの選択された化合物の細胞傷害性を探究した。
(i)静止期HFF細胞で生じられる細胞傷害性を、ウイルスにより冒されていなかったプラークアッセイで使用した細胞の顕微鏡検査により決定した。
(ii)KB細胞の2集団の倍加の間の化合物の影響を、クリスタルバイオレット染色および染色された細胞から溶出される色素の分光測光的定量により決定した(Turk,S.R.ら、Antimicrob.Agents
Chemother.35:1060−1065(1991)。
【0111】
データ解析。用量−応答関係は、対数薬物濃度に対する先行する節で生じられたパラメータの阻害パーセントを直線回帰させることにより構築した。50パーセント阻害(IC50)濃度を回帰直線から計算した。陽性対照(HSV−1についてアシクロビル、HCMVについてガンシクロビル、および細胞傷害性について2−アセチルピリジンチオセミカルバゾン)を含有するサンプルを全アッセイで使用した。アッセイの組からの結果は、陽性対照による阻害が>±1.5標準偏差だけその平均応答から逸脱した場合に排除した。
【0112】
試験結果。実施例1〜18で製造した化合物はヘルペスウイルスに対する有意の活性を表す。本発明の化合物が、上述された方法により宿主細胞としてHFFを使用するプラーク減数アッセイにより測定されるとおりHCMVの複製を強く阻害し、かつ、それらはまた酵素免疫測定法(ELISA)により測定されるとおりHSV−1の複製も阻害することが見出された。
【0113】
【表1】

【0114】
本発明の化合物はまた、上述された方法に従ってHFFを使用およびKB細胞の培養物中で細胞傷害性についても試験した。これらの試験は、試験された化合物の細胞傷害性の完全な欠如を示している。
【0115】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】スキーム1は本発明の数種の化合物の具体的に説明する合成である。
【図2】スキーム2は本発明の数種の化合物の具体的に説明する合成である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】


[式中、Bは6位でNHR、ORもしくはSRで置換されない2−アミノプリン−9−イルであり;
は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびC4−18シクロアルキル(そのいずれもヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;
は、C2−18アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され、;そして
は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択される]
を有する化合物。
【請求項2】
Bが6位でNHR、ORもしくはSRで置換されている2−アミノプリン−9−イルであり;式中、
が、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC4−10シクロアルキル(そのいずれもヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;
が、C2−8アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−10シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;そして
が、C2−8アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−10シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Bが6位でNHR、ORもしくはSRで置換されている2−アミノプリン−9−イルであり;式中、
が、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC4−8シクロアルキル(そのいずれもシクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;
が、C2−6アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−8シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;そして
が、C2−6アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−8シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−アリルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−プロパルギルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−シクロプロピルメチルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−イソプロピルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−ベンジルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−シクロヘキシルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−(2−ヒドロキシ)エチルアミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−プロポキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−ペンチルオキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−アリルオキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−シクロプロピルメトキシ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−プロピルチオ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−ペンチルチオ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;(Z,S)−(+)−2−アミノ−6−チオ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン;および(Z,S)−(+)−2−アミノ−9−[(2−ヒドロキシメチル)シクロプロピリデンメチル]プリン
よりなる群から選択される抗ウイルス化合物。
【請求項5】
式:
【化2】


[式中、XはOであり;
およびRはアルキルもしくはアリールであるか;または、RXもしくはRXはNHとしてのXを伴うアミノ酸残基であり;
Bは、6位でNHR、ORもしくはSRで置換されない2−アミノプリン−9−イルであり;
は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびC4−18シクロアルキル(そのいずれもヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され、;
は、C2−18アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;そして
はアルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択される]
を有する化合物。
【請求項6】
Bが、6位でNHR、ORもしくはSRで置換されている2−アミノプリン−9−イルであり;式中、
が、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC4−10シクロアルキル(そのいずれも、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;
が、C2−8アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−10シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;そして
が、C2−8アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−10シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択される、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
Bが、6位でNHR、ORもしくはSRで置換されている2−アミノプリン−9−イルであり;式中、
が、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC4−8シクロアルキル(そのいずれもシクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され、;
が、C2−6アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−8シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択され;そして
が、C2−6アルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC3−8シクロアルキル(そのいずれも分枝状もしくは非分枝状であってよく、かつ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーで場合によっては置換されてよい)よりなる群から選択される、請求項5記載の化合物。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の化合物および製薬学的に許容できる担体を含んでなる組成物。
【請求項9】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の化合物およびそれらの組合せをウイルスに感染した哺乳動物に投与する段階を含んでなる、前記ウイルスに感染した哺乳動物の治療方法。
【請求項10】
前記哺乳動物がヒトである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記ウイルスが、ヒトサイトメガロウイルス、単純疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、エプスタイン−バーウイルスおよびB型肝炎ウイルスよりなる群から選択される、請求項9記載の方法。
【請求項12】
付加的な化合物を投与する段階をさらに含んでなる、請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記付加的な化合物が、アシクロビル、ガンシクロビル、ジドブジン、AZT、ddI、ddC、3TCおよびd4Tならびにそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項12記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−180361(P2012−180361A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−104611(P2012−104611)
【出願日】平成24年5月1日(2012.5.1)
【分割の表示】特願2004−521423(P2004−521423)の分割
【原出願日】平成15年3月13日(2003.3.13)
【出願人】(504349858)ウエイン・ステイト・ユニバーシテイ (2)
【出願人】(501359892)ザ・リージエンツ・オブ・ザ・ユニバーシテイ・オブ・ミシガン (2)
【Fターム(参考)】