抗スクレロスチン抗体を用いた骨折の治療方法

本発明はスクレロスチン阻害剤を投与することを含む骨折治癒を亢進する方法を提供する。一形態において、本発明は骨折を治療するための治療上有効量のスクレロスチン結合剤の使用であって、少なくとも2週に渡り骨折から2週以内に始まる治療期間中、1回以上該スクレロスチン結合剤の投与が実施される前記使用を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般に、骨折治癒を亢進するためにスクレロスチン阻害剤を用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨折は、痛み、腫れ、軟部組織への損傷、及び内出血によるあざを生じ得る骨における破壊又は亀裂である。年齢、人種、又は経済的背景に関わらず誰でも骨折を起こし得る。骨折はほとんどの場合、車両事故、肉体の酷使、又は重大な転倒等の身体外傷によって引き起こされる。しかし、低骨塩量は骨折への脆弱性を大幅に増大させる。例えば、偶発的転倒の危険性が増大することが、骨の脆弱性の増加に追い打ちをかける、特に高齢者にとって、骨粗しょう症関連の損傷は重要な医療上の課題を提示する。腰、手首、及び椎骨の骨折は、骨粗しょう症に伴う損傷の中でも最もよく見られる。特に腰の骨折は患者にとって極めて不快で費用がかかり、女性では高死亡率及び高罹患率と相関がある。
【0003】
ほとんどの場合、骨折は添え木、ギプス、又は支持具で固定し、併せて長期間に渡り運動を制限することにより治療される。患者及び患者の家族に対する骨折治療の影響は深刻である。骨折治療の直接経費は大抵、病院費用及び理学療法を含む。1995年に、米国における前腕骨折の治療に伴う医療費は3億8500万ドルに達した(Rayら、J. Bone Miner. Res., 12(1):24-25 (1997))。間接経費は推定することがより困難である。骨折は大抵限られた生産性をもたらし、場合によっては所得能力及び家族の世話をする能力を減退させる。骨折はまた患者の生活の質及び自尊心にも影響する。例えば、腰の骨折から回復した人は、骨折後の12ヵ月間、生活の質について52%の減少を報告した(Tostesonら、Osteoporos Int., 12(12):1042-49 (2001))。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Rayら、J. Bone Miner. Res., 12(1):24-25 (1997)
【非特許文献2】Tostesonら、Osteoporos Int., 12(12):1042-49 (2001)
【発明の概要】
【0005】
本発明は、骨折した人を治療するためのスクレロスチン阻害剤の使用方法に関する。例えば、本発明は、少なくとも2週に渡る治療期間中、治療上有効量のスクレロスチン阻害剤を被験体に投与することを含む、骨折の治療方法を提供する。一形態において、治療期間は骨折から2週以内に開始する。一部の実施形態において、治療期間は約8週、約4週、又は4週未満、又は3週以下、又は2週以下(例えば2週)、又は1週以下である。治療期間中、スクレロスチン阻害剤は2週に1回、週1回、週2回、週3回、又はより頻繁に投与され得る。
【0006】
スクレロスチン阻害剤はスクレロスチン結合剤(例えば抗スクレロスチン抗体)であり得る。例えば、本明細書で開示される任意の方法において、又は本明細書で開示される任意の方法にかかる投与用薬剤の製造において、米国特許出願公開第20070110747号に開示されるスクレロスチン結合剤の使用が特に意図される。骨折治癒を亢進するか、又は骨折部位の骨塩密度を改善するのに有効な量及び時間で、1投与量以上のスクレロスチン阻害剤が投与される。1投与量以上のスクレロスチン阻害剤は体重1キログラム当たり約0.1〜約30ミリグラム(mg/kg)のスクレロスチン阻害剤を含み得る。例えば、スクレロスチン阻害剤(例えばスクレロスチン結合剤)の投与量は体重当たり約0.5 mg/kg〜約25 mg/kg(例えば約0.8 mg/kg〜約20 mg/kg)の範囲であってよい。一部の実施形態において、スクレロスチン阻害剤(例えばスクレロスチン結合剤)の投与量は約0.5 mg/kg〜約10 mg/kg、1 mg/kg〜約15 mg/kg(例えば12 mg/kg)、約1 mg/kg〜約10 mg/kg(例えば約2 mg/kg若しくは約9 mg/kg)、又は約3 mg/kg〜約8 mg/kg(例えば約4 mg/kg、5 mg/kg、6 mg/kg、若しくは7 mg/kg)の範囲であってよい。一部の実施形態において、スクレロスチン結合剤は骨折から2週以内に、例えば骨折から10日以内に、骨折から7日以内に、骨折から5日以内に、骨折から3日以内に、又は骨折から1日以内に投与される。
【0007】
本発明はまた、約0.5 mg/kg〜約10 mg/kgの量で骨折を治療するためのスクレロスチン結合剤の有効量の使用であって、少なくとも2週(例えば2週、4週、又は8週)に渡る治療期間中、1回以上スクレロスチン結合剤の投与が実施される前記使用も含む。一部の実施形態において、治療期間は骨折から2週以内に始まる。
【0008】
スクレロスチン阻害剤は、本明細書に記述される任意の投与及び時間計画を用いた投与のための薬剤の製造において使用され得る。任意で、スクレロスチン阻害剤は、投与用スクレロスチン阻害剤の1投与量(例えば約70〜約450 mgのスクレロスチン阻害剤)を含む、単回投与又は複数回投与バイアル等の容器中で提示される。一例となる実施形態において、バイアルは約70 mg又は75 mgのスクレロスチン阻害剤、例えば抗スクレロスチン抗体を含んでよく、約1 mg/kgの単回投与に適するであろう。他の実施形態において、バイアルは約140 mg若しくは150 mg;又は約210 mg若しくは220 mg若しくは250 mg;又は約280 mg若しくは290 mg若しくは300 mg;又は約350 mg若しくは360 mg;又は約420 mg若しくは430 mg若しくは440 mg若しくは450 mgのスクレロスチン阻害剤、例えば抗スクレロスチン抗体を含んでよい。本発明は、抗スクレロスチン抗体若しくはそのフラグメント、並びに2〜4週の治療期間中週2回約0.5 mg/kg〜約10 mg/kgの量で骨折を治療するために前記抗体若しくはそのフラグメントを投与するための説明書を含む容器を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、スクレロスチン阻害剤が、曲げる力及びねじる(ひねる)力に対する骨強度の増加を示唆するパラメーターによって、並びに回復時間の短縮によって動物モデルで測定される骨折治癒を亢進するという発見に少なくとも部分的に基づく。この点に関して、本発明は骨治癒を亢進するか、又は骨折を治療する方法を提供する。本方法は、例えば少なくとも2週及び/又は4週未満の治療期間中、被験体(例えば人等の哺乳類)にスクレロスチン結合剤(例えば抗スクレロスチン抗体)等のスクレロスチン阻害剤を1投与量以上投与することを含む。本発明の材料と方法は、治療効果が限定的で長期の回復時間を必要とする既存の治療法より優れている。
【0010】
スクレロスチン阻害剤の投与は骨折治癒を亢進又は加速し、それにより骨折を「治療する」。骨治癒を「亢進する」とは、スクレロスチン阻害剤を投与しない被験体(例えば人等の哺乳類)(すなわち対照被験体)が経験する骨治癒のレベルを超えた(すなわちより増大した)骨治癒のレベルをもたらすことを意味する。骨治癒は、例えば骨密度の改善、骨塩量の改善、骨折間隙内の骨形成(すなわち骨橋形成)、仮骨成熟、骨強度の改善(任意で医療上許容可能なレベルの骨硬度を伴う)、又は患者の損傷領域使用の改善により証明される。「改善」とは、測定するパラメーターの増加又は減少(望むように)を意味する。増加は、全体的又は部分的に、測定するパラメーターの基準値レベル(例えば骨折前のレベル)への回復、当技術分野で用いられる標準的データベースで提供される値への回復、又は対側の機能的レベルへの回復(例えば全体的又は部分的に、例えば対側肢の機能的能力への回復)であり得る。場合によっては、増加は基準値レベルを超えた改善であり得る。本発明の方法の効果をさらに解析するために、望む場合には、スクレロスチン阻害剤を1投与量以上投与した患者において測定したパラメーターを、(任意で年齢及び性別の一致する)スクレロスチン阻害剤を投与しない骨折患者における同じパラメーターと比較することができる。
【0011】
骨折部位における骨塩量、仮骨成熟、骨橋形成、及び骨密度は、一重及び/又は二重エネルギーX線吸収測定法、定量的コンピュータトモグラフィー(QCT)、超音波検査機、放射線写真撮影(例えば放射線吸収測定法)、及び核磁気共鳴画像法を用いて測定され得る。一部の実施形態において、スクレロスチン阻害剤(例えばスクレロスチン結合剤)は、骨折部位の骨塩密度、骨橋形成、仮骨形成、又は骨密度(若しくは体積)を少なくとも約5%(約6%、約7%、約8%、又は約9%)増加させるために有効な投与量及び期間で投与され得る。一部の実施形態において、骨折部位の骨塩密度、骨橋形成、仮骨形成、又は骨密度は少なくとも約10%(例えば少なくとも約10%、約12%、約15%、又は約18%)増加する。他の実施形態において、骨折部位の骨塩密度、骨橋形成、仮骨形成、又は骨密度はスクレロスチン阻害剤によって少なくとも約25%(例えば少なくとも約20%、約22%、約25%、又は約28%)増加する。さらに他の実施形態において、骨折部位の骨塩密度、骨橋形成、仮骨形成、又は骨密度は少なくとも約30%(例えば少なくとも約32%、約35%、約38%、若しくは約40%)又は少なくとも約50%(例えば少なくとも約60%、約70%、約80%、約90%、若しくは約100%)増加する。骨塩密度の増加又は再構築は、スクレロスチン阻害剤の初回投与後1週、2週、3週、又は4週に測定され得る。或いは、骨密度レベルは治療期間終了後(例えば治療期間後1週、2週、3週、又は4週に)測定され得る。一形態において、本方法は、年齢及び性別の一致するスクレロスチン阻害剤を投与しない患者に比べて、所望のレベルの骨形成、骨体積、仮骨、又は骨密度(例えば、本明細書に記述される骨形成、骨塩密度、仮骨、又は骨体積の任意のパーセントの増加)を達成するのに必要とする時間の量を減少させ、それにより被験体の回復時間を減少させる。例えば、一実施形態において、スクレロスチン阻害剤は、骨折部位の骨密度又は体積を少なくとも約10%(例えば少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45、又は少なくとも約50%)増加させるのに必要とする時間の量を減少させる。
【0012】
骨治癒の指標となる、機能的な、生活の質パラメーターは、強度及び耐荷重能力の回復、痛み及び鎮痛剤使用の減少、並びに職業的地位の改善を含むがそれに限定されない。本明細書に記述されるスクレロスチン阻害剤の1投与量以上の投与は、試験した患者集団において統計的に有意な様式で、骨折に伴う機能的な、生活の質パラメーターの改善を加速する。一部の形態において、本方法は、1投与量以上のスクレロスチン阻害剤を投与した患者における回復時間を、スクレロスチン阻害剤を投与しない患者における回復時間に比べて少なくとも10%(例えば少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、又は少なくとも65%)減少させる。「回復」は、腰骨折についてはFIM機器運動スコア(Muninら、Arch. Phys. Med. Rehabil., 86:367-372 (2005))、足首骨折についてはOlerud-Molander Ankle Score(OMAS)及びSF-12質問票(Shahら、Injury, 38(11):1308-1312 (2003))、及び膝置換についてはKnee Society Scoring(Insallら、Clinical Orthopaedics, 248:13-14 (1989))等の多くのリハビリ効果測定のいずれを用いても評価することができる。
【0013】
一部の実施形態において、1投与量以上のスクレロスチン結合剤(例えば抗スクレロスチン抗体)等のスクレロスチン阻害剤は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10週を含む治療期間に渡って人に投与される。「治療期間」はスクレロスチン阻害剤(例えばスクレロスチン結合剤)の最初の1投与量の投与で始まり、スクレロスチン阻害剤の最後の1投与量の投与で終了する。望む場合には、1投与量のスクレロスチン阻害剤を週に複数回投与してよい。一実施形態において、治療期間は少なくとも2週を含む。一部の実施形態において、治療期間は2、4、又は8週に渡る。或いは又は加えて、治療期間は5週以下(例えば30日)に渡る。実際、スクレロスチン阻害剤を含む医薬組成物の投与は、4週以下(例えば26日若しくは24日)、4週未満、3週以下(例えば18若しくは15日)、3週未満、2週以下(例えば12日若しくは10日)、又は1週以下(例えば5日若しくは3日)に渡る処置又は治療期間に渡り1回以上実施され得る。一実施形態において、治療期間は2週以下であり、それにも関わらず治療を受けない骨折に比べ、骨強度(例えば痛みを感じるまでの最大耐荷重能力)、骨体積、骨橋形成、手足の機能、及び/又は回復時間等(それらに限られない)の治癒パラメーターにおいて有意な改善をもたらす。例えば、治療2週後、痛みを伴わずに患者が耐え得る最大荷重は、骨折前の強度(又は年齢及び性別の一致する被験体の強度)の少なくとも約20%(例えば25%、30%、35%、又は40%)であり得る。同様に、治療4週後、痛みを伴わずに患者が耐え得る最大荷重は、骨折前の強度(又は骨折治療を受けない被験体等の、年齢及び性別の一致する被験体の強度)の少なくとも約20%(例えば25%、30%、35%、又は40%)であり得る。さらに、一形態において、治療期間は骨折を見つけた後すぐに始まり、例えば治療期間は骨折から2週以内(例えば10日、7日、5日、3日、又は1日以内)に始まる。
【0014】
スクレロスチン結合剤(例えば抗スクレロスチン抗体)は骨折治癒を促進、亢進、又は加速する量で投与される。被験体(例えば人等の哺乳類)に投与されるスクレロスチン結合剤の投与量は体重当たり約0.1 mg/kg〜約30 mg/kgの範囲であり得る。例えば、スクレロスチン結合剤の投与量は体重当たり約0.5 mg/kg〜約25 mg/kg(例えば約0.5 mg/kg〜約10 mg/kg、又は約0.8 mg/kg〜約20 mg/kg)の範囲であり得る。一部の実施形態において、スクレロスチン結合剤(例えば抗スクレロスチン抗体)の投与量は約1 mg/kg〜約15 mg/kg(例えば12 mg/kg)、約1 mg/kg〜約10 mg/kg(例えば約2 mg/kg若しくは約9 mg/kg)、又は約3 mg/kg〜約8 mg/kg(例えば約4 mg/kg、5 mg/kg、6 mg/kg、若しくは7 mg/kg)の範囲であり得る。一形態において、スクレロスチン結合剤の投与量は体重当たり約0.5 mg/kg〜約2.5 mg/kg(例えば約1 mg/kg〜約2 mg/kg、又は約1.5 mg/kg)の範囲であり得る。さらに、特定の患者のために選択された治療計画に応じて、スクレロスチン結合剤を複数投与量投与すること、又は投与の間隔をあけることは有利であり得る。例えば、骨折の重症度、患者の年齢及び身体的健康等に応じて、1投与量のスクレロスチン阻害剤は2週に1回、週1回、週2回、週3回、週4回、又はより頻繁に投与され得る。
【0015】
骨折は様々な方法で分類される。閉鎖又は単純骨折では、骨を取り巻く皮膚が破れないのに対し、開放又は複雑骨折は皮膚を突き破る。破壊が骨全体に及ぶ場合は、骨折は「完全」である。「不完全」又は「若木」骨折は、骨の全直径に及ばない部分的な破壊である。疲労骨折は、骨にひびを入れる繰り返し運動の機械的な圧力から生じる。本発明の方法は治療される骨折の種類又は骨折の原因に制限されない。例えば、骨折患者は以下からなる群より選択される骨関連疾患も患い得る;軟骨形成不全症、鎖骨頭蓋骨形成不全症、内軟骨腫症、線維性骨異形成、ゴーシェ病、低リン酸血症性くる病、マルファン症候群、遺伝性多発性外骨腫症、神経線維腫症、骨形成不全症、骨化石症、骨斑紋症、硬化性病変、偽関節、化膿性骨髄炎、歯周病、抗てんかん薬誘導性骨量減少、原発性及び二次性副甲状腺機能高進症、家族性副甲状腺機能高進症、無重力誘導性骨量減少、男性骨粗しょう症、閉経後骨量減少、変形性関節症、腎性骨ジストロフィー、骨の浸潤性疾患、口腔の骨量減少、顎骨壊死、若年性パジェット病、メロレオストーシス、代謝性骨疾患、肥満細胞症、鎌状赤血球貧血/病、臓器移植関連骨量減少、腎臓移植関連骨量減少、全身性エリテマトーデス、強直性脊椎炎、てんかん、若年性関節炎、サラセミア、ムコ多糖症、ファブリー病、ターナー症候群、ダウン症、クラインフェルター症候群、ハンセン病、ペルテス病、青年性特発性脊柱側弯症、乳児期発症多臓器性炎症性疾患、ウィンチェスター症候群(Winchester Syndrome)、メンケス病、ウィルソン病、(レッグ・カルベ・ペルテス病及び局所移動性骨粗しょう症等の)虚血性骨病、貧血状態、ステロイドにより引き起こされる状態、グルココルチドイド誘導性骨量減少、ヘパリン誘導性骨量減少、骨髄障害、壊血病、栄養失調、カルシウム欠乏症、骨粗しょう症、骨減少症、アルコール依存症、慢性肝疾患、閉経後の状態、慢性炎症状態、関節リウマチ、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、炎症性大腸炎、クローン病、希発月経、無月経、妊娠、糖尿病、甲状腺機能高進症、甲状腺疾患、副甲状腺障害、クッシング病、末端肥大症、性腺機能低下症、不動化又は不使用、反射性交感神経性ジストロフィー症候群、局所性骨粗しょう症、骨軟化症、関節置換術に伴う骨量減少、HIV関連骨量減少、成長ホルモンの減少に伴う骨量減少、嚢胞性線維症に伴う骨量減少、化学療法に伴う骨量減少、腫瘍誘導性骨量減少、癌関連骨量減少、ホルモン除去性骨量減少、多発性骨髄腫、薬物誘導性骨量減少、神経性無食欲症、病気に伴う顔面骨量減少、病気に伴う頭蓋の骨量減少(cranial bone loss)、病気に伴う顎の骨量減少、病気に伴う頭蓋骨の骨量減少(bone loss of the skull)、加齢に伴う骨量減少、加齢に伴う顔面骨量減少、加齢に伴う頭蓋の骨量減少(cranial bone loss)、加齢に伴う顎骨量減少、加齢に伴う頭蓋骨骨量減少(skull bone loss)、並びに宇宙旅行に伴う骨量減少。
【0016】
スクレロスチン結合剤は、担体、賦形剤、又は希釈剤を含み得る生理学的に許容可能な(例えば医薬)組成物として患者に投与されることが好ましい。本明細書に記述されるスクレロスチン結合剤は、本明細書に開示される任意の用量及び時期の計画を用いた投与のための薬剤の製造において使用され得ることが、理解されるであろう。医薬組成物及び治療方法は米国特許出願公開第20050106683号に開示され、これは参照により本明細書に援用される。「生理学的に許容可能な」とは、人に投与したときにアレルギー又は同様の有害な反応を生じない分子的実体及び組成物を指す。さらに、被験体に投与される組成物は、2種以上のスクレロスチン阻害剤(例えば2種の抗スクレロスチン抗体、又は1種のスクレロスチン結合剤と1種のスクレロスチン化学合成阻害剤)或いは異なる作用機序を有する1種以上の治療薬と併用するスクレロスチン阻害剤を含んでよい。
【0017】
例えば皮下、経口、非経口、静脈内、鼻腔内、及び筋内の投与及び製剤を含む様々な治療計画において、本明細書に記述される特定の組成物を用いるのに適した投与及び治療計画の開発は、当技術分野で周知であり、米国特許出願公開第20070110747号において議論されている。例えば、ある特定の状況では、スクレロスチン結合剤を含む医薬組成物を皮下、非経口、静脈内、筋内、又は腹腔内に送達することが望ましい。そのようなアプローチは当業者に周知であり、その一部は例えば米国特許第5,543,158号;同第5,641,515号;及び同第5,399,363号にさらに記述される。実例となる、注射用に適した医薬品形態には、滅菌水溶液若しくは分散液、並びに滅菌注射用溶液若しくは分散液の即時調整用滅菌粉末が含まれる(例えば米国特許第5,466,468号を参照)。全ての場合に、形態は滅菌であり、且つ容易に注射できる程度に液状でなければならない。
【0018】
一実施形態において、水溶液での非経口投与のために、溶液は必要な場合には適切にバッファリングされ、液体希釈剤は最初に十分な生理食塩水又はグルコースで等張にされるべきである。これらの特別な水溶液は静脈内、筋内、皮下、及び腹腔内投与に特に適する。例えば、1投薬量は、1 mlの等張なNaCl溶液に溶解され、1000 mlの皮下注入液に添加されるか、又は提案された注入部位に注射され得る(例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 第15版, Mack Pub. Co., Easton, PA, pp. 1035-1038及び1570-1580を参照)。治療される被験体の状況(患者の年齢、身長、体重、及び全体的な健康状態;並びに副作用の存在)に応じて、投薬量及び投与頻度に変化が生じてよい。さらに、スクレロスチン結合剤を含む医薬組成物は、該医薬組成物の使用に関する説明を提供する包装材料と共に容器(例えばバイアル)内に入れられ得る。一般に、そのような説明は、薬剤濃度、並びに一部の実施形態内で、医薬組成物を再構成するのに必要であり得る賦形剤材料又は希釈剤(例えば水、生理食塩水若しくはPBS)の相対量を記述する具体的な表現を含む。
【0019】
本発明の方法は「スクレロスチン阻害剤」のある量を投与することを含む。本明細書で使用されるように、「スクレロスチン阻害剤」という用語は、骨におけるスクレロスチンの生物活性を阻害する任意の分子を意味し、活性は骨石灰化、骨密度、骨芽細胞及び/若しくは破骨細胞における影響、骨形成の指標、骨吸収の指標、骨芽細胞活性の指標、並びに/又は破骨細胞活性の指標における変化により測定される。そのような阻害剤は、スクレロスチン又はその受容体又は結合パートナーと結合することにより作用し得る。このカテゴリーの阻害剤には、例えば抗体、又はペプチドを基にした分子等の「スクレロスチン結合剤」が含まれる。「スクレロスチン阻害剤」はまた、任意で分子量約1000ダルトン未満の、スクレロスチンに結合しその活性を阻害する小分子有機化合物も指す。或いは、阻害剤はスクレロスチンの発現を阻害することによって作用し得る。このカテゴリーの阻害剤には、スクレロスチンDNA又はmRNAに結合しスクレロスチン発現を阻害するポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドが含まれ、スクレロスチンの発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド、阻害性RNA、DNA酵素、リボザイム、アプタマー又はそれらの製薬上許容可能な塩が含まれる。
【0020】
「スクレロスチン結合剤」はスクレロスチン又はその一部に特異的に結合し、ヒトスクレロスチンの、1つ以上のリガンドへの結合を阻害するか又は弱める。スクレロスチン、すなわちSOST遺伝子産物は、硬結性骨化症、すなわち骨増生及び高強度・高密度骨を特徴とする骨疾患において欠失している(Brunkowら、Am. J. Hum. Genet., 68:577-589 (2001); Balemansら、Hum. Mol. Genet., 10:537-543 (2001))。ヒトスクレロスチンのアミノ酸配列はBrunkowらにより報告され、米国特許出願公開第20070110747号に配列番号1として開示される(該特許公開はスクレロスチン結合剤及び配列リストの記述について全体が援用される)。組み換えヒトスクレロスチン/SOSTはR&D Systemsから市販されている(Minneapolis, Minn., USA; 2006カタログ番号1406-ST-025)。さらに、組み換えマウススクレロスチン/SOSTはR&D Systemsから市販されている(Minneapolis, Minn., USA; 2006カタログ番号1589-ST-025)。研究グレードのスクレロスチン結合モノクローナル抗体はR&D Systemsから市販されている(Minneapolis, Minn., USA; マウスモノクローナル: 2006カタログ番号MAB1406; ラットモノクローナル: 2006カタログ番号MAB1589)。米国特許第6,395,511号及び同第6,803,453号、並びに米国特許出願公開第20040009535号及び同第20050106683号は全体に抗スクレロスチン抗体に言及している。本発明の状況での使用に適したスクレロスチン結合剤の例は、米国特許出願公開第20070110747号及び同第20070072797号にも記述され、これらは参照により本明細書に援用される。スクレロスチン結合剤を生成する材料と方法に関するさらなる情報は、米国特許出願公開第20040158045号に見出すことができる。
【0021】
本発明のスクレロスチン結合剤は抗体であることが好ましい。「抗体」という用語は、損なわれていない抗体又はその結合性フラグメントを指す。抗体は完全抗体分子(全長重鎖及び/又は軽鎖を有するポリクローナル、モノクローナル、キメラ、ヒト化、又はヒト型を含む)を含み得るか、又はその抗原結合性フラグメントを含み得る。抗体フラグメントはF(ab')2、Fab、Fab'、Fv、Fc、及びFdフラグメントを含み、シングルドメイン抗体、一本鎖抗体、マキシボディ(maxibody)、ミニボディ(minibody)、細胞内発現抗体(intrabody)、ダイアボディ(diabody)、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)、v-NAR及びbis-scFvに組み込まれ得る(例えばHollinger and Hudson, Nature Biotechnology, 23(9):1126-1136 (2005)を参照)。フィブロネクチンポリペプチドモノボディを含む抗体ポリペプチドも米国特許第6,703,199号に開示される。他の抗体ポリペプチドは米国特許出願公開第20050238646号に開示される。抗スクレロスチン抗体は配列番号1のスクレロスチン、又はその天然型バリアントに、1 x 10-7M以下、1 x 10-8M以下、1 x 10-9M以下、1 x 10-10M以下、1 x 10-11M以下、又は1 x 10-12M以下の親和性で結合し得る。親和性はアフィニティELISAアッセイにより測定され得る。一部の実施形態において、親和性はBIAcoreアッセイにより測定され得る。一部の実施形態において、親和性は速度論的方法により測定され得る。一部の実施形態において、親和性は平衡/溶液法により測定され得る。
【0022】
抗体フラグメントは任意の合成又は遺伝子改変タンパク質であってよい。例えば、抗体フラグメントは、軽鎖可変領域からなる単離されたフラグメント、重鎖及び軽鎖の可変領域からなる「Fv」フラグメント、並びに軽鎖及び重鎖可変領域がペプチドリンカーにより連結された組み換え一本鎖ポリペプチド分子(scFvタンパク質)を含む。
【0023】
抗体フラグメントの別の形態は、抗体の1つ以上の相補性決定領域(CDR)を含むペプチドである。CDR(「最小認識単位」又は「超可変領域」とも呼ばれる)は、興味のあるCDRをコードするポリヌクレオチドを構築することによって得ることができる。そのようなポリヌクレオチドは、例えば、抗体産生細胞のmRNAを鋳型として用いて可変領域を合成するポリメラーゼ連鎖反応を用いることにより生成される(例えばLarrickら、Methods: A Companion to Methods in Enzymology, 2:106 (1991); Courtenay-Luck, "Genetic Manipulation of Monoclonal Antibodies," in Monoclonal Antibodies Production, Engineering and Clinical Application, Ritterら(編)、page 166, Cambridge University Press (1995); 及びWardら、"Genetic Manipulation and Expression of Antibodies," in Monoclonal Antibodies: Principles and Applications, Birchら(編)、page 137, Wiley-Liss, Inc. (1995)を参照)。
【0024】
本発明の一実施形態において、スクレロスチン結合剤は、抗体Ab-A、Ab-B、Ab-C、Ab-D、Ab-1、Ab-2、Ab-3、Ab-4、Ab-5、Ab-6、Ab-7、Ab-8、Ab-9、Ab-10、Ab-11、Ab-12、Ab-13、Ab-14、Ab-15、Ab-16、Ab-17、Ab-18、Ab-19、Ab-20、Ab-21、Ab-22、Ab-23、及びAb-24(これら全ては米国特許出願公開第20070110747号に記述される)のうち少なくとも1つの、スクレロスチンへの結合を交差阻害(cross-block)する。或いは又は加えて、スクレロスチン結合剤は、抗体Ab-A、Ab-B、Ab-C、Ab-D、Ab-1、Ab-2、Ab-3、Ab-4、Ab-5、Ab-6、Ab-7、Ab-8、Ab-9、Ab-10、Ab-11、Ab-12、Ab-13、Ab-14、Ab-15、Ab-16、Ab-17、Ab-18、Ab-19、Ab-20、Ab-21、Ab-22、Ab-23、及びAb-24(これら全ては米国特許出願公開第20070110747号に記述される)のうち少なくとも1つによってスクレロスチンへの結合から交差阻害される。「交差阻害」という用語は、抗体又は他の結合剤が、他の抗体又は結合剤のスクレロスチンへの結合を妨害する能力を意味するように、本明細書で使用される。ある抗体又は他の結合剤が別の分子のスクレロスチンへの結合を妨害することができ、交差阻害と言うことができるかどうかという程度は、競合結合アッセイを用いて決定することができる。本発明の一部の形態において、交差阻害性抗体又はそのフラグメントは、参照抗体のスクレロスチン結合を約40%〜約100%、例えば約60%〜約100%、具体的に70%〜100%、より具体的に80%〜100%減少させる。交差阻害を検出するのに特に適した定量的アッセイは、表面プラズモン共鳴技術を用いて相互作用の程度を測定するBiacore装置を使用する。別の適した定量的交差阻害アッセイは、スクレロスチンへの結合に関して抗体又は他の結合剤間の競合を測定するELISAを基にした手法を使用する。
【0025】
適したスクレロスチン結合剤は、米国特許出願公開第20070110747号に記述される抗体及びその部分(例えばその中で特に開示されるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3の1つ以上)を含む。CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3の領域の少なくとも1つは、結合剤が非置換CDRの結合特異性を保持するならば、少なくとも1つのアミノ酸置換を有してよい。結合剤の非CDR部分は非タンパク質分子であってよく、ここで該結合剤は本明細書に開示される抗体の、スクレロスチンへの結合を交差阻害し、及び/又はスクレロスチンを中和する。結合剤の非CDR部分は非タンパク質分子であってよく、ここで該結合剤はヒトスクレロスチンペプチド抗原決定基競合結合アッセイにおいて、抗体Ab-A、Ab-B、Ab-C、Ab-D、Ab-1、Ab-2、Ab-3、Ab-4、Ab-5、Ab-6、Ab-7、Ab-8、Ab-9、Ab-10、Ab-11、Ab-12、Ab-13、Ab-14、Ab-15、Ab-16、Ab-17、Ab-18、Ab-19、Ab-20、Ab-21、Ab-22、Ab-23、及びAb-24(これら全ては米国特許出願公開第20070110747号に記述される)のうち少なくとも1つが呈するのと類似のヒトスクレロスチンペプチド結合パターンを呈し、並びに/又はスクレロスチンを中和する。結合剤の非CDR部分はアミノ酸で構成されてよく、ここで該結合剤は組み換え結合性タンパク質又は合成ペプチドであり、該組み換え結合性タンパク質は抗体のスクレロスチンへの結合を交差阻害し、及び/又はスクレロスチンを中和する。結合剤の非CDR部分はアミノ酸で構成されてよく、ここで該結合剤は組み換え結合性タンパク質であり、該組み換え結合性タンパク質はヒトスクレロスチンペプチド抗原決定基競合結合アッセイ(米国特許出願公開第20070110747号に記述される)において、抗体Ab-A、Ab-B、Ab-C、Ab-D、Ab-1、Ab-2、Ab-3、Ab-4、Ab-5、Ab-6、Ab-7、Ab-8、Ab-9、Ab-10、Ab-11、Ab-12、Ab-13、Ab-14、Ab-15、Ab-16、Ab-17、Ab-18、Ab-19、Ab-20、Ab-21、Ab-22、Ab-23、及びAb-24(米国特許出願公開第20070110747号に記述される)のうち少なくとも1つが呈するのと類似のヒトスクレロスチンペプチド結合パターンを呈し、並びに/又はスクレロスチンを中和する。スクレロスチン結合剤は米国特許出願公開第20070110747号のAb-A、Ab-B、Ab-C、Ab-D、Ab-1、Ab-2、Ab-3、Ab-4、Ab-5、Ab-6、Ab-7、Ab-8、Ab-9、Ab-10、Ab-11、Ab-12、Ab-13、Ab-14、Ab-15、Ab-16、Ab-17、Ab-18、Ab-19、Ab-20、Ab-21、Ab-22、Ab-23、又はAb-24であることが好ましい。
【0026】
さらに、スクレロスチン結合剤は、米国特許出願公開第20070110747号に開示される配列番号39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、78、79、80、81、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、351、352、353、358、359、及び360から選択されるCDRと少なくとも75%の同一性(例えば100%の同一性)を有する少なくとも1つのCDR配列を含み得る。スクレロスチン結合剤は、配列番号245、246、247、78、79、80、269、270、271、239、240、及び241(これら全ては米国特許出願公開第20070110747号に記述される)から選択されるCDRと少なくとも75%の同一性をする少なくとも1つのCDR配列を含むことが好ましい。米国特許出願公開第20070110747号に記述されるように、スクレロスチン結合剤は以下を含み得る:a) 配列番号54、55、及び56のCDR配列並びに配列番号51、52、及び53のCDR配列; b) 配列番号60、61、及び62のCDR配列並びに配列番号57、58、及び59のCDR 配列; c) 配列番号48、49、及び50のCDR配列並びに配列番号45、46、及び47のCDR配列; d) 配列番号42、43、及び44のCDR 配列並びに配列番号39、40、及び41のCDR配列; e) 配列番号275、276、及び277のCDR配列並びに配列番号287、288、及び289のCDR配列; f) 配列番号278、279、及び280のCDR配列並びに配列番号290、291、及び292のCDR配列; g) 配列番号78、79、及び80のCDR配列並びに配列番号245、246、及び247のCDR配列; h) 配列番号81、99、及び100のCDR配列並びに配列番号248、249、及び250のCDR配列; i) 配列番号101、102、及び103のCDR配列並びに配列番号251、252、及び253のCDR配列; j) 配列番号104、105、及び106のCDR配列並びに配列番号254、255、及び256のCDR配列; k) 配列番号107、108、及び109のCDR配列並びに配列番号257、258、及び259のCDR配列; l) 配列番号110、111、及び112のCDR配列並びに配列番号260、261、及び262のCDR配列; m) 配列番号281、282、及び283のCDR配列並びに配列番号293、294、及び295のCDR配列; n) 配列番号113、114、及び115のCDR配列並びに配列番号263、264、及び265のCDR配列; o) 配列番号284、285、及び286のCDR配列並びに配列番号296、297、及び298のCDR配列; p) 配列番号116、237、及び238のCDR配列並びに配列番号266、267、及び268のCDR配列; q) 配列番号239、240、及び241のCDR配列並びに配列番号269、270、及び271のCDR配列; r) 配列番号242、243、及び244のCDR配列並びに配列番号272、273、及び274のCDR配列;或いはs) 配列番号351、352、及び353のCDR配列並びに配列番号358、359、及び360のCDR配列。
【0027】
スクレロスチン結合剤は、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3から選択されるCDRと少なくとも75%の同一性(例えば100%の同一性)を有する少なくとも1つのCDR配列を含むこともできる。ここで、CDR-H1は配列番号245又は配列番号269に与えられる配列を有し、CDR-H2は配列番号246又は配列番号270に与えられる配列を有し、CDR-H3は配列番号247又は配列番号271に与えられる配列を有し、CDR-L1は配列番号78又は配列番号239に与えられる配列を有し、CDR-L2は配列番号79又は配列番号240に与えられる配列を有し、且つCDR-L3は配列番号80又は配列番号241に与えられる配列を有する(これらは全て米国特許出願公開第20070110747号に記述される)。
【0028】
或いは、スクレロスチン結合剤は、それぞれ配列番号245、246、及び247と少なくとも75%同一(例えば100%同一)であるCDRのH1、H2、及びH3を含み、且つ配列番号137に提供される配列を有するポリペプチド又はそのバリアントを含む重鎖、並びにそれぞれ配列番号78、79、及び80と少なくとも75%同一(例えば100%同一)であるCDRのL1、L2、及びL3を含み、且つ配列番号133に提供される配列を有するポリペプチド又はそのバリアントを含む軽鎖を有し得る(米国特許出願公開第20070110747号に記述される)。
【0029】
スクレロスチン結合剤は、それぞれ配列番号245、246、及び247と少なくとも75%同一(例えば100%同一)であるCDRのH1、H2、及びH3を含み、且つ配列番号145若しくは392に提供される配列を有するポリペプチド又はそのバリアントを含む重鎖、並びにそれぞれ配列番号78、79、及び80と少なくとも75%同一(例えば100%同一)であるCDRのL1、L2、及びL3を含み、且つ配列番号141に提供される配列を有するポリペプチド又はそのバリアントを含む軽鎖を有し得る(米国特許出願公開第20070110747号に記述される)。
【0030】
スクレロスチン結合剤は、それぞれ配列番号269、270、及び271と少なくとも75%同一(例えば100%同一)であるCDRのH1、H2、及びH3を含み、且つ配列番号335に提供される配列を有するポリペプチド又はそのバリアントを含む重鎖、並びにそれぞれ配列番号239、240、及び241と少なくとも75%同一(例えば100%同一)であるCDRのL1、L2、及びL3を含み、且つ配列番号334に提供される配列を有するポリペプチド又はそのバリアントを含む軽鎖を有し得る(米国特許出願公開第20070110747号に記述される)。
【0031】
或いは、スクレロスチン結合剤は、それぞれ配列番号269、270、及び271と少なくとも75%同一(例えば100%同一)であるCDRのH1、H2、及びH3を含み、且つ配列番号331に提供される配列を有するポリペプチド又はそのバリアントを含む重鎖、並びにそれぞれ配列番号239、240、及び241と少なくとも75%同一(例えば100%同一)であるCDRのL1、L2、及びL3を含み、且つ配列番号330に提供される配列を有するポリペプチド又はそのバリアントを含む軽鎖を有する(米国特許出願公開第20070110747号に記述される)。
【0032】
スクレロスチン結合剤は、それぞれ配列番号269、270、及び271と少なくとも75%同一(例えば100%同一)であるCDRのH1、H2、及びH3を含み、且つ配列番号345若しくは396に提供される配列を有するポリペプチド又はそのバリアントを含む重鎖、並びにそれぞれ配列番号239、240、及び241と少なくとも75%同一(例えば100%同一)であるCDRのL1、L2、及びL3を含み、且つ配列番号341に提供される配列を有するポリペプチド又はそのバリアントを含む軽鎖を有し得る(米国特許出願公開第20070110747号に記述される)。
【0033】
或いは、スクレロスチン結合剤は、配列番号137に提供される配列を有するポリペプチドを含む重鎖、及び配列番号133に提供される配列を有するポリペプチドを含む軽鎖;又は配列番号145若しくは392に提供される配列を有するポリペプチドを含む重鎖、及び配列番号141に提供される配列を有するポリペプチドを含む軽鎖;又は配列番号335に提供される配列を有するポリペプチドを含む重鎖、及び配列番号334に提供される配列を有するポリペプチドを含む軽鎖;又は配列番号331に提供される配列を有するポリペプチドを含む重鎖、及び配列番号330に提供される配列を有するポリペプチドを含む軽鎖;又は配列番号345若しくは396に提供される配列を有するポリペプチドを含む重鎖、及び配列番号341に提供される配列を有するポリペプチドを含む軽鎖を有する(米国特許出願公開第20070110747号に記述される)。
【0034】
本発明の方法で使用するためのスクレロスチン阻害剤(例えばスクレロスチン結合剤)は、米国特許出願公開第20070110747号に記述される細胞を基にしたアッセイ及び/若しくは米国特許出願公開第20070110747号に記述されるin vivoアッセイにおいてスクレロスチン機能を調節し、並びに/又は米国特許出願公開第20070110747号に記述される1つ以上の抗原決定基に結合し、並びに/又は米国特許出願公開第20070110747号に記述される抗体のうち1つの結合を交差阻害し、並びに/又は米国特許出願公開第20070110747号に記述される抗体のうち1つによってスクレロスチンへの結合から交差阻害されることが好ましい。
【0035】
或いは、本発明の方法はスクレロスチン結合剤以外のスクレロスチン阻害剤を投与することを含み得る。そのような薬剤はSOST又はスクレロスチンに直接的又は間接的に作用し得る。本発明の方法における使用が意図されるスクレロスチン阻害剤は、米国特許出願公開第20030229041号に記述されるものを含む(スクレロスチン阻害剤の記述を特に強調して、その全体の開示は参照により本明細書に援用される)。例えば、SOST発現及びスクレロスチン活性を調節するのに有用な薬剤には、ステロイド(例えば米国特許出願公開第20030229041号の化学式1に相当するもの)、アルカロイド、テルペノイド、ペプトイド、及び合成化学物質が含まれるが、それに限定されない。一部の実施形態において、SOST拮抗薬又は作動薬はグルココルチコイド受容体に結合し得る。例えば、デキサメタゾンはBMP-4及びBMP-6のSOST発現への刺激性効果を無効にする傾向がある。グルココルチコイド類似体、胆汁酸塩類(例えば米国特許出願公開第20030229041号の化学式3に相当するもの)、及びプロスタグランジン類(例えば米国特許出願公開第20030229041号の化学式2に相当するもの)を含む他の化学物質も骨形成タンパク質のSOST発現への効果を調節し、本発明の方法における使用が意図される。
【0036】
スクレロスチン阻害剤はまた、SOST又はスクレロスチンに直接的又は間接的に作用し、in vivoで骨折修復を加速又は亢進する他の小分子治療薬であってもよい。「小分子」という用語は、合成、天然由来、又は部分的に合成のいずれかであって、好ましくは5000ダルトン未満(例えば約100〜1,500ダルトン)の分子量を有する化合物又は分子複合体を含む。薬剤は、空間的にアドレス可能な並列(parallel)固相又は溶液相ライブラリー、デコンボリューションを必要とする合成ライブラリー法、「1ビーズ1化合物」ライブラリー法、及びアフィニティークロマトグラフィー選択を用いた合成ライブラリー法を含む、当技術分野で周知なコンビナトリアルライブラリー法における数多くの手法のいずれを使っても得ることができる(例えばLam, Anticancer Drug Des., 12:145 (1997)並びに米国特許第5,738,996号; 同第5,807,683号; 及び同第7,261,892号を参照)。スクレロスチン阻害剤を開発しスクリーニングする方法はさらに米国特許出願公開第20030229041号に記述され、その議論は参照により本明細書に援用される。
【0037】
本発明の方法に従って使用され得るスクレロスチン発現阻害剤は、阻害性オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド(それらの製薬上許容可能な塩、例えばナトリウム塩を含む)を含む。非限定的な例には以下が含まれる:アンチセンスオリゴヌクレオチド(Eckstein, Antisense Nucleic Acid Drug Dev., 10:117-121 (2000); Crooke, Methods Enzymol., 313:3-45 (2000); Guvakovaら、J. Biol. Chem., 270:2620-2627 (1995); Manoharan, Biochim. Biophys. Acta, 1489:117-130 (1999); Bakerら、J. Biol. Chem., 272:11994-12000 (1997); Kurreck, Eur. J. Biochem., 270:1628-1644 (2003); Sierakowskaら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93:12840-12844 (1996); Marwick, J. Am. Med. Assoc., 280:871 (1998); Tomita and Morishita, Curr. Pharm. Des., 10:797-803 (2004); Gleave and Monia, Nat. Rev. Cancer, 5:468-479 (2005)及びPatil, AAPS J., 7:E61-E77 (2005))、三重鎖オリゴヌクレオチド(Francoisら、Nucleic Acids Res., 16:11431-11440 (1988)及びMoser and Dervan, Science, 238:645-650 (1987))、リボザイム/デオキシリボザイム(DNAzyme)(Krugerら、Tetrahymena. Cell, 31:147-157 (1982); Uhlenbeck, Nature, 328:596-600 (1987); Sigurdsson and Eckstein, Trends Biotechnol., 13:286-289 (1995); Kumarら、Gene Ther., 12:1486-1493 (2005); Breaker and Joyce, Chem. Biol., 1:223-229 (1994); Khachigian, Curr. Pharm. Biotechnol., 5:337-339 (2004); Khachigian, Biochem. Pharmacol., 68:1023-1025 (2004)及びTrulzsch and Wood, J. Neurochem., 88:257-265 (2004))、短鎖干渉RNA/RNAi(Fireら、Nature, 391:806-811 (1998); Montgomeryら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 95:15502-15507 (1998); Cullen, Nat. Immunol., 3:597-599 (2002); Hannon, Nature, 418:244-251 (2002); Bernsteinら、Nature, 409:363-366 (2001); Nykanenら、Cell, 107:309-321 (2001); Gilmoreら、J. Drug Target., 12:315-340 (2004); Reynoldsら、Nat. Biotechnol., 22:326-330 (2004); Soutschekら、Nature, 432:173-178 (2004); Ralphら、Nat. Med., 11:429-433 (2005); Xiaら、Nat. Med., 10(8):816-820 (2004)及びMillerら、Nucleic Acids Res., 32:661-668 (2004))、アプタマー(Ellington and Szostak, Nature, 346:818-822 (1990); Doudnaら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 92 2355-2359 (1995); Tuerk and Gold, Science, 249:505-510 (1990); Whiteら、Mol. Ther., 4:567-573 (2001); Rusconiら、Nature, 419:90-94 (2002); Nimjeeら、Mol. Ther., 14:408-415 (2006); Gragoudasら、N. Engl. J. Med., 351:3805-2816 (2004); Vinores, Curr. Opin. Mol. Ther., 5(6):673-679 (2003)及びKourlas and Schillerら、Clin. Ther., 28:36-44 (2006))、又はデコイオリゴヌクレオチド(Morishitaら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 92:5855-5859 (1995); Alexanderら、J. Am. Med. Assoc., 294:2446-2454 (2005); Mann and Dzau, J. Clin. Invest., 106:1071-1075 (2000)及びNimjeeら、Annu. Rev. Med., 56:555-583 (2005))。前記文献は、阻害性オリゴヌクレオチドの設計、作成及び使用方法に関する文献の項を特に強調して参照により全体が本明細書に援用される。Ambion Inc. (Austin, TX)、Darmacon Inc. (Lafayette, CO)、InvivoGen (San Diego, CA)、及びMolecular Research Laboratories, LLC (Herndon, VA)等の民間業者はカスタムsiRNA分子を製造する。さらにSILENCERTM siRNA Construction Kit (Ambion Inc., Austin, TX)又はpsiRNA System (InvivoGen, San Diego, CA)等のカスタムsiRNA分子を作成する市販のキットが入手可能である。
【0038】
安定で、ヌクレアーゼへの高い耐性を有し、非毒性投与量で標的組織部位への輸送を許容する好適な薬物動態を有し、且つ細胞膜を透過することができる阻害性オリゴヌクレオチドは治療薬としての使用が意図される。阻害性オリゴヌクレオチドは、標的遺伝子のコード部分、3'若しくは5'非翻訳領域、又は遺伝子のイントロン配列、又は標的mRNAの選択的コード若しくはイントロン配列に相補的であってよい。イントロン配列は一般に保存性がより低く、そのためより高い特異性を提供する。一実施形態において、阻害性オリゴヌクレオチドは一生物種のある遺伝子産物の発現を阻害するが別の種のそのホモログを阻害しない;他の実施形態において、阻害性オリゴヌクレオチドは二生物種、例えば人及び霊長類、又は人及びマウスのある遺伝子の発現を阻害する。
【0039】
細胞内におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの構成的発現は、おそらく翻訳の阻害又はスプライシングの妨害を介して、遺伝子発現を阻害することが示されている。一部の実施形態において、阻害性オリゴヌクレオチドは、中又は高ストリンジェンシー条件下で、スクレロスチン遺伝子若しくはmRNA(又はその逆鎖)の少なくとも8、9、10、11、又は12の連続した塩基にハイブリダイズすることができる。適した阻害性オリゴヌクレオチドは一本鎖であり、且つmRNA又はDNA分子に十分に相補的で特異的な、例えば少なくとも12、15又は18塩基長のセグメントを含むことができ、mRNA又はDNA分子にハイブリダイズして転写、スプライシング、又は翻訳を阻害する。一般に30塩基未満の長さに渡る相補性で十分である。
【0040】
典型的には、ストリンジェントな条件とは、pH 7.0〜8.3において塩濃度が約1.5 M Naイオン未満、典型的に約0.01〜1.0 M Naイオン濃度(又は他の塩)であり、温度が短い核酸(例えば10〜50ヌクレオチド)に対して少なくとも約30℃、より長い核酸(例えば50ヌクレオチド超)に対して少なくとも約60℃である。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミド等の不安定化剤の添加によっても達成され得る。例となる低ストリンジェンシー条件は、30%〜35%ホルムアミド、1 M NaCl、1% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の緩衝液を用いた37℃でのハイブリダイゼイション、及び1X〜2X SSC(20X SSC = 3.0 M NaCl/0.3 Mクエン酸三ナトリウム)中の50℃〜55℃での洗浄を含む。例となる中ストリンジェンシー条件は、40%〜45%ホルムアミド、1.0 M NaCl、1% SDS中で37℃でのハイブリダイゼイション、及び0.5X〜1X SSC中の55℃〜60℃での洗浄を含む。例となる高ストリンジェンシー条件は、50%ホルムアミド、1 M NaCl、1% SDS中で37℃でのハイブリダイゼイション、及び0.1X SSC中の60℃〜65℃での洗浄を含む。ハイブリダイゼイションの長さは一般に約24時間未満、通常約4時間〜約12時間である。
【0041】
場合によっては、相補的な領域の長さに応じて、阻害性機能に影響せずに1、2又はそれ以上のミスマッチが許容され得る。一部の実施形態において、阻害性オリゴヌクレオチドはアンチセンスオリゴヌクレオチド、阻害性RNA(siRNA若しくはRNAi、又はshRNAを含む)、DNA酵素、リボザイム(任意でハンマーヘッドリボザイム)、アプタマー、又はそれらの製薬上許容可能な塩である。一実施形態において、オリゴヌクレオチドは、米国特許出願公開第20040158045号の配列番号1をコードするヌクレオチド配列の少なくとも10塩基に相補的である。一実施形態において、オリゴヌクレオチドはスクレロスチンmRNAの3'非翻訳領域の近傍に位置するヌクレオチドを標的とする。
【0042】
オリゴヌクレオチドの設計に利用される特異的な配列は、発現する標的遺伝子メッセージ内に含まれる任意の連続するヌクレオチド配列であってよい。阻害性オリゴヌクレオチド配列の標的部位を左右する因子は、オリゴヌクレオチド長、結合親和性、及び標的配列のアクセスしやすさを含む。配列は、標的タンパク質翻訳及び標的関連表現型の阻害、例えば培養中の細胞における細胞増殖の阻害を測定することによって、その阻害活性効果についてin vitroでスクリーニングされ得る。一般に、RNAの大部分の領域(5'及び3'非翻訳領域、AUG開始、コーディング、スプライスジャンクション並びにイントロン)がアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて標的化され得ることが知られている。適切な標的配列を選択するために、当技術分野で周知なプログラム及びアルゴリズムが使用され得る。さらに、最適な配列は、特定の一本鎖核酸配列の二次構造を予測するために設計されたプログラムを利用し、フォールドされたmRNAの露出した一本鎖領域に存在すると見込まれる配列の選択を許容することによって、選択され得る。適切なオリゴヌクレオチドを設計する方法及び構成は、例えば米国特許第6,251,588号に見出すことができ、その内容は参照により全体が本発明に援用される。
【0043】
ホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用してよい。ヘテロ環又は糖の修飾と同様にホスホジエステル結合の修飾は効率の増加をもたらす。ホスホロチオエートはホスホジエステル結合を修飾するために使用される。N3'-P5'ホスホルアミダート結合はヌクレアーゼに対してオリゴヌクレオチドを安定化し、RNAへの結合を増加させるとして記述されてきた。ペプチド核酸(PNA)結合はリボース及びホスホジエステル骨格の完全な置換であり、ヌクレアーゼに対して安定で、RNAへの結合親和性を増加させ、且つRNAse Hによる切断を許容しない。その基本構造はまた、アンチセンス成分としての最適化を許容し得る修飾も受け入れる。ヘテロ環の修飾に関して、特定のヘテロ環修飾はRNAse H活性を妨害することなくアンチセンス効果を増加させることが証明された。そのような修飾の例はC-5チアゾール修飾である。最後に、糖の修飾も考慮され得る。2'-O-プロピル及び2'-メトキシエトキシリボース修飾は、細胞培養及びin vivoでヌクレアーゼに対してオリゴヌクレオチドを安定化する。
【0044】
大部分のmRNAは多数の二次及び三次構造を含むことが示されてきた。RNAの二次構造成分は、大部分は、同一RNA分子の異なる領域間のワトソン−クリックタイプの相互作用によって形成される。重要な二次構造成分には、分子内二本鎖領域、ヘアピンループ、二重鎖RNAのバルジ(bulge)及び内部ループが含まれる。三次構造成分は、二次構造成分が互いに又は一本鎖領域と接触してより複雑な三次元構造を生じる際に形成される。多くの研究者が多数のRNA二重鎖構造の結合エネルギーを測定し、RNAの二次構造を予測するために使用され得る一連の規則を導き出した(例えばJaegerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86(20):7706-10 (1989); 及びTurnerら、Annu. Rev. Biophys. Biophys. Chem., 17:167-192 (1988)を参照)。その規則はRNA構造成分の同定において、特に、siRNA、リボザイム、又はアンチセンス技術に標的化されるmRNAのセグメントを表し得る一本鎖RNA領域を同定するのに有用である。
【0045】
短鎖干渉(si)RNA技術(RNAiとしても知られる)は一般に、特定の配列に相同な二本鎖RNA(dsRNA)によって誘導される、その配列を持つmRNAの分解を含み、それにより対応する遺伝子の発現に「干渉する」。任意の選択された遺伝子は、その遺伝子に対するmRNAの全て又は十分な部分に対応するdsRNAを導入することによって、抑制され得る。長いdsRNAが発現するときは、まずリボヌクレアーゼIIIによって、わずか21〜22塩基対長の、より短いdsRNAオリゴヌクレオチドにプロセスされると考えられる。従って、siRNAは比較的短い相同なdsRNAの導入又は発現によって影響され得る。例となるsiRNAは、それぞれの3'末端に2ヌクレオチドの突出を持ちおよそ19ヌクレオチドの二本鎖RNAを形成する約21ヌクレオチドのセンス及びアンチセンス鎖を有する。確かに、比較的短い相同なdsRNAの使用はある利点を有し得る。
【0046】
哺乳類細胞は二本鎖RNA(dsRNA)によって影響を受ける少なくとも2つの経路を有する。配列特異的なsiRNA経路では、開始dsRNAは上記に記述されるようにまず短鎖干渉RNAへと分解される。短鎖干渉RNAは、特異的なメッセンジャーRNAが分解へと標的化されることを許容する配列情報を提供すると考えられる。一方で、少なくとも約30塩基対長である限り、非特異的経路が任意の配列のdsRNAによって誘発される。
【0047】
非特異的影響はdsRNAが2種の酵素を活性化するために生じる:PKR(その活性化型が翻訳開始因子eIF2をリン酸化し全タンパク質合成を停止させる)及び2',5'オリゴアデニレート合成酵素(2',5'-AS)(あらゆるmRNAを標的とする非特異的酵素、RNase Lを活性化する分子を合成する)。非特異的経路はストレス又はウイルス感染に対する宿主反応を表し得るが、一般に非特異的経路の影響は最小限であることが好ましい。重要なことに、より長いdsRNAが非特異的経路を誘導するのに必要であると思われ、従って約30塩基対より短いdsRNAがRNAiによる遺伝子抑制を達成するために意図される(Hunterら、J. Biol. Chem., 250:409-17 (1975); Mancheら、Mol. Cell. Biol. 12:5239-48 (1992); Minksら、J. Biol. Chem., 254:10180-3 (1979); 及びElbashirら、Nature, 411:494-8 (2001))。
【0048】
siRNAは多様な細胞種において遺伝子発現を減少させる効果的な手段であることが証明されてきた。siRNAは典型的には、アンチセンス技術を用いて達成されるレベルより低レベルまで遺伝子発現を減少させ、しばしば発現を完全に消失させる(Bass, Nature, 411: 428-9 (2001)を参照)。哺乳類細胞において、siRNAはアンチセンス実験で典型的に使用される濃度の数桁低い濃度で効果がある(Elbashirら、Nature, 411:494-8 (2001))。
【0049】
RNAiを引き起こすために使用される二本鎖オリゴヌクレオチドは長さ30塩基対未満、例えば長さ約25、24、23、22、21、20、19、18、若しくは17塩基対又はより短いことが好ましく、標的mRNAに十分に相補的なセグメントを含み標的mRNAへのハイブリダイゼイションを許容する。任意でdsRNAオリゴヌクレオチドは3'突出末端を含んでよい。例となる2-ヌクレオチドの3'突出は任意の種類のリボヌクレオチド残基で構成されてよく、並びに、RNA合成コストを低減させ、細胞培養培地中及びトランスフェクトされた細胞内でsiRNAのヌクレアーゼ耐性を亢進し得る2'-デオキシチミジン残基で構成されていてもよい(Elbashiら、同上を参照)。例となるdsRNAは化学合成され得るか、又は適切な発現ベクターを用いてin vitro又はin vivoで生成され得る(例えばElbashirら、Genes Dev., 15:188-200 (2001)を参照)。より長いRNAは、当技術分野で周知のT7 RNAポリメラーゼプロモーター等のプロモーターから転写され得る。
【0050】
50、75、100、若しくは500塩基対又はそれ以上のより長いdsRNAも、本発明の一部の実施形態において利用され得る。処理される細胞の性質、遺伝子標的及び当業者によって容易に認められる他の因子に応じて他の濃度が利用され得るが、RNAiを引き起こすための、例となるdsRNAの濃度は約0.05 nM、0.1 nM、0.5 nM、1.0 nM、1.5 nM、25 nM、又は100 nMである。
【0051】
siRNA技術のさらなる組成、方法及び応用は米国特許第6,278,039号;同第5,723,750号;及び同第5,244,805号に提供され、これらは参照により全体が本明細書に援用される。
【0052】
siRNAに比べ、shRNAはサイレンシング寿命及び送達選択において利点を提供する。概要は例えばHannonら、Nature, 431:371-378 (2004)を参照。siRNA様の特性を有する短い二重鎖RNAへと細胞内でプロセスされるshRNAを産生するベクターが報告された(Brummelkampら、Science, 296:550-553 (2000); Paddisonら、Genes Dev., 16: 948-958 (2002))。そのようなベクターは、宿主細胞ゲノムにベクターが安定に組み込まれた後、持続的な遺伝子サイレンシングを媒介し得る遺伝子サイレンシング剤の再生可能な供給源を提供する。さらに、コアサイレンシング「ヘアピン」カセットは、レトロウイルス、レンチウイルス、又はアデノウイルスベクターに容易に挿入することができ、異所的mRNA発現を許容するDNAコンストラクトの送達のために考案された数多くの方法で、広範な細胞種へのshRNAの送達を促進する(Brummelkampら、Cancer Cell, 2:243-247 (2002); Diracら、J. Biol. Chem., 278:11731-11734 (2003); Michielsら、Nat. Biotechnol., 20:1154-1157 (2002); Stegmeieら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 102:13212-13217 (2005); Khvorovaら、Cell, 115:209-216 (2003))。
【0053】
ヘアピンは、左巻き(left-handed)ヘアピン(すなわち5'-アンチセンス-ループ-センス-3')又は右巻き(right-handed)ヘアピン(すなわち5'-センス-ループ-アンチセンス-3')のいずれかで構築され得る。ヘアピンの構築によって、siRNAは、センス鎖又はアンチセンス鎖いずれかの5'又は3'末端いずれかに突出を含んでもよい。突出がある場合、ヘアピンの3'末端にあり1〜6塩基を含むことが好ましい。突出は非修飾であり得るか、或いは、ハロゲン若しくは2'位のO-アルキル修飾等の特異性若しくは安定化修飾、又はホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、若しくはメチルホスホネート修飾等のヌクレオチド間修飾の1種以上を含み得る。突出はリボ核酸、デオキシリボ核酸、又はリボ核酸及びデオキシリボ核酸の組み合わせであり得る。
【0054】
加えて、ヘアピンは5'末端ヌクレオチドにリン酸基をさらに含み得る。5'末端ヌクレオチドのリン酸化は、5'末端ヌクレオチドの糖部分の5'炭素に結合した1つ以上のリン酸基の存在を指す。Dicerプロセシング後アンチセンス鎖を形成する領域の5'末端にリン酸基が1つだけあることが好ましい。一例となる実施形態において、右巻きヘアピンは5'リン酸基を持たない5'末端(すなわちセンス領域のフリーの5'末端)を含み得るか、又はリン酸化を阻止するように修飾されているセンス領域のフリーの5'末端ヌクレオチドの5'炭素を有し得る。これは、リン酸化保護基(例えば5'-O-アルキル基)の付加、又は5'-OH官能基の除去(例えば5'末端ヌクレオチドが5'-デオキシヌクレオチドである)を含むがそれに限定されない様々な方法によって達成され得る。ヘアピンが左巻きヘアピンである場合、5'末端ヌクレオチドの5'炭素位はリン酸化されていることが好ましい。
【0055】
26塩基対より長いステム長を有するヘアピンはDicerによってプロセスされ得るが、mRNA分解を促進する、生成したsiRNA部分ではない部分がある。従ってセンスヌクレオチドを含み得る第1の領域及びアンチセンスヌクレオチドを含み得る第2の領域は、標的mRNAに相補的である(又は互いに少なくとも実質的に相補的である)が、標的mRNAと同一又は相補的であるか又はないヌクレオチドのストレッチも含み得る。shRNAのステムは突出を除いて相補的又は部分的に相補的なアンチセンス及びセンス鎖からなる一方、shRNAは以下も含み得る:(1) 最終的なDicer切断部位から遠位にある分子の部分が、標的mRNAに実質的に相補的な/相同な領域を含む;並びに(2) Dicer切断部位から近位にあるステムの領域(すなわちループに隣接する領域)が、標的mRNAと無関係であるか又は部分的にのみ関係がある(例えば相補的/相同である)。この第2の領域のヌクレオチド成分は、熱力学的特徴又は特性を含むがそれに限定されない多くのパラメーターに基づいて選択することができる。
【0056】
修飾されたshRNAは、Dicerによりプロセスされた後の二重鎖において修飾を保持し得る。例となる実施形態において、ヘアピンが分子の3'末端に2〜6ヌクレオチド突出を含む右巻きヘアピン(例えば5'-S-ループ-AS-3')である場合、2'-O-メチル修飾がヘアピンの5'末端で2位、1及び2位、又は1、2、及び3位のヌクレオチドに付加され得る。また、この構造を持つヘアピンのDicerプロセシングは、センス鎖の5'末端を損なわれないまま保持することができ、従ってDicerによりプロセスされた後の二重鎖において化学修飾パターンを保存する。規定された修飾パターンを含む平滑末端分子は、2'修飾を持つヌクレオチドが除去されるようにDicerによってさらにプロセスされ得るため、この構造における3'突出の存在は特に有利であり得る。3'突出が存在し/保持される場合、センス-修飾ヌクレオチドを有する生成した二重鎖は、サイレンシング特異性及び機能性に関して非常に有利な特徴を有し得る。典型的な修飾パターンの例は、米国特許出願公開第20050223427号並びに国際公開第WO 2004/090105号及び同第WO 2005/078094号に詳細に記述され、各開示は参照により全体が本明細書に援用される。
【0057】
shRNAはランダムに、又は任意の論理的設計選択手法に従い選択された配列を含んでよい。例えば、論理的設計アルゴリズムは国際公開第WO 2004/045543号及び米国特許出願公開第20050255487号に記述され、これらの開示は参照により全体が本明細書に援用される。さらに、細胞機構によるアクセス又はプロセシングを促進し得る平均内部安定プロファイル(「AISP」)又は局所内部安定プロファイル(「RISP」)に基づいて、全体的又は部分的に配列を選択することが望ましいであろう。
【0058】
リボザイムは、mRNAの特異的切断を触媒し、それにより翻訳を阻止することができる酵素的RNA分子である。(概要は、Rossi, Current Biology, 4:469-471 (1994)を参照)。リボザイム作用機序は、リボザイム分子の、相補的な標的RNAへの配列特異的ハイブリダイゼイション、それに続くエンドヌクレアーゼによる切断を含む。リボザイム分子は、(1) 標的mRNAに相補的な1つ以上の配列、並びに(2) mRNA切断を担う周知な触媒配列又は機能的に等価な配列を含むことが好ましい(例えば米国特許第5,093,246号を参照、これは参照により全体が本明細書に援用される)。
【0059】
部位特異的認識配列でmRNAを切断するリボザイムは標的mRNAを分解するために使用され得るが、代わりにハンマーヘッドリボザイムが使用されてよい。ハンマーヘッドリボザイムは、標的mRNAと相補的塩基対を形成する隣接領域によって指示される位置でmRNAを切断する。標的mRNAは以下の2塩基の配列を有することが好ましい:5'-UG-3'。ハンマーヘッドリボザイムの構築及び生成は当技術分野で周知であり、Haseloff and Gerlach, Nature, 334:585-591 (1988);及び国際公開第WO 89/05852号に、より完全に記述され、これらの内容は参照により全体が本明細書に援用される。
【0060】
遺伝子標的化リボザイムは、それぞれが少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20の連続するヌクレオチドである、標的mRNAの2つの領域(両方が同じ長さである必要はない)に相補的なハイブリダイジング領域を含み得る。
【0061】
ハンマーヘッドリボザイム配列は、in vivoで切断効率を上げるためトランスファーRNA(tRNA)等の安定なRNAに組み込まれ得る(Perrimanら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92:6175-79 (1995); de Feyter and Gaudron, Methods in Molecular Biology, Vol. 74, Chapter 43, “Expressing Ribozymes in Plants,” Turner, P. C. (編), Humana Press Inc., Totowa, N.J.)。特に、RNAポリメラーゼIIIが媒介する、tRNA融合リボザイムの発現は当技術分野で周知である(Kawasakiら、Nature, 393:284-9 (1998); Kuwabaraら、Nature Biotechnol., 16:961-5 (1998); 及びKuwabaraら、Mol. Cell, 2:617-27 (1998); Kosekiら、J. Virol., 73:1868-77 (1999); Kuwabaraら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96:1886-91 (1999); Tanabeら、Nature, 406:473-4 (2000)を参照)。典型的に、任意の標的cDNA配列内に多くの潜在的なハンマーヘッドリボザイム切断部位がある。効率を増加させ、非機能性mRNA転写産物の細胞内蓄積を最小限にするために、切断認識部位が標的mRNAの5'末端付近に位置するように、リボザイムを設計することが好ましい。さらに、標的mRNAの異なる部分をコードする標的配列に位置する切断認識部位の使用は、1つ又はその他の標的遺伝子の選択的標的化を許容するであろう。
【0062】
本発明の方法で使用するためのリボザイムはまた、Tetrahymena thermophilaにおいて天然に存在するもの(IVS、又はL-19 IVS RNAとして知られる)、並びにZaugら、Science, 224:574-578 (1984); Zaugら、Science, 231:470-475 (1986); Zaugら、Nature, 324:429-433 (1986); 国際公開第WO 88/04300号;及びBeenら、Cell, 47:207-216 (1986)に広く記述されたもの等のRNAエンドリボヌクレアーゼ(「Cech型リボザイム」)も含む。Cech型リボザイムは、標的RNA配列にハイブリダイズし、その後標的RNAの切断が起こる8塩基対の活性部位を有する。一実施形態において、本発明の方法は、標的遺伝子又は核酸配列に存在する8塩基対の活性部位配列を標的とするCech型リボザイムを用いる。
【0063】
リボザイムは(例えば安定化、標的化等の改善のため)修飾されたオリゴヌクレオチドから成ることができ、並びに化学的に合成されるか、若しくは発現ベクターを介して生成することができる。アンチセンス分子とは異なりリボザイムは触媒性であるため、効率よく機能するために、より低い細胞内濃度が必要とされる。さらに、一部の実施形態において、リボザイムは、まずRNAiによる有効なノックダウンを引き起こすのに十分な配列部分を特定することによって、設計され得る。次いで、同じ配列の部分がリボザイムに組み込まれ得る。
【0064】
或いは、標的遺伝子発現は、遺伝子の制御領域(すなわちプロモーター及び/又はエンハンサー)に相補的なデオキシリボヌクレオチド配列を標的とし、体内の標的細胞において遺伝子の転写を阻止する三重らせん構造を形成させることによって減少させることができる。(一般にHelene, C., Anticancer Drug Des., 6:569-84 (1991); Heleneら、Ann. N.Y. Acad. Sci., 660:27-36 (1992); 及びMaher, L. J., Bioassays, 14:807-15 (1992)を参照)。
【0065】
転写阻害のための三重らせん形成で使用される核酸分子は、一本鎖であり、且つデオキシリボヌクレオチドから成ることが好ましい。これらのオリゴヌクレオチドの塩基組成は、一般にプリン又はピリミジンの一方の相当な長さのストレッチが二重鎖の1つの鎖に存在することを必要とするHoogsteen塩基対規則によって三重らせん形成を促進するはずである。ヌクレオチド配列はピリミジンに基づいてよく、これは生成した三重らせんの、結合した3つの鎖に渡ってTAT及びCGCトリプレットを生じる。ピリミジンリッチな分子は、その鎖に平行に配向する二重鎖の1つの鎖のプリンリッチな領域に対する塩基相補性を提供する。さらに、例えばG残基のストレッチを含むプリンリッチな核酸分子が選択され得る。これらの分子はGC対がリッチなDNA二重鎖と三重らせんを形成し、ここで大部分のプリン残基は標的二重鎖の1つの鎖に存在し、その結果三重鎖中の3つの鎖に渡るCGCトリプレットを生じる。
【0066】
或いは、三重らせん形成のために標的化され得る標的配列は、いわゆる「スイッチバック」核酸分子を作製することによって増加し得る。スイッチバック分子は、交互の5'-3'、3'-5'様式で合成されることにより、まず二重鎖の一方の鎖と、次いで他方と塩基対合し、プリン又はピリミジンの一方の相当の長さのストレッチが二重鎖の一方に存在する必要性を排除する。
【0067】
或いは、スクレロスチン遺伝子等の標的遺伝子の発現を阻害するために、DNA酵素を使用してよい。DNA酵素は、アンチセンス及びリボザイム技術の両者の機構的特徴の一部を取り入れる。DNA酵素は、アンチセンスオリゴヌクレオチドと同様に、特定の標的核酸配列を認識するように設計される。しかし、それらは触媒性でもあり、標的核酸を特異的に切断する。
【0068】
DNA酵素は、Santoro and Joyceによって同定された2つの基本型を含む(例えば米国特許第6,110,462号を参照)。10-23 DNA酵素は2つのアームをつなぐループ構造を含む。2つのアームは特定の標的核酸配列を認識することによって特異性を提供し、一方でループ構造は生理的条件下で触媒機能を提供する。
【0069】
固有の又は実質的に固有の配列は、G/Cリッチなおよそ18〜22ヌクレオチドであることが好ましい。高G/C含量は、DNA酵素及び標的配列間のより強い相互作用を保障することに役立つ。酵素をメッセージへ標的化する特異的なアンチセンス認識配列は、DNA酵素の2つのアーム間で分割されてよい。
【0070】
DNA酵素を作製し投与する方法は、例えば米国特許第6,110,462号に見出すことができる。さらに、アンチセンスオリゴヌクレオチドのように、安定性を改善し分解耐性を改善するために、場合によってDNA酵素が修飾され得ることを当業者は認めるであろう。
【0071】
阻害性オリゴヌクレオチドは、直接投与され得るか、又はウイルスベクター若しくはプラスミドを含むベクターを介したトランスフォーメーション若しくはトランスフェクションにより細胞へ送達され得る。これらのベクターには、プロモーターを含む適切な制御配列と共に阻害性オリゴヌクレオチドをコードするDNAが配置され、所望の細胞で阻害性オリゴヌクレオチドの発現をもたらす。既知の方法には、標準的な一過的トランスフェクション、安定なトランスフェクション及びレトロウイルスからアデノウイルスに渡るウイルスを用いた送達が含まれる。複製するベクター又は複製欠損ベクターによる核酸阻害剤の送達が意図される。発現はまた、構成的又は誘導性いずれかのプロモーターシステムによっても促進され得る(Paddisonら、Methods Mol. Biol., 265:85-100 (2004))。他の実施形態において、組織又は発生特異的プロモーターの制御下で発現され得る。
【0072】
例えば、ベクターは、Lipofectamine 2000(Life Technologies)又はOligofectamine(Life Technologies)等のキャリアー組成物を用いたトランスフェクションによって導入され得る。トランスフェクション効率は、哺乳類細胞系統についてはhGFPをコードするpAD3の共トランスフェクション後、蛍光顕微鏡を用いて確認され得る(Kehlenbackら、J. Cell Biol., 141:863-74 (1998))。
【0073】
送達経路は、上記に記述される基準に従って測定される最良の阻害効果をもたらす経路であろう。カチオン性リポソームが媒介する送達、レトロウイルスベクターによる送達及び直接送達は効率がよい。
【0074】
阻害性オリゴヌクレオチドの効果は、存在するヒトスクレロスチンmRNAレベルを測定するための逆転写ポリメラーゼ連鎖反応若しくはノーザンブロット解析、又は新規タンパク質合成が抑制された後内在性プールが代謝回転するのに十分な時間の後における、ヒトスクレロスチンタンパク質を認識する抗体を用いたウェスタンブロット解析を含む多くのアッセイのいずれによっても、評価され得る。
【0075】
本発明の方法で使用するための特定のスクレロスチン阻害剤、例えばスクレロスチン結合剤の活性は、骨塩量又は骨密度の増加を検出する上記方法を含む様々な方法で測定され得る。スクレロスチン阻害剤が骨量を調節する能力は、体重又は他の方法を用いて算出され得る(Guinness-Hey, Metab. Bone Dis. Relat. Res., 5:177-181 (1984)を参照)。医薬組成物及び方法の、例えば骨減少、骨吸収、骨形成、骨強度、又は骨石灰化のパラメーターにおける効果を試験するために、動物及び特定の動物モデルが当技術分野において使用される。そのようなモデルの例には卵巣切除したラットモデルが含まれる(Kalu, Bone and Mineral, 15:175-192 (1991); Frost and Jee, Bone and Mineral, 18:227-236 (1992);及びJee and Yao, J. Musculoskel. Neuron. Interact., 1:193-207 (2001))。本明細書に記述されるスクレロスチン結合剤活性を測定する方法は、他のスクレロスチン阻害剤の効果を測定するためにも使用され得る。
【0076】
或いは、スクレロスチン阻害剤は、骨指標レベルを調節する能力に基づいて選択することができる。骨指標は、骨再構築過程中に生じる生成物であり、骨、骨芽細胞、及び/又は破骨細胞によって放出される。骨吸収及び/又は骨形成「指標」レベルの増減は、骨再構築/構築の変化を示唆する。国際骨粗しょう症財団(IOF)は骨密度治療をモニターするために骨指標を使用することを推奨する(例えばDelmasら、Osteoporos Int., Suppl. 6:S2-17 (2000)を参照、これは参照により本明細書に援用される)。骨吸収(又は破骨細胞活性)を示す指標には、例えばC-テロペプチド(例えば1型コラーゲンのC末端テロペプチド(CTX)又は血清架橋C-テロペプチド)、N-テロペプチド(1型コラーゲンのN末端テロペプチド(NTX))、デオキシピリジノリン(DPD)、ピリジノリン、尿中ヒドロキシプロリン、ガラクトシルヒドロキシリジン、及び酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(例えば血清酒石酸耐性酸性ホスファターゼアイソフォーム5b)が含まれる。骨形成/石灰化指標には、骨特異的アルカリホスファターゼ(BSAP)、I型プロコラーゲンのN及びC末端伸張部から放出されるペプチド(P1NP、PICP)、並びにオステオカルシン(OstCa)が含まれるが、それに限定されない。尿や血液等の臨床試料において指標を検出し定量するいくつかのキットが市販されている。
【0077】
本発明は以下の実施例においてさらに記述される。以下の実施例は本発明を説明する役割を果たすだけであって、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例1】
【0078】
この実施例はスクレロスチン阻害剤、すなわち抗スクレロスチンモノクローナル抗体(Scl-mAb)の骨治癒を亢進する能力を説明する。
【0079】
外部から固定した大腿骨骨切断モデル(Murnaghanら、Journal of Orthopaedic Research, 23(3):625-631 (2005)及びConnollyら、Journal of Orthopaedic Research, 21:843-849 (2003)にさらに記述される)を使用して、マウスの骨折治癒における抗スクレロスチン抗体処理の効果を調べた。80匹のオスCD 1マウス(9週齢)について右大腿骨に骨切断を行った。全身麻酔及び無菌状態の下、マウスの左膝から大転子まで、剃った皮膚及び大腿筋膜を通して側方切開を行った。広筋及び膝腱の間の面を鈍的切開により開き、大腿骨を露出させた。4つの両皮質(bicortical)ピンホールをドリルで開け、大腿骨の低エネルギー中央骨幹(middiaphyseal)骨切断を行った。内側の2つのピンホール間の横断骨切断を正確に中央にするように、特注の穴あけ用治具及び手のこぎりを使用した。4本のピンの、片側、単一面、小型外部固定具を用いて、骨折を安定化した。大腿筋膜及び皮膚をポリグラクチン吸収性縫合糸で閉じた。手術後、マウスに溶媒、ヒト副甲状腺ホルモン-(1-34) [PTH]、又は抗スクレロスチンモノクローナル抗体(Scl-mAb)を以下のように皮下注射した:生理食塩水溶媒(体重当たり5μl/g)、週2回(群1);PTH(40μg/kg)、4週間に渡り週5回(群2);Scl-mAb(25 mg/kg)、最初の1週間のみ週2回(群3);及びScl-mAb(25 mg/kg)、4週間に渡り週2回(群4)。
【0080】
全ての動物は4週の終わりまでに安楽死させた。処理の生物学的効果を、週1回のX線解析及び機械的試験によってモニターした。各被験体の両大腿骨を機械的試験のために摘出した。大腿骨の骨切断モデルは技術的に困難であるため、一部の大腿骨は位置を誤るか、又は不正確に配置されており、従ってその後の解析から除外した。全体で、溶媒処理群(群1)から10個の大腿骨、PTH処理群(群2)から14個の大腿骨、第1週処理群(群3)から15個の大腿骨、及び4週処理群(群4)から14個の大腿骨を、骨強度を得るための三点曲げ試験で使用した。
【0081】
骨折した大腿骨における機械的試験により、Scl-mAb処理による強度パラメーターの増加が明らかとなった。4週処理群(群4)において、最大荷重及び硬度は、溶媒のみを与えた群1に比べそれぞれ117%及び195%増加した(p<0.05)。群1、群2(PTH処理群)、及び群3(1週のみScl-mAb処理)の間で最大荷重及び硬度には有意な差はなかった。
【0082】
上記に記述される結果は、マウスの外部から固定した大腿骨骨切断モデルにおいて、抗スクレロスチン抗体を用いたスクレロスチンの阻害が、骨治癒を改善し、骨折部位の骨強度を増加させたことを実証する。
【実施例2】
【0083】
この実施例はin vivoで骨治癒を亢進するための本発明の方法の使用を説明する。
【0084】
閉鎖型大腿骨骨折モデル(Bonnarensら、J Orthop. Res., 2:97-101 (1984)及びLiら、J Bone Miner. Res., 18(11):2033-42 (2003)にさらに記述される)を使用して、ラットの骨折治癒におけるScl-mAb(スクレロスチン結合剤)処理の効果を調べた。オスSDラット(9週齢)の大腿骨に、標準的な閉鎖型中央骨幹骨折を生じさせた。簡潔に言うと、麻酔後、ピン(直径1.8 mm)を右大腿骨の髄管に導入し、落下重量により駆動される鋭利でないギロチンからなる装置を用いて、中央骨幹骨折を生じさせた。手術後、生理食塩水溶媒(体重当たり1μl/g)を2週間に渡り週2回(群1)若しくは4週間に渡り週2回(群2);Scl-mAb(25 mg/kg)を2週間に渡り週2回(群3);Scl-mAb(25 mg/kg)を2週間に渡り週2回(群4);又はScl-mAb(25 mg/kg)を4週間に渡り週2回(群5)ラットに皮下注射した。群3の被験体は2週の終わりに安楽死させた。群4及び5の被験体は4週後に安楽死させた。
【0085】
処理方法の生物学的反応を、週1回X線解析によってモニターした。両大腿骨を機械的試験のために摘出した。閉鎖型大腿骨骨折モデルは技術的に困難であるため、一部の大腿骨は位置を誤るか、又は不正確に配置されており、従ってその後の解析から除外した。全体で、群1の溶媒処理被験体から8個の大腿骨及び群3から8個のScl-mAb処理大腿骨が強度試験に適すると考えられた。群2の被験体から11個の大腿骨、群5の被験体から11個の大腿骨、及び群4の被験体(すなわち「オン/オフ処理群」)から10個の大腿骨が強度試験に適すると考えられた。
【0086】
骨折した大腿骨の機械的試験により、Scl-mAb処理による強度パラメーターの増加が明らかとなった。2週で、Scl-mAb処理群(群3)において、最大荷重及び硬度は、溶媒処理群(群1)に比べそれぞれ34%及び39%増加した。4週で、オン/オフ処理群(群4)において、骨折した大腿骨の最大荷重及び硬度は、対応する溶媒処理群(群2)に比べそれぞれ105%及び110%有意に増加した。同様に、4週間Scl-mAbを投与した被験体(群5)において、骨折した大腿骨の最大荷重及び硬度は、溶媒処理群(群2)に比べそれぞれ54%及び70%増加した。
【0087】
この実施例の結果は、閉鎖型大腿骨骨折ラットモデルにおいて、Scl-mAb、スクレロスチン結合剤の投与が、骨治癒を改善し、骨折した大腿骨の骨強度を増加させたことを実証する。
【実施例3】
【0088】
この実施例は、霊長類において骨治癒を亢進するためのスクレロスチン阻害剤、すなわち抗スクレロスチン抗体の使用を説明する。
【0089】
非ヒト霊長類は、生体構造、皮質骨再構築、及び治癒の時間経過が類似するために、人の骨折治癒の優れたモデルを提供する。カニクイザル及びヒヒにおいて治療薬の骨折治癒における効果を調べるため、安定化腓骨骨切断モデル(Seehermanら、J Bone Joint Surg. Am., 86:1961-1972 (2004); Seehermanら、J Bone Joint Surg. Am., 88:144-160 (2006), 及びRadomskyら、Journal of Orthopaedic Research, 17:607-614 (1999)にさらに記述される)が使用されてきた。腓骨骨切断モデルは外傷が最小限であり、常に既知の時間枠で治癒し、両方に(両腓骨に)行うことができる。このモデルを使用して、若いオスのカニクイザルにおいて10週間に渡りScl-mAbの骨折治癒における効果を調べた。
【0090】
44匹のオスのカニクイザル(4〜5歳)に両腓骨骨切断を行った。簡潔に言うと、腓骨骨幹部を通して単一横断骨切断を行い、髄管に骨幹部から腓骨の遠位面までKirschnerワイヤーを挿入した。両断した腓骨を再配置し、骨切断を安定化するため近位半分を通して逆行的に髄内のピンを挿入した。手術後、10週間に渡り隔週で溶媒又はScl-mAb(25 mg/kg)を動物に皮下注射した。Scl-mAbの薬理学的効果は、隔週の血清生体指標、並びに基準値、6週、及び10週における二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)及び末梢骨定量的コンピュータトモグラフィー(pQCT)による密度測定によってモニターした。骨折治癒における効果は、一匹のサルにつき一本の腓骨についてpQCT及びねじり試験によりex vivoで評価した。
【0091】
骨形成指標オステオカルシンは、Scl-mAb処理被験体において、溶媒処理被験体に比べて実験期間を通して有意に増加し(2、4、6、8、及び10週においてp<0.05)、2週で50%の最大増加を示した。骨形成指標P1NPも、Scl-mAb処理によって、溶媒のみを与えた対照動物に比べ有意に増加し(2、4、及び10週においてp<0.05)、2週で62%の最大増加を示した。手術後10週において、Scl-mAb処理は、腰椎骨塩密度の基準値からの%変化を、溶媒処理被験体で測定される値に比べ有意に増加させた(平均±標準誤差;Scl-mAb:16.6±1.2%、溶媒:4.4±0.5%)。pQCTにより測定されるように、橈骨骨幹における皮質配置も、Scl-mAb処理によってよい影響を受けた。骨膜周囲長における基準値からの%変化は、溶媒処理被験体における2.5%(±0.3)からScl-mAb処理被験体における4.1%(±0.4)へと増加した。
【0092】
全体で、16匹の溶媒処理被験体の腓骨及び12個のScl-mAb処理腓骨がex vivo pQCTスキャニング及び強度試験に適すると考えられた。末梢骨QCTによって、Scl-mAb処理群では、総仮骨量において、溶媒処理群と比べ23%の有意な増加が明らかとなったのに対し(p<0.05)、総仮骨面積は20%非有意に増加した(p=0.09)。仮骨は、骨塩密度を閾値として、仮骨成熟の進展を反映する高密度領域(「硬仮骨」)を低密度領域(「軟仮骨」)から分けた。Scl-mAb処理被験体において、硬仮骨面積及び骨塩量(BMC)は、溶媒処理対照と比べそれぞれ26%及び29%有意に増加したのに対し、軟仮骨面積及び付随するBMCは変化しなかった。
【0093】
ねじり強度試験及びX線を、生体力学における独立した専門家による盲検査に供した。溶媒処理群から4つのさらなる試験が除外され、その結果、各群につき12個の腓骨を強度パラメーターについて試験した。骨折した腓骨の破壊的ねじり試験により、Scl-mAb処理による強度パラメーターの増加が明らかとなった。ねじり硬度は、Scl-mAb処理群において、対照と比べて48%有意に増加したのに対し(p<0.05)、最大トルク(+32%、p=0.07)及びエネルギー(+38%、p=0.12)は非有意に増加した。
【0094】
これらの結果は、抗スクレロスチンモノクローナル抗体が、霊長類の骨切断モデルにおいて骨治癒を改善したことを明らかにする。若いオスザルにおいて、スクレロスチン結合剤、Scl-mAbの隔週の皮下注射は、骨形成指標の増加により示されるように骨形成を増加させ、その結果、骨密度の増加及び皮質配置の改善をもたらした。この実施例は、骨切断後10週の骨折した腓骨仮骨の骨量及びねじり硬度の増加における、本発明の方法の効果を実証する。
【0095】
特許、特許出願、公表文献等を含む、本明細書に引用される全ての参考文献は参照により全体が本明細書に援用される。
【0096】
本発明は好ましい実施形態を強調して記述されたが、好ましい化合物及び方法の変形が使用され得ること、並びに本明細書に特に記述されたのと別の方法で本発明を実施することが意図されることは当業者には明らかである。従って、本発明は以下の特許請求の範囲により規定される本発明の思想と範囲に含まれるあらゆる変更を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクレロスチン結合剤を約0.5 mg/kg〜約10 mg/kgの治療上有効量で被験体に投与することを含み、骨折から2週以内に始まり少なくとも2週に渡る治療期間中、1回以上該スクレロスチン結合剤の投与が実施される、被験体の骨折を治療する方法。
【請求項2】
治療期間が約4週に渡る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
治療期間が約8週に渡る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
治療期間が4週以下に渡る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
治療期間が2週に渡る、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
薬剤が約0.5 mg/kg〜約2.5 mg/kgの量でスクレロスチン結合剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
スクレロスチン結合剤が約1 mg/kg〜約2 mg/kgの量で投与される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
スクレロスチン結合剤が週2回投与される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
スクレロスチン結合剤が抗体Ab-A、Ab-B、Ab-C、Ab-D、Ab-1、Ab-2、Ab-3、Ab-4、Ab-5、Ab-6、Ab-7、Ab-8、Ab-9、Ab-10、Ab-11、Ab-12、Ab-13、Ab-14、Ab-15、Ab-16、Ab-17、Ab-18、Ab-19、Ab-20、Ab-21、Ab-22、Ab-23、及びAb-24のうち少なくとも1つの、スクレロスチンへの結合を交差阻害する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
スクレロスチン結合剤が抗体Ab-A、Ab-B、Ab-C、Ab-D、Ab-1、Ab-2、Ab-3、Ab-4、Ab-5、Ab-6、Ab-7、Ab-8、Ab-9、Ab-10、Ab-11、Ab-12、Ab-13、Ab-14、Ab-15、Ab-16、Ab-17、Ab-18、Ab-19、Ab-20、Ab-21、Ab-22、Ab-23、及びAb-24のうち少なくとも1つによってスクレロスチンへの結合から交差阻害される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
スクレロスチン結合剤が、配列番号1のスクレロスチンに対して1 x 10-7 M以下の結合親和性を示す抗体又はそのフラグメントである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
抗体又はそのフラグメントが:a) 配列番号54、55、及び56のCDR配列並びに配列番号51、52、及び53のCDR配列; b) 配列番号60、61、及び62のCDR配列並びに配列番号57、58、及び59のCDR配列; c) 配列番号48、49、及び50のCDR配列並びに配列番号45、46、及び47のCDR配列; d) 配列番号42、43、及び44のCDR配列並びに配列番号39、40、及び41のCDR配列; e) 配列番号275、276、及び277のCDR配列並びに配列番号287、288、及び289のCDR配列; f) 配列番号278、279、及び280のCDR配列並びに配列番号290、291、及び292のCDR配列; g) 配列番号78、79、及び80のCDR配列並びに配列番号245、246、及び247のCDR配列; h) 配列番号81、99、及び100のCDR配列並びに配列番号248、249、及び250のCDR配列; i) 配列番号101、102、及び103のCDR配列並びに配列番号251、252、及び253のCDR配列; j) 配列番号104、105、及び106のCDR配列並びに配列番号254、255、及び256のCDR配列; k) 配列番号107、108、及び109のCDR配列並びに配列番号257、258、及び259のCDR配列; l) 配列番号110、111、及び112のCDR配列並びに配列番号260、261、及び262のCDR配列; m) 配列番号281、282、及び283のCDR配列並びに配列番号293、294、及び295のCDR配列; n) 配列番号113、114、及び115のCDR配列並びに配列番号263、264、及び265のCDR配列; o) 配列番号284、285、及び286のCDR配列並びに配列番号296、297、及び298のCDR配列; p) 配列番号116、237、及び238のCDR配列並びに配列番号266、267、及び268のCDR配列; q) 配列番号239、240、及び241のCDR配列並びに配列番号269、270、及び271のCDR配列; r) 配列番号242、243、及び244のCDR配列並びに配列番号272、273、及び274のCDR配列;或いはs) 配列番号351、352、及び353のCDR配列並びに配列番号358、359、及び360のCDR配列を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
抗体又はそのフラグメントが(a) CDR-H1が配列番号245、CDR-H2が配列番号246、CDR-H3が配列番号247、CDR-L1が配列番号78、CDR-L2が配列番号79及びCDR-L3が配列番号80である;或いは(b) CDR-H1が配列番号269、CDR-H2が配列番号270、CDR-H3が配列番号271、CDR-L1が配列番号239、CDR-L2が配列番号240及びCDR-L3が配列番号241である、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2及びCDR-L3を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
抗体がキメラ抗体である、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
抗体がヒト化抗体である、請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
抗体がヒト抗体である、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
約0.5 mg/kg〜約10 mg/kgの量で骨折を治療するための薬剤の製造におけるスクレロスチン結合剤の有効量の使用であって、骨折から2週以内に始まり少なくとも2週に渡る治療期間中、1回以上該薬剤の投与が実施される前記使用。
【請求項19】
治療期間が約4週に渡る、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
治療期間が約8週に渡る、請求項18に記載の使用。
【請求項21】
治療期間が4週以下に渡る、請求項18に記載の使用。
【請求項22】
治療期間が2週に渡る、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
薬剤がスクレロスチン結合剤を約0.5 mg/kg〜約2.5 mg/kgの量で含む、請求項18〜22のいずれか1項に記載の使用。
【請求項24】
薬剤がスクレロスチン結合剤を約1 mg/kg〜約2 mg/kgの量で含む、請求項18〜23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項25】
薬剤が週2回投与される、請求項18〜24のいずれか1項に記載の使用。
【請求項26】
スクレロスチン結合剤が抗体Ab-A、Ab-B、Ab-C、Ab-D、Ab-1、Ab-2、Ab-3、Ab-4、Ab-5、Ab-6、Ab-7、Ab-8、Ab-9、Ab-10、Ab-11、Ab-12、Ab-13、Ab-14、Ab-15、Ab-16、Ab-17、Ab-18、Ab-19、Ab-20、Ab-21、Ab-22、Ab-23、及びAb-24のうち少なくとも1つの、スクレロスチンへの結合を交差阻害する、請求項18〜25のいずれか1項に記載の使用。
【請求項27】
スクレロスチン結合剤が抗体Ab-A、Ab-B、Ab-C、Ab-D、Ab-1、Ab-2、Ab-3、Ab-4、Ab-5、Ab-6、Ab-7、Ab-8、Ab-9、Ab-10、Ab-11、Ab-12、Ab-13、Ab-14、Ab-15、Ab-16、Ab-17、Ab-18、Ab-19、Ab-20、Ab-21、Ab-22、Ab-23、及びAb-24のうち少なくとも1つによってスクレロスチンへの結合から交差阻害される、請求項18〜26のいずれか1項に記載の使用。
【請求項28】
スクレロスチン結合剤が、配列番号1のスクレロスチンに対して1 x 10-7 M以下の結合親和性を示す抗体又はそのフラグメントである、請求項18〜27のいずれか1項に記載の使用。
【請求項29】
抗体又はそのフラグメントが:a) 配列番号54、55、及び56のCDR配列並びに配列番号51、52、及び53のCDR配列; b) 配列番号60、61、及び62のCDR配列並びに配列番号57、58、及び59のCDR配列; c) 配列番号48、49、及び50のCDR配列並びに配列番号45、46、及び47のCDR配列; d) 配列番号42、43、及び44のCDR配列並びに配列番号39、40、及び41のCDR配列; e) 配列番号275、276、及び277のCDR配列並びに配列番号287、288、及び289のCDR配列; f) 配列番号278、279、及び280のCDR配列並びに配列番号290、291、及び292のCDR配列; g) 配列番号78、79、及び80のCDR配列並びに配列番号245、246、及び247のCDR配列; h) 配列番号81、99、及び100のCDR配列並びに配列番号248、249、及び250のCDR配列; i) 配列番号101、102、及び103のCDR配列並びに配列番号251、252、及び253のCDR配列; j) 配列番号104、105、及び106のCDR配列並びに配列番号254、255、及び256のCDR配列; k) 配列番号107、108、及び109のCDR配列並びに配列番号257、258、及び259のCDR配列; l) 配列番号110、111、及び112のCDR配列並びに配列番号260、261、及び262のCDR配列; m) 配列番号281、282、及び283のCDR配列並びに配列番号293、294、及び295のCDR配列; n) 配列番号113、114、及び115のCDR配列並びに配列番号263、264、及び265のCDR配列; o) 配列番号284、285、及び286のCDR配列並びに配列番号296、297、及び298のCDR配列; p) 配列番号116、237、及び238のCDR配列並びに配列番号266、267、及び268のCDR配列; q) 配列番号239、240、及び241のCDR配列並びに配列番号269、270、及び271のCDR配列; r) 配列番号242、243、及び244のCDR配列並びに配列番号272、273、及び274のCDR配列;或いはs) 配列番号351、352、及び353のCDR配列並びに配列番号358、359、及び360のCDR配列を含む、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
抗体又はそのフラグメントが(a) CDR-H1が配列番号245、CDR-H2が配列番号246、CDR-H3が配列番号247、CDR-L1が配列番号78、CDR-L2が配列番号79及びCDR-L3が配列番号80である;或いは(b) CDR-H1が配列番号269、CDR-H2が配列番号270、CDR-H3が配列番号271、CDR-L1が配列番号239、CDR-L2が配列番号240及びCDR-L3が配列番号241である、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2及びCDR-L3を含む、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項28〜30のいずれか1項に記載の使用。
【請求項32】
抗体がキメラ抗体である、請求項28〜31のいずれか1項に記載の使用。
【請求項33】
抗体がヒト化抗体である、請求項28〜32のいずれか1項に記載の使用。
【請求項34】
抗体がヒト抗体である、請求項28〜31のいずれか1項に記載の使用。

【公表番号】特表2011−506483(P2011−506483A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538229(P2010−538229)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/086864
【国際公開番号】WO2009/079471
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(500049716)アムジエン・インコーポレーテツド (237)
【Fターム(参考)】