説明

抗バクテリア・インドロン・オキサゾリジノン、その製造用中間体、及びそれを含有する医薬組成物

本発明は、式(I)の抗バクテリア剤、及びその製造用中間体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規2−オキソドールイル(又はインドール−2−オン)オキサゾリジノン、その誘導体、中間体、及びその製造に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
オキサゾリジノン抗バクテリア剤は、グラム陽性好気性バクテリア、例えば、多剤耐性スタフィロコッカス(staphylococci)及びストレプトコッカス(streptococci)、嫌気性生物、例えば、バクテロイド(bacteroides)及びクロストリジウム(clostridia)種、並びに抗酸性生物、例えば、マイコバクテリウム・チューバーキュローシス(Mycobacterium tuberculosis)及びマイクゴハクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)を含む、多数のヒト及び獣医学的病原体に対する有効な活性を有する新規合成クラスの抗バクテリア剤である。
【発明の開示】
【0003】
本発明の要約
1の局面においては、本発明は、
以下の式(I):
【化1】

{式中、Aは、以下の構造式(i)、(ii)、(iii)又は(iv):
【化2】

であり;ここで、式(iii)中の点線は、任意の2重結合を表し;
nは、0又は1であり;
Xは、O、S、NH、Nアルキル、NOH、又はNOアルキルであり;
Zは、NHC(=O)R1、NHC(=S)R1、C(=O)NHR1、C(=O)N(H)OH、NHC(=NCN)R1、NH−het1、O−het1、S−het1、又はhet2であり;
1は、H、NH2、NHC1-4アルキル、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、−(CH2mC(=O)C1−C4アルキル、OC1-4アルキル、SC1-4アルキル、(CH2m3-6シクロアルキル、CH=CH−アリール、CH=CH−het1、CH2C(=O)−アリール、又はCH2C(=O)−het1であり、上記アルキル、アリール又はhetは、それぞれ、場合により、置換アルキル、置換アリール又は置換hetであり;
2とR3は、独立に、H又はFであり;
4は、H、Cl、F、CH3、CF3、NH2、NO2又はCNであり;
5とR6は、独立に、H、アルキル、置換アルキル、−Sアルキル、−Oアルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヒドロキシ、アリール、又はハロであり;
7は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、C(=O)アルキル、C(=O)置換アルキル、アリール、アルケニル、置換アルケニル、het、置換het、又は置換アリールであり;
het1は、酸素、硫黄、及び窒素から選ばれる1〜4個の複素原子を含むC結合5又は6員複素環であり;
het2は、酸素、硫黄、及び窒素から選ばれる1〜4個の複素原子を含むN又はC結合5又は6員複素環であり;
各mは、独立に、0、1又は2である。}で表される化合物である。
【0004】
他の局面においては、本発明は、以下の式(II):
【化3】

{式中、R7は、1〜4炭素を有するアルキルであり;
Mは、NO2、NH2、NHC(O)OR8、又は以下の構造式(i):
【化4】

(ここで、R8は、1〜4炭素原子のアルキル又はベンジルである。)から成る群から選ばれる。}で表される化合物である。
【0005】
さらなる局面においては、本発明は、哺乳動物における微生物感染の治療用医薬の製造のための式(I)の化合物の使用に関する。上記医薬は、経口、非経口、経皮、又は表在局所的投与のために製造される。当該医薬は、約0.1〜約100mg/kg体重/日、より好ましくは、約1〜約50mg/kg体重/日の量で、式(I)の化合物を含みうる。例えば、当該医薬は、約0.1〜約1,000mg、例えば、約0.1〜約500mgの式(I)の化合物を含みうる。
【0006】
さらなる他の局面においては、本発明は、式(I)の化合物と医薬として許容される担体を含む医薬組成物に関する。
有利には、本発明の化合物は、強力な抗バクテリア活性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
発明の詳細な説明
以下の定義を、別段の定めなき限り、使用する。
各種炭化水素含有成分の炭素原子含有量は、当該成分中の炭素原子の最小及び最大数を示すプレフィックスにより示される、すなわち、プレフィックスCi-jは、整数「i」〜整数「j」個(含む)の炭素原子を有する成分を示す。したがって例えば、C1-7アルキルは、1〜7個(含む)の炭素原子を有するアルキルを指す。
【0008】
用語「ハロ」は、Cl、Br、I、及びFから選ばれるハロゲン原子を指す。
用語「アルキル」は、直鎖成分と分枝成分の両者を指す。別段の定めなき限り、アルキル成分は、1〜6個の炭素原子を含む。
【0009】
用語「アルケニル」とは、少なくとも1個の−C=C−を含む直鎖成分と分枝成分の両者をいう。別段の定めなき限り、アルケニル成分は、1〜6個の炭素原子を含む。
用語「アルキニル」とは、少なくとも1個の−C≡C−を含む直鎖成分と分枝成分の両者をいう。別段の定めなき限り、アルキニル成分は、1〜6個の炭素原子を含む。
【0010】
用語「アルコキシ」とは、−O−アルキル基をいう。
用語「シクロアルキル」とは、環状アルキル成分をいう。特段の定めなき限り、シクロアルキル成分は、3〜7個の炭素原子を含むであろう。
用語「シクロアルケニル」とは、環状アルケニル成分をいう。別段の定めなき限り、シクロアルケニル成分は、3〜7個の炭素原子を、そして当該環内に少なくとも1個の−C=C−基を含むであろう。
【0011】
用語「アミノ」とは、−NH2をいう。
用語「アリール」とは、フェニル及びナフチルをいう。
用語「het」とは、0、S、及びNから選ばれる少なくとも1個の複素原子を含む単又は2環系をいう。各単環は、芳香族、飽和、又は部分飽和でありうる。2環系は、シクロアルキル又はアリール基と縮合した少なくとも1個の複素原子を含む単環を含みうる。2環系は、他のhet単環系と縮合した少なくとも1個の複素原子を含む単環を含んでもよい。用語「het」は、het1、het2、及び本明細書中に記載する複素シクロアルキルを包含する。
【0012】
「het」の例は、非制限的に、ピリジン、チオフェン、フラン、ピラゾリン、ピリミジン、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、3−ピリミジニル、4−ピリミジニル、3−ピラジニル、4−オキソ−2−イミダゾールイル、2−イミダゾールイル、4−イミダゾールイル、3−イソキサゾールイル、4−イソキサゾールイル、5−イソキサゾールイル、3−ピラゾールイル、4−ピラゾールイル、5−ピラゾールイル、2−オキサゾールイル、4−オキサゾールイル、4−オキソ−2−オキサゾールイル、5−オキサゾールイル、1,2,3−オキサチアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、2−チアゾールイル、4−チアゾールイル、5−チアゾールイル、3−イソチアゾール、4−イソチアゾール、5−イソチアゾール、2−フラニル、3−フラニル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロールイル、3−ピロールイル、3−イソピロールイル、4−イソピロールイル、5−イソピロールイル、1,2,3−オキサチアゾール−1−オキシド、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−イル、3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−5−イル、2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イル、1,2,3,4−テトラゾール−5−イル、5−オキサゾールイル、3−イソチアゾールイル、4−イソチアゾールイル、5−イソチアゾールイル、1,3,4−オキサジアゾール、4−オキソ−2−チアゾリニル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、チアゾールジオン、1,2,3,4−チアトリアゾール、1,2,4−ジチアゾロン、フタリミド、キノリニル、モルホリニル、ベンゾキサゾイル、ジアジニル、トリアジニル、キノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ヒダントイニル、オキサチオラニル、ジオキソラニル、イミダゾリジニル、及びアザビシクロ[2.2.1]ペプチルを含む。
【0013】
用語「ヘテロアリール」とは、芳香族hetをいい、その例は、非制限的に、ピリジン及びチオフェンを含む。
用語「置換アルキル」とは、ハロ、het、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、−OQ10、−SQ10、−S(O)Q10、−S(O)Q10、−OS(O)210、−C(=NQ10)Q10、−C(=NOQ10)Q10、−SC(O)Q10、−NQ1010、−C(O)Q10、−C(S)Q10、−C(O)OQ10、−OC(O)Q10、−C(O)NQ1010、−C(O)C(Q162OC(O)Q10、−CN、=O、=S、−NQ10C(O)Q10、−NQ10C(O)NQ1010、−S(O)2NQ1010、−NQ10S(O)210、−NQ10S(O)Q10、−NQ10SQ10、−NO2、及び−SNQ1010から選ばれる1〜4個の置換基を含むアルキル成分をいう。
【0014】
上記het、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールの各々は、場合により、ハロ及びQ15から独立に選ばれる1〜4個の置換基により、置換されうる。
【0015】
用語「置換アリール」とは、−OQ10、−SQ10、−S(O)210、−S(O)Q10、−OS(O)210、−C(=NQ10)Q10、−SC(O)Q10、−NQ1010、−C(O)Q10、−C(S)Q10、−C(O)OQ10、−OC(O)Q10、−C(O)NQ1010、−C(O)C(Q162OC(O)Q10、−CN、−NQ10C(O)Q10、−NQ10C(O)NQ1010、−S(O)2NQ1010、−NQ10S(O)210、−NQ10S(O)Q10、−NQ10SQ10、−NO2、−SNQ1010、アルキル、置換アルキル、het、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールから選ばれる1〜3個の置換基をもつアリール成分をいう。上記het、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールは、ハロ及びQ15から選ばれる1〜3個の置換基により場合により置換されうる。
【0016】
用語「置換het」とは、−OQ10、−SQ10、−S(O)210、−S(O)Q10、−OS(O)210、−C(=NQ10)Q10、−C(=NOQ10)Q10、−SC(O)Q10、−NQ1010、−C(O)Q10、−C(S)Q10、−C(O)OQ10、−OC(O)Q10、−C(O)NQ1010、−C(O)C(Q162OC(O)Q10、−CN、−NQ10C(O)Q10、−NQ10C(O)NQ1010、−S(O)2NQ1010、−NQ10S(O)210、−NQ10S(O)Q10、−NQ10SQ10、−NO2、−SNQ1010、アルキル、置換アルキル、het、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールから選ばれる1〜4個の置換基を含むhet成分をいう。上記置換hetは、1個以上の=S又は=Sにより置換されることもできる。但し、当該O又はSは、環原子とO又はSの間の2重結合を支持することができる環原子に結合される。上記het、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールは、ハロ及びQ15から選ばれる1〜3個の置換基により場合により置換されうる。
【0017】
用語「置換アルケニル」とは、−OQ10、−SQ10、−S(O)210、−S(O)Q10、−OS(O)210、−C(=NQ10)Q10、−C(=NOQ10)Q10、−SC(O)Q10、−NQ1010、−C(O)Q10、−C(S)Q10、−C(O)OQ10、−OC(O)Q10、−C(O)NQ1010、−C(O)C(Q162OC(O)Q10、−CN、=O、=S、−NQ10C(O)Q10、−NQ10C(O)NQ1010、−S(O)2NQ1010、−NQ10S(O)210、−NQ10S(O)Q10、−NQ10SQ10、−NO2、−SNQ1010、アルキル、置換アルキル、het、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールから選ばれる1〜3個の置換基を含むアルケニル成分をいう。上記het、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールは、ハロ及びQ15から選ばれる1〜3個の置換基で場合により置換されうる。
【0018】
用語「置換アルコキシ」とは、−OQ10、−SQ10、−S(O)210、−S(O)Q10、−OS(O)210、−C(=NQ10)Q10、−SC(O)Q10、−NQ1010、−C(O)Q10、−C(S)Q10、−C(O)OQ10、−OC(O)Q10、−C(O)NQ1010、−C(O)C(Q162OC(O)Q10、−CN、=O、=S、−NQ10C(O)Q10、−NQ10C(O)NQ1010、−S(O)2NQ1010、−NQ10S(O)210、−NQ10S(O)Q10、−NQ10SQ10、−NO2、−SNQ1010、アルキル、置換アルキル、het、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールから選ばれる1〜3個の置換基を含むアルコキシ成分をいう。上記het、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールは、ハロ及びQ15から選ばれる1〜3個の置換基で場合により置換されうる。
【0019】
用語「置換シクロアルケニル」とは、−OQ10、−SQ10、−S(O)210、−S(O)Q10、−OS(O)210、−C(=NQ10)Q10、−SC(O)Q10、−NQ1010、−C(O)Q10、−C(S)Q10、−C(O)OQ10、−OC(O)Q10、−C(O)NQ1010、−C(O)C(Q162OC(O)Q10、−CN、=O、=S、−NQ10C(O)Q10、−NQ10C(O)NQ1010、−S(O)2NQ1010、−NQ10S(O)210、−NQ10S(O)Q10、−NQ10SQ10、−NO2、−SNQ1010、アルキル、置換アルキル、het、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールから選ばれる1〜3個の置換基を含むシクロアルケニル成分をいう。上記het、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールは、ハロ及びQ15から選ばれる1〜3個の置換基により場合により置換されうる。
【0020】
用語「置換アミノ」とは、アミノ水素の内の1又は両者が、−OQ10、−SQ10、−S(O)210、−S(O)Q10、−OS(O)210、−C(O)Q10、−C(S)Q10、−C(O)OQ10、−OC(O)Q10、−C(O)NQ1010、−C(O)C(Q162OC(O)Q10、−CN、アルキル、置換アルキル、het、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールから選ばれる基で置換されるところのアミノ成分をいう。上記het、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールは、ハロ及びQ15から選ばれる1〜3個の置換基で場合により置換されうる。
【0021】
各Q10は、独立に、−H、アルキル、シクロアルキル、het、シクロアルケニル、及びアリールから選ばれる。上記het、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリールは、ハロ及びQ13から選ばれる1〜3個の置換基により場合により置換されうる。
【0022】
各Q11は、独立に、−H、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、及びhetから選ばれる。上記アルキル、シクロアルキル、及びhetは、ハロ、−NO2、−CN、=S、=O、及びQ14から独立に選ばれる1〜3個の置換基により場合により置換されうる。上記アリールは、ハロ、−NO2、−CN、及びQ14から独立に選ばれる1〜3個の置換基により場合により置換されうる。
【0023】
各Q13は、Q11、−OQ11、−SQ11、−S(O)211、−S(O)Q11、−OS(O)211、−C(=NQ11)Q11、−SC(O)Q11、−NQ1111、−C(O)Q11、−C(S)Q11、−C(O)OQ11、−OC(O)Q11、−C(O)NQ1111、−C(O)C(Q162OC(O)Q10、−CN、=O、=S、−NQ11C(O)Q11、−NQ11C(O)NQ1111、−S(O)2NQ1111、−NQ11S(O)211、−NQ11S(O)Q11、−NQ11SQ11、−NO2、及び−SNQ1111から独立に選ばれる。但し、Q10がアリール、又はO若しくはSと2重結合を形成することができる原子を欠くhetである場合には、Q13は=O又は=Sではない。
【0024】
各Q14は、−Hであるか、又はアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、又はナフチルから選ばれる置換基であり、各々は、場合により、−F、−Cl、−Br、−I、−OQ16、−SO16、−S(O)216、−S(O)Q16、−OS(O)216、−NQ1616、−C(O)Q16、−C(S)Q16、−C(O)OQ16、−NO2、−C(O)NQ1616、−CN、−NQ16C(O)Q16、−NQ16C(O)NQ1616、−S(O)2NQ1616、及び−NQ16S(O)216から独立に選ばれる1〜4個の置換基により置換される。上記アルキル、シクロアルキル、及びシクロアルケニルは、=O又は=Sでさらに置換されうる。
【0025】
各Q15は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、het、フェニル、又はナフチルであり、各々は、場合により、−F、−Cl、−Br、−I、−OQ16、−SO16、−S(O)216、−S(O)Q16、−OS(O)216、−C(=NQ16)Q16、−SC(O)Q16、−NQ1616、−C(O)Q16、−C(S)Q16、−C(O)OQ16、−OC(O)Q16、−C(O)NQ1616、−C(O)C(Q162OC(O)Q16、−CN、−NQ16C(O)Q16、−NQ16C(O)NQ1616、−S(O)2NQ1616、−NQ16S(O)216、−NQ16S(O)Q16、−NQ16SQ16、−NO2、及び−SNQ1616から独立に選ばれる1〜4個の置換基で置換される。上記アルキル、シクロアルキル、及びシクロアルケニルは、=O又は=Sでさらに置換されうる。
【0026】
各Q16は、独立に、−H、アルキル、及びシクロアルキルから選択される。上記アルキルとシクロアルキルは、場合により、1〜3個のハロを含みうる。
【0027】
哺乳動物とは、ヒト又は動物をいう。
【0028】
本発明の化合物は、IUPAC又はCAS命名法に従って一般に命名される。当業者に周知な略号は使用されうる(例えば、「Ph」はフェニル、「Me」はメチル、「Et」はエチル、「O」は酸素原子、「S」は硫黄原子、「N」は窒素原子、「h」は時間、そして「rt」は室温を意味する)。
【0029】
本発明の化合物は、適宜、慣用法に従って、それらの塩に変換されうる。
【0030】
用語「医薬として許容される塩」とは、本発明の化合物を投与するために有用な酸付加塩をいい、そして塩化水素塩、臭化水素塩、ヨウ化水素塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、メシル酸(mesylate)、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、スルホン酸、2−ヒドロキシエチル、フマル酸、その他を含む。上記塩は、水和型でありうる。
【0031】
本発明の式(I)の化合物は、例えば、オキサゾリジノン環のC−5において、キラル中心を含み、そしてそれゆえ、2つのエナンチオマー又は両者のラセミ混合物が存在する。本発明は、本明細書中に記載する有用な特性を有する両エナンチオマーと、上記異性体の両者を含む混合物とに関する。さらに、置換基に依存して、追加のキラル中心その他の異性体形態が、式(I)の化合物内に存在することができ、そして本発明は、可能な全ての立体異性体及び幾何形態を包含する。
【0032】
本発明の化合物は、非経口と経口投与の両者の下、ヒトその他の温血動物における微生物感染の治療に有用である。
【0033】
本発明の医薬組成物は、標準的な慣用の技術を使用して、本発明の化合物を、固体又は液体の医薬として許容される担体と、そして場合により、医薬として許容されるアジュバント及び賦形剤と、混合することにより、調製されうる。固体形態の組成物は、粉末、錠剤、分散顆粒、カプセル、カシェ剤、及び坐剤を含む。固体担体は、希釈剤、香味料、可溶化剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤、錠剤崩壊剤、及びカプセル封入剤としても機能しうる少なくとも1つ物質を含むことができる。不活性固体担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース材料、低融点ワックス、ココア・バター、等を含む。液体形態の組成物は、溶液、懸濁液、及びエマルジョンを含む。例えば、場合により、好適な慣用の着色料、香味料、安定剤、及び増粘剤を含む、水及び水−ポリエチレン・グリコール系中に溶解された本発明の化合物の溶液が提供される。
【0034】
好ましくは、上記医薬組成物は、慣用技術を使用して、有効又は適当量の活性成分、すなわち、本発明の化合物を含む単位投与形態において提供される。
【0035】
上記医薬組成物及びその単位投与形態中の活性成分、すなわち、本発明の化合物の量は、特定の適用、特定化合物の効力、及び所望の濃度に依存して、広く変動し又は調整されうる。一般に、活性成分の量は、上記組成物の0.5重量%〜90重量%の間の範囲にあたるであろう。
【0036】
温血動物におけるバクテリア感染を治療し、又はこれと闘うための治療用途においては、本化合物又はその医薬組成物は、一定濃度、すなわち、抗バクテリア有効であるであろう処置を経験する動物における一定量又は血中レベルの活性成分を取得し及び維持するための投与において、経口、非経口、及び/又は表在局所的に投与されるであろう。一般に、活性成分のこのような抗バクテリア有効投与量は、約0.1〜約100、より好ましくは、約3.0〜約50mg/kg体重/日の範囲内にあるであろう。上記投与量は、患者の要求、処置されるバクテリア感染の重度、及び使用される特定化合物に依存して、変動しうると理解されるべきである。また、投与される初回投与量は、所望の血中レベルを速く達成するために上記上限を上廻って増加されることができ、又は初回投与量は、最適量よりも少なくあることもでき、そして日用量は、特定の状況に依存して処置の経過の間に漸進的に増加されることができるということも、理解されるべきである。所望により、日用量は、投与のために複数の投与、例えば、1日当り2〜4回に分割されることもできる。
【0037】
本発明の化合物は、非経口的に、例えば、静脈内注射により又は他の非経口投与経路により、投与されうる。非経口投与のための医薬組成物は、一般に、医薬として許容される液体担体、例えば、注射用水、及び例えば、約3.5〜6のpHをもつ好適に緩衝液化された等張溶液を提供するためのバッファー中に溶解された、医薬許容量の上記化合物又は可溶性塩(酸付加塩又は塩基塩)を含有するであろう。好適な緩衝化剤は、代表的な緩衝化剤の例を少し挙げれば、例えば、オルトリン酸3ナトリウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、N−メチル−グルカミン、L(+)−リジン、及びL(+)−アルギニンを含む。
本発明の化合物は、一般に、約1mg/mL〜約400mg/mL溶液の範囲内の医薬として許容される注射濃度を提供するために十分な量で上記担体中に溶解されるであろう。得られた液体医薬組成物は、上述の抗バクテリア有効投与量を獲得するように投与されるであろう。本発明の化合物は、有利には、固体及び液体投与形態で投与される。
【0038】
表在局所的処置として、式(I)の有効量が、処置領域において患者の皮膚に適用されうる医薬として許容されるゲル又はクリーム媒体中に混合される。このようなクリームとゲルの調製は、本分野において周知であり、そして浸透強化剤を含みうる。
【0039】
本発明のオキサゾリジノン抗バクテリア剤は、さまざまな生物に対して有用な活性を有する。本発明の化合物のインビトロ活性は、標準的な試験手順、例えば、the National Committee for Clinical Laboratory Standards, Villanova, Pennsylvania, USAにより1993年に公表された、“Approved Standard Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically”, 3rd. ed.中に記載されるような、寒天希釈による最小阻害濃度(MIC)の測定によって、評価されうる。
【0040】
式(I)の化合物は、当業者に知られた方法により製造されうる。例えば、式(I)の化合物は、以下に示すスキームIを経て合成されうる。
【化5】

【0041】
スキームIによれば、官能化されたニトロ−オキシンドールA(X=O)は、塩基、例えば、1,8−ジアゾビシクロ〔5.4.0〕ウンデク−7−エン(DBU)又は炭酸カリウムの存在下、ハロゲン化アルキル又はスルホン酸エステルによりアルキル化され、オキシンドールBが形成される。例えば、パラジウム又は白金触媒上の触媒的水素添加を使用するBのニトロ基の還元は、アミノ−オキシンドールCを与える。このアミノ−オキシンドールCから本発明の化合物への変換は、知られた方法又は以下のスキームに概説するように、達成されうる。例えば、スキームIIに概説するように、アミノ−オキシンドールCは、適当な塩基、例えば、重炭酸ナトリウムの存在下、アルキルクロロホルメートで処理されて、カーバメート中間体Dが得られる。約0〜25℃の温度でのジメチルホルムアミドの如き溶媒中でのリチウムt−ブトキシドの如き塩基の存在下での2(S)−アセチルアミノ−1−(クロロメチル)エチル、アセテート(Tet. Lett. 1996, 37 (44), 7937-7940)によるその後の処理により、5−(アセチルアミノメチル)オキサゾリジノン・オキシンドールE(W=O、R1=メチル)が得られる。
【0042】
上記5−(アシルアミノメチル)オキサゾリジノン・オキシンドールのより一般的な合成は、カーバメートDから出発するスキームII中にも示される。典型的には−78〜−40℃の範囲内の温度における溶媒、例えば、テトラヒドロフラン中のリチウム塩基、例えば、n−ブチルリチウム又はリチウム・ヘキサメチルジシラジドによる処理により、リチウム化種が得られ、これは、(R)−グリシジル・ブチレートにより直接処理され、そして室温に温められて、5−(ヒドロキシメチル)オキサゾリジノン・オキシンドールFが得られる。ヒドロキシ基は、次いで、溶媒、例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中、酸除去性アミンの存在下、アルキル−又はアリールスルホニル・クロライド試薬を使用して、好適な脱離基(Lg)、例えば、アルキル又はアリール・スルホネートに、変換される。脱離基は、次いで、一般に、約25〜75℃の範囲内にある温度における溶媒、例えば、アセトン又はジメチル・スルホキシド中のアジド塩(例えば、アジ化ナトリウム)により置換され、そして生じたアジ化アルキルは、次いで、置換されて、5−(アミノメチル)オキサゾリジノン中間体Hが得られる。これは、例えば、触媒的水素添加により又は、上記アジドと、溶媒、例えば、テトラヒドロフラン中のトリフェニルホスフィンとの反応を通じて、達成されて、イミノホスホランが得られ、これは、次いで、水の添加の間に約20〜60℃の温度においてアミンに加水分解される。このアミンは、次いで、当業者に知られた方法を用いて、アシル化(W=O)されるか又はチオアシル化(W=S)されて、目的構造Eが得られる。
【化6】

【0043】
以下のスキームIIIは、式中、A=オキサゾリジノン、n=1、及びZ=NHhet1、Ohet1又はShet1である式(I)の化合物の一般的製造方法を記載する。この手順の出発材料は、(先のスキームに記載した)ヒドロキシメチル化合物Fであり、そしてこれら中間体から最終化合物Iへの変換は、知られた技術である(Gravestock, M.B., International Publications WO99/64417、及びWO60/21960を参照のこと)。まず、ヒドロキシ基は、置換可能な基(Lg)、例えば、アルキル又はアリール・スルホネート、ブロミド、又はヨージドに変換される。この活性化は、当業者に知られた手順に従って、及びスキームIIに記載したように、達成されうる。次に、活性化されたヒドロキシ化合物は、式HN(Pg)het1、HOhet1、HShet1の化合物、又は対応の金属アルコキシド塩M−N(Pg)het1、M−Ohet1、M−Shet1(ここで、Mは、アルカリ金属又はO−アルキル化を促進することが知られている他の金属(例えば、銀)であり、そして「Pg」は好適な保護基である。)と反応される。あるいは、ヒドロキシメチル出発材料は、例えば、遊離の又はポリマーに結合したトリフェニルホスフィン及びジエチル(又はジイソプロピル)アゾジカルボキシレートの存在下、Mitsunobu型活性化の下で、式HN(Pg)het1、HOhet1、HShet1の化合物と直接反応しうる。最終ステップとして、知られた方法を用いた保護基の除去が行われる。
【化7】

【0044】
以下のスキームIVは、式中、A=オキサゾリジノン、n=1、及びZ=het2である式(I)の化合物の選択された製法を記載する。活性化ヒドロキシメチル・オキサゾリジノンGからの上記アナログの製造は知られた技術である(Gravestock, M.B., Betts, M.J., and Griffin, D.A.、国際公開WO01/81350を参照のこと)。構造Gは、遊離塩基形態にある又は遊離塩基から形成されたアニオンhet2としてのhet2−Hと単に反応される、目的構造Jが得られる。1,2,3−トリアゾール(すなわち、構造L)の代替方法は、(スキームIIに記載したような)構造GからアジドKへの変換、その後のノルボルナジエンとのサイクロ付加を含む。構造Jへのさらなる経路については、WO01/81350とともに、国際公開WO99/64417とWO00/21960をも参照のこと。
【化8】

【0045】
スキームVは、式中、A=オキサゾリジノン、n=0、及びZ=C(=O)NHR1である式(I)の化合物の一般製法を説明する。アニリンC(スキームI参照)は、2ステップ手順で、アルキル・オキサゾリジノン−5−カルボキシレートMに変換されうる。まず、溶媒に依存して、典型的には、20〜110℃の範囲内の、好適な温度で、好適な溶媒、例えば、アセトニトリル中のアルキル(2R)−エポキシプロパノエート(又はグリシデート)及びリチウム・トリフレートによる処理は、エポキシド環の末端炭素へのアニリン窒素の添加から生じるアミノ・アルコール中間体を与える。典型的には20〜60℃の範囲内の適当な温度における溶媒、例えば、アセトニトリル又はTHF中の1,1’−カルボニルジイミダゾールによる、又は典型的には−10〜25℃の範囲内の適当な温度における塩基、例えばトリエチルアミンの存在下、溶媒、例えば、トルエン又は塩化メチレン、又はその混合物中、ホスゲンによる、その後の処理により、オキサゾリジノン中間体M(R8=C1-4アルキル)が得られる。この構造は、次いで、当業者に周知の方法を用いて、例えば、好適な溶媒、例えば、メタノール中、アミン又はアミン誘導体(R1NH2)との反応により、目的構造Nに変換されうる。
【化9】

【0046】
式(I)の化合物の製造に有用な好適な中間体、及び式(I)の化合物の製造を助ける他の合成法は、例えば、各々本明細書に援用する以下の刊行物中に見られる。
米国特許第5,164,510号;PCT出願及び公開WO95/07271、WO00/21960、WO99/40094、WO99/64417、WO99/64416、WO00/21960、及びWO01/81350;ヨーロッパ特許第EP738726号、及びドイツ特許第DE19802239号。
【0047】
本発明の化合物の例は、非制限的に以下のものを含む:
(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−N−メチル−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−N−メチル−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
N−[[(5S)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド;及び
N−[[(5S)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド。
【0048】
ある態様においては、抗バクテリア化合物は、式(I)の化合物のプロドラッグである。表現「プロドラッグ」とは、酵素又は化学プロセスにより活性医薬に変換される、知られた直接作用薬の誘導体を意味する。式(I)の化合物のプロドラッグは、ルーチン操作又はインビボにおいて、親化合物にその修飾が解裂されるような方法で、当該化合物上に存在する官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグは、非制限的に、動物に投与されるとき、解裂されて、遊離ヒドロキシル、アミノ、又はスルフヒドリル基をそれぞれ形成する、いずれかの基に、ヒドロキシ、アミン、又はスルフヒドリル基が結合されているような構造Iの化合物を含む。プロドラッグの代表例は、非制限的に、アルコール及びアミン官能基のアセテート、ホルメート、及びベンゾエート誘導体を含む。Notari, R.E.,“Theory and Practice of Prodrug Kinetics,”Methods in Enzymology, 112:309-323 (1985); Bodor, N.,“Novel. Approaches in Prodrug Design,”Drugs of the Future, 6 (3): 165-182 (1981); 及びBundgaard, H.,“Design of Prodrugs: Bioreversible-Derivatives for Various Functional Groups and Chemical Entities,”in Design of Prodrugs (H. Bundgaard, ed.), Elsevier, N.Y. (1985) を参照のこと。
【実施例】
【0049】
実施例
さらに詳細に説明せずとも、共の説明を用いて、当業者は本発明を最大限に実施することができると思われる。以下の詳細な実施例は、本発明の様々な化合物をどのように製造し、及び/又は様々な方法をどのように実施するかを説明するものであり、単なる説明であって、いかなる方法によっても先の開示を何ら限定するものではないと解釈すべきである。当業者は、反応体と反応条件及び技術の両者に関して、上記手順からの適当な変形を直ちに理解するであろう。
【0050】
実施例1 (5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−N−メチル−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド
【化10】

【0051】
ステップ1:3,3−ジフルオロ−1−メチル−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの製造
【化11】

【0052】
2下無水N,N−ジメチルホルムアミド(66mL)中3,3−ジフルオロ−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(2)(Tetrahedron, 1999, 55, 1881-92, 7.05g,32.9mmol)の溶液を、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−7−ン(6.40mL,42.8mmol)の滴下、その後のヨードメタン(2.46ml,39.5mmol)で処理する。僅かに発熱した後、反応混合物を、18h周囲温度で撹拌し、氷水(100mL)で希釈し、そして濾過して、標題化合物(3)、融点131.5〜134.5℃を得る。
【0053】
ステップ2:5−アミノ−3,3−ジフルオロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの製造
【化12】

【0054】
1:1 THF/MeOH(100mL)中3,3−ジフルオロ−1−メチル−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(3)(ステップ1、3.80g,16.6mmol)と酸化白金(188mg,0.828mmol,5mol%)の混合物を、1.5h、20psi水素雰囲気下でParr装置上で振とうする。次いで、Celiteのパッドを通す濾過により触媒を除去し、そして濾液を減圧下で濃縮して標題化合物(4)、C982OF2についてのMS(ESI+)m/z 199(M+H)+を得、これはさらに精製せずに使用しうる。シリカ・ゲル・クロマトグラフィー(40% EtoAc/ヘプタン溶離液)による精製により、分析サンプル、mp186〜9℃を得る。
【0055】
ステップ3:ブチル(5R)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキシレートの製造
【化13】

【0056】
2下、乾燥アセトニトリル(11.4mL)中5−アミノ−3,3−ジフルオロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(4)(ステップ2、4.50g,22.7mmol)とブチル(2R)−グリシデート(3.60g,25.0mmol)の混合物を、激しく撹拌しながら70℃に加熱し、そして一度に、リチウム・トリフルオロメタンスルホネート(3.89g,25.0mmol)で処理する。得られた混合物を、緩やかな還流まで加熱し、1.5h間還流し、そして次に、減圧下で濃縮する。混合生成物を、10% MeOH/CH2Cl2(150ml)に溶かし、水(100mL)と生理食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして減圧下で濃縮して、粗アミノ・アルコール中間体〔C1620242についてのMS(ESI+)m/z 343(M+H)+〕を得、これをさらに精製せずに使用する。N2下、乾燥アセトニトリル(113mL)中の上記中間体の溶液を、1,1’−カルボニルジイミダゾール(5.52g,34.1mmol)で処理し、そして反応物を、24h間周囲温度で撹拌する。減圧下で溶媒を除去し、そして残渣をCH2Cl2(125mL)に溶かし、水性塩酸(0.2M,3×50mL)と生理食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、そしてEtOAc/CH2Cl2(3/97)で溶出させる2つのBiotage Flash 40M 90g シリカ・ゲル・カートリッジ上でクロマトグラフィーにかける。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によるRf=40をもつフラクションのプール及び濃縮により標題化合物(5)、C1718252についてのMS(ESI+)m/z 369(M+H)+
【化14】

を得る。
【0057】
ステップ4:(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−N−メチル−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミドの製造
【化15】

【0058】
ブチル(5R)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキシレート(5)(ステップ3、5.55g,15.1mmol)を、激しく撹拌しながら、MeOH(151mL)中2M MeNH2で処理する。得られたスラリーを1h間周囲温度で撹拌し、そして沈澱生成物を濾過により単離して、標題化合物、mp242.5〜245℃;C1413342についてのMS(ESI+)m/z 326(M+H)+;〔α〕25D−39(c 0.95,DMSO)を得る。
【0059】
実施例2 (5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド
【化16】

【0060】
ブチル(5R)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキシレート(5)(実施例1、ステップ4、340mg,0.923mmol)を、激しく撹拌しながらMeOH(9.2mL)中7N NH3で処理する。得られたスラリーを、1h間周囲温度で撹拌し、ジエチル・エーテル(5mL)で希釈し、そして沈澱生成物を、濾過により単離して標題化合物(6)、mp274〜7℃(分解);C1311342についてのMS(ESI−)m/z 310(M−H)-;〔α〕25D−22(c 0.95,DMSO)を得る。
【0061】
実施例3 (5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド
【化17】

【0062】
ステップ1:3,3−ジフルオロ−1−エチル−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの製造
【化18】

【0063】
実施例1、ステップ1の一般手順に従って、そしてヨードメタンをヨードエタンに代えることを除き重要でない変更を加えて、標題化合物(8)、mp111〜2℃を得る。
【0064】
ステップ2:5−アミノ−3,3−ジフルオロ−1−エチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの製造
【化19】

【0065】
実施例1、ステップ2の一般手順に従って、そして3,3−ジフルオロ−1−メチル−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(3)を3,3−ジフルオロ−1−エチル−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(8)に代えることを除き重要でない変更を加えて、標題化合物(9)、mp124〜7℃;C10102OF2についてのMS(ESI+)m/z 213(M+H)+を得る。
【0066】
ステップ3:ブチル(5R)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキシレートの製造
【化20】

【0067】
2下、乾燥アセトニトリル中の5−アミノ−3,3−ジフルオロ−1−エチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(9)(ステップ2、715mg,3.37mmol)とブチル(2R)−グリシデート(729mg,5.05mmol)の混合物を、リチウム・トリフルオロメタンスルホネート(788mg,5.05mmol)で処理する。得られた混合物を、75℃に加熱し、20h間この温度で撹拌し、そして次に減圧下で濃縮する。混合生成物を、10% MeOH/CH2Cl2(40ml)に溶かし、水(20mL)と生理食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして減圧下で濃縮して、粗アミノ・アルコール中間体〔C1722242についてのMS(ESI+)m/z 357(M+H)+〕を得、これをさらに精製せずに使用する。N2下、乾燥アセトニトリル(34mL)中の上記中間体の溶液を、1,1’−カルボニルジイミダゾール(820mg,5.05mmol)で処理し、そして反応物を、4日間、周囲温度で撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣をCH2Cl2(50ml)に溶かし、水性塩酸(0.1M,2×25mL)と生理食塩水(25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、そしてEtOAc/CH2Cl2(5/95)で溶出するBiotage Flash 40M 90g シリカ・ゲル・カートリッジ上でクロマトグラフィーにかける。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によるRf=0.48をもつフラクションのプールと濃縮により、標題化合物(10)、C1820252についてのMS(ESI+)m/z 383(M+H)+
【化21】

が得られる。
【0068】
ステップ4:(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド
【化22】

【0069】
MeOH(5mL)中のブチル(5R)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキシレート(10)(ステップ3、440mg,1.15mmol)の溶液を、MeOH(11.5mL)中2M NH3で処理し、そしてこの混合物を、1h間周囲温度で撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、そして混合生成物を、MeOH/CH2Cl2(2/98)で溶出するBiotage Flash 40S 40g シリカ・ゲル・カートリッジ上でクロマトグラフィーにかける。TLC(MeOH/CHCl3,10/90)によるRf=0.35をもつフラクションのプールと濃縮、そしてCH2Cl2/Et2Oからの粉砕及び濾過により、標題化合物(7)、mp201〜3℃;C1413342についてのMS(ESI+)m/z 326(M+H)+;〔α〕25D−20(c 0.94,DMSO)が得られる。
【0070】
実施例4 (5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−N−メチル−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド
【化23】

【0071】
実施例1、ステップ4の一般手順に従って、そしてブチル(5R)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキシレート(5)を、ブチル(5R)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキシレート(10)(実施例3、ステップ3)に代えることを除き重要でない変更を加えて、標題化合物(11)、mp211〜213℃;C1515342についてMS(ESI+)m/z 340(M+H)+;〔α〕25D−36(c 1.02,DMSO)を得る。
【0072】
実施例5 N−[[(5S)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【化24】

【0073】
ステップ1:ベンジル3,3−ジフルオロ−1−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルカーバメートの製造
【化25】

【0074】
THF/H2O(2:1、7.5mL)中の5−アミノ−3,3−ジフルオロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(4)(実施例1、ステップ2、300mg,1.51mmol)の混合物を、重炭酸ナトリウム(254mg,3.02mmol)、その後、ベンジル・クロロホルメート(226μL,1.59mmol)で処理し、そして2相混合物を18h間、周囲温度で撹拌する。反応物を、H2O(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出し、そして有機相をH2O(10mL)と生理食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして減圧下で濃縮する。残渣を、EtOAc/ヘキサンから再結晶化して、標題化合物(13)、mp174〜175.5℃;C1714232についてのMS(ESI+)m/z 333(M+H)+を得る。
【0075】
ステップ2:N−[[(5S)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの製造
【化26】

【0076】
2下、乾燥DMF(0.6mL)中ベンジル3,3−ジフルオロ−1−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルカーバメート(13)(ステップ1、300mg,0.903mmol)、(1S)−2−(アセチルアミノ)−1−(クロロメチル)エチル・アセテート(350mg,1.81mmol)、及びMeOH(73μL,1.81mmol)の混合物を、氷浴中で冷却し、そして5分間にわたりLiOtBu(ヘキサン中1M、2.71mL,2.71mmol)の滴下で処理する。得られた2相混合物を、30分間0℃で、そして21h間周囲温度で撹拌し、そして次に氷酢酸(104μL,2当量)でクエンし、MeOH(5mL)で希釈し、そして層分離させる。次いで、MeOH/DMF層をH2O(15mL)で希釈、EtOAc(3×25mL)で抽出し、そして併合EtOAc層を、H2O(2×20mL)と生理食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして減圧下で濃縮する。残渣を、MeOH/CH2Cl2(2/98−4/96)のグラジエント溶出によるFlash 40S 40g シリカ・ゲル・カートリッジ上のクロマトグラフィーにかけ、そしてTLC(MeOH/CHCl3,5/95)によるRf=0.20をもつフラクションをプールし、濃縮して、標題化合物(12)、mp125〜127℃;C1515342についてのMS(ESI+)m/z 340(M+H)+を得る。
【0077】
実施例6 N−[[(5S)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【化27】

【0078】
ステップ1:ベンジル3,3−ジフルオロ−1−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルカーバメートの製造
【化28】

【0079】
実施例5、ステップ1の一般手順に従って、そして5−アミノ−3,3−ジフルオロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(4)を5−アミノ−3,3−ジフルオロ−1−エチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(9)(実施例3、ステップ2)に代えることを除き重要でない変更を加えて、標題化合物(15)、mp152〜154℃;C1816232についてのMS(ESI−)m/z 345(M−H)-を得る。
【0080】
ステップ2:N−[[(5S)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの製造
【化29】

【0081】
実施例5、ステップ2の一般手順に従って、そしてベンジル3,3−ジフルオロ−1−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルカーバメート(13)をベンジル3,3−ジフルオロ−1−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルカーバメート(15)(ステップ1)に代え、そしてCH2Cl2/Et2Oから生成物を再結晶化し、その後クロマトグラフィーにかけることを除き、重要でない変更を加えて、標題化合物(14)、mp139〜141℃;C1617342についてのMS(ESI+)m/z 354(M+H)+;〔α〕25D−22(c 0.98,DMSO)を得る。
【0082】
抗バクテリア活性:
MIC試験法
試験化合物のインビトロMICを、標準寒天希釈法により測定した。各アナログのストック医薬溶液を、好ましい溶媒、通常DMSO:H2O(1:3)中に調製した。各サンプルの逐次2倍希釈を、滅菌蒸留水の1.0mlアリコートを用いて行う。医薬の各1.0mlアリコートに、溶融Mueller Hinton寒天培地9mlを添加した。上記医薬補給寒天を混合し、15×100mmペトリ皿に注ぎ、そして接種に先立って固化・乾燥させた。
【0083】
各試験生物のバイアルを、液体窒素フリーザーの気相中で冷凍して保存する。試験カルチャーを、当該生物に適した培地上で35℃において一夜培養する。コロニーを、滅菌スワブで収穫し、そして細胞懸濁液を、0.5McFarland標準の温度に等しくなるようにTrypticase Soyブロス(TSB)中に調製する。上記医薬補給寒天を含む相を、Steersレプリケーターを使用して上記細胞懸濁液の0.001ml滴で接種し、スポット当り約104〜105細胞を得る。プレートを35℃で一夜インキュベートする。
【0084】
インキュベーション後、最小阻害濃度(MICμg/ml)、すなわち、生物の目に見える増殖を阻害する医薬の最低濃度を、読み、記録した。データを以下の表Iに示す。
【0085】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】

{式中、Aは、以下の構造式(i)、(ii)、(iii)又は(iv):
【化2】

であり;ここで、式(iii)中の点線は、任意の2重結合を表し;
nは、0又は1であり;
Xは、O、S、NH、Nアルキル、NOH、又はNOアルキルであり;
Zは、NHC(=O)R1、NHC(=S)R1、C(=O)NHR1、C(=O)N(H)OH、NHC(=NCN)R1、NH−het1、O−het1、S−het1、又はhet2であり;
1は、H、NH2、NHC1-4アルキル、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、−(CH2mC(=O)C1−C4アルキル、OC1-4アルキル、SC1-4アルキル、(CH2m3-6シクロアルキル、CH=CH−アリール、CH=CH−het1、CH2C(=O)−アリール、又はCH2C(=O)−het1であり、上記アルキル、アリール又はhetは、それぞれ、場合により、置換アルキル、置換アリール又は置換hetであり;
2とR3は、独立に、H又はFであり;
4は、H、Cl、F、CH3、CF3、NH2、NO2又はCNであり;
5とR6は、独立に、H、アルキル、置換アルキル、−Sアルキル、−Oアルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヒドロキシ、アリール、又はハロであり;
7は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、C(=O)アルキル、C(=O)置換アルキル、アリール、アルケニル、置換アルケニル、het、置換het、又は置換アリールであり;
het1は、酸素、硫黄、及び窒素から選ばれる1〜4個の複素原子を含むC結合5又は6員複素環であり;
het2は、酸素、硫黄、及び窒素から選ばれる1〜4個の複素原子を含むN又はC結合5又は6員複素環であり;
各mは、独立に、0、1又は2である。}で表される化合物。
【請求項2】
Aが以下の:
【化3】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
7が、アルキル又は置換アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
5がハロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
6がハロである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
以下の群:
a)(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−N−メチル−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
b)(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
c)(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
d)(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−N−メチル−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
e)N−[[(5S)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド;及び
f)N−[[(5S)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
以下の式(II):
【化4】

{式中、R7は、1〜4炭素原子を有するアルキルであり;
Mは、NO2、NH2、NHC(O)OR8、又は以下の構造式(i):
【化5】

(ここで、R8は、1〜4炭素原子を有するアルキル又はベンジルである。)から成る群から選ばれる。}で表される化合物。
【請求項8】
7がアルキル又は置換アルキルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
以下の群:
a)ブチル(5R)−3−(3,3−ジフルオロ−1−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキシレート;
b)ベンジル1−エチル−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルカルバメート;
c)5−アミノ−1−エチル−3,3−ジフルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
d)1−エチル−3,3−ジフルオロ−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
e)ベンジル3,3−ジフルオロ−1−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルカルバメート;
f)5−アミノ−3,3−ジフルオロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
g)3,3−ジフルオロ−1−メチル−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;及び
h)ブチル(5R)−3−(3,3−ジフルオロ−1−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキシレート、
から選ばれる、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
哺乳動物における微生物感染を治療するための医薬の製造のための請求項1又は7に記載の化合物の使用。
【請求項11】
前記医薬が、経口、非経口、経皮、又は表在局所的投与のために製造される、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記医薬が、請求項1又は7に記載の化合物約0.1〜約1,000mgを含む、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
前記医薬が、請求項1又は7に記載の化合物約0.1〜約500mgを含む、請求項10に記載の化合物の使用。
【請求項14】
請求項1又は7に記載の化合物、及び医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】

{式中、Aは、以下の構造式(i)、(ii)、(iii)又は(iv):
【化2】

であり;ここで、式(iii)中の点線は、任意の2重結合を表し;
nは、0又は1であり;
Xは、O、S、NH、Nアルキル、NOH、又はNOアルキルであり;
Zは、NHC(=O)R1、NHC(=S)R1、C(=O)NHR1、C(=O)N(H)OH、NHC(=NCN)R1、NH−het1、O−het1、S−het1、又はhet2であり;
1は、H、NH2、NHC1-4アルキル、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、−(CH2mC(=O)C1−C4アルキル、OC1-4アルキル、SC1-4アルキル、(CH2m3-6シクロアルキル、CH=CH−アリール、CH=CH−het1、CH2C(=O)−アリール、又はCH2C(=O)−het1であり、上記アルキル、アリール又はhetは、それぞれ、場合により、置換アルキル、置換アリール又は置換hetであり;
2とR3は、独立に、H又はFであり;
4は、H、Cl、F、CH3、CF3、NH2、NO2又はCNであり;
5とR6は、独立に、H、アルキル、置換アルキル、−Sアルキル、−Oアルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヒドロキシ、アリール、又はハロであり;
7は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、C(=O)アルキル、C(=O)置換アルキル、アリール、アルケニル、置換アルケニル、het、置換het、又は置換アリールであり;
het1は、酸素、硫黄、及び窒素から選ばれる1〜4個の複素原子を含むC結合5又は6員複素環であり;
het2は、酸素、硫黄、及び窒素から選ばれる1〜4個の複素原子を含むN又はC結合5又は6員複素環であり;
各mは、独立に、0、1又は2である。}で表される化合物。
【請求項2】
Aが以下の:
【化3】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
7が、アルキル又は置換アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
5がハロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
6がハロである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
以下の群:
a)(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−N−メチル−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
b)(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
c)(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
d)(5R)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−N−メチル−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキサミド;
e)N−[[(5S)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド;及び
f)N−[[(5S)−(−)−3−(3,3−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1−エチル−2−オキソ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
以下の式(II):
【化4】

{式中、R7は、1〜4炭素原子を有するアルキルであり;
Mは、NO2、NH2、NHC(O)OR8、又は以下の構造式(i):
【化5】

(ここで、R8は、1〜4炭素原子を有するアルキル又はベンジルである。)から成る群から選ばれる。}で表される化合物。
【請求項8】
7がアルキル又は置換アルキルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
以下の群:
a)ブチル(5R)−3−(3,3−ジフルオロ−1−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキシレート;
b)ベンジル1−エチル−3,3−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルカルバメート;
c)5−アミノ−1−エチル−3,3−ジフルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
d)1−エチル−3,3−ジフルオロ−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
e)ベンジル3,3−ジフルオロ−1−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルカルバメート;
f)5−アミノ−3,3−ジフルオロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
g)3,3−ジフルオロ−1−メチル−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;及び
h)ブチル(5R)−3−(3,3−ジフルオロ−1−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジンカルボキシレート、
から選ばれる、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1又は7に記載の化合物を含み、哺乳動物における微生物感染を治療するための医薬。
【請求項11】
経口、非経口、経皮、又は表在局所的投与のために製造される、請求項10に記載の医薬
【請求項12】
請求項1又は7に記載の化合物約0.1〜約1,000mgを含む、請求項10に記載の医薬
【請求項13】
請求項1又は7に記載の化合物約0.1〜約500mgを含む、請求項10に記載の化合物の医薬
【請求項14】
請求項1又は7に記載の化合物、及び医薬として許容される担体を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2006−515012(P2006−515012A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518544(P2005−518544)
【出願日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000466
【国際公開番号】WO2004/074282
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】