説明

抗マラリア剤の組み合わせを含有する水中に分散できる多層医薬組成物

本発明は、水中に分散でき、1つの抗マラリア剤を少なくとも1つの他の抗マラリア剤と組み合わせて含む、多層医薬組成物に関する。本発明はまた、こうした医薬組成物の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの他の抗マラリア剤と組み合わせて抗マラリア剤を含む、水分散性多層医薬組成物に関する。本発明はまた、こうした医薬組成物の製造方法を含む。
【背景技術】
【0002】
毎年、マラリアにより、4から9億件の発熱が生じており、100万から300万人が死亡している、即ち平均して、30秒毎に1人が死亡している。被害者の圧倒的多数は、5歳未満の子供および妊婦である。
【0003】
疾患の伝染を減らすため、およびこの処置を改善するために尽力されているにもかかわらず、この状況は、1990年代初頭からほとんど変わっていない。また、マラリア有病率が現在の割合で継続した場合、次の20年では死亡率が2倍になり得ることも見積もられている。
【0004】
ここ2,3年に見られる疾患の急増は、以下を含む幾つかの要因によるものである:
DDT(1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン)の略記)のような従来の安価な殺虫剤に対して耐性になった媒介、即ちハマダラカ;
危険地域での人口増加、および主に
致死性疾患の原因である寄生生物である熱帯熱原虫(plasmodium falciparum)マラリアの多くの系統における、従来から使用されている抗マラリア剤、例えばクロロキン、メフロキン、スルファドキシン−ピロメタミンおよびアモジアキンに対する耐性。
【0005】
多化学療法耐性の熱帯熱原虫(P.falciparum)マラリアは、東南アジアおよび南アメリカにおいて非常に広く分布している。マラリアによる最も高い罹患率および死亡率を負うアフリカ大陸では現在も影響を受けている。安価な単一療法、例えばクロロキンおよびスルファドキシン−ピロメタミンに対する耐性が波及しているので、死亡率は増大している。現在の状況は、部分的には、前世紀にわたって抗マラリア剤を不当に使用していたという事実による。抗マラリア剤は、常に単一療法で、次々に大量に使用されていて、これらは許容できない耐性レベルにもかかわらず維持されていたので、薬物の使用に関する規制が一般に軽視されていた。
【0006】
新しいグループの抗マラリア剤である、アルテミシニン誘導体、特にアルテスネート、アルテムエーテルおよびジヒドロアルテミシニンは、ここ10年間にわたって使用が増加している。これらの化合物は、非常に迅速な治療作用を有し(寄生生物カウントの減少および症状の解消)、これらは多化学療法耐性の熱帯熱原虫(P.falciparum)マラリアに対して有効であり、患者がよく許容でき、生殖母細胞の運搬を低下させる(ひいては、マラリアの伝染を低下させ得る。)。
【0007】
これまで、これらの化合物に対する寄生生物の耐性は認められていないが、中国およびベトナムでは感受性のある程度の低下がインビトロで検出されている。単独使用では、アルテミシニン誘導体は、数日で熱帯熱原虫(P.falciparum)マラリアから回復させるが、複数の研究により、特定の合成薬剤と組み合わせたアルテミシニン誘導体が、より大きな処置コンプライアンスを伴ってたった3日間で非常に速く回復させることが示されている。一部のデータによれば、これらの組み合わせの使用はまた、低から中程度の伝染地域において、組み合わせた薬剤に対する耐性の出現を実質的に引き延ばすことができる。
【0008】
抗マラリア剤に対する耐性の増大に対応して、WHOは、従来の単一療法、例えばクロロキン、アモジアキンまたはスルファドキシン−ピリメタミンに対する耐性が見られる国々には、熱帯熱原虫(P.falciparum)マラリアに対して治療的組み合わせ、好ましくはアルテミシニン誘導体を含有するものの使用を推奨している。
【0009】
アルテミシニンは、7個の炭素原子を有する環の上にペルオキシド架橋により結合した2つの酸素原子を有するセスキテルペンラクトンである。これは、主に治療に使用されるアルテミシニン誘導体であり、例えばアルテムエーテル、アルテスネート、アルテエーテルまたはジヒドロアルテミシニンである。
【0010】
アルテスネートは、以下の式に対応する:
【0011】
【化1】

【0012】
フェロキンは、開発中の抗マラリア剤の1つであり、この構造式が以下に示され、また出願WO96/35698に記載されている:
【0013】
【化2】

【0014】
WO2006/111647はまた、フェロキンおよびアルテミシニン誘導体、特にアルテスネートの組み合わせが記載されている。
【0015】
一般的な原則として、2つの活性成分の組み合わせは、活性成分および賦形剤を含有する粉末を混合することによって、または他にはこれらを造粒することによって製造される。最も慣習的な方法は、活性成分に対応する医薬組成物を製造し、混合工程または造粒工程の間に第2の活性成分を添加することからなる。
【0016】
しかし、アルテスネートおよびフェロキンは、2つの活性成分を1つの同じ錠剤内で組み合わせる場合に不相溶性が大きい。特に、同じ錠剤内でフェロキンとアルテスネートとを組み合わせることは、錠剤内でのアルテスネート分解生成物のレベルを必然的に迅速に増大させる[白色から褐色へのアルテスネートの色の変化によって特徴付けられる]。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際公開第96/35698号
【特許文献2】国際公開第2006/111647号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本願において、用語「フェロキン」は、塩基、塩、水和物または溶媒和物の形態におけるフェロキンを意味することを意図する。同様に、用語「アルテミシニン」は、アルテミシニンまたはこの誘導体、例えばアルテムエーテル、アルテスネート、アルテエーテルまたはジヒドロアルテミシニンを意味することを意図し、アルテミシニンまたはこの誘導体は、塩基、塩、水和物または溶媒和物の形態であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の主題は、医薬組成物あたり、少なくとも2つの層および最小の2つの活性成分を含むことを特徴とする多層医薬組成物であって、この組成物が、水分散性であり、以下を含む:
第1の活性成分として、塩基、塩、水和物または溶媒和物の形態のフェロキン、
第2の活性成分として、塩基、塩、水和物または溶媒和物の形態のアルテミシニンまたはこの誘導体、
医薬的に許容される賦形剤。
【0020】
本発明の1つの実施形態によれば、医薬組成物は錠剤形態である。
【0021】
本発明に従う医薬組成物が、少なくとも2つの層を含む多層医薬組成物である。
【0022】
特に、この医薬組成物は、2層医薬組成物である。
【0023】
より詳細には、この医薬組成物は、3層医薬組成物である。
【0024】
故に、こうした医薬組成物は、治療的に有効な用量のフェロキンまたはフェロキンの医薬的に許容される塩、水和物または溶媒和物、および少なくとも1つのアルテミシニン誘導体またはこれらの誘導体、またはアルテミシニンまたはこの誘導体の医薬的に許容される塩、水和物、または溶媒和物、およびさらに少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含有する。この賦形剤は、所望の医薬形態および投与方法に従って、当業者に周知の通常の賦形剤から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
フェロキンは、特にL−タルトレート塩、ジヒドロクロリド塩、ヒドロクロリド塩または塩基の形態であり得る。フェロキンのL−タルトレートについての塩/塩基比の例は、1.69であり、フェロキンのジヒドロクロリド塩についての塩/塩基比の例は1.17である。
【0026】
医薬組成物はまた、アルテムエーテル、アルテスネート、アルテエーテルおよびジヒドロアルテミシニンから選択される、アルテミシニンまたはこの誘導体の治療的に有効な用量を含有する。本発明の1つの実施形態によれば、使用されるアルテミシニン誘導体はアルテスネートである。
【0027】
本発明に従う医薬組成物は、従来の錠剤として摂取されることができ、食道を通過するときに、たとえ液体を同時に飲み込むことによってこの通過が促進されたとしても、口腔中では溶解しないことが重要である。しかし、マラリアはまた、飲み込みが不十分な幼児および小児を襲い、こうした若い患者が抗マラリア剤処置を利用できることも重要である。故に、本発明に従う医薬組成物は、投与量に応じて異なるサイズで製造され、患者の年齢に特に適した錠剤の形態で利用可能である。錠剤のサイズまたは圧縮フォーマット(幅×長さ)は、ミリメートル(l×Lmm)単位で表される。得られた錠剤の厚さは、まず使用される圧縮フォーマット、第2に圧縮されるべき粉末の量、および最後に適用される圧縮力に依存するので、変動し得る。
【0028】
本発明に従う医薬組成物はまた、水分散性であり、小児用として好適となる。
【0029】
「水分散性医薬組成物」という表現は、高い硬度、制限された磨損度および迅速な崩壊を有する医薬組成物を意味することを意図する。「水分散性」という用語は、本発明の範囲を、水中の医薬組成物の分散液に限定しないが、例えば水、果汁、乳または炭酸飲料のような水性液体ビヒクル中の医薬組成物の分散液であると理解されるべきである。
【0030】
特に、10個の投与量にて行われる試験はすべて、周囲温度にて精製水中、最大120±15秒の崩壊時間をターゲットにした。
【0031】
さらに、本組成物の硬度は、錠剤のサイズ(圧縮フォーマット)に依存する。
【0032】
5.50×9.60mmの圧縮フォーマットを有する錠剤に関して、本組成物の硬度は、50から160Nであり、好ましくは60から150Nであり、さらにより好ましくは70から140N、例えば93.8Nである。
【0033】
6.95×12.17mmの圧縮フォーマットを有する錠剤について、本組成物の硬度は、100から175N、好ましくは110から165N、さらにより好ましくは115から160N、例えば132Nである。
【0034】
8.76×15.3mmの圧縮フォーマットを有する錠剤について、本組成物の硬度は、110から230N、好ましくは120から220N、さらにより好ましくは130から210N、例えば169Nである。
【0035】
10×17.5mmの圧縮フォーマットを有する錠剤について、本組成物の硬度は、140から260N、好ましくは160から240N、さらにより好ましくは170から230N、例えば198Nである。
【0036】
硬度は以下に記載される方法に従って測定される:錠剤をデュロメーターの固定されたジョーに配置する。残りの可動式ジョーは、電動化駆動システムによって移動し、絶えず増大する圧力を錠剤に適用する。圧力の増大は、デュロメーターによって電気的にモニターされ、等しい値またはこれ以上の値が測定されるまでサンプルに適用し続ける。破断したとき、錠剤の適用圧力に対する耐性が低下する。測定システムは、この低下を検出し、この場合に最も高い耐性値が示され、これを錠剤についての破断強度値であると評価する。
【0037】
医薬組成物の磨損度も、錠剤のサイズ(圧縮フォーマット)および適用される圧縮強度に依存し、得られた錠剤の崩壊時間に作用する。
【0038】
5.50×9.60mmの圧縮フォーマットを有する錠剤について、4分後の医薬組成物の磨損度は、本発明の態様の1つに従って、0から0.3%、好ましくは0から0.2%、さらにより好ましくは0から0.15%、例えば0.11%である。
【0039】
6.95×12.17mmの圧縮フォーマットを有する錠剤について、4分後の医薬組成物の磨損度は、本発明の態様の1つに従って、0から0.3%、さらにより好ましくは0から0.2%、例えば0.11%である。
【0040】
8.76×15.3mmの圧縮フォーマットを有する錠剤について、4分後の医薬組成物の磨損度は、本発明の態様の1つに従って、0から0.3%、さらにより好ましくは0から0.2%、例えば0.17%である。
【0041】
10×17.5mmの圧縮フォーマットを有する錠剤について、4分後の医薬組成物の磨損度は、本発明の態様の1つに従って、0から0.5%、好ましくは0から0.4%、さらにより好ましくは0から0.3%、例えば0.21%である。
【0042】
錠剤の磨損度は、European Pharmacopoeia,6th Edition,2010,Chapter 2.9.7.に記載される方法に従って、100回転後に測定される。
【0043】
崩壊は、European Pharmacopoeia,6th Edition,2010,Chapter 2.9.1に記載の方法に従って測定される。得られた錠剤は、フォーマットおよび投与量にかかわらず、「分散性錠剤」に関して適用される標準に従う。
【0044】
分散液の細かさはまた、実施形態の1つでは、次の定義に一致する:2つの錠剤を100mlの精製水に入れ、これを完全に分散するまで撹拌する。得られた分散液を均質にして、公称メッシュサイズが710μmのスクリーンを通過させる。分散液の細かさは、分散性錠剤の定義に関連したEuropean Pharmacopoeia,6th Edition,2010,Chapter 7に記載される方法に従って測定される。
【0045】
実施形態の1つによれば、本発明に従う錠剤は、2つの層を含み、一方は、塩基、塩、水和物、または溶媒和物の形態のフェロキンを含み、他方は、塩基、塩、水和物、または溶媒和物の形態のアルテスネートを含む。
【0046】
別の実施形態によれば、本発明に従う錠剤は、3つの層を含み、1つの層は、塩基、塩、水和物、または溶媒和物の形態のフェロキンを含み、第2の層は、塩基、塩、水和物、または溶媒和物の形態のアルテスネートを含み、これらの2つの層が、活性成分を含有しない単離層(中性)によって分離されている。
【0047】
層は、重量または体積の観点において同一または異なっていてもよく、これらは、外側からすべて視覚可能であってもよく、視覚可能でなくてもよい。例えば、フェロキンを含む本発明に従う錠剤の上半分、およびアルテミシニンまたはこの誘導体を含む下半分を有することができ、2つの半分は、同色であり、同じ外観を有するので、患者は区別できない。2つの半分は、別の方法として、異なる色を有していてもよく、および/または異なる外観を有していてもよい。
【0048】
3つの層を含む錠剤の場合、2つの活性成分を含有する2つの層は、同色であり、活性成分の1つを含む2つの層のうちの1つと同じ外観を有する単離層によって分離されるので、これらの層は、患者が区別できないままである。中性の単離層は、不相溶性の活性成分を含有する2つの層を分離できる。このため、錠剤内の活性成分の分解を制限するので、配合物のより大きな安定性を得ることができる。2つの半分およびさらに中間単離層は、別の方法として、異なる色を有していてもよく、および/または異なる外観を有していてもよい。
【0049】
錠剤は、2つのフェロキン層の間にある、異なる活性成分を含む層、例えばアルテミシニンまたはこの誘導体の層の「サンドウィッチ」またはこの逆であることが想定される。
【0050】
本発明の別の態様によれば、第1の活性成分を含有する層の1つは、第2の活性成分を含む他の層で完全にコーティングされる。
【0051】
別の主題に従って、本発明は、医薬組成物あたり最大2つの活性成分を含む水分散性多層医薬組成物からなり、この組成物は:
第1の活性成分としてのフェロキン、
第2の活性成分としてのアルテミシニンまたはこの誘導体、および
医薬的に許容される賦形剤
を含み、崩壊剤のレベルは、錠剤の総質量に対して表現される場合、錠剤の5重量%未満である。
【0052】
本発明の実施形態の1つによれば、医薬組成物、特に錠剤の崩壊剤のレベルは、錠剤の総質量に対して5%未満、特に3.5%未満である。
【0053】
本発明の別の実施形態によれば、各層の崩壊剤のレベルは、錠剤の総質量に対して2.5%未満、例えば2%未満である。
【0054】
本発明に従う医薬組成物は;
120±15秒の崩壊時間;
0.5%未満の磨損度;
錠剤の総質量に対して5%未満の崩壊剤のレベル;
質量に対して2.5%未満の各層における崩壊剤のレベル;
医薬組成物が5.50×9.60mmの圧縮フォーマットを有する場合に、50から160N;
医薬組成物が6.95×12.17mmの圧縮フォーマットを有する場合に、100から175N;
医薬組成物が8.76×15.30mmの圧縮フォーマットを有する場合に、110から230N;
医薬組成物が10×17.50mmの圧縮フォーマットを有する場合に、140から260N
の硬度
を有する。
【0055】
より詳細には、本発明に従う医薬組成物は:
120±15秒の崩壊時間;
0.4%未満の磨損度;
錠剤の総質量に対して3.5%未満の崩壊剤のレベル;
質量に対して2%未満の各層における崩壊剤のレベル;
医薬組成物が5.50×9.60mmの圧縮フォーマットを有する場合に、70から140N;
医薬組成物が6.95×12.17mmの圧縮フォーマットを有する場合に、115から160N;
医薬組成物が8.76×15.30mmの圧縮フォーマットを有する場合に、130から210N;
医薬組成物が10×17.50mmの圧縮フォーマットを有する場合に、170から230N
の硬度
を有する。
【0056】
出願人は、驚くべきことに、本発明に従う医薬組成物は、高い錠剤硬度、非常に低い磨損度、および錠剤の総質量に対して5%未満、またはさらには3.5%未満の崩壊剤のレベルにもかかわらず、それでもなおハイドロ分散性であることを見出した。「ハイドロ分散性」または「水分散性」という用語は、European Pharmacopoeiaにおける定義を意味することを意図し、これは、分散性錠剤が、投与前に水中に分散されることを目的としたコーティングされていない錠剤またはフィルムコーティングされた錠剤であり、均質分散液を与えることを規定する。
【0057】
本発明の別の実施形態によれば、医薬組成物は:
フェロキン層のための内相の化合物:
5%から30%のフェロキン、
0.2%から1.0%の崩壊剤、
10%から40%の希釈剤、
場合により、フェロキン層のための外相の化合物:
0.1%から1%の潤滑剤、
0から4.0%の甘味剤、
アルテミシニンまたはこの誘導体層のための内相の化合物:
5%から20%のアルテミシニンまたはこの誘導体、
0から10%の希釈剤、
8%から16%の共希釈剤、
0.5%から2%の結合剤、
0から2%の崩壊剤、
場合により、アルテミシニンまたはこの誘導体層ための外相の化合物:
0から1%の潤滑剤、
0から0.3%のフロー剤、
中性単離層のための化合物:
10%から30%の希釈剤、
0から10%の共希釈剤、
0から0.5%の潤滑剤、
0から2%の崩壊剤
を含み、
医薬組成物が外相を含まない場合に、0.5%から2%の潤滑剤を含有すべきであることが理解される。
【0058】
医薬的に許容される賦形剤は、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、ナトリウムクロスカルメロース、カルシウムカルボキシメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロース、プレゼラチン化デンプン、クロスポビドンまたはアルギン酸またはこの誘導体の1つから選択できる崩壊剤を含む。
【0059】
本発明に使用できる結合剤の例は、ポリエチレングリコール、プレゼラチン化デンプン、コポビドン、マルトデキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、アルギネート、例えばアルギン酸ナトリウム、ポビドン(ポリビニル−ピロリドンPVP K30)、カルボマー、メチルセルロース、デキストリン、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ハイプロメロース、エチルセルロース、ポリデキストロース、ゼラチン、プロピレングリコールまたは他にはポリメタクリレートである。
【0060】
希釈剤は、例えば微結晶セルロースPH112、デンプン(特に大豆、米、ジャガイモ)、プレゼラチン化デンプン、マルトース、マンニトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール、フルクトース、ラクトース(これが無水物、一水和物または噴霧化されているかどうかにかかわらず)、デキストリンまたはこれらの誘導体、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムまたはスクロースから選択できる。
【0061】
本発明の内容において使用できる潤滑剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、硬化ヒマシ油、グリセリルパルミトステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、グリセリルベヘネート、硫酸ラウリルナトリウム、ステアリン酸カルシウム、レウシン、フマル酸ステアリルナトリウム、ポロキサマー、グリセリルモノステアレートまたは他にはポリエチレングリコールである。
【0062】
甘味剤は、アセスルファムカリウム、スクロース、スクラロース、アスパルターム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タウマチン、ネオターム、タガトース、サッカリンナトリウム、ナトリウムシクラメート、マルトース、マンニトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール、フルクトース、ラクトース(これが無水物、一水和物または噴霧化されているかどうかにかかわらず)またはさらにトレハロースから選択できる。
【0063】
フロー剤は、例えばコロイド状シリカ、タルク、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはリン酸カルシウムから選択できる。
【0064】
実施形態の1つによれば、医薬組成物は:
フェロキン層のための内相の化合物において、崩壊剤としてのカルボキシメチルナトリウムデンプン、希釈剤としての微結晶セルロース;
フェロキン層のための外相の化合物において、潤滑剤としてのステアリン酸マグネシウム、甘味剤としてアセスルファームカリウム;
アルテスネート層のための内相の化合物において、希釈剤としての炭酸カルシウム、共希釈剤としての微結晶セルロース、崩壊剤としてのクロスカルメロースナトリウム、結合剤としてのポビドン;
アルテスネート層のための外相の化合物において、フロー剤としてのコロイド状シリカ、潤滑剤としてのステアリン酸マグネシウム;
中性単離層の化合物において、希釈剤としての炭酸カルシウム、共希釈剤としての微結晶セルロース、潤滑剤としてのステアリン酸マグネシウムおよび崩壊剤としてのカルボキシメチルナトリウムデンプン
を含む。
【0065】
本発明に従う組み合わせの2つの活性成分それぞれの1日用量は、以下のようであり得る:
フェロキン:1から10mg/kg/日、例えば2、4または6mg/kg/日;
アルテミシニン誘導体:1から10mg/kg/日、例えば2から6mg/kg/日、またはさらには約4mg/kg/日。
【0066】
より高いまたは低い投与量が適切である特別な場合もあり得る。こうした投与量は、本発明の内容から逸脱しない。慣習的な実施に従えば、各患者に適切な用量は、投与方法および患者の体重および応答に応じて医師によって決定される。
【0067】
本発明に従う医薬組成物は、2つの活性成分それぞれの1回以上の1日摂取、好ましくは1日あたり単一摂取で3日間連続で投与されることを目的とする。3日間に制限されたこの処置時間は、アルテミシニン誘導体を用いる単一治療に推奨される7日間に比べて、患者による良好な処置コンプライアンスが可能になることにより、長期的には寄生生物の耐性を誘導する処置の早期の中断を回避するという点で、特に有利である。
【0068】
本発明に従う医薬組成物の例として、以下の錠剤が想定できる:
【0069】
【表1】

【0070】
こうした錠剤は、例えば以下のパラメータに従いつつ、圧縮される:
フェロキン層の内相のための圧縮圧力:45bar;
圧縮フォーマット:17.5×10mm;
第1層(アルテスネート相)に適用される圧縮力:0kN;
第2層(中性層)に適用される圧縮力:2kN;
第2層(フェロキン層)のための最終圧縮力:24kN。
【0071】
【表2】

【0072】
こうした錠剤は、例えば以下のパラメータに従いつつ、圧縮される:
フェロキン層の内相のための圧縮圧力:45bar;
圧縮フォーマット:8.76×15.30mm;
第1層(アルテスネート層)に適用される圧縮力:0.2kN;
第2層(中性層)に適用される圧縮力:0.4kN;
第3層(フェロキン層)のための最終圧縮力:17.5kN。
【0073】
【表3】

【0074】
こうした錠剤は、例えば以下のパラメータに従いつつ、圧縮される:
フェロキン層の内相のための圧縮圧力:45bar;
圧縮フォーマット:6.95×12.17mm;
第1層(アルテスネート相)に適用される圧縮力:0.2kN;
第2層(中性層)に適用される圧縮力:0.2kN;
第3層(フェロキン層)のための最終圧縮力:13.4kN。
【0075】
【表4】

【0076】
こうした錠剤は、例えば以下のパラメータに従いつつ、圧縮される:
フェロキン層の内相のための圧縮圧力:45bar;
圧縮フォーマット:5.5×9.6mm;
第1層(アルテスネート相)に適用される圧縮力:0.2kN;
第2層(中性層)に適用される圧縮力:0.2kN;
第3層(フェロキン層)のための最終圧縮力:8.75kN。
【0077】
別の主題によれば、本発明は、医薬組成物を製造するための方法からなる。
【0078】
フェロキン層の圧縮のためのグレインは、アルテミシニンまたはこの誘導体層の圧縮のためのグレインおよび中性層のグレインとは別個に調製される。
【0079】
フェロキン層の圧縮グレインは、
内相化合物をプレ混合すること、
内相を圧縮すること、および
圧縮されたグレインと外相賦形剤とを混合すること
によって調製される。
【0080】
アルテミシニンまたはこの誘導体層の圧縮のためのグレインは、活性成分と、内相および外相の賦形剤とを混合することによって調製される。一方で、中性層のグレインは、このすべての構成成分を単に混合することによって調製される。
【0081】
次いで圧縮工程は、多層打錠機、例えばFette P102iまたはHata HT45タイプにて行われる。
【0082】
より詳細には、フェロキン層の圧縮のためのグレインは、以下の工程に従って調製される:
内相化合物の計量、
これらの化合物のスクリーニング、
活性成分および賦形剤の均質分布を得るためのこれらの化合物のプレ混合;
ローラ圧縮機を用いる内相の圧縮、
外相賦形剤の計量、
圧縮のために準備されたグレインを得るための内相圧縮されたグレインおよび外相賦形剤の混合、
さらにまた、アルテミシニンまたはこの誘導体層の圧縮のためのグレインは、以下の手順に従って調製される:
内相化合物の計量、
内相化合物のプレ混合、
ステアリン酸マグネシウムおよびコロイド状シリカの計量およびこの後のスクリーニング、
圧縮のために準備された混合物を得るためのステアリン酸マグネシウムおよびコロイド状シリカ化合物の最終的な混合。
【0083】
中性層の圧縮のためのグレインは、以下の手順に従って調製される:
すべての構成成分の計量、
これらの構成成分のスクリーニング、
すべての構成成分の混合。
【0084】
故に多層錠剤、特に3層のフェロキン−中性−アルテミシニンまたはこの誘導体の錠剤を製造するための方法は、以下に記載されるように例示できる:
a)フェロキン層の調製:
a1)フェロキン、希釈剤および崩壊剤の計量、
a2)7rpmで15分間のプレ混合、
a3)場合により、1.5mmスクリーンの回転検定装置による検定、
a4)7rpmで30分間の混合、
a5)ローラ圧縮機、例えば2.5から1.25mmのスクリーンを有するAlexanderwerk WP 50ローラ圧縮機での圧縮、
a6)場合により、潤滑剤および補助的に甘味剤の混合、次いで1mmのスクリーンを有する回転検定装置におけるこの成分またはこれら2つの成分の検定、
a7)工程a6)が行われる場合、工程a6)から得られる化合物および工程a5)から得られる化合物の混合、
a8)場合により、7rpmで30分間のロボテイナ(Robotainer)ミキサにおける混合;
b)アルテミシニンまたはこの誘導体層の調製:
b1)活性成分(アルテミシニンまたはこの誘導体)、希釈剤、崩壊剤、結合剤および共希釈剤の計量、
b2)場合により、7rpmで15分間の反転混合機またはCMA回転ミキサにおける混合、
b3)場合により、例えば1mmのスクリーンを有するCMA回転検定装置による検定、
b4)潤滑剤およびフロー剤の混合、次いで場合によりこれら2つの成分の1.0mmスクリーンを用いる検定、
b5)場合により、7rpmで15分間のロボテイナ(Robotainer)ミキサにおける混合、
b6)7rpmで30分間のロボテイナ(Robotainer)ミキサにおける混合、
c)中性層の調製:
c1)2つの希釈剤、崩壊剤および潤滑剤の計量、
c2)場合により、1.0mmスクリーンの回転検定装置による検定、
c3)場合により、7rpmで30分間の反転ミキサまたはCMA回転ミキサにおける混合、
d)得られた混合物の圧縮であって:
a9)において(この工程が行われる場合)、または必要な場合、工程a)にて行われる最終工程において、および
b6)において、および
c3)において、
例えば、多層打錠機、例えばFette P102iまたはHata HT45タイプにおける圧縮。
【0085】
本発明の実施形態の1つによれば、以降の工程において記載される試剤はそれぞれ:
工程a1):微結晶セルロースPH112、カルボキシメチルナトリウムデンプン、
工程a6)または必要な場合、a)において行われる最終工程において:ステアリン酸マグネシウムおよびアセスルファームカリウム、
工程b1):炭酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン(PVP K30)および微結晶セルロースPH112、
工程b4):ステアリン酸マグネシウムおよび無水コロイド状シリカ、
工程c1):微結晶セルロース、炭酸カルシウム、カルボキシメチルナトリウムデンプン、ステアリン酸マグネシウム
である。
【0086】
例として、表中に記載される組成物を有するおよび上述の方法に従って製造される本発明に従う医薬組成物は、以下の特徴を有する:
圧縮フォーマット:17.5×10mm、
平均錠剤硬度(n=10):198N、
European Pharmacopoeiaに従う4分後の磨損度(n=10)(%):0.21%
周囲温度にて精製水中でのEuropean Pharmacopoeiaに従う崩壊時間(n=6):123秒、
European Pharmacopoeiaに従う分散液の細かさに関する適合性:適合。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層医薬組成物であって、医薬組成物あたり、少なくとも2つの層および最小で2つの活性成分を含むことを特徴とし、この組成物が水分散性であり:
第1の活性成分として、塩基、塩、水和物または溶媒和物の形態のフェロキン、
第2の活性成分として、塩基、塩、水和物または溶媒和物の形態のアルテミシニンまたはこの誘導体、
医薬的に許容される賦形剤
を含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記医薬組成物が、錠剤形態であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記医薬組成物が、2層医薬組成物であることを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記医薬組成物が3層医薬組成物であることを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記医薬組成物が、最大120±15秒の崩壊時間を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記医薬組成物が、5.50×9.60mmの圧縮フォーマットおよび50から160Nの硬度を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記医薬組成物が、5.50×9.60mmの圧縮フォーマットおよび60から150Nの硬度を有することを特徴とする、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記医薬組成物が、5.50×9.60mmの圧縮フォーマットおよび70から140Nの硬度を有することを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記医薬組成物が、6.95×12.17mmの圧縮フォーマットおよび100から175Nの硬度を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記医薬組成物が、6.95×12.17mmの圧縮フォーマットおよび110から165Nの硬度を有することを特徴とする、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記医薬組成物が、6.95×12.17mmの圧縮フォーマットおよび115から160Nの硬度を有することを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記医薬組成物が、8.76×15.3mmの圧縮フォーマットおよび110から230Nの硬度を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記医薬組成物が、8.76×15.3mmの圧縮フォーマットおよび120から220Nの硬度を有することを特徴とする、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記医薬組成物が、8.76×15.3mmの圧縮フォーマットおよび130から210Nの硬度を有することを特徴とする、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記医薬組成物が、10×17.5mmの圧縮フォーマットおよび140から260Nの硬度を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記医薬組成物が、10×17.5mmの圧縮フォーマットおよび160から240Nの硬度を有することを特徴とする、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記医薬組成物が、10×17.5mmの圧縮フォーマットおよび170から230Nの硬度を有することを特徴とする、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記医薬組成物が、5.50×9.60mmの圧縮フォーマットおよび0から0.30%の4分後の磨損度を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記医薬組成物が、5.50×9.60mmの圧縮フォーマットおよび0から0.20%の磨損度を有することを特徴とする、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記医薬組成物が、5.50×9.60mmの圧縮フォーマットおよび0から0.15%の磨損度を有することを特徴とする、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記医薬組成物が、6.95×12.17mmの圧縮フォーマットおよび0から0.30%の4分後の磨損度を有することを特徴とする、請求項1から5および9から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記医薬組成物が、6.95×12.17mmの圧縮フォーマットおよび0から0.20%の磨損度を有することを特徴とする、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記医薬組成物が、8.76×15.3mmの圧縮フォーマットおよび0から0.30%の4分後の磨損度を有することを特徴とする、請求項1から5および12から14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記医薬組成物が、8.76×15.3mmの圧縮フォーマットおよび0から0.20%の磨損度を有することを特徴とする、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記医薬組成物が、10×17.5mmの圧縮フォーマットおよび0から0.5%の4分後の磨損度を有することを特徴とする、請求項1から5および15から17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記医薬組成物が、10×17.5mmの圧縮フォーマットおよび0から0.4%の磨損度を有することを特徴とする、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記医薬組成物が、10×17.5mmの圧縮フォーマットおよび0から0.3%の磨損度を有することを特徴とする、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記医薬組成物が、錠剤の総質量に対して、5%未満の崩壊剤レベルを含むことを特徴とする、請求項1から27のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記医薬組成物が、錠剤の総質量に対して、3.5%未満の崩壊剤レベルを含むことを特徴とする、請求項1から27のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記医薬組成物が、それぞれの層において、2%未満の崩壊剤レベルを含むことを特徴とする、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項31】
請求項1、2および/または4のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、この医薬組成物が:
120±15秒の崩壊時間;
0.5%未満の磨損度;
錠剤の総質量に対して5%未満の崩壊剤のレベル;
総質量に対して2.5%未満の各層における崩壊剤のレベル;
前記医薬組成物が5.50×9.60mmの圧縮フォーマットを有する場合に、50から160N;または
前記医薬組成物が6.95×12.17mmの圧縮フォーマットを有する場合に、100から175N;または
前記医薬組成物が8.76×15.30mmの圧縮フォーマットを有する場合に、110から230N;または
前記医薬組成物が10×17.50mmの圧縮フォーマットを有する場合に、140から260N
の硬度
を有することを特徴とする、組成物。
【請求項32】
請求項31に記載の医薬組成物であって、この医薬組成物が:
120±15秒の崩壊時間;
0.4%未満の磨損度;
錠剤の総質量に対して3.5%未満の崩壊剤のレベル;
総質量に対して2%未満の各層における崩壊剤のレベル;
前記医薬組成物が5.50×9.60mmの圧縮フォーマットを有する場合に、70から140N;または
前記医薬組成物が6.95×12.17mmの圧縮フォーマットを有する場合に、115から160N;または
前記医薬組成物が8.76×15.30mmの圧縮フォーマットを有する場合に、130から210N;または
前記医薬組成物が10×17.50mmの圧縮フォーマットを有する場合に、170から230N
の硬度
を有することを特徴とする組成物。
【請求項33】
請求項1から31のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、この医薬組成物が:
以下の前記フェロキン層のための内相の化合物を含み:
5%から30%のフェロキン、
0.2%から1.0%の崩壊剤、
10%から40%の希釈剤、
場合により、以下の前記フェロキン層のための外相の化合物を含み:
0.1%から1%の潤滑剤、
0から4.0%の甘味剤、
以下の前記アルテミシニンまたはこの誘導体層のための内相の化合物を含み:
5%から20%のアルテミシニンまたはこの誘導体、
0から10%の希釈剤、
8%から16%の共希釈剤、
0.5%から2%の結合剤、
0から2%の崩壊剤、
場合により、以下の前記アルテミシニンまたはこの誘導体層のための外相の化合物を含み:
0から1%の潤滑剤、
0から0.3%のフロー剤、
以下の前記中性単離層のための化合物を含み:
10%から30%の希釈剤、
0から10%の共希釈剤、
0から0.5%の潤滑剤、
0から2%の崩壊剤、
前記医薬組成物が外相を含まない場合に、0.5%から2%の潤滑剤を含有すべきである、組成物。
【請求項34】
請求項32に記載の医薬組成物であって、この医薬組成物が、
前記フェロキン層のための内相の化合物において、崩壊剤としてのカルボキシメチルナトリウムデンプン、希釈剤としての微結晶セルロース;
前記フェロキン層のための外相の化合物において、潤滑剤としてのステアリン酸マグネシウム、甘味剤としてアセスルファームカリウム;
前記アルテスネート層のための内相の化合物において、希釈剤としての炭酸カルシウム、共希釈剤としての微結晶セルロース、前記アルテミシニンまたはこの誘導体層の崩壊剤としてのクロスカルメロースナトリウム、前記アルテミシニンまたはこの誘導体層の結合剤としてのポビドン;
前記アルテスネート層のための外相の化合物において、フロー剤としてのコロイド状シリカ、潤滑剤としてのステアリン酸マグネシウム;
前記中性単離層の化合物において、希釈剤としての炭酸カルシウム、共希釈剤としての微結晶セルロース、潤滑剤としてのステアリン酸マグネシウムおよび崩壊剤としてのカルボキシメチルナトリウムデンプン
を含むことを特徴とする、組成物。
【請求項35】
請求項1から34のいずれか一項に記載の医薬組成物の製造方法であって、以下の工程を特徴とする方法:
a)フェロキン層の調製:
a1)フェロキン、希釈剤および崩壊剤の計量、
a2)7rpmで15分間のプレ混合、
a3)場合により、1.5mmスクリーンの回転検定装置による検定、
a4)7rpmで30分間の混合、
a5)ローラ圧縮機、例えば2.5および1.25mmのスクリーンを有するAlexanderwerk WP 50ローラ圧縮機での圧縮、
a6)場合により、潤滑剤および補助的に甘味剤の混合、次いで1mmのスクリーンを有する回転検定装置によるこの成分またはこれら2つの成分の検定、
a7)工程a6)が行われる場合、工程a6)から得られる化合物および工程a5)から得られる化合物の混合、
a8)場合により、7rpmで30分間のロボテイナ(Robotainer)ミキサにおける混合;
b)アルテミシニンまたはこの誘導体層の調製:
b1)活性成分(アルテミシニンまたはこの誘導体)、希釈剤、崩壊剤、結合剤および共希釈剤の計量、
b2)場合により、7rpmで15分間の反転混合機またはCMA回転ミキサにおける混合、
b3)場合により、例えば1mmのスクリーンを有するCMA回転検定装置による検定、
b4)潤滑剤およびフロー剤の混合、次いで場合によりこれら2つの成分の1.0mmスクリーンを用いる検定、
b5)場合により、7rpmで15分間のロボテイナ(Robotainer)ミキサにおける混合、
b6)7rpmで30分間のロボテイナ(Robotainer)ミキサにおける混合、
c)中性層の調製:
c1)2つの希釈剤、崩壊剤および潤滑剤の計量、
c2)場合により、1.0mmスクリーンの回転検定装置による検定、
c3)場合により、7rpmで30分間の反転混合ミキサまたはCMA回転ミキサにおける混合、
d)得られた混合物の以下の圧縮:
a9)の工程が行われる場合、a9)における圧縮、または必要な場合、a)にて行われる最終工程における圧縮、および
b6)における圧縮、および
c3)における圧縮。

【公表番号】特表2013−510131(P2013−510131A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537439(P2012−537439)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052369
【国際公開番号】WO2011/055083
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】