説明

抗マラリア薬としての新規なピペラジン

本発明は、新規なピペリジン誘導体、及び医薬組成物の製造における活性成分としてのそれらの使用に関する。本発明はまた、これらの化合物の1又は2以上を含む医薬組成物、及び、特にマラリア等の原虫感染症の治療又は予防のための医薬としてのそれらの使用を含む、関連した側面に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式Iの新規化合物に関する。また、本発明は、該化合物の製造のための方法、1又は2以上の式Iの化合物を含む医薬組成物、及び特にマラリア感染を治療もしくは予防するための、又は睡眠病、シャーガス病、アメーバ症、ジアルジア症、トリコモナス症、トキソプラスマ症、レーシュマニア症のようなその他の原虫症を治療もしくは予防するための医薬としてのこれらの使用を含む関連した側面に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ヒト、並びに家畜及び家畜動物に影響を及ぼす多数の重病は、例えば、キネトプラスト(kinetoplastida)、アピコンプレクサ(apicomplexa)、アナロビック・プロトゾア(anaerobic protozoa)、微胞子虫(microsporidia)及びプラスモディウム(plasmodium)などの原生動物生物によって引き起こされる。これらの疾患に臨床的に最も関連したものがマラリアである。
【0003】
マラリアは、21世紀において人類に影響を及ぼす最も深刻かつ複雑な健康問題のうちの1つである。本疾患は、世界中で約300,000,000人に影響を及ぼしており、毎年1,000,000〜1,500,000人の命を奪う。マラリアは、4種の寄生原虫プラスモディウム属によって生じる感染症であり、熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)が4種のうちで最も重篤である。熱帯熱マラリア原虫に対するワクチンを開発するための全ての試みが、今まで失敗している。従って、マラリアに対する療法及び予防措置は、薬物に限定される。種々の分類の抗マラリア薬が存在する。最も広く使用されているものは、キノリン抗マラリア薬、例えば予防及び療法の両方のために特に有効な薬物であったクロロキンである。しかし、多くの現在利用可能な抗マラリア薬に対する耐性が急速に広がっており、新薬が必要とされている。マラリア原虫の多薬剤耐性株の報告は、新たな抗マラリア薬の探索を特に緊急なものとしている。
【0004】
熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)は、雌ハマダラカ蚊が刺すことによって人体に入る(また、これは、漸近のドナーからの輸血によっても伝染しえる;赤血球、濃縮血小板、白血球、寒冷沈降物及び新鮮な血漿を含むほとんど全ての感染血液成分は、マラリアを伝染させることができる)。マラリア原虫寄生虫は、まず肝臓に入り込み、感染サイクルの後期段階の間には、赤血球内で繁殖する。この段階の間に、寄生虫は、ヘモグロビンを分解して、増殖のための栄養素として分解生成物を使用する。
【0005】
現在の抗原生動物化学療法薬の蓄えの限界は、この治療領域における新薬の必要性を強く示している。本発明は、原虫感染の予防治療及び/又は予防に、特にマラリアの、特に熱帯熱原虫マラリアの治療及び/又は予防に有用である新規の低分子量の、非ペプチド性の、式Iの非キノリン化合物の同定に関する。
【0006】
WO2007/046075もまた、抗マラリア薬としてのピペラジン誘導体を開示する。本出願でクレームする化合物のいくつかと最も近いWO2007/046075の化合物は実施例54の化合物であり、それは、本明細書の参考実施例1に対応する。しかし、WO2007/046075の実施例54の化合物に構造的に最も近い本出願でクレームする化合物は、50%血清の存在下で、P.falciparum株、NF54の赤内期(erythrocytic stages)に対して、イン ヴィトロにて、WO2007/046075の実施例54の化合物と比較して顕著に高い活性を示す(下記の表
1を見よ。)。
【発明の概要】
【0007】
本発明の詳細な記述
i) 本発明は、式Iの新規な化合物に関する:
【0008】
【化1】

【0009】
式中、
−XはCH又はNであり;
は、−NO、−N(CH又は−NCH(CHCHOH)を表し;かつRは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、シアノ、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル、アセチル又はアセチルアミノを表すか;又は
−XはCHであり、Rは水素であり、かつRはエチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、メチルスルフォニル、アセチルアミノ又はメトキシカルボニルであるか;又は
−XはCHであり、Rはシアノであり、かつRは、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XはCHであり、Rはクロロであり、かつRは、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XはCHであり、Rはメトキシ又はイソプロポキシであり、かつRはトリフルオロメチルであるか;又は
−XはCHであり、Rはメチルスルフォニル又はエチルスルフォニルであり、かつRはトリフルオロメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ又はジフルオロメトキシであり、特にトリフルオロメチル、tert−ブチル、n−プロポキシ又はイソプロポキシである。
【0010】
ii) 本発明のさらなる態様は、
−XがCH又はNであり;
が、−NO、−N(CH又は−NCH(CHCHOH)を表し;かつRが、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、シアノ、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメ
チル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル、アセチル又はアセチルアミノを表すか;又は
−XがCHであり、Rが水素であり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、メチルスルフォニル、アセチルアミノ又はメトキシカルボニルであるか;又は
−XがCHであり、Rがシアノであり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XがCHであり、Rがクロロであり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XがCHであり、Rがメトキシ又はイソプロポキシであり、かつRがトリフルオロメチルである、態様i)に従う式Iの化合物に関する。
【0011】
iii) 本発明のさらなる態様は、
−XがCH又はNであり;
が、−NO、−N(CH又は−NCH(CHCHOH)を表し;かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノを表すか;又は
−XがCHであり、Rが水素であり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、メチルスルフォニル、アセチルアミノ又はメトキシカルボニルであるか;又は
−XがCHであり、Rがシアノであり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XがCHであり、Rがクロロであり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XがCHであり、Rがメトキシ又はイソプロポキシであり、かつRがトリフルオロメチルである、態様i)に従う式Iの化合物に関する。
【0012】
iv) 本発明のさらなる態様は、
が、−NO、−N(CH又は−NCH(CHCHOH)を表し;かつRが、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、シアノ、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル、アセチル又はアセチルアミノを表す、態様i)に従う式Iの化合物に関する。
【0013】
v) 本発明のさらなる態様は、
が、−NO、−N(CH又は−NCH(CHCHOH)を表し;かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノを表す、態様i)に従う式Iの化合物に関する。
【0014】
vi) 本発明のさらなる態様は、XがCHである、態様iv)又はv)に従う式Iの化合物に関する。
【0015】
vii) 本発明のさらなる態様は、XがNである、態様iv)又はv)に従う式Iの化合物に関する。
【0016】
viii) 本発明のさらなる態様は、Rが−NOを表す、態様iv)〜vii)のいずれか1つに従う式Iの化合物に関する。
【0017】
ix) 本発明のさらなる態様は、Rが−N(CHを表す、態様iv)〜vii)のいずれか1つに従う式Iの化合物に関する。
【0018】
x) 本発明のさらなる態様は、Rが−NCH(CHCHOH)を表す、態様iv)〜vii)のいずれか1つに従う式Iの化合物に関する。
【0019】
xi) 本発明のさらなる態様は、Rがエチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ又はイソプロポキシである、態様iv)〜x)のいずれか1つに従う式Iの化合物に関する。
【0020】
xii) 本発明のさらなる態様は、Rがイソプロポキシである、態様xi)に従う式Iの化合物に関する。
【0021】
xiii) 本発明のさらなる態様は、Rがトリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノである、態様iv)〜x)のいずれか1つに従う式Iの化合物に関する。
【0022】
xiv) 本発明のさらなる態様は、Rがメトキシである、態様iv)〜x)のいずれか1つに従う式Iの化合物に関する。
【0023】
xv) 本発明のさらなる態様は、Rが水素、メチル、n−プロピル、シアノ、ハロゲン又はアセチルである、態様iv)〜x)のいずれか1つに従う式Iの化合物に関する。
【0024】
本明細書で使用する「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、特にフッ素又は塩素を意味する。
【0025】
化合物、塩、医薬組成物、疾病等について複数形が使用される場合は、単数の化合物、塩等をも意味することが意図されている。
【0026】
式Iの化合物に対する上記又は下記のいずれの言及も、適切かつ好都合なように、式Iの化合物の塩、特に薬学的に許容される塩をも指すものと理解されるべきである。
【0027】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。「Salt selection for basic drugs」、Int.J.Pharm.(1986)、33、201−217」を参照してもよい。
【0028】
本発明はまた、同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された式Iの化合物をも含み、当該同位体標識された化合物は、1又は2以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然において通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子によってそれぞれ置き換えられていることを除いては、式Iの化合物と同一である。同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された式Iの化合物、及びその塩は、本発明の範囲に含まれる。水素をより重い同位体H(デューテリウム)に置換することにより代謝安定性
が増大するため、例えば、in−vivoでの半減期が長くなり、あるいは、必要用量を減らすことができ、又は、チトクロームP450酵素の阻害が軽減され得るため、例えば、安全性プロファイルが改善される。本発明の1つの態様においては、式Iの化合物は同位体標識されていないか、又は、それらは1若しくは2以上のデューテリウム原子によってのみ標識されている。副態様においては、式Iの化合物は全く同位体標識されていない。同位体標識された式Iの化合物は、適切な試薬又は出発物質の適宜な同位体種を用いることを除いては、下記の方法と同様に製造してもよい。
【0029】
式Iの好ましい化合物の例は、下記の化合物から成る群より選択される:
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(6−エトキシ−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−メタンスルフォニル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−プロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロピル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−
ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(6−エトキシ−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−エトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−メタンスルフォニル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−プロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−イソプロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−エチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−イソプロピル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−tert−ブチル−
フェニル)−アクリルアミド及び
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ニトロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド。
【0030】
式Iの好ましい化合物のさらなる例は、下記の化合物から成る群より選択される:
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}シンナムアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−[4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}−3−(p−トリル)アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}−3−(4−プロピルフェニル)アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}−3−(4−メトキシフェニル)アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチル−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−3−(4−シアノフェニル)−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}−3−(4−フルオロフェニル)アクリルアミド及び
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−3−(4−クロロフェニル)−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}アクリルアミド。
【0031】
式Iの好ましい化合物のさらなる例は、下記の化合物から成る群より選択される:
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−エチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−エトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−4−(2−{[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバモイル}−ビニル)−安息香酸 メチルエステル、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−メタンスルフォニル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−プロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−イソプロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−イソプロピル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−メタンスルフォニル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−プロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロピル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−メタンスルフォニル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル
)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−プロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロピル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−メトキシ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド及び
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−イソプロポキシ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド。
【0032】
式Iの好ましい化合物のさらなる例は、下記の化合物から成る群より選択される:
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−(メチルスルフォニル)−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロポキシフェニル)−アクリルアミド、(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−(メチルスルフォニル)−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−(メチルスルフォニル)−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−プロポキシフェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−(4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)ベンジル)−N−(1−(4−(4−(メチルスルフォニル)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−(エチルスルフォニル)−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−プロポキシフェニル)−アクリルアミド及び
(S)−N−(4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)ベンジル)−N−(1−(4−(4−(エチルスルフォニル)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アクリルアミド。
【0033】
式Iの化合物及びこれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば経腸又は非経
口投与のための医薬組成物の形態で使用することができ、特にマラリア等の本明細書で言及した疾患の治療及び/又は予防に適している。
【0034】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者によく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part5、「Pharmaceutical
Manufacturing」[Lippincott Williams&Wilkinsにより出版]を見よ。)、記述された式Iの化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0035】
1つの態様において、本発明は、式Iの化合物の薬学的に活性な量を対象に投与することを含む、特にマラリア等の本明細書において言及した疾患の治療又は予防のための方法に関する。
【0036】
また、式Iの化合物又は上述の医薬組成物は、1又は2以上の治療上有用な物質、例えば、キノリン(例えば、キニーネ、クロロキン、アモジアキン、メフロキン、プリマキン及びタフェノキン)、過酸化物抗マラリア薬(例えば、アルテミシニン、アルテメーテル及びアルテスナート)、ピリメタミン−スルファドキシン抗マラリア薬(例えば、ファンシダールR)、ヒドロキシナフトキノン(たとえば、アトバクオン)、アクロリン型抗マラリア薬(たとえば、ピロナリジン(pyronaridine))等の他の抗マラリア薬及びエチルスチバミン、ヒドロキシスチルバミジン、ペンタミジン、スチルバミジン、キナピラミン、ピューロマイシン(puromycine)、プロパミジン、ニフルチモクス(nifurtimox)、メラルソプロール、ニモラゾール(nimorazole)、ニフロキシム、アミニトロゾール(aminitrozole)等の他の抗原虫薬と組み合わせて使用してもよい。
【0037】
本発明はまた、任意に、1又は2以上の、前段落で言及したような他の治療上有用な物質と組み合わせて使用するための、特にマラリア等の本明細書において言及した疾患の予防及び/又は治療のための医薬組成物の製造のための、式Iの化合物の使用に関する。
【0038】
本発明の式Iの化合物は、特に実験の部に記載したように、本明細書に記載した手順に従って製造してもよい。
【0039】
一般に、全ての化学変換は、文献に記載され、又は下記の手順に記載されるような、周知の標準的方法に従って行うことができる。
【0040】
が−NCH(CHCHOH)である化合物以外の式Iの化合物の製造:
【0041】
【化2】

【0042】
Boc−Phe−OH1は、DCM(又はDMF)中で、DIPEA(又はNEM)等の塩基の存在下、RTにて、TBTU(又はPyBOP/HOBt)等の活性化剤を用いたペプチドカップリングを介して、ベンジルピペラジン誘導体2とカップリングすることができ、中間体3を与える。あるいは、Cbz−Phe−OHも、初期のペプチドカップリング工程で用いることができ、3を与える。Boc−脱保護は、通常、DCMを溶媒として用いて、3を、HClのジオキサン中の4N溶液と反応させることにより行われ、一方、Cbz−脱保護は、MeOH中でのPd/C触媒を用いた水素化により行われ、アミン中間体4を与える。MeOH中での還流下での、遊離アミン4とアルデヒド5の間の還元的アミノ化により、不安定なイミンが得られ(スキーム中に示さず。)、それをrtにてNaBHでさらに還元することにより、第二アミン中間体6が得られる。あるいは、還元的アミノ化は、CHCN等の溶媒中、NaBH(OAc)等の還元剤の存在下で行うことができ、所望の第二アミン中間体6が得られる。次いで、化合物6は、TBTU、PyBOP/HOBt又はGhosezの試薬等のペプチドカップリング試薬を用いて、DCM(又はDMF)等の溶媒中、RTにて、DIPEA(又はNEM)等の塩基の存在下、カルボン酸7とカップリングさせることができる。あるいは、カルボン酸7は、DCM中の塩化オキサリルを用いて、対応する酸塩化物(スキーム中に示さず。)に変換することができ、式Iの目的化合物8を与える。
【0043】
=−NCH(CHCHOH)の場合には、式Iの化合物はスキーム2に従って製造する。
【0044】
【化3】

【0045】
Boc−Phe−OH1は、DCM(又はDMF)中で、DIPEA(又はNEM)等の塩基の存在下、RTにて、TBTU(又はPyBOP/HOBt)等の活性化剤を用いたペプチドカップリング反応を介して、ベンジルピペラジン誘導体9とカップリングされ、中間体10を与える。あるいは、Cbz−Phe−OHも、初期のペプチドカップリング工程で用いることができ、10を与える。Boc−脱保護は、通常、DCMを溶媒として用いて、10を、HClのジオキサン中の4N溶液と反応させることにより行われ、一方、Cbz−脱保護は、MeOH中でのPd/C触媒を用いた水素化により行われ、アミン中間体11を与える。NaBH(OAc)等の還元剤の存在下における、CHCN中、RTでの、遊離アミン11とアルデヒド5の間の還元的アミノ化により、第二アミン中間体12が得られる。化合物12の遊離の水酸基は、例えば、TBDMSClをシリル化剤として用いて保護され、13を与え、次いで、DCM(又はDMF)等の溶媒中で、DIPEA等の塩基の存在下、RTにて、TBTU(又はPyBOP/HOBt)等のペプチドカップリング剤を用いて、カルボン酸7とカップリングされる。あるいは、カルボン酸7は、DCM中の塩化オキサリルを用いて、対応する酸塩化物(スキーム中に示さず。)に変換することにより活性化することができ、続いて化合物14を与える。MeOH中の水性1M HCl又はTBAF等のフッ素化剤等の穏和な酸性条件下でのさらなる脱保護により、式Iの目的化合物16が得られる。
【0046】
式Iの化合物は、スキーム3に示す経路に従って製造することもできる。
【0047】
【化4】

【0048】
MeOH中での還流下での、アミノ酸、H−Phe−OMe.HCl17とアルデヒド5の間の還元的アミノ化により、対応するイミンが得られ、それは、rtにてNaBH等の還元剤の存在下でさらに第二アミン18に還元される。18はまた、化合物6及び12について上記した条件を用いて得ることもできる。次いで、エステル18は、DCM中の塩化オキサリル又はGhosezの試薬を用いて、カルボン酸7由来の酸塩化物19とカップリングされる。あるいは、18は、DCM(又はDMF)等の溶媒中で、DIPEA(又はNEM)等の塩基の存在下、RTにて、TBTU(又はPyBOP/HOBt)をカップリング剤として用いたペプチドカップリング反応を介して、カルボン酸7と直接カップリングさせることができる。THF中の0.5N水性LiOHを用いて、0℃にて、エステル20を注意深くけん化することにより、酸21が得られる。最後に、ベンジルピペラジン2とペプチドカップリングすることにより、式Iの目的化合物8が得られる。
【0049】
ベンジルピペラジン2及び9は市販されており、かつ/又は下記の合成スキーム4に従って合成することができる:
【0050】
【化5】

【0051】
桂皮酸7は、は市販されており、かつ/又は下記の経路に従って合成することができる:
経路A:Knoevenagel反応
【0052】
【化6】

【0053】
桂皮酸7は、ピペリジン/ピリジンの混合物中で、アルデヒド25をマロン酸と共に還流することにより得られる(WO00/66566)。
【0054】
経路B:Horner−Emmons反応
【0055】
【化7】

【0056】
桂皮酸7は、NaH等の塩基の存在下、THF等の非プロトン性溶媒中で、アルデヒド25をホスホノ酢酸トリエチル(triethylphosphoacetate)26と反応させ、次いで、EtOH中で、得られたエチルエステルを4N KOHでけん化することにより、2工程で得られる。
【0057】
下記の実施例により本発明を説明する。すべての温度は摂氏度にて、そして圧力はmbarで記載する。特に断らない限り、反応はRTで行われる。溶媒相互の量の割合は、常に容量部で記載する。目的生成物及び中間体の化学名は、ChemDrawPro Automatic Nomenclatureプログラムによる補助の下、化学構造式に基づいて求めた。
【0058】
分析用HPLC条件:
(I) UV/Vis及びMS検出器(MS:Thermo Finnigan シングル四重極)を備えたAgilent1100シリーズ。カラム(4.6×50mm、5μm):Waters X−Bridge C18又はWaters Atlantis T3。塩基性条件:溶出液A:MeCN、B:濃縮NH水溶液(1.0mL/L)。勾配、1.5minに渡って5〜95%A。流速:4.5mL/min。
【0059】
酸性条件:溶出液A:水+0.04%TFA、B:MeCN。勾配、1.5minに渡って5〜95%。流速:4.5mL/min。
【0060】
分取用HPLC条件:
UV/Vis+MS又はUV/Vis+ELSD検出器を備えたGilson。塩基性条件:溶出液:A:MeCN、B:HO+0.5%NH(25%水性)。
【0061】
(II) Waters X−Bridgeカラム、19×50mm、5μm。勾配:5minに渡って20〜90%A。流速:40mL/min。
【0062】
(III) Waters X−Bridgeカラム、30×75mm、10μm。勾配:6minに渡って20〜90%A。流速:75mL/min。
【0063】
下記の略語を本明細書で使用する:
AcOH 酢酸
Boc tert−ブトキシカルボニル
Boc−Phe−OH Boc−L−フェニルアラニン
Cbz ベンジルオキシカルボニル
Cbz−Phe−OH Cbz−L−フェニルアラニン
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
Et エチル
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
EtO ジエチルエーテル
ELSD 蒸発光散乱検出
h 時間
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
H−Phe−OMe.HCl L−フェニルアラニン メチルエステル塩酸塩
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
Me メチル
MeOH メタノール
min 分
MS 質量分析
NaBH(OAc) ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド
NEM N−エチルモルフォリン
PBS リン酸緩衝生理食塩水
Pd/C パラジウム炭素
PG 保護基
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−
ピロリジノホスフォニウムヘキサフルオロホスフェート
quant. 定量的
RT 室温
Rt HPLCにおける物質の(分で表した)保持時間
TBAF フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム
TBDMSCl tert−ブチルジメチルクロロシラン
TBTU O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−
テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
UV 紫外線
Vis 可視
♯ 番号
【0064】
スキーム1に示した経路を介した式Iの化合物の製造−一般的手順及び実施例:
一般的方法A−工程1
【0065】
【化8】

【0066】
1mmolのBoc−Phe−OH又はCbz−Phe−OHの、0.6mLの乾燥DCM(又はDMF)中の攪拌した懸濁液に、アルゴン下、1mmolのTBTUと2mmolのNEMを連続的に添加する。得られた明黄色の懸濁液をRTにて1h攪拌した後、1mmolのベンジルピペラジンの、0.25mLの乾燥DCM(又はDMF)中の溶液を添加する。得られた反応混合物を、RTにて一晩、さらに攪拌する。完了後すぐに、反応液をDCMで希釈し、そしてNaHCOの飽和溶液でクェンチする。水相をDCM(×3)で抽出し、合わせた有機相をHOと塩水(brine)で連続的に洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO 60F)で精製して、表題化合物を得る。
【0067】
中間体1
【0068】
【表1】

【0069】
【化9】

【0070】
PG=Bocを用いて:
1mmolのBoc−保護アミンの、9mLの乾燥DCM中の溶液に、0℃にて、ジオキサン中の4N、HCl4.5mLを滴下する。得られた反応混合物を、窒素雰囲気下、RTにて4h攪拌し、0℃に冷却し、そして1NのNaOH水溶液で注意深くpH=7に中和する。次いで、水相をDCM(×3)で抽出する。合わせた有機相を連続的にHOと塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮して、遊離の第一アミンを得、それをさらに精製することなく次の工程で使用する。
【0071】
PG=Cbzを用いて:
2mmolのCbz−保護アミン、Pd−C10%(100mg)の、乾燥EtOH(25mL)中の混合物を、RTにて、水素雰囲気下で3h攪拌する。反応混合物をセライト上でろ過し、そして減圧下で濃縮して、遊離の第一アミンを得、それをさらに精製する
ことなく次の工程で使用する。
【0072】
中間体2
【0073】
【表2】

【0074】
【化10】

【0075】
一般的方法C1
1mmolのアミンと1mmolのアルデヒドの、5mLの乾燥MeOH中の溶液を、窒素下で24h還流する。次いで、得られた混合物をRTに冷却した後、1.5mmolのNaBHを少しずつ添加する。得られた不均質な混合物をRTにて2h、さらに攪拌し、NaHCOの飽和水溶液でクェンチし、そしてEtOAc(×3)で抽出する。合わせた有機相を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO 60F)で精製して、表題化合物を得る。
【0076】
一般的方法C2
1mmolのアミンと1mmolのアルデヒドの、5mLの乾燥CHCN中の溶液に、1.5mmolのNaBH(OAc)少しずつ添加する。得られた不均質な混合物をRTにて4h、さらに攪拌し、NaHCOの飽和水溶液でクェンチし、そしてEtOAc(×3)で抽出する。合わせた有機相を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO 60F)で精製して、表題化合物を得る。
【0077】
中間体3
【0078】
【表3】

【0079】
【化11】

【0080】
一般的方法D1
1mmolの桂皮酸の、5mLの乾燥DCM中の溶液に、窒素下、1.4mmolの1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミン(Ghosezの試薬)を添加する。得られた混合物を、RTにて1h攪拌した後、1mmolのアミンと3mmolのDIPEAの、4mLの乾燥DCM中の溶液を添加する。反応混合物を、RTにて、一晩さらに攪拌する。完了後すぐに、NaHCOの飽和水溶液を添加し、そして混合物をDCM(×3)で抽出する。合わせた有機相を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO 60F)又は分取用HPLCで精製して、目的化合物を得る。
【0081】
一般的方法D2
1.05mmolの桂皮酸の、3.5mLの乾燥DCM中の溶液(又は懸濁液)に、窒素下、0℃にて、1.1mmolの塩化オキサリルと3滴のDMFを添加する。得られた混合物をRTにて1h攪拌し、0℃に冷却した後、1mmolのアミンと2mmolのDIPEAの、3mLの乾燥DCM中の溶液を添加する。反応混合物を、RTにて一晩さらに攪拌する。完了後すぐに、NaHCOの飽和水溶液を添加し、そして混合物をDCM(×3)で抽出する。合わせた有機相を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO 60F)又は分取用HPLCで精製して、目的化合物を得る。
【0082】
【表4】

【0083】
【表5】

【0084】
【表6】

【0085】
【表7】

【0086】
【表8】

【0087】
【表9】

スキーム2に示した経路を介した式Iの化合物の製造−一般的手順及び実施例:
工程1:(S)−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
【0088】
【化12】

【0089】
60mmolのBoc−Phe−OHを用いて、一般的方法Aに従い、表題化合物を50%の収率で得る。Rt=0.87;[M+H]=497.42(分析I、X−Bridgeカラム、塩基性条件)。
【0090】
工程2:(S)−2−アミノ−1−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−3−フェニル−プロパン−1−オン
【0091】
【化13】

【0092】
12mmolのBoc−保護アミン10を用いて、一般的方法Bに従い、表題化合物を定量的収率で得る。Rt=0.69;[M+H]=397.18(分析I、X−Bridgeカラム、塩基性条件)。
【0093】
工程3:(S)−2−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジルアミノ]−1−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−3−フェニル−プロパン−1−オン
【0094】
【化14】

【0095】
11.4mmolの遊離アミン11を用いて、一般的方法C2に従い、表題化合物を定量的収率で得る。Rt=0.74;[M+H]=613.24(分析I、X−Bridgeカラム、塩基性条件)。
【0096】
一般的方法E−工程4:(S)−2−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジルアミノ]−1−[4−(4−{[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−メチル−アミノ}−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−3−フェニル−プロパン−1−オン
【0097】
【化15】

【0098】
3mmolのTBDMSClを、1mmolのヒドロキシル12と3mmolのイミダゾールの、5mLの乾燥DMF中の溶液に、RTにて、少しずつ添加する。黄色の溶液をRTにて16h攪拌し、HOでクェンチし、そしてEtOAc(×3)で抽出する。合わせた有機相を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO 60F;DCM/MeOH、92:8から95:5へ)で精製して、表題化合物を黄色のフォームとして、81%の収率で得る。Rt=1.12min;[M+H]=727.31。(分析I、X−Bridgeカラム、塩基性条件)。
【0099】
工程5
【0100】
【化16】

【0101】
式28の化合物を一般的方法D1又はD2に従って得る。
【0102】
【表10】

【0103】
【表11】

【0104】
【化17】

【0105】
1mmolの保護アルコール28の、3.5mLの乾燥THF中の溶液に、窒素下、0℃にて、3.5mmolのTBAF(THF中の1M溶液)を添加する。得られた混合物をRTにて4h攪拌し、そして0℃に冷却する。完了後すぐに、HOを添加し、そして混合物をDCM(×3)で抽出する。合わせた有機相を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO 60F)又は分取用HPLCで精製して、目的化合物を得る。
【0106】
【表12】

【0107】
【表13】

【0108】
スキーム3に示した経路を介した式Iの化合物の製造−一般的手順及び実施例:
工程1:(S)−2−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸 メチルエステル
【0109】
【化18】

【0110】
一般的方法C1又はC2に従い第二アミン18を得、そしてさらに精製することなく次の工程で用いる。Rt=0.82;[M+H]=396.20(分析I、X−Bridgeカラム、塩基性条件)。
【0111】
【化19】

【0112】
一般的方法D1又はD2に従って、式20の化合物を得る。
【0113】
【表14】

【0114】
【化20】

【0115】
1mmolのメチルエステル20の、8mLのEtOと2mLのHO中の溶液に、0℃にて、10mmolのNaOHの2M水溶液を滴下する。反応混合物をRTにて2−3h、さらに攪拌する。完了後すぐに、1NのHClを用いて、水相をpH=2−3に酸性化し、次いでEtOAc(×3)で抽出する。合わせた有機相を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。さらに精製することなく、残渣を次の工程で使用する。
【0116】
【表15】

【0117】
【化21】

【0118】
一般的方法Aに従って式8の化合物を得る。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO 60F)又は分取用HPLCで精製して、目的化合物を得る。
【0119】
【表16】

一般的方法D2に従って、実施例66〜73の化合物を得る。
【0120】
【表17】

【0121】
インビトロでの抗マラリア活性:熱帯熱マラリア原虫インビトロアッセイ法
ヒト赤血球内の熱帯熱マラリア原虫の赤血球段階に対するインビトロ活性は、[H]ヒポキサンチン取り込みアッセイ法を使用して決定する。すべての既知の薬剤に感受性の1つの株(P.falciparum NF54)を本アッセイに使用し、全ての試験化合物を、活性について標準薬クロロキン(sigma C6628)及びアーテスネート(sigma−36、159−3)と比較する。化合物をスクリーニング培地[HEPES(5.94g/L)、NaHCO(2.1g/L)、ネオマイシン(100U/mL)
、及びAlbumax(5g/L)又はヒト血清(最終濃度50%)を添加したRPMI1640培地]を用い、96ウェルのマイクロタイタープレート内で、適宜な濃度範囲で段階希釈し、2回試験を行った。その後、洗浄したヒト赤血球(0.3%寄生虫血)を2.5%のヘマトクリット値で含むスクリーニング培地中でインキュベートした寄生虫培養液を、段階希釈した化合物に添加し、そして37℃;4%CO、3%O及び93%Nにて加湿雰囲気でインキュベートする。48時間後に、[H]ヒポキサンチン(0.5μCi)をプレートのそれぞれのウェルに添加する。プレートを同じ条件下でさらに24時間インキュベートし、次いでBetaplate細胞ハーベスター(Wallac)でハーベストし、そして蒸留水で洗浄する。乾燥フィルターを10mLのシンチレーション液と共にプラスチック箔に挿入し、そしてBetaplate液体シンチレーションカウンターでカウントする。IC50値をMicrosoft Excelを使用してS字阻害曲線から算出する。
【0122】
表1:式Iの化合物のIC50値(nM)
【0123】
【表18】

【0124】
【表19】

【0125】
インビボでの抗マラリア効果試験
P.berghei株GFP−ANKA(2×10個の寄生赤血球を含む0.2mLのヘパリン処置した生理食塩水懸濁液)を第0日に静脈内感染させた3匹の雌性NMRI系マウス(20〜22g)の群について、インビボでの抗マラリア活性を評価する。対照マウスでは、寄生虫血は、典型的には感染後第3日までにおよそ40%に上昇する。化合物は、通常、10mg/mLの濃度で、Tween80/エタノール(7%/3%)中に調製する。化合物は、10mL/kgの容量を経口で単回投与する(1×100mg/kg、感染後24h)。薬剤による処置の48h後(感染後第3日)に、1μlの尾部血液を採取し、1mLのPBS緩衝液に再懸濁して、100000個の赤血球を計数することによって寄生虫血をFACScan(Becton Dickinson)で測定する。活性は、対照群に対する百分率で表した、対照群と処置群間の平均値の相違として算出す
る。
【0126】
表2:100mg/kgの単回経口投与後の、対照群に対する百分率で表した、式Iの化合物の活性(寄生虫血症の阻害)
【0127】
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
【化1】

式中、
−XはCH又はNであり;
は、−NO、−N(CH又は−NCH(CHCHOH)を表し;かつRは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、シアノ、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル、アセチル又はアセチルアミノを表すか;又は
−XはCHであり、Rは水素であり、かつRはエチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、メチルスルフォニル、アセチルアミノ又はメトキシカルボニルであるか;又は
−XはCHであり、Rはシアノであり、かつRは、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XはCHであり、Rはクロロであり、かつRは、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XはCHであり、Rはメトキシ又はイソプロポキシであり、かつRはトリフルオロメチルであるか;又は
−XはCHであり、Rはメチルスルフォニル又はエチルスルフォニルであり、かつRはトリフルオロメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ又はジフルオロメトキシである。
【請求項2】
−XがCH又はNであり;
が、−NO、−N(CH又は−NCH(CHCHOH)を表し;かつRが、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、シアノ、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル、アセチル又はアセチルアミノを表すか;又は
−XがCHであり、Rが水素であり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、メチルスルフォニル、アセチルアミノ又はメトキシカルボニルであるか;又は
−XがCHであり、Rがシアノであり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert
−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XがCHであり、Rがクロロであり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XがCHであり、Rがメトキシ又はイソプロポキシであり、かつRがトリフルオロメチルである、請求項1に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項3】
−XがCH又はNであり;
が、−NO、−N(CH又は−NCH(CHCHOH)を表し;かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノを表すか;又は
−XがCHであり、Rが水素であり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、メチルスルフォニル、アセチルアミノ又はメトキシカルボニルであるか;又は
−XがCHであり、Rがシアノであり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XがCHであり、Rがクロロであり、かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノであるか;又は
−XがCHであり、Rがメトキシ又はイソプロポキシであり、かつRがトリフルオロメチルである、請求項1に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項4】
が、−NO、−N(CH又は−NCH(CHCHOH)を表し;かつRが、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、シアノ、ハロゲン、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル、アセチル又はアセチルアミノを表す、請求項1に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項5】
が、−NO、−N(CH又は−NCH(CHCHOH)を表し;かつRが、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノを表す、請求項1に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項6】
XがCHである、請求項4又は5に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項7】
XがNである、請求項4又は5に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項8】
が−NOを表す、請求項4〜7のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項9】
が−N(CHを表す、請求項4〜7のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項10】
が−NCH(CHCHOH)を表す、請求項4〜7のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項11】
がエチル、イソプロピル、tert−ブチル、エトキシ、n−プロポキシ又はイソプロポキシである、請求項4〜10のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項12】
がイソプロポキシである、請求項11に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項13】
がトリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、メチルスルフォニル又はアセチルアミノである、請求項4〜10のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項14】
がメトキシである、請求項4〜10のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項15】
が水素、メチル、n−プロピル、シアノ、ハロゲン又はアセチルである、請求項4〜10のいずれか1項に記載の化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項16】
下記からなる群より選択される請求項1に記載の化合物、又はそれらの化合物の塩:
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(6−エトキシ−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−メタンスルフォニル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−プロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2
−オキソ−エチル}−3−(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロピル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(6−エトキシ−ピリジン−3−イル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−エトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−メタンスルフォニル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−プロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−イソプロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−エチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−ジフルオロメトキシ
−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−イソプロピル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンジル}−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−アクリルアミド及び
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−ニトロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド。
【請求項17】
下記からなる群より選択される請求項1に記載の化合物、又はそれらの化合物の塩:
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}シンナムアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−[4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}−3−(p−トリル)アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}−3−(4−プロピルフェニル)アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}−3−(4−メトキシフェニル)アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチル−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−3−(4−シアノフェニル)−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}−3−(4−フルオロフェニル)アクリルアミド及び
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)ベンジル]−3−(4−クロロフェニル)−N−{1−(4−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}アクリルアミド。
【請求項18】
下記からなる群より選択される請求項1に記載の化合物、又はそれらの化合物の塩:
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−エチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−エトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−4−(2−{[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−[
1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバモイル}−ビニル)−安息香酸 メチルエステル、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−メタンスルフォニル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−プロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−イソプロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−[1−ベンジル−2−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−3−(4−イソプロピル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−メタンスルフォニル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−プロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロピル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−シアノ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−メタンスルフォニル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−プロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロポキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−エチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロピル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−クロロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−メトキシ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド及び
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−イソプロポキシ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アクリルアミド。
【請求項19】
下記からなる群より選択される請求項1に記載の化合物、又はそれらの化合物の塩:
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−(メチルスルフォニル)−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−イソプロポキシフェニル)−アクリルアミド、(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−(メチルスルフォニル)−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−ベンジル−2−[4−(4−(メチルスルフォニル)−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−プロポキシフェニル)−アクリルアミド、
(S)−N−(4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)ベンジル)−N−(1−(4−(4−(メチルスルフォニル)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アクリルアミド、
(S)−N−[4−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−N−{1−
ベンジル−2−[4−(4−(エチルスルフォニル)−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−3−(4−プロポキシフェニル)−アクリルアミド及び
(S)−N−(4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)ベンジル)−N−(1−(4−(4−(エチルスルフォニル)ベンジル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アクリルアミド。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体物質を含む医薬組成物。
【請求項21】
医薬として使用するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
原虫感染症の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
マラリアの治療及び/又は予防に使用するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
原虫感染症の治療及び/又は予防のための医薬組成物の製造のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項25】
マラリアの治療及び/又は予防のための、請求項24に記載の使用。

【公表番号】特表2013−516453(P2013−516453A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547570(P2012−547570)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【特許番号】特許第5165166号(P5165166)
【特許公報発行日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050009
【国際公開番号】WO2011/083413
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】