説明

抗リンホトキシン抗体

本発明は、例えば、LTブロック能の改善に至る抗体の新規クラスの特定に少なくとも部分的に基づく。また、前記対象の結合分子の作製方法および本発明の結合分子をLTβRシグナル伝達に拮抗するために使用する方法も提供する。一局面において、本発明は、リンホトキシン(LT)に結合し、参照抗体B9(細胞系B9.C9.1により産生、寄託番号HB11962のもとATCCに寄託)が細胞中LT誘発性生体活性を約50%ブロックする条件下において、細胞中LT誘発性生体活性を少なくとも約70%ブロックする単離抗体、またはその抗原結合領域を成す分子を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンホトキシン(LT)に結合し、参照抗体B9(細胞系B9.C9.1により産生、寄託番号HB11962のもとATCCに寄託)が細胞中LT誘発性生体活性を約50%ブロックする条件下において、細胞中LT誘発性生体活性を少なくとも約70%ブロックする単離抗体、またはその抗原結合領域を成す分子。
【請求項2】
リンホトキシン(LT)に結合し、細胞中LT誘発性生体活性を100nM未満のIC50でブロックする単離抗体、またはその抗原結合領域を成す分子。
【請求項3】
リンホトキシン(LT)に結合し、LTβR−Igの細胞への結合を少なくとも85%ブロックする単離抗体、またはその抗原結合領域を成す分子。
【請求項4】
前記LT誘発性生体活性がIL−8放出である、請求項1または2の単離抗体またはその抗原結合領域を成す分子。
【請求項5】
ヒトアミノ酸配列を含む、請求項1、2、または3の単離抗体またはその抗原結合領域を成す分子。
【請求項6】
前記ヒトアミノ酸配列が抗体定常領域配列またはその断片を含む、請求項1または2の単離抗体またはその抗原結合領域を成す分子。
【請求項7】
前記ヒト定常領域が、少なくとも1つのFc受容体への結合を低下させるために改変されているIgGl定常領域である、請求項6に記載の単離抗体またはその抗原結合領域を成す分子。
【請求項8】
前記ヒト定常領域が、少なくとも1つのFc受容体への結合を高めるために改変されているIgGl定常領域である、請求項6に記載の単離抗体またはその抗原結合領域を成す分子。
【請求項9】
ヒト化である、請求項1、2、または3の単離抗体またはその抗原結合領域。
【請求項10】
前記LT誘発性生体活性が少なくとも約80%ブロックされる、請求項1または2の単離抗体またはその抗原結合領域。
【請求項11】
前記LT誘発性生体活性が少なくとも約90%ブロックされる、請求項1、または2の単離抗体またはその抗原結合領域。
【請求項12】
LTΒR−Ig結合が少なくとも約90%ブロックされる、請求項3に記載の単離抗体またはその抗原結合領域。
【請求項13】
細胞中のLT誘発性生体活性を30nM未満のIC50でブロックする、請求項2に記載の単離抗体またはその抗原結合領域を成す分子。
【請求項14】
細胞中のLT誘発性生体活性を10nM未満のIC50でブロックする、請求項2に記載の単離抗体またはその抗原結合領域を成す分子。
【請求項15】
細胞中LT誘発性生体活性を3nM未満のIC50でブロックする、請求項2に記載の単離抗体またはその抗原結合領域を成す分子。
【請求項16】
LT上でLTβR結合部位を残さないように2つの部位に結合する、請求項3に記載の単離抗体またはその抗原結合断片。
【請求項17】
完全長抗体である、請求項1、2または3の単離抗体またはその抗原結合領域。
【請求項18】
scFv分子である、請求項1、2、または3の単離抗体またはその抗原結合領域。
【請求項19】
LTのエピトープに特異的に結合する単離抗体であり、前記抗体による前記LTエピトープへの結合が102抗体により用量依存的、競合的にブロックされる、単離抗体。
【請求項20】
LTβのアミノ酸193位および194位が前記抗体の結合にとって重要である、請求項19に記載の単離抗体。
【請求項21】
LTのエピトープに特異的に結合する単離抗体であり、前記抗体による前記LTエピトープへの結合が、A0D9抗体により用量依存的、競合的にブロックされる、単離抗体。
【請求項22】
LTのエピトープに特異的に結合する単離抗体であり、前記抗体による前記LTエピトープへの結合が、101/103抗体により用量依存的、競合的にブロックされる、単離抗体。
【請求項23】
LTのエピトープに特異的に結合する単離抗体であり、前記抗体による前記LTエピトープへの結合が、105抗体により用量依存的、競合的にブロックされる、単離抗体。
【請求項24】
LTβのアミノ酸96位、97位、98位、106位、107位、および108位が前記抗体の結合にとって重要である、請求項23に記載の単離抗体。
【請求項25】
LTのエピトープに特異的に結合する単離抗体であり、前記抗体による前記LTエピトープへの結合が、9B4抗体により用量依存的、競合的にブロックされる、単離抗体。
【請求項26】
LTβのアミノ酸96位、97位、および98位が前記抗体の結合にとって重要である、請求項25に記載の単離抗体。
【請求項27】
LTのエピトープに特異的に結合する単離抗体であり、前記抗体による前記LTエピトープへの結合が、A1D5抗体により用量依存的、競合的にブロックされる、単離抗体。
【請求項28】
LTβのアミノ酸172位が前記抗体の結合にとって重要である、請求項27に記載の単離抗体。
【請求項29】
LTのエピトープに特異的に結合する単離抗体であり、前記抗体による前記LTエピトープへの結合が、107抗体により用量依存的、競合的にブロックされる、単離抗体。
【請求項30】
LTβのアミノ酸151位および153位が前記抗体の結合にとって重要である、請求項29に記載の単離抗体。
【請求項31】
LTのエピトープに特異的に結合する単離抗体であり、前記抗体による前記LTエピトープへの結合が、108抗体により用量依存的、競合的にブロックされる、単離抗体。
【請求項32】
ヒトアミノ酸配列を含む、請求項19乃至請求項31のいずれか一項に記載の単離抗体またはその抗原結合領域。
【請求項33】
前記ヒトアミノ酸配列が抗体定常領域配列である、請求項32に記載の単離抗体またはその抗原結合領域。
【請求項34】
前記抗体がヒト化である、請求項19乃至請求項31のいずれか一項に記載の単離抗体またはその抗原結合領域。
【請求項35】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む重鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、前記軽鎖および重鎖CDRが、A0D9、108、107、A1D5、102、101/103、9B4および105からなる群から選択される抗体由来である、リンホトキシン結合分子。
【請求項36】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む重鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、前記CDRがA0D9抗体由来である、リンホトキシン結合分子。
【請求項37】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む重鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、前記CDRが108抗体由来である、リンホトキシン結合分子。
【請求項38】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む重鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、前記CDRが107抗体由来である、リンホトキシン結合分子。
【請求項39】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む重鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、前記CDRがA1D5抗体由来である、リンホトキシン結合分子。
【請求項40】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む重鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、前記CDRが102抗体由来である、リンホトキシン結合分子。
【請求項41】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む重鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、前記CDRが101/103抗体由来である、リンホトキシン結合分子。
【請求項42】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む重鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、前記CDRが105抗体由来である、リンホトキシン結合分子。
【請求項43】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む重鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、前記CDRが9B4抗体由来である、リンホトキシン結合分子。
【請求項44】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む重鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、ここでCDRH1は前記配列GFSLXY/SGXHを含み、Xは任意のアミノ酸である、リンホトキシン結合分子。
【請求項45】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む重鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、ここでCDRH2は前記配列VIWXGGXTXNAXFXSを含み、Xは任意のアミノ酸である、リンホトキシン結合分子。
【請求項46】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む軽鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、ここでCDRL1は前記配列RASXSVXまたはXASQDXLXを含み、Xは任意のアミノ酸である、リンホトキシン結合分子。
【請求項47】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む軽鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、CDRL2は配列RAXRLXDを含み、Xは任意のアミノ酸である、リンホトキシン結合分子。
【請求項48】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む軽鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、CDRL2は配列XSXSを含み、Xは任意のアミノ酸である、リンホトキシン結合分子。
【請求項49】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む軽鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、CDRL3は配列XQXPXTを含み、Xは任意のアミノ酸である、リンホトキシン結合分子。
【請求項50】
重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む軽鎖可変領域ならびに軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子であり、CDRL3は配列LXDXFPXTを含み、Xは任意のアミノ酸である、リンホトキシン結合分子。
【請求項51】
105抗体変異体の重鎖CDRのCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含む軽鎖可変領域および105変異体の軽鎖CDRのCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むリンホトキシン結合分子。
【請求項52】
120mg/mlを超える溶解度を有する、請求項51に記載の結合分子。
【請求項53】
前記結合分子が前記105変異体のL10型の軽鎖可変領域を含む、請求項51に記載のリンホトキシン結合分子。
【請求項54】
前記結合分子が前記105変異体のH1型の重鎖可変領域を含む、請求項51に記載のリンホトキシン結合分子。
【請求項55】
前記結合分子が前記105変異体のL10型の軽鎖可変領域および前記105変異体型であるH1の重鎖可変領域を含む、請求項51に記載のリンホトキシン結合分子。
【請求項56】
請求項1乃至請求項34のいずれか一項に記載の単離抗体もしくはその抗原結合領域、および担体を含む組成物。
【請求項57】
請求項35乃至請求項55のいずれか一項に記載の結合分子および担体を含む組成物。
【請求項58】
請求項56または57のいずれか一項の組成物を、治療が起こるように前記対象に投与することを含む、抗LT結合分子による治療から恩恵を受けるであろう対象の治療方法。
【請求項59】
前記対象が炎症を特徴とする障害を呈する、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記炎症障害が、関節リウマチ、多発性硬化症、クーロン病、潰瘍性大腸炎、移植、ループス、炎症肝疾患、乾癬、シェーグレン症候群、多発性硬化症(例えば、SPMS)、ウイルス誘発性肝炎、自己免疫性肝炎、1型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、およびウイルス性ショック症候群からなる群から選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記炎症障害が関節リウマチである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記対象が癌を呈する、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
前記癌が、多発性骨髄腫および無痛性濾胞性リンパ腫からなる群から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
請求項1乃至請求項35のいずれか一項に記載の抗体をコードする核酸分子。
【請求項65】
請求項36乃至請求項55のいずれか一項に記載の結合分子をコードする核酸分子。
【請求項66】
ベクター中にある請求項64または65の核酸分子。
【請求項67】
請求項66に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項68】
抗体または結合分子の産生方法であって、(i)前記抗体または結合分子が宿主細胞培養培地中で分泌されるように請求項67に記載の宿主細胞を培養することと、(ii)前記培地から前記抗体または結合分子を単離すること、を含む、方法。
【請求項69】
薬品の製造における、請求項56または57の組成物の使用。
【請求項70】
前記薬品が炎症を伴う障害の治療用である、請求項69に記載の使用。

【図2】
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【図3】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−514458(P2012−514458A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544632(P2011−544632)
【出願日】平成21年12月31日(2009.12.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/069967
【国際公開番号】WO2010/078526
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(592221528)バイオジェン・アイデック・エムエイ・インコーポレイテッド (224)
【Fターム(参考)】