説明

抗不安剤

【課題】従来の抗不安剤が有する副作用を発現しない抗不安剤、および該抗不安剤を含有する医薬品、食品および飼料の提供。
【解決手段】セリンユニットを有する化合物、システイン、ホスファチジン酸、グリシンから選択される1種又は2種以上を含有する抗不安剤、および該抗不安剤を含有する医薬品、食品および飼料。該セリンとしては、蛋白質加水分解法、化学合成法、酵素法、発酵法、又は動物、植物などから抽出・精製のいずれかの方法によって製造されたものであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗不安剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
不安症は精神疾患の1種であり、発病原因がかなり複雑である。不安症は症状により更にパニック障害、全般性不安障害、恐怖、強迫性障害、外傷後ストレス障害などに分類される。不安症の主な症状は精神障害、気分障害、人格障害、行動障害、睡眠障害などに代表され、これらの‘不安’を適応症に含む医薬品はベンゾジアゼピン系、チエノジアゼピン系、カルバメート系などの50余りの品目にのぼる。
【0003】
これらの医薬品は不安、焦燥、イライラ、抑うつ、不眠、緊張、恐怖感などの症状に適用されるが、症状を完全に改善、安定させるために何れも長期間に渡って服用する必要がある。この様な、大量、且つ連続的な摂取により薬依存症、興奮、錯乱など重大な副作用が引起される。或いは少量、短期間の使用でも眠気、めまい、脱力、便秘、食欲不振、肝機能障害など‘軽度な’副作用が発生する。何れにしても従来の抗不安剤は副作用を起こし易い欠点を有する。これら抗不安剤による副作用の欠点を改善するために新たな医薬品及び機能性食品などの開発が必要とされる。
【0004】
セリンは1865年にCramerにより絹の表面蛋白質(セリシン)の加水分解によって得られた新しいアミノ酸で、甘味を有することで知られている。1902年、Fischer及びSkitaがセリシンの加水分解物から分離し、更に合成によりその構造を明らかにした。過去に蛋白質の加水分解物から抽出したり、他のアミノ酸より合成したりしていたが、近年では酵素法、発酵法などの工業的手法により生産されている。
【0005】
セリンは非必須アミノ酸であり、生体内でグリシンと相互変換し、また、細胞内でプリン、クレアチン、ポルフィンなど重要な生体成分の合成にも関与し、蛋白質やその他の様々な生体機能にとって重要な化合物の先駆体であることが知られている。特に近年、セリンは神経栄養因子として注目されている。研究によると、セリンは神経細胞の神経栄養支持作用を媒介する重要な因子の1つであり、神経細胞での脂質合成に必要である。しかも、この神経細胞生存促進活性は既知の蛋白質性神経栄養因子よりも強力であり、小脳プルキンエ細胞の樹状突起上に形成されるシナプス終末の数を増加させ、成熟した細胞に特徴的な反複型の膜電位応答の出現も促進する(非特許文献1:Furuya S. et al, Brain Res. Protoc., 3, 192, 1998;非特許文献2:Mitoma, M. et al. Neurosei. Res., 30, 195, 1998; 非特許文献3:Furuya, S. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97, 11528, 2000;非特許文献4:Yamasaki M. et al, J. Neurosci. Res., 21, 7691, 2001)。
【0006】
セリンはアストロサイトなどグリア細胞で合成され、グリア細胞は常にセリンを一定の濃度を保つように迅速に分泌して、濃度を調節している。しかし、非必須アミノ酸であるセリンが神経細胞に対し神経栄養活性をもち、アストロサイトがセリンを供給している理由は不明であった。この疑問に対する回答の糸口はセリンを前駆体として必要とする膜構成脂質ホスファチジルセリン及びスフィンゴ脂質の生合成が細胞外から供給されるセリンに依存しているという現象の解析から得られた。従って、神経細胞膜に多く含まれるホスファチジルセリン及びスフィンゴ脂質も神経機能と何らかの関係を有することと考えられる(非特許文献5:Mitoma, M. et al. J. Biol. Chem., 273, 19363, 1998)。
【0007】
ホスファチジルセリンは、動物や植物中に広く分布するリン脂質の1種である。ホスファチジルセリンは、生体において、主にその細胞の細胞膜、特に神経細胞膜に多く存在し、細胞膜の重要な成分として知られている。また、ホスファチジルセリンはホスファチジン酸とアミノ酸の1種であるセリンが結合しているという化学構造的な特徴を有するリン脂質であるため、生体内において様々な重要な役割を担っており、生体の生理機能に深く関与している。臨床研究により、ホスファチジルセリンを100〜500mg/日摂取することによる、脳機能改善をはじめとする様々な生理活性が報告された(非特許文献6:Bruni A. et al. Nature, 260, 331, 1976; 非特許文献7:Amaducci T. et al. Psychopharmacol. Bull., 24, 130, 1988; 非特許文献8:Crook T. et al. Neurology, 41, 644, 1991)。
【0008】
しかし、ホスファチジルセリンの摂取量は、西洋型の肉食を中心にした食事でも1日平均数十mg程度であり、普段の食事によって生理機能を発揮させるために十分な量のホスファチジルセリンを摂取することは困難である(非特許文献9:Heywood R. et al. Clin. Trials., 24, 25, 1987)。したがって、生理機能を発揮できる十分な量のホスファチジルセリンを摂取するためには、ホスファチジルセリンを高含有する組成物、又はホスファチジルセリンの体内生成に必要とされるものを補助的に摂取すること、例えば健康食品や特定保健用食品などとして摂取することが、有効な方法である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Furuya S. et al, Brain Res. Protoc., 3, 192, 1998
【非特許文献2】Mitoma, M. et al. Neurosei. Res., 30, 195, 1998
【非特許文献3】Furuya, S. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97, 11528, 2000
【非特許文献4】Yamasaki M. et al, J. Neurosci. Res., 21, 7691, 2001
【非特許文献5】Mitoma, M. et al. J. Biol. Chem., 273, 19363, 1998
【非特許文献6】Bruni A. et al. Nature, 260, 331, 1976
【非特許文献7】Amaducci T. et al. Psychopharmacol. Bull., 24, 130, 1988
【非特許文献8】Crook T. et al. Neurology, 41, 644, 1991
【非特許文献9】Heywood R. et al. Clin. Trials., 24, 25, 1987
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は従来の抗不安剤が有する副作用を発現しない抗不安剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、抗不安剤など精神疾患に対応する医薬品、食品、特定保健用食品、栄養機能食品、又は健康食品を開発するために鋭意検討を重ねた結果、セリン又はホスファチジルセリンに抗不安効果があることを見出した。更に、研究開発を継続した結果、セリン類及び類似の化合物についても抗不安効果があることを見出した。すなわち、本発明は、次のような手段による。
1.セリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする抗不安剤。
2.セリンが蛋白質加水分解法、化学合成法、酵素法、発酵法、又は動物、植物などから抽出・精製のいずれかの方法によって製造されたものであることを特徴とする1.記載の抗不安剤。
3.ホスファチジルセリンが天然原料から抽出されたもの、或いは酵素による塩基転換反応によって製造されたものであることを特徴とする1.記載の抗不安剤。
4.ホスホセリン、アセチルセリン、システイン、グリシンの各化合物が蛋白質加水分解法、化学合成法、酵素法、又は動物、植物などから抽出・精製のいずれかの方法によって製造されたものであることを特徴とする1.記載の抗不安剤。
5.リゾホスファチジルセリンが天然原料から抽出されたもの、或いは酵素による塩基転換反応又はホスファチジルセリンの脂肪酸解離によって製造されたものであることを特徴とする1.記載の抗不安剤。
6.ホスファチジン酸が天然原料から抽出されたもの、或いは酵素や化学反応による解離反応によって製造されたものであることを特徴とする1.記載の抗不安剤。
7.セリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)から選択される1種又は2種以上の含有量が5質量%以上であることを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の抗不安剤。
8.1.〜7.のいずれかに記載の抗不安剤を含有することを特徴とする抗不安用医薬品。
9.1.〜7.のいずれかに記載の抗不安剤を含有することを特徴とする抗不安用食品、特定保健用食品、栄養機能食品、又は健康食品。
10.1.〜7.のいずれかに記載の抗不安剤を含有する飼料。
【発明の効果】
【0012】
1.セリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)には、抗不安効果があることが確認できた。
2.本発明により副作用を起こさず安全な抗不安剤を提供することができる。
3.人以外に家畜、ペットを対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】セリン(Serine)、 ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)のニワトリヒナ鳴き回数の経時記録
【図2】セリン(Serine)、 ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)のニワトリヒナの総鳴き回数
【図3】セリン(Serine)、 ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)のニワトリヒナ自発運動量の経時記録
【図4】セリン(Serine)、 ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)のニワトリヒナの総自発運動量
【図5】セリン(Serine)、 ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)のニワトリヒナの血中コルチコステロン濃度
【図6】ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)のニワトリヒナの総鳴き回数
【図7】ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)のニワトリヒナの総鳴き回数
【図8】ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)のニワトリヒナ自発運動量の経時記録
【図9】ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)のニワトリヒナの総自発運動量
【図10】実施例4におけるニワトリヒナの平均鳴き回数の経時記録
【図11】実施例4におけるニワトリヒナの総平均鳴き回数
【図12】実施例4におけるニワトリヒナの平均自発運動量の経時記録
【図13】実施例4におけるニワトリヒナの総平均自発運動回数
【図14】実施例5におけるニワトリヒナの平均鳴き回数の経時記録
【図15】実施例5におけるニワトリヒナの総平均鳴き回数
【図16】実施例5におけるニワトリヒナの平均自発運動量の経時記録
【図17】実施例5におけるニワトリヒナの総平均自発運動回数
【図18】実施例6におけるニワトリヒナの平均鳴き回数の経時記録
【図19】実施例6におけるニワトリヒナの総平均鳴き回数
【図20】実施例6におけるニワトリヒナの平均自発運動量の経時記録
【図21】実施例6におけるニワトリヒナの総平均自発運動回数
【図22】L-セリン(L-Serine(Ser.))構造
【図23】L-アセチルセリン(L-Acetyl-Serine(Ace-S))構造
【図24】O-ホスホセリン(O-Phospho-Serine(Phos-S))構造
【図25】ホスファチジルセリン(Phosphatidyl-Serine(PS))構造
【図26】リゾホスファチジルセリン(Lyso Phosphatidyl Serine(Lyso-PS) )構造
【図27】L-システイン(L-Cysteine)構造
【図28】グリシン(Glycine)構造
【図29】ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid(PA))構造
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に関わる抗不安作用に有効な化合物は、セリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)を確認することができた。
本発明でいうセリンユニット(Serine Unit)とは、次の一般式1に示される(SerineUnit)「−O−CH(NH)COOH」をいう。
このセリンユニットを有する化合物としては、セリン(Serine(Ser.))、ホスファチジルセリン(Phosphatidyl-Serine(PS))、ホスホセリン(Phospho-Serine(Phos-S))、アセチルセリン(Acetyl-Serine(Ace-S))、リゾホスファチジルセリン(Lyso Phosphatidyl Serine(Lyso-PS) )を挙げることができる。このセリンユニット(Serine Unit)に接続するR基が、リン酸基である場合は、より強い活性が得られる。
【0015】
【化1】

【0016】
本発明に関わるセリンは蛋白質加水分解法、化学合成法、酵素法、発酵法の何れかの方法によって製造することができる。また、セリンは組織の構成成分であることから、収率は低いものの動物、植物などから抽出・精製して製造することもできる。さらに、動物、植物など由来成分から、例えばホスホセリンやホスビチンなどから化学処理により生成・抽出・精製して製造することもできる。本発明に関わるセリンは特に製造方法を限定するものではない。
【0017】
各化合物の構造の例を図22〜29に記載する。
図22はL-セリン(L-Serine(Ser.))、図23はL-アセチルセリン(L-Acetyl-Serine(Ace-S))、図24はO−ホスホセリン(O-Phospho-Serine(Phos-S))、図25はホスファチジルセリン(Phosphatidyl-Serine(PS))、図26はリゾホスファチジルセリン(Lyso Phosphatidyl Serine(Lyso-PS) )、図27はL-システイン(L-Cysteine)、図28はグリシン(Glycine)、図29はホスファチジン酸(Phosphatidic Acid(PA))である。
システイン(Cysteine)は、化学式「H−S−CH(NH)COOH」で示される。セリンユニットの「−O−」が属性の近い「−S−」に置換されて、その活性が維持されている。
【0018】
本発明に関わるホスファチジルセリンは、天然物である、大豆、綿実などの植物種子や卵黄、魚介類、鳥獣肉類などから抽出により製造することができる。又は、これらから製造されたレシチンを用いてホスファチジル基転移反応を行うことにより、ホスファチジルセリン高含有リン脂質原料が製造できる。本発明に関わるホスファチジルセリンは特に製造方法を限定するものではない。
【0019】
本発明に関わるホスホセリンは蛋白質加水分解法、化学合成法、酵素法の何れかの方法によって製造することができる。ホスホセリンはセリンの生合成の中間体として知られる。リン酸を含まれる蛋白質の構成成分であることから、収率は低いものの動物、植物などから抽出・精製して製造することもできる。ホスホセリンを多く含む蛋白質として、カゼイン、ホスビチンなどがある。さらに、動物、植物など由来成分から、例えばカゼインやホスビチンなどから化学処理により生成・抽出・精製して製造することもできる。本発明に関わるホスホセリンは特に製造方法を限定するものではない。
【0020】
本発明に関わるアセチルセリンは蛋白質加水分解法、化学合成法、酵素法の何れかの方法によって製造することができる。アセチルセリンは微生物におけるシステインの生合成の中間体として知られる。本発明に関わるアセチルセリンは特に製造方法を限定するものではない。
【0021】
本発明に関わるシステインは蛋白質加水分解法、化学合成法、酵素法の何れかの方法によって製造することができる。また、システインは組織の構成成分であることから、収率は低いものの動物、植物などから抽出・精製して製造することもできる。さらに、システインはセリンのヒドロキシル基酸素原子を硫原子に置換されたものであるので、セリンから化学処理により生成・抽出・精製して製造することもできる。本発明に関わるシステインは特に製造方法を限定するものではない。
【0022】
本発明に関わるグリシンは蛋白質加水分解法、化学合成法、酵素法の何れかの方法によって製造することができる。また、グリシンは動物性蛋白質、特に絹フィブロイン、ゼラチン、エラスチンなどに多量に含まれるので、収率は低いものの動物から抽出・精製して製造することもできる。さらに、グリシンはセリンの脱炭酸代謝体であるから、セリンから化学処理により生成・抽出・精製して製造することもできる。本発明に関わるグリシンは特に製造方法を限定するものではない。
【0023】
本発明に関わるリゾホスファチジルセリンは、天然物である、大豆、綿実などの植物種子や卵黄、魚介類、鳥獣肉類などから抽出により製造することができる。又は、これらから製造されたリゾレシチンを用いてホスファチジル基転移反応を行うことにより、リゾホスファチジルセリン高含有リン脂質原料が製造できる。リゾホスファチジルセリンはホスファチジルセリンの脂肪酸部分が解離されたものであるから、ホスファチジルセリンから酵素や化学的処理により生成・抽出・精製して製造することもできる。本発明に関わるリゾホスファチジルセリンは特に製造方法を限定するものではない。
【0024】
本発明に関わるホスファチジン酸は、天然物である、大豆、綿実などの植物種子や卵黄、魚介類、鳥獣肉類などから抽出により製造することができる。また、ホスファチジン酸はリン脂質の塩基部分が解離されたものであるから、各種リン脂質、例えばレシチン(ホスファチジルコリン)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールの1種、或いは数種を高含有する原料から酵素や化学的処理により生成・抽出・精製して製造することもできる。本発明に関わるホスファチジン酸は特に製造方法を限定するものではない。
【0025】
本発明に関わる抗不安剤を製造するには、上記の方法で製造したセリン、ホスファチジルセリン、ホスホセリン、アセチルセリン、システイン、グリシン、リゾホスファチジルセリン、ホスファチジン酸を有効成分とするもの又は市販のセリン、ホスファチジルセリン、ホスホセリン、アセチルセリン、システイン、グリシン、リゾホスファチジルセリン、ホスファチジン酸を有効成分とするものを原料として用いることができ、常法に従って公知の医薬用無毒性担体と組み合わせて製剤化すればよい。
【0026】
本発明に関わる抗不安剤は、種々の剤型での投与が可能であり、例えば、経口投与剤としては錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤等の固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、凍結乾燥製剤等が挙げられ、非経口投与剤としては、注射剤のほか、坐剤、噴霧剤、経皮吸収剤等が挙げられ、これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。上記の医薬用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、アルブミン、水、生理食塩水等が挙げられる。また、必要に応じて、安定化剤、滑剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤等の慣用の添加剤を適宜添加することができる。
【0027】
本発明に関わる抗不安剤において、セリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)の投与量は、患者の年齢、体重、症状、疾患の程度、投与スケジュール、製剤形態等により、適宜選択・決定されるが、例えば、1日あたり0.01〜10g/kg体重程度とされ、1日1〜数回に分けて投与してもよい。
【0028】
また、本発明に関わるセリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)は、生体生成又は構成成分であり、食品中にも微量ながら普遍的に含まれている成分であることから安全性が高いと考えられ、不安の予防・改善を目的として、抗不安機能性食品として摂取することもできる。
【0029】
本発明に関わるセリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)を含有することを特徴とする抗不安機能性食品は、特定保健用食品、栄養機能食品、又は健康食品として位置付けることができる。機能性食品としては、例えば、これらの化合物に適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、ペースト状等に形成したものを用いることができる。この抗不安機能性食品は、そのまま食用に供してもよく、また種々の食品(例えばハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、パン、バター、粉乳、菓子など)に添加して使用したり、水、酒類、果汁、牛乳、清涼飲料水等の飲物に添加して使用してもよい。かかる食品の形態における本発明のセリン又はホスファチジルセリンの摂取量は年齢、体重、症状、疾患の程度、食品の形態等により適宜選択・決定されるが、例えば、1日あたり0.01〜10g/kg体重程度とされる。
【0030】
上述のセリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)を含有する抗不安を目的とした医薬品、食品、特定保健用食品、栄養機能食品、又は健康食品中のこれらの各化合物の含有量の合計は組成物全量中5質量%以上にすることが望ましい。さらに望ましいのはこれら各化合物の含有量の合計が組成物全量中20質量%以上にすることである。
【0031】
さらに、セリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)を含有する抗不安剤を飼料として家畜、ペットに与えることにより、家畜の情緒が安定し、成長を促進することができる。特に、生後間もなく、親から離されて飼育される幼齢のペットや家畜に有効である。
【0032】
セリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)を有効成分とする組成物の抗不安機能を検証することに当たって、本発明者はまず新生ニワトリヒナの脳室内に直接セリン(Serine(Ser.))、ホスファチジルセリン(Phosphatidyl-Serine(PS))、ホスホセリン(Phospho-Serine(Phos-S))、アセチルセリン(Acetyl-Serine(Ace-S))、リゾホスファチジルセリン(Lyso Phosphatidyl Serine(Lyso-PS) )、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)、ホスファチジルコリン(Phosphatidyl-choline(PC))、ホスファチジルエタノールアミン(Phosphatidyl-ethanolamin(PE))及びホモセリン(Homo- Serine(HS))を投与し、その後ニワトリヒナの行動を観察し、さらに血中コルチコステロン濃度を比較した。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
〔試験条件1〕
試験条件1は、実施例1〜3に適用する。
試験動物:卵用種雄ニワトリヒナ(Julia、4又は5日齢)を試験に使用した。試料を投与する前に、試験動物は体重に応じて群分けを行い、6羽を一組にした。
飼育条件:29±1℃の条件下で、市販飼料(豊橋飼料社製、AX)と水を自由摂食させた。
試験試料:次の試薬はそれぞれ0.1%のエバンスブルーを含むTris-HCl Buffer中に懸濁し、調製した。
大豆由来のホスファチジルセリン(SIGMA、98%、牛脳由来)
ホスファチジルコリン(SIGMA、99%、大豆由来)
ホスファチジルエタノールアミン(SIGMA、98%、牛脳由来)、
L−セリン(和光純薬工業、99%)
試験方法: マイクロシリンジを用いて210mmolの試験試料をニワトリヒナの脳室に投与した。
また、Control群には0.1%のエバンスブルーを含むTris-HCl Bufferを10μl脳室投与した。
行動観察:投与から10分後、各ニワトリヒナを群飼育ケージから行動観察用分離飼育ケージに移し、ニワトリヒナの鳴き回数と自発運動量を記録した。
血液測定:行動観察が終了したニワトリヒナから直ちに採血を行い、血漿中のコルチ
コステロン濃度をコルチステロンキット(SCETI社製、Rat Corticosterone RIA Kit)で測定した。
【実施例1】
【0034】
各試験動物を体重に応じて6羽ずつintact群(脳室投与の注射行為をしない群)、コントロール群(脳室に0.1%のエバンスブルーを含むTris-HCl Bufferを投与する群)、ホスファチジルセリン投与群とホスファチジルコリン投与群に分け、それぞれの群飼育ケージに入れ、飼育した。その後、コントロール群、ホスファチジルセリン群、ホスファチジルコリン群にそれぞれの試験試料を投与し、その10分後にニワトリヒナを群飼育ケージから分離飼育ケージに移し、不安と感じたヒナの鳴き回数を10分間記録し、その結果は図1、図2に示した。
また、鳴き回数を測定する間のニワトリヒナの動きを自発運動量として記録し、そのカウントした結果は図3、図4に示した。
これらの結果からセリン(Ser.)とホスファチジルセリン(PS)は、不安によるニワトリヒナの鳴き回数と自発運動量を共に有意に抑えたことが示された。一方、ホスファチジルコリン(PC)にはこの様な結果が示されなかった。
【実施例2】
【0035】
上述試験を終えたコントロール群、ホスファチジルセリン群、ホスファチジルコリン群及びintact群の各ニワトリヒナから直ちに採血を行い、血漿中のコルチコステロン濃度を測定した(図5)。
この結果からホスファチジルセリンとセリンは、不安による血中コルチコステロン濃度の上昇を抑え、正常時のレベル近くまで回復する傾向が示された。一方、ホスファチジルコリンにはこの様な結果が示されなかった。
【0036】
コルチコステロンは副腎皮質にて合成される物質である。不安(ストレス)時に血中に多く分泌される特徴を有することにより不安(ストレス)ホルモンと呼ばれ、不安(ストレス)の指標として利用されている。今回の試験は試料がニワトリヒナの脳室内に直接投与することであるため、セリン及びホスファチジルセリンの抗不安効果は通常の中枢神経系から脳下垂体へ転達した不安(ストレス)情報により副腎皮質ホルモンが刺激され、そしてコルチコステロンの生成に至る過程の何処かに阻害したのではないかと推測される。
また、この効果は少なくともムスカリン性アセチルコリン受容体(M-AchR)を部分的に介していることが別の試験(試験部分を省略する)により明らかとなった。
【0037】
セリンとホスファチジルセリンがほぼ同様な結果を示したことは、この2つの成分に共通点を有することを示唆した。つまり、セリンとホスファチジルセリンに共有する「−O−CH(NH)COOH」の様なセリンユニット(Serine Unit)が不安に対して抑制効果を有することを示唆した。この点については、ホスファチジルセリンと脂質部分に共通な構造を持つホスファチジルコリンにこの様な抗不安効果を全く示していなかったことにより、裏付けを得た。さらに裏付けるために、ホスファチジルセリンの脱炭酸生成物であるホスファチジルエタノールアミンを用いて上述の試験と同じ様にニワトリヒナの鳴き回数と自発運動量においてホスファチジルセリンと比較した。
【実施例3】
【0038】
各試験動物を体重に応じて6羽ずつに分け、コントロール群、ホスファチジルセリン群とホスファチジルエタノールアミン群とし、それぞれの試験試料を投与した。その後、実施例1と同様にニワトリヒナの鳴き回数と自発運動量を記録した。
図6〜9に示したように、ホスファチジルセリン(PS)は実施例1と同様な抗不安効果を示したのに対して、セリンユニットを持っていないホスファチジルエタノールアミン(PE)は全くこの様な結果を示さなかった。
【0039】
また、上述の試験は検体がニワトリヒナの脳室に投与後直ちに行われたものであるので、これら抗不安効果は、セリン又はホスファチジルセリンそのものに由来すると推測できる。つまり、少なくとも単体であるセリン又はホスファチジルセリンを有効成分とするものには抗不安効果があると言える。
【0040】
更に、研究を継続した結果、本発明者は、上述に提案したセリンユニットに抗不安効果を有することについて、セリン類及び類似の化合物についても抗不安効果があることを見出し、より具体的にセリンユニットの特徴を定義できた。
以下に追加実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
〔試験条件2〕
試験条件2は、実施例4〜6に適用する。各実施例は、時期と化合物を変えて実験を行った。
試験動物:卵用種雄ニワトリヒナ(Julia、5又は6日齢)を試験に使用した。試料を投与する前に、試験動物は体重を応じて群分けを行い、7〜9羽を一組にして、化合物数に相当する組数を用いた。
飼育条件:29±1℃の条件下で、市販飼料(豊橋飼料社製、AX)と水を自由摂食させた。
試験試料:次の試薬はそれぞれ0.1%のエバンスブルーを含む0.85%の生理食塩水に溶かし、調製した。
【0042】
実施例4〜6に用いる試薬:
L−セリン(和光純薬工業社製、99%)
ホスホセリン(SIGMA社製、98%)
アセチルセリン(和光純薬工業社製、99%)
リゾホスファチジルセリン(フナコシ社製、98%、牛脳由来)
L-システイン(和光純薬工業社製、99%)
ホスファチジン酸(フナコシ社製、98%、大豆由来)
グリシン(和光純薬工業社製、99%)
【0043】
試験方法:マイクロシリンジを用いて一羽あたりに0.84mmolをニワトリヒナの脳室に投与した。また、Control群には0.1%のエバンスブルーを含む0.85%の生理食塩水を10μl 脳室投与した。
行動観察:投与から10分後、各ニワトリヒナを群飼育ケージから行動観察用分離飼育ケージに移した脳室投与の直後に単離ストレス状況下で10分間の行動観察を行い、鳴声と自発運動量の測定を行った。ニワトリヒナの鳴き回数と自発運動量を記録した。10分間の経過と10分間の総数を1羽当たりの平均としてグラフを図10〜21に示した。
試料投与確認観察:麻酔後に断頭し、脳を観察して試薬が側脳室に正しく注入されているか観察した。
【実施例4】
【0044】
実施例4は次の化合物を試験試料として用いた。鳴き回数を測定する間のニワトリヒナの動きを自発運動量として記録し、そのカウントした結果は図10〜13に示した。
(1)Control群
(2)L-セリン(L-Serine(Ser.))投与群
(3)ホスホセリン(Phospho-Serine(Phos-S))投与群
(4)アセチルセリン(Acetyl-Serine(Ace-S))投与群
(5)ホモセリン(Homo- Serine(HS))投与群
【0045】
これらの結果からL-セリン(L-Serine(Ser.))、ホスホセリン(Phospho-Serine(Phos-S))、アセチルセリン(Acetyl-Serine(Ace-S))には、不安によるニワトリヒナの鳴き回数と自発運動量を共に有意に抑えたことが示された。一方、ホモセリン(Homo-Serine(HS))には効果が示されなかった。最も効果が得られた物質は、ホスホセリン(Phospho-Serine(Phos-S))であった。
【実施例5】
【0046】
実施例5は次の化合物を試験試料として用いた。鳴き回数を測定する間のニワトリヒナの動きを自発運動量として記録し、そのカウントした結果は図14〜17に示した。
(1)Control群
(2)L-セリン(L-Serine(Ser.))投与群
(3)ホスホセリン(Phospho-Serine(Phos-S))投与群
(4)アセチルセリン(Acetyl-Serine(Ace-S))投与群
(5)L-システイン(L-Cysteine)投与群
【0047】
これらの結果からL-セリン(L-Serine(Ser.))、ホスホセリン(Phospho-Serine(Phos-S))、アセチルセリン(Acetyl-Serine(Ace-S))に抗不安効果を有することを再度確認できたと共にL-システイン(L-Cysteine)にも、不安によるニワトリヒナの鳴き回数と自発運動量を共に有意に抑えたことが分った。この試験においても最も効果が得られた物質は、ホスホセリン(Phospho-Serine(Phos-S))であった。
【実施例6】
【0048】
実施例6は次の化合物を試験試料として用いた。鳴き回数を測定する間のニワトリヒナの動きを自発運動量として記録し、そのカウントした結果は図14〜17に示した。
(1)Control群
(2)L-セリン(L-Serine(Ser.))投与群
(3)グリシン(Glycine)投与群
(4)ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid(PA))投与群
(5)リゾホスファチジルセリン(Lyso Phosphatidyl Serine(Lyso-PS) )投与群
【0049】
これらの結果からL-セリン(L-Serine(Ser.))、グリシン(Glycine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid(PA))、リゾホスファチジルセリン(Lyso Phosphatidyl Serine(Lyso-PS) )には、不安によるニワトリヒナの鳴き回数と自発運動量を共に有意に抑えたことが示された。
【0050】
〔処方例1〕
抗不安効果を持つセリンとホスファチジルセリンを含有することを特徴とする健康食品用ソフトカプセル剤の製造
セリン、ホスファチジルセリン25%含有液体大豆レシチン、ビタミンEオイル、ビタミンB1(チアミン硝酸塩)、ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ミツロウとパーム油は表1に示した様な配合量となるように混合し、30分間撹拌した。80メッシュで篩過した後、真空撹拌機で脱泡処理を行った。ソフトカプセル充填機により内容量が250mgとなるように充填した。皮膜は通常用いられるゼラチン、グリセリン混合物を用いた。乾燥後、液漏れ検査、形状選別検査、目視検査を合格した粒について規格試験を行った結果、カプセル長径、カプセル短径、カプセル総重量、カプセル皮膜重量、カプセル内容物重量、皮膜水分含有量、崩壊時間、酸価、過酸化物価、一般生菌数、大腸菌群等の諸規格を満たす製剤であることが確認された。
【0051】
〔処方例2〕
抗不安効果を持つセリンを含有することを特徴とする健康食品用飲料の製造
セリン、クエン酸、マルチトール、エリスリトール、トレハロース、オレンジ果汁、ラカンカエキス、香料は表1に示した様な配合量で配合し、最後に水を50mlになるように加え、原料を水に混合・溶解させ、容器に充填を行い、85℃10分の殺菌を行った。殺菌後冷却し、本飲料を完成させた。処方例1及び2を表1に、処方例3及び4を表2に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
セリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする抗不安剤。
【請求項2】
セリンが蛋白質加水分解法、化学合成法、酵素法、発酵法、又は動物、植物などから抽出・精製のいずれかの方法によって製造されたものであることを特徴とする請求項1記載の抗不安剤。
【請求項3】
ホスファチジルセリンが天然原料から抽出されたもの、或いは酵素による塩基転換反応によって製造されたものであることを特徴とする請求項1記載の抗不安剤。
【請求項4】
ホスホセリン、アセチルセリン、システイン、グリシンの各化合物が蛋白質加水分解法、化学合成法、酵素法、又は動物、植物などから抽出・精製のいずれかの方法によって製造されたものであることを特徴とする請
求項1記載の抗不安剤。
【請求項5】
リゾホスファチジルセリンが天然原料から抽出されたもの、或いは酵素による塩基転換反応又はホスファチジルセリンの脂肪酸解離によって製造されたものであることを特徴とする請求項1記載の抗不安剤。
【請求項6】
ホスファチジン酸が天然原料から抽出されたもの、或いは酵素や化学反応による解離反応によって製造されたものであることを特徴とする請求項1記載の抗不安剤。
【請求項7】
セリンユニット(Serine Unit)を有する化合物、システイン(Cysteine)、ホスファチジン酸(Phosphatidic Acid)、グリシン(Glycine)から選択される1種又は2種以上の含有量が5質量%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の抗不安剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の抗不安剤を含有することを特徴とする抗不安用医薬品。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載の抗不安剤を含有することを特徴とする抗不安用食品、特定保健用食品、栄養機能食品、又は健康食品。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれかに記載の抗不安剤を含有する飼料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2011−231116(P2011−231116A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124709(P2011−124709)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【分割の表示】特願2005−29114(P2005−29114)の分割
【原出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(593106918)株式会社ファンケル (310)
【Fターム(参考)】