抗体のヒト化
本発明は、第1の生物種由来の抗体を再設計または改造する方法を提供し、再設計または改造された抗体は第2の生物種において望ましくない免疫応答を引き起こすことがなく、しかも、再設計または改造された抗体は第1の生物種由来の抗体と実質的に同じ抗原結合能を保持するものである。本発明によれば、第2の生物種由来のフレームワーク領域とインフレームで融合された第1の生物種由来の抗体のCDRを含むコンビナトリアルライブラリーを構築して、所望の改変抗体をスクリーニングすることができる。特に、本発明は、抗体またはそのフラグメントを効率よくヒト化するために、相同性の低いアクセプター抗体のフレームワークを利用する方法を提供する。本発明はまた、本発明の方法によって作製された抗体を提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものであり、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではない、前記ライブラリー。
【請求項2】
ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものであり、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではなく、かつキー残基と指定されたアミノ酸残基に1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基2、4、24、35、36、39、43、45、64、69、70、73、74、75、76、78、92および93を含まないものである、前記ライブラリー。
【請求項3】
ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものであり、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではない、前記ライブラリー。
【請求項4】
ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものであり、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではなく、かつキー残基と指定されたアミノ酸残基に1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基4、38、43、44、46、58、62、65、66、67、68、69、73、85および98を含まないものである、前記ライブラリー。
【請求項5】
(i)ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、第1セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではないものであり、第2セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものである、前記ライブラリー。
【請求項6】
(i)ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、第1セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではなく、かつキー残基と指定されたアミノ酸残基に1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基2、4、24、35、36、39、43、45、64、69、70、73、74、75、76、78、92および93を含まないものであり、第2セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものである、前記ライブラリー。
【請求項7】
(i)ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、第1セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、第2セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではないものである、前記ライブラリー。
【請求項8】
(i)ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、第1セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、第2セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではなく、かつキー残基と指定されたアミノ酸残基に1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基4、38、43、44、46、58、62、65、66、67、68、69、73、85および98を含まないものである、前記ライブラリー。
【請求項9】
(i)ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、第1セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではないものであり、第2セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域に対して全体で65%以上同一ではないものである、前記ライブラリー。
【請求項10】
前記アクセプターがヒトである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のライブラリー。
【請求項11】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードする核酸配列を含有する細胞であって、以下を含む方法により作製される前記細胞:
(a) アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して全体で65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49にドナー抗体の対応する残基と同一ではないアミノ酸残基を少なくとも1つ含有し、前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列、およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(c) 前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項12】
前記細胞がさらに、軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する、請求項11に記載の細胞。
【請求項13】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、請求項11に記載の細胞に含有される、ヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含む前記方法。
【請求項14】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードするヌクレオチド配列を含有する細胞であって、以下を含む方法により作製される前記細胞:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49に、ドナー抗体の対応する残基と同一ではないアミノ酸残基を少なくとも1つ含有し、前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれ、FR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域と65%以上同一ではないフレームワーク領域を有するヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列、およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであり、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、キー残基と指定されたアミノ酸残基に導入された1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基2、4、24、35、36、39、43、45、64、69、70、73、74、75、76、78、92および93を含まないものであること;
(c) 前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項15】
前記細胞がさらに、軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する、請求項14に記載の細胞。
【請求項16】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、請求項14に記載の細胞に含有される、ヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含む前記方法。
【請求項17】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードする核酸配列を含有する細胞であって、以下を含む方法により作製される前記細胞:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター軽鎖フレームワーク領域およびドナー抗体軽鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列はドナー抗体軽鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列、およびアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(c) 前記ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項18】
前記細胞がさらに、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する、請求項17に記載の細胞。
【請求項19】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、請求項17に記載の細胞に含有される、ヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含む前記方法。
【請求項20】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードするヌクレオチド配列を含有する細胞であって、以下を含む方法により作製される前記細胞:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター軽鎖フレームワーク領域およびドナー抗体軽鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列はドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とを含むものであり、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域はキー残基と指定されたアミノ酸残基に導入された1以上の変異を有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基4、38、43、44、46、58、62、65、66、67、68、69、73、85および98を含まないものであること;
(c) 前記ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項21】
前記細胞がさらに、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する、請求項20に記載の細胞。
【請求項22】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、請求項20に記載の細胞に含有される、ヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含む前記方法。
【請求項23】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードする核酸配列を含有する細胞であって、以下を含む方法により作製される前記細胞:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49に、ドナー抗体の対応する残基と同一ではないアミノ酸残基を少なくとも1つ含有し、前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) アミノ酸レベルでドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター軽鎖フレームワーク領域およびドナー抗体軽鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(c) (i)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して依然として全体で65%以上同一ではないFR1、FR2、FR3およびFR4を含有するフレームワーク領域を有するヒト化重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を合成すること、ただし前記第1のヌクレオチド配列はドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とを含み、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域はキー残基と指定されたアミノ酸残基に導入された1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基4、38、43、44、46、58、62、65、66、67、68、69、73、85および98を含まないものであり、前記第2のヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(d) 前記第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項24】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、請求項23に記載の細胞に含有される、ヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含む前記方法。
【請求項25】
複数のヒト化抗体をコードするヌクレオチド配列を含有するように遺伝子操作された細胞の集団であって、以下を含む方法により作製される前記細胞の集団:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49に、ドナー抗体のフレームワーク領域とアクセプター重鎖可変フレームワーク領域との間で保存されていないアミノ酸残基を含有し、ここで前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列はドナー抗体重鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列、およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(c) 前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項26】
複数のヒト化抗体をコードするヌクレオチド配列を含有するように遺伝子操作された細胞の集団であって、以下を含む方法により作製される前記細胞集団:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター軽鎖フレームワーク領域およびドナー抗体軽鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列、およびアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(c) 前記ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項27】
、ヒト化重鎖および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含有する細胞を用意し、前記ヌクレオチド配列を発現させることを含む、抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、前記ヌクレオチ配列を含有する細胞は、以下により作製されたものである:
(a) アクセプター重鎖可変領域の配列のコレクションに対して、ドナー抗体重鎖可変領域のヌクレオチド配列を比較すること;
(b) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49に、ドナー抗体の対応する残基と同一ではないアミノ酸残基を少なくとも1つ含有し、前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(c) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(d) 前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を細胞に導入すること。
【請求項28】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、ヒト化重鎖および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含有する細胞を用意し、前記ヌクレオチド配列を発現させることを含む前記方法、ただし前記ヌクレオチ配列を含有する細胞は以下により作製されたものである:
(a) アクセプター重鎖可変領域の配列のコレクションに対してドナー抗体重鎖可変領域のヌクレオチド配列を比較すること;
(b) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49に、ドナー抗体の対応する残基と同一ではないアミノ酸残基を少なくとも1つ含有し、前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(c) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列はドナー抗体重鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含み、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域はキー残基と指定された残基に導入された1以上の変異を有するものであること;
(d) 前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項29】
キーと指定された残基が以下の残基:CDRに隣接する残基、潜在的なグリコシル化部位、希少残基、抗原と相互作用できる残基、CDRと相互作用できる残基、カノニカル残基、可変重鎖領域および可変軽鎖領域の間の接触残基、およびバーニヤゾーン内の残基、の1つまたはそれ以上である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
キーと指定された残基が以下の残基:CDRに隣接する残基、潜在的なグリコシル化部位、希少残基、抗原と相互作用できる残基、CDRと相互作用できる残基、カノニカル残基、可変重鎖領域および可変軽鎖領域の間の接触残基、バーニヤゾーン内の残基、およびChothia定義の重鎖可変領域CDR1とKabat定義の第1重鎖フレームワークとの間でオーバーラップする領域内の残基、の1つまたはそれ以上である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
請求項27または28の方法により製造されたヒト化抗体。
【請求項32】
請求項31に記載のヒト化抗体、および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【請求項33】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の同定方法であって、請求項11、14、17または20に記載の細胞において核酸配列を発現させ、前記抗原に対して1×106 M-1以上の親和性を有するヒト化抗体についてスクリーニングすることを含む前記方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法により同定されたヒト化抗体。
【請求項35】
請求項34に記載のヒト化抗体、および担体、希釈剤または賦形剤を含む組成物。
【請求項1】
ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものであり、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではない、前記ライブラリー。
【請求項2】
ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものであり、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではなく、かつキー残基と指定されたアミノ酸残基に1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基2、4、24、35、36、39、43、45、64、69、70、73、74、75、76、78、92および93を含まないものである、前記ライブラリー。
【請求項3】
ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものであり、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではない、前記ライブラリー。
【請求項4】
ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものであり、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではなく、かつキー残基と指定されたアミノ酸残基に1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基4、38、43、44、46、58、62、65、66、67、68、69、73、85および98を含まないものである、前記ライブラリー。
【請求項5】
(i)ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、第1セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではないものであり、第2セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものである、前記ライブラリー。
【請求項6】
(i)ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、第1セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではなく、かつキー残基と指定されたアミノ酸残基に1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基2、4、24、35、36、39、43、45、64、69、70、73、74、75、76、78、92および93を含まないものであり、第2セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製されたものである、前記ライブラリー。
【請求項7】
(i)ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、第1セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、第2セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではないものである、前記ライブラリー。
【請求項8】
(i)ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、第1セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、第2セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではなく、かつキー残基と指定されたアミノ酸残基に1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基4、38、43、44、46、58、62、65、66、67、68、69、73、85および98を含まないものである、前記ライブラリー。
【請求項9】
(i)ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列を含む核酸配列のライブラリーであって、第1セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域全部を合わせたものに対して全体で65%以上同一ではないものであり、第2セットのヌクレオチド配列中の各ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とをインフレームで一緒に融合することにより作製され、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域は、アミノ酸レベルで、ドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域に対して全体で65%以上同一ではないものである、前記ライブラリー。
【請求項10】
前記アクセプターがヒトである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のライブラリー。
【請求項11】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードする核酸配列を含有する細胞であって、以下を含む方法により作製される前記細胞:
(a) アミノ酸レベルで、ドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して全体で65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49にドナー抗体の対応する残基と同一ではないアミノ酸残基を少なくとも1つ含有し、前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列、およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(c) 前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項12】
前記細胞がさらに、軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する、請求項11に記載の細胞。
【請求項13】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、請求項11に記載の細胞に含有される、ヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含む前記方法。
【請求項14】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードするヌクレオチド配列を含有する細胞であって、以下を含む方法により作製される前記細胞:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49に、ドナー抗体の対応する残基と同一ではないアミノ酸残基を少なくとも1つ含有し、前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれ、FR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域と65%以上同一ではないフレームワーク領域を有するヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列、およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであり、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、キー残基と指定されたアミノ酸残基に導入された1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基2、4、24、35、36、39、43、45、64、69、70、73、74、75、76、78、92および93を含まないものであること;
(c) 前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項15】
前記細胞がさらに、軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する、請求項14に記載の細胞。
【請求項16】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、請求項14に記載の細胞に含有される、ヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含む前記方法。
【請求項17】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードする核酸配列を含有する細胞であって、以下を含む方法により作製される前記細胞:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター軽鎖フレームワーク領域およびドナー抗体軽鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列はドナー抗体軽鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列、およびアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(c) 前記ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項18】
前記細胞がさらに、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する、請求項17に記載の細胞。
【請求項19】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、請求項17に記載の細胞に含有される、ヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含む前記方法。
【請求項20】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードするヌクレオチド配列を含有する細胞であって、以下を含む方法により作製される前記細胞:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター軽鎖フレームワーク領域およびドナー抗体軽鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列はドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とを含むものであり、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域はキー残基と指定されたアミノ酸残基に導入された1以上の変異を有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基4、38、43、44、46、58、62、65、66、67、68、69、73、85および98を含まないものであること;
(c) 前記ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項21】
前記細胞がさらに、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する、請求項20に記載の細胞。
【請求項22】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、請求項20に記載の細胞に含有される、ヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含む前記方法。
【請求項23】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードする核酸配列を含有する細胞であって、以下を含む方法により作製される前記細胞:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49に、ドナー抗体の対応する残基と同一ではないアミノ酸残基を少なくとも1つ含有し、前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) アミノ酸レベルでドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター軽鎖フレームワーク領域およびドナー抗体軽鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(c) (i)ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して依然として全体で65%以上同一ではないFR1、FR2、FR3およびFR4を含有するフレームワーク領域を有するヒト化重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を合成すること、ただし前記第1のヌクレオチド配列はドナー抗体軽鎖可変領域由来のCDRをコードする核酸配列と、アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列とを含み、前記アクセプター軽鎖可変フレームワーク領域はキー残基と指定されたアミノ酸残基に導入された1以上の変異を含有し、ここで前記キー残基はKabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基4、38、43、44、46、58、62、65、66、67、68、69、73、85および98を含まないものであり、前記第2のヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(d) 前記第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項24】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、請求項23に記載の細胞に含有される、ヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含む前記方法。
【請求項25】
複数のヒト化抗体をコードするヌクレオチド配列を含有するように遺伝子操作された細胞の集団であって、以下を含む方法により作製される前記細胞の集団:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49に、ドナー抗体のフレームワーク領域とアクセプター重鎖可変フレームワーク領域との間で保存されていないアミノ酸残基を含有し、ここで前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列はドナー抗体重鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列、およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(c) 前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項26】
複数のヒト化抗体をコードするヌクレオチド配列を含有するように遺伝子操作された細胞の集団であって、以下を含む方法により作製される前記細胞集団:
(a) アミノ酸レベルでドナー抗体軽鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター軽鎖フレームワーク領域およびドナー抗体軽鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(b) ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列は、ドナー抗体軽鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列、およびアクセプター軽鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(c) 前記ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項27】
、ヒト化重鎖および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含有する細胞を用意し、前記ヌクレオチド配列を発現させることを含む、抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、前記ヌクレオチ配列を含有する細胞は、以下により作製されたものである:
(a) アクセプター重鎖可変領域の配列のコレクションに対して、ドナー抗体重鎖可変領域のヌクレオチド配列を比較すること;
(b) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49に、ドナー抗体の対応する残基と同一ではないアミノ酸残基を少なくとも1つ含有し、前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(c) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列は、ドナー抗体重鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含むものであること;
(d) 前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を細胞に導入すること。
【請求項28】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の製造方法であって、ヒト化重鎖および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含有する細胞を用意し、前記ヌクレオチド配列を発現させることを含む前記方法、ただし前記ヌクレオチ配列を含有する細胞は以下により作製されたものである:
(a) アクセプター重鎖可変領域の配列のコレクションに対してドナー抗体重鎖可変領域のヌクレオチド配列を比較すること;
(b) アミノ酸レベルでドナー抗体重鎖可変フレームワーク領域に対して65%以上同一ではないアクセプター重鎖可変フレームワーク領域を選択すること、ただし前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域は、Kabatナンバリングシステムに従ったアミノ酸残基6、23、24または49に、ドナー抗体の対応する残基と同一ではないアミノ酸残基を少なくとも1つ含有し、前記アクセプター重鎖フレームワーク領域およびドナー抗体重鎖フレームワーク領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4を含むものであること;
(c) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし前記ヌクレオチド配列はドナー抗体重鎖可変領域由来の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸配列およびアクセプター重鎖可変フレームワーク領域をコードする核酸配列を含み、前記アクセプター重鎖可変フレームワーク領域はキー残基と指定された残基に導入された1以上の変異を有するものであること;
(d) 前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること。
【請求項29】
キーと指定された残基が以下の残基:CDRに隣接する残基、潜在的なグリコシル化部位、希少残基、抗原と相互作用できる残基、CDRと相互作用できる残基、カノニカル残基、可変重鎖領域および可変軽鎖領域の間の接触残基、およびバーニヤゾーン内の残基、の1つまたはそれ以上である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
キーと指定された残基が以下の残基:CDRに隣接する残基、潜在的なグリコシル化部位、希少残基、抗原と相互作用できる残基、CDRと相互作用できる残基、カノニカル残基、可変重鎖領域および可変軽鎖領域の間の接触残基、バーニヤゾーン内の残基、およびChothia定義の重鎖可変領域CDR1とKabat定義の第1重鎖フレームワークとの間でオーバーラップする領域内の残基、の1つまたはそれ以上である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
請求項27または28の方法により製造されたヒト化抗体。
【請求項32】
請求項31に記載のヒト化抗体、および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【請求項33】
抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体の同定方法であって、請求項11、14、17または20に記載の細胞において核酸配列を発現させ、前記抗原に対して1×106 M-1以上の親和性を有するヒト化抗体についてスクリーニングすることを含む前記方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法により同定されたヒト化抗体。
【請求項35】
請求項34に記載のヒト化抗体、および担体、希釈剤または賦形剤を含む組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2007−528723(P2007−528723A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524759(P2006−524759)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/027188
【国際公開番号】WO2005/035575
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(504333972)メディミューン,インコーポレーテッド (108)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/027188
【国際公開番号】WO2005/035575
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(504333972)メディミューン,インコーポレーテッド (108)
【Fターム(参考)】
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