抗体のヒト化

【課題】抗体の抗原に対する免疫特異性を保持したまま、抗体の免疫原性を弱めるための、抗体の再設計または改造方法を提供する。
【解決手段】フレームワーク領域のサブバンクから得られるフレームワーク領域にin frame融合した、ドナー抗体由来の相補性決定領域(CDR)を含んでなるコンビナトリアルライブラリーを合成することによって、抗原に免疫特異的な抗体を作製する方法。さらに、本方法によって作製された抗体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗体の抗原に対する免疫特異性を保持したまま、抗体の免疫原性を弱めるための、抗体の再設計または改造方法に関する。特に、本発明は、フレームワーク領域のサブバンクから得られるフレームワーク領域にin frame(フレーム内)融合したドナー抗体由来の相補性決定領域(CDR)を含んでなるコンビナトリアルライブラリーを合成することによって、抗原に免疫特異的な抗体を作製する方法を提供する。本発明はまた、本発明の方法によって作製された抗体を提供する。
【背景技術】
【0002】
1. 発明の背景
抗体は我々の免疫反応において極めて重要な役割を担っている。それらはウイルスや細菌毒素を不活化することができ、また、補体系と様々なタイプの白血球を動員して、侵入してくる微生物や大型の寄生生物を死滅させるのに不可欠である。抗体はもっぱらBリンパ球によって数限りない形態で作られており、それぞれの形態が異なるアミノ酸配列を有し、異なる抗原結合部位をもっている。抗体は、まとめて免疫グロブリン(Ig)と呼ばれているが、血液中で最も豊富に存在するタンパク質成分の一つである。Albertsら, Molecular Biology of the Cell, 2nd ed., 1989, Garland Publishing, Inc.。
【0003】
典型的な抗体は、2本の同一の重(H)鎖(それぞれが約440アミノ酸を含む)と2本の同一の軽(L)鎖(それぞれが約220アミノ酸を含む)をもつY型分子である。4本の鎖は非共有結合と共有(ジスルフィド)結合との組み合わせにより一緒に保持されている。パパインやペプシンのようなタンパク質分解酵素は、抗体分子を、異なる特性を示すフラグメントに分割することができる。パパインは分離した同一のFabフラグメント2本(それぞれが1つの抗原結合部位を保持する)とFcフラグメント1本をもたらす。ペプシンはF(ab’)2フラグメントを1本生成する。Albertsら, Molecular Biology of the Cell, 2nd ed., 1989, Garland Publishing, Inc.。
【0004】
L鎖とH鎖は双方ともそのアミノ末端に可変配列を有し、そのカルボキシル末端には定常配列を有する。L鎖は約110アミノ酸長の定常領域と同じサイズの可変領域を保持する。H鎖も約110アミノ酸長の可変領域を有するが、H鎖の定常領域はH鎖のクラスに応じて約330または440アミノ酸長である。Albertsら, Molecular Biology of the Cell, 2nd ed., 1989, Garland Publishing, Inc. pp 1019。
【0005】
可変領域の部分だけが抗原の結合に直接関与している。研究によって、L鎖とH鎖の両方の可変領域の多様性はほとんど、各鎖に含まれる3つの小さな超可変領域(相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる)に限られることが示されている。可変領域の残りの部分は、フレームワーク領域(FR)として知られるもので、比較的変化しない。Albertsら, Molecular Biology of the Cell, 2nd ed., 1989, Garland Publishing, Inc. pp 1019-1020。
【0006】
天然の免疫グロブリンはアッセイや診断に使用されており、また、使用頻度は限られるものの治療にも用いられている。しかし、そのような用途、特に治療においては、天然の免疫グロブリンの多クローン性によって使用が妨げられている。特定の特異性を有するモノクローナル抗体の出現は治療用途の機会を増大させた。ところが、ほとんどのモノクローナル抗体は、宿主げっ歯動物を標的タンパク質で免疫し、続いて対象の抗体を産生するげっ歯動物の脾細胞をげっ歯動物のミエローマ細胞と融合することにより産生される。したがって、それらは本質的にげっ歯動物のタンパク質であり、そのままではヒトにおいて免疫原性があり、しばしばHAMA(Human Anti-Mouse Antibody:ヒト抗マウス抗体)応答と呼ばれる望ましくない免疫応答を誘起させる。
【0007】
多くのグループが治療用抗体の免疫原性を弱めるための技術を開発している。慣習的には、ドナー抗体に対する相同性の程度によってヒト鋳型を選択する。すなわち、可変領域が非ヒト抗体に最も相同なヒト抗体をヒト化のための鋳型として使用する。その理論は、フレームワーク配列が抗原との相互作用のためにCDRをその正しい空間的方向付けで保持するように作用し、また、フレームワーク残基が時には抗原結合に関与することさえある、ということにある。こうして、選択したヒトフレームワーク配列がドナーのフレームワーク配列に最も類似している場合には、ヒト化抗体において親和性が保持される可能性が最大となろう。例えば、Winter (ヨーロッパ特許第0239400号)は、重鎖および軽鎖可変領域のそれぞれに由来する3つの相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)をグラフトするために、長いオリゴヌクレオチドを用いた部位特異的変異誘発によりヒト化抗体を作製することを提案した。この方法はうまくいくことが示されたが、ドナーCDRを支持する最良のヒト鋳型を選択するという可能性に限界がある。
【0008】
ヒト化抗体はその天然のまたはキメラな対応物よりもヒトにおいて免疫原性が少ないが、多くのグループは、CDRをグラフトさせたヒト化抗体は著しく低下した結合親和性を示しうることに気づいている(例えば、Riechmannら, 1988, Nature 3 32:323-327)。例えば、Riechmannとその仲間は、CDR領域のみの転移はCDRグラフト産物において満足のいく抗原結合活性を得るのに十分ではなく、ヒト配列の27位のセリン残基を対応するラットフェニルアラニン残基に変換することも必要である、ことを見いだした。これらの結果は、効果的な抗原結合活性を得るためにはCDR領域の外側にあるヒト配列の残基の変更が必要でありうることを示した。それにしても、結合親和性はもとのモノクローナル抗体の親和性よりもまだかなり低いものであった。
【0009】
例えば、Queenら(米国特許第5,530,101号)は、マウスモノクローナル抗体(抗Tac MAb)のCDRを、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域および定常領域と結合させることによって、インターロイキン-2受容体に結合するヒト化抗体を作製することを記載した。ヒトフレームワーク領域は、抗Tac MAb配列との相同性が最大となるように選択された。さらに、コンピュータモデリングを用いることにより、CDRまたは抗原と相互作用しそうなフレームワークアミノ酸残基が同定され、これらの位置ではヒト化抗体においてマウスアミノ酸が使用された。得られたヒト化抗Tac抗体は、インターロイキン-2受容体(p55)に対する親和性が3 X 109 M-1であると報告され、この数値は依然としてマウスMAbの親和性の3分の1ほどにすぎなかった。
【0010】
他のグループは、アミノ酸残基の正体が満足のいく結合親和性を有するCDRグラフト産物の取得に寄与している、可変領域のフレームワーク領域内の更なる位置(すなわち、可変領域のCDRおよび構造ループの外側の位置)を同定した。例えば、米国特許第6,054,297号および第5,929,212号を参照されたい。しかしまだ、特定のCDRグラフト配置が対象となる所与の抗体にいかに有効であるかを前もって知ることは不可能である。
【0011】
Leung (米国特許出願公開第US 2003/0040606号) は、フレームワークパッチング(framework patching)アプローチを記載しており、このアプローチでは、免疫グロブリンの可変領域をFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4に画定して、非ヒト抗体とヒト抗体鋳型との相同性が最大となるように個々のFR配列を選択している。しかし、このアプローチは手間がかかり、最適なフレームワーク領域を簡単に同定することができない。
【0012】
治療上より効果的な抗体が開発されつつあり、また、それらはより有望な成果を収めつつあるので、投与抗体によって引き出された生体の免疫反応を抑制または排除することができることは重要である。したがって、抗体をヒト様にするための効率的かつ迅速な遺伝子工学的操作を可能にし、かつ/また、抗体をヒト化する際の労力の軽減を可能にする新しいアプローチは、多大な利益と医療的価値をもたらすだろう。
【0013】
本明細書中での文献の引用または考察は、それが本発明の先行技術であることを容認するものと解釈されるべきでない。
【発明の概要】
【0014】
2. 発明の概要
本発明は、一部には、抗体の可変重鎖フレームワーク領域と可変軽鎖フレームワーク領域のためのフレームワーク領域サブバンクの作製、ならびに、ドナー抗体由来の相補性決定領域(CDR)とフレームワーク領域サブバンク由来のフレームワーク領域とをin frameに一緒に融合することにより作製された、可変重鎖領域および/または可変軽鎖領域を含む抗体のコンビナトリアルライブラリーの作製、に基づいている。フレームワーク領域サブバンクの作製は、迅速で手間のかからない、抗体(定常領域を含むまたは含まない)のコンビナトリアルライブラリーの作製を可能にし、これらの抗体は、対象の抗原に対するそれらの免疫特異性だけでなく、対象の生物におけるそれらの免疫原性を容易にスクリーニングすることができる。本発明で記載するライブラリーアプローチでは、アクセプターフレームワーク(例えば、ヒトフレームワーク)の効率的な選択および同定が可能である。フレームワーク領域サブバンクの作製に加えて、CDRのサブバンクを作製して、フレームワーク領域サブバンクからのフレームワーク領域とランダムにin frame融合させることにより、抗体(定常領域を含むまたは含まない)のコンビナトリアルライブラリーを作製することができ、これらの抗体は、対象の抗原に対するそれらの免疫特異性だけでなく、対象の生物におけるそれらの免疫原性を容易にスクリーニングすることができる。本発明のコンビナトリアルライブラリー法は、本明細書では、人間に使用するためのヒト化抗体の作製について例証される。しかしながら、本発明のコンビナトリアルライブラリー法は、どのような対象生物用の抗体の作製にも容易に応用することが可能である。
【0015】
本発明は、可変軽鎖および可変重鎖の各フレームワーク領域のためのフレームワーク領域サブバンクを提供する。したがって、本発明は、それぞれの対象の生物種のための、およびそれぞれのCDRの定義(例えば、KabatおよびChothia)のための、可変軽鎖フレームワーク領域1、可変軽鎖フレームワーク領域2、可変軽鎖フレームワーク領域3、および可変軽鎖フレームワーク領域4のフレームワーク領域サブバンクを提供する。本発明はまた、それぞれの対象の生物種のための、およびそれぞれのCDRの定義(例えば、KabatおよびChothia)のための、可変重鎖フレームワーク領域1、可変重鎖フレームワーク領域2、可変重鎖フレームワーク領域3、および可変重鎖フレームワーク領域4のフレームワーク領域サブバンクを提供する。フレームワーク領域サブバンクは生殖系列(germline)フレームワーク配列由来のフレームワーク領域および/または機能性抗体配列由来のフレームワーク領域を含みうる。フレームワーク領域サブバンクは、1以上の変異が導入されている、生殖系列フレームワーク配列由来のフレームワーク領域および/または機能性抗体配列由来のフレームワーク領域を含みうる。このフレームワーク領域サブバンクを使用すると、対象の抗原に対する免疫特異性だけでなく、対象の生物における免疫原性をスクリーニングすることができる抗体のコンビナトリアルライブラリーを容易に作製することができる。
【0016】
本発明は、可変軽鎖および可変重鎖の各CDRのためのCDRサブバンクを提供する。したがって、本発明は、それぞれの対象の生物種のための、およびそれぞれのCDRの定義(例えば、KabatおよびChothia)のための、可変軽鎖CDR1、可変軽鎖CDR2、および可変軽鎖CDR3のCDR領域サブバンクを提供する。本発明はまた、それぞれの対象の生物種のための、およびそれぞれのCDRの定義(例えば、KabatおよびChothia)のための、可変重鎖CDR1、可変重鎖CDR2、および可変重鎖CDR3のCDRサブバンクを提供する。CDRサブバンクは、対象の抗原と免疫特異的に結合する抗体の部分として同定されたCDRを含みうる。CDRサブバンクを使用すると、対象の抗原に対する免疫特異性だけでなく、対象の生物における免疫原性をスクリーニングすることができる抗体のコンビナトリアルライブラリーを容易に作製することができる。
【0017】
本発明は、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列および/または軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を提供し、ここで、前記可変領域はドナー抗体由来のCDR1〜3をフレームワーク領域サブバンク由来のフレームワーク領域1〜4と一緒にin frame融合することにより作製されたものである。いくつかの実施形態においては、ドナー抗体の重鎖および/または軽鎖可変領域に由来するCDRの1つ以上が、ドナー抗体の対応するCDRをコードする核酸配列に対して1以上の変異を含んでいる。本発明はまた、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列および/または軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を提供し、ここで、前記可変領域はCDRサブバンク(好ましくは、対象の抗原と免疫特異的に結合するCDRのサブバンク)から得られたCDR1〜3をフレームワーク領域サブバンクから得られたフレームワーク領域1〜4と一緒にin frame融合することにより作製されたものである。
【0018】
ある実施形態において、本発明は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖相補性決定領域(CDR)1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである、上記核酸配列を提供する。この実施形態によれば、前記核酸配列はドナー軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含みうる。あるいはまた、この実施形態によれば、前記核酸配列は軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含み、前記軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである。
【0019】
別の実施形態において、本発明は、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである、上記核酸配列を提供する。この実施形態によれば、前記核酸配列はドナー重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー重鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含みうる。
【0020】
別の実施形態において、本発明は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである、上記核酸配列を提供する。この実施形態によれば、前記核酸はドナー軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含みうる。あるいはまた、この実施形態によれば、前記核酸配列は軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含み、前記軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来するか、または少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒト抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである。
【0021】
別の実施形態において、本発明は、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである、上記核酸配列を提供する。この実施形態によれば、前記核酸配列はドナー重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー重鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含みうる。あるいはまた、この実施形態によれば、前記核酸配列は重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含み、前記重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである。
【0022】
本発明はまた、本明細書に記載の核酸配列を含む細胞、または該核酸配列を発現するように遺伝子操作された細胞を提供する。ある実施形態において、本発明は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列を含む第1の核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、前記核酸配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである。この実施形態によれば、前記細胞は軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む第2の核酸配列をさらに含みうる。
【0023】
別の実施形態において、本発明は、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列を含む第1の核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、前記核酸配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである。この実施形態によれば、前記細胞は重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト重鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む第2の核酸配列をさらに含みうる。
【0024】
別の実施形態において、本発明は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列および軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入する方法により作製されたものであり、その際、重鎖可変領域のCDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、軽鎖可変領域のCDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである。
【0025】
別の実施形態において、本発明は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列を含む第1の核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、前記核酸配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである。この実施形態によれば、前記細胞は軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む第2の核酸配列をさらに含みうる。
【0026】
別の実施形態において、本発明は、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列を含む第1の核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、前記核酸配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである。この実施形態によれば、前記細胞は重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト重鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む第2の核酸配列をさらに含みうる。
【0027】
別の実施形態において、本発明は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列および軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入する方法により作製されたものであり、ここで、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである。
【0028】
別の実施形態において、本発明は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列および軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入する方法により作製されたものであり、ここで、重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである。
【0029】
別の実施形態において、本発明は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列および軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入する方法により作製されたものであり、ここで、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものである。
【0030】
本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をコードする核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、(a)重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、および(b)軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、を含む方法によって作製されたものである。
【0031】
本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をコードする核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、(a)重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、および(b)軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、を含む方法によって作製されたものである。
【0032】
本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をコードする核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、(a)重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、および(b)軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、を含む方法によって作製されたものである。
【0033】
本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をコードする核酸配列を含有する細胞を提供し、前記細胞は、(a)重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、および(b)軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、を含む方法によって作製されたものである。
【0034】
本発明は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)を作製する方法を提供し、前記方法は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を本明細書に記載の細胞において発現させることを含む。本発明は、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)を作製する方法を提供し、前記方法は、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を本明細書に記載の細胞において発現させることを含む。本発明はまた、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供し、前記方法は、本明細書に記載の細胞内に含まれるヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含む。
【0035】
ある実施形態において、本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(c) 前記核酸配列を、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入すること、
(d) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(e)をさらに含んでいてよい。
【0036】
別の実施形態において、本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(c) 前記核酸配列を、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入すること、
(d) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(e)をさらに含んでいてよい。
【0037】
別の実施形態において、本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(c) 前記核酸配列を、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入すること、
(d) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(e)をさらに含んでいてよい。
【0038】
別の実施形態において、本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(c) 前記核酸配列を、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入すること、
(d) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(e)をさらに含んでいてよい。
【0039】
別の実施形態において、本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(d) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(e) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(f) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(g)をさらに含んでいてよい。
【0040】
別の実施形態において、本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(d) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(e) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(f) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(g)をさらに含んでいてよい。
【0041】
別の実施形態において、本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(d) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(e) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(f) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(g)をさらに含んでいてよい。
【0042】
別の実施形態において、本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(d) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(e) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(f) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(g)をさらに含んでいてよい。
【0043】
別の実施形態において、本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ここで、重鎖可変領域のCDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、軽鎖可変領域のCDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、
(d) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(e) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(f)をさらに含んでいてよい。
【0044】
本発明は、抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ここで、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体に由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(e) ヒト化重鎖可変領域とヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(f)をさらに含んでいてよい。
【0045】
本発明は、抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ここで、重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体に由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(e) ヒト化重鎖可変領域とヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(f)をさらに含んでいてよい。
【0046】
別の実施形態において、本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供し、前記方法は、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ここで、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、
(d) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(e) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(f)をさらに含んでいてよい。
【0047】
本発明は、本明細書に記載する方法により作製された抗体を提供する。好ましい実施形態では、本発明は、本明細書に記載する方法により作製されたヒト化抗体を提供する。本発明はまた、本明細書に記載する方法により作製された抗体、および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物を提供する。好ましい実施形態では、本発明は、本明細書に記載する方法により作製されたヒト化抗体、および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物を提供する。好ましくは、本発明の組成物はその意図した用途に適する形態の医薬組成物である。
【0048】
本発明は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を提供し、前記重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、それぞれ、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒト化ドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。本発明はまた、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を提供し、前記重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、それぞれ、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒト化ドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。
【0049】
本発明は、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を提供し、前記軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、それぞれ、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒト化ドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。本発明はまた、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を提供し、前記軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、それぞれ、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒト化ドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。
【0050】
本発明は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ作製された、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ作製された、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む複数の核酸配列を提供し、ここで、重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。
【0051】
本発明は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ作製された、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ作製された、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む複数の核酸配列を提供し、ここで、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。
【0052】
本発明は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ作製された、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ作製された、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む複数の核酸配列を提供し、ここで、重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。
【0053】
本発明は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ作製された、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ作製された、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む複数の核酸配列を提供し、ここで、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。
【0054】
本発明は、本明細書に記載する核酸配列を含有する細胞の集団を提供する。ある実施形態では、本発明は、複数の重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団を提供し、前記細胞は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。この実施形態によれば、前記細胞は軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列をさらに含んでいてもよい。
【0055】
別の実施形態において、本発明は、複数の重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団を提供し、前記細胞は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)に由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。この実施形態によれば、前記細胞は軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列をさらに含んでいてもよい。
【0056】
別の実施形態において、本発明は、複数の軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団を提供し、前記細胞は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。この実施形態によれば、前記細胞は重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列をさらに含んでいてもよい。
【0057】
別の実施形態において、本発明は、複数の軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団を提供し、前記細胞は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)に由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。この実施形態によれば、前記細胞は重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列をさらに含んでいてもよい。
【0058】
別の実施形態において、本発明は、複数の重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)および複数の軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団を提供し、前記細胞はそれぞれ、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。
【0059】
別の実施形態において、本発明は、複数の重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)および複数の軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団を提供し、前記細胞はそれぞれ、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)に由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。
【0060】
別の実施形態において、本発明は、複数の重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)および複数の軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団を提供し、前記細胞はそれぞれ、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)に由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。
【0061】
別の実施形態において、本発明は、複数の重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)および複数の軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団を提供し、前記細胞はそれぞれ、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)に由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)に由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものである。
【0062】
本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体を同定する方法を提供し、前記方法は、本明細書に記載するように細胞において前記核酸配列を発現させ、抗原に対して少なくとも1 x 106 M-1、少なくとも1 x 107 M-1、少なくとも1 x 108 M-1、少なくとも1 x 109 M-1、少なくとも1 x 1010 M-1またはそれ以上の親和性を有する抗体についてスクリーニングすることを含んでなる。好ましい実施形態では、本発明は、抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を同定する方法を提供し、前記方法は、本明細書に記載するように細胞において前記核酸配列を発現させ、抗原に対して少なくとも1 x 106 M-1、少なくとも1 x 107 M-1、少なくとも1 x 108 M-1、少なくとも1 x 109 M-1、少なくとも1 x 1010 M-1またはそれ以上の親和性を有するヒト化抗体についてスクリーニングすることを含んでなる。本発明は本明細書に記載する方法によって同定された抗体を提供する。好ましい実施形態では、本発明は本明細書に記載する方法によって同定されたヒト化抗体を提供する。
【0063】
本発明によれば、本明細書に記載のように作製された抗体(例えば、ヒト化抗体)は軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のように作製された抗体はさらに定常領域を含む。
【0064】
本発明は、ある成分(例えば、治療剤または薬物)に結合または融合させた本発明による抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を提供する。本発明はまた、本発明に従って作製および/または同定された抗体、および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物(好ましくは、医薬組成物)を提供する。ある好ましい実施形態では、本発明は、本明細書に記載するヒト化抗体および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物(好ましくは、医薬組成物)を提供する。本発明はまた、ある成分(例えば、治療剤または薬物)に結合または融合させた本発明に従って作製および/または同定された抗体、および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物(好ましくは、医薬組成物)を提供する。ある好ましい実施形態では、本発明は、ある成分(例えば、治療剤または薬物)に結合または融合させたヒト化抗体(またはそのフラグメント)、および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物を提供する。本発明はさらに、疾患またはその症状を予防、治療、管理または軽減するための、本発明に従って作製および/または同定された抗体(例えば、ヒト化抗体)の単独または他の治療薬との組合せでの使用を提供する。
【0065】
本発明の医薬組成物は、疾患またはその1以上の症状の予防、管理、治療または軽減のために使用することができる。好ましくは、本発明の医薬組成物は無菌であり、患者に投与する特定の方法に適した形態をしている。
【0066】
本発明はさらに、本発明の方法に従って作製および/または同定された1種以上の抗体(好ましくは、1種以上のヒト化抗体)を利用して、疾患を検出する、診断する、および/または疾患の進行をモニタリングする方法を提供する。
【0067】
本発明は、対象となる生物種の抗体フレームワーク領域のサブバンクを含んでなるキットを提供する。本発明はまた、対象となる生物種のCDRのサブバンクを含んでなるキットを提供する。本発明はまた、1つの対応するCDR(例えば、CDR1)にin frame融合された1つのフレームワーク領域(例えば、FR1)を含有するヌクレオチド配列を含む核酸のコンビナトリアルサブライブラリーを含んでなるキットを提供する。本発明はさらに、例えばFR1+CDR1+FR2+CDR2+FR3+CDR3+FR4のように、in frame融合された可変重鎖領域または可変軽鎖領域のフレームワーク領域とCDRを含有するヌクレオチド配列を含む核酸のコンビナトリアルライブラリーを含んでなるキットを提供する。
【0068】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明は、ヒト免疫グロブリンフレームワーク領域のサブバンク、CDRのサブバンク、コンビナトリアルサブライブラリー、および/またはコンビナトリアルライブラリーを含んでなるキットを提供する。ある実施形態では、本発明は、可変軽鎖フレームワーク領域1、2、3および/または4(ここで、フレームワーク領域はKabatシステムに従って定義される)のフレームワーク領域サブバンクを含んでなるキットを提供する。別の実施形態では、本発明は、可変軽鎖フレームワーク領域1、2、3および/または4(ここで、フレームワーク領域はChothiaシステムに従って定義される)のフレームワーク領域サブバンクを含んでなるキットを提供する。別の実施形態では、本発明は、可変重鎖フレームワーク領域1、2、3および/または4(ここで、フレームワーク領域はKabatシステムに従って定義される)のフレームワーク領域サブバンクを含んでなるキットを提供する。別の実施形態では、本発明は、可変重鎖フレームワーク領域1、2、3および/または4(ここで、フレームワーク領域はChothiaシステムに従って定義される)のフレームワーク領域サブバンクを含んでなるキットを提供する。さらに別の実施形態では、本発明は、可変軽鎖フレームワーク領域と可変重鎖フレームワーク領域の両方のサブバンクを含んでなるキットを提供する。
【0069】
本発明はまた、本発明のヒト化抗体を含む1つ以上の容器を含んでなる医薬パックまたはキットを提供する。医薬パックまたはキットは、特定の疾患またはその症状の予防、治療、管理または軽減に有用な1種以上の他の予防薬もしくは治療薬をさらに含んでいてもよい。本発明はまた、本発明の医薬組成物の1種以上の成分を含む1つ以上の容器を含んでなる医薬パックまたはキットを提供する。場合により、そのような容器は、医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を取り締まる政府機関によって定められた形の通知書を伴っていてもよく、その通知書はヒトへの投与のために製造、使用または販売することの政府機関による承認を反映するものである。
【0070】
本発明はまた、製造物品を提供する。
【0071】
2.1 技術用語
本明細書で使用される「アクセプター」および「アクセプター抗体」という用語は、1以上のフレームワーク領域のアミノ酸配列の、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%を与える、もしくはコードする、抗体または核酸配列を示す。ある実施形態において、「アクセプター」という用語は、定常領域を与える、もしくはコードする、抗体または核酸配列を指す。具体的な実施形態において、「アクセプター」という用語は、1以上のフレームワーク領域のアミノ酸配列の、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%を与える、もしくはコードする、ヒト抗体または核酸配列を指す。アクセプターフレームワーク領域および/またはアクセプター定常領域は、例えば、生殖系列抗体遺伝子、成熟抗体遺伝子、機能性抗体(例:当技術分野で知られている抗体、開発中の抗体、もしくは市販の抗体)に由来し、あるいはそれらから得ることができる。
【0072】
本明細書で使用される「抗体」という用語は、モノクローナル抗体、多特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ化抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fabフラグメント、F(ab)フラグメント、ジスルフィド結合Fv(dsFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、および上記のいずれかのエピトープ結合フラグメントを表す。詳細には、抗体は、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性なフラグメント、すなわち抗原結合部位を含有する分子を包含する。免疫グロブリン分子は、いかなるタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)、もしくはサブクラスのものであってもよい。
【0073】
典型的な抗体は、2つの軽鎖と組み合わされた2つの重鎖を含有する。全長の重鎖は約50kDの大きさ(約446アミノ酸の長さ)であって、重鎖可変領域遺伝子(約116アミノ酸)および定常領域遺伝子によってコードされる。α、γ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、δ、ε、およびμ配列といった異なるアイソタイプの重鎖定常領域をコードする、異なる定常領域遺伝子が存在する。全長の軽鎖は約25kDの大きさ(約214アミノ酸の長さ)であって、軽鎖可変領域遺伝子(約110アミノ酸)およびκもしくはλ定常領域遺伝子によってコードされる。軽鎖および/または重鎖の可変領域は抗原との結合を担っており、定常領域は抗体に特有のエフェクター機能を担う。
【0074】
本明細書で使用される「CDR」という用語は、抗体の可変配列内の相補性決定領域を指す。重鎖および軽鎖の可変領域のそれぞれに3つのCDRがあり、可変領域のそれぞれについてCDR1、CDR2およびCDR3と称される。これらのCDRの正確な境界は、異なるシステムに従ってそれぞれに定められている。Kabatにより記載された(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest (米国国立衛生研究所、ベセスダ、MD(1987)および(1991))システムは、抗体のいずれの可変領域に対しても適用できる明白な残基ナンバリングシステムを与えるだけでなく、3つのCDRを定義する正確な残基の境界も提供する。これらのCDRはKabat CDRと称することができる。Chothiaおよび共同研究者ら(Chothia およびLesk, J. Mol. Biol. 196:901-917(1987)、ならびにChothiaら、Nature 342:877-883 (1989))は、Kabat CDR内の一定の小部分がアミノ酸配列レベルでは多大な多様性を有するにもかかわらず、ほとんど同一のペプチド主鎖立体構造をとることを見出した。こうした小部分はL1、L2およびL3、またはH1、H2およびH3と呼ばれ、ここで「L」および「H」は軽鎖および重鎖領域をそれぞれ示す。これらの領域はChothia CDRと呼ばれ、これらはKabat CDRと部分的に重なる境界を有する。Kabat CDRと重複するCDRを定義する他の境界がPadlan(FASEB J. 9:133-139(1995))およびMacCallum(J. Mol. Biol. 262(5): 732-45 (1996))によって報告されている。さらに他のCDRの境界の定義が、厳密には上記システムの一つに従わないが、それでも、Kabat CDRと部分的に一致することが考えられる。ただしそうした境界の定義は、特定の残基もしくは残基群が、またはCDR全体であっても、抗原結合に有意な影響を与えないという予測もしくは実験結果を踏まえて、短縮、または延長される可能性がある。本明細書で使用する方法は、上記システムのいずれかにしたがって定義されたCDRを用いることができるが、ただし、好ましい実施形態はKabatまたはChothiaの定義によるCDRを使用する。
【0075】
本明細書で使用される場合、タンパク質性物質(例えば、抗体のような、タンパク質、ポリペプチドおよびペプチド)との関連での「誘導体」という用語は、アミノ酸残基の置換、欠失および/または付加によって変化したアミノ酸配列を含んでなるタンパク質性物質を表す。本明細書で使用される「誘導体」という用語はまた、タンパク質性物質に何らかの分子を共有結合することによって、修飾されたタンパク質性物質を指す。限定する意図はないが例を挙げると、抗体は、例えばグリコシル化、アセチル化、PEG化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロック基による誘導体化、タンパク質分解性切断、細胞リガンドもしくは他のタンパク質との結合などによって修飾することができる。タンパク質性物質の誘導体は、当業者に知られている技法を用いた化学修飾によって作製することができ、これには特異的な化学分解、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成などを含めるがそれに限定されない。さらに、タンパク質性物質の誘導体は、1つまたは複数の非古典的アミノ酸を含有してもよい。タンパク質性物質の誘導体は、それが誘導される起源となったタンパク質性物質と同様もしくは同一の機能を有する。
【0076】
本明細書で使用される場合、「障害」および「疾患」という用語は、被験者の状態に対して相互交換可能に使用される。
【0077】
本明細書で使用される「ドナー抗体」という用語は、1以上のCDRを与える抗体を指す。好ましい実施形態において、ドナー抗体は、フレームワーク領域の起源である抗体とは異なる生物種に由来する抗体である。ヒト化抗体との関連において、「ドナー抗体」という用語は、1以上のCDRを与える非ヒト抗体を指す。
【0078】
本明細書で使用される「有効な量」という用語は、疾患、または疾患の1以上の症状の、重症度および/または持続時間を軽減もしくは改善し、疾患の進行を妨げ、疾患の寛解をもたらし、疾患に伴う1以上の症状の再発、発生、発現もしくは進行を防ぎ、疾患を発見し、または別の治療(例えば、予防薬もしくは治療薬)の予防もしくは治療効果を増強もしくは改善するのに十分な、治療のための量を指す。
【0079】
本明細書で使用される場合、「エピトープ」という用語は、動物において、好ましくは哺乳動物において、さらにもっとも好ましくはヒトにおいて、抗原性もしくは免疫原性を有する、ポリペプチドまたはタンパク質の断片を指す。免疫原性を有するエピトープは、動物において抗体応答を引き起こすポリペプチドもしくはタンパク質の断片である。抗原性を有するエピトープは、抗体が免疫特異的に結合するポリペプチドもしくはタンパク質の断片であって、当業者に周知の任意の方法によって、例えばイムノアッセイによって、測定される。抗原性エピトープは必ずしも免疫原性である必要はない。
【0080】
本明細書で使用される「融合タンパク質」という用語は、第1のタンパク質もしくはポリペプチドもしくは機能性断片、その類似体もしくは誘導体のアミノ酸配列と、異種タンパク質、ポリペプチドもしくはペプチド(すなわち、第1のタンパク質もしくは断片、その類似体もしくは誘導体とは異なる、第2のタンパク質もしくはポリペプチドもしくは断片、その類似体もしくは誘導体)のアミノ酸配列と、を含んでなるポリペプチドまたはタンパク質(抗体を含めるがそれに限定されない)を指す。ある実施形態において、融合タンパク質は、異種タンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドと融合した予防薬または治療薬を含んでなる。この実施形態によれば、異種タンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドは別のタイプの予防薬もしくは治療薬であってもよく、またはそうでなくてもよい。例えば、免疫調節性を有する2つの異なるタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドを融合させて1つの融合タンパク質を生成することができる。好ましい実施形態において、融合タンパク質は、異種タンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドと融合する前の元のタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドの活性に比べて向上した活性を保持する。
【0081】
本明細書で使用される「断片」という用語は、あるポリペプチドもしくはタンパク質のアミノ酸配列の、少なくとも5個連続するアミノ酸残基、少なくとも10個連続するアミノ酸残基、少なくとも15個連続するアミノ酸残基、少なくとも20個連続するアミノ酸残基、少なくとも25個連続するアミノ酸残基、少なくとも40個連続するアミノ酸残基、少なくとも50個連続するアミノ酸残基、少なくとも60個連続するアミノ酸残基、少なくとも70個連続するアミノ酸残基、少なくとも80個連続するアミノ酸残基、少なくとも90個連続するアミノ酸残基、少なくとも100個連続するアミノ酸残基、少なくとも125個連続するアミノ酸残基、少なくとも150個連続するアミノ酸残基、少なくとも175個連続するアミノ酸残基、少なくとも200個連続するアミノ酸残基、または少なくとも250個連続するアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を含んでなる、もう一つのペプチドもしくはポリペプチド(抗体を含めるがそれに限定されない)を指す。具体的な実施形態において、タンパク質もしくはポリペプチドの断片は、そのタンパク質もしくはポリペプチドの少なくとも1つの機能を保持している。
【0082】
本明細書で使用される「機能性断片」という用語は、第2の、別のポリペプチドもしくはタンパク質のアミノ酸配列の、少なくとも5個連続するアミノ酸残基、少なくとも10個連続するアミノ酸残基、少なくとも15個連続するアミノ酸残基、少なくとも20個連続するアミノ酸残基、少なくとも25個連続するアミノ酸残基、少なくとも40個連続するアミノ酸残基、少なくとも50個連続するアミノ酸残基、少なくとも60個連続するアミノ酸残基、少なくとも70個連続するアミノ酸残基、少なくとも80個連続するアミノ酸残基、少なくとも90個連続するアミノ酸残基、少なくとも100個連続するアミノ酸残基、少なくとも125個連続するアミノ酸残基、少なくとも150個連続するアミノ酸残基、少なくとも175個連続するアミノ酸残基、少なくとも200個連続するアミノ酸残基、または少なくとも250個連続するアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を含んでなる、ペプチドもしくはポリペプチド(抗体を含めるがそれに限定されない)を指すが、この場合、前記のポリペプチドもしくはタンパク質は、第2の、別のポリペプチドもしくはタンパク質の少なくとも1つの機能を保持する。具体的な実施形態において、ポリペプチドもしくはタンパク質の断片は、そのタンパク質もしくはポリペプチドの機能を少なくとも2つ、3つ、4つ、または5つ保持する。特定の抗原と免疫特異的に結合する抗体の断片は、その抗原に免疫特異的に結合する能力を保持していることが好ましい。
【0083】
本明細書で使用される「フレームワーク」または「フレームワーク配列」という用語は、CDRを除いた可変領域の残りの配列を指す。CDR配列の正確な定義が、異なるシステムによって決定されうるため、フレームワーク配列の意味するところもそれに相応して異なる解釈に従う。6個のCDR(軽鎖のCDR1、2および3、ならびに重鎖のCDR1、2および3)も、軽鎖および重鎖のフレームワーク領域をそれぞれ4つのサブ領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)に分割するが、軽鎖と重鎖のそれぞれにおいてCDR1はFR1とFR2の間に位置し、CDR2はFR2とFR3の間、さらにCDR3はFR3およびFR4の間に位置する。FR1、FR2、FR3またはFR4のような特定のサブ領域を指定しないならば、フレームワーク領域は、一般に言及されるように、天然に存在する免疫グロブリン一本鎖の可変領域内のFRの組合せを表す。本明細書で使用される場合、FRは4つのサブ領域のうちの1つを表し、FRsはフレームワーク領域を構成する4つのサブ領域のうちの2つ以上を表す。一例として、表1〜4はそれぞれ、κ軽鎖のFR1、2、3および4の生殖系列配列を記載する。表5〜7はそれぞれ、Kabat定義による重鎖のFR1、2、および3の生殖系列配列を記載する。表8〜10はそれぞれ、Chothia定義による重鎖のFR1、2、および3の生殖系列配列を記載する。表11は、重鎖のFR4の生殖系列配列を記載する。
【0084】
表1〜65
表1〜65に記載のそれぞれの配列の配列番号は、各表の第1列に示す。
【表1】


【表2】


【表3】



【表4】

【表5】



【表6】


【表7】



【表8】



【表9】


【表10】



【表11】

【0085】
本明細書で使用される「生殖系列抗体遺伝子」または「遺伝子断片」という用語は、特定の免疫グロブリンの発現のために遺伝子再構成および突然変異を招く成熟化プロセスを経ることのない、非リンパ系細胞によってコードされる免疫グロブリン配列を表す。(例えば、Shapiroら、Crit. Rev. Immunol. 22(3): 183-200 (2002); Marchalonisら、Adv. Exp. Med. Biol. 484: 13-30(2001)を参照されたい)。本発明のさまざまな実施形態によって与えられる利点の一つは、生殖系列抗体遺伝子が成熟抗体遺伝子よりも、その生物種において個体に特徴的な基本的アミノ酸配列構造を保存している可能性が高く、したがってその生物種において治療に使用する場合、外来起源由来として認識される可能性が低いという認識に由来する。
【0086】
本明細書で使用される場合、「ヒト化抗体」という用語は、対象となる抗原と免疫特異的に結合し、かつ実質的にヒト抗体のアミノ酸配列を有するフレームワーク(FR)領域と、実質的に非ヒト抗体のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)とを含んでなる、抗体またはその変異体、誘導体、類似体もしくはフラグメントである。本明細書で使用される場合、CDRとの関連で「実質的に」という用語は、非ヒト抗体CDRのアミノ酸配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するCDRを表す。ヒト化抗体は、少なくとも1つの、そして典型的には2つの可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)2、HabC、Fv)の実質的にすべてを含んでなるが、その場合、CDR領域のすべてまたは実質的にすべては、非ヒト免疫グロブリン(すなわちドナー抗体)のCDR領域に相当し、フレームワーク領域のすべてまたは実質的にすべては、ヒト免疫グロブリン配列のフレームワーク領域である。好ましくは、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の一部も含んでなる。ある実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖だけでなく、重鎖の少なくとも可変ドメインを含有する。ヒト化抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびCH4領域を包含してもよい。ある実施形態において、ヒト化抗体はヒト化軽鎖のみを含有する。ある実施形態において、ヒト化抗体はヒト化重鎖のみを含有する。特定の実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖のヒト化可変ドメイン、および/またはヒト化重鎖のみを含有する。
【0087】
ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを含むいかなる免疫グロブリンクラス、ならびにIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含むがこれに限定されない、いかなるアイソタイプからも、選択することができる。ヒト化抗体は、2つ以上のクラスもしくはアイソタイプからの配列を含んでいてもよく、特定の定常ドメインは、当業界でよく知られている技術を用いて、目的とするエフェクター機能を最適化するように選択することができる。
【0088】
ヒト化抗体のフレームワークおよびCDR領域は、正確に親配列に一致する必要はなく、例えば、ドナー抗体CDRまたはアクセプターフレームワークは、少なくとも1つのアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失によって突然変異されていてもよく、その結果その部位のCDRまたはフレームワーク残基はドナー抗体にもアクセプターフレームワークにも一致しなくなる。しかしながら、このような突然変異は、広範囲にわたることはない。通常、ヒト化抗体残基の少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにもっとも好ましくは少なくとも95%は、親のFRおよびCDR配列に一致する。
【0089】
本明細書で使用される「宿主細胞」という用語は、核酸分子でトランスフェクトされ、または形質転換された特定の対象細胞、およびそうした細胞の子孫もしくは潜在的な子孫を包含する。こうした細胞の子孫は、その後の世代において発生しうる、または核酸の宿主細胞ゲノムへの組み込みにおいて発生しうる突然変異または環境の影響のために、核酸分子でトランスフェクトされた親細胞と同一ではない可能性がある。
【0090】
本明細書で使用される場合、「抗原と免疫特異的に結合する」という表現および類似の表現は、ある抗原または断片には特異的に結合するが他の抗原には特異的に結合しない、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質(融合タンパク質および抗体を含めるが、それに限定されない)またはそれらのフラグメントを表す。抗原と免疫特異的に結合するペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、それより低い親和性で他の抗原と結合する可能性があり、例えばイムノアッセイ、BIAcore、または当技術分野で知られている他のアッセイ法によって測定される。抗原と免疫特異的に結合する抗体またはフラグメントは、関連抗原と交差反応性である可能性がある。ある抗原に免疫特異的に結合する抗体もしくはフラグメントは、他の抗原と交差反応しないことが好ましい。
【0091】
本明細書で使用される場合、タンパク質性物質(例えば、ペプチド、ポリペプチドまたは(融合タンパク質もしくは抗体といった)タンパク質)との関連において「単離された」という用語は、その物質の由来する細胞もしくは組織起源からの細胞性物質、もしくは混入タンパク質、ポリペプチド、ペプチドおよび抗体を実質的に含まない、または化学合成の場合には化学的前駆物質もしくは他の化学物質を実質的に含まない、タンパク質性物質を表す。「細胞性物質を実質的に含まない」という言い方は、タンパク質性物質が細胞(該細胞からタンパク質性物質が単離されるか、または組換えによって製造される)の細胞成分から分離されている、タンパク質性物質の調製物を包含する。したがって、細胞性物質を実質的に含まないタンパク質性物質は、(乾重量で)約30%、20%、10%、または5%未満の異種タンパク質、ポリペプチドもしくはペプチド(「混入タンパク質」とも称される)を有する、タンパク質性物質の調製物を包含する。タンパク質性物質が組換え技術によって製造される場合には、タンパク質性物質が培地も実質的に含まないことが好ましく、すなわち、培地は、タンパク質性物質の調製物の容量の約20%、10%、または5%未満を占める。タンパク質性物質が化学合成によって製造される場合には、それが化学的前駆物質もしくは他の化学物質を実質的に含まないことが好ましく、すなわち、そのタンパク質性物質の合成に関わる化学的前駆体もしくは他の化学物質から分離される。したがって、タンパク質性物質の調製物は、(乾重量で)約30%、20%、10%、5%未満の化学的前駆物質もしくはタンパク質性物質以外の化合物を有する。具体的な実施形態において、本明細書に記載のタンパク質性物質は単離されている。好ましい実施形態において、本発明の抗体は単離されている。
【0092】
本明細書で使用される場合、核酸分子との関連において「単離された」という用語は、核酸分子の天然源中に存在する他の核酸分子から分離された核酸分子を表す。さらに、「単離された」核酸分子、例えばcDNA分子は、好ましくは、組換え技術による生成の場合には他の細胞性物質もしくは培地を実質的に含まず、化学合成の場合には化学的前駆物質もしくは化学物質を実質的に含まない。具体的な実施形態において、核酸分子は単離されている。好ましい実施形態において、本発明の抗体をコードする核酸分子は単離されている。本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、異なる核酸、ならびに、好ましくは、他の細胞性物質、培地、化学的前駆物質もしくは他の化学物質が(乾重量で)約30%、20%、10%、もしくは5%未満である、「単離された」核酸の調製物を指す。
【0093】
本明細書で使用される場合、「併用して」および「組み合わせて」という用語は、2つ以上の治療法(例えば2つ以上の予防薬および/または治療薬)を使用することを表す。「併用して」という用語の使用は、治療(例えば、予防および/または治療薬)が被験者に施される順序を限定するものではない。第1の治療(例えば、第1の予防もしくは治療薬)を、被験者に第2の治療(例えば、第2の予防もしくは治療薬)を施す前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前に)、同時に、または後に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後に)、施すことができる。
【0094】
本明細書で使用される「管理する」、「管理すること」、および「管理」は、被験者が治療(例えば、予防もしくは治療薬)から引き出す有益な効果を指すが、それは病気の治癒をもたらすものではない。ある特定の実施形態において、被験者は1以上の治療(例えば、1以上の予防もしくは治療薬)を受けて、病気が進行または悪化しないように、病気を「管理する」。
【0095】
本明細書で使用される「成熟抗体遺伝子」という用語は、例えば、B細胞のようなリンパ球において、ハイブリドーマにおいて、または特定の免疫グロブリンを発現するよう成熟化プロセスを経た、なんらかの抗体産生細胞において発現される、免疫グロブリンをコードする遺伝子配列を指す。この用語は、こうした成熟遺伝子をコードする、成熟ゲノムDNA、cDNAおよび他の核酸配列を包含するが、これらの核酸配列は単離されており、かつ/または他の細胞型で発現するように組換え操作されている。成熟抗体遺伝子は、さまざまな変異および再構成を受けており、それによって成熟抗体遺伝子はリンパ球以外のあらゆる細胞においてコードされる抗体遺伝子と構造的に区別される。ヒト、齧歯類および他の多くの哺乳類における成熟抗体遺伝子は、抗体軽鎖の場合、VおよびJ遺伝子セグメントの融合によって、抗体重鎖の場合は、V、DおよびJ遺伝子セグメントの融合によって形成される。多くの成熟抗体遺伝子は、融合後に点変異を獲得し、その変異のあるものは抗体タンパク質の特異的抗原に対する親和性を増大させる。
【0096】
本明細書で使用される「製薬上許容される」という用語は、連邦政府もしくは州政府の監督官庁に承認され、または米国薬局方、欧州薬局方、もしくは他の一般に認められた、動物に使用する、さらに特定するとヒトに使用する薬局方に記載されていることを表す。
【0097】
本明細書で使用される「予防する」、「予防すること」および「予防」は、治療(例えば、予防もしくは治療薬)、または併用治療(例えば、予防薬または治療薬の併用)を施した結果生じる、被験者における、疾患の発生もしくは発症の阻止、または疾患の1以上の症状の再発、発現、もしくは進行の防止を指す。
【0098】
本明細書で使用される「予防薬」という用語は、疾患、またはその1以上の症状を、予防するために使用することができる、何らかの作用物質を表す。ある実施形態において、「予防薬」という用語は、本発明の抗体を指す。別のある実施形態において、「予防薬」という用語は、本発明の抗体以外の作用物質を表す。好ましくは、予防薬は、疾患、またはその1以上の症状が発現、発生、進行および/または重症化しないようにする、またはそれを遅らせるために、有用であるとわかっている、またはすでに使用され、もしくは現在使用されている作用物質である。
【0099】
本明細書で使用される「予防上有効な量」は、疾患、または疾患の1以上の症状の発生、再発、もしくは発症の予防をもたらすのに十分な、または別の治療(例えば、予防薬)の予防効果を強め、もしくは改善するのに十分な、治療に関わる(例えば予防薬の)量を表す。
【0100】
本明細書に使用される「プロトコル」という語句は、治療効果のある1以上の治療(例えば治療薬)を与え、投与の時期を決めるための投薬計画を指す。
【0101】
本明細書で使用される「副作用」という語句は、予防薬もしくは治療薬の望ましくない有害作用を包含する。副作用は常に望まれないが、望まれない作用が必ずしも有害であるとは限らない。治療(例えば、予防薬もしくは治療薬)に起因する有害作用は、有毒、不快または危険となることもある。
【0102】
本明細書で使用される「小分子」という用語および類似の用語は、ペプチド、ペプチドミメティク、アミノ酸、アミノ酸類似体、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド類似体、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、モルあたり約10,000グラム未満の分子量を有する有機もしくは無機化合物(すなわち、ヘテロ有機化合物および有機金属化合物を含む)、モルあたり約5,000グラム未満の分子量を有する有機もしくは無機化合物、モルあたり約1,000グラム未満の分子量を有する有機もしくは無機化合物、モルあたり約500グラム未満の分子量を有する有機もしくは無機化合物、ならびに塩、エステルおよび他の製薬上許容される形の前記物質を包含するがそれらに限定されない。
【0103】
本明細書で使用される「被験者」および「患者」という用語は、相互交換可能なものとして使用される。本明細書で使用される「被験者」という用語は、動物、好ましくは、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットおよびマウス)および霊長類(例えば、カニクイザル、チンパンジーといったサルおよびヒト)を含めた哺乳動物、ならびにもっとも好ましくはヒトを指す。ある実施形態において、被験者は、鳥類(例えば、ウズラ、ニワトリまたはシチメンチョウ)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、もしくはヒツジ)、愛玩動物(例えば、ネコ、イヌもしくはモルモット)、または実験動物(例えば、疾患のための動物モデル)といった、ヒト以外の動物である。好ましい実施形態において、被験者はヒト(例えば、乳児、小児、成人、もしくは高齢者)である。
【0104】
本明細書で使用される「相乗的な」という用語は、なんらかの2つ以上の単独治療(例えば1以上の予防薬または治療薬)の効果を足し合わせるよりいっそう効果的な、治療法(例えば、予防薬もしくは治療薬)の組み合わせを指す。治療法の組み合わせ(例えば、予防薬もしくは治療薬の組み合わせ)による相乗効果は、疾患を有する被験者に対して、より少ない投与量、および/またはより少ない投与回数で1以上の治療法(例えば、1以上の予防薬または治療薬)を用いることを可能にする。少ない投与量の治療法(複数)(例えば、予防もしくは治療薬(複数))を利用できること、および/または、前記治療法をより少ない回数で投与できることは、被験者に前記治療を施すことに伴う毒性を、疾患の予防もしくは治療における前記治療法の有効性を減らすことなく、低下させる。加えて、相乗効果は、結果として、疾患の予防または治療において、治療法(例えば、予防薬もしくは治療薬)の有効性の向上をもたらすことができる。最終的に、治療法(例えば、予防薬もしくは治療薬)を組み合わせることによる相乗効果は、何らかの単独の治療法を使用することに付随する、有害なもしくは望まれない副作用を回避または低減することができる。
【0105】
本明細書で用いられる「治療薬」という用語は、疾患、または疾患の1以上の症状の、予防、治療、管理、または改善に用いることができる何らかの作用物質を表す。ある実施形態において、「治療薬」という用語は、本発明の抗体を指す。別の実施形態において、「治療薬」という用語は、本発明の抗体以外の作用物質を指す。好ましくは、治療薬は、疾患または疾患の1以上の症状の予防、治療、管理または改善のために有用であることがわかっている、または、これまで使用されてきた、もしくは現在使用されている作用物質である。
【0106】
本明細書で使用される「治療に有効な量」という用語は、疾患の重篤度を下げ、疾患の持続期間を短くし、疾患の1以上の症状を改善し、疾患の進行を妨げ、疾患の寛解を引き起こし、または別の治療の治療効果を強め、もしくは改善するのに十分な、治療に関わる量を表す。
【0107】
本明細書で使用される「治療(法)」という用語は、疾患または疾患の1以上の症状の、予防、治療、管理、および/または改善に使用することができる、何らかのプロトコル、方法、および/または作用物質を表す。ある実施形態において、「治療(法)」という用語は、抗ウイルス治療、抗菌治療、抗真菌治療、抗癌剤、生物学的治療、支持療法、および/または他の、当業者、例えば医師のような医学の専門家に知られている、疾患または疾患の1以上の症状の、治療、管理、予防、または改善に有用な治療を指す。
【0108】
本明細書で使用される「治療する」、「治療」および「治療すること」という用語は、1以上の治療法を施すこと(1以上の予防薬または治療薬の投与を含めるが、それに限定されない)に起因する、疾患の進行、重症度、および/または持続期間の減少もしくは改善、または疾患の1以上の症状の改善を指す。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】マウス抗ヒトEphA2モノクローナル抗体B233の重鎖および軽鎖の核酸およびタンパク質配列を示す。Kabatによって定義されたCDR1、2および3の領域を枠で囲ってある。可変重鎖(VH)および軽鎖(VL)の完全なアミノ酸配列は、一文字表記によって与えられる。
【図2】フレームワークシャフリング(shuffling)ライブラリーのスクリーニング、および対応するFabフラグメントの発現に用いられるファージベクターを示す。VLおよびVH遺伝子のおのおのの、ストレプトアビジンで精製された一本鎖DNAを、遺伝子3リーダー/Cκおよび遺伝子3リーダー/Cγ1領域の相同性をそれぞれ利用して、ハイブリダイゼーション変異誘発によってベクターにアニールする。パリンドロームループ中のユニークXbal部位によって、親ベクターの除去が可能となる。そこでVHおよびVL遺伝子を、それぞれヒトκ1重鎖の第1の定常ドメインおよびヒトκ軽鎖の定常ドメインとin frameで発現させる。
【図3】ライブラリーAおよびBをスクリーニングした後単離された抗ヒトEphA2モノクローナル抗体B233の、クレームワークシャフル型ヒト化クローンのタンパク質配列を示す。Kabatにより定義されたCDR1、2および3領域を枠で囲ってある。可変重鎖(VH)および軽鎖(VL)の完全なアミノ酸配列は、標準的な一文字表記で与えられる。
【図4】固定化されたヒトEphA2-Fc上での、Fab抽出物を用いたELISAタイトレーションを示す。
【図5】フレームワークシャフル型抗体の配列解析を示す。基準としてmAb B233を用いて、それぞれの個別の抗体フレームワークについてアミノ酸レベルでの同一性パーセントを計算した。
【発明を実施するための形態】
【0110】
発明の詳細な説明
本発明は、第1の生物種に由来する抗体を再設計もしくは改造する方法を提供するが、この場合、この再設計もしくは改造された抗体は第2の生物種において望ましくない免疫応答を引き起こすことなく、しかも第1の生物種に由来する抗体と実質的に同じ抗原結合能を保持する。本発明によれば、第2の生物種に由来するフレームワーク領域のバンクから得られたフレームワーク領域とin frameで融合された第1の生物種に由来する抗体のCDRを含んでなるコンビナトリアルライブラリを構築し、望ましい改変抗体を求めてスクリーニングすることができる。
【0111】
本発明はまた、本明細書に記載の核酸配列を包含し、含有し、または発現するよう操作された細胞を提供する。本発明は、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)を作製する方法を提供するが、同方法は、本明細書に記載の細胞において、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させることを含んでなる。本発明は、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)を作製する方法を提供するが、同方法は、本明細書に記載の細胞において、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させることを含んでなる。本発明はまた、抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)を作製する方法を提供するが、同方法は、本明細書に記載の細胞に含まれる、ヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含んでなる。
【0112】
本発明は、本明細書に記載の方法によって作製された抗体を提供する。好ましい実施形態において、本発明は、本発明の方法によって作製されたヒト化抗体を提供する。本発明はまた、本明細書に記載の方法によって作製された抗体、および担体、希釈剤もしくは賦形剤を含んでなる組成物を提供する。好ましい実施形態において、本発明は、本明細書に記載の方法によって作製されたヒト化抗体、ならびに担体、希釈剤もしくは賦形剤を含んでなる組成物を提供する。好ましくは、本発明の組成物は、その用途に合う形の医薬組成物である。
【0113】
限定する目的ではなく開示を明確にするために、本発明の詳細な説明は以下のサブセクションに分けられる:
(i)アクセプターフレームワーク領域の包括的バンクの構築
(ii)CDRの選択
(iii)コンビナトリアルサブライブラリーの構築
(iv)コンビナトリアルライブラリーの構築
(v)コンビナトリアルライブラリの発現
(vi)ヒト化抗体の選択
(vii)ヒト化抗体の作製および特徴付け
(viii)抗体コンジュゲート
(ix)本発明の組成物の用途
(x)投与および製剤
(xi)投与量および投与回数
(xii)生物学的アッセイ
(xiii)キット
(xiv)製造物品
【0114】
2.2 アクセプターフレームワーク領域の包括的バンクの構築
本発明にしたがって、1以上のアクセプター抗体(例えば、ヒト抗体)のフレームワーク領域(軽鎖のFR1、FR2、FR3、FR4、ならびに重鎖のFR1、FR2、FR3、FR4)をコードする核酸配列、およびドナー抗体の相補性決定領域(軽鎖のCDR1、CDR2、CDR3、ならびに重鎖のCDR1、CDR2、CDR3)をコードする核酸配列を一緒に融合することによって、ドナー抗体(例えば、非ヒト抗体)の軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を改変する(例えばヒト化する)ことができる。好ましくは、改変された(例えば、ヒト化された)抗体軽鎖は、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4を含んでなる。改変された(例えば、ヒト化された)抗体重鎖は、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4を含んでなる。おのおののアクセプター(例えばヒト)フレームワーク領域(軽鎖のFR1、2、3、4、ならびに重鎖のFR1、2、3、4)は、軽鎖のFRサブバンク、および重鎖のFRサブバンクからそれぞれ作製することができる。アクセプター(例えば、ヒト)フレームワーク領域の包括的バンクは2つ以上のFRサブバンクを含んでなる。
【0115】
2.2.1 軽鎖フレームワークのサブバンクの作製
軽鎖サブバンク1、2、3および4を構築するが、このサブバンク1は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は軽鎖FR1をコードする;サブバンク2はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は軽鎖FR2をコードする;サブバンク3はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は軽鎖FR3をコードする;ならびにサブバンク4はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は軽鎖FR4をコードする。いくつかの実施形態において、FR配列は、機能性ヒト抗体配列(例えば、当技術分野で知られている抗体、および/または市販の抗体)から得られ、もしくは由来する。いくつかの実施形態において、FR配列はヒト生殖系列軽鎖配列に由来する。ある実施形態において、サブバンクFR配列は、ヒト生殖系列κ鎖配列に由来する。別の実施形態において、サブバンクFR配列は、ヒト生殖系列λ鎖配列に由来する。
【0116】
限定ではなく一例として、下記は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて4つの軽鎖FRサブバンクを作製する方法を説明するものであって、ヒト生殖系列κ鎖配列をテンプレートとして使用する。軽鎖FRサブバンク1、2および3(それぞれFR1、2、3をコードする)は、46のヒト生殖系列κ鎖配列(A1、A10、A11、A14、A17、A18、A9、A2、A20、A23、A26、A27、A3、A30、A5、A7、B2、B3、L1、L10、L11、L12、L14、L15、L16、L18、L19、L2、L20、L22、L23、L24、L25、L4/18a、L5、L6、L8、L9、O1、O11、O12、O14、O18、O2、O4およびO8)を包含する。Kawasakiら、2001、Eur. J. Immunol., 31: 1017-1028;SchableおよびZachau、1993、Biol. Chem. Hoppe Seyler 374: 1001-1022;ならびに、Brensing-Kuppersら、1997、Gene 191: 173-181を参照されたい。配列はNCBIウェブサイトに取りまとめられている:
www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/showGermline.cgi?organism=human&chainType=VK&seqType=nucleotide; これらはそれぞれその全体を参照することにより本明細書に含めるものとする。軽鎖FRサブバンク4(FR4をコードする)は、5つのヒト生殖系列κ鎖配列(Jκ1、Jκ2、Jκ3、Jκ4およびJκ5)を包含する。Hieterら、1982、J. Biol. Chem. 257:1516-1522を参照されたいが、これはその全体を参照することにより本明細書に含めるものとする。配列はNCBIウェブサイトに取りまとめられている:
www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/showGermline.cgi?organism=human&chainType=VK&seqType=nucleotide; これはその全体を参照することにより本明細書に含めるものとする。
【0117】
限定ではなく一例として、軽鎖FR1サブバンクの構築は、表12および表13(すべて5’から3’の方向で表示され、名称に続いて配列を示す)に記載のオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応によって行う。
【表12】


【表13】


【0118】
PCRは、下記のオリゴヌクレオチドの組合せで実施する(全部で46組):FR1L1/FR1L1’、FR1L2/FR1L2’、FR1L3/FR1L3’、FR1L4/FR1L4’、FR1L5/FR1L5’、FR1L6/FR1L6’、FR1L7/FR1L7’、FR1L8/FR1L8’、FR1L9/FR1L9’、FR1L10/FR1L10’、FR1L11/FR1L11’、FR1L12/FR1L12’、FR1L13/FR1L13’、FR1L14/FR1L14’、FR1L15/FR1L15’、FR1L16/FR1L16’、FR1L17/FR1L17’、FR1L18/FR1L18’、FR1L19/FR1L19’、FR1L20/FR1L20’、FR1L21/FR1L21’、FR1L22/FR1L22’、FR1L23/FR1L23’、FR1L24/FR1L24’、FR1L25/FR1L25’、FR1L26/FR1L26’、FR1L27/FR1L27’、FR1L28/FR1L28’、FR1L29/FR1L29’、FR1L30/FR1L30’、FR1L31/FR1L31’、FR1L32/FR1L32’、FR1L33/FR1L33’、FR1L34/FR1L34’、FR1L35/FR1L35’、FR1L36/FR1L36’、FR1L37/FR1L37’、FR1L38/FR1L38’、FR1L39/FR1L39’、FR1L40/FR1L40’、FR1L41/FR1L41’、FR1L42/FR1L42’、FR1L43/FR1L43’、FR1L44/FR1L44’、FR1L45/FR1L45’、およびFR1L46/FR1L46’。PCR産物のプールがサブバンク1となる。
【0119】
限定ではなく一例として、軽鎖FR2サブバンクの構築は、表14および表15(すべて5’から3’の方向で表示され、名称に続いて配列を示す)に記載のオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応によって行う。
【表14】


【表15】


【0120】
PCRは、下記のオリゴヌクレオチドの組合せで実施する(全部で46組):FR2L1/FR2L1’、FR2L2/FR2L2’、FR2L3/FR2L3’、FR2L4/FR2L4’、FR2L5/FR2L5’、FR2L6/FR2L6’、FR2L7/FR2L7’、FR2L8/FR2L8’、FR2L9/FR2L9’、FR2L10/FR2L10’、FR2L11/FR2L11’、FR2L12/FR2L12’、FR2L13/FR2L13’、FR2L14/FR2L14’、FR2L15/FR2L15’、FR2L16/FR2L16’、FR2L17/FR2L17’、FR2L18/FR2L18’、FR2L19/FR2L19’、FR2L20/FR2L20’、FR2L21/FR2L21’、FR2L22/FR2L22’、FR2L23/FR2L23’、FR2L24/FR2L24’、FR2L25/FR2L25’、FR2L26/FR2L26’、FR2L27/FR2L27’、FR2L28/FR2L28’、FR2L29/FR2L29’、FR2L30/FR2L30’、FR2L31/FR2L31’、FR2L32/FR2L32’、FR2L33/FR2L33’、FR2L34/FR2L34’、FR2L35/FR2L35’、FR2L36/FR2L36’、FR2L37/FR2L37’、FR2L38/FR2L38’、FR2L39/FR2L39’、FR2L40/FR2L40’、FR2L41/FR2L41’、FR2L42/FR2L42’、FR2L43/FR2L43’、FR2L44/FR2L44’、FR2L45/FR2L45’、およびFR2L46/FR2L46’。PCR産物のプールがサブバンク2となる。
【0121】
限定ではなく一例として、軽鎖FR3サブバンクの構築は、表16および表17(すべて5’から3’の方向で表示され、名称に続いて配列を示す)に記載のオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応によって行う。
【表16】


【表17】


【0122】
PCRは、下記のオリゴヌクレオチドの組合せで実施する(全部で46組):FR3L1/FR3L1’、FR3L2/FR3L2’、FR3L3/FR3L3’、FR3L4/FR3L4’、FR3L5/FR3L5’、FR3L6/FR3L6’、FR3L7/FR3L7’、FR3L8/FR3L8’、FR3L9/FR3L9’、FR3L10/FR3L10’、FR3L11/FR3L11’、FR3L12/FR3L12’、FR3L13/FR3L13’、FR3L14/FR3L14’、FR3L15/FR3L15’、FR3L16/FR3L16’、FR3L17/FR3L17’、FR3L18/FR3L18’、FR3L19/FR3L19’、FR3L20/FR3L20’、FR3L21/FR3L21’、FR3L22/FR3L22’、FR3L23/FR3L23’、FR3L24/FR3L24’、FR3L25/FR3L25’、FR3L26/FR3L26’、FR3L27/FR3L27’、FR3L28/FR3L28’、FR3L29/FR3L29’、FR3L30/FR3L30’、FR3L31/FR3L31’、FR3L32/FR3L32’、FR3L33/FR3L33’、FR3L34/FR3L34’、FR3L35/FR3L35’、FR3L36/FR3L36’、FR3L37/FR3L37’、FR3L38/FR3L38’、FR3L39/FR3L39’、FR3L40/FR3L40’、FR3L41/FR3L41’、FR3L42/FR3L42’、FR3L43/FR3L43’、FR3L44/FR3L44’、FR3L45/FR3L45’、およびFR3L46/FR3L46’。PCR産物のプールがサブバンク3となる。
【0123】
限定ではなく一例として、軽鎖FR4サブバンクの構築は、表18および表19(すべて5’から3’の方向で表示され、名称に続いて配列を示す)に記載のオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応によって行う。
【表18】

【表19】

【0124】
PCRは、下記のオリゴヌクレオチドの組合せで実施する(全部で5組):FR4L1/FR4L1’、FR4L2/FR4L2’、FR4L3/FR4L3’、FR4L4/FR4L4’、またはFR4L5/FR4L5’。PCR産物のプールがサブバンク4となる。
【0125】
2.2.2 重鎖フレームワークのサブバンクの作製
いくつかの実施形態において、重鎖FRサブバンク5、6、7および11が構築されるが、サブバンク5は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、それぞれのヌクレオチド配列は重鎖FR1をコードする;サブバンク6はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は重鎖FR2をコードする;サブバンク7はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は重鎖FR3をコードする;ならびにサブバンク11はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は重鎖FR4をそれぞれコードする;前記において、重鎖FR1、FR2およびFR3は、CDR H1およびH2に関するKabatの定義にしたがって定義される。いくつかの実施形態において、FR配列は機能性ヒト抗体配列に由来する。他の実施形態において、FR配列はヒト生殖系列重鎖配列に由来する。
【0126】
限定ではなく例示として、下記は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて4つの重鎖FRサブバンクを作製する方法を説明するものであって、ヒト生殖系列重鎖配列をテンプレートとして使用する。重鎖FRサブバンク5、6および7(それぞれFR1、2、3をコードする)は、44個のヒト生殖系列重鎖配列(VH1-18、VH1-2、VH1-24、VH1-3、VH1-45、VH1-46、VH1-58、VH1-69、VH1-8、VH2-26、VH2-5、VH2-70、VH3-11、VH3-13、VH3-15、VH3-16、VH3-20、VH3-21、VH3-23、VH3-30、VH3-33、VH3-35、VH3-38、VH3-43、VH3-48、VH3-49、VH3-53、VH3-64、VH3-66、VH3-7、VH3-72、VH3-73、VH3-74、VH3-9、VH4-28、VH4-31、VH4-34、VH4-39、VH4-4、VH4-59、VH4-61、VH5-51、VH6-1およびVH7-81)を包含する。Matsudaら、1998、J. Exp. Med., 188: 1973-1975を参照されたい。配列はNCBIウェブサイトに取りまとめられている:
www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/showGermline.cgi?organism=human&chainType=VH&seqType=nucleotide。重鎖FRサブバンク11(FR4をコードする)は、6個のヒト生殖系列重鎖配列(JH1、JH2、JH3、JH4、JH5およびJH6)を包含する。Ravetchら、1981、Cell 27(3 Pt 2):583-591を参照されたい。配列はNCBIウェブサイトに取りまとめられている:
www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/showGermline.cgi?organism=human&chainType=VH&seqType=nucleotide。
【0127】
限定ではなく一例として、重鎖FR1サブバンク(Kabatの定義による)の構築は、表20および表21(すべて5’から3’の方向で表示され、名称に続いて配列を示す)に記載のオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応によって行う。
【表20】


【表21】


【0128】
PCRは、下記のオリゴヌクレオチドの組合せで実施する(全部で44組):FR1HK1/FR1HK1’、FR1HK2/FR1HK2’、FR1HK3/FR1HK3’、FR1HK4/FR1HK4’、FR1HK5/FR1HK5’、FR1HK6/FR1HK6’、FR1HK7/FR1HK7’、FR1HK8/FR1HK8’、FR1HK9/FR1HK9’、FR1HK10/FR1HK10’、FR1HK11/FR1HK11’、FR1HK12/FR1HK12’、FR1HK13/FR1HK13’、FR1HK14/FR1HK14’、FR1HK15/FR1HK15’、FR1HK16/FR1HK16’、FR1HK17/FR1HK17’、FR1HK18/FR1HK18’、FR1HK19/FR1HK19’、FR1HK20/FR1HK20’、FR1HK21/FR1HK21’、FR1HK22/FR1HK22’、FR1HK23/FR1HK23’、FR1HK24/FR1HK24’、FR1HK25/FR1HK25’、FR1HK26/FR1HK26’、FR1HK27/FR1HK27’、FR1HK28/FR1HK28’、FR1HK29/FR1HK29’、FR1HK30/FR1HK30’、FR1HK31/FR1HK31’、FR1HK32/FR1HK32’、FR1HK33/FR1HK33’、FR1HK34/FR1HK34’、FR1HK35/FR1HK35’、FR1HK36/FR1HK36’、FR1HK37/FR1HK37’、FR1HK38/FR1HK38’、FR1HK39/FR1HK39’、FR1HK40/FR1HK40’、FR1HK41/FR1HK41’、FR1HK42/FR1HK42’、FR1HK43/FR1HK43’、またはFR1HK44/FR1HK44’。PCR産物のプールがサブバンク5となる。
【0129】
限定ではなく一例として、重鎖FR2サブバンク(Kabatの定義による)の構築は、表22および表23(すべて5’から3’の方向で表示され、名称に続いて配列を示す)に記載のオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応によって行う。
【表22】


【表23】


【0130】
PCRは、下記のオリゴヌクレオチドの組合せで実施する(全部で44組):FR2HK1/FR2HK1’、FR2HK2/FR2HK2’、FR2HK3/FR2HK3’、FR2HK4/FR2HK4’、FR2HK5/FR2HK5’、FR2HK6/FR2HK6’、FR2HK7/FR2HK7’、FR2HK8/FR2HK8’、FR2HK9/FR2HK9’、FR2HK10/FR2HK10’、FR2HK11/FR2HK11’、FR2HK12/FR2HK12’、FR2HK13/FR2HK13’、FR2HK14/FR2HK14’、FR2HK15/FR2HK15’、FR2HK16/FR2HK16’、FR2HK17/FR2HK17’、FR2HK18/FR2HK18’、FR2HK19/FR2HK19’、FR2HK20/FR2HK20’、FR2HK21/FR2HK21’、FR2HK22/FR2HK22’、FR2HK23/FR2HK23’、FR2HK24/FR2HK24’、FR2HK25/FR2HK25’、FR2HK26/FR2HK26’、FR2HK27/FR2HK27’、FR2HK28/FR2HK28’、FR2HK29/FR2HK29’、FR2HK30/FR2HK30’、FR2HK31/FR2HK31’、FR2HK32/FR2HK32’、FR2HK33/FR2HK33’、FR2HK34/FR2HK34’、FR2HK35/FR2HK35’、FR2HK36/FR2HK36’、FR2HK37/FR2HK37’、FR2HK38/FR2HK38’、FR2HK39/FR2HK39’、FR2HK40/FR2HK40’、FR2HK41/FR2HK41’、FR2HK42/FR2HK42’、FR2HK43/FR2HK43’、またはFR2HK44/FR2HK44’。PCR産物のプールがサブバンク6となる。
【0131】
限定ではなく一例として、重鎖FR3サブバンク(Kabatの定義による)の構築は、表24および表25(すべて5’から3’の方向で表示され、名称に続いて配列を示す)に記載のオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応によって行う。
【表24】


【表25】


【0132】
PCRは、下記のオリゴヌクレオチドの組合せで実施する(全部で44組):FR3HK1/FR3HK1’、FR3HK2/FR3HK2’、FR3HK3/FR3HK3’、FR3HK4/FR3HK4’、FR3HK5/FR3HK5’、FR3HK6/FR3HK6’、FR3HK7/FR3HK7’、FR3HK8/FR3HK8’、FR3HK9/FR3HK9’、FR3HK10/FR3HK10’、FR3HK11/FR3HK11’、FR3HK12/FR3HK12’、FR3HK13/FR3HK13’、FR3HK14/FR3HK14’、FR3HK15/FR3HK15’、FR3HK16/FR3HK16’、FR3HK17/FR3HK17’、FR3HK18/FR3HK18’、FR3HK19/FR3HK19’、FR3HK20/FR3HK20’、FR3HK21/FR3HK21’、FR3HK22/FR3HK22’、FR3HK23/FR3HK23’、FR3HK24/FR3HK24’、FR3HK25/FR3HK25’、FR3HK26/FR3HK26’、FR3HK27/FR3HK27’、FR3HK28/FR3HK28’、FR3HK29/FR3HK29’、FR3HK30/FR3HK30’、FR3HK31/FR3HK31’、FR3HK32/FR3HK32’、FR3HK33/FR3HK33’、FR3HK34/FR3HK34’、FR3HK35/FR3HK35’、FR3HK36/FR3HK36’、FR3HK37/FR3HK37’、FR3HK38/FR3HK38’、FR3HK39/FR3HK39’、FR3HK40/FR3HK40’、FR3HK41/FR3HK41’、FR3HK42/FR3HK42’、FR3HK43/FR3HK43’、またはFR3HK44/FR3HK44’。PCR産物のプールがサブバンク7となる。
【0133】
限定ではなく一例として、重鎖FR4サブバンクの構築は、表26および表27(すべて5’から3’の方向で表示され、名称に続いて配列を示す)に記載のオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応によって行う。
【表26】

【表27】

【0134】
PCRは、下記のオリゴヌクレオチドの組合せで実施する(全部で6組):FR4H1/FR4H1’、FR4H2/FR4H2’、FR4H3/FR4H3’、FR4H4/FR4H4’、FR4H5/FR4H5’またはFR4H6/FR4H6’。PCR産物のプールがサブバンク11となる。
【0135】
いくつかの実施形態において、重鎖FRサブバンク8、9、10および11が構築されるが、このサブバンク8は、核酸配列を含んでなり、そのそれぞれは重鎖FR1をコードする;サブバンク9は核酸配列を含んでなり、そのそれぞれは重鎖FR2をコードする;サブバンク10は核酸配列を含んでなり、その配列はそれぞれ重鎖FR3をコードする;ならびに、重鎖FR1、FR2およびFR3は、CDR H1およびH2に関するChothiaの定義にしたがって定義される。いくつかの実施形態において、FR配列は機能性ヒト抗体配列に由来する。他の実施形態において、FR配列はヒト生殖系列重鎖配列に由来する。
【0136】
限定ではなく例示として、下記は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて4つの重鎖FRサブバンクを作製する方法を説明するものであって、ヒト生殖系列重鎖配列をテンプレートとして使用する。重鎖FRサブバンク8、9および10(それぞれFR1、2、3をコードする)は、44個のヒト生殖系列重鎖配列(VH1-18、VH1-2、VH1-24、VH1-3、VH1-45、VH1-46、VH1-58、VH1-69、VH1-8、VH2-26、VH2-5、VH2-70、VH3-11、VH3-13、VH3-15、VH3-16、VH3-20、VH3-21、VH3-23、VH3-30、VH3-33、VH3-35、VH3-38、VH3-43、VH3-48、VH3-49、VH3-53、VH3-64、VH3-66、VH3-7、VH3-72、VH3-73、VH3-74、VH3-9、VH4-28、VH4-31、VH4-34、VH4-39、VH4-4、VH4-59、VH4-61、VH5-51、VH6-1およびVH7-81)を包含する。Matsudaら、1998、J. Exp. Med., 188: 1973-1975を参照されたい。配列はNCBIウェブサイトに取りまとめられている:
www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/showGermline.cgi?organism=human&chainType=VH&seqType=nucleotide。重鎖FRサブバンク11(FR4をコードする)は、上記のサブバンク11と同じである。
【0137】
限定ではなく一例として、重鎖FR1サブバンク(Chothiaの定義による)の構築は、表28および表29(すべて5’から3’の方向で表示され、名称に続いて配列を示す)に記載のオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応によって行う。
【表28】


【表29】


【0138】
PCRは、下記のオリゴヌクレオチドの組合せで実施する(全部で44組):FR1HC1/FR1HC1’、FR1HC2/FR1HC2’、FR1HC3/FR1HC3’、FR1HC4/FR1HC4’、FR1HC5/FR1HC5’、FR1HC6/FR1HC6’、FR1HC7/FR1HC7’、FR1HC8/FR1HC8’、FR1HC9/FR1HC9’、FR1HC10/FR1HC10’、FR1HC11/FR1HC11’、FR1HC12/FR1HC12’、FR1HC13/FR1HC13’、FR1HC14/FR1HC14’、FR1HC15/FR1HC15’、FR1HC16/FR1HC16’、FR1HC17/FR1HC17’、FR1HC18/FR1HC18’、FR1HC19/FR1HC19’、FR1HC20/FR1HC20’、FR1HC21/FR1HC21’、FR1HC22/FR1HC22’、FR1HC23/FR1HC23’、FR1HC24/FR1HC24’、FR1HC25/FR1HC25’、FR1HC26/FR1HC26’、FR1HC27/FR1HC27’、FR1HC28/FR1HC28’、FR1HC29/FR1HC29’、FR1HC30/FR1HC30’、FR1HC31/FR1HC31’、FR1HC32/FR1HC32’、FR1HC33/FR1HC33’、FR1HC34/FR1HC34’、FR1HC35/FR1HC35’、FR1HC36/FR1HC36’、FR1HC37/FR1HC37’、FR1HC38/FR1HC38’、FR1HC39/FR1HC39’、FR1HC40/FR1HC40’、FR1HC41/FR1HC41’、FR1HC42/FR1HC42’、FR1HC43/FR1HC43’、またはFR1HC44/FR1HC44’。PCR産物のプールがサブバンク8となる。
【0139】
限定ではなく一例として、重鎖FR2サブバンク(Chothiaの定義による)の構築は、表30および表31(すべて5’から3’の方向で表示され、名称に続いて配列を示す)に記載のオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応によって行う。
【表30】


【表31】


【0140】
PCRは、下記のオリゴヌクレオチドの組合せで実施する(全部で44組):FR2HC1/FR2HC1’、FR2HC2/FR2HC2’、FR2HC3/FR2HC3’、FR2HC4/FR2HC4’、FR2HC5/FR2HC5’、FR2HC6/FR2HC6’、FR2HC7/FR2HC7’、FR2HC8/FR2HC8’、FR2HC9/FR2HC9’、FR2HC10/FR2HC10’、FR2HC11/FR2HC11’、FR2HC12/FR2HC12’、FR2HC13/FR2HC13’、FR2HC14/FR2HC14’、FR2HC15/FR2HC15’、FR2HC16/FR2HC16’、FR2HC17/FR2HC17’、FR2HC18/FR2HC18’、FR2HC19/FR2HC19’、FR2HC20/FR2HC20’、FR2HC21/FR2HC21’、FR2HC22/FR2HC22’、FR2HC23/FR2HC23’、FR2HC24/FR2HC24’、FR2HC25/FR2HC25’、FR2HC26/FR2HC26’、FR2HC27/FR2HC27’、FR2HC28/FR2HC28’、FR2HC29/FR2HC29’、FR2HC30/FR2HC30’、FR2HC31/FR2HC31’、FR2HC32/FR2HC32’、FR2HC33/FR2HC33’、FR2HC34/FR2HC34’、FR2HC35/FR2HC35’、FR2HC36/FR2HC36’、FR2HC37/FR2HC37’、FR2HC38/FR2HC38’、FR2HC39/FR2HC39’、FR2HC40/FR2HC40’、FR2HC41/FR2HC41’、FR2HC42/FR2HC42’、FR2HC43/FR2HC43’、またはFR2HC44/FR2HC44’。PCR産物のプールがサブバンク9となる。
【0141】
限定ではなく一例として、重鎖FR3サブバンク(Chothiaの定義による)の構築は、表32および表33(すべて5’から3’の方向で表示され、名称に続いて配列を示す)に記載のオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応によって行う。
【表32】


【表33】



【0142】
PCRは、下記のオリゴヌクレオチドの組合せで実施する(全部で44組):FR3HC1/FR3HC1’、FR3HC2/FR3HC2’、FR3HC3/FR3HC3’、FR3HC4/FR3HC4’、FR3HC5/FR3HC5’、FR3HC6/FR3HC6’、FR3HC7/FR3HC7’、FR3HC8/FR3HC8’、FR3HC9/FR3HC9’、FR3HC10/FR3HC10’、FR3HC11/FR3HC11’、FR3HC12/FR3HC12’、FR3HC13/FR3HC13’、FR3HC14/FR3HC14’、FR3HC15/FR3HC15’、FR3HC16/FR3HC16’、FR3HC17/FR3HC17’、FR3HC18/FR3HC18’、FR3HC19/FR3HC19’、FR3HC20/FR3HC20’、FR3HC21/FR3HC21’、FR3HC22/FR3HC22’、FR3HC23/FR3HC23’、FR3HC24/FR3HC24’、FR3HC25/FR3HC25’、FR3HC26/FR3HC26’、FR3HC27/FR3HC27’、FR3HC28/FR3HC28’、FR3HC29/FR3HC29’、FR3HC30/FR3HC30’、FR3HC31/FR3HC31’、FR3HC32/FR3HC32’、FR3HC33/FR3HC33’、FR3HC34/FR3HC34’、FR3HC35/FR3HC35’、FR3HC36/FR3HC36’、FR3HC37/FR3HC37’、FR3HC38/FR3HC38’、FR3HC39/FR3HC39’、FR3HC40/FR3HC40’、FR3HC41/FR3HC41’、FR3HC42/FR3HC42’、FR3HC43/FR3HC43’、またはFR3HC44/FR3HC44’。PCR産物のプールがサブバンク10となる。
【0143】
2.3 CDRの選択
フレームワーク領域サブバンクの合成に加えて、CDRのサブバンクを作製し、フレームワーク領域サブバンクからのフレームワーク領域とランダムにin frame融合させて、対象の抗原に対する免疫特異性ならびに対象の生物における免疫原性についてスクリーニング可能な抗体のコンビナトリアルライブラリー(定常領域を含むもの、または含まないもの)を作製することができる。ここでは、本発明のコンビナトリアルライブラリー法を、ヒトにおいて使用するためのヒト化抗体の作製について例示する。しかし、本発明のコンビナトリアルライブラリー法は、あらゆる対象生物において使用するための抗体の作製に容易に適用可能である。
【0144】
本発明は、可変軽鎖および可変重鎖の各CDRについてのCDRサブバンクを提供する。したがって、本発明は、対象とする各生物種のための、またCDRの各定義(例えばKabatおよびChothia)のための、可変軽鎖CDR1、可変軽鎖CDR2および可変軽鎖CDR3のCDR領域サブバンクを提供する。また、本発明は、対象とする各生物種のための、またCDRの各定義(例えばKabatおよびChothia)のための、可変重鎖CDR1、可変重鎖CDR2および可変重鎖CDR3のCDRサブバンクも提供する。CDRサブバンクは、対象の抗原に免疫特異的に結合する抗体の一部として同定されたCDRを含みうる。このCDRサブバンクは、対象の抗原に対する免疫特異性ならびに対象の生物における免疫原性についてスクリーニング可能な抗体のコンビナトリアルライブラリーを合成するのに容易に使用できる。
【0145】
例えば、軽鎖CDRサブバンク12、13および14を構築することができ、そこにおいて、CDRサブバンク12は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列がKabatシステムに従う軽鎖CDR1をコードしており;CDRサブバンク13は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列がKabatシステムに従う軽鎖CDR2をコードしており;CDRサブバンク14は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列がKabatシステムに従う軽鎖CDR3をコードしている。軽鎖CDRサブバンク15、16および17を構築することができ、そこにおいて、CDRサブバンク15は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列がChothiaシステムに従う軽鎖CDR1をコードしており;CDRサブバンク16は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列がChothiaシステムに従う軽鎖CDR2をコードしており;CDRサブバンク17は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列がChothiaシステムに従う軽鎖CDR3をコードしている。
【0146】
重鎖CDRサブバンク18、19および20を構築することができ、そこにおいて、CDRサブバンク18は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列はKabatシステムに従う重鎖CDR1をコードしており;CDRサブバンク19は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列はKabatシステムに従う重鎖CDR2をコードしており;CDRサブバンク20は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列はKabatシステムに従う重鎖CDR3をコードしている。重鎖CDRサブバンク21、22および23を構築することができ、そこにおいて、CDRサブバンク21は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列はChothiaシステムに従う重鎖CDR1をコードしており;CDRサブバンク22は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列はChothiaシステムに従う重鎖CDR2をコードしており、CDRサブバンク23は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列はChothiaシステムに従う重鎖CDR3をコードしている。
【0147】
いくつかの実施形態において、CDR配列は、機能性抗体配列から誘導される。いくつかの実施形態において、CDR配列は、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個または少なくとも10個連続したヌクレオチド配列を含み、当業界で公知のいずれかの方法によって合成されるランダム配列である。CDRサブバンクは、コンビナトリアルサブライブラリーの構築に使用できる。あるいはまた、特に関心がもたれるCDRを選択して、コンビナトリアルサブライブラリーの構築に使用してもよい(セクション5.3を参照)。
【0148】
2.4 コンビナトリアルサブライブラリーの構築
コンビナトリアルサブライブラリーは、非ヒトCDRを、FRサブバンクの対応するヒトフレームワーク領域とin frameに融合することにより構築される。例えば、コンビナトリアルサブライブラリー1は、サブバンク1を用いて、非ヒトCDRを対応するκ軽鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー2は、サブバンク2を用いて、非ヒトCDRを対応するκ軽鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー3は、サブバンク3を用いて、非ヒトCDRを対応するκ軽鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー4は、サブバンク4を用いて、非ヒトCDRを対応するκ軽鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー5、6および7は、それぞれサブバンク5、6および7を用いて、非ヒトCDR(CDR H1およびH2についてのKabat定義)を対応する重鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー8、9および10は、それぞれサブバンク8、9および10を用いて、非ヒトCDR(CDR H1およびH2についてのChothia定義)を対応する重鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー11は、サブバンク11を用いて、非ヒトCDR H3(KabatおよびChothiaの定義)を対応するヒト重鎖フレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築される。いくつかの実施形態では、非ヒトCDRもまた、CDRライブラリーから選択することができる。
【0149】
コンビナトリアルサブライブラリーの構築は、当業界で公知のいずれの方法を用いても実施可能である。限定するものではないが、その一例として、コンビナトリアルサブライブラリー1は、表34および表35のオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)を用いるオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築される。配列中、K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、Y=CまたはTである。
【表34】

【表35】

【0150】
AL1〜AL13をAL1'〜AL10'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブバンク1、又は表1に記載する配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルサブライブラリー1が作製される。
【0151】
限定するものではないが、一例として、コンビナトリアルサブライブラリー2は、表36および表37のオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)を用いるオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築される。配列中、K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、Y=CまたはTである。
【表36】

【表37】

【0152】
BL1〜BL10をBL1'〜BL16'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブバンク2、又は表2に記載する配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルサブライブラリー2が作製される。
【0153】
限定するものではないが、一例として、コンビナトリアルサブライブラリー3は、表38および表39のオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)を用いるオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築される。配列中、K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、Y=CまたはTである。
【表38】

【表39】

【0154】
CL1〜CL11をCL1'〜CL12'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブバンク3、又は表3に記載する配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルサブライブラリー3が作製される。
【0155】
限定するものではないが、一例として、コンビナトリアルサブライブラリー4は、表40および表41のオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)を用いるオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築される。配列中、K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、Y=CまたはTである。
【表40】

【表41】

【0156】
DL1〜DL4をDL1'〜DL14'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブバンク4、又は表4に記載する配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルサブライブラリー4が作製される。
【0157】
限定するものではないが、一例として、コンビナトリアルサブライブラリー5は、表42および表43のオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)を用いるオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築される。配列中、K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、Y=CまたはTである。
【表42】

【表43】

【0158】
AH1〜AH10をAHK1'〜AHK18'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブバンク5、又は表5に記載する配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルサブライブラリー5が作製される。
【0159】
限定するものではないが、一例として、コンビナトリアルサブライブラリー6は、表44および表45のオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)を用いるオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築される。配列中、K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、Y=CまたはTである。
【表44】

【表45】

【0160】
BHK1〜BHK17をBHK1'〜BHK17'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブバンク6、又は表6に記載する配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルサブライブラリー6が作製される。
【0161】
限定するものではないが、一例として、コンビナトリアルサブライブラリー7は、表46および表47のオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)を用いるオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築される。配列中、K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、Y=CまたはTである。
【表46】

【表47】

【0162】
CHK1〜CHK15をCHK1'〜CHK13'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブバンク7、又は表7に記載する配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルサブライブラリー7が作製される。
【0163】
限定するものではないが、一例として、コンビナトリアルサブライブラリー8は、表48および表49のオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)を用いるオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築される。配列中、K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、Y=CまたはTである。
【表48】

【表49】

【0164】
AH1〜AH10をAHC1'〜AHC13'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブバンク8、又は表8に記載する配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルサブライブラリー8が作製される。
【0165】
限定するものではないが、一例として、コンビナトリアルサブライブラリー9は、表50および表51のオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)を用いるオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築される。配列中、K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、Y=CまたはTである。
【表50】

【表51】

【0166】
BHC1〜BHC30をBHC1'〜BHC24'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブバンク9、又は表9に記載する配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルサブライブラリー9が作製される。
【0167】
限定するものではないが、一例として、コンビナトリアルサブライブラリー10は、表52および表53のオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)を用いるオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築される。配列中、K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、Y=CまたはTである。
【表52】

【表53】

【0168】
CHC1〜CHC27をCHC1'〜CHC13'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブバンク10、又は表10に記載する配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルサブライブラリー10が作製される。
【0169】
限定するものではないが、一例として、コンビナトリアルサブライブラリー11は、表54および表55のオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)を用いるオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて構築される。配列中、K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、Y=CまたはTである。
【表54】

【表55】

【0170】
DH1〜DHC3をDH1'〜DH3'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブバンク11、又は表11に記載する配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルサブライブラリー11が作製される。
【0171】
いくつかの実施形態において、非ヒトCDRとサブバンクのヒトフレームワークの直接ライゲーションを用いて、9つのコンビナトリアルサブライブラリーが構築できる。例えば、コンビナトリアルサブライブラリー1’、2’および3’は、非ヒトCDR L1、L2およびL3(一本鎖または二本鎖の形態)をそれぞれサブバンク1、2および3に直接ライゲーションさせることにより、別々に構築される。1つの実施形態では、その非ヒトCDR(L1、L2およびL3)は、一本鎖核酸である。別の実施形態では、その非ヒトCDR(L1、L2およびL3)は二本鎖核酸である。あるいはまた、コンビナトリアルサブライブラリー1’、2’および3’は、一本鎖(+)形態の非ヒトCDR(L1、L2およびL3)を、表1に示す核酸1〜46、表2に示す核酸47〜92および表3に示す核酸93〜138とそれぞれ直接ライゲーションさせることにより得ることができる。
【0172】
いくつかの実施形態において、コンビナトリアルサブライブラリー5'および6'は、非ヒトCDR H1およびH2(一本鎖または二本鎖の形態であり、Kabatの定義に従うもの)をサブバンク5および6とそれぞれ直接ライゲーションさせることにより、別々に構築される。あるいはまた、サブライブラリー5'および6'は、非ヒトCDR H1およびH2(Kabatの定義に従うものであり、一本鎖(+)形態のもの)を表5に示す核酸144〜187および表6に示す188〜231とそれぞれ直接ライゲーションさせることにより得てもよい。
【0173】
いくつかの実施形態において、コンビナトリアルサブライブラリー8'および9'は、非ヒトCDR H1およびH2(一本鎖形態であり、Chothiaの定義に従うもの)をサブバンク8および9とそれぞれ直接ライゲーションさせることにより、別々に構築される。あるいはまた、サブライブラリー8'および9'は、非ヒトCDR H1およびH2(Chothiaの定義に従い、一本鎖形態(+)であるもの)を表8に示す核酸276〜319および表9に示す320〜363とそれぞれ直接ライゲーションさせることにより得てもよい。
【0174】
コンビナトリアルサブライブラリー11'および12'は、非ヒトCDR H3(一本鎖または二本鎖の形態)をサブバンク7(Kabatの定義)および10(Chothiaの定義)にそれぞれ直接ライゲーションさせることにより、別々に得られる。あるいはまた、サブライブラリー11'および12'は、非ヒトCDR H3(一本鎖(+)形態)を表7に示す核酸232〜275および表10に示す364〜407とそれぞれ直接ライゲーションさせることにより得てもよい。
【0175】
DNA断片の直接ライゲーションは、標準的なプロトコールに従って行うことができる。次いで、ライゲーションしていない生成物からライゲーションしている生成物を精製/分離することができる。
【0176】
2.5 コンビナトリアルライブラリーの構築
コンビナトリアルライブラリーは、対応する可変軽鎖領域または可変重鎖領域のコンビナトリアルライブラリーを一緒にアセンブルすることにより構築される。例えば、ヒトκ軽鎖生殖系列フレームワークのコンビナトリアルライブラリー(コンビネーションライブラリー1)は、後記に記載するように、CDR中の重複領域によってサブライブラリー1、2、3および4を一緒にアセンブルすることにより構築できる。ヒト重鎖生殖系列フレームワークの2つのコンビナトリアルライブラリー(1つはCDRのKabat定義についてのもの、コンビネーションライブラリー2;1つはCDRのChothia定義についてのもの、コンビネーションライブラリー3)は、後記に記載するように、CDR中の重複領域によってサブライブラリー5、6、7、11(Kabat定義)またはサブライブラリー8、9、10、11(Chothia定義)を一緒にアセンブルすることにより構築できる。
【0177】
1つの実施形態において、コンビナトリアルライブラリー1の構築は、表56および表57に示すオリゴヌクレオチド(全て5’から3’の方向で示されており、プライマー名の後ろに配列を示す)を用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて行われる。
【表56】

【表57】

【0178】
AL1〜AL13をDL1'〜DL4'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブライブラリー1、2、3および4を合わせて、または表35〜40のオリゴヌクレオチドならびに表1、2、3および4に記載される配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルライブラリー1が作製される。
【0179】
1つの実施形態において、コンビナトリアルライブラリー2および3の構築は、表58および表59(全て5’から3’の方向で示されており、名称の後ろに配列を示す)に示すオリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長法によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて行われる。
【表58】

【表59】

【0180】
AH1〜AH10をDH1'〜DH3'と組み合わせて用い、テンプレートとしてサブライブラリー5、6、7、11を合わせて、または表43〜47、54に記載のオリゴヌクレオチドならびに表5、6、7、11に記載される配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いて、あるいはサブライブラリー8、9、10、11、または表49〜54に記載のオリゴヌクレオチドならびに表8、9、10および11に示す配列に対応するオリゴヌクレオチドのプールを用いてPCRを行う。これにより、それぞれコンビナトリアルライブラリー2または3が作製される。
【0181】
別の実施形態において、コンビナトリアルライブラリーは、直接ライゲーションにより構築される。例えば、ヒトκ軽鎖生殖系列フレームワークのコンビナトリアルライブラリー(コンビネーションライブラリー1')は、サブライブラリー1'、2'、3'およびサブバンク4(または核酸139〜143、表4を参照)を一緒に直接連続ライゲーションさせることにより構築される。これに続いて、表60および表61に記載されるオリゴヌクレオチドを用いたポリメラーゼ連鎖反応ステップを行う。ヒト重鎖生殖系列フレームワーク領域の2つのコンビナトリアルライブラリー(1つはCDRのKabat定義についてのもの、コンビネーションライブラリー2';1つはCDRのChothia定義についてのもの、コンビネーションライブラリー3')は、サブライブラリー5'、6'、11'およびサブバンク11(Kabat定義)またはサブライブラリー8'、9'、12'およびサブバンク11(Chothia定義)を一緒に、直接連続ライゲーションさせることにより構築される。あるいはまた、サブバンク11は、そのライゲーション反応において核酸408〜413(表11を参照)と置き換えてもよい。これに続いて、表62および表63に記載されるオリゴヌクレオチドを用いたポリメラーゼ連鎖反応ステップを行う。
【表60】

【表61】

【0182】
AL1〜AL13をDL1’〜DL4’と組み合わせて用い、予め一緒にライゲーションさせておいたサブライブラリー1’、2’、3’およびサブバンク4(または核酸139〜143、表4を参照)をテンプレートとして用いてPCRを行う。これにより、コンビナトリアルライブラリー1’が作製される。
【表62】

【表63】

【0183】
AH1〜AH10をDH1'〜DH3'と組み合わせて用い、予め一緒にライゲーションさせておいたサブライブラリー5'、6'、11'およびサブバンク11(または核酸408〜413、表11を参照)または予め一緒にライゲーションさせておいたサブライブラリー8'、9'、12'およびサブバンク11(または核酸408〜413、表11を参照)をテンプレートとして用いてPCRを行う。これにより、それぞれコンビナトリアルライブラリー2'または3'が作製される。
【0184】
本発明にしたがって構築されるフレームワーク領域のサブバンク、CDRのサブバンク、コンビナトリアルサブライブラリーおよびコンビナトリアルライブラリーは、その後の使用のために保存することができる。それらの核酸は、溶液中で、乾燥した滅菌凍結乾燥粉末として、または密閉容器に入った無水濃縮物として保存することができる。核酸を溶液中で保存しない場合、核酸は、その後の使用のために、(例えば水または食塩水で)適当な濃度に再調製してもよい。本発明のサブバンク、コンビナトリアルサブライブラリーおよびコンビナトリアルライブラリーは、好ましくは、核酸の量および濃度が表示されている容器内で2℃〜8℃にて保存される。
【0185】
2.6 コンビナトリアルライブラリーの発現
本発明に従って構築されるコンビナトリアルライブラリーは、当業界で公知のいずれの方法によっても発現させることができ、そのような方法としては、限定するものではないが、細菌発現系、哺乳動物発現系およびin vitroリボソームディスプレイ系が挙げられる。
【0186】
好ましい実施形態において、本発明は、コンビナトリアルライブラリーを発現させるためのファージベクターの使用を包含する。ファージベクターには、発現され提示されたタンパク質の非常に大きな集団をスクリーニングして、所望の結合活性をコードする1以上の特定のクローンを探し出す手段を提供する、という特別な利点がある。
【0187】
抗体分子の大集団を発現させるためにファージディスプレイベクターを使用することは当業界では周知のことであり、本明細書で詳しく述べることはない。一般に、この方法には、ライブラリーの抗体種をクローニングし発現させるための繊維状ファージ(ファージミド)表面発現ベクター系の使用が含まれる。例えば、Kangら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 88:4363-4366 (1991);Barbasら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 88:7978-7982 (1991);Zebedeeら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 89:3175-3179 (1992);Kangら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 88:11120-11123 (1991);Barbasら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 89:4457-4461 (1992);Gramら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 89:3576-3580 (1992);Brinkmanら, J. Immunol. Methods 182:41-50 (1995);Amesら, J. Immunol. Methods 184:177-186 (1995);Kettleboroughら, Eur. J. Immunol. 24:952-958 (1994);Persicら, Gene 187 9-18 (1997);Burtonら, Advances in Immunology 57:191-280 (1994);PCT出願PCT/GB91/01134号;PCT出願WO 90/02809号;WO 91/10737号;WO 92/01047号;WO 92/18619号;WO 93/11236号;WO 95/15982号;WO 95/20401号;ならびに米国特許第5,698,426号;第5,223,409号;第5,403,484号;第5,580,717号;第5,427,908号;第5,750,753号;第5,821,047号;第5,571,698号;第5,427,908号;第5,516,637号;第5,780,225号;第5,658,727号;第5,733,743号および第5
,969,108号を参照されたい(それらは全て、参照することによりその全体を本明細書に含めるものとする)。
【0188】
本発明の1つの好ましいファージミドベクターは、アミノ末端からカルボキシ末端の方向に、(1)原核生物分泌シグナルドメイン、(2)免疫グロブリンの重鎖もしくは軽鎖可変領域を規定する異種ポリペプチド、および(3)繊維状ファージ膜固定ドメインを含む融合ポリペプチドをコードして発現することができるヌクレオチド配列を含む組換えDNA分子である。このベクターは、この融合ポリペプチドを発現させるためのDNA発現制御配列、好ましくは原核生物制御配列を含む。
【0189】
繊維状ファージ膜固定ドメインは、好ましくは、繊維状ファージ粒子のマトリックスに結合して融合ポリペプチドをファージ表面に組み込むことができるcpIIIまたはcpVIIIコートタンパク質のドメインである。
【0190】
このベクターの好ましい膜固定ドメインは、繊維状ファージM13、f1、fdおよび同等の繊維状ファージから得られる。好ましい膜固定ドメインは、遺伝子IIIおよび遺伝子VIIIによりコードされるコートタンパク質中に見られる(Ohkawaら, J. Biol. Chem., 256:9951-9958, 1981を参照)。繊維状ファージコートタンパク質の膜固定ドメインは、そのコートタンパク質のカルボキシ末端領域の一部であり、脂質二重層膜にわたる疎水性アミノ酸残基の領域と、通常は膜の細胞質面に見られ、膜から延びている荷電アミノ酸残基の領域とを含んでいる。繊維状ファージ粒子の構造、それらのコートタンパク質および粒子アセンブリの詳細な説明については、Rachedら, Microbiol. Rev., 50:401-427 (1986);およびModelら, "The Bacteriophages: Vol. 2", R. Calendar編. Plenum Publishing Co., p.p.375-456 (1988) による概説を参照されたい。
【0191】
分泌シグナルはタンパク質のリーダーペプチドドメインであり、これは該タンパク質をグラム陰性細菌のペリプラズム膜にターゲティングする。1つの好ましい分泌シグナルはpelB分泌シグナルである。(Betterら, Science, 240:1041-1043 (1988);Sastryら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 86:5728-5732 (1989);およびMullinaxら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 87:8095-8099 (1990))。エルビニア・カロトバ(Erwinia carotova)由来の2つのpelB遺伝子産物変異体から得られる分泌シグナルドメインの推定アミノ酸残基配列は、Leiら, Nature, 331:543-546 (1988)に記載されている。本発明において有用な大腸菌由来の他の分泌シグナルポリペプチドドメインのアミノ酸残基配列は、Oliver, Escherichia coli and Salmonella Typhimurium, Neidhard, F. C. (編), American Society for Microbiology, Washington, D.C., 1:56-69 (1987)に記載されるようなものである。
【0192】
DNA発現制御配列は、構造遺伝子産物を発現させるための1セットのDNA発現シグナルを含み、その遺伝子に機能しうる形で連結された、周知のような5'エレメントおよび3'エレメントを共に含む。5'制御配列は、転写開始のためのプロモーターと、上流の翻訳可能なDNA配列の5’末端に機能しうる形で連結されたリボソーム結合部位とを規定する。3'制御配列は、異種融合ポリペプチドとin frameにかつ機能しうる形で連結された少なくとも1つの終結(停止)コドンを規定する。
【0193】
好ましい実施形態では、本発明で用いられるベクターは、原核生物由来の複製起点またはレプリコン、すなわち、それで形質転換された原核宿主細胞(細菌宿主細胞など)内での自律複製および組換えDNA分子の染色体外での維持を指令することができるDNA配列を含む。そのような複製起点は当業界では周知である。好ましい複製起点は、宿主生物内で効率的なものである。1つの好ましい宿主細胞は大腸菌である。Sambrookら, "Molecular Cloning: a Laboratory Manual", 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1989)を参照されたい。
【0194】
さらに、原核生物由来のレプリコンを含む実施形態は、次のような核酸も含むことができる。つまり、その核酸の発現が、形質転換された細菌宿主に、薬剤耐性のような選択上の利点を付与するものである。典型的な細菌の薬剤耐性遺伝子は、アンピシリン、テトラサイクリン、ネオマイシン/カナマイシンまたはクロラムフェニコールに対する耐性を付与するものである。また、ベクターは、典型的には、翻訳可能なDNA配列を挿入するための好都合な制限部位も含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、ベクターは、可変重鎖領域をコードするヌクレオチド配列と可変軽鎖領域をコードするヌクレオチド配列のような、内部に含まれる2つのシストロンを共発現することができる。共発現は、さまざまな系において達成されており、したがって、2つの遺伝子産物の十分な相対量が産生されて機能性ヘテロダイマーのアセンブリおよび発現が可能であれば、どのような特定の設計にも限定される必要はない。
【0196】
いくつかの実施形態では、DNA発現ベクターは、ゲノムを被包している繊維状ファージ粒子の形態で、好都合に操作されるように設計される。この実施形態において、DNA発現ベクターはさらに、繊維状ファージの複製起点を規定するヌクレオチド配列を含み、その結果、該ベクターは、適切な遺伝的相補性が提示されると、一本鎖複製形態の繊維状ファージとして複製することができ、繊維状ファージ粒子内にパッケージングされるようになる。この特徴は、DNA発現ベクターがファージ粒子内にパッケージングされる能力を付与し、該粒子およびそこに含まれるベクターを、ファージ粒子の集団を構成する他の粒子からその後分離するのに役立つ。
【0197】
繊維状ファージ複製起点は、周知のように、複製開始部位、複製終結部位および複製により産生された複製形態のパッケージングのための部位を規定する、ファージゲノムの領域である(例えば、Raschedら, Microbiol. Rev., 50:401-427, 1986;およびHoriuchi, J. Mol. Biol., 188:215-223, 1986を参照されたい)。本発明で使用するための好ましい繊維状ファージ複製起点は、M13、f1またはfdファージの複製起点である(Shortら, Nucl. Acids Res., 16:7583-7600, 1988)。
【0198】
ヘテロダイマー免疫グロブリン分子の作製方法は、一般に、(1)提示ベクターの大集団(それぞれがファージミド表面提示タンパク質上に提示された異なる推定上の結合部位を発現できる)を繊維状ファージ粒子に導入し、(2)繊維状ファージ粒子の表面にその提示タンパク質および結合部位を発現させ、(3)予め選択した抗原に対するファージ粒子のパンニングのようなアフィニティ技法を用いて、表面に発現されたファージ粒子を単離(スクリーニング)し、それにより予め選択した抗原と結合する結合部位を含む提示タンパク質を含む1種以上のファージミドを単離する、ことを含んでなる。
【0199】
対象の抗体結合部位を発現することができる特定のベクターの単離には、ファージミド提示タンパク質を発現できるジシストロン性発現ベクターを、繊維状ファージ遺伝子の発現およびファージ粒子のアセンブリを許容する宿主細胞に導入することが含まれる。典型的には、この宿主は大腸菌である。次いで、ヘルパーファージゲノムを、ファージミド発現ベクターを含む宿主細胞に導入して、ファージ粒子のアセンブリを可能にするのに必要な遺伝的相補性を与える。
【0200】
こうして得られた宿主細胞を培養して、導入されたファージ遺伝子と提示タンパク質遺伝子を発現させ、ファージ粒子をアセンブルさせて宿主細胞から脱離させる。次に、脱離したファージ粒子を宿主細胞培地から収集(回収)し、望ましい抗体結合特性についてスクリーニングする。典型的には、収集した粒子は、予め選択した抗原との結合について「パンニング」する。次に、強く結合する粒子を回収し、個々の種の粒子をクローン的に単離し、その抗原への結合についてさらにスクリーニングする。所望の抗原結合特異性の結合部位を産生するファージが選択される。
【0201】
ファージの選択後、そのファージからの抗体コード領域を単離して、抗体全体もしくは他の所望の抗原結合性フラグメントの作製のために使用し、そして所望の宿主細胞、例えば哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母、および細菌において発現させることができる。これについては後記で詳細に述べる。例えば、Fab、Fab'およびF(ab')2フラグメントを組換えにより作製するための技法を、国際公開WO 92/22324号;Mullinaxら, BioTechniques 12(6):864-869 (1992);およびSawaiら, AJRI 34:26-34 (1995);およびBetterら, Science 240:1041-1043 (1988)(これらの文献は参照することによりその全体を本明細書に含めるものとする)に開示されるような当業界で公知の方法と共に、用いることができる。一本鎖Fvおよび抗体の作製に使用される技法の例としては、米国特許第4,946,778号および同第5,258,498号;Hustonら, Methods in Enzymology 203:46-88 (1991);Shuら, PNAS 90:7995-7999 (1993);ならびにSkerraら, Science 240:1038-1040 (1988)に記載されるものが挙げられる。
【0202】
本発明はまた、本発明のベクターまたはヌクレオチド配列を含む宿主細胞を包含する。特定の実施形態において、その宿主細胞は大腸菌である。
【0203】
好ましい実施形態において、本発明のコンビナトリアルライブラリーは、M13系のファージベクターにクローニングされる。このベクターは、lacZプロモーターの制御下で、ヒトγ1重鎖の第1定常ドメインとヒトκ軽鎖の定常ドメインとを含むFabフラグメントの発現を可能にする。これは、Wu & An, 2003, Methods Mol. Biol., 207, 213-233;Wu, 2003, Methods Mol. Biol., 207, 197-212; およびKunkelら, 1987, Methods Enzymol. 154, 367-382(それらは全て、参照により全体が本明細書に組み入れられる)に記載されるようなハイブリダイゼーション変異誘発により行うことができる。簡単に述べると、クローニングしようとする重鎖および軽鎖に対応する精製されたマイナス鎖を、それぞれ1つのパリンドロームループを含む2つの領域にアニーリングさせる。それらのループは、ユニークなXbaI部位を含んでおり、この部位は、ヒトκ定常領域および第1のヒトγ1定常領域とそれぞれin frameに融合された、VL鎖およびVH鎖の両者を含むベクターの選択を可能にする(Wu & An, 2003, Methods Mol. Biol., 207, 213-233、Wu, 2003, Methods Mol. Biol., 207, 197-212)。次に、合成されたDNAを、Wu, 2003, Methods Mol. Biol., 207, 197-212び記載されるように、XL1-blue細菌叢上でのプラーク形成またはFabフラグメントの産生のために、XL1-blueにエレクトロポレーションする。
【0204】
本発明では、本発明のコンビナトリアルライブラリーを発現させるために、細菌/ファージ発現系に加えて、他の宿主−ベクター系も使用可能である。これらとしては、限定するものではないが、ベクターで形質転換した、あるいはウイルス(例えばワクシニアウイルス、アデノウイルス)を感染させた哺乳動物細胞系;ベクターで形質転換した、あるいはウイルス(例えばバキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞系;酵母ベクターを含む酵母などの微生物;またはDNA、プラスミドDNAもしくはコスミドDNAで形質転換した細菌が挙げられる。例えば、Vermaら, J Immunol Methods. 216(1-2):165-81 (1998)(これは参照により本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
【0205】
ベクターの発現エレメントは、その強度および特異性においてさまざまである。使用する宿主−ベクター系に応じて、多くの適切な転写および翻訳エレメントのいずれか1つを使用すればよい。好ましい態様において、本発明のコンビナトリアルライブラリーの各核酸は、適当な宿主内で、ヒト化重鎖および/または軽鎖あるいはヒト化重鎖および/または軽鎖の可変領域を発現する発現ベクターの一部である。特に、そのような核酸は、抗体のコード領域に機能しうる形で連結されたプロモーター(好ましくは異種プロモーター)を有しており、そのプロモーターは誘導性または構成性であり、場合によっては組織特異的である。(さらなる詳細については、セクション5.7を参照されたい。)別の特定の実施形態では、抗体コード配列および任意の他の所望配列が、ゲノム中の所望の部位での相同組換えを促進する領域によって挟まれており、かくして抗体コード核酸の染色体内発現をもたらす核酸分子を使用する(Koller and Smithies, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:8932-8935;Zijlstraら, 1989, Nature 342:435-438)。
【0206】
また、上記コンビナトリアルライブラリーは、リボソーム提示系などのin vitro系を用いて発現させることも可能である(詳細については、セクション5.6を参照)。
【0207】
2.7 ヒト化抗体の選択
発現されたコンビナトリアルライブラリーは、当業界で公知のいずれかの方法を用いて、ドナー抗体によって認識される抗原への結合についてスクリーニングすることができる。好ましい実施形態において、それぞれセクション5.4および5.6に記載されるように構築され発現されたファージディスプレイライブラリーは、ドナー抗体によって認識される抗原への結合についてスクリーニングし、その抗原に対して有意な結合を示すVHおよび/またはVLドメインを発現するファージを、慣用のスクリーニング技法(例えば、Harlow, E., およびLane, D., 1988, 前掲、Gherardi, Eら 1990. J. Immunol. meth. 126 p61-68に記載されるもの)を用いてライブラリーから単離することができる。宿主細胞から脱離したファージ粒子を宿主細胞培地から収集(回収)し、望ましい抗体結合特性についてスクリーニングする。典型的には、収集した粒子を、予め選択した抗原との結合について「パンニング」する。次に、強く結合する粒子を回収し、個々の種の粒子をクローニングにより単離し、その抗原に対する結合についてさらにスクリーニングする。望ましい抗原結合特異性の結合部位を生じるファージを選択する。好ましくは、本発明のヒト化抗体は、対象の抗原に対して少なくとも1×106 M-1、好ましくは少なくとも1×107 M-1、少なくとも1×108 M-1または少なくとも1×109 M-1の親和性を有する。
【0208】
好ましい実施形態において、ファージライブラリーは、まず、捕捉リフト(capture lift)と呼ばれる改良型プラークリフティングアッセイを用いてスクリーニングする。Watkinsら, 1997, Anal. Biochem., 253:37-45を参照されたい。簡単に述べると、ファージ感染細菌を固形寒天叢上にプレートし、続いてFab特異的試薬(例えば抗Fab抗体)をコーティングしたニトロセルロースフィルターで覆う。ほぼ均一量のファージ発現Fabの捕捉を行った後、そのフィルターを、そのFabのKd値よりも実質的に低い濃度の所望の抗原-Ig融合タンパク質でプローブする。
【0209】
別の実施形態では、コンビナトリアルライブラリーを発現させ、リボソームディスプレイ系などのin vitro系を用いてスクリーニングする(例えば、Graddisら, Curr Pharm Biotechnol. 3(4):285-97 (2002);Hanes and Plucthau PNAS USA 94:4937-4942 (1997);He, 1999, J. Immunol. Methods, 231:105;Jermutusら (1998) Current Opinion in Biotechnology, 9:534-548(それらはそれぞれ、参照により本明細書に組み入れられる)を参照のこと)。リボソームディスプレイ系は、翻訳中のリボソームから抗体(もしくはそのフラグメント)またはmRNAのいずれも放出させることなく、抗体またはそのフラグメントのライブラリーをin vitroで翻訳することによって作動する。これはおそらく、終結コドンを欠失させ、かつリボソーム安定化バッファー系を用いることにより行われる。翻訳された抗体(もしくはそのフラグメント)はまた、新たに合成された抗体もしくはそのフラグメントがリボソームトンネルから容易に現れて独立して折りたたまれるように、C末端テザー(tether)ポリペプチド伸長を含む。折りたたまれた抗体もしくはそのフラグメントは、コグネイト抗原を用いてスクリーニングまたは捕捉できる。これによりmRNAの捕捉が可能になり、続いてin vitroで富化する。大腸菌およびウサギ網状赤血球系がリボソームディスプレイに一般的に使用される。
【0210】
当業界で公知の他の方法、例えばPROfusion(商標)(米国特許第6,281,344号, Phylos Inc., Lexington, MA)、共有結合ディスプレイ(国際公開WO 9837186号, Actinova Ltd., Cambridge, U.K.)も、本発明に従って使用可能である。
【0211】
別の実施形態では、抗原を固相支持体に結合させることができ、その支持体はペトリ皿、クロマトグラフィービーズ、磁性ビーズなどによって提供できる。本明細書中で用いられる「固相支持体」という用語は、特定のタイプの固相支持体に限定されるものではない。むしろ、多数の支持体が利用可能であり、当業者には公知である。固相支持体としては、シリカゲル、樹脂、誘導体化プラスチックフィルム、ガラスビーズ、コットン、プラスチクビーズ、ポリスチレンビーズ、アルミナゲル、および多糖類が挙げられる。好適な固相支持体は、目的とする最終用途および種々の合成プロトコルに対する適性に基づいて選択すればよい。例えば、ペプチド合成の場合、固相支持体は、p-メチルベンズヒドリルアミン(pMBHA)樹脂(Peptides International, Louisville, KY)、クロロメチルポリスチレン、ヒドロキシメチルポリスチレンおよびアミノメチルポリスチレンなどのポリスチレン類(例えば、Bachem Inc., Peninsula Laboratories, etc.から入手されるPAM樹脂)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)グラフト化スチレンコジビニルベンゼン(例えば、POLYHIPE樹脂、Aminotech, Canadaから入手)、ポリアミド樹脂(Peninsula Laboratoriesから入手)、ポリエチレングリコールでグラフト化したポリスチレン樹脂(例えば、TENTAGELまたはARGOGEL、Bayer, Tubingen, Germany)、ポリジメチルアクリルアミド樹脂(Milligen/Biosearch, Californiaから入手)、またはセファロース(Pharmacia, Sweden)などの樹脂とすることができる。
【0212】
次に、コンビナトリアルライブラリーを抗原上に通過させ、洗浄後、結合している個々の抗体を保持し、場合によっては検出系により検出する。結合した集団のサンプルを徐々に高めたストリンジェント条件下で除去する場合には、各サンプルにおいて表される結合親和性が増大する。ストリンジェンシーを高めた条件は、例えば、浸漬時間を長くすること、または浸漬溶液のpHを変えること等によって達成できる。
【0213】
別の実施形態では、固相酵素免疫アッセイ(ELISA)を用いて、所望の結合活性を有する抗体についてスクリーニングする。ELISAには、抗原の調製、抗原によるマイクロタイタープレートのウェルのコーティング、ウェルに結合していない抗原の洗い流し、酵素基質などの検出可能な化合物(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)にコンジュゲートさせた対象の抗体のウェルへの添加および一定期間にわたるインキュベーション、未結合抗体もしくは非特異的に結合した抗体の洗い流し、ならびに、抗原をコーティングしたウェルに特異的に結合している抗体の存在の検出が含まれる。ELISAにおいて、対象の抗体は、必ずしも検出可能な化合物にコンジュゲートさせる必要はない。その代わり、検出可能な化合物にコンジュゲートさせた二次抗体(対象の抗体を認識するもの)をウェルに添加すればよい。さらに、ウェルに抗原をコーティングする代わりに、抗体をウェルにコーティングしてもよい。この場合、検出可能な分子は、酵素基質などの検出可能な化合物(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)にコンジュゲートさせた抗原ととすることができる。当業者であれば、検出されるシグナルが増大するように改変できるパラメーター、ならびに当業界で公知のELISAの他の可変要因について理解できるであろう。ELISAに関するさらなる考察については、例えば、Ausubelら編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. I, John Wiley & Sons, Inc., New York at 11.2.1を参照されたい。
【0214】
別の実施形態では、BIAcore反応速度解析を用いて、特定の抗原への本発明の抗体の結合onおよびoff速度(Kd)を求めることができる。BIAcore反応速度解析には、本発明の抗体が表面に固定されているチップへの抗原の結合および該チップからの解離を解析することが含まれる。Wuら, 1999, J. Mol. Biol., 294:151-162(これは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)を参照されたい。簡単に述べると、抗原-Ig融合タンパク質を、酢酸ナトリウム中の抗原-Igを注入かることにより、(1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]-カルボジイミド塩酸塩)およびN-ヒドロキシ-スクシンイミド活性化センサーチップCM5に固定する。抗原-Igは低密度で固定して、解離期中のFabの再結合を防止する。結合速度定数(Kon)を得るために、6つの異なるFab濃度での結合速度を一定流速にて測定する。解離速度定数(Koff)は、解離期を解析することにより得られる6つの測定値の平均である。センサーグラムは、BIAevaluation 3.0プログラムを用いて解析する。Kdは、Kd=Koff/Konから算出する。残存するFabは、長期の解離により各測定後に除去する。さらに好ましい実施形態では、陽性プラークを拾い、低密度で再プレートし、再度スクリーニングする。
【0215】
別の実施形態では、抗体(scFvまたは、抗体フラグメントもしくはその変異体を含むまたはそれからなる他の分子を含む)の抗原への結合親和性、ならびに抗体−抗原相互作用のoff速度は、競合結合アッセイにより求めることができる。競合結合アッセイの一例は、徐々に増大させた量の未標識抗原の存在下で、標識抗原(例えば3Hまたは121I)を対象の抗体と共にインキュベートすること、ならびに、標識抗原に結合した抗体を検出することを含むラジオイムノアッセイである。本発明の抗体の親和性および結合off速度は、得られたデータからScatchardプロット解析により求めることができる。また、二次抗体との競合もラジオイムノアッセイを用いて測定することができる。この場合には、徐々に増大させた量の未標識二次抗体の存在下で、抗原を、標識化合物(例えば、3Hまたは121I)にコンジュゲートさせた本発明の抗体と共にインキュベートする。
【0216】
他のアッセイ、例えば、限定するものではないが、ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(固相酵素免疫アッセイ)、サンドイッチイムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイなどの技法を用いた競合的および非競合的アッセイ系を含むイムノアッセイを用いて、ヒト化抗体をスクリーニングしたり、その結合特異性をさらに特徴付けることも可能である。そのようなアッセイはルーチンであり、当業界で周知である(例えば、Ausubelら編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New York(これは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)を参照)。代表的なイムノアッセイを以下で簡単に述べる(これは限定しようとするものではない)。
【0217】
好ましい実施形態において、ELISAは、捕捉リフトアッセイにより同定されたクローンを確認するために、Fabフラグメントを発現する細菌培養物から調製した上清の二次スクリーニングとして用いられる。2つのELISAを行うことができる:(1)定量ELISA:これは、本質的にWu, 2003, Methods Mol. Biol., 207, 197-212(これは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)に記載されるように行うことができる。簡単に述べると、抗ヒトFab ELISAにより濃度を測定できる: 96ウェルMaxisorp Immunoplateの個々のウェルに50ngのヤギ抗ヒトFab抗体をコーティングし、次にサンプル(上清に発現させたFab)または標準物質(ヒトIgG Fab)と共にインキュベートする。続いて、ヤギ抗ヒトκホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートと共にインキュベートを行う。HRP活性をTMB基質で検出し、反応を0.2MのH2SO4により停止させる。プレートを450nmで読み取る。次に、二次スクリーニングの次の段階のために、検出可能な量のFabを発現するクローンを選択する。(2)機能的ELISA:簡単に述べると、特定の抗原結合活性を抗原に基づくELISAにより測定する:96ウェルMaxisorp Immunoplateの個々のウェルに50ngの対象の抗原をコーティングし、1% BSA/0.1% Tween 20でブロックし、次にサンプル(上清発現Fab)と共にインキュベートする。続いて、ヤギ抗ヒトκホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートと共にインキュベートする。HRP活性をTMB基質で検出し、反応を0.2MのH2SO4により停止させる。プレートを450nmにて読み取る。
【0218】
免疫沈降プロトコルは、一般に、プロテインホスファターゼおよび/またはプロテアーゼインヒビター(例えば、EDTA、PMSF、159アプロチニン、バナジン酸ナトリウム)を補充したRIPAバッファー(1%のNP-40またはTriton X-100、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%SDS、0.15M NaCl、0.01M リン酸ナトリウム、pH 7.2、1%Trasylol)などの溶解バッファー中で細胞集団を溶解させ、その細胞溶解物に対象の抗体を添加し、40℃にて一定期間(例えば4時間)にわたってインキュベートし、プロテインAおよび/またはプロテインGセファロースビーズを細胞溶解物に添加し、約1時間以上にわたり40℃にてインキュベートし、ビーズを溶解バッファー中で洗浄し、ビーズをSDS/サンプルバッファーに再懸濁することを含む。対象の抗体の、特定の抗原を免疫沈降させる能力は、例えば、ウエスタンブロット分析により評価することができる。当業者であれば、抗体と抗原の結合を増大させ、かつバックグラウンドを低減させるように変更可能なパラメーター(例えば、細胞溶解物をセファロースビーズで前もってクリアランスすること)について理解できるであろう。免疫沈降プロトコルについてのさらなる解説については、例えば、Ausubelら編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New York, at 10. 16. 1を参照されたい。
【0219】
ウエスタンブロット分析は、一般に、タンパク質サンプルを調製すること、そのタンパク質サンプルをポリアクリルアミドゲル(例えば、抗原の分子量に応じて8%〜20%のSDS-PAGE)で電気泳動すること、タンパク質サンプルをポリアクリルアミドゲルから膜(例えば、ニトロセルロース、PVDFまたはナイロン)に移行させること、膜をブロッキング溶液(例えば、3%BSAまたは脱脂乳を含むPBS)中でブロックすること、膜を洗浄バッファー(例えば、PBS Tween 20)中で洗浄すること、膜をブロッキングバッファーで希釈した一次抗体(対象の抗体)でブロックすること、膜を洗浄バッファー中で洗浄すること、膜を、ブロッキングバッファーで希釈した酵素基質(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ)または放射性分子(例えば、12Pまたは121I)にコンジュゲートさせた二次抗体(一次抗体を認識するもの、例えば抗ヒト抗体)でブロックすること、膜を洗浄バッファーで洗浄すること、抗原の存在を検出することを含む。当業者であれば、シグナルを増大させ、かつバックグラウンドノイズを低減させるように変更可能なパラメーターについて理解できるであろう。ウエスタンブロットプロトコルに関するさらなる解説としては、例えば、Ausubelら編, 1994, GinTent Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New York at 10.8.1を参照されたい。
【0220】
所望の抗原結合活性を有する改変型(例えばヒト化)抗体またはそのフラグメントをコードする核酸は、ABI300ゲノムアナライザを用いるジデオキシ塩基配列決定などの配列決定法により特性決定できる。上記で述べた、2部からなる二次ELISAスクリーニングなどの他のイムノアッセイを用いて、改変型(例えばヒト化)抗体を、特定の抗原への結合について、互いと、およびドナー抗体と比較することができる。
【0221】
2.8 ヒト化抗体の作製および特徴付け
所望の結合活性を有するヒト化抗体およびそのフラグメントをコードする1つ以上の核酸を選択したら、当業界で公知の標準的な技法によりその核酸を回収することができる。好ましい実施形態において、選択したファージ粒子を回収し、それを新たな細菌に感染させてから目的の核酸を回収する。
【0222】
所望の特異性または親和性を有するヒト化可変領域を含むタンパク質を提示するファージは、当業界で公知のいずれの方法によってもアフィニティマトリックスから溶出させることができる。1つの実施形態では、マトリックスに対してより良好な親和性を有するリガンドが用いられる。特定の実施形態では、対応する非ヒト化抗体が用いられる。別の実施形態では、抗原−抗体複合体に対して特異的ではない溶出方法が用いられる。
【0223】
温和な溶出方法は、ファージ抗体集団とビオチン化抗原との結合およびストレプトアビジン磁性ビーズとの結合を利用するものである。洗浄して未結合ファージを除去した後、ファージ抗体を溶出させ、これを用いて細胞に感染させ、選択したファージ抗体集団を得る。ビオチンと抗原分子との間のジスルフィド結合が、ジチオトレイトールによる温和な溶出を可能にする。1つの実施形態では、ビオチン化抗原は過剰に用いることができるが、抗原−抗体結合についての所望の解離定数と同じ濃度またはそれより低い濃度で用いてもよい。この方法は、高親和性抗体の選択に有利である(R. E. Hawkins, S. J. RussellおよびG. Winter J. Mol. Biol. 226 889-896, 1992)。また、抗体は、Hawkinsら, 1992, (前掲)に記載されるように、抗原選択のために、より遅いoff速度を選択してもよい。ビオチン化抗原の濃度を徐々に低下させて、より高い親和性のファージ抗体を選択することができる。別法として、J. K. Scott & G. P. Smith (Science 249 386-390, 1990)によって記載されるビオチン化抗体に対するペプチドファージの競合と同様の方法で、ファージ抗体を結合について競合させるために、ファージ抗体をビオチン化抗原よりも過剰にすることができる。
【0224】
別の実施形態では、高特異性プロテアーゼによる切断の認識部位を構成するアミノ酸をコードするヌクレオチド配列を、挿入した外来タンパク質(例えば抗体フラグメントをコードする核酸)と遺伝子IIIの残部の配列との間に導入することができる。そのような高特異性プロテアーゼの非限定的な例は、X因子およびトロンビンである。ファージをアフィニティマトリックスに結合させ、非特異的に結合しているファージおよび弱く結合しているファージを溶出して除去した後、前記切断部位での消化に適する条件下でカラムをプロテーゼで洗浄することにより、強く結合しているファージを分離する。これにより、抗体フラグメントがファージ粒子から切断されて、ファージが溶出される。これらのファージは感染性であると予想される。何故ならば、プロテアーゼ部位だけが特異的に導入されたものであるはずだからである。次いで、強く結合するファージを、例えば大腸菌TG1細胞に感染させることによって回収できる。
【0225】
上記の方法の別法は、強く結合したpAbを保持しているアフィニティマトリックスを取り、例えばSDS溶液中で煮沸することによって、DNAを抽出することである。次に、抽出されたDNAを用いて、大腸菌宿主細胞を直接形質転換させるか、あるいは抗体コード配列を、例えば適切なプライマーを用いたPCRを用いて増幅し、次いでさらなる研究を行うための可溶性抗体として発現させるため、またはさらなる選択ラウンドを行うためのpAbとして、ベクターに挿入することができる。
【0226】
別の実施形態では、ファージの集団を、少量の抗原を含むアフィニティマトリックスに結合させる。高親和性タンパク質を提示するファージと低親和性タンパク質を提示するファージとの間で、マトリックス上の抗原への結合に関して競合が起こる。高親和性タンパク質を提示するファージが主に結合し、低親和性タンパク質は洗い流される。次に、その高親和性タンパク質を、リガンドによる溶出またはファージをアフィニティマトリックスから溶出させる他の手順(国際公開WO92/01047号に、この手順が示されている)により回収する。
【0227】
ドナーCDRおよびヒト化フレームワークをコードする、回収された核酸は、それ自体として使用することも可能であるし、あるいは、それらを各ヒト鋳型の定常領域に結合させることによって完全な抗体分子の核酸を構築するのに使用することも可能である。抗体をコードする核酸が適切な宿主細胞系に導入されると、トランスフェクトされた細胞は、モノクローナル抗体の望ましい特性を全て有する抗体を分泌することができる。
【0228】
本発明の抗体分子、または抗体の重鎖もしくは軽鎖、またはそれらのフラグメント(好ましくは、重鎖もしくは軽鎖可変領域を含むもの)をコードする核酸が得られたら、この抗体分子を作製するためのベクターは、組換えDNA法により、当業界で周知の技法を用いて作製することができる。したがって、抗体をコードする核酸を発現させることによりタンパク質を調製する方法が本明細書に記載される。当業者に周知の方法を用いて、抗体コード配列ならびに適切な転写および翻訳シグナルを含む発現ベクターを構築することができる。これらの方法としては、例えば、in vitro組換えDNA法、合成法、およびin vivo遺伝子組換えが挙げられる。したがって、本発明は、プロモーターに機能しうる形で連結された、本発明の抗体分子、抗体の重鎖もしくは軽鎖、抗体の重鎖もしくは軽鎖可変ドメイン、またはそのフラグメント、または重鎖もしくは軽鎖CDRをコードするヌクレオチド配列を含む複製可能なベクターを提供する。特定の実施形態において、本発明の抗体分子、抗体の重鎖もしくは軽鎖、抗体の重鎖もしくは軽鎖可変ドメイン、そのフラグメント、または重鎖もしくは軽鎖CDRの発現は、構成性プロモーターにより調節される。別の実施形態では、本発明の抗体分子、抗体の重鎖もしくは軽鎖、抗体の重鎖もしくは軽鎖可変ドメイン、そのフラグメント、または重鎖もしくは軽鎖CDRの発現は、誘導性プロモーターにより調節される。別の実施形態では、本発明の抗体分子、抗体の重鎖もしくは軽鎖、抗体の重鎖もしくは軽鎖可変ドメイン、そのフラグメント、または重鎖もしくは軽鎖CDRの発現は、組織特異的プロモーターにより調節される。そのようなベクターはまた、抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含んでいてもよく(例えば、国際公開WO 86/05807号;国際公開WO 89/01036号;および米国特許第5,122,464号を参照)、抗体の可変ドメインは、重鎖全体、軽鎖全体または重鎖と軽鎖の両方を発現させるために、そのようなベクターにクローニングできる。
【0229】
この発現ベクターは、慣用の技法により宿主細胞に導入し、次にトランスフェクトされた細胞を慣用の技法により培養して、本発明の抗体を産生させる。したがって、本発明は、異種プロモーターに機能しうる形で連結された、本発明の抗体もしくはそのフラグメント、またはその重鎖もしくは軽鎖、それらの部分、または本発明の一本鎖抗体をコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を包含する。二本鎖抗体を発現させるための好ましい実施形態において、後記で詳細に述べるように、免疫グロブリン分子全体を発現させるために、重鎖および軽鎖の双方をコードするベクターを宿主細胞内で共発現させることができる。
【0230】
好ましくは、改変抗体を産生させるために形質転換される細胞系は、リンパ系起源の不死化哺乳動物細胞系であり、例えば、限定するものではないが、ミエローマ、ハイブリドーマ、トリオーマまたはクアドローマ(quadroma)細胞系が挙げられる。また、この細胞系は、エプスタイン・バーウイルスなどのウイルスで形質転換することにより不死化されている正常なリンパ細胞(例えばB細胞)を含むことも可能である。最も好ましくは、この不死化細胞系は、ミエローマ細胞系またはその誘導物である。
【0231】
ミエローマ細胞系などの不死化リンパ細胞系の中には、正常な状態で、単離型の免疫グロブリン軽鎖または重鎖を分泌するものがあることが知られている。そうした細胞系がファージライブラリーから回収された核酸で形質転換される場合、その回収されたフラグメントを定常領域に再構成させることは必要でない。但し、これは、正常に分泌される鎖がファージライブラリーから回収された核酸によりコードされる免疫グロブリン鎖の可変ドメインに相補的である場合である。
【0232】
本発明の抗体の産生に用いられる細胞系は、好ましくは哺乳動物細胞系であるが、いずれの他の適切な細胞系も代わりに使用することが可能である。これらとしては、限定するものではないが、抗体コード配列を含む組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA発現ベクターで形質転換させた細菌(例えば、大腸菌および枯草菌);抗体コード配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換させた酵母(例えば、サッカロミセス・ピチア(Saccharomyces Pichia);抗体コード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染させた昆虫細胞系;抗体コード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染させた、または抗体コード配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換させた植物細胞系;哺乳動物細胞のゲノム由来のプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)もしくは哺乳動物ウイルスのゲノム由来のプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む組換え発現構築物を含む哺乳動物細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293、NS0および3T3細胞)などの微生物が挙げられる。好ましくは大腸菌などの細菌細胞、さらに好ましくは真核細胞(特に、組換え抗体分子全体を発現させるためのもの)が、組換え抗体分子の発現のために使用される。例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)などの哺乳動物細胞を、ヒト・サイトメガロウイルス由来の主な前初期遺伝子プロモーターエレメントなどのベクターと組み合わせたものが、有効な抗体の発現系である(Foeckingら, 1986, Gene 45:101;およびCockettら, 1990, Bio/Technology 8:2)。
【0233】
細菌系では、発現させようとする抗体分子の使用目的に応じて、いくつかの発現ベクターが有利に選択できる。例えば、抗体分子の医薬組成物の調製のために、そのようなタンパク質を大量に産生させようとする場合は、容易に精製される融合タンパク質産物の高レベルな発現を指令するベクターが望ましい。そのようなベクターとしては、限定するものではないが、大腸菌発現ベクターpUR278(Rutherら, 1983, EMBO 12:1791)(抗体コード配列が個々に、lacZコード領域とin frameでベクターにライゲートされて、融合タンパク質が産生できるようになっているもの);pINベクター(Inouye & Inouye, 1985, Nucleic Acids Res. 13:3101-3109; Van Heeke & Schuster, 1989, J. Biol. Chem. 24:5503-5509)などが挙げられる。また、pGEXベクターも、外来ポリペプチドをグルタチオン5-トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として発現させるのに使用できる。一般に、そのような融合タンパク質は可溶性であり、マトリックスのグルタチオンアガロースビーズへの吸着および結合と、続いて行う遊離グルタチオンの存在下での溶出によって、溶解細胞から容易に精製できる。pGEXベクターは、トロンビンまたはXa因子プロテーゼ切断部位を含むことにより、クローニングした標的がGST成分から放出されるように設計されている。
【0234】
昆虫系では、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核多角体ウイルス(AcNPV)が、外来遺伝子を発現させるためのベクターとして使用される。このウイルスは、ヨトウガ(スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda))細胞内で増殖する。抗体コード配列は、ウイルスの非必須領域(例えば、ポリヘドリン遺伝子)に個々にクローニングでき、AcNPVプロモーター(例えばポリヘドリンプロモーター)の制御下におかれる。
【0235】
哺乳動物宿主細胞では、いくつかのウイルス系の発現系が使用できる。アデノウイルスが発現ベクターとして用いられる場合、対象の抗体コード配列は、アデノウイルス転写/翻訳制御複合体(例えば、後期プロモーターと3部構成(tripartite)リーダー配列)にライゲートすることができる。次に、このキメラ遺伝子を、in vitroまたはin vivo組換えによってアデノウイルスゲノムに挿入すればよい。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば、領域ElまたはE3)への挿入により、生存可能で、しかも感染した宿主内で抗体分子を発現できる組換えウイルスが得られる(例えば、Logan & Shenk, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 8 1:355-359を参照)。また、挿入した抗体コード配列の効率的な翻訳のために、特定の開始シグナルが必要な場合もある。これらのシグナルとしては、ATG開始コドンおよび隣接配列が含まれる。さらに、この開始コドンは、挿入物全体の翻訳を確実にするために、対象のコード配列のリーディングフレームと読み枠が合っていなければならない。これらの外因性の翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、さまざまな起源のものとすることができ、天然のものであっても合成されたものであってもよい。発現の効率は、適切な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなどを含めることによって増強できる(例えば、Bittnerら, 1987, Methods in Enzymol. 153:516-544を参照)。
【0236】
さらに、宿主細胞株としては、挿入配列の発現を調節するもの、または所望の特定の様式で核酸を修飾しプロセシングするものを選択することができる。そのようなタンパク質産物の修飾(例えば、グリコシル化)およびプロセシング(例えば、切断)は、そのタンパク質の機能にとって重要でありうる。さまざまな宿主細胞が、タンパク質および遺伝子産物の翻訳後プロセシングおよび修飾のための特徴的で特異的な機構を有している。発現される外来タンパク質の正確な修飾およびプロセシングが確実になるように、適切な細胞系または宿主系を選択する。この目的のためには、適切な一次転写産物のプロセシング、遺伝子産物のグリコシル化およびリン酸化のための細胞機構を有する真核宿主細胞が使用可能である。そのような哺乳動物宿主細胞としては、限定するものではないが、CHO、VERY、BHK、Hela、COS、MDCK、293、3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT2OおよびT47D、NS0(免疫グロブリン鎖を内因的に産生しないマウス・ミエローマ細胞系)、CRL7O3OおよびHsS78Bst細胞が挙げられる。
【0237】
組換えタンパク質を長期にわたって高収率で産生させるためには、安定な発現が好ましい。例えば、抗体分子を安定に発現する細胞系を遺伝子工学的に作製することができる。ウイルス性の複製起点を含む発現ベクターを用いずに、宿主細胞を、適切な発現制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)によって制御されたDNAおよび選択マーカーで形質転換することができる。外来DNAを導入した後、遺伝子操作した細胞を富化培地中で1〜2日間増殖させ、次いで選択培地に切り替える。組換えプラスミド内の選択マーカーは、選択に対する耐性を付与し、細胞がプラスミドをその染色体内に安定に組み込み、増殖してフォーカス(これは次にクローニングされて細胞系へと拡大できる)を形成できるようにする。この方法は、抗体分子を発現する細胞系の操作に有利に用いることができる。そのような操作した細胞系は、抗体分子と直接的または間接的に相互作用する組成物のスクリーニングおよび評価において特に有用となり得る。
【0238】
いくつかの選択系が使用でき、例えば、限定するものではないが、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wiglerら, 1977, Cell 11:223)、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:202)、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowyら, 1980, Cell 22:8-17)遺伝子が、それぞれtk-細胞、hgprt-細胞またはaprt-細胞において使用できる。また、代謝拮抗物質耐性を次の遺伝子の選択基準として用いることが可能である:dhfr(メトトレキセートに対する耐性を付与する)(Wiglerら, 1980, Natl. Acad. Sci. USA 77:357;O’Hareら, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1527);gpt(ミコフェノール酸に対する耐性を付与する)(Mulligan & Berg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:2072);neo(アミノグリコシドG-418に対する耐性を付与する)(WuおよびWu, 1991, Biotherapy 3:87-95; Tolstoshev, 1993, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 32:573-596;Mulligan, 1993, Science 260:926-932;およびMorgan and Anderson, 1993, Ann. Rev. Biochem. 62: 191-217; May, 1993, TIB TECH 11(5):l55-2 15);およびhygro(ハイグロマイシンに対する耐性を付与する)(Santerreら, 1984, Gene 30:147)。組換えDNA法の技術分野において一般に知られている方法を、目的とする組換えクローンの選択にルーチンに適用することができ、そのような方法は、例えば、Ausubelら(編), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NY (1993);Kriegler, Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual, Stockton Press, NY (1990);およびChapters 12 and 13, Dracopoliら(編), Current Protocols in Human Genetics, John Wiley & Sons, NY (1994);Colberre-Garapinら, 1981, J. Mol. Biol. 150:1(これらは参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられるものとする)に記載されている。
【0239】
抗体分子の発現レベルは、ベクター増幅によって増大させることができる(概説としては、BebbingtonおよびHentschel, The use of vector based on gene amplification for the expressionof cloned genes in mammalian cells in DNA cloning, Vol.3. (Academic Press, New York, 1987)を参照されたい)。抗体を発現するベクター内のマーカーが増幅可能である場合、宿主細胞培養物中に存在するインヒビターのレベルの増加により、そのマーカー遺伝子のコピー数が増加する。増幅した領域は抗体遺伝子と結合しているので、その抗体の産生もまた増加する(Crouseら, 1983, Mol. Cell. Biol. 3:257)。
【0240】
宿主細胞は、本発明の2つの発現ベクター(第1のベクターは重鎖由来のポリペプチドをコードし、第2のベクターは軽鎖由来のポリペプチドをコードする)で共トランスフェクトすることができる。これら2つのベクターは、重鎖ポリペプチドと軽鎖ポリペプチドとを等しく発現させることができる同一の選択マーカーを含むことができる。あるいはまた、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの双方をコードし、それらを発現することができる単一のベクターを使用することも可能である。そのような場合、有害な遊離重鎖が過剰になることを防止するために、軽鎖を重鎖の前に配置しなければならない(Proudfoot, 1986, Nature 322:52;およびKohler, 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:2 197)。重鎖および軽鎖のコード配列は、cDNAでもゲノムDNAでもよい。
【0241】
また、本発明の抗体は、トランスジェニック動物(例えば、トランスジェニックマウス)に導入することもできる。例えば、Bruggemann, Arch. Immunol. Ther. Exp. (Warsz). 49(3):203-8 (2001);Bruggemann and Neuberger, Immunol. Today 8:391-7 (1996)(それらは各々、参照により本明細書に組み入れられる)を参照されたい。トランスジーン構築物または転座は、例えばプラスミドの組み立て、酵母人工染色体内でのクローニング、および染色体断片の使用によって得ることができる。トランスジェニック動物系統内での転座の組込みおよび維持は、卵母細胞への前核DNAの注入および胚性幹細胞を使用する種々のトランスフェクション法により達成できる。
【0242】
例えば、ヒト化重鎖および/または軽鎖あるいはヒト化重鎖および/または軽鎖可変領域をコードする核酸は、マウス胚性幹細胞へ無作為に導入してもよいし、相同組換えによって導入してもよい。マウス重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、相同組換えによりヒト化抗体をコードする核酸を導入することによって、別々にまたは同時に、非機能性にすることができる。特に、JH領域がホモ接合的に欠失すると、内因的な抗体産生が妨害される。改変した胚性幹細胞を増やして、胚盤胞にマイクロインジェクションして、キメラマウスを作製する。次に、このキメラマウスを交配させて、ヒト化抗体を発現するホモ接合型の子孫を作製する。
【0243】
本発明の抗体分子を組換え発現により産生させたら、それを、免疫グロブリン分子を精製するための当業界で公知のいずれかの方法、例えばクロマトグラフィー(例えばイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー(特にプロテインAの後での特異的抗原に対する親和性により)、およびサイズカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、差異的溶解度により、あるいはタンパク質を精製するための他の標準的な方法により精製することができる。さらに、本発明の抗体またはそのフラグメントは、精製しやすくするために、本明細書中で記載される、または当業界で公知の異種ポリペプチド配列に融合させることができる。
【0244】
2.9 抗体コンジュゲート
本発明は、1つ以上の成分(限定するものではないが、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質、核酸分子、小分子、ミメティック物質、合成薬物、無機分子および有機分子を含む)にコンジュゲートまたは融合させた抗体またはそのフラグメントを包含する。
【0245】
本発明は、融合タンパク質を生成するように、異種タンパク質またはポリペプチド(またはその断片、好ましくは少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個または少なくとも100個のアミノ酸からなるポリペプチド)に組換えによって融合された、または化学的にコンジュゲートされた(共有結合および非共有結合によるコンジュゲーションを含む)抗体またはそのフラグメントを包含する。融合は、必ずしも直接的である必要はなく、リンカー配列を介して起こるものであってもよい。例えば、抗体は、その抗体を、特定の細胞表面受容体に特異的な抗体と融合またはコンジュゲートさせることにより、in vitroまたはin vivoで、異種ポリペプチドを特定の細胞型にターゲティングさせるのに使用することができる。異種ポリペプチドに融合またはコンジュゲートさせた抗体はまた、in vitroでのイムノアッセイおよび当業界で公知の方法を用いる精製方法において使用することもできる。例えば、国際公開WO 93/21232号;欧州特許EP439,095号;Naramuraら, 1994, Immunol. Lett. 39:91-99;米国特許第5,474,981号;Gilliesら, 1992, PNAS 89:1428-1432;およびFellら,1991, J. Immunol. 146:2446-2452(それらは参照によりそれらの全体が組み入れられるものとする)を参照されたい。
【0246】
本発明はさらに、抗体フラグメントに融合またはコンジュゲートさせた異種タンパク質、ペプチドまたはポリペプチドを含む組成物を包含する。例えば、異種ポリペプチドは、Fabフラグメント、Fdフラグメント、Fvフラグメント、F(ab)2フラグメント、VHドメイン、VLドメイン、VH CDR、VL CDR、またはそれらのフラグメントに融合またはコンジュゲートさせることができる。ポリペプチドを抗体部分へ融合またはコンジュゲートさせるための方法は、当業界では周知である。例えば、米国特許第5,336,603号、第5,622,929号、第5,359,046号、第5,349,053号、第5,447,851号および第5,112,946号;欧州特許EP 307,434号およびEP 367,166号;国際公開WO 96/04388号およびWO 91/06570号;Ashkenaziら, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 10535-10539;Zhengら, 1995, J. Immunol. 154:5590-5600; and Vilら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:11337- 11341(それらの参照文献は参照によりそれらの全体が組み込まれるものとする)を参照されたい。
【0247】
遺伝子シャフリング、モチーフシャフリング、エキソンシャフリング、および/またはコドンシャフリングの技法(まとめて「DNAシャフリング」と呼ばれる)により、さらなる融合タンパク質を作製することが可能である。DNAシャッフリングを用いて、本発明の抗体またはそのフラグメントの活性を変化させることができる(例えば、より高い親和性とより低い解離速度を有する抗体またはそのフラグメント)。概略的には、米国特許第5,605,793号;第5,811,238号;第5,830,721号;第5,834,252号;および第5,837,458号、ならびにPattenら, 1997, Curr. Opinion Biotechnol. 8:724-33;Harayama, 1998, Trends Biotechnol. 16(2):76-82;Hansson,ら, 1999, J. Mol. Biol. 287:265-76;およびLorenzoおよびBlasco, 1998, Biotechniques 24(2):308- 313(これらの特許および刊行物は参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。抗体もしくはそのフラグメント、またはコードされた抗体もしくはそのフラグメントは、組換えを行う前に、誤りがちの(error-prone)PCR、ランダムヌクレオチド挿入または他の方法によるランダム変異誘発に供することにより変化させることができる。抗体または抗体フラグメントをコードするポリヌクレオチドの1以上の部分を、1種以上の異種分子の1以上の成分、モチーフ、区域、部分、ドメイン、断片などで組み換えることができる。
【0248】
さらに、抗体またはそのフラグメントは、精製しやすくするために、例えばペプチドなどのマーカー配列と融合させることも可能である。好ましい実施形態では、そのマーカーアミノ酸配列は、ヘキサヒスチジンペプチド、例えばpQEベクター(QIAGEN, Inc., 9259 Eton Avenue, Chatsworth, CA, 91311)内に与えられるタグであり、ほかにもあるが、それらの多くは市販されている。Gentzら, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:821-824に記載されるように、ヘキサヒスチジンは融合タンパク質の簡便な精製を可能にする。精製に有用な他のペプチドタグとしては、限定するものではないが、ヘマグルチニン「HA」タグ(インフルエンザ・ヘマグルチニンタンパク質由来のエピトープに対応するもの)(Wilsonら, 1984, Cell, 37:767)および「flag」タグが挙げられる。
【0249】
他の実施形態において、本発明の抗体またはそのフラグメント、類似体もしくは誘導体は、診断剤または検出可能な物質とコンジュゲートさせることができる。そのような抗体は、特定の治療薬の有効性の判定などの臨床試験法の一部として、疾患の発生または進行をモニタリングまたは予測するのに有用であり得る。そのような診断および検出は、抗体を検出可能な物質とカップリングさせることにより達成できる。検出可能な物質としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンステラーゼなどの種々の酵素;ストレプトアビジンおよびアビジン/ビオチンなどの補欠分子団;ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロライドもしくはフィコエリトリンなどの蛍光物質;ルミノールなどの発光物質;ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンなどの生物発光物質;ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、炭素(14C)、イオウ(35S)、三重水素(3H)、インジウム(115In, 113In、112In、111In)およびテクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142 Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、65Zn、85Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Snおよび117Tinなどの放射性物質;さまざまな陽電子放射断層法を用いる陽電子放射金属、非放射性常磁性金属イオン、ならびに放射性標識されたもしくは特定の放射性同位元素にコンジュゲートされた分子。
【0250】
本発明はさらに、治療成分にコンジュゲートさせた抗体またはそのフラグメントを包含する。抗体またはそのフラグメントは、細胞毒素(例えば細胞増殖抑制剤もしくは細胞破壊剤)、治療剤または放射性金属イオン(例えばα線放射体)などの治療成分にコンジュゲートさせることができる。細胞毒素または細胞傷害剤としては、細胞にとって有害であるあらゆる物質が含まれる。治療成分としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:代謝拮抗物質(例えば、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシル、デカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパクロラムブシル(thioepa chlorambucil)、メルファラン、カルムスチン(BCNU)およびルムスチン(CCNU)、シクロトスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、ならびにシスジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(従来名はダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(従来名はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシンおよびアントラマイシン(AMC))、オーリスタチン分子(例えば、オーリスタチンPHE、ブリオスタチン1、およびソラスタチン(solastatin)10;Woykeら, Antimicrob. Agents Chemother. 46:3802-8 (2002)、Woykeら, Antimicrob. Agents Chemother. 45:3580-4 (2001)、Mohammadら, Anticancer Drugs 12:735-40 (2001)、Wallら, Biochem. Biophys. Res. Commun. 266:76-80 (1999)、Mohammadら, Int. J. Oncol. 15:367-72 (1999)(それらは全て、参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい)、ホルモン(例えば、グルココルチコイド、プロゲステロン、アンドロゲンおよびエストロゲン)、DNA修復酵素阻害剤(例えば、エトポシドまたはトポテカン)、キナーゼ阻害剤(例えば、化合物ST1571、メシル酸イマチニブ(Kantarjianら, Clin Cancer Res. 8(7):2167-76 (2002))、細胞傷害剤(例えば、パクリタキセル、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロミド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン(dihydroxy anthracin dione)、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロールおよびピューロマイシン、ならびにそれらの類似体または同族体)、ならびに、米国特許第6,245,759号、第6,399,633号、第6,383,790号、第6,335,156号、第6,271,242号、第6,242,196号、第6,218,410号、第6,218,372号、第6,057,300号、第6,034,053号、第5,985,877号、第5,958,769号、第5,925,376号、第5,922,844号、第5,911,995号、第5,872,223号、第5,863,904号、第5,840,745号、第5,728,868号、第5,648,239号、第5,587,459号に開示される化合物;ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、R115777、BMS-214662、および、例えば米国特許第6,458,935号、第6,451,812号、第6,440,974号、第6,436,960号、第6,432,959号、第6,420,387号、第6,414,145号、第6,410,541号、第6,410,539号、第6,403,581号、第6,399,615号、第6,387,905号、第6,372,747号、第6,369,034号、第6,362,188号、第6,342,765号、第6,342,487号、第6,300,501号、第6,268,363号、第6,265,422号、第6,248,756号、第6,239,140号、第6,232,338号、第6,228,865号、第6,228,856号、第6,225,322号、第6,218,406号、第6,211,193号、第6,187,786号、第6,169,096号、第6,159,984号、第6,143,766号、第6,133,303号、第6,127,366号、第6,124,465号、第6,124,295号、第6,103,723号、第6,093,737号、第6,090,948号、第6,080,870号、第6,077,853号、第6,071,935号、第6,066,738号、第6,063,930号、第6,054,466号、第6,051,582号、第6,051,574号および第6,040,305号に開示されるもの)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カンプトテシン;イリノテカン;SN-38;トポテカン;9-アミノカンプトテシン;GG-211(GI 147211);DX-8951f;IST-622;ルビテカン;ピラゾロアクリジン;XR-5000;サイントピン(saintopin);UCE6;UCE1022;TAN-1518A;TAN-1518B;KT6006;KT6528;ED-110;NB-506;ED-110;NB-506;およびレベッカマイシン);ブルガレイン(bulgarein);Hoescht色素33342およびHoechst色素33258などのDNA副溝結合物質;ニチジン(nitidine);ファガロニン(fagaronine);エピベルベリン;コラリン(coralyne);β-ラパコン;BC-4-1;ビホスホネート(例えば、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、チルドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、ネリドロネート、オルパンドロネート(olpandronate)、リセドロネート、ピリドロネート(piridronate)、パミドロネート、ゾレンドロネート)、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤(例えば、ロバスタチン、シムバスタチン、アトロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、スタチン、セリバスタチン、レスコール、リピトール(lupitor)、ロスバスタチンおよびアトロバスタチン)、ならびにそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接体およびプロドラッグ(例えば、Rothenberg, M.L., Annals of Oncology 8:837-855(1997);およびMoreau, P.,ら, J. Med. Chem. 41:1631-1640(1998)を参照されたい)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、米国特許第6,277,832号、第5,998,596号、第5,885,834号、第5,734,033号および第5,618,709号に開示されるもの)、免疫調整物質(例えば、抗体およびサイトカイン)、抗体、ならびにアデノシンデアミナーゼ阻害剤(例えば、リン酸フルダラビンおよび2-クロロデオキシアデノシン)。
【0251】
さらに、抗体またはそのフラグメントは、所与の生物学的応答を改変させる治療成分または薬物成分とコンジュゲートさせることができる。治療成分および薬物成分は、古典的な化学治療剤に限定されると解釈されるべきでない。例えば、薬物成分は、所望の生物学的活性を有するタンパク質またはポリペプチドとすることができる。そのようなタンパク質としては、例えば、次のものが挙げられる:アブリン、リシンA、シュードモナス(pseudomonas)外毒素、コレラ毒素もしくはジフテリア毒素などの毒素;腫瘍壊死因子、α-インターフェロン、β-インターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノーゲン活性化因子などのタンパク質;アポトーシス誘発剤(apoptotic agent)、例えば、TNF-α、TNF-β、AIM I(国際公開WO 97/33899号を参照)、AIM II(国際公開WO 97/34911号を参照)、Fasリガンド(Takahashiら, 1994, J. Immunol., 6:1567-1574)およびVEGI(国際公開WO 99/23105号を参照);血栓症剤(thrombotic agent)もしくは抗血管新生剤(antiangiogenic agent)、例えば、アンジオスタチン、エンドスタチンもしくは凝集経路の成分(例えば、組織因子);または生物学的応答調節物質、例えばリンホカイン(例えば、インターロイキン-1(「IL-1」)、インターロイキン-2(「IL-2」)、インターロイキン-6(「IL-6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM-CSF」)および顆粒球コロニー刺激因子(「G-CSF」)、成長因子(例えば、成長ホルモン(「GH」);または凝集剤、例えば、カルシウム、ビタミンK、組織因子(例えば、ハーゲマン(Hageman)因子(XII因子)、高分子キニノゲン(HMWK)、プレカリクレイン(PK)、凝集タンパク質-II因子(プロトロンビン)、V因子、XIIa因子、VIII因子、XIIIa因子、XI因子、XIa因子、IX因子、IXa因子、X因子、リン脂質、フィブリノーゲンのα鎖およびβ鎖由来のフィブリノペプチドAおよびB、フィブリンモノマー)。
【0252】
さらに、抗体は、α線放射体(例えば213Bi)などの放射性金属イオンのような治療成分に、または放射性金属イオン(限定するものではないが、131In、131LU、131Y、131Ho、131Smなど)をポリペプチドとコンジュゲートさせるのに有用な大環状キレート剤にコンジュゲートさせることができる。特定の実施形態では、その大環状キレート剤は、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(DOTA)であり、これはリンカー分子を介して抗体に結合させることができる。そのようなリンカー分子は当業界で一般に知られており、Denardoら, 1998, Clin Cancer Res. 4(10):2483-90; Petersonら, 1999, Bioconjug. Chem. 10(4):553-7;およびZimmermanら, 1999, Nucl. Med. Biol. 26(8):943-50(それぞれ、参照によりそれらの全体が組み込まれるものとする)に記載されている。
【0253】
治療成分を抗体にコンジュゲートさせるための技法は周知であり、例えば、Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy, Reisfeldら(編), p.p.243-56 (Alan R. Liss, Inc. 1985)のArnonら, “Monoclonal Antibodies or Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy”; Controlled Drug Delivery (第2版), Robinsonら(編), p.p.623-53 (Marcel Dekker, Inc. 1987)のHellstromら, “Antibodies For Drug Delivery”; Monoclonal Antibodies 84: Biological And Clinical Applications, Pincheraら (編), p.p.475-506 (1985)のThorpe, “Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review”; Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy, Baldwinら (編), p.p.303-16 (Academic Press 1985)の“Analysis, Results, And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy”;およびThorpeら, 1982, Immunol. Rev. 62:119-58に記載されている。
【0254】
あるいはまた、Segalにより米国特許第4,676,980号(これは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)に記載されるように、抗体を二次抗体にコンジュゲートさせて、抗体ヘテロコンジュゲートを形成させてもよい。
【0255】
抗体またはそのフラグメントにコンジュゲートされる治療成分または薬物は、被験者の特定の疾患に対して所望の予防効果または治療効果を達成するように選択すべきである。医師または他の医療従事者は、抗体またはそのフラグメントにコンジュゲートさせようとする治療成分または薬物を決定する際に、次のことを考慮すべきである:疾患の性質、疾患の重症度、および被験者の状態。
【0256】
また、抗体は、固相支持体に結合させることも可能であり、これはイムノアッセイまたは標的抗原の精製に特に有用である。そのような固相支持体としては、限定するものではないが、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリプロピレンが挙げられる。
【0257】
2.10 本発明の抗体の用途
本発明は、対象の抗体を効率的にヒト化するための方法を提供する。本発明のヒト化抗体は、疾患またはその1つ以上の症状を治療、管理、予防または改善するために、単独で、または他の予防剤もしくは治療剤と組み合わせて使用することができる。
【0258】
本発明は、疾患の予防、管理、治療または改善方法であって、それを必要とする被験者に、1種以上の本発明の抗体を単独で、または本発明の抗体以外の1種以上の他の治療薬(例えば1種以上の予防剤もしくは治療剤)と組み合わせて投与することを含む上記方法を提供する。また、本発明は、1種以上の本発明の抗体と、本発明の抗体以外の1種以上の予防剤もしくは治療剤とを含む組成物、ならびに前記組成物を用いて疾患またはその1つ以上の症状を予防、管理、治療または改善する方法も提供する。治療剤または予防剤としては、限定するものではないが、小分子、合成薬物、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸(例えばDNAおよびRNAヌクレオチド、限定するものではないが、アンチセンスヌクレオチド配列、三本鎖らせん構造体、RNAi、および生物学的に活性なタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む)、抗体、合成もしくは天然の無機分子、ミメティック剤、および合成もしくは天然の有機分子が挙げられる。
【0259】
疾患またはその1つ以上の症状の予防、管理、治療または改善に有用であることが知られている、またはこれまで使用されてきたか現在使用されている治療剤であれば、いずれも、本発明にしたがって、本発明の抗体と組み合わせて使用することができる。疾患またはその1つ以上の症状の予防、管理、治療または改善にこれまで使用されてきたか現在使用されている治療薬(または予防剤または治療剤)に関する情報については、例えば、Gilmanら, Goodman and Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 第10版, McGraw-Hill, New York, 2001;The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, Berkow, M.D.ら (編), 第17版, Merck Sharp & Dohme Research Laboratories, Rahway, NJ, 1999;Cecil Textbook of Medicine, 第20版, Bennett and Plum (編), W.B. Saunders, Philadelphia, 1996を参照されたい。そのような薬剤の例としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:免疫調整剤、抗炎症剤(例えば、アドレノコルチコイド、コルチコステロイド(例えば、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、メチルプレドニソロン、プレドニソロン、プレドニソン、ヒドロコルチゾン)、グルココルチコイド、ステロイド、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、およびCOX-2阻害剤)、疼痛緩和剤、ロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、モンテルカスト、メチルキサンチン、ザフィルルカストおよびジロイトン)、β2-アゴニスト(例えば、アルブテロール、ビテロール、フェノテロール、イソエタリン、メタプロテレノール、ピルブテロール、サルブタモール、テルブタリンホルメテロール、サルメテロール、およびサルブタモールテルブタリン)、抗コリン作動薬(例えば、臭化イプラトリピウムおよび臭化オキシトロピウム)、スルファサラジン、ペニシラミン、ダプソン、抗ヒスタミン剤、抗マラリア剤(例えば、ヒドロキシクロロキン)、抗ウイルス剤、ならびに抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(従来名はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))。
【0260】
本発明のヒト化抗体は、特定の抗原に対して直接使用することができる。いくつかの実施形態において、本発明の抗体は、その抗体が結合する細胞の溶解を媒介することができるサブクラスまたはアイソタイプに属する。特定の実施形態において、本発明の抗体は、細胞表面タンパク質と複合化すると、ナチュラルキラー細胞またはマクロファージなどのエフェクター細胞を活性化することにより、血清補体を活性化しかつ/または抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を媒介するサブクラスまたはアイソタイプに属する。
【0261】
抗体の生物学的活性は、その抗体分子の定常ドメインまたはFc領域によってかなり決定されることが知られている(UananueおよびBenacerraf, Textbook of Immunology, 第2版, Williams & Wilkins, p. 218 (1984))。これには、白血球によりもたらされる補体活性化能力および抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を媒介する能力が含まれる。異なるクラスおよびサブクラスの抗体はこの点に関して異なり、同じサブクラス由来であるが異なる生物種由来の抗体もそうである。本発明によれば、所望の生物学的活性を有するクラスの抗体が調製される。これらの抗体の調製には、公知の技法による抗体定常ドメインの選択およびそれらのヒト化抗体での取込みが含まれる。例えば、IgG3クラスおよびlgG2aクラスのマウス免疫グロブリンは、コグネイト抗原を発現する標的細胞に結合すると、血清補体を活性化することができ、したがって、IgG3およびlgG2aエフェクター機能を取り込んだヒト化抗体は、特定の治療用途に望ましい。
【0262】
一般に、IgG2aおよびIgG3サブクラス、ならびに場合によってはIgG1サブクラスのマウス抗体はADCCを媒介することができ、またIgG3、IgG2a、およびIgMサブクラスの抗体は血清補体に結合してそれを活性化する。通常、補体の活性化には、少なくとも2つのIgG分子が標的細胞上で近接して結合する必要がある。しかし、IgM分子はたった1つの分子の結合で血清補体を活性化する。
【0263】
補体活性化および/またはADCCにより標的細胞の溶解を媒介する特性の抗体の能力は、アッセイすることができる。対象となる細胞を増殖させ、in vitroで標識する。抗体を、抗原−抗体複合体により活性化し得る血清補体または免疫細胞のいずれかと組み合わせて、細胞培養物に添加する。標的細胞の細胞溶解は、溶解した細胞からの標識の放出により検出される。実際、抗体は、補体および/または免疫細胞の供給源として患者自身の血清を使用してスクリーニングすることができる。その後、in vitro試験において補体を活性化するかまたはADCCを媒介することができる抗体を、その特定の患者において治療に使用する。
【0264】
特定の用途ではIgM抗体を使用することが好ましい場合があるが、IgG分子は、それよりも小さいので、ある種のタイプの感染細胞にIgM分子よりも局在化させやすいかもしれない。
【0265】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、患者を受動免疫するのに有用である。
【0266】
また、本発明の抗体は、被験者内または生物学的サンプル(例えば、細胞または組織)中での抗原の発現を検出/同定するためのin vivoまたはin vitro診断アッセイにおいて使用することも可能である。抗体、そのフラグメント、または抗体もしくはそのフラグメントを含む組成物の、診断アッセイにおける非限定的な使用例は、米国特許第6,392,020号;第6,156,498号;第6,136,526号;第6,048,528号;第6,015,555号;第5,833,988号;第5,811,310号;第8 5,652,114号;第5,604,126号;第5,484,704号;第5,346,687号;第5,318,892号;第5,273,743号;第5,182,107号;第5,122,447号;第5,080,883号;第5,057,313号;第4,910,133号;第4,816,402号;第4,742,000号;第4,724,213号;第4,724,212号;第4,624,846号;第4,623,627号;第4,618,486号;第4,176,174号(それらは全て、参照により本明細書に組み入れられる)に記載されている。抗原およびその抗体についての好適な診断アッセイは、使用する特定の抗体に依存する。非限定的な例は、ELISA、サンドイッチアッセイ、および立体構造阻害(steric inhibition)アッセイである。本発明の抗体を用いるin vivo診断アッセイでは、その抗体を、X線、コンピューター連動断層撮影(CT)、超音波、または磁気共鳴イメージング(MRI)などのイメージング法により検出することができる標識にコンジュゲートさせる。また、本発明の抗体は、抗原を組換え細胞培養物または天然の供給源からアフィニティ精製するのに使用することも可能である。
【0267】
2.11 投与および製剤
本発明は、疾患の診断、検出、またはモニタリングにおいて、疾患もしくはその1つ以上の症状の予防、治療、管理、または改善において、および/または研究において使用するための本発明の抗体を含む組成物を提供する。具体的な実施形態では、組成物は本発明の抗体を1種以上含んでなる。別の実施形態では、組成物は1種以上の本発明の抗体および本発明の抗体以外の1種以上の予防薬または治療薬を含んでなる。好ましくは、予防薬または治療薬は、疾患もしくはその1つ以上の症状の予防、治療、管理または改善において有用であることが知られているか、それらに用いられてきたかあるいは現在用いられているものである。これらの実施形態によれば、該組成物は担体、希釈剤または賦形剤をさらに含んでもよい。
【0268】
本発明の組成物としては、限定するものではないが、医薬組成物の製造に有用なバルク薬物組成物(例えば不純なまたは未滅菌の組成物)、および単位剤形の調製に用いることができる医薬組成物(すなわち、被験者または患者への投与に好適な組成物)が挙げられる。このような組成物は、予防もしくは治療に有効な量の、本明細書中に開示した予防薬および/または治療薬あるいはそれらの薬剤の組合せ、ならびに製薬上許容される担体を含んでなる。好ましくは、本発明の組成物は医薬組成物であり、有効量の1種以上の本発明の抗体、製薬上許容される担体、および場合によっては、有効量の別の予防薬もしくは治療薬を含んでなる。
【0269】
医薬組成物は経口投与剤形または非経口投与剤形として、即時放出または持続放出のために製剤化することができる。該組成物は医薬製剤に通常用いられる不活性な成分、例えば希釈剤、充填剤、崩壊剤、甘味料、滑沢剤および香料などを含むことができる。医薬組成物は好ましくは静脈内投与(ボーラス注射もしくは持続滴下のいずれかによる)のために、または移植したカプセルからの放出のために製剤化される。静脈内投与用の典型的な製剤には希釈剤として生理食塩水を用いる。
【0270】
本発明の抗体のFabまたはFab’部分もまた、治療用有効成分として用いることができる。これら抗体フラグメントの調製は当技術分野で周知である。
【0271】
本発明の組成物はまた、抗体を治療薬として投与しうるための臨床上の指示、投与量および投与スケジュール、ならびに/または患者への本発明の抗体の投与に対する禁忌を記載した印刷物を含むことができる。
【0272】
本発明の組成物としては、限定するものではないが、医薬組成物の製造に有用なバルク薬物組成物(例えば不純なまたは未滅菌の組成物)、および単位剤形の調製に用いることができる医薬組成物(すなわち、被験者または患者への投与に好適な組成物)が挙げられる。このような組成物は、予防もしくは治療に有効な量の、本明細書中に開示した予防薬および/または治療薬あるいはそれらの薬剤の組合せ、ならびに製薬上許容される担体を含んでなる。好ましくは、本発明の組成物は医薬組成物であり、有効量の1種以上の本発明の抗体、製薬上許容される担体、および場合によっては、有効量の別の予防薬もしくは治療薬を含んでなる。
【0273】
具体的な実施形態では、「製薬上許容される」との用語は、連邦政府もしくは州政府の監督官庁に承認された、または米国薬局方もしくは動物(特にヒト)での使用のための他の広く認識された薬局方に挙げられていることを意味する。「担体」との用語は、希釈剤、アジュバント(例えばフロイント・アジュバント(完全または不完全))、賦形剤またはビヒクル(それと共に治療薬を含有するかまたは投与する)を指す。そのような医薬用担体は、無菌液体(例えば水または油(例えば石油、動物、植物もしくは合成由来の、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱物油、ゴマ油など))であってよい。医薬組成物を静脈内に投与するならば、水が好ましい担体である。生理食塩水ならびにデキストロースおよびグリセロール水溶液もまた、特に注射用溶液のために、液体担体として用いることができる。好適な製薬用賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。該組成物は、所望であれば、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含むこともできる。これらの組成物は、溶液剤、懸濁液剤、乳濁液剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末剤、持続放出製剤などの剤形を採ることができる。
【0274】
一般的には、本発明の組成物の成分は、別々かまたは単位剤形に一緒に混合して、例えば凍結乾燥粉末もしくは水を含まない濃縮物として密閉容器(例えば活性薬剤の量を表示したアンプルもしくは小袋)中に供給する。組成物が点滴による投与のためのものである場合には、無菌医薬グレードの水または生理食塩水を含有する点滴瓶を用いて提示することができる。組成物を注射により投与する場合には、注射用の滅菌水または生理食塩水のアンプルを提示することができ、それにより投与前に成分を混合してもよい。
【0275】
本発明の組成物は、非荷電の、または塩の形態で製剤化することができる。製薬上許容される塩としては、例えば塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などから誘導されるもののようなアニオンを用いて形成したもの、および例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどのカチオンを用いて形成したものが挙げられる。
【0276】
種々の送達システムが公知であり、本発明の1以上の抗体、または本発明の1以上の抗体と、疾患もしくはその1以上の症状を予防、管理、治療または改善するのに有用な予防薬もしくは治療薬との組合せを投与するために用いることができる(例えば、リポソーム、微小粒子、マイクロカプセルへのカプセル化、抗体もしくは抗体フラグメントを発現可能な組換え細胞、受容体介在エンドサイトーシス(例えばWu および Wu, J. Biol. Chem. 262:4429-4432 (1987)を参照)、レトロウイルスその他のベクターの一部としての核酸の構築など)。本発明の予防薬または治療薬を投与する方法としては、限定するものではないが、非経口投与(例えば皮内、筋内、腹腔内、静脈内および皮下)、硬膜外投与、腫瘍内投与、および粘膜投与(例えば鼻腔内および口腔内経路)が挙げられる。さらに、例えば吸入器もしくは噴霧器を用い、エアロゾル化剤と共に製剤化することにより、肺内投与を用いることができる。例えば、米国特許第6,019,968号、同第5,985,320号、同第5,985,309号、同第5,934,272号、同第5,874,064号、同第5,855,913号、同第5,290,540号、および同第4,880,078号;ならびに、PCT 公開公報WO 92/19244号、同WO 97/32572号、同WO 97/44013号、同WO 98/31346号、および同WO 99/66903号を参照のこと(これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる)。一実施形態では、本発明の抗体、組合せ治療剤、または本発明の組成物を、Alkermes AIRTM 肺内薬剤送達技術(Alkermes, Inc., Cambridge, MA)を用いて投与する。具体的な実施形態では、本発明の予防薬または治療薬を、筋内に、静脈内に、腫瘍内に、経口的に、鼻腔内に、肺内に、または皮下に投与する。予防薬または治療薬は、いずれの都合のよい経路によって投与してもよく、例えば点滴もしくはボーラス注射によって、上皮もしくは皮膚粘膜(例えば口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)を介した吸収により投与してもよく、また他の生物学的活性薬剤と共に投与してもよい。投与は全身的でも局所的でもよい。
【0277】
具体的な実施形態では、本発明の予防薬または治療薬を、治療を必要とする部位に局所的に投与することが望ましく、これは例えば、限定するものではないが、局所注入(注射によって、またはインプラントによって(該インプラントは、メンブレンおよびマトリックス(例えばシラスティックメンブレン、ポリマー、繊維性マトリックス(例えばTissuel(登録商標))またはコラーゲンマトリックス)をはじめとする多孔性もしくは非多孔性材料によりなる))によって達成することができる。一実施形態では、本発明アンタゴニストの1以上の抗体の有効量を、疾患もしくはその症状を予防、治療、管理および/または改善するために被験者に対して罹患部位に局所的に投与する。別の実施形態では、本発明の1以上の抗体の有効量を、疾患またはその1以上の症状を予防、治療、管理、および/または改善するために、被験者に対して、本発明の抗体とは別の1以上の治療剤(例えば1以上の予防薬または治療薬)の有効量と組み合わせて罹患部位に局所的に投与する。
【0278】
別の実施形態では、予防薬または治療薬を、制御放出もしくは持続放出システムで送達することができる。一実施形態では、制御放出または持続放出を実現するためにポンプを用いてもよい(Langer, 上掲;Sefton, 1987, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:20;Buchwald ら, 1980, Surgery 88:507;Saudek ら, 1989, N. Engl. J. Med. 321:574 参照)。別の実施形態では、本発明の治療剤の制御放出または持続放出を実現するためにポリマー材料を用いることができる(例えば、Medical Applications of Controlled Release, Langer and Wise (編), CRC Pres., Boca Raton, Florida (1974);Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance, Smolen and Ball (編), Wiley, New York (1984);Ranger および Peppas, 1983, J., Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. 23:61;Levyら, 1985, Science 228:190;Duringら, 1989, Ann. Neurol. 25:351;Howardら, 1989, J. Neurosurg. 7 1:105;米国特許第5,679,377号;同第5,916,597号;同第5,912,015号;同第5,989,463号;同第5,128,326号;PCT 公開公報WO 99/15154号;および同WO 99/20253号を参照されたい)。持続放出製剤に用いるポリマーの例としては、限定するものではないが、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレンコビニルアセテート)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ酸無水物、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチドコグリコリド)(PLGA)、およびポリオルトエステルが挙げられる。好ましい実施形態では、持続放出製剤に用いるポリマーは、不活性で、濾過の必要な不純物を含まず、保存において安定であり、無菌で、かつ生分解性である。また別の実施形態では、制御放出または持続放出システムを予防または治療の標的の近傍に配置し、したがって全身容量の一部しか必要としないようにすることができる(例えば、Goodson, Medical Applications of Controlled Release, 上掲, vol. 2, pp. 115-138 (1984) 参照)。
【0279】
制御放出システムはLanger(1990, Science 249:1527-1533)による総説中で考察されている。当業者に公知のいずれの技術をも、本発明の1以上の治療薬を含んでなる持続放出製剤の製造に用いることができる。例えば、米国特許第4,526,938号、PCT公開公報WO 91/05548号、同WO 96/20698号、Ning ら, 1996, “Intratumoral Radioimmunotheraphy of a Human Colon Cancer Xenograft Using a Sustained Release Gel,” Radiotherapy & Oncology 39:179 189、Song ら, 1995, “Antibody Mediated Lung Targeting of Long Circulating Emulsions,” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 50:372 397、Cleek ら, 1997, “Biodegradable Polymeric Carriers for a bFGF Antibody for Cardiovascular Application,” Pro. Int’l. Symp. Control. Rel. Bioact. Mater. 24:853 854、および Lam ら, 1997, “Microencapsulation of Recombinant Humanized Monoclonal Antibody for Local Delivery,” Proc. Int’l. Symp. Control Rel. Bioact. Mater. 24:759 760 を参照されたい(これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる)。
【0280】
具体的な実施形態では、本発明の組成物が予防薬または治療薬をコードする核酸である場合、該核酸は、それを適当な核酸発現ベクターの一部として構築し、それが細胞内に入るように投与することにより(例えばレトロウイルスベクターを用いることにより(米国特許第4,980,286号参照)、または直接注入により、または微小粒子衝撃(例えば遺伝子銃;Biolistic, Dupont)もしくは脂質、細胞表面受容体もしくはトランスフェクション試薬によるコーティングを用いることにより、または核に侵入することが知られているホメオボックス様ペプチドと連結して投与することにより(例えばJoliot ら, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:1864-1868参照))、それがコードする予防薬または治療薬の発現を促進するためにin vivo投与することができる。あるいはまた、核酸を細胞内に導入し、相同組換えによって発現のために宿主細胞DNA内に組み込むことができる。
【0281】
本発明の医薬組成物は、所望の投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例としては、限定するものではないが、非経口(例えば静脈内)、皮内、皮下、経口、鼻腔内(例えば吸入)、経皮(例えば局所)、経粘膜、および直腸投与が挙げられる。具体的な実施形態では、該組成物をヒトに対する静脈内、皮下、筋内、経口、鼻腔内、または局所投与に適合する医薬組成物として通常の方法に従って製剤化する。典型的には、静脈内投与のための組成物は無菌等張水性緩衝液中の溶液である。必要であれば、該組成物は可溶化剤および局所麻酔薬(例えば注射の部位での痛みを和らげるためのリグノカイン)を含有してもよい。
【0282】
本発明の組成物が局所的に投与するためのものであるならば、該組成物は軟膏、クリーム、経皮パッチ、ローション、ジェル、シャンプー、スプレー、エアロゾル、溶液、懸濁液の剤形、または当業者に周知の他の剤形で製剤化することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms, 第19版, Mack Pub. Co., Easton, PA (1995) を参照のこと。非スプレー式局所用投与剤形のためには、局所適用に適合する担体もしくは1以上の賦形剤を含んでなり、好ましくは水より高い動的粘度を有する、粘性から半固体または固体形状を典型的に用いる。好適な製剤としては、限定するものではないが、溶液剤、懸濁液剤、乳濁液剤、クリーム剤、軟膏剤(ointment)、粉末剤、リニメント剤、軟膏(salve)などが挙げられ、それらは所望であれば、滅菌するかまたは、例えば浸透圧のような種々の性質に影響する補助剤(例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤、緩衝剤もしくは塩)と混合する。他の好適な局所用投与剤形としては、スプレー用エアロゾル製剤が挙げられ、ここで有効成分(好ましくは固体または液体不活性担体と組み合わされている)は、加圧揮発性物質(例えばフレオンのような気体状噴射剤)と混合してつめるか、または搾り出し用容器中につめる。保湿剤または湿潤剤もまた、所望であれば医薬組成物および投与剤形に含めることができる。そのような付加的な成分の例は、当技術分野で周知である。
【0283】
本発明の方法が組成物の鼻腔内投与を含むものならば、組成物はエアロゾル剤形、スプレー、ミストまたは液滴の剤形で製剤化することができる。特に、本発明の使用のための予防薬または治療薬は、好適な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガス)を使用して、加圧容器または噴霧器からのエアロゾルスプレーの剤形で、都合よく送達することができる。加圧エアロゾルの場合、単位投与量は計量送達用のバルブを与えることにより測定することができる。吸入器または散布器での使用のためのカプセルまたはカートリッジ(例えばゼラチンによりなる)は、化合物と、好適な粉末状基材(例えばラクトースまたはデンプン)との粉末混合物を含有して製剤化することができる。
【0284】
本発明の方法が経口投与を含むものならば、組成物を錠剤、カプセル剤、カシェ剤、ゲルカップ剤、溶液剤、懸濁液剤などの剤形で、経口用に製剤化することができる。錠剤またはカプセル剤は、以下のもののような製薬上許容される賦形剤と共に通常の方法により調製することができる:結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えばラクトース、微結晶性セルロース、またはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、またはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)。錠剤は、当技術分野で周知の方法でコーティングすることができる。経口投与用の液体製剤は、限定するものではないが、溶液、シロップもしくは懸濁液の剤形をとることができ、またはそれらは使用前に水もしくは他の好適なヒビクルで調製するための粉末製品として提示してもよい。そのような液体製剤は、以下のもののような製薬上許容される添加剤と共に、通常の方法を用いて調製することができる:懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または硬化食用脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアラビアゴム);非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油エステル、エチルアルコール、または分留植物油);および保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸)。製剤はまた、緩衝塩、香料、着色料、および甘味料を適宜含有することができる。経口投与用の製剤は、好適には予防薬または治療薬の遅延放出、制御放出、または持続放出用に製剤化することができる。
【0285】
本発明の方法は、エアロゾル化剤と共に製剤化した組成物の、例えば吸入器または噴霧器を用いた肺内投与を含むことができる。例えば、米国特許第6,019,968号、同第5,985, 320号、同第5,985,309号、同第5,934,272号、同第5,874,064号、同第5,855,913号、同第5,290,540号、および同第4,880,078号;並びにPCT公開公報WO 92/19244号、同WO 97/32572号、同WO 97/44013号、同WO 98/31346号、および同WO 99/66903号を参照のこと(これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる)。具体的な実施形態では、本発明の抗体、組合せ治療剤、および/または本発明の組成物を、Alkermes AIRTM 肺内薬剤送達技術(Alkermes, Inc., Cambridge, MA)を用いて投与する。
【0286】
本発明の方法は、注入による(例えばボーラス注射または連続注入による)非経口投与のために製剤化した組成物の投与を含んでもよい。注入のための製剤は、添加された保存料を含む単位剤形で(例えばアンプル中に、または複数用量容器中に)提示することができる。組成物は油性もしくは水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンのような剤形を採ることができ、また懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤のような医薬用試薬を含有してもよい。あるいはまた、有効成分は使用前に好適なビヒクル(例えば、無菌で、発熱物質フリーの水)を用いて調製するための粉末形態であってもよい。
【0287】
本発明の方法はさらに、デポー製剤として製剤化した組成物の投与を含んでもよい。そのような長期作用製剤は、インプランテーション(例えば皮下、または筋内への)により、または筋内注射により投与してもよい。したがって、例えば、組成物を好適なポリマー性もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂と共に、あるいは難溶性誘導体として(例えば難溶性塩として)製剤化してもよい。
【0288】
本発明の方法は、中性または塩の形態で製剤化した組成物の投与を包含する。製薬上許容される塩としては、例えば塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などから誘導されるもののようなアニオンを用いて形成したもの、および例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどのカチオンを用いて形成したものが挙げられる。
【0289】
一般的には、組成物の成分は、別々かまたは単位剤形に一緒に混合して、例えば凍結乾燥粉末もしくは水を含まない濃縮物として、密閉容器(例えば活性薬剤の量を表示したアンプルもしくは小袋)中に供給する。投与の形式が点滴である場合には、無菌医薬グレードの水または生理食塩水を含有する点滴瓶を用いて組成物を提供することができる。投与の形式が注射である場合には、注射用の滅菌水または生理食塩水のアンプルを提供することができ、それにより投与前に成分を混合してもよい。
【0290】
特に、本発明はまた、本発明の予防薬もしくは治療薬、または医薬組成物が、薬剤の量を表示したアンプルまたは小袋のような密閉容器中に封入されていることを規定する。一実施形態では、本発明の1以上の予防薬もしくは治療薬、または医薬組成物を、密閉容器中の無菌凍結乾燥粉末もしくは水を含まない濃縮物として供給し、そして被験者への投与に適当な濃度にまで(例えば水または生理食塩水を用いて)再調製することができる。好ましくは、本発明の1以上の予防薬もしくは治療薬、または医薬組成物は、密閉容器中の無菌凍結乾燥粉末として、すくなくとも5mg、より好ましくは少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも75mg、または少なくとも100mgの単位投与量で供給される。凍結乾燥した本発明の予防薬もしくは治療薬または医薬組成物は、そのもともとの容器中で、2℃〜8℃の間で保存しなければならず、また本発明の予防薬もしくは治療薬または医薬組成物は、再調製後1週間以内、好ましくは5日以内、72時間以内、48時間以内、24時間以内、12時間以内、6時間以内、5時間以内、3時間以内、または1時間以内に投与しなければならない。別の実施形態では、本発明の1以上の予防薬もしくは治療薬または医薬組成物は、薬剤の量および濃度を表示した密閉容器中に液状で供給される。好ましくは、投与される液状の組成物は、密閉容器中に、少なくとも0.25mg/ml、より好ましくは少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/kg、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/ml、または少なくとも100mg/mlで供給される。液状組成物はそのもともとの容器中で、2℃〜8℃の間で保存しなければならない。
【0291】
一般的には、本発明の組成物の成分は、その組成物のレシピエントと同じ種に由来するか同じ種反応性である被験者から誘導したものである。したがって、好ましい実施形態では、治療または予防のためには、ヒト患者に対してはヒト抗体またはヒト化抗体を投与する。
【0292】
2.11.1 遺伝子治療
具体的な実施形態では、本発明の抗体または本発明の別の予防薬もしくは治療薬をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を、遺伝子治療によって疾患もしくはその1以上の症状を治療、予防、管理、または改善するために投与する。遺伝子治療とは、発現されるかまたは発現されうる核酸の、被験者への投与により行われる治療を指す。本発明のこの実施形態では、核酸は、それがコードする本発明の抗体または予防薬もしくは治療薬(予防効果もしくは治療効果を媒介する)をもたらす。
【0293】
当技術分野で利用可能な遺伝子治療のための方法のいずれをも、本発明に従って用いることができる。遺伝子治療の方法の一般的な総説としては、Goldspiel ら, 1993, Clinical Pharmacy 12:488-505;Wu および Wu, 1991, Biotherapy 3:87-95;Tolstoshev, 1993, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 32:573-596;Mulligan, Science 260:926-932 (1993);ならびに Morgan および Anderson, 1993, Ann. Rev. Biochem. 62:191-217;May, 1993, TIBTECH 11(5):155-215 を参照されたい。用いることのできる組換えDNA技術の分野で公知の方法は、Ausubel ら (編), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NY (1993);および Kriegler, Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual, Stockton Press, NY (1990) に記載されている。
【0294】
一実施形態では、本発明の方法は本発明の抗体または別の予防薬もしくは治療薬をコードする核酸配列を含んでなる組成物の投与を含み、該核酸は本発明の抗体、別の予防薬もしくは治療薬、またはそのフラグメントもしくはキメラタンパク質または重鎖もしくは軽鎖を、好適な宿主内で発現する発現ベクターの一部である。特に、そのような核酸は、抗体コード領域と機能的に連結されたプロモーター(好ましくは異種起源プロモーター)を有し、該プロモーターは誘導的または構成的であり、また場合によっては組織特異的である。別の実施形態では、本発明の抗体または別の予防薬もしくは治療薬のコード配列および他の所望の配列が、ゲノム中の所望の部位での相同組換えを促進する領域に連結されており、それにより抗体をコードする核酸の染色体内発現が可能になる状態で、核酸分子を用いる(Koller および Smithies, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:8932-8935;Zijlstra ら, 1989, Nature 342:435-438)。具体的な実施形態では、発現される抗体または他の予防薬もしくは治療薬は一本鎖抗体であり;あるいはまた、核酸配列は本発明の抗体または別の予防薬もしくは治療薬の重鎖および軽鎖の両方、またはそれらのフラグメントをコードする配列を含む。
【0295】
被験者への核酸の送達は、直接的(この場合、被験者を核酸または核酸輸送ベクターに直接的に曝露させる)、または間接的(この場合、まずin vitroで核酸を用いて細胞を形質転換し、その後被験者に移植する)のいずれでもよい。これらの2つのアプローチは、それぞれin vivoまたはex vivo遺伝子治療として公知である。
【0296】
具体的な実施形態では、核酸配列をin vivoで直接的に投与し、この場合にはそれが発現して、コードされた産物を産生する。これは、当技術分野で公知の多数の方法のいずれによっても実現することができ、例えばそれらを適当な核酸発現ベクターの一部として構築し、それを投与してそれらが細胞内に入るようにすることによって(例えば欠損または弱毒レトロウイルスもしくは他のウイルスベクターを用いた感染により(米国特許第4,980,286号参照)、または裸のDNAの直接注入により、または微小粒子衝撃(例えば遺伝子銃;Biolistic, Dupont)もしくは脂質、細胞表面受容体もしくはトランスフェクション試薬によるコーティング、リポソーム、微小粒子もしくはマイクロカプセルへのカプセル化を用いることにより、または核に侵入することが知られているペプチドと連結して投与することにより、受容体介在エンドサイトーシスに供されるリガンドと連結して投与することにより(例えば、Wu および Wu, 1987, J. Biol. Chem. 262:4429-4432 参照)(この方法は受容体を特異的に発現する標的細胞型に対して用いることができる))行うことができる。別の実施形態では、核酸−リガンド複合体を形成させ、ここで該リガンドはエンドソームを阻害する融合性(fusogenic)ウイルスペプチドを含むものであり、それにより核酸がリソソーム性分解を回避できるようにすることができる。また別の実施形態では、特異的な受容体を標的化することにより、細胞特異的な取り込みおよび発現のために核酸をin vivoで標的化することができる(例えば、国際公開公報WO 92/06180号;同WO 92/22635号;同W092/20316号;同W093/14188号;および同WO 93/20221号を参照)。あるいはまた、核酸を細胞内に導入し、相同組換えによって、発現のために宿主細胞DNAに組み込むことができる(Koller および Smithies, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:8932-8935;および Zijlstra ら, 1989, Nature 342:435-438)。
【0297】
具体的な実施形態では、本発明の抗体、別の予防薬もしくは治療薬、またはそれらのフラグメントをコードする核酸配列を含んでなるウイルスベクターを用いる。例えば、レトロウイルスベクターを用いることができる(Miller ら, 1993, Meth. Enzymol. 217:581-599 参照)。これらのレトロウイルスベクターは、ウイルスゲノムの適正なパッケージングおよび宿主細胞DNAへの組み込みのために必要なエレメントを含んでなる。遺伝子治療に用いるための本発明の抗体または別の予防薬もしくは治療薬をコードする核酸配列は、被験者への遺伝子の送達を容易にする1以上のベクター内にクローニングされる。レトロウイルスベクターについての詳細は、Boesen ら, 1994, Biotherapy 6:291-302 中に見出すことができ、これは、化学療法に対してより耐性な幹細胞を作製する目的で、造血幹細胞にmdr 1遺伝子を送達するためのレトロウイルスベクターの使用について記載している。遺伝子治療におけるレトロウイルスベクターの使用を例示している他の引用文献は、以下のものである:Clowes ら, 1994, J. Clin. Invest. 93:644-651;Klein ら, 1994, Blood 83:1467-1473;Salmons および Gunzberg, 1993, Human Gene Therapy 4:129-141;ならびに Grossman および Wilson, 1993, Curr. Opin. in Genetics and Devel. 3:110-114。
【0298】
アデノウイルスは、遺伝子治療に用いることができる他のウイルスベクターである。アデノウイルスは、呼吸器系上皮に対して遺伝子を送達するために特に関心が持たれる運搬体である。アデノウイルスは、自然界で呼吸器上皮に感染し、そこで軽い疾患を引き起こす。アデノウイルスに基づく送達システムの他の標的は、肝臓、中枢神経系、内皮細胞および筋肉である。アデノウイルスは、非分裂細胞に感染することができるという利点を有する。Kozarsky および Wilson, 1993, Current Opinion in Genetics and Development 3:499-503 には、アデノウイルスに基づく遺伝子治療についての総説が示されている。Bout ら, 1994, Human Gene Therapy 5:3-10 では、アカゲザルの呼吸器上皮に対して遺伝子を導入するためのアデノウイルスベクターの使用を実証している。遺伝子治療におけるアデノウイルスの使用の他の例は、以下の文献中に見出すことができる:Rosenfeld ら, 1991, Science 252:431-434;Rosenfeld ら, 1992, Cell 68:143-155;Mastrangeli ら, 1993, J. Clin. Invest. 91:225-234;PCT 公開公報 W094/12649号;およびWang ら, 1995, Gene Therapy 2:775-783。好ましい実施形態では、アデノウイルスベクターを用いる。
【0299】
アデノ随伴ウイルス(AAV)もまた、遺伝子治療での使用が提案されている(Walsh ら, 1993, Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 204:289-300;および米国特許第5,436,146号)。
【0300】
遺伝子治療に対する別のアプローチは、エレクトロポレーション、リポフェクション、リン酸カルシウムを介したトランスフェクション、またはウイルス感染のような方法による組織培養物中の細胞への遺伝子の導入を含む。通常、導入の方法は、細胞への選択マーカーの導入を含む。細胞をその後、導入した遺伝子を取り込み、それを発現している細胞を単離するために選別にかける。そしてそれらの細胞を被験者に送達する。
【0301】
本実施形態では、核酸を細胞に導入し、その後結果として得られる組換え細胞のin vivoでの投与を行う。前記導入は、当技術分野で公知のいかなる方法を用いても行うことができ、そのような方法としては、限定するものではないが、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、核酸配列を含んでなるウイルスベクターまたはバクテリオファージベクターの感染、細胞融合、染色体仲介遺伝子導入、マイクロセル仲介遺伝子導入、スフェロプラスト融合などが挙げられる。細胞に外来性遺伝子を導入するための多数の技術が当技術分野で公知であり(例えば、Loeffler および Behr, 1993, Meth. Enzymol. 217:599-618;Cohen ら, 1993, Meth. Enzymol. 217:618-644;Clin. Pharma. Ther. 29:69-92 (1985) 参照)、レシピエント細胞の不可欠な発達および生理的機能を阻害しないで、本発明に従って用いることができる。該技術は、細胞への核酸の安定な導入を可能にし、それにより核酸が細胞により発現可能となり、かつ好ましくは遺伝してその細胞の子孫によっても発現可能とならなければならない。
【0302】
結果として得られる組換え細胞を、当技術分野で公知の種々の方法によって被験者に送達することができる。組換え血液細胞(例えば造血幹細胞または前駆細胞)は、好ましくは静脈内に投与する。使用を予定する細胞の量は、限定するものではないが、所望の効果および患者の病状をはじめとするいくつかの要因に依存し、当業者が決定することができる。
【0303】
遺伝子治療の目的で核酸を導入しうる細胞は、いずれの利用可能な細胞をも包含し、そのような細胞としては、限定するものではないが、上皮細胞、内皮細胞、表皮ケラチン細胞、繊維芽細胞、筋細胞、肝細胞;血液細胞(例えばTリンパ球、Bリンパ球、単球、マクロファージ、好中球、好酸球、肥満細胞、巨核球、顆粒球);種々の幹細胞または前駆細胞、特に造血幹細胞または前駆細胞(例えば骨髄、臍帯血、末梢血、胎児肝などから得られる)が挙げられる。好ましい実施形態では、遺伝子治療に用いる細胞は被験者の自己由来のものである。
【0304】
遺伝子治療に組換え細胞を用いる実施形態では、抗体またはそのフラグメントをコードする核酸配列を細胞内に導入し、それによりそれらを細胞もしくはその子孫により発現可能とし、そして組換え細胞を治療効果を求めてin vivo投与する。具体的な実施形態では、幹細胞または前駆細胞を用いる。単離およびin vitroでの維持が可能ないかなる幹細胞および/または前駆細胞も、潜在的には本発明のこの実施形態に従って用いうる(例えば、PCT 公開公報 WO 94/08598号;Stemple および Anderson, 1992, Cell 7 1:973-985;Rheinwald, 1980, Meth. Cell Bio. 21A:229;ならびに Pittelkow および Scott, 1986, Mayo Clinic Proc. 61:771 参照)。
【0305】
具体的な実施形態では、遺伝子治療の目的で導入するための核酸は、適当な転写誘導因子の存在または不在を制御することにより核酸の発現を制御可能とする、コード領域に機能的に連結された誘導可能プロモーターを含んでなる。
【0306】
2.12 投与量および投与回数
疾患もしくはその1以上の症状の治療、管理、予防または改善に有効であろう本発明の予防薬もしくは治療薬または組成物の量は、標準的な臨床実務により決定することができる。投与回数および投与量は、投与する具体的な治療剤または治療剤群(例えば具体的な治療薬または予防薬)、障害、疾患もしくは病状の重症度、投与経路、同様に年齢、体重、応答、患者の免疫状態、および患者の過去の医療履歴に依存する、各患者に特異的な因子に応じて変わるであろう。例えば、疾患もしくはその1以上の症状の治療、予防、管理、または改善に有効であろう本発明の予防薬もしくは治療薬または組成物の投与量は、動物モデル(例えば本明細書中に開示されているかまたは当業者に公知の動物モデル)に対して組成物を投与することにより決定することができる。さらに、場合によっては適正な投与量の範囲の特定を助けるためにin vitroアッセイを用いてもよい。好適な処方は、そのような因子を考慮することにより、また例えば文献に報告され、Physician’s Desk Reference (第57版, 2003) において推奨されている投与量に従って、当業者が選択することができる。
【0307】
本発明の予防および/または治療プロトコルの毒性および/または有効性は、細胞培養または実験動物において標準的な製薬上の手法によって測定することができ、例えばLD50(集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の50%で治療上有効な用量)を決定することにより、測定することができる。毒性作用と治療的作用との用量比が治療指数であり、これはLD50/ED50の比で表される。大きな治療指数を示す治療薬が好ましい。毒性副作用を示す治療薬を用いてもよいが、非感染細胞への起こりうるダメージを最小限にするために、そしてそれにより副作用を軽減するために、罹患組織の部位に対してそのような薬剤をターゲットする送達システムを設計することに留意すべきである。
【0308】
細胞培養アッセイおよび動物実験から得られるデータは、ヒトでの使用のための予防薬および/または治療薬の投与量の範囲を計画するのに用いることができる。そのような薬剤の投与量は、好ましくは毒性をほとんどまたは全く有しないED50を含む循環濃度の一定範囲内にある。投与量は、用いる投与剤形および用いる投与経路に依存して、この範囲内で変化しうる。本発明の方法で用いるいかなる治療に対しても、治療上有効な用量は、細胞培養アッセイから、まず見積もることができる。細胞培養で決定したIC50(すなわち、症状の最大半値阻害を実現する被験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を実現するために、動物モデルにおいて用量を設定してもよい。そのような情報は、ヒトで有効な用量をより精密に決定するために用いることができる。血漿中レベルは、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定してもよい。
【0309】
ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質、および抗体に関しては、患者に投与する投与量は、典型的には0.01mg/kg〜100mg/kg 患者体重である。好ましくは、患者に投与する投与量は、0.1mg/kg〜20mg/kg 患者体重、より好ましくは1mg/kg〜10mg/kg 患者体重である。一般的に、ヒト抗体およびヒト化抗体は、外来性ポリペプチドに対する免疫応答による他の生物種由来の抗体よりも、ヒト体内で長い半減期を有する。したがって、ヒト抗体は多くの場合、より少ない投与量およびより少ない投与回数が可能である。
【0310】
小分子の代表的な用量としては、被験者体重のキログラム当たりミリグラムまたはマイクログラム量の小分子(例えば、約1マイクログラム/キログラム〜約500ミリグラム/キログラム、約100マイクログラム/キログラム〜約5ミリグラム/キログラム、または約1マイクログラム/キログラム〜約50マイクログラム/キログラム)が挙げられる。
【0311】
予防薬または治療薬の投与量については、Physicians’ Desk Reference(第56版, 2002)中に記載されている。
【0312】
2.13 生物学的アッセイ
本発明の抗体またはそのフラグメントは、当業者に周知の種々の方法で特性決定することができる。特に、本発明の抗体またはそのフラグメントは、抗原に免疫特異的に結合する能力についてアッセイする。そのようなアッセイは、溶液中で(例えば、Houghten, 1992, Bio/Techniques 13:412 421)、ビーズ上で(Lam, 1991, Nature 354:82 84)、チップ上で(Fodor, 1993, Nature 364:555 556)、細菌上で(米国特許第5,223,409号)、胞子上で(米国特許第5,571,698号;同第5,403,484号;および同第5,223,409号)、プラスミド上で(Cull ら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:1865 1869)、またはファージ上で(Scott および Smith, 1990, Science 249:386 390;Cwirla ら, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6378 6382;および Felici, 1991, J. Mol. Biol. 222:301 310)行うことができる(これらの引用文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる)。特定された抗体またはそのフラグメントは、その後特異性および親和性についてアッセイすることができる。
【0313】
本発明の抗体またはそのフラグメントは、特異的抗原への免疫特異的結合および他の抗原との交差反応性について、当技術分野で公知のいずれの方法を用いてアッセイしてもよい。免疫特異的結合および交差反応性を解析するために用いることができるイムノアッセイとしては、限定するものではないが、いくつか挙げると、例えばウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイのような技術を用いた、競合的および非競合的アッセイ系が挙げられる。そのようなアッセイは、当技術分野で通常行われ、かつ周知のものである(例えば、Ausubel ら編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New York を参照、参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる)。代表的なイムノアッセイはセクション5.6に簡単に記載してある。
【0314】
本発明の抗体またはそのフラグメントはまた、宿主細胞の受容体に対する抗原の結合を阻害するその能力について、当業者に公知の技術を用いてアッセイすることもできる。例えば、ある受容体を発現している細胞を、リガンドのアンタゴニストである抗体もしくはそのフラグメントの存在下または不在下でその受容体に対するリガンドと接触させることができ、そして該抗体もしくはそのフラグメントがリガンドの結合を阻害する能力を、例えばフローサイトメトリーまたはシンチレーションアッセイによって測定することができる。リガンドまたは抗体もしくは抗体フラグメントは、リガンドとその受容体との相互作用の検出を可能とする、放射性標識(例えば32P、35S、および125I)または蛍光標識(例えばフルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリスリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o-フタルアルデヒドおよびフルオレサミン)のような検出可能な化合物を用いて標識することができる。あるいはまた、抗体またはそのフラグメントがリガンドのその受容体への結合を阻害する能力は、無細胞アッセイにおいて測定することができる。例えば、リガンドを、該リガンドのアンタゴニストである抗体またはそのフラグメントと接触させることができ、そして抗体または抗体フラグメントがリガンドのその受容体への結合を阻害する能力を測定する。好ましくは、リガンドのアンタゴニストである抗体または抗体フラグメントを固相支持体上に固定し、そしてリガンドを検出可能な化合物で標識する。あるいはまた、リガンドを固相支持体上に固定し、抗体またはそのフラグメントを検出可能な化合物で標識する。リガンドは部分的に、もしくは完全に精製したもの(例えば、他のポリペプチドを部分的に、もしくは完全に含まない)であるか、または細胞溶解物の一部であってよい。あるいはまた、リガンドを当業者に周知の技術(例えば、ビオチン化キット, Pierce Chemicals; Rockford, IL)を用いてビオチン化することができる。
【0315】
本発明に従って構築され、および/または同定された抗体もしくはそのフラグメントを、細胞の生物学的活性を改変するその能力についてin vitroおよび/またはin vivoで試験することができる。そのような能力は、例えば抗原および遺伝子の発現を検出すること;細胞の増殖を検出すること;シグナル伝達分子(例えば、シグナル伝達因子およびキナーゼ)の活性化を検出すること;細胞のエフェクター機能を検出すること;または細胞の分化を検出することによって評価することができる。当業者に公知の技術を、これらの活性を測定するために用いることができる。例えば、細胞増殖は、3H-チミジン取り込みアッセイおよびトリパンブルー細胞計数によりアッセイすることができる。抗原発現は、例えば、限定するものではないが、ウエスタンブロット、免疫組織化学、ラジオイムノアッセイ、ELISA、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイおよびFACS解析のような技術を用いた、競合的および非競合的アッセイ系をはじめとするイムノアッセイによってアッセイすることができる。シグナル伝達分子の活性化は、例えばキナーゼアッセイおよび電気泳動シフトアッセイ(EMSA)によってアッセイすることができる。
【0316】
本発明の抗体、そのフラグメント、または組成物は、ヒトでの使用に先立って、所望の治療的または予防的活性について、好ましくはin vitroで、その後in vivoで試験する。例えば、特定の医薬組成物の投与を指示するかどうか決定するのに用いることができるアッセイとしては細胞培養アッセイが挙げられ、そこでは患者組織サンプルを培養し、医薬組成物に曝露するかその他の方法によりそれと接触させ、そして組織サンプルへの当該組成物の作用を観察する。組織サンプルは、患者から生検により取得することができる。この試験により、それぞれの患者に対して治療上最も有効な治療剤(例えば予防薬または治療薬)の特定が可能になる。種々の具体的な実施形態において、特定の疾患に関与する細胞タイプの代表的な細胞を用いてin vitroアッセイを行って、本発明の医薬組成物がその細胞タイプに対して所望の作用を有するかを決定することが可能である。例えば、in vitroアッセイは、細胞株を用いて行うことができる。
【0317】
本発明の抗体、そのフラグメント、または組成物の末梢血リンパ球数への影響は、当業者に公知の標準的な技術を用いてモニタリング/評価することができる。被験者体内の末梢血リンパ球数は、例えば、当該被験者から末梢血サンプルを取得し、例えばFicoll-Hypaque(Pharmacia)勾配遠心を用いて血漿などの末梢血の他の成分からリンパ球を分離し、そしてトリパンブルーを用いてリンパ球を計数することにより測定することができる。被験者体内の末梢血T細胞数は、例えば、Ficoll-Hypaque(Pharmacia)勾配遠心を用いて血漿などの末梢血の他の成分からリンパ球を分離し、T細胞抗原に対する抗体(FITCまたはフィコエリトリンにコンジュゲートされている)を用いてT細胞を標識し、そしてFACSによってT細胞の数を計測することにより測定することができる。
【0318】
ウイルス感染もしくはその1以上の症状を治療、管理、予防、または改善するのに用いる本発明の抗体、フラグメント、もしくは組成物は、ウイルス複製を阻害するかまたはウイルス量を軽減するその能力について、in vitroアッセイで試験することができる。例えば、ウイルス複製は、例えばJohnson ら(1997, Journal of Infectious Diseases 176:1215-1224 176:1215-1224)により記載されているようなプラークアッセイによりアッセイすることができる。本発明の方法に従って投与する抗体またはそのフラグメントはまた、ウイルスポリペプチドの発現を阻害するかまたはダウンレギュレートするその能力についてもアッセイすることができる。限定するものではないが、ウエスタンブロット解析、ノーザンブロット解析、およびRT-PCRをはじめとする当業者に公知の技術を、ウイルスポリペプチドの発現を測定するのに用いることができる。
【0319】
細菌感染もしくはその1以上の症状を治療、管理、予防、または改善するのに用いる本発明の抗体、フラグメント、もしくは組成物は、当技術分野で周知のin vitroアッセイにおいて試験することができる。当技術分野で公知のin vitroアッセイはまた、治療剤に対する細菌の耐性の存在または発達を試験するのにも用いることができる。そのようなin vitroアッセイは、Gales ら, 2002, Diag. Nicrobiol. Infect. Dis. 44(3):301-311;Hicks ら, 2002, Clin. Microbiol. Infect. 8(11): 753-757;および Nicholson ら, 2002, Diagn. Microbiol. Infect. Dis. 44(1): 101-107 に記載されている。
【0320】
真菌感染もしくはその1以上の症状を治療、管理、予防、または改善するのに用いる本発明の抗体、フラグメント、もしくは組成物は、種々の真菌種に対する抗真菌活性について試験することができる。当技術分野で周知のいずれの標準的な抗真菌アッセイも、治療剤の抗真菌活性を評価するのに用いることができる。種々の真菌種に対する抗真菌作用を試験することができる。米国臨床検査標準化委員会(NCCLS)により推奨されている試験(National Committee for Clinical Laboratories Standards. 1995, Proposed Standard M27T. Villanova, Pa. 参照、その全ては参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる)および当業者に公知の他の方法(Pfaller ら, 1993, Infectious Dis. Clin. N. Am. 7: 435-444)を、治療剤の抗真菌作用を評価するために用いることができる。治療剤の抗真菌特性はまた、真菌溶解アッセイから、ならびに、とりわけ増殖阻害アッセイ、蛍光に基づく真菌生存率アッセイ、フローサイトメトリー解析、および当業者に公知の他の標準的なアッセイをはじめとする他の方法により、測定してもよい。
【0321】
例えば、治療剤の抗真菌活性は、当業者に周知のプロトコルを用いてマクロ希釈法および/またはミクロ希釈法により試験することができる(例えば、Clancy ら, 1997 Journal of Clinical Microbiology, 35(11): 2878-82;Ryder ら, 1998, Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 42(5): 1057-61;U.S. 5,521,153;U.S. 5,883,120、U.S. 5,521,169 参照、これらの全ては参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる)。簡単に述べると、真菌株を適当な液体培地中で培養し、用いる特定の真菌株に応じた適当な温度で、これもまた用いる特定の真菌株に応じた一定の時間、増殖させる。接種菌を光学測定により調製し、懸濁液の濁度を標準品(例えばMcFarland 標準)のものと比較する。接種菌の濁度への治療剤の作用を、目視により、または分光光度計により測定する。治療剤の最小阻害濃度(「MIC」)を決定する。ここで、MICとは、培養物の濁度を測定することにより計測される接種菌の可視的増殖を妨げるリード化合物の最低濃度と定義される。
【0322】
治療剤の抗真菌活性はまた、当業者に周知の比色アッセイを用いても測定することができる。治療剤の抗真菌活性を評価するのに用いることができる1つの代表的な比色アッセイは、Pfallerらにより記載されている(1994, Journal of Clinical Microbiology, 32(8): 1993-6、参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる;Tiballi ら, 1995, Journal of Clinical Microbiology, 33(4): 915-7 も参照)。このアッセイでは、酸化−還元指示薬(Alamar Biosciences, Inc., Sacramento CA)を用いた比色終点を利用する。
【0323】
治療剤の抗真菌活性はまた、当業者に周知の光学測定アッセイを用いても測定することができる(例えば、Clancy ら, 1997 Journal of Clinical Microbiology, 35(11): 2878-82;Jahn ら, 1995, Journal of Clinical Microbiology, 33(3): 661-667 参照、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる)。この光学測定アッセイは、3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5,-ジフェニル-2H-テトラゾリウムブロミド(MTT)のホルマザンへの還元を介して生存真菌によるミトコンドリア呼吸を定量することに基づいている。このアッセイにより測定されるMICとは、光学密度の最初の急激な低下と関連した被験治療剤の最高濃度と定義される。一部の実施形態では、治療剤はマクロ希釈、ミクロ希釈およびMTTアッセイを並行して用いて抗真菌活性についてアッセイする。
【0324】
さらに、当業者に公知のいかなるin vitroアッセイも、特定の疾患もしくはその1以上の症状に対する、本明細書中で開示される抗体治療剤の予防上および/または治療上の有用性を評価するのに用いることができる。
【0325】
本発明の抗体、組成物、または組合せ治療剤は、ヒトでの使用に先立って、好適な動物モデルシステムで試験することができる。そのような動物モデルシステムとしては、限定するものではないが、ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ブタ、イヌ、ウサギなどが挙げられる。当技術分野で周知のいずれの動物系を用いてもよい。手順のいくつかの面は変更することができ、こうした面としては、限定するものではないが、治療剤を別々に投与するか混合して投与するかといった、治療剤(例えば予防薬および/または治療薬)の投与の時間的計画、および治療剤の投与回数が挙げられる。
【0326】
特定の疾患もしくはその1以上の症状を治療、管理、予防、または改善するための本発明の抗体、そのフラグメント、もしくは組成物の有効性を評価するのに、動物モデルを用いることができる。
【0327】
本発明の方法に従った抗体、組成物、または組合せ治療剤の投与を、特定の疾患の時間経過を、少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも99%減少させるその能力について試験することができる。本発明の抗体、組成物、または組合せ治療剤はまた、特定の疾患に罹患したヒトの生存期間を、少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも99%増加させるその能力についても試験することができる。さらに、本発明の抗体、組成物、または組合せ治療剤は、ウイルス性呼吸器感染症に罹患したヒトの入院期間を、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも99%短縮させるその能力について試験することができる。当業者に公知の技術を、in vivoで本発明の抗体、組成物、または組合せ治療剤の機能を解析するのに用いることができる。
【0328】
さらに、特定の疾患もしくはその1以上の症状に対する、本明細書中で開示されている抗体、そのフラグメント、組成物、組合せ治療剤の予防上および/または治療上の有用性を評価するのに、当業者に公知のいかなるin vivoアッセイも用いることができる。
【0329】
本発明の予防および/または治療プロトコルの毒性および/または有効性は、細胞培養または実験動物において標準的な製薬上の手法によって測定することができ、例えばLD50(集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の50%で治療上有効な用量)を決定することにより、測定することができる。毒性作用と治療的効果との用量比が治療指数であり、これはLD50/ED50の比で表される。大きな治療指数を示す治療剤が好ましい。毒性副作用を示す治療剤を用いうるが、非感染細胞への起こりうるダメージを最小限にするために、そしてそれにより副作用を軽減するために、罹患組織の部位にそのような薬剤をターゲットする送達システムを設計することに留意すべきである。
【0330】
細胞培養アッセイおよび動物実験から得られるデータは、ヒトでの使用のための予防薬および/または治療薬の投与量の範囲を計画するのに用いることができる。そのような薬剤の投与量は、好ましくは毒性をほとんどまたは全く有しないED50を含む循環濃度の一定範囲内にある。投与量は、用いる投与剤形および用いる投与経路に依存して、この範囲内で変化しうる。本発明の方法で用いるいかなる治療剤に対しても、治療上有効用量は細胞培養アッセイから、まず見積もることができる。用量は、細胞培養で決定したIC50(すなわち、症状の最大半値阻害を実現する被験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を実現するために、動物モデルにおいて設定してもよい。そのような情報は、ヒトで有効な用量をより精密に決定するために用いることができる。血漿中レベルは、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定してもよい。
【0331】
2.14 キット
本発明は、対象の生物種の抗体フレームワーク領域のサブバンクを含んでなるキットを提供する。本発明はまた、対象の生物種のCDRのサブバンクを含んでなるキットを提供する。本発明はまた、ヌクレオチド配列を包含する複数の核酸配列を含むコンビナトリアルサブライブラリーを含んでなるキットであって、各ヌクレオチド配列が1つの対応するCDR(例えばCDR1)とin frameに融合された1つのフレームワーク領域(例えばFR1)をコードする、上記キットを提供する。本発明はさらに、ヌクレオチド配列を包含する複数の核酸配列を含むコンビナトリアルライブラリーを含んでなるキットであって、各ヌクレオチド配列がin frameに融合されたフレームワーク領域とCDR(例えばFR1+CDR1+FR2+CDR2+FR3+CDR3+FR4)をコードする、上記キットを提供する。
【0332】
一部の好ましい実施形態では、本発明はヒト免疫グロブリンフレームワーク領域のサブバンク、CDRのサブバンク、コンビナトリアルサブライブラリー、および/またはコンビナトリアルライブラリーを含んでなるキットを提供する。一実施形態では、本発明は、可変軽鎖フレームワーク領域1、2、3、および/または4に対するフレームワーク領域サブバンクを含んでなるキットであって、フレームワーク領域がKabatシステムにより定義される、上記キットを提供する。別の実施形態では、本発明は、可変軽鎖フレームワーク領域1、2、3、および/または4に対するフレームワーク領域サブバンクを含んでなるキットであって、フレームワーク領域がChothiaシステムにより定義される、上記キットを提供する。別の実施形態では、本発明は、可変重鎖フレームワーク領域1、2、3、および/または4に対するフレームワーク領域サブバンクを含んでなるキットであって、フレームワーク領域がKabatシステムにより定義される、上記キットを提供する。別の実施形態では、本発明は、可変重鎖フレームワーク領域1、2、3、および/または4に対するフレームワーク領域サブバンクを含んでなるキットであって、フレームワーク領域がChothiaシステムにより定義される、上記キットを提供する。また別の実施形態では、本発明は、軽鎖および重鎖フレームワークの両方のサブバンクを含んでなるキットを提供する。
【0333】
本発明はまた、本発明のヒト化抗体を入れた1以上の容器を含んでなる医薬パックまたはキットを提供する。医薬パックまたはキットは、特定の疾患の治療に有用な1以上の他の予防薬または治療薬をさらに含んでもよい。本発明はまた、本発明の医薬組成物の1以上の成分を入れた1以上の容器を含んでなる医薬パックまたはキットを提供する。場合によっては、そのような容器には、医薬もしくは生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関により定められた書式の注意書きであって、ヒトへの投与についての製造、使用または販売に関する該機関による認可を反映するものを添えることができる。
【0334】
2.15 製造物品
本発明はまた、梱包済みの、ラベルされた医薬品を包含する。本製品は、ガラスバイアルもしくは他の密閉容器のような所定の容器中の所定の単位剤形を含む。非経口投与に好適な投与剤形の場合、有効成分は無菌状態で、微粒子を含まない溶液としての投与に好適なものである。言い換えれば、本発明は、非経口投与用溶液および凍結乾燥粉末剤(いずれも無菌)の両者を包含し、後者は注入前の再調製に好適なものである。あるいはまた、単位剤形は、経口、経皮、局所または粘膜送達に好適な固体であってもよい。
【0335】
好ましい実施形態では、単位剤形は、静脈内、筋内または皮下送達に好適なものである。したがって、本発明は、各送達経路に好適な溶液(好ましくは無菌)を包含する。
【0336】
いかなる医薬品とも同様に、包装材料および容器は保存および輸送の間の製品の安定性を保護するために設計される。さらに、本発明の製品は、使用についての説明書、または問題となっている疾患もしくは障害を適切に予防または治療する方法について、医師、技術者または患者に説明する他の資料を含む。言い換えれば、製品は、限定するものではないが、実際の用量、モニタリング方法(例えば平均絶対リンパ球数、腫瘍細胞数、および腫瘍サイズをモニタリングする方法)および他のモニタリング情報をはじめとする投薬方式を指示または提案する説明書を含む。
【0337】
より具体的には、本発明は、包装材料(例えば箱、瓶、管、バイアル、容器、スプレー容器、吸入器、静脈内(i.v.)バッグ、袋など);および前記包装材料中に含まれる医薬の少なくとも1つの単位剤形、を含んでなる製品を提供する。本発明はさらに、包装材料(例えば箱、瓶、管、バイアル、容器、スプレー容器、吸入器、静脈内(i.v.)バッグ、袋など);および前記包装材料中に含まれる各医薬の少なくとも1つの単位剤形を含んでなる製品を提供する。
【0338】
具体的な実施形態では、製品は包装材料ならびに前記包装材料中に含まれる医薬および説明書を含んでなり、ここで前記医薬はヒト化抗体および製薬上許容される担体であり、前記説明書は特定の疾患を有する被験者を予防、治療または管理するための投薬方式を指示するものである。別の実施形態では、製品は包装材料ならびに前記包装材料中に含まれる医薬および説明書を含んでなり、ここで前記医薬はヒト化抗体、該ヒト化抗体とは異なる予防薬または治療薬および製薬上許容される担体であり、前記説明書は特定の疾患を有する被験者を予防、治療または管理するための投薬方式を指示するものである。別の実施形態では、製品は包装材料ならびに前記包装材料中に含まれる2種類の医薬および説明書を含んでなり、ここで前記1種類目の医薬はヒト化抗体および製薬上許容される担体であり、前記2種類目の医薬は該ヒト化抗体とは異なる予防薬または治療薬であり、前記説明書は特定の疾患を有する被験者を予防、治療または管理するための投薬方式を指示するものである。
【0339】
本発明は、本発明の方法により軽減または回避されうる副作用を、疾患に伴う1以上の症状の予防、治療または改善における使用のために製品に同梱される資料中に示すことを提案する。本発明の方法により軽減または回避されうる副作用としては、限定するものではないが、バイタルサインの異常(例えば発熱、頻脈、徐脈、高血圧、低血圧)、血液学的症状(例えば貧血、リンパ球減少、白血球減少、血小板減少)、頭痛、悪寒、めまい、吐き気、虚弱、背部痛、胸痛(例えば胸部圧迫感)、下痢、筋肉痛、痛み、かゆみ、乾癬、鼻炎、発汗、注射部位反応、および血管拡張が挙げられる。一部の治療剤は免疫抑制性でありうるので、長引く免疫抑制が、日和見感染をはじめとする感染症のリスクを増大させることはありうる。長引く持続性の免疫抑制はまた、あるタイプの癌の進行の増大したリスクももたらしうる。
【0340】
さらに、製品中に同梱される資料は、外来性タンパク質はアナフィラキシーまたはサイトカイン放出症候群をはじめとするアレルギー反応も引き起こす可能性があることを知らせることができる。該資料は、アレルギー反応は軽い掻痒性発疹として現れるだけかもしれないし、または紅皮症、スティーブン・ジョンソン症候群、脈管炎、もしくはアナフィラキシーのように重症でありうることを知らせるべきである。該資料はまた、アナフィラキシー反応(アナフィラキシー)は重篤な、ときには致死性の過敏性反応であることも知らせるべきである。アナフィラキシーをはじめとするアレルギー反応は、どんな外来性タンパク質を体内に注入したときにでも起こりうる。それらは蕁麻疹または発疹のような軽い徴候から、致死的な全身性反応にまで及んでいる。アナフィラキシー反応は、曝露のすぐ後に、多くの場合10分以内に起きる。患者は、知覚異常、低血圧、喉頭水腫、精神状態の変化、顔部もしくは咽頭の血管性浮腫、気道閉塞、気管支痙攣、蕁麻疹および掻痒、血清病、関節炎、アレルギー性腎炎、糸球体腎炎、一過性関節炎、または好酸球増多症に見舞われうる。
【0341】
該資料はまた、サイトカイン放出症候群が急性の臨床症候群であり、ある種の活性化する抗T細胞抗体の投与と時間的に関連する、ことを示すことができる。サイトカイン放出症候群は、活性化リンパ球または単球によるサイトカインの放出に起因するとされている。サイトカイン放出症候群の臨床症状は、より頻繁に報告される、軽い自然治癒性の「風邪様」疾患から、報告される頻度の低い、重症の、生死に関わるショック様反応(重篤な心血管系、肺および中枢神経系症状を含みうる)にまでわたる。該症候群は、典型的には投与から約30〜60分後に始まり(但しもっと後に起こることもある)、数時間続く。この症状の発生頻度および重症度は多くの場合、初回投与の場合に最も大きい。連続的な投与に従って、この症候群の発生頻度および重症度は減少する傾向にある。用量の増加または中断後の治療の再開は該症候群の再発をもたらすことがある。上述のように、本発明は本明細書中に記載した1以上の副作用を回避するかまたはそれを軽減させる治療法および予防法を包含する。
【0342】
2.16 典型的な実施形態
1. ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖相補性決定領域(CDR)1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、各重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記核酸配列。
【0343】
2. ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、各軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記核酸配列。
【0344】
3. ドナー軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含む、実施形態1に記載の核酸配列。
【0345】
4. ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、各軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、実施形態1に記載の核酸配列。
【0346】
5. ドナー重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含む、実施形態2に記載の核酸配列。
【0347】
6. ドナー抗体の重鎖可変領域に由来する1以上のCDRが、ドナー抗体の対応するCDRをコードする核酸配列に対して1以上の変異を含む、実施形態1に記載の核酸配列。
【0348】
7. ドナー抗体の軽鎖可変領域に由来する1以上のCDRが、ドナー抗体の対応するCDRをコードする核酸配列に対して1以上の変異を含む、実施形態2に記載の核酸配列。
【0349】
8. ドナー抗体の軽鎖可変領域に由来する1以上のCDRが、ドナー抗体の対応するCDRをコードする核酸配列に対して1以上の変異を含む、実施形態4に記載の核酸配列。
【0350】
9. ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記核酸配列。
【0351】
10. ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記核酸配列。
【0352】
11. ドナー軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含む、実施形態9に記載の核酸。
【0353】
12. ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、実施形態9に記載の核酸配列。
【0354】
13. ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、実施形態9に記載の核酸配列。
【0355】
14. ドナー重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含む、実施形態10に記載の核酸配列。
【0356】
15. ヒト化重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヒト化重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、実施形態10に記載の核酸配列。
【0357】
16. 実施形態1に記載の核酸配列を含むように遺伝子操作された細胞。
【0358】
17. 実施形態2に記載の核酸配列を含むように遺伝子操作された細胞。
【0359】
18. 実施形態2に記載の核酸配列を含むようにさらに遺伝子操作された、実施形態16に記載の細胞。
【0360】
19. 実施形態3に記載の核酸を含むように遺伝子操作された細胞。
【0361】
20. 実施形態4に記載の核酸を含むように遺伝子操作された細胞。
【0362】
21. 実施形態5に記載の核酸を含むように遺伝子操作された細胞。
【0363】
22. 実施形態9に記載の核酸配列を含むように遺伝子操作された細胞。
【0364】
23. 実施形態10に記載の核酸配列を含むように遺伝子操作された細胞。
【0365】
24. 実施形態10に記載の核酸配列を含むようにさらに遺伝子操作された、実施形態22に記載の細胞。
【0366】
25. 実施形態11に記載の核酸配列を含むように遺伝子操作された細胞。
【0367】
26. 実施形態12に記載の核酸配列を含むように遺伝子操作された細胞。
【0368】
27. 実施形態13に記載の核酸配列を含むように遺伝子操作された細胞。
【0369】
28. 実施形態14に記載の核酸配列を含むように遺伝子操作された細胞。
【0370】
29. 実施形態15に記載の核酸配列を含むように遺伝子操作された細胞。
【0371】
30. ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む第1の核酸配列を含有する細胞であって、前記細胞は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞。
【0372】
31. ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む第1の核酸配列を含有する細胞であって、前記細胞は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞。
【0373】
32. ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列およびヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞であって、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、重鎖可変領域のCDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、軽鎖可変領域のCDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞。
【0374】
33. ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む第1の核酸配列を含有する細胞であって、前記細胞は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、また、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞。
【0375】
34. ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む第1の核酸配列を含有する細胞であって、前記細胞は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞。
【0376】
35. ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列およびヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞であって、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞。
【0377】
36. ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列およびヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞であって、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、前記重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞。
【0378】
37. ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列およびヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞であって、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、前記軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞。
【0379】
38. ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む第2の核酸配列をさらに含有する、実施形態30に記載の細胞。
【0380】
39. 軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む第2の核酸配列をさらに含有する、実施形態30に記載の細胞。
【0381】
40. 重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む第2の核酸配列をさらに含有する、実施形態31に記載の細胞。
【0382】
41. ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む第2の核酸配列をさらに含有する、実施形態33に記載の細胞。
【0383】
42. 軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む第2の核酸配列をさらに含有する、実施形態33に記載の細胞。
【0384】
43. 重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む第2の核酸配列をさらに含有する、実施形態34に記載の細胞。
【0385】
44. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードする核酸配列を含有する細胞であって、下記のステップ:
(a)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記第1のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖相補性決定領域(CDR)1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖相補性決定領域(CDR)1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
を含む方法により作製される、上記細胞。
【0386】
45. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードする核酸配列を含有する細胞であって、下記のステップ:
(a)重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
を含む方法により作製される、上記細胞。
【0387】
46. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードする核酸配列を含有する細胞であって、下記のステップ:
(a)重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
を含む方法により作製される、上記細胞。
【0388】
47. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をコードする核酸配列を含有する細胞であって、下記のステップ:
(a)重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖相補性決定領域(CDR)1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
を含む方法により作製される、上記細胞。
【0389】
48. 実施形態30または33に記載の細胞においてヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させることを含んでなる、ヒト化重鎖可変領域を作製する方法。
【0390】
49. 実施形態31または34に記載の細胞においてヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させることを含んでなる、ヒト化軽鎖可変領域を作製する方法。
【0391】
50. 実施形態32、35、36または37に記載の細胞においてヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列およびヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を発現させることを含んでなる、ヒト化抗体を作製する方法。
【0392】
51. 実施形態44、45、46または47に記載の細胞中に含まれるヒト化抗体をコードする核酸配列を発現させることを含んでなる、抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法。
【0393】
52. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(c)前記核酸配列を、ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入するステップ、
(d)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0394】
53. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(c)前記核酸配列を、ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入するステップ、
(d)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0395】
54. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(c)前記核酸配列を、ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入するステップ、
(d)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0396】
55. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(c)前記核酸配列を、ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入するステップ、
(d)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0397】
56. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(e)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(f)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0398】
57. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(e)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(f)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0399】
58. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(e)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(f)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0400】
59. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(e)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(f)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0401】
60. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を合成するステップ、その際、重鎖可変領域のCDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、軽鎖可変領域のCDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(d)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(e)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0402】
61. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を合成するステップ、その際、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(d)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(e)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0403】
62. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を合成するステップ、その際、重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(d)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(e)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0404】
63. ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、下記のステップ:
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を合成するステップ、その際、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(d)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(e)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
【0405】
64. (e)抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をスクリーニングするステップをさらに含む、実施形態52、53、54または55に記載の方法。
【0406】
65. (g)抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をスクリーニングするステップをさらに含む、実施形態56、57、58または59に記載の方法。
【0407】
66. (f)抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をスクリーニングするステップをさらに含む、実施形態60、61、62または63に記載の方法。
【0408】
67. 実施形態48に記載の方法により作製されたヒト化抗体。
【0409】
68. 実施形態49に記載の方法により作製されたヒト化抗体。
【0410】
69. 実施形態50に記載の方法により作製されたヒト化抗体。
【0411】
70. 実施形態51に記載の方法により作製されたヒト化抗体。
【0412】
71. 実施形態52〜63のいずれか1つに記載の方法により作製されたヒト化抗体。
【0413】
72. 実施形態64に記載の方法により作製されたヒト化抗体。
【0414】
73. 実施形態65に記載の方法により作製されたヒト化抗体。
【0415】
74. 実施形態66に記載の方法により作製されたヒト化抗体。
【0416】
75. 実施形態67に記載のヒト化抗体および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【0417】
76. 実施形態68に記載のヒト化抗体および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【0418】
77. 実施形態69に記載のヒト化抗体および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【0419】
78. 実施形態70に記載のヒト化抗体および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【0420】
79. 実施形態71に記載のヒト化抗体および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【0421】
80. 実施形態72に記載のヒト化抗体および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【0422】
81. 実施形態73に記載のヒト化抗体および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【0423】
82. ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列であって、前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、それぞれ、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記複数の核酸配列。
【0424】
83. ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列であって、前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、それぞれ、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、また、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記複数の核酸配列。
【0425】
84. ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列であって、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、それぞれ、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記複数の核酸配列。
【0426】
85. ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列であって、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、それぞれ、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記複数の核酸配列。
【0427】
86. (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む複数の核酸配列であって、その際、前記重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、前記軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記複数の核酸配列。
【0428】
87. (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む複数の核酸配列であって、その際、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、前記軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記複数の核酸配列。
【0429】
88. (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む複数の核酸配列であって、その際、前記重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記複数の核酸配列。
【0430】
89. (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む複数の核酸配列であって、その際、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記複数の核酸配列。
【0431】
90. 複数のヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団であって、前記細胞は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞の集団。
【0432】
91. 複数のヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団であって、前記細胞は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、また、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞の集団。
【0433】
92. 複数のヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団であって、前記細胞は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞の集団。
【0434】
93. 複数のヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団であって、前記細胞は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、ここで、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞の集団。
【0435】
94. 前記細胞が軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列をさらに含む、実施形態90に記載の細胞。
【0436】
95. 前記細胞が軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列をさらに含む、実施形態91に記載の細胞。
【0437】
96. 前記細胞が軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列をさらに含む、実施形態92に記載の細胞。
【0438】
97. 前記細胞がヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列をさらに含む、実施形態93に記載の細胞。
【0439】
98. 複数のヒト化重鎖可変領域および複数のヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団であって、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、前記重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、前記軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞の集団。
【0440】
99. 複数のヒト化重鎖可変領域および複数のヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団であって、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、前記軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞の集団。
【0441】
100. 複数のヒト化重鎖可変領域および複数のヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団であって、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、前記重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞の集団。
【0442】
101. 複数のヒト化重鎖可変領域および複数のヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞の集団であって、前記細胞は、(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1セットのヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含む核酸配列を細胞に導入することを含む方法により作製されたものであり、その際、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記細胞の集団。
【0443】
102. 抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を同定する方法であって、実施形態94、95、96または97に記載の細胞中の核酸配列を発現させ、前記抗原に対して1 x 106 M-1以上の親和性を有するヒト化抗体をスクリーニングすることを含む、上記方法。
【0444】
103. 抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を同定する方法であって、実施形態98、99、100または101に記載の細胞中の核酸配列を発現させ、前記抗原に対して1 x 106 M-1以上の親和性を有するヒト化抗体をスクリーニングすることを含む、上記方法。
【0445】
104. 実施形態102に記載の方法により同定されたヒト化抗体。
【0446】
105. 実施形態103に記載の方法により同定されたヒト化抗体。
【0447】
106. 実施形態104に記載のヒト化抗体および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【0448】
107. 実施形態105に記載のヒト化抗体および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【実施例】
【0449】
5.0 実施例
試薬
全ての化学薬品は分析グレードのものを使用した。制限酵素とDNA改変酵素はNew England Biolabs, Inc. (Beverly, MA)から購入した。pfu DNAポリメラーゼとオリゴヌクレオチドはInvitrogen (Carlsbad, CA)から購入した。ヒトEphA2-Fc融合タンパク質 (ヒトIgG1のFc部分と融合されたヒトEphA2からなる (Carles-Kinchら Cancer Res. 62: 2840-2847 (2002)) はヒト胚性腎(HEK) 293細胞において発現させ、標準的なプロトコルを用いてプロテインGアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。ストレプトアビジン磁性ビーズはDynal (Lake Success, NY)から購入した。ヒトEphA2-Fcのビオチン化は、EZ-Link Sulfo-NHS-LC-ビオチン化キット(Pierce, Rockford, IL)を用いて製造業者の使用説明書に従って実施した。
【0450】
5.1 親モノクローナル抗体のクローニングおよび配列決定
ヒト受容体チロシンキナーゼEphA2に対するモノクローナル抗体(mAb)を分泌するマウスハイブリドーマ細胞株(B233)をMedImmune, Inc.から取得した (Kinchら Clin. Exp. Metastasis. 20:59-68 (2003))。このマウスmAbを以後mAb B233という。mAb B233の可変重鎖(VH)および軽鎖(VL)遺伝子のクローニングおよび配列決定は、B233由来のメッセンジャーRNAをStraight A’s mRNA精製キット(Novagen, Madison, WI)を用いて製造業者の使用説明書に従って単離・精製した後で実施した。cDNAは第1鎖cDNA合成キット(Novagen, Madison, WI)を用いて製造業者が推奨するとおりに合成した。VHおよびVL遺伝子の増幅は、マウスIg-プライマーセット(Novagen, Madison, WI)からのIgGVHおよびIgκVLオリゴヌクレオチドを用いて製造業者が提案するとおりに実施した。生産的増幅より得られるDNA断片は、Perfectly Bluntクローニングキット(Novagen, Madison, WI)を用いてpSTBlue-1にクローニングした。その後、ABI3000シークエンサー(Applied Biosystems, Foster City, CA)を使ってジデオキシチェーンターミネーション法(Sangerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 74: 5463-5467 (1977))により多数のVHおよびVLクローンの配列決定を行った。mAb B233 VL (VL-233)およびVH (VH-233)遺伝子のコンセンサス配列を図1に示す。
【0451】
5.2 ヒトフレームワークの選択
ヒトフレームワーク遺伝子は公に利用可能な抗体生殖系列遺伝子のプールから選択した。より詳細には、これは、第1、第2および第3フレームワークについては46のヒト生殖系列κ鎖遺伝子 (A1, A10, A11, A14, A17, A18, A19, A2, A20, A23, A26, A27, A3, A30, A5, A7, B2, B3, L1, L10, L11, L12, L14, L15, L16, L18, L19, L2, L20, L22, L23, L24, L25, L4/18a, L5, L6, L8, L9, O1, O11, O12, O14, O18, O2, O4およびO8; K.F. Schableら, Biol. Chem. Hoppe Seyler 374:1001-1022, (1993); J. Brensing-Kuppersら, Gene 191:173-181(1997)) を含み、第4フレームワークについては5つのヒト生殖系列J配列 (Jκ1, Jκ2, Jκ3, Jκ4およびJκ5; P.A. Hieterら, J. Biol. Chem. 257:1516-1522 (1982)) を含んでいた。このライブラリーの重鎖部分は、第1、第2および第3フレームワークについては44のヒト生殖系列重鎖配列 (VH1-18, VH1-2, VH1-24, VH1-3, VH1-45, VH1-46, VH1-58, VH1-69, VH1-8, VH2-26, VH2-5, VH2-70, VH3-11, VH3-13, VH3-15, VH3-16, VH3-20, VH3-21, VH3-23, VH3-30, VH3-33, VH3-35, VH3-38, VH3-43, VH3-48, VH3-49, VH3-53, VH3-64, VH3-66, VH3-7, VH3-72, VH3-73, VH3-74, VH3-9, VH4-28, VH4-31, VH4-34, VH4-39, VH4-4, VH4-59, VH4-61, VH5-51, VH6-1およびVH7-8; F. Matsudaら, J. Exp. Med. 188:1973-1975 (1998)) を含み、第4フレームワークについては6つのヒト生殖系列J配列 (JH1, JH2, JH3, JH4, JH5およびJH6; J.V. Ravetchら, Cell 27(3 Pt 2): 583-591 (1981)) を含んでいた。
【0452】
5.3 フレームワークシャフル型 (shuffled) ライブラリーの構築
5.3.1 ライブラリーの説明
3つの主なフレームワークシャフル型ライブラリー(ライブラリーA、BおよびC)を構築した。ライブラリーAは、mAb B233の重鎖(VH-233)と対合させた軽鎖フレームワークシャフル型サブライブラリー(VL sub1)を含んでいた。ライブラリーBは、固定化したフレームワークシャフル型軽鎖VL-12C8およびVL-8G7と対合させた重鎖フレームワークシャフル型サブライブラリー(VH sub1)を含んでいた(§5.4.1.1、§5.4.1.2および§5.4.1.3を参照のこと)。ライブラリーCは、重鎖フレームワークシャフル型サブライブラリー(VH sub2)と対合させた軽鎖フレームワークシャフル型サブライブラリー(VL sub2)を含んでいた。
【0453】
フレームワークシャフル型VHおよびVLサブライブラリーの構築は、表1〜7および11に示したオリゴヌクレオチドを用いて行った。より詳細には、表1〜7および11に記載したオリゴヌクレオチドは、Kabat定義による軽鎖(κ)および重鎖のあらゆる公知のヒトフレームワーク生殖系列遺伝子の完全な配列をコードしている。表64および65に記載したオリゴヌクレオチドは、mAb B233のCDRの部分をコードしており、対応するヒト生殖系列フレームワークと重複している。表64に関しては、AL1〜13とDL1U〜4Uを除いて、各オリゴヌクレオチドは、mAb B233の1つのCDRの部分(下線)と1つのヒト生殖系列軽鎖フレームワークの部分(Kabat定義; Kabatら, Sequences of Proteins of Immunological Interest, U.S. Public Health Service, National Institutes of Health, Washington, DC, 1991)をコードしている。CDRL1、L2およびL3はそれぞれAL1U〜10U/BL1〜10、BL1U〜16U/CL1〜11およびCL1U〜12U/DL1〜4によってコードされる。オリゴヌクレオチドAL1〜13はM13遺伝子3リーダー重複配列(太字)を含み、オリゴヌクレオチドDL1U〜4UはCκ重複配列(太字)を含む。表65に関しては、AH1〜10およびDH1U〜3Uを除いて、各オリゴヌクレオチドは、mAb B233の1つのCDRの部分(下線)と1つのヒト生殖系列重鎖フレームワークの部分(Kabat定義)をコードしている。CDRH1、H2およびH3はそれぞれAH1U〜17U/BH1〜17、BH1U〜16U/CH1〜15およびCH1U〜13U/DH1〜3によってコードされる。オリゴヌクレオチドAH1〜10はM13遺伝子3リーダー重複配列(太字)を含み、一方オリゴヌクレオチドDH1U〜3UはCκ1重複配列(太字)を含む。(K=GまたはT、M=AまたはC、R=AまたはG、S=CまたはG、W=AまたはT、およびY=CまたはT)。
【表64】


【表65】



【0454】
5.3.2 VHおよびVLサブライブラリーの構築
VL sub1サブライブラリーは、オーバーラップ伸長によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて順次アセンブルした。Hoら, Gene 77:51-59 (1989)。より詳細には、対応するドナーCDRの部分とin frame融合された個々のヒト生殖系列フレームワークを合成するために、次のオリゴヌクレオチドの組合せを用いて、いわゆる「中間体」PCRを行った:第1、第2、第3および第4フレームワークについて、それぞれAL1〜13/AL1U〜10U/1〜46、BL1〜10/BL1U〜16U/47〜92、CL1〜11/CL1U〜12U/93〜138およびDL1〜4/DL1U〜4U/139〜143。これは100μl容量中のpfu DNAポリメラーゼ(PCR SuperMix, Invitrogen)および約5 pmolのオリゴヌクレオチドAL1〜13、AL1U〜10U、BL1〜10、BL1U〜16U、CL1〜11、CL1U〜12U、DL1〜4およびDL1U〜4U、ならびに約100 pmolのオリゴヌクレオチド1〜143を用いて実施した。PCRプログラムは、95℃で5分;94℃で1分、45℃で1分、72℃で1分を30サイクル、その後72℃で8分とした。次に、2回目のPCR(「アセンブリPCR」)を実施するために、100μl反応容量中のpfu DNAポリメラーゼ(PCR SuperMix, Invitrogen)、0.5〜2μlずつの「中間体」PCR、25 pmolずつのオリゴヌクレオチドDL1U、DL2U、DL3U、DL4U (表64参照)および100 pmolのビオチン化オリゴヌクレオチド5’-GGTCGTTCCATTTTACTCCCAC-3’(配列番号1734)を使用した。アセンブリPCR プログラムは、95℃で5分;94℃で30秒、50℃で30秒、72℃で45秒を30サイクル、その後72℃で8分とした。
【0455】
VH sub1、VH sub2およびVL sub2フレームワークシャフル型サブライブラリーもオーバーラップ伸長によるPCRを用いて合成した。Hoら, Gene 77:51-59 (1989)。このフレームワークシャフル型VHおよびVL遺伝子の全in vitro合成は本質的に記載されるとおりに行った。Wuら, Methods Mol. Biol. 207: 213-233 (2003)。簡単に説明すると、最初のいわゆる「融合PCR」はpfu DNAポリメラーゼ (PCR SuperMix, Invitrogen)を用いて行った。VH sub1の構築は、100μl反応容量中の約3〜10 pmolの各オリゴヌクレオチド(表5、6、7、11および65に記載)を用いて実施した。VH sub2の構築は、100μl反応容量中の約0.5 pmolの各オリゴヌクレオチド(表5、6、7、11および65に記載)を用いて実施した。VL sub2の構築は、100μl反応容量中の約0.5 pmolの各オリゴヌクレオチド(表1、2、3、4および64に記載)を用いて実施した。それぞれのVH sub1、VH sub2およびVL sub2サブライブラリーに関して、融合PCRプログラムは、95℃で1分;94℃で20秒、50℃で30秒、72℃で30秒を5サイクル;94℃で20秒、55℃で30秒、72℃で30秒を25サイクル、その後72℃で7分とした。続いて2回目のいわゆる「合成PCR」を行った。より詳細には、VH sub1およびVH sub2サブライブラリーは、100μl反応容量中のpfu DNAポリメラーゼ (PCR SuperMix, Invitrogen)、2〜3 μlの対応する「融合PCR」、30 pmolずつのオリゴヌクレオチドDH1U、DH2U、DH3U (表65参照)、および100 pmolのビオチン化オリゴヌクレオチド5’-GCTGGTGGTGCCGTTCTATAGCC-3’(配列番号1735) を用いて合成した。VL sub2サブライブラリーは、100μl反応容量中のpfu DNAポリメラーゼ(PCR SuperMix, Invitrogen)、3 μlの対応する「融合PCR」、25 pmolずつのオリゴヌクレオチドDL1U、DL2U、DL3U、DL4U (表64参照)、および100 pmolのビオチン化オリゴヌクレオチド5’-GGTCGTTCCATTTTACTCCCAC-3’(配列番号1734) を用いて合成した。それぞれのVH sub1、VH sub2およびVL sub2サブライブラリーに関して、合成PCRプログラムは、94℃で5分;94℃で1分、45℃で1分、72℃で1分を30サイクル、その後72℃で8分とした。
【0456】
5.3.3 VL-12C8およびVL-8G7遺伝子の合成
ライブラリーB (VL-12C8+VL-8G7+VH sub1)に関連して用いられる、VL-12C8およびVL-8G7軽鎖遺伝子は、それぞれ12C8for/12C8backおよび8G7for/8G7backのオリゴヌクレオチド組合せを用いて対応するV領域コード化M13ファージベクター(§§5.4.1.1、5.4.1.2、5.4.1.3参照)からPCRにより合成した(下記参照)。
【0457】

【0458】
オリゴヌクレオチド12C8forおよび8G7forはM13遺伝子3リーダー重複配列(太字)を含む。オリゴヌクレオチド8G7backおよび12C8backはCκ重複配列(下線)を含む。
【0459】
5.3.4 VH-233およびVL-233遺伝子の合成
キメラFab陽性対照(VH-233+VL-233)またはライブラリーA (VL sub1+VH-233)との関連で用いられるVH-233およびVL-233重鎖および軽鎖遺伝子は、PCRでそれぞれ233Hfor/233Hbackおよび233Lfor/233Lbackオリゴヌクレオチド組合せを用いて、対応するpSTBlue-1 (§ 5.1参照)ベクターから合成した(下記参照)。
【0460】

【0461】
オリゴヌクレオチド233Hforおよび233LforはM13遺伝子3リーダー重複配列(太字)を含む。オリゴヌクレオチド233HbackはCκ1重複配列(下線)を含む。オリゴヌクレオチド233LbackはCκ重複配列(下線)を含む。
【0462】
5.3.5 ファージ発現ベクターへの各種V領域のクローニング
ライブラリーA、BおよびC、ならびにmAb B233のキメラFab型は、M13系ファージ発現ベクターにクローニングした。このベクターは、lacZプロモーターの制御下でヒトγ1重鎖の第1定常ドメインとヒトκ軽鎖の定常ドメインを含むFabフラグメントの発現を可能にする(図2)。クローニングは、ハイブリダイゼーション変異誘発(Kunkelら, Methods Enzymol. 154:367-382 (1987))を用いて、Wuら, Methods Mol. Biol. 207: 213-233 (2003)に記載されるように行った。簡単に述べると、対象となる各種V領域に対応するマイナス一本鎖DNA(§5.3.2、§5.3.3および§5.3.4参照)を最終PCR産物からエタノール沈殿により精製したが、それに先だって、二本鎖PCR産物を水酸化ナトリウムにより解離させ、記載(H. Wuら, Methods Mol. Biol. 207: 213-233(2003); H. Wu, Methods Mol. Biol. 207: 197-212 (2003))のとおりにストレプトアビジンコーティング磁性ビーズによりビオチン化鎖を除去した。等モル量の異なるマイナス鎖を次のように混合した:ライブラリーA、ライブラリーB、ライブラリーC、およびキメラFab 233を構築するために、それぞれVH-233/VL sub1、VH sub1/VL-8G7/VL-12C8、VH sub2/VL sub2、およびVH-233 /VL-233。その後、これらの異なる混合物を、それぞれ1つのパリンドロームループを含む該ベクターの2つの領域に個別にアニールさせた。これらのループはユニークなXbaI部位を含み、これにより、ヒトκ定常領域および第1ヒトγ定常領域とそれぞれin frame融合されたVL鎖とVH鎖の両方を含むベクターの選択が可能となる。次に、合成されたDNAを、Wuら, Methods Mol. Biol. 207: 213-233 (2003)に記載されるように、XL1-Blue菌叢上でのプラーク形成またはFabフラグメントの生産のためにXL1-Blueにエレクトロポレーションした。
【0463】
5.4 ライブラリーのスクリーニング
5.4.1 一次スクリーニング
5.4.1.1 説明
一次スクリーニングはシングルポイントELISA (single point ELISA: SPE)からなり、これは、本質的にWuら, Methods Mol. Biol. 207: 213-233 (2003)に記載されるように、96深底ウェルプレートで増殖させて個々の組換えM13クローン(§5.3.5参照)を感染させた、1 mLの細菌培養物から調製したペリプラズム(周辺細胞質)抽出物を用いて行った。簡単に述べると、96ウェルMaxisorp Immunoplateの各ウェルに20〜500 ngのヤギ抗ヒトFab抗体をコーティングし、3% BSA/PBSを用いて37℃で2時間ブロックし、その後サンプル(ペリプラズムに発現されたFab)と共に室温で1時間インキュベートした。次に、300 ng/ウェルのビオチン化ヒトEphA2-Fcを室温で1時間添加した。続いて、neutravidin-ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートと共に室温で40分間インキュベートした。HRP活性をテトラメチルベンジジン(TMB)基質により検出し、この反応を0.2 M H2SO4で停止させた。プレートを450 nmで読み取った。
【0464】
5.4.1.2 一次スクリーニングの結果
100 ngのヤギ抗ヒトFab捕捉試薬を用いてスクリーニングしたライブラリーAからの約500個のクローンのうち、14個が有意なシグナル(OD450が0.2〜0.6)を示した。これは、典型的には、無関係な抗体(MEDI-493; S. Johnsonら, J. Infect. Dis. 176: 1215-1224 (1997))の対応するバックグラウンドシグナル(OD450が0.1〜0.4)を少なくとも1.3倍上回るシグナルに相当した。こうした条件下で、Fab 233は0.4〜0.6のOD450を示した。
【0465】
20 ngのヤギ抗ヒトFab捕捉試薬を用いてスクリーニングしたライブラリーAからの約200個のクローンのうち、4個が有意なシグナル(OD450が0.2〜0.4)を示した。これは、典型的には、無関係な抗体の対応するバックグラウンドシグナル(OD450が0.1)を少なくとも2倍上回るシグナルに相当した。こうした条件下で、Fab 233は0.2〜0.3のOD450を示した。
【0466】
500 ngのヤギ抗ヒトFab捕捉試薬を用いてスクリーニングしたライブラリーAからの約750個のクローンのうち、16個が有意なシグナル(OD450が0.1〜0.7)を示した。これは、典型的には、無関係な抗体の対応するバックグラウンドシグナル(OD450が0.06〜0.2)を少なくとも1.3倍上回るシグナルに相当した。こうした条件下で、Fab 233は0.1〜0.6のOD450を示した。クローンVH-233/VL-12C8およびVH-233/VL-8G7が今回のスクリーニングから単離され、両方とも0.4のOD450を示した(同プレートのバックグラウンドOD450値はそれぞれ0.1および0.2であった;同プレートのFab 233 OD450値はそれぞれ0.2および0.5であった)。
【0467】
500 ngのヤギ抗ヒトFab捕捉試薬を用いてスクリーニングしたライブラリーBからの約750個のクローンのうち、27個が有意なシグナル(OD450が0.3〜2.8)を示した。これは、典型的には、無関係な抗体の対応するバックグラウンドシグナル(OD450が0.2〜0.3)を少なくとも1.3倍上回るシグナルに相当した。こうした条件下で、VH-233/VL-12C8およびVH-233/VL-8G7は0.2〜0.4のOD450値を示した。クローンVH-2G6/VL-12C8、VH-6H11/VL-8G7およびVH-7E8/VL-8G7が今回のスクリーニングから単離され、それぞれ2.8、2.5および1.6のOD450値を示した。(同プレートのバックグラウンドOD450値はそれぞれ0.3、0.2および0.2であった;同プレートのVH-233/VL-12C8 OD450値はそれぞれ0.4、0.3および0.3であった;同プレートのVH-233/VL-8G7 OD450値はそれぞれ0.4、0.3および0.3であった)。
【0468】
500 ngのヤギ抗ヒトFab捕捉試薬を用いてスクリーニングしたライブラリーCからの約1150個のクローンのうち、36個が有意なシグナル(OD450が0.1〜0.3)を示した。これは、典型的には、無関係な抗体の対応するバックグラウンドシグナル(OD450が0.07〜0.1)を少なくとも1.3倍上回るシグナルに相当した。こうした条件下で、Fab 233は0.1〜0.2のOD450を示した。
【0469】
5.4.1.3 陽性クローンの評価
まとめて、ライブラリーAからの9個のクローン、ライブラリーBからの7個のクローン、そしてライブラリーCからの0個のクローンが、第2の独立したシングルポイントELISAで、15 mLの細菌培養物から調製したペリプラズム抽出物と500 ngのヤギ抗ヒトFab捕捉試薬を用いて再確認された。詳細には、中でも最も高い[特異的OD450/バックグラウンドOD450]比(約15〜50の範囲)を示した、ライブラリーAからの2個のクローン (VH-233/VL-12C8およびVH-233/VL-8G7) を、ABI3000 ゲノムアナライザを使ってジデオキシ塩基配列決定によりさらに特徴づけた。クローンVH-233/VL-12C8のDNA配列解析は、その重鎖が塩基104に単一塩基置換を含み、その結果として位置H35(Kabatナンバリング)に置換(NからS)が生じていることを明らかにした。この変異は、QuickChange XL 部位特異的変異誘発キット (Stratagene, La Jolla, CA) を用いて製造業者の使用説明書に従って修正された。この修正クローンVH-233/VL-12C8は、最大で約50(変異型VH-233/VL-12C8と類似)の[特異的OD450/バックグラウンドOD450]比を示し、EphA2-Fcとの結合を保持していた。部分的にヒト化されたクローンVH-233/VL-12C8およびVH-233/VL-8G7はその後、二次スクリーニングによるさらなる特徴付けのために選択された(§5.4.2参照)。VL-12C8およびVL-8G7の配列を図3に示す。上述したように、これら2つのヒト化軽鎖はその後ライブラリーBの設計に加えられた。中でも最も高い[特異的OD450/バックグラウンドOD450]比(約40)を示した、このライブラリーからの3個のクローンは、ジデオキシ塩基配列決定によりさらに特徴づけた。これは、3つの異なるヒト化重鎖(VH-2G6、VH-6H11およびVH-7E8; 図3参照)の同定をもたらした。VH-2G6、VH-6H11およびVH-7E8は、それぞれVL-12C8、VL-8G7およびVL-8G7と対を形成することが分かった。これら3個の、十分にヒト化されたクローンはその後、二次スクリーニングによるさらなる特徴付けのために選択された(§5.4.2参照)。
【0470】
5.4.2 二次スクリーニング
5.4.2.1 説明
先に同定したヒト化クローン(§5.4.1.3参照)をさらに特徴付けるために、15 mLの細菌培養物から調製したペリプラズム抽出物中の発現されたFabフラグメントを用いて二次スクリーニングを実施した。より詳細には、2つのELISAを使用した: (i) 機能的ELISA、ここでは、96ウェルMaxisorp Immunoplateの各ウェルに500 ngのヒトEphA2-Fcをコーティングして、3% BSA/PBSを用いて37℃で2時間ブロックした。次に、2倍連続希釈したサンプルを加え、室温で1時間インキュベートした。その後、ヤギ抗ヒトκホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートとのインキュベーションを行った。HRP活性をTMB基質により検出し、0.2 M H2SO4で反応を停止させた。プレートを450 nmで読み取った; (ii) 抗ヒトFab定量ELISA、これは本質的にWuら, Methods Mol. Biol. 207: 213-233 (2003)に記載されるとおりに実施した。簡単に説明すると、96ウェルImmulon Immunoplateの各ウェルに100 ngのヤギ抗ヒトFab抗体をコーティングし、次に2倍連続希釈したサンプル(1/25 希釈で開始)または標品(ヒトIgG Fab、500-3.91 ng/ml)と共にインキュベートした。その後、ヤギ抗ヒトκホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートとのインキュベーションを行った。HRP活性をTMB基質により検出し、0.2 M H2SO4で反応を停止させた。プレートを450 nmで読み取った。
【0471】
5.4.2.2 二次スクリーニングの結果
2部の二次ELISAスクリーニングにより、ヒトEphA2との結合に関してFabクローンVH-233/VL-12C8、VH-233/VL-8G7、VH-2G6/VL-12C8、VH-6H11/VL-8G7およびVH-7E8/VL-8G7を互いに比較し、さらにmAb B233のキメラFab (VH-233/VL-233)と比較することができた。図4に示すように、全てのフレームワークシャフル型Fabは、mAb B233のキメラFabと比較して、ヒトEphA2との結合を保持している。興味深いことに、重鎖と軽鎖が両方ともヒト化されている一部のクローン (VH-2G6/VL-12C8およびVH-7E8/VL-8G7) は、同じ軽鎖のみがヒト化されているクローン (VH-233/VL-12C8およびVH-233/VL-8G7) よりも良好なヒトEphA2-Fcへの見かけの結合を示す。このことは、最適な抗原結合のために、所定のヒト化軽鎖との関連においてヒト化重鎖を特異的に選択するプロセスが存在することを示している。十分にヒト化された分子をさらに特徴付けるために、クローンVH-2G6/VL-12C8、VH-6H11/VL-8G7およびVH-7E8/VL-8G7、ならびにmAb B233のキメラ体 (VH-233/VL-233) をその後クローニングして、全長ヒトIgG1として発現させた(§5.5参照)。
【0472】
5.5 ヒトIgG1型でのmAb B233の各種ヒト化型のクローニング、発現および精製
フレームワークシャフル型クローンVH-2G6、VH-6H11、VH-7E8、VL-12C8およびVL-8G7の可変領域、ならびにVH-233およびVL-233の可変領域を、対応するV領域コード化M13ファージベクターから、pfu DNAポリメラーゼを用いてPCR増幅した。次いでそれらを、ヒトサイトメガロウイルス主要前初期(hCMVie)エンハンサー、プロモーターおよび5'-非翻訳領域をコードする哺乳動物発現ベクターに個々にクローニングした。M. Boshartら, Cell 41:521-530 (1985)。この系では、ヒトγ鎖がヒトκ鎖と共に分泌される。S. Johnsonら, Infect. Dis. 176:1215-1224 (1997)。別個の構築物をヒト胚性腎(HEK)293細胞において一過性に発現させ、トランスフェクションの72時間後に回収した。分泌された可溶性ヒトIgG1は、直接1 mLのHiTrapプロテインAまたはプロテインGカラムで製造業者の使用説明書 (APBiotech, Inc., Piscataway, NJ)に従って、馴らし培地から精製した。精製済みのヒトIgG1(典型的には、SDS-PAGEで判定して>95%の均一性)を2〜13μg/ml(馴らし培地)の収量で回収し、リン酸緩衝溶液(PBS)に対して透析し、瞬間凍結して-70℃で貯蔵した。
【0473】
5.6 フレームワークシャフル型キメラおよびmAb B233 IgGのEphA2-Fcへの結合のBIAcore解析
可溶性VH-2G6/VL-12C8、VH-6H11/VL-8G7、VH-7E8/VL-8G7およびVH-233/VL-233 IgGと、ならびにmAb B233と、固定化EphA2-Fcとの相互作用は、表面プラズモン共鳴検出によりBIAcore 3000装置 (Pharmacia Biosensor, Uppsala, Sweden) を使ってモニターした。EphA2-Fcは、CM5センサーチップ (Pharmacia Biosensor) のデキストランマトリックスに、Amine Coupling Kitを用いて、記載される(B. Johnssonら, Anal. Biochem. 198: 268-277 (1991))ように105〜160 RUの表面密度でカップリングさせた。IgGは、0.15 M NaCl、3 mM EDTAおよび0.005% P20を含有する0.01 M HEPES pH 7.4中に希釈した。その後の希釈はすべて、同一のバッファーで行った。全ての結合実験は、一般的に100 nMから0.2 nMまでのIgG濃度を用いて75μL/minの流速で25℃にて行った。データを約25分間収集し、1M NaCl、50 mM NaOHの1分パルスを1回用いて表面を再生させた。また、IgGを非コーティングセル上にも流し、これらのブランク実験からのセンサーグラムを、EphA2-Fcをカップリングさせたチップを用いて得られたセンサーグラムから差し引いた。データは1:1 Langmuir結合モデルに適合させた。このアルゴリズムはkonとkoffの両方を計算し、そこから見かけの平衡解離定数KDを2つの速度定数の比(koff / kon)として推論する。得られた値を表66に示す。
【表66】

【0474】
5.7 フレームワークシャフル型変異体の解析
5.7.1 配列解析
全体的に、ヒトEphA2-Fcへの効率的な結合を支援する2つの特異なヒト化軽鎖(VL-12C8およびVL-8G7)と3つの特異なヒト化重鎖(VH-2G6、VH-6H11およびVH-7E8)が見いだされた。ヒト化軽鎖VL-8G7の無差別な性質は、2つの異なる重鎖(VH-7E8およびVH-6H11)との関係で生産的結合を媒介するその能力によって反映される。これらのヒト化変異体の全ては、対応するフレームワーク領域において高レベルのmAb B233に対する全体的アミノ酸同一性を示し、重鎖についてが76〜83%、軽鎖についてが64〜69%であった(図5)。このことは、高相同性のヒトフレームワークが親のキー残基を保持しているらしい、ということで説明できる。個々のフレームワークの解析は広範囲の相違を明らかにし、その相違は、VL-12C8の第1フレームワークについての48%からVH-2G6、VH-6H11およびVH-7E8の第4フレームワークについての91%までの範囲にわたる。
【0475】
興味深いことに、ヒト化重鎖VH-7E8は、もっぱら、ヒトフレームワーク生殖系列配列との完全な一致を示すヒトフレームワークから成っていた(図5)。ヒト化重鎖VH-6H11およびVH-2G6は、関係が最も近いヒトフレームワーク生殖系列配列とのほぼ完全な一致を示す、それぞれ1つおよび2つのヒトフレームワークを含んでいた(図5)。相違は、鎖(VH-2G6)あたり最大3個の残基となり、またフレームワーク(VH-2G6の第1フレームワーク)あたり2個の残基となった。これらの相違は、関係が最も遠い他のヒトフレームワーク生殖系列配列には存在しないアミノ酸を決してコードしていなかった。かくして、論証上、これらのクローンも「十分にヒト化された」ということができる。ヒト化軽鎖VL-12C8およびVL-8G7は、関係が最も近いヒトフレームワーク生殖系列配列とのほぼ完全な一致を示す、それぞれ1つおよび3つのヒトフレームワークを含んでいた(図5)。相違の数は、鎖(VL-8G7)あたり最大3個の残基となり、またフレームワーク(VL-8G7の第1、第2および第4フレームワーク;VL-12C8の第4フレームワーク)あたり1個の残基となった。しかし、ここでもまた、これらの位置の残基は、相同性が低い他のヒトフレームワーク配列にも見いだされた。したがって、これらの変異体も「十分にヒト化された」ということができる。これらの相違は我々のライブラリーには組み込まれなかったので、我々は、それらの起源がPCRの忠実度および/またはオリゴヌクレオチドの品質といった要因の組合せに起因していると考える。
【0476】
5.7.2 結合解析
mAb B233の軽鎖および重鎖が成功裏にヒト化された(ライブラリーAおよびB)2段階ヒト化方法によってのみ、我々がヒトEphA2-Fcへの結合を保持するヒト化クローンを単離できた、ということは全然価値がないことである。実際、軽鎖と重鎖の両方が同時にヒト化された(ライブラリーC)ライブラリーのスクリーニングから、我々は、この抗原への検出可能な結合を示す分子を回収することができなかった。これはおそらく、最適状態に及ばないライブラリーの質、不完全なライブラリーのサンプリングおよび/またはライブラリーのタンパク質の非効率的な原核生物発現といった要因を反映している。我々は、より多数のクローンをスクリーニングすれば、ヒトEphA2への結合を保持するヒト化抗体フラグメントが同定されたであろう、と予想している。
【0477】
それらの同一の重鎖および軽鎖可変領域を考慮すれば予期されたように、親mAb B233とそのキメラ体IgGは事実上同一の解離定数を示した(それぞれKD = 0.4および0.3 nM;表66)。ヒト化クローンVH-6H11/VL-8G7およびVH-2G6/VL-12C8は、ヒトIgG1型として発現させたとき、親mAb B233およびそのキメラ体に類似したヒトEphA2に対する結合活性を示した(それぞれKD = 1.9および3.0 nM;表66)。これは、親mAb B233と比較して、それぞれ6倍および10倍という結合活性のわずかな低下に相当した。ヒト化クローンVH-7E8/VL-8G7は最も低い結合活性(KD = 48 nM)を示し、これは親mAb B233と比較したとき160倍という大きな低下に相当した。EphA2-Fcへの結合強度に関して、ヒト化IgGクローンVH-6H11/VL-8G7、VH-2G6/VL-12C8およびVH-7E8/VL-8G7の、BIAcoreに基づくランキング(表66)が、それらのFab対応物を利用する、ELISAに基づくランキング(図4)と相違していた、ということは全然価値のないことである。これは、最低の結合活性を示した(表66)、がELISAタイトレーション(図4)では絶えず最高のシグナルを示したクローンVH-7E8/VL-8G7の場合に特に顕著である。我々は、この相違が何に起因するのかわからないが、それはアッセイのフォーマットおよび/または定量ELISAの不正確性に起因しうるらしいと考えている。あるいはまた、この不一致は親和性(図4において測定)と結合活性(表66において測定)の間の独特の、クローン特異的な相関関係を反映しているとも考えられる。事実、個々の2価結合性の測定は、対応する抗原結合部位の特定の空間的配置または局所的な抗原表面分布といった様々な要因に左右される(D.M. Crothersら, Immunochemistry 9: 341-357(1972); K.M. Mullerら, Anal. Biochem. 261: 49-158(1998))。
【0478】
本出願は、2003年8月18日に出願された米国仮出願番号60/496,367(その開示内容を参照することによりそのまま本明細書に含めるものとする)の優先権を主張するものである。
【0479】
引用文献および均等物
本明細書中に引用された全ての文献は、個々の刊行物、特許または特許出願があらゆる目的のために参照することにより本明細書に組み入れられるように具体的かつ個別に示されているのと同程度に、あらゆる目的のためにその全体を参照することにより本明細書に含めるものとする。本発明の多くの修飾および変更が、その精神および範囲を逸脱することなく可能であるが、このことは当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖相補性決定領域(CDR)1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、各重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記核酸配列。
【請求項2】
ドナー軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含む、請求項1に記載の核酸配列。
【請求項3】
ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、各軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、請求項1に記載の核酸配列。
【請求項4】
ドナー抗体の重鎖可変領域に由来する1以上のCDRが、ドナー抗体の対応するCDRをコードする核酸配列に対して1以上の変異を含む、請求項1に記載の核酸配列。
【請求項5】
ドナー抗体の軽鎖可変領域に由来する1以上のCDRが、ドナー抗体の対応するCDRをコードする核酸配列に対して1以上の変異を含む、請求項3に記載の核酸配列。
【請求項6】
ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、各軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記核酸配列。
【請求項7】
ドナー重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含む、請求項6に記載の核酸配列。
【請求項8】
ドナー抗体の軽鎖可変領域に由来する1以上のCDRが、ドナー抗体の対応するCDRをコードする核酸配列に対して1以上の変異を含む、請求項6に記載の核酸配列。
【請求項9】
ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記核酸配列。
【請求項10】
ドナー軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含む、請求項9に記載の核酸。
【請求項11】
ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、請求項9に記載の核酸配列。
【請求項12】
ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、請求項9に記載の核酸配列。
【請求項13】
ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRはある抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記核酸配列。
【請求項14】
ドナー重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含む、請求項13に記載の核酸。
【請求項15】
ヒト化重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヒト化重鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、請求項13に記載の核酸配列。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の核酸配列を含むように遺伝子操作された細胞。
【請求項17】
ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、
(a) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRは前記抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(c) 前記核酸配列を、ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入すること、
(d) ヒト化重鎖可変領域とヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる上記方法。
【請求項18】
ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRは前記抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(c) 前記核酸配列を、ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入すること、
(d) ヒト化重鎖可変領域とヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる上記方法。
【請求項19】
(e) 前記抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体をスクリーニングすること、をさらに含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
ある抗原と免疫特異的に結合するヒト化抗体を作製する方法であって、
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRは前記抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(d) ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRは前記抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(e) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(f) ヒト化重鎖可変領域とヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる上記方法。
【請求項21】
請求項17〜20のいずれか1項に記載の方法により作製されたヒト化抗体。
【請求項22】
請求項21に記載のヒト化抗体および担体、希釈剤または賦形剤を含有する組成物。
【請求項23】
ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列であって、前記ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、それぞれ、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記複数の核酸配列。
【請求項24】
ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列であって、前記ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、それぞれ、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記複数の核酸配列。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−110325(P2012−110325A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255674(P2011−255674)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【分割の表示】特願2006−524046(P2006−524046)の分割
【原出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(504333972)メディミューン,エルエルシー (108)
【Fターム(参考)】