説明

抗凝集コーティング組成物

【課題】顔料およびアクリルポリマーを含み、顔料粒子の凝集が減少している水性組成物を提供する。
【解決手段】(a)顔料粒子;(b)ホスフェートもしくはホスホネート基を含有するアクリルポリマーの粒子;および(c)ピロホスフェート結合を含み、かつ12%未満の炭素を有する、少なくとも1種類の化合物、を含む水性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料または増量剤の存在下におけるラテックスの架橋性凝集を制御または防止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リン含有官能基を有するアクリルポリマーは、従来、水性コーティング組成物の顔料分散剤として公知である。顔料粒子の効率的な分散はコーティングの隠蔽能力を高める。しかしながら、単峰性もしくは二峰性水性エマルジョン結合剤を顔料粒子(例えば、TiOおよび/または増量剤)と共に含むコーティング組成物の架橋性凝集は配合作業を非常に困難なものとする可能性がある。凝集の減少について提案される解決法のうちにはリン酸またはその塩の添加がある。例えば、米国特許第5,385,960号を参照のこと。しかしながら、このアプローチは凝集のプロセスを遅らせるだけであり、凝集が減少した他の配合物が必要である。
【特許文献1】米国特許第5,385,960号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が取り組む問題は凝集が減少したさらなるアクリルコーティング配合物の必要性である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は:(a)顔料粒子;(b)ホスフェートもしくはホスホネート基を含有するアクリルポリマーの粒子;および(c)ピロホスフェート結合を含み、かつ12%以下の炭素を有する、少なくとも1種類の化合物、を含む水性組成物を指向する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
すべてのパーセンテージは、他に指定されない限り、重量パーセンテージである。「アクリルポリマー」という用語は、以下のアクリルモノマーのうちから誘導されるモノマー単位を少なくとも40%含むポリマーを指す:アクリロニトリル(AN);アクリルアミド(AM)、メタクリルアミド、およびそれらのN−置換誘導体;アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、およびイタコン酸(IA)並びにそれらのエステル。(メタ)アクリルおよび(メタ)アクリレートという用語は、それぞれ、アクリルもしくはメタクリル、およびアクリレートもしくはメタクリレートを指す。AAおよびMAAのエステルには、これらに限定されるものではないが、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、ブチルメタクリレート(BMA)、エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)、ラウリルメタクリレート(LMA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、ブチルアクリレート(BA)、エチルヘキシルアクリレート(EHA)およびヒドロキシエチルアクリレート(HEA)に加えて、AAもしくはMAAの他のエステル、例えば、アルキル、ヒドロキシアルキルおよびアミノアルキルエステル;ホスホアルキル(メタ)アクリレートが含まれる。ホスホアルキル(メタ)アクリレートには、例えば、ホスホエチルメタクリレート(PEM)、ホスホプロピル(メタ)アクリレート、ホスホブチル(メタ)アクリレートが含まれる。アクリルアミドの誘導体には、例えば、メチロールアクリルアミド(MLAM)が含まれる。アクリルポリマーは、他のエチレン性不飽和モノマー、例えば、スチレンもしくは置換スチレン;他のα,β−不飽和カルボン酸、エステルおよびアミド;ビニルエステルまたはハロゲン化物等から誘導されるモノマー単位を含むこともできる。好ましくは、アクリルポリマーはアクリルモノマーから誘導されるモノマー残基を少なくとも50%、より好ましくは、少なくとも60%、最も好ましくは、少なくとも70%含む;好ましくは、アクリルポリマーはAA、MAAおよびそれらのエステルのもの以外のモノマー単位を実質的に含まない。「アクリルスチレンコポリマー」はそのモノマー単位の少なくとも50%がAA、MAA、AAおよびMAAのエステル、並びにスチレンモノマーのうちから誘導されるポリマーである。スチレンモノマーには、スチレン(Sty)および置換スチレン、例えば、α−メチルスチレン(AMS)が含まれる。好ましくは、アクリル−スチレンコポリマーは、スチレンもしくはアクリルモノマー単位以外のモノマー単位を20%未満、より好ましくは、10%未満、最も好ましくは、5%未満含む。好ましくは、本発明におけるポリマーはラテックスの形態で存在する。このポリマーは単峰性であっても二峰性であってもよい。例えば、米国特許第6,818,697号を参照のこと。
【0006】
本発明の水性組成物は、ホスフェートもしくはホスホネート基を含有するアクリルポリマーを含む。本発明の一態様において、これらの基は、例えば、ホスホアルキル(メタ)アクリレート、例えば、ホスホエチル(メタ)アクリレート、ホスホプロピル(メタ)アクリレート、およびホスホブチル(メタ)アクリレート、ホスホアルキルクロトネート、ホスホアルキルマレエート、ホスホアルキルフマレート、ホスホジアルキル(メタ)アクリレート、ホスホジアルキルクロトネート、およびアリルホスフェートを含む、ホスフェートもしくはホスホネート含有モノマーからのモノマー残基の形態で存在する。本発明の目的上、ホスホアルキル(メタ)アクリレートには(メタ)アクリレートのエチレンオキシド縮合体、例えば、HC=C(CH)COO(CHCHO)P(O)(OH)(式中、nは1ないし50である)が含まれる。このホスフェートもしくはホスホネート含有ポリマーは組成物中の唯一のアクリルポリマーであってもよく、またはホスフェートもしくはホスホネート基を含まないアクリルポリマーと配合されていてもよい。好ましくは、ホスフェートもしくはホスホネート含有モノマー単位は、固形分基準で、アクリルポリマー(1種類以上)の総量の0.5%ないし8%、より好ましくは、1%ないし5%を構成する。
【0007】
本発明の組成物は、ピロホスフェート結合、すなわち、P−O−P結合(ここで、各々のPはホスフェートもしくはホスフェートエステル基の一部である)を含む、少なくとも1種類の化合物を含有する。この化合物は幾つかの有機官能基を、おそらくはアルキルエステルの形態で、有することができるが、それが含む炭素は12%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下であり、最も好ましくは、実質的に炭素を含まない。本発明の好ましい態様において、この化合物は構造(I)を有し、
【0008】
【化1】

【0009】
式中、Rは水素、アルカリ金属、またはアンモニウムであり;RおよびRは、独立に、水素、アルカリ金属、アンモニウム、または構造(II)の基
【0010】
【化2】

【0011】
であり、式中、RおよびRは、独立に、水素、アルカリ金属、アンモニウム、または構造(II)の他の基であり;RおよびRは構造(II)の異なる基においては異なっていてもよく;並びにR、R、RおよびRから選択される基の対が組み合わされて1つ以上の環状構造を形成してもよい。したがって、ピロホスフェート結合を有する化合物は複数のピロホスフェート結合を含むことができ、分岐および/または環状化合物であってもよい。ピロホスフェート結合を有する好ましい化合物には、例えば、ピロホスフェート、トリポリホスフェート、メタホスフェートおよびヘキサメタホスフェートの酸形態、またはアルカリ金属もしくはアンモニウム塩が含まれる。本発明の好ましい態様においては、ナトリウム塩が用いられる。ピロホスフェート結合を有する化合物(1種類以上)のアクリルポリマー上のホスフェートもしくはホスホネート官能基に対するモル比は、好ましくは、1:0.1ないし1:10、より好ましくは、1:0.5ないし1:4、最も好ましくは、1:1ないし1:3である。
【0012】
本発明の組成物は顔料粒子を含む。この組成物は任意に充填剤粒子も含む。好ましくは、総アクリルポリマー固形分のパーセンテージとしての顔料および充填剤の総量は1%ないし400%、より好ましくは、50%ないし200%である。充填剤および顔料の例には、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、クレー、酸化鉄、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウムおよびそれらの組み合わせが含まれる。好ましくは、本発明の組成物は二酸化チタンを含む。好ましくは、二酸化チタン粒子は直交性であり、すなわち、粒子を貫く断面の寸法が同じ粒子を貫く他の断面の寸法を実質的に上回ることがない。直交性粒子の例は球形および立方体粒子、並びに球形と立方体との中間の形状を有するものである。好ましくは、総アクリルポリマー固形分のパーセンテージとしての二酸化チタンの量は1%ないし200%、より好ましくは、50%ないし150%である。
【0013】
本発明の一態様において、ホスフェートもしくはホスホネート基を含むアクリルポリマーは−20℃ないし60℃のTgを有する。好ましくは、Tgは−15℃ないし35℃、より好ましくは、5℃ないし25℃である。TgはFox式(T.G. Fox, Bull. Am. Physics Soc, vol. 1 (3), page 123 (1956))を用いて算出する。好ましくは、アクリルポリマーのMwは少なくとも10,000、より好ましくは、少なくとも50,000、最も好ましくは、少なくとも80,000である。
【0014】
本発明の組成物がコーティングとして配合されるとき、典型的には、他の通常のコーティング補助剤、例えば、粘着付与剤、乳化剤、緩衝剤、中和剤、増粘剤もしくはレオロジー改変剤、湿潤剤、加湿剤、殺生剤、可塑剤、消泡剤、着色料、ワックス、酸化防止剤、および造膜助剤が添加される。本発明の水性コーティング組成物の固形分含有率は10体積%ないし70体積%である。この水性コーティング組成物の粘度は、Brookfield粘度計を用いる測定で、50cpsないし10,000cpsである。水性組成物の目的とする用途に依存して適切な粘度は広範囲に存在する。
【0015】
本発明の組成物は顔料および/または充填剤を含むラテックス配合物に改善された粘度安定性を提供し、すなわち、平衡または老化で生じる粘度の変化を減少させる。この組成物は、コーティング組成物から沈殿する傾向にある、凝集粒子の塊の形成も減少することができる。
【実施例】
【0016】
実施例1:単峰性ポリマー分散液の合成
単峰性ポリマー分散液を以下のように調製した。5リットル四首丸底フラスコにパドル攪拌機、温度計、窒素導入口および凝縮器を備え付けた。最初のケトル投入において、界面活性剤、重炭酸アンモニウム、および脱イオン水の混合物をケトルに添加し、窒素雰囲気下で82℃に加熱した。モノマーエマルジョン(ME)を、脱イオン水、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、1−ドデカンチオール、およびホスホエチルメタクリレート(61重量%活性強酸モノマー)を混合することによって調製した。82℃のケトル水と共に、以下の物質を順に添加した:MEおよびすすぎ水、0.1%硫酸鉄溶液および1%エチレンジアミン四酢酸、四ナトリウム塩溶液の混合物、脱イオン水中のtert−ブチルヒドロペルオキシドの溶液、並びに水中のイソアスコルビン酸の溶液。反応温度は80℃で保持した。5分間攪拌した後、残りのMEを80℃で120分にわたって添加した。2種類の同時供給溶液(脱イオン水中の70%tert−ブチルヒドロペルオキシドおよび脱イオン水中のイソアスコルビン酸)を徐々に添加した。MEの半分をケトルに添加したとき、水酸化アンモニウム(28%)をイソアスコルビン酸同時供給溶液に添加した。モノマー添加の完了後、ME容器を脱イオン水ですすいだ。次に、その分散液を60℃に冷却した。その反応混合物を冷却し続けながら、2種類のチェイス溶液(chase solutions)(脱イオン水中の70%tert−ブチルヒドロペルオキシドおよび脱イオン水中のイソアスコルビン酸)を20分にわたって添加した。28%水酸化アンモニウム溶液をケトルに添加した後、分散液を濾過して凝塊を除去した。ケトルに投入したすべての物質の量は下記表1に見出すことができる。
【0017】
【表1】

【0018】
実施例2:単峰性水性エマルジョンコポリマーの合成
単峰性ポリマー分散液を以下のように調製した。5リットル四首丸底フラスコにパドル攪拌機、温度計、窒素導入口および凝縮器を備え付けた。最初のケトル投入において、重炭酸アンモニウム、実施例1において作製した分散液、および脱イオン水の混合物をケトルに添加し、窒素雰囲気下で80℃に加熱した。モノマーエマルジョン(ME)を、脱イオン水、界面活性剤、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、1−ドデカンチオール、およびホスホエチルメタクリレート(61重量%活性強酸モノマー)を混合することによって調製した。82℃のケトル水と共に、以下の物質を順に添加した:MEおよびすすぎ水、並びに0.1%硫酸鉄溶液および1%エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩溶液の混合物。2種類の同時供給溶液(脱イオン水中の70%tert−ブチルヒドロペルオキシドおよび脱イオン水中のイソアスコルビン酸)を130分にわたって徐々に添加した。同時供給溶液の開始の10分後、MEを80℃で120分にわたって添加した。MEの半分をケトルに添加したとき、水酸化アンモニウム(28%)をイソアスコルビン酸同時供給溶液に添加した。モノマー添加の完了後、ME容器を脱イオン水ですすいだ。次に、その分散液を60℃に冷却した。その反応混合物を冷却し続けながら、2種類のチェイス溶液(脱イオン水中の70%tert−ブチルヒドロペルオキシドおよび脱イオン水中のイソアスコルビン酸)を20分にわたって添加した。28%水酸化アンモニウム溶液をケトルに添加した後、分散液を濾過して凝塊を除去した。ケトルに投入したすべての物質の量は上記表1に見出すことができる。
【0019】
実施例3:二峰性エマルジョンコポリマーのワンポット合成
二峰性ポリマー分散液を以下のように調製した。5リットル四首丸底フラスコにパドル攪拌機、温度計、窒素導入口および凝縮器を備え付けた。29.0グラムの界面活性剤、3.4グラムの重炭酸アンモニウム、88.9グラムのアクリルポリマーエマルジョン(100nm、固形分45%)、および950グラムの脱イオン水の混合物をケトルに添加し、窒素雰囲気下で80℃に加熱した。モノマーエマルジョン(ME)を、550グラムの脱イオン水、64.5グラムの界面活性剤、1040グラムのブチルアクリレート、910グラムのメチルメタクリレート、2.5グラムの1−ドデカンチオール、40グラムのホスホエチルメタクリレート(61重量%活性強酸モノマー)、および10グラムのメタクリル酸を混合することによって調製した。80℃のケトル水と共に、25グラムの0.1%硫酸鉄溶液および1.7グラムの1%エチレンジアミン四酢酸、四ナトリウム塩溶液の混合液を添加した。MEを80℃で2時間にわたってケトルに添加した。2種類の同時供給溶液(脱イオン水104グラム中4グラムの70%tert−ブチルヒドロペルオキシドおよび脱イオン水96グラム中2.8グラムのイソアスコルビン酸)をモノマーエマルジョン添加と共に徐々に添加した。MEの半分をケトルに添加したとき、水酸化アンモニウム(28%、10グラム)をイソアスコルビン酸同時供給溶液に添加した。モノマー添加の完了後、ME容器を30.0グラムの脱イオン水ですすいだ。次に、分散液を60℃に冷却した。その反応混合物を冷却し続けながら、次いで、2種類のチェイス溶液(脱イオン水15グラム中1グラムの70%tert−ブチルヒドロペルオキシドおよび脱イオン水15グラム中0.72グラムのイソアスコルビン酸)を20分にわたって添加した。20グラムの28%水酸化アンモニウムの溶液の添加後、分散液を濾過して凝塊を除去した。濾過した分散液は8.6のpH、および51.6%の固形分含有率を有していた。この分散液のCHDFでの検査では、それが2つの別のモード(96nmで51重量%、および242nmで49重量%)を有することが示された。
【0020】
実施例4
水中5%の四ナトリウムピロホスフェート10水和物溶液を、5グラムのこの物質を95グラムの水に溶解することによって調製した。
【0021】
実施例5
ベンチトップ攪拌機で、430グラムの実施例2を43.86グラムの実施例4と混合した。これはポリマー固形分に対して1.0%の四ナトリウムピロホスフェート10水和物に等しい(s/s)。
【0022】
実施例6
ベンチトップ攪拌機で、430グラムの実施例3を43.86グラムの実施例4と混合した、これはポリマー固形分に対して1.0%の四ナトリウムピロホスフェート10水和物に等しい(s/s)。
【0023】
実施例7
ベンチトップ攪拌機で、307グラムのTi−Pure(商標)R−746 TiOスラリーを43.86グラムの実施例4と混合した。
【0024】
実施例8
430グラムの実施例5を307グラムのTi−Pure(商標)R−746 TiOスラリーに添加した。数秒間攪拌した後、それらを舌圧子でゆっくりと混合した。この混合物は非常に良好であり、凝集または砂状物形成の徴候はなかった。
【0025】
実施例9
430グラムの実施例2を実施例7に添加し、数秒間攪拌した後、舌圧子でゆっくりと混合した。この混合物は非常に良好であり、凝集または砂状物形成の徴候はなかった。
【0026】
実施例10
430グラムの実施例6を307グラムのTi−Pure(商標)R−746 TiOスラリーに添加した。数秒間攪拌した後、それらを舌圧子でゆっくりと混合した。この混合物は非常に良好であり、凝集または砂状物形成の徴候はなかった。
【0027】
実施例11
430グラムの実施例3を実施例7に添加し、数秒間攪拌した後、舌圧子でゆっくりと混合した。この混合物は非常に良好であり、凝集または砂状物形成の徴候はなかった。
【0028】
実施例12
430グラムの実施例2を307グラムのTi−Pure(商標)R−746 TiOスラリーに添加した。数秒間攪拌した後、それらを舌圧子でゆっくりと混合したところ、ほぼ直後に凝集および砂状物が生じた。
【0029】
実施例13
430グラムの実施例3を307グラムのTi−Pure(商標)R−746 TiOスラリーに添加した。数秒間攪拌した後、それらを舌圧子でゆっくりと混合したところ、ほぼ直後に凝集および砂状物が生じた。
【0030】
実施例14−17
実施例2、5、3および6について、それぞれ以下の配合(表2)に従って調製され、オーバーナイトでデルタKUについて試験した(表3)。
【0031】
粉砕物:Ti−Pure R−746 TiOスラリーを容器に入れ、Premier Mill Corp.実験分散機で機械的に攪拌した。Ti−Pure R−746 TiOスラリーを攪拌しながら、Triton CF−10、Drewplus L−475、Tamol 1124およびAMP−95を容器に添加した。別の容器において、水、Tamol 1124およびAttagelをベンチトップ混合機を用いて10分間機械的に攪拌した後、上記Ti−Pure R−746 TiOスラリー混合物に添加し、さらに10分間攪拌した。
【0032】
レットダウン:ポリマー分散液をベンチトップ混合機上の容器に入れた。次に、上記粉砕物、水、エチレングリコール、Drewplus L−475、Texanol(登録商標)、Ropaque Ultra、Acrysol(登録商標)RM−2020 NPR、AcrySol(登録商標)SCT−275およびさらなる水を添加した。
【0033】
実施例18−19
実施例2および3について、Ti−Pure R−746 TiOスラリーの代わりに実施例7を用いて配合(表2)に従って調製された。
【0034】
【表2】

【0035】
ACRYSOLおよびTAMOLはペンシルバニア州フィラデルフィアに位置するRohm and Haas Companyの商標である。TEXANOLはテネシー州キングスポートに位置するEastman Chemical Co.の商標である。
【0036】
【表3】

【0037】
実施例15、17、18および19は、オーバーナイトで(O/N)平衡化させた後、四ナトリウムピロホスフェートなしである実施例14および16に対して、より低いデルタKUを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)顔料粒子;
(b)ホスフェートまたはホスホネート基を含有するアクリルポリマーの粒子;および
(c)ピロホスフェート結合を含み、かつ12%以下の炭素を有する、少なくとも1種類の化合物:
を含む水性組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種類の化合物が構造(I)
【化1】

(式中、Rは水素、アルカリ金属、またはアンモニウムであり;RおよびRは、独立に、水素、アルカリ金属、アンモニウム、または構造(II)の基
【化2】

であり、式中、RおよびRは、独立に、水素、アルカリ金属、アンモニウム、または構造(II)の他の基であり;RおよびRは構造(II)の異なる基においては異なっていてもよく;並びにR、R、RおよびRから選択される基の対が組み合わされて環状構造を形成してもよい)
を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
直交性である顔料粒子を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
顔料粒子が二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウムおよびそれらの組み合わせからなる群のうちから選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
組成物が二酸化チタンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
ホスフェートまたはホスホネート基を含むアクリルポリマーが−20℃ないし60℃のTgを有する請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
ホスフェートまたはホスホネート基を含むアクリルポリマーがホスホアルキル(メタ)アクリレートの残基を含む請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種類の化合物がアルカリ金属またはアンモニウムピロホスフェート、トリポリホスフェート、メタホスフェートもしくはヘキサメタホスフェートである請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
顔料粒子が二酸化チタンを含む請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
二酸化チタン粒子が直交性である請求項9に記載の組成物。

【公開番号】特開2007−23279(P2007−23279A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−191287(P2006−191287)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】