説明

抗原および免疫調節ワクチンおよびコレステロール、ならびにその使用

【課題】1つまたは複数の抗原およびコレステロールを有するワクチンを提供する。
【解決手段】態様は、1つまたは複数の抗原、1つまたは複数の免疫調節分子およびコレステロールを有するワクチン。態様は、ヒトおよび動物の障害を処置および/または予防するためのワクチンの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2010年5月28日に出願の米国仮特許出願第61/349,244号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、1つまたは複数の抗原およびコレステロールを有するワクチンならびにその使用に関する。本発明はさらに、1つまたは複数の抗原および1つまたは複数の免疫調節分子およびコレステロールを有するワクチンならびにその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
コレステロールは免疫調節分子の活性を増強することができ、したがって、コレステロールと免疫調節分子との組合せをヒトおよび動物の障害の処置および/または予防に使用できることが見出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/349,244号
【特許文献2】WO95/01363号
【特許文献3】米国特許第4,469,863号
【特許文献4】米国特許第5,023,243号
【特許文献5】欧州特許第0,092,574号
【特許文献6】米国特許第6,949,520号
【特許文献7】公開PCT出願PCT/US00/26527号(WO01/22990号)
【特許文献8】米国特許第6,194,388B1号
【特許文献9】米国特許第6,239,116B1号
【特許文献10】公開PCT出願WO/1996/002555号
【特許文献11】公開PCT出願WO/1998/018810号
【特許文献12】米国公開出願第20030148976号
【特許文献13】公開PCT出願WO2008/068638号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Cheever,M.A.ら、Clincal Cancer Research、2009年9月1日、15(17):5323〜5337
【非特許文献2】Merck Index、第12版、369ページ
【非特許文献3】Uhlmann Eら(1990)Chem Rev、90:543
【非特許文献4】「Protocols for Oligonucleotides and Analogs」、Synthesis and Properties & Synthesis and Analytical Techniques、S.Agrawal編、Humana Press、米国Totowa、1993
【非特許文献5】Crooke STら(1996)Annu Rev Pharmacol Toxicol、36:107〜129
【非特許文献6】Hunziker Jら(1995)Mod Synth Methods、7:331〜417
【非特許文献7】Uhlmann EおよびPeyman A、「Methods in Molecular Biology」、第20巻、「Protocols for Oligonucleotides and Analogs」、S.Agrawal編、Humana Press、Totowa、1993、第16章、355ffページ
【非特許文献8】Stirchak EPら(1989)Nucleic Acids Res、17:6129〜41
【非特許文献9】Nielsen PEら(1994)Bioconjug Chem、5:3〜7
【非特許文献10】Froehler J(1992)Am Chem Soc、114:8320
【非特許文献11】Vandendriesscheら(1993)Tetrahedron、49:7223
【非特許文献12】Tarkov Mら(1993)Helv Chim Acta、76:481
【非特許文献13】Wagner RWら(1996)Nat Biotechnol、14:840〜4
【非特許文献14】Beaucage,S.L.およびCaruthers,M.H.、Tet.Let.、22:1859、1981
【非特許文献15】Gareggら、Tet.Let.、27:4051〜4054、1986
【非特許文献16】Froehlerら、Nucl.Acid.Res.、14:5399〜5407、1986
【非特許文献17】Gareggら、Tet.Let.、27:4055〜4058、1986
【非特許文献18】Gaffneyら、Tet.Let.、29:2619〜2622、1988
【非特許文献19】Uhlmann,E.およびPeyman,A.、Chem.Rev.、90:544
【非特許文献20】Goodchild,J.、Bioconjugate Chem.、1:165、1990
【非特許文献21】Yamamoto Sら、J Immunol、148:4072〜6(1992)
【非特許文献22】Krieg AMら(1995)Nature、374:546〜9
【非特許文献23】Ballas ZKら(1996)J Immunol、157:1840〜5
【非特許文献24】AbuchowskiおよびDavis、1981、「Soluble Polymer−Enzyme Adducts」、Enzymes as Drugs、HocenbergおよびRoberts編、Wiley−Interscience、ニューヨーク州New York、367〜383ページ
【非特許文献25】Newmarkら、1982、J.Appl.Biochem.、4:185〜189
【非特許文献26】Langer、Science、249:1527〜1533、1990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1つまたは複数の抗原およびコレステロールを含むワクチン、ならびに1つまたは複数の抗原、1つまたは複数の免疫調節分子およびコレステロールを含むワクチンを記載する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特定の態様では、本発明は、1つまたは複数の抗原およびコレステロールを含むワクチンに関する。一部の態様では、1つまたは複数の抗原は、それぞれ独立して、微生物抗原、自己抗原、腫瘍抗原、アレルゲン、または中毒性物質である。
【0008】
特定の態様では、本発明は、1つまたは複数の抗原および1つまたは複数の免疫調節分子およびコレステロールを含むワクチンに関する。諸態様では、ワクチンは薬学的担体をさらに含む。一部の態様では、1つまたは複数の抗原は、それぞれ独立して、微生物抗原、自己抗原、腫瘍抗原、アレルゲン、または中毒性物質である。
【0009】
特定の態様では、本発明は、1つまたは複数の抗原およびコレステロールを含むワクチンを、対象において抗原特異的免疫応答を誘導するために有効な量で投与することを含む、それを必要としている対象において抗原特異的免疫応答を誘導する方法に関する。
【0010】
特定の態様では、本発明は、1つまたは複数の抗原および1つまたは複数の免疫調節分子およびコレステロールを含むワクチンを投与することを含む、それを必要としている対象において抗原特異的免疫応答を誘導する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】アジュバントの非存在下、またはアジュバントとしてCpGもしくはCpG+コレステロールの存在下における、T細胞による抗原特異的サイトカインの分泌を表すグラフである。図1a.1種または2種のサイトカインを分泌するCD4+T細胞のグラフである。図1b.3種のサイトカインを分泌するCD4+T細胞のグラフである。図1c.1種または2種のサイトカインを分泌するCD8+T細胞のグラフである。図1d.3種のサイトカインを分泌するCD8+T細胞のグラフである。
【図2】アジュバントなし、CpGおよびCpG+コレステロールの存在下における、IL−2(図2a)およびIFN−γ(図2b)の産生を示すグラフである。
【図3】アジュバントの非存在下またはアジュバントとしてCpGもしくはCpG+コレステロールの存在下における、卵白アルブミンに特異的なCD8+T細胞応答を示すグラフである。図3a〜3b:細胞毒性があるT細胞応答、図3c〜3d:抗原特異的CD8+T細胞集団。
【図4】アジュバントの非存在下またはアジュバントとしてCpGもしくはCpG+コレステロールの存在下における、卵白アルブミンに特異的な抗体価を示すグラフである。それぞれのバーの上部の数字は、IgG2c/IgG1の比を表す。
【図5】抗原、CpGおよびコレステロールの透過型電子顕微鏡画像を示す図である。
【図6】CpG+コレステロール(1:1もしくは1:10のCpG:コレステロールの比)、Advasure−DEAE/デキストラン、QCDCRまたはQCDCR+CpGの存在下において五価の不活化ウイルスワクチンBVDV1および2、IBRV、PI3VならびにBRSVで免疫化した仔ウシにおける、注射部位の反応を示すグラフである。一部の動物はノバルティスの市販のワクチンVira shield(登録商標)で免疫化した。プラセボ動物には滅菌した生理食塩水を与えた。表1は、CpG+コレステロール(1:1もしくは1:10のCpG:コレステロールの比)、Advasure−DEAE/デキストラン、QCDCRまたはQCDCR+CpGの存在下において五価の不活化ウイルスワクチンBVDV1および2、IBRV、PI3VならびにBRSVでワクチン接種した後にBVDV−2で免疫誘発した後の、臨床的疾患、発熱、白血球減少症またはウイルス血症を患っている仔ウシのパーセンテージを示す。一部の動物はノバルティスの市販のワクチンVira shield(登録商標)で免疫化した。プラセボ動物には滅菌した生理食塩水を与えた。
【図7】CpG+コレステロールを含めた様々なアジュバントと共に配合したペルタクチン(p68)で免疫化したブタにおける抗原特異的抗体応答を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の態様は、1つまたは複数の抗原およびコレステロールを有するワクチン、ならびに1つまたは複数の抗原および1つまたは複数の免疫調節分子およびコレステロールを有するワクチンに関する。本発明の態様では、本発明のワクチンを投与することによって、それを必要としている対象において抗原特異的免疫応答を誘導する方法が開示されている。また、障害を処置するための医薬品の製造におけるワクチンの使用も開示されている。
【0013】
本発明の態様では、1つまたは複数の抗原は、それぞれ独立して、微生物抗原、自己抗原、腫瘍抗原、アレルゲン、または中毒性物質である。一部の態様では、微生物抗原は、細菌、ウイルスまたは寄生生物の起源のものである。一部の態様では、抗原は、ペプチド、担体タンパク質とコンジュゲートしたペプチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、精製タンパク質、死滅させた完全な病原体、生きた弱毒化したウイルス、生きた弱毒化した細菌、ウイルスもしくは細菌ベクター内で発現された抗原、多糖、担体タンパク質とコンジュゲートした多糖、ウイルス様粒子とコンジュゲートしたタンパク質、ハプテン、担体タンパク質とコンジュゲートしたハプテンまたは低分子である。
【0014】
本発明の態様では、抗原は細菌起源のものである。一部の態様では、細菌抗原は、死滅させた完全な細菌、生きた弱毒化した細菌または細菌の精製タンパク質である。
【0015】
本発明の態様では、細菌には、それだけには限定されないが、アシネトバクター・カルコアセティカス(Acinetobacter calcoaceticus)、アセトバクター・パセルイアヌス(Acetobacter paseruianus)、アクチノバチルス・アクチノミセタムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、アクチノバチルス・プルロニューモニア(Actinobacillus pleuropneumoniae)、イスラエル放線菌(Actinomyces israelli)、アクチノマイセス・ビスコーサス(Actinomyces viscosus)、アエロモナス・ヒドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、アルカリゲネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus)、アリシクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius)、アルケオグロブス・フルギダス(Archaeglobus fulgidus)、バチルス(Bacillus)種、炭疽菌(Bacillus antracis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophillus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・サーモカテニュラタス(Bacillus thermocatenulatus)、バクテロイデス(Bacteroides)種、ボルデテラ(Bordetella)種、気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica)、ライム病菌(Borrelia burgdorferi)、ブルセラ(Brucella)種、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、ブルクホルデリア・グルマエ(Burkholderia glumae)、ブラキスピラ(Brachyspira)種、ブラキスピラ・ヒオディセンテリア(Brachyspira hyodysenteria)、ブラキスピラ・ピロシコリ(Brachyspira pilosicoli)、カンピロバクター(Campylobacter)種、カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、カンピロバクター・フィータス(Campylobacter fetus)、カンピロバクター・ハイオインテスティナリス(Campylobacter hyointestinalis)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)、トラコーマ病原体(Chlamydia trachomatis)、クラミドフィラ(Chlamydophila)種、クロモバクテリウム・ビスコーサム(Chromobacterium viscosum)、クロストリジウム(Clostridium)種、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、破傷風菌(Clostridium tetani)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)、エンテロバクター(Enterobacter)種、エンテロバクター・エアロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロコッカス(Enterococcus)種、ブタ丹毒素(Erysipelothrix rhusiopathieae)、エシェリキア(Escherichia)種、大腸菌(Escherichia coli)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、ヘモフィルス(Haemophilus)種、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、ヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus)、ヘリコバクター(Helicobacter)種、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、ヘリコバクター・スイス(Helicobacter suis)、クレブシエラ(Klebsiella)種、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilis)、ローソニア・イントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)、レジオネラ(Legionella)種、在郷軍人病菌(Legionella pneumophilia)、レプトスピラ(Leptospira)種、たとえば、レプトスピラ・カニコラ(Leptospira canicola)、レプトスピラ・グリッポティポーサ(Leptospira grippotyposa)、レプトスピラ・ハージョ(Leptospira hardjo)、レプトスピラ・ボルグペテルセニイ・ハージョ−ボビス(Leptospira borgpetersenii hardjo−bovis)、レプトスピラ・ボルグペテルセニイ・ハージョ−プラジトゥノ(Leptospira borgpetersenii hardjo−prajitno)、レプトスピラ・インテロガンス(Leptospira interrogans)、レプトスピラ・イクテロヘモラージエ(Leptospira icterohaemorrhagiae)、レプトスピラ・ポモナ(Leptospira pomona)、レプトスピラ(Leptospira)、レプトスピラ・ブラチスラバ(Leptospira bratislava)、リステリア(Listeria)種、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、髄膜炎菌(Meningococcal bacteria)、モラクセラ(Moraxella)種、マイコバクテリウム(Mycobacterium)種、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、トリ型結核菌(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)、マイコバクテリウム・カンサシイ(Mycobacterium kansasii)、マイコバクテリウム・ゴルドナエ(Mycobacterium gordonae)、マイコプラズマ(Mycoplasma)種、たとえば、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae)、マイコプラズマ・シノビエ(Mycoplasma synoviae)、マイコプラズマ・ハイオリニス(Mycoplasma hyorhinis)、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)、マイコプラズマ・ミコイデス亜種ミコイデスLC(Mycoplasma mycoides subsp.mycoides LC)、ナイセリア(Neisseria)種、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、オドリバクター・デンティカニス(Odoribacter denticanis)、パスツレラ(Pasteurella)種、ヘモリチカ菌(Pasteurella(Mannheimia) haemolytica)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、フォトラブダス・フミネセンス(Photorhabdus luminescens)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、ポルフィロモナス・グラエ(Porphyromonas gulae)、ポルフィロモナス・サリボーサ(Porphyromonas salivosa)、ざ瘡菌(Propionibacterium acnes)、プロテウス(Proteus)種、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、シュードモナス(Pseudomonas)種、シュードモナス・ウィスコンシネシス(Pseudomonas wisconsinensis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、蛍光菌C9(Pseudomonas fluorescens C9)、蛍光菌SIKW1(Pseudomonas fluorescens SIKW1)、シュードモナス・フラギ(Pseudomonas fragi)、シュードモナス・ルテオラ(Pseudomonas luteola)、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)、シュードモナスsp B11−1(Pseudomonas sp B11−1)、サイクロバクター・イモビリス(Psychrobacter immobilis)、リケッチア(Rickettsia)種、発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekii)、斑点熱リケッチア(Rickettsia rickettsii)、サルモネラ(Salmonella)種、サルモネラ・ボンゴリ(Salmonella bongori)、豚コレラ(Salmonella choleraesuis)、サルモネラ・ダブリン(Salmonella dublin)、サルモネラ菌(Salmonella enterica)、サルモネラ・ニューポート(Salmonella newport)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、チフス菌(Salmonella typhi)、霊菌(Serratia marcescens)、シゲラ(Shigella)種、スピルリナ・プラテンシス(Spirulina platensis)、スタフィロコッカス(Staphylococci)種、黄色ブドウ球菌(Staphlyoccocus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphyloccoccus epidermidis)、スタフィロコッカス・ハイカス(Staphylococcus hyicus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)種、ストレプトバチルス・モニリフォルミス(Streptobacillus moniliformis)、ベータ−溶血性連鎖球菌(beta−hemolytic Streptococcus)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(A群連鎖球菌)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)(B群連鎖球菌)、緑色連鎖球菌(Streptococcus viridans)群、大便連鎖球菌(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)、ストレプトコッカス・ウベリス(Streptococcus uberis)、ストレプトコッカス・ディスガラクティエ(Streptococcus dysgalactiae)、嫌気性連鎖球菌種(Streptococcus anaerobic sps.)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)、ストレプトコッカス・サンギス(Streptococcus sanguis)、ストレプトマイセス・アルブス(Streptomyces albus)、ストレプトマイセス・シナモネウス(Streptomyces cinnamoneus)、ストレプトマイセス・エクスフォリエーテス(Streptomyces exfoliates)、ストレプトマイセス・スキャビエス(Streptomyces scabies)、スルホ
ロブス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius)、シネコシスティス(Synechocystis)種、トレポネーマ(Treponema)種、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)、トレポネーマ・ミヌツム(Treponema minutum)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、フランベジアトレポネーマ(Treponema pertenue)、トレポネーマ・ファージデニス(Treponema phagedenis)、トレポネーマ・レフリンゲンス(Treponema refringens)、トレポネーマ・ビンセンティ(Treponema vincentii)、ビブリオ(Vibrio)種、コレラ菌(Vibrio cholerae)、エルシニア(Yersinia)種およびその組合せが含まれる。
【0016】
細菌性病原体のポリペプチドまたは多糖には、それだけには限定されないが、せつ腫症を引き起こすエロモナス・サルモニシダ(Aeromonas salmonicida)の鉄調節性外膜タンパク質(IROMP)、外膜タンパク質(OMP)、およびAタンパク質、細菌性腎臓病(BKD)を引き起こすレニバクテリウム・サルモニナルム(Renibacterium salmoninarum)のp57タンパク質、エルジニア症(Yersiniosis)の主要表面会合抗原(msa)、表面発現細胞毒素(mpr)、表面発現溶血素(ish)、および鞭毛抗原、パスツレラ症(Pasteurellosis)の細胞外タンパク質(ECP)、IROMP、および構造タンパク質、ビブリオ・アンギラルム(Vibrio anguillarum)およびブイ・オルダリイ(V.ordalii)のOMPおよび鞭毛タンパク質、エドワージエラ・イクタルリ(Edwardsiellosis ictaluri)およびイー・タルダ(E.tarda)の鞭毛タンパク質、OMPタンパク質、aroA、およびpurA、イクチオフチリウス(Ichthyophthirius)の表面抗原、サイトファーガ・コルムナリ(Cytophaga columnari)の構造および調節タンパク質、リケッチア(Rickettsia)の構造および調節タンパク質、ならびに黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)からのIsdA、ClfA、ClfB、Opp3A、HLAおよび莢膜多糖が含まれる。
【0017】
本発明の態様では、抗原はウイルス起源のものである。一部の態様では、ウイルス抗原は、死滅させたもしくは不活化させた完全なウイルス、生きた弱毒化したウイルスまたはウイルスの精製タンパク質もしくはペプチドである。
【0018】
一部の態様では、ウイルスは動物に感染するものであり、それだけには限定されないが、トリヘルペスウイルス、トリインフルエンザ、トリ白血症ウイルス、トリパラミクソウイルス、ボーダー病ウイルス、ウシコロナウイルス、ウシ流行熱ウイルス、ウシヘルペスウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、ウシ白血病ウイルス、ウシパラインフルエンザウイルス3、ウシ呼吸器合胞体ウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、I型BVDV、II型BVDV、イヌアデノウイルス、イヌコロナウイルス(CCV)、イヌジステンパーウイルス、イヌヘルペスウイルス、ウマヘルペスウイルス、イヌインフルエンザウイルス、イヌパラインフルエンザウイルス、イヌパルボウイルス、イヌ呼吸器コロナウイルス、ブタコレラウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス(EEE)、ウマ伝染性貧血ウイルス、ウマインフルエンザウイルス、西ナイルウイルス、ネコカルシウイルス、ネコ腸内コロナウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ネコ感染性腹膜炎ウイルス、ネコヘルペスウイルス、ネコインフルエンザウイルス、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、ネコウイルス性鼻気管炎ウイルス、レンチウイルス、マレック病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ヒツジヘルペスウイルス、ヒツジパラインフルエンザ3、ヒツジ進行性肺炎ウイルス、ヒツジ肺腺癌ウイルス、汎親和性CCV、I型ブタシルコウイルス(PCV)、II型PCV、ブタ流行性下痢ウイルス、ブタ赤血球凝集性脳脊髄炎ウイルス、ブタヘルペスウイルス、ブタパルボウイルス、ブタ生殖器呼吸器症候群(PRRS)ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、狂犬病、ロトウイルス、ライノウイルス、牛疫ウイルス、ブタインフルエンザウイルス、伝染性胃腸炎ウイルス、シチメンチョウコロナウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、水疱性口内炎ウイルス、西ナイルウイルス、西部ウマ脳炎ウイルスおよびその組合せが含まれる。
【0019】
一部の態様では、ウイルスはヒトに感染するものであり、それだけには限定されないが、アデノウイルス科(Adenoviridae)(ほとんどのアデノウイルス)、アレナウイルス科(Arena viridae)(出血熱ウイルス)、アストロウイルス(Astroviruses)、ブンガウイルス科(Bungaviridae)(たとえば、ハンタンウイルス、ブンガウイルス、フレボウイルスおよびナイロウイルス)、カルシウイルス科(Calciviridae)(たとえば胃腸炎を引き起こす株)、コロナウイルス科(Coronoviridae)(たとえばコロナウイルス)、フィロウイルス科(Filoviridae)(たとえばエボラウイルス)、フラビウイルス科(Flaviridae)(たとえば、C型肝炎ウイルス、デングウイルス、脳炎ウイルス、黄熱ウイルス)、ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)(B型肝炎ウイルス)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)(単純ヘルペスウイルス(HSV)1および2、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスウイルス)、イリドウイルス科(Iridoviridae)(たとえばアフリカブタコレラウイルス)、ノーウォークおよび関連ウイルス、オルソミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)(たとえばインフルエンザウイルス)、パポバウイルス科(Papovaviridae)(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)(たとえば、パラインフルエンザウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス)、パルボウイルス科(Parvovirida)(パルボウイルス)、ピコルナウイルス科(Picornaviridae)(たとえば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス)、ポックスウイルス科(Poxviridae)(痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス)、レオウイルス科(Reoviridae)(たとえば、レオウイルス、オルビウイルス(orbiviurses)およびロタウイルス)、レトロウイルス科(Retroviridae)(たとえば、HIV−1またはHIV−2などのヒト免疫不全ウイルス(HTLV−III、LAVもしくはHTLV−III/LAV、またはHIV−IIIとも呼ばれる)、およびHIV−LPなどの他の単離体、ラブドウイルス科(Rhabdoviradae)(たとえば、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス)、トガウイルス科(Togaviridae)(たとえば、ウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス)、ならびに未分類のウイルス(たとえば、海綿状脳症の病原体、D型肝炎の病原体(B型肝炎ウイルスの欠陥サテライトであると考えられている)が含まれる。
【0020】
本発明の態様では、抗原は寄生生物起源のものである。一部の態様では、寄生生物は、アナプラズマ属(Anaplasma)、鉤虫属(Ancylostoma)(鈎虫)、回虫属(Ascaris)、バベシア属(Babesia)、コクシジウム亜綱(Coccidia)、クリプトスポリジウム・パルブム(Cryptosporidium parvum)、イヌ糸状虫属(Dirofilaria)(心糸状虫)、エイメリア(Eimeria)種、肝蛭(Fasciola hepatica)(肝吸虫)、ジアルジア属(Giardia)、ハモンジア属(Hammondia)、イソスポラ属(Isospora)、リーシュマニア(Leishmania)種、ネオスポラ・カニナム(Neospora caninum)、肉胞子虫属(Sarcocystis)、住血吸虫属(Schistosoma)、糞線虫属(Strongyloides)、条虫属(Taenia)、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)、旋毛虫(Trichinella)種、トリコモナス(Trichomonas)種またはトリパノソーマ(Trypanosoma)種およびその組合せ由来のタンパク質である。
【0021】
一部の態様では、寄生生物は外部寄生生物である。一部の態様では、外部寄生生物には、それだけには限定されないが、マダニ属(Ixodes)、コイタマダニ属(Rhipicephalus)、カクマダニ属(Dermacentor)、キララマダニ属(Amblyomma)、ウシマダニ属(Boophilus)、イボマダニ属(Hyalomma)、またはチマダニ(Haemaphysalis)種を含めたマダニ、およびその組合せが含まれる。
【0022】
本発明の態様では、抗原は自己抗原である。一部の態様では、自己抗原とは、対象において免疫応答を引き起こす、対象の自己細胞または細胞産物の抗原である。一部の態様では、自己抗原には、それだけには限定されないが、腫瘍抗原、アルツハイマー病に関連する抗原、抗体に対する抗原、またはヒト内在性レトロウイルス要素から発現される抗原が含まれる。アルツハイマー病に関連する抗原は、タウまたはβ−アミロイドであり得る。抗体に対する抗原はヒト抗体に対する抗原であってよく、たとえば、一部の実施形態では、抗原はIgEである。
【0023】
本発明の態様では、抗原は腫瘍抗原である。一部の態様では、腫瘍抗原は、WT1、MUC1、LMP2、HPV E6もしくはHPV E7、EGFRもしくは変異体、たとえばEGFRvIII、HER−2/neu、イディオタイプ、MAGE A3、p53非突然変異体、NY−ESO−1、PSMA、GD2、CEA、MelanA/MART1、Ras突然変異体、gp100、p53突然変異体、プロテイナーゼ3(PR1)、bcr−abl、チロシナーゼ、サバイビン、PSA、hTERT、肉腫転座切断点、EphA2、PAP、ML−IAP、AFP、EpCAM、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、RhoC、TRP−2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、MAGE A1、sLe(動物)、CYP1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、GloboH、ETV6−AML、NY−BR−1、RGS5、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、PAX5、OY−TES1、精子タンパク質17、LCK、HMWMAA、AKAP−4、SSX2、XAGE1、B7H3、レグマイン、Tie2、Page4、VEGFR2、MAD−CT−1、FAP、PDGFR−ベータ、MAD−CT−2、またはFos関連抗原1のうちの、1つまたは複数である。そのような腫瘍抗原は、a)治療的機能、b)免疫原性、c)発癌性における抗原の役割、d)抗原陽性細胞の特異性、発現レベルおよびパーセント、e)幹細胞発現、f)抗原陽性癌に罹患している患者の数、g)抗原性エピトープの数、ならびにh)抗原発現の細胞部位などの基準に基づいて順位づけられている(Cheever,M.A.ら、Clincal Cancer Research、2009年9月1日、15(17):5323〜5337を参照)。一部の実施形態では、腫瘍抗原は、サバイビン、Her−2、EFGRvIII、PSA、PAPまたはPMSAのうちの1つまたは複数である。
【0024】
本発明の態様では、抗原はアレルゲンである。アレルゲンとは、感受性のある対象においてアレルギーまたは喘息の応答を誘導することができる物質(抗原)をいう。アレルゲンのリストは膨大であり、花粉、昆虫毒液、動物の鱗屑粉、真菌胞子および薬物(たとえばペニシリン)が含まれる場合がある。天然の動物および植物アレルゲンの例には、それだけには限定されないが、以下の属に特異的なタンパク質:アグロピロン属(Agropyron)(たとえばシバムギ(Agropyron repens))、コヌカグサ属(Agrostis)(たとえばコヌカグサ(Agrostis alba))、アルダー属(Alder)、ハンノキ属(Alnus)(セイヨウヤマハンノキ(Alnus gultinosa))、アルテルナリア属(Alternaria)(アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata))、ブタクサ属(Ambrosia)(ブタクサ(Ambrosia artemiisfolia)、アントキサンタム属(Anthoxanthum)(たとえばハルガヤ(Anthoxanthum odoratum))、アピス属(Apis)(たとえばアピス・マルチフローラム(Apis multiflorum))、オオカニツリ属(Arrhenatherum)(たとえばオオカニツリ(Arrhenatherum elatius))、ヨモギ属(Artemisia)(オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris))、アベナ属(Avena)(たとえばマカラスムギ(Avena sativa))、カバノキ属(Betula)(ベツラ・ベルコサ(Betula verrucosa))、チャバネゴキブリ属(Blattella)(たとえばチャバネゴキブリ(Blattella germanica))、スズメノチャヒキ属(Bromus)(たとえばコスズメノチャヒキ(Bromus inermis))、イヌ科動物(Canine)(イヌ(Canis familiaris))、ヒノキ属(Chamaecyparis)(たとえばヒノキ(Chamaecyparis obtusa))、スギ属(Cryptomeria)(スギ(Cryptomeria japonica))、イトスギ属(Cupressus)(たとえば、ホソイトスギ(Cupressus sempervirens)、アリゾナイトスギ(Cupressus arizonica)やモントレーイトスギ(Cupressus macrocarpa))、カモガヤ属(Dactylis)(たとえばカモガヤ(Dactylis glomerata))、ヒョウヒダニ属(Dermatophagoides)(たとえばコナヒョウダニ(Dermatophagoides farinae))、ネコ属(Felis)(イエネコ(Felis domesticus))、ウシノケグサ属(Festuca)(たとえばウシノケグサ(Festuca elatior))、シラゲガヤ属(Holcus)(たとえばシラゲガヤ(Holcus lanatus))、ビャクシン属(Juniperus)(たとえば、ジュニペルス・サビノイデス(Juniperus sabinoides)、エンピツビャクシン(Juniperus virginiana)、セイヨウネズ(Juniperus communis)やジュニペルス・アシェイ(Juniperus ashei))、ドクムギ属(Lolium)(たとえば、ホソムギ(Lolium perenne)またはネズミムギ(Lolium multiflorum))、オリーブ属(Olea)(オリーブ(Olea europea))、ヒカゲミズ属(Parietaria)(たとえば、パリエタリア・オフィシナリス(Parietaria officinalis)またはカベイラクサ(Parietaria judaica))、スズメノヒエ属(Paspalum)(たとえばバヒアグラス(Paspalum notatum))、ゴキブリ属(Periplaneta)(たとえばワモンゴキブリ(Periplaneta americana))、クサヨシ属(Phalaris)(たとえばリードカナリーグラス(Phalaris arundinacea))、アワガエリ属(Phleum)(たとえばオオアワガエリ(Phleum pratense))、オオバコ属(Plantago)(たとえばヘラオオバコ(Plantago lanceolata))、イチゴツナギ属(Poa)(たとえば、ケンタッキーブルーグラス(Poa pratensis)またはコイチゴツナギ(Poa compressa))、カシ属(Quercus)(ホワイトオーク(Quercus alba))、ライムギ属(Secale)(たとえばライムギ(Secale cereale))、モロコシ属(Sorghum)(たとえばセイバンモロコシ(Sorghum halepensis))、クロベ属(Thuya)(たとえばコノテガシワ(Thuya orientalis))、およびコムギ属(Triticum)(たとえばコムギ(Triticum aestivum))、ならびにその組合せが含まれる。
【0025】
本発明の態様では、抗原は中毒性物質である。中毒性物質とは、対象が物質に対する嗜癖を発生することを引き起こす、合成または人工の物質を含めた任意の化学的または生物学的物質である。一部の態様では、中毒性物質はニコチンまたはコカインである。一部の実施形態では、ニコチン嗜癖に対するワクチン中の抗原は、担体とコンジュゲートしたニコチンまたはニコチン様ハプテンである。一部の実施形態では、ニコチンまたはニコチン様ハプテンがコンジュゲートする担体はジフテリアトキソイドである。
【0026】
本発明の態様では、抗原またはハプテンは担体タンパク質とコンジュゲートしている。一部の態様では、担体タンパク質は、細菌トキソイドもしくは誘導体、シュードモナス(Pseudomonas)外毒素、KLHまたはウイルス様粒子である。一部の態様では、細菌トキソイドはジフテリアトキソイドまたはその誘導体である。一部の態様では、細菌トキソイドはCRM197である。一部の態様では、ウイルス様粒子は、HBsAg、HBcAg、大腸菌(E.coli)バクテリオファージQβ、ノーウォークウイルスまたはインフルエンザHAである。
【0027】
本発明の態様は、コレステロールを有するワクチンに関する。コレステロールは、C2745OHの化学式を有する白色の結晶性物質である。これは、脂質として分類される環状炭化水素アルコールである。脂質とは、それだけには限定されないが、脂肪、油、ワックス、ステロールおよびトリグリセリドを含めた任意の有機化合物の群であり、水に不溶性であるが無極性の有機溶媒に可溶性であり、手触りが油状であり、炭水化物およびタンパク質と共に生細胞の主な構造材料である。コレステロールは水に不溶性であるがいくつかの有機溶媒に可溶性である。
【0028】
本発明の態様では、ステロールとは、テルペノイド前駆体から生物学的に産生される、動物中の化合物をいう。これらは、ヒドロキシル(OH)基を有するステロイド環構造を含む。一部の態様では、ヒドロキシル基は炭素−3と付着していてよい。脂肪酸置換基の炭化水素鎖は長さが変動する。一部の態様では、炭化水素鎖は16〜20個の炭素原子であり得る。一部の態様では、炭化水素鎖は飽和または不飽和であり得る。ステロールは環構造中に1つまたは複数の二重結合を含有することができ、環に付着した様々な置換基が含まれていてもよい。ステロールおよびその脂肪酸エステルは非水溶性であり得る。脂肪酸エステルとは、無機塩に対応する有機化合物のクラスのうちの任意のものに関し、1個の有機酸分子が1個のアルコール分子と合体して1個の水分子が除去される縮合反応から形成される。一部の態様では、ステロールとは合成ステロールをいう。一部の態様では、合成ステロイドには、それだけには限定されないが、糖質コルチコイド(たとえば、プレドニゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロン)、鉱質コルチコイド(たとえばフルドロコルチゾン)、ビタミンD(たとえばジヒドロタキステロール)、アンドロゲン(たとえば、オキサンドロロン、ナンドロロン、同化ステロイド)、エストロゲン(たとえばジエチルスチルベストロール)およびプロゲスチン(たとえば、ノルエチンドロン、酢酸メドロキシプロゲステロン)が含まれる。一部の態様では、コール酸塩、たとえばデオキシコール酸ナトリウムを使用し得る。
【0029】
本発明の態様では、ステロールには、それだけには限定されないが、β−シトステロール、スチグマステロール、エルゴステロール、エルゴカルシフェロール、およびコレステロールなどの天然のステロイドが含まれる。そのようなステロールは購入できる。コレステロールは、たとえばMerck Index、第12版、369ページに開示されている。
【0030】
本発明の態様では、ステロールをアジュバントとして使用し得る。一部の態様では、ステロールの量は約1μg〜約5,000μg/ワクチン用量であり得る。一部の態様では、ステロールの量は、約1μg〜約4,000μg/ワクチン用量、約1μg〜約3,000μg/ワクチン用量、約1μg〜約2,000μg/ワクチン用量、または約1μg〜約1,000μg/ワクチン用量であり得る。一部の態様では、ステロールの量は、約5μg〜約750μg/ワクチン用量、約5μg〜約500μg/ワクチン用量、約5μg〜約250μg/ワクチン用量、約5μg〜約100μg/ワクチン用量、約15μg〜約100μg/ワクチン用量、または約30μg〜約75μg/ワクチン用量であり得る。
【0031】
本発明の態様では、ワクチンは1つまたは複数の抗原およびコレステロールを有する。一部の態様では、コレステロールの量は抗原の量と比較して重量で約0.1〜約50倍多い。一部の態様では、コレステロールの量は抗原よりも重量で約1〜約10倍多い。一部の態様では、コレステロールの量は抗原と重量で等価である。
【0032】
本発明の態様では、ワクチンは1つまたは複数の抗原および1つまたは複数の免疫調節分子およびコレステロールを有する。一部の態様では、ワクチンには薬学的担体がさらに含まれる。
【0033】
本発明の態様では、「併せて」または「と併せて」とは、1つまたは複数の抗原、ならびに1つまたは複数の抗原および1つまたは複数の免疫調節分子との混合物、組合せまたはそれに近接していることをいう。諸態様では、1つまたは複数の抗原および/または1つまたは複数の免疫調節分子は、1つまたは複数のリンカーを介した物理的手段によってコレステロールと付着していてよい。リンカーには、それだけには限定されないが、直接または間接リンカーが含まれる。諸態様では、1つまたは複数の抗原および/または1つまたは複数の免疫調節分子とコレステロールとを一緒にカプセル封入し得る。
【0034】
本発明の態様では、1つまたは複数の抗原を1つまたは複数の免疫調節分子と混合し得る。諸態様では、1つまたは複数の抗原をコレステロールと混合し得る。諸態様では、1つまたは複数の免疫調節分子をコレステロールと混合し得る。諸態様では、1つまたは複数の免疫調節分子を抗原およびコレステロールと混合し得る。諸態様では、1つまたは複数の免疫調節分子をコレステロールと混合してよく、1つまたは複数の抗原は別々であり得る。諸態様では、1つまたは複数の抗原をコレステロールと混合してよく、1つまたは複数の免疫調節分子は別々であり得る。諸態様では、1つまたは複数の抗原および/または1つまたは複数の免疫調節分子をコレステロールと併せ得る。
【0035】
本発明の態様では、抗原の量と比較したコレステロールの量は、抗原の量よりも多い。一部の態様では、抗原の量と比較したコレステロールの量は、抗原よりも重量で約0.1〜50倍多い。諸態様では、抗原の量と比較したコレステロールの量は、抗原よりも重量で約10〜約50倍、約20〜約40倍、約30〜約35倍多い。諸態様では、抗原の量と比較したコレステロールの量は、抗原よりも重量で約1〜約10倍多い。諸態様では、抗原の量と比較したコレステロールの量は、抗原と重量で等価である。諸態様では、抗原は1つまたは複数の抗原であってよく、抗原の重量は1つまたは複数の抗原の合計重量である。
【0036】
本発明の態様では、免疫調節分子(1つまたは複数の免疫調節分子)とは、対象において免疫細胞を調節する分子である。この効果は、直接、たとえば受容体を介して、または間接的に、たとえば、直接調節される別の免疫細胞から放出されるサイトカインもしくはケモカインを介して媒介され得る。免疫応答の誘導とは、免疫細胞の数もしくは活性の任意の増加、またはサイトカインなどの免疫学的因子の発現もしくは絶対的レベルの増加をいう。免疫細胞には、それだけには限定されないが、NK細胞、CD4+Tリンパ球、CD8+Tリンパ球、B細胞、樹状細胞、マクロファージおよび他の抗原提示細胞が含まれる。サイトカインには、それだけには限定されないが、インターロイキン、TNF−α、IFN−α、βおよびγが含まれる。諸態様では、免疫調節剤とは、抗原と共に使用した場合に、抗原特異的液性(たとえば抗体)および/または細胞性(たとえばT細胞)の免疫応答を増強させる分子である。
【0037】
一部の態様では、免疫調節分子は、TLRアゴニスト、抗細菌ペプチド、サイトカイン、ケモカイン、NODリガンドまたはオリゴヌクレオチドである。一部の態様では、TLRアゴニストは、オリゴリボヌクレオチド(ORN)またはTLR7および/もしくはTLR8を活性化する低分子である。一部の態様では、TLRアゴニストは、TLR9を介して活性化するオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である。一部の態様では、TLR9アゴニストは、メチル化されていないCpGモチーフ、Bクラスオリゴデオキシヌクレオチド、CクラスオリゴデオキシヌクレオチドまたはPクラスオリゴデオキシヌクレオチドを含有するODNである。一部の態様では、TLR9アゴニストは、IMO−2055、IMO−2125またはIMO−2134(QAX935)である。他の態様では、TLRアゴニストは、TLR3を活性化するポリI:Cである。一部の態様では、ポリI:Cは、配列5’−ICI CIC ICI CIC ICI CIC ICI CIC IC−3’(配列番号16)を有するODN1aである。
【0038】
本発明の態様では、オリゴヌクレオチドは、天然のRNAおよびDNAと比較して様々な化学修飾および置換を包含することができ、リン酸ジエステルヌクレオシド間架橋、β−D−リボース単位および/または天然のヌクレオシド塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル)を含む。化学修飾の例は当業者に知られており、たとえば、Uhlmann Eら(1990)Chem Rev、90:543、「Protocols for Oligonucleotides and Analogs」、Synthesis and Properties & Synthesis and Analytical Techniques、S.Agrawal編、Humana Press、米国Totowa、1993、Crooke STら(1996)Annu Rev Pharmacol Toxicol、36:107〜129、およびHunziker Jら(1995)Mod Synth Methods、7:331〜417に記載されている。一部の態様では、オリゴヌクレオチドは1つまたは複数の修飾を有していてよく、それぞれの修飾は、天然のDNAまたはRNAから構成される同じ配列のオリゴヌクレオチドと比較して、特定のリン酸ジエステルヌクレオシド間架橋および/または特定のβ−D−リボース単位および/または特定の天然のヌクレオシド塩基の位置に配置されている。
【0039】
一部の態様では、オリゴヌクレオチドは1つまたは複数の修飾を含んでいてよく、それぞれの修飾は、独立して以下から選択される:
a)ヌクレオシドの3’および/または5’末端に配置されているリン酸ジエステルヌクレオシド間架橋の、修飾されたヌクレオシド間架橋による置き換え、
b)ヌクレオシドの3’および/または5’末端に配置されているリン酸ジエステル架橋の、脱リン架橋による置き換え、
c)糖リン酸主鎖からの糖リン酸単位の、別の単位による置き換え、
d)β−D−リボース単位の、修飾された糖単位による置き換え、ならびに
e)天然のヌクレオシド塩基の、修飾されたヌクレオシド塩基による置き換え。
【0040】
本発明の態様では、オリゴヌクレオチドには、上記a)またはb)に記載のものなどの修飾されたヌクレオチド間結合が含まれ得る。これらの修飾された連結は、分解に対して部分的に耐性があり得る(たとえば安定化されている)。「安定化したオリゴヌクレオチド分子」とは、そのような修飾から生じるin vivo分解(たとえば、エクソまたはエンドヌクレアーゼによるもの)に対して比較的耐性があるオリゴヌクレオチドである。一部の態様では、ホスホロチオエート連結を有するオリゴヌクレオチドが最大の活性を提供し、オリゴヌクレオチドを細胞内のエクソおよびエンドヌクレアーゼによる分解から保護し得る。
【0041】
ヌクレオシドの3’および/または5’末端に配置されているリン酸ジエステルヌクレオシド間架橋は、修飾されたヌクレオシド間架橋によって置き換えることができ、修飾されたヌクレオシド間架橋は、たとえば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、NR−ホスホロアミデート、ボラノホスフェート、α−ヒドロキシベンジルホスホネート、リン酸−(C〜C21)−O−アルキルエステル、リン酸−[(C〜C12)アリール−(C〜C21)−O−アルキル]エステル、(C〜C)アルキルホスホネートおよび/または(C〜C12)アリールホスホネート架橋、(C〜C12)−α−ヒドロキシメチル−アリール(たとえばWO95/01363号に開示)[式中、(C〜C12)アリール、(C〜C20)アリールおよび(C〜C14)アリールは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノによって置換されていてもよく、RおよびRは、互いに独立して、水素、(C〜C18)−アルキル、(C〜C20)−アリール、(C〜C14)−アリール−(C〜C)−アルキル、好ましくは水素、(C〜C)−アルキル、好ましくは(C〜C)−アルキルおよび/もしくはメトキシエチルであるか、または、RおよびRは、それらを保有する窒素原子と一緒になって、O、SおよびNの群からのさらなるヘテロ原子をさらに含有することができる5〜6員の複素環を形成する]から選択される。
【0042】
ヌクレオシドの3’および/または5’末端に配置されているリン酸ジエステル架橋の、脱リン架橋による置き換えであり(脱リン架橋は、たとえばUhlmann EおよびPeyman A、「Methods in Molecular Biology」、第20巻、「Protocols for Oligonucleotides and Analogs」、S.Agrawal編、Humana Press、Totowa、1993、第16章、ページ355ffに記載されている)、脱リン架橋は、たとえば、脱リン架橋ホルムアセタール、3’−チオホルムアセタール、メチルヒドロキシルアミン、オキシム、メチレンジメチル−ヒドラゾ、ジメチレンスルホンおよび/またはシリル基から選択される。
【0043】
糖リン酸主鎖(すなわち、糖リン酸主鎖が糖リン酸単位から構成される)からの糖リン酸単位(すなわち、β−D−リボースおよびリン酸ジエステルヌクレオシド間架橋が一緒になって糖リン酸単位を形成)を別の単位によって置き換えることができ、他の単位は、たとえば、「モルホリノ誘導体」オリゴマー(たとえばStirchak EPら(1989)Nucleic Acids Res、17:6129〜41に記載)を構築するため、すなわち、たとえばモルホリノ誘導体単位による置き換え、または、ポリアミド核酸(「PNA」、たとえばNielsen PEら(1994)Bioconjug Chem、5:3〜7に記載)を構築するため、すなわち、たとえばPNA主鎖単位、たとえば2−アミノエチルグリシンによる置き換えに適している。オリゴヌクレオチドは、他の炭水化物主鎖の修飾および置き換え、たとえば、リン酸基を有するペプチド核酸(PHONA)、ロックド核酸(LNA)、およびアルキルリンカーまたはアミノリンカーを有する主鎖部分を有するオリゴヌクレオチドを有し得る。アルキルリンカーは、分枝状または非分枝状、置換または非置換、およびキラル的に純粋であるまたはラセミ混合物であり得る。
【0044】
β−リボース単位またはβ−D−2’−デオキシリボース単位は、修飾された糖単位によって置き換えることができ、修飾された糖単位は、たとえば、β−D−リボース、α−D−2’−デオキシリボース、L−2’−デオキシリボース、2’−F−2’−デオキシリボース、2’−F−アラビノース、2’−O−(C〜C)アルキル−リボースから選択され、好ましくは、2’−O−(C〜C)アルキル−リボースは、2’−O−メチルリボース、2’−O−(C〜C)アルケニル−リボース、2’−[O−(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキル]−リボース、2’−NH−2’−デオキシリボース、β−D−キシロ−フラノース、α−アラビノフラノース、2,4−ジデオキシ−β−D−エリスロ−ヘキソ−ピラノース、ならびに炭素環(たとえばFroehler J(1992)Am Chem Soc、114:8320に記載)および/または開鎖糖類似体(たとえばVandendriesscheら(1993)Tetrahedron、49:7223に記載)および/またはビシクロ糖類似体(たとえばTarkov Mら(1993)Helv Chim Acta、76:481に記載)である。
【0045】
一部の態様では、糖は、リン酸ジエステルまたはリン酸ジエステル様ヌクレオシド間連結によって連結された一方または両方のヌクレオチドについて、2’−O−メチルリボースである。
【0046】
また、核酸には、それだけには限定されないが、C−5プロピンピリミジンおよび7−デアザ−7−置換プリン修飾塩基などの、置換されたプリンおよびピリミジンも含まれる。Wagner RWら(1996)Nat Biotechnol、14:840〜4。プリンおよびピリミジンには、それだけには限定されないが、アデニン、シトシン、グアニン、およびチミン、ならびに他の天然に存在するおよび天然に存在しない核酸塩基、置換および非置換の芳香族部分が含まれる。
【0047】
修飾塩基とは、T、C、G、A、およびUなどのDNAおよびRNA中に典型的に見つかる天然に存在する塩基とは化学的に明確に異なるが、これらの天然に存在する塩基と基本的な化学構造を共有する任意の塩基である。修飾されたヌクレオシド塩基は、たとえば、ヒポキサンチン、ウラシル、ジヒドロウラシル、プソイドウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−アミノウラシル、5−(C〜C)−アルキルウラシル、5−(C〜C)−アルケニルウラシル、5−(C〜C)−アルキニルウラシル、5−(ヒドロキシメチル)ウラシル、5−クロロウラシル、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−ヒドロキシシトシン、5−(C〜C)−アルキルシトシン、5−(C〜C)−アルケニルシトシン、5−(C〜C)−アルキニルシトシン、5−クロロシトシン、5−フルオロシトシン、5−ブロモシトシン、N−ジメチルグアニン、2,4−ジアミノ−プリン、8−アザプリン、置換された7−デアザプリン、好ましくは7−デアザ−7−置換および/または7−デアザ−8−置換のプリン、5−ヒドロキシメチルシトシン、N4−アルキルシトシン、たとえば、N4−エチルシトシン、5−ヒドロキシデオキシシチジン、5−ヒドロキシメチルデオキシシチジン、N4−アルキルデオキシシチジン、たとえば、N4−エチルデオキシシチジン、6−チオデオキシグアノシン、およびニトロピロールのデオキシリボヌクレオシド、C5−プロピニルピリミジン、ならびにジアミノプリン、たとえば、2,6−ジアミノプリン、イノシン、5−メチルシトシン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、または天然のヌクレオシド塩基の他の修飾体から選択され得る。このリストは例示的であることを意味し、限定すると解釈されるべきでない。
【0048】
本発明の態様では、本明細書中に記載の一部の式について、1組の修飾塩基を定義する。たとえば、文字Yは、シトシンまたは修飾されたシトシンを含有するヌクレオチドを言うために使用する。修飾されたシトシンとは、オリゴヌクレオチドの免疫賦活性または免疫調節活性を損なわずにこの塩基を置き換えることができる、シトシンの天然に存在するまたは天然に存在しないピリミジン塩基類似体である。修飾されたシトシンには、それだけには限定されないが、5−置換されたシトシン(たとえば、5−メチル−シトシン、5−フルオロ−シトシン、5−クロロ−シトシン、5−ブロモ−シトシン、5−ヨード−シトシン、5−ヒドロキシ−シトシン、5−ヒドロキシメチル−シトシン、5−ジフルオロメチル−シトシン、および非置換または置換の5−アルキニル−シトシン)、6−置換されたシトシン、N4−置換されたシトシン(たとえばN4−エチル−シトシン)、5−アザ−シトシン、2−メルカプト−シトシン、イソシトシン、プソイド−イソシトシン、縮合環系を有するシトシン類似体(たとえば、N,N’−プロピレンシトシンまたはフェノキサジン)、ならびにウラシルおよびその誘導体(たとえば、5−フルオロ−ウラシル、5−ブロモ−ウラシル、5−ブロモビニル−ウラシル、4−チオ−ウラシル、5−ヒドロキシ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル)が含まれる。一部の態様では、シトシンには、5−メチル−シトシン、5−フルオロ−シトシン、5−ヒドロキシ−シトシン、5−ヒドロキシメチル−シトシン、およびN4−エチル−シトシンが含まれる。一部の態様では、シトシン塩基は、ユニバーサル塩基(たとえば、3−ニトロピロール、P−塩基)、芳香環系(たとえば、フルオロベンゼンもしくはジフルオロベンゼン)または水素原子(dSpacer)によって置換される。
【0049】
文字Rは、グアニンまたは修飾されたグアニン塩基を言うために使用する。修飾されたグアニンとは、オリゴヌクレオチドの免疫賦活性または免疫調節活性を損なわずにこの塩基を置き換えることができる、グアニンの天然に存在するまたは天然に存在しないプリン塩基類似体である。修飾されたグアニンには、それだけには限定されないが、7−デアザグアニン、7−デアザ−7−置換されたグアニン(7−デアザ−7−(C2〜C6)アルキニルグアニンなど)、7−デアザ−8−置換されたグアニン、ヒポキサンチン、N2−置換されたグアニン(たとえばN2−メチル−グアニン)、5−アミノ−3−メチル−3H,6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノプリン、プリン、インドール、アデニン、置換されたアデニン(たとえば、N6−メチル−アデニン、8−オキソ−アデニン)、8−置換されたグアニン(たとえば、8−ヒドロキシグアニンおよび8−ブロモグアニン)、ならびに6−チオグアニンが含まれる。一部の態様では、グアニン塩基は、ユニバーサル塩基(たとえば、4−メチル−インドール、5−ニトロ−インドール、およびK−塩基)、芳香環系(たとえば、ベンズイミダゾールもしくはジクロロ−ベンズイミダゾール、1−メチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸アミド)または水素原子(dSpacer)によって置換される。
【0050】
一部の態様では、他の塩基修飾も企図される。たとえば、オリゴヌクレオチドのいずれかの末端の末端T残基をデオキシウリジン(U)によって置き換えてもよく、1つまたは複数のCpGモチーフのGをデオキシイノシン(I)および7−デアザデオキシグアノシンとしてのG残基の修飾で置き換えてもよい。一部の態様では、オリゴヌクレオチドの5’末端Tにはハロゲン置換が含まれ得る。一部の態様では、ハロゲン置換は、エチル−ウリジン、ブロモ−ウリジン、クロロ−ウリジンまたはヨード−ウリジンである。
【0051】
本発明の態様では、オリゴヌクレオチドは、当分野で周知のいくつかの手順のうちの任意のものを使用して新規合成することができる。たとえば、b−シアノエチルホスホルアミダイト方法(Beaucage,S.L.およびCaruthers,M.H.、Tet.Let.、22:1859、1981)、ヌクレオシドH−ホスホネート方法(Gareggら、Tet.Let.、27:4051〜4054、1986、Froehlerら、Nucl.Acid.Res.、14:5399〜5407、1986、Gareggら、Tet.Let.、27:4055〜4058、1986、Gaffneyら、Tet.Let.、29:2619〜2622、1988)。これらの化学は、市場で入手可能な様々な自動核酸合成機によって行うことができる。これらのオリゴヌクレオチドは合成オリゴヌクレオチドと呼ばれる。単離したオリゴヌクレオチドとは、一般に、自然においてそれが通常関連している構成成分から分離されているオリゴヌクレオチドをいう。例として、単離したオリゴヌクレオチドとは、細胞、核、ミトコンドリアまたはクロマチンから分離されたものであり得る。
【0052】
本発明の一部の態様では、オリゴヌクレオチド中のヌクレオチド間結合は、安定化していないまたは安定化した連結(ヌクレアーゼに対して)、リン酸ジエステル(安定化していない)、ホスホロチオエート(安定化した)もしくは別の荷電主鎖、またはリン酸ジエステル連結であり得る。一部の態様では、Y−Rでのヌクレオチド間結合がホスホロチオエートである場合、この連結のキラリティは、ランダムであり得るか、または好ましくはRp立体配置のホスホロチオエート連結である。
【0053】
本発明の態様では、ホスホロチオエートなどの修飾された主鎖は、ホスホロアミデートまたはH−ホスホネートの化学のいずれかを用いた自動技法を使用して合成し得る。アリール−およびアルキル−ホスホネートは、たとえば米国特許第4,469,863号に記載のように作製することができ、アルキルホスホトリエステル(荷電酸素部分が米国特許第5,023,243号および欧州特許第0,092,574号に記載のようにアルキル化されている)は、市販の試薬を使用した自動固相合成によって調製することができる。他のDNA主鎖の修飾および置換を行う方法が記載されている(たとえば、Uhlmann,E.およびPeyman,A.、Chem.Rev.、90:544、1990、Goodchild,J.、Bioconjugate Chem.、1:165、1990)。記号は安定化したヌクレオチド間結合の存在を表し、_はリン酸ジエステル連結の存在を示す。諸態様では、1つまたは複数の免疫調節分子が、それぞれ独立して、完全に天然のリン酸ジエステル主鎖を有し得る。
【0054】
本発明の態様では、1つまたは複数の免疫調節分子は、少なくとも1つのメチル化されていないCpGジヌクレオチドが含まれるオリゴヌクレオチドである。少なくとも1つのメチル化されていないCpGジヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチドとは、メチル化されていないシトシン−グアニンジヌクレオチド配列(すなわち、5’シトシン、続いて3’グアニンを含有し、リン酸結合によって連結される、「CpG DNA」またはDNA)を含有し、免疫系を活性化する核酸分子である。CpGオリゴヌクレオチド全体がメチル化されていない、または一部がメチル化されていない場合があるが、5’CG3’の少なくともCはメチル化されていてはならない。本明細書中で使用する用語CpGオリゴヌクレオチドまたはCpG核酸とは、別段に指定しない限りは免疫賦活性CpGオリゴヌクレオチドまたは核酸をいう。
【0055】
本発明の態様では、免疫調節分子には、それだけには限定されないが、Aクラス、Bクラス、Cクラス、Tクラス、PクラスまたはE修飾を有する任意のクラスのオリゴヌクレオチドが含まれる。
【0056】
Aクラスオリゴヌクレオチドは、IFN−αの誘導およびNK細胞の活性化が比較的強力であるが、B細胞の刺激が比較的弱い。Aクラスオリゴヌクレオチドは、典型的には5’および3’末端に安定化したポリG配列、ならびに少なくとも6個のヌクレオチドの回文構造のリン酸ジエステルCpGジヌクレオチド含有配列を有し、多量体構造を形成する。Aクラスオリゴヌクレオチドは、2005年9月27日に発行の米国特許第6,949,520号および2001年4月5日公開の公開PCT出願PCT/US00/26527号(WO01/22990号)に記載されている。Aクラスオリゴヌクレオチドは、Yamamotoおよび同僚によって記載された六量体の回文構造GACGTC、AGCGCT、またはAACGTTを必ずしも含有するわけではない。Yamamoto Sら、J Immunol、148:4072〜6(1992)。諸態様では、「Aクラス」CpGオリゴヌクレオチドは以下の核酸配列を有する:5’GGGGACGACGTCGTGGGGGGG3’(配列番号17)。諸態様では、Aクラスオリゴヌクレオチドには、それだけには限定されないが、5’GG_G_A_C_G_A_C_G_T_C_G_T_G_GG3’(配列番号18)が含まれ、はホスホロチオエート結合をいい、_はリン酸ジエステル結合をいう。
【0057】
Bクラスオリゴヌクレオチドは、B細胞の活性化が強力であるが、IFN−αの誘導およびNK細胞の活性化が比較的弱い。Bクラスオリゴヌクレオチドは単量体であり、完全にホスホロチオエートの主鎖で完全に安定化し得る。また、Bクラスオリゴヌクレオチドは、たとえばCpGのCとGの間に一部の天然のリン酸ジエステル連結を有する場合もあり、この場合、これらは半軟質と言われる。諸態様では、BクラスCpGオリゴヌクレオチドは少なくとも式:5’XCGX3’によって表される場合があり、式中、X1、X2、X3、およびX4はヌクレオチドである。諸態様では、Xはアデニン、グアニン、またはチミンである。諸態様では、Xはシトシン、アデニン、またはチミンである。諸態様では、BクラスCpGオリゴヌクレオチドは少なくとも式:5’NCGX3’によって表される場合があり、式中、X、X、X、およびXはヌクレオチドであり、Nは任意のヌクレオチドであり、NおよびNは、それぞれ約0〜25個のNから構成される核酸配列である。諸態様では、Xは、GpT、GpG、GpA、ApA、ApT、ApG、CpT、CpA、CpG、TpA、TpTおよびTpGからなる群から選択されるジヌクレオチドであり、Xは、TpT、ApT、TpG、ApG、CpG、TpC、ApC、CpC、TpA、ApAおよびCpAからなる群から選択されるジヌクレオチドである。一部の態様では、XはGpAまたはGpTであり、X3X4はTpTである。諸態様では、XもしくはXまたは両方はプリンであり、XもしくはXまたは両方はピリミジンであるか、XはGpAであり、XもしくはXまたは両方はピリミジンである。一部の態様では、Xは、TpA、ApA、ApC、ApGおよびGpGからなる群から選択されるジヌクレオチドである。一部の態様では、Xは、TpT、TpA、TpG、ApA、ApG、GpAおよびCpAからなる群から選択されるジヌクレオチドである。一部の態様では、Xは、TpT、TpG、ApT、GpC、CpC、CpT、TpC、GpTおよびCpGからなる群から選択されるジヌクレオチドであり、Xは、AおよびTからなる群から選択されるヌクレオチドであり、Xはヌクレオチドであるが、XがTpC、GpTまたはCpGである場合は、XはTpC、ApTまたはApCではない。諸態様では、CpGオリゴヌクレオチドは配列5’TCNTXCGX3’を有する。本発明のCpGオリゴヌクレオチドには、たとえば、GpT、GpG、GpAおよびApAからなる群から選択されるXならびにTpT、CpTおよびTpCからなる群から選択されるX3X4が含まれ得る。Bクラスオリゴヌクレオチドは、それぞれ2001年2月27日および2001年5月29日に発行の米国特許第6,194,388B1号および第6,239,116B1号、ならびに1996年2月1日に公開の公開PCT出願WO/1996/002555号および1998年5月7日に公開の公開PCT出願WO/1998/018810号に記載されている。一部の態様では、Bクラスオリゴヌクレオチドは、
CPG 7909 5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT 3’(配列番号1)、
CpG 24555 5’TCGTCGTTTTTCGGTGCTTTT 3’(配列番号2)、
CPG 10104 TCGTCGTTTCGTCGTTTTGTCGTT(配列番号3)、
5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT 3’(配列番号19)、
5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTTTTCGA 3’(配列番号20)、
5’TT 3’(配列番号21)、
5’TT 3’(配列番号22)、
5’TT 3’(配列番号23)、
5’TT 3’(配列番号24)、または
5’TA 3’(配列番号25)であり、はホスホロチオエート結合をいう。
【0058】
Cクラスオリゴヌクレオチドは、通常の「刺激性」CpG配列および「GCリッチ」または「B細胞中和」モチーフをどちらも有する。CクラスCpGオリゴヌクレオチドはAおよびBクラスの中間的な特性を有し、したがってB細胞およびNK細胞を活性し、IFN−αを誘導する(Krieg AMら(1995)Nature、374:546〜9、Ballas ZKら(1996)J Immunol、157:1840〜5、Yamamoto Sら(1992)J Immunol、148:4072〜6)。Cクラスオリゴヌクレオチドは、ステム−ループなどの二次構造またはディマーなどの三次構造を形成できるように、単一の回文構造を含有する。Cクラスオリゴヌクレオチドの主鎖は、完全に安定化したキメラまたは半軟質の主鎖を有し得る。Cクラスオリゴヌクレオチドには、Bクラス型の配列およびGCリッチ回文構造または回文に近い構造が含まれる。このクラスは、2003年8月7日に公開の米国公開出願第20030148976号および2008年6月12日に公開の公開PCT出願WO2008/068638号に記載されている。一部の態様では、CクラスオリゴヌクレオチドはCPG 10101 5’TCGTCGTTTTCGGCGGCCGCCG3’(配列番号4)、CPG 10109 5’TCGTC−GTTTTAC−GGCGCC−GTCCCG3’(配列番号5、ダッシュ記号は半軟質リン酸ジエステル連結を表す)、CpG 23407 5’TC−GTCGTTTTCGGCGCGCGCCGT3’(配列番号6、ダッシュ記号は半軟質リン酸ジエステル連結を表す)、
5’TCGCGTCGTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号26)、
5’TCGTCGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号27)、
5’TCGGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号28)、
5’TCGGACGTTCGGCGCGCCG 3’(配列番号29)、
5’TCGCGTCGTTCGGCGCGCCG 3’(配列番号30)、
5’TCGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号31)、
5’TCGACGTTCGGCGCGCCG 3’(配列番号32)、
5’TCGCGTCGTTCGGCGCCG 3’(配列番号33)、
5’TCGCGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号34)、または
5’TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号35)。
である。
【0059】
諸態様では、CクラスCpGオリゴヌクレオチドは、5’
C_GC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号38)、5’TC_GC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号39)、5’TC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号40)、
5’TC_GC_GC_GG 3’(配列番号41)、
5’TC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号42)、
5’TC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号43)、
5’TC_GC_GC_GG 3’(配列番号44)、
5’TC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号45)、
5’TC_GC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号46)、
5’TG 3’(配列番号47)、
5’TG 3’(配列番号48)、
5’TC_GC_GC_GG 3’(配列番号49)または
5’TC_GT 3’(配列番号50)
であり、はホスホロチオエート結合をいい、_はリン酸ジエステル結合をいう。これらの配列のうちの任意のものにおいて、エチル−ウリジンまたはハロゲンで5’Tを置換してよく、ハロゲン置換の例には、それだけには限定されないが、ブロモ−ウリジンまたはヨード−ウリジン置換が含まれる。
【0060】
一部の例では、Pクラスオリゴヌクレオチドは、Cクラスオリゴヌクレオチドよりもはるかに高いレベルのIFN−α分泌を誘導する能力を有する。Pクラスオリゴヌクレオチドは、in vitroおよび/またはin vivoのいずれかでコンカテマーへと自発的に自己アセンブルする能力を有する。Pクラスオリゴヌクレオチドは、2008年6月12日に公開の公開PCT出願WO2008/068638号にさらに開示されている。一部の態様では、Pクラスオリゴヌクレオチドは、
CpG 21798 5’TC−GC−GC−GC−GC−GG 3’(配列番号7)、
CpG 23430 5’TC−GG 3’(配列番号8)、
CpG 24558 5’TT 3’(配列番号9)、
CpG 23871 5’JUC−GG 3’(配列番号10)、
CpG 23873 5’JUC−GT 3’(配列番号11)、
CpG 23874 5’JUT 3’(配列番号12)、
CpG 23875 5’EUC−GG 3’(配列番号13)、CpG 23877 5’JUC−GT 3’(配列番号14)、
CpG 23878 5’JUT 3’(配列番号15)または
5’TC_GC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号37)。
である。
【0061】
Tクラスオリゴヌクレオチドは、BクラスまたはCクラスオリゴヌクレオチドよりも低いレベルのIFN−アルファおよびIFN関連サイトカインおよびケモカインの分泌を誘導する一方で、Bクラスオリゴヌクレオチドに類似のIL−10のレベルを誘導する能力を保持している。Tクラスオリゴヌクレオチドは、2008年6月12日に公開の公開PCT出願WO2008/068638号にさらに開示されている。
【0062】
E修飾は、任意のクラスのCpGオリゴヌクレオチド上に行うことができる。これらは、CpGモチーフ外に親油性置換したヌクレオチド類似体を有するオリゴヌクレオチドであり、インターフェロン−α(IFN−α)の産生を刺激し、TLR9の活性化を誘導する増強された能力を有する。E修飾されたオリゴヌクレオチドは、2008年6月12日に公開の公開PCT出願WO2008/068638号にさらに開示されている。
【0063】
本発明の態様では、1つまたは複数の免疫調節分子は、抗原特異的免疫応答を誘導または増強するために有効な量である。一部の態様では、増強される抗原特異的免疫応答はTh1免疫応答である。一部の態様では、Th1免疫応答は、IFN−γの抗原特異的誘導、または2つ以上のサイトカインを分泌する多機能性T細胞の誘導をもたらす。一部の態様では、サイトカインには、それだけには限定されないが、IL−2およびIFN−γ、またはIFN−γ、TNF−αおよびIL−2が含まれる。
【0064】
本明細書中で使用する用語「障害」、「状態」および「疾患」は互換性があるように使用する。
【0065】
本発明の態様では、ワクチンは、感染症(たとえば感染性疾患)、自己抗原に関連する障害、または中毒性物質に関連する障害を予防するための予防的ワクチンとして有用である。好ましくは、予防的ワクチン接種は、ワクチンを探求している状態を診断されていない対象において使用し、より好ましくは、対象は、これらの状態のうちの1つを発生する危険性があると見なされる。たとえば、対象は、感染性生物の感染症を発生する危険性がある、または自己抗原に関連する障害に感受性がある、または中毒性物質に関連する障害に感受性がある者であり得る。
【0066】
本明細書中で使用する、危険性がある対象とは、感染症を引き起こす病原体に対して曝露される任意の危険性がある対象、慢性もしくは処置に耐性がある感染性疾患に罹患しているもしくはそれを発生する危険性がある対象、癌に罹患しているもしくはそれを発生する危険性がある対象、アレルギーに罹患しているもしくはそれを発生する危険性がある対象、喘息に罹患しているもしくはそれを発生する危険性がある対象、中毒性物質に関連する障害に罹患しているもしくはそれを発生する危険性がある対象、異常なタンパク質の折り畳みに関与する障害に罹患しているもしくはそれを発生する危険性がある対象、または自己免疫障害に罹患しているもしくはそれを発生する危険性がある対象である。また、危険性がある対象には、そのような障害を発生する素因を有する対象も含まれる。一部の素因は遺伝的な場合がある(したがって遺伝子分析または家族歴のいずれかによって同定することができる)。一部の素因は環境的である(たとえば、感染性因子、自己抗原または中毒性物質への以前の曝露)。感染症を発生する危険性がある対象では、そのような対象の例は、特定の種類の感染性因子が見つかるもしくは見つかっている地域で生活しているもしくは旅行する予定のある対象、または生活習慣もしくは医学的手順を介して、直接もしくは間接的に感染性生物を含有し得る体液と接触することによって、生物に曝露した対象であり得る。また、感染症を発生する危険性がある対象には、医療機関が特定の感染性生物に対するワクチン接種を勧めている一般集団も含まれる。
【0067】
対象は、獣医師医薬によって処置されるヒトまたは非ヒト動物である。非ヒト動物対象には、それだけには限定されないが、イヌ、ネコ、トリ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、非ヒト霊長類(たとえば、サル、チンパンジー)ならびに魚(水産養殖種、たとえばサケ)が含まれる。
【0068】
本明細書中で使用する感染性疾患とは、身体内に外来微生物、たとえば、細菌、ウイルス、寄生生物または真菌が存在することから生じる疾患である。
【0069】
本発明の態様では、細菌には、それだけには限定されないが、アシネトバクター・カルコアセティカス(Acinetobacter calcoaceticus)、アセトバクター・パセルイアヌス(Acetobacter paseruianus)、アクチノバチルス・アクチノミセタムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、アクチノバチルス・プルロニューモニア(Actinobacillus pleuropneumoniae)、イスラエル放線菌(Actinomyces israelli)、アクチノマイセス・ビスコーサス(Actinomyces viscosus)、アエロモナス・ヒドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、アルカリゲネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus)、アリシクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius)、アルケオグロブス・フルギダス(Archaeglobus fulgidus)、バチルス(Bacillus)種、炭疽菌(Bacillus antracis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophillus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・サーモカテニュラタス(Bacillus thermocatenulatus)、バクテロイデス(Bacteroides)種、ボルデテラ(Bordetella)種、気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica)、ライム病菌(Borrelia burgdorferi)、ブルセラ(Brucella)種、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、ブルクホルデリア・グルマエ(Burkholderia glumae)、ブラキスピラ(Brachyspira)種、ブラキスピラ・ヒオディセンテリア(Brachyspira hyodysenteria)、ブラキスピラ・ピロシコリ(Brachyspira pilosicoli)、カンピロバクター(Campylobacter)種、カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、カンピロバクター・フィータス(Campylobacter fetus)、カンピロバクター・ハイオインテスティナリス(Campylobacter hyointestinalis)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)、トラコーマ病原体(Chlamydia trachomatis)、クラミドフィラ(Chlamydophila)種、クロモバクテリウム・ビスコーサム(Chromobacterium viscosum)、クロストリジウム(Clostridium)種、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、破傷風菌(Clostridium tetani)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)、エンテロバクター(Enterobacter)種、エンテロバクター・エアロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロコッカス(Enterococcus)種、ブタ丹毒素(Erysipelothrix rhusiopathieae)、エシェリキア(Escherichia)種、大腸菌(Escherichia coli)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、ヘモフィルス(Haemophilus)種、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、ヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus)、ヘリコバクター(Helicobacter)種、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、ヘリコバクター・スイス(Helicobacter suis)、クレブシエラ(Klebsiella)種、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilis)、ローソニア・イントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)、レジオネラ(Legionella)種、在郷軍人病菌(Legionella pneumophilia)、レプトスピラ(Leptospira)種、たとえば、レプトスピラ・カニコラ(Leptospira canicola)、レプトスピラ・グリッポティポーサ(Leptospira grippotyposa)、レプトスピラ・ハージョ(Leptospira hardjo)、レプトスピラ・ボルグペテルセニイ・ハージョ−ボビス(Leptospira borgpetersenii hardjo−bovis)、レプトスピラ・ボルグペテルセニイ・ハージョ−プラジトゥノ(Leptospira borgpetersenii hardjo−prajitno)、レプトスピラ・インテロガンス(Leptospira interrogans)、レプトスピラ・イクテロヘモラージエ(Leptospira icterohaemorrhagiae)、レプトスピラ・ポモナ(Leptospira pomona)、レプトスピラ(Leptospira)、レプトスピラ・ブラチスラバ(Leptospira bratislava)、リステリア(Listeria)種、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、髄膜炎菌(Meningococcal bacteria)、モラクセラ(Moraxella)種、マイコバクテリウム(Mycobacterium)種、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、トリ型結核菌(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)、マイコバクテリウム・カンサシイ(Mycobacterium kansasii)、マイコバクテリウム・ゴルドナエ(Mycobacterium gordonae)、マイコプラズマ(Mycoplasma)種、たとえば、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae)、マイコプラズマ・シノビエ(Mycoplasma synoviae)、マイコプラズマ・ハイオリニス(Mycoplasma hyorhinis)、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)、マイコプラズマ・ミコイデス亜種ミコイデスLC(Mycoplasma mycoides subsp.mycoides LC)、ナイセリア(Neisseria)種、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、オドリバクター・デンティカニス(Odoribacter denticanis)、パスツレラ(Pasteurella)種、ヘモリチカ菌(Pasteurella(Mannheimia) haemolytica)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、フォトラブダス・フミネセンス(Photorhabdus luminescens)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、ポルフィロモナス・グラエ(Porphyromonas gulae)、ポルフィロモナス・サリボーサ(Porphyromonas salivosa)、ざ瘡菌(Propionibacterium acnes)、プロテウス(Proteus)種、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、シュードモナス(Pseudomonas)種、シュードモナス・ウィスコンシネシス(Pseudomonas wisconsinensis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、蛍光菌C9(Pseudomonas fluorescens C9)、蛍光菌SIKW1(Pseudomonas fluorescens SIKW1)、シュードモナス・フラギ(Pseudomonas fragi)、シュードモナス・ルテオラ(Pseudomonas luteola)、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)、シュードモナスsp B11−1(Pseudomonas sp B11−1)、サイクロバクター・イモビリス(Psychrobacter immobilis)、リケッチア(Rickettsia)種、発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekii)、斑点熱リケッチア(Rickettsia rickettsii)、サルモネラ(Salmonella)種、サルモネラ・ボンゴリ(Salmonella bongori)、豚コレラ(Salmonella choleraesuis)、サルモネラ・ダブリン(Salmonella dublin)、サルモネラ菌(Salmonella enterica)、サルモネラ・ニューポート(Salmonella newport)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、チフス菌(Salmonella typhi)、霊菌(Serratia marcescens)、シゲラ(Shigella)種、スピルリナ・プラテンシス(Spirulina platensis)、スタフィロコッカス(Staphylococci)種、黄色ブドウ球菌(Staphlyoccocus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphyloccoccus epidermidis)、スタフィロコッカス・ハイカス(Staphylococcus hyicus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)種、ストレプトバチルス・モニリフォルミス(Streptobacillus moniliformis)、ベータ−溶血性連鎖球菌(beta−hemolytic Streptococcus)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(A群連鎖球菌)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)(B群連鎖球菌)、緑色連鎖球菌(Streptococcus viridans)群、大便連鎖球菌(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)、ストレプトコッカス・ウベリス(Streptococcus uberis)、ストレプトコッカス・ディスガラクティエ(Streptococcus dysgalactiae)、嫌気性連鎖球菌種(Streptococcus anaerobic sps.)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)、ストレプトコッカス・サンギス(Streptococcus sanguis)、ストレプトマイセス・アルブス(Streptomyces albus)、ストレプトマイセス・シナモネウス(Streptomyces cinnamoneus)、ストレプトマイセス・エクスフォリエーテス(Streptomyces exfoliates)、ストレプトマイセス・スキャビエス(Streptomyces scabies)、スルホ
ロブス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius)、シネコシスティス(Synechocystis)種、トレポネーマ(Treponema)種、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)、トレポネーマ・ミヌツム(Treponema minutum)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、フランベジアトレポネーマ(Treponema pertenue)、トレポネーマ・ファージデニス(Treponema phagedenis)、トレポネーマ・レフリンゲンス(Treponema refringens)、トレポネーマ・ビンセンティ(Treponema vincentii)、ビブリオ(Vibrio)種、コレラ菌(Vibrio cholerae)、エルシニア(Yersinia)種およびその組合せが含まれる。
【0070】
本発明の態様では、ウイルスには、それだけには限定されないが、トリヘルペスウイルス、トリインフルエンザ、トリ白血症ウイルス、トリパラミクソウイルス、ボーダー病ウイルス、ウシコロナウイルス、ウシ流行熱ウイルス、ウシヘルペスウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、ウシ白血病ウイルス、ウシパラインフルエンザウイルス3、ウシ呼吸器合胞体ウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、I型BVDV、II型BVDV、イヌアデノウイルス、イヌコロナウイルス(CCV)、イヌジステンパーウイルス、イヌヘルペスウイルス、ウマヘルペスウイルス、イヌインフルエンザウイルス、イヌパラインフルエンザウイルス、イヌパルボウイルス、イヌ呼吸器コロナウイルス、ブタコレラウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス(EEE)、ウマ伝染性貧血ウイルス、ウマインフルエンザウイルス、西ナイルウイルス、ネコカルシウイルス、ネコ腸内コロナウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ネコ感染性腹膜炎ウイルス、ネコヘルペスウイルス、ネコインフルエンザウイルス、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、ネコウイルス性鼻気管炎ウイルス、レンチウイルス、マレック病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ヒツジヘルペスウイルス、ヒツジパラインフルエンザ3、ヒツジ進行性肺炎ウイルス、ヒツジ肺腺癌ウイルス、汎親和性CCV、I型ブタシルコウイルス(PCV)、II型PCV、ブタ流行性下痢ウイルス、ブタ赤血球凝集性脳脊髄炎ウイルス、ブタヘルペスウイルス、ブタパルボウイルス、ブタ生殖器呼吸器症候群(PRRS)ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、狂犬病、ロトウイルス、ライノウイルス、牛疫ウイルス、ブタインフルエンザウイルス、伝染性胃腸炎ウイルス、シチメンチョウコロナウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、水疱性口内炎ウイルス、西ナイルウイルス、西部ウマ脳炎ウイルスおよびその組合せが含まれる。
【0071】
本発明の態様では、寄生生物には、それだけには限定されないが、アナプラズマ属(Anaplasma)、肝蛭(Fasciola hepatica)(肝吸虫)、コクシジウム亜綱(Coccidia)、エイメリア(Eimeria)種、ネオスポラ・カニナム(Neospora caninum)、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)、ジアルジア属(Giardia)、イヌ糸状虫属(Dirofilaria)(心糸状虫)、鉤虫属(Ancylostoma)(鈎虫)、トリパノソーマ(Trypanosoma)種、リーシュマニア(Leishmania)種、トリコモナス(Trichomonas)種、クリプトスポリジウム・パルブム(Cryptosporidium parvum)、バベシア属(Babesia)、住血吸虫属(Schistosoma)、条虫属(Taenia)、糞線虫属(Strongyloides)、回虫属(Ascaris)、旋毛虫属(Trichinella)、肉胞子虫属(Sarcocystis)、ハモンジア属(Hammondia)、またはイソプソラ属(Isopsora)、およびその組合せ由来のタンパク質が含まれる。諸態様では、寄生生物には、それだけには限定されないが、マダニ属(Ixodes)、コイタマダニ属(Rhipicephalus)、カクマダニ属(Dermacentor)、キララマダニ属(Amblyomma)、ウシマダニ属(Boophilus)、イボマダニ属(Hyalomma)、またはチマダニ(Haemaphysalis)種を含めたマダニ、およびその組合せが含まれる。
【0072】
本発明の態様では、真菌には、それだけには限定されないが、胞子、カビおよび酵母(たとえばカンジダ(Candida)種)が含まれる。
【0073】
本明細書中で使用する、慢性または処置に耐性がある感染性疾患とは、長期的な感染期間を有する、場合によっては数週間、数カ月、さらには一生涯持続する疾患、または通常は成功する他の処置に抵抗する感染症である。一部の態様では、慢性または処置に耐性があるウイルス感染症には、それだけには限定されないが、HBV、HCV、HIV、HPV、HSV−1またはHSV−2が含まれる。
【0074】
本発明の態様では、癌を有する対象とは、検出可能な癌細胞を有する対象である。癌は悪性または非悪性癌であり得る。癌または腫瘍には、それだけには限定されないが、胆管癌、膀胱癌、脳腫瘍、乳癌、子宮頸癌、絨毛癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、膠芽細胞腫、上皮内新生物、リンパ腫(たとえば濾胞性リンパ腫)、肝臓癌、肺癌(たとえば、小細胞および非小細胞)、白血病(たとえば、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚T細胞白血病)、黒色腫(たとえば悪性黒色腫)、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、口腔癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、肉腫、皮膚癌、精巣癌、甲状腺癌、腎臓癌、ならびに他の癌腫および肉腫(たとえば、扁平細胞癌、腎細胞癌、前立腺癌腫、膀胱細胞癌腫、または結腸癌)が含まれる。
【0075】
本発明の態様では、アレルギーを有する対象とは、アレルゲンに対する応答においてアレルギー反応を有するまたはそれを発生する危険性がある対象である。アレルギーとは、物質(アレルゲン)に対する後天性の過敏症をいう。アレルギー状態には、それだけには限定されないが、湿疹、アレルギー性鼻炎または鼻感冒、枯草熱、結膜炎、気管支喘息、蕁麻疹(urticaria、hives)および食品アレルギー、ならびに他のアトピー状態が含まれる。
【0076】
現在、アレルギー性疾患は、一般に、小用量の抗原、続いて漸増用量の抗原を注射することによって処置されている。この手順によりアレルゲンに対する耐性を誘導して、さらなるアレルギー反応が予防されると考えられている。しかし、これらの方法は、有効となるまでに数年間かかる場合があり、アナフィラキシーショックなどの副作用の危険性に関連している。
【0077】
アレルギーは、一般に、無害なアレルゲンに対するIgE抗体の産生によって引き起こされる。免疫賦活性核酸の全身または粘膜投与によって誘導されるサイトカインは、主にTh1と呼ばれるクラスのもの(例はIL−12およびIFN−ガンマ)であり、これらは液性および細胞性の免疫応答をどちらも誘導する。Th1応答に関連する抗体の種類は、高い中和およびオプソニン化能力を有するため、一般により保護的である。IL−4、IL−5およびIL−10サイトカインの産生に関連している免疫応答の他の主要な種類は、Th2免疫応答である。Th2応答は主に抗体に関与し、これらは感染症に対してより低い保護効果を有し、一部のTh2アイソタイプ(たとえばIgE)はアレルギーに関連している。一般に、アレルギー性疾患はTh2型免疫応答によって媒介される一方で、Th1応答は感染症に対する最良の保護を提供すると考えられるが、過剰のTh1応答は自己免疫疾患に関連している。対象における免疫応答をTh2(IgE抗体の産生およびアレルギーに関連)からTh1応答(アレルギー反応に対して保護的)へとシフトさせる1つまたは複数の免疫調節分子の能力に基づいて、免疫調節分子の免疫応答を誘導するための有効用量を対象に投与して、アレルギーを処置または予防することができる。
【0078】
本発明の態様では、アレルゲンとは、感受性のある対象においてアレルギーまたは喘息の応答を誘導することができる物質(たとえば抗原)をいう。アレルゲンには、それだけには限定されないが、花粉、昆虫毒液、動物の鱗屑粉、真菌胞子および薬物(たとえばペニシリン)が含まれる。天然の動物および植物アレルゲンの例には、それだけには限定されないが、以下の属:イヌ科動物(Canine)(イヌ(Canis familiaris))、ヒョウヒダニ属(Dermatophagoides)(たとえばコナヒョウダニ(Dermatophagoides farinae))、ネコ属(Felis)(イエネコ(Felis domesticus))、ブタクサ属(Ambrosia)(ブタクサ(Ambrosia artemiisfolia)、ドクムギ属(Lolium)(たとえば、ホソムギ(Lolium perenne)またはネズミムギ(Lolium multiflorum))、スギ属(Cryptomeria)(スギ(Cryptomeria japonica))、アルテルナリア属(Alternaria)(アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata))、アルダー属(Alder)、ハンノキ属(Alnus)(セイヨウヤマハンノキ(Alnus gultinosa))、カバノキ属(Betula)(ベツラ・ベルコサ(Betula verrucosa))、カシ属(Quercus)(ホワイトオーク(Quercus alba))、オリーブ属(Olea)(オリーブ(Olea europea))、ヨモギ属(Artemisia)(オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris))、オオバコ属(Plantago)(たとえばヘラオオバコ(Plantago lanceolata))、ヒカゲミズ属(Parietaria)(たとえば、パリエタリア・オフィシナリス(Parietaria officinalis)またはカベイラクサ(Parietaria judaica))、チャバネゴキブリ属(Blattella)(たとえばチャバネゴキブリ(Blattella germanica))、アピス属(Apis)(たとえばアピス・ムルチフローラム(Apis multiflorum))、イトスギ属(Cupressus)(たとえば、ホソイトスギ(Cupressus sempervirens)、アリゾナイトスギ(Cupressus arizonica)およびモントレーイトスギ(Cupressus macrocarpa))、ビャクシン属(Juniperus)(たとえば、ジュニペルス・サビノイデス(Juniperus sabinoides)、エンピツビャクシン(Juniperus virginiana)、セイヨウネズ(Juniperus communis)およびジュニペルス・アシェイ(Juniperus ashei))、クロベ属(Thuya)(たとえばコノテガシワ(Thuya orientalis))、ヒノキ属(Chamaecyparis)(たとえばヒノキ(Chamaecyparis obtusa))、ゴキブリ属(Periplaneta)(たとえばワモンゴキブリ(Periplaneta americana))、アグロピロン属(Agropyron)(たとえばシバムギ(Agropyron repens))、ライムギ属(Secale)(たとえばライムギ(Secale cereale))、コムギ属(Triticum)(たとえばコムギ(Triticum aestivum))、カモガヤ属(Dactylis)(たとえばカモガヤ(Dactylis glomerata))、ウシノケグサ属(Festuca)(たとえばウシノケグサ(Festuca elatior))、イチゴツナギ属(Poa)(たとえば、ケンタッキーブルーグラス(Poa pratensis)またはコイチゴツナギ(Poa compressa))、アベナ属(Avena)(たとえばマカラスムギ(Avena sativa))、シラゲガヤ属(Holcus)(たとえばシラゲガヤ(Holcus lanatus))、アントキサンタム属(Anthoxanthum)(たとえばハルガヤ(Anthoxanthum odoratum))、オオカニツリ属(Arrhenatherum)(たとえばオオカニツリ(Arrhenatherum elatius))、コヌカグサ属(Agrostis)(たとえばコヌカグサ(Agrostis alba))、アワガエリ属(Phleum)(たとえばオオアワガエリ(Phleum pratense))、クサヨシ属(Phalaris)(たとえばリードカナリーグラス(Phalaris arundinacea))、スズメノヒエ属(Paspalum)(たとえばバヒアグラス(Paspalum notatum))、モロコシ属(Sorghum)(たとえばセイバンモロコシ(Sorghum halepensis))、およびスズメノチャヒキ属(Bromus)(たとえばコスズメノチャヒキ(Bromus inermis))に特異的なタンパク質が含まれる。
【0079】
本発明の態様では、喘息とは、炎症、気道の狭小化および吸入した因子に対する気道の反応性の増加によって特徴づけられる呼吸器系の障害をいう。Th2サイトカイン、たとえばIL−4およびIL−5が、喘息対象の気道において上昇している。これらのサイトカインは、IgEアイソトープスイッチング(isotopi switching)、好酸球の化学走性および活性化ならびに肥満細胞の成長を含めた、喘息炎症反応の重要な側面を促進する。Th1サイトカイン、特にIFN−ガンマおよびIL−12は、Th2クローンの形成およびTh2サイトカインの産生を抑制することができる。喘息は、排他的にではないが、しばしばアトピーまたはアレルギーの症状に関連している。
【0080】
本発明の態様では、異常なタンパク質の折り畳みに関与する障害とは、関連タンパク質の誤折り畳みまたはタンパク質の不正確な折り畳みをもたらす対象のDNA中の誤りのいずれかから生じる障害である。諸態様では、異常なタンパク質の折り畳みに関与する障害はアミロイドース障害、たとえば、アルツハイマー病、MS、またはプリオン障害、たとえば伝播性海綿状脳症(TSEs)であり、これには、それだけには限定されないが、ヒトにおけるウシ海綿状脳症(BSE、狂牛病)およびクロイツフェルトヤコブ病(CJD)が含まれる。諸態様では、タンパク質の不正確な折り畳みをもたらす対象のDNA中の誤りに関与する障害には、それだけには限定されないが、嚢胞性線維症およびp53タンパク質に関連する癌が含まれる。
【0081】
本発明の態様では、自己免疫障害とは、対象中に通常存在する物質および組織(たとえば自己抗原)に対する、対象の身体の過敏性免疫応答に関与する任意の障害である。一部の態様では、自己免疫障害は、関節リウマチ(RA)、ループスまたはクローン病である。
【0082】
本発明の態様では、自己抗原に関連する障害とは、対象の自己細胞または細胞産物の抗原によって引き起こされる任意の障害であって、前記対象において免疫応答を引き起こす障害である。たとえば、一部の実施形態では、自己抗原は、腫瘍抗原、アルツハイマー病に関連する抗原、抗体に対する抗原、またはヒト内在性レトロウイルス要素から発現される抗原である。一部の態様では、腫瘍抗原は、WT1、MUC1、LMP2、HPV E6もしくはHPV E7、EGFRもしくはその変異体、たとえばEGFRvIII、HER−2/neu、イディオタイプ、MAGE A3、p53非突然変異体、NY−ESO−1、PSMA、GD2、CEA、MelanA/MART1、Ras突然変異体、gp100、p53突然変異体、プロテイナーゼ3(PR1)、bcr−abl、チロシナーゼ、サバイビン、PSA、hTERT、肉腫転座切断点、EphA2、PAP、ML−IAP、AFP、EpCAM、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、RhoC、TRP−2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、MAGE A1、sLe(動物)、CYP1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、GloboH、ETV6−AML、NY−BR−1、RGS5、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、PAX5、OY−TES1、精子タンパク質17、LCK、HMWMAA、AKAP−4、SSX2、XAGE1、B7H3、レグマイン、Tie2、Page4、VEGFR2、MAD−CT−1、FAP、PDGFR−ベータ、MAD−CT−2、またはFos関連抗原1のうちの、1つまたは複数である。アルツハイマー病に関連する抗原は、タウまたはβ−アミロイドであり得る。抗体に対する抗原はヒト抗体に対する抗原であってよく、たとえば、一部の実施形態では、抗原はIgEである。
【0083】
本発明の態様では、ワクチンは、動物において呼吸器ウイルス感染症の予防に使用し得る。一部の態様では、呼吸器ウイルス感染症は、BVDV1、BVDV2、IBRV、PI3VまたはBRSVである。
【0084】
本発明の態様では、中毒性物質に関連する障害とは、中毒性の化学的または生物学的物質に対する嗜癖を発生する対象に関与する任意の障害である。たとえば、一部の実施形態では、中毒性物質はニコチンまたはコカインであり得る。一部の実施形態では、嗜癖を予防または処置するためのワクチンは、担体とコンジュゲートしたニコチンまたはニコチン様ハプテンを含有する。一部の実施形態では、ニコチンまたはニコチン様ハプテンがコンジュゲートする担体は、細菌トキソイドもしくは誘導体、シュードモナス(Pseudomonas)外毒素、KLHまたはウイルス様粒子である。一部の態様では、細菌トキソイドは、ジフテリアトキソイドまたはその誘導体、たとえばCRM197である。一部の態様では、ウイルス様粒子は、HBsAg、HBcAg、大腸菌(E.coli)バクテリオファージQβ、ノーウォークウイルスまたはインフルエンザHAである。
【0085】
感染性疾患に関して使用した場合、本明細書中で使用する用語「処置する」、「処置した」または「処置すること」とは、病原体への感染に対する対象(感染症の危険性がある対象)の耐性を増加させる、言い換えれば、対象が病原体に感染する可能性を減少させる予防的処置、および対象(感染した対象)が感染した後に、感染症と闘うため、たとえば、感染症を低下もしくは排除するためまたはそれが悪化することを予防するための処置をいう。
【0086】
癌に関して使用した場合、用語「処置する」、「処置した」または「処置すること」とは、癌に対する対象(癌を発生する危険性がある対象)の耐性を増加させる、または対象が癌を発生する可能性を減少させる予防的処置、および対象(癌に罹患しているまたはそれを診断された対象)がそのような障害を発生したまたはそのような障害の発生の兆候もしくは症状を発生し始めた後に、障害の効果を低下させるため、たとえば、障害に関連する兆候もしくは症状を低下もしくは排除するためまたはそれらが悪化することを予防するための処置をいう。
【0087】
喘息もしくはアレルギーに関して使用した場合、用語「処置する」、「処置した」または「処置すること」とは、対象(喘息もしくはアレルギーを発生する危険性がある対象)がそのような障害を発生することに対する耐性を増加させる、または対象が喘息もしくはアレルギーを発生する可能性を減少させる予防的処置、および対象(喘息もしくはアレルギーに罹患しているまたはそれを診断された対象)がそのような障害を発生したまたはそのような障害の発生の兆候もしくは症状を発生し始めた後に、障害の効果を低下させるため、たとえば、障害に関連する兆候もしくは症状を低下もしくは排除するためまたはそれらが悪化することを予防するための処置をいう。
【0088】
中毒性物質に関連する障害に関して使用した場合、用語「処置する」、「処置した」または「処置すること」とは、対象(中毒性物質に関連する障害の危険性がある対象)がそのような障害を発生することに対する耐性を増加させる、または対象が中毒性物質に関連する障害を発生する可能性を減少させる予防的処置、および対象(中毒性物質に関連する障害に罹患しているまたはそれを診断された対象)がそのような障害を発生したまたはそのような障害の発生の兆候もしくは症状を発生し始めた後に、障害の効果を低下させるため、たとえば、障害に関連する兆候もしくは症状を低下もしくは排除するためまたはそれらが悪化することを予防するための処置をいう。
【0089】
異常なタンパク質の折り畳みに関連する障害に関して使用した場合、用語「処置する」、「処置した」または「処置すること」とは、対象(異常なタンパク質の折り畳みに関連する障害の危険性がある対象)がそのような障害を発生することに対する耐性を増加させる、または対象が異常なタンパク質の折り畳みに関連する障害を発生する可能性を減少させる予防的処置、および対象(異常なタンパク質の折り畳みに関連する障害に罹患しているまたはそれを診断された対象)がそのような障害を発生したまたはそのような障害の発生の兆候もしくは症状を発生し始めた後に、障害の効果を低下させるため、たとえば、障害に関連する兆候もしくは症状を低下もしくは排除するためまたはそれらが悪化することを予防するための処置をいう。
【0090】
自己免疫障害に関して使用した場合、用語「処置する」、「処置した」または「処置すること」とは、対象(自己免疫障害の危険性がある対象)がそのような障害を発生することに対する耐性を増加させる、または対象が自己免疫障害を発生する可能性を減少させる予防的処置、および対象(自己免疫障害に罹患しているまたはそれを診断された対象)がそのような障害を発生したまたはそのような障害の発生の兆候もしくは症状を発生し始めた後に、障害の効果を低下させるため、たとえば、障害に関連する兆候もしくは症状を低下もしくは排除するためまたはそれらが悪化することを予防するための処置をいう。
【0091】
自己抗原に関連する障害に関して使用した場合、用語「処置する」、「処置した」または「処置すること」とは、対象(自己抗原に関連する障害の危険性がある対象)がそのような障害を発生することに対する耐性を増加させる、または対象が自己抗原に関連する障害を発生する可能性を減少させる予防的処置、および対象(自己抗原に関連する障害に罹患しているまたはそれを診断された対象)がそのような障害を発生したまたはそのような障害の発生の兆候もしくは症状を発生し始めた後に、障害の効果を低下させるため、たとえば、障害に関連する兆候もしくは症状を低下もしくは排除するためまたはそれらが悪化することを予防するための処置をいう。
【0092】
本明細書中に記載のワクチンを用いた対象の処置は、感染症の低下もしくは感染症の完全な消滅、自己抗原に関連する障害に関連する兆候/症状の低下または障害の完全な消滅、または中毒性物質に関連する障害に関連する兆候/症状の低下または障害の完全な消滅をもたらす。対象は、そのような処置の結果、感染性疾患、癌、アレルギー、喘息、異常なタンパク質の折り畳みに関連する障害、自己免疫障害、自己抗原に関連する障害または中毒性物質に関連する障害に関連するこのような症状が、低下している、管理されているまたは消滅している場合に、処置されたと見なすことができる。感染性疾患では、そのような処置には、対象中に存在する感染性因子の量の低下も包含される(たとえば、そのような量は、当業者に知られているELISAなどの標準のアッセイを用いて測定することができる)。癌では、そのような処置には、癌細胞もしくは組織の低下、および/または癌に関連する兆候/症状の低下も包含される。アレルギーでは、そのような処置には、アレルギーに関連する兆候/症状の低下も包含される。喘息では、そのような処置には、喘息に関連する兆候/症状の低下も包含される。自己免疫障害では、そのような処置には、自己免疫障害に対する免疫応答の低下、および/または障害に関連する兆候/症状の低下も包含される。異常なタンパク質の折り畳みに関連する障害では、そのような処置には、異常タンパク質の量の低下、および/または障害に関連する兆候/症状の低下もしくは回復も包含される。自己抗原に関連する障害では、そのような処置には、対象中に存在する自己抗原の量の低下または自己抗原の結果として誘導される免疫応答の低下も包含される。中毒性物質に関連する障害では、そのような処置には、中毒性物質に対する嗜癖に関連する兆候/症状の低下も包含される。
【0093】
本発明の配合物は、薬学的に許容できる濃度の塩、緩衝剤、保存料、適合性のある担体、アジュバント、および任意選択で他の治療的成分を型通りに含有し得る薬学的に許容できる溶液中で投与する。コレステロールを用いた特定のワクチン配合物では、コレステロールを水性配合物中に溶かすために、エタノールを薬学的に許容できる界面活性剤および水溶液で置き換え得る。
【0094】
治療で使用するためには、有効量の1つまたは複数の免疫調節分子を、免疫調節分子を所望の表面へと送達する任意の様式で対象に投与することができる。本発明の医薬組成物の投与は、当業者に知られている任意の手段によって達成し得る。好ましい投与経路には、それだけには限定されないが、非経口(たとえば、筋肉内、皮下、皮内、静脈内注射)、皮膚に局所(たとえば経皮)または粘膜(たとえば、経口、鼻腔内、膣内、直腸内、経頬側、眼内もしくは舌下)が含まれる。癌の処置の場合は、これには腫瘍内投与が含まれ得る。
【0095】
本発明の態様では、「有効量」の免疫調節分子とは、所望の生物学的効果を実現するために必要または十分な量をいう。たとえば、障害を処置するために有効な量の免疫調節分子は、微生物感染または腫瘍を排除するために必要な量であり得る。ワクチンアジュバントとしての使用に有効な量は、ワクチンに対する対象の免疫応答をブーストするために有用な量であり得る。感染性疾患、癌、アレルギー、喘息、自己免疫障害、異常なタンパク質の折り畳みに関連する障害、自己抗原に関連する障害または中毒性物質に関連する障害を処置するために「有効な量」は、抗原特異的免疫応答を誘導するために有用な量である場合がある。任意の特定の用途に有効な量は、処置する疾患もしくは状態、投与する特定の免疫調節分子、対象の大きさ、または疾患もしくは状態の重篤度などの要因に応じて変動する場合がある。当業者は、過度の実験を必要とせずに有効量の特定の免疫調節分子を経験的に決定できる。
【0096】
局所的送達のための本明細書中に記載の化合物の対象用量は、典型的には約0.1μg〜約50mg/投与の範囲であり、用途に応じて、1日1回、週1回、または月1回およびその間の任意の他の期間で与えることができる。より典型的には、局所的用量の範囲は、約10μg〜約10mg/投与であり、任意選択で約100μg〜約1mgであり、2〜4回の投与を数日間または数週間離した間隔にする。より典型的には、免疫刺激剤用量の範囲は約1μg〜約10mg/投与であり、最も典型的には約10μg〜約1mgであり、1日1回または週1回投与する。化合物を抗原と共に送達するが別の治療剤と共には送達しない、抗原特異的免疫応答を誘導する目的の非経口送達のための本明細書中に記載の化合物の対象用量は、典型的にはワクチンアジュバントまたは免疫刺激剤用途のための有効な局所的用量よりも約5〜約10,000倍高く、より典型的には約10〜約1,000倍高く、最も典型的には約20〜約100倍高い。たとえば自然免疫応答を誘導するため、ADCCを増加させるため、抗原特異的免疫応答を誘導するための非経口送達のための本明細書中に記載の化合物の用量は、1つまたは複数の免疫調節分子を他の治療剤と組み合わせてまたは専用の送達ビヒクル中で投与する場合、典型的には約0.1μg〜約10mg/投与の範囲であり、用途に応じて、1日1回、週1回、または月1回およびその間の任意の他の期間で与えることができる。より典型的には、これらの目的のための非経口用量の範囲は約10μg〜約5mg/投与であり、最も典型的には約100μg〜約1mgであり、2〜4回の投与を数日間または数週間離した間隔にする。しかし、一部の実施形態では、これらの目的のための非経口用量は、上述の典型的な用量よりも約5〜約10,000倍高い範囲で使用し得る。
【0097】
本明細書中に記載の任意の化合物では、治療上有効な量は最初に動物モデルから決定することができる。また、治療上有効な用量は、ヒトにおいて試験されている(たとえばヒト臨床治験が開始されている)免疫調節分子、ならびに他のアジュバント、たとえば、LTおよびワクチン接種目的のための他の抗原などの、同様の薬理活性を示すことが知られている化合物のヒトデータから決定することもできる。非経口投与ではより高い用量が必要であり得る。施用する用量は、投与した化合物の相対的な生体利用度および効力に基づいて調節することができる。上述の方法および当分野で周知の他の方法に基づいて最大の有効性を達成するために用量を調節することは、当業者の能力範囲内に十分ある。
【0098】
1つまたは複数の免疫調節分子は、単独で、または1つもしくは複数の抗原、コレステロールもしくは他の治療剤と共に、本明細書中に記載の任意の経路を介して投与し得る。
【0099】
全身送達することが望ましい場合、1つまたは複数の免疫調節分子は、注射、たとえばボーラス注射または持続注入による非経口投与用に配合し得る。注射用の配合物は、単位剤形で、たとえば、アンプルまたは複数用量容器中に、保存料を加えて提示し得る。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、液剤または乳濁液の形態をとってよく、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの配合剤を含有し得る。
【0100】
非経口投与用の医薬配合物には、水溶性形態の免疫調節分子の水溶液が含まれる。さらに、免疫調節分子の懸濁液は、適切な油性の注射用懸濁液として調製し得る。適切な親油性の溶媒またはビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含有し得る。また、懸濁液は、高濃度の液剤の調製を可能にするために、適切な安定化剤または免疫調節分子の溶解度を増加させる薬剤も任意選択で含有し得る。
【0101】
不活性物質を用いて治療剤を希釈または治療剤の体積を増加させ得る。これらの希釈剤には、炭水化物、特に、マンニトール、a−ラクトース、無水ラクトース、セルロース、スクロース、修飾デキストランおよび/またはデンプンが含まれる場合がある。また、カルシウム三リン酸、炭酸マグネシウムおよび/または塩化ナトリウムを含めた特定の無機塩を充填剤として使用してもよい。一部の市販の希釈剤は、Fast−Flo、Emdex、STA−Rx 1500、EmcompressおよびAvicellである。
【0102】
水性環境中への治療剤の溶解を補助するために、界面活性剤を湿潤剤として加え得る。界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウムおよび/またはスルホン酸ジオクチルナトリウムなどの陰イオン性洗剤が含まれ得る。陽イオン性洗剤を使用することができ、塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトニウムが含まれていてもよい。配合物中で界面活性剤として使用できる潜在的な非イオン性洗剤のリストは、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油10、50および/または60、モノステアリン酸グリセロール、ポリソルベート40、60、65および/または80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロースならびにカルボキシメチルセルロースである。諸態様では、非イオン性洗剤には、それだけには限定されないが、オクトキシノール、たとえば、t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(TRITON X−100(商標))、ポリオキシエチレンエステル、たとえば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(TWEEN80(商標))、胆汁酸塩およびコール酸誘導体、たとえばデオキシコール酸ナトリウムまたはタウロデオキシコレートが含まれる。諸態様では、配合物は、3D−MPL、ラウレス9、TRITON X−100(商標)、TWEEN80(商標)、およびデオキシコール酸ナトリウムを含み得る。これらの界面活性剤は、免疫調節分子の配合物中に、単独で、または様々な比の混合物として存在することができる。
【0103】
非経口投与用の医薬配合物には、水溶性形態の免疫調節分子の水溶液が含まれる。さらに、免疫調節分子の懸濁液は、適切な油性の注射用懸濁液として調製し得る。適切な親油性の溶媒またはビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含有し得る。懸濁液は、高濃度の液剤の調製を可能にするために、適切な安定化剤または免疫調節分子の溶解度を増加させる薬剤も任意選択で含有し得る。
【0104】
あるいは、免疫調節分子は、使用前に適切なビヒクル、たとえば無菌的な発熱物質を含まない水で構成するための散剤形態であり得る。
【0105】
経口投与には、化合物(たとえば、単独、または1つもしくは複数の抗原、コレステロールおよび/もしくは他の治療剤と一緒にした免疫調節分子)は、免疫調節分子を当分野で周知の薬学的に許容できる担体と合わせることによって容易に配合することができる。そのような担体により、本発明の免疫調節分子を、処置する対象によって経口摂取させるための錠剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして配合することが可能となる。経口使用のための医薬調製物は固体賦形剤として得ることができ、生じる混合物を任意選択で粉砕し、顆粒の混合物を加工し、所望する場合は適切な補助剤を加えた後、錠剤または糖衣錠のコアが得られる。適切な賦形剤は、特に、充填剤、たとえば、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含めた糖、たとえばトウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物である。所望する場合は、崩壊剤、たとえば、架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩を加え得る。また、任意選択で、経口製剤は、内部酸性条件を中和するために生理食塩水もしくは緩衝液、すなわちEDTA中で配合するか、または担体を全く用いずに投与し得る。
【0106】
また、上記薬剤または配合物の経口剤形も企図される。薬剤または配合物は、誘導体の経口送達が効果的となるように化学修飾し得る。一般に、企図される化学修飾は、少なくとも1つの部分を薬剤または配合物自体に付着させることであり、前記部分は、(a)タンパク質分解の阻害、および(b)胃または腸管からの血流内への取り込みを可能にする。また、薬剤または配合物の全体的な安定性の増加および身体内での循環時間の増加も所望される。そのような部分の例には、ポリエチレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびポリプロリンが含まれる。AbuchowskiおよびDavis、1981、「Soluble Polymer−Enzyme Adducts」、Enzymes as Drugs、HocenbergおよびRoberts編、Wiley−Interscience、ニューヨーク州New York、367〜383ページ、Newmarkら、1982、J.Appl.Biochem.、4:185〜189。使用できる他のポリマーは、ポリ−1,3−ジオキソランおよびポリ−1,3,6−チオキソカンである。上述のように、薬学的使用に好ましいものはポリエチレングリコール部分である。
【0107】
本発明の医薬組成物の鼻腔内送達も企図される。鼻腔内送達は、生成物を肺中に堆積させる必要なしに、治療生成物を鼻に投与した後に本発明の医薬組成物が血流に直接通過することを可能にする。経鼻送達用の配合物には、デキストランまたはシクロデキストランを用いたものが含まれる。諸態様では、鼻腔内送達(または粘膜送達)用の配合物は、3D−MPL、ラウレス9、TRITON X−100(商標)、TWEEN80(商標)、およびデオキシコール酸ナトリウムを含み得る。諸態様では、そのような配合物は、抗原、たとえばインフルエンザウイルス抗原と組み合わせ得る。
【0108】
鼻腔内投与には、有用な装置は定量散布器が取り付けられている小さな硬いボトルである。諸態様では、本発明の医薬組成物の溶液を規定された体積のチャンバ内に引き込むことによって定量を送達し、そのチャンバは、チャンバ内の液体を加圧した際にスプレーが形成されることによってエアロゾル配合物をエアロゾル化するような寸法の開口部を有する。チャンバを加圧して本発明の医薬組成物を投与する。諸態様では、チャンバはピストン配置である。そのような装置は市販されている。
【0109】
あるいは、ボトルを圧搾した際にスプレーを形成することによってエアロゾル配合物をエアロゾル化するような寸法の開口部または開口を備えたプラスチック製の圧搾ボトル。開口は通常はボトルの上部に見つかり、上部は、一般に、エアロゾル配合物を効率的に投与するために鼻道内に部分的にはまるように、先細となっている。諸態様では、経鼻吸入器は、測定された用量の薬物を投与するために計量された量のエアロゾル配合物を提供する。
【0110】
経頬側投与には、組成物は慣用の様式で配合した錠剤またはロゼンジの形態をとり得る。
【0111】
また、化合物は、たとえばカカオ脂または他のグリセリドなどの慣用の坐薬基剤を含有する坐薬または保留浣腸などの直腸または経膣組成物中でも配合し得る。
【0112】
また、記載した配合物に加えて、化合物はデポー調製物としても配合し得る。そのような長時間作用配合物は適切なポリマーもしくは疎水性物質(たとえば許容される油中の乳濁液として)またはイオン交換樹脂を用いて、またはやや溶けにくい誘導体として、たとえばやや溶けにくい塩として配合し得る。
【0113】
また、医薬組成物は、適切な固体またはゲル相の担体または賦形剤も含み得る。そのような担体または賦形剤の例には、それだけには限定されないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれる。
【0114】
適切な液体または固体の医薬調製物の形態は、たとえば、吸入用の水溶液または生理食塩水、マイクロカプセル封入、渦巻形にする(encochleated)、微視的な金粒子上にコーティング、リポソーム中に含有、噴霧化、エアロゾル、皮膚内に移植するためのペレット、または皮膚内に掻爬するために鋭い物体上に乾燥させる。また、医薬組成物には、顆粒、散剤、錠剤、コーティング錠剤、(マイクロ)カプセル、坐薬、シロップ、乳濁液、懸濁液、クリーム、ドロップまたは活性化合物が遅延放出される調製物も含まれ、その調製物中、賦形剤ならびに添加剤および/または補助剤、たとえば、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、膨張剤、潤滑剤、香料、甘味料または可溶化剤が上述のように習慣的に使用される。医薬組成物は、様々な薬物送達系での使用に適している。薬物送達方法の手短な総説には、Langer、Science、249:1527〜1533、1990を参照されたい。
【0115】
免疫調節分子ならびに任意選択で他の治療剤および/または抗原は、それ自体で(ニート)または薬学的に許容できる塩の形態で投与し得る。医薬品中で使用する場合、塩は薬学的に許容できるものであるべきであるが、薬学的に許容できない塩も好都合に使用して、薬学的に許容できるその塩を調製し得る。そのような塩には、それだけには限定されないが、以下の酸:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン−2−スルホン酸、およびベンゼンスルホン酸から調製したものが含まれる。また、そのような塩は、カルボン酸基のナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩など、アルカリ金属またはアルカリ土類の塩として調製することもできる。
【0116】
また、本発明の態様では、配合物は胆汁酸またはその誘導体も含み得る。諸態様では、これは塩の形態であり得る。諸態様では、誘導体には、それだけには限定されないが、コール酸の誘導体およびその塩が含まれる。諸態様では、コール酸またはコール酸誘導体のナトリウム塩が企図される。諸態様では、胆汁酸およびその誘導体には、それだけには限定されないが、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、ヒオデオキシコール酸および誘導体、たとえば、前述の胆汁酸のグリコ−、タウロ−、アミドプロピル−1−プロパンスルホネート−、アミドプロピル−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート誘導体、またはN,N−ビス(3Dグルコノアミドプロピル)デオキシコールアミドが含まれる。諸態様では、デオキシコール酸ナトリウム(NaDOC)が本発明のワクチン中に存在し得る。
【0117】
適切な緩衝剤には、酢酸および塩(1〜2%w/v)、クエン酸および塩(1〜3%w/v)、ホウ酸および塩(0.5〜2.5%w/v)、ならびにリン酸および塩(0.8〜2%w/v)が含まれる。適切な保存料には、塩化ベンザルコニウム(0.003〜0.03%w/v)、クロロブタノール(0.3〜0.9%w/v)、パラベン(0.01〜0.25%w/v)およびチメロサール(0.004〜0.02%w/v)が含まれる。
【0118】
本発明の医薬組成物は、有効量の1つまたは複数の免疫調節分子ならびに任意選択で1つまたは複数の抗原、コレステロールおよび/または他の治療剤を含有し、薬学的に許容できる担体中に任意選択により含まれる。薬学的に許容できる担体という用語は、ヒトまたは他の脊椎動物への投与に適した1つまたは複数の適合性のある固体または液体の充填剤、希釈剤またはカプセル封入物質を意味する。用語担体とは、施用を容易にするために活性成分と混合する、天然または合成の有機または無機成分を示す。また、医薬組成物の構成成分は、所望の薬学的効率を実質的に損なう相互作用が存在しないような様式で、本発明の化合物および互いと混じり合うこともできる。
【0119】
本発明を以下の実施例によってさらに例示し、これらはいかなる様式でもさらに限定すると解釈されるべきでない。本出願の全体にわたって引用したすべての参考文献(文献参照、発行された特許、公開特許出願、および同時係属特許出願が含まれる)の内容全体は、参照により明確に全体として本明細書に組み込まれている。
【実施例1】
【0120】
CpG ODN免疫原性の送達ビヒクルとしてのコレステロールおよび有効性のデータ
カチオン性脂質を含有するリポソームをコレステロールと共に使用することで、CpG ODNの有効性の増強が示された。追加の脂質なしでのコレステロールミクロスフェアの使用を、細胞性免疫を増大するためのアジュバントとして試験した。0、14および21日目に、C57BI/6マウス(n=5匹/群)を、卵白アルブミン(10μg)、CpG単独(CPG 24555、10μg)、およびCpGでコレステロール(1μg)と共に筋肉内で免疫化した。1つ、2つまたは3種のサイトカイン(IL−2、IFN−γおよびTNF−α)を分泌する抗原特異的T細胞(CD4+およびCD8+)を、28日目にフローサイトメトリーを用いて測定した。
【0121】
結果および考察
CpG+コレステロールは、CpG単独と比較して多機能性CD8+細胞の集団を増強した。CpG単独およびCpG+コレステロールは、1種および2種のサイトカインを産生するCD4+細胞をもたらした(図1a)。CpG+コレステロールは3種のサイトカインを産生するCD4+細胞をもたらした(図1b)。CpG単独およびCpG+コレステロールは、1種、2種および3種のサイトカインを産生するCD8+細胞をもたらした(図1cおよび1d)。
【0122】
抗原特異的IL−2(図2a)およびIFN−γ(図2b)(Th1に偏ったサイトカイン)の分泌の増強が、CpG+コレステロールで示された。炎症誘発性またはTh2に偏ったサイトカインの増強は示されなかった。
【0123】
CpG単独およびCpG+コレステロールに対する、細胞毒性があるTリンパ球の応答を測定した。CpG+コレステロールは、CpG単独と比較して、卵白アルブミンに特異的な細胞毒性があるT細胞応答を増強させ(図3aおよび3b)、抗原特異的CD8T細胞集団が増加した(図3cおよび3d)。コレステロール単独は、アジュバントなしの対照と同様のレベルを示した。
【0124】
CpG単独およびCpG+コレステロールに対する液性応答を測定した。CpG+コレステロールは、CpG単独を超える、卵白アルブミンに特異的な抗体価の増強およびTh1への偏りを示した(図4)。それぞれのバーの上部の数字は、IgG2c/IgG1の比を表す。マウスでは、より高いIgG2aまたは2cはTh1に偏った免疫応答の指標となる一方で、より高いIgG1力価はTh2に偏った免疫応答の指標となる。CpGおよびCpG+コレステロールでは、IgG2cの量がIgG1よりも高く(それぞれ2.04および4.66)、これはTh1に偏った免疫応答を示している。
【0125】
それぞれの場合で、コレステロール単独は有意なアジュバント活性を示さなかった。
【0126】
抗原とCpG、および抗原とCpG+コレステロールの同時送達は、電気泳動におけるCpGの移動度の遅延を示した。UVによって定量した際、遊離CpGと比較して同じ量のCpGがCpG+コレステロールの上清中で観察された。これは、CpGとコレステロールとの強い関連が存在しないことを示唆している。
【0127】
皮下免疫化は筋肉内注射よりも有効性が低く、同時送達の証拠は示唆されなかった。しかし、同時送達は、最も強い応答が実証される抗原とCpGとの同時配合において何からの役割を果たすと考えられる。
【0128】
特定の理論に限定されずに、透過型電子顕微鏡観察(TEM)により、コレステロールは、細胞膜と相互作用してCpGの送達を可能にし得る不溶性のらせん状ミセルを形成したことが示唆されている(図5)。
【実施例2】
【0129】
仔ウシにおけるBVDV−2免疫誘発に対する五価(IBR、BRSV、PI3、BVDV1および2)の不活化ワクチンの免疫原性、安全性および有効性
アジュバントの存在下で五価の不活化ウイルスワクチンウシウイルス下痢(BVDV1および2)、感染性ウシ鼻気管炎(IBRV)、パラインフルエンザ3ウイルス(PI3V)ならびにウシ呼吸器合胞体ウイルス(BRSV)(それぞれのウイルス抗原は15%の2mlの用量)で免疫化した仔ウシにおける注射部位の反応を測定した。アジュバントCpG+コレステロール(1:1もしくは1:10のCpG:コレステロールの比)、Advasure−DEAE/デキストラン、QCDCR(サポニン担体複合体)またはQCDCR+CpGを投与した。一部の動物はノバルティスの市販のワクチンVira Shield(登録商標)で免疫化した。プラセボ動物には滅菌した生理食塩水を与えた。仔ウシ(7/gp、9〜12カ月齢)を、0日目および22日目に、不活化させた2mlのBVDV1および2、IBRV、PI3VならびにBRSVを用いて皮下でワクチン接種し、42日目に、4mlのBVDV−2(非細胞変性ウシウイルス性下痢ウイルス2型、株24515)を用いて鼻腔内で免疫誘発した。
【0130】
血液試料を0、22、42および56日目に採取し、IgG抗体価についてELISAを用いて分析した。BVDV ELISAを展開し、BVDVのp67H断片を抗原として使用してPAHで最適化した。手短に述べると、NUNC MaxisorpプレートをPH9.6の炭酸−炭酸水素塩緩衝液中の0.2ug/mlの組換えp67H断片BVDV抗原でコーティングし、終夜4℃でインキュベーションした。その後、コーティング抗原を廃棄し、プレートをダンプし、PBS−Tween中の1%の卵白アルブミン(300μl/ウェル)を用いて1時間37℃でブロッキングした。その後、ブロッキング緩衝液を除去し、希釈した血清試料を加え(7個の5倍段階希釈、1:50から開始)、プレートを1時間37℃でインキュベーションした。プレートをPBS−T(0.05%のTween20)で4回洗浄した後、100μlのヒツジ抗ウシIgG−h+l−HRPコンジュゲートをブロッキング緩衝液中で加え(1:4,000)、1時間、室温、暗所でインキュベートした。プレートを上述のPBS−Tで再度洗浄し、TMB基質を加えた(100μl/ウェル)。5〜10分間インキュベーションした後、2Nの硫酸(50μl/ウェル)を用いて反応を停止させ、光学密度(OD)を450nMで測定した。結果は幾何学的平均の力価として表した。
【0131】
結果および考察
BVDV−2の免疫誘発の症状は、発熱、免疫誘発後の3〜12日目から白血球減少症(平均の免疫誘発前の白血球計数から約40%の白血球計数の減少)、ならびに免疫調節、血小板減少症、呼吸窮迫、鬱病、生殖障害(流産)および下痢である。BVDVに対する保護免疫は、Th−1型の免疫応答である。細胞媒介性免疫はCD4+T細胞によって媒介される。CD8+T細胞はウイルスのクリアランスおよび記憶応答に重要である。IFN−αおよびIFN−γはBVDV感染に対して保護的である。一般に、ワクチンはBVDVに対するCMIおよび液性免疫を誘導するべきである。表1は、CpG+コレステロール(1:1(T03)もしくは1:10(T04)のCpG:コレステロールの比)、Advasure−DEAE/デキストラン(T05)、QCDCR(T06)、QCDCR+CpG(T07)、ノバルティスの市販のワクチンVira Shield(登録商標)(T02)または滅菌した生理食塩水(T01)の存在下において五価の不活化ウイルスワクチンBVDV1および2、IBRV、PI3VならびにBRSVでワクチン接種したあとにBVDV−2で免疫誘発した後の、臨床的疾患、発熱、白血球減少症またはウイルス血症を患っている仔ウシのパーセンテージを示す。
【0132】
群T02(Vira Shield(登録商標))、T03(1:1のCpG:コレステロール)、T04(1:10のCpG:コレステロール)、T05(Advasure−DEAE/デキストラン)、T06(QCDCR)およびT07(QCDCR+CpG)中で仔ウシに投与したワクチンは、生理食塩水対照と比較して発熱の抑制に優れていた。T03(1:1のCpG:コレステロール)、T04(1:10のCpG:コレステロール)、T05(Advasure−DEAE/デキストラン)、T06(QCDCR)およびT07(QCDCR+CpG)中で仔ウシに投与したワクチンは、Vira Shield(登録商標)(T02)および生理食塩水群(T01)と比較してウイルス血症の抑制が優れていた。T04およびT07はウイルス血症を完全に抑制し、Vira Shield(登録商標)(T02)の仔ウシは、対照よりも短い期間の間ウイルス血症であった。白血球減少症はどのワクチン接種群でも完全に予防されなかったが、対照およびVirashield(登録商標)(T02)群と比較して、T03(1:1のCpG:コレステロール)、T04(1:10のCpG:コレステロール)、T05(Advasure−DEAE/デキストラン)、T06(QCDCR)およびT07(QCDCR+CpG)の間で複数日にワクチン効果が注目された。群T03およびT04の仔ウシは、他の群と比較して経験した臨床的疾患が少なかった。全体的に、データは、E修飾されたPクラスCpGなどのCpGを含有するワクチン(T03、T04およびT07)が増強された有効性を実証し、これらのワクチンが市販のワクチンよりも効果的であることを示唆している。
【0133】
アジュバントを投与した後に発生した注射部位の反応を図6aに示す。Vira shield(登録商標)(ノバルティス)(T02)およびAdvasure−DEAE/デキストラン(T05)ワクチンは、試験した他のワクチンよりも反応性が高かった。QCDCR+CpG(T07)ならびにCpG+コレステロール(T03およびT04)を含有するワクチンが最も安全であった。CpG+コレステロールで免疫化した仔ウシでは、免疫誘発させたBVDV−2のすべての症状が非ワクチン接種の対照動物と比較して低下していた。
【0134】
投与した最初のワクチン用量は、低レベルの血清中和抗体力価を誘導した。試験したすべてのワクチンは、42日目までにBVDV1およびIBRV抗原に対して100%の抗体陽転を誘導した。Advasure−DEAE/デキストラン(T05)ワクチン以外の試験したすべてのワクチンは、42日目までにBVDV2に対して100%の抗体陽転を誘導した。Advasure−DEAE/デキストラン(T05)ワクチンは、42日目に83%の抗体陽転を誘導した。免疫誘発後、BVDV1およびBVDV2の抗体応答はすべての群において有意により高いレベルまでブーストされた(表2)。
【0135】
【表2】

【0136】
【表3】

【0137】
それぞれの一次ワクチン接種(T02〜T07)によりBVDVに特異的なIgG抗体応答が予備刺激され、これらはブースターワクチン接種およびBVDV2免疫誘発によって増大された。群間でIgG力価に有意な差異は存在しなかった。
【0138】
すべてのワクチン配合物は免疫原性であり、血清中和(BVDV1およびBVDV2)ならびにIgG BVDVに特異的な抗体を誘導し、これらは再度のワクチン接種および免疫誘発によってブーストされた。BVDV免疫誘発に対する保護は細胞媒介性免疫(CMI、BVDVに特異的なCD4+およびCD8+T細胞のIFNγの分泌および活性化)によるものであるが、抗体は遊離ウイルスを中和することができ、したがって、たとえば出生時に仔ウシに与える初乳中などの高レベルで存在する場合は、免疫誘発に対して保護することができる。CMI(Th−1型)応答はin vitroでIFNγサイトカインの分泌によって検出され、液性(Th−2型)応答はIL−4を検出することによって決定された。
【0139】
BVDV1およびBVDV2抗原は低レベルのIFNγ応答を誘導し、処置群間で有意な差異は存在しなかった(P>0.1)(データ示さず)。BSRV抗原は、群T01(生理食塩水)およびT03(1:1のCpG:コレステロール)以外のすべての群においてIFNγ応答を誘導した。IBR抗原は、ワクチン接種後の試験したすべての日でT05(Advasure−DEAE/デキストラン)およびT06(QCDCR)において最も強力なIFNγ応答を誘導し、T02(Vira Shield(登録商標))、T04(1:10のCpG:コレステロール)、およびT07(QCDCR+CpG)において弱いが陽性応答を誘導した。PI3抗原は、T02(Vira Shield(登録商標))、T05(Advasure−DEAE/デキストラン)、T06(QCDCR)およびT07(QCDCR+CpG)においてIFNγ応答を誘導した。
【実施例3】
【0140】
様々なアジュバントと共に配合したサブユニット(ペルタクチン)気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica)ワクチンの、ブタにおける免疫原性
CpG+コレステロールを含めた様々なアジュバントと共に配合したペルタクチン(p68)で免疫化したブタの、抗原特異的免疫応答を評価した。
【0141】
結果および考察
ブタは、0および21日目に、表3に示したワクチンを用いてワクチン接種した。
【0142】
【表4】

PMM:Pathogen mimicking microparticles 1-5μg
【0143】
PBMC単離用の血液試料および血清試料を−1日目、7日目、20日目、28日目および35日目に採取し、分析した。精製した無LPS組換えペルタクチンに対するELISAを用いて、血清試料を全IgG、IgG1およびIgG2抗体について試験した。アイソタイピング抗体はBethyl LabsまたはAbD Serotecから得た。
【0144】
ペルタクチンに特異的なIgGレベルは、試験した他のワクチンと比較して、群T02(CpG+QCDCR)、T03(CpG 23877+コレステロール、1:10)およびT04(CpG 23878+コレステロール、1:10)で増加していた。コレステロール/CpGの組み合わせは、抗原特異的な抗体反応の増強においてQCDCR/CpGの組み合わせと同等であり、またPMMやAlhydrogelよりも効果が高かった。
【0145】
当業者は、日常的な実験以上のことを用いずに、本明細書中に記載の本発明の具体的な実施形態の多くの均等物を理解するか、またはそれを確認することができるであろう。そのような均等物は以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図する。
【配列表フリーテキスト】
【0146】
配列番号1−CPG 7909 5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT 3’。
配列番号2−CpG 24555 5’TCGTCGTTTTTCGGTGCTTTT 3’。
配列番号3−CPG 10104 5’TCGTCGTTTCGTCGTTTTGTCGTT 3’。
配列番号4−CPG 10101 5’TCGTCGTTTTCGGCGGCCGCCG 3’。
配列番号5−CPG 10109 5’TCGTC−GTTTTAC−GGCGCC−GTCCCG 3’。
配列番号6−CpG 23407
5’TC−GT 3’。
配列番号7−CPG 21798
5’TC−GC−GC−GC−GC−GG 3’。
配列番号8−CPG 23430
5’TC−GG 3’。
配列番号9−CpG 24558
5’TT 3’。
配列番号10−CPG 23871
5’JUC−GG 3’。
配列番号11−CPG 23873
5’JUC−GT 3’。
配列番号12−CPG 23874
5’T 3’。
配列番号13−CPG 23875
5’EUC−GG 3’。
配列番号14−CpG 23877
5’JUC−GT 3’。
配列番号15−CpG 23878
5’JUT 3’。
配列番号16−ポリI:C ODN1a 5’−ICI CIC ICI CIC ICI CIC ICI CIC IC−3’。
配列番号17−5’GGGGACGACGTCGTGGGGGGG 3’。
配列番号18−5’GG_G_A_C_G_A_C_G_T_C_G_T_G_GG 3’。
配列番号19−5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT 3’。
配列番号20−5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTTTTCGA 3’。
配列番号21−5’TT 3’。
配列番号22−5’TT 3’。
配列番号23−5’TT 3’。
配列番号24−5’TT 3’。
配列番号25−5’TA 3’。
配列番号26−5’TCGCGTCGTTCGGCGCGCGCCG 3’。
配列番号27−5’TCGTCGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’。
配列番号28−5’TCGGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’。
配列番号29−5’TCGGACGTTCGGCGCGCCG 3’。
配列番号30−5’TCGCGTCGTTCGGCGCGCCG 3’。
配列番号31−5’TCGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’。
配列番号32−5’TCGACGTTCGGCGCGCCG 3’。
配列番号33−5’TCGCGTCGTTCGGCGCCG 3’。
配列番号34−5’TCGCGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’。
配列番号35−5’TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCG 3’。
配列番号36−5’TCGTCGACGATCGGCGCGCGCCG 3’。
配列番号37−5’TC_GC_GC_GC_GC_GG 3’。
配列番号38−5’TC_GC_GC_GC_GC_GG 3’。
配列番号39−5’TC_GC_GC_GC_GC_GG 3’。
配列番号40−5’TC_GC_GC_GC_GG 3’。
配列番号41−5’TC_GC_GC_GG 3’。
配列番号42−5’TC_GC_GC_GC_GG 3’。
配列番号43−5’TC_GC_GC_GC_GG 3’。
配列番号44−5’TC_GC_GC_GG 3’。
配列番号45−5’TC_GC_GC_GC_GG 3’。
配列番号46−5’TC_GC_GC_GC_GC_GG 3’。
配列番号47−5’TG 3’。
配列番号48−5’TG 3’。
配列番号49−5’TC_GC_GC_GG 3’。
配列番号50−5’TC_GT 3’。
)は安定化したヌクレオチド間結合の存在を表し、_はリン酸ジエステル結合を表す。Jはヨード修飾したヌクレオチドを表し、Eはエチル修飾したヌクレオチドを表す。
【図1−1】

【図1−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の抗原、1つまたは複数の単離した免疫賦活性オリゴヌクレオチド、およびコレステロールを含むワクチン。
【請求項2】
1つまたは複数の抗原が、それぞれ独立して、微生物抗原、自己抗原、腫瘍抗原、アレルゲン、または中毒性物質である、請求項1に記載のワクチン。
【請求項3】
1つまたは複数の抗原が、それぞれ独立して、ペプチド、担体タンパク質とコンジュゲートしたペプチド、ウイルス様粒子とコンジュゲートしたペプチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、精製タンパク質、死滅させた完全な病原体、抗原を発現する生きた弱毒化したウイルスもしくはウイルスベクター、抗原を発現する生きた弱毒化した細菌もしくは細菌ベクター、多糖、担体タンパク質とコンジュゲートした多糖、ハプテン、担体タンパク質とコンジュゲートしたハプテンまたは低分子である、請求項2に記載のワクチン。
【請求項4】
抗原が、細菌起源、ウイルス起源または寄生生物起源のものである、請求項3に記載のワクチン。
【請求項5】
a)細菌抗原が、死滅させた完全な細菌、生きた弱毒化した細菌もしくは細菌の精製タンパク質であるか、または
b)ウイルス抗原が、死滅させた完全なウイルス、生きた弱毒化したウイルスもしくはウイルス精製タンパク質である、
請求項4に記載のワクチン。
【請求項6】
担体タンパク質が、細菌トキソイドもしくは誘導体、シュードモナス(Pseudomonas)外毒素、KLHまたはウイルス様粒子である、請求項3に記載のワクチン。
【請求項7】
a)細菌トキソイドがジフテリアトキソイドもしくはその誘導体であるか、または
b)ウイルス様粒子が、HBsAg、HBcAg、大腸菌(E.coli)バクテリオファージQβ、ノーウォークウイルスもしくはインフルエンザHAである、
請求項6に記載のワクチン。
【請求項8】
a)中毒性物質がニコチンもしくはニコチン様分子であるか、または
b)腫瘍抗原が、サバイビン、Her−2、EFGRvIII、PSA、PAPもしくはPMSAのうちの1つもしくは複数である、
請求項2に記載のワクチン。
【請求項9】
担体タンパク質とコンジュゲートしたハプテンが、ジフテリアトキソイドまたはその誘導体とコンジュゲートしたニコチンまたはニコチン様分子である、請求項3に記載のワクチン。
【請求項10】
抗原の量と比較したコレステロールの量が、重量で0.1〜50倍多い、重量で1〜10倍多い、または抗原と重量で等価である、請求項1に記載のワクチン。
【請求項11】
1つまたは複数の抗原および1つまたは複数の免疫調節分子およびコレステロールを含むワクチン。
【請求項12】
薬学的担体をさらに含む、請求項11に記載のワクチン。
【請求項13】
1つまたは複数の抗原が、それぞれ独立して、微生物抗原、自己抗原、腫瘍抗原、アレルゲン、または中毒性物質である、請求項11に記載のワクチン。
【請求項14】
1つまたは複数の抗原が、それぞれ独立して、ペプチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、精製タンパク質、死滅させた完全な病原体、抗原を発現する生きた弱毒化したウイルスもしくはウイルスベクター、抗原を発現する生きた弱毒化した細菌もしくは細菌ベクター、多糖、担体タンパク質とコンジュゲートした多糖、ハプテン、担体タンパク質とコンジュゲートしたハプテン、または低分子である、請求項11に記載のワクチン。
【請求項15】
担体タンパク質が、細菌トキソイドもしくはその誘導体、シュードモナス(Pseudomonas)外毒素、KLHまたはウイルス様粒子である、請求項14に記載のワクチン。
【請求項16】
a)細菌トキソイドもしくは誘導体が、ジフテリアトキソイドもしくはその誘導体であるか、または
b)ウイルス様粒子が、HBsAg、HBcAg、大腸菌(E.coli)バクテリオファージQβ、ノーウォークウイルスもしくはインフルエンザHAである、
請求項15に記載のワクチン。
【請求項17】
抗原の量と比較したコレステロールの量が、重量で0.1〜50倍多い、重量で1〜10倍多い、または抗原と重量で等価である、請求項11に記載のワクチン。
【請求項18】
1つまたは複数の免疫調節分子が、それぞれ独立して、TLRアゴニスト、抗細菌ペプチド、サイトカイン、ケモカインまたはNODリガンドである、請求項11に記載のワクチン。
【請求項19】
TLRアゴニストが、それぞれ独立して、オリゴリボヌクレオチド(ORN)、TLR7および/もしくはTLR8を活性化する低分子、またはTLR9を介して活性化するオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である、請求項18に記載のワクチン。
【請求項20】
1つまたは複数の抗原および1つまたは複数の単離したCpGオリゴヌクレオチドおよびコレステロールを含むワクチンを、対象において抗原特異的免疫応答を誘導するために有効な量で投与することを含む、それを必要としている対象において抗原特異的免疫応答を誘導する方法。

【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−251963(P2011−251963A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−118735(P2011−118735)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(508147669)コーリー ファーマシューティカル グループ,インコーポレイテッド (24)
【Fターム(参考)】