説明

抗微生物剤、口腔用組成物とその応用

【課題】3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン、それを含む植物抽出物と殺菌抗菌剤を有効成分とする抗微生物剤及びこれを配合した口腔用組成物等の応用を提供する。
【解決手段】3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)、又は3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物と、殺菌抗菌剤とからなる抗微生物剤。
上記(A)成分、(A)及び(B)成分、又は上記抽出物と殺菌抗菌剤とを含有する口腔用組成物等の応用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン等のクロモジの活性成分又はそれを含む植物抽出物を有効成分とし、これに殺菌抗菌剤を併用してなる抗微生物剤及びこの併用系を配合した口腔用組成物等の応用に関する。
【背景技術】
【0002】
細菌などの微生物の増殖は、疾患の誘発、汚染の拡大等、生体、環境に好ましくない状況を引き起こし、従来から様々な分野で抗菌剤や殺菌剤がこれらを改善する目的で使用されている。近年、環境への負荷等の問題から天然物由来の物質が注目されているが、効力の点から合成殺菌剤に勝るものはほとんどないのが現状である。このようなことから、天然物由来で効果の高い抗微生物剤の開発が望まれている。
【0003】
クロモジ属が属するクスノキ科植物は、精油成分に富み、桂皮、月桂樹などは抗菌性を有する精油が含有されていることが知られている。クロモジ属に関しても芳香に富み精油成分を多く含むことから、その精油をクロモジ油として化粧品や石鹸に、枝を爪楊枝などに使用されている。また、口腔用組成物に配合する技術として、クロモジを含む植物の有機溶媒抽出物を含有する口腔用組成物(特許文献1)、クロモジから抽出した精油を含むことを特徴とする口腔湿潤剤(特許文献2)が提案されている。
【0004】
即ち、特許文献1では、クロモジエキスがストレプトコッカスミュータンスのグルコシルトランスフェラーゼを阻害することにより、歯垢の形成を抑制することが記載されており、特許文献2では、クロモジから抽出した精油により、義歯性カンジダ症が改善されたことが記載されている。このようにクロモジの抗菌、抗真菌作用は、従来から知られている。その他、クロモジの抗微生物作用を記載した技術として、抗ヘリコバクターピロリ剤(特許文献3)、抗インフルエンザウィルス剤(特許文献4)が挙げられる。
【0005】
また、抗微生物活性以外にも、ニキビ、肌荒れやフケ防止のための化粧料(特許文献5)、メラニン産生抑制のための皮膚外用剤(特許文献6)、紫外線吸収剤(特許文献7)、プロテアーゼ阻害剤(特許文献8)など、クロモジの多様な機能が開示されている。
【0006】
これらクロモジ成分の抽出法は、有機溶媒抽出後に減圧濃縮した技術(特許文献1、3〜8)、水蒸気蒸留などにより得られる精油成分を用いる技術(特許文献2)に一般的に分けることができる。
【0007】
しかしながら、有機溶媒抽出物は通常、茶褐色を呈し、製剤等に配合した場合、着色するだけでなく、経時的に変色を生じる問題があった。更に、クロマトグラフィー等により成分を分画し、着色変色に優れた画分を分取することも考えられるが、未だ詳細な分画方法は提案されていない。
【0008】
また、クロモジ中の成分として、フラボノイド、カルコン、アルカロイドの報告(非特許文献1〜3)があるが、それらの機能については十分に解明されていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭57−58610号公報
【特許文献2】特開2008−036343号公報
【特許文献3】特開平11−1429号公報
【特許文献4】特開2004−59463号公報
【特許文献5】特開昭62−238207号公報
【特許文献6】特開平7−277941号公報
【特許文献7】特開平7−285841号公報
【特許文献8】特開2001−122728号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Chem.Pharm.Bull 37(4)944−947(1989)
【非特許文献2】Phytochemistry 27(12)3937−3939(1988)
【非特許文献3】薬学雑誌 89(5)737−740(1969)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記事情に鑑み、クロモジ属植物に含有されている抗微生物活性を有する成分を特定し、それを有効成分とする抗微生物剤、及びそれを含有する口腔用組成物等の応用を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、クロモジ属クロモジ(LINDERA UMBELLATA)又はその亜種の樹皮より親水性溶媒で抽出した抽出物を分画、精製することにより得られる下記構造式(1)で示される3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン、下記構造式(2)で示される3,5−ジヒドロキシスチルベンが高い抗微生物活性を有し、これらの活性成分に殺菌抗菌剤を併用すると、抗微生物活性が増強し、格段に高い抗微生物活性が発現することを知見した。
【0013】
【化1】

【0014】
本出願人は、クロモジ属クロモジ又はその亜種の樹皮より親水性溶媒で抽出した抽出物を分画、精製することにより、高い抗微生物活性及び悪臭産生抑制活性が得られ、その活性本体が、上記式(1)で示される3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン及び上記式(2)で示される3,5−ジヒドロキシスチルベンであることを特定し、これら活性成分が、抗微生物剤及び悪臭産生抑制剤の有効成分として有効であること、更に両成分を併用するとその効果が向上することを、特願2010−285715号に提案した。また、この場合、クロモジエキスを溶媒による分配抽出や各種クロマトグラフィーを組み合わせるなどして更に分画、精製することにより、活性成分である3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン、3,5−ジヒドロキシスチルベンの含有量を高め、十分な効果を発現させると共に、製剤安定性に優れたクロモジ属植物の抽出物を得ることも可能であることを提案した。
【0015】
本発明者らは、上記クロモジエキスに関して更に研究を進め、クロモジエキス及びその活性成分は高い抗微生物活性、悪臭産生抑制活性があり、特定の製造法により水分活性の高い製剤中でも安定かつ当該効果の高いクロモジエキスを製造することもできるものの、各種組成物に配合時の組成物の外観安定性に関して未だ改善の余地があり、とりわけクロモジエキスについては組成物の着色に関して必ずしも満足できるものではないことがわかった。そこで、着色程度を抑える目的で配合濃度を下げる検討を行った中で、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)、又は3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物に、殺菌抗菌剤を併用すると、意外にも抗微生物活性が飛躍的に向上し、特に非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物から選ばれる1種以上を併用すると相乗的に高まり、例えばプレボテラ メラニノゲニカ、スタフィロコッカス アウレウス等の口腔内や皮膚上に存在する細菌などに対して高い殺菌抗菌効果を奏することを見出した。これにより、上記併用系を各種組成物に配合することによって、配合量が少なくても十分な効果を発現させることができ、組成物の外観などを損なわずして優れた抗微生物効果を発現させ得ることに成功した。なお、上述の相乗的効果は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)と殺菌抗菌剤との併用によっても発現される。
【0016】
また、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)に殺菌抗菌剤を併用すると抗微生物活性が増強し、高い殺菌抗菌効果、悪臭物質産生抑制効果(酵素阻害効果)を奏し、とりわけ殺菌抗菌作用を有する銅、銀又は亜鉛化合物を併用すると悪臭物質産生抑制効果が格段に増強することを見出した。
なお、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)は、これらを単離・精製して有効量を組成物に配合するよりもこれら活性成分に富むクロモジエキスとして配合するほうが経済的には有利であるものの、クロモジエキスとして配合すると着色の問題が生じることがあるが、本発明によればこれら問題も全て解消できる。しかも、(A)、(B)成分を高濃度で含有するクロモジエキス又はその亜種からの抽出物を用いることによって、抗微生物作用をより高めることもできる。
【0017】
更に、本発明の上記(A)成分、(A)及び(B)成分又は上記抽出物を有効成分とし、これに殺菌抗菌剤を組み合わせてなる併用系にメントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を添加することで、抗微生物効果をより増強することができる。
【0018】
本発明の上記併用系を口腔用組成物に配合することにより、この場合、特に殺菌抗菌剤として非イオン性殺菌抗菌剤又はカチオン性殺菌抗菌剤を用いることにより、口腔内の浮遊性細菌への殺菌抗菌効果及び口腔内でバイオフィルムを形成した微生物に対する優れた殺菌効果、バイオフィルム形成抑制効果と共に、口臭等の悪臭物質の産生抑制効果を奏する製剤を提供できる。
また、本発明にかかわるクロモジエキス又はその活性成分を練歯磨、液状歯磨、液体歯磨等の口腔用組成物に配合すると、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベンによる渋みが発現したり長期保存後に香料による製剤の香味が変化するなどの新たな問題が生じるが、上記併用系に糖アルコールを併用することでこのような香味変化を改善し良好な使用感を維持できる。
【0019】
更に、本発明の併用系では、抗微生物効果に加えて悪臭物質産生抑制効果(酵素阻害効果)も増強し、悪臭物質産生においてはメチルメルカプタン等の揮発性硫黄化合物、イソ吉草酸等の揮発性脂肪酸の産生を効果的に抑制することができ、中でも低級脂肪酸臭等の揮発性硫黄化合物以外の悪臭物質の産生を抑制する効果が高く、口臭の中でも加齢口臭、歯周病口臭に対して効果的である。従って、本発明の併用系を皮膚又は毛髪化粧料、洗浄剤組成物、飲食品等に配合することによって、殺菌抗菌効果と共に、腋の臭い、足、靴のムレ臭等の体臭、口臭などのにおいを効果的に抑制することができる。また、配合量を低減させることが可能となりクロモジエキスによる組成物の着色、殺菌抗菌剤による刺激等も低減できる。
【0020】
従って、本発明は下記の抗微生物剤、口腔用組成物とその応用を提供する。
〔請求項1〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)と殺菌抗菌剤とからなる抗微生物剤。
〔請求項2〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)と殺菌抗菌剤とからなる抗微生物剤。
〔請求項3〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物と殺菌抗菌剤とからなる抗微生物剤。
〔請求項4〕
殺菌抗菌剤が、非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、並びに殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物から選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の抗微生物剤。
〔請求項5〕
殺菌抗菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、チモール、カルバクロール、トリクロサン、シネオール、リモネン、ヒノキチオール、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベルベリン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、硫酸銅、銀ゼオライト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛から選ばれる請求項4記載の抗微生物剤。
〔請求項6〕
更に、メントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を含む請求項1〜5のいずれか1項記載の抗微生物剤。
〔請求項7〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
〔請求項8〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
〔請求項9〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
〔請求項10〕
殺菌抗菌剤が、非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、並びに殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物から選ばれる1種以上である請求項7〜9のいずれか1項記載の口腔用組成物。
〔請求項11〕
殺菌抗菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、チモール、カルバクロール、トリクロサン、シネオール、リモネン、ヒノキチオール、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベルベリン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、硫酸銅、銀ゼオライト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛から選ばれる請求項10記載の口腔用組成物。
〔請求項12〕
更に、メントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を含む請求項7〜11のいずれか1項記載の口腔用組成物。
〔請求項13〕
更に、糖アルコールを含有する請求項7〜12のいずれか1項記載の口腔用組成物。
〔請求項14〕
糖アルコールが、キシリトール、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニットから選ばれる1種以上である請求項13記載の口腔用組成物。
〔請求項15〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする皮膚又は毛髪用化粧料。
〔請求項16〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする皮膚又は毛髪用化粧料。
〔請求項17〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする皮膚又は毛髪用化粧料。
〔請求項18〕
殺菌抗菌剤が、非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、並びに殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物から選ばれる1種以上である請求項15〜17のいずれか1項記載の皮膚又は毛髪用化粧料。
〔請求項19〕
殺菌抗菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、チモール、カルバクロール、トリクロサン、シネオール、リモネン、ヒノキチオール、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベルベリン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、硫酸銅、銀ゼオライト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛から選ばれる請求項18記載の皮膚又は毛髪用化粧料。
〔請求項20〕
更に、メントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を含む請求項15〜19のいずれか1項記載の皮膚又は毛髪用化粧料。
〔請求項21〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする洗浄用組成物。
〔請求項22〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする洗浄用組成物。
〔請求項23〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする洗浄用組成物。
〔請求項24〕
殺菌抗菌剤が、非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、並びに殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物から選ばれる1種以上である請求項21〜23のいずれか1項記載の洗浄用組成物。
〔請求項25〕
殺菌抗菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、チモール、カルバクロール、トリクロサン、シネオール、リモネン、ヒノキチオール、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベルベリン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、硫酸銅、銀ゼオライト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛から選ばれる請求項24記載の洗浄用組成物。
〔請求項26〕
更に、メントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を含む請求項21〜25のいずれか1項記載の洗浄用組成物。
〔請求項27〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする飲食品。
〔請求項28〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする飲食品。
〔請求項29〕
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする飲食品。
〔請求項30〕
殺菌抗菌剤が、非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、並びに殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物から選ばれる1種以上である請求項27〜29のいずれか1項記載の飲食品。
〔請求項31〕
殺菌抗菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、チモール、カルバクロール、トリクロサン、シネオール、リモネン、ヒノキチオール、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベルベリン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、硫酸銅、銀ゼオライト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛から選ばれる請求項30記載の飲食品。
〔請求項32〕
更に、メントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を含む請求項27〜31のいずれか1項記載の飲食品。
〔請求項33〕
更に、糖アルコールを含有する請求項27〜32のいずれか1項記載の飲食品。
〔請求項34〕
糖アルコールが、キシリトール、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニットから選ばれる1種以上である請求項33記載の飲食品。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)等のクロモジの活性成分又はそれを含む抽出物と殺菌抗菌剤とからなる抗微生物剤を提供できる。更に、本発明の前記併用系を口腔用組成物等の各種組成物に配合することで、優れた抗微生物効果を奏し、高い殺菌抗菌効果、悪臭産生抑制効果等に優れた製剤を提供できる。
本発明によれば、微生物による種々の感染症予防並びに微生物由来の悪臭産生を抑制する効果が期待できる。即ち、口腔内領域においては、う蝕、歯周病の予防・治療手段として、皮膚領域においては化膿性疾患等の予防・治療手段として、更に口腔、皮膚分野以外においても細菌感染症の有効な予防・治療手段を提供するだけでなく、様々な製品に配合することにより除菌効果や防腐効果も期待できる。また、微生物が原因となる口臭、腋臭、足臭等、体臭の抑制や洗濯物、衣類のムレ臭の抑制、生ゴミの腐敗臭抑制など、悪臭産生に対しても有効な手段を提供することが可能である。なお、本発明の抗微生物剤は天然に存在するクロモジ属植物由来であり、人体、動物、環境に負荷をかけないため、様々な食品、飲料、医薬品、医薬部外品、化粧品、雑貨に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】クロモジエキスの分画・精製方法のフローチャートである。
【図2】クロモジからクロモジエキスを抽出するフローチャートである。
【図3】クロモジからクロモジエキスを超臨界抽出するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明につき更に詳細に説明する。
本発明の抗微生物剤は、下記構造式(1)で示される3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)、前記(A)成分及び下記構造式(2)で示される3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)、又は前記(A)成分及び/(B)成分を含有するクロモジ属植物の抽出物と殺菌抗菌剤とを併用してなる。これら式(1)、(2)の化合物は、クロモジ属植物、特にクロモジ(LINDERA UMBELLATA)又はその亜種からの溶媒抽出により得ることができる活性成分である。これら活性成分としては、活性成分をそのまま用いてもよいが、活性成分を高濃度で含むクロモジ属植物の抽出物を用いることもできる。活性成分を高濃度で含むクロモジ属植物の抽出物としては、特に活性成分である式(1)の3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン、又は式(1)の3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン及び式(2)の3,5−ジヒドロキシスチルベンの含有量がそれぞれ固形分の1質量%以上、特に3質量%以上であるクロモジ又はその亜種からの抽出物が好ましい。
【0024】
【化2】

【0025】
上記式(1)の3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン、上記式(2)の3,5−ジヒドロキシスチルベンは、特願2010−285715号に記載の方法により採取することができる。
具体的には、クロモジ属植物を40〜100質量%、好ましくは60〜90質量%エタノール水溶液で抽出し、その抽出液を50℃以下で減圧濃縮し、アルコール濃度を10〜30%(V/V)に調整した溶液を、多孔質構造を有する球状の架橋高分子、例えばスチレンジビニルベンゼン系合成樹脂、具体的には三菱化学(株)製のダイアイオンHP−20等に吸着し、40質量%未満、好ましくは30質量%未満のエタノール水溶液で溶出した画分を除去し、次いで40〜70質量%、好ましくは50〜70質量%エタノール水溶液での溶出処理、及び/又は、70超〜100質量%、好ましくは70超〜90質量%エタノール水溶液での溶出処理を行って、40〜70質量%、好ましくは50〜70質量%エタノール水溶液による溶出物から3,5−ジヒドロキシスチルベンを採取し、及び/又は、70超〜100質量%、好ましくは70超〜90質量%エタノール水溶液による溶出物から3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベンを採取することにより、クロモジ属植物の有効成分を採取することができる。
この場合、40〜70質量%、好ましくは50〜70質量%エタノール水溶液による溶出物を50℃以下で減圧濃縮し、その濃縮エキスを全多孔性球状又は破砕状シリカゲルにオクタデシル基を化学結合した担体、例えばナカライテスク(株)製 コスモシール 75C18−OPN等に吸着し、50〜80質量%メタノール水溶液で溶離して3画分に展開し、その中央の画分を採取して、3,5−ジヒドロキシスチルベンを得ることが好ましい。
またこの場合、70超〜100質量%、好ましくは70超〜90質量%エタノール水溶液による溶出物をシリカゲルクロマトグラフィーで展開し、n−ヘキサンとアセトンとの混合比(V/V)18:1による溶出画分から最終8:1容量比とする溶出画分の間の溶出画分を採取して、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベンを得ることが好ましい。
【0026】
また、クロモジ属植物を40〜100質量%、好ましくは60〜90質量%エタノール水溶液で抽出し、その抽出液を更に20〜40質量%エタノール水溶液で抽出し、その不溶部分を採取し、次いで40超〜100質量%、好ましくは40超〜60質量%エタノール水溶液で抽出してその可溶部分を採取することにより、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベンと3,5−ジヒドロキシスチルベンとの混合物を製造することができる。
この場合、上記可溶部分を50℃以下で減圧濃縮し、アルコール濃度を10〜30%(V/V)に調整した溶液を、多孔質構造を有する球状の架橋高分子で吸着処理し、次いで70質量%以上、好ましくは90質量%以上のエタノール水溶液又はエタノールにて溶離処理を行い、その溶離液を採取することが好ましい。なお、多孔質構造を有する球状の架橋高分子としては、上記と同様のものを使用できる。
【0027】
ここで、クロモジ属植物は、植物全体を原料とすることができるが、その一部(枝、幹、根、芽、葉、花、果実等)を用いることもできる。特に枝、幹、根を用いることが目的化合物の収率の観点から好ましい。また、起原植物もクロモジ属に属する植物であればよい。具体的には、オキナワコウバシ(Lindera communis var.okinawensis)、カナクギノキ(Lindera erythrocarpa)、ヤマコウバシ(Lindera glauca)、ダンコウバイ(Lindera obtusiloba)、ウラゲダンコウバイ(Lindera obtusiloba f.villosa)、ケクロモジ(Lindera sericea)、ウスゲクロモジ(Lindera sericea var.glabrata)、テンダイウヤク(Lindera strychnifolia)、クロモジ(Lindera umbellata)、キミノオオバクロモジ(Lindera umbellata var.aurantiaca)、ヒメクロモジ(Lindera umbellata var.lancea)、オオバクロモジ(Lindera umbellata var.membranacea)、アオモジ(Lindera citriodora)、アブラチャン(Lindera praecox)、ホソバアブラチャン(Parabenzoin praecox f.angustifolium)、ケアブラチャン(Lindera praecox var.pubescens)、シロモジ(Lindera triloba)、マルバシロモジ(Parabenzoin trilobum f.integrum)、ケシロモジ(Parabenzoin trilobum f.pilosum)などを好適に使用することが可能であるが、特にクロモジ種である、クロモジ(Lindera umbellata)及びその亜種であるキミノオオバクロモジ(Lindera umbellata var.aurantiaca)、ヒメクロモジ(Lindera umbellata var.lancea)、オオバクロモジ(Lindera umbellata var.membranacea)がより好適に使用できる。
これら原料となるクロモジ属植物は、乾燥状態が好ましいが、湿潤状態であっても用いることができる。
【0028】
クロモジ属植物からの抽出は、低級アルコールや、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素、酢酸エチル、アセトン、石油エーテル、酸性溶液、アルカリ性溶液などの1種を単独で又は2種以上を混合したものを用いて行うことができる。これらの中でも有機溶媒により効率よく抽出することができ、特に親水性有機溶媒が抽出効率の観点から優れている。とりわけ炭素数1〜4の低級アルコール、即ちメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、又はこれらの混液がより好ましく使用できる。更に、これら水溶性有機溶媒は、含水有機溶媒であることが更に好ましく、特に30〜95質量%濃度の含水アルコールで抽出すると目的成分をより効率良く抽出できることから、最も好ましい。
これら抽出溶媒は、抽出原料に対して質量比で1〜50倍程度が好ましく、通常2〜20倍用いることが特に好ましい。
【0029】
抽出液は、濾過、遠心分離等により固形物を取り除き、濃縮後、粗抽出画分を得ることができる。この粗抽出画分にも活性物質である3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン及び3,5−ジヒドロキシスチルベンが含有されているため、かかる粗抽出画分をそのまま組成物に添加しても良いが、組成物の安定性確保の観点から更に分画、精製したものを用いることが好ましい。
【0030】
この場合、分画、精製は、溶媒による分配抽出や各種クロマトグラフィーを組み合わせて行うことができる。目的物質の分子量や物理化学的性質を考慮して、担体、溶出溶媒の条件は各種クロマトグラフィーに対応した方法を適宜選択することができる。
【0031】
また、第二の方法として、超臨界状態にある二酸化炭素と接触させることによる超臨界抽出方法も好適に採用することができる。この場合、クロモジ属植物の粉砕物を、超臨界状態にある二酸化炭素と2〜10質量%エタノール水溶液との混合物を用いて抽出し、その可溶部を採取して、クロモジ属植物の有効成分を採取することもできる。
また更に、クロモジ属植物を40〜100質量%、好ましくは60〜90質量%エタノール水溶液で抽出し、その抽出液を超臨界状態にある二酸化炭素と2〜10質量%エタノール水溶液との混合物を用いて抽出し、その抽出液を採取して、クロモジ属植物の有効成分を採取することもできる。
このような超臨界抽出の工程を行うことによって、通常は3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベンと3,5−ジヒドロキシスチルベンとの混合物が得られるが、抽出条件を適宜調整することで、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン又は3,5−ジヒドロキシスチルベンを単独で得ることもできる。また、必要により、得られた混合物から3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン又は3,5−ジヒドロキシスチルベンを単離することもできる。
【0032】
このような工程を行うことによって、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン、3,5−ジヒドロキシスチルベンが、それぞれ抽出物固形分の1質量%以上、特に3質量%以上、とりわけ5質量%以上20質量%以下含有するものを調製することができ、これを、式(1)、式(2)の活性成分を高濃度で含むクロモジ又はその亜種からの抽出物として用いることができる。
【0033】
また、殺菌抗菌剤としては、殺菌抗菌作用を有する化合物であれば特に制限されないが、例えば非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、殺菌抗菌作用を有する銅化合物、銀化合物、亜鉛化合物等の金属化合物などが好適であり、これらから選ばれる1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
【0034】
非イオン性殺菌抗菌剤としては、イソプロピルメチルフェノール(3−メチル−4−イソプロピルメチルフェノール)、チモール、カルバクロール、トリクロサン、オイゲノール等のフェノール性化合物や、シネオール、リモネン、ヒノキチオールなどが挙げられる。なお、前記フェノール性化合物とは、フェノール性水酸基を有する化合物である。
カチオン性殺菌抗菌剤としては、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベルベリン等が挙げられ、両性殺菌抗菌剤としては塩酸アルキルジアミノエチルグリシンが挙げられる。また、ラウロイルサルコシン酸ナトリウムも殺菌抗菌剤として本発明の効果を発現させる目的で好適に使用することができる。
【0035】
殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物としては、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、硫酸銅、銀ゼオライト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛等が挙げられる。なお、これら殺菌抗菌作用を有する金属化合物を用いると、特に酵素阻害活性を高め悪臭物質産生抑制効果をより増強することができる。
【0036】
これら殺菌抗菌剤の中では、特に非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤が、抗微生物活性が高い点から好適であり、フェノール性化合物がより好適である。とりわけイソプロピルメチルフェノールは、バイオフィルムに対する抗微生物活性増強効果に優れ、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)の抗微生物活性増強効果が高く、しかも口腔バイオフィルム殺菌効果等の優れた殺菌効果を発揮させ得ることから好適に使用できる。
【0037】
殺菌抗菌剤の配合割合は、式(1)、(2)の化合物の総量(純分換算)と殺菌抗菌剤と比率が質量比で100:1〜1:1,000、特に10:1〜1:200であることが好ましく、殺菌抗菌剤量が少なく上記比率が大きくなりすぎると、相乗効果が十分に発現せず、殺菌抗菌剤量が多く上記比率が小さすぎると、殺菌抗菌剤により使用感が低下する場合がある。
【0038】
本発明の上記併用系からなる抗微生物剤には、更にメントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を添加することができる。このような殺菌抗菌作用を有する香料を配合することで、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)由来の抗微生物活性をより高めることができる。なお、これら化合物を添加する場合は、上記式(1)、(2)の化合物の総量(純分換算)と殺菌抗菌剤及び上記化合物の合計量とが、質量比で50:1〜1:2,000、特に10:1〜1:500となる範囲であることが好ましい。
【0039】
本発明の併用系は、口腔用組成物、皮膚又は毛髪用化粧料、洗浄用組成物、飲食品などに配合することができる。
【0040】
本発明にかかわる併用系を前記組成物に配合する場合、その配合量は3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン量、更には3,5−ジヒドロキシスチルベン量に換算(純分換算)して決定することができる。
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン量は、組成物全体に対して、純分換算量で0.00001〜3質量%、特に0.0005〜1質量%を配合することが、効果発現及び組成物の外観等の観点から好ましい。配合量が0.00001質量%未満であると、十分な抗微生物活性が発現しない場合があり、3質量%を超えると組成物の使用感、使用性に問題が生じる場合がある。
【0041】
また、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン及び3,5−ジヒドロキシスチルベンを配合する場合は、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン及び3,5−ジヒドロキシスチルベンに換算してこれらの総和が組成物全体の0.0001〜3質量%、特に0.0005〜1質量%、とりわけ0.001〜0.8質量%であることが、効果発現及び組成物の使用感等の観点から好ましい。配合量が0.0001質量%未満では十分な抗微生物効果や悪臭物質産生抑制効果が発現しない場合があり、3質量%を超えると組成物の使用感、使用性に問題が生じる場合がある。
なお、3,5−ジヒドロキシスチルベン量は、組成物全体の0.0001〜2質量%、特に0.001〜1質量%であることが好適である。
【0042】
更に、上記式(1)及び/又は式(2)の活性成分として、分画精製を施したクロモジエキスを用いる場合、高濃度で組成物に配合する場合は、エキス中の不純物により組成物の着色、変色等の問題が生じることがある。この場合、クロモジエキスの配合量は、組成物全体の10質量%未満が着色を防止するという観点から好ましく、下限は0.001質量%以上、とりわけ0.01質量%以上が好ましい。
【0043】
また、本発明においては、上記式(1)の3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベンに糖アルコールを併用すると、式(1)の3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン由来の渋みや長期保存後の製剤の香味の変化を抑制でき、製剤の使用感を改善することができる。特に、本発明の併用系を口腔用組成物、特に練歯磨、液体歯磨、液状歯磨等の歯磨剤組成物に配合した場合は、香料などを含むため香味変化が生じ易いが、糖アルコールを併用することによって香味を安定化でき、製剤の使用感を良好に維持できる。
更に、糖アルコールは口臭の原因物質である揮発性悪臭物質を抑制する効果があり、糖アルコールを併用することで、特に揮発性硫黄化合物以外の悪臭物質産生抑制効果を高めることができることからより好適に使用できる。
【0044】
ここで、糖アルコールとしては、キシリトール、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を配合できる。なお、糖アルコールを配合する場合、その配合量は、組成全体の1〜40質量%が好ましく、とりわけ5〜20質量%が上記使用感の改善及び口臭抑制効果を発現させる観点から望ましい。
【0045】
本発明の併用系は、各種製剤に配合して利用することができ、例えば口腔用組成物等の人体や動物に適用される製品、皮膚又は毛髪化粧料、皮膚外用剤や、衣料用組成物、台所用組成物、住居用組成物などの洗浄用組成物などに利用することができる。更には、飲食品にも利用することができる。具体的に口腔用組成物としては、歯磨剤、洗口剤、歯肉マッサージクリームなど、皮膚外用剤あるいは皮膚化粧料としては、クリーム、ハンドクリーム、乳液、化粧水、ローション、石鹸、ハンドソープ、ボディーソープ、制汗剤、水虫薬、ニキビ治療剤、消毒剤、美白剤、貼付剤、パック剤、目薬など、毛髪化粧料としては、シャンプー、リンス、トリートメント、トニック、育毛剤、ヘアジェル、ヘアワックス、ヘアクリーム、ヘアフォーム、ヘアスプレー、ヘアウォーターなどに配合することができる。
【0046】
本発明の口腔用組成物は、固体、固形物、液体、液状、ゲル体、ペースト状、ガム状などの形態にすることができ、練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、潤製歯磨等の歯磨剤、洗口剤、歯肉マッサージクリーム、口腔用パスタ、マウスウォッシュ、トローチ剤、チューイングガム等の様々な剤型にすることが可能である。その製造方法も剤型に応じた常法を採用することができる。
【0047】
口腔用組成物には、上述した成分以外に、更にその目的、組成物の剤型等に応じてその他の公知成分を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。例えば練歯磨の場合は、研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、更に必要により甘味剤、防腐剤、有効成分、色素、香料等を配合でき、これら成分と水とを混合し製造できる。
【0048】
具体的に歯磨剤の場合には、研磨剤として、第2リン酸水素カルシウム・無水和物及び2水和物、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、無水ケイ酸、その他合成樹脂等の1種又は2種以上を配合できる(配合量は通常5〜60質量%、練歯磨の場合には10〜55質量%)。
【0049】
また、練歯磨等のペースト状組成物の場合には、粘結剤としてアルギン酸誘導体、ガム類、ポリビニルアルコール等の合成粘結剤、シリカゲル等の無機粘結剤などの1種又は2種以上を配合することができる(配合量は通常0.3〜10質量%)。
【0050】
粘稠剤としては、上記糖アルコール以外のグリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールなどを配合することができる(配合量は糖アルコールを含めて通常1〜70質量%)。
【0051】
界面活性剤としては、通常配合される公知のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤を配合でき、その配合量は、組成物の形態、使用目的等に応じて適宜選択され、練歯磨には0〜10質量%、特に0.1〜5質量%、液体歯磨及び洗口剤には0〜5質量%とすることができる。
【0052】
甘味剤としては、サッカリンナトリウム等を配合することができる。
香料としては、上記殺菌抗菌作用を有する香料以外に通常口腔用組成物に配合される香料を添加でき、実施例の香料に限定されない。また、配合量も特に限定されず、通常量とすることができる。
有効成分としては、本発明の併用系に加えて、例えば酵素、フッ化物、ビタミン類及びそれらの誘導体などの公知の有効成分の1種又は2種以上を配合してもよい。その配合量は本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
【0053】
また、本発明の皮膚又は毛髪化粧料は、水溶液系、可溶化系、乳化系、油液系、ゲル系、ペースト系、軟膏系、エアゾール系、水−油2層系、水−油−粉末3層系等の剤型にすることができる。即ち、化粧料などの皮膚又は毛髪外用剤であれば、ボディーソープ、洗顔料、化粧水、シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、ヘアトニック、乳液、クリーム、ジェル、パック、マスク、ミスト、スプレー、含浸シート、マスカラ、ファンデーション、貼付剤、分散剤、エアゾールスプレー、スティックタイプ等の様々な剤型にすることが可能であり、その製造方法も剤型に応じた常法を採用することができる。
【0054】
この場合、皮膚又は毛髪化粧料は、その目的、組成物の剤型等に応じて上述した成分以外にも適宜、その他の公知の任意成分を配合できる。例えば、消臭又は防臭効果を高めるため消臭機能を有する無機粒子、制汗剤、キレート剤などを適宜配合することができる。
【0055】
ここで、消臭機能を有する無機粒子としては、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等やこれらの複合物;タルク等の天然物などが挙げられる(配合量は通常0.01〜60質量%)。
前記無機粒子の形状は、球状、板状、粒状、針状等、特に限定するものではないが、肌に塗布したときの使用感から、球状のものが好ましい。また、粒子の粒径は使用感の点より0.1〜50μmが好ましく、より好ましくは0.3〜20μmである。
【0056】
制汗成分としては、例えば、塩化アルミニウム等の収斂作用を有する単体塩類、又はこれらの単体塩類を含有するグリコール複合体やアミノ酸複合体などが挙げられる(配合量は通常1.0〜50.0質量%)。
キレート剤としては、クエン酸、酒石酸又はこれらのナトリウム塩、カリウム塩などの1種又は2種以上を用いることができる(配合量は通常0.01〜5質量%)。
【0057】
皮膚又は毛髪化粧料には、更に、液体油脂、固体油脂等の油脂類、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン類、各種の界面活性剤、水、高分子化合物、増粘剤、ビタミン剤、ホルモン剤等の薬効成分、香料、色素、乳化安定剤、pH調整剤、収斂剤、清涼剤などを配合し、目的に応じた組成物を製造することができる。なお、これらの任意成分は、限定されるものではなく、配合量も本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0058】
界面活性剤としては、通常これら製剤に用いられる公知のノニオン性界面活性剤などを配合でき、その配合量は通常0〜20質量%である。
【0059】
更に、これら組成物はエアゾール組成物として製造することもでき、この場合、前記組成物と、噴射剤とを含み、エアゾール容器に充填することができ、例えば制汗デオドラント剤含有エアゾール組成物などとすることができる。
噴射剤としては、例えば、エタン、プロパン、エチレン、イソブタン、ノルマルブタン、プロピレン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン、2,3−ジメチルブタン、ジメチルエーテル、圧縮ガス(二酸化炭素、窒素、空気又はこれらの混合ガス等)が挙げられる(配合量は通常80〜99質量%)。
【0060】
また、前記エアゾール容器としては、例えば、容器本体、該容器本体の開口部に固着するバルブ、及び噴射用ボタンからなるものが挙げられる。容器本体の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレススチールなどの金属、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂、及び耐圧ガラスなどが挙げられる。
なお、前記制汗デオドラント剤含有エアゾール組成物は、公知の方法で前記エアゾール容器に充填され、充填方法としては、例えば、冷却充填法、加圧充填法、アンダーカップ充填法などが挙げられる。
【0061】
また、本発明の併用系は、衣料用組成物、台所用組成物、住居用組成物などの洗浄用組成物にも利用することができる。例えば、衣料用の洗浄用組成物としては、衣類用洗剤、衣類用洗剤前処理剤、運動靴用洗剤、柔軟剤、漂白剤、リンス剤、撥水剤、耐電防止剤などに配合することができる。台所用の洗浄用組成物としては、食器用洗剤、野菜用洗剤、レンジ用洗剤、自動食器洗浄機用洗剤等に配合することができる。住居用の洗浄用組成物としては、トイレ用洗剤、浴室浴槽用洗剤、窓用洗剤、家具・床・畳用洗剤、室内芳香消臭剤、エアコン用洗浄消臭剤などに配合することができる。
この場合、洗浄用組成物には、更に、通常添加される公知の添加剤等を配合できる。具体的には、界面活性剤、溶剤、更に必要により香料、pH調整剤や、その他公知の水溶性高分子、安定化剤、天然抽出物、色素などを任意に配合することができる。
【0062】
洗浄あるいは起泡等の目的により、界面活性剤を適宜配合することができ、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤など通常使用されるものを用いることができる(配合量は通常5〜70質量%)。
【0063】
また、成分の溶解等の目的により溶剤を適宜配合でき、具体例としては、水の他、メタノール、エタノール等の低級一価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールなどが挙げられる。溶剤の含有量は5〜60質量%、特に10〜30質量%が好ましい。
【0064】
更に、賦香等の目的により、香料を適宜配合することができる。香料成分としては、特に限定するものではなく、上記殺菌抗菌作用を有する香料以外に公知の香料を配合できる。具体例としては、脂肪族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール等のエーテル類、オキサイド類、アルデヒド類、ケトン類、酸類、ラクトン類、エステル類、含窒素化合物等々の合成香料及び植物からの天然香料を挙げることができる。香料成分は、単独又は2種以上を用いてもよく、通常複数が用いられる。
【0065】
pH調整等の目的により適宜添加することができるpH調整剤としては、特に限定されず、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸及びその塩、安息香酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、塩酸、硫酸及びその塩、リン酸及びその塩などが挙げられる。
【0066】
本発明の併用系は、各種の食品組成物、例えば特定保健用食品、栄養機能食品などを含む、あらゆる機能性食品に利用することができる。飲食品としては、例えば、飴、キャンディ、ガム、グミゼリー、錠菓等が挙げられる。これら飲食品には、更に、通常添加される公知成分を本発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。具体的には、糖類、有機酸、タンパク質類、油脂類、更に必要により、香料、アミノ酸類、ビタミン類などを任意に配合することができる。
【実施例】
【0067】
以下、調製例、実験例、実施例及び比較例、処方例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において示される%はいずれも質量%である。
【0068】
〔調製例〕
〈抗微生物画分の調製〉
クロモジエキス中に存在する活性成分を特定する目的で、クロモジの乾燥枝より下記に示す方法により成分を分画し、図1のフローチャートに従って実施し、得られた化合物を同定した。
クロモジの乾燥枝、500gを50℃に加熱した70%エタノール2.5Lで抽出を行い、冷後、濾過により固形物を取り除き、濾液を50℃以下の条件で減圧濃縮し、クロモジエキス約26gを得た(比較調製例1)。このものをダイアイオンHP−20に吸着させ、30%エタノール100mLで溶出、次いで60%エタノール100mLで溶出、最後に80%エタノール100mLで溶出した。各々の溶出画分は減圧濃縮によりエキスとしてそれぞれ、10g(比較調製例2)、6g(調製例1)、8g(調製例2)を得た。後述に記載の方法により抗微生物活性及び酵素阻害活性を測定したところ、抗微生物活性は調製例2の画分に、酵素阻害活性は調製例1の画分に存在することが認められたため、これら2画分を更に精製し、その成分を特定した。
【0069】
即ち、調製例1のエキス2gを液体カラムクロマトグラフィー(Cosmosil 75C18−OPN(ナカライテスク(株)))にアプライし、50%メタノールにより3画分に分画した(比較調製例3、調製例3、比較調製例4)。これらの中で最も酵素阻害活性が高い画分(調製例3)のメインピークをHPLCにより分取、純度100%の精製品を600mg得た(調製例6)。
【0070】
一方、調製例2の画分はシリカゲルクロマトグラフィーにアプライし、n−ヘキサン:アセトン混液の容量比20:1、15:1、10:1、7:1、5:1で順次溶出し、5つの画分に分画した(比較調製例5、調製例4、調製例5、比較調製例6、比較調製例7)。最も活性の高いn−ヘキサン:アセトンが10:1で溶出した画分と15:1で溶出した画分を合わせ、Cosmosil 75C18−OPNを用いて、50%アセトニトリルにより、メインピーク画分を分取し、純度98%の精製品を650mg得た(調製例7)。
【0071】
調製例6、7で示される、クロモジエキス中の活性成分について、1H−NMR(500MHz、重メタノール)、13C−NMR(125MHz、重メタノール)、ESIMS(neg)、EIMS(pos、TMS誘導体)、UV、IRの各スペクトルを測定した結果、調製例6はピノシルビン(3,5−ジヒドロキシスチルベン)、調製例7は3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベンであると同定された。
【0072】
【化3】

【0073】
〈クロモジエキスの調製〉
クロモジの乾燥枝を用いて、図2に示すフローチャートに従って、下記に示す抽出方法で成分を抽出、分画した。
【0074】
中国産クロモジの乾燥枝5kgを、50℃に加熱した80%エタノール25Lで2時間、加熱抽出を2回行い、冷後、濾過により固形物を取り除き、濾液を50℃以下の条件で減圧濃縮し、クロモジエキス約300g(水分含量25%:比較調製例8)を得た。
得られたクロモジエキス300gに30%エタノール1,000mLを加え、50℃に加温しながら1時間撹拌後、一昼夜静置することにより30%エタノール可溶部(比較調製例9)を捨て、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベンを8.0%、3,5−ジヒドロキシスチルベンを7.3%含有する餅状エキス300gを得た(調製例8)。
ここで得られた餅状エキス300gに50%エタノール1,500mLを加え、1時間撹拌抽出を2回繰り返し、不溶部(比較調製例10)を捨て、可溶部を予め50%エタノールでエージングしたダイアイオンHP−20に3回循環させることにより吸着させ、99.5%エタノール1,500mLで溶離させた。更に吸着剤を99.5%エタノール1,000mLで洗浄し、前述の溶離部と合わせて50℃以下で減圧濃縮を行い、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベンを9.56%、3,5−ジヒドロキシスチルベンを15.19%含有する軟エキス180gを得た(調製例9)。更に、この軟エキスを酸性白土、珪藻土により処理することにより、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベンを14.1%、3,5−ジヒドロキシスチルベンを16.6%含有する軟エキス150gを得た(調製例10)。
【0075】
〈超臨界抽出によるクロモジエキスの調製−1〉
クロモジの乾燥枝を用いて、図3に示すフローチャートに従って、下記に示す超臨界抽出方法で成分を抽出、分画した。
【0076】
中国産クロモジ枝の燥物(チップ状)1kgを抽出器に入れ、100倍量の二酸化炭素に5%のエタノールを添加し、40℃、45MPaの条件下で超臨界抽出を2時間行った。得られたクロモジエキスよりエタノールを減圧留去すると、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン7.5%、3,5−ヒドロキシスチルベン5.3%を含有する褐色の軟エキス37.2gを得た。
更に、本軟エキスに70%エタノール(EtOH)1,000mLを加え、加熱環流を1時間行い、一昼夜放置し不溶化した。
オイル状物質を濾過除去することにより、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン9.6%、3,5−ヒドロキシスチルベン6.7%を含有する褐色のエキス30.1gを得た(調製例11)。
【0077】
〈超臨界抽出によるクロモジエキスの調製−2〉
上記と同様に中国産クロモジ枝乾燥物1kgを40℃に加温した70%エタノール10Lで抽出、減圧濃縮してクロモジエキス70gを得た。脱色の目的で700gのセルロースパウダーに均一に分散、吸着させたものについて、100倍量の二酸化炭素に5%のエタノールを添加し、40℃、45MPaの条件下で超臨界抽出を2時間行った。得られたクロモジエキスよりエタノールを減圧留去すると、3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン10.6%、3,5−ヒドロキシスチルベン3.0%を含有する褐色の軟エキス42gを得た(調製例12)。
【0078】
〔実験例1〕
〔I〕抗微生物活性の評価(単純水溶液系)
殺菌抗菌剤の併用による抗菌活性の判定は、以下に示す方法に従って測定した。
調製例10のクロモジエキス、調製例7の3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン、又は調製例6の3,5−ジヒドロキシスチルベンは、50%のエタノール水溶液に溶解し、2倍系列希釈を作成した(A液)。一方、併用する殺菌抗菌剤等の表1に示す化合物は蒸留水又は50%のエタノール水溶液に溶解し、同様に系列希釈を作成した(B液)。これらA液、B液と培地を1:1:93の割合で混合したもの190μLを96穴のマイクロプレートに分注し、チェッカーボード法により評価した。被験菌株にはプレボテラ メラニノゲニカ(Prevotella melaninogenica)ATCC25845株、スタフィロコッカス アウレウス(Staphyrococcus aureus)ATCC6538株を用い、550nmにおける濁度を0.2とした菌液10μLをマイクロプレートの各ウェルに添加し培養した。培養後、被験菌の生育を認めない濃度(MIC:最小発育阻止濃度、μg/mL)からFICインデックス(Fractional Inhibitory Concentration index)を算出した。
なお、使用培地はプレボテラ メラニノゲニカには、5mg/L ヘミン(Sigma社製)及び1mg/L ビタミンK(和光純薬工業社製)を含むトッドへヴィットブロス(Becton and Dickinson社製)〔THBHM〕により、スタフィロコッカス アウレウスはミューラーヒントンブロス(Becton and Dickinson社製)を用いた。なお、培養は、37℃で嫌気的条件下(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)において24時間行い、FICインデックスは下記の式を用い算出し、下記基準により併用効果を判定した。結果を表1に示す。
【0079】
算出式: FICインデックス=A/A0+B/B0
A:クロモジエキス、殺菌抗菌剤併用時でのクロモジエキスのMIC
A0:クロモジエキス単独でのMIC
B:クロモジエキス、殺菌抗菌剤併用時での殺菌抗菌剤のMIC
B0:殺菌抗菌剤単独でのMIC
以下の基準(FICインデックス)により併用効果の有無を判定した。
2より大きい :拮抗作用
2以下〜1より大きい:相加作用
1以下 :相乗効果
【0080】
【表1−1】

【0081】
【表1−2】

【0082】
〔実験例2〕
〔II〕悪臭物質産生抑制効果の評価
調製例10のクロモジエキス、調製例6の3,5−ジヒドロキシスチルベン、調製例7の3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン、比較調製例1のクロモジエキスを用い、下記方法で悪臭物質産生抑制効果を評価した。結果を表2に記載した。
(i)菌体粗酵素液の調製
ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)ATCC33277株、及びプレボテラ インターメディア(Prevotella intermedia)ATCC25611株は、実験例1と同様にTHBHM液体培地を用いて定常状態まで培養した。8,000rpmで10分の遠心集菌後、550nmにおける濁度が2.0になるように菌液をリン酸緩衝生理食塩水(PBS:和光純薬工業(株))に懸濁し、プロテアーゼインヒビターカクテルセット2(カルビオケム)を標準濃度で添加し、氷冷しながら3分間、超音波により菌体を破砕した。菌体破砕液は、14,000rpmで20分、4℃で冷却遠心することにより、上清を採取し粗酵素液とした。
【0083】
(ii)細菌酵素阻害によるイソ吉草酸産生抑制効果の評価
上記粗酵素液1mLにイソ吉草酸の基質となるL−ロイシン(和光純薬工業(株))及びα−ケトグルタル酸(和光純薬工業(株))のPBS溶液を終濃度各々2.5mMになるように添加したものに、表2に示す被験サンプルのエタノール溶液又は水溶液を表2に記載の濃度になるように添加し、2mLの反応系において37℃で6時間反応させた。
反応液1mLを硫酸酸性下、酢酸エチル2mLで抽出した後、酢酸エチル層1μLを下記条件のガスクロマトグラフにより分析し、コントロールに対するイソ吉草酸(VFA)産生抑制率(%)を算出した。コントロールは、被験サンプル無添加でのイソ吉草酸産生量である。
〈ガスクロマトグラフ条件〉
カラム:FFAP+H3PO4カラム(信和化工(株))
カラム温度:130℃から210℃まで昇温
検出器:FID、230℃((株)島津製作所)
キャリアーガス:窒素(50mL/分)
【0084】
(iii)揮発性硫黄化合物産生抑制効果の評価
ポルフィロモナス ジンジバリスの粗酵素液1mLにL−システイン、L−メチオニン(和光純薬工業(株))を各々終濃度で1mM添加、表2に示す被験サンプルのエタノール溶液又は水溶液を所定の濃度添加し、PBSで全量3mLにした。このものを33mLの滅菌試験管に入れ、シリコン栓で密栓した後、37℃で1時間反応させた。反応後、試験管内の気相5mLを、下記条件のガスクロマトグラフにより分析し、メチルメルカプタン及び硫化水素の総和(VSC量)より、コントロールに対するVSC産生抑制率(%)を算出した。なお、コントロールは被験サンプル無添加でのVSC産生量である。
【0085】
〈ガスクロマトグラフ条件〉
充填剤:DNP 20% Chromosorb WAW DMCS
(GLサイエンス)
カラム温度:70℃
検出器:FPD、130℃((株)島津製作所)
キャリアーガス:窒素(50mL/分)
【0086】
上記イソ吉草酸産生抑制率及びメチルメルカプタン及び硫化水素産生抑制率から下記の判定基準により悪臭物質産生抑制効果を判定し表中に記載した。
×:抑制率が30%未満
△:抑制率が30%以上〜50%未満
○:抑制率が50%以上〜75%未満
◎:抑制率が75%以上〜90%未満
☆:抑制率が90%以上
【0087】
【表2−1】

【0088】
【表2−2】

【0089】
〔実験例3〕
〔III〕洗口剤の口腔バイオフィルムに対する抗微生物活性及び悪臭物質産生抑制効果等の評価
表3に示す組成の洗口剤組成物を常法により調製し、下記方法で評価した。結果を表3に示す。
(i)口腔バイオフィルムに対する抗微生物活性及び悪臭物質産生抑制効果の評価
バイオフィルム作成に用いた担体はTypeIコラーゲン酸性溶液((株)高研)を終濃度0.4%になるように中和し36℃で一晩ゲル化させたものを用いた。使用菌株はポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)ATCC33277株、プレボテラ インターメディア(Prevotella intermedia)ATCC25611株、フゾバクテリウム ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)ATCC10953株、アクチノマイセス ビスコサス(Actinomyces visucosus)ATCC43146株を用い、BMM培地*を用いてコラーゲンゲルとともに7日間連続培養を行い、これら口腔微生物のバイオフィルムをコラーゲンゲル上に形成させた。被験サンプルは培養5日目から1日2回適用した。即ち、培養5日目に培養槽よりゲルを取り出し、表3に示す被験サンプル4mLの入った容器に3分間浸漬させた後PBSで7回洗浄し培養槽に戻す操作を行った。培養終了の7日目に、同様にゲルを被験サンプルで処理した後、BMM培地4mLとともに容量100mLの容器に入れシリコン栓で密閉した後、37℃で嫌気的条件下(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)で6時間培養した。容器内の気相をシリンジに採取し、専門パネラー4名により臭気の質及び強度を繰り返し評価し、以下の評価基準で官能評価した。
一方、ゲルは4mLの培養液とともに超音波処理によりバイオフィルムを分散し、PBSで10倍段階希釈を施した後、血液寒天平板**に塗抹、嫌気的に2週間培養することにより生育したコロニーを計測しバイオフィルム中の生存細菌数を求めた。なお、コントロールには比較例1で処理したバイオフィルムを同様に培養したものを用いた。
【0090】
*BMMの組成:1リットル中の質量で表す。
プロテオースペプトン(Becton and Dickinson社製):
4g/L
トリプトン(Becton and Dickinson社製): 2g/L
イーストエキス(Becton and Dickinson社製):2g/L
ムチン(Sigma社製): 5g/L
ヘミン(Sigma社製): 2.5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 0.5mg/L
KCl(和光純薬工業社製): 1g/L
システイン(和光純薬工業社製): 0.2g/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップした。)
【0091】
**血液寒天平板培地の組成:1リットル中の質量で表す。
トッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製):
30g/L
寒天(Becton and Dickinson社製): 15g/L
ヘミン(Sigma社製): 5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 1mg/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップした。)
【0092】
バイオフィルム抑制の評価基準
◎:試験後の生育コロニー数が、コントロールと比較して1/1,000以下
○:試験後の生育コロニー数が、コントロールと比較して1/1,000を超えて1/
100以下
△:試験後の生育コロニー数が、コントロールと比較して1/100を超えて1/
10以下
×:試験後の生育コロニー数が、コントロールと比較して1/10を超える
【0093】
悪臭の官能評価の評価基準
対象サンプルを揮発性硫黄化合物臭、揮発性硫黄化合物臭以外の揮発性脂肪酸臭を含む臭いに分け官能評価を実施した。
4点:コントロールと比較して、非常に弱い臭いである。
3点:コントロールと比較して、弱い臭いである。
2点:コントロールと比較して、やや弱い臭いである。
1点:コントロールと同等のにおいである。
専門パネラー3名の平均値を算出し、下記評価基準で臭いの生成抑制効果を評価した。
◎:3.5点以上
○:3.0点以上、3.5点未満
△:2.0点以上、3.0点未満
×:1.0点以上、2.0点未満
【0094】
(ii)着色の評価
表に示した洗口剤組成物を、比較例1を対照品として、目視により下記基準により評価した。
◎:対照品と比較して着色がほとんど認められない。
○:対照品と比較して着色が認められるが組成物として問題とならないレベルである。
△:対照品と比較して着色が認められ、使用量によっては問題となるレベルである。
×:対照品と比較して明らかな着色が認められ、組成物として問題となるレベルである。
【0095】
(iii)製剤安定性の評価
製剤の安定性試験
表に示した洗口剤組成物を、−5℃及び60℃で1ヶ月間保存後、−5℃で1ヶ月保存品を対照品として、60℃で1ヶ月保存品の変色状態を目視により下記基準により評価した。なお、表中には変色と記して結果を示した。
変色の評価基準
◎:対照品と比較して色の変化が認められない。
○:対照品と比較して色の変化がほとんど認められない。
△:対照品と比較して色の変化がやや認められる。
×:対照品と比較して色の変化が認められる。
【0096】
【表3】

【0097】
〔実験例4〕
〔IV〕保存後の使用感(香味変化改善)の評価
表4に示す洗口剤組成物について、−5℃及び60℃で1ヶ月間保存したもの10mLを口に含み、30秒間すすいだ後の製剤の香味について対照品(−5℃で1ヶ月保存品)との比較で4段階評価を行い、判定者5名の平均値を取り判定した。評価基準及び判定基準は下記のとおりである。
評価基準
4:対照品と比較して香味変化が認められない。
3:対照品と比較して香味変化が同等でほとんど認められない。
2:対照品と比較してやや香味変化が認められる。
1:対照品と比較して明らかな香味変化が認められる。
判定基準
○:平均点が3.0点以上
△:平均点が2.0点以上、3.0点未満
×:平均点が1.0点以上、2.0点未満
【0098】
【表4】

【0099】
〔実験例5〕
〔V〕キャンディの口臭抑制効果
全身的に疾患を有さない健常人4名(年齢40〜49歳)を被験者に用い、試験3日前より舌清掃を停止、24時間前より一切の口腔清掃を停止した。試験当日、起床後の口腔清掃及び飲食を停止し、1分間口閉じ後の口腔内の気体(口気)をブレストロン(新コスモス電機(株))を用いて揮発性硫黄化合物を分析した。その後、口気を専門パネラー2名により臭気の強度及び質を以下の評価基準で官能評価した。なお、表5に記載した被験キャンディ(1g/個)は試験3日前より1日3回、1回2個を噛まずに口腔内で溶解し摂取した。官能評価のデータは下記の判定基準に従い2名の平均値により評価した。
【0100】
〔口臭の強度の判定基準〕
○:効果がある(6段階臭気強度平均値:2以下)
△:効果がややある(6段階臭気強度平均値:2を超えて4未満)
×:効果がほとんどない(6段階臭気強度平均値:4以上)
《6段階臭気強度》
0:無臭
1:やっと感知できるにおい
2:何のにおいかわかる弱いにおい
3:らくに感知できるにおい
4:強いにおい
5:強烈なにおい
〔口臭の質の判定基準〕
◎:揮発性硫黄化合物臭以外の嫌な臭いがほとんどない
○:揮発性硫黄化合物臭以外の嫌な臭いをわずかに感じる
△:揮発性硫黄化合物臭以外の嫌な臭いを感じる
×:容易に判定できる揮発性硫黄化合物臭以外の重い嫌な臭いがある
【0101】
【表5】

【0102】
〔実験例6〕
〔VI〕クロモジエキス配合製剤の評価
調製例のクロモジエキスを配合して表6,7に記載の組成の製剤を常法により調製し、下記方法で評価した。結果を表6,7に記載した。
(i)体臭抑制効果の評価
表6に示す組成の化粧料を被験者10名の片方の腋下に塗布し、あらかじめ洗浄したガーゼを両腋部に縫いつけたシャツを着用した。24時間着用後のガーゼに付着した体臭を専門パネラーにより以下の評価基準で官能評価した。なお、被験者は試験3日前から他のデオドラント剤の使用を禁止し、試験前日には無香料のボディソープを使用した。また、組成物の着色度及び保存後の変色度は前述した判定基準により評価した。
【0103】
官能評価の評価基準:
4点:未塗布部より、全く臭わない。
3点:未塗布部より、臭わない。
2点:未塗布部より、やや臭わない。
1点:未塗布部と同等の臭いである。
被験者10名の結果について以下の評価基準で臭いの生成抑制効果を評価した。
評価基準:
◎:3点以上の人数が8〜10名であった。
○:3点以上の人数が6〜7名であった。
△:3点以上の人数が3〜5名であった。
×:3点以上の人数が0〜2名であった。
【0104】
なお、化粧料は下記容器を使用し、表中の原液/液化石油ガス(0.15MPa/20℃)の割合により収容した。
使用容器:東洋製罐(株)製アルミニウム缶+日本プリシジョンバルブ(株)製ストレートシャンクションバルブ
【0105】
【表6】

【0106】
(ii)生ゴミ臭抑制効果の評価
約2cm角に切断したキャベツ及び、ひき肉、ご飯各20gを生ゴミとして450mLのガラスビン内に入れ、開放系で24時間放置したものに対し、スプレー容器を用いて表7に示す組成の防臭組成物1gをガラスビン内全体が濡れるように噴霧した。密閉して35℃で2日間放置し、ビン内の臭気強度を6段階臭気強度表示法によりパネラー3名で評価し、その平均により生ゴミ臭抑制効果を下記の評価基準に従って評価した。また、組成物の着色度及び保存後の変色度を前述した判定基準により評価した。
【0107】
生ゴミ臭抑制効果の評価基準:
○:効果がある(6段階臭気強度平均値:2以下)
△:効果がややある(6段階臭気強度平均値:2を超えて4未満)
×:効果がほとんどない(6段階臭気強度平均値:4以上)
6段階臭気強度表示法:
0:無臭
1:やっと感知できる臭い
2:何の臭いかわかる弱い臭い
3:らくに感知できる臭い
4:強い臭い
5:強烈な臭い
【0108】
【表7】

【0109】
以下、処方例を示す。なお、処方例中、香料A〜Gと記載の香料の組成は以下の通りである。
【表8】

【0110】
*フルーツミックスフレーバーFM3000(調合香料)
ストロベリーフレーバー 40%
アップルフレーバー 15
メロンフレーバー 17
バナナフレーバー 10
ピーチフレーバー 5
オレンジ油 2.5
ラズベリーフレーバー 2.0
パイナップルフレーバー 1.5
グレープフレーバー 1.0
トロピカルフルーツフレーバー 1.5
ミルクフレーバー 1.0
グレープフルーツ油 0.5
レモン油 0.5
ローズ油 0.2
溶剤 残
合計 100.0%
【0111】
〔処方例1〕練歯磨
炭酸カルシウム 40.0%
プロピレングリコール 4.0
グリセリン 20.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.5
酸化チタン 0.5
ラウリル硫酸ナトリウム 0.8
サッカリンナトリウム 0.1
パラオキシ安息香酸エチル 0.1
調製例10のクロモジエキス 0.02
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0028
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0033)
イソプロピルメチルフェノール 0.05
エリスリトール 5.0
香料A 1.0
精製水 残
計 100.0%
【0112】
〔処方例2〕液状歯磨
グリセリン 25.0%
ソルビット液(70%水溶液) 25.0
プロピレングリコール 5.0
無水ケイ酸 0.3
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1.0
サッカリンナトリウム 0.2
安息香酸ナトリウム 0.3
調製例11のクロモジエキス 0.05
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0048
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0034)
グルコン酸銅 0.05
ラウロイルサルコシン酸ナトリウム 0.1
キシリトール 1.0
香料B 1.0
精製水 残
計 100.0%
【0113】
〔処方例3〕洗口剤
プロピレングリコール 4.0%
グリセリン 2.0
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.3
サッカリンナトリウム 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
香料E 1.0
調製例10のクロモジエキス 0.02
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0028
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0033)
チモール 0.01
塩化セチルピリジニウム 0.03
エリスリトール 10.0
精製水 残
計 100.0%
【0114】
〔処方例4〕口腔用パスタ
セタノール 10.0%
スクワラン 20.0
沈降性シリカ 5.0
ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油 0.1
ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.2
サッカリンナトリウム 0.6
調製例10のクロモジエキス 0.2
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0282
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0332)
ヒノキチオール 0.02
塩化ベルベリン 0.1
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05
パラチニット 2.0
香料C 0.6
精製水 残
計 100.0%
【0115】
〔処方例5〕口腔用トローチ
アラビアガム 6.0%
ブドウ糖 36.0
パラチノース 36.0
エリスリトールで10倍散にした調製例10のクロモジエキス
3.0
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0423
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0498)
塩酸アルキルジアミノエチルグリシン 0.1
クエン酸亜鉛 0.1
オイゲノール 0.05
香料D 1.3
精製水 残
計 100.0%
【0116】
〔処方例6〕チューイングガム
ガムベース 20.0%
砂糖 15.0
イソマルトース 20.0
パラチノース 8.0
キシリトール 10.0
コーンシロップ 12.0
調製例9のクロモジエキス 0.2
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.019
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.030)
銅クロロフィリンナトリウム 0.1
香料F 0.6
水飴 残
計 100.0%
【0117】
〔処方例7〕キャンディ
砂糖 50.0%
水飴 33.0
有機酸 2.0
香料G 0.2
調製例11のクロモジエキス 0.3
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0288
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0201)
銅クロロフィリンナトリウム 0.05
パラチニット 5.0
オイゲノール 0.01
精製水 残
計 100.0%
【0118】
〔処方例8〕消臭スプレー
発酵エタノール 40.0%
クエン酸 0.03
調製例10のクロモジエキス 0.2
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0282
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0332)
銀ゼオライト 0.02
塩化ベンゼトニウム 0.02
精製水 残
計 100.0%
【0119】
〔処方例9〕制汗剤
イシリン 1.0%
クロルヒドロキシアルミニウム 20.0
エタノール 35.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.6
PPG5−CETETH−20 2.0
調製例9のクロモジエキス 0.3
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0287
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0456)
硫酸銅 0.02
塩化ベンザルコニウム 0.02
香料 0.5
精製水 残
計 100.0%
【0120】
〔処方例10〕ニキビ治療剤
流動パラフィン 3.0%
スクワラン 10.0
セトステアリルアルコール 4.0
ミツロウ 2.0
モノステアリン酸グリセリン 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート 2.0
グリコール酸 0.2
サリチル酸 0.1
局方イオウ 5.0
ジグリセリン 5.0
調製例12のクロモジエキス 0.1
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.011
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.003)
塩化亜鉛 0.5
アネトール 0.02
精製水 残
計 100.0%
【0121】
〔処方例11〕石鹸
脂肪酸ナトリウム 80.0%
パルミチン酸 4.0
調製例10のクロモジエキス 0.5
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0705
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.083)
イソプロピルメチルフェノール 0.02
トリクロサン 0.03
1,8−シネオール 0.02
酸化チタン 0.2
香料 0.8
精製水 残
計 100.0%
【0122】
〔処方例12〕ハンドクリーム
流動パラフィン 10.0%
植物性スクワラン 5.0
ホホバ油 3.0
ジメチルシリコーン 2.0
イソプロピルミリステート 1.5
デカグリセリンモノイソステアレート 1.0
デカグリセリントリイソステアレート 0.5
グリセリンモノステアレート 1.0
ステアリン酸 1.5
ポリオキシエチレン(20)グリセリルモノステアレート 0.8
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリイソプロパノールアミン 0.1
エタノール 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.1
クエン酸 0.1
調製例11のクロモジエキス 0.5
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.048
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0335)
塩化亜鉛 0.02
オイゲノール 0.02
香料 0.05
精製水 残
計 100.0%
【0123】
〔処方例13〕台所用洗剤
n−ヘキシルグリコシド(グルコース平均縮合度1.3モル)
5.0%
パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド 10.0
リンゴ酸ナトリウム 0.5
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.02
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.01
カルバクロール 0.2
リモネン 0.02
精製水 残
計 100.0%
【0124】
〔処方例14〕ハンドソープ
ラウリン酸カリウム 8.0%
ミリスチン酸カリウム 4.0
モノ−N−ラウリルリンゴ酸アミン 1.0
プロピレングリコール 10.0
ヤシ脂肪酸ジエタノールアミン 5.0
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム・二水和物 0.1
炭酸カリウム 3.0
香料 0.1
調製例11のクロモジエキス 0.1
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0096
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0067)
イソプロピルメチルフェノール 0.02
メントール 0.01
精製水 残
計 100.0%
【0125】
〔処方例15〕顆粒状義歯洗浄剤
モノ過硫酸水素カリウム 10.0%
過硼酸ナトリウム 45.0
トリポリリン酸ナトリウム 20.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
アルカラーゼ 0.5
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4.0
乳糖 2.0
香料 1.0
調製例9のクロモジエキス 0.1
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0096
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0152)
塩化ベンゼトニウム 0.05
チモール 0.05
ラクチトール 5.0
硫酸ナトリウム 残
計 100.0%
【0126】
〔処方例16〕お茶飲料
昆布茶 88.55%
調製例9のクロモジエキス 0.2
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.019
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.030)
銅クロロフィリンナトリウム 0.05
アラビトール 1.0
L−システイン 0.2
梅エキス 10.0
計 100.0%
【0127】
〔処方例17〕うがい用錠剤
炭酸水素ナトリウム 53.0%
クエン酸 18.0
無水硫酸ナトリウム 12.0
第2リン酸ナトリウム 10.0
ポリエチレングリコール 3.0
香料 1.9
調製例10のクロモジエキス 2.0
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.282
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.332)
塩化セチルピリジニウム 0.02
チモール 0.02
グルコン酸銅 0.05
メントール 0.01
計 100.0%
【0128】
〔処方例18〕口中清涼剤
エタノール 30.0%
キシリトール 5.0
エリスリトール 5.0
香料 2.0
ポリオキシエチレン(EO60)硬化ヒマシ油 1.5
調製例9のクロモジエキス 0.3
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0287
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0456)
チモール 0.02
メントール 0.02
精製水 残
計 100.0%
【0129】
〔処方例19〕ドリンク剤
ブドウ糖 1.35%
果糖 1.35
乳成分 0.1
調製例11のクロモジエキス 0.3
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.0288
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.0201)
銅クロロフィリンナトリウム 0.02
塩化ナトリウム 0.029
ビタミンC 0.03
ビタミンB1 0.00022
クエン酸 0.01
リンゴ酸 0.01
香料 0.01
水 残
計 100.0%
【0130】
〔処方例20〕グミ
砂糖 30.0%
水飴 52.7
ゼラチン 8.0
果汁 2.0
クエン酸 0.5
リンゴ酸 0.5
香料 0.5
調製例10のクロモジエキス 0.5
(純分換算値:
(1)3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン 0.071
(2)3,5−ジヒドロキシスチルベン 0.083)
銅クロロフィリンナトリウム 0.2
キシリトール 5.0
1,8−シネオール 0.1
計 100.0%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)と殺菌抗菌剤とからなる抗微生物剤。
【請求項2】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)と殺菌抗菌剤とからなる抗微生物剤。
【請求項3】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物と殺菌抗菌剤とからなる抗微生物剤。
【請求項4】
殺菌抗菌剤が、非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、並びに殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物から選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の抗微生物剤。
【請求項5】
殺菌抗菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、チモール、カルバクロール、トリクロサン、シネオール、リモネン、ヒノキチオール、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベルベリン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、硫酸銅、銀ゼオライト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛から選ばれる請求項4記載の抗微生物剤。
【請求項6】
更に、メントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を含む請求項1〜5のいずれか1項記載の抗微生物剤。
【請求項7】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
【請求項8】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
【請求項9】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
【請求項10】
殺菌抗菌剤が、非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、並びに殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物から選ばれる1種以上である請求項7〜9のいずれか1項記載の口腔用組成物。
【請求項11】
殺菌抗菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、チモール、カルバクロール、トリクロサン、シネオール、リモネン、ヒノキチオール、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベルベリン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、硫酸銅、銀ゼオライト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛から選ばれる請求項10記載の口腔用組成物。
【請求項12】
更に、メントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を含む請求項7〜11のいずれか1項記載の口腔用組成物。
【請求項13】
更に、糖アルコールを含有する請求項7〜12のいずれか1項記載の口腔用組成物。
【請求項14】
糖アルコールが、キシリトール、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニットから選ばれる1種以上である請求項13記載の口腔用組成物。
【請求項15】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする皮膚又は毛髪用化粧料。
【請求項16】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする皮膚又は毛髪用化粧料。
【請求項17】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする皮膚又は毛髪用化粧料。
【請求項18】
殺菌抗菌剤が、非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、並びに殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物から選ばれる1種以上である請求項15〜17のいずれか1項記載の皮膚又は毛髪用化粧料。
【請求項19】
殺菌抗菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、チモール、カルバクロール、トリクロサン、シネオール、リモネン、ヒノキチオール、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベルベリン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、硫酸銅、銀ゼオライト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛から選ばれる請求項18記載の皮膚又は毛髪用化粧料。
【請求項20】
更に、メントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を含む請求項15〜19のいずれか1項記載の皮膚又は毛髪用化粧料。
【請求項21】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする洗浄用組成物。
【請求項22】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする洗浄用組成物。
【請求項23】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする洗浄用組成物。
【請求項24】
殺菌抗菌剤が、非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、並びに殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物から選ばれる1種以上である請求項21〜23のいずれか1項記載の洗浄用組成物。
【請求項25】
殺菌抗菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、チモール、カルバクロール、トリクロサン、シネオール、リモネン、ヒノキチオール、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベルベリン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、硫酸銅、銀ゼオライト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛から選ばれる請求項24記載の洗浄用組成物。
【請求項26】
更に、メントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を含む請求項21〜25のいずれか1項記載の洗浄用組成物。
【請求項27】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする飲食品。
【請求項28】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)及び3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする飲食品。
【請求項29】
3,5−ジヒドロキシ−2−メンテニルスチルベン(A)を固形分の1質量%以上及び/又は3,5−ジヒドロキシスチルベン(B)を固形分の1質量%以上含有するクロモジ又はその亜種からの抽出物と殺菌抗菌剤とを含有してなることを特徴とする飲食品。
【請求項30】
殺菌抗菌剤が、非イオン性殺菌抗菌剤、カチオン性殺菌抗菌剤、両性殺菌抗菌剤、並びに殺菌抗菌作用を有する銅、銀及び亜鉛化合物から選ばれる1種以上である請求項27〜29のいずれか1項記載の飲食品。
【請求項31】
殺菌抗菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、チモール、カルバクロール、トリクロサン、シネオール、リモネン、ヒノキチオール、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベルベリン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、硫酸銅、銀ゼオライト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛から選ばれる請求項30記載の飲食品。
【請求項32】
更に、メントール、アネトール、ペパーミントオイル、スペアミントオイルから選ばれる1種以上を含む請求項27〜31のいずれか1項記載の飲食品。
【請求項33】
更に、糖アルコールを含有する請求項27〜32のいずれか1項記載の飲食品。
【請求項34】
糖アルコールが、キシリトール、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニットから選ばれる1種以上である請求項33記載の飲食品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−1701(P2013−1701A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138135(P2011−138135)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】